特許第6974317号(P6974317)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6974317
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】被切断材を切断するための方法
(51)【国際特許分類】
   B23D 23/00 20060101AFI20211118BHJP
   B23K 20/10 20060101ALI20211118BHJP
   B23D 15/04 20060101ALI20211118BHJP
   B23B 1/00 20060101ALN20211118BHJP
【FI】
   B23D23/00 A
   B23K20/10
   B23D15/04
   !B23B1/00 B
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-523480(P2018-523480)
(86)(22)【出願日】2016年10月31日
(65)【公表番号】特表2018-532606(P2018-532606A)
(43)【公表日】2018年11月8日
(86)【国際出願番号】EP2016076231
(87)【国際公開番号】WO2017080862
(87)【国際公開日】20170518
【審査請求日】2019年10月7日
(31)【優先権主張番号】102015222011.7
(32)【優先日】2015年11月9日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】517359820
【氏名又は名称】シュンク ゾノシステムズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ペーター バーグナー
(72)【発明者】
【氏名】マヌエル ファイ
【審査官】 中川 康文
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−001693(JP,A)
【文献】 特開昭61−192497(JP,A)
【文献】 特開平02−106213(JP,A)
【文献】 特開平04−336996(JP,A)
【文献】 特開平05−136543(JP,A)
【文献】 特開平10−058399(JP,A)
【文献】 特開2000−092644(JP,A)
【文献】 特表2000−510800(JP,A)
【文献】 特開2001−162593(JP,A)
【文献】 特開2003−048191(JP,A)
【文献】 特開2003−134628(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/107484(WO,A1)
【文献】 特表2017−509549(JP,A)
【文献】 特表2013−516029(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 1/00
B23D 15/00−19/08
B23D 23/00−31/04
B23D 33/00−35/00
B23K 20/00−20/26
B26D 7/00−11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
状体として形成された被切断材を切断するための方法であって、
前記被切断材の切り離すべき部分が相手刃先(42)として形成された受容装置の本体縁部から越え出るように、被切断材を固定して受容するための受容装置と、該受容装置に対して相対的に移動可能なカッタ(24)を備えたカッタ装置(23)と、を有し、
切断運動(48)において、カッタ刃先(25)が分離切断を行うために前記相手刃先(42)上を移動する方法において、
前記受容装置は、互いに溶接接合部(47)に接合すべき棒状の導体(14)の露出領域(13)を受容するための圧縮室(12)として形成され、前記露出領域(13)の超音波負荷のために前記圧縮室(12)を制限するソノトロード(16)を有し、該ソノトロード(16)によって、前記溶接接合部(47)を形成した後に続いて前記カッタ(24)の切断運動(48)の実施中に、前記被切断材の前記溶接接合部(47)に超音波を負荷する、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記受容装置の超音波負荷を介して間接的に前記被切断材の超音波負荷を発生することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
