特許第6974061号(P6974061)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6974061
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】スマートフォン載置台
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/56 20210101AFI20211118BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20211118BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20211118BHJP
   H04M 1/04 20060101ALI20211118BHJP
【FI】
   G03B17/56 E
   H04N5/64 581A
   H04N7/18 Z
   G03B17/56 A
   H04M1/04 A
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-148668(P2017-148668)
(22)【出願日】2017年7月31日
(65)【公開番号】特開2019-28323(P2019-28323A)
(43)【公開日】2019年2月21日
【審査請求日】2020年7月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】516089016
【氏名又は名称】株式会社リットーメガネ
(74)【代理人】
【識別番号】100130144
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健壱
(72)【発明者】
【氏名】山田 信也
【審査官】 三宅 克馬
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−103642(JP,A)
【文献】 特開2015−217937(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3174922(JP,U)
【文献】 特開2016−081468(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0242668(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2014−0049661(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/56
H04N 5/64
H04N 7/18
H04M 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弱視者が小さい文字の文章を読み取る際に使用するスマートフォン載置台であって、
上部にスマートフォンを載置する板状形状で、スマートフォンのカメラの位置に該カメラのレンズの径よりも大きい切欠部が形成された上面板と、
該上面板の上部に設けられ、スマートフォンの上側面と左右側面の三側面と接することによりスマートフォンが動かないように支持する支持体と、
板状形状で、前記上面板の下方に設けられ、該上面板を支持する側面板と、
を有し、
前記支持体の前記三側面と接するそれぞれの部材は、該部材が接するスマートフォンの面のそれぞれと直交する方向にスライド可能に構成されていることを特徴とするスマートフォン載置台。
【請求項2】
使用者側の前記側面板の外側底辺は、前記支持体により支持されたスマートフォンの使用者側の側面と略平行に設けられたことを特徴とする請求項1記載のスマートフォン載置台。
【請求項3】
木材、紙類もしくはプラスチックから構成されていることを特徴とする請求項1記載のスマートフォン載置台。
【請求項4】
前記上面板と前記側面板は、着脱可能に分離できることを特徴とする請求項1記載のスマートフォン載置台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弱視者が小さい文字を読み取る際に使用するスマートフォン載置台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、弱視者が小さい文字を読み取る際に使用する拡大読書器が知られている。この種の拡大読書器として、図12に示すように、基台102と、基台102の上面に載置されたLEDモニタ114と、左右どちらかの側面のカメラホルダ124に取り付けられる撮像カメラ128と、基台102の底面に取り付けられたローラ(図示略)を備えたものがあった(例えば、特許文献1)。