【文献】
J. Agric. Food Chem.,2015年,Vol.63,p.1756-1762
【文献】
J. Agric. Food Chem.,2002年,Vol.50, No.13,p.3708-3712
【文献】
Bull. Korean Chem. Soc.,2011年,Vol.32, No.11,p.4049-4054
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記甘味料は、ステビオールグリコシド、ステビア・レバウディアナ抽出物、羅漢果、羅漢果の果汁濃縮物、羅漢果の粉末、モグロサイドV、ソウマチン、モネリン、ブラゼイン、モナチン、エリスリトール、タガトース、スクロース、スクロース液、フルクトース、フルクトース液、グルコース、グルコース液、異性化糖、転化糖、中転化糖、メープルシロップ、メープルシュガー、蜂蜜、チコリシロップ、アガベシロップ、黒糖糖蜜、甘蔗糖蜜、甜菜糖蜜、ソルガムシロップ、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、キシリトール、グリチルリチン、マリトール、マルトース、ラクトース、キシロース、アラビノース、イソマルト、ラクチトール、トレハルロース、リボース、フラクトオリゴ糖、アスパルテーム、ネオテーム、アリテーム、サッカリンナトリウム、サッカリンカルシウム、アセスルファムカリウム、シクラミン酸ナトリウム、シクラミン酸カルシウム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、スクラロース、ポリデキストロース及びこれらの任意の混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の甘味料組成物。
前記甘味料は、レバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、レバウディオサイドM、イソ−ステビオールグリコシド、モグロサイド、トリロバチン及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される天然の非栄養甘味料である、請求項3に記載の甘味料組成物。
前記甘味増強剤は、D−プシコース、エリスリトール、ルブソシド、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、トリロバチン、フィロズルチン、ブラゼイン、モグロサイド及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項6に記載の甘味料組成物。
前記飲料は、炭酸飲料、非炭酸飲料、ファウンテン飲料、冷凍炭酸飲料、果汁、果汁風味飲料、果実風味飲料、スポーツ飲料、エネルギー飲料、強化/増強水飲料、大豆飲料、野菜飲料、穀物系飲料、麦芽飲料、発酵飲料、ヨーグルト飲料、ケフィア、コーヒー飲料、茶飲料、乳製品飲料及びこれらの任意の混合物からなる群から選択される、請求項10に記載のレディ・トゥ・ドリンク飲料。
【発明を実施するための形態】
【0014】
定義
本明細書に開示される発明の主題において、様々な実施例及び実施形態が可能であり、本開示の利益が得られることが当業者に明らかであろう。本開示では、「一部の実施形態」、「特定の実施形態」、「特定の例示的な実施形態」及び同様の語句それぞれへの言及は、それらの実施形態が、発明の主題の非限定的な例示であり、除外されない代替的な実施形態が存在することを意味する。
【0015】
別途記載のない限り、又は明細書中で記載される内容から明らかではない限り、開示される任意の実施形態における代替及び任意の要素又は特徴部は、互いに互換可能である。つまりは、1つの実施形態又は実施例で記載される要素は、別に記載された実施例又は実施形態における、対応はするが異なる1つ以上の要素と互換可能であるか又は置換可能であり、同様に、1つの実施形態又は実施例の任意の特徴部は、他の実施形態及び実施例に使用され得ることが理解されるべきである。より一般的には、開示される任意の実施例又は実施形態の要素及び特徴部は、一般的には、他の態様及び他の実施例及び実施形態と共に使用することが開示されることを理解すべきである。1つ以上の特定の機能、課題、及び/又は操作などを実行するように動作するか、又は実行するように構成された構成要素又は成分への言及は、少なくとも特定の実施形態において、かかる機能、課題、及び/又は運転を実行することが可能であり、1つ以上の他の機能、課題、及び/又は操作も実行することが可能であり得ることを意味することを意図している。
【0016】
冠詞「a」、「an」、及び「the」は、1つ又は1つを超える(すなわち、少なくとも1つの)、冠詞の文法的な目的語を指すために本明細書において使用される。例として、「an element(要素)」は、1つの要素又は1つを超える要素を意味する。
【0017】
用語「〜を含む」は、そのオープンエンドな意味に従って使用され、つまりは、得られる製品又はプロセスは、付加的な特徴部又は要素を任意で有し得ることを意味する。実施形態が「含む(comprising)」の語を用いて記載される場合は常に、「からなる(consisting of)」及び/又は「から本質的になる(consisting essentially of)」に関して記載される他の類似する実施形態も提供されると理解される。
【0018】
本明細書で使用されるとき、用語「約」は、記された値の±10%を意味する。単なる例として、約30重量%の化合物を含む組成物は、27重量%の化合物〜33重量%の化合物を含み得る。
【0019】
用語「飲料濃縮物」、「濃縮物」、及び「シロップ」は、本開示中、互換可能に使用され、飲料調製に使用するのに好適な水性甘味料組成物を指す。例示的な実施形態は、本開示中の他所に記載されている。
【0020】
本明細書中で使用されるとき、用語「ブリックス」とは、水性溶液の糖含量(w/w)を意味する。ほんの一例として、ブリックス1度の溶液は、100gの溶液中1gのスクロースを含有し、ブリックス5度の溶液は、100g溶液中5gのスクロースを含有する。
【0021】
本明細書で使用されるとき、「食用の消耗品」とは、人間又は動物が消費するのに好適な食物、飲料、又は食物若しくは飲料の成分を意味する。
【0022】
本明細書で一般的に使用されるとき、用語「甘味知覚閾値濃度」は、所定の甘味料又は甘味料の組み合わせのヒトの味覚が認識する最低の既知濃度であって、典型的には約1.5%スクロース当量である。
【0023】
本明細書で使用されるとき、「味」は、甘味の知覚、甘味の知覚の時間的な効果、すなわち、開始及び持続時間、異味、例えば、苦味及び金属味、残留知覚(後味)並びに触覚知覚、例えば、コク及び厚みの組み合わせを指す。
【0024】
用語「栄養甘味料」は、大略的には、例えば、1人分の飲料8oz当たり約5カロリー超の、典型的な使用量で多大なカロリー含有量を提供する甘味料を指す。
【0025】
本明細書で使用されるとき、「非栄養甘味料」は、栄養甘味料以外のすべての甘味料を指す。
【0026】
本明細書で使用されるとき、「完全カロリー」飲料の配合物は、栄養甘味料を用いて完全に甘味付けされたものである。
【0027】
本明細書で使用されるとき、「低カロリー飲料」は、1人分の飲料8oz当たり40カロリー未満を有する。
【0028】
本明細書で使用されるとき、「ゼロカロリー」は、1人分の飲料8oz当たり5カロリー未満を有することを意味する。
【0029】
本明細書で使用されるとき、「強力甘味料」は、砂糖の少なくとも2倍の甘さである甘味料、すなわち、同等の甘味を得るには重量基準で砂糖の重量の半分以下を必要とする甘味料を意味する。例えば、強力甘味料は、砂糖でブリックス10度のレベルに甘味付けされた飲料中の同等の甘味を得るために砂糖の重量の2分の1未満を必要とする場合がある。強力甘味料は、栄養甘味料(例えば、羅漢果汁濃縮物)と非栄養甘味料(例えば、典型的には羅漢果粉末)の両方を含む。加えて、強力甘味料は、天然強力甘味料(例えば、ステビオールグリコシド、羅漢果など)と人工強力甘味料(例えば、ネオテームなど)の両方を含む。
【0030】
本開示で使用されるとき、別途記載のない限り、用語「付加される」、「組み合わせられる」、及び同様の性質の用語は、複数の成分又は構成要素(例えば、1つ以上の甘味料、甘味増強剤など)が、任意の方法、任意の順番、又は攪拌を伴うか又は伴わずに、組み合わせられることを意味する。
GSA類似体を含む甘味料組成物
【0031】
様々な実施形態において、本開示は、甘味料の甘味プロファイルを調節して、例えば、全体的な甘味を増加させ、甘味開始時間を短縮し、苦味、金属味及びリコリス味を気付きにくくさせ、かつ/又は、甘味料の甘味(例えば、丸み)を改善することができる化合物を含む、甘味料組成物を提供する。一部の実施形態において、化合物は、グルコシリンガ酸(GSA)又はその類似体である。
