特許第6974225号(P6974225)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ホンダアクセスの特許一覧

<>
  • 特許6974225-扉開閉補助装置 図000002
  • 特許6974225-扉開閉補助装置 図000003
  • 特許6974225-扉開閉補助装置 図000004
  • 特許6974225-扉開閉補助装置 図000005
  • 特許6974225-扉開閉補助装置 図000006
  • 特許6974225-扉開閉補助装置 図000007
  • 特許6974225-扉開閉補助装置 図000008
  • 特許6974225-扉開閉補助装置 図000009
  • 特許6974225-扉開閉補助装置 図000010
  • 特許6974225-扉開閉補助装置 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6974225
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】扉開閉補助装置
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/10 20060101AFI20211118BHJP
   E05C 17/36 20060101ALI20211118BHJP
【FI】
   B60J5/10 Z
   E05C17/36
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-55503(P2018-55503)
(22)【出願日】2018年3月23日
(65)【公開番号】特開2019-166933(P2019-166933A)
(43)【公開日】2019年10月3日
【審査請求日】2020年9月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】390005430
【氏名又は名称】株式会社ホンダアクセス
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】特許業務法人牛木国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護
(74)【代理人】
【識別番号】100161665
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 知之
(74)【代理人】
【識別番号】100188994
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100207653
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡
(72)【発明者】
【氏名】緒賀 滋人
(72)【発明者】
【氏名】黒岩 建司
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 晃正
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 貴文
(72)【発明者】
【氏名】水上 順子
(72)【発明者】
【氏名】岩澤 勇夫
(72)【発明者】
【氏名】柴山 美地
【審査官】 瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−277595(JP,A)
【文献】 特開2009−107444(JP,A)
【文献】 特開平10−100682(JP,A)
【文献】 実開昭63−004722(JP,U)
【文献】 特開2011−046280(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられた開口部の近傍に取り付けられる本体部と、
前記本体部に巻き取り及び引き出し可能に設けられたストラップとを有し、
前記ストラップが巻き取り方向に付勢されている扉開閉補助装置であって、
前記ストラップの先端部は、
前記開口部を覆い、ヒンジ回動軸に対して開成方向及び閉成方向に回動すると共に、開成方向に付勢されている扉に着脱可能に連結され、
前記扉の全開状態で前記ストラップを前記本体部から引き出し可能に構成したことを特徴とする扉開閉補助装置。
【請求項2】