ここで、図12は従来の拡大読書器を示す斜視図である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−364126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の拡大読書器は大きな構成からなるものであるので弱視者が簡単に持ち運びすることができず、また撮像カメラなど高額な部品を使用していたので高価な装置となっていた。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、弱視者が外出先に不便なく持ち運びできるとともに、安価で使いやすいスマートフォン載置台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明のうち第1の態様に係るものは、弱視者が小さい文字の文章を読み取る際に使用するスマートフォン載置台であって、上部にスマートフォンを載置する板状形状で、スマートフォンのカメラの位置にカメラのレンズの径よりも大きい切欠部が形成された上面板と、上面板の上部に設けられ、スマートフォンの上側面と左右側面の三側面と接することによりスマートフォンが動かないように支持する支持体と、板状形状で、上面板の下方に設けられ、上面板を支持する側面板と、を有し、支持体の三側面と接するそれぞれの部材は、部材が接するスマートフォンの面のそれぞれと直交する方向にスライド可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0007】
本発明によれば、支持体の三側面と接するそれぞれの部材は、部材が接するスマートフォンの面のそれぞれと直交する方向にスライド可能に構成されているので、カメラの位置が異なるスマートフォンであっても支持体をスライドさせることによりスマートフォンの位置を上下左右に移動させてカメラの位置を適切な位置にすることができることができる。
【0008】
本発明のうち第2の態様に係るものは、第1の態様に係るスマートフォン載置台であって、使用者側の側面板の外側底辺は、支持体により支持されたスマートフォンの使用者側の側面と略平行に設けられたことを特徴とするものである。
【0009】
本発明によれば、使用者側の側面板の外側底辺が支持体により支持されたスマートフォンの使用者側の側面と略平行に設けられているので、弱視者が横書きの小さい文字の文章を読み取る際に、使用者側の側面板の外側底辺を横書きの文章の列に沿って移動させることにより、読み取るべき文章が流れるように見やすく表示され、文章を容易に読み取ることができる。
【0014】
本発明のうち第の態様に係るものは、第1の態様に係るスマートフォン載置台であって、木材、紙類もしくはプラスチックから構成されていることを特徴とするものである。
【0015】
本発明によれば、スマートフォン載置台が木材、紙類もしくはプラスチックから構成されているので、安価、軽量、かつ強固に構成することができるとともに、容易に持ち運びすることができる。
【0016】
本発明のうち第の態様に係るものは、第1の態様に係るスマートフォン載置台であって、上面板と側面板は、着脱可能に分離できることを特徴とするものである。
【0017】
本発明によれば、上面板と側面板が着脱可能に分離できるので、スマートフォン載置台を使用しないときは上面板と側面板とを分離させて袋などに入れて持ち運びを容易にすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のスマートフォン載置台によれば、安価かつ使いやすい構成となり、弱視者が外出先に不便なく容易に持ち運びすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】(a)本発明の第1実施形態におけるスマートフォン載置台を示す前方斜視図である。(b)同スマートフォン載置台を示す後方斜視図である。
図2】(a)同スマートフォン載置台にスマートフォンが載置された状態を示す前方斜視図である。(b)同スマートフォン載置台にスマートフォンが載置された状態を示す後方斜視図である。
図3】(a)同スマートフォン載置台にスマートフォンを載置させた状態を示す上面図である。(b)同スマートフォン載置台の上面図である。
図4】(a)同スマートフォン載置台に支持体をスライドさせてスマートフォンを載置させた状態を示す上面図である。(b)同スマートフォン載置台の支持体をスライドさせた状態を示す上面図である。
図5】同スマートフォン載置台の分解図である。
図6】同スマートフォン載置台の3つの支持体がスライド可能にした構成を示す図である。
図7】同スマートフォン載置台の使用方法を示す図である。
図8】本発明の第2実施形態におけるスマートフォン載置台の斜視図である。
図9】本発明の第2実施形態におけるスマートフォン載置台の分解図である。
