特許第6974070号(P6974070)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6974070クレーンおよびカウンタバラストキャリアプレート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6974070
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】クレーンおよびカウンタバラストキャリアプレート
(51)【国際特許分類】
   B66C 23/74 20060101AFI20211118BHJP
   B66C 23/76 20060101ALI20211118BHJP
【FI】
   B66C23/74 D
   B66C23/76 D
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-158214(P2017-158214)
(22)【出願日】2017年8月18日
(65)【公開番号】特開2018-30718(P2018-30718A)
(43)【公開日】2018年3月1日
【審査請求日】2020年7月15日
(31)【優先権主張番号】10 2016 010 365.5
(32)【優先日】2016年8月26日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】597120075
【氏名又は名称】リープヘル−ヴェルク エーインゲン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Liebherr−Werk EhingenGmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メーブス マルク
(72)【発明者】
【氏名】エールベルガー フランツ
【審査官】 八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04363412(US,A)
【文献】 特開2012−126523(JP,A)
【文献】 特開2015−040109(JP,A)
【文献】 特開2016−088752(JP,A)
【文献】 米国特許第04402413(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 23/74−23/76
B66F 9/075
E02F 9/00−9/18;9/24−9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体と、
上記下部走行体に対して旋回可能な上部旋回体と、
上記上部旋回体にサスペンションを介して取付可能なカウンタバラストキャリアプレートとを備えており、
上記カウンタバラストキャリアプレートは、上記下部走行体の少なくとも1つの案内縁部に沿って案内され得て、上記カウンタバラストキャリアプレートを上記下部走行体上の所定の取付位置に導く少なくとも1つの案内ピンを有し、
上記下部走行体の上記少なくとも1つの案内縁部は、クレーン長手方向において上記カウンタバラストキャリアプレートを案内する
ことを特徴とする移動式作業機械。
【請求項2】
請求項1において、
上記少なくとも1つの案内ピンは、バラストシリンダのベースプレートまたはバラストベースプレートに設けられている
ことを特徴とする移動式作業機械
【請求項3】
請求項1において、
上記少なくとも1つの案内ピンは、目的位置においてロック可能であり、
上記案内ピンがロックされるとき、上記カウンタバラストキャリアプレートの動きは、鉛直方向の動きに限定される
ことを特徴とする移動式作業機械
【請求項4】
請求項1において、
上記下部走行体に、クレーン長手方向またはクレーン幅方向において離間して延びかつ上記カウンタバラストキャリアプレートの2つの別個の上記案内ピンを案内する少なくとも2つの上記案内縁部が設けられている
ことを特徴とする移動式作業機械。
【請求項5】
請求項1において、
上記少なくとも1つの案内ピンは、鉛直方向に変位可能に支持されていて、ばね力油圧力自重空気圧力または人力によって引っ込めたり伸ばしたりできる
ことを特徴とする移動式作業機械
【請求項6】
請求項において、
上記案内ピンは、少なくとも1つの位置においてロック可能である
ことを特徴とする移動式作業機械
【請求項7】
請求項1において、
上記下部走行体上における上記カウンタバラストキャリアプレートの誤った配置をクレーン操作者に知らせる視覚的聴覚的または電気的な、表示部を備え、
上記表示部は、理想的には、上記少なくとも1つの案内ピンの所定の鉛直方向の動きを知らせるように構成されている
ことを特徴とする移動式作業機械
【請求項8】
請求項1において、
上記少なくとも1つの案内ピンは、その長手方向と交差する方向において、可動支持によって、上記カウンタバラストキャリアプレートに対して調節可能である
ことを特徴とする移動式作業機械
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下部走行体と、下部走行体に対して旋回可能な上部旋回体と、上部旋回体にバラストサスペンションを介して取付可能なカウンタバラストキャリアプレートとを備えた移動式作業機械、特にクレーン、または移動式クレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
