(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
バルブポジショナや圧力発信器等、工業市場で用いられるフィールド機器は、しばしば電源とフィールド機器間にノイズ源が存在する環境にて使用される。例えば、アース(地面)は通常どこでも同電位として扱うが、実際には距離が離れることで2地点間の電気的な抵抗成分も増える。抵抗成分が増えると、電源とフィールド機器間がある程度離れて設置される場合に、電源の地点のアースとフィールド機器の地点のアース間に電位差すなわちノイズが発生し、フィールド機器の動作に影響を及ぼすことがある。また、電源とフィールド機器間のケーブルが他のケーブルと並行して配線される場合に、ケーブル間の容量結合により他のケーブルからのノイズが電源とフィールド機器間のケーブルに重畳することがある。
【0003】
図11に示すように、従来のフィールド機器100では、各種ノイズ対策として+(プラス)電源線L1とアースA間、および−(マイナス)電源線L2とアースA間にコンデンサC100,C101を接続している。電源とフィールド機器との間にノイズ源が存在する際、電源やフィールド機器の回路構成やケーブルの状態により、ノイズの影響の受け方が変わる。特に、ノイズは交流成分として作用するため、電源やフィールド機器がそれぞれアースに対しどのような容量成分を有するかは重要な問題となる。
【0004】
しかしながら、電源や各フィールド機器のアースに対する容量成分については特に決まり事がないため、現場にて様々なメーカーの電源やフィールド機器が接続された際、これらの組合せがアースに対してどのような容量成分を形成するかは分からない。このため、
図11に示したような回路構成で全ての現場に最適となるノイズ対策を実現することは困難であり、場合によってはフィールド機器にとって好ましくないノイズ経路が形成されノイズの影響を受けることがある(特許文献1参照)。
【0005】
図12を用いて従来の問題点を説明する。ここでは、電源200の内部で−電源線L2がアースA2に接地されている場合について説明する。
図12の例では、電源側アースA2とフィールド機器側アースA1との間に例えば抵抗成分に起因するノイズ源Nが存在する。
【0006】
コンデンサC100,C101の設定が適切でない場合、電源側アースA2を基準としてノイズ電圧の経路を考察すると、+電源線L1については、フィールド機器側アースA1とコンデンサC100とを介してノイズ電圧が伝達される状態となる。一方、−電源線L2は、電源側アースA2と同じ電位となる。この状態において、フィールド機器100の+電源線L1と−電源線L2との間にはノイズ電位差が生じた状態となり、
図12に示す経路300で、フィールド機器100の内部回路101を介してノイズ電流が流れ、回路動作に影響を与える。
【0007】
フィールド機器100の動作がノイズの影響を受けた場合、その場で最適な容量設定になるよう、電源200またはフィールド機器100の回路を変更する、といった対策が必要となる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[
第1の参考例]
以下、本発明の
参考例について図面を参照して説明する。
図1は本発明の
第1の参考例に係るフィールド機器の構成を示す回路図である。フィールド機器1は、各種の機能を実現する内部回路10と、ノイズ対策回路11とを備えている。
【0016】
内部回路10は、例えばバルブの開度を制御したり(フィールド機器1がバルブポジショナの場合)、2点間の圧力の差または絶対圧を測定したりする(フィールド機器1が圧力発信器の場合)ための回路である。なお、フィールド機器1は、バルブポジショナや圧力発信器に限らないことは言うまでもない。
【0017】
ノイズ対策回路11は、図示しない電源からフィールド機器1の内部回路10へ正の電源電圧を供給する+電源線L1(第1の電源線)とアースAとの間に挿入されるコンデンサC1と、電源から内部回路10へ負の電源電圧(例えばグランド電位)を供給する−電源線L2(第2の電源線)とアースAとの間に挿入されるコンデンサC2と、+電源線L1とアースAとの間にコンデンサC1と直列に挿入されるスイッチSW1と、−電源線L2とアースAとの間にコンデンサC2と直列に挿入されるスイッチSW2とから構成される。
