【実施例】
【0070】
以下の実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何らの制限を受けるものではない。
【0071】
<ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリマーの分析>
東ソー株式会社製 HLC−8320を用いて原料モノマーと重合物の定量(面積%)を行った。試料を水またはアセトニトリルまたはその混合溶媒に溶解し、0.1wt%溶液を調製し、以下の条件でGPC測定を行った。モノマー由来のピーク面積(a)と重合物由来のピーク面積(b)から、下式により重合物の転化率を算出した。
重合物の転化率(面積%)=100×[1−{a/(a+b)}]
カラム=TSK ガードカラムAW−H+TSK AW6000+TSK AW3000
溶離液=硫酸ナトリウム水溶液(0.05mol/L)/アセトニトリル=90/10(Vol比)溶液
流速・注入量・カラム温度=0.6ml/min、注入量=10μl、カラム温度=40℃
検出器=UV検出器(波長230nm)
検量線=標準ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(創和科学製)を用いて、ピークトップ分子量と溶出時間から作成した。
【0072】
<ポリスチレンスルホン酸硬化性組成物の粘度測定>
ブルックフィールド粘度計LVDV2T(英弘精機株式会社製)を用い常温で測定した。
【0073】
<ポリスチレンスルホン酸の硬化性の評価>
赤外線水分計(株式会社ケット科学研究所製FD−720)のアルミ皿(直径13cm)にポリスチレンスルホン酸硬化性組成物を4〜5g採取して薄く広げ、120℃で30分加熱乾燥することによりポリスチレンスルホン酸組成物の乾燥物を得た。
100mlガラス規格瓶に上記乾燥物を0.4〜0.5g精秤し(=重量A)、純水を約90ml加えて密閉後、振とう器を用いて常温で3日間振とうした。
3日間振とうした上記溶液を予め重量を測定した100メッシュのSUS製金網(=重量B)で濾別した後、金網上のゲルに100mlの純水を注いで洗浄した。余分な水分を産業用紙ワイパで拭きとり、水膨潤ゲルが入った金網の重量(=重量C)を測定した。
上記水膨潤ゲルが入った金網を3日間風乾した後、真空乾燥機を用いて110℃で5時間真空乾燥して重量(=重量D)を測定した。
下式よりポリスチレンスルホン酸のゲル分と水膨潤度を算出した。
ゲル分(wt%) =100×(D−B)/A
水膨潤度(wt%)=100×(C−B)/(D−B)
【0074】
<使用試薬>
実施例に記載の化合物は下記を使用したが、本発明はこれらの実施例により何らの制限を受けるものではない。
パラスチレンスルホン酸ナトリウム;東ソー・ファインケム株式会社製(純度89.1%)
パラスチレンスルホン酸リチウム;東ソー・ファインケム株式会社製
パラスチレンスルホン酸アンモニウム;東ソー・ファインケム株式会社製
メタクリル酸;富士フイルム和光純薬株式会社製、特級
アクリル酸;富士フイルム和光純薬株式会社製、特級
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル;富士フイルム和光純薬株式会社製、一級
2,2‘−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩;富士フイルム和光純薬株式会社製(商品名V−50)
3−メルカプト−1,2−プロパンジオール;富士フイルム和光純薬株式会社製
エポクロス(登録商標)WS−700(株式会社日本触媒製 水溶性ポリオキサゾリン、不揮発分24.9wt%、官能基濃度4.5mmol/g−樹脂分)
エポクロス(登録商標)WS−500(株式会社日本触媒製 水溶性ポリオキサゾリン、不揮発分38.9wt%、官能基濃度4.5mmol/g−樹脂分)
エポクロス(登録商標)WS−300(株式会社日本触媒製 水溶性ポリオキサゾリン、不揮発分10.2wt%、官能基濃度7.7mmol/g−樹脂分)
【0075】