【0032】
一部の実施形態において、化合物は、式I:
【化2】
[式中、
R
1は、H、Me又はEtであり、
R
2は、グルコピラノシド、グルクロノピラノシド、ラムノピラノシド、ガラクトピラノシド、デオキシグルコピラノシド及びマンノピラノシドからなる群から選択されるピラノシド残基であり、
R
3及びR
4は、それぞれ独立して、H又はMeOである]による構造を有する。
【0033】
一部の実施形態において、式Iの化合物は、塩、例えば、ナトリウム塩のようなアルカリ塩の形態である。
【0034】
一部の実施形態において、R
1は、Hである。一部の実施形態において、R
1は、Meである。一部の実施形態において、R
1は、Etである。
【0035】
典型的には、R
2は、β−ピラノシド残基である。一方、一部の実施形態において、R
2は、α−ピラノシド残基であることもできる。
【0036】
典型的には、R
2は、D−ピラノシド残基である、すなわち、ピラノースは、D配置にある。一方、一部の実施形態において、R
2は、L−ピラノシド残基であることもできる、すなわち、ピラノースは、L配置にある。
【0037】
例えば、一部の実施形態において、R
2は、β−D−グルコピラノシド又はβ−D−グルクロノピラノシドの残基であってもよい。一部の実施形態において、R
2は、以下:
【化3】
の構造を有し得る。
【0038】
一部の特定の実施形態において、R
2は、
【化4】
である。
【0039】
一部の実施形態において、R
3及びR
4は両方とも、Hである。一部の実施形態において、R
3及びR
4は両方とも、MeOである。一部の実施形態において、R
3及びR
4のうちの一方が、Hであり、R
3及びR
4のうちの他方が、MeOである。
【0040】
一部の実施形態において、式Iの化合物は、以下:
【化5】
又はこれらの塩からなる群から選択される。
【0041】
本明細書に記載された実施形態のうちの任意では、化合物は、例えば、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%又は少なくとも99重量%の純度を有する、実質的に精製された化合物であり得る。一部の実施形態において、化合物は、例えば、実施例セクションに記載された方法を使用するHPLC測定により、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも99%の純度を有する、実質的に精製された化合物であり得る。一部の実施形態において、化合物は、約80重量%、約85重量%、約90重量%、約95重量%、約99重量%又は特定された値の間の任意の範囲の純度を有する、実質的に精製された化合物であり得る。一部の実施形態において、化合物は、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%又は特定された値の間の任意の範囲の、HPLC測定による純度を有する、実質的に精製された化合物であり得る。
【0042】
一部の実施形態において、式Iの化合物は、約80% ee以上、例えば、約80% ee、約85% ee、約90% ee、約91% ee、約92% ee、約93% ee、約94% ee、約95% ee、約96% ee、約97% ee、約98% ee、約99% ee、約99.5% ee以上の鏡像異性体純度を有する。典型的には、式Iの化合物は、約95% ee以上の鏡像異性体純度を有する。
【0043】
一部の実施形態において、式Iの化合物は、β−グルコシドであり、α−グルコシド異性体を実質的に含まず、例えば、α−グルコシドは、10重量%未満(例えば、8重量%未満、6重量%未満、4重量%未満、2重量%未満又は1重量%未満)である。
【0044】
本明細書に記載された式Iの化合物(例えば、GSA)は、様々な甘味料との組み合わせで使用され得る。理論に制限されるものではないが、式Iの化合物は、甘味受容体を、受容体の陽性アロステリック調節により増強し得ると考えられる。例えば、実施例セクションで検討されたように、純粋な形態のGSAは、ヒトのテイスティングにより試験され、栄養甘味料(例えば、異性化糖(HFCS))により甘味を付与された飲料の全体的な甘味を向上させ、レバウディオサイドAのような強力甘味料についての甘味開始時間を短縮し、強力甘味料(例えば、リン酸バッファー中の300ppmレバウディオシドA溶液)の苦味、金属味及びリコリス味を気付きにくくさせ、甘味を付与された飲料の甘味を改善するのに有効であることが見出された。
【0045】
様々な実施形態において、本開示は、式Iの化合物と、甘味料と、を含む、甘味料組成物を提供する。好適な式Iの化合物及び甘味料は、本明細書に記載されたもののいずれかを含む。
【0046】
様々な量の式Iの化合物(例えば、GSA)が甘味料組成物に添加されて、甘味料の甘味プロファイルを調節することができる。甘味料の甘味プロファイルを調節するのに有効な任意の量が、甘味料組成物に含まれてもよい。例えば、一部の実施形態において、式Iの化合物の量は、甘味料組成物中に、甘味開始時間を短縮し、金属味及びリコリス味を気付きにくくさせ、かつ/又は、甘味料の甘味(例えば、丸み)を改善するのに十分な量を含んでもよい。特定の実施形態では、甘味料組成物中における式Iの化合物(例えば、GSA)の濃度は、約30ppm〜約300ppmの範囲(例えば、約30ppm、約50ppm、約100ppm、約150ppm、約200ppm、約250ppm、約300ppm又は列記された値の間の任意の範囲)であり得る。他の実施形態では、式Iの化合物の濃度は、少なくとも30ppm(例えば、少なくとも50ppm、少なくとも100ppm、少なくとも150ppm、少なくとも200ppm、少なくとも250ppm又は少なくとも300ppm)であり得る。
【0047】
甘味料に対する式Iの化合物(例えば、GSA)の様々な割合が、本明細書に記載された甘味料組成物に適している。例えば、一部の実施形態において、甘味料は、栄養甘味料であり、式Iの化合物の、甘味料に対する重量比は、約1:400〜約1:20の範囲であることができ、特定の実施形態では、約1:250〜約1:50の範囲であることができる。特定の実施形態では、甘味料は、非栄養甘味料であり、式Iの化合物の、非栄養甘味料に対する重量比は、約3:1〜約1:3の範囲であることができ、特定の実施形態では、約1.2:1〜1:1.2の範囲であることができる。
甘味料
【0048】
本明細書に開示された甘味料組成物に含まれる甘味料は、食用消耗品である。甘味料は、栄養性又は非栄養性の、天然又は合成甘味料、又はかかる甘味料の組み合わせであり得る、ただし、甘味料又は甘味料の組み合わせは、味覚によって甘さを知覚する味を提供する。風味料及び甘味剤の知覚は、ある程度要素の相互関係によって決定し得る。また、風味及び甘味は、別々に知覚され得る、即ち、風味及び甘味の知覚は、互いに依存していても、互いから独立していてもよい。例えば、多量の風味料が使用される際、少量の甘味剤は、容易に知覚することができ、逆もまた同様である。したがって、風味料と甘味剤との間の口腔及び嗅覚の相互作用は、要素の相互関係に関与し得る。
【0049】
甘味付けに使用される際、甘味料組成物中の甘味料又は甘味料の組み合わせは、甘味料の甘味認識閾値濃度を超える量で存在する。
【0050】
特定の実施形態では、1つ以上の栄養甘味料が、甘味料組成物中に、甘味組成物における所望レベルの甘味に応じて、甘味料組成物の約1重量%〜約20重量%、例えば、約3重量%〜約16重量%又は約5重量%〜約12重量%の量で存在し得る。
【0051】
特定の実施形態では、非栄養甘味料が、甘味料組成物中に、使用される特定の非栄養甘味料及び甘味組成物における所望レベルの甘味に応じて、約1ppm〜約600ppmの範囲(例えば、約1ppm、約10ppm、約50ppm、約100ppm、約200ppm、約300ppm、約400ppm、約500ppm、約600ppm又は列記された値の間の任意の範囲)で存在し得る。
【0052】
本明細書における甘味料組成物に使用するのに好適な例示的な天然の栄養甘味料としては、リンゴ、チコリ及び蜂蜜のような天然源からの結晶性又は液体のスクロース、フルクトース、グルコース、デキストロース、マルトース、トレハロース、フラクトオリゴ糖、グルコース−フルクトースシロップ;高フルクトースコーンシロップ、転化糖、メープルシロップ、メープルシュガー、ハチミツ、黒砂糖糖蜜、甘蔗糖蜜(1番糖蜜、2番糖蜜、廃糖蜜など)、及びシュガービート糖蜜;サトウモロコシシロップ、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0053】
