(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書では、電話機は、携帯電話機であるものとするが、これに限定されない。電話機は、通話機能を有する機器であればよく、例えば、固定電話回線に接続された電話機、インターネットを利用したIP(Internet Protcol)電話、及び、通話機能を有するその他の機器等であってもよい。
【0015】
(第1実施形態)
まず、
図1及び
図2を参照しながら、本開示の第1実施形態に係る携帯電話機1の外観について説明する。
図1は、本開示の第1実施形態に係る携帯電話機1の前面図である。
図2は、本開示の第1実施形態に係る携帯電話機1の背面図である。
【0016】
携帯電話機1は、例えば、スマートフォンである。携帯電話機1は、前面に、ディスプレイ2と、操作キー3A,3B,3Cと、ランプ4と、カメラ5Aと、近接センサ6と、レシーバ7と、マイク8とを備える。携帯電話機1は、側面に、音量キー3Dと、電源キー3Eとを備える。携帯電話機1は、背面に、カメラ5Bと、ライト9と、スピーカ10とを備える。
【0017】
続いて、
図3を参照しながら、携帯電話機1の機能について説明する。
図3は、本開示の第1実施形態に係る携帯電話機1のブロック図である。
【0018】
携帯電話機1は、通話機能及び伝言メモ機能を有する。携帯電話機1は、通話機能を有すれば、伝言メモ機能を有していなくてもよい。携帯電話機1は、さらに、キー3と、振動部11と、バッテリ12と、通信ユニット13と、センサ部14と、ストレージ20と、コントローラ21とを備える。
【0019】
ディスプレイ2は、表示パネル2Aと、タッチセンサ2Bとを有する。表示パネル2Aは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)又は無機EL等で構成される。表示パネル2Aは、コントローラ21から取得した情報に基づいて、文字、画像、操作用オブジェクト及びポインタ等を表示する。
【0020】
タッチセンサ2Bは、透明なシート状に形成され、表示パネル2A上に配置される。ユーザは、タッチセンサ2Bを透かして表示パネル2Aを視認する。タッチセンサ2Bは、例えば、ユーザの指及びスタライスペン等がディスプレイ2に接触した位置を、ユーザのディスプレイ2に対する入力として検出する。
【0021】
タッチセンサ2Bの検出方式は、例えば、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式(又は超音波方式)、赤外線方式、電磁誘導方式及び荷重検出方式等の任意の方式であってよい。
【0022】
キー3は、ユーザによって操作される。コントローラ21は、キー3と協働して、キーに対するユーザ操作を検出する。キー3に対するユーザ操作は、例えば、クリック、ダブルクリック、プッシュ、ロングプッシュ及びマルチプッシュである。キー3は、操作キー3A〜3Cと、音量キー3Dと、電源キー3Eとを含む。
【0023】
操作キー3A〜3Cは、例えば、タッチセンサ式のソフトキーである。操作キー3A〜3Cは、ディスプレイ2上に表示される。なお、操作キー3A〜3Cは、押しボタン式のハードキーであってもよい。
【0024】
操作キー3Aは、例えば、バックキーである。操作キー3Aは、ディスプレイ2に表示されている現在の画面を1つ前の画面に戻すときに、ユーザによって操作される。操作キー3Bは、例えば、メニューキーである。操作キー3Bは、ディスプレイ2にメニュー画面を表示させるとき、ユーザによって操作される。操作キー3Cは、例えば、ホームキーである。操作キー3Cは、ディスプレイ2にホーム画面を表示させるとき、ユーザによって操作される。
【0025】
音量キー3Dは、例えば、押しボタン式のハードキーである。音量キー3Dは、スピーカ10から出力される音量を調整するときに、ユーザによって操作される。音量キー3Dは、例えば、アップキー及びダウンキーから構成される。アップキーを操作するとスピーカ10から出力される音量が大きくなり、ダウンキーを操作すると、スピーカ10から出力される音量が小さくなる。
【0026】
電源キー3Eは、例えば、押しボタン式のハードキーである。電源キー3Eは、携帯電話機1の電源をオン/オフさせるときに、ユーザによって操作される。さらに、電源キー3Eは、携帯電話機1をスリープモードに移行させるとき及び携帯電話機1のスリープモードを解除するときに、ユーザによって操作されてもよい。加えて、電源キー3Eは、伝言メモ機能の実行中に、伝言メモ機能の実行を中断するときに、ユーザによって操作されてもよい。
【0027】
ランプ4は、例えば、LED(Light Emitting Diode)を含む。ランプ4は、他の通信機器からの電話の着信中及びバッテリ12の充電中、点灯する。また、ランプ4は、不在着信があるとき及び新着メールがあるとき等に、予め設定されたパターンに従って点滅する。
【0028】
カメラ5Aは、いわゆるインカメラである。カメラ5Aは、携帯電話機1の前面側に存在する被写体を撮影する。カメラ5Bは、いわゆるアウトカメラである。カメラ5Bは、携帯電話機1の背面側に存在する被写体を撮影する。
【0029】
レシーバ7は、コントローラ21から送信される音声信号を、音声に変換して出力する。レシーバ7からは、通話中、通話している相手の声が出力される。マイク8は、通話中のユーザの声及び付近の音を、音声信号に変換してコントローラ21に送信する。マイク8は、コントローラ21の制御に基づいて、携帯電話機1の周囲の環境音を集音することもできる。
