【文献】
内田孝紀,ほか1名,地域気象モデルCSU−RAMSと局地的風況予測モデルRIAM−COMPACTの接続法に関する研究,大会講演予稿集83,日本気象学会,2003年05月21日,126
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(A)1km以下の超短距離二重偏波レーダの多重高度観測資料のうち、スキャン観測資料である水平偏波反射因子及び比偏波間位相差を、観測された高度角別に入力される段階と、
(B)前記(A)段階において入力された水平偏波反射因子のボリューム平均と比偏波間位相差のボリューム平均を算出する段階と、
(C)前記算出される水平偏波反射因子のボリューム平均及び比偏波間位相差のボリューム平均のうち少なくとも一つを用いて降雨強度を推定する段階と、を含み、
前記(C)段階は、
前記スキャン観測資料の品質に対する信頼度が基準以上であれば、前記比偏波間位相差のボリューム平均を用いて降雨強度を推定し、基準未満であれば、前記水平偏波反射因子のボリューム平均を用いて降雨強度を推定し、
更に、前記(C)段階は、
(C1)前記水平偏波反射因子のボリューム平均を用いて一次降雨強度を推定する段階と、
(C2)前記推定される一次降雨強度及び算出される比偏波間位相差のボリューム平均が、それぞれに対して設定された閾値よりも大きければ、前記比偏波間位相差のボリューム平均に基づいて降雨強度を推定する段階と、
(C3)前記推定される一次降雨強度及び算出される比偏波間位相差のボリューム平均のうち少なくとも一つが、それぞれに対して設定された閾値よりも小さければ、前記推定された一次降雨強度を最終降雨強度として推定する段階をさらに含む
ことを特徴とする超短距離二重偏波レーダの多重高度観測資料を用いた降雨強度推定方法。
1km以下の超短距離二重偏波レーダの多重高度観測資料のうち、スキャン観測資料である水平偏波反射因子及び比偏波間位相差を、観測された高度角別に入力されるスキャン観測資料入力部と、
前記入力された水平偏波反射因子のボリューム平均と比偏波間位相差のボリューム平均を算出するボリューム平均算出部と、
前記算出される水平偏波反射因子のボリューム平均及び比偏波間位相差のボリューム平均のうち少なくとも一つを用いて降雨強度を推定する降雨強度推定部と、を備え、
前記降雨強度推定部は、
前記スキャン観測資料の品質に対する信頼度が基準以上であれば、前記比偏波間位相差のボリューム平均を用いて降雨強度を推定し、基準未満であれば、前記水平偏波反射因子のボリューム平均を用いて降雨強度を推定し、
更に、前記降雨強度推定部は、
前記水平偏波反射因子のボリューム平均を用いて一次降雨強度を推定し、前記推定される一次降雨強度及び算出される比偏波間位相差のボリューム平均が、それぞれに対して設定された閾値よりも大きければ、前記比偏波間位相差のボリューム平均に基づいて降雨強度を推定し、
前記推定される一次降雨強度及び算出される比偏波間位相差のボリューム平均のうち少なくとも一つが、それぞれに対して設定された閾値よりも小さければ、前記推定された一次降雨強度を最終降雨強度として推定する
ことを特徴とする超短距離二重偏波レーダの多重高度観測資料を用いた降雨強度推定装置。
【背景技術】
【0002】
二重偏波レーダを用いた降雨量推定時は、単一偏波レーダの降雨量推定時に用いる反射因子(reflectivity、Z
h)に加えて、反射因子差(differential reflectivity、Z
dr)と比偏波間位相差(specific differential phase、K
dp)を用いて降雨量を推定する。
【0003】
二重偏波レーダのための代表的な降雨推定アルゴリズムとしては、JPOLE(Joint Polarization Experiment)(Ryzhkov et al., 2005)アルゴリズムと、CSU(Colorado State University)(Cifelli et al., 2011)アルゴリズムが挙げられる。
【0004】
JPOLEアルゴリズムは、降雨量に応じて異なる降雨関係式を用い、CSUアルゴリズムは、大気水象とレーダ資料の品質に応じて異なる降雨関係式を用いる。降雨推定アルゴリズムに用いられる変数間の関係、すなわち、R(Z
h)、R(Z
h、Z
dr)、R(K
dp)、R(K
dp、Z
