(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の代表的な実施態様を例示する目的でより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されない。
【0020】
本開示の一実施態様の両面接着テープは、第1主表面及び第2主表面を有する基材層と、第1主表面及び第2主表面を有するコンタクト接着層と、基材層の第2主表面に配置された第2接着層とを有している。コンタクト接着層の第2主表面は前記基材層の第1主表面に接着結合している。コンタクト接着層は、クロロプレンゴム及びアクリル系共重合体の少なくとも1つを含むコンタクト接着剤を含むコンタクト接着層と、コンタクト接着層中に平均粒径0.5μm以上の微小球とを含む。コンタクト接着層は、コンタクト接着剤100質量部を基準として前記微小球を5質量部〜500質量部含み、コンタクト接着層の第1主表面は、微小球の少なくともいくつかの位置に対応する複数の突起を有する。
【0021】
本開示において、「コンタクト接着剤」とは、典型的には一緒に接着される2つの表面に適用され、乾燥されて皮膜接着剤層を形成し、そして圧力が加えられて、結果として即時的で耐久性のあるボンドを形成する接着剤を意味する。
【0022】
本開示において、「微小球」とは、平均粒径が数百μm以下の粒子をいう。いくつかの好適な実施態様では、微小球は実質的に球状である。実質的に球状とは、円形又は楕円に対応する断面形状を有すること、あるいは球面を有することをいう。
【0023】
本開示の一実施態様の両面接着テープを
図1に断面図で示す。
図1に示す両面接着テープ10は、基材層12と、コンタクト接着層14と、第2接着層15とを含み、コンタクト接着層14は、コンタクト接着剤16及び微小球18を含む。
図1では微小球18がコンタクト接着剤16に完全に被覆されて示されているが、微小球18の一部が外部に露出していてもよい。また、
図1では微小球18が規則的に配置された個別の粒子として示されているが、複数の微小球18が凝集していてもよく、一個の又は複数の凝集した微小球18がコンタクト接着層表面に不規則に配置されていてもよい。コンタクト接着層の表面には、微小球18の存在に起因する突起が形成されている。
【0024】
基材層は、テープの支持体として用いることのできる従来公知の材料を含むものであってよく、例えばクラフト紙、クレープ紙などの紙、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリマーを含有するフィルム、ラミネート紙、織布、不織布、ポリマーフォームなどが挙げられる。基材層が複数の層から構成される積層体であってもよい。基材層は、コンタクト接着層及び/又は第2接着層との結合面にプライマー処理、コロナ処理などの表面処理を有してもよい。以下、被着体については設置表面ともいうものとする。
【0025】
コンタクト接着層は、複数の突起と、使用温度(典型的には室温)において、実質的に非粘着性の表面を有してもよい。「室温で実質的に非粘着性」とは、23℃±0.5℃でコンタクト接着層の表面を設置表面に軽い力で押し付けた後、手で感知できる抵抗を受けないか又は実質的に受けないで設置表面から除去できる状態であることを意味する。この場合、両面接着テープが接着された物品の設置中で仮位置合わせの際に行われるように、コンタクト接着層を設置表面に直接軽く押し付けても、コンタクト接着層は設置表面に全く付着しないか、仮に付着があっても非常に軽度であり、施工者のさらなる操作により容易に付着を解除することができる。
【0026】
微小球18に起因して形成されるコンタクト接着層の複数の突起部は、コンタクト接着層の表面を非平滑なものとする。コンタクト接着層の表面の非平滑さの程度は、例えば、60度グロス値によって評価することができる。いくつかの実施態様において、コンタクト接着層の表面の60度光沢値は、JIS Z8741に準拠して測定したときに、約1以上、約2以上、又は約3以上、約40以下、約35以下、又は約30以下である。
【0027】
設置表面に接触するコンタクト接着層の一部が、コンタクト接着剤の性能に過度に影響しない程度まで、他の材料、例えば印刷インク、金属薄膜などで覆われていてもよい。一実施態様では、コンタクト接着層が印刷インク、例えばインクジェット用インクの受容層としても機能する。一実施態様では両面接着テープはコンタクト接着層の表面に保護ライナーを必要としないが、コンタクト接着層の表面に保護ライナーが配置されていてもよい。このような実施態様では、例えば両面接着テープの製造、加工又は使用の間に、コンタクト接着層の表面を油脂、粉塵などから保護することができる。
【0028】
コンタクト接着剤はコンタクト接着層のベースとなる成分である。大幅に温度を上昇させなくても(例えば50℃を上回る温度を必要とせずに)、圧力を加えることによりそれ自体又は化学的に類似する材料に接着するため、コンタクト接着剤は、感圧接着剤とは異なり、一般に約10℃〜約50℃の温度において、化学的に異なる材料とは接着しないか、あるいはそのような材料に対してごくわずかな接着力しか示さない。一方、感圧接着剤は、室温(23±0.5℃)において粘着性を示し、異種材料に対しても適度な圧力(指先の圧力など)を加えることにより接着する。
【0029】
コンタクト接着剤は、接着成分としてクロロプレンゴム及びアクリル系共重合体の少なくとも1つを含む。
【0030】