【0030】
ライト9は、例えば、LEDを含む。ライト9は、カメラ5Bが物体を撮影するときに発光する。また、ライト9は、簡易的な照明として発光することもできる。
【0031】
スピーカ10は、コントローラ21の制御に基づいて、外部の通信機器からの電話の着信中、着信音を出力する。スピーカ10は、着メールを受信したとき、着信音を出力してもよい。第1実施形態では、携帯電話機1にマナーモードが設定されておらず、電話の着信中、スピーカ10から着信音が出力されるものとする。
【0032】
本実施形態では、スピーカ10は携帯電話機1に備えられている。しかしながら、これに限定されず、例えば、スピーカは携帯電話機に外部接続されていてもよい。この場合、スピーカと携帯電話機とは、有線接続されていてもよいし、無線接続されていてもよい。
【0033】
振動部11は、例えば、圧電素子等の振動子を含む。振動部11は、他の通信機器からの電話の着信中、予め設定された振動パターンに従って振動する。振動部11は、新着メールを受信したときに、予め設定された振動パターンに従って振動してもよい。
【0034】
バッテリ12は、外部から供給される電力によって充電される。バッテリ12は、携帯電話機1内の各構成要素に電力を供給する。
【0035】
通信ユニット13は、無線により通信する。通信ユニット13によって行われる通信方式は、無線通信規格である。例えば、無線通信規格として、2G、3G、4G等のセルラーフォンの通信規格がある。例えば、セルラーフォンの通信規格として、LTE(Long Term Evolution)、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、CDMA2000、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)、PHS(Personal Handy−Phone System)等がある。例えば、無線通信規格として、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、IEEE802.11、Bluetooth(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association)、NFC(Near Field Communication)等がある。通信ユニット13は、上述した通信規格の1つ又は複数をサポートしていてもよい。また、通信ユニット13は、GPS(Global Positioning System)に対応していてもよい。
【0036】
センサ部14は、携帯電話機1の状態を検出する。センサ部14は、検出した携帯電話機の状態を、コントローラ21に出力する。センサ部14は、例えば、
図1に示す近接センサ6、加速度センサ、磁気センサ、ジャイロセンサ及び気圧センサを含む。
【0037】
近接センサ6は、近隣の物体の存在を非接触で検出する。例えば、ユーザは、携帯電話機1を用いて通話するとき、ディスプレイ2を顔に近付ける。このとき、近接センサ6は、ユーザの顔を、近隣の物体として検出する。コントローラ21は、近接センサ6がユーザの顔を近隣の物体として検出すると、ディスプレイ2の表示機能をオフ状態にする。
【0038】
加速度センサは、携帯電話機1に働く加速度を検出する。加速度センサは、検出した加速度を、コントローラ21に出力する。
【0039】
磁気センサは、携帯電話機1の周囲の磁気の大きさ及び向きを検出する。磁気センサは、検出した磁気の大きさ及び方向を、コントローラ21に出力する。
【0040】
ジャイロセンサは、携帯電話機1の角速度を検出する。ジャイロセンサは、検出した角速度を、コントローラ21に出力する。
【0041】
気圧センサは、携帯電話機の外側の気圧すなわち大気圧を検出する。気圧センサは、検出した気圧を、コントローラ21に出力する。
【0042】
ストレージ20は、記憶部としてプログラム及びデータを記憶する。ストレージ20は、コントローラ21の処理結果を一時的に記憶する記憶部としても利用される。ストレージ20は、半導体記憶デバイス及び磁気記憶デバイス等の任意の記憶デバイスを含んでもよい。また、ストレージ20は、複数種類の記憶デバイスを含んでもよい。また、ストレージ20は、メモリカード等の可搬の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせを含んでもよい。
【0043】
ストレージ20に記憶されるプログラムには、例えば、フォアグランド又はバックグランドで実行されるアプリケーションと、アプリケーションの動作を支援する制御プログラムとが含まれる。アプリケーションは、例えば、ディスプレイ2に所定の画面を表示させ、タッチセンサ2Bを介して検出されるユーザ操作に応じた処理を、コントローラ21に実行させる。制御プログラムは、例えば、OS(Operating System)である。アプリケーション及び制御プログラムは、通信ユニット13による無線通信又は記憶媒体を介してストレージ20にインストールされてもよい。本実施形態では、ストレージ20は、例えば、アプリケーション20A、アプリケーション20B、及び、制御プログラム20Cを記憶する。
【0044】