合成例1 ポリスチレンスルホン酸(PSS−1)の製造
還流冷却管、窒素導入管、パドル型撹拌機を取り付けた1Lガラス製四つ口フラスコに、純水52.00gを仕込み、窒素雰囲気下、85℃のオイルバスで加熱した。ここに、別途調製したパラスチレンスルホン酸ナトリウム水溶液〔パラスチレンスルホン酸ナトリウム100.00g、メタクリル酸4.15gを純水451.66gに溶解し、アスピレーターによる減圧と窒素導入を繰返して脱酸素処理したもの〕を180分、開始剤水溶液〔2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.19gを純水30.20gに溶解したもの〕を200分かけて滴下しながら重合を行った。開始剤滴下終了後、バス温を90℃に昇温し、そのまま2時間熟成することにより、カルボキシル基を含むポリスチレンスルホン酸ナトリウムの水溶液(PSS−1)を得た。各モノマーの重合転化率は100%であった。
【0076】
仕込みから計算した水溶液中のポリマー濃度は14.61wt%、ポリマー中のスルホン酸モノマー構造単位とカルボン酸モノマー構造単位の合計に対するカルボン酸モノマー構造単位の含量は10.1モル%、GPCで求めたポリマーの数平均分子量は242500(Da)、重量平均分子量は586200(Da)、pH(常温)は5.4、B型粘度計で測定した溶液粘度は460mPa・sだった。
【0077】
合成例2 ポリスチレンスルホン酸(PSS−2)の製造
還流冷却管、窒素導入管、パドル型撹拌機を取り付けた2Lガラス製四つ口フラスコに、純水61.00gを仕込み、窒素雰囲気下、85℃のオイルバスで加熱した。ここに、別途調製したパラスチレンスルホン酸ナトリウム水溶液〔パラスチレンスルホン酸ナトリウム270.00g、メタクリル酸102.50gを純水1101.70gに溶解し、アスピレーターによる減圧と窒素導入を繰返して脱酸素処理したもの〕を180分、開始剤水溶液〔2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩5.64gを純水39.77gに溶解したもの〕を200分かけて滴下しながら重合を行った。開始剤滴下終了後、バス温を90℃に昇温し、そのまま2時間熟成することにより、カルボキシル基を含むポリスチレンスルホン酸ナトリウムの水溶液(PSS−2)を得た。各モノマーの重合転化率は100%だった。
【0078】
仕込みから計算した水溶液中のポリマー濃度は21.70wt%、ポリマー中のスルホン酸モノマー構造単位とカルボン酸モノマー構造単位の合計に対するカルボン酸モノマー構造単位の含量は50.62モル%、GPCで求めたポリマーの数平均分子量は75100(Da)、重量平均分子量は164200(Da)、pH(常温)は4.3、B型粘度計で測定した溶液粘度は78mPa・sだった。
【0079】
合成例3 ポリスチレンスルホン酸(PSS−3)の製造
還流冷却管、窒素導入管、パドル型撹拌機を取り付けた1Lガラス製四つ口フラスコに、純水52.00gを仕込み、窒素雰囲気下、85℃のオイルバスで加熱した。ここに、別途調製したパラスチレンスルホン酸ナトリウム水溶液〔パラスチレンスルホン酸ナトリウム100.00g、アクリル酸5.60gを純水451.66gに溶解し、アスピレーターによる減圧と窒素導入を繰返して脱酸素処理したもの〕を180分、開始剤水溶液〔2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.19gを純水30.50gに溶解したもの〕を200分かけて滴下しながら重合を行った。開始剤滴下終了後、バス温を90℃に昇温し、そのまま2時間熟成することにより、カルボキシル基を含むポリスチレンスルホン酸ナトリウムの水溶液(PSS−3)を得た。各モノマーの重合転化率は100%であった。
【0080】