クロロプレンゴム(CR)は、クロロプレン(2−クロロ−1,3−ブタジエン)の単独重合体又は共重合体であってよい。コンタクト接着性に優れることから、一般に高結晶性のクロロプレンゴムが使用される。クロロプレンゴムは溶液重合、乳化重合、懸濁重合などによってクロロプレンと必要に応じて共重合モノマーとを重合することによって得ることができる。クロロプレンゴムの共重合モノマーとして、例えばスチレン、ビニルトルエン、2,3−ジクロロブタジエン、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリレート類、アクリレート類、アクリロニトリル、酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどのビニル系不飽和モノマーが挙げられる。クロロプレンゴムに存在する二重結合と架橋剤の反応によりクロロプレンゴムが架橋されていてもよい。
【0031】
アクリル系共重合体は、炭素原子数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレート、炭素原子数1〜4のアルコキシ基を有するアルコキシエチルアクリレート、アクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレートなどの水酸基含有アクリレート、アクリルアミドなどのアクリル系モノマー、スチレン、ビニルトルエン、メチルメタクリレート、エチルメタクリレートなどの炭素原子数1〜8のアルキル基を有するアルキルメタクリレート、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水酸基含有メタクリレート、メタクリルアミド、マレイン酸、イタコン酸などのその他のビニル系不飽和モノマーを溶液重合、乳化重合、懸濁重合などにより共重合することによって得ることができる。炭素原子数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレートとして、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどを挙げることができる。炭素原子数1〜4のアルキル基を有するアルコキシエチルアクリレートとしては、例えば2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ブトキシエチルアクリレートなどを挙げることができる。これらの中でも、炭素原子数2〜4のアルキル基を有するアルキルアクリレート、例えばエチルアクリレート又はn−ブチルアクリレートに由来する重合単位を主成分として、例えば約50質量%超、約70質量%以上、又は約80質量%以上含むアクリル系共重合体を用いることで、非粘着性とコンタクト接着性の良好なバランスを得ることができる。アクリル系共重合体は架橋されていてもよい。
【0032】
アクリル系コンタクト接着剤のアクリル系共重合体のガラス転移温度(Tg)は、約0℃以上、約10℃以上、又は約20℃以上、約60℃以下、約50℃以下、又は約40℃以下であることが望ましい。ガラス転移温度を上記範囲とすることで、コンタクト接着剤の非タック性とコンタクト接着性のより良好なバランスを達成することができる。ガラス転移温度が低いと粘着性が強くなり耐ブロッキング性が低下するおそれがある。ガラス転移温度が高いとコンタクト接着性が低下するおそれがある。ガラス転移温度は、動的粘弾性測定装置を使用して、−20℃〜150℃まで昇温速度5.0℃/秒にて昇温し、周波数1.0Hzのせん断モードでせん断貯蔵弾性率G’及びせん断損失弾性率G”を測定して得られた損失係数tanδ(=せん断損失弾性率G”/せん断貯蔵弾性率G’)のピーク温度として、あるいは共重合体がn種類のモノマーから共重合されているとして、FOXの式(下式)より求めることができる。
【数1】
【0033】
コンタクト接着剤は、追加のポリマー成分を含んでもよい。追加のポリマー成分として、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデンなど、及びそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施態様では、追加のポリマー成分は、コンタクト接着剤の固形分を基準にして、約5質量%以上、約10質量%以上、又は約15質量%以上、約60質量%以下、約50質量%以下、又は約40質量%以下の量でコンタクト接着剤に含まれる。
【0034】
コンタクト接着剤は粘着付与剤を含んでもよい。粘着付与剤として、例えば重合ロジン、水添ロジンなどのロジン誘導体、テルペン系樹脂、テルペンフェノール樹脂などのテルペン変性体、クマロンインデン樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン樹脂などを用いることができる。いくつかの実施態様では、粘着付与剤は、コンタクト接着剤の固形分を基準にして、約1質量%以上、約2質量%以上、又は約5質量%以上、約60質量%以下、約40質量%以下、又は約20質量%以下の量でコンタクト接着剤に含まれる。
【0035】
コンタクト接着剤は、任意成分として、接着成分の乳化重合又は懸濁重合に使用される乳化剤、界面活性剤、及び/又はpH調節剤、可塑剤、酸化防止剤、粘度調節剤、界面活性剤、湿潤剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、殺生物剤、防腐剤、防錆剤、無機フィラーなどをさらに含んでもよい。コンタクト接着剤は架橋されていてもよい。
【0036】
