(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
測定対象の温度に応じてその値が変化する温度検知信号を出力するように構成された温度検知素子と、この温度検知素子からの温度検知信号を入力信号とし、この入力信号をその信号の値に応じた温度検出信号に変換して出力するように構成された温度検出回路と、この温度検出回路からの温度検出信号に従う所定の処理を行うように構成された処理回路とを備えた温度測定装置において、
前記温度検知素子からの温度検知信号の入力部とされる第1の入力部と、
前記温度検知素子が所定の状態にある場合の前記温度検知素子からの温度検知信号を模したチェック用の信号の入力部とされる第2の入力部と、
前記第1の入力部を介して入力される前記温度検知信号と前記第2の入力部を介して入力される前記チェック用の信号とを選択的に切り替えて前記温度検出回路への入力信号とするように構成された切替回路とを備え、
前記第2の入力部は、
前記温度検知素子が断線した状態にある場合の前記温度検知素子からの温度検知信号を模した第1のチェック用の信号の入力部とされる第1のチェック用信号入力部と、
前記温度検知素子が短絡した状態にある場合の前記温度検知素子からの温度検知信号を模した第2のチェック用の信号の入力部とされる第2のチェック用信号入力部と、
前記温度検知素子が所定の温度を検知している状態にある場合の前記温度検知素子からの温度検知信号を模した第3のチェック用の信号の入力部とされる第3のチェック用信号入力部とを備え、
前記処理回路は、
前記切替回路が前記第1の入力部からの前記温度検知信号を前記温度検出回路への入力信号として周期的に選択するように、また、前記第1の入力部からの前記温度検知信号を前記温度検出回路への入力信号として前記切替回路が選択してからその選択された入力信号に対する前記温度検出回路および前記処理回路における処理が終了するまでの期間を温度測定処理期間とし、この温度測定処理期間を除く期間内に、前記切替回路が重複することなく、前記第1,第2,第3のチェック用信号入力部からの前記第1,第2,第3のチェック用の信号を前記温度検出回路への入力信号として前記切替回路が選択するように、前記切替回路の動作を制御するように構成された入力切替部と、
前記温度検出回路において前記温度検出信号に変換された前記第1,第2,第3のチェック用の信号を第1,第2,第3の異常診断信号として入力し、この入力された第1,第2,第3の異常診断信号のうち何れか1つでもその値がその異常診断信号に変換される前の前記チェック用の信号の値に応じた正しい値であるか否かをチェックし、正しい値でなかった場合に前記温度測定装置が異常な状態にあると判定するように構成された異常状態判定部と
を備えることを特徴とする温度測定装置。
測定対象の温度に応じてその値が変化する温度検知信号を出力するように構成された温度検知素子と、この温度検知素子からの温度検知信号を入力信号とし、この入力信号をその信号の値に応じた温度検出信号に変換して出力するように構成された温度検出回路と、この温度検出回路からの温度検出信号に従う所定の処理を行うように構成された処理回路とを備えた温度測定装置において、
前記温度検知素子からの温度検知信号の入力部とされる第1の入力部と、
前記温度検知素子が所定の状態にある場合の前記温度検知素子からの温度検知信号を模したチェック用の信号の入力部とされる第2の入力部と、
前記第1の入力部を介して入力される前記温度検知信号と前記第2の入力部を介して入力される前記チェック用の信号とを選択的に切り替えて前記温度検出回路への入力信号とするように構成された切替回路とを備え、
前記温度検知素子は、
前記測定対象の温度に応じてその値が変化する第1の温度検知信号を出力するように構成された第1の温度検知素子と、
前記測定対象の温度に応じてその値が変化する第2の温度検知信号を出力するように構成された第2の温度検知素子とからなり、
前記第1の入力部は、
前記第1の温度検知素子からの第1の温度検知信号の入力部とされる第1の温度検知信号入力部と、
前記第2の温度検知素子からの第2の温度検知信号の入力部とされる第2の温度検知信号入力部とを備え、
前記第2の入力部は、
前記第1の温度検知素子が断線した状態にある場合の前記第1の温度検知素子からの第1の温度検知信号を模した第1のチェック用の信号の入力部とされる第1のチェック用信号入力部と、
前記第1の温度検知素子が短絡した状態にある場合の前記第1の温度検知素子からの第1の温度検知信号を模した第2のチェック用の信号の入力部とされる第2のチェック用信号入力部と、