図10】本発明の第3実施形態におけるスマートフォン載置台の使用方法を示す図である。
図11】(a)本発明の第4実施形態におけるスマートフォン載置台の斜視図である。(b)図11のA-A断面を示す図である。
図12】従来の拡大読書器を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1実施形態)
以下、本発明のスマートフォン載置台の第1実施形態について図面を参照にしながら説明する。ここで、図1(a)は本発明の第1実施形態におけるスマートフォン載置台を示す前方斜視図であり、図1(b)は同スマートフォン載置台を示す後方斜視図であり、図2(a)は同スマートフォン載置台にスマートフォンが載置された状態を示す前方斜視図であり、図2(b)は同スマートフォン載置台にスマートフォンが載置された状態を示す後方斜視図であり、
【0021】
図1に示すように、スマートフォン載置台1は、上面板2、支持体3(3a、3b、3c)、側面板4(4a、4b、4c)、および支持棒6を有している。このスマートフォン載置台1は、ロービジョン者(以下、「弱視者」という)が小さい文字を読み取る際に使用するものである。なお、本実施形態では、使用者としてロービジョン者を対象として説明するが、このロービジョン者には、小さい文字を拡大させて読み取る必要がある老年者なども含まれる。以下に具体的に説明する。
【0022】
上面板2は、木材を材質とし上面が平坦な板状形状からなり、上部にスマートフォン5Aが載置される。この上面板2には、上面板2の上部に載置されたスマートフォン5Aのカメラ5aの位置となるところに、スマートフォン5Aのカメラ5aのレンズの径よりも大きい切欠部7(図3(b)参照)が形成されている。なお、本実施形態では、切欠部7を上面板2の角から内部に切り取るように形成されたが、これに限らず、スマートフォン5Aのカメラ5aのレンズの径よりも大きい円形の貫通孔や楕円形の貫通孔にしてもよく、スマートフォン5Aのカメラ5aの視界を妨げないものであればどのような形状をしてもよい。また、本実施形態では、上面板2を略長方形状としたが、これに限らず、略正方形状や略楕円形状などにしてもよい。
【0023】
支持体3は、木材を材質とし上面板2の使用者側の上面辺部とその辺と平行な上面辺部およびその辺と直交する上面辺部に設けられている。このように、上面板2の直交する上面辺側に支持体3が設けられているので、スマートフォン5Aの直交する2つの側面を支持することができ、スマートフォン5Aが動かないように安定して固定させることができる。ここで、上面板2は側面板4aおよび側面板4cに釘により固定されている。また、支持体3bは上面板2を介し側面板4bに釘により固定されている。なお、本実施形態では、上面板2の使用者側の支持体3aとその支持体3aと直交する支持体3cを別体構成として形成させたが、これに限らず、支持体3a、3cをスライドしない形態にして、上面板2の使用者側の支持体3aとその支持体3と直交する支持体3cを一体構成として形成してもよい。
【0024】
上面板2の使用者側の支持体3aおよびそれと直交する支持体3cは、それが接するスマートフォン5Aの側面と直交する方向にスライド(移動)可能に構成されている(図3図5参照)。具体的には、上面板2の上部に3列の移動レール溝8aおよび2列の移動レール溝8cが形成され、支持体3aの下部側方には上面板2の移動レール溝8aに挿入される3本の支持体棒状部9aが形成され、また支持体3cの下部側方には上面板2の移動レール溝8cに挿入される2本の支持体棒状部9cが形成されている。そして、支持体3aの支持体棒状部9aを上面板2の移動レール溝8aと勘合させながらスライドさせることにより支持体3aを移動させることができ、また支持体3cの支持体棒状部9cを上面板2の移動レール溝8cと勘合させながらスライドさせることにより支持体3cを移動させることができる。このように、大きさが異なるスマートフォン5Bであっても、支持体3をスライドさせることにより動かないようにスマートフォン載置台1に載置させることができる(図4図5参照)。ここで、図3に示すスマートフォンは外形横幅W1のスマートフォン5Aであり、図4に示すスマートフォンは外形横幅がW1より大きい外形横幅W2のスマートフォン5Bである。また、図3(a)は本発明の第1実施形態におけるスマートフォン載置台にスマートフォンを載置させた状態を示す上面図であり、図3(b)は同スマートフォン載置台の上面図であり、図4(a)は同スマートフォン載置台に支持体をスライドさせてスマートフォンを載置させた状態を示す上面図であり、図4(b)は同スマートフォン載置台の支持体をスライドさせた状態を示す上面図であり、 図5は同スマートフォン載置台の分解図である。