(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6974324
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】側面反射器と蛍光体とを備えるフリップチップLED
(51)【国際特許分類】
H01L 33/60 20100101AFI20211118BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20211118BHJP
【FI】
H01L33/60
H01L33/50
【請求項の数】15
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-534134(P2018-534134)
(86)(22)【出願日】2016年12月13日
(65)【公表番号】特表2019-514194(P2019-514194A)
(43)【公表日】2019年5月30日
(86)【国際出願番号】US2016066413
(87)【国際公開番号】WO2017116693
(87)【国際公開日】20170706
【審査請求日】2019年12月12日
(31)【優先権主張番号】62/272,416
(32)【優先日】2015年12月29日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】16160421.0
(32)【優先日】2016年3月15日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517152128
【氏名又は名称】ルミレッズ ホールディング ベーフェー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】サプトラ,イワン−ワヒュ
(72)【発明者】
【氏名】テオ,イェオウ−モン
【審査官】
右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−095601(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/167455(WO,A2)
【文献】
特開2014−179590(JP,A)
【文献】
国際公開第2015/001037(WO,A1)
【文献】
特開2012−156443(JP,A)
【文献】
特開2015−026798(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0153330(US,A1)
【文献】
国際公開第2013/137356(WO,A1)
【文献】
特開2008−263154(JP,A)
【文献】
特開2012−222320(JP,A)
【文献】
特表2012−525697(JP,A)
【文献】
特開2012−024917(JP,A)
【文献】
特開2016−197715(JP,A)
【文献】
国際公開第2017/023502(WO,A1)
【文献】
特開2017−033967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 − 33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光デバイスを形成する方法であって、
半導体層と透明な基板とを有する発光デバイスを提供するステップと、
前記基板の上に位置する第1の一時的な層を提供することと、
該第1の一時的な層の上に位置し、前記第1の一時的な層、前記基板、及び前記半導体層の側面を覆う、反射材料を堆積させることと、
前記第1の一時的な層の頂面を覆う前記反射材料を除去して、前記第1の一時的な層を露出させることと、
前記第1の一時的な層を除去して、前記反射材料が前記基板及び前記半導体層の側面を覆ったまま反射空洞を形成することと、
波長変換材料が前記反射空洞より上に延在せず、前記基板及び前記半導体層の側面を覆う前記反射材料の上に位置しないよう、波長変換材料で反射空洞を充填することとを含む、
方法。
【請求項2】
半導体層と透明な基板とを有する発光デバイスを提供することは、複数の発光デバイスのウエハ規模の処理のために、キャリアの上に複数の発光デバイスを提供することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の一時的な層の頂面を覆う前記反射材料を除去する前に、前記反射材料を覆う保護層を堆積させることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の一時的な層の頂面を覆う前記反射材料を除去して、前記第1の一時的な層を露出させることは、前記反射材料を研削することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の一時的な層は、フォトレジストであり、前記第1の一時的な層を除去するステップは、前記フォトレジストを溶媒で溶解するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