本明細書における甘味料組成物に使用するのに適した他の甘味料としては、エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、ラクチトール、イソマルト、マリトール、タガトース、トレハロース、ガラクトース、ラムノース、シクロデキストリン、リブロース、トレオース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、マンノース、イドース、ラクトース、マルトース、イソトレハロース、ネオトレハロース、パラチノース又はイソマルツロースのような糖アルコール、エリスロース、デオキシリボース、グロース、タロース、エリスルロース、キシルロース、プシコース、ツラノース、セロビオース、グルコサミン、マンノサミン、フコース、フクロース、グルクロン酸、グルコン酸、グルコノラクトン、アベクオース、ガラクトサミン、キシロオリゴ糖(キシロトリオース、キシロビオース等)、ゲンチオオリゴ糖(ゲンチオビオース、ゲンチオトリオース、ゲンチオテトラオース等)、ガラクトオリゴ糖、ソルボース、ケトトリオース(デヒドロキシアセトン)、アルドトリオース(グリセルアルデヒド)、ニゲロオリゴ糖、フルクトオリゴ糖(ケストース、ニストース等)、マルトテトラオース、マルトトリオール、四糖類、マンナンオリゴ糖、マルトオリゴ糖(マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース等)、デキストリン、ラクツロース、メリビオース、ラフィノース、ラムノース、リボース及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
本明細書における甘味料組成物に使用するのに適した他の甘味料としては、D−アロース、D−プシコース(D−アルロースとしても既知)、L−リボース、D−タガトース、L−グルコース、L−フコース、L−アラビノース、D−ツラノース、D−ロイクロースのような希少糖及びこれらの混合物が挙げられる。
【0055】
本明細書における甘味料組成物に使用するのに適した例示的な人工甘味料としては、サッカリン、シクラミン酸塩、アスパルテーム、ネオテーム、アドバンテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、これらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
本明細書における甘味料組成物に使用するのに適した例示的な天然の非栄養強力甘味料としては、ステビオールグリコシド(例えば、ステビオシド、ステビオールビオサイド、レバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、レバウディオサイドE、レバウディオサイドF、レバウディオサイドH、レバウディオサイドI、レバウディオサイドN、レバウディオサイドK、レバウディオサイドJ、レバウディオサイドO、レバウディオサイドM、ズルコサイドA、ルブソサイド、イソ−レバウディオサイドAのようなイソ−ステビオールグリコシド及びこれらの混合物)、羅漢果の粉末、ネオヘスペリジン、ジヒドロカルコン、トリロバチン、グリチルリチン、フィロズルチン、ヘルナンズルチン、オスラジン、ポリポドサイドA、バイユノサイド、プテロカリオサイド、タウマチン、モネリン、モナチン、マビンリンI及びII並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0057】
他の実施形態では、羅漢果の果汁濃縮物が、本明細書における甘味料組成物中に、栄養甘味料として使用され得る。
【0058】
一部の実施形態において、甘味料は、ステビオールグリコシド、ステビア・レバウディアナ抽出物、羅漢果、羅漢果の果汁濃縮物、羅漢果の粉末、モグロサイドV、ソウマチン、モネリン、ブラゼイン、モナチン、エリスリトール、タガトース、スクロース、スクロース液、フルクトース、フルクトース液、グルコース、グルコース液、高フルクトースコーンシロップ、転化糖、中転化糖、メープルシロップ、メープルシュガー、蜂蜜、チコリシロップ、アガベシロップ、黒糖糖蜜、甘蔗糖蜜、甜菜糖蜜、ソルガムシロップ、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、キシリトール、グリチルリチン、マリトール、マルトース、ラクトース、キシロース、アラビノース、イソマルト、ラクチトール、トレハルロース、リボース、フラクトオリゴ糖、アスパルテーム、ネオテーム、アリテーム、サッカリンナトリウム、サッカリンカルシウム、アセスルファムカリウム、シクラミン酸ナトリウム、シクラミン酸カルシウム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、スクラロース、ポリデキストロース及びこれらの任意の混合物からなる群から選択される。
【0059】
一部の実施形態において、甘味料は、非栄養甘味料である。一部の実施形態において、甘味料は、レバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、レバウディオサイドM、イソ−ステビオールグリコシド、モグロサイド、トリロバチン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される天然の非栄養甘味料である。一部の実施形態において、甘味料は、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ステビオールグリコシド又はこれらの任意の組み合わせである。
【0060】
本明細書における甘味料組成物に使用され得る他の好適な甘味料は、例えば、国際公開第2016/040577(A1)号に記載されているように、当該技術分野において既知である。特定の実施形態では、1つ以上の天然の栄養甘味料、1つ以上の人工甘味料、及び/又は1つ以上の天然の非栄養強力甘味料の組み合わせが使用され得る。
甘味増強剤
【0061】
特定の実施形態では、甘味料組成物は、甘味増強剤を更に含む。
【0062】
特定の実施形態では、甘味増強剤は、その甘味認識閾値濃度未満の濃度で存在し得る。例えば、かつ特定の実施形態では、甘味料組成物は、D−プシコース、エリスリトール又はこれらの組み合わせのそれぞれを、約2重量%以下で含有し得る。いくつかの実施形態では、D−プシコース及び/又はエリスリトールは、約0.5重量%〜約2.0重量%に及ぶ量で存在し得る。あるいは、D−プシコースは、約0.5〜約2.0重量%に及ぶ量で存在してよく、エリスリトールは、約0.5〜約1重量%に及ぶ量で存在してよい。
【0063】
好適な甘味増強剤は、当該技術分野において既知の甘味増強剤のうちの任意を含む。例示的な甘味増強剤としては、D−プシコース、エリスリトール、イソレバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、ルブソサイド、トリロバチン、フィロズルチン、ブラゼイン及び/又はモグロサイドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
一部の実施形態において、甘味増強剤は、希少糖甘味増強剤であり得る。例示的な希少糖としては、D−プシコース(D−アルロースとも呼ばれる)、D−アロース、L−リボース、D−タガトース、L−グルコース、L−フコース、L−アラビノース、D−ツラノース、D−ロイクロース、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0065】
一部の実施形態において、甘味増強剤は、非栄養性天然増強剤であり得る。好適な非栄養天然性増強剤には、ステビオールグリコシドが含まれる。好適なステビオールグリコシドとしては、限定はされないが、ステビオサイド、レバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、レバウディオサイドE、レバウディオサイドF、レバウディオサイドH、レバウディオサイドI、レバウディオサイドN、レバウディオサイドK、レバウディオサイドJ、レバウディオサイドO、レバウディオサイドM、ルブソサイド、ズルコサイドA、イソレバウディオサイドAなどのイソステビオールグリコシド、及びこれらの混合物が挙げられる。特定の実施形態では、甘味増強剤は、ルブソシド、レバウディオサイドC又はレバウディオサイドBであり得る。他の実施形態では、非栄養天然甘味増強剤は、モグロールグリコシドであり得る。好適なモグロールグリコシドとしては、限定はされないが、モグロサイドV、イソモグロサイド、モグロサイドIV、シアメノサイド、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0066】
