特許第6974092号(P6974092)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6974092
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】蓄電モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01G 11/14 20130101AFI20211118BHJP
   H01G 11/06 20130101ALI20211118BHJP
   H01G 11/10 20130101ALI20211118BHJP
   H01G 11/78 20130101ALI20211118BHJP
   H01M 50/20 20210101ALI20211118BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20211118BHJP
【FI】
   H01G11/14
   H01G11/06
   H01G11/10
   H01G11/78
   H01M50/20
   H01M50/342
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-185703(P2017-185703)
(22)【出願日】2017年9月27日
(65)【公開番号】特開2019-62082(P2019-62082A)
(43)【公開日】2019年4月18日
【審査請求日】2020年9月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000204284
【氏名又は名称】太陽誘電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】特許業務法人南青山国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】土屋 孝之
(72)【発明者】
【氏名】石井 信治
【審査官】 鈴木 駿平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−124232(JP,A)
【文献】 特開2011−082241(JP,A)
【文献】 特開2017−033721(JP,A)
【文献】 特開2016−162533(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/043138(WO,A1)
【文献】 中国特許出願公開第103222022(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 11/00−11/86
H01M 50/20
H01M 50/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電素子と、前記蓄電素子が封入された外装体と、前記蓄電素子の正極に接続された正極タブと、前記蓄電素子の負極に接続された負極タブとを備える蓄電セルと、
前記蓄電セルを収容する収容空間を有する筐体と
を具備し、
前記外装体は、前記蓄電素子の周囲において融着されたシール領域と、前記シール領域と前記蓄電素子の間の非シール領域を有するラミネートフィルムであり、
前記正極タブ及び前記負極タブは、前記非シール領域及び前記シール領域を介して前記ラミネートフィルムから引き出され、
前記筐体は、前記収容空間と外部空間に連通する貫通孔を有し、
前記貫通孔は、前記正極タブと前記負極タブの間の非シール領域に対向し、前記正極タブと前記負極タブの間の非シール領域以外の領域に対向しない
蓄電モジュール。
【請求項2】
請求項に記載の蓄電モジュールであって、
前記筐体は、前記収容空間に複数の前記蓄電セルを収容可能であり、
前記蓄電モジュールは、前記複数の蓄電セルの前記正極タブと前記負極タブの間の非シール領域に対向し、前記正極タブと前記負極タブの間の非シール領域以外の領域に対向しない複数の貫通孔を有する
蓄電モジュール。
【請求項3】
請求項に記載の蓄電モジュールであって、
前記収容空間は、重ねられた前記複数の蓄電素子を収容可能である
蓄電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電セルを内蔵する蓄電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオンキャパシタ等の蓄電セルは、筐体に収容され、蓄電モジュールとして利用されることが多い。ここで、蓄電セルは、外部短絡や過放電により内部にガスが発生し、蓄電セルの内圧が上昇することがある。
【0003】
このため、多くの蓄電セルには安全弁が設けられており、内圧が一定以上となった場合には安全弁から内圧が解放される(例えば特許文献1参照)。蓄電セルの筐体も、蓄電セルが内圧で膨張しても安全弁の作動圧力までは破損しないように設計されていることが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−203262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、異常が発生した蓄電モジュールを解体する際、安全弁が作動しているものであれば問題はない。しかしながら、蓄電セルの内圧が安全弁の作動圧力に達していない場合、蓄電セルの膨張による応力が筐体に印加された状態で解体を行うこととなる。