微小球は約0.5μm以上の平均粒径を有する。微小球の平均粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布計により測定することができる体積平均粒径(Dv)として定義される。微小球が約0.5μm以上の平均粒径を有するものとすることで、コンタクト接着層の表面から外側に向かって延在する接着剤の複数の突起が生じ、それによってコンタクト接着層表面をいくらか隆起させて、(意図的な圧力が存在する場合を除いて)設置表面と密着することを防ぎ、その表面を実質的に非粘着性とすることができる。複数の微小球がコンタクト接着層中で凝集していてもよい。そのような微小球凝集体は、コンタクト接着層表面の突起部の形成に有利に寄与することができる。
【0037】
いくつかの実施態様において、微小球の平均粒径は、約0.3μm以上、約0.5μm以上、又は約0.7μm以上、約100μm以下、約70μm以下、又は約50μm以下である。微小球の平均粒径が約0.3μm未満であると、コンタクト接着層表面に微小球による突起を形成することが困難になる。一方、微小球の平均粒径が約100μmを超えると、突起部が不適当な程度まで粗くなり、そのため最終用途で目立つことがある。
【0038】
いくつかの実施態様では、微小球は有機樹脂であることが好ましい。無機粒子に比べ比較的軽量であり、コンタクト接着剤と混合した際に沈降する傾向がなく、良好な分散性を維持することが可能である。結果として、コンタクト接着層中により均一に微小球を分散させることが可能になる。
【0039】
いくつかの実施態様では、コンタクト接着剤に対する微小球の比重は約0.90以上、約1.00以上、又は約1.05以上、約1.50以下、約1.40以下、又は約1.35以下であることが好ましい。微小球の比重を上記範囲で選択することにより、コンタクト接着層の形成時に微小球がコンタクト接着層中で極度に偏在(例えば沈降)することを防止して、コンタクト接着層の表面全体により均一なスライド性を付与することができる。
【0040】
いくつかの実施態様では、微小球が非粘着性であることが好ましい。「非粘着性」とは、使用温度、典型的には室温(23℃±0.5℃)で微小球が流動性を有する状態を意味する。非粘着性の微小球を用いることで、個々の微小球が流動性を確保できるので、コンタクト接着層の形成時に微小球がコンタクト接着層中で極度に偏在(例えば沈降)することを防止して、コンタクト接着層の表面全体により均一なスライド性を付与することができる。
【0041】
微小球は、例えばアクリル系ポリマー(例えばポリメチルメタクリレート、n−ブチルアクリレートなどのアルキルアクリレートの単独重合体及び共重合体など)、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリスチレンなどのポリマーを含んでもよい。これらのポリマーは架橋されていてもよい。コンタクト接着剤中で適度な分散性を示すことから、微小球はアクリル系ポリマー又はウレタン系ポリマー、特にアクリル系ポリマーであることが望ましい。架橋されたアクリル系ポリマーの微小球は、硬度が高く変形しにくいためコンタクト接着層により高いスライド性を付与することができる。また、耐溶剤性、広い温度域で安定した弾性率を得るためにも微小球として架橋樹脂を使用することが好ましい。
【0042】
微小球は中実微小球であってもよく、中空微小球であってもよい。シェル/コア型、例えばシェルにウレタン樹脂、コアにアクリル樹脂を持つ微小球を使用することができる。粒子は顔料や染料で着色されていても良い。微小球は好ましくは中実微小球である。一般に荷重を加えても変形しにくい中実微小球を用いることにより、コンタクト接着層により高いスライド性を付与することができる。硬度が高く巻き取り時の耐荷重性が良好であることから微小球はアクリル系ポリマー、特に架橋アクリル系ポリマーの中実微小球であることが望ましい。
【0043】
一実施態様では微小球の形状は実質的に球状又は球状である。実質的に球状又は球状の微小球を用いることにより、非球状のものと比較して、コンタクト接着層のスライド性をより高めることができる。
【0044】
微小球は高弾性体で変形しにくいことが望ましい。いくつかの実施態様では、微小球の弾性率は、約2×10
6Pa以上、約5×10
6Pa以上、又は約1×10
7Pa以上、約5×10
11Pa以下、約1×10
11Pa以下、又は約5×10
10Pa以下である。
【0045】
微小球は、コンタクト接着剤100質量部を基準として、約5質量部〜約500質量部の比でコンタクト接着層に含まれる。いくつかの実施態様では、微小球は、コンタクト接着剤100質量部を基準として、約2質量部以上、約5質量部以上、又は約8質量部以上、約550質量部以下、約500質量部以下、又は約450質量部以下の量でコンタクト接着層に含まれる。微小球の配合量を上記範囲とすることにより、コンタクト接着層の表面に複数の突起部が形成される。このようにして形成された複数の突起部による被着体との初期接触面積の低減と、コンタクト接着剤の本来有する非粘着性との組み合わせにより、コンタクト接着層の表面を、両面接着テープが接着された物品の施工時に十分なスライド性を有する程度に、室温で実質的に非粘着性とすることができる。いくつかの実施態様では、両面接着テープはコンタクト接着層の上に保護ライナーを必要としない。
【0046】
クロロプレンゴム及びアクリル系共重合体の少なくとも1つを含むコンタクト接着剤、及び平均粒径約0.5μm以上の微小球を含み、コンタクト接着剤100質量部を基準として微小球を約5質量部〜約500質量部含むコンタクト接着剤組成物を用いて、コンタクト接着層を形成することができる。コンタクト接着剤組成物に含まれる成分及びその量は、コンタクト接着層について既に説明したとおりである。
