(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、車載器で検出された車両の走行状態からハザードマップを作成した場合、車載器により記録された位置情報などのデータの正確性が低下していると、データベースとして蓄積されるハザードマップの危険箇所の情報も正確性が低下したり、危険箇所の情報が不足するという問題が発生した。
【0006】
また、管理者が地図から危険箇所を選択する場合、地図上で選択した危険箇所と実際の危険箇所との間で、ずれが生じる可能性があった。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、危険地点の情報を地図上に的確に登録できるハザードマップ作成システム、ハザードマップ作成装置及びハザードマップ作成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明に係るハザードマップ作成システムは、下記(1)または(2)を特徴としている。
(1) 車両に搭載され、少なくとも前記車両の前方画像を連続的に撮影する撮影装置と、
前記車両の外部に設置され、車両の走行に影響を及ぼす可能性のある危険地点を地図上に登録しハザードマップを作成するハザードマップ作成装置と、を備え、
前記ハザードマップ作成装置は、前記前方画像と前記前方画像が撮影された地点を含む地図とを表示する表示部と、
前記表示部に表示されている前方画像に合わせて
利用者によって危険地点を登録するための登録操作が前記表示部に対して行われることに基づいて、
前記登録操作が行われた時点にて前記表示部に表示されている前記前方画像が示す地点に対応する前記地図上の位置を、前記危険地点として登録する登録部と、を有する、
ことを特徴とするハザードマップ作成システム。
【0009】
上記(1)の構成のハザードマップ作成システムによれば、利用者は、撮影装置で撮影された画像を基に危険地点を登録できるので、登録される危険地点が実際の危険地点からかい離することを抑制でき、正確性の高いハザードマップを作成することができる。
【0010】
(2) 前記ハザードマップ作成装置は、前記地図上に登録された危険地点を、前記車両の進行方向と垂直方向に補正する補正部を有する、
ことを特徴とする上記(1)に記載のハザードマップ作成システム。
【0011】
上記(2)の構成のハザードマップ作成システムによれば、地図上に登録された地点を、登録操作により前方画像が撮像された地点に対応するように、地図上の位置を補正することができ、正確なハザードマップを作成することができる。例えば、利用者が撮影された画像を見ながら危険地点を登録したことにより、進行方向に対する位置は正しく反映されたものの、地図上に登録された危険地点の位置と実際の危険地点との車線が異なったとする。この場合にも、利用者は、登録された危険地点を進行方向に対し垂直に補正できるので、実際の危険地点と同じ車線に容易に一致させることができる。
【0012】
また、本発明に係るハザードマップ作成装置は、下記(3)を特徴としている。
(3) 車両の走行に影響を及ぼす可能性のある危険地点を地図上に登録しハザードマップを作成するハザードマップ作成装置において、
連続的に撮影された車両の前方画像を取得する取得部と、
取得した前記前方画像と前記前方画像が撮影された地点を含む地図とを表示する表示部と、
前記表示部に表示されている前方画像に合わせて
利用者によって危険地点を登録するための登録操作が前記表示部に対して行われることに基づいて、前記登録操作が行われた時点にて前記表示部に表示されている前記前方画像が示す地点に対応する前記地図上の位置を、前記危険地点として登録する登録部と、
を有する、
ことを特徴とするハザードマップ作成装置。
【0013】
上記(3)の構成のハザードマップ作成装置によれば、外部で撮影された画像を基に、危険地点の情報を、ハザードマップとして、地図上に的確に登録できる。
【0014】
また、本発明に係るハザードマップ作成方法は、下記(4)を特徴としている。
(4) 車両の走行に影響を及ぼす可能性のある危険地点を地図上に登録しハザードマップを作成するハザードマップ作成方法において、
車両
の前方画像が連続的に撮影された画像データを取得し、
取得した前記
前方画像と、前記画像データが撮影された地点を含む地図と、を対応付けて
表示部に表示させ、