【0018】
このように、本
参考例では、+電源線L1とアースAとの間に、スイッチSW1とコンデンサC1とを直列に接続した第1の容量調整部12−1を挿入し、−電源線L2とアースAと間に、スイッチSW2とコンデンサC2とを直列に接続した第2の容量調整部12−2を挿入している。
【0019】
これにより、本
参考例では、フィールド機器1が設置される現場でフィールド機器1の電源線L1,L2がアースAに対して有する容量成分が適切になるようにスイッチSW1,SW2のON/OFFを設定して容量調整部12−1,12−2の容量を調整することによりノイズ経路を調整することができ、フィールド機器1や電源の改造・交換を行うことなくノイズ対策を実施することができる。
【0020】
図2を用いて本
参考例の効果を説明する。ここでは、電源2の内部で−電源線L2がアースA2に接地されている場合について説明する。従来と同様に、
図2の例では、電源側アースA2とフィールド機器側アースA1との間に例えば抵抗成分に起因するノイズ源Nが存在する。
【0021】
ノイズ対策回路11のスイッチSW1をOFFに設定し、スイッチSW2をONに設定したときに、電源側アースA2を基準としてノイズ電圧の経路を考察すると、スイッチSW1をOFFに設定したことにより、フィールド機器側アースA1とコンデンサC1とを介したノイズ経路3が遮断されるので、+電源線L1にノイズ電圧が伝わることはない。一方、−電源線L2は、電源側アースA2と同じ電位となる。この状態において、フィールド機器1の+電源線L1と−電源線L2との間にはノイズ電位差が生じないため、従来のようなノイズ電流が内部回路10に流れることはない。このように、本
参考例では、スイッチSW1,SW2のON/OFFを適切に設定することにより、ノイズ対策を実施することができる。
【0022】
図1、
図2では、スイッチとコンデンサとを直列に接続した回路を1電源線あたり1個としたが、これに限るものではなく、
図3に示すようにスイッチとコンデンサとを直列に接続した回路を1電源線あたり複数個設けるようにしてもよい。+電源線L1とアースAとの間に、スイッチSW1とコンデンサC1とを直列に接続した回路を並列に複数配設した回路は第1の容量調整部12−1aを構成している。また、−電源線L2とアースAと間に、スイッチSW2とコンデンサC2とを直列に接続した回路を並列に複数配設した回路は第2の容量調整部12−2aを構成している。
【0023】
図3に示したフィールド機器1aのノイズ対策回路11aによれば、フィールド機器1aの電源線L1,L2がアースAに対して有する容量を細かく調整することができ、より適切なノイズ対策を実施することが可能となる。
【0024】
なお、スイッチSW1,SW2は機械的な操作によってON/OFFを設定できるものであってもよいし、外部からの制御信号によってON/OFFを設定できるものであってもよい。
【0025】
[
第2の参考例]
次に、本発明の
第2の参考例について説明する。
図4は本発明の
第2の参考例に係るフィールド機器の構成を示す回路図であり、
図1、
図3と同一の構成には同一の符号を付してある。本
参考例のフィールド機器1bは、内部回路10と、ノイズ対策回路11bとを備えている。
【0026】
ノイズ対策回路11bは、+電源線L1とアースAとの間に挿入されるバリアブルコンデンサC3と、−電源線L2とアースAとの間に挿入されるバリアブルコンデンサC4とから構成される。バリアブルコンデンサC3は第1の容量調整部12−1bを構成し、バリアブルコンデンサC4は第2の容量調整部12−1bを構成している。
【0027】
このように、本
参考例では、スイッチとコンデンサとを直列に接続した回路の代わりにバリアブルコンデンサC3,C4を用いることにより、フィールド機器1の電源線L1,L2がアースAに対して有する容量を連続的に調整することができ、より適切なノイズ対策を実施することが可能となる。
【0028】
なお、バリアブルコンデンサC3,C4は、機械的な操作によって容量が変化するものであってもよいし、外部からの制御信号によって容量が変化するものであってもよい。
【0029】
[
第1の実施例]
次に、本発明の
第1の実施例について説明する。
図5は本発明の第1の実施例に係るフィールド機器の構成を示す回路図であり、
図1、
図3、