超音波負荷は、前記相手刃先(42)の相対的な運動が前記カッタ刃先(25)に向かう方向及び前記カッタ刃先(25)から離れる方向に交互に生じるように、前記切断運動(48)の方向に対して横断方向に発生することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記棒状体はファイバ束又はワイヤ束として形成されていることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ソノトロード(16)によって切断運動及び前記カッタ(24)の戻り運動(49)中に、前記超音波負荷を発生することを特徴とする、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくは棒状体として形成された被切断材を切断するための方法であって、被切断材の切り離すべき部分が相手刃先として形成された受容装置の本体縁部から越え出るように、被切断材を固定して受容するための受容装置と、受容装置に対して相対的に移動可能なカッタを備えたカッタ装置とを有し、カッタ刃先が分離切断を行うために切断運動において相手刃先上を移動するようにした方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1により、棒状導体を切断するための方法が公知である。この方法は、超音波溶接装置と組み合わせて使用され、この超音波溶接装置は互いに1個の溶接接合部に接合すべき棒状導体の露出領域を受容するための圧縮室として形成された受容装置を有しており、露出領域の超音波負荷のために圧縮室を限定するソノトロードが使用されて、溶接接合部を形成するために用いられる。カッタ装置は切断運動において圧縮室の相手刃先上を移動できるカッタを有していて、圧縮室の相手刃先から越え出ている、互いに1個の切断継手に接合されている露出領域の切り離すべき部分が切り離される。
【0003】
この公知の方法ではカッタ装置は、いわゆる不良品切断機として用いられ、不良に接合された溶接接合部を検知したら、溶接接合部を介して互いに接合された導体を分離して、溶接接合部を破壊することにより互いに不良に接合された電気導体の二次加工が排除される。
【0004】
この目的のため、この方法を実施するために使用される装置は、圧縮室内で溶接接合部を形成している間、圧縮室内で形成された溶接接合部のプロセスパラメータ又はジオメトリもその場でチェックされ、不良が検知されたら、例えば所定の限界値を超えたら、自動的にカッタ装置が作動するように構成されている。公知の方法では互いに1個の溶接接合部に接合すべき導体の露出領域の超音波負荷は、後続の切断工程を実施する前に終了するので、切断工程中は導体の超音波負荷は行なわれない。
【0005】
カッタ装置を操作するために駆動装置が設けられており、それによってカッタ装置のカッタの切断運動及び戻り運動が行なわれる。駆動装置は駆動モータによって切断工程の実施に必要な駆動力を生み出さなければならず、駆動力を伝達するのに十分な寸法で設計された伝動装置により切断力を生み出すためにカッタに伝達しなければならない。導体が最大30mm2の導体断面積を有することは珍しくないので、相応に高い切断力が必要であり、それは駆動モータ及び伝動装置の相応の寸法設計を要求する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】シュンク・ソノシステム有限会社の製品カタログ「シュンク超音波溶接システムMINIC−II」、2011年2月刊行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、好ましくは棒状体として形成された被切断材をできるだけ少ない切断力で切断することを可能にして、駆動モータ及び伝動装置の相応に小さい寸法設計を可能にする方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題は請求項1の特徴を有する方法によって解決される。
【0009】
本発明により、切断運動中に振動を励起するために被溶接材に超音波を負荷する。
【0010】
実験において、切断運動中に被切断材に超音波を負荷すると、切断工程の実施に必要な切断力が著しく削減されることが分かった。この認識は極めて基本的であると見なされ、切断運動中に被切断材に超音波を負荷する結果として切断力が削減されるという有利な効果は特別の応用例に依存しない基本的なものであることが明らかである。受容装置は上に参照した先行技術におけるように超音波溶接装置の圧縮室として構成する必要はなく、極めて一般的に受容装置の本体縁部によって相手刃先を構成して、被切断材を固定して受容することを可能にしさえすればよい。カッタ刃先と組み合わせると、相手刃先は切断工程の実施に適した切断手段をなす。