仕込みから計算した水溶液中のポリマー濃度は16.08wt%、ポリマー中のスルホン酸モノマー構造単位とカルボン酸モノマー構造単位の合計に対するカルボン酸モノマー構造単位の含量は15.11モル%、GPCで求めたポリマーの数平均分子量は261200(Da)、重量平均分子量は605600(Da)、pH(常温)は4.6、B型粘度計で測定した溶液年度は650mPa・sだった。
【0081】
合成例4 ポリスチレンスルホン酸(PSS−4)の製造
還流冷却管、窒素導入管、パドル型撹拌機を取り付けた1Lガラス製四つ口フラスコに、純水52.00gを仕込み、窒素雰囲気下、85℃のオイルバスで加熱した。ここに、別途調製したパラスチレンスルホン酸ナトリウム水溶液〔パラスチレンスルホン酸ナトリウム100.00g、メタクリル酸4.15g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル3.15gを純水465.00gに溶解し、アスピレーターによる減圧と窒素導入を繰返して脱酸素処理したもの〕を180分、開始剤水溶液〔2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.12gを純水30.21gに溶解したもの〕を200分かけて滴下しながら重合を行った。開始剤滴下終了後、バス温を90℃に昇温し、そのまま2時間熟成することにより、カルボキシル基を含むポリスチレンスルホン酸ナトリウムの水溶液(PSS−4)を得た。各モノマーの重合転化率は100%であった。
【0082】
仕込みから計算した水溶液中のポリマー濃度は14.73wt%、ポリマー中のスルホ基含有モノマー構造単位、カルボキシル基含有モノマー構造単位及びカルボキシル基を含まないモノマー構造単位の合計に対するカルボキシル基含有モノマー構造単位の含量は9.56モル%であり、ポリマー中のスルホ基含有モノマー構造単位、カルボキシル基含有モノマー構造単位及びカルボキシル基を含まないモノマー構造単位の合計に対するカルボキシル基を含まないモノマー構造単位の含量は4.80モル%であった。
【0083】
また、GPCで求めたポリマーの数平均分子量は324000(Da)、重量平均分子量は759000(Da)、pH(常温)は5.3、B型粘度計で測定した溶液粘度は690mPa・sだった。
【0084】
比較例1 PSS−1硬化性組成物の調製と評価
合成例1で得たPSS−1(溶液粘度460mPa・s)51.12g(カルボキシル基含量3.87mmol)及び水性ポリオキサゾリン(株式会社日本触媒製エポクロス(登録商標)WS−700)3.63g(オキサゾリン基含量3.28mmol)を100及び200mlガラス規格瓶に採取し、スパチュラで激しくかき混ぜ、水性のポリスチレンスルホン酸硬化性組成物を調製した。この組成物はスパチュラに巻き付く(ワイゼンベルク効果)ほど増粘が激しく、流動性が乏しかった(溶液粘度74,300mPa・s)。
【0085】
当該組成物に純水を加えて希釈(樹脂分は低下)したが、顕著な粘度低下は見られず、流動性は回復しなかった(表1参照)。加熱乾燥後の組成物はゲル化(硬化)していたが、種々の基材に対する塗布が困難であり、本発明の硬化性組成物として不適なことが明らかである。
尚、PPS−1のみを同様の条件で乾燥し、ゲル分を測定した結果は0%だった。
【0086】
実施例1 PSS−1硬化性組成物の調製と評価
合成例1で得たPSS−1(水溶液)51.12g(カルボキシル基含量3.87mmol)及び水性ポリオキサゾリン(株式会社日本触媒製エポクロス(登録商標)WS−700)3.63g(オキサゾリン基含量3.28mmol)を100及び200mlガラス規格瓶に採取し、スパチュラで激しくかき混ぜ、水性のポリスチレンスルホン酸硬化性組成物を調製した。この組成物はスパチュラに巻き付く(ワイゼンベルク効果)ほど増粘が激しく、流動性が乏しかったが、水の代わりに親水性溶媒の一種である1−プロパノールを加えて行くと(樹脂分は低下し、全溶媒中の親水性溶媒の比率が増加)、粘度が低下し、流動性が大きく回復した。
【0087】
