(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ネットワーク内におけるヘルスケア施設の複数の医療サーバ上の複数の医療リポジトリ間で医療画像及びデータを検索し、抽出し及び表示する方法であって、前記複数の医療サーバが、データ統合コントローラを介して接続され、ローカル医療サーバと2つ以上の遠隔医療サーバとを含み、前記方法は、前記ローカル医療サーバに:
前記複数の遠隔医療サーバにユーザによる検索要求を送信させることと、前記検索要求は、所定の患者に関連付けられた検索キーを含むものであり;
前記複数の遠隔医療サーバからの前記検索要求に関連付けられた医療情報を受信させ、表示させることと、前記医療情報は、前記データ統合コントローラによってユーザ選択可能なインターフェースに編成されてなり;
前記ユーザによって選択された医療情報に関連付けられた1つ又は複数の遠隔医療サーバに、前記ユーザによって選択された前記医療情報に関連付けられた医療データを取り出すための医療データ取出し要求を、前記ユーザ選択可能なインターフェースから送信させることと、前記検索要求は、前記ユーザによって選択された前記医療情報に関連付けられた1つ又は複数の遠隔医療サーバにのみ送信されてなり;
前記ユーザによって選択された前記医療情報に関連付けられた前記遠隔医療サーバから前記医療データ取出し要求に関連付けられた前記医療データを受信させることと;
前記受信した医療データを前記ユーザに対して表示させることと;
を含む、方法。
前記受信した医療データが前記ユーザによって選択された前記医療情報に関連付けられた前記遠隔医療サーバのいずれか1つによって更新された場合、前記ローカル医療サーバに、前記受信した医療データが変更された旨の前記ユーザに対するメッセージを、さらに表示させ、前記ユーザに対するメッセージは、前記更新された医療データを取り出し、参照するための前記ユーザに対するオプションを含む、請求項1に記載の方法。
前記ネットワーク内の前記ヘルスケア施設のそれぞれは、画像アーカイブ通信システム(PACS)、クラウド型PACS、又は共有クラウドサーバに関連付けられる、請求項1に記載の方法。
前記ネットワーク内の前記ヘルスケア施設の前記複数の医療サーバのそれぞれは、ゲートウェイを介して、前記データ統合コントローラと双方向に通信する、請求項1に記載の方法。
前記検索キーは、前記ネットワーク内の前記ヘルスケア施設のうちの少なくとも1つの施設、及び少なくとも1つのモダリティのタイプに関係する情報をさらに含む、請求項5に記載の方法。
前記データ統合コントローラは、前記ローカル医療サーバによって受信された前記医療データに対する共通患者IDを作成し、前記共通患者IDを前記データ統合コントローラに格納された共有データテーブルに格納する、請求項1に記載の方法。
コンピュータに結合されたローカル医療サーバに、ネットワーク内のヘルスケア施設の複数の医療サーバ上の複数の医療リポジトリ間の医療画像及びデータを検索し、抽出し、及び表示する動作を実行させる命令を格納する非一時的なコンピュータ可読媒体(CRM)であって、前記複数の医療サーバは、データ統合コントローラを介して接続され、前記ローカル医療サーバと2つ又はそれ以上の遠隔医療サーバとを備え、前記動作は、前記ローカル医療サーバに:
ユーザによる検索要求を前記複数の遠隔医療サーバに送信させることと、前記検索要求は、所定の患者に関連付けられた検索キーを含むものであり;
前記複数の遠隔医療サーバから、前記検索要求に関連付けられた医療情報を受信させ、表示させることと、前記医療情報は、前記データ統合コントローラによってユーザ選択可能なインターフェースに編成されてなり;
前記ユーザによって選択された医療情報に関連付けられた1つ又は複数の遠隔医療サーバに、前記ユーザによって選択された前記医療情報に関連付けられた医療データを取り出すための医療データ取出し要求を、前記ユーザ選択可能なインターフェースから送信させることと、前記医療データ取出し要求は、前記ユーザによって選択された医療情報に関連付けられた前記1つ又は複数の遠隔医療サーバのみに送信されるものであり;
前記ユーザによって選択された医療情報に関連付けられた前記遠隔医療サーバから、医療データ取出し要求に関連付けられた医療データを受信させることと;
前記受信した医療データを前記ユーザに表示させることと;
を含む、CRM。
前記受信した医療データが前記ユーザによって選択された前記医療情報に関連付けられた前記遠隔医療サーバのいずれか1つによって更新された場合、前記ローカル医療サーバに、前記受信した医療データが変更された旨の前記ユーザに対するメッセージを、さらに表示させ、前記ユーザに対するメッセージは、前記更新された医療データを取り出し、参照するための前記ユーザに対するオプションを含む、請求項13に記載のCRM。
前記ネットワーク内の前記ヘルスケア施設のそれぞれは、画像アーカイブ通信システム(PACS)、クラウド型PACS、又は共有クラウドサーバに関連付けられる、請求項13に記載のCRM。
前記ローカル医療サーバは、前記受信した医療データが前記ユーザによって選択された前記医療情報に関連付けられた前記遠隔医療サーバのいずれか1つによって更新された場合、前記受信した医療データが変更された旨の前記ユーザに対するメッセージを表示し、前記ユーザに対するメッセージは、前記更新された医療データを取り出し、参照するための前記ユーザに対するオプションを含む、請求項17に記載のシステム。
前記ネットワーク内の前記ヘルスケア施設のそれぞれは、画像アーカイブ通信システム(PACS)、クラウド型PACS、又は共有クラウドサーバに関連付けられる、請求項17に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面を参照して特定の実施形態を詳細に説明する。さまざまな図における同様の要素は、一貫性のため、同様の参照番号で示される。同様の要素は、簡潔にするために、すべての図に示されていない場合がある。
【0010】
本開示の実施形態の以下の詳細な説明において、本開示のより完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が示される。しかしながら、当業者にとって、これらの具体的な詳細なしに本開示が実施され得ることは明らかであろう。他の例では、周知の特徴は、説明を不必要に複雑にすることを避けるために、詳細には説明されていない。
【0011】