前記第1の温度検知素子が所定の温度を検知している状態にある場合の前記第1の温度検知素子からの第1の温度検知信号を模した第3のチェック用の信号の入力部とされる第3のチェック用信号入力部とを備え、
前記処理回路は、
前記切替回路が前記第1の温度検知信号入力部からの前記第1の温度検知信号を前記温度検出回路への入力信号として周期的に選択するように、また、前記第1の温度検知信号入力部からの前記第1の温度検知信号を前記温度検出回路への入力信号として前記切替回路が選択してからその選択された入力信号に対する前記温度検出回路および前記処理回路における処理が終了するまでの期間を温度測定処理期間とし、この温度測定処理期間を除く期間内に、前記切替回路が重複することなく、前記第1,第2,第3のチェック用信号入力部からの前記第1,第2,第3のチェック用の信号を前記温度検出回路への入力信号として前記切替回路が選択するように、また前記第2の温度検知信号入力部からの前記第2の温度検知信号を前記温度検出回路への入力信号として選択するように、前記切替回路の動作を制御するように構成された入力切替部と、
前記温度検出回路において前記温度検出信号に変換された前記第1,第2,第3のチェック用の信号を第1,第2,第3の異常診断信号として入力し、この入力された第1,第2,第3の異常診断信号のうち何れか1つでもその値がその異常診断信号に変換される前の前記チェック用の信号の値に応じた正しい値であるか否かをチェックし、正しい値でなかった場合に前記温度測定装置が異常な状態にあると判定するように、また、前記温度検出回路において前記温度検出信号に変換された前記第2の温度検知信号を第4の異常診断信号として入力し、この入力された第4の異常診断信号の値と直前に前記温度検出信号に変換された前記第1の温度検知信号の値との差が所定値以上であった場合に、前記第1の温度検知素子が異常である可能性があると判定するように構成された異常状態判定部と
を備えることを特徴とする温度測定装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
〔実施の形態1〕
図1は、本発明の実施の形態1に係る温度測定装置101の要部を示す図である。同図において、
図10と同一符号は
図10を参照して説明した構成要素と同一或いは同等の構成要素を示す。
【0019】
この温度測定装置101は、
図10に示した温度測定装置200の構成に加え、温度検知素子(熱電対)1が所定の状態にある場合の温度検知素子1からの温度検知信号S1を模したチェック用の信号S3の入力部(チェック用信号入力部)5と、温度検知信号入力部2を介して入力される温度検知信号S1とチェック用信号入力部5を介して入力されるチェック用の信号S3とを選択的に切り替えて温度検出回路3への入力信号S4とする切替回路6とを備えている。
【0020】
本実施の形態において、チェック用信号入力部5は、温度検知素子1が断線した状態にある場合の温度検知素子1からの温度検知信号S1を模した第1のチェック用の信号S3
1の入力部とされる第1のチェック用信号入力部51と、温度検知素子1が短絡した状態にある場合の温度検知素子1からの温度検知信号S1を模した第2のチェック用の信号S3
2の入力部とされる第2のチェック用信号入力部52と、温度検知素子1が所定の温度を検知している状態にある場合の温度検知素子1からの温度検知信号を模した第3のチェック用の信号S3
3の入力部とされる第3のチェック用信号入力部53とを備えている。
【0021】
なお、この例において、第1のチェック用信号入力部51への第1のチェック用の信号S3
1は、第1のチェック用信号入力部51の2つの入力端間を開放した場合の「開放入力」とされ、第2のチェック用信号入力部52への第2のチェック用の信号S3
2は、第2のチェック用信号入力部52の2つの入力端間を短絡した場合の「短絡入力」とされ、第3のチェック用信号入力部53への第3のチェック用の信号S3
3は、第3のチェック用信号入力部53の2つの入力端間に抵抗rを接続した場合の「中間電圧入力(固定値)」とされる。
【0022】
また、本実施の形態において、切替回路6は、温度検知信号入力部2(IN1)を介して入力される温度検知信号S1と、第1のチェック用信号入力部51(IN2)を介して入力されるチェック用の信号S3
1と、第2のチェック用信号入力部52(IN3)を介して入力されるチェック用の信号S3
2と、第3のチェック用信号入力部53(IN4)を介して入力されるチェック用の信号S3
3とを選択的に切り替えて温度検出回路3への入力信号S4とする。
【0023】