【0011】
好適な実施例により被切断材の超音波負荷は受容装置の超音波負荷を介して間接的に行なわれると、特に限定された被切断材の超音波負荷が可能である。
【0012】
特に好適には、超音波負荷が切断運動の方向に対して横断方向に、好ましくは90゜の角度で行なわれると、超音波負荷若しくは超音波負荷によって誘導される切断運動に対して横断方向に向けられた振動の周波数に依存して、受容刃先のカッタ刃先に向かう方向とカッタ刃先から離れる方向に交互する相対運動が行なわれる。このようにすることにより、超音波振動の周波数により被切断材とカッタ刃先との間に繰り返し一時的な反応力が形成される。
【0013】
この方法を、特に素線として形成された電気導体の場合におけるように、ファイバ束又はワイヤ束として構成された棒状体の切断に使用すると、極めて有利であることが分かった。
【0014】
本発明による方法は、受容装置が互いに1個の溶接接合部に接合すべき棒状導体の露出領域を受容するための圧縮室として形成されており、露出領域の超音波負荷のために圧縮室を限定するソノトロード(超音波ホーン)を有しており、このソノトロードによって溶接接合部を形成した後に続いてカッタの切断運動の実施中に溶接接合部の超音波負荷が行なわれると、特に有利であることが分かった。
【0015】
そのため、これまで知られていなかったが、超音波溶接装置で使用されるソノトロードは、超音波溶接装置の圧縮室内で互いに接合すべき2本の棒状導体の間に溶接接合部を形成するためだけでなく、さらに不良品切断機の動作中に溶接接合部を超音波負荷するためにも使用される。
【0016】
ここで切断運動中のソノトロードによる超音波負荷とカッタの戻り運動が行なわれると、超音波負荷は切断運動中の切断力の削減だけでなく、さらにカッタの戻り運動に必要な駆動力の削減にも利用できる。
【0017】
以下にこの方法の好適な実施形態を、図面に示す不良品切断機を備えた超音波溶接装置の例で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、不良品切断機を備えた超音波溶接装置の等角投影図である。
図2図2は、図1に示された装置の縦断面図である。
図3図3は、圧縮室の等角投影図を含む図1に示された装置の部分図である。
図4図4は、カッタ装置を備えた不良品切断機の模式図である。
図5図5は、切断工程を実施する直前のカッタ装置を示す。
図6図6は、切断工程を実施した直後のカッタ装置を示す。
図7図7は、カッタの切断運動を示す、図6の切断線VII−VIIに沿ったカッタ装置の部分断面図である。
図8図8は、カッタの戻り運動を示す、図6の切断線VII−VIIに沿ったカッタ装置の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、カバー11の下に、特に図3に示されている、圧縮室12として形成された受容装置を有する超音波溶接装置10を等角投影図で示す。
【0020】
圧縮室12は、例えば図5に示された電気導体14の露出領域13を受容する働きをする。露出領域13の範囲では導体14はその外側の絶縁材37が取り除かれている。特に図3に示されているように、圧縮室12はz軸の方向では互いに向き合う2面でx軸の方向で超音波振動を伝えるソノトロード16の作動面15と、しばしばアンビルとも呼ばれる、y軸の方向に移動可能な反対電極18の対向面17とによって限定され、並びにy軸の方向では互いに向き合う2面でy軸の方向に移動可能なスライダエレメント20の限定面19と、しばしばタッチエレメントとも呼ばれる限定エレメント22の限定面21とによって限定されている。
【0021】
この場合はソノトロード16の長手方向軸と一致するx軸の方向で、圧縮室12に隣接してその構造が図4に示されている不良品切断機52が、z軸(図3)の方向に移動できるカッタ24を有するカッタ装置23を備えて設けられている。この実施例の場合では、カッタ24はねじ止めによりカッタホルダ26と結合されている。図3はカッタ24を下方カッタ位置で示しており、カッタ刃先25はソノトロード16の作動面15のすぐ下にある。
【0022】
特に図3から見て取れるように、カッタ−ホルダ26は案内装置27で案内され、このために案内装置27はz軸方向に延びる案内溝28を有している。
【0023】
図2及び図4に示すように、この実施例の場合には屈曲部30を備えているカッタホルダ26は、転向伝動装置31として構成された駆動伝動装置を介して、この実施例の場合には空気圧パワーシリンダ32として構成された駆動モータと接続されている。
【0024】