一部の実施形態において、甘味増強剤は、糖アルコール甘味増強剤であり得る。好適な糖アルコールとしては、エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、ラクチトール、イソマルト、マリトール、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0067】
一部の実施形態において、甘味増強剤は、FEMA GRAS甘味増強剤であり得る。好適なFEMA GRAS増強剤としては、限定はされないが、FEMA GRAS増強剤4802、FEMA GRAS増強剤4469、FEMA GRAS風味料4701、FEMA GRAS増強剤4720(レバウディオサイドC)、FEMA GRAS風味料4774、FEMA GRAS増強剤4708、FEMA GRAS増強剤4728、FEMA GRAS増強剤4601(レバウディオサイドA)及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0068】
一部の実施形態において、甘味増強剤は、塩ベース(例えば、NaCl)又は安息香酸ベースの甘味増強剤である。
【0069】
他の好適な甘味増強剤は、その全体が参照により援用されている、国際公開第2016/040577(A1)号、米国特許出願公開第2014/0271996号、同第2014/0093630号、同第2014/0094453号及び同第2014/0272068号、更に、米国特許第8,877,922号に記載されているように、当該技術分野において既知である。
乾燥ブレンド/卓上組成物
【0070】
本明細書に記載された甘味料組成物は、様々な形態で提供され得る。特定の実施形態では、甘味料組成物は、式Iの化合物(例えば、GSA)と、栄養甘味料と、を含む、乾燥ブレンドであり得る。一部の実施形態において、乾燥ブレンドにおける式Iの化合物の、栄養甘味料に対する重量比は、約1:400〜約1:20であることができ、特定の実施形態では、約1:250〜約1:50であることができる。特定の実施形態では、式Iの化合物は、GSAである。他の好適な式Iの化合物及び好適な栄養甘味料が、本明細書に記載されている。
【0071】
特定の実施形態では、甘味料組成物はまた、式Iの化合物(例えば、GSA)と、非栄養甘味料と、を含む、乾燥ブレンドであってもよい。特定の実施形態では、乾燥ブレンドにおける式Iの化合物の、非栄養甘味料に対する重量比は、約3:1〜約1:3であることができ、特定の実施形態では、約1.2:1〜約1:1.2であることができる。特定の実施形態では、式Iの化合物は、GSAである。他の好適な式Iの化合物及び好適な非栄養甘味料が、本明細書に記載されている。
【0072】
乾燥ブレンド甘味料組成物はまた、本明細書で検討された1つ以上の甘味増強剤も含有し得る。甘味増強剤の添加により、組成物中の甘味料の量の量を減らすことができる。
【0073】
乾燥ブレンド甘味料組成物は、卓上甘味料として使用するなどのために、顆粒状又は粉末状組成物であり得る。あるいは、乾燥ブレンドは、ベーキング用又はトッピングとして食品に付加されるか、又は、粉末から飲料(例えば、チョコレートミルク)、又はインスタントクエーカーオーツを作るなどのために液体に付加され得る。
【0074】
乾燥ブレンド甘味料組成物は、結合剤又は充填剤、固化防止剤、及び/又は風味料を更に含み得る。好適な結合剤又は充填剤としては、限定はされないが、マルトデキストリン;デキストロース−マルトデキストレンブレンド、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な固化防止剤としては、限定はされないが、ケイ酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
水性甘味料組成物
【0075】
他の実施形態では、甘味料組成物は、水性配合物で提供されることができ、配合物は、水と、甘味料と、式Iの化合物と、を含む。特定の実施形態では、式Iの化合物は、GSAであり得る。特定の実施形態では、甘味料は栄養甘味料、非栄養甘味料、又はこれらの組み合わせである。他の好適な式Iの化合物及び甘味料が、本明細書に記載されている。特定の実施形態では、水性配合物は、本明細書に記載された甘味増強剤を更に含み得る。
【0076】
本明細書に記載された甘味料組成物は、乾燥ブレンド又は液体形態(例えば、水性形態)に関わらず、典型的には、甘味料(本開示全体を通して検討された甘味料が挙げられるが、これらに限定されない)を含む任意の食品又は飲料製品に利用され得る。一部の実施形態において、本明細書に記載された甘味料組成物はまた、調理、ベーキングにおける使用(すなわち、クッキー、ケーキ、パイ、ブラウニー、パン、グラノーラバー等に使用)、アイシングのような甘味トッピングの調製、ゼリー、ジャム、果物の砂糖漬け、インスタントクエーカーオーツ等に使用するのにも適している。同様に、アイスクリームなどの凍結乳製品、並びにホイップトッピングに使用するのにも好適である。特定の実施形態では、甘味料組成物は食物又は飲料中で溶解され得るが、他の実施形態では、甘味料組成物は、懸濁液又はエマルションとして食物又は飲料中に存在し得る。
飲料製品
【0077】
特定の実施形態では、甘味料組成物は、飲料製品において提供される。一部の実施形態において、飲料製品は、レディ・トゥ・ドリンク飲料又は飲料濃縮物である。一部の実施形態において、飲料製品は、低カロリー又はゼロカロリー飲料製品である。
レディ・トゥ・ドリンク飲料
【0078】
本開示の特定の実施形態は、水と、甘味料及び式Iの化合物を含む甘味料組成物と、任意選択的に、酸味料と、を含む、レディ・トゥ・ドリンク飲料に関する。一部の実施形態において、酸味料は、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、ギ酸、アスコルビン酸、フマル酸、グルコン酸、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0079】
特定の実施形態では、レディ・トゥ・ドリンク飲料中の式Iの化合物の濃度は、約30ppm〜約300ppmの範囲(例えば、約30ppm、約50ppm、約100ppm、約150ppm、約200ppm、約250ppm、約300ppm又は列記された値の間の任意の範囲)である。他の実施形態では、レディ・トゥ・ドリンク飲料中の式Iの化合物の濃度は、少なくとも30ppm(例えば、少なくとも50ppm、少なくとも100ppm、少なくとも150ppm、少なくとも200ppm、少なくとも250ppm又は少なくとも300ppm)であり得る。一部の実施形態において、式Iの化合物は、GSAである。他の好適な式Iの化合物が、本明細書に記載されている。
【0080】
特定の実施形態では、レディ・トゥ・ドリンク飲料は、1つ以上の栄養甘味料を含む。一部の実施形態において、1つ以上の栄養甘味料が、レディ・トゥ・ドリンク飲料中において、飲料中の所望のレベルの甘味に応じて、飲料組成物の約1重量%〜約20重量%、例えば、約3重量%〜約16重量%又は約5重量%〜約12重量%の量で存在し得る。
【0081】
特定の実施形態では、レディ・トゥ・ドリンク飲料は、非栄養甘味料を含む。一部の実施形態において、非栄養甘味料は、レディ・トゥ・ドリンク飲料中において、使用される特定の非栄養甘味料及び飲料における所望レベルの甘味に応じて、約1〜約600ppm(例えば、約1ppm、約10ppm、約50ppm、約100ppm、約200ppm、約300ppm、約400ppm、約500ppm、約600ppm又は列記された値の間の任意の範囲)で存在し得る。
【0082】
レディ・トゥ・ドリンク飲料は、1つ以上の甘味増強剤を更に含み得る。特定の実施形態では、甘味増強剤は、その甘味認識閾値濃度未満の濃度で存在し得る。例えば、かつ特定の実施形態では、レディ・トゥ・ドリンク飲料は、D−プシコース、エリスリトール又はこれらの組み合わせのそれぞれを、約2重量%以下で含有し得る。いくつかの実施形態では、D−プシコース及び/又はエリスリトールは、約0.5重量%〜約2.0重量%に及ぶ量で存在し得る。あるいは、D−プシコースは、約0.5〜約2.0重量%に及ぶ量で存在してよく、エリスリトールは、約0.5〜約1重量%に及ぶ量で存在してよい。
【0083】
特定の実施形態では、レディ・トゥ・ドリンク飲料は、1種以上の塩も含み得る。他の実施形態では、塩濃度は、少なくとも約100ppm〜約1000ppm、又は更なる実施形態では、約200ppm〜約800ppmに及び得る。特定の実施形態では、塩は塩化ナトリウムである。特定の実施形態では、飲料組成物は、完全又は本質的に塩を含み得ない。
【0084】
特定の実施形態では、レディ・トゥ・ドリンク飲料は、抗酸化剤、食品グレードの酸及び食品グレードの塩基のような他の成分を更に含み得る。また、香味剤、着色剤、保存剤、二酸化炭素、緩衝塩等のような他の飲料成分も存在し得る。
【0085】