また、この温度測定装置101において、処理回路4は、プロセッサや記憶装置からなるハードウェアと、これらのハードウェアと協働して各種機能を実現させるプログラムとによって実現され、高温設備判定部41と入力切替部42と異常状態判定部43とを備えている。
【0024】
処理回路4において、入力切替部42は、切替回路6が温度検知信号入力部2からの温度検知信号S1を温度検出回路3への入力信号S4として周期的(
図2に示す周期T)に選択するように、また、温度検知信号入力部2からの温度検知信号S1を温度検出回路3への入力信号S4として切替回路6が選択してからその選択された入力信号S4に対する温度検出回路3および処理回路4における処理が終了するまでの期間を温度測定処理期間(
図2に示す期間TA)とし、この温度測定処理期間を除く期間(
図2に示す期間TB)内に、切替回路6が重複することなく、第1,第2,第3のチェック用信号入力部51,52,53からの第1,第2,第3のチェック用の信号S3
1,S3
2,S3
3を温度検出回路3への入力信号S4として選択するように、切替回路6の動作を制御する。
【0025】
図2には、第1のチェック用信号入力部51からの第1のチェック用の信号S3
1と、第2のチェック用信号入力部52からの第2のチェック用の信号S3
2と、第3のチェック用信号入力部53からの第3のチェック用の信号S3
3とを、期間TB毎に順番に分割して選択するようにした例を示している。
【0026】
処理回路4において、高温設備判定部41は、温度検出回路3において温度検出信号S2に変換された温度検知信号S1を温度測定信号S2
0として入力し、この温度測定信号S2
0が示す炉壁の温度が750℃以上であるか否かをチェックし、750℃以上あった場合に高温設備であると判定し、その判定結果を燃焼安全機器300へ送る。
【0027】
なお、温度検知信号入力部2からの温度検知信号S1が入力信号S4として選択されてから、その入力信号S4を温度検出回路3が温度検出信号S2に変換して温度測定信号S2
0として処理回路4へ送り、この温度測定信号S2
0の値に基づいて高温設備判定部41が高温設備であるか否かを判定するまでの処理(温度測定処理)は、
図2に示す期間(温度測定処理期間)TAにおいて行われる。また、高温設備判定部41は、温度測定処理期間TAを除く期間TBは、直前の温度測定処理期間TAで得られた判定結果を保持する。また、高温設備判定部41への温度測定信号S2
0の入力タイミング(温度検出信号S2を取り込むタイミング)は、入力切替部42から知らされる。
【0028】
処理回路4において、異常状態判定部43は、温度検出回路3において温度検出信号S2に変換された第1のチェック用の信号S3
1を第1の異常診断信号S2
1として入力し、この第1の異常診断信号S2
1の値が第1のチェック用の信号S3
1の値に応じた正しい値(開放入力に対応するAD値(ゼロ))であるか否かをチェックし、正しい値でなかった場合に温度測定装置101が異常な状態にあると判定し、その判定結果を燃焼安全機器300へ送る。
【0029】
なお、この第1の異常診断信号S2
1の値に基づく異常状態の判定処理(開放入力の診断処理)は、
図2に示す期間TB1において行われる。この期間TB1において、高温設備判定部41は、直前の温度測定処理期間TA1で得られた判定結果を保持する。また、異常状態判定部43への第1の異常診断信号S2
1の入力タイミング(温度検出信号S2を取り込むタイミング)は、入力切替部42から知らされる。
【0030】
また、異常状態判定部43は、温度検出回路3において温度検出信号S2に変換された第2のチェック用の信号S3
2を第2の異常診断信号S2
2として入力し、この第2の異常診断信号S2
2の値が第2のチェック用の信号S3
2の値に応じた正しい値(短絡入力に対応するAD値(予め調べた値))であるか否かをチェックし、正しい値でなかった場合に温度測定装置101が異常な状態にあると判定し、その判定結果を燃焼安全機器300へ送る。
【0031】
なお、この第2の異常診断信号S2
2の値に基づく異常状態の判定処理(短絡入力の診断処理)は、
図2に示す期間TB2において行われる。この期間TB2において、高温設備判定部41は、直前の温度測定処理期間TA2で得られた判定結果を保持する。また、異常状態判定部43への第2の異常診断信号S2
2の入力タイミング(温度検出信号S2を取り込むタイミング)は、入力切替部42から知らされる。
【0032】
また、異常状態判定部43は、温度検出回路3において温度検出信号S2に変換された第3のチェック用の信号S3