利用者によって危険地点を登録するための登録操作が前記表示部に対して行われることに基づいて、前記登録操作が行われた時点にて前記表示部に表示されている前記前方画像が示す地点に対応する前記地図上の位置を、前記危険地点として登録する、
ことを特徴とするハザードマップ作成方法。
【0015】
上記(4)の構成のハザードマップ作成方法によれば、撮影された画像を基に、危険地点の情報を、ハザードマップとして、地図上に的確に登録できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、危険地点の情報を地図上に的確に登録できる。
【0017】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態におけるハザードマップ作成システム5の構成を示すブロック図である。ハザードマップ作成システム5は、ハザードマップ(事故危険箇所マップ)hmpを作成するものであり、車両に搭載された車載器であるドライブレコーダ10と、ハザードマップ作成装置としての機能を有し、事務所に設置されたコンピュータ装置(事務所PCという)30とを含む構成を有する。ハザードマップhmpは、危険箇所の位置が登録されたあるいは登録可能な地図である。また、危険箇所とは、車両の走行に影響を及ぼす可能性のある危険地点のことである。
【0021】
なお、ハザードマップ作成システムは、事務所PCのみにより構成されていてもよいが、本実施形態では、ドライブレコーダ等の車載器と、事務所PCを含めた構成を示す。また、本実施形態では、ハザードマップ作成装置は、事務所PC30により構成されているが、ドライブレコーダと共に、車両に搭載されていてもよい。
車両の外部に設置される場合、ハザードマップ作成装置は、ドライブレコーダと無線通信で接続され、ドライブレコーダで撮像された映像の画像データ及び運転データ等を受信する。また、ハザードマップ作成装置は、メモリカードに記録された画像データの映像あるいはドライブレコーダから無線通信で送信された画像データに対して事後的に危険箇所を登録するものであるが、ハザードマップ作成装置が車両に搭載されている場合には、走行中、ドライブレコーダによってリアルタイムに撮像される映像に対して危険箇所を登録できるようにしてもよい。また、車両に搭載される場合には、ハザードマップ作成装置は、運転者、助手席に座る同乗者、管理者、一般利用者等(運転者等という)が操作可能である。また、本実施形態では、車載器として、ドライブレコーダが用いる場合を示すが、カメラ付きのデジタルタコグラフ等が用いられてもよい。
【0022】
ドライブレコーダ10は、CPU11、RAM22、ROM23、映像メモリ26、データ処理部24、画像処理部13、カメラ16、加速度(G)センサ14、スピーカ20、カードI /F18、速度I/F12、GPS_I/F15及び電源I/F25を有する。
【0023】
CPU11は、ドライブレコーダ10の各部を統括的に制御する。RAM22は、CPU11が動作プログラムを実行する際に一時的にデータが記憶されるワーキングメモリとして使用される。ROM23は、CPU11が実行する動作プログラムを格納する。映像メモリ26は、カメラ16で撮像され、画像処理部13で画像処理された画像データを記憶する。
【0024】
速度I/F12は、自車両の速度を検出する速度センサ(図示)からの速度パルスを受信する。GPS_I/F15は、GPSデータを受信し、現在時刻及び自車両の現在位置情報(GPS情報)を取得する。Gセンサ14は、車両に加わる衝撃(加速度)をG値として検知する。
【0025】
カメラ16は、フロントウインドウ、左右のドア外側、リアウインドウ等に設置される1つもしくは複数の高画質カメラであり、車両の前方画像、車両の左右の側方画像、車両の後方画像、車室内の画像等を撮像する。カメラ16で撮像される画像は、連続的に撮像された動画である。また、カメラ16で撮像される画像は、短時間(例えば1秒)毎に繰り返し撮像される静止画を繋ぎ合わせたスライドショーのような画像であってもよい。
【0026】
