(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記突起部孔の上面側の開口は、前記平板部の表面側から見て、前記円柱突起部の中心軸と開口両端部を結ぶ内角が10°以上180°以下となるように形成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の保持体。
前記右側面或いは前記左側面の嵌合部の面積の合計の、前記右側面或いは前記左側面の総面積に対する割合が10%以上、80%以下である、請求項12に記載の保持体。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ロール部材が大きく重い場合には、電動のリフター装置を用いてロール部材を保持体に保持させる。リフター装置は、電動で移動する水平方向に延びるシャフトを備えている。このとき、
図22に示すようにロール部材400の巻き芯401と保持体402の突起部403の貫通孔404にシャフト405を通しシャフト405にロール部材400と保持体402を支持させ、シャフト405上でロール部材400をスライドさせ、ロール部材400の巻き芯401を保持体402の突起部403に差し込むことで、ロール部材400を保持体に保持させる。
【0005】
しかしながら、上述のようにリフター装置を用いてロール部材400を保持体402に保持させる場合であっても、ロール部材400の巻き芯401を突起部403に差し込む際には、シャフト405上のロール部材400の巻き芯401の内周面とそのロール部材400が差し込まれる突起部403の外周面との間に突起部403の円筒の肉厚分の段差ができ、作業員がその突起部403の段差分だけロール部材400を持ち上げる必要がある。このため、ロール部材400を保持体402に保持させる際に作業員に負担がかかる。特にロール部材が大きく重い場合には、作業員の負担が増大する。
【0006】
本出願はかかる点に鑑みてなされたものであり、ロール部材を保持体に保持させる際にロール部材を持ち上げる必要なく、作業員の負担を軽減することをその目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討した結果、ロール部材の保持体が、平板部と、円柱状の円柱突起部と、平板部及び円柱突起部を通って貫通する貫通孔を備え、その貫通孔の位置や形状を工夫することにより、上記問題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下の態様を含む。
(1)ロール部材を保持する保持体であって、平板部と、前記平板部の表面から当該表面の垂直方向に向けて突出し、ロール部材の巻き芯内に嵌め込み可能な円柱状の円柱突起部と、前記平板部の表面の垂直方向に向けて前記円柱突起部と前記平板部を通って貫通する貫通孔と、を備え、前記貫通孔は、前記円柱突起部において上面側が欠損し開口するように形成された突起部孔と、前記平板部において前記突起部孔に連続する平板部孔を有し、前記平板部孔は、前記平板部の表面側から見て、仮に欠損がないとした場合の前記円柱突起部の仮想外周上面と同じかそれよりも上方に位置する上面を有する、保持体。
(2)前記平板部孔の上面は、前記平板部の表面側から見て、中央が最上部になるように上に凸に湾曲している、(1)に記載の保持体。
(3)前記平板部孔の左右の側面は、前記平板部の表面側から見て、上面の両端から下方に向けて延びる直線状に形成されている、(1)又は(2)に記載の保持体。
(4)前記平板部孔の下面は、前記平板部の表面側から見て、下に凸の円弧状に形成されている、(1)〜(3)のいずれか一項に記載の保持体。
(5)前記突起部孔は、前記平板部の表面側から見て、上面側が開口したU字状に形成されている、(1)〜(4)のいずれか一項に記載の保持体。
(6)前記突起部孔の上面側の開口は、前記平板部の表面側から見て、前記円柱突起部の中心軸と開口両端部を結ぶ内角が10°以上180°以下となるように形成されている、(1)〜(5)のいずれか一項に記載の保持体。
(7)前記平板部の裏面には、前記円柱突起部が挿入自在な穴が形成されている、(1)〜(6)のいずれかに記載の保持体。
(8)前記平板部は、上側面、下側面、右側面及び左側面からなる外周面を有し、前記上側面及び前記下側面は、互いに嵌合自在な嵌合部をそれぞれ備え、前記平板部は、前記平板部の表面の四隅から当該表面の垂直方向に向けて突出する脚部をさらに有し、前記脚部の外側面は、前記平板部の外周面の一部を構成し、前記平板部の外周面の他の部分と同一平面に形成され、前記上側面及び前記下側面の嵌合部は、前記脚部の外側面にも設けられている、(1)〜(7)のいずれか一項に記載の保持体。