3を第3の異常診断信号S2
3として入力し、この第3の異常診断信号S2
3の値が第3のチェック用の信号S3
3の値に応じた正しい値(中間電圧入力に対応するAD値(固定値))であるか否かをチェックし、正しい値でなかった場合に温度測定装置101が異常な状態にあると判定し、その判定結果を燃焼安全機器300へ送る。
【0033】
なお、この第3の異常診断信号S2
3の値に基づく異常状態の判定処理(中間電圧の診断処理)は、
図2に示す期間TB3において行われる。この期間TB3において、高温設備判定部41は、直前の温度測定処理期間TA3で得られた判定結果を保持する。また、異常状態判定部43への第3の異常診断信号S2
3の入力タイミング(温度検出信号S2を取り込むタイミング)は、入力切替部42から知らされる。
【0034】
異常状態判定部43において、温度測定装置101が異常な状態であると判定されると、すなわち開放入力の診断処理(開放チェック)、短絡入力の診断処理(短絡チェック)、中間電圧の診断処理(中間電圧チェック)の3つの診断項目のうち1つでも異常と判定されると、温度検出回路3などに異常があるとして、温度測定装置101の健全性は否定される。逆に言うと、3つの診断項目の全てが正常であると判定されると、温度測定装置101の健全性が確認される。
【0035】
図1において、点線で囲んだブロックBL1は、この温度測定装置101において健全性を確認することが可能なブロック(健全性確認可能ブロック)を示している。この健全性の確認は、すなわち開放入力の診断処理、短絡入力の診断処理、中間電圧の診断処理は、例えば24時間内に1回以上行うものとする。
【0036】
例えば、
図10に示した温度測定装置200において、チェックのために、温度検知素子1からの温度検知信号S1をわざと断線/短絡することが考えられる。しかし、このようにすると、高温設備判定部41より燃焼安全機器300へ誤った判定結果が送られるものとなり、高温設備の稼働を継続できない問題が考えられる。これに対し、本実施の形態の温度測定装置101によれば、温度測定処理期間TAを除く期間TBは、高温設備判定部41が直前の温度測定処理期間TAで得られた判定結果を保持するので(
図3参照)、高温設備判定部41より燃焼安全機器300へ誤った判定結果が送られることがなく、高温設備の稼働中に温度測定装置101の健全性を確認することができる。
【0037】
また、本実施の形態の温度測定装置101では、開放入力の診断処理と短絡入力の診断処理とに加えて、中間電圧の診断処理を行うものとしている。これにより、温度検知素子1の断線異常や短絡異常だけではなく、例えば、温度検知素子1の固着異常(温度検知素子1からの温度検知信号S1の値が固定されてしまうような異常)についても、これを正しく検出することができるか否かを確認することが可能となる。
【0038】
なお、上述した実施の形態では、期間TB毎に、開放入力の診断処理と短絡入力の診断処理と中間電圧の診断処理とを順番に分割して行うようにしたが、
図4に示すように、期間TB内において、開放入力の診断処理と短絡入力の診断処理と中間電圧の診断処理とを順番に連続して行うようにしてもよい。
【0039】
また、
図5に示すように、温度測定処理と開放入力の診断処理と短絡入力の診断処理と中間電圧の診断処理とを同じ時間間隔で順番に連続して行うようにしてもよい。また、
図6に示すように、温度測定処理の頻度を高めとして、期間TB毎に、開放入力の診断処理と短絡入力の診断処理と中間電圧の診断処理とを順番に分割して行うようにしてもよい。
【0040】
また、
図7に示すように、例えば、期間TB内に開放入力の診断処理を終了することができない場合、次の温度測定処理期間TAの開始タイミングを延ばすようにしてもよい。すなわち、次の温度測定処理期間TAの開始タイミングを延ばすことにより、開放入力の診断処理の期間TBをTB’として確保するようにしてもよい。
【0041】
〔実施の形態2〕
図8は、本発明の実施の形態2に係る温度測定装置102の要部を示す図である。同図において、
図1と同一符号は
図1を参照して説明した構成要素と同一或いは同等の構成要素を示す。
【0042】
この温度測定装置102は、測定対象の温度に応じてその値が変化する温度検知信号を出力する温度検知素子として、第1の温度検知素子(メインの温度検知素子)1−1と第2の温度検知素子(サブの温度検知素子)1−2とを備えている。また、第1の温度検知素子1−1からの温度検知信号S1
1の入力部とされる第1の温度検知信号入力部2−1と、第2の温度検知素子1−2からの温度検知信号S1