dr)は、雨滴粒径分布(Drop Size Distribution、DSD)の媒介変数に対する様々な仮定の理論的な研究により導き出された(非特許文献1)。
【0005】
このような既存の降雨推定技法は、主にゲート単位の二重偏波レーダ資料(例えば、水平偏波反射因子、反射因子差、比偏波間位相差)を用いてゲート別の降雨量を算定する。
【0006】
このような各ゲートに対する降雨強度値を算出する既存の降雨推定技法は、短距離(例えば、10km)以上を観測する二重偏波レーダシステムに適合しており、超短距離(例えば、1km以下)を観測するレーダシステムには適用し難いことがあった。これは、超短距離レーダシステムでは、降雨強度値を算出するために体積降雨量の概念を必要とするからである。
【0007】
したがって、既存の超短距離レーダシステムにおいて、体積降雨量の概念を用いて降雨強度値をさらに正確に算出するための方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した問題点を解決するために、本発明が解決しようとする技術的課題は、反射因子(Z
h)と比偏波間位相差(K
dp)を用いてボリューム(体積)単位の降雨推定を行うことにより、超短距離に対しても、既存よりもさらに正確に降雨を推定することのできる、超短距離二重偏波レーダの多重高度観測資料を用いた降雨強度推定方法及び推定装置を提供することにある。
【0011】
本発明の解決課題は、上記言及されたものに限定されず、言及されていない他の解決課題は、以下の記載に基づき、当業者に明確に理解される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した技術的課題を解決するための手段として、本発明の実施形態によれば、二重偏波レーダの多重高度観測資料を用いた降雨強度推定方法は、(A)超短距離二重偏波レーダの多重高度観測資料のうち、スキャン観測資料である水平偏波反射因子及び比偏波間位相差を、観測された高度角別に入力される段階と、(B)前記(A)段階において入力された水平偏波反射因子のボリューム平均と比偏波間位相差のボリューム平均を算出する段階と、(C)前記算出される水平偏波反射因子のボリューム平均及び比偏波間位相差のボリューム平均のうち少なくとも一つを用いて降雨強度を推定する段階と、を含んでもよい。
【0013】
前記(C)段階は、前記スキャン観測資料の品質に対する信頼度が基準以上であれば、前記比偏波間位相差のボリューム平均を用いて降雨強度を推定し、基準未満であれば、前記水平偏波反射因子のボリューム平均を用いて強雨強度を推定してもよい。
【0014】
前記(C)段階は、(C1)前記水平偏波反射因子のボリューム平均を用いて一次強雨強度を推定する段階と、(C2)前記推定される一次強雨強度及び算出される比偏波間位相差のボリューム平均が、それぞれに対して設定された閾値よりも大きければ、前記比偏波間位相差のボリューム平均に基づいて強雨強度を推定する段階と、を含んでもよい。
【0015】
前記(C)段階は、(C3)前記推定される一次強雨強度及び算出される比偏波間位相差のボリューム平均のうち少なくとも一つが、それぞれに対して設定された閾値よりも小さければ、前記推定された一次強雨強度を最終強雨強度として推定する段階をさらに含んでもよい。
【0016】
一方、上述した技術的課題を解決するための手段として、本発明の実施形態によれば、二重偏波レーダの多重高度観測資料を用いた降雨強度推定装置は、超短距離二重偏波レーダの多重高度観測資料のうち、スキャン観測資料である水平偏波反射因子及び比偏波間位相差を、観測された高度角別に入力されるスキャン観測資料入力部と、前記入力された水平偏波反射因子のボリューム平均と比偏波間位相差のボリューム平均を算出するボリューム平均算出部と、前記算出される水平偏波反射因子のボリューム平均及び比偏波間位相差のボリューム平均のうち少なくとも一つを用いて降雨強度を推定する強雨強度推定部と、を備える。
【0017】
前記強雨強度推定部は、前記スキャン観測資料の品質に対する信頼度が基準以上であれば、前記比偏波間位相差のボリューム平均を用いて降雨強度を推定し、基準未満であれば、前記水平偏波反射因子のボリューム平均を用いて強雨強度を推定してもよい。
【0018】
前記強雨強度推定部は、前記水平偏波反射因子のボリューム平均を用いて一次強雨強度を推定し、前記推定される一次強雨強度及び算出される比偏波間位相差のボリューム平均が、それぞれに対して設定された閾値よりも大きければ、前記比偏波間位相差のボリューム平均に基づいて強雨強度を推定してもよい。