出願全体を通して、序数(例えば、第1、第2、第3など)は、要素(すなわち、出願における任意の名詞)の形容詞として用いられ得る。序数の使用は、「前」、「後」、「単一」及び他のそのような用語の使用など、明示的に開示されていない限り、要素の特定の順番を暗示したり、与えたりすることはなく、或いは、あらゆる要素を単一の要素のみであると限定することはない。むしろ、序数の使用は要素を区別することである。一例として、第1の要素は第2の要素とは区別され、第1の要素は2以上の要素を包囲し、要素の順序で、第2の要素を後にする(又は先行させる)ことができる。
【0012】
単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含むことが理解されるべきである。したがって、例えば、「水平ビーム」への言及は、そのようなビームの1つ又は複数への言及を含む。
【0013】
「約(approximately)」、「実質的に(substantially)」などのような語は、記載された特性、パラメータ、又は値が、正確に達成される必要はないが、例えば、公差、測定誤差、測定精度限界及び当業者にとって既知の他の因子を含む偏差又は変動が、特性が提供しようとした効果を排除しない量で、生じ得る。
【0014】
多数従属請求項は導入されていないが、1つ又は複数の実施形態の従属請求項の発明主題は、他の従属請求項と組み合わせられ得ることは、当業者には明らかであろう。
【0015】
概して、本発明の1又は複数の実施形態は、ヘルスケア施設間の医療データ(すなわち、すべての医療画像、レポート、ファイルなどを含む患者の完全な医療記録)を検索し及び抽出するように構成された、方法、非一時的なコンピュータ可読媒体、医療データを検索し抽出する及びシステムを提供する。
【0016】
1つ又は複数の実施形態に従うユニバーサルビューアにより、グループ又はネットワークの一部として一緒に機能するヘルスケア施設は、それらのヘルスケア施設の患者に対する幅広い領域のサービスを調整し、配信することができる。例えば、ネットワークは、特定の地域(例えば、地域の医療ネットワーク)内の同じ病院グループ又はヘルスケア施設の一部であるヘルスケア施設を含み得る。1つ又は複数の実施形態によれば、ネットワークの一部であるヘルスケア施設(ネットワーク内ヘルスケア施設)は、ネットワーク内ヘルスケア施設の1つ又は複数を頻繁に使用する患者の医療データを取り出すために、より効果的にユニバーサルビューアを利用することができる。
【0017】
1つ又は複数の実施形態によれば、ネットワーク内ヘルスケア施設のそれぞれは、クラウド型ストレージシステム、画像アーカイブ通信システム(PACS)、若しくは同じベンダ又は異なるベンダによって提供されるクラウド型PACSの1つに関連付けられてもよい。具体的には、ネットワーク内ヘルスケア施設のそれぞれは、医療データを格納するために異なるシステムを利用してもよく、また、施設間通信のために固有のネットワークを利用してもよい。例えば、ネットワーク内ヘルスケア施設のそれぞれは、固有のセキュリティプロトコル、データ暗号化方法、並びにネットワークセーフィティ・アクセスプロトコルを有し得る。
【0018】
1つ又は複数の実施形態によれば、1つのネットワーク内ヘルスケア施設(要求元施設)からの検索要求に応答して、他のすべてのネットワーク内施設(要求対象施設)は、検索要求に含まれるユーザ入力の検索パラメータ(検索キー)と密接にマッチする医療情報(医療データに関連付けられた情報)を送信するだろう。検索キーは、外部物理的装置(例えば、生体スキャナ、カードスキャナなど)及び外部メディア(CD、DVD、USB、外付けハードドライブなど)を使用せずに、患者から口頭で、又は患者の身分証明書(ID)(例えば、運転免許証、パスポート、物理的な健康保険証、デジタル健康保険証など)から容易に取り出すことができる、所定の患者に関連付けられた簡単な情報を含む。
【0019】
1つ又は複数の実施形態によれば、医療情報は、実際の医療データではなく、医療データに関連付けられた情報を含む。要求対象施設の医療データリポジトリ又はデータベース(「医療リポジトリ」)に格納されている患者の医療データの完全なセットは、サイズ的に大きすぎるかもしれないし、すべてのデータがユーザによって要求されているわけではないので、ユーザは、必要な又は自身に興味のある医療データのみを取り出すことを選択し得る。例えば、ユーザは、古くなった医療データや、現在の診断には有用ではない、又は異なる患者に関係する診断に関係する、医療データを取り出したくないかもしれない。これは、要求を送信するヘルスケア施設における医療リポジトリの不必要な保管コストを防止するだけでなく、医療データを取り出すために必要な時間も減少させる。
【0020】
1つ又は複数の実施形態によれば、複数のネットワーク内ヘルスケア施設のいずれか1つで患者の医療データが更新された場合、ユニバーサルビューアは、該医療データを以前に取り出した他のすべてのネットワーク内ヘルスケア施設に通知するためのメッセージを表示する。ユニバーサルビューアは、続いて、更新されたデータを取り出し、参照(view)するためのオプションをユーザに提示する。例えば、施設Aのユーザが、施設Bのユーザによって以前に取り出された医療データを更新する場合、施設Bのユーザは、変更が自動的に通知され、施設Aからの更新されたデータを取り出し、参照するためのオプションが与えられる。これにより、ネットワーク内ヘルスケア施設の中のすべてのユーザには、直近かつ最新の医療データが提供されるようになる。
【0021】
図1A、1B及び1Cは、本発明の1つ又は複数の実施形態に係るシステム100を示す。図示のように、システム100は、複数のクラウド101a、101bと、異なるネットワーク内ヘルスケア施設(病院A−E及び診療所F)に関連付けられた医療リポジトリ105を有する複数の医療サーバ103(例えば、アプリケーションプロキシサーバ(APS))と、データ統合コントローラ107とを含む。医療サーバ130は、すべて、データ統合コントローラ107に結合され、データ統合コントローラ107と相互通信するように構成される。さらに、医療サーバ130は、データ統合コントローラ107を介して、医療データを相互に交換し得る。ヘルスケア施設のそれぞれは、公立病院、私立病院、診療所、歯科医院などの医療を提供する任意の種類の施設であってよい。
【0022】
1つ又は複数の実施形態では、医療サーバ103のそれぞれは、各ネットワーク内ヘルスケア施設で医療従事者によって利用される複数のユーザコンピューティングデバイス(図示せず)(ここでは「ローカルコンピュータ」と呼ばれる)に結合される。各ローカルコンピュータは、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、モバイルコンピューティングデバイス(例えば、タブレットPC、スマートフォンなど)、サーバ、メインフレーム、キオスクなどに対応し得る。
【0023】