なお、本実施形態では、上面板2の使用者側の支持体3aおよびそれと直交する支持体3cを、その支持体3aおよび支持体3cが接するスマートフォン5の側面と直交する方向にそれぞれスライド可能に構成させたが、これに限らず、上面板2の使用者側の支持体3aと対抗する上面板2の上面辺部にスライド可能な支持体3bを設けてもよい。すなわち、スマートフォン5(5A,5B)の側面と接する支持体3(3a、3b、3c)のうち少なくとも一つの支持体3をスライド可能に構成するようにしてもよい(図6参照)。このように、支持体3によりスマートフォン5の3つの側面を支持するようにすれば、スマートフォン5が四方にずれることなくしっかり固定することができる。ここで、図6は本発明の第1実施形態におけるスマートフォン載置台の3つの支持体がスライド可能にした構成を示す図である。また、本実施形態では、支持体3(3a、3b、3c)の支持体棒状部9(9a、9b、9c)を上面板2の移動レール溝8(8a、8b、8c)と勘合させることにより支持体3をスライドさせるようにしたが、これに限らず、他の構造を用いて支持体3をスライドさせるようにしてもよい。また、本実施形態では、支持体3(3a、3b、3c)の支持体棒状部9(9a、9b、9c)の横断面と上面板2の移動レール溝8(8a、8b、8c)の横断面とを略同一の横幅形状としたが、これに限らず、支持体3の支持体棒状部9にゴムキャップ(図示略)を被せ、支持体3の支持体棒状部9とゴムキャップの合計横断面を上面板2の移動レール溝8の横断面と略同一として、ゴムキャップで被覆させた支持体3の支持体棒状部9を上面板2の移動レール溝8に挿入させるようにしてもよい。このように、ゴムキャップで被覆させた支持体3の支持体棒状部9を上面板2の移動レール溝8に挿入させることにより、支持体3の支持体棒状部9が上面板2の移動レール溝8から抜け難くすることができる。
【0025】
側面板4(4a、4b、4c)は、木材を材質とし上面板2の下面から下方に延びる板状形状からなり、上面板2の使用者側の下面辺部とそれと対抗する上面板2の下面辺部およびそれと直交する上面板2の下面辺部に設けられ、使用者側と直交する側面板4cの右下角部とそれと対抗する側面版4bに側面板切欠部10(10b、10c)が形成されている。ここで、側面板切欠部10は、上面板2下部で側面板4cの側面板切欠部10cと側面版4bに側面板切欠部10bにより形成された空間のことである。また、使用者側の側面板4aとそれと対抗する上面板2の側面板4bは支持棒6で支持されている。このように、上面板2は3つの側面板4a、4b、4cと支持棒6により支持されている。また、使用者側の側面板4aの外側底辺ML(図7参照)は、支持体3により支持されているスマートフォン5Aの使用者側の側面と略平行に設けられている。このようにすることにより、スマートフォン載置台1を横書きの文章の上に載せたときに、使用者側の外面底辺を横書きの文字の列に合わせることができ、この状態でスマートフォン載置台1を横書きの文章に沿って移動させることにより、使用者が読みたい文章を容易に読むことができる。なお、本実施形態では、上面板2、支持体3、側面板4、および支持棒6の材質を木材として説明したが、これに限らず、紙類やプラスチックなどの軽くて安価で強固なものを材質として構成させてもよい。
【0026】
次に、本実施形態におけるスマートフォン載置台1の使用方法について図7を用いて説明する。ここで、図7は本発明の第1実施形態におけるスマートフォン載置台の使用方法を示す図である。本実施形態では、A4の用紙Pに横書きに記載された小さい文字を読み取る場合について説明するが、これに限らず、本に横書きに記載された小さい文字などあらゆる文字を読み取る場合にも使用できる。
【0027】
まず、スマートフォン5Aを上面板2の上に載置させる。このとき、支持体3a、3cをスライドさせることにより大きさが異なるスマートフォンであっても動かないように固定することができる。また、スマートフォン5Aの側面と接する3つの支持体3a、3b、3cをスライドさせることができるスマートフォン載置台1を用いれば、スマートフォン5Aのカメラ5aの位置と上面板2の切欠部7の位置が一致しない場合でも、3つの支持体3a、3b、3cをスライド(移動)させることにより、スマートフォン5Aのカメラ5aの位置と上面板2の切欠部7の位置を合わせることができる。また、支持板3a、3cをスライドさせてスマートフォン5Aの大きさに合わせた後は、その支持体3の位置を固定するために伸縮可能で移動レール溝8の断面形状と略同形状の固定部材(図示略)を移動レール溝8に挿入させて、上面板2の上部に載置されたスマートフォン5Aをしっかり動かないようにしてもよい。なお、本実施形態では、3つの支持体3a、3b、3cをスライドさせてスマートフォン5Aのカメラ5aの位置と上面板2の切欠部7の位置を合わせるようにしたが、これに限らず、2つの支持体3をスライドさせてスマートフォン5Aのカメラ5aの位置と上面板2の切欠部7の位置を合わせることもできる。