アプリケーション20Aは、発信履歴データ及び着信履歴データを管理するアプリケーションである。発信履歴データは、例えば、携帯電話機1が発信した電話番号(又は電話帳データに登録された個人名)と発信日時とを含む情報である。着信履歴データは、例えば、携帯電話機1にて着信した電話番号(又は電話帳データに登録された個人名)と着信日時とを含む情報である。アプリケーション20Aは、発信履歴データ及び着信履歴データを格納する機能と、ユーザ操作に応じて、発信履歴データ又は着信履歴データを、ディスプレイ2に表示させる機能とを提供する。
【0045】
アプリケーション20Bは、電話帳データを管理するアプリケーションである。電話帳データは、例えば、予め登録された、個人名と該個人名に対応する少なくとも1つの電話番号とを含む情報である。電話番号は、例えば、固定電話の加入者線、及び、移動体通信・IP電話の特定サービスアカウント等に接続するために用いられる識別子である。アプリケーション20Bは、電話帳データを格納する機能と、ユーザ操作に応じて、電話帳データを、ディスプレイ2に表示させる機能とを提供する。
【0046】
制御プログラム20Cは、携帯電話機1を稼働させるための各種制御に関する機能を提供する。制御プログラム20Cは、レシーバ7、マイク8及び通信ユニット13等を制御することによって、通話機能を提供する。制御プログラム20Cが提供する機能は、他のプログラムが提供する機能と組み合わされて利用されてもよい。
【0047】
ストレージ20に記憶されるデータには、例えば、ユーザによって設定されたスピーカ10の着信音量すなわちユーザ設定に基づくスピーカ10の着信音量(以下「設定音量」という)が含まれる。なお、後述の第1着信中のスピーカ10の着信音量は、設定音量であってよい。さらに、ストレージ20に記憶されるデータには、伝言メモ、発信履歴データ、着信履歴データ及び電話帳データが含まれてもよい。伝言メモは、携帯電話機1が有する伝言メモ機能によって、発信元の通信機器から送信された音声情報である。加えて、ストレージ20には、ユーザのプロフィール情報が含まれてもよい。プロフィール情報は、例えば、ユーザの自宅の位置情報及びユーザの仕事場の位置情報を含む。
【0048】
コントローラ21は、演算処理装置である。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、SoC(System On a Chip)、MCU(Micro Control Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)及びコプロセッサを含むが、これらに限定されない。コントローラ21は、複数の演算処理装置を含んでもよい。コントローラ21は、携帯電話機1の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。
【0049】
具体的には、コントローラ21は、ストレージ20に記憶されているデータを必要に応じて参照しつつ、ストレージ20に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行する。さらに、コントローラ21は、データ及び命令に応じて各機能部を制御することによって、各種機能を実現する。機能部は、例えば、表示パネル2A、レシーバ7、マイク8、スピーカ10、振動部11、及び、通信ユニット13を含むが、これらに限定されない。コントローラ21は、検出部の結果に応じて、制御を変更することがある。検出部は、例えば、タッチセンサ2B、キー3、及び、センサ部14を含むが、これらに限定されない。コントローラ21は、例えば、ストレージ20に記憶されている制御プログラム20Cに含まれる命令を実行して各種機能を実現する。
【0050】
本実施形態では、コントローラ21は、他の通信機器からの電話の着信を検出する。コントローラ21は、検出した着信に対し、通話機能を実行するためのユーザ操作(着信応答操作)を検出したとき、通話機能を実行する。このような制御によって、携帯電話機1のユーザは、発信者と通話し得る。
【0051】
一方、コントローラ21は、検出した着信に対してユーザ操作が検出されなかったとき、当該着信を第1着信として検出する。このユーザ操作は、着信中に、該着信に対して実行されるユーザ操作である。つまり、このユーザ操作は、着信に気付いたユーザが、着信中に携帯電話機1に対して取り得る操作である。このユーザ操作には、例えば、上述の着信応答操作、伝言メモの録音開始前に伝言メモ機能の実行を中断するためのユーザ操作、及び、着信を他の通信機器に転送するためのユーザ操作が含まれる。
【0052】
このような制御によって検出される第1着信には、通話機能が実行されなかった着信(一般的に「不在着信」と称される着信)のうち、ユーザ操作が検出されなかった着信、すなわち、ユーザが気付かなかった着信が含まれ得る。例えば、ユーザは、騒がしい場所にいるとき、スピーカ10から着信音が出力されても、その着信音に気付かないことがある。
【0053】
ユーザが気付かなかった着信の例として、次の(1)〜(4)が挙げられる。
(1)通話機能が実行される前に発信者の操作によって切断された着信
(2)伝言メモの録音開始前に発信者の操作によって伝言メモ機能の実行が中断された着信
(3)伝言メモの録音が完了した着信
(4)ユーザが留守番電話サービスを利用している場合に、留守番電話機能の実行によって留守番電話センターに自動転送された着信
つまり、第1着信には、上述の(1)〜(4)が含まれ得る。
【0054】