複数の医療サーバ103は、同じクラウド101aに結合されてもよいし、異なるクラウド101bに結合されてもよいし、或いはクラウドに結合されないかもしれない。具体的には、
図1A、1B及び1Cに示す例では、病院A、病院B及び病院Cの医療サーバ103は、同じベンダによって提供される共通のクラウド101a(以下「共有クラウドサーバ」と呼ぶ。)を共有する。病院Dの医療サーバ103は、クラウド101a又はクラウド101bのいずれにも配置されていない。病院Dの医療サーバ103は、病院D内にローカルに配置され、クラウド101aのベンダ及びクラウド101bのベンダとは異なるベンダによって提供されるPACSに関連付けられた医療サーバであってもよい。病院E及び診療所Fにローカルに配置された医療サーバ103は、病院A−Cの医療サーバ103をホストするクラウド101aとは異なるクラウド101bに配置された医療サーバと相互通信し得る。クラウド101bに配置された医療サーバ103に格納された医療データは、病院E及び診療所Fにローカルに配置された医療サーバ103に格納された医療データとは異なる。具体的には、病院E及び診療所Fにおける医療サーバ103に格納されたすべての医療データのコピーはバックアップされ、クラウド101bに配置された医療サーバ103で利用可能である。クラウド101bは、病院A−C及び病院DのPACSに対してクラウドサーバを提供したベンダとは異なるベンダによって提供されるクラウド型PACSに関連付けられ得る。
【0024】
1つ又は複数の実施形態では、病院E及び診療所Fの共有遠隔医療サーバ103は、クラウド型PACSを提供する同じベンダ又はそのようなベンダに関連付けられたサードパーティによって運用される共有遠隔リポジトリを含む。1つ又は複数の実施形態では、共用遠隔医療サーバは、アプリケーション及び情報処理を実行する物理的な及び又は仮想的なコンピューティング・インフラストラクチャである。例えば、共有遠隔医療サーバ103は、インターネットを介して遠隔でアクセスされる仮想サーバ又は物理サーバであり得る。1つ又は複数の実施形態では、遠隔医療リポジトリ105は、データのオンラインリポジトリである。例えば、遠隔医療リポジトリは、インターネットを介して遠隔でアクセスされる仮想データルーム(VDR)又はデータベース(又はデータベース群)であり得る。
【0025】
1つ又は複数の実施形態では、データ統合コントローラは、システム内のクラウド101b、クラウド101b、又は別のクラウド(図示せず)上に配置され得る。データ統合コントローラはまた、各ネットワーク内ヘルスケア施設にローカルに提供され得る。データ統合コントローラ107は、医療サーバ103を相互接続し、医療サーバ103間で要求及び医療データを中継するためのハブとして構成される。さらに、データ統合コントローラ107は、1つ又は複数のコンピュータプロセッサ、関連するメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、キャッシュメモリ、フラッシュメモリなど)、1つ又は複数の記憶装置(例えば、ハードディスク、コンパクトディスク(CD)ドライブやデジタル多用途ディスク(DVD)ドライブのような光学ドライブ、フラッシュメモリスティック)、並びに他の多くの要素及び機能を含む、コンピューティングデバイスであり得る。
【0026】
1つ又は複数の実施形態では、医療サーバ103のそれぞれは、異なるインターネットネットワーク(「ネットワーク」)上にあってもよく、それは、データ統合コントローラ107のネットワークとは異なるものであってもよい。医療サーバ103によって用いられるネットワークは、ネットワーク内ヘルスケア施設のストレージ及び施設間通信システムに関連付けられたベンダによって提供されるサービスに依存し得る。したがって、医療サーバは、ゲートウェイ(図示せず)を介してデータ統合コントローラ107と通信する。ゲートウェイは、異なるネットワーク上に接続された2つの異なる装置間を接続し、データを渡す、単純なルータのような別個の装置であり得る。1つ又は複数の実施形態では、医療サーバは、ゲートウェイデバイスとして構成され得る。
【0027】
1つ又は複数の実施形態では、ネットワーク内ヘルスケア施設のユーザ(例えば、医療従事者)は、クラウド及び/若しくはPACSサービスを提供したベンダ、又は別のサードパーティによって提供され得るユニバーサルビューアアプリケーション(「ユニバーサルビューア」)を介して、データ統合コントローラ107にアクセスし得る。ユニバーサルビューアは、すべての医療サーバ103に格納され、ユーザにユニバーサルビューアの操作を可能にさせる、グラフィカルユーザインターフェース(「GUI」)を備えたウェブブラウザアプリケーションのプラグインとしてローカルコンピュータにダウンロードされてもよい。あるいは、ユニバーサルビューアは、データ統合コントローラに格納され、ユニバーサルビューアに関連付けられたユニフォームリソースロケータ(URL)(例えば、ウェブアドレス)をウェブブラウザの検索バーに入力することによってウェブページとしてアクセスされてもよい。
【0028】
図1Bは、本発明の1つ又は複数の実施形態に係る例を示す。この例では、病院Aは、所定の患者に関連付けられた医療情報の第1の要求を、患者の名(タロウ)、姓(ヤマダ)、性別(男)、及び生年月日(1980年12月7日)を検索基準として用いながら、送信する。さらに、病院B及びCは、病院Aによって送信された要求における所定の患者の情報と正確に一致する情報を持つ医療データを有する。さらに、病院Dは、一致するものがなく、また、病院E及び診療所Fは、病院Aによって送信された要求における所定の患者の生年月日ではなく、名前及び性別と一致する情報を持つ医療データを有する。データ統合コントローラを介して転送された病院Aからの要求を受信すると、他の施設は、これらの医療データに関連付けられた医療情報をデータ統合コントローラ107に送信する。
【0029】
1つ又は複数の実施形態では、データ統合コントローラ107は、病院B−E及び診療所Fから送信された医療情報を受信すると、受信した医療情報をリストに編成し、該リストを病院Aの医療サーバ103に送信する。そうして、リストは、例えば、病院Aのローカルコンピュータ上のウェブブラウザを介して、ユーザに表示される。ユーザは、データ統合コントローラ107によってコンパイルされたリストを参照し、関連する医療データのみを又は関心のある医療データのみを選択することができる。例えば、
図1Bに示すように、最初の要求と一致しない医療情報に関連付けられた医療データは、おそらくユーザに無関係であろう。
【0030】
1つ又は複数の実施形態では、ユーザがリストから関心のある医療情報を選択すると、ユーザは、関心のある医療データを有する施設から医療データを取り出すために、データ統合コントローラ107に第2の要求を送信する。