画像処理部13は、カメラ16で撮像された画像に対して画像処理を施し、走行中の車線位置を検出する処理等を行う。走行中の車線位置を検出する処理は、特開2009−211715号公報、特開2001−114048号公報、特開2001−116567号公報等に記載されているように、公知の技術である。例えば、画像処理部13は、カメラ16で路面を撮像して得られた画像を俯瞰画像に変換し、この俯瞰画像の輝度を車両進行方向に平行に積分し、進行方向に垂直な方向に対する輝度プロファイルを求めることで、白線の位置及び車線位置を検出する。また、例えば、画像処理部13は、カメラ16で撮像された車両前方の画像に対して画像認識処理を行い、道路上の3本の白線(左側の車道外側線、センターライン(中央線)、右側の車道外側線)を認識する。さらに、画像処理部13は、3本の白線が消失点に向かう方向の角度を算出し、2本の白線の角度が他の1つの白線の角度と大きく異なる場合、2本の角度の内側にある車線位置を検出する。なお、本実施形態では、画像処理部が車線位置を検出したが、車線位置の検出処理は、CPU11が行い、画像処理部13は、単に画像データの圧縮処理等を行う構成であってもよい。
【0027】
データ処理部24は、CPU11からの指示に従い、カードI/F18に対し、カメラ16で撮像された画像の画像データや、自車両の速度等を含む運転データ、自車両の現在位置を表すGPS情報(緯度、経度)等のデータを出力する。カードI/F18は、挿抜自在に接続されるメモリカード55に対し、画像データ、運転データ、GPS情報等のデータの書き込み及び読み出しを行う。メモリカード55は、事務所PC30に挿抜自在に挿入され、メモリカード55に記録されたデータは、事務所PC30内の記憶部34に保存される。
【0028】
スピーカ20は、各種の音声を発する。電源I/F25は、イグニッションスイッチを介してバッテリに接続され、イグニッションスイッチのオン時に各部に電源を供給する。
【0029】
事務所PC30は、汎用オペレーティングシステムで動作するコンピュータ装置(PC)で構成される。事務所PC30は、車両の運行管理装置として機能し、CPU31、通信部32、記憶部34、カードI/F35、出力部37、音声I/F38、ストレージ48、表示部62、及び操作部63を有する。
【0030】
CPU31は、事務所PC30の全体を制御する。通信部32は、ネットワークに接続される各種の機器と通信可能である。記憶部34は、ハザードマップ作成プログラム等を記憶する。
【0031】
カードI/F35には、メモリカード55が挿抜自在に装着され、ドライブレコーダ10からの画像データ等が入力される。出力部37は、各種データをプリンタ45に出力し、印刷を行わせる。音声I/F38には、マイク41及びスピーカ42が接続される。
【0032】
ストレージ48は、ハザードマップデータベース(DB)39を保存する大容量メモリである。ハザードマップDB39は、ハザードマップ(危険箇所が登録された地図データ)hmpを含む。CPU31は、記憶部34に格納されたハザードマップ作成プログラムを実行し、ストレージ48に保存された、ハザードマップデータベース(DB)39に登録されるハザードマップhmpを作成する。ハザードマップhmpの作成には、新規にハザードマップhmpを作成する他、作成済みのハザードマップhmpを読み出して編集する場合も含まれる。
【0033】
なお、事務所PC30は、ハザードマップDB39を持つことなく、ネットワーク上にあるクラウドサーバからハザードマップhmpを取得し、クラウドサーバに対し、ハザードマップhmpを作成してもよい。
【0034】
表示部62は、ハザードマップ作成画面GM(
図3参照)を表示する。操作部63は、登録ボタンbt1、コメントボタンbt2等を有し、作業者等の押下操作を受け付ける。本実施形態では、表示部62と操作部63は、タッチパネルTPで構成される。さらに、操作部63は、キーボードやマウス等を有し、作業者の操作を受け付ける。表示部62に表示されたハザードマップ作成画面GMには、タッチ操作可能な登録ボタンbt1、コメントボタンbt2等が配置される。
【0035】
上記構成を有するハザードマップ作成システム5の動作を示す。
図2は事務所PC30におけるハザードマップ作成手順を示すフローチャートである。ハザードマップ作成動作は、事務所PC30のCPU31によって繰り返し実行される。ここでは、ハザードマップhmpに登録された危険箇所と、車両8が走行中に撮像された画像から判断される危険箇所とがずれている場合の一例として、車線位置が異なる場合を示す。
【0036】
CPU31は、カードI/F35を介してドライブレコーダ10から入力される画像データに基づく映像を表示部62のハザードマップ作成画面GMに表示する(S1)。
【0037】