(9)前記上側面の嵌合部は、基準面に対して突出した凸部であり、前記下側面の嵌合部は、基準面に対して凹んだ凹部である、(8)に記載の保持体。
(10)前記上側面の嵌合部の面積の合計の、前記上側面の総面積に対する割合が10%以上、80%以下である、(8)又は(9)に記載の保持体。
(11)前記下側面の最下端面の面積の、前記下側面の総面積に対する割合が3%以上、95%以下である、(8)〜(10)のいずれか一項に記載の保持体。
(12)前記右側面及び前記左側面は、互いに嵌合自在な嵌合部をそれぞれ備え、前記右側面及び前記左側面の嵌合部は、前記脚部の外側面にも設けられている、請求項(8)〜(11)のいずれか一項に記載の保持体。
(13)前記右側面或いは前記左側面の嵌合部の面積の合計の、前記右側面或いは前記左側面の総面積に対する割合が10%以上、80%以下である、(12)に記載の保持体。
(14)前記ロール部材は、直径が15cm以上、又は重量が1kg以上である、(1)〜(13)の何れか一項に記載の保持体。
(15)ロール部材と、(1)〜(14)のいずれか一項に記載の一対の保持体と、を備え、前記ロール部材の両側の巻き芯内に前記一対の保持体の円柱突起部がそれぞれ嵌め込まれて、前記ロール部材が前記保持体に保持されている、保持体ユニット。
(16)(15)に記載の保持体ユニットを複数備え、前記保持体ユニットが上下又は左右の少なくとも一方に並べられ、隣り合う保持体同士が互いに嵌合した、保持体ユニットの集合体。
(17)前記保持体ユニットの集合体を覆うカバーを、さらに備え、前記カバーは、前記保持体の上側面に嵌合する嵌合部を有する、(16)に記載の保持体ユニットの集合体。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ロール部材を保持体に保持させる際にロール部材を持ち上げる必要なく、作業員の負担を軽減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態の一例について説明する。なお、図面の上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。さらに、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
【0012】
図1は、本実施の形態に係るロール部材の保持体1の構成の一例を示す斜視図である。
図2は保持体1の正面図、
図3は保持体1の上面図、
図4は保持体1の下面図、
図5は保持体1の右側面図、
図6は保持体1の左側面図、
図7は保持体1の裏面図である。
【0013】
図1に示すように保持体1は、全体が略凸状の方盤形状を有している。保持体1は、平板部10と、平板部10の中央から突出する円柱突起部11と、平板部10と円柱突起部11を貫通する貫通孔12を備えている。保持体1は、例えばプラスチックや金属等で構成されている。
【0014】
平板部10は、方盤形状を有している。平板部10は、表面20と、裏面21及び外周面22を有している。外周面22は、4つの面、すなわち上側面30、下側面31、右側面32及び左側面33を有している。表面20及び裏面21は、特に限定されるものではないが、例えば一辺が10cm〜100cm程度の正方形である。
【0015】
平板部10は、平板部10の四隅から表面20に対し垂直方向に向けて突出する脚部40を備えている。脚部40は、例えば略三角柱状に形成されている。脚部40の外側面22aは、平板部10の外周面22の一部を構成し、平板部10の他の外周面(主外周面)22bと同一平面に形成されている。よって、外周面22は、脚部40の外側面22aと主外周面22bからなる。
【0016】
円柱突起部11は、上部が欠損した略円柱状に形成され、平板部10の表面20の中央から表面20の垂直方向の前方に向けて突出している。
図2に示す円柱突起部11の中心軸Cは、平板部10の表面20に対し垂直で表面20の中心を通る平板部10の中心軸と一致している。円柱突起部11は、保持するロール部材の巻き芯の内径とほぼ同じ外径を有し、巻き芯内に嵌め込み可能に構成されている。円柱突起部11は、後述の貫通孔12で欠損しているため、表面20側から見て厚みのある略U字状に形成されている。