図1Bに示す例では、ユーザは、所定の患者の情報と正確に一致する医療情報を送信した病院B及びCからの医療データにのみ関心がある。したがって、データ統合制御部107は、病院B及びCの医療サーバ103に対して取出し要求を送信だけする。
【0031】
1つ又は複数の実施形態では、医療データを取り出すための要求に応答して、病院B及びCの医療サーバ103は、病院Aによって要求された医療データをデータ統合コントローラ107に送信する。データ統合コントローラ107は、病院B及びCから医療データを受信し、新しく作成した共通の患者ID(「共通PID」)の下で、受信した医療データの医療情報を格納するためのデータテーブル109を作成する。データテーブル109は、データ統合コントローラ107内に保存される。次いで、医療データは、病院Aに転送され、そこで、病院Aに予め存在し、ユーザに表示される任意の関連医療データと結合される。
【0032】
図1Cは、本発明の1つ又は複数の実施形態に係る例を示す。この例では、病院Aは、
図1Bの例で説明したように、データ統合コントローラ107を介して要求を送信する。病院Aは、病院B及びCから医療データを受信する。病院Aは、受信した医療データを予め存在する医療データと結合し、次いで、結合した医療データを、例えばウェブブラウザを用いるユニバーサルビューアを介してユーザに表示する。
【0033】
図2は、本発明の1つ又は複数の実施形態に係るシステムダイアグラムを示す。
図2に示すように、1つ又は複数の実施形態に係るシステムは、それぞれがストレージを含む4つのネットワーク内ヘルスケア施設(施設A、施設B、施設C、施設D)を含む。各施設のストレージは、
図1Aに記載されたような医療リポジトリ105を有する医療サーバ103を含む。
【0034】
図2に示すように、施設Aは、検索要求及び医療データ要求を残りの施設(「要求対象施設」)に送信する施設(「要求元施設」)である。要求元施設は、検索キーを構成する検索パラメータを入力するための検索キー入力部(例えば、キーボード、マウスなど)と、要求対象施設から受信した医療情報を統合するためのデータ統合表示部と、要求対象施設から受信した医療情報をユーザ選択可能リストに編成及びコンパイルするためのデータ統合選択部(例えば、プロセッサ)とを含むローカルコンピュータを備える。1つ又は複数の実施形態では、ネットワーク内ヘルスケア施設のそれぞれは、要求元施設又は要求対象施設のいずれかであり得る。
【0035】
1つ又は複数の実施形態では、各施設のストレージは、それぞれのヘルスケア施設にローカルに又はクラウド上に遠隔に配置され得る。
図2に示すように、施設A及びBのストレージは、同じクラウドに配置され、施設Cのストレージを異なるクラウドに配置され、施設Dのストレージは、施設D内にローカルに配置される。ストレージのそれぞれは、異なるネットワークに関連付けられ得る。同じクラウドに配置されたストレージは、同じネットワークを共有し得る。
【0036】
図2に示すような1つ又は複数の実施形態に係るシステムにおいて、
図1で説明したデータ統合コントローラ107は、施設A及びBのストレージと同じクラウドに配置される。あるいは、データ統合コントローラ107は、施設A、B及びCのストレージをホストするクラウドとは異なるクラウド上に配置され得る。
【0037】
1つ又は複数の実施形態では、データ統合コントローラ107は、検索要求を処理する(すなわち、異なるストレージ間で検索要求、医療データ要求、医療情報、及び医療データを中継する)検索ユニットと、すべてのストレージをデータ統合コントローラ107に関連付けられたネットワークに接続するメインゲートウェイとして構成された通信I/F(通信インターフェース)部を含む。ストレージのそれぞれは、該ストレージのそれぞれをデータ統合コントローラ107の通信I/F部に接続するローカルゲートウェイを介して、データ統合コントローラと通信する。4つのネットワーク内ヘルスケア施設のそれぞれのローカルゲートウェイは、ストレージの一部である医療サーバ103であってもよいし、別個のデバイスであってもよい。
【0038】
図3は、本発明の1つ又は複数の実施形態に係る通信ダイアグラムを示す。この通信ダイアグラムは、
図2に示すようなシステムによって実行される1つ又は複数の実施形態の通信方法を示す。通信ダイアグラムは、医療データを取り出すための、ネットワーク内ヘルスケア施設の1つからの要求(「データ統合要求」)に応答して送信される信号の経路を示す。
【0039】
図3に示す1つ又は複数の実施形態では、データ統合要求は、ソースのヘルスケア施設のローカルコンピュータ(
図2に記載されているような要求元施設)から発信される。データ統合要求は、要求元施設の医療サーバに結合されたローカルコンピュータからデータ統合コントローラに、患者情報検索要求(「検索要求」)として最初に送信される。検索要求は、所定の患者に関連付けられた患者情報のストリングで構成される検索キーを含む。患者情報は、患者の名前、性別、生年月日、患者に関連付けられたヘルスケア施設の施設識別(ID)患者の診断に使用されるモダリティのタイプなどを含み得る。
【0040】
1つ又は複数の実施形態では、データ統合コントローラは、検索要求を受信し、データ統合要求先の医療サーバ(
図2で説明した要求対象施設)に検索要求を中継する。要求対象施設の医療サーバは、医療サーバに結合されたローカルゲートウェイデバイスを介して検索要求を受信し得る。1つ又は複数の実施形態では、医療サーバは、ローカルゲートウェイとして構成され得る。
【0041】
1つ又は複数の実施形態では、要求対象施設の医療サーバは、受信した検索要求を処理し、検索要求に一致する医療情報をデータ統合コントローラに送信する。データ統合制御部は、要求対象施設から医療情報を受信し、該医療情報をリスト化して、要求元施設のローカルコンピュータに送信する。
【0042】
1つ又は複数の実施形態では、ローカルコンピュータは、受信した医療情報のリストをユーザに表示する。ユーザは、統合(すなわち、取り出し)したい受信した医療情報に関連付けられた医療データを選択する。ユーザが統合されるべき医療データを確認すると、ローカルコンピュータは、医療データ取出し要求(「取出し要求」)をデータ統合コントローラに送信する。データ統合コントローラは、取出し要求を処理し、該取出し要求を要求データに関連付けられた選択された要求対象施設の医療サーバに送信する(すなわち、要求は、要求された医療データを有する対象施設にのみ送信される)。
【0043】