移動式クレーンには、上部旋回体に取付可能なカウンタバラストが必要である。カウンタバラストは、一般に、必要な数のバラストプレートを積載可能なバラストキャリアプレートを備える。クレーンの輸送重量または空間的寸法を小さくするために、キャリアプレートを含むカウンタバラストは、輸送に際してクレーンの上部旋回体から取り外され、目的地まで個別に運ばれる。目的地では、カウンタバラストキャリアプレートは、クレーン自体によって、または補助クレーンによって上部旋回体に取り付けられ得る。このために、カウンタバラストプレートは、まずクレーンの下部走行体上に置かれる。そして、カウンタバラストプレートは、バラストシリンダによって、上部旋回体のクレーン旋回プラットフォームにおける取付箇所の高さまで持ち上げられ、そこでボルト留めされ得る。しかしながら、下部走行体上にバラストキャリアプレートを意図的に配置することは、円滑な設置作業のための必要条件である。
【0003】
従来の解決策によると、下部走行体に、バラストキャリアプレートの対応する凹部に正しい位置で入り込む1つ以上のセンタリングコーンが設けられる。さらに、下部走行体に、カウンタバラストキャリアプレートを大まかに位置合わせするための1つ以上の金属当接シートが設けられた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この解決策には、下部走行体に取り付けられるセンタリング装置または当接部が、クレーン操作中に突出端部を形成し得るという欠点がある。また、この解決策は、下部走行体における多くの複雑な溶接作業を必要とする。
【0005】
したがって、本発明の目的は、設置作業中におけるカウンタバラストのセンタリングのための改善および簡略化された解決策を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1の特徴を有するクレーンによって達成される。クレーンの有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0007】
本発明によると、当該カテゴリーの移動式作業機械、特にクレーン、または移動式クレーンからスタートして、下部走行体の少なくとも1つの案内縁部に沿って案内され得る1つ以上の案内ピンを有するカウンタバラストキャリアプレートを設けることが提示される。この機構により、下部走行体に負荷がかからない状態で、例えばクレーン自体または所望の補助クレーンによって、カウンタバラストは、案内ピンのおかげで下部走行体上の所定の取付位置に案内され得る。すなわち、カウンタバラストキャリアプレートは、まず、好ましくは旋回プラットフォームの後方の領域において、下部走行体の少し上の高さまで持ち上げられ、それにより、1つ以上の案内ピンが少なくとも1つの案内縁部と接触する。この位置では、カウンタバラストキャリアプレートは、クレーン自体または補助クレーンによって案内されて、所定の中央取付位置へと移動可能である。バラストキャリアプレートは、所定の取付位置に到達した場合にのみ、下部走行体への配置が完了する。
【0008】
本発明によると、バラスト調節は、旋回リング中心とオペレータ室との間における従来のバラスト配置と異なり、後部において行われる。
【0009】
従来技術において必要であった下部走行体における溶接作業は、カウンタバラストキャリアプレートにおける1つ以上の案内ピンを使用することによって省略可能である。また、下部走行体における何らかの突出端部が生じることもない。
【0010】
特に有利には、少なくとも1つの案内ピンは、カウンタバラストプレートのバラストシリンダのベースプレートに設けられる。少なくとも2つの案内ピンが設けられる場合、それらは、既存のバラストシリンダのベースプレートにわたって分散されてもよい。理想的には、バラストシリンダごとに、ベースプレートに少なくとも1つの案内ピンが設けられる。
【0011】
概して、カウンタバラストキャリアプレートが少なくとも2つの案内ピンを有する場合、縦クレーン軸に関して対称に案内ピンが配置されていることが好ましい。
【0012】
下部走行体の少なくとも1つの案内縁部は、下部走行体の適合挿入金属シート(passendes Einschubblech)によって形成されていることが好ましい。案内縁部は、クレーン縦軸に対して斜めに延びていることが特に有利である。少なくとも2つの案内ピンに対応する少なくとも2つの案内縁部を有する本発明の構成では、各案内縁部は、好ましくは、車両後方に向かって外側に傾斜して延びており、そのため、案内縁部同士の間隔は車両後方に向かって増大する。この場合、バラストキャリアプレートは、まず、両案内ピンがそれらの対応する案内縁部に接触するまで、案内縁部に沿って案内され得る。
【0013】
カウンタバラストキャリアプレートがクレーン縦方向と交差して動くことは、案内縁部によってブロックされてもよい。カウンタバラストキャリアプレートは、案内縁部の方向および鉛直方向のみにおいて自由に動くことができる。
【0014】
また、案内ピンが所定の取付位置においてロック可能であることが有利である。取付位置に到達すると、バラストキャリアプレートの下部走行体上への配置が完了する。好ましくは、バラストプレートが配置されると案内ピンが自動的にロックされ、特にその際、当該案内ピンは下部走行体の凹部に入り込む。