さらに、コントローラ21は、第1着信を検出した後に、第1着信の発信者からの着信(以下「第2着信」という)を検出すると、携帯電話機1の周囲の環境に基づいて、スピーカ10から出力される着信音量を設定する。第1着信の発信者は、第1着信の発信元の通信機器を使用する個人であってもよいし、電話帳データにて第1着信の発信元の電話番号に対応付けられる個人であってもよい。前者の場合、コントローラ21は、第1着信の発信元の電話番号と同一電話番号からの着信を検出したとき、該着信を第2着信としてもよい。後者の場合、コントローラ21は、第1着信の発信元の電話番号とは異なる電話番号からの着信を検出したときであっても、所定条件を満たせば、該異なる電話番号からの着信を第2着信としてもよい。所定条件は、例えば、電話帳データにおいて、第1着信の発信元の電話番号に対応付けられている個人と、該異なる電話番号に対応付けられている個人とが、一致するとの条件であってもよい。
【0055】
上述の携帯電話機1の周囲の環境は、マイク8によって集音される携帯電話機1の周囲の環境音であってよい。この場合、コントローラ21は、当該環境音の音量になるまで、第2着信中にスピーカ10から出力される着信音量を上げてもよい。このような制御によって、ユーザが第1着信の発信者からの着信である第2着信に気付く可能性を高めることができる。
【0056】
上述の携帯電話機1の周囲の環境は、ユーザが現在いる場所であってもよい。当該場所は、例えば、電車内、ユーザの自宅及びユーザの仕事場を含んでもよい。
【0057】
例えば、コントローラ21は、センサ部14に含まれる加速度センサ及び磁気センサの検出結果に基づいて、ユーザが電車内いるか否か特定してもよい。コントローラ21は、ユーザが電車内にいると特定したとき、第2着信中にスピーカ10から出力される着信音量を下げてもよい。スピーカ10の設定音量がマイク8によって取得された環境音の音量よりも大きい場合、コントローラ21は、第2着信中にスピーカ10から出力される着信音量を、当該環境音の音量から、スピーカ10の最小音量になるまで下げてもよい。このような制御によって、ユーザが電車に乗っている間に、スピーカ10から出力される着信音によって、周囲の人々に迷惑を掛ける蓋然性を低減させることができる。
【0058】
例えば、コントローラ21は、通信ユニット13によって取得したユーザの位置情報に基づいて、携帯電話機1が仕事場(第1場所)にいるか否か特定してもよい。すなわち、コントローラ21は、ユーザの位置情報に基づいて、ユーザが仕事場にいるか否か特定してもよい。コントローラ21は、ユーザが仕事場にいると特定したとき、第2着信中にスピーカ10から出力される着信音量を、環境音の音量まで上げてもよい。スピーカ10の着信音量を、スピーカ10の最大音量まで上げるのではなく、環境音の音量まで上げることによって、仕事場にいる人々に迷惑を掛けてしまう蓋然性を低減させることができる。
【0059】
例えば、コントローラ21は、通信ユニット13によって取得したユーザの位置情報に基づいて、携帯電話機1が自宅(第2場所)にいるか否か特定してもよい。すなわち、コントローラ21は、ユーザの位置情報に基づいて、ユーザが自宅にいるか否か特定してもよい。また、コントローラ21は、ユーザが自宅にいると特定したとき、第2着信中のスピーカ10の着信音量を第1着信中の着信音量よりも上げてもよい。また、コントローラ21は、ユーザが自宅にいると特定したとき、第2着信中にスピーカ10から出力される着信音量を、スピーカ10の最大音量まで上げてもよい。例えば、ユーザは、自宅にいるとき、携帯電話機1を屋内に置いた状態で、屋外で作業することがある。このような場合であっても、スピーカ10の音量を最大音量まで上げることによって、ユーザが第2着信に気付く可能性をより高めることができる。
【0060】
ここで、コントローラ21は、第2着信中にスピーカ10から出力される着信音量を上げるとき、スピーカ10の着信音量を徐々に上げてもよい。スピーカ10の音量を一気に上げると、ユーザは不意を突かれて驚いてしまうことがある。スピーカ10の着信音量を徐々に上げることによって、ユーザが不意を突かれることが低減され得る。
【0061】
また、コントローラ21は、スピーカ10の設定音量に関わらず、スピーカ10の着信音量が、第1設定時間内に、環境音の音量に到達するように制御してもよい。第1設定時間は、発信者の操作に基づいて着信が切断される時間を考慮して設定することができる。スピーカ10の音量が第1設定時間以内に環境音の音量に到達するように制御することによって、発信者の操作に基づいて着信が切断される前に、ユーザが第2着信に気付く可能性を高めることができる。
【0062】
また、コントローラ21は、スピーカ10の着信音量を第2設定時間だけ設定音量に維持した後、スピーカ10の音量をスピーカ10の環境音の音量まで徐々に上げてもよい。第2設定時間は、例えば、発信者の操作に基づいて着信が切断される時間を考慮して設定することができる。スピーカ10の音量を第2設定時間だけ設定音量に維持させることによって、ユーザが不意を突かれることが低減され得る。この処理の一例を、
図4を参照して説明する。
【0063】
図4は、スピーカ10から出力される着信音量の一例を示す図である。
図4において、横軸は時刻を示し、縦軸はスピーカ10の着信音量を示す。
図4に示す時刻0秒は、第2着信が検出された時刻に対応する。また、時刻0秒におけるスピーカ10の着信音量は、スピーカ10の設定音量に対応する。また、
図4では、第1設定時間は、時刻5秒から時刻15秒までの10秒間である。また、
図4では、第2設定時間は、時刻0秒から時刻5秒までの5秒間である。また、
図4では、マイク8によって取得される環境音の音量は、音量7であるものとする。