1つ又は複数の実施形態では、選択された対象施設は、取出し要求を受信して処理し、要求された医療データをデータ統合コントローラに送信する。データ統合コントローラは、選択された要求対象施設から要求された医療データを受信し、該医療データを要求元施設の医療サーバに転送する。要求元施設は、データ統合コントローラから医療データを受信し、受信した該医療データを保存し、該受信したデータを単一のファイルに統合し、統合された医療データをローカルコンピュータ上に表示する。
【0044】
図4A、4B及び4Cは、本発明の1つ又は複数の実施形態に係るユーザインターフェースを示す。
図4〜4Cに示すように、ユーザは、ウェブブラウザ401を介してユニバーサルビューアにアクセスし得る。本例のユニバーサルビューアは、ユーザによって選択されると、ユーザに対する患者データ統合検索画面(「検索インターフェース」)403を開く検索オプションを含む。
【0045】
1又は複数の実施形態では、
図4Aに示すように、ユニバーサルビューアの初スタートアップページは、ウェブブラウザ401のタブに表示され得る。ユニバーサルビューアのユーザは、ウェブブラウザ401の検索バーにユニバーサルビューアに関連付けられたウェブアドレスを入力することによって、スタートアップページにアクセスし得る。
【0046】
1つ又は複数の実施形態では、ユーザは、指定されたユーザIDと、ユーザがユニバーサルビューアにアクセス権限を有することを示すユーザ設定パスワードとを含むアクセス情報を入力するように促され得る。ウェブブラウザ401がユーザによって最後に閉じられた後、ユニバーサルビューアが最初に開かれた場合には、ユーザは、アクセス情報を入力するよう促されるのみでもよい。1つ又は複数の実施形態では、ユーザは、ユーザがユニバーサルビューアを開くたびにアクセス情報を入力するように促されてもよい。
【0047】
1つ又は複数の実施形態では、ユーザはまた、複数のタブを開いて、開いているすべてのタブを通してユニバーサルビューアにアクセスし得る。ウェブブラウザ401の各タブで開かれたユニバーサルビューアのそれぞれは、互いに独立している。例えば、あるタブのユニバーサルビューアに対してユーザが行った変更は、別のタブで開かれたユニバーサルビューアには適用されないだろう。
【0048】
1つ又は複数の実施形態では、
図4Aに示すような検索インターフェース403は、ユーザの検索要求に含まれる検索キーを構成する検索パラメータを含む。検索インターフェース403は、患者ID、通常のアルファベット表記の患者名、ASCII形式の患者名を入力するためのパラメータ、患者の性別、患者の生年月日を選択するためのパラメータを含む。検索インターフェース403はさらに、検索リクエストをキャンセル(キャンセル)する(すなわち、検索インターフェースを閉じる)か、又は検索要求(検索)をサブミットするための2つのユーザ選択可能タブを含む。1つ又は複数の実施形態では、検索パラメータは、検索インターフェース403のユーザによって手動で入力され得る。あるいは、関心のある患者の情報が既にウェブブラウザ401にロードされているときにユーザが検索インターフェースを開く場合、検索インターフェース403のパラメータは、ウェブブラウザ401にロードされた患者情報に基づいて、自動的に完了する(すなわち、ユニバーサルブラウザによって自動的に埋められる)。
【0049】
1つ又は複数の実施形態では、ユーザが検索をサブミットするために、検索インターフェース403におけるパラメータのすべてをユーザが完了させる必要はない。例えば、ユーザは、患者の生年月日のみ又は患者名と患者の性別との組み合わせのみで、検索要求をサブミットすることができる。当業者は、検索インターフェース403におけるより多くのパラメータが埋められると、より洗練された検索がユニバーサルビューアアプリケーションによって実行されることを理解するであろう。
【0050】
図4Bに示すような1つ以上の実施形態では、検索インターフェース403はまた、検索要求を受信する対象ネットワーク内ヘルスケア施設(「要求対象施設」)を選択するためのパラメータや医療データを取得したモダリティを選択するためのパラメータのようなより高度な検索パラメータを含み得る。
図4Bに示すように、病院B、病院C、及び診療所Fが、検索要求を受信する対象施設として選択され、該検索要求は、CT、MRI及びMGモダリティに関連付けられた医療データに向けられる。当業者は、特に示されていない様々な他の検索パラメータ、例えば患者の血液型が使用され得ることを理解するであろう。
【0051】
図1に示すような1つ又は複数の実施形態では、ユーザは、ユニバーサルビューアアプリケーションを介していつでも検索インターフェース403にアクセスすることができる。
図4Cの例では、ウェブブラウザ401は、ユーザが現在参照している複数の医療データを含む患者診断タブを表示している。
【0052】
図5A及び5Bは、本発明の1つ又は複数の実施形態に係るデータ統合コントローラ107によってコンパイルされた医療情報のリストを含むユーザインターフェース501を示す。
図5Aに示すように、ユーザインターフェース501は、検索要求に入力された所定の患者の情報(例えば、患者の名前、患者の性別、患者の生年月日)(「検索要求」)を含む。ユーザインターフェース501はさらに、医療情報のリストを表示し、施設、患者名、性別、生年月日(「DOB」)によって医療情報を分類する。加えて、ユーザインターフェース501は、ユーザがリスト(すなわち統合列)から関心のある医療情報の全てを選択するためのオプションを含む。ユーザが関心のある医療情報をすべて選択すると、ユーザは、検索要求(検索)をサブミットするか、又は検索要求をキャンセル(キャンセル)する(すなわち、検索インターフェースを閉じる)。
【0053】
図5Bは、本発明の1つ又は複数の実施形態に係るユーザインターフェース501の一例を示す。
図5Bに示すようなユーザインターフェース501は、患者の最後の訪問日、検査データに関する情報、及びび医療データ内の画像/レポートの数といった追加の情報を表示する。1つ又は複数の実施形態では、検査データ列のアイコンをクリックすると、医療情報に関係する診断についての詳細情報を表示するポップアップウィンドウが開く。さらに、この例のユーザインターフェースは、ユーザが直ちに取り出したい医療情報を選択するための選択肢(即時統合)と、同じ取出し要求が次に送信される時に自動的に検索される医療情報を選択するためのオプションとを含む(自動次回統合)。
【0054】
図6は、本発明の1つ又は複数の実施形態に係るダイアグラムを示し、該ダイアグラムは、ネットワーク内ヘルスケア施設のうちの1つが医療データを更新するか、又は医療データがネットワーク内ヘルスケア施設における1つ又は複数の異なる施設によって取り出された患者に関連付けられた医療情報を追加する場合の様子を示している。