図4と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施例のフィールド機器1cは、内部回路10と、ノイズ対策回路11cとを備えている。
第1の参考例では、フィールド機器の設置場所でノイズ対策を行う作業員がスイッチSW1,SW2のON/OFF設定を試行錯誤で決定する必要があった。これに対して、本実施例は、スイッチSW1,SW2のON/OFF設定を自動的に最適化するものである。
【0030】
ノイズ対策回路11cは、コンデンサC1,C2と、スイッチSW1,SW2と、+電源線L1と−電源線L2との間の交流電位差(第1の交流電位差)を測定する測定部110と、+電源線L1とアースAとの間の交流電位差(第2の交流電位差)を測定する測定部111と、−電源線L2とアースAとの間の交流電位差(第3の交流電位差)を測定する測定部112と、測定部110の測定結果と基準値との大小判定、および測定部111,112の測定結果の大小判定を行う判定部113と、判定部113の判定結果に応じてスイッチSW1,SW2のON/OFFを制御して容量を調整する制御部114とから構成される。本実施例では、スイッチSW1,SW2として、制御部114からの制御信号によってON/OFFを設定できるものを用いる。
【0031】
図6は本実施例のノイズ対策回路11cの動作を説明するフローチャートである。初期状態では、制御部114はスイッチSW1,SW2を共にON状態とする。測定部110は、+電源線L1と−電源線L2との間の交流電位差V12を測定する(
図6ステップS1)。測定部111は、+電源線L1とアースAとの間の交流電位差V1を測定する(
図6ステップS2)。測定部112は、−電源線L2とアースAとの間の交流電位差V2を測定する(
図6ステップS3)。測定部110〜112は、交流電位差V12,V1,V2のピーク値を検出してもよいし、平均値を検出してもよい。
【0032】
続いて、判定部113は、測定部110によって測定された交流電位差V12と予め定められた基準値Vrefとの大小判定を行う。判定部113は、|V12|<Vref、すなわち交流電位差V12の絶対値が基準値Vrefよりも小さい場合(
図6ステップS4においてYES)、内部回路10がノイズの影響を受ける可能性はないと判断する。制御部114は、交流電位差V12の絶対値が基準値Vrefよりも小さい場合、現在のスイッチSW1,SW2の状態(ここでは共にONの状態)を維持して、処理を終了する。
【0033】
基準値Vrefの決定は、例えば内部回路10がノイズの影響を受けない状態からノイズの影響を受ける状態に遷移する状況を現場で実験的に作り出し、この内部回路10の状態が遷移するときの交流電位差V12の絶対値を基準値Vrefとして設定すればよい。
【0034】
判定部113は、交流電位差V12の絶対値が基準値Vref以上の場合(ステップS4においてYES)、内部回路10がノイズの影響を受ける可能性があると判断し、測定部111によって測定された交流電位差V1と測定部112によって測定された交流電位差V2との大小判定を行う。交流電位差V1はコンデンサC1の両端電圧に相当し、交流電位差V2はコンデンサC2の両端電圧に相当する。
【0035】
判定部113は、|V1|<|V2|、すなわち交流電位差V1の絶対値が交流電位差V2の絶対値よりも小さい場合(
図6ステップS5においてYES)、フィールド機器側アースA1とコンデンサC1とを介して+電源線L1に至る経路がノイズ経路であると判断する。つまり、交流電位差V1が小さい分だけノイズ電圧が内部回路10に印加されていることになる。制御部114は、交流電位差V1の絶対値が交流電位差V2の絶対値よりも小さい場合、スイッチSW1をONからOFFに切り替え、現在のスイッチSW2の状態(ここではON)を維持して(
図6ステップS6)、処理を終了する。
【0036】
判定部113は、|V1|>|V2|、すなわち交流電位差V1の絶対値が交流電位差V2の絶対値よりも大きい場合(ステップS5においてNO)、フィールド機器側アースA1とコンデンサC2とを介して−電源線L2に至る経路がノイズ経路であると判断する。つまり、交流電位差V2が小さい分だけノイズ電圧が内部回路10に印加されていることになる。制御部114は、交流電位差V1の絶対値が交流電位差V2の絶対値よりも大きい場合、現在のスイッチSW1の状態(ここではON)を維持して、スイッチSW2をONからOFFに切り替え(