図3はハザードマップ作成画面GMを示す図である。表示部62に表示されるハザードマップ作成画面GMは、操作ボタンを除くと、映像ウインドウwd1、地図ウインドウwd2及びイベントウインドウwd3に大別される。映像ウインドウwd1には、ドライブレコーダ10から入力された画像データに基づく映像が表示される。車両8の走行中に撮影された映像の場合、映像ウインドウwd1には、ドライブレコーダ10で撮像される車両8の走行画像が表示される。なお、映像ウインドウwd1には、ドライブレコーダで撮像される車両の前方画像の他、車両の左右の側方画像、後方画像、車室内の画像が個別に表示されてもよいし、マルチ画面で表示されてもよい。
【0038】
地図ウインドウwd2には、GPS情報に対応する、ハザードマップDB39に含まれるハザードマップhmp(地図を含む)が表示される。地図ウインドウwd2に表示される、ハザードマップhmpには、危険箇所を表す危険マークmk、及び車両8の映像撮影位置を表す車両マークmcが重畳して表示される。CPU31は、映像ウインドウwd1に表示された画像を撮像するドライブレコーダ10から取得したGPS情報(緯度、経度)に対応する、ハザードマップDB39に登録されたハザードマップhmpをリアルタイムに読み出し、地図ウインドウwd2に表示する。
【0039】
イベントウインドウwd3には、事務所PC30の作業者による登録ボタンbt1の押下によって危険箇所を指定するイベントが発生した場合、CPU31によってハザード情報が取得される。イベントウインドウwd3には、ハザード情報の一覧が表示される。ハザード情報には、日時情報、GPS情報(緯度、経度)、イベント発生の起因となる運転データ等が含まれる。なお、後述するコメントが登録されている場合、コメントも表示される。
【0040】
映像ウインドウwd1に表示される映像の画像データと、地図ウインドウwd2に表示されるハザードマップhmpと、イベントウインドウwd3に表示されるハザード情報とは、GPS情報あるいは日時情報によって関連付けられている。例えば、車両8が走行中の撮像画像が映像として映像ウインドウwd1に表示され、また、走行中の車両位置を含むハザードマップhmpが地図ウインドウwd2に表示される。さらに、ハザードマップhmpに登録されている車両位置に近い危険箇所のハザード情報がイベントウインドウwd3に表示される。
【0041】
ステップS1でハザードマップ作成画面GMの映像ウインドウwd1に表示される映像に対し、作業者は、危険箇所として登録したい場合、登録ボタンbt1を押下する。CPU31は、作業者により登録ボタンbt1が押下されたか否かを判別する(S2)。登録ボタンbt1が押下されない場合、CPU31はステップS1の処理に戻る。
【0042】
一方、登録ボタンbt1が押下された場合、CPU31は、記憶部34から入力される速度データやGPS情報を基に、車両が走行中であったか否かを判別する(S3)。
【0043】
走行中であった場合、CPU31は、ドライブレコーダ10の画像データを基に、車両が走行していた車線は、右側の車線か左側の車線かを判別する(S4)。左側の車線である場合、CPU31は、ハザードマップDBに登録されているハザードマップhmpに登録されている危険箇所が左側の車線であるか否かを判別する(S5)。ハザードマップhmpに登録されている危険箇所が左側の車線である場合、CPU31は、登録ボタンbt1が押下された時の画像データに対応付けられているGPS情報(登録位置)を、危険箇所としてハザードマップhmpに登録する(S7)。ハザードマップ作成画面GMの地図ウインドウwd2には、新規に登録された危険箇所を表す危険マークmkがハザードマップhmp上の登録位置に表示される。この後、CPU31は本動作を終了する。
【0044】
一方、ステップS5でハザードマップhmpに登録されている危険箇所が右側の車線である場合、CPU31は、ハザードマップhmp上の危険箇所の登録位置を進行方向と垂直(90度)に車線間距離だけずらす(S6)。例えば、反対側(右側)の車道に登録されている危険箇所を自車両が走行している左側の車道に修正(補正)する変更が行われる。また、例えば、片側2車線において追い越し車線から走行車線に危険箇所を修正(補正)する変更が行われる。
【0045】
CPU31は、ステップS7で、ずらした後の登録位置を危険箇所としてハザードマップhmpに登録する。ハザードマップ作成画面GMの地図ウインドウwd2には、変更された危険箇所の登録位置に危険マークmkが移動して表示される。