【0047】
コンタクト接着剤組成物は、接着成分としてクロロプレンゴム及びアクリル系共重合体の少なくとも1つと、その他の任意成分、例えば追加のポリマー成分、粘着付与剤、可塑剤などを含む溶剤系、エマルション系又は無溶剤系の組成物に、微小球を混合することによって調製することができる。溶剤系の組成物は、例えばメタノール、エタノール、ヘキサン、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなどの有機溶剤又はこれらの組み合わせを含む。両面接着テープの製造工程で有機溶剤処理を必要とせず、塗工性などに優れることから、コンタクト接着剤組成物は水性のエマルションであることが有利である。
【0048】
コンタクト接着剤組成物が溶剤系又はエマルション系である場合、その固形分は、例えば約20質量%以上、約30質量%以上、又は約40質量%以上、約80質量%以下、約70質量%以下、又は約60質量%以下とすることができる。固形分を上記範囲とすることにより、塗工性及び乾燥性に優れた組成物を得ることができる。
【0049】
第2接着層は、一般に使用されるアクリル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ゴム系などの、溶剤型、エマルジョン型、感圧型、感熱型、熱硬化型又は紫外線硬化型の接着剤組成物を用いて形成することができる。特に、第2接着層が感圧接着剤組成物を用いて形成された感圧接着層である場合は、様々な物品又は設置表面への貼り付けが容易になり、両面接着テープの用途を広げることができる。第2接着層の厚さは、一般に約5μm以上、約10μm以上、又は約20μm以上、約200μm以下、約100μm以下、又は約80μm以下とすることができる。
【0050】
第2接着層を保護するための剥離層として、任意の好適な剥離ライナーを使用することができる。代表的な剥離ライナーとして、紙(例えば、クラフト紙)又はポリマー材料(例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンビニルアセテート、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルなど)から調製されるものが挙げられる。剥離ライナーは、必要に応じてシリコーン含有材料又はフルオロカーボン含有材料などの剥離剤の層でコーティングされていてもよい。剥離ライナーの厚さは、一般に約5μm以上、約15μm以上又は約25μm以上、約300μm以下、約200μm以下又は約150μm以下である。いくつかの実施態様では、両面接着テープはテープロールの形態であり、剥離ライナーのコンタクト接着層と接触する表面(背面)を無処理とすることができる。
【0051】
第2接着層は、例えば、酸化チタン(二酸化チタン)、カーボンブラックなどの顔料又は染料を用いて着色されていてもよい。第2接着層を着色することにより、隠蔽性の付与、貼り付け位置の明確化などが可能となる。さらに、両面接着テープを物品若しくは設置表面に適用するとき、又は両面接着テープを接着した物品を設置表面に配置するときの、位置合わせを容易にすることができる。
【0052】
コンタクト接着剤組成物を基材層の表面に適用し、必要に応じて乾燥又は硬化してコンタクト接着層を基材層の上に形成し、基材層のもう一方の表面に第2接着層を形成又は積層することにより、本開示の両面接着テープを製造することができる。コンタクト接着剤組成物の基材層表面への適用は、例えば、ナイフコート、バーコート、ブレードコート、ドクターコート、ロールコート、キャストコート、グラビアコート、カーテンコート、静電コート、噴霧、スクリーン印刷、ステンシル印刷、はけ塗りなどを用いて行うことができる。コンタクト接着剤組成物の適用条件、例えばコーティング速度、適用温度及び塗工厚さ(ウェット厚さ)、並びに乾燥又は硬化条件、例えば乾燥又は硬化温度などは、コンタクト接着層表面に十分な密度で突起部が形成されるように選択することができる。
【0053】
コンタクト接着剤組成物を、コンタクト接着層の単位面積あたりの質量が、約5g/m
2以上、約10g/m
2以上、又は約15g/m
2以上、約100g/m
2以下、約80g/m
2以下、又は約60g/m
2以下となるように、基材層表面に適用することが望ましい。コンタクト接着層の単位面積あたりの質量を上記範囲とすることにより、コンタクト接着層の表面全体に十分な密度で突起部を形成して、スライド性の面内均一性を高めることができる。
【0054】
コンタクト接着層の厚さは、一般に約5μm以上、約10μm以上、又は約15μm以上、約100μm以下、約80μm以下、又は約60μm以下とすることができる。コンタクト接着層の厚さを上記範囲とすることにより、微小球をコンタクト接着層に完全に埋没させずに、微小球によりコンタクト接着層表面を一部突出させて突起部を形成することができる。
【0055】
本開示の別の実施態様では、上記両面接着テープとプライマー剤とを組み合わせた接着キットが提供される。キットは顧客に販売することができる。プライマー剤は設置表面に第2のコンタクト接着層を形成するために使用され、クロロプレンゴム及びアクリル系共重合体の少なくとも1つを含む第2のコンタクト接着剤、及び任意に平均粒径約0.5μm以上の第2の微小球を含む。第2の微小球が任意成分である以外は、プライマー剤に含まれる成分及びその量は、コンタクト接着剤組成物について説明したものと同様である。