【0017】
図1及び
図2に示すように貫通孔12は、平板部10と円柱突起部11を表面20に垂直方向に貫通している。貫通孔12は、円柱突起部11に形成された突起部孔50と、平板部10に形成された平板部孔51を備えている。突起部孔50は、円柱突起部11の上面側が欠損し開口するように形成されている。平板部孔51は、突起部孔50に連続して形成されている。
【0018】
図2に示すように突起部孔50は、平板部10の表面20側から見て、上側面30側が開口したU字状に形成されている。突起部孔50は、平板部10の表面20側から見て、円柱突起部11の中心軸Cを通り当該中心軸Cに垂直な上下方向の中心線Hに対し左右対称に形成されている。
【0019】
突起部孔50の上面側の開口は、平板部10の表面20側から見て、円柱突起部11の中心軸Cと開口両端部Eを結ぶ内角αが10°以上180°以下、好ましくは40°以上100°以下、さらに好ましくは70°以上90°以下となるように形成されている。
【0020】
突起部孔50の左右の側面60は、平板部10の表面20側から見て、例えば開口両端部Eから下方に向けて延びる直線状に形成されている。突起部孔50の下面61は、下に凸の円弧状に形成されている。突起部孔50の下面61の中央は、円柱突起部11の中心軸Cよりも下方に位置している。
【0021】
平板部孔51の上面70は、平板部10の表面20側から見て、仮に円柱突起部11の欠損がないとした場合の円柱突起部11の仮想外周上面Rと同じかそれよりも上方に位置している。平板部孔51の上面70は、平板部10の表面20側から見て、中央が最上部になるように上に凸に湾曲している。平板部孔51の上面70の曲率半径は、円柱突起部11の仮想外周上面Rの曲率半径と後述のリフター装置200におけるシャフト202の外周の曲率半径よりも大きい。
【0022】
平板部孔51の左右の側面71は、平板部10の表面20側から見て、上面70の両端から下方に向けて延びる直線状に形成されている。平板部孔51の下面72は、下に凸の円弧状に形成されている。平板部孔51の下面72は、円柱突起部11の中心軸Cよりも下方に位置している。突起部孔50の下面61と平板部孔51の下面72は、ほぼ一致しており、突起部孔50の側面60と平板部孔51の側面71は、一部が一致し、平板部孔51の側面71の方が突起部孔50の側面60よりも上方に長く形成されている。また、好ましくは、平板部孔51の上下方向の長さは、後述のシャフト202の径よりも0.5cm以上長く、平板部孔51の左右方向の長さは、例えばシャフト202の径よりも0.5cm以上長いとよい。
【0023】
図3及び
図4に示すように平板部10の上側面30及び下側面31は、互いに嵌合自在な嵌合部90、91をそれぞれ備えている。
図3に示すように上側面30の上面嵌合部90は、基準面B1に対して突出した凸部を有し、
図4に示すように下側面31の下面嵌合部91は、基準面B2に対して凹んだ凹部を有する。なお、上側面30の基準面B1は、下側面31と嵌合したときに下側面31の最下端面が当接する面であり、下側面31の基準面B2は最下端面である。
【0024】
図3に示すように上面嵌合部90は、例えば上側面30の脚部40の外側面22aから主外周面22bに亘る略L字領域で凸状に突出した第1の嵌合部分100と、上側面30の主外周面22bの左右方向の中心から外側にずれた方形領域で凸状に突出した第2の嵌合部分101とを有している。第1の嵌合部分100と第2の嵌合部分101は、それぞれが上側面30の左右方向の中心に対し左右対称の2か所に設けられている。第1の嵌合部分100と第2の嵌合部分101は、例えば各部分の領域の全面で凸状に突出しておらず、各部分の領域の外縁部分に沿って突条に突出している。
【0025】
上側嵌合部90(第1の嵌合部分100と第2の嵌合部分101の全体領域(2つの嵌合部分の領域の全面であり、各領域の内側の凹んだ部分も含む。))の面積の合計の、上側面30の総面積に対する割合は、10%以上80%以下、好ましくは15%以上65%以下、より好ましくは25%以上50%以下に設定されている。
【0026】