波長変換材料で前記反射空洞を充填することは、前記反射空洞内に蛍光体を施すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記発光デバイスは、前記基板とは反対側の表面にアノード及びカソード電極を備えるフリップチップ発光デバイスである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記基板は、前記半導体層をエピタキシャル成長させる透明な成長基板である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記波長変換材料及び前記発光デバイスによって放射される実質的に全ての側面光は、実質的に全ての光が前記反射空洞の頂部出口窓を通じて放射されるよう、前記反射材料によって反射される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の一時的な層の厚さは、前記波長変換材料についての所望の厚さに基づいて選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
半導体層で形成され、第1の表面と、該第1の表面とは反対側の第2の表面と、側面とを有する、半導体本体と、第1の表面と、該第1の表面とは反対側の第2の表面と、側面とを有する、透明な基板と、前記半導体本体の前記第2の表面に隣接する複数の電極とを含み、前記透明な基板の前記第1の表面は、前記半導体本体の前記第1の表面に隣接する、発光デバイスと、
前記半導体本体の前記側面及び前記基板の前記側面を覆うが、隣接する電極の上に又は隣接する電極の間に配置されない、反射材料であって、前記透明な基板の前記第2の表面より上に延びて、反射空洞を形成する、反射材料と、
波長変換材料が前記反射空洞より上に延在せず、前記半導体層及び前記基板の側面を覆う前記反射材料の上に位置しないよう、前記反射空洞を充填する、波長変換材料と、
前記反射材料を覆って配置された保護層とを含む、
発光デバイス。
【請求項12】
前記波長変換材料は、前記反射空洞内の蛍光体を含む、請求項11に記載の発光デバイス。
【請求項13】
前記発光デバイスは、フリップチップ発光デバイスであり、前記複数の電極は、少なくともアノード及びカソード電極を含む、請求項11に記載の発光デバイス。
【請求項14】
前記基板は、前記半導体層をエピタキシャル成長させる透明な成長基板である、請求項11に記載の発光デバイス。
【請求項15】
前記波長変換材料は、前記反射空洞を充填する、請求項11に記載の発光デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、2015年12月29日に出願された「FLIP CHIP LED WITH SIDE REFLECTORS AND PHOSPHOR」という名称の米国特許仮出願第62/272,416号及び2016年3月15日に出願された「FLIP CHIP LED WITH SIDE REFLECTORS AND PHOSPHOR」という名称の欧州特許出願第16160421.0号の優先権を主張し、米国特許仮出願第62/272,416号及び欧州特許出願第16160421.0号を本明細書に援用する。
【0002】
この発明は、パッケージ化された発光デバイス(packaged light emitting devices)に関し、特に、蛍光体変換された発光デバイス(phosphor-converted emitting device)における側面放射(side emission)を減少させる技術に関する。
【背景技術】
【0003】
発光デバイスのフットプリントがより小さくなるにつれて、側面の面積に対する頂部放射面の面積の比はより低下する。これはより高い割合の放射光が半導体チップの側面から放射されることを意味する。例えば、蛍光体が白色光を生成する青色LEDの頂面上にのみ堆積されるならば、結果として生じる放射は青色ハロー(blue halo)で囲まれた白色スポット(while spot)である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、必要とされているのは、実質的に全ての光が頂面から蛍光体に向かって放射される、チップの頂面に蛍光体を備える発光デバイスをパッケージングする(packaging)技術である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
青色光が蛍光体を使用して白色光に変換されることが意図される青色フリップチップLEDの例では、透明な成長基板(例えば、サファイア)が上を向いた状態で、LEDのアレイが支持面の上に取り付けられる。成長基板は、光抽出を向上させるために研磨(polishing)によって薄肉化されることがあり且つ粗面化されることがある。
【0006】
次に、フォトレジスト層又は他の除去可能な層を成長基板の頂面の上に堆積させ、続いて、LEDの頂面及び側面の上に反射材料を全面的に堆積させて(blanket-depositing)、LEDをカプセル化する。
【0007】
次に、LEDの頂面を研削して、フォトレジストの頂面上の反射材料を除去する。次に、フォトレジストを溶解させて、反射壁を備える成長基板上に空洞を残す。
【0008】
次に、空洞を蛍光体で充填する。
【0009】
よって、全ての側面光(side light)は、反射材料によってLEDに反射して戻り、最終的に、LEDから出て蛍光体に向かう。蛍光体からのあらゆる側面光は、空洞の反射壁によって蛍光体に反射して戻る。
【0010】
次に、蛍光体変換されたLEDを個片化してパッケージ化されたLEDを形成する。パッケージ化されたLEDは、通電されると、側面放射(即ち、青色ハロー(blue halo))のない白色の点(while dot)として現れる。
【0011】