図6ステップS7)、処理を終了する。判定部113と制御部114の動作を表1に示す。
【0038】
以上のように、本実施例では、フィールド機器1cが設置される現場でフィールド機器1cの電源線L1,L2がアースAに対して有する容量成分が適切になるようにスイッチSW1,SW2のON/OFFを自動的に最適化することができ、適切なノイズ対策を自動的に実施することが可能となる。
【0039】
本実施例は、スイッチとコンデンサとを直列に接続した回路を1電源線あたり複数個設ける構成に適用してもよい。この場合のフィールド機器1dの構成を
図7に示し、ノイズ対策回路11dの動作を
図8に示す。
図8のステップS1〜S4の処理は上記のとおりである。
【0040】
ノイズ対策回路11dの判定部113dは、交流電位差V12と基準値Vrefとの大小判定を上記のとおり行い(
図8ステップS4)、交流電位差V12の絶対値が基準値Vref以上の場合、交流電位差V1と交流電位差V2との大小判定に応じた処理を上記のとおり行う(
図8ステップS5〜S7)。そして、判定部113dは、ステップS5〜S7の処理後に、測定部110〜112の測定結果を再び取得し(
図8ステップS8〜S10)、交流電位差V12の絶対値が基準値Vrefよりも小さくなるまで(
図8ステップS11においてYES)、あるいは状態を変更すべきスイッチの側にON状態からOFF状態に変更できるスイッチが存在しなくなるまで(
図8ステップS12においてNO)、ステップS5〜S7の処理を繰り返し実行する。
【0041】
例えば判定部113dは、制御部114dによって複数のスイッチSW1の中の1つがON状態からOFF状態に変更された後に(ステップS6)、最新の交流電位差V12の絶対値が未だ基準値Vref以上で(ステップS11においてNO)、複数のスイッチSW1の中にON状態のスイッチが残っている場合(ステップS12においてYES)、ステップS5に戻る。また、判定部113dは、制御部114dによって複数のスイッチSW2の中の1つがON状態からOFF状態に変更された後に(ステップS7)、最新の交流電位差V12の絶対値が未だ基準値Vref以上で(ステップS11においてNO)、複数のスイッチSW2の中にON状態のスイッチが残っている場合(ステップS12においてYES)、ステップS5に戻る。
【0042】
こうして、交流電位差V12の絶対値が小さくなる方向に(交流電位差V1の絶対値と交流電位差V2の絶対値とが等しい値になるように)、複数のスイッチSW1,SW2のON/OFFを自動的に最適化することができ、より適切なノイズ対策を実施することが可能となる。
【0043】
[
第2の実施例]
次に、本発明の
第2の実施例について説明する。
図9は本発明の
第2の実施例に係るフィールド機器の構成を示す回路図であり、
図1、
図3〜
図5、
図7と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施例のフィールド機器1eは、内部回路10と、ノイズ対策回路11eとを備えている。
第2の参考例では、フィールド機器の設置場所でノイズ対策を行う作業員がバリアブルコンデンサC3,C4の容量を試行錯誤で決定する必要があった。これに対して、本実施例は、バリアブルコンデンサC3,C4の容量を自動的に最適化するものである。
【0044】
ノイズ対策回路11eは、バリアブルコンデンサC3,C4と、測定部110〜112と、判定部113eと、判定部113eの判定結果に応じてバリアブルコンデンサC3,C4の容量を調整する制御部114eとから構成される。本実施例では、バリアブルコンデンサC3,C4として、制御部114eからの制御信号によって容量を変更できるものを用いる。
【0045】
図10は本実施例のノイズ対策回路11eの動作を説明するフローチャートである。
図10のステップS1〜S5の処理は
第1の実施例で説明したとおりである。
制御部114eは、交流電位差V1の絶対値が交流電位差V2の絶対値よりも小さい場合(
図10ステップS5においてYES)、バリアブルコンデンサC3の容量が所定量だけ小さくなるように制御し、バリアブルコンデンサC4の現在の容量を維持する(
図10ステップS13)。