図4に示すように下面嵌合部91は、例えば下側面31の脚部40の外側面22aから主外周面22bに亘る略L字領域で凹んだ第1の嵌合部分110と、下側面31の主外周面22bの左右方向の中心から外側にずれた方形領域で凹んだ第2の嵌合部分111とを有している。第1の嵌合部分110と第2の嵌合部分111は、それぞれが下側面31の左右方向の中心に対し左右対称の2か所に設けられている。上側面30の第1の嵌合部分100は、下側面31の第1の嵌合部分110と嵌合可能であり、上側面30の第1の嵌合部分101は、下側面31の第2の嵌合部分111と嵌合可能である。これにより、保持体1は、上下に重ねられたときに上の保持体1の下側面31と下の保持体1の上側面30が互いに嵌合し、上下の保持体1が隙間なく重なる。
【0027】
下側面31の最下端面(基準面B2)の面積(凹んでない部分の面積)の、下側面31の総面積に対する割合は、3%以上95%以下、好ましくは5%以上60%以下、より好ましくは5%以上20%以下に設定されている。
【0028】
図5及び
図6に示すように平板部10の右側面32及び左側面33は、互いに嵌合自在な嵌合部120、121をそれぞれ備えている。右側面32の右面嵌合部120と左側面33の左面嵌合部121は、それぞれが凹部と凸部を有する。
【0029】
例えば
図5に示すように右面嵌合部120は、右側面32の上の脚部40の外側面22aから主外周面22bに亘る略Z字領域で凸状に突出した第1の嵌合部分130と、右側面32の主外周面22bの上部の方形領域で凹んだ第2の嵌合部分131と、右側面32の主外周面22bの下部の略L字領域で凸状に突出した第3の嵌合部分132と、右側面32の下の脚部40の外側面22aから主外周面22bに亘る略L字領域で凹んだ第4の嵌合部分133とを有している。
【0030】
図6に示すように左面嵌合部121は、左側面33の上の脚部40の外側面22aから主外周面22bに亘る略Z字領域で凹んだ第1の嵌合部分140と、左側面33の主外周面22bの上部の方形領域で凸状に突出した第2の嵌合部分141と、左側面33の主外周面22bの下部の略L字領域で凹んだ第3の嵌合部分142と、左側面33の下の脚部40の外側面22aから主外周面22bに亘る略L字領域で凸状に突出した第4の嵌合部分143とを有している。
【0031】
右側面32の第1の嵌合部分130は、左側面33の第1の嵌合部分140と嵌合可能であり、右側面32の第2の嵌合部分131は、左側面33の第2の嵌合部分141と嵌合可能である。右側面32の第3の嵌合部分132は、左側面33の第3の嵌合部分142と嵌合可能であり、右側面32の第4の嵌合部分133は、左側面33の第4の嵌合部分143と嵌合可能である。これにより、保持体1は、左右に並べられたときに左の保持体1の右側面32と右の保持体1の左側面33が互いに嵌合し、隣り合う保持体1が隙間なく接続される。
【0032】
右側面32の嵌合部120或いは左側面33の嵌合部121の面積の合計の、右側面32或いは左側面33の総面積に対する割合は、10%以上80%以下、好ましくは20%以上65%以下、より好ましくは30%以上50%以下に設定されている。
【0033】
図7及び
図8に示すように平板部10の裏面21には、円柱突起部11が挿入自在な穴150が形成されている。
図7に示すように穴150は、裏面21側から見て円柱突起部11の外形と同じ、厚みのある略U字状に形成されている。裏面21には、多数のリブ151が形成されている。
【0034】
図1〜
図7に示すように上側面30、下側面31、右側面32及び左側面33には、それぞれ保持体1をベルトで固定するための溝(凹み)170が形成されている。溝170は、例えば上側面30及び下側面31に2か所、右側面32と左側面33に1か所設けられている。
【0035】
次に、以上のように構成された保持体1を用いてロール部材を保持する方法について説明する。
【0036】
ロール部材を保持する際には、例えば
図9に示すようなリフター装置200を用いる。リフター装置200は、例えば電動で上下動する昇降体201を有し、その昇降体201に水平方向に延びるシャフト202を備えている。保持されるロール部材は、例えば直径が15cm以上、又は重量が1kg以上である。ロール部材は、更に重量が重くてもよく、例えば5kg以上、30kg以上、60kg以上のものであってもよい。
【0037】
先ず、
図10及び
図11に示すようにシャフト202に保持体1の貫通孔12が通され、シャフト202に保持体1が支持される。このとき、保持体1の自重によりシャフト202が平板部孔51の上面70の中央に支持される。これにより、シャフト202が円柱突起部11の上端(開口両端部E)よりも上に出て、シャフト202の上端面が円柱突起部11の仮想外周上面Rと同じかそれよりも上に位置する。