前記本体部が、前記車両の前記ヒンジ回動軸から離れた位置に配置され、
前記ストラップの前記先端部が、前記扉の前記ヒンジ回動軸から離れた位置に連結されていることを特徴とする請求項1記載の扉開閉補助装置。
【請求項3】
前記扉を開成方向に付勢する開成付勢手段を備え、この開成付勢手段により前記扉が前記ストラップの前記巻き取り方向の付勢力に抗して開成方向に移動し、
前記本体部には、前記ストラップの引き出しを停止する制動装置が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の扉開閉補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒンジ回動軸に対して回動する扉開閉補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものとして、自動車のバックドア(テールゲート)の開度保持装置であって、ワゴン車やミニバンなどの自動車に用いられる跳ね上げ式のバックドアの開度を維持させる装置(例えば特許文献1)が提案されている。
【0003】
前記特許文献1には、以下の問題を解決することが提案されている。即ち、ミニバンなどに用いられる跳ね上げ式のバックドアは、開閉操作を容易にするため、いくらか開いた位置からはガススプリング(ガスダンパ)によって開き方向に付勢するようにしている。そのため、バックドアから手を離すとバックドアが勢いよく跳ね上がるので、近くに障害物がある場合はバックドアの開度を維持するため、手で押えておく必要がある。
【0004】
前記特許文献1の開度保持装置では、上記の問題に対して、開方向または閉方向に付勢されている自動車のバックドアを、その開き方向の付勢力に抗して所望の開き位置に維持するバックドアの開度保持装置であって、回転自在に支持されるケーブル巻き取り用のドラムと、一端がそのドラムに係止され、ドラムに巻かれると共に、他端がバックドアに対して付勢力に抗する向きで係止されているインナーケーブルと、前記ドラムをインナーケーブルを巻き取る方向に付勢するゼンマイバネと、前記ドラムのインナーケーブルを巻き取る方向の回転を許し、送り出す方向の回転を拘束する一方向回転状態と、ドラムの両方向の回転を許す拘束解除状態とを切り替える回転制御機構とを備える。
【0005】
また、前記回転制御機構が、ドラムと共廻りするラチェットホイールと、そのラチェットホイールに対し、インナーケーブルを送り出す方向でラチェットホイールの歯と噛み合い方向となり、巻き取る方向が滑り方向となるように揺動自在に支持されるラチェット爪と、そのラチェット爪を少なくともラチェットホイールと噛み合う近辺で噛み合い方向に付勢する付勢手段とからなる一方向回転機構と、前記ラチェット爪を、ラチェットホイールと噛み合うことができる位置と噛み合うことができない位置との間で回動操作する制御手段を備え、前記制御手段が、バックドアが閉じたときに若しくは閉じる前の設定位置でラチェット爪をラチェットホイールから離す方向に回動させるロック解除機構とを備え、前記ロック始動機構が、前記ラチェットホイールと同心状に設けられる第2ラチェットホイールと、基端が前記ラチェット爪の回動中心から逆方向に延びる部位に保持され、先端が第2ラチェットホイールの歯と噛み合う第2ラチェット爪とからなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−46280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来技術では、バックドアをいくらか開いた状態で回転制御機構を一方向回転状態にすると、バックドアから手を離しても、ドラムのケーブル送り出し方向の回転が拘束され、インナーケーブルがそれ以上ドラムから出て行かない。そのため、インナーケーブルの張力がバックドアに加わる付勢力に抗し、バックドアの開度を維持することができるが、このために複数のラチェットホイールとラチェット爪などを組み合わせたものであるから、構造が複雑になるという問題がある。
【0008】