【0055】
1つ又は複数の実施形態では、医療データが以前に取り出された患者に関連付けられた検索パラメータの情報は、保存され、ユーザがユニバーサルビューアにログインするときに、ユニバーサルビューアは、保存された検索パラメータを用いて、自動的にバックグラウンドで検索を実行する。ユニバーサルビューアは、ネットワーク内ヘルスケア施設の1つが既存の医療データを更新したか、又は以前に検索された患者に関連付けられた新しい医療データを追加したと判断する場合、ユニバーサルビューアは、以前に検索された患者に関連付けられた医療データが変更されたことを示すように、ユーザにポップアップ表示601を表示する。1つ又は複数の実施形態において、バックグラウンドで行われる自動検索は、ユニバーサルビューアが開かれているときのユーザの好みに基づいて、所定の間隔でユニバーサルビューアによって実行されてもよい。
【0056】
図6に示すような1つ又は複数の実施形態では、ユニバーサルビューアは、患者(例えば、2016年12月22日生まれのジョン・ドー(Jon Doe))に関連付けられた医療データを取り出した1つ又は複数のネットワーク内ヘルスケア施設で、ポップアップ表示メッセージ601をユーザに表示する。ポップアップ表示メッセージ601は、病院Bが同じ患者に関連付けられた医療データを更新(すなわち、医療データを追加又は医療データを修正)したことを示す。ポップアップ表示メッセージ601は、ユーザが病院Bからの更新された医療データを統合(すなわち取り出し)したいか否かを、ユーザに質問する。ユーザはまた、ユニバーサルビューアが、同じ患者に対して、将来、そのようなメッセージを再び表示するのを止めさせるためのオプションを提示される。
【0057】
1つ又は複数の実施形態では、ユーザが更新された医療データを統合することを選択した場合、ユニバーサルビューアは、更新された医療データを病院Bから取り出して、更新された医療データをヘルスケア施設の医療リポジトリに保存し、さらに、ユーザインターフェース603を介して、更新された医療データが患者に利用可能であることを示す。次いで、ユーザは、どのような新しい医療データが利用可能であるかを確認するために、ユーザインターフェース603により患者を選択し得る。
図6に示すように、利用可能な医療データのタイプは、医療画像のサムネイル版によって表現される。次いで、ユーザは、ウェブブラウザ605において更新された医療データを見るために、更新された医療データを開くべきか否かを決定し得る。
【0058】
本発明の実施形態は、使用されているプラットフォームにかかわらず、事実上あらゆるタイプのコンピューティングシステム上に実装され得る。例えば、コンピューティングシステムは、本発明の1つ又は複数の実施形態を実施するための、最少処理能力(minimum processing power)、メモリ、及び入出力デバイスを少なくとも含む、1つ若しくは複数のモバイルデバイス(例えば、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント、タブレットコンピュータ、又は他のモバイルデバイス)、デスクトップコンピュータ、サーバ、サーバシャーシ内のブレード、又は他のあらゆるタイプの1つ若しくは複数のコンピューティングデバイスである。例えば、
図7に示すように、コンピューティングシステム700は、1つ又は複数のコンピュータプロセッサ702、関連メモリ704(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、キャッシュメモリ、フラッシュメモリなど)、1つ又は複数のストレージデバイス(例えば、ハードディスク、コンパクトディスク(CD)ドライブ又はデジタル多用途ディスク(DVD)ドライブといった光学ドライブ、フラッシュメモリスティックなど)、並びに他の多くの要素及び機能を含み得る。コンピュータプロセッサ702は、命令を処理するための集積回路であり得る。例えば、コンピュータプロセッサは、1つ又は複数のコア、又はプロセッサのマイクロコアであり得る。コンピューティングシステム700はまた、タッチスクリーン、キーボード、マウス、マイクロフォン、タッチパッド、電子ペン、又は任意の他のタイプの入力デバイスといった1つ又は複数の入力デバイス710を含み得る。さらに、コンピュータシステム700は、スクリーン(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、タッチスクリーン、陰極線管(CRT)モニタ、プロジェクタ、又は他のディスプレイデバイス)、プリンタ、外部ストレージ、又は任意の他の出力デバイスといった1つ又は複数の出力デバイス708を含み得る。出力デバイスのうちの1つ又は複数は、入力デバイスと同じであってもよいし、異なっていてもよい。コンピューティングシステム700は、ネットワークインターフェイス接続(図示せず)を介して、ネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネットなどのワイドエリアネットワーク(WAN)、モバイルネットワーク、又は任意の他のタイプのネットワーク)に接続され得る。入力及び出力デバイスは、ローカルに又はリモートに(例えば、ネットワーク712を介して)、コンピュータプロセッサ702、メモリ704、及びストレージデバイス706に接続され得る。多くの異なるタイプのコンピューティングシステムが存在し、前述の入力及び出力デバイスは、他の形態をとり得る。
【0059】
本発明の実施形態を実施するためのコンピュータ可読プログラムコードの形式のソフトウェア命令は、CD、DVD、ストレージデバイス、ディスケット、テープ、フラッシュメモリ、物理メモリ、又は任意の他のコンピュータ可読記憶媒体といった非一時的なコンピュータ可読媒体上に、全体的又は部分的に、一時的又は永続的に、記憶され得る。具体的には、ソフトウェア命令は、プロセッサによって実行されると、本発明の実施形態を実施するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードに対応し得る。
【0060】
さらに、前述のコンピューティングシステム700の1つ又は複数の要素は、遠隔地に配置され、ネットワーク712を介して他の要素に接続され得る。さらに、本発明の1つ又は複数の実施形態は、複数のノードを有する分散システム上で実施することができ、本発明の各部分は、分散システム内の異なるノード上に配置され得る。本発明の一実施形態では、ノードは、別個のコンピューティングデバイスに対応する。あるいは、ノードは、関連する物理メモリを有するコンピュータプロセッサに対応し得る。あるいは、ノードは、共有メモリ及び/又はリソースを有するコンピュータプロセッサ又はそのマイクロコアに対応し得る。
