(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のような撹拌翼では、処理中に汚泥中に含まれる繊維が絡み付いてしまうという問題がある。撹拌翼に繊維が絡まることで、撹拌の効率が低下して十分なフロック形成ができなくなるだけではなく、一度絡まった繊維を除去するための作業も煩雑なものとなるという問題がある。
【0006】
本発明の課題は、汚泥の調質処理のように繊維状の物質を含む被処理水の撹拌を行う撹拌翼において、繊維の絡み付きが少なく、撹拌効果が低下することなく、かつメンテナンス容易な撹拌翼を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記の課題について鋭意検討した結果、繊維状物質が撹拌翼に絡み付く原因として、多段に設けられた撹拌羽根の羽根と羽根の間の軸部分に繊維状物質が引っかかり、絡み付くことを発見した。そこで、軸方向に隣り合う撹拌羽根を、回転方向において重なるように配置することにより、羽根と羽根の間の軸部分への繊維の絡まりが抑制されることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の撹拌翼である。
【0008】
上記課題を解決するための本発明の撹拌翼は、
撹拌翼軸と撹拌羽根を備えた繊維状の物質を含む被処理水を撹拌する撹拌翼であって、前記
撹拌翼軸は、軸方向に複数の前記撹拌羽根を有し、かつ、軸方向に隣り合う前記撹拌羽根は、回転方向において重なる領域を有するという特徴を有する。
本発明の撹拌翼は、回転方向において重なる領域を有するように撹拌羽根を配置するため、軸部分への繊維状の物質の引っかかりが阻害され、繊維状の物質が撹拌翼へ絡まることを抑制する。そして、本発明の撹拌翼によれば、繊維状の物質が絡まりにくくなることで、撹拌効率を低下させることなく、かつ、メンテナンスが容易な撹拌翼を提供することができる。
【0009】
また、本発明の撹拌翼の一実施態様としては、撹拌羽根が回転方向において重なる領域は、撹拌羽根の軸方向の長さに対して10%以上であるという特徴を有する。
この特徴によれば、繊維状の物質が
撹拌翼軸への絡まることを抑制するという本発明の効果がより発揮される。
【0010】
また、本発明の撹拌翼の一実施態様としては、
撹拌翼軸は、周方向に複数の撹拌羽根が固定された撹拌羽根群を有し、撹拌羽根群における撹拌羽根の枚数は、被処理水の流れ方向上流側が多くなるという特徴を有する。
この特徴によれば、被処理水の流れ方向上流側に撹拌羽根を多く設けるため、被処理水の流れ方向上流側で他の薬剤等を添加する際に、薬剤添加箇所付近での撹拌強度を高めて混合効率を向上させることが可能となる。特に、汚泥の調質処理のように、被処理水の上流側から下流側にかけて撹拌強度を弱めていくような撹拌処理に適した撹拌翼を提供することができる。
【0011】
また、本発明の撹拌翼の一実施態様としては、
撹拌翼軸の断面最大径は、撹拌羽根を固定している領域より、撹拌羽根を固定していない領域の方が太いという特徴を有する。
撹拌翼軸に対する繊維状の物質の引っかかりは、
撹拌翼軸が太いほど阻害される。その一方で、
撹拌翼軸を太くすると撹拌翼の重量が増加し、製造コストの上昇やモーター等の駆動装置への負荷が高まる。上記の特徴によれば、撹拌羽根を固定していない領域の
撹拌翼軸の断面最大径を、撹拌羽根を固定している領域の断面最大径より太くすることで、撹拌羽根を固定していない
撹拌翼軸に対する繊維状の物質の絡まりを防ぎつつ、撹拌翼全体
としての重量の増加を抑えることができる。
【0012】
さらに、本発明の撹拌翼の一実施態様としては、撹拌羽根を固定していない領域の