【0056】
プライマー剤に含まれる第2のコンタクト接着剤及び/又は任意成分の第2の微小球は、両面接着テープのコンタクト接着層(第1のコンタクト接着層)に含まれるコンタクト接着剤(第1のコンタクト接着剤)及び/又は微小球(第1の微小球)と同じであってもよく、異なっていてもよい。第1のコンタクト接着剤に含まれる接着成分と第2のコンタクト接着剤に含まれる接着成分に化学的性質の類似する物質を用いる、すなわち第1及び第2のコンタクト接着剤の接着成分がいずれもクロロプレンゴムであるか、いずれもアクリル系共重合体であることにより、より高いコンタクト接着を達成することができる。
【0057】
いくつかの実施態様では、プライマー剤は、第2のコンタクト接着剤100質量部を基準として第2の微小球を約2質量部以上、約5質量部以上、又は約8質量部以上、約550質量部以下、約500質量部以下、又は約450質量部以下の量で含む。これらの実施態様では、プライマー剤の適用により設置表面の第2のコンタクト接着層の表面に形成された複数の突起部が、プライマー処理された設置表面と接触する両面接着テープの初期接触面積を低減させるため、両面接着テープが接着された物品を設置表面上でより容易にスライドさせ位置合わせすることができる。また、いかなる理論に拘束されることを望むわけではないが、これらの実施態様では、両面接着テープが接着された物品を設置表面に(施工者の手によって、又はローラーなどを介して)さらに押し付けて接着したときに、両面接着テープのコンタクト接着層に含まれる微小球と設置表面に形成された第2のコンタクト接着層に含まれる微小球が互いに係合して剪断接着力を高めることができると考えられる。
【0058】
両面接着テープのコンタクト接着層に含まれる微小球とプライマー剤に含まれる第2の微小球の合計量が、両面接着テープのコンタクト接着層とプライマー層との間の摩擦、したがってスライド性の関数であると考えられる。いくつかの実施態様では、両面接着テープのコンタクト接着層に含まれるコンタクト接着剤(第1のコンタクト接着剤)100質量部を基準とした微小球(第1の微小球)の質量部と、プライマー剤の第2のコンタクト接着剤100質量部を基準とした第2の微小球の質量部の合計が、約5質量部以上、約7質量部以上、又は約9質量部以上、約1100質量部以下、約1000質量部以下、又は約900質量部以下である。
【0059】
本開示のさらに別の実施態様では、
図2に示すような、設置表面の上に物品を貼り付ける方法が示される。この方法は、物品1を準備し、両面接着テープ10を準備し、設置表面30にプライマー剤を適用して、第2のコンタクト接着層20を形成し、物品1に両面接着テープの第2接着層15を接着し、両面接着テープ10が接着された物品1を第2のコンタクト接着層20上に配置する。このような方法を用いることにより、両面接着テープ10はコンタクト接着層14の複数の突起によりスライド可能であり、したがって物品1を正確な位置へと再配置することができる。
図2に示すように、第2のコンタクト接着層20が微小球24を含む場合は、両面接着テープ10はさらに良好なスライド性を示すことができる。施工者により両面接着テープ10が接着された物品1が適切に配置されたら、施工者が設置表面30上で物品1に圧力を加えることにより両面接着テープ10のコンタクト接着層14を第2のコンタクト接着層20に密着させて、
図3に示す積層構造体を形成することができる。そのような圧力は、本技術分野で周知の技術、例えば手、ローラー、スキージ、ブラシ、刷毛などで押し付けることにより加えることができる。
【0060】
本開示のさらに別の実施態様では、
図4に示すような、設置表面の上に物品を貼り付ける方法が示される。この方法は、物品1を準備し、第1と第2の両面接着テープ10を準備し、設置表面30に第1の両面接着テープ10の第2接着層15を接着し、物品1に第2の両面接着テープの第2接着層15を接着し、第2の両面接着テープ10が接着された物品1を第1の両面接着テープ10が接着された設置表面30の上に配置する。このような方法を用いることにより、両面接着テープ10はコンタクト接着層14の複数の突起により互いにスライド可能であり、したがって物品1を正確な位置へと再配置することができる。施工者により両面接着テープ10が接着された物品1が適切に配置されたら、施工者が設置表面30上で物品1に圧力を加えることにより第1と第2の両面接着テープ10のコンタクト接着層14を互いに密着させて、
図5に示す積層構造体を形成することができる。そのような圧力は、本技術分野で周知の技術、例えば手、ローラー、スキージ、ブラシ、刷毛などで押し付けることにより加えることができる。物品に接着される両面接着テープのコンタクト接着層と設置表面に接着されるコンタクト接着層とが、全体で互いに接着してもよく、一部で互いに接着してもよい。例えば、物品に平行に複数の両面接着テープを接着し、これらの両面接着テープと接着時に直交するように、設置表面に複数の両面接着テープを接着して、これらの両面接着テープが交わる点のみで物品を設置表面に接着してもよい。
【0061】
物品に接着される両面接着テープと設置表面に接着される両面接着テープは、互いに同一であっても異なっていてもよい。両方の両面接着テープのコンタクト接着剤に含まれる接着成分の化学的性質が類似する、すなわちコンタクト接着剤の接着成分がいずれもクロロプレンゴムであるか、いずれもアクリル系共重合体であることにより、より高いコンタクト接着を達成することができる。
【0062】