特定の実施形態では、レディ・トゥ・ドリンク飲料は、炭酸及び非炭酸清涼飲料、ファウンテン飲料、凍結レディ・トゥ・ドリンク飲料、コーヒー、茶及び他の醸造飲料、乳製品飲料、フレーバーウォーター、強化水、果汁(希釈果汁及びレディ・トゥ・ドリンク濃縮果汁を含む)のようなジュース、果汁風味飲料、スポーツ飲料、スムージー、カフェイン入りエナジードリンクのような機能強化飲料並びにアルコール製品であり得る。特定の実施形態では、飲料組成物は、コーラ飲料であり得る。
【0086】
本開示に従った飲料及び他の飲料製品は、多数の異なる特定の配合又は組成のいずれかを有し得ることが理解されるべきである。本開示に従った飲料製品の配合は、製品の意図とする市場区分、所望の栄養特性、風味プロファイルなどの要因に応じて変更することができる。例えば、特定の飲料実施形態の配合物に、更なる成分を付加し得る。更なる成分としては、限定はされないが、既に存在する任意の甘味料に加えて1つ以上の付加的な甘味料、風味料、電解質、ビタミン類、果汁又は他の果実製品、味物質、マスキング剤、風味増強剤、炭酸、又は前述の任意の組み合わせが挙げられる。これらは、飲料組成物の味、口当たり、及び/又は栄養特性を変化させるために、任意の飲料組成物に付加され得る。
【0087】
特定の実施形態では、本開示に係るレディ・トゥ・ドリンク飲料は、水、と、甘味料と、式Iの化合物と、酸味料と、風味料と、を含み得る。例示的で好適な酸味料としては、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、ギ酸、アスコルビン酸、フマル酸、グルコン酸、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な風味料としては、コーラ風味料、シトラス風味料、スパイス風味料、茶風味料、コーヒー風味料、果汁風味料及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。二酸化炭素の形態での炭酸は、発泡のために付加され得る。一部の実施形態において、水は、炭酸水である。特定の実施形態では、保存剤は、所望であるか又は必要である場合、他の成分の存在、製造技術、所望の貯蔵寿命等を含む要因に応じて添加され得る。特定の実施形態では、カフェインが、飲料に添加されてもよい。特定の実施形態では、飲料は、実質的にカフェインを含まない(例えば、1重量%未満、0.1重量%未満、0.01重量%未満、0.001重量%未満又は0.0001重量%未満)。特定の実施形態では、飲料は、カフェインを含まない。一部の実施形態において、レディ・トゥ・ドリンク飲料は、低カロリー又はゼロカロリー飲料である。特定の実施形態では、式Iの化合物は、GSAである。他の好適な化合物が、本明細書に記載されている。
【0088】
本明細書に開示される飲料の特定の例示的な実施形態は、コーラ風味の炭酸飲料であり、特徴として、本明細書に開示される飲料組成物中に含まれる成分に加え、炭酸水、甘味料、コーラナッツ抽出物及び/又は他の風味料、カラメル、リン酸、並びに任意で他の成分を含有する。付加的及び代替的な好適な成分は、本開示の恩恵を受ける当業者により認識されるであろう。
飲料濃縮物
【0089】
飲料は、典型的には大きなバッチ中で調製されない。代わりに、シロップ(あるいは、飲料濃縮物又は濃縮物とも呼ばれる)、水、及び任意で二酸化炭素は使用時に組み合わされるか、飲料のボトリング時又は分配時に組み合わされる。シロップは、典型的には所定の飲料に含まれる多くの可溶性成分の濃縮溶液である。
【0090】
このため、特定の実施形態では、本明細書に記載された甘味料組成物は、飲料濃縮物において提供されてもよい。想到される飲料濃縮物の少なくとも特定の例示的実施形態は、甘味料及び式Iの化合物が添加される、最初の体積の水で調製され得る。特定の実施形態では、レディ・トゥ・ドリンク飲料組成物は、更なる体積の水を濃縮物に添加することにより、飲料濃縮物から形成され得る。特定の実施形態では、レディ・トゥ・ドリンク飲料は、約1部の濃縮物を約3〜約7部の水と組み合わせることにより、濃縮物から調製され得る。特定の実施形態では、レディ・トゥ・ドリンク飲料は、1部の濃縮物を5部の水と組み合わせることにより調製され得る。特定の例示的実施形態では、レディ・トゥ・ドリンク飲料を形成するために濃縮物に添加される水は、炭酸水であってもよい。
【0091】
飲料濃縮物中に存在する式Iの化合物、甘味料及び他の成分の量は、典型的には、本明細書で検討されたレディ・トゥ・ドリンク飲料に存在する各量の約3倍〜約7倍である。例えば、特定の実施形態では、飲料濃縮物中の式Iの化合物の濃度は、約90ppm〜約2100ppmの範囲(例えば、約90ppm、約200ppm、約400ppm、約600ppm、約800ppm、約1000ppm、約1200ppm、約1400ppm、約1600ppm、約1800ppm、約2000ppm、約2100ppm又は列記された値の間の任意の範囲)であり得る。特定の実施形態では、式Iの化合物の濃度は、少なくとも90ppm(例えば、少なくとも200ppm、少なくとも400ppm、少なくとも600ppm、少なくとも800ppm、少なくとも1000ppm、少なくとも1200ppm、少なくとも1400ppm、少なくとも1600ppm、少なくとも1800ppm、少なくとも2000ppm又は少なくとも2100ppm)であり得る。
【0092】
同様に、特定の実施形態では、飲料濃縮物は、レディ・トゥ・ドリンク飲料についての所望のレベルの甘味に応じて、栄養甘味料を、飲料濃縮物の約6重量%〜約71重量%、例えば、約18重量%〜約62重量%又は約30重量%〜約45重量%の量で含み得る。
【0093】
特定の実施形態では、飲料濃縮物は、使用される特定の非栄養甘味料及びレディ・トゥ・ドリンク飲料についての所望レベルの甘味に応じて、非栄養甘味料を、約6ppm〜約3600ppmで含み得る。
【0094】
特定の実施形態では、シロップは、甘味増強剤の濃度がレディ・トゥ・ドリンク飲料において、その甘味認識閾値濃度未満となるような量で甘味増強剤を更に含み得る。
【0095】
例えば、特定の実施形態では、シロップは、約18重量%以下のD−プシコース、エリスリトール、又はこれらの組み合わせを含有し得る。他の実施形態では、D−プシコース又はエリスリトールは、約3〜約9重量%の量で存在し得る。あるいは、D−プシコースは、約3〜約9重量%に及ぶ量で存在してよく、エリスリトールは、約3〜約6重量%に及ぶ量で存在してよい。
【0096】
特定の実施形態では、1つ以上の塩は、シロップ中に含まれ得る。特定の実施形態では、シロップ中の塩濃度は、約600ppm〜約6000ppmであり、特定の実施形態では、約1200ppm〜約2400ppmの範囲である。特定の実施形態では、シロップは、完全又は本質的に塩を含み得ない。
水
【0097】
水は、本明細書に記載された水性組成物(例えば、飲料製品)における基本成分であり、典型的には、残りの成分が溶解、乳化、懸濁若しくは分散される溶媒又は主要な液体部分である。精製水を、本明細書に開示される飲料の特定の実施形態の製造に使用することができ、飲料の味、におい、又は外観に悪影響を及ぼさないために、標準的飲料品質の水を使用することができる。水は、典型的には透明で無色の、好ましくないミネラル、味、及びにおいのない、有機物質のない、アルカリ性の低い、飲料を生産する際に適用される産業及び政府の基準に基づいて許容できる微生物学的品質のものである。
【0098】
特定の実施形態では、水は、本明細書に開示される水性組成物中に、約20重量%〜約99.9重量%のレベルで存在し得る。特定の実施形態では、水の量は、飲料の約80重量%〜約99.9重量%に及び得る。少なくとも特定の例示的実施形態では、本明細書に開示される飲料及び濃縮物で使用される水は、「処理水」であり、これは米国特許第7,052,725号(その内容は、参照として本明細書に組み込まれる)に開示されるようなカルシウムによる任意の栄養補助に先立ち、水の総溶解固形分を低減するために処理された水を指す。
【0099】
処理水を生成する方法は、当業者に既知であり、イオン交換、蒸留、ろ過、及び逆浸透(「r−o」)などが挙げられる。用語「処理水」、「精製水」、「脱塩水」、「蒸留水」、及び「r−o水」は、本議論において概ね同義であると理解され、実質的に全ミネラル含量が除去された水を指し、典型的には約500ppm以下の総溶解固形分、例えば250ppmの総溶解固形分を含有する。
食品
【0100】
本明細書に記載された甘味料組成物はまた、食品において提供されてもよい。一部の実施形態において、本開示は、食品成分と、甘味料及び式Iの化合物(例えば、GSA)を含む甘味料組成物と、を含む、食品を提供する。一部の実施形態において、食品は、オートミール、シリアル、焼き物、クッキー、クラッカー、ケーキ、ブラウニー、パン、スナック食品、ポテトチップス、トルティーヤチップス、ポップコーン、スナックバー、餅及び穀物系食品からなる群から選択される。好適な甘味料及び式Iの化合物が、本明細書に記載されている。甘味料組成物中の他の好適な成分もまた、本明細書に記載されている。