撹拌翼軸の断面最大径は、撹拌羽根を固定している領域における撹拌羽根の回転軌道の最大直径の1/4以上であるという特徴を有する。
この特徴によれば、撹拌羽根を固定していない領域の
撹拌翼軸の断面最大径を、撹拌羽根を固定している領域における前記撹拌羽根の回転軌道の最大直径の1/4以上とするため、撹拌羽根を固定していない
撹拌翼軸に対する繊維状の物質の絡まりをより確実に防ぐことができる。
【0013】
また、上記課題を解決するための本発明の撹拌翼は、
撹拌翼軸と、撹拌羽根を備えた繊維状の物質を含む被処理水を撹拌する撹拌翼であって、前記
撹拌翼軸は、軸方向に複数の前記撹拌羽根を有し、かつ、撹拌羽根を固定していない領域の前記
撹拌翼軸の断面最大径は、撹拌羽根を固定している領域における前記撹拌羽根の回転軌道の最大直径の1/4以上であるという特徴を有する。
本発明の撹拌翼は、撹拌羽根を固定していない領域の
撹拌翼軸の断面最大径を、撹拌羽根を固定している領域における前記撹拌羽根の回転軌道の最大直径の1/4以上とするため、撹拌羽根を固定していない
撹拌翼軸に対する繊維状の物質の絡まりをより確実に防ぐことができる。また、本発明の撹拌翼によれば、繊維状の物質が絡まりにくくなることで、撹拌効率を低下させることなく、かつ、メンテナンスが容易な撹拌翼を提供することができる。
さらに、本発明の撹拌翼によれば、
撹拌翼軸全体の断面最大径を大きくするのではなく、
撹拌翼軸の一部の断面最大径について相対的に大きくすることで、撹拌翼全体としての重量の増加を抑えることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、繊維状の物質を含む被処理水の撹拌を行う撹拌翼において、繊維の絡み付きが少なく、撹拌効果が低下することなく、かつメンテナンス容易な撹拌翼を提供することができる。特に、本発明の撹拌翼は、繊維状の物質を含む汚泥の調質処理を行う凝集装置に適用することで、良質な凝集フロック生成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1A】本発明の第1の実施態様の撹拌翼の構造を示す概略説明図である。
図1Aは、撹拌翼を斜め上方から見た斜視図である。
【
図1B】本発明の第1の実施態様の撹拌翼の構造を示す概略説明図である。
図1Bは、撹拌翼の撹拌羽根の回転軌道領域を示す模式図である。
【
図1C】本発明の第1の実施態様の撹拌翼の構造を示す概略説明図である。
図1Cは、撹拌翼の側面図である。
【
図1D】本発明の第1の実施態様の撹拌翼の構造を示す概略説明図である。
図1Dは、撹拌翼の平面図である(
図1CのI−I矢視図)。
【
図2】本発明の第2の実施態様の撹拌翼の構造を示す斜視図である。
【
図3A】本発明の第3の実施態様の撹拌翼の構造を示す概略説明図である。
図3Aは、撹拌翼を斜め上方から見た斜視図である。
【
図3B】本発明の第3の実施態様の撹拌翼の構造を示す概略説明図である。
図3Bは、撹拌翼の側面図である。
【
図3C】本発明の第3の実施態様の撹拌翼の構造を示す概略説明図である。
図3Cは、撹拌翼の平面図である(
図3BのII−II矢視図)。
【
図4A】本発明の第4の実施態様の撹拌翼の構造を示す概略説明図である。
図4Aは、撹拌翼の側面図である。
【
図4B】本発明の第4の実施態様の撹拌翼の構造を示す概略説明図である。
図4Bは、撹拌翼の平面図である(
図4AのIII−III矢視図)。
【
図5A】本発明の第5の実施態様の撹拌翼の構造を示す概略説明図である。
図5Aは、撹拌翼を斜め上方から見た斜視図である。
【
図5B】本発明の第5の実施態様の撹拌翼の構造を示す概略説明図である。