図4(A)はハザードマップhmp上に登録された危険箇所を表す危険マークmkの移動を説明する図である。この例では、左側の車道外側線Lf、中央線Lc、右側の車道外側線Lrで区画される車道に対し、反対側(右側)の車道Rrに表示された危険マークmkを自車両が走行している左側の車道Rlに移動させる場合が示される。この後、CPU31は本動作を終了する。
【0046】
また、ステップS4で車両が走行している車線が右側の車線である場合、CPU31は、ハザードマップhmpに登録されている危険箇所が右側の車線であるか否かを判別する(S8)。ハザードマップhmpに登録されている危険箇所が右側の車線である場合、CPU31は、ステップS7で、登録ボタンbt1が押下された時の画像データに対応付けられたGPS情報(登録位置)を、危険箇所としてハザードマップhmpに登録する。ハザードマップ作成画面GMの地図ウインドウwd2には、新規に登録された危険箇所を表す危険マークmkがハザードマップhmp上の登録位置に表示される。この後、CPU31は本動作を終了する。
【0047】
一方、ステップS8でハザードマップhmpに登録されている危険箇所が左側の車線である場合、CPU31は、ステップS6でハザードマップhmp上の危険箇所の登録位置を進行方向と垂直(90度)に車線間距離だけずらす。ハザードマップ作成画面GMの地図ウインドウwd2には、変更された危険箇所の登録位置に危険マークmkが移動して表示される。
図4(B)はハザードマップhmp上に登録された危険箇所を表す危険マークmkの移動を説明する図である。この例では、左側の車道外側線Lf、中央線Lc、右側の車道外側線Lrで区画される車道に対し、自車両が走行している左側の車道Rlに表示された危険マークmkを反対側(右側)の車道Rrに移動させる場合が示される。この後、CPU31は本動作を終了する。また、ステップS3で車両が走行中でないと判別された場合、CPU31は本動作を終了する。
【0048】
第1の実施形態のハザードマップ作成システム5では、車両に搭載されたドライブレコーダ10(撮影装置)が少なくとも車両前方の画像を連続的に撮影する。事務所PC30は、危険箇所(車両の走行に影響を及ぼす可能性のある危険地点)を地図上に登録しハザードマップhmpを作成する。事務所PC30の表示部62は、前方画像と、前方画像が撮影された地点を含むハザードマップhmp(地図を含む)を表示する。表示部62に表示されている前方画像に合わせて、作業者等が登録ボタンbt1を押下することで、CPU31(登録部)は、ハザードマップDB39に保存された、前方画像が撮影された地点に対応するハザードマップhmp上の位置に危険マークmk(危険地点を表す情報)を登録する。
【0049】
このように、ドライブレコーダで撮像された画像を基に、危険地点の情報を、ハザードマップとして、地図上に的確に登録できる。
【0050】
また、事務所PC30のCPU31(補正部)は、ハザードマップhmp上に登録された危険箇所(危険地点)を、車両の進行方向と垂直方向に補正する。このように、作業者等がハザードマップhmpから選択した危険箇所と、実際に走行した場所との危険箇所との間でずれが生じた場合、ハザードマップhmp上の危険箇所の位置を補正することで、正確なハザードマップを作成することができる。
【0051】
(第2の実施形態)
前記第1の実施形態では、作業者等は、ハザードマップ作成画面の映像ウインドウに表示される映像を基に、危険箇所を登録するだけであった。第2の実施形態のハザードマップ作成システムでは、ハザードマップ作成画面に対し、作業者等がコメントを入力可能であり、事務所PC30は、入力されたコメントを、危険箇所のハザード情報として、ハザードマップDBを登録する場合を示す。なお、第2の実施形態のハザードマップ作成システムの構成は、前記第1の実施形態と同様であるので、同一の符号を付すことにより、その説明を省略する。
【0052】