天然の実施形態
【0101】
記載された組成物の特定の実施形態は、食物又は飲料中に存在すると通常想定されないであろう人工又は合成のもの(供給源に関わらず任意の着色料を含む)を何も含有しない、という点で「天然」であり得る。したがって、本明細書で使用されるとき、「天然」の食品又は飲料製品は、以下のガイドライン:自然に存在し又は自然に由来する天然成分に関する原材料に従って定義される。発酵及び酵素を伴う生物学的合成は使用され得るが、化学試薬による合成は利用されない。人工着色剤、保存剤、及び香味料は、天然成分とは考えられない。成分は、少なくとも、物理的な処理、発酵、及び酵素性分解を含む、ある特定の技術によって処理又は精製され得る。適切な処理及び精製技術としては、少なくとも、吸収、吸着、凝集、遠心分離、細切り、料理(焼く、揚げる、茹でる、焙炒する)、冷却、切断、クロマトグラフィー、コーティング、結晶化、分解、乾燥(噴霧、フリーズドライ、真空)、蒸発、蒸留、電気泳動、乳化、封入、抽出、押し出し、ろ過、発酵、粉砕、注入、浸軟、微生物学的(レンネット、酵素)、混合、剥離、浸出、冷蔵/冷凍、絞り、浸漬、水洗、加熱、混合、イオン交換、凍結乾燥、浸透、沈殿、塩析、昇華、超音波処理、濃縮、軟凝集、均質化、再結合、(自然界で発見された酵素を使用する)酵素性分解が挙げられる。加工助剤(食物又は飲料成分の魅力又は効用を増強する製造補助剤に使用されるのと同じ物質として現在定義され、清澄剤、触媒、凝集剤、ろ過助剤及び結晶化抑止剤等が挙げられる。21 CFR § 170.3(o)(24)を参照のこと)は、付随的な添加剤と見なされ、適切に除去される場合は使用されてもよい。
付加成分
【0102】
本明細書に開示された食品又は飲料製品は、付加成分、例えば、典型的に食品又は飲料製品に含まれる成分を含有し得る。
【0103】
特定の実施形態では、本明細書に開示された食品又は飲料製品は、風味料組成物、例えば、天然、天然同様及び/又は合成の果実風味料、植物性風味料、他の風味料及びこれらの混合物を含有し得る。本明細書で使用されるとき、用語「果実風味料」は、一般的には、甘い果実に種を伴うような植物、例えば、トマト、クランベリー等及び小さく、多肉質なベリーを有する植物を含む、種子植物の食用の生殖部分を由来とするものの風味料を指す。用語ベリーは、真のベリー並びに集合果、すなわち、「真の」ベリーではないが、一般的にそのように容認される果実を含む。また、用語「果実風味料」に含まれるのは、天然源を由来とする果実風味料に似せて作成された合成的に調製された風味料である。好適な果実又はベリーの原料の例としては、ベリー全体又はそれらの一部分、ベリー汁、ベリー汁濃縮物、ベリーピューレ及びこれらのブレンド、乾燥ベリー粉末、乾燥ベリー汁粉末などが挙げられる。
【0104】
例示的な果汁風味料としては、シトラス風味料(例えば、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ、タンジェリン、マンダリンオレンジ、タンジェロ、及びポメロ、林檎、ブドウ、チェリー、及びパインアップル風味料が挙げられる。特定の実施形態では、食品又は飲料製品は、果実風味成分、例えば、果汁濃縮物又は果汁を含む。本明細書で使用されるとき、用語「植物性風味料」は、果実以外の植物の部分を由来とする風味料を指す。このようなものとして、植物性風味料としては、精油及び木の実、樹皮、根、及び葉の抽出物を由来とする風味料が挙げられる。また、用語「植物性風味料」に含まれるのは、天然源由来の植物性風味料に似せて作成された合成的に調製された風味料である。かかる風味料の例としては、コーラ風味料、紅茶風味料、及びこれらの混合物が挙げられる。風味成分は、上述の風味料の様々なブレンドを更に含み得る。飲料製品の特定の例示的実施形態では、コーラ風味成分又茶風味成分が使用される。風味特性を本開示の食品又は飲料製品に付与するのに有用な風味成分の特定の量は、選択された(複数種の)風味料、所望の風味の印象及び風味成分の形態により決まることとなる。本開示の恩恵を受ければ、当業者は、所望の風味の印象を得るために使用される任意の特定の風味成分(複数可)の量を容易に決定することができるであろう。
【0105】
本明細書に開示された食品又は飲料製品の特定の例示的実施形態に使用するのに適した汁としては、例えば、果実、野菜及びベリーの汁が挙げられる。汁は、食品又は飲料製品に、濃縮物、ピューレ、還元果汁の形態又は他の好適な形態で利用されてもよい。本明細書で使用されるとき、用語「汁」は、還元果実、ベリー、又は野菜の汁、並びに濃縮物、ピューレ、ミルク、及び他の形態を含む。多数の異なる果実、野菜及び/又はベリーの汁は、必要に応じて他の風味料と組み合わせて、所望の風味を有する濃縮物又は飲料を生成することができる。好適な汁の原料の例としては、プラム、プルーン、ナツメヤシ、カラント、イチジク、ブドウ、レーズン、クランベリー、パイナップル、モモ、バナナ、リンゴ、西洋ナシ、グアバ、アプリコット、サスカトゥーンベリー、ブルーベリー、プレインズベリー(plains berry)、イヌホウズキ、クワ、ニワトコの実、バルバドスチェリー(アセロラチェリー)、チョークチェリー、ナツメヤシ、ココナッツ、オリーブ、ラズベリー、イチゴ、ハックルベリー、ローガンベリー、カラント、デューベリー、ボイセンベリー、キウイ、チェリー、ブラックベリー、マルメロ、クロウメモドキ、パッションフルーツ、スロー、ナナカマド、スグリ、ザクロ、カキ、マンゴー、ダイオウ、パパイヤ、ライチ、レモン、オレンジ、ライム、タンジェリン、マンダリン、メロン、ウォーターメロン、及びグレープフルーツなどが挙げられる。少なくとも特定の例示的実施形態で使用するのに好適な多数の付加的及び代替的な汁が、本開示の恩恵を受ける当業者に明らかとなるであろう。汁を用いる本開示の組成物において、汁は、例えば、組成物の少なくとも約0.2重量%のレベルで使用され得る。特定の実施形態では、汁は、約0.2重量%〜約40重量%のレベルで使用され得る。更なる実施形態では、汁は、仮に使用したとして、約1重量%〜約20重量%の範囲の量で使用され得る。
【0106】
色が薄い汁を、飲料の色を濃くすることなく風味を調節するか、及び/又は飲料の汁含量を増加させるために、特定の例示的実施形態の配合に含めることができる。そのような汁の例として、リンゴ、西洋ナシ、パイナップル、モモ、レモン、ライム、オレンジ、アプリコット、グレープフルーツ、タンジェリン、ダイオウ、カシス、マルメロ、パッションフルーツ、パパイヤ、マンゴー、グアバ、ライチ、キウイ、マンダリン、ココナッツ、及びバナナが挙げられる。所望により、脱風味及び脱色した汁を使用することができる。
【0107】
本明細書に開示された食品又は飲料製品の少なくとも特定の例示的実施形態に使用するのに適した他の風味料としては、例えば、カッシア、クローブ、桂皮、コショウ、ジンジャー、バニラスパイス風味料、カルダモン、コリアンダー、ルートビア、サッサフラス、朝鮮人参等のようなスパイス風味料が挙げられる。少なくとも特定の例示的実施形態で使用するのに好適な多数の付加的及び代替的な風味料が、本開示の恩恵を受ける当業者に明らかとなるであろう。香味料は、抽出物、含油樹脂、汁濃縮物、瓶詰業者のベースの形態、又は当該技術分野において既知の他の形態であり得る。少なくとも特定の例示的実施形態では、そのようなスパイス又は他の風味料は、汁又は汁の組み合わせの風味料を引き立たせる。
【0108】
1種以上の香味料は、エマルションの形態で使用され得る。香味料の乳濁液を、香味料のいくつか又はすべてを、任意で食物又は飲料の他の成分と共に乳化剤と混合することによって調製することができる。乳化剤は、香味料と共に付加されるか、又は共に混合後に付加され得る。特定の例示的な実施形態では、乳化剤は、水溶性である。例示の好適な乳化剤としては、アラビアゴム、化工デンプン、カルボキシメチルセルロース、トラガカントゴム、ガティガム及び他の好適なガムが挙げられる。本開示の恩恵を受ければ、付加的で好適な乳化剤は、食品又は飲料配合物の当業者に明らかであろう。例示的な実施形態において、乳化剤は、香味料及び乳化剤の混合物の約3%超を占める。特定の例示的実施形態では、乳化剤は混合物の約5%〜約30%である。
【0109】
二酸化炭素を使用して、本明細書に開示された食品又は飲料製品の特定の例示的な実施形態に発泡をもたらすことができる。飲料を炭酸化するための当該技術分野において既知である技術及び炭酸化装置のうちのいくつかを使用することができる。二酸化炭素は、飲料の味及び外観を向上させることができ、好ましくない細菌を抑制及び/又は破壊することで飲料の純度を保護する助けとなり得る。特定の実施形態では、例えば、飲料は、約4.0体積までの二酸化炭素のCO