図5Bは、撹拌翼の側面図である。
【
図5C】本発明の第5の実施態様の撹拌翼の構造を示す概略説明図である。
図5Cは、撹拌翼の平面図である(
図5BのIV−IV矢視図)。
【
図6】本発明の第1の実施態様の撹拌翼を備える撹拌装置の構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の撹拌翼は、
撹拌翼軸と、撹拌羽根を備え、前記
撹拌翼軸は、軸方向に複数の前記撹拌羽根を有し、かつ、軸方向に隣り合う前記撹拌羽根は、回転方向において重なる領域を有することを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明の撹拌翼は、
撹拌翼軸と、撹拌羽根を備え、前記
撹拌翼軸は、軸方向に複数の前記撹拌羽根を有し、かつ、撹拌羽根を固定していない領域の前記
撹拌翼軸の断面最大径は、撹拌羽根を固定している領域における前記撹拌羽根の回転軌道の最大直径の1/4以上であることを特徴とするものである。
【0018】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る撹拌翼の実施態様を詳細に説明する。なお、実施態様に記載する撹拌翼及び撹拌翼を備えた撹拌装置の構造については、本発明に係る撹拌翼及び撹拌翼を備えた撹拌装置を説明するために例示したにすぎず、これに限定されるものではない。
【0019】
[撹拌翼]
本実施態様の撹拌翼は、
撹拌翼軸に対して複数の撹拌羽根を多段に設けた構成からなる。
撹拌翼軸に対して複数の撹拌羽根を多段に設けた撹拌翼とすることで、撹拌羽根同士の間で循環流(渦流)が発生するため、
撹拌翼軸に対して1枚の羽根を設ける撹拌翼の構成よりも槽内の撹拌効率を向上させることができる。
【0020】
[第1の実施態様]
図1A〜
図1Dには、第1の実施態様の撹拌翼の概略説明図が図示されている。
図1Aは斜め上方から見た斜視図、
図1Bは撹拌羽根の回転軌道領域の模式図、
図1Cは側面図、
図1Dは平面図(
図1CのI−I矢視図)である。
【0021】
図1Aに示すように、撹拌翼10aは、棒状の
撹拌翼軸20と、
撹拌翼軸の軸方向に複数の平板形状の撹拌羽根30a、30b、31a、31b、32a、32bから構成され、
撹拌翼軸20の周方向に固定された複数の撹拌羽根を撹拌羽根群30、31、32とするものである。なお、
図1Aにおける撹拌羽根30a及び30bから構成される撹拌羽根群を第1の撹拌羽根群30とし、以下、撹拌羽根31a及び31bから構成される第2の撹拌羽根群31、撹拌羽根32a及び32bから構成される第3の撹拌羽根群32とする。
図1Bは、
図1Aに示した撹拌翼10aの回転時の撹拌羽根の移動範囲を示す回転軌道領域の模式図である。
図1B中の破線は、撹拌羽根の回転軌道Rを示している。なお、
図1Bには撹拌羽根全体ではなく、それぞれの撹拌羽根が固定されている位置を図示している。
図1Bに示すように、軸方向に隣り合う撹拌羽根群30と撹拌羽根群31はそれぞれの回転軌道領域A1、A2において重なり部分B1を有し、同様に、軸方向に隣り合う撹拌羽根群31と撹拌羽根群32はそれぞれの回転軌道領域A2、A3において重なり部分B2を有するものである。
【0022】
撹拌翼10aの具体的構成としては、
図1Cに示すように、軸方向に隣り合う撹拌羽根群30及び31において、それぞれを構成する撹拌羽根30a及び31aは、撹拌羽根の軸方向の長さL1及びL2が重なり合う範囲(長さL3)を有するように設けられている。これにより、撹拌羽根30a及び31aは、