【0006】
この場合、筐体に歪みが生じて解体が困難となったり、筐体を構成する部材が飛散したりするおそれがある。また、長期間応力が印加されるとネジ等が疲労破壊を生じ、蓄電セルや筐体が破損するおそれがある。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、異常が生じても解体する前に内圧を開放でき、それによって安全に解体することが可能な蓄電モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る蓄電モジュールは、蓄電セルと、筐体とを具備する。
上記蓄電セルは、蓄電素子と、上記蓄電素子が封入された外装体とを備える。
上記筐体は、上記蓄電セルを収容する収容空間を有する。
上記筐体は、上記収容空間と外部空間に連通する貫通孔を有する。
上記貫通孔は、上記蓄電セルの上記蓄電素子が存在しない部分に対応する位置に形成されている。
【0009】
この構成によれば、蓄電セルの内圧が上昇し、筐体に応力が印加されている状態であっても、貫通孔に針を挿通することによって外装体に穴を開け、内圧を開放させることができる。これにより筐体を分解する前に応力を除去し、蓄電モジュールを安全に解体することができる。
【0010】
上記外装体は、ラミネートフィルムであり、上記ラミネートフィルムは、上記蓄電素子の周囲において融着されたシール領域と、上記シール領域と上記蓄電素子の間の非シール領域を有し、上記貫通孔は上記非シール領域に対応する位置に形成されていてもよい。
【0011】
上記蓄電セルは、上記蓄電素子の正極に接続され、上記非シール領域及び上記シール領域を介して上記ラミネートフィルムから引き出されている正極タブと、上記蓄電素子の負極に接続され、上記非シール領域及び上記シール領域を介して上記ラミネートフィルムから引き出されている負極タブとを具備し、上記貫通孔は、上記正極タブと上記負極タブの間の上記非シール領域に対応する位置に形成されていてもよい。
【0012】
上記筐体は、上記収容空間に複数の上記蓄電セルを収容可能であり、上記蓄電モジュールは、上記複数の蓄電セルの上記蓄電素子が存在しない部分に対応する位置に形成されている複数の貫通孔を有していてもよい。
【0013】
上記収容空間は、重ねられた上記複数の蓄電素子を収容可能であってもよい。
【発明の効果】
【0014】
以上のように本発明によれば、異常が生じても解体する前に内圧を開放でき、それによって安全に解体することが可能な蓄電モジュールを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る蓄電モジュールの斜視図である。
図2】同蓄電モジュールの分解斜視図である。
図3】同蓄電モジュールが備える蓄電セルの斜視図である。
図4】同蓄電モジュールが備える蓄電セルの断面図である。
図5】同蓄電モジュールが備える蓄電セルの平面図である。
図6】同蓄電モジュールが備える蓄電セルの配置を示す模式図である。
図7】同蓄電モジュールの斜視図である。
図8】同蓄電モジュールが備える筐体における貫通孔の配置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態に係る蓄電モジュールについて説明する。
【0017】
[蓄電モジュールの構成]
図1は本実施形態に係る蓄電モジュール100の斜視図であり、図2は、蓄電モジュール100の分解斜視図である。これらの図に示すように蓄電モジュール100は、筐体110及び蓄電セル120を備える。なお、以下の各図において相互に直交する3方向をそれぞれX方向、Y方向及びZ方向とする。
【0018】
筐体110は、図2に示すように枠部材111、第1板部材112及び第2板部材113によって構成されている。
【0019】
枠部材111は、合成樹脂等からなる枠状の部材である。枠部材111には蓄電セル120の正極端子及び負極端子にそれぞれ電気的に接続されたバスバーや蓄電セル120の制御回路を搭載した基板等が実装されている。
【0020】
第1板部材112及び第2板部材113は、アルミニウム等の金属からなる板状の部材である。第1板部材112及び第2板部材113が枠部材111を挟むことによって、枠部材111、第1板部材112及び第2板部材113によって囲まれた収容空間Rが形成される。第1板部材112及び第2板部材113はネジ止め等によって枠部材111に固定される。
【0021】
筐体110の構成はここに示すものに限られず、蓄電セル120を収容可能な収容空間を形成するものであればよい。
【0022】
蓄電セル120は、充電及び放電が可能なセルである。図3は、蓄電セル120の斜視図である。図4は蓄電セル120の断面図であり、図3のA−A線での断面図である。これらの図に示すように、蓄電セル120は、蓄電素子121、外装部材122、正極タブ123及び負極タブ124を備える。
【0023】
蓄電素子121は、図4に示すように、正極125、負極126及びセパレータ127が積層されて構成されている。
【0024】
正極125は、正極材料を含むシート状の部材であり、例えば集電箔に正極材料を積層したものとすることができる。集電箔は例えば多孔性のアルミニウム箔であり、正極材料は例えば活性炭等の正極活物質とバインダ樹脂等を混合したものである。