【0064】
ケースAでは、設定音量が1である。ケースAでは、時刻5秒で、スピーカ10の着信音量は、2つ上げられて、1から3になる。また、時刻10秒で、スピーカ10の着信音量は、2つ上げられて、3から5になる。さらに、時刻15秒で、スピーカ10の着信音量は、環境音の音量7に到達する。
【0065】
ケースBでは、設定音量が4である。ケースBでは、時刻5秒で、スピーカ10の着信音量は、1つ上げられて、4から5になる。また、時刻10秒で、スピーカ10の着信音量は、1つ上げられて、5から6になる。さらに、ケースBでは、時刻15秒で、スピーカ10の着信音量は、環境音の音量7に到達する。
【0066】
ケースCでは、設定音量が6である。ケースCでは、時刻5秒で、スピーカ10の着信音量は、1つ上げられて、6から7になる。従って、ケースCでは、時刻5秒で、スピーカ10の着信音量は、環境音の音量7に到達する。
【0067】
ケースDでは、設定音量が7である。ケースDでは、設定音量が環境音の音量7である。ケースDでは、スピーカ10の音量は環境音の音量7のまま維持される。
【0068】
このように
図4の例では、時刻5秒、時刻10秒及び時刻15秒の3回にわたって、スピーカ10の着信音量が上げられる。このような制御は、コントローラ21が、例えば、以下の式(1)に従うことによって、実現され得る。
V=floor{(V
MAX−V
T)/(S
MAX−S
T)} 式(1)
式(1)において、floor{}は床関数を表す。また、Vはスピーカ10の着信音量の増加量であり、V
MAXはスピーカ10の環境音の音量であり、V
Tはスピーカ10の増加前の着信音量である。また、S
MAXは着信音量を上げる総回数であり、S
Tは、現在までに着信音量を上げた回数である。例えば、ケースAにおける時刻5秒では、V
MAXは7であり、V
Tは1であり、S
MAXは3であり、S
Tは0である。従って、V=floor{(7−1)/(3−0)}=2と算出される。なお、0<(V
MAX−V
T)/(S
MAX−S
T)<1となり、式(1)においてV=0と算出されるときは、コントローラ21は、式(1)の代わりに、V=(V
MAX−V
T)によってVを算出する。例えば、ケースCにおける時刻5秒では、(V
MAX−V
T)/(S
MAX−S
T)=0.33であり、式(1)ではV=0と算出される。この場合、コントローラ21は、V=(V
MAX−V
T)=(7−6)=1と算出する。
【0069】
なお、コントローラ21は、第2着信中にスピーカ10から出力される着信音量を下げるときも着信音量を上げるときと同様に、徐々に下げてもよい。
【0070】
また、コントローラ21は、第1着信を検出してから第1時間以内に、第2着信を検出したとき、スピーカ10から出力される着信音量を上げるか又は下げるかをしてもよい。第1時間は、例えば、発信者が緊急度の高い用件を携帯電話機1のユーザに伝えるために電話を掛けるときに、ユーザが応答しなかったために着信が切断されてから、発信者が再度の電話を掛けるまでの時間を想定して設定することができる。また、第1時間は、緊急度に応じて設定されてもよい。この場合、緊急度が高いほど第1時間は短く設定され得る。第1時間は、例えば、10分と設定することができる。
【0071】
図5は、本開示の第1実施形態に係る携帯電話機1の動作を示すフローチャートである。コントローラ21は、他の通信機器からの電話の着信を検出すると、
図5に示す動作を開始する。
【0072】
コントローラ21は、検出した着信に対してユーザ操作が検出されたか否か判定する(ステップS1)。コントローラ21は、検出した着信に対してユーザ操作が検出されないと判定したとき(ステップS1:No)、ステップS2の処理に進む。一方、コントローラ21は、検出した着信に対してユーザ操作が検出されたと判定したとき(ステップS1:Yes)、処理を終了する。
【0073】
ステップS2の処理では、コントローラ21は、ステップS1の処理においてユーザ操作が検出されないと判定した着信を、第1着信として検出する。ステップS3の処理では、コントローラ21は、第2着信を検出する。
【0074】
ステップS4の処理では、コントローラ21は、マイク8によって携帯電話機1の周囲の環境音を取得する。
【0075】
ステップS5の処理では、コントローラ21は、第1着信を検出してから第1時間経過したか否か判定する。
【0076】
コントローラ21は、第1着信を検出してから第1時間経過していないと判定したとき(ステップS5:No)、すなわち、第1着信を検出してから第1時間以内に第2着信を検出したとき、ステップS6の処理に進む。
【0077】
一方、コントローラ21は、第1着信を検出してから第1時間経過したと判定したとき、すなわち、第1時間経過後に第2着信が検出されたとき(ステップS5:Yes)、ステップS1の処理に戻る。コントローラ21は、再度のステップS1の処理では、ステップS3の処理で検出した第2着信に対してユーザ操作が検出されたか否か判定する。
【0078】
ステップS6の処理では、コントローラ21は、センサ部14の検出結果に基づいて、携帯電話機1が電車内にいるか否か特定する。すなわち、コントローラ21は、センサ部14の検出結果に基づいて、ユーザが電車内にいるか否か特定する。コントローラ21は、携帯電話機1が電車内にいると特定したとき(ステップS6:Yes)、ステップS8の処理に進む。一方、コントローラ21は、携帯電話機1が電車内にいないと特定したとき(ステップS6:No)、ステップS7の処理に進む。