特に図4の模式図から見て取れるように、転向伝動装置31はチェーン33として形成された引張索体を有しており、その駆動端34はパワーシリンダ32のピストンロッド35と接続されている。ここでは歯車36として形成された転向プーリを介してチェーン33の転向が行なわれて、チェーン33の駆動端34はピストンロッド35に向かって進み、カッタホルダ26と接続された駆動端38はz軸方向に進む。
【0025】
特に図3から見て取れるように、案内装置27はインサートとして構成されており、超音波溶接装置10のハウジング部分40の相応の凹部39に挿入されている。
【0026】
装置の運転時には、互いに接合すべき導体14の露出領域13を圧縮室12内に指し入れた後で圧縮室12の閉鎖が行われ、反対電極18はy軸の方向で移動し、スライダエレメント20はy軸の反対の方向に移動して、図5に示されているように圧縮室12は閉じられており、及び導体14の露出領域13は定義された通りに互いに当接している。続いてソノトロード16の機械的振動による露出領域13の負荷が行われて、摩擦溶接工程において露出領域13の相互の圧縮と接合が行われて溶接接合部47が形成される。
【0027】
形成された溶接接合部47の不良な溶接パラメータ又は不良なジオメトリが検知された場合は、圧縮室がまだ閉じている状態で不良品切断機52のカッタ装置23が作動する。そのために、この実施例の場合には図4に示されているように、直列に配置された4個のパワーシリンダエレメント41からなるパワーシリンダ32が圧縮空気で負荷されて、転向伝動装置31によってカッタ24は軸方向上方に動かされ、図6に示されているように、カッタ刃先25が切断運動において相手刃先42上を通過移動すると、反対電極18に形成された相手刃先42から越え出る露出領域13の部分が導体14から切り離される。
【0028】
特に図2に見られるように、切断運動48の実施後にカッタ24の戻り運動49を実施するためにばね装置43が設けられている。ばね装置43は、カッタホルダ26と案内装置27との間に配置されていて、この実施例の場合には圧縮ばねとして形成されている。カッタ24の切断運動の最上位点と最下位点を検知するために、センサ53が設けられているが、図2には下側のセンサ53に示されている。この場合、センサ53は誘導センサとして構成されており、カッタホルダ26のカム48と協働する。
【0029】
図7図8に切断工程が示されており、計3本の導体14の分岐点として形成された溶接接合部47を形成した後で、図7及び図8で右側の導体14の露出領域13が、溶接接合部47において互いに接合されている左側の導体14の露出領域13から分離するために切り離される。
【0030】
図7に示されたカッタ24の切断運動48、及び図8に示されたカッタ24の戻り運動49の間、溶接接合部47はソノトロード16の機械的振動で負荷されるので、カッタ24の切断運動48も戻り運動49も削減された駆動力で行うことができる。その際に超音波負荷はカッタ24の運動中常時行うことができ、或いは時間的に隔てた2つの超音波負荷段階で行うことができ、カッタ24の切断運動48の間は第1の負荷段階が行なわれ、続いて超音波負荷が遮断され、カッタの戻り運動49の間は第2の負荷段階で超音波負荷が再び作用する。
【0031】
図7及び図8は、それぞれ右側の導体14の露出領域13で溶接接合部47に隣接して形成された切断箇所を示しており、切断箇所は先行の切断運動48の結果として切り離された導体14の多数の心線50を有している。見られるように、個々の心線50は切断運動48の結果として切断運動48の方向で上方に湾曲しており、心線50が互いに圧縮されて当接している溶接接合部47と比べると切断箇所では相互の間隔が広がっているので、図8に暗示されているようにカッタ刃先25がこれらを通過移動するときに、個々の心線50はそれらの切断端でカッタ24の戻り運動49に対する多数の弾性的な抵抗を形成する。
【0032】
溶接接合部47の超音波負荷と、それによって生じるカッタ24の戻り運動49の間の相手刃先42の相対運動54との結果として、心線50の、個々の切断端51によりカッタ24に作用する反応力が低減する。なぜなら個々の心線は超音波負荷の周波数によって一時的に荷重が軽減されるからである。
【0033】
上に説明した効果の結果、既に述べたようにカッタ24の切断運動48を実施するのに必要な駆動力が削減されるだけでなく、さらに溶接接合部47の超音波負荷の結果としてカッタの戻り運動24において戻り運動49を実施するのに必要なカッタ24の駆動力も削減される。この駆動力は、切断端51を通過したカッタ24を初期位置に戻して再度切断運動を行うために形成されなければならないものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8