【0025】
負極126は、負極材料を含むシート状の部材であり、例えば集電箔に負極材料を積層したものとすることができる。集電箔は例えば多孔性の銅箔であり、負極材料は例えばグラファイト等の負極活物質とバインダ樹脂等を混合したものである。
【0026】
セパレータ127は、織布、不織布又は合成樹脂微多孔膜等からなるシート状の部材であり、正極125と負極126を絶縁する。
【0027】
正極125及び負極126はセパレータ127を介して積層され、蓄電素子121を構成する。正極125及び負極126の層数は特に限定されない。蓄電素子121は、任意の電解液と共に外装部材122に収容されている。
【0028】
外装部材122は、蓄電素子121を封止する。外装部材122は、金属箔の表裏両面を合成樹脂によって被覆したラミネートフィルムとすることができ、蓄電素子121の周縁において当該合成樹脂が熱融着されている。図5は、蓄電セル120の平面図である。
【0029】
図5に示すように、外装部材122が融着されている領域をシール領域122a(図中斜線領域)とし、シール領域122aと蓄電素子121の間の融着されていない領域を非シール領域122bとする。
【0030】
なお、外装部材122は必ずしもラミネートフィルムでなくてもよく、蓄電素子121を封止可能な部材であればよい。
【0031】
正極タブ123は、正極125に電気的に接続され、非シール領域122b及びシール領域122aを介して外装部材122の外部に引き出されている。正極タブ123はアルミニウム等からなる金属箔又は金属板とすることができる。
【0032】
負極タブ124は、負極126に電気的に接続され、非シール領域122b及びシール領域122aを介して外装部材122の外部に引き出されている。負極タブ124は銅等からなる金属箔又は金属板とすることができる。
【0033】
蓄電セル120は以上のような構成を有する。蓄電セル120の構成はここに示すものに限られず、リチウムイオンキャパシタ、リチウムイオン二次電池又は電気二重層キャパシタ等の充電及び放電が可能なものであればよい。
【0034】
蓄電セル120は筐体110の収容空間Rに収容されている。図6は収容空間Rに収容される蓄電セル120の配置を示す模式図である。同図に示すように収容空間Rには、二つの蓄電セル120が重ねられた蓄電セル120の組が二組収容されているものとすることができる。また、収容空間Rに収容される蓄電セル120の数は限定されず、一つの蓄電セル120のみが収容されてよい。
【0035】
[貫通孔について]
第1板部材112及び第2板部材113には貫通孔が設けられている。図7は、貫通孔130の配置を示す模式図である。貫通孔130は第1板部材112及び第2板部材113においてそれぞれの表裏を貫通する孔である。その大きさは特に限定されないが直径数mm程度である。
【0036】
貫通孔130は、蓄電セル120のうち蓄電素子121が存在しない部分に対応する位置、すなわち蓄電素子121が存在しない部分と向き合う位置に形成されている。図8は、貫通孔130の位置を示す模式図である。同図に示すように貫通孔130は、第1板部材112又は第2板部材113に垂直な方向から貫通孔130を通過する直線を直線Lとすると、直線Lが非シール領域122b(図5参照)に到達する位置に設けられている。
【0037】
特に貫通孔130の位置は、正極タブ123と負極タブ124の間の非シール領域122bに到達する位置(図5中P)が好適である。
【0038】
貫通孔130は、それぞれの蓄電セル120に対応して一つずつが設けられている。図6に示すように収容空間Rに二つの蓄電セル120が重ねられた蓄電セル120の組が二組収容されている場合、第1板部材112及び第2板部材113にはそれぞれ二つずつの蓄電セル120が面する。
【0039】
このため、第1板部材112及び第2板部材113にはそれぞれ二つずつの貫通孔130が設けられている。これらの貫通孔130はそれぞれ、上述の直線Lが各蓄電セル120の非シール領域122bに到達する位置に設けられている。
【0040】
貫通孔130はそのままでもよく、目隠し用のシール等で塞がれていてもよい。
【0041】
[貫通孔による効果について]
異常時に蓄電セル120においてガスが発生し、内圧が上昇すると、蓄電セル120が膨張し、筐体110に応力が印加される。このような蓄電セル120を解体する場合、貫通孔130に針を挿し、外装部材122に穴を開ける。これにより、この穴からガスが排出され、筐体110に印加されている応力が消失し、安全に蓄電セル120を解体することができる。
【0042】
上記のように貫通孔130は蓄電素子121を避けた位置に設けられているため、貫通孔130に挿された針によって内部短絡が生じることも防止されている。なお、貫通孔130に挿す針は、注射針のように内部に流路が形成されたものが好適であるが、鋭利なものであればよい。
【符号の説明】
【0043】
100…蓄電モジュール
110…筐体
120…蓄電セル
121…蓄電素子
122…外装部材
122a…シール領域
122b…非シール領域
123…正極タブ
124…負極タブ
125…正極
126…負極
127…セパレータ
130…貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8