図1Bに示すような回転方向における重なり領域B1を有することになる。同様に、他の隣り合う撹拌羽根群31及び32においても、構成する撹拌羽根の軸方向の長さが重なり合う領域を有するように設け、回転方向における重なり領域B2を有するものとする。
また、
図1Dに示すように、撹拌羽根群31内の撹拌羽根31a及び31bは、
撹拌翼軸20の周方向にそれぞれ180度の間隔で設けられており、同様に撹拌羽根群32内の撹拌羽根32a及び32bも
撹拌翼軸20の周方向にそれぞれ180度の間隔で設けられている。さらに、隣り合う撹拌羽根群31、32同士は
撹拌翼軸20の周方向に90度の間隔となるように設けられている。なお、
図1D中の破線は、撹拌羽根の回転軌道Rを示す。
このような構成とすることで、撹拌翼10aを用いて繊維状の物質を含む被処理水を撹拌する際に、
撹拌翼軸20に対して繊維状の物質が引っかかる確率を下げ、絡まりを防ぐことが可能となるものである。
なお、撹拌翼10aの
撹拌翼軸20に繊維状物質が絡まることを効果的に防ぐためには、撹拌羽根が固定される位置が、それぞれの撹拌羽根の軸方向の長さに対して10%以上重なり合うように配置することが好ましい。すなわち、
図1Cに示した長さL3が、軸方向の長さL1又はL2の10%以上となるように配置することが好ましい。
これにより、繊維状の物質の撹拌翼への絡み付きをより確実に低減することが可能となる。
【0023】
[第2の実施態様]
図2は、本発明の第2の実施態様の撹拌翼の構成を示す概略図である。
第2の実施態様の撹拌翼10bは、
図2に示すように、撹拌羽根33a、33b、34a、34b、35a、35bの形状が
撹拌翼軸に固定された側から先端に向かって幅が狭くなるテーパ形状としたものである。その他の構成は第1の実施態様と同様である。
撹拌羽根をこのようなテーパ形状にすることで、繊維状の物質が撹拌翼から剥離しやすくなり、繊維の絡み付き防止効果を向上させることができる。
なお、
図2では、撹拌羽根33a、33b、34a、34b、35a、35bの上下部分がテーパ形状となっているが、上部のみ、あるいは下部のみをテーパ形状とするものであってもよい。また、撹拌羽根群33〜35ごとで、異なる形状・大きさの撹拌羽根を組み合わせるものとしてもよい。
【0024】
[第3の実施態様]
図3A〜
図3Cは、本発明の第3の実施態様の撹拌翼の構成を示す概略図である。
図3Aは斜め上方から見た斜視図、
図3Bは側面図、
図3Cは平面図(
図3BのII−II矢視図)である。
第3の実施態様の撹拌翼10cは、
図3A〜
図3Cの下側から被処理水Wが供給されるものとした場合において、被処理水Wの流れ方向上流側の撹拌羽根の枚数が多くなるように構成されたものである。具体的には、
図3Aに示すように、撹拌羽根群38において4枚の撹拌羽根38a、38b、38c、38dを備え、それ以外の撹拌羽根群36、37は2枚の撹拌羽根36a、36b又は撹拌羽根37a、37bからなる。その他の構成は第1の実施態様と同様である。
これにより、被処理水Wの流れ方向上流側で他の薬剤等を添加する際に、薬剤添加箇所付近での撹拌強度を高めて混合効率を向上させることが可能となる。
また、この構成とすることで、被処理水の流れ方向下流側では相対的に撹拌強度が減少するが、特に、汚泥の調質処理のように、被処理水の上流側においては被処理水と薬剤の
十分な混合のために撹拌強度を強くし、被処理水の下流側から排出口にかけては凝集フロックが破壊されることなく良質なフロック形成がされるように撹拌強度を弱めていくことが求められる処理に対して好適に使用される撹拌翼となる。
【0025】
[第4の実施態様]
図4A、
図4Bは、本発明の第4の実施態様の撹拌翼の構成を示す概略図である。
図4Aは側面図、
図4Bは平面図(
図4AのIII−III矢視図)である。