また、図10は、上記のような跳ね上げ式のバックドア101に短いストラップ102を設けたものを示し、このようにストラップ102を設けても開成状態でバックドア101が車高と略同じ位置になるため、子供や車椅子使用者などはストラップ102に手が届かず、バックドア101を閉めることができないという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は上記した問題点に鑑み、扉に手が届かない人でも扉を開閉することができる扉開閉補助装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、車両に設けられた開口部の近傍に取り付けられる本体部と、前記本体部に巻き取り及び引き出し可能に設けられたストラップとを有し、前記ストラップが巻き取り方向に付勢されている扉開閉補助装置であって、前記ストラップの先端部は、前記開口部を覆い、ヒンジ回動軸に対して開成方向に回動すると共に、開成方向又は閉成方向に付勢されている扉に着脱可能に連結され、前記扉の全開状態で前記ストラップを前記本体部から引き出し可能に構成したことを目的とする。
【0011】
また、請求項2に係る発明は、前記本体部が、前記車両の前記ヒンジ回動軸から離れた位置に配置され、前記ストラップの前記先端部が、前記扉の前記ヒンジ回動軸から離れた位置に連結されていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項3に係る発明は、前記扉を開成方向に付勢する開成付勢手段を備え、この開成付勢手段により前記扉が前記ストラップの前記巻き取り方向の付勢力に抗して開成方向に移動し、前記本体部には、前記ストラップの引き出しを停止する制動装置が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の構成によれば、ストラップを引き込むことにより扉が閉成方向に回動すると共に、扉の移動により生じたストラップのたわみが巻き取られることにより、前記扉の閉成動作を補助可能となり、コンパクトな構造で扉の閉動作を補助することができる。
【0015】
請求項2の構成によれば、車椅子のユーザー等、低い位置から作業することができる。
【0016】
請求項3の構成によれば、開閉動作の途中で所望の位置で扉を停止させることができる。
【0017】
加えて、請求項の構成によれば、不使用時には、扉から先端部を外し、ストラップを本体部に巻き取っておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施例1を示す車両後部の側面図である。
図2】同上、扉の思案点を説明する車両後部の側面図である。
図3】同上、扉開閉補助装置の本体部の断面図である。
図4】同上、扉開閉補助装置の本体部の背面図である。
図5】同上、ストラップの先端側の斜視図である。
図6】同上、全開状態のテールゲートの要部の斜視図である。
図7】同上、扉開閉補助装置の使用方法を説明する車両後部の側面図であり、図7(A)は扉の全開状態、図7(B)はストラップを把持して下側に引っ張った状態、図7(C)は扉を閉める方向に押してストラップが巻き取られる状態、図7(D)は扉の閉成状態を示す。
図8】同上、扉開閉補助装置により扉の保持を説明する車両後部の側面図であり、図8(A)は扉を閉める方向に押してストラップが巻き取られる状態、図8(B)は扉開閉補助装置により全開位置の前で扉が保持された状態を示す。
図9】本発明の実施例2を示す車両の背面側の斜視図である。
図10】従来例の車両後部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の扉開閉補助装置の実施例について説明する。
【実施例1】
【0020】
図1図8は本発明の実施例1を示し、同図に示すように、車両1を構成する車体2の後部には、略矩形状の開口部3が形成されている。前記車体2の後部には、扉たるテールゲート4が前後方向にスイング可能に取付けられている。尚、前記車両1は一般にハッチバック式のワゴン車と称される。
【0021】
前記テールゲート4は、その上部に設けたヒンジ回動軸5により、車体2の後上部を中心に、前後方向に向かってスイング可能に取付けられている。また、前記開口部3の左右の上側には、左右のオープンステー6,6の一端がスイング可能に取付けられている。これら左右のオープンステー6,6の他端は、テールゲート4の左右の側部に枢着されている。そして、これらのオープンステー6,6は、伸び方向に付勢されていると共に伸縮可能であり、テールゲート4を全開状態に保つことができる(図2参照)。
【0022】