1−プロパノールを含むポリスチレンスルホン酸組成物の硬化性を評価した結果、水に不溶なゲルが高収率で得られた。また組成物を調製後、少なくとも7時間経過しても硬化性は変わらないことを確認した。当該組成物は、種々の基材に対する塗布性と硬化性が良好なポリスチレンスルホン酸組成物であることが明らかである(表1参照)。
【0088】
実施例2 PSS−1硬化性組成物の調製と評価
実施例1において、1−プロパノールの代わりに1−メトキシ−2−プロパノールを加えても同様に粘度が低下し、流動性が大きく回復した。
1−メトキシ−2−プロパノールを含むポリスチレンスルホン酸組成物の硬化性を評価した結果、水に不溶なゲルが高収率で得られた。また組成物を調製後、少なくとも7時間経過しても硬化性は変わらないことを確認した。当該組成物は、種々の基材に対する塗布性と硬化性が良好なポリスチレンスルホン酸組成物であることが明らかである(表1参照)。
【0089】
実施例3 PSS−1硬化性組成物の調製と評価
実施例1において、1−プロパノールの代わりに1,2−ジメトキシプロパンを加えても同様に粘度が低下し、流動性が大きく回復した。
1,2−ジメトキシプロパンを含むポリスチレンスルホン酸組成物の硬化性を評価した結果、水に不溶なゲルが高収率で得られた。また組成物を調製後、少なくとも7時間経過しても硬化性は変わらないことを確認した。当該組成物は、種々の基材に対する塗布性と硬化性が良好なポリスチレンスルホン酸組成物であることが明らかである(表1参照)。
【0090】
比較例2 PSS−2硬化性組成物の調製と評価
合成例2で得たPSS−2(溶液粘度78mPa・s)51.12g(カルボキシル基含量38.55mmol)及び水性ポリオキサゾリン(株式会社日本触媒製エポクロス(登録商標)WS−700)10.00g(オキサゾリン基含量24.90mmol)を100及び200mlガラス規格瓶に採取し、スパチュラで激しくかき混ぜ、水性のポリスチレンスルホン酸硬化性組成物を調製した。この組成物はスパチュラに巻き付く(ワイゼンベルク効果)ほど増粘が激しく、流動性が乏しかった(溶液粘度23,100mPa・s)。
【0091】
当該組成物に純水を加えて希釈したが、顕著な粘度低下は見られず、流動性は回復しなかった(表1参照)。加熱乾燥後の組成物はゲル化(硬化)していたが、種々の基材に対する塗布が困難であり、本発明の硬化性組成物として不適なことが明らかである。
尚、PPS−2のみを同様の条件で乾燥し、ゲル分を測定した結果は0%だった。
【0092】
実施例4 PSS−2硬化性組成物の調製と評価
合成例2で得たPSS−2(水溶液)51.12g(カルボキシル基含量38.55mmol)及び水性ポリオキサゾリン(株式会社日本触媒製エポクロス(登録商標)WS−700)10.00g(オキサゾリン基含量24.90mmol)を100及び200mlガラス規格瓶に採取し、スパチュラで激しくかき混ぜ、水性のポリスチレンスルホン酸硬化性組成物を調製した。この組成物はスパチュラに巻き付く(ワイゼンベルク効果)ほど増粘が激しく、流動性が乏しかったが、水の代わりに親水性溶媒の一種である1−メトキシ−2−プロパノールを加えて行くと、粘度が低下し、流動性が大きく回復した。
【0093】
1−メトキシ−2−プロパノールを含むポリスチレンスルホン酸組成物の硬化性を評価した結果、水に不溶なゲルが高収率で得られた。また組成物を調製後、少なくとも7時間経過しても硬化性は変わらないことを確認した。当該組成物は、種々の基材に対する塗布性と硬化性が良好なポリスチレンスルホン酸組成物であることが明らかである(表1参照)。
【0094】
比較例3 PSS−3硬化性組成物の調製と評価
合成例3で得たPSS−3(溶液粘度650mPa・s)51.12g(カルボキシル基含量6.75mmol)及び水性ポリオキサゾリン(株式会社日本触媒製エポクロス(登録商標)WS−700)4.50g(オキサゾリン基含量74.76mmol)を100及び200mlガラス規格瓶に採取し、スパチュラで激しくかき混ぜ、水性のポリスチレンスルホン酸硬化性組成物を調製した。この組成物はスパチュラに巻き付く(ワイゼンベルク効果)ほど増粘が激しく、流動性が乏しかった(溶液粘度88,700mPa・s)。