【0019】
前記強雨強度推定部は、前記推定される一次強雨強度及び算出される比偏波間位相差のボリューム平均のうち少なくとも一つが、それぞれに対して設定された閾値よりも小さければ、前記推定された一次強雨強度を最終強雨強度として推定してもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、反射因子(Z
h)と比偏波間位相差(K
dp)を用いて強雨強度を推定することにより、近距離のみならず、超短距離でも、さらに正確に強雨強度を推定することができる。
【0021】
また、1つの高度角ではなく、多重高度角から観測及び算出されたレーダ資料、すなわち、反射因子(Z
h)と比偏波間位相差(K
dp)を用いて体積単位で強雨強度をさらに正確に推定することができる。
【0022】
また、近距離の短時間の間、多重高度角で光線をスキャンして観測されたレーダ資料を用いることにより、レーダ資料を汚染させ得る各種のエコーに対する問題点を解消し、正確な強雨推定により、集中豪雨及び洪水を予防することができる。
【0023】
本発明の効果は、上記言及されたものに限定されず、言及されていない他の効果は、以下の記載に基づき、当業者に明確に理解される。
【発明を実施するための形態】
【0025】
上述した本発明の目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付された図面と関連した以下の好適な実施形態に基づいて容易に理解される。
【0026】
以下、図面を参照して本発明について詳述する。ある場合は、発明を記述するにあたって、よく知られており、本発明と大いに関連しない部分は、本発明を説明するにあたって、特別な理由なしで混沌をもたらすことを防ぐために記述しないことを予め言及しておく。
【0027】
先ず、本発明の実施形態に係る超短距離二重偏波レーダの多重高度観測資料を用いた降雨強度推定方法は、二重偏波レーダがKバンド二重偏波レーダを照射し、反射体から反射した光線を入射されると、強雨強度推定装置が入射された光線から強雨強度の推定に必要な値を算出する。特に、本発明の実施形態において、強雨強度推定方法は、近距離の短い観測時間の間は、降雨量の変動が小さいという仮定下で、多重観測高度角資料を用いて強雨強度を推定する。
【0028】
二重偏波レーダと強雨強度推定装置は、1つの装置で実現されてもよく、本実施形態では分離して説明する。
【0029】
本発明の実施形態では、超短距離として1kmを挙げているが、これも一例として、これに限定されず、1km以上を超短距離として定義してもよく、超短距離でなくても、1km以上の距離に対しても、光線を照射した資料から強雨推定を行うことができるのは言うまでもない。
【0030】
また、本発明の実施形態において、多重観測高度角は、例えば、30度、45度、及び60度であり、これは一例として、これに限定されない。
【0031】
図1は、本発明の実施形態に係る降雨強度推定装置において、超短距離二重偏波レーダの多重高度観測資料のうち、一つのボリューム資料の例示を示すグラフである。
【0032】
図1を参照すると、1つのボリューム資料は、多数のスキャン、本発明の実施形態では、3つのスキャンで構成され、1つのスキャンは、多数の光線で構成される。また、1つの光線は、多数のゲートからなる。
【0033】
図1において、青色、赤色、及び緑色は、1つのスキャンを示す。各スキャンは、30度、45度、及び60度で構成される。青色、赤色、及び緑色で表記されたスキャンは、それぞれ多数の光線で構成され、光線の個数は、観測方法により異なり、本実施形態では、360個を用いる。各光線(すなわち、青色、赤色、及び緑色の1つの線)を構成する多数のゲートも、レーダ運用方法により、数十個から数百個まで可能である。1つのゲートは、1つの点(ポイント)とみなしてもよい。
【0034】
1つのゲートには、水平偏波反射因子、反射因子差、及び比偏波間位相差以外に、様々な変数がある。本発明の実施形態では、水平偏波反射因子と比偏波間位相差を用いる。
【0035】
図2は、1つのスキャン(例えば、45度でのスキャン)をなす360個の光線のうち、1番目の光線(光線1)と360番目の光線(光線360)に対する水平偏波反射因子をゲート別に示す例示図である。