また、通常はテールゲート4に加わるオープンステー6,6の開き方向の付勢力は、開いた状態OPから閉じる手前の思案点SAまでの範囲で作用し、思案点SAから閉じる位置CLまでの範囲では、テールゲート4の自重によって該テールゲート4はむしろ閉じる方向に付勢される。
【0023】
前記車両1には、前記テールゲート4の開閉を補助する扉開閉補助装置11が設けられている。
【0024】
前記扉開閉補助装置11は、本体部12と、この本体部12に巻き取り及び引き出し可能に収容されたストラップ13とを有し、このストラップ13は、巻き取り方向に常に付勢されている。前記ストラップ13は、長尺なものが用いられる。
【0025】
前記本体部12は、合成樹脂や金属などからなるケース15を備える。このケース15は一対の側面部16,16の周囲を外周面部17により連結し、前記ケース15内に収納空間18を有する。尚、前記一対の側面部16,16は、本体部12を開口部3の近傍で車両1内に取り付けた状態で車両1の左右に位置する。
【0026】
前記ケース15内に中心軸19を設け、この中心軸19は前記一対の側面部16,16間に設けられ、前記中心軸19に回転ドラム20が回動可能に設けられており、この回転ドラム20に前記ストラップ13がコイル状に巻き取られる。
【0027】
前記中心軸19には前記ストラップ13を巻き込む方向に付勢する巻き取り付勢手段たるゼンマイバネ21が設けられ、このゼンマイバネ21にストラップ13の基端側が連結されている。また、前記外周面部17の後面部17Aには、前記ストラップ13の出し入れ口22が設けられている。さらに、前記ケース15内には、前記出し入れ口22の近傍上側に、ストラップ13の案内ローラ23が回動可能に設けられ、この案内ローラ23において一点鎖線で示すようにストラップ13が斜め上向きに案内される(図3)。
【0028】
前記本体部12はストラップ13の制動装置25を備え、この制動装置25は、押しボタン式の制動操作部26と、この制動操作部26に接続されたブレーキシュー27とを備える。そして、前記制動操作部26が、付勢手段たる弾性板28によって前記外周面部17の操作部用開口部29内に弾発支持されており、前記制動装置25は、前記制動操作部26に設けたロック手段30により、制動操作部26を押すと、ロック位置で制動操作部26が位置固定されると共に、このロック位置で固定された制動操作部26を押すと、該制動操作部26のロックが解除されるように構成されている。
【0029】
そして、ストラップ13の巻き取り及び引き出しを防止するために制動を必要とする時は、ケース15の外部に突出した前記制動操作部26をケース15内方へ押すと、前記ブレーキシュー27が前記回転ドラム20の周縁部20Fに押圧された状態で固定され、ストラップ13に制動がかかる。一方、前記ロック位置の制動操作部26を押すと、ロック手段30によるロックが解除され、前記弾性板28の付勢によりブレーキシュー27が復帰し、制動が解除され、ストラップ13が巻き取り及び引き出し可能になる。
【0030】
また、前記ストラップ13の本体先端13Sには連結具31が設けられ、この連結具31を着脱可能に連結する連結受け部41が前記テールゲート4に設けられている。尚、本体先端13Sに連結具31を連結した場合、前記連結具31がストラップ13の先端部となる。尚、本体先端13Sは可撓性を有するストラップ本体の先端である。また、連結具31は、出し入れ口22より大きく、出し入れ口22に係止し、前記連結具31によりストラップ13の先端部の巻き取りを規制する係止部を構成している。尚、連結具31は所謂カラビナである。
【0031】
前記連結具31は、金属製や合成樹脂製などからなり、輪体の一部を切り欠いて連結用開口部34を有する本体33を形成し、その連結用開口部34を閉塞する閉塞部材35を設けている。そして、前記閉塞部材35の基端を枢軸部36により前記本体33の一側に回動可能に設けると共に、付勢手段(図示せず)により前記閉塞部材35を閉塞する方向に付勢し、この付勢により閉塞部材35の先端が本体33の他端の受け部38に圧接し、これにより前記連結用開口部34が閉塞される。
【0032】
また、前記本体33の一側には、前記ストラップ13を連結する輪部39が設けられ、前記ストラップ13の本体先端13Sに形成した輪部13Wが、前記輪部39に連結されている。尚、本体先端13Sを前記輪部39に挿通すると共に折返し、本体先端13Sに二重部分を形成し、この二重部分を縫着部13Hにより縫着することにより、前記輪部13Wが形成される。