2の入力部とされる第2の温度検知信号入力部2−2とを備えている。
【0043】
また、この温度測定装置102において、切替回路6は、第1の温度検知信号入力部2−1(IN1)を介して入力される温度検知信号S1
1と、第1のチェック用信号入力部51(IN2)を介して入力されるチェック用の信号S3
1と、第2のチェック用信号入力部52(IN3)を介して入力されるチェック用の信号S3
2と、第3のチェック用信号入力部53(IN4)を介して入力されるチェック用の信号S3
3と、第2の温度検知信号入力部2−2(IN5)を介して入力される温度検知信号S1
2とを選択的に切り替えて温度検出回路3への入力信号S4とする。
【0044】
また、この温度測定装置102において、処理回路4における入力切替部42は、切替回路6が第1の温度検知信号入力部2−1からの第1の温度検知信号S1
1を温度検出回路3への入力信号S4として周期的(
図9に示す周期T)に選択するように、また、第1の温度検知信号入力部2−1からの第1の温度検知信号S1
1を温度検出回路3への入力信号S4として切替回路6が選択してからその選択された入力信号S4に対する温度検出回路3および処理回路4における処理が終了するまでの期間を温度測定処理期間(
図9に示す期間TA)とし、この温度測定処理期間を除く期間(
図9に示す期間TB)内に、切替回路6が重複することなく、第1,第2,第3のチェック用信号入力部51,52,53からの第1,第2,第3のチェック用の信号S3
1,S3
2,S3
3を温度検出回路3への入力信号S4として選択するように、また第2の温度検知信号入力部2−2からの第2の温度検知信号S1
2を温度検出回路3への入力信号S4として選択するように、切替回路6の動作を制御する。
【0045】
図9には、第1のチェック用信号入力部51からの第1のチェック用の信号S3
1と、第2のチェック用信号入力部52からの第2のチェック用の信号S3
2と、第3のチェック用信号入力部53からの第3のチェック用の信号S3
3と、第2の温度検知信号入力部2−2からの第2の温度検知信号S1
2とを、期間TB毎に順番に分割して選択するようにした例を示している。
【0046】
処理回路4において、高温設備判定部41は、温度検出回路3において温度検出信号S2に変換された第1の温度検知信号S1
1を温度測定信号S2
0として入力し、この温度測定信号S2
0が示す炉壁の温度が750℃以上であるか否かをチェックし、750℃以上あった場合に高温設備であると判定し、その判定結果を燃焼安全機器300へ送る。
【0047】
なお、第1の温度検知信号入力部2−1からの第1の温度検知信号S1
1が入力信号S4として選択されてから、その入力信号S4を温度検出回路3が温度検出信号S2に変換して温度測定信号S2
0として処理回路4へ送り、この温度測定信号S2
0の値に基づいて高温設備判定部41が高温設備であるか否かを判定するまでの処理(温度測定処理)は、
図9に示す期間(温度測定処理期間)TAにおいて行われる。また、高温設備判定部41は、温度測定処理期間TAを除く期間TBは、直前の温度測定処理期間TAで得られた判定結果を保持する。また、高温設備判定部41への温度測定信号S2
0の入力タイミング(温度検出信号S2を取り込むタイミング)は、入力切替部42から知らされる。
【0048】
処理回路4において、異常状態判定部43は、温度検出回路3において温度検出信号S2に変換された第1のチェック用の信号S3
1を第1の異常診断信号S2
1として入力し、この第1の異常診断信号S2
1の値が第1のチェック用の信号S3
1の値に応じた正しい値(開放入力に対応するAD値(ゼロ))であるか否かをチェックし、正しい値でなかった場合に温度測定装置102が異常な状態にあると判定し、その判定結果を燃焼安全機器300へ送る。
【0049】
なお、この第1の異常診断信号S2
1の値に基づく異常状態の判定処理(開放入力の診断処理)は、
図9に示す期間TB1において行われる。この期間TB1において、高温設備判定部41は、直前の温度測定処理期間TA1で得られた判定結果を保持する。また、異常状態判定部43への第1の異常診断信号S2
1の入力タイミング(温度検出信号S2を取り込むタイミング)は、入力切替部42から知らされる。
【0050】
また、異常状態判定部43は、温度検出回路3において温度検出信号S2に変換された第2のチェック用の信号S3
2を第2の異常診断信号S2
2として入力し、この第2の異常診断信号S2
2の値が第2のチェック用の信号S3