図5はコメント入力ウインドウwd4が重畳して表示されるハザードマップ作成画面GMを示す図である。コメント入力ウインドウwd4は、作業者等がコメントボタンbt2を押下した場合に、ハザードマップ作成画面GMに重畳されるように表示される。コメント入力操作は、ハザードマップDB39に登録されているハザードマップhmpに対して行われる。コメント入力操作は、例えば、走行中に録音された運転者等により発声されたコメントに対し、事務所PC30は、運転者等の音声を認識しテキストデータに変換し、コメント入力ウインドウwd4に入力するとともに、ハザード情報として登録する。また、走行後、事後的にコメントを入力する場合、事務所PC30は、作業者等によるキー操作でコメントを入力可能である。コメントの内容として、例えば、「急加速度」、「車線変更」、「速度オーバー」、「急ブレーキ」、「通学路注意」等の文言が挙げられる。コメント入力ウインドウwd4は、入力されたコメントを自動登録する。また、コメント入力ウインドウwd4は、OKボタン及びキャンセルボタンを配置し、入力されたコメントに対し、OKボタンが押された場合に登録し、キャンセルボタンが押下された場合に取り消してもよい。
【0053】
コメント入力ウインドウwd4に入力されたコメントは、ハザードマップ作成画面GMがハザードマップhmpを表示する際、重畳して表示される。従って、ハザードマップhmpを見た運転者等は、危険箇所の内容を把握できる。
【0054】
このように、第2の実施形態のハザードマップ作成システム5では、危険箇所に登録されたハザード情報を見ることで、運転者等は、どのような危険が発生し易いかを確認できる。従って、運転者への指導(教育・研修)に利用できる。
【0055】
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態は、本発明の技術的範囲内で種々の変形や改良等を伴うことができる。
【0056】
例えば、上記実施形態では、ハザードマップを変更する場合として、危険箇所の位置が車両の進行方向に対して垂直方向にずれている場合を一例として示したが、その他のずれに対し変更してもよい。また、ハザードマップ作成画面が危険箇所であるとして警告を発しているにもかかわらず、作業者等が危険箇所と判断しない場合、既に登録されている危険箇所を削除できるようにしてもよい。
【0057】
ここで、上述した本発明に係るハザードマップ作成システム、ハザードマップ作成装置及びハザードマップ作成方法の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]〜[4]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 車両(9)に搭載され、少なくとも前記車両前方の画像を連続的に撮影する撮影装置(ドライブレコーダ10)と、
前記車両の外部に設置され、車両の走行に影響を及ぼす可能性のある危険地点を地図上に登録しハザードマップ(hmp)を作成するハザードマップ作成装置(事務所PC30)と、を備え、
前記ハザードマップ作成装置は、前記前方画像と前記前方画像が撮影された地点を含む地図とを表示する表示部(62)と、
前記表示部に表示されている前方画像に合わせて利用者に登録操作されることにより、当該前方画像が撮影された地点に対応する地図上の位置に危険地点を表す情報を登録する登録部(CPU31)と、を有する、
ことを特徴とするハザードマップ作成システム(5)。
【0058】
[2] 前記ハザードマップ作成装置は、前記地図上に登録された危険地点を、前記車両の進行方向と垂直方向に補正する補正部(CPU31)を有する、
ことを特徴とする上記[1]に記載のハザードマップ作成システム。
【0059】
[3] 車両の走行に影響を及ぼす可能性のある危険地点を地図上に登録しハザードマップ(hmp)を作成するハザードマップ作成装置(事務所PC30)において、
連続的に撮影された車両前方の画像を取得する取得部(CPU31、カードI/F35)と、
取得した前記前方画像と前記前方画像が撮影された地点を含む地図とを表示する表示部(62)と、
前記表示部に表示されている前方画像に合わせて利用者に登録操作されることにより、当該前方画像が撮影された地点に対応する地図上の位置に危険地点を登録する登録部(CPU31)と、
を有する
ことを特徴とするハザードマップ作成装置。
【0060】
[4] 車両の走行に影響を及ぼす可能性のある危険地点を地図上に登録しハザードマップを作成するハザードマップ作成方法において、
車両前方の画像が連続的に撮影された画像データを取得し、
取得した前記画像と、前記画像データが撮影された地点を含む地図と、を対応付けて表示させ、
利用者により登録操作されたときに表示されている前記画像が撮影された地点に対応する前記地図上の位置に危険地点を登録する、
ことを特徴とするハザードマップ作成方法。