【0036】
図2を参照すると、Rは、スキャン距離であり、1つの光線がN個のゲートからなる場合、水平偏波反射因子は、ゲート1〜ゲートNに対する値である。降雨強度推定装置は、二重偏波レーダの照射距離による水平偏波反射因子の変化から水平偏波減衰度を算出する。
【0037】
図3は、本発明の実施形態に係る超短距離二重偏波レーダの多重高度観測資料を用いた降雨強度推定装置の降雨強度推定方法を説明するための流れ図である。
【0038】
図3を参照すると、本発明の実施形態によれば、降雨強度推定装置は、スキャン観測資料、すなわち、各スキャン資料で構成されたボリューム資料を入力される(S310)。S310段階において入力されるスキャン観測資料は、30度、45度、及び60度の高度角で得られた値から算出される値であって、Z
h(30)、Z
h(45)、Z
h(60)、K
dp(30)、K
dp(45)、及びK
dp(60)である。
【0039】
Z
h(30)は、30度スキャンから得られたZ
hの平均値であって、すなわち、数個のゲートで構成された数個の光線から算出された平均値である。これと同様に、Z
h(45)は、45度スキャンから得られたZ
hの平均値であり、Z
h(60)は、60度スキャンから得られたZ
hの平均値である。
【0040】
また、K
dp(30)は、30度スキャンから得られたK
dpの平均値であって、すなわち、数個のゲートで構成された数個の光線から算出された平均値である。これと同様に、K
dp(45)は、45度スキャンから得られたK
dpの平均値であり、K
dp(60)は、60度スキャンから得られたK
dpの平均値である。
【0041】
降雨強度推定装置は、各観測高度角別に、すなわち、各スキャンに対する水平偏波反射因子(Z
h(0)、Z
h(45)、Z
h(90))のボリューム平均(μ(Z
h))と、比偏波間位相差(K
dp(0)、2・K
dp(45))のボリューム平均(μ(K
dp))とを算出する(S320、S330)。
【0042】
S320段階において、降雨強度推定装置は、S310段階において入力されたZ
h(30)、Z
h(45)、及びZ
h(60)の平均値または中間値を水平偏波反射因子のボリューム平均(μ(Z
h))として算出する。
【0043】
また、S330段階において、降雨強度推定装置は、S310段階において入力されたK
dp(30)とK
dp(45)とK
dp(60)の平均値または中間値を比偏波間位相差のボリューム平均(μ(K
dp))として算出する。
【0044】
S320段階及びS330段階において、30度、45度、及び60度に対して算出された水平偏波反射因子のボリューム平均(μ(Z
h))と比偏波間位相差のボリューム平均(μ(K
dp))は、それぞれ下記の通りである。
【0047】
降雨強度推定装置は、S320段階及びS330段階において算出された水平偏波反射因子のボリューム平均(μ(Z
h))及び比偏波間位相差のボリューム平均(μ(K
dp))のうち少なくとも一つを用いて降雨強度を推定する(S340〜S370)。特に、降雨強度推定装置は、入力されるスキャン観測資料の品質に対する信頼度が、前もって設定された基準以上であれば、比偏波間位相差のボリューム平均を用いて降雨強度を推定し、基準未満であれば、水平偏波反射因子のボリューム平均を用いて降雨強度を推定する。
【0048】
以下、S340段階乃至S370段階の降雨強度推定について詳述する。
【0049】
先ず、降雨強度推定装置は、反射因子と降雨強度の関係式を用いて一次降雨強度を推定する(S380)。すなわち、降雨強度推定装置は、水平偏波反射因子のボリューム平均(μ(Z
h))を、下記の[式1]に適用して一次降雨強度を推定する。
【0051】
前記[式1]において、a及びbは、24GHz周波数において有する変数であって、例えば、45度高度角の24GHzにおいて、a=0.01、b=0.78であってもよい。R(μ(Z
h))は、水平偏波反射因子のボリューム平均(μ(Z
h))により推定された一次降雨強度である。
【0052】
降雨強度推定装置は、S340段階において算出された一次降雨強度(R(μ(Z
h)))と、S330段階において算出された比偏波間位相差のボリューム平均(μ(K