【0028】
次に、A4の用紙Pに記載された読みたい文字がスマートフォン5Aのカメラ5aで撮影できる位置にスマートフォン載置台1を移動させる。スマートフォン載置台1を移動させる際には、スマートフォン5Aの表示画面11(モニター)を見ながらスマートフォン載置台1を移動させる。そして、A4の用紙Pに記載された読みたい文字がスマートフォン5Aの表示画面11に表示された後は、スマートフォン5Aの表示画面11に表示される文字を拡大または縮小させ、スマートフォン5Aの表示画面11に表示される文字を読み易い大きさに設定する。ここで、スマートフォン5Aの表示画面11に表示される文字を拡大または縮小させる方法は、表示画面11に2本の指を接触されて、縮小するときは指の間を狭め、また拡大するときは指の間を広げるようにして行う。
【0029】
次に、使用者は右手HRと左手HLでスマートフォン載置台1を持って、スマートフォン載置台1の使用者側の側面板4の外側底辺MLをA4の用紙Pに横書きに記載された小さい文字の文章の列に合わして、その文章の列に沿って右方向に移動させる。このように、上面板2に載置されたスマートフォン5Aの使用者側の側面と略平行に設けられている使用者側の側面板4の外側底辺MLを文章の列に沿って移動させることにより、読み取るべき文章が流れるように見やすく表示され、文章が読み取り易くなる。そして、横書きに記載された文章の列の最後の文字がスマートフォン5Aの表示画面11に表示され読み取ることができれば、その一段下の行の横書きに記載された文章の列の先頭に合わせることにより、同様の方法で文章の文字がスマートフォン5Aの表示画面11に表示され読み取ることができる。
【0030】
また、スマートフォン載置台1を右方向に移動させている際に、A4の用紙Pに記載された文章に関して、メモ書きや印付けを行いたい場合は、使用者側の側面板4の右下角部の側面板切欠部10からペン等を差込み、文章の横などにメモ書きや印付けを付すことができる。
【0031】
以上説明したように、スマートフォン載置台1の支持体3によりスマートフォン5Aが動かないように支持しながら、スマートフォン載置台1を文章に沿って移動させることにより、弱視者であってもスマートフォン5Aのカメラ5aで撮影した文字映像を拡大してスマートフォン5Aの表示画面11で容易に読み取ることができる。また、スマートフォン載置台1は、上面板2、支持体3、および側面板4の部材で構成されているので、安価に構成することができるとともに、弱視者が外出するときに容易に持ち運ぶことができる。
【0032】
(第2実施形態)
次に、本発明のスマートフォン載置台の第2実施形態について図8を参照にしながら説明する。ここで、図8は本発明の第2実施形態におけるスマートフォン載置台の斜視図である。
【0033】
本発明の第2実施形態と第1実施形態の異なる主なところは、第1実施形態では、上面板2が側面板4に取り付けられ、上面板2と側面板4を取り外すことができない構成であるのに対し、第2実施形態では、上面板2と側面板4を取り外すことができる構成にしたところである。なお、第2実施形態においては、第1実施形態と異なるところを中心に説明する。また、第2実施形態では、第1実施形態と同一構成については、同一符号を用い、同一作用効果を奏するものとし説明は省略する。
【0034】
図8に示すように、スマートフォン載置台21の側面板24(24a、24b、24c)には側面部分が切り取られた側面板差込突起部25(25a、25b、25c)が形成され、側面板24cには側面板24aの側面の側面板差込突起部25aが挿入される側面板側部挿入溝25dが形成されている。また上面板22の下部には側面板24(24a、24b、24c)の上部の側面板差込突起部25(25a、25b、25c)が挿入される上面板下部挿入溝23(23a、23b、23c)が形成されている。この側面板24の側面板差込突起部25は上面板22の上面板下部挿入溝23に挿入されることから、側面板24の側面板差込突起部25の横断面は上面板22の上面板下部挿入溝23の横断面と略同一の横幅形状で形成され、また同様に側面板24aの側面の側面板差込突起部25aは側面板24cの側面板側部挿入溝25dに挿入されることから、側面板24aの側面の側面板差込突起部25aの横断面は側面板24cの側面板側部挿入溝25dの横断面と略同一の横幅形状に形成されている。