第4の実施態様の撹拌翼10dは、
図4Bに示すように撹拌羽根群が設けられていない領域の
撹拌翼軸の断面最大直径D1を撹拌羽根群が設けられている領域の
撹拌翼軸断面最大直径D2よりも太くなるように構成したものである。その他の構成は第1の実施態様と同様である。
具体的な構成は、
図4Aに示すように、撹拌羽根が設けられていない領域の
撹拌翼軸20に筒体40を取り付ける。これにより、筒体40の最大直径が、撹拌羽根群が設けられていない領域の
撹拌翼軸の断面最大直径D1に相当することになる。
筒体40の素材は、
撹拌翼軸20と同素材の金属であってもよく、表面のすべり性を高めるために、表面に凹凸のない筒状構造としたポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成樹脂を用いてもよい。これにより、撹拌羽根が設けられていない
撹拌翼軸の領域においても、繊維の絡み付きを防止することが可能となる。
繊維状の物質は
撹拌翼軸の相対的に細い箇所に密集して絡まりやすいため、撹拌羽根群が設けられていない領域の
撹拌翼軸が、撹拌羽根群が設けられている領域の
撹拌翼軸よりも太くなることで、繊維状の物質が
撹拌翼軸に絡み付くことを防止できる。
また、
撹拌翼軸全体の断面最大径を大きくするのではなく、
撹拌翼軸の一部の断面最大径について相対的に大きくすることで、撹拌翼全体としての重量が増加することを抑えることができる。
【0026】
なお、撹拌翼10dの
撹拌翼軸20に繊維状物質が絡まることを効果的に防ぐためには、
図4Bに示すように、撹拌羽根群が設けられていない領域の
撹拌翼軸の断面最大直径D1(筒体40の最大直径に相当)を、撹拌羽根の回転軌道Rの最大直径D3の1/4以上にすることが好ましい。
【0027】
[第5の実施態様]
図5A〜
図5Cは、本発明の第5の実施態様の撹拌翼の構成を示す概略図である。
図5Aは斜め上方から見た斜視図、
図5Bは側面図、
図5Cは平面図(
図5BのIV−IV矢視図)である。
第5の実施態様の撹拌翼10eは、
図5A及び
図5Bに示すように、棒状の
撹拌翼軸20と、
撹拌翼軸20の軸方向に複数の平板形状の撹拌羽根50a、50b、51a、51b、52a、52bと、撹拌羽根が設けられていない領域の
撹拌翼軸20に取り付けられる筒体60から構成され、
撹拌翼軸20の周方向に固定された複数の撹拌羽根を撹拌羽根群50、51、52とするものである。撹拌翼1eは、撹拌羽根群50、51、52のそれぞれの間に筒体60を設け、さらに、撹拌羽根群50の上方にも筒体60を設けている。
また、撹拌翼10eは、
図5Cに示すように、撹拌羽根群50、51、52が設けられていない領域の
撹拌翼軸20の断面最大直径D4(筒体60の最大直径に相当)が、撹拌羽根の回転軌道Rの最大直径D5の1/4以上となるように構成されている。
繊維状の物質は
撹拌翼軸の相対的に細い箇所に密集して絡まりやすいため、撹拌羽根群が設けられていない領域の
撹拌翼軸の太さが、撹拌羽根の回転軌道の最大直径に対して一定値以上を満たすように撹拌翼を構成することで、繊維状の物質が
撹拌翼軸に絡み付くことを防止することが可能となる。
また、
撹拌翼軸全体の断面最大径を大きくするのではなく、
撹拌翼軸の一部の断面最大径について相対的に大きくすることで、撹拌翼全体としての重量が重くなることを抑えて
回転駆動力への影響を最小限とすることができる。
【0028】
筒体60の素材は、
撹拌翼軸20と同素材の金属であってもよく、表面のすべり性を高めるために、表面に凹凸のない筒状構造としたポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成樹脂を用いてもよい。これにより、撹拌羽根が設けられていない領域においても、繊維の絡み付きをより一層防止することが可能となる。