【0061】
図7のコンピューティングシステムは、比較及び他の処理の結果といった未処理及び/又は処理済みデータを提示する機能を含み得る。例えば、データの提示は、様々な提示方法によって達成され得る。具体的には、データは、コンピューティングデバイスによって提供されるユーザインターフェースを介して提示され得る。ユーザインターフェースは、ハンドヘルドコンピュータデバイス上のコンピュータモニタ又はタッチスクリーンといったディスプレイデバイス上に情報を表示するGUIを含み得る。GUIは、どのデータが表示されるか、どのようにデータがユーザに提示されるかを編成する様々なGUIウィジェットを含み得る。さらに、GUIは、ユーザに直接的にデータを、例えばテキストを通して実際のデータ値として示されるデータ、又はコンピューティングデバイスによって、データモデルを視覚化するなどといった、データの視覚的表現にレンダリングされたデータを、提示し得る。
【0062】
例えば、GUIは、最初に、特定のデータオブジェクトがGUI内に提示されることを要求するソフトウェアアプリケーションからの通知を取得し得る。次に、GUIは、例えば、データオブジェクトタイプを識別するデータオブジェクト内のデータ属性からデータを取得することによって、特定のデータオブジェクトに関連付けられたデータオブジェクトタイプを決定し得る。次に、GUIは、そのデータオブジェクトタイプを表示するために指定された任意のルール、例えば、データオブジェクトクラスのソフトウェアフレームワークによって特定されるルール、又はそのデータオブジェクトタイプを提示するためのGUIによって定義される任意のローカルパラメータに従ったルール、を決定し得る。最後に、GUIは、特定のデータオブジェクトからデータ値を取得し、そのデータオブジェクトタイプに対する指定されたルールに従って、ディスプレイデバイス内のデータ値の視覚的表現をレンダリングし得る。
【0063】
図8は、1つ又は複数の実施形態に係るシステムの概略ブロックダイアグラムを示す。このシステムは、ネットワーク内におけるヘルスケア施設の複数の医療サーバ上の複数の医療リポジトリ間で医療画像及びデータを検索し、抽出し、及び表示するように構成される。複数の医療サーバは、データ統合コントローラを介して接続され、ローカル医療サーバと2つ以上の遠隔医療サーバとを含む。
【0064】
図8に示すようなシステムは、例えば、(i)以下のステップを実行するように構成された命令を実行するように構成されたコンピュータプロセッサ806を含む処理モジュール804を含み得る。
【0065】
一の態様では、コンピュータプロセッサ806は、(1)ユーザによる検索要求を複数の遠隔医療サーバに送信するための命令、該検索要求は、所定の患者に関連付けられた検索キーを含み、(2)複数の遠隔医療サーバからの検索要求に関連付けられた医療情報を受信し、表示するための命令、該医療情報は、データ統合コントローラによってユーザ選択可能なインターフェースに編成され、(3)ユーザによって選択された医療情報に関連付けられた1つ又は複数の遠隔医療サーバに、ユーザ選択可能なインターフェースからユーザによって選択された医療情報に関連付けられた医療データを取り出すための医療データ取出し要求を送信するための命令、該医療データ取出し要求は、ユーザによって選択された医療情報に関連付けられた1つ又は複数の遠隔サーバにのみ送信され、(4)ユーザによって選択された医療情報に関連付けられた遠隔医療サーバから医療データ取出し要求に関連付けられた医療データを受信する命令、(5)受信した医療データをユーザに表示する命令、(6)受信した医療データがユーザによって選択された医療情報に関連付けられた遠隔医療サーバのいずれか1つによって更新された場合、該受信したメディカルデータが変更された旨のユーザへのメッセージをユーザに表示するための命令、を実行する。
【0066】
図8に示すようなシステムは、(ii)医療データをユーザに提示するように構成されたローカルサーバ802をさらに備える。このシステムは、ベンダ提供のアプリケーションに関係するユニバーサルビューアアプリケーションデータ810、患者関連情報812、及び医療データ814を格納するように構成されたリポジトリ818をさらに含み得る。
【0067】
図9A及び9Bは、1つ又は複数の実施形態に係る方法のフローチャートを示す。1つ又は複数の実施形態では、
図9A及び
図9Bに示すような方法は、コンピュータ実装の方法である。
図9A及び
図9Bに示す各ステップは、複数のネットワーク内ヘルスケア施設のうちの1つのヘルスケア施設のシステムのみについて、以下にまとめて説明される。以下に説明する方法の各ステップは、複数のネットワーク内ヘルスケア施設のいずれかのシステムによって実行され得ることは、当業者にとって明らかであろう。
【0068】
ステップ900において、患者情報検索要求(「検索要求」)が複数のネットワーク内ヘルスケア施設の1つにおける医療サーバ(「要求元」)からデータ統合コントローラに送信される。検索要求は、患者の名前、患者の性別、及び患者の生年月日を含む所定の情報に関連付けられた検索キーを含む。ユーザは、ウェブブラウザで開かれたユニバーサルビューアを介して検索情報に入力する。
【0069】
ステップ905において、データ統合コントローラは、要求元から検索要求を受信し、データ統合コントローラに接続された他のネットワーク内ヘルスケア施設の他のすべての医療サーバ(「要求対象」)に検索要求を送信する。
【0070】
ステップ910において、要求対象は、検索要求を受信し、各要求対象は、ステップ915において、それぞれの医療サーバが、検索キーに含まれる患者情報と一致する医療情報を有する医療データを含むか否かを判定する。1つ又は複数の実施形態では、医療データは、その結果が、正確に一致する関心のある患者を識別するのに十分である限り、検索キーに含まれる任意の数の患者情報に一致する医療情報を有していなければならない。例えば、性別、及び姓若しくは名の一方といった少なくとも2つの一般的な検索パラメータと、患者の正式な法的名、生年月日、モダリティタイプ、又は施設IDといった他の1つ又は複数の特定のパラメータとの一致が要求され得る。当業者は、具体的に示されていない、様々な他の組み合わせ、例えば、特定のパラメータを有する2つ以上の一般的なパラメータ、2つの特定のパラメータを有する1つの一般的なパラメータ、2つの特定のパラメータのみといったものが用いられ得ることを理解するであろう。
【0071】
それぞれの要求対象について、ステップ915におけるチェックの結果がNOである場合、要求対象はステップ920Bにおいて何も送信しない。
【0072】