なお、本実施形態では、側面板24(24a、24b、24c)の側面板差込突起部25(25a、25b、25c)の横断面と上面板22の上面板下部挿入溝23(23a、23b、23c)の横断面とを略同一の横幅形状とし、また側面板24aの側面の側面板差込突起部25aの横断面と側面板24cの側面板側部挿入溝25dの横断面とを略同一の横幅形状としたが、これに限らず、側面板24(24a、24b、24c)の側面板差込突起部25(25a、25b、25c)にゴムキャップ(図示略)を被せ、側面板24の側面板差込突起部25とゴムキャップの合計横断面を上面板22の上面板下部挿入溝23または側面板24cの側面板側部挿入溝25dの横断面と略同一として、ゴムキャップで被覆させた側面板24の側面板差込突起部25を上面板22の上面板下部挿入溝23または側面板24cの側面板側部挿入溝25dに挿入させるようにしてもよい。このように、ゴムキャップで被覆させた側面板24の側面板差込突起部25を上面板22の上面板下部挿入溝23または側面板24cの側面板側部挿入溝25dに挿入させることにより、側面板24の側面板差込突起部25が上面板22の上面板下部挿入溝23または側面板24cの側面板側部挿入溝25dから抜け難くすることができる。
【0035】
側面板24(24a、24b)の内側下部には、支持部材26を挿入するための支持部材挿入溝27(27a、27b)が形成されている。この支持部材26は、断面四角形状で、両端部には外周部分が切り取られた支持部材端部差込突起部28(28a、28b)が形成されている。そして、支持部材26の支持部材端部差込突起部28が側面板24の支持部材挿入溝27に挿入される。このように、この支持部材26の支持部材端部差込突起部28(28a、28b)は側面板24(24a、24b)の支持部材挿入溝27(27a、27b)に挿入されることから、支持部材26の支持部材端部差込突起部28の横断面は側面板24の支持部材挿入溝27の横断面とは略同一の横幅形状をしている。
【0036】
次に、本実施形態におけるスマートフォン載置台21の分解方法について図9を参照にしながら説明する。ここで、図9は本発明の第2実施形態におけるスマートフォン載置台の分解図である。
【0037】
まず、側面板24(24a、24b、24c)の側面板差込突起部25(25a、25b、25c)を上面板22の上面板下部挿入溝23(23a、23b、23c)から抜き取り、側面板24と上面板22を分離させる。また、側面板24aの側面板差込突起部25aを側面板24cの側面板側部挿入溝25dから抜き取り、側面板24aと側面板24cを分離させる。そして、上面板22と分離した側面板24(24a、24b)の支持部材挿入溝27(27a、27b)から支持部材26の支持部材端部差込突起部28(28a、28b)を抜き取る。これにより、側面板24と上面板22と支持部材26がそれぞれ分離する。また、上面板22にスライド可能な支持体3が設けられている場合は、その支持体3も上面板22と分離させる。
【0038】
このように、側面板24、上面板22、支持部材26、および支持体3をそれぞれ分離することによりコンパクトになり、その分離した側面板24、上面板22、支持部材26、および支持体3を袋に入れるなどすることにより、持ち運びが更に容易になる。
【0039】
(第3実施形態)
次に、本発明のスマートフォン載置台の第3実施形態について図10を参照にしながら説明する。ここで、図10は本発明の第3実施形態におけるスマートフォン載置台の使用状態を示す図である。
【0040】
本発明の第3実施形態と第1実施形態の異なる主なところは、第1実施形態では、横書きに記載された小さい文字を読み取るための構成であるのに対し、第3実施形態では、縦書きに記載された小さい文字を読み取るための構成にしたところである。なお、第3実施形態においては、第1実施形態と異なるところを中心に説明する。また、第3実施形態では、第1実施形態と同一構成については、同一符号を用い、同一作用効果を奏するものとし説明は省略する。
【0041】
第3実施形態ついては、第1実施形態のスマートフォン載置台1をそのまま使用して、縦書きに記載された小さい文字を読み取ることができる。すなわち、横書きに記載された小さい文字を読み取るためのスマートフォン載置台1を時計回りに90度回転させて使用することにより、縦書きに記載された小さい文字を読み取ることができる。つまり、第3実施形態では、使用者は右手HRと左手HLでスマートフォン載置台1を持って、スマートフォン載置台1の左側の側面板4aの外側底辺MLをA4の用紙Pに縦書きに記載された小さい文字の文章の列に合わして、その文章の列に沿って下方向に移動させる。このように、上面板2に載置されたスマートフォン5Aの左側の側面と略平行に設けられている左側の側面板4aの外側底辺MLを文章の列に沿って移動させることにより、読み取るべき文章が流れるように見やすく表示され、文章が読み取り易くなる。そして、縦書きに記載された文章の列の最後の文字がスマートフォン5Aの表示画面11に表示され読み取ることができれば、その左側の行の縦書きに記載された文章の列の先頭に合わせることにより、同様の方法で文章の文字がスマートフォン5Aの表示画面11に表示され読み取ることができる。