【0079】
ステップS7の処理では、コントローラ21は、スピーカ10の着信音量を上げる。ステップS8の処理では、コントローラ21は、スピーカ10の着信音量を下げる。
【0080】
ステップS9の処理では、コントローラ21は、第2着信に対してユーザ操作が検出されたか否か判定する。ステップS9の処理におけるユーザ操作は、ステップS1におけるユーザ操作と同じである。
【0081】
コントローラ21は、第2着信に対してユーザ操作が検出されないと判定したとき(ステップS9:No)、ステップS10の処理に進む。ステップS10の処理では、コントローラ21は、ステップS3の処理で検出した第2着信を第1着信とする。その後、コントローラ21は、ステップS3の処理に戻る。
【0082】
一方、コントローラ21は、第2着信に対してユーザ操作が検出されたと判定したとき(ステップS9:Yes)、ステップS11の処理に進む。ステップS11の処理では、コントローラ21は、スピーカ10に着信音の出力を停止させた後、スピーカ10の着信音量を設定音量に戻す。
【0083】
なお、コントローラ21は、ステップS7の処理によってスピーカ10の着信音量を上げているとき、ディスプレイ2にボリュームウィジェットを表示させなくてもよい。ボリュームウィジェットを表示させないことによって、ボリュームウィジットの表示が、ディスプレイ2に表示される他の表示(例えば、ユーザ操作を受け付けるタッチセンサ式のソフトキー)を遮ってしまうことを防ぐことができる。
【0084】
また、コントローラ21は、ステップS1の処理後、所定のユーザ操作を検出したとき、処理を終了してもよい。所定のユーザ操作は、例えば、携帯電話機1から第1着信の発信元に電話を発信するためのユーザ操作、及び、着信履歴から第1着信の存在を示す表示を消去するためのユーザ操作である。
【0085】
以上のように、第1実施形態に係る携帯電話機1は、第1着信を検出した後、第2着信を検出すると、第2着信中にスピーカ10から出力される着信音量を、携帯電話機1の周囲の環境に基づいて設定する。
【0086】
上述の携帯電話機1の周囲の環境に基づく設定によって、例えば、第2着信中にスピーカ10から出力される着信音量が、環境音の音量まで上げら得る。スピーカ10の着信音量が環境音の音量まで上げられることによって、ユーザが第2着信に気付く可能性を高めることができる。さらに、携帯電話機1のユーザが第2着信に気付く可能性を高めることによって、例えば緊急度の高い用件を携帯電話機1のユーザに伝えるために、発信者が何回も電話を掛け直すといった手間を低減させることができる。
【0087】
上述の携帯電話機1の周囲の環境に基づく設定によって、例えば、第2着信中にスピーカ10から出力される着信音量が、環境音の音量よりも下げられ得る。スピーカ10の着信音量が環境音の音量まで下げられることによって、周囲の人々に迷惑を掛ける蓋然性を低減させることができる。
【0088】
このように本実施形態によれば、第2着信中にスピーカ10から出力される着信音量を、携帯電話機1の周囲の環境に基づいて設定することによって、改善された携帯電話機1が提供され得る。
【0089】
さらに、第1実施形態に係る携帯電話機1は、ユーザ操作が検出されなかった着信(すなわちユーザが気付かなかった着信)を、第1着信として検出することができる。このような第1着信には、不在着信であっても、ユーザが該着信に気付いて自ら切断したような着信は含まれない。従って、携帯電話機1は、不在着信であってもユーザが自ら切断したような着信に対しては、該着信の発信者から再度の着信を検出しても、スピーカ10から出力される着信音量を変更したりはしない。このような制御によって、ユーザに煩わしさを感じさせたり、周囲の人々に迷惑を掛けたりすることを防ぐことができる。従って、第1実施形態によれば、改善された携帯電話機1が提供され得る。
【0090】
また、第1実施形態に係る機能(第2着信を検出したときにスピーカ10の着信音量を変更する機能)は、携帯電話機1の初期設定において有効となるようにしてもよい。このような処理によって、第1実施形態に係る機能を利用するために、ユーザが携帯電話機1に対して設定等を行う手間を省くことができる。また、第1実施形態に係る機能を携帯電話機1が実行可能であることを、ユーザが知らなくても、携帯電話機1は該機能を実行し得る。これにより、第1実施形態に係る携帯電話機1は、ユーザの利便性に優れたものとなる。
【0091】
また、第1実施形態に係る機能は、携帯電話機1に対して所定のユーザ操作が検出されたときに、解除され得るようにしてもよい。例えば、第1実施形態に係る機能は、通話機能の設定時にディスプレイ2に表示される所定のボタンに対するユーザ操作が検出されたときに、解除され得るようにしてもよい。
【0092】
(第2実施形態)
次に、本開示の第2実施形態に係る携帯電話機について説明する。第2実施形態に係る携帯電話機は、第1実施形態に係る携帯電話機1と同様の構成を採用することができる。従って、以下では、
図1から
図3を参照しつつ、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0093】
ユーザの中には、同一発信者から2度目の着信があっても、該着信に関する要件の緊急性はそれ程高くないと判断し、該着信に応答しないユーザが存在する。このようなユーザは、同一発信者から数回目の着信があったときに、ようやく該着信に関する要件の緊急性は高いと判断し、該着信に応答することが多い。