2レベルを有し得る。他の実施形態は、例えば、約0.5体積〜約5.0体積の二酸化炭素を有し得る。本明細書で使用されるとき、二酸化炭素の1体積とは、60°F(16℃)及び1気圧における水などの、所定量の所定の液体によって吸収される二酸化炭素の量を指す。気体の体積は、それが溶解される液体が占めるのと同じ空間を占める。二酸化炭素含量は、所望の発泡のレベル及び飲料の味又は口当たりに対する二酸化炭素の影響に基づいて当業者によって選択され得る。
【0110】
特定の実施形態では、カフェインは、本明細書に記載された食物又は飲料製品のうちの任意に添加され得る。カフェインの添加量は、所与の飲料又はシロップの所望の特性及び飲料又はシロップが販売される国の任意の適用可能な規則の規定により決定され得る。特定の実施形態では、カフェインは、約0.02重量%未満のカフェインを有する最終飲料製品を提供するのに十分な量で含まれ得る。カフェインは、飲料に使用するのに許容される純度のものでなければならない。カフェインは、天然起源又は合成起源であってもよい。
【0111】
ここで開示された食品及び飲料製品は、一般的には、食物又は飲料配合物に典型的に見出される任意のものを含む付加成分を更に含有し得る。かかる付加成分の例としては、限定はされないが、カラメル、及び他の着色剤又は染料、発泡剤又は消泡剤、ガム、乳化剤、紅茶固形物、濁り成分、並びにミネラル及び非ミネラル栄養補助食品が挙げられる。非ミネラル栄養補助食品の成分の例としては、当業者に既知であり、例えば、抗酸化剤及びビタミン類(ビタミンA、D、E(トコフェロール)、C(アスコルビン酸)、B(チアミン)、B2(リボフラビン)、B6、B12、及びKなど)、ナイアシン、葉酸、ビオチン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。任意の非ミネラル栄養補助食品は、典型的には、良好な製造規範のもとで概ね許容される量で存在する。例示的な量は、推奨一日摂取量(RDV)が確立されている場合、約1%〜約100%のRDVであり得る。特定の例示的な実施形態では、(複数種の)非ミネラル栄養補助食品成分は、確立されている場合、約5%〜約20%のRDVの量で存在し得る。
【0112】
ここで開示された食品又は飲料製品の少なくとも特定の実施形態では、保存剤が使用されてもよい。つまり、少なくとも特定の例示的実施形態は、任意の溶解した保存剤系を含有し得る。4未満のpHを有する溶液(特に、3未満のpHを有する溶液)は、典型的には「微生物安定性(micro-stable)」であり、すなわち、微生物の増殖に抵抗し、更なる保存剤を必要とせずに消費の前に長期間貯蔵するのに好適である。しかしながら、任意選択的に、付加的な保存剤系が使用され得る。保存剤系が使用される場合、製造中の任意の好適な時点、例えば、いくつかの場合には、甘味料を添加する前に、保存剤系が製品に添加され得る。ここで使用されるとき、用語「保存系」又は「保存剤」は、飲料組成物に使用するのに認可されたすべての好適な保存剤を含み、安息香酸、例えば、安息香酸ナトリウム、カルシウム及びカリウム、ソルビン酸塩、例えば、ソルビン酸ナトリウム、カルシウム及び力リウム、クエン酸塩、例えば、クエン酸ナトリウム及びクエン酸カリウム、ポリリン酸塩、例えば、ヘキサメタリン酸ナトリウム(SHMP)並びにこれらの混合物のような既知の化学保存剤、並びに、アスコルビン酸、EDTA、BHA、BHT、TBHQ、デヒドロ酢酸、二炭酸ジメチル、エトキシキン、ヘプチルパラベン及びこれらの組み合わせのような酸化防止剤が挙げられるが、これらに限定されない。保存剤は、準拠する法律及び規則のもと、命じられた最大レベルを超えない量で使用され得る。
【0113】
特に、飲料の場合、使用される保存剤のレベルは、特定の飲料配合物において予想される最終製品のpH及び/又は微生物腐敗の可能性に従って調整され得る。採用される最大レベルは、典型的には、飲料の約0.05重量%である。本開示の恩恵を受ければ、本開示に係る食品又は飲料製品に適した保存剤又は保存剤の組み合わせを選択することは、当業者の能力の範囲内であろう。
【0114】
本明細書に開示される製品において、少なくとも特定の例示的実施形態に好適な他の保存方法としては、例えば、無菌包装及び/又は過熱処理、若しくは熱間充填及びトンネル低温殺菌などの熱加工工程が挙げられる。そのような工程を使用して、飲料製品中の酵母、かび及び微生物の増殖を低減させることができる。例えば、米国特許第4,830,862号は、果汁飲料の製造における低温殺菌の使用、並びに炭酸飲料中での好適な保存剤の使用を開示する。米国特許第4,925,686号は、安息香酸ナトリウム及びソルビン酸力リウムを含有する加熱低温殺菌された冷凍可能な果汁組成物を開示する。これらの特許は、双方とも、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。広くは、加熱処理としては、典型的に短時間で高温、例えば、約190°F、10秒間を使用する熱間充填法、典型的により長時間で低温、例えば、約160°F、10〜15分間を使用するトンネル低温殺菌法、及び、典型的に高圧、すなわち、1気圧超の圧力で、例えば、約250°F、3〜5分間を使用するレトルト法が挙げられる。
【0115】
好適な酸化防止剤は、ルチン、クルセチン、フラボノン、フラボン、ジヒドロフラボノール、フラボノール、フラバンジオール、ロイコアントシアニジン、フラボノールグリコシド、フラボノングリコシド、イソフラボノイド、及びネオフラボノイドからなる群から選択され得る。特に、フラボノイドとしては、クルセチン、エリオシトリン、ネオエリオシトリン、ナリルチン、ナリンジン、ヘスペリジン、ヘスペレチン、ネオヘスペリジン、ネオポンシリン、ポンシリン、ルチン、イソロイホリン、ロイホリン、ジオスミン、ネオジオスミン、シネンセチン、ノビレチン、タンゲリチン、カテキン、カテキンガレート、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート、ウーロン茶重合ポリフェノール、アントシアニン、ヘプタメトキシフラボン、ダイジン、ダイゼイン、ビオカニン(biochaminn)A、プルネチン、ゲニスチン、グリシテイン、グリシチン、ゲニステイン、6,7,4’トリヒドロキシイソフラボン、モリン、アピゲニン、ビテキシン、バルカレイン、アピイン、クプレスフラボン、ダチセチン、ジオスメチン、フィセチン、ガランギン、ゴシペチン、ゲラルドール、ヒノキフラボン、プリムレチン、プラトール、ルテオリン、ミリセチン、オリエンチン、ロビネチン、クエルセタゲチン及びヒドロキシ−4−フラボンであってもよいが、これらに限定されない。
【0116】
好適な食品グレードの酸は、水溶性の有機酸及びその塩であり、例えば、リン酸、ソルビン酸、アスコルビン酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、プロピオン酸、酪酸、酢酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、リンゴ酸、吉草酸、カプロン酸、マロン酸、アコニット酸、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、アミノ酸、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。このような酸は、食品又は飲料のpHを調整するのに適している。
【0117】
好適な食品グレードの塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化カルシウムである。このような塩基も、食品又は飲料のpHを調整するのに適している。
甘味プロファイルを調節する方法
【0118】
本明細書に記載された式Iの化合物を使用して、甘味料の甘味プロファイルを調節することができる。例えば、実施例セクションで検討されるように、式Iの化合物(GSA)が、ヒトのテイスティングにより試験され、栄養甘味料(例えば、異性化糖(HFCS))により甘味を付与された飲料の全体的な甘味を増加させ、レバウディオサイドAのような強力甘味料についての甘味開始時間を短縮し、強力甘味料(例えば、リン酸バッファー中の300ppmレバウディオシドA溶液)の苦味、金属味及びリコリス味を気付きにくくさせ、甘味を付与された飲料の甘味を向上させるのに有効であることが見出された。このため、式Iの化合物(例えば、GSA)は、甘味料組成物、例えば、甘味を付与された飲料の味質を改善するのに有用であり得る。
【0119】