【0029】
また、筒体60の構造として、
撹拌翼軸20から着脱自在で交換可能な構成とすることもできる。これにより、仮に筒体60に繊維状の物質が絡まることがあっても、洗浄工程を伴わずに交換のみで作業が完了するため、メンテナンスの作業効率を改善することが可能となる。また、
撹拌翼軸に撹拌羽根が設けられていない領域が存在する従来の撹拌翼に、筒体60を取り付けて使用することも可能となる。
【0030】
[凝集装置]
図6は、本発明の撹拌翼を備えた撹拌装置の一例として、汚泥の調質処理に供する凝集装置の構造を示す概略説明図である。
図6に示すように、凝集装置100は、円筒状の調質槽110を有する装置であって、調質槽110の下部には、汚泥供給管120と凝集剤供給管130が近接して設けられている。また、調質槽110の上部には凝集した汚泥を槽外に排出するための排出管140が設けられている。
【0031】
また、調質槽110内には、槽の上方に固定配置され回転駆動力を発生する駆動装置150と、駆動装置150に接続されて回転駆動する撹拌翼10aを備える。ここで、撹拌翼10aは、第1の実施形態の構成を図示しているが、本発明の撹拌翼の構成を満たすものであれば他の実施形態の撹拌翼を用いてもよい。
さらに、調質槽110の内壁には、バッフルプレートを設けてもよい。これにより、供回りを防止し乱流を起こすことで、撹拌混合効率を向上させることができる。
【0032】
凝集装置100は、調質槽110内及び撹拌翼10aの清掃のための洗浄水を供給するための洗浄ノズルを備えるものであってもよい。
【0033】
この凝集装置100において、下水処理場や浄水場等からの汚泥を含む被処理水が汚泥供給管120を通して調質槽内に供給されて、凝集剤供給管130から供給される凝集剤と混合される。そして、回転駆動する撹拌翼10aによって汚泥と凝集剤が撹拌混合されることで凝集フロックを形成し、形成した凝集フロックは槽の上部へ送られて排出管140から槽外へ排出される。
なお、槽外に排出された凝集フロックは、さらに別の処理(脱水、焼却など)に供してもよい。
【0034】
なお、上述した実施態様は撹拌翼及び撹拌翼を備える撹拌装置の一例を示すものである。本発明に係る撹拌翼は、上述した実施態様に限られるものではなく、請求項に記載した要旨を変更しない範囲で、上述した実施態様に係る撹拌翼を変形してもよい。また、本発明の撹拌翼は、他の撹拌装置に適用してもよい。
【0035】
例えば、本実施態様の撹拌翼における
撹拌翼軸は、断面円形の棒状に限るものではなく、断面が多角形構造であってもよい。
また、本実施態様の撹拌翼における撹拌羽根は、平板ではなく、曲面(弧)状や屈曲した形状であってもよい。さらに、所望する撹拌強度や回転駆動効率を鑑み、撹拌羽根の面積及び重量を減少させるために、撹拌羽根に孔を設ける構成としてもよい。
【0036】
さらに、本実施態様の撹拌翼は、多段に設けた撹拌羽根群とは離間して、別の一対の撹拌羽根を設ける構成としてもよい。さらに、一対の撹拌羽根の面積は、多段に設けられた撹拌羽根の面積よりも小さくなるような構成としてもよい。これによって、
撹拌翼軸の上下方向において、さらに段階的に撹拌強度を下げることができる。
この構成の撹拌翼は、特に処理槽の下部から汚泥と凝集剤とを供給して撹拌混合する汚泥調質処理の凝集装置の撹拌翼として用いることで、処理槽の下部において汚泥と凝集剤とを十分混合させた後に、生成した凝集フロックを破壊することなく調質槽上部で良質な凝集フロックとして取り出すことを可能とするものである。