2の値に応じた正しい値(短絡入力に対応するAD値(予め調べた値))であるか否かをチェックし、正しい値でなかった場合に温度測定装置102が異常な状態にあると判定し、その判定結果を燃焼安全機器300へ送る。
【0051】
なお、この第2の異常診断信号S2
2の値に基づく異常状態の判定処理(短絡入力の診断処理)は、
図9に示す期間TB2において行われる。この期間TB2において、高温設備判定部41は、直前の温度測定処理期間TA2で得られた判定結果を保持する。また、異常状態判定部43への第2の異常診断信号S2
2の入力タイミング(温度検出信号S2を取り込むタイミング)は、入力切替部42から知らされる。
【0052】
また、異常状態判定部43は、温度検出回路3において温度検出信号S2に変換された第3のチェック用の信号S3
3を第3の異常診断信号S2
3として入力し、この第3の異常診断信号S2
3の値が第3のチェック用の信号S3
3の値に応じた正しい値(中間電圧入力に対応するAD値(固定値))であるか否かをチェックし、正しい値でなかった場合に温度測定装置102が異常な状態にあると判定し、その判定結果を燃焼安全機器300へ送る。
【0053】
なお、この第3の異常診断信号S2
3の値に基づく異常状態の判定処理(中間電圧の診断処理)は、
図9に示す期間TB3において行われる。この期間TB3において、高温設備判定部41は、直前の温度測定処理期間TA3で得られた判定結果を保持する。また、異常状態判定部43への第3の異常診断信号S2
3の入力タイミング(温度検出信号S2を取り込むタイミング)は、入力切替部42から知らされる。
【0054】
また、異常状態判定部43は、温度検出回路3において温度検出信号S2に変換された第2の温度検知信号S1
2を第4の異常診断信号S2
4として入力し、この第4の異常診断信号S2
4の値(サブの温度検知素子1−2の値)と直前に温度検出信号S2に変換された第1の温度検知信号S1
1の値(メインの温度検知素子1−1の測定値)との差をチェックし、その差が所定値以上であった場合、メインの温度検知素子1−1が異常である可能性があると判定し、その判定結果を燃焼安全機器300へ送る。
【0055】
なお、この第4の異常診断信号S2
4の値に基づく異常状態の判定処理(熱電対の診断処理)は、
図9に示す期間TB4において行われる。この期間TB4において、高温設備判定部41は、直前の温度測定処理期間TA4で得られた判定結果を保持する。また、異常状態判定部43への第4の異常診断信号S2
4の入力タイミング(温度検出信号S2を取り込むタイミング)は、入力切替部42から知らされる。
【0056】
異常状態判定部43において、温度測定装置102が異常な状態であると判定されると、すなわち開放入力の診断処理(開放チェック)、短絡入力の診断処理(短絡チェック)、中間電圧の診断処理(中間電圧チェック)、熱電対の診断処理(熱電対チェック)の4つの診断項目のうち1つでも異常と判定されると、温度測定装置102の健全性は否定される。逆に言うと、4つの診断項目の全てが正常であると判定されると、温度測定装置102の健全性が確認される。この場合、熱電対の診断処理を行っているので、メインの温度検知素子1−1を含めた温度測定装置102の健全性が確認されるものとなる。
【0057】
図8において、点線で囲んだブロックBL2は、この温度測定装置102において健全性を確認することが可能なブロック(健全性確認可能ブロック)を示している。この健全性の確認は、すなわち開放入力の診断処理、短絡入力の診断処理、中間電圧の診断処理、熱電対の診断処理は、例えば24時間内に1回以上行うものとする。
【0058】
なお、この実施の形態2においても、実施の形態1と同様、期間TB内において、開放入力の診断処理と短絡入力の診断処理と中間電圧の診断処理と熱電対の診断処理とを順番に連続して行うようにしてもよい。また、分割しても診断処理に必要な時間を確保できない場合には、次の温度測定処理期間TAの開始タイミングを延ばすなどしてもよい。
【0059】
また、上述した実施の形態では、処理回路4における温度検出回路3からの温度検出信号S2に従う所定の処理を高温設備であるか否かを判定する処理としたが、高温設備の判定処理に限られるものではなく、温度を測定するだけの処理であっても構わない。また、独立した温度測定装置としてもよく、燃焼安全機器300に組み込んでもよい。また、上述した実施の形態では、温度検知素子を熱電対としたが、熱電対に限られるものでもない。
【0060】
〔実施の形態の拡張〕
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。