この技法は、側面放射がより問題となる小さいフットプリントを有するLEDにとって特に有益である。
【0012】
上記の記述は本発明の1つの実施形態である。追加的な構成及び実施形態を本明細書中に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】何千ものフリップチップLEDを含むLEDウエハの断面図であり、LEDは従来的であり、各LEDのための個々のアノード及びカソード金属パッドが連続的な頂部金属層によって表されている。
【
図2】接着剤を使用してガラスウエハのような一時的なキャリアの上に取り付けられたLEDウエハを例示する断面図であり、成長基板(例えば、サファイア)は上を向いている。
【
図3】薄肉化及び粗面化のために研削されている成長基板を例示している。
【
図4】成長基板が十分に研削された後のLEDウエハを例示している。
【
図5】各LEDの縁を定める亀裂を創成するようLEDウエハ上で行われた部分的なダイシングを例示している。
【
図6】成長基板の頂部に適用されているフォトレジストの膜を例示している。
【
図8】意図されるシンギュレーションラインに沿って成長基板を露出させるためにフォトリソグラフィプロセスを使用してパターン化されたフォトレジスト膜を例示している。
【
図9】取付テープ上に貼着されているフォトレジスト膜及び接着剤から除去されている一時的なキャリアを例示している。
【
図10】LEDウエハ上の金属接点を露出させるために除去されている接着剤を例示している。
【
図11】
図5において形成された亀裂に沿う破断プロセスを使用してダイシングされているLEDウエハを例示している。
【
図12A】個片化されたLEDが両面テープを使用して他の一時的なキャリアの上にどのように取り付けられたかを例示しており、フォトレジスト膜が上を向いており、透明なバインダ中のTiO
2粒子のような反射材料がLEDの頂部及び側部並びにLED間の領域を覆うために堆積させられている。
【
図12B】保護層を形成するためにLEDの上に並びにLEDの間に堆積させられた樹脂又はシリコーンのような任意的なシート成形コンパウンド(SMC)を例示している。
【
図13A】フォトレジスト膜を露出させるために
図12A中のLEDの頂面を研削することを例示している。
【
図13B】フォトレジスト膜を露出させるために
図12B中のLEDの頂面を研削することを例示している。
【
図14A】成長基板の上に反射空洞を形成するよう溶媒で溶解された
図13A中の露出させられたフォトレジスト膜を例示している。
【
図14B】成長基板の上に反射空洞を形成するよう溶媒で溶解された
図13B中の露出させられたフォトレジスト膜を例示している。
【
図15】LEDで占められたキャリアの斜視図であり、透明なバインダ中の蛍光体粒子のような蛍光体で反射空洞を充填することを例示している。
【
図16A】蛍光体混合物が硬化させられた後の、
図12BのSMCを伴わない、
図15の構造の断面図であり、構造はひっくり返されて、テープの上に取り付けられており(蛍光体側は下にある)、鋸引き又は破断プロセスが後続して、LEDダイの間のあらゆる残留反射材料を分離する。
【
図16B】蛍光体混合物が硬化させられた後の、
図12BのSMCを伴う、
図15の構造の断面図であり、鋸引きプロセスは、LEDダイの間のSMC及びあらゆる残留反射材料を分離する。
【
図17】
図16A又は
図16B中のテープからの除去後の、単一の蛍光体変換フリップチップLEDを例示しており、アクティブ層及び蛍光体によって生成される光線が、全ての光が頂面から出るように、反射材料によってどのように反射させられるかを示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
同一又は類似の要素は、同じ番号で印されている。
【0015】
図1は、LEDウエハ10(LED wafer)の断面図である。成長基板12(growth substrate)は、LEDのためのサファイア又は他の適切な成長基板であってよい。青色フリップチップLEDを形成する例において、成長基板12は、透明なサファイア基板であることがある。
【0016】
成長基板12の上にあるのは、格子整合層14(lattice matching layer)であり、1つ又はそれよりも多くのn型層16(n-type layers)が続き、量子井戸アクティブ層18(quantum well active layer)が続き、1つ又はそれよりも多くのp型層20(p-type layers)が続き、p型層20及びn型層16とそれぞれ電気的に接触するLEDのアノード金属パッド及びカソード金属パッドを形成するようパターン化された金属層22(metal layer)が続く。
【0017】
LEDウエハ10は、典型的には、何千ものフリップチップLEDを含む。各LEDのための個々のアノード金属パッド及びカソード金属パッドは、連続的な頂部金属層22によって表されている。LEDウエハ10は従来的なものであってよく、よく知られているものであってよい。多くの他の種類のLEDウエハ及び材料が本発明と共に使用されてよい。何故ならば、本発明はLEDにおいて使用される特定のエピタキシャル層又は成長基板というよりも、むしろパッケージング(packaging)に向けられているからである。発光ダイオードについて本発明を記載するが、当業者は光が1つよりも多くの方向に放射されるあらゆる発光半導体デバイスと共に本発明を使用し得ることを理解するであろう。
【0018】