【0015】
目的位置におけるこの追加的なロックにより、カウンタバラストキャリアプレートの鉛直方向の動きのみが可能となり、他の全ての自由度はブロックされる。カウンタバラストキャリアプレートの不意の移動が、それにより防止される。鉛直方向の動きにより、特にバラストシリンダによって、カウンタバラストキャリアプレートをこの目的のために設けられた上部旋回体の取付位置に持ち上げることが可能である。
【0016】
本発明の特に有利な実施形態では、縦または横クレーン方向において離間して延びかつカウンタバラストキャリアプレートの2つの別個の案内ピンを案内する少なくとも2つの案内縁部が下部走行体に設けられる。
【0017】
特に好ましくは、少なくとも1つの案内ピンは、鉛直方向において可動支持されている。案内ピンは、例えば、ばね荷重態様で支持されていてもよい。油圧力および/または空気圧力によって案内ピンを操作することも考えられる。また、案内ピンは、その自重によって鉛直方向に可動であってもよい。鉛直方向における可動支持によると、下部走行体上でのカウンタバラストキャリアプレートの誤った配置による下部走行体および/または案内ピンへの損傷を回避することができる。案内ピンに過大な圧力負荷がかかると、当該案内ピンは、例えば、鉛直方向において上方に移動する。また、例えば、案内ピンが、当該案内ピンを鉛直方向に移動可能に支持するハウジングを有することも考えられる。案内ピンに過大な圧力負荷がかかると、当該案内ピンは、ハウジング内へと移動する。
【0018】
また、少なくとも1つの案内ピンまたはクレーンに、視覚的および/または聴覚的および/または電気的な表示部を設けることが考えられる。この表示部は、カウンタバラストキャリアプレートが下部走行体上で誤って配置されたことをクレーン操作者に知らせるためのものである。表示部は、例えば、少なくとも1つの案内ピンが鉛直方向に動きかつ特に一部または全部が案内ピンハウジング内に押し込まれたときに応答する。理想的には、対応する視覚的な表示部が、案内ピンハウジングに直接的に設けられていてもよい。
【0019】
製造誤差を補償するため、または下部走行体上におけるカウンタバラストキャリアプレートの所望の中央位置を細かく調節するために、少なくとも1つの案内ピンは、その位置を、カウンタバラストキャリアプレートに対して、1つ以上の設定手段によって調節可能であることが好ましい。ここで、案内ピンの長手方向と交差する方向における可動支持が特に好ましい。このことは、例えば、ねじによって動かされ得て、少なくとも1つの案内ピンまたは案内ピンのハウジングがその長手方向と交差するように動くことを可能とする1つ以上の金属調節シートによって実現される。
【0020】
本発明に係るクレーンに加えて、本発明は、また、クレーンの設置中にカウンタバラストキャリアプレートを案内するための少なくとも1つの案内ピンを有するカウンタバラストキャリアプレートを含む。カウンタバラストキャリアプレートの特徴は、好ましくは、クレーンの項目において既にカウンタバラストキャリアプレートに関して上述した特徴に対応している。このことは、特に、カウンタバラストキャリアプレートにおける案内ピンの可動支持に関する。繰り返しを避けるため、以下では再度の説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1a図1aは、本発明に係る移動式クレーンの側面図である。
図1b図1bは、本発明に係る移動式クレーンの側面図である。
図2図2は、本発明に係る移動式クレーンの斜視図である。
図3図3は、案内ピンを有する本発明に係るコンベヤベルトキャリアプレートを一部断面で示す細部図である。
図4図4は、移動式クレーンの下部走行体の平面図である。
図5図5は、本発明に係る移動式クレーンの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の別の利点および特徴について、図示の実施形態に関連して詳細に説明する。
【0023】
まず、図1aおよび図1bの側面図には、本発明に係るカウンタバラストキャリアプレートの基本原理が簡潔に示されている。ここで、図1aは、上部旋回体のクレーン旋回プラットフォーム10に取り付けられたバラストキャリアプレート20を有するカウンタウェイトフレーム15を示している。バラストキャリアプレート20上には、1つ以上のバラストプレート21が積載されている。カウンタウェイトフレーム15は、クレーン操作中に収容バラストプレート21の位置を変えてさまざまなバラスト半径においてクレーンを操作するための旋回可能なバラストアーム22を有していてもよい。しかしながら、これはカウンタウェイトフレーム15のオプション的な構成であって、本発明は、非可変のバラストキャリアプレートであっても容易に適用可能である。
【0024】
カウンタウェイトフレーム15は、下部走行体40上に置かれたカウンタウェイトフレーム15をクレーン旋回プラットフォーム10の高さまで持ち上げるための2つのバラストシリンダ23をさらに有する。カウンタウェイトフレーム15は、この位置でクレーン旋回プラットフォーム10にボルト留めされていてもよい。図1bは、ピストンロッドが伸ばされた状態のバラストシリンダ23を示している。一方、図1aでは、ピストンロッドは、既にシリンダ内に引っ込められている。バラストシリンダ23は、一端がカウンタウェイトフレーム15に接続され、他端がベースプレート24に接続されている。ベースプレート24は、下部走行体40に対してカウンタウェイトフレーム15を支持している。カウンタウェイトフレーム15をクレーン旋回プラットフォーム10に問題なくボルト留めするためには、カウンタウェイトフレーム15が、下部走行体40上の所定の取付位置に前もって配置されていることが必要である。