【0033】
また、前記連結受け部41は、テールゲート4の下部4Kでテールゲート4の内面4Nの左右一方に設けられ、閉成状態のテールゲート4と開口部3との当接箇所を避けて設けられている。そして、前記連結受け部41は、U字形の棒材などからなる受け部本体42などの端部42T,42Tをテールゲート4の内面4Nに固定し、これにより受け部本体42とテールゲート4の内面4Nとにより閉塞した輪部43を形成している。
【0034】
従って、前記付勢手段の付勢に抗して閉塞部材35を回動させると、前記連結用開口部34が開き、本体33を連結受け部41の輪部43に連結することができ、逆に、連結状態で、閉塞部材35を回動して連結を解除することができる。
【0035】
また、前記本体部12は、開口部3の下部の左右一方で前記車体2内に取り付けられ、前記出し入れ口22を、車両1の後側向きとし、前記制動操作部26を出し入れ口22より上側にして配置する。
【0036】
さらに、前記出し入れ口22の高さに対応して、前記連結受け部41が設けられており、好ましくは、テールゲート4を閉成した状態で、出し入れ口22と連結受け部41の高さ位置が略同じになるようにする。また、前記出し入れ口22と連結受け部41の高さ位置は、テールゲート4の下側が好ましく、図2に示すように、テールゲート4の高さHの1/2以下の高さ位置とすることにより、後述するように低い位置でストラップ13を把持することができる。また、少なくとも前記出し入れ口22と連結受け部41の高さ位置を前記オープンステー6の下端より下方とする。尚、図2に示すように、テールゲート4の高さHは、ヒンジ回動軸5と開口部3の下部位置との間の寸法である。
【0037】
そして、ストラップ13を連結受け部41に連結し、テールゲート4を全開にした状態で、前記回転ドラム20にはストラップ13のコイル部分13Kがある。このコイル部分13Kは、ストラップ13の回転ドラム20に巻き取られた部分であり、このコイル部分13Kが余長となり、この状態で本体部12内からストラップ13を引き出すことができる。言い換えると、前記ストラップ13が、テールゲート4の全開状態の先端部たる連結具31と本体部12との間隔より長く形成されている。
【0038】
また、前記本体部12に設けた付勢手段たる前記ゼンマイバネ21は、2本のオープンステー6,6によるテールゲート4の開成動作を許容するものであって、テールゲート4の開成動作に伴ってストラップ13を引き出し可能な付勢力を有する。即ち、前記思案点SA又は思案点SAから僅かに開いた位置から全開位置OPまでの間で、テールゲート4に加わる2本のオープンステー6,6による開き方向の付勢力は、前記ゼンマイバネ21によるストラップ13を巻き取る方向の付勢力より大きい。
【0039】
尚、図6に示すように、テールゲート4の内面4Nの左右にはダンパ機構51が取付けられており、このダンパ機構51は、テールゲート4を閉じた際に発生する衝撃を緩衝する部材である。そして、テールゲート4を閉じたときに、左右のダンパ機構51,51の先端は、開口部3の左右近傍の側部の車体2部分に当接する。
【0040】
次に、前記扉開閉補助装置11の使用方法について説明する。図1に示すように、テールゲート4の全開位置で、ストラップ13は、連結受け部41と本体部12の間に、斜めに張設された状態となる。テールゲート4の全開位置で、ゼンマイバネ21はストラップ13を本体部12内に巻き込む力を加えているが、オープンステー6,6の伸長力が強く、テールゲート4は全開位置に保持される。
【0041】
ここで、テールゲート4に手が届かない人でも、ストラップ13の途中を把持することができ、把持した位置でストラップ13を引くと、図7(B)に示すように、本体部12からストラップ13が引き出され、把持位置と本体部12の間でストラップ13が撓むことなく、また、把持位置の上部側のストラップ13によりテールゲート4に閉める力が加わり、このままテールゲート4を閉め、或いは、テールゲート4を操作可能になる位置まで閉めたら、テールゲート4を押してテールゲート4を閉めることができる。尚、ストラップ13を用いて思案点SAまでテールゲート4を閉めたら、ストラップ13から手を離してもテールゲート4が自重で閉まる。
【0042】