図2に示すように、次に、LEDウエハ10は(
図1に関して)裏返され(flipped over)、UV硬化性接着剤26又は他の適切な接着剤を介してガラスウエハのような一時的なキャリア24に接着固定される。LEDの金属層22は下を向いており、成長基板12は上を向いている。LEDウエハ10内の圧痕領域28は、シンギュレーションライン(singulation lines)に対応する各LEDの底にある金属層22の部分の間の空間を表す。
【0019】
図3に示すように、成長基板12は、従来的なグラインダホイール32(grinder wheel)によって、約200ミクロン以下のような所望の厚さまで研削される(ground)。成長基板12を粗面化する(粗くする)こと及び薄肉化する(薄くする)ことは、光抽出を向上させる。
【0020】
図4は、成長基板12が十分に研削された後のLEDウエハ10を例示している。
【0021】
図5は、「ステルスダイシング(stealth dicing)」の結果としての意図されるシンギュレーションラインに沿う亀裂34(cracks)の創成を例示するLEDウエハ10の部分の拡大図である。ステルスダイシングは、シンギュレーションラインに沿って結晶に亀裂を創成するために集束レーザを使用する基地の技法である。スクライビング(scribing)、部分的な鋸引き(partial sawing)、又はエッチング(etching)のような、他の技法を使用して、シンギュレーションラインに沿って成長基板12を弱化させることができる。
【0022】
図6は、成長基板12の表面上に積層された(laminated)、スピニングされた(spun)、或いは他の方法で堆積させられた(deposited)、BCB又はBPOのような、フォトレジスト膜36(photoresist film)を例示している。フォトレジスト膜36の厚さは、後に堆積される蛍光体層の厚さと一致する。1つの実施形態において、フォトレジスト膜36の厚さは、典型的には、50〜100ミクロンである。フォトレジスト膜36は、後に除去される一時的な層である。
【0023】
図7は、フォトレジスト膜36をより詳細に例示している。フォトレジスト以外の材料を使用することができるが、材料は溶媒中で溶解可能であるか或いは他の方法で除去可能でなければならない。
【0024】
図8は、意図されるシンギュレーションライン38に沿って成長基板12を露出させるようフォトリソグラフィプロセスを用いてパターン化された(例えば、マスクされたUVに露光され且つ現像された)フォトレジスト膜36を例示している。
【0025】
図9は、取付テープ40に貼着されたフォトレジスト膜36の表面と、接着剤26から除去されている一時的なキャリア24を例示している。接着剤26はキャリア24が引き剥がされるのを可能にするよう弱くてよく、或いは接着剤26を加熱又は部分的に溶解して接着剤26を弱化させてよい。
【0026】
図10は、LEDのためのウエハ10上の金属層22を露出させるために除去されている接着剤26を例示している。接着剤26は、接着剤26が金属層22をLEDウエハ10から剥離させるのを避けるよう、溶解されてよく、加熱されてよく、或いは他の適切な方法で弱化されてよい。
【0027】
図11は、保護のために金属層22に塗布された粘着性マイラーテープ44(Mylar tape)と、後続のシンギュレーションライン34に沿う破断(braking)のために従来的なダイシング面46の上に取り付けられたLEDウエハ10とを例示している。鋭利なツール48が、
図5のステルスダイシングによって弱化されたシンギュレーションライン34を押し、シンギュレーションライン34に沿ってLEDウエハ10を破断する。
【0028】
図12Aに示すように、次に、マイラーテープ44に依然として接着された個片化されたLED49(singulated LEDs)がダイシング面46から取り除かれ、自動ピックアンドプレース機械がLED49をマイラーテープ44から取り外し、それらを両面粘着テープ50上に配置する。粘着テープ50は、セラミック、ガラス等であってよい他の一時的なキャリア52に接着される。LED49の間にスペースが設けられる。
【0029】
次に、反射材料56がLED49の頂部及び側部に堆積させられて、それらをカプセル化する。反射材料56は、透明なバインダ中にTiO
2、ZiO
2等のような反射粒子を含み、吹付け又は他の技法によって堆積させられてよい。代替的に、反射粒子は、電気泳動によって堆積させられてよい。反射材料56の厚さは、蛍光体層を通じてチップから漏れ出す光の量が最大化されるような厚さである。反射材料56はLED49の間の両面粘着テープ50の領域を覆うことに留意のこと。
【0030】
図12Bは、構造(structure)が、シート成形コンパウンド(sheet molding compound)(SMC)を成形すること等によって保護層58で覆われる、代替的な実施形態を例示している。保護層58は、LED49の上に又はLED49の間に堆積させられる樹脂又はシリコーンであってよい。これはLED構造をより強固にし、湿分バリアとして機能することがある。
【0031】
図13Aでは、従来的なグラインダホイール32を使用して、
図12Aからの反射材料56の頂面を研削して、フォトレジスト膜36を露出させる。
【0032】
代替的に、
図13Bでは、グラインダホイール32を使用して、
図12Bからの反射材料56の頂面を研削して、フォトレジスト膜36を露出させる。
【0033】