図6A及び
図6Bに、本開示の接着キットを用いて、フローリングパネル等のフローリング材を床面上に施工する方法を示す。フローリングパネルは一般に側面に実(さね)を有しており、施工時には隣接するフローリング材の側面の矧ぎ(矧ぎ)と嵌合させて配置される。フローリング材は、建築物の床面に設置されたパーティクルボード、モルタルなどの担持材に、隣接するフローリング材と嵌合するように接着されることが多い。本開示の両面接着テープをフローリングパネル101上に第2接着層を介して接着して、フローリングパネル101の上に微小球118により複数の突起部を有するコンタクト接着層116を付与し、一方で床130の表面に第2の微小球124を含むプライマー剤を適用して、床130の上に第2のコンタクト接着層122を形成することができる。
図6A及び
図6Bでは、両面接着テープの基材層及び第2接着層は簡便な説明の目的で省略されている。フローリングパネル101の上に付与されたコンタクト接着層116は滑らかにスライドさせることができ、再配置が容易となる。フローリングパネル101が適切な位置に収まったら、押圧ジグ140を用いて押し付けることでその位置を固定することができる。床130の表面にプライマー剤を適用する代わりに、本開示の両面接着テープを床130の上に第2接着層を介して接着して、床130の上にコンタクト接着層を付与することもできる。
【0063】
設置表面は、例えば、本棚、食器棚、チェストなどの家具の表面、建築物の内壁及び床面、自動車及び鉄道の車両の内壁及び外壁、家庭用品の表面などであってよい。
【0064】
プライマー剤の設置表面への適用は、上述したように、コンタクト接着剤組成物の基材層表面への適用と同様に行うことができる。その例として、ナイフコート、バーコート、ブレードコート、ドクターコート、ロールコート、キャストコート、グラビアコート、カーテンコート、静電コート、噴霧、スクリーン印刷、ステンシル印刷、はけ塗りなどの使用が挙げられる。プライマー剤の設置表面への適用後、必要に応じて乾燥又は硬化を行ってもよい。プライマー剤に第2の微小球が含まれる実施態様では、プライマー剤の適用条件、例えばコーティング速度、適用温度及び塗工厚さ(ウェット厚さ)、並びに乾燥又は硬化条件、例えば乾燥又は硬化温度などは、第2のコンタクト接着層表面に十分な密度で突起部が形成されるように選択することができる。
【0065】
第2のコンタクト接着層又は両面接着テープのコンタクト接着層の表面に、両面接着テープのコンタクト接着層の表面が向かい合うように両面接着テープが接着された物品を設置表面の上に配置した後、押し付けて積層するときに、物品に加える圧力は、例えば約1kPa以上、約5kPa以上、又は約10kPa以上、約1000kPa以下、約600kPa以下、又は約200kPa以下とすることができる。上記圧力を加える前であれば、両面接着テープが接着された物品を設置表面上でスライドさせて、物品の位置合わせ又は再配置を行うことができる。積層は一般に約10℃以上、又は約20℃以上、約100℃以下、又は約50℃以下で、約1秒以上、又は約3秒以上、約60分以下、又は約30分以下の時間をかけて行われる。このようにして、物品、第2接着層、基材層、両面接着テープのコンタクト接着層、設置表面に適用された第2のコンタクト接着層、又は両面接着テープのコンタクト接着層、基材層及び第2接着層と、設置表面とをこの順で含む積層構造体を形成することができる。物品に接着された両面接着テープのコンタクト接着層と、設置表面に適用された第2のコンタクト接着層又は両面接着テープのコンタクト接着層が同一の化学組成を有する場合、2つの接着層を一緒に押し付けた後は、これらの接着層の間の界面を容易に観察できない場合がある。
【0066】
本開示の両面接着テープは、本棚、食器棚、チェストなどの家具又は建築物内壁への装飾シート、化粧板などの取り付け、建築物床面へのフローリング材などの建築内装材の設置などを含む住宅及び建築用途に加えて、自動車、鉄道などの車両の内外装などの工業用途、広告ポスターの貼り付け、封筒などの店舗や一般家庭用途などに広く使用することができる。また、いくつかの実施態様では、本開示の両面接着テープを用いることによって、装飾シート製造における保護ライナー、工程紙、工程フィルムなどの使用を省略することもできる。
【実施例】
【0067】
以下の実施例において、本開示の具体的な実施態様を例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。部及びパーセントは全て、特に明記しない限り質量による。
【0068】
本実施例において使用した材料を表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
接着剤1(A1)のガラス転移温度(Tg)は、動的粘弾性測定装置ARES(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製、日本国東京都品川区)を使用して測定した。A1又はA2を乾燥厚さ約3mmとなるようにフィルム状に形成し、直径約7.9mmに打ち抜いて試料を作製した。−20℃〜150℃まで昇温速度5.0℃/秒にて昇温し、周波数1.0Hzのせん断モードでせん断貯蔵弾性率G’及びせん断損失弾性率G”を測定して得られた損失係数tanδ(=せん断損失弾性率G”/せん断貯蔵弾性率G’)のピーク温度をガラス転移温度とした。
【0071】