また、車両1の後部でテールゲート4の回動位置に障害物(図示せず)が有る場合、テールゲート4を全開位置の前で保持したい時は、テールゲート4を保持したい位置で止め、ストラップ13が緊張した状態で、制動操作部26を押すと、ストラップ13の巻き取り及び引き出しが停止したロック状態となり、図8(B)に示すようにオープンステー6,6により開こうとするテールゲート4が、ストラップ13により保持される。
【0043】
一方、ロック状態から制動操作部26を押すと、ロックが解除され、ストラップ13が引き出し可能となり、テールゲート4を更に開くことができる。
【0044】
以上のように、後部に開口部3を有する車体2と、開口部3を開閉する跳ね上げ式の扉たるテールゲート4を備えたハッチバック式の車両1に取り付けられる扉開閉補助装置であって、本体部12と、本体部12に巻き取り及び引き出し可能に設けられたストラップ13とを備え、本体部12が車体2に設けられ、テールゲート4にストラップ13の先端部たる連結具31を着脱可能に係止する係止部たる連結受け部41を設けたものであるから、使い勝手に優れ、扉に手が届かない人でも扉を開閉することができる扉開閉補助装置を提供することができる。
【0045】
また、開口部3をテールゲート4により閉成状態とした時に、本体部12及び連結受け部41が開口部3の下部側、即ちテールゲート4の高さHの1/4以下、好ましくは図1に示したように開口部3の下端部と略同一の高さに位置するように設けることにより、一層、使い易くなる。
【0046】
さらに、本体部12には、ストラップ13を所定の長さ引き出した状態で巻き取り及び引き出しを規制する制動装置25を備えるから、半開きの状態でテールゲート4を保持できる。
【0047】
このように本実施例では、請求項1に対応して、車両1に設けられた開口部3の近傍に取り付けられる本体部12と、本体部12に巻き取り及び引き出し可能に設けられたストラップ13とを有し、ストラップ13が巻き取り方向に付勢されている扉開閉補助装置11であって、ストラップ13の先端部たる連結具31は、開口部3を覆い、ヒンジ回動軸5に対して開成方向及び閉成方向に回動すると共に、開成方向又は閉成方向に付勢されている扉たるテールゲート4に着脱可能に連結され、テールゲート4の全開状態でストラップ13を本体部12から引き出し可能に構成したから、ストラップ13を引き込むことによりテールゲート4が閉成方向に回動すると共に、テールゲート4の移動により生じたストラップ13のたわみが巻き取られることにより、テールゲート4の閉動作を補助可能となり、コンパクトな構造でテールゲート4の閉動作を補助することができる。
【0048】
このように本実施例では、請求項2に対応して、本体部12が、車両1のヒンジ回動軸5から離れた位置に配置され、ストラップ13の先端部たる連結具31が、扉たるテールゲート4のヒンジ回動軸5から離れた位置に連結されているから、車椅子のユーザー等、低い位置から作業することができる。
【0049】
このように本実施例では、請求項3に対応して、扉たるテールゲート4を開成方向に付勢する開成付勢手段たるオープンステー6,6を備え、このオープンステー6,6によりテールゲート4がストラップ13の前記巻き取り方向の付勢力に抗して開成方向に移動し、本体部12には、ストラップ13の引き出しを停止する制動装置25が設けられているから、開閉動作の途中で所望の位置で扉を停止させることができる。
【0050】
加えて、このように本実施例では、請求項に対応して、ストラップ13の先端部たる連結具31が扉たるテールゲート4に着脱可能に連結されるから、不使用時には、テールゲート4から連結具31を外し、ストラップ13を本体部12に巻き取っておくことができる。
【0051】
以下、実施例上の効果として、本体部12を開口部3の近傍の左右一方に配置すると共に、ストラップ13の本体先端13Sをテールゲート4の左右一方に連結したから、ストラップ13が開口部3の中央を塞ぐことがなく、開口部3を用いた荷物の出し入れなどの邪魔になることがない。また、本体部12には、前記出し入れ口22の近傍上側に、ストラップ13の案内ローラ23が設けたから、テールゲート4の開度により向きの変わるストラップ13をスムーズに巻き取ったり引き出したりすることができる。また、制動装置25は、ブレーキシュー27が回転ドラム20の周縁部20Fを押圧するものであるから、ストラップを押圧するものに比べて、ストラップ13に無理な力が加わらない。
【0052】