【0042】
(第4実施形態)
次に、本発明のスマートフォン載置台の第4実施形態について図11を参照にしながら説明する。ここで、図11(a)は本発明の第4実施形態におけるスマートフォン載置台の斜視図であり、図11(b)は図11のA-A断面を示す図である。
【0043】
本発明の第4実施形態と第1実施形態の異なる主なところは、第1実施形態では、支持体3(3a、3c)の支持体棒状部9(9a、9c)を上面板2の上面の移動レール溝8(8a、8c)と勘合させながらスライドさせるようにしたのに対し、第4実施形態では、支持体43(43a、43c)の支持体棒状部49(49a、49c)を上面板42の下部に設けられた挿入穴形成板47(47a、47c)の棒状部挿入穴48に挿入させながらスライドさせるようにしたところである。なお、第4実施形態においては、第1実施形態と異なるところを中心に説明する。また、第4実施形態では、第1実施形態と同一構成については、同一符号を用い、同一作用効果を奏するものとし説明は省略する。また、本実施形態については、上記第2実施形態および第3実施形態についても適用される。
【0044】
上面板42の使用者側の支持体43aおよびそれと直交する支持体43cは、それが接するスマートフォン5Aの側面と直交する方向にスライド(移動)可能に構成されている。上面板42の下部には側面板44(44a、44c)と釘により結合された挿入穴形成板47(47a、47c)が設けられ、挿入穴形成板47aには2列の棒状部挿入穴48aが形成され、また挿入穴形成板47cには2列の棒状部挿入穴48cが形成されている。この2列の棒状部挿入穴48aおよび2列の棒状部挿入穴48cは略円柱形状で形成され、電動ドリルなどを用いて簡単に製作することができる。ここで、側面板44(44a、44c)は、第1実施形態の側面板4(4a、4c)と比較して、支持体43(43a、43c)の支持体棒状部49(49a、49c)を通過できるよう、少し低くして形成されている。
【0045】
支持体43aの下部側方には、上面板42下部の挿入穴形成板47aの棒状部挿入穴48aに挿入される2本の支持体棒状部49aが形成され、また支持体43cの下部側方には、上面板42の下部の挿入穴形成板47cの棒状部挿入穴48cに挿入される2本の支持体棒状部49cが形成されている。この支持体43(43a、43c)の支持体棒状部49(49a、49c)は、挿入穴形成板47(47a、47c)の棒状部挿入穴48(48a、48c)と略同一形状で、アルミニウムなどの金属から形成されている。なお、本実施形態では、支持体棒状部49をアルミニウムなどの金属から形成させたが、これに限らず、プラスチック、紙類や木材から形成させてもよい。そして、支持体43aの支持体棒状部49aを挿入穴形成板47aの2列の棒状部挿入穴48aに沿ってスライドさせることにより支持体3aを移動させることができ、また支持体43cの支持体棒状部49cを挿入穴形成板47cの2列の棒状部挿入穴48cに沿ってスライドさせることにより支持体3cを移動させることができる。このように、第3実施形態においても、第1実施形態同様、大きさが異なるスマートフォン5Bであっても、支持体3をスライドさせることにより動かないようにスマートフォン載置台41に載置することができる。その他については第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。ここで、スマートフォン5(5A,5B)の側面と接する支持体43(43a、43b、43c)のうち少なくとも一つの支持体43(43a、43b、43c)をスライド可能に構成するようにしてもよいなど、第1実施形態と同様なところについては説明を省略する。
【0046】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0047】
1 スマートフォン載置台
2 上面板
3 支持体
4 側面板
5A スマートフォン
5B スマートフォン(大き目)
5a カメラ
6 支持棒
7 切欠部
8 移動レール溝
9 支持体棒状部
10 側面板切欠部
11 表示画面
21 スマートフォン載置台
22 上面板
23 上面板下部挿入溝
24 側面板
25 側面板差込突起部
26 支持部材
27 支持部材挿入溝
28 支持部材端部差込突起部
30 側面板切欠部
31 スマートフォン載置台
32 上面板
33 支持体側面板
34 側面板
42 上面板
43 支持体
44 側面板
47 挿入穴形成板
48 棒状部挿入穴
49 支持体棒状部
図1
図2
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図12