【0038】
次に、
図12及び
図13に示すようにシャフト202にロール部材300の巻き芯301が通され、シャフト202にロール部材300が支持される。ロール部材300がシャフト202上でスライドされ、保持体1に近づけられる。
【0039】
次に、ロール部材300と保持体1が近づいた状態で、保持体1が動かされ、
図14及び
図15に示すように保持体1の円柱突起部11がロール部材300の巻き芯301内に嵌め込まれる。こうしてロール部材300の一方の端部が保持体1に保持される。
【0040】
次に、ロール部材300の反対側の端部も同様に保持体1に保持される。例えばロール部材300の反対の端部側(シャフト202の先端側)のシャフト202に保持体1が支持され、ロール部材300に近づけられ、保持体1の円柱突起部11がロール部材300の巻き芯301内に嵌め込まれる。こうして、
図16に示すようにロール部材300の両端が2つの保持体1により保持され、保持体ユニット250となる。この保持体ユニット250の状態で、ロール部材300は搬送、保管される。
【0041】
図17に示すように保持体ユニット250は、例えば左右に並べて載置されてもよい(保持体ユニットの集合体260)。このとき、左右に隣り合う保持体1の右側面32と左側面33同士が、嵌合部120、121により互いに嵌合する。このときさらに、左右の外側に位置する保持体1の溝170に沿って水平面内の環状にベルト255を配置し、保持体ユニット250の全体をベルト255で巻いて、保持体ユニット250同士を固定してもよい。
【0042】
また、
図18に示すように保持体ユニット250は、例えば上下に積層されてもよい(保持体ユニットの集合体260)。このとき、上下に隣り合う保持体1の上側面30と下側面31同士が、嵌合部90、91により互いに嵌合する。このときさらに、上下に位置する保持体1の溝170に沿って鉛直面内の環状にベルト255を配置し、保持体ユニット250の全体をベルト255で巻いて、保持体ユニット250同士を固定してもよい。また、保持体ユニット250の保持体1の下面に滑り止め用のラバーシート(図示せず)を配置してもよい。
【0043】
図19に示すように上下左右に並べられた保持体ユニット250(保持体ユニットの集合体260)にカバー270をかけてもよい。カバー270は、例えば保持体ユニット250の右側面、天井面及び左側面の3面を覆う右側面270aと天井面270bと左側面270cを有している。
図20に示すようにカバー270の天井面270bの前後方向の端部には、保持体1の上側面30の嵌合部90に嵌合する嵌合部280が設けられている。これにより、保持体ユニットの集合体260にカバー270をかけた際に、天井面270bの嵌合部280が最上層の保持体1の嵌合部90と嵌合する。
【0044】
さらに、
図21に示すように保持体1がロール部材300を保持していないときには、保持体1は円柱突起部11を上にした状態で上下に重ねられる。このとき、下の保持体1の円柱突起部11が上の保持体1の裏面21の穴150に挿入される。
【0045】
本実施の形態によれば、保持体1が、円柱突起部11と平板部10を通って貫通する貫通孔12を備え、貫通孔12が、円柱突起部11において上面側が欠損し開口するように形成された突起部孔50と、平板部10において突起部孔50に連続する平板部孔51を有し、平板部孔51が、平板部10の表面20側から見て、仮に欠損がないとした場合の円柱突起部11の仮想外周上面Rと同じかそれよりも上方に位置する上面70を有している。これにより、ロール部材300と保持体1がシャフト202に支持された際に、ロール部材300の巻き芯301に対する円柱突起部11の相対的な位置が下がるので、シャフト202上でロール部材300を持ち上げることなく、保持材1の円柱突起部11をロール部材300の巻き芯301内に嵌め込むことができる。この結果、ロール部材300を保持体1に保持させる際の作業員の負担を軽減ことができる。
【0046】
平板部孔51の上面70は、保持体1の表面20側から見て中央が最上部になるように上に凸に湾曲しているので、シャフト202が平板部孔51の中央を支持する。これにより、保持体1の表面20側から見て、シャフト202に対し保持体1が左右対称に支持され、またロール部材300に対する保持体1の相対的な位置も下がるので、保持体1の円柱突起部11をロール部材300の巻き芯301に嵌め込む作業をより簡単に行うことができる。
【0047】