【0094】
上述の事態に鑑みて、第2実施形態に係るコントローラ21は、同一発信者からの第1着信の検出回数が所定回数に達した後に、第2着信を検出すると、第1実施形態と同様にスピーカ10から出力される着信音量を上げる。所定回数は、携帯電話機1のユーザの性格等を考慮して設定することができる。所定回数は、例えば、9である。このような制御によって、ユーザが着信に応答すると想定されるタイミングで、スピーカ10から出力される着信音量が上げられる。
【0095】
第2実施形態に係るストレージ20は、所定回数と、第1着信の検出回数とをさらに記憶する。
【0096】
図6は、本開示の第2実施形態に係る携帯電話機1の動作を示すフローチャートである。以下、第1着信は、同一発信者による着信であるものとする。
【0097】
コントローラ21は、第1着信を検出する(ステップS21)。コントローラ21は、第1着信を検出すると、ストレージ20に記憶されている第1着信の検出回数を1上げる。
【0098】
コントローラ21は、ストレージ20を参照して、第1着信の検出回数が所定回数に達したか否か判定する(ステップS22)。コントローラ21は、第1着信の検出回数が所定回数に達したと判定したとき(ステップS22:Yes)、ステップS23の処理に進む。一方、コントローラ21は、第1着信の検出回数が所定回数に達しないと判定したとき(ステップS22:No)、ステップS21の処理に戻る。
【0099】
ステップS23の処理では、コントローラ21は、第2着信を検出する。次に、コントローラ21は、第1着信を検出してから第1時間経過したか否か判定する。コントローラ21は、所定回数検出した第1着信のうち、最後の第1着信を検出してから第1時間経過したか否か判定してもよい。
【0100】
コントローラ21は、第1着信を検出してから第1時間経過したと判定したとき(ステップS23:Yes)、ストレージ20に記憶されている第1着信の検出回数を0にリセットした後、ステップS25の処理に進む。一方、コントローラ21は、第1着信を検出してから第1時間経過していないと判定したとき(ステップS23:No)、ストレージ20に記憶されている第1着信の検出回数を0にリセットした後、ステップS26の処理に進む。
【0101】
ステップS25の処理では、コントローラ21は、ステップS23の処理で検出した第2着信に対してユーザ操作が検出されたか否か判定する。ステップS25の処理におけるユーザ操作は、
図5に示すステップS1の処理におけるユーザ操作と同じである。コントローラ21は、第2着信に対してユーザ操作が検出されたと判定したとき(ステップS25:Yes)、処理を終了する。一方、コントローラ21は、第2着信に対してユーザ操作が検出されないと判定したとき(ステップS25:No)、ステップS21の処理に戻る。コントローラ21は、再度のステップS21の処理では、ステップS23の処理で検出した第2着信を第1着信とする。
【0102】
ステップS26,S27,S28,S29の処理は、
図5に示すステップS7,S9,S10,S11の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0103】
なお、コントローラ21は、ステップS21,S22の処理を繰り返し行っている間に、最初の第1着信を検出してから第1時間経過したとき、ストレージ20に記憶されている第1着信の検出回数を0にリセットした後、検出処理を終了してもよい。
【0104】
以上のように、第2実施形態に係る携帯電話機1は、同一発信者からの第1着信の検出回数が所定回数に達した後に、第2着信を検出すると、スピーカ10から出力される着信音量を、第1着信中の着信音量よりも上げる。このような制御によって、ユーザが着信に応答すると想定されるタイミングで、スピーカ10から出力される着信音量が上げられる。従って、第2実施形態によれば、ユーザの利便性に優れた携帯電話機1が提供され得る。
【0105】
第2実施形態において、その他の効果及び構成は、第1実施形態と同様である。
【0106】
(第3実施形態)
次に、本開示の第3実施形態に係る携帯電話機について説明する。第3実施形態に係る携帯電話機は、第1実施形態に係る携帯電話機1と同様の構成を採用することができる。従って、以下では、
図1から
図3を参照しつつ、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0107】
ユーザは、緊急度の高い要件を相手に伝えるために、携帯電話機1を利用して電話を掛けることがある。この場合、相手が電話に応答しないと、ユーザは、携帯電話機1の呼び出し状態を長時間維持し続けることがある。また、相手が電話に応答しないと、ユーザは、同一の相手に、短時間に何度も電話を掛け直すことがある。
【0108】
上述の事態に鑑みて、第3実施形態に係るコントローラ21は、呼び出し時間が第2時間よりも長いと判定したとき、通信ユニット13を介して相手の通信機器に、所定のメッセージを送信する。所定のメッセージは、例えば、「緊急なので折り返し電話して下さい」とのメッセージであってよい。所定のメッセージは、予めストレージ20に格納されてもよい。また、第2時間は、例えば、平均的な呼び出し時間の数倍の時間であってよい。例えば、平均的な呼び出し時間が10秒であれば、その2倍となる20秒を第2時間としてもよい。
【0109】