dp))が、それぞれに対して設定された第1及び第2の閾値(TH1、TH2、例えば、TH1=10、TH1=1)であって、前もって設定された基準値)よりも大きければ(S350−yes)、降雨強度が強く(すなわち、いま降っている雨の量が基準よりも多く)、S310段階で入力され、S320段階及びS330段階で算出された資料品質が、一定水準以上の高い信頼度を有すると判断することができる。したがって、降雨強度推定装置は、比偏波間位相差のボリューム平均(μ(K
dp))から下記の[式2]を用いて最終降雨強度を推定するようになる(S360)。
【0054】
前記[式2]において、cは、24GHz周波数において有する変数であって、例えば、45度高度角において、c=21.4であってもよい。前記[式1]及び[式2]において、24GHz周波数は、商用周波数の一つであって、このときの変数a、b、cは、散乱シミュレーション(Scattering Simulation)により求めた理論的な値である。したがって、他の周波数でも、24GHzであるときに適用したものと同一の方法により、理論的な値を求めることができる。R(μ(K
dp))は、比偏波間位相差のボリューム平均(μ(K
dp))により推定される最終降雨強度である。
【0055】
ここで、μ(K
dp)>1は、直接的にはK
dpの品質を言い、間接的には中間降雨強度程度において示される値を意味する。
【0056】
これに対して、S350段階において、推定された一次降雨強度(R(μ(Z
h)))及び算出された水平偏波反射因子のボリューム平均(μ(Z
h))のうち少なくとも一つが、各閾値(TH1、TH2)以下であれば(S350−no)、降雨強度推定装置は、S340段階において推定される一次降雨強度を最終降雨強度として推定する(S370)。
【0057】
図4は、本発明の実施形態に係る強雨強度推定装置600が適用される超短距離二重偏波レーダを示す例示図である。
【0058】
図4を参照すると、超短距離二重偏波レーダは、アンテナ400、駆動部500、及び降雨強度推定装置600を備える。
【0059】
アンテナ400は、多重高度角で電磁波を発射し、その電磁波が対象物体から反射して帰ってくる反響波を受信する。
【0060】
駆動部500は、アンテナが多重高度角で電磁波を発射するように、アンテナ400を含むレーダを駆動する。
【0061】
降雨強度推定装置600は、アンテナ400が受信した信号からスキャン観測資料を生成し、スキャン観測資料のうち、反射因子(Z
h)と比偏波間位相差(K
dp)を用いてボリューム(体積)単位の降雨推定を行う。
【0062】
降雨強度推定装置600は、
図1乃至
図4を参照して説明した降雨強度推定方法を行うための装置であって、降雨推定アルゴリズムを用いて降雨推定を行うプロセッサと、降雨推定アルゴリズムを保存するメモリと、を備えるコンピュータ装置であってもよい。
【0063】
図5は、
図4において用いられる本発明の実施形態に係る超短距離二重偏波レーダの多重高度観測資料を用いた降雨強度推定装置600を示すブロック図である。
【0064】
図5を参照すると、降雨強度推定装置600は、通信インターフェース部610、メモリ620、及びプロセッサ630を有する。
【0065】
通信インターフェース部610は、アンテナ400から受信信号(すなわち、反射波)を受信する通信回路を有する。
【0066】
メモリ620は、揮発性メモリ及び/または不揮発性メモリを有してもよい。メモリ620には、例えば、降雨強度推定装置600が提供する動作、機能などを実現及び/または提供するために、構成要素610〜630と関連した命令またはデータ、1つ以上のプログラム及び/またはソフトウェア、運用体制などが保存されてもよい。
【0067】
メモリ620に保存されるスキャン観測資料を用いて、超短距離において降雨強度を推定するように命令語を含む降雨強度推定プログラムを含んでもよい。
【0068】
プロセッサ630は、降雨強度推定装置600に保存された1つ以上のプログラムを実行し、降雨強度推定装置600の全般的な動作を制御する。例えば、プロセッサ630は、メモリ620に保存された降雨強度推定プログラムを実行して降雨強度を推定する。
【0069】
このため、降雨強度推定プログラムの実行により、プロセッサ630は、スキャン観測資料生成部632、スキャン観測資料入力部634、ボリューム平均算出部636、及び降雨強度推定部638を有する。
【0070】