フォトレジスト膜36を露出させた後に、構造を溶媒に露出させて(例えば、浸漬させて)、フォトレジスト膜36を溶解させる。使用される特定のフォトレジストのためのそのような溶媒はよく知られている。
【0034】
図14Aは、
図13Aのフォトレジスト膜36が溶解された後に結果として得られる構造を例示しており、
図14Bは、
図13Bのフォトレジスト膜36が溶解された後に結果として得られる構造を例示している。成長基板12の頂面が露出させられている。図示のように、空洞59(キャビティ)が反射材料56の壁によって取り囲まれて創成されており、空洞59の深さは、溶解させられる前のフォトレジスト膜36の厚さとほぼ等しい。従って、空洞59の深さはフォトレジスト膜36の厚さによって(蛍光体で充填される)精密に制御されることができ、次に、それは一貫した色制御のために蛍光体層の厚さを精密に制御するために使用される。
【0035】
図15では、蛍光体混合物60がノズル61を使用して空洞59内に注入され、空洞59を頂部まで充填されてよい。空洞59はモールド(鋳型)(mold)として作用するので、全てのLED49のための全ての堆積させられる蛍光体混合物60は、十分な色の一貫性のために精密に同じ形状を有する。各LED49について蛍光体混合物60の量を事前に測定してよく、或いは光フィードバック機構を使用して各空洞59を頂部まで充填してよい。
【0036】
次に、蛍光体混合物60を、熱又はUV光等によって硬化させる。蛍光体混合物60は、シリコーンのような透明なバインダ中の蛍光体粒子であってよい。硬化させられる蛍光体混合物60の密度及び厚さは、青色光の波長変換の量を決定する。何故ならば、幾つかの青色光は、変換されずに蛍光体混合物60を通過するからである。例えば、蛍光体は、青色光と混合させられるときに白色光を創成する黄色YAG蛍光体であってよい。1つ又はそれよりも多くの光変換材料を選択することによって、任意の他の色の光が生成されてよい。
【0037】
次に、
図16Aにおいて、LED49の頂部を他の粘着テープ64に貼り付け(蛍光体混合物60は底にある)、次に、LED49の底(金属層22)を両面粘着テープ50から除去する。よって、LED49の間に堆積させられた反射材料56の部分は、今や頂部にある。
【0038】
図16Aは、LED49の完全なシンギュレーションを完了する、ダイシングソー66(dicing saw)を用いた反射材料56のこれらの接続部分の切断を例示している。
【0039】
図16Bは、LED49の間に成形された保護層58を有する構造に対して行われるプロセスを例示している。そのような場合、両面粘着テープ50上のLED49の層は、テープ50の上に留まり得るのに対し、LED49の間の保護層58及び反射材料56は、鋸引きされている。何故ならば、ダイシングソー66は、シンギュレーションを完了するために、厚さ全体を通じてテープ50まで切断しなければならないからである。
【0040】
次に、パッケージ化されたLED49をテープ50又は64から持ち上げ、プリント基板又はサブマウント(submount)に取り付けて、フリップチップのアノード及びカソードの底電極(金属層22の部分)を電源に接続する。
【0041】
図17は、LED半導体層72から放射された光線70が蛍光体混合物60に直接衝突する又は蛍光体混合物60を通過する或いは反射材料56から離れて反射してLED全体の周りに壁を形成する、単一の通電されたLED49をより詳細に示している。蛍光体混合物60からの側面光(side light)も、反射材料56によって方向変更される。同様に示されているのは、成長基板12、アノード電極74、及び(金属層22の部分としての)カソード電極76である。
【0042】
LEDの典型的な大きさは、1辺100ミクロン〜1mmの間である。LED49によって放出される側面光の実質的に100%はLED49内に又はLED49の頂面を通じて戻るように方向付けられる。従って、通電されたLEDは、青色ハロー(blue halo)を伴わない小さな白色の点(while dot)として現れる。任意の他の色が創成されてよい。
【0043】
蛍光体混合物60の代わりに、量子ドット又は量子ドット及び蛍光体の混合物が使用されてもよい。本発明は他の種類の波長変換材料も想定する。
【0044】
他の実施形態において、LED半導体層が形成された後に成長基板12が除去されてよく、他の透明基板がLED半導体層に貼り付けられる(affixed)。従って、「基板(substrate)」という用語は、いずれの種類の基板にも当て嵌まることがある。
【0045】
(側面光を反射するため)LED49の周りに反射壁を依然として形成し、(波長変換材料を充填するために)反射空洞59を形成する間に、既述のプロセスの多くの変形を利用してよい。例えば、特定の用途では、幾つかのステップは必要とされないことがある。更に、特定の用途に依存して、追加的なステップ及び層が追加されることがある。幾つかの場合において、研削するステップは、エッチング、レーザアブレーション、又は他の技法によって実行されてよい。代わりに、蛍光体混合物は、空洞59内に配置される予め形成された蛍光体タイルであってよい。
【0046】
本発明の特定の実施形態を示し且つ記載したが、この発明の真正な精神及び範囲内にあるような全ての変更及び修正をそれらの範囲内に包摂するよう、その広義の態様においてこの発明から、従って、添付の請求項から逸脱することなく、そのような変更及び修正が行われてよいことが、当業者に明らかであろう。