接着剤3(A3)は以下の手順で調製した。n−ブチルアクリレート(BA)96質量部、及びアクリル酸(AA)4質量部を、酢酸エチル138質量部に溶解させ、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名V−65、和光純薬工業株式会社、日本国大阪府大阪市)0.2質量部を加えた後、窒素雰囲気下65℃で24時間反応させて、酢酸エチル溶液(固形分42%)としてA3を調製した。A3の重量平均分子量(Mw)は580,000、ガラス転移温度(Tg)は−54℃であった。Tgは、各ポリマーがn種類のモノマーから共重合されているとして、FOXの式(下式)より求めた。
【数2】
【0072】
<分散剤1(D1)の製造>
メチルメタクリレート(MMA)60質量部、n−ブチルメタクリレート(BMA)34質量部、及びN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)6質量部を酢酸エチル150質量部に溶解させ、重合開始剤としてジメチル−2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(商品名V−601、和光純薬工業株式会社製)0.6質量部を加えた後、窒素雰囲気下65℃で24時間反応させ、分散剤(D1)の酢酸エチル溶液(固形分40%)を調製した。D1の重量平均分子量(Mw)は70,000、ガラス転移温度(Tg)は63℃であった。Tgは、各ポリマーがn種類のモノマーから共重合されているとして、FOXの式より求めた。
【0073】
<評価方法>
1.剪断強度A
長さ25mm、幅25mmに試験片を切断した。2枚の試験片をそれぞれアルミニウムパネルに積層した。接触面積が12mm×25mmとなるように2枚のアルミニウムパネルの接着層を互いに接触させ、ローラーで圧着して23℃で48時間放置した。引張試験機(テンシロン万能試験機、型番:RTC−1210A、株式会社エー・アンド・デイ、日本国東京都豊島区)を用いて20℃、剥離速度300mm/分で剪断強度Aを測定した。
【0074】
2.剪断強度B
長さ25mm、幅25mmに試験片を切断した。2枚の試験片をそれぞれアルミニウムパネルに積層した。接触面積が12mm×25mmとなるように2枚のアルミニウムパネルの接着層を互いに接触させ、ローラーで圧着して23℃で48時間放置した。引張試験機(テンシロン万能試験機、型番:RTC−1210A、株式会社エー・アンド・デイ、日本国東京都豊島区)を用いて20℃、剥離速度50mm/分で剪断強度Bを測定した。
【0075】
3.スライド性
2つの試験片を準備した。第1試験片の接着層面と第2試験片の接着層面同士を23℃で圧力をかけずに重ねた。第1試験片が第2試験片の表面上で容易にスライドできた場合「良」と評価した。第1試験片が第2試験片の表面に対して強固に付着しスライドが困難であった場合「不良」と評価した。
【0076】
4.再作業性
2つの試験片を準備した。第1試験片の接着層面と第2試験片の接着層面同士を23℃で圧力をかけずに重ねた。これらの試験片を手で素早く引き剥がした。試験片の変形を伴わずにこれらの試験片を容易に引き剥がすことができた場合「良」と評価した。粘着性のためこれらの試験片を容易に引き剥がすことができなかった場合「不良」と評価した。
【0077】
<例1>
接着剤1(A1)とアクリル微小球1(B1)を混合してコンタクト接着剤組成物を準備した。A1とB1の質量比は固形分で100:30であった。コンタクト接着剤組成物を厚さ約140μmのポリ塩化ビニル(PVC)フィルムにナイフコーターで塗布し、40℃で4分間乾燥した。乾燥後、厚さ16μmのコンタクト接着層が得られた。コンタクト接着層表面は凹凸を有していた。コンタクト接着層の塗布量は17g/m
2であった。コンタクト接着層表面は、室温で粘着性がほとんどなく、保護ライナーでその表面を覆う必要はなかった。PVCフィルムのもう一方の面に接着剤2(A2)の片方の接着面を接着することにより積層して、両面接着テープ1を作製した。
【0078】
<例2>
コンタクト接着層の塗布量を20g/m
2とした以外は、例1と同様にして両面接着テープ2を作製した。
【0079】
<例3>
酸化チタン(TiO
2)粉末、分散剤1(D1)及びメチルエチルケトン(MEK)を含むプレミックスを調製した。TiO
2とD1の質量比は固形分で5:1であった。プレミックスの固形分は約66質量%であった。プレミックス及び接着剤3(A3)を含む白色接着剤組成物を調製した。A3、TiO
2及びD1の質量比は固形分で100:40:10であった。架橋剤1(CL1)を白色接着剤組成物に混合した。A3とCL1の質量比は固形分で100:0.20であった。白色接着剤組成物の固形分は約32質量%であった。白色接着剤組成物をシリコーン被覆したポリエチレンラミネート紙ライナーにナイフコーターで塗布し、90℃で4分間乾燥した。乾燥後、厚さ40μmの白色接着層が得られた。この白色接着層をA2の代わりにPVCフィルムのもう一方の面に積層した以外は、例1と同様にして両面接着テープ3を作製した。
【0080】
<例4>
コンタクト接着層の塗布量を20g/m
2とした以外は、例3と同様にして両面接着テープ4を作製した。
【0081】
<例5>
両面接着テープ1を長さ25mm、幅25mmに切断して試験片とした。2枚の試験片をそれぞれ長さ60mm、幅25mm、厚さ1mmのアルミニウムパネルに接着剤2(A2)が配置された面を接触させることにより積層した。接触面積が12mm×25mmとなるように2枚のアルミニウムパネルのコンタクト接着層を互いに接触させ、ローラーで圧着して23℃で48時間放置した後、剪断強度A及びBを測定した。また、この試験片を用いてスライド性及び再作業性を評価した。結果を表2に示す。