スキャン観測資料生成部632は、アンテナ400が受信した反射波からスキャン観測資料を生成し、生成されるスキャン観測資料をスキャン観測資料入力部634に伝達する。スキャン観測資料は、30度、45度、及び60度の高度角で測定された反射因子と比偏波間位相差、すなわち、Z
h(30)、Z
h(45)、Z
h(60)、K
dp(30)、K
dp(45)、及びK
dp(60)を含んでもよい。
【0071】
スキャン観測資料入力部634は、超短距離二重偏波レーダの多重高度観測資料のうち、スキャン観測資料、すなわち、Z
h(30)、Z
h(45)、Z
h(60)、K
dp(30)、K
dp(45)、及びK
dp(60)を入力される。スキャン観測資料は、スキャン観測資料入力部634で算出されてもよい。
【0072】
ボリューム平均算出部636は、入力された反射因子のZ
h(30)、Z
h(45)、及びZ
h(60)の平均値または中間値を、水平偏波反射因子のボリューム平均(μ(Z
h))として算出する。
【0073】
また、ボリューム平均算出部636は、入力された比偏波間位相差のK
dp(30)、K
dp(45)、及びK
dp(60)の平均値または中間値を、比偏波間位相差のボリューム平均(μ(K
dp))として算出する。
【0074】
降雨強度推定部638は、算出された水平偏波反射因子のボリューム平均(μ(Z
h))及び比偏波間位相差のボリューム平均(μ(K
dp))のうち少なくとも一つを用いて降雨強度を推定する。
【0075】
詳述すると、降雨強度推定部638は、反射因子と降雨強度の関係式である前記[式1]を用いて一次降雨強度(R(μ(Z
h)))を推定する。すなわち、降雨強度推定部638は、水平偏波反射因子のボリューム平均(μ(Z
h))を前記[式1]に適用して一次降雨強度を推定する。
【0076】
降雨強度推定部638は、推定された一次降雨強度と算出された比偏波間位相差のボリューム平均(μ(K
dp))が、それぞれに対して設定された第1及び第2の閾値(TH1、TH2、例えば、TH1=10、TH1=1)よりも大きければ、降雨強度が強く、スキャン観測資料のような資料品質が前もって定められた一定水準以上の高い信頼度を有すると判断することができる。
【0077】
したがって、降雨強度推定部638は、比偏波間位相差のボリューム平均(μ(K
dp))から前記[式2]を用いて最終降雨強度を推定するようになる。
【0078】
これに対して、降雨強度推定部638は、推定された一次降雨強度と算出された比偏波間位相差のボリューム平均(μ(K
dp))のうち少なくとも一つが、それぞれに対して設定された閾値(TH1、TH2)以下であれば、前記[式1]を用いて推定された一次降雨強度を最終降雨強度として推定する。
【0079】
一方、本発明に係る超短距離二重偏波レーダの多重高度観測資料を用いた降雨強度推定方法は、これを実現するための命令語のプログラムが類型的に実現されることにより、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に含まれて提供されてもよいことは、通常の技術者が容易に理解することができる。
【0080】
すなわち、本発明に係る超短距離二重偏波レーダの多重高度観測資料を用いた降雨強度推定方法は、多様なコンピュータ手段により行われるプログラム命令の形態で実現され、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、前記コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独または組み合わせて含む。前記コンピュータで読み取り可能な記録媒体の例には、ハードディスクなどの磁気媒体(magnetic media)、CD−ROM、DVDのような光記録媒体(optical recording media)、及びROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、USBメモリなどのプログラム命令を保存して行えるように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。
【0081】
したがって、本発明は、超短距離二重偏波レーダの多重高度観測資料を用いた降雨強度推定方法を実現するために、前記降雨強度推定装置を制御するコンピュータ上で行われるコンピュータで読み取り可能な記録媒体に保存されたプログラムを一緒に提供する。