【0025】
このことは、好ましくはバラストシリンダ23のベースプレート24における縦クレーン軸に対して横方向にオフセットして設けられた本発明に係る2つの案内ピン30によって実現される。これは、図5に係るクレーンの背面図において容易に確認できる。
【0026】
案内ピン30は、軸または鉛直方向において変位可能にシリンダハウジング31内に支持されている。また、シリンダハウジング31は、カウンタウェイトフレーム15またはそのベースプレート24に、コンソール32を介して取り付けられている。
【0027】
図3の断面図は、シリンダハウジング31内における案内ピン30の可動支持を示している。図示の実施形態では、案内ピンは、ばね要素33によって支持されていて、ばね効果によってシリンダハウジング31から下方に押し出されるように付勢されている。案内ピン30は、不適切な圧力負荷がかかると、ばね力に抗してシリンダハウジング31内に押し込まれる。これは、例えば、カウンタウェイトフレーム15が下部走行体40上で誤って配置され、案内ピンが下部走行体40の対応する凹部に入り込めない場合に相当する。
【0028】
図3は、下部走行体40における所定の取付位置にあるバラストキャリアプレートを示している。ここで、案内ピン30は、下部走行体40の別個の凹部41内に突き出ることによってロックされている。案内ピン30およびよってカウンタウェイトフレーム15の縦クレーン方向における動きは、当接部42によってブロックされる。カウンタウェイトフレーム15の横方向における動きは、案内縁部43によって制限される。したがって、カウンタウェイトフレーム15の鉛直方向の動きのみが、この位置において可能である。
【0029】
カウンタウェイトフレーム15を、案内ピン30が凹部41内に突出する所定の取付位置に導くために、下部走行体に適合案内縁部43が設けられている。この案内縁部43については、以下、図4を参照して詳細に説明する。図4は、下部走行体40の鋼構造の平面図であって、下部走行体40上に置かれたベースプレート24も確認できる。同図には、1つのシリンダハウジング31のみが示されている。ベースプレート24の図中下側端部には、シリンダハウジング31の下に位置する下部走行体40の案内縁部43がよく見えるように、当該シリンダハウジング31を示していない。
【0030】
また、案内縁部43が下部走行体表面の側縁部を形成していることも確認できる。さらに、両案内縁部は、車両後方に向かって外側に傾斜して延びており、そのため、両案内縁部43間の間隔は、車両後方に向かって大きくなっている。ここで、案内縁部43が対称であることは必ずしも必要ではない。
【0031】
カウンタウェイトフレーム15は、まず、バラストの取付けのために、両案内ピン30が対応する案内縁部43に横から接触するか、または当該案内縁部の直近に位置するように、下部走行体40の上方に保持される。カウンタウェイトフレーム15は、次いで、両案内ピン30が対応する案内縁部に接触して対応する切り抜き部41の上方にくるまで(図3の位置を参照)、車両後方に向かって矢印A(図3を参照)の方向に動かされてもよい。カウンタウェイトフレーム15のクレーン縦軸と交差する方向の動きは、外側に傾斜して延びる案内縁部43によってブロックされ、または、カウンタウェイトフレーム15は、移動する間に下部走行体40の上方で中央に位置決めされる。
【0032】
カウンタウェイトフレーム15は、この位置で下部走行体40上に完全に降ろされ、それにより、案内ピン30が切り抜き部41内に入り込み、さらにカウンタウェイトフレーム15がロックされる。
【0033】
図4には、また、バラストシリンダ23のベースプレート24に対する案内ピン30の位置調節を可能とする複数の金属調節シート44による案内ピンハウジング31の配置が示されている。それにより、クレーン製造における不揃いを補償することができ、また、カウンタウェイトフレーム15を正確に中央位置にセットすることができる。また、シリンダハウジング31の上側端面には、視覚表示要素45が設けられている。案内ピン30の一部または全部がシリンダハウジング31内に押し込まれると、この表示要素45を介してそのことがクレーン操作者に伝達される。
【0034】
図5は、本発明に係る移動式クレーンの背面図であり、車両左側部分は完全に示され、車両右側部分は断面図で示されている。この図では、各案内ピン30の必要に応じた互いに対するオフセットや、下部走行体41の対応する凹部41へのそれらの係合が明らかに見て取れる。
【符号の説明】
【0035】
10 クレーン旋回プラットフォーム
15 カウンタウェイトフレーム
20 バラストキャリアプレート
21 バラストプレート
22 バラストアーム
23 バラストシリンダ
24 ベースプレート
30 案内ピン
31 シリンダハウジング
32 コンソール
33 ばね要素
40 下部走行体
41 凹部
43 案内縁部
44 金属調節シート
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5