【0082】
<例6>
両面接着テープ1を両面接着テープ2に変更した以外は、例5と同様に剪断強度A及びB、スライド性並びに再作業性を評価した。結果を表2に示す。
【0083】
<例7>
両面接着テープ1を両面接着テープ3に変更した以外は、例5と同様に剪断強度A及びB、スライド性並びに再作業性を評価した。結果を表2に示す。
【0084】
<例8>
両面接着テープ1を両面接着テープ4に変更した以外は、例5と同様に剪断強度A及びB、スライド性並びに再作業性を評価した。結果を表2に示す。
【0085】
<例9>
両面接着テープ1の代わりに例3の白色接着層を一方のアルミニウムパネルに積層した以外は、例5と同様に剪断強度A及びB、スライド性並びに再作業性を評価した。結果を表2に示す。
【0086】
<比較例1>
両面接着テープ1の代わりに接着剤2(A2)を両面接着テープとして使用した以外は、例5と同様に剪断強度A及びB、スライド性並びに再作業性を評価した。結果を表2に示す。
【0087】
<比較例2>
両面接着テープ1の代わりに例3の白色接着層を両方のアルミニウムパネルに積層した以外は、例5と同様に剪断強度A及びB、スライド性並びに再作業性を評価した。結果を表2に示す。
【0088】
【表2】
本開示は以下の態様1〜13を包含する。
[態様1]
第1主表面及び第2主表面を有する基材層と、
第1主表面及び第2主表面を有するコンタクト接着層と、
前記基材層の前記第2主表面に配置された第2接着層と
を有する両面接着テープであって、
前記コンタクト接着層の第2主表面が前記基材層の第1主表面に接着結合しており、
前記コンタクト接着層が、クロロプレンゴム及びアクリル系共重合体の少なくとも1つを含むコンタクト接着剤と、平均粒径0.5μm以上の微小球とを含み、
前記コンタクト接着層が、前記コンタクト接着剤100質量部を基準として前記微小球を5質量部〜500質量部含み、
前記コンタクト接着層の第1主表面が、前記微小球の少なくともいくつかの位置に対応する複数の突起を有する、両面接着テープ。
[態様2]
前記コンタクト接着層の第1主表面が、実質的に非粘着性である、態様1に記載の両面接着テープ。
[態様3]
前記微小球が架橋樹脂を含む、態様1又は2のいずれかに記載の両面接着テープ。
[態様4]
前記微小球がアクリル系ポリマー又はウレタン系ポリマーの中実微小球を含む、態様1〜3のいずれかに記載の両面接着テープ。
[態様5]
前記微小球が非粘着性である、態様1〜4のいずれかに記載の両面接着テープ。
[態様6]
前記コンタクト接着層の単位面積あたりの質量が5g/m2〜100g/m2である、態様1〜5のいずれかに記載の両面接着テープ。
[態様7]
前記コンタクト接着剤の前記アクリル系共重合体のガラス転移温度が0℃〜60℃である、態様1〜6のいずれかに記載の両面接着テープ。
[態様8]
前記第2接着層が感圧接着層である、態様1〜7のいずれかに記載の両面接着テープ。
[態様9]
態様1〜8のいずれかに記載の両面接着テープと、プライマー剤とを含むキットであって、前記プライマー剤が、クロロプレンゴム及びアクリル系共重合体の少なくとも1つを含む第2のコンタクト接着剤を含む、接着キット。
[態様10]
設置表面の上に物品を貼り付ける方法であって、
物品を準備すること、
態様1〜8のいずれかに記載の両面接着テープを準備すること、
前記設置表面に、クロロプレンゴム及びアクリル系共重合体の少なくとも1つを含む第2のコンタクト接着剤を含むプライマー剤を適用し、第2のコンタクト接着層を形成すること、
前記物品に前記両面接着テープの前記第2接着層を接着すること、
前記両面接着テープが接着された前記物品を前記第2のコンタクト接着層の上に配置すること、及び
前記物品に圧力を加えることにより前記両面接着テープの前記コンタクト接着層を前記第2のコンタクト接着層に接着すること
を含む、方法。
[態様11]
設置表面の上に物品を貼り付ける方法であって、
物品を準備すること、
態様1〜8のいずれかに記載の第1と第2の両面接着テープを準備すること、
前記設置表面に前記第1の両面接着テープの前記第2接着層を接着すること、
前記物品に前記第2の両面接着テープの前記第2接着層を接着すること、
前記第2の両面接着テープが接着された前記物品を前記第1の両面接着テープが接着された前記設置表面の上に配置すること、及び
前記物品に圧力を加えることにより前記物品に接着された前記第2の両面接着テープの前記コンタクト接着層を前記設置表面に接着された前記第1の両面接着テープの前記コンタクト接着層に接着すること
を含む、方法。
[態様12]
設置表面の上に形成された積層構造体であって、
物品と、
前記物品に接着された態様1〜8のいずれかに記載の両面接着テープと、
前記設置表面を被覆する第2のコンタクト接着層と
を有し、
前記両面接着テープの前記コンタクト接着層と前記第2のコンタクト接着層の両方が互いに接着されており、
前記第2のコンタクト接着層が、クロロプレンゴム及びアクリル系共重合体の少なくとも1つを含む第2のコンタクト接着剤を含む、積層構造体。
[態様13]
設置表面の上に形成された積層構造体であって、
物品と、
前記物品に接着された態様1〜8のいずれかに記載の両面接着テープと、
前記設置表面に接着された態様1〜8のいずれかに記載の両面接着テープと
を有し、
前記物品に接着された前記両面接着テープの前記コンタクト接着層と前記設置表面に接着された前記両面接着テープの前記コンタクト接着層の両方が互いに接着されている、積層構造体。