平板部孔51の左右の側面71は、平板部10の表面20側から見て、上面70の両端から下方に向けて延びる直線状に形成されているので、平板部孔51を通るシャフト202に対し保持体1を上下方向に動かしやすくなる。よって、保持体1の円柱突起部11をロール部材300の巻き芯301に嵌め込む作業をより簡単に行うことができる。
【0048】
平板部孔51の下面72は、平板部10の表面20側から見て、下に凸の円弧状に形成されているので、円柱状のシャフト202が平板部孔51の下面72付近に位置しているときに保持体1を動かしやすくなる。
【0049】
突起部孔50は、平板部10の表面20側から見て、上面側が開口したU字状に形成されているので、突起部孔50を通るシャフト202に対し保持体1を上下に動かしやすくなり、この結果、保持体1の円柱突起部11をロール部材300の巻き芯301に嵌め込む作業をより簡単に行うことができる。
【0050】
突起部孔50の上面側の開口は、平板部10の表面20側から見て、円柱突起部11の中心軸Cと開口両端部Eを結ぶ内角αが10°以上180°以下となるように形成されている。これにより、円柱突起部11がロール部材300の巻き芯301にはめ込まれた際に、円柱突起部11と巻き芯301との接触面積が十分に確保される。この結果保持体1がロール部材300を十分に保持することができる。
【0051】
平板部10の裏面21には、円柱突起部11が挿入自在な穴150が形成されているので、例えばロール部材300を保持しないときに、複数の保持体1を重ねて保管しておくことができる。
【0052】
脚部40の外側面22aは、平板部10の外周面22の一部を構成し、平板部10の主外周面22bと同一平面に形成され、上側面30及び下側面31の嵌合部90は、主外周面22bだけでなく脚部40の外側面22aにも設けられている。これにより、上下に重ねられる保持体1同士の嵌合の強さが飛躍的に向上する。
【0053】
上側面30の嵌合部90は、基準面B1に対して突出した凸部であり、下側面31の嵌合部91は、基準面B2に対して凹んだ凹部であるので、保持体1を上下の積み重ねる際に下側面31を下にして保持体1を安定して置くことができる。
【0054】
上側面30の嵌合部90の面積の合計の、上側面30の総面積に対する割合が10%以上80%以下と高いので、上下に積み重ねられる保持体1同士の嵌合が強くなる。
【0055】
下側面31の最下端面の面積の、下側面31の総面積に対する割合が3%以上95%以下と高いので、下側面31に嵌合する機能を有する保持体1であっても、下側面31を下にして保持体1を安定して置くことができる。
【0056】
右側面32及び左側面33は、互いに嵌合自在な嵌合部120、121をそれぞれ備え、右側面32及び左側面33の嵌合部120、121は、主外周面22bだけでなく脚部40の外側面22aにも設けられている。これにより、左右に並べられる保持体1同士の嵌合の強さが飛躍的に向上する。
【0057】
右側面32或いは左側面33の嵌合部120、121の面積の合計の、右側面32或いは左側面33の総面積に対する割合が10%以上80%以下と高いので、左右に並べて配置される保持体1同士の嵌合が強くなる。
【0058】
保持体1で保持されるロール部材300は、例えば直径が15cm以上又は重量が1kg以上であるので、この場合作業員がロール部材300を持ち上げることなく保持体1をロール部材300に取り付けることができるメリットが大きい。
【0059】
保持体ユニットの集合体260を覆うカバー270が、保持体1の上側面30に嵌合する嵌合部280を有するので、カバー270がずれることを防止することができる。
【0060】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0061】
例えば保持体1の形状や構造は、上記実施の形態のものに限られない。円柱突起部孔50や平板部孔51の形状も上記実施の形態に限られない。上側面30や下側面31の嵌合部90、91の形状や配置はこれに限られない。また、右側面32や左側面33の嵌合部120、121の形状や配置はこれに限られない。嵌合部90、91、120、121はなくてもよいし、嵌合部90、91があって嵌合部120、121がなくてもよい。脚部40もなくてもよい。保持体1が保持するロール部材300のフィルムは、特に限定されないが、絶縁フィルム、保護用途のシートフィルム、電極フィルム、金属フィルム、円柱状の巻物などであってもよい。