また、出し入れ口22の高さに対応して、閉成位置のテールゲート4に連結受け部41が設けられているから、ストラップ13の本体先端13S側をスムーズに本体部12に巻き取ることができる。また、前記出し入れ口22と連結受け部41の高さ位置は、テールゲート4の下側が好ましいが、テールゲート4の高さHの1/2以下の高さ位置、好ましくは高さHの1/3以下とすることにより、ストラップ13の先端である連結具31がヒンジ回動軸5から離れた位置となるため、全開状態でストラップ13に手が掛かり易くなる。
【実施例2】
【0053】
図9は本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述する。同図に示すように、この例では、車両1に複数の扉開閉補助装置11を設けている。
【0054】
2つの扉開閉補助装置11,11を取り付けるため、前記連結受け部41は、テールゲート4の下側左右の内面4Nにそれぞれ設けられている。また、前記本体部12は開口部3の下部の左右で前記車体2に取り付けられている。
【0055】
左右のストラップ13,13を左右の連結受け部41,41に連結し、テールゲート4を全開にした状態で、前記回転ドラム20にストラップ13のコイル部分13Kがあり、このコイル部分13Kが余長となり、テールゲート4の全開状態で本体部12内からストラップ13を引き出すことができる。言い換えると、前記ストラップ13が、テールゲート4の全開状態の先端部たる連結具31と本体部12との間隔より長く形成されている。
【0056】
前記本体部12の付勢手段たるゼンマイバネ21は、1本のオープンステー6によるテールゲート4の開成動作を許容すると共に、テールゲート4の開成動作に伴って引き出し可能な付勢力を有する。即ち、前記思案点SA又は思案点SAから僅かに開いた位置から全開位置OPまでの間で、テールゲート4に加わる1本のオープンステー6による開き方向の付勢力は、前記ゼンマイバネ21によるストラップ13を巻き取る方向の付勢力より大きい。
【0057】
この例では、開口部3の左右に扉開閉補助装置11,11を設けたから、左右のストラップ13,13の一方又は両方を把持してテールゲート4の開閉操作を行うことができる。
【0058】
このように本実施例では、請求項1に対応して、左右の扉開閉補助装置11,11を備え、この扉開閉補助装置11は、車両1の開口部3の近傍の左右に設ける本体部12と、テールゲート4の左右に連結する左右のストラップ13,13とを備え、左右のいずれか一方又は両方のストラップ13を引き込むことによりテールゲート4が閉成方向に回動すると共に、テールゲート4の移動により生じたストラップ13のたわみが巻き取られることにより、テールゲート4の閉動作を補助可能となり、コンパクトな構造でテールゲート4の閉動作を補助することができる。
【0059】
尚、本発明は、本実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、ストラップは、紐状でも帯状でもよい。また、実施例では、ストラップを扉の左右一方又は左右両方に設け、そのストラップの位置に対応して本体部を配置したが、ストラップを扉の左右方向中央に設けるなど扉開閉補助装置の配置箇所は適宜選定可能である。さらに、実施例では、制動装置を回転ドラムの回転を止める構造のものを示したが、ストラップに係合してストラップの巻き取り及び引き出しを止めるものなど、制動装置は各種タイプのものを用いることができる。また、扉へのストラップの着脱可能な連結構造は、各種タイプのものを用いることができる。さらに、実施例では、ストラップを巻き取る方向に付勢する付勢手段にゼンマイバネを用いたが、前記付勢手段は各種のものを用いることができる。また、実施例2において、2つの開成付勢手段の付勢力が異なる場合は、2つの開成付勢手段の付勢力の合計の1/2に対して、ゼンマイバネの付勢力をテールゲートの開成動作を許容すると共に、テールゲートの開成動作に伴って引き出し可能に設定すればよい。
【符号の説明】
【0060】
1 車両
2 車体
3 開口部
4 テールゲート(扉)
5 ヒンジ回動軸
6 オープンステー(開成付勢手段)
11 扉開閉補助装置
12 本体部
13 ストラップ
25 制動装置
31 連結具(ストラップの先端部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10