【0046】
また、制御部114eは、交流電位差V1の絶対値が交流電位差V2の絶対値よりも大きい場合(ステップS5においてNO)、バリアブルコンデンサC4の容量が所定量だけ小さくなるように制御し、バリアブルコンデンサC3の現在の容量を維持する(
図10ステップS14)。
【0047】
判定部113eは、ステップS5,S13,S14の処理後に、測定部110〜112の測定結果を再び取得し(
図10ステップS15〜S17)、交流電位差V12の絶対値が基準値Vrefよりも小さくなるまで(
図10ステップS18においてYES)、あるいは変更すべきバリアブルコンデンサの容量が下限に達して容量を変更できなくなるまで(
図10ステップS19においてNO)、ステップS5,S13,S14の処理を繰り返し実行する。
【0048】
例えば判定部113eは、制御部114eによってバリアブルコンデンサC3の容量が削減された後に(ステップS13)、最新の交流電位差V12の絶対値が未だ基準値Vref以上で(ステップS18においてNO)、バリアブルコンデンサC3の容量を更に削減することが可能(C3の容量を削減する方向に制御信号を変更可能)な場合(ステップS19においてYES)、ステップS5に戻る。また、判定部113eは、制御部114eによってバリアブルコンデンサC4の容量が削減された後に(ステップS14)、最新の交流電位差V12の絶対値が未だ基準値Vref以上で(ステップS18においてNO)、バリアブルコンデンサC4の容量を更に削減することが可能(C4の容量を削減する方向に制御信号を変更可能)な場合(ステップS19においてYES)、ステップS5に戻る。
【0049】
こうして、交流電位差V12の絶対値が小さくなる方向に(交流電位差V1の絶対値と交流電位差V2の絶対値とが等しい値になるように)、バリアブルコンデンサC3,C4の容量を自動的に最適化することができ、より適切なノイズ対策を実施することが可能となる。判定部113eと制御部114eの動作を表2に示す。
【0051】
なお、
図6、
図8、
図10に示した処理は、例えばフィールド機器1c,1d,1eの電源が投入されたときに1回実施してもよいし、一定時間毎に実施してもよいし、作業員から指示があったときに実施してもよい。
【0052】
第1、第2の実施例で説明した判定部113,113d,113eは、例えばCPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って
第1、第2の実施例で説明した処理を実行する。
【0053】
第1、第2の参考例および第1、第2の実施例では、ノイズ対策回路11,11a〜11eをフィールド機器1,1a〜1eの内部に設けたが、これに限るものではなく、ノイズ対策回路11,11a〜11eをフィールド機器1,1a〜1eの外部に設けるようにしてもよい。ただし、ノイズ対策回路11,11a〜11eの地点のアースとフィールド機器1,1a〜1eの地点のアースとの距離が長くなることを避けるため、ノイズ対策回路11,11a〜11eをフィールド機器1,1a〜1eの近傍に設けることが望ましい。
【0054】
第1の参考例および第1の実施例では、スイッチSW1とコンデンサC1とを直接的に接続した回路を第1の容量調整部12−1とし、スイッチSW2とコンデンサC2とを直接的に接続した回路を第2の容量調整部12−2としているが、容量調整部12−1,12−2はこのような形態に限るものではない。例えばスイッチSW1とコンデンサC1との間、およびスイッチSW2とコンデンサC2との間のそれぞれに、抵抗等の素子や回路が挿入されていてもよい。すなわち、コンデンサC1,C2は、それぞれスイッチSW1,SW2と同列状に電源線とアースとの間に挿入され、スイッチSW1,SW2と直接的または間接的に接続されていればよい。
【0055】
図3、
図7に示した第1の容量調整部12−1aにおいてもスイッチSW1とコンデンサC1とを含む回路を1電源線あたり複数個設けるようにすればよく、個々のコンデンサC1は同列のスイッチSW1と直接的または間接的に接続されていればよい。同様に、第2の容量調整部12−2aにおいてもスイッチSW2とコンデンサC2とを含む回路を1電源線あたり複数個設けるようにすればよく、個々のコンデンサC2は同列のスイッチSW2と直接的または間接的に接続されていればよい。