【0095】
当該組成物に純水を加えて希釈したが、顕著な粘度低下は見られず、流動性は回復しなかった(表1参照)。加熱乾燥後の組成物はゲル化(硬化)していたが、種々の基材に対する塗布が困難であり、本発明の硬化性組成物として不適なことが明らかである。
尚、PPS−3のみを同様の条件で乾燥し、ゲル分を測定した結果は0%だった。
【0096】
実施例5 PSS−3硬化性組成物の調製と評価
合成例3で得たPSS−3(水溶液)51.12g(カルボキシル基含量6.75mmol)及び水性ポリオキサゾリン(株式会社日本触媒製エポクロス(登録商標)WS−700)4.50g(オキサゾリン基含量74.76mmol)を100及び200mlガラス規格瓶に採取し、スパチュラで激しくかき混ぜ、水性のポリスチレンスルホン酸硬化性組成物を調製した。この組成物はスパチュラに巻き付く(ワイゼンベルク効果)ほど増粘が激しく、流動性が乏しかったが、水の代わりに親水性溶媒の一種である1,2−ジメトキシプロパンを加えて行くと、粘度が低下し、流動性が大きく回復した。
【0097】
1,2−ジメトキシプロパンを含むポリスチレンスルホン酸組成物の硬化性を評価した結果、水に不溶なゲルが高収率で得られた。また組成物を調製後、少なくとも7時間経過しても硬化性は変わらないことを確認した。当該組成物は、種々の基材に対する塗布性と硬化性が良好なポリスチレンスルホン酸組成物であることが明らかである(表1参照)。
【0098】
実施例6
実施例4において、1,2−ジメトキシプロパンの代わりにエトキシエタノールを加えても同様に粘度が低下し、流動性が大きく回復した。
エトキシエタノールを含むポリスチレンスルホン酸組成物の硬化性を評価した結果、水に不溶なゲルが高収率で得られた。また組成物を調製後、少なくとも7時間経過しても硬化性は変わらないことを確認した。当該組成物は、種々の基材に対する塗布性と硬化性が良好なポリスチレンスルホン酸組成物であることが明らかである(表1参照)。
【0099】
比較例4 PSS−4硬化性組成物の調製と評価
合成例4で得たPSS−4(溶液粘度690mPa・s)51.12g(カルボキシル基含量3.77mmol)及び水性ポリオキサゾリン(株式会社日本触媒製エポクロス(登録商標)WS−700)3.15g(オキサゾリン基含量3.53mmol)を100及び200mlガラス規格瓶に採取し、スパチュラで激しくかき混ぜ、水性のポリスチレンスルホン酸硬化性組成物を調製した。この組成物はスパチュラに巻き付く(ワイゼンベルク効果)ほど増粘が激しく、流動性が乏しかった(溶液粘度101,300mPa・s)。
【0100】
当該組成物に純水を加えて希釈したが、顕著な粘度低下は見られず、流動性は回復しなかった(表1参照)。加熱乾燥後の組成物はゲル化(硬化)していたが、種々の基材に対する塗布が困難であり、本発明の硬化性組成物として不適なことが明らかである。
尚、PPS−4のみを同様の条件で乾燥し、ゲル分を測定した結果は0%だった。
【0101】
実施例7 PSS−4硬化性組成物の調製と評価
合成例4で得たPSS−4(水溶液)51.12g(カルボキシル基含量3.77mmol)及び水性ポリオキサゾリン(株式会社日本触媒製エポクロス(登録商標)WS−700)3.15g(オキサゾリン基含量3.53mmol)を100及び200mlガラス規格瓶に採取し、スパチュラで激しくかき混ぜ、水性のポリスチレンスルホン酸硬化性組成物を調製した。この組成物はスパチュラに巻き付く(ワイゼンベルク効果)ほど増粘が激しく、流動性が乏しかったが、水の代わりに親水性溶媒の一種であるエタノールを加えて行くと、粘度が低下し、流動性が大きく回復した。
【0102】
エタノールを含むポリスチレンスルホン酸組成物の硬化性を評価した結果、水に不溶なゲルが高収率で得られた。また組成物を調製後、少なくとも7時間経過しても硬化性は変わらないことを確認した。当該組成物は、種々の基材に対する塗布性と硬化性が良好なポリスチレンスルホン酸組成物であることが明らかである(表1参照)。
【0103】
【表1】