ステップ915における判定結果がYESである場合、要求対象は、検索要求に含まれる患者情報と一致する医療情報をデータ統合制御装置に送信する。1つ又は複数の実施形態では、医療情報は、実際の医療データを含まずに、むしろ、施設名、患者名、患者の性別、患者の生年月日、最後に訪問した日、検査データ、画像/レポートの数といった医療データに関する情報を含む。
【0073】
ステップ925において、データ統合コントローラは、ステップ915においてYESの結果を出したすべての要求対象から医療情報を受信する。データ統合コントローラによって受信されたすべての医療情報は、ステップ930において、データ統合コントローラによってリストビューフォーマットにコンパイルされる。
【0074】
ステップ935において、データ統合コントローラは、医療情報のコンパイルされたリストを要求元に送信する。要求元は、ステップ940で、データ統合コントローラから受信したコンパイルされた医療情報のリストをローカルコンピュータのディスプレイ画面に表示する。
【0075】
ステップ945において、ユーザは、受信した医療情報のリストを参照し、ユーザが要求対象から取り出したい医療データに関連付けられたすべての医療情報を選択する。1つ又は複数の実施形態では、医療情報のすべてを選択することはできないかもしれない。具体的には、医療情報のすべてが関連性があるか、又はユーザにとって関心があるとは限らない。例えば、ユーザは、古くなった医療データ、現在の診断に有用ではない診断に関係する医療データ、又は情報が検索キーの一部と一致するであろう異なる患者に関係する医療データを取り出すことを望まないかもしれない。これは、要求を送信するヘルスケア施設における医療リポジトリ上の不必要な記憶コストを防止するだけでなく、医療データを取り出すのに必要な時間も減少させる。
【0076】
ステップ950において、ユーザの選択は、要求元からデータ統合コントローラに医療データ取出し要求(「取出し要求」)で送信される。データ統合コントローラは、ステップ955において、取出し要求を受信し、ステップ960において、要求された医療データを含む要求対象(「選択された要求対象」)のみに取出し要求を中継する。
【0077】
ステップ965において、選択された要求対象は、データ統合コントローラから取出し要求を受信し、ステップ970において、取出し要求において医療データ情報と一致する医療データをデータ統合コントローラに送信する。
【0078】
ステップ975において、データ統合コントローラは、選択された要求対象から送信された要求された医療データを受信する。1つ又は複数の実施形態では、要求された医療データのすべてを受信すると、データ統合コントローラは、新たに作成された共通の患者ID(「共通PID」)の下、受信した医療データの医療情報を格納するデータテーブルを作成する。データテーブルは、データ統合コントローラに格納される。
【0079】
ステップ980において、データ統合コントローラは、選択された要求対象から受信した医療データを要求元に送信する。
【0080】
ステップ985において、要求元は、データ統合コントローラから送信された医療データを受信し、ステップ990において、医療データを単一ファイルとして統合して、医療サーバの医療リポジトリに保存し、さらに、ステップ995において、受信した医療データをローカルコンピュータのディスプレイ上に表示する。1つ又は複数の実施形態では、医療データは、ウェブブラウザのタブを介してユニバーサルビューアによって表示される。
【0081】
図10は、1つ又は複数の実施形態に係る方法のフローチャートを示す。1つ又は複数の実施形態では、
図10に示すような方法は、コンピュータ実装の方法である。
図10に示す各ステップは、複数のネットワーク内ヘルスケア施設のうちの1つのヘルスケア施設のシステムのみについて、以下でまとめて説明される。以下に説明される方法の各ステップは、複数のネットワーク内ヘルスケア施設のいずれかのシステムによって実行できることは、当業者には明らかであろう。
【0082】
ステップ1005において、ローカルコンピュータのユーザは、異なるネットワーク内ヘルスケア施設のユーザが、現在のユーザが以前に検索を行った患者に関連付けられた医療データを追加又は変更(「更新」)した旨のポップアップ表示メッセージを介して、ローカルコンピュータに開かれたユニバーサルビューアによって通知される。
【0083】
ステップ1010において、ローカルコンピュータは、ユーザが更新された医療データを他のネットワーク内ヘルスケア施設から取り出したいか否かを示す入力をユーザから受信する。1つ又は複数の実施形態では、ローカルコンピュータは、同じ患者について、将来同じユーザが再び同じメッセージを受信したくないことを示す入力をユーザから同時に受信する。
【0084】
ステップ1010におけるチェックの結果がNOの場合、処理は終了する。ステップ1010におけるチェックの結果がYESである場合、ローカルコンピュータは、ステップ1015において、医療サーバを介して、データ統合コントローラに取出し要求を送信する。1つ又は複数の実施形態では、データ統合コントローラは、更新されたデータを含むその要求をネットワーク内ヘルスケア施設に転送する。
【0085】
ステップ1020において、ローカルコンピュータは、更新されたデータを含む要求されたデータをネットワーク内ヘルスケア施設から受信し、ステップ1025において、更新された医療データは、ユーザに表示される。
【0086】
本発明の1つ又は複数の実施形態は、以下の利点の1つ又は複数を有し得る:患者に関連付けられた単純な情報のみで患者の医療情報の検索を行う能力;各ヘルスケア施設が異なる医療データストレージシステムを実装し、異なるタイプのネットワークを利用しても、ネットワークの一部であるすべてのヘルスケア施設から医療データを取り出す能力;どの医療データを検索するのかを医療従事者に提供する能力;ユーザが必要としない医療データを取り出さないことにより、ネットワーク内ヘルスケア施設、医療サーバ、及び各ネットワーク内ヘルスケア施設の医療リポジトリの間の接続に大きな負担がかかるのを防止する能力;などである。
【0087】
本発明を限定された数の実施形態に関して説明してきたが、本開示の利益を有する当業者は、ここに開示されるような本発明の要旨から逸脱しない他の実施形態を考案することができることを理解するであろう。したがって、本発明の要旨は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。
【0088】
添付の図面は、本発明の更なる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。図面は、本発明の実施形態を示し、その記載とともに、本発明の原理を説明する役割を果たす。