さらに、コントローラ21は、第3時間内における、同一相手への発信数が所定数を超えると判定したとき、通信ユニット13を介して相手の通信機器に、所定のメッセージを送信してもよい。第3時間は、ユーザの性格等を考慮して予め設定されてもよい。第3時間は、例えば、1時間であってよい。また、所定数は、ユーザの性格等を考慮して予め設定されてもよい。所定数は、例えば、5回であってよい。
【0110】
図7は、本開示の第3実施形態に係る携帯電話機1の動作の一例を示すフローチャートである。コントローラ21は、相手が応答する前に切断された発信を検出したとき、
図7に示す処理を開始する。
【0111】
コントローラ21は、発信の呼び出し時間が第2時間よりも長いか否か判定する(ステップS31)。コントローラ21は、発信の呼び出し時間が第2時間よりも長いと判定したとき(ステップS31:Yes)、ステップS33の処理に進む。一方、コントローラ21は、発信の呼び出し時間が第2時間よりも短いと判定したとき(ステップS31:No)、ステップS32の処理に進む。
【0112】
ステップS32の処理では、コントローラ21は、第3時間内における同一相手への発信数が所定数を超えるか否か判定する。コントローラ21は、第3時間内における同一相手への発信数が所定数を超えると判定したとき(ステップS32:Yes)、ステップS33の処理に進む。一方、コントローラ21は、第3時間内における同一相手への発信数が所定数以下であると判定したとき(ステップS32:No)、ステップS31の処理に戻る。
【0113】
ステップS33の処理では、コントローラ21は、通信ユニット13を介して相手の通信機器に、所定のメッセージを送信する。
【0114】
以上のように、第3実施形態に係るコントローラ21は、相手が応答する前に切断された発信の呼び出し時間が第2時間よりも長いと判定したとき、当該相手の通信機器に、所定のメッセージを送信する。また、コントローラ21は、第3時間内における同一相手への発信数が所定数を超えると判定したとき、当該相手の通信機器に、所定のメッセージを送信することもできる。このような制御によって、所定のメッセージを見た相手は、緊急度の高い要件があることを知り得る。つまり、相手に、当該相手が所有する通信機器を利用して、携帯電話機1に電話を掛ける契機を与えることができる。従って、本実施形態によれば、ユーザの利便性に優れた携帯電話機1が提供され得る。
【0115】
さらに、所定のメッセージを見た相手が、他の通信機器を利用して携帯電話機1に電話を掛けた場合に、ユーザが当該他の通信機器からの着信に応答できなかったときでも、携帯電話機1は、第1実施形態に係る着信音量を上げる処理を実行することができる。これにより、ユーザは、相手からの着信に気付くことができる。さらに、相手に電話を再度掛け直すことによって、緊急度の高い要件を速やかに伝えることができる。
【0116】
なお、携帯電話機1は、所定のメッセージを送信した通信機器からの着信を検出したとき、1回目の着信中であっても、第1実施形態に係る着信音量を上げる処理を行ってもよい。これにより、ユーザが相手からの着信に気付く可能性を高めることができる。
【0117】
本開示の一実施形態を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形及び修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。各構成部、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部及びステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、本開示の一実施形態について装置を中心に説明してきた。しかしながら、本開示内容は、装置が備えるプロセッサにより実行される方法、プログラム、又はプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものである。従って、これらも、本開示の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【0118】
例えば、上記実施形態では、スピーカ10は携帯電話機1に備えられている。しかしながら、スピーカは携帯電話機に外部接続されていてもよい。
図8に、本開示の変形例に係る携帯電話機1A及びスピーカ10Aのブロック図を示す。スピーカ10Aは携帯電話機1に外部接続される。
図8では、スピーカ10Aと携帯電話機1Aとは無線接続されている。しかしながら、スピーカ10Aと携帯電話機1Aとは有線接続されていてもよい。また、スピーカ10AはBluetooth(登録商標)に準拠した通信機能を有してもよい。この場合、スピーカ10と携帯電話機1とは、近距離無線通信を行ってもよい。
【0119】
また、コントローラ21は、第1着信を検出してから第1時間以内に第2着信を検出したとき、振動部11を第1振動パターンとは異なる前記振動部を前記第2振動パターンで振動させてもよい。第1振動パターンは、例えば、第1着信中の振動パターンである。第1振動パターンは、ユーザ設定に基づく振動パターンであってよい。第1振動パターン及び第2振動パターンは、振動部11が所定周波数で振動する振動時間帯と、振動部11が振動を停止する停止時間帯とを交互に繰り返すパターンであってよい。この場合、第2振動パターンの振動時間帯は、第1振動パターンの振動時間帯よりも長くてよい。また、コントローラ21は、同一発信者からの第1着信の検出回数が所定回数に達した後に、第2着信を検出すると、第2振動パターンで振動部11を振動させてもよい。