一部の実施形態において、本開示は、製品中の甘味料の甘味プロファイルを調節する方法を提供する。一部の実施形態において、方法は、式Iの化合物を製品に添加することを含む。一部の実施形態において、製品は、飲料製品(例えば、レディ・トゥ・ドリンク飲料又は飲料濃縮物)又は食品のいずれか一方であり得る。好適な式Iの化合物及び甘味料は、本明細書に記載されたもののうちの任意を含む。例えば、一部の実施形態において、式Iの化合物は、GSAである。一部の実施形態において、甘味料は、異性化糖である。一部の実施形態において、甘味料は、レバウディオサイドAである。
【0120】
任意の有効量の式Iの化合物が、甘味料の甘味プロファイルを調節するために、製品に添加され得る。例えば、式Iの化合物は、全体的な甘味を増加させ、甘味開始時間を短縮し、苦味、金属味及びリコリス味を気付きにくくさせ、かつ/又は、甘味料の甘味(例えば、丸み)を改善するのに十分な量で添加され得る。特定の実施形態では、式Iの化合物(例えば、GSA)は、約30ppm〜約300ppmの範囲(例えば、約30ppm、約50ppm、約100ppm、約150ppm、約200ppm、約250ppm、約 300ppm又は列記された値の間の任意の範囲)の、製品中濃度を実現する量で添加され得る。他の実施形態では、式Iの化合物は、少なくとも30ppm(例えば、少なくとも50ppm、少なくとも100ppm、少なくとも150ppm、少なくとも200ppm、少なくとも250ppm又は少なくとも300ppm)の、製品中濃度を実現する量で添加され得る。
【0121】
一部の実施形態において、方法は、式Iの化合物(例えば、GSA)を、製品の全体的な甘味を改善するのに有効な量で添加することを含む。一部の実施形態において、製品は、栄養甘味料を含む、甘味が付与された飲料である。一部の実施形態において、栄養甘味料は、異性化糖(HFCS)である。一部の実施形態において、式Iの化合物(例えば、GSA)は、約30ppm〜約300ppm(例えば、約30ppm〜約100ppm)の範囲の、製品中濃度を実現する量で添加される。一部の実施形態において、式Iの化合物(例えば、GSA)は、製品の全体的な甘味を、式Iの化合物を添加する前の製品の全体的な甘味と比較して、約10%、約20%、約30%又は約40%まで改善するのに有効な量で添加される。一部の実施形態において、式Iの化合物は、GSAであり、方法は、8% HFCS溶液と同じ甘味を味わったように、6% HFCS溶液の全体的な甘味を増加させるのに十分な量で、GSAを添加することを含む。すなわち、GSAを添加することにより、全体的な甘味を約33%改善させる。一部の実施形態において、GSAは、製品中濃度を、約30ppm〜約100ppmの範囲で実現する量で添加される。
【0122】
一部の実施形態において、方法は、製品中の甘味料の甘味開始時間を短縮するのに有効な量で、式Iの化合物(例えば、GSA)を添加することを含む。一部の実施形態において、甘味料は、ステビオールグリコシド、例えば、レバウディオサイドAのような強力甘味料である。一部の実施形態において、式Iの化合物(例えば、GSA)は、製品中濃度を、約30ppm〜約300ppm(例えば、約30ppm〜約100ppm)の範囲で実現する量で添加される。一部の実施形態において、甘味料(例えば、レバウディオサイドA)は、製品中に、約1ppm〜約600ppm(例えば、約300ppm)の濃度で存在する。特定の実施形態では、方法は、製品の甘味開始時間を短縮するのに有効な量で、式Iの化合物(例えば、GSA)を添加することを含む。一部の実施形態において、製品は、レバウディオサイドAのようなステビオールグリコシドを約300ppm含む、飲料製品である。
【0123】
一部の実施形態において、方法は、製品の苦みを減少させ、金属味及び/又はリコリス味を気付きにくくさせるのに有効な量で、式Iの化合物(例えば、GSA)を添加することを含む。他の実施形態において、方法は、製品の糖のような丸みを向上させるのに有効な量で、式Iの化合物(例えば、GSA)を添加することを含む。一部の実施形態において、製品は、飲料製品である。一部の実施形態において、甘味料は、ステビオールグリコシド、例えば、レバウディオサイドAのような強力甘味料である。一部の実施形態において、式Iの化合物(例えば、GSA)は、製品中濃度を、約30ppm〜約300ppm(例えば、約30ppm〜約100ppm)の範囲で実現する量で添加される。一部の実施形態において、甘味料(例えば、レバウディオサイドA)は、製品中に、約1ppm〜約600ppm(例えば、約300ppm)の濃度で存在する。特定の実施形態では、方法は、製品中濃度を、約30ppm〜約300ppmの範囲で実現する量で、GSAを添加することを含む。一部の実施形態において、飲料製品は、レバウディオサイドAのようなステビオールグリコシドを約300ppm含む。
GSA類似体を合成する方法
【0124】
本明細書に記載された式Iの化合物は、様々な方法により得ることができる。例えば、一部の実施形態において、式Iの化合物は、本開示の観点から、当業者に既知の方法を使用するか、又は以下の方法1に示された例示的な方法により化学的に合成され得る。好適な保護基が、必要に応じて合成に利用され得る。Wuts,P.G.M.;Greene,T.W.,「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」,4th Ed.,J.Wiley & Sons,NY,2007を参照のこと。
【化6】
式中、R
1、R
2、R
3及びR
4は、本明細書で定義されたとおりであり、
ここで、
【化7】
は、グルコピラノシド、グルクロノピラノシド、ラムノピラノシド、ガラクトピラノシド、デオキシグルコピラノシド及びマンノピラノシドからなる群から選択されるピラノシドの保護残基を表わす。
【0125】
一般的には、式Iの化合物は、式IIから保護基を除去することにより形成され得る。一部の実施形態において、式IIは、1つ以上のエステル結合を含有し、例えば、式IIにおけるR
1は、メチル又はエチルであり、脱保護工程において、1つ以上のエステル(例えば、メチル又はエチルエステル)をカルボン酸に加水分解し、例えば、式IにおけるR
1は、Hである。一部の実施形態において、式IIは、1つ以上のエステル結合を含有し、例えば、式IIにおけるR
1は、メチル又はエチルであり、脱保護工程に続けて、更なる加水分解工程が行われて、1つ以上のエステル(例えば、メチル又はエチルエステル)をカルボン酸に変換し、例えば、式IにおけるR
1は、Hである。一部の実施形態において、式I及び式IIにおけるR
1、R
3及びR
4はそれぞれ、同じであり、エステル加水分解を必要としない。
【0126】
式IIにおけるピラノシド部分についての保護基は、ピラノースを保護するのに適した任意の基であり得る。このような保護基は、当該技術分野において既知である。一部の実施形態において、保護基は、アセチル(actyl)基であり得る。例えば、一部の実施形態において、式IIにおける
【化8】
は、
【化9】
であり得る。
【0127】
式IIの化合物は、様々な方法により調製され得る。一部の実施形態において、式IIの化合物は、式IIIの化合物を式IVの化合物と反応させることにより調製され得る。
【化10】
式中、R
1、R
2、R
3、R
10及びGは、本明細書で定義されている。
【0128】
一般的には、式IIIは、活性化されたピラノシドであり、同ピラノシドは、式IVの化合物と反応して、グリコシド結合を形成し得る。例えば、式IIIにおけるGは、脱離基であり得る。グリコシド形成のためにピラノースを活性化させる種々の方法が、当該技術分野において既知である。例えば、一部の実施形態において、式IIIにおけるGは、
【化11】
であり得る。一部の例示的な方法が、実施例セクションに記載されている。
【0129】
本明細書で検討されたグリコシド形成は、一般的には、BF
3OEt
2のようなルイス酸の存在下で行われる。他の好適な反応条件が、当業者に既知であり、本明細書に記載された実施形態において使用され得る。
実施形態
【0130】
上記された様々な実施形態に加えて、本開示は、E1〜E53と番号付与された以下の特定の実施態様を含む。この実施形態のリストは、例示的なリストとして提示され、適用は、これらの実施形態に限定されない。
【0131】
E1.甘味料と、式I:
【化12】
[式中、
R
1は、H、Me又はEtであり、
R
2は、グルコピラノシド、グルクロノピラノシド、ラムノピラノシド、ガラクトピラノシド、デオキシグルコピラノシド及びマンノピラノシドからなる群から選択されるピラノシドであり、
R
3及びR
4は、それぞれ独立して、H又はMeOである]による構造を有する化合物
又はこれらの塩と、を含む、甘味料組成物。
【0132】
E2.R
1は、Hである、E1に記載の甘味料組成物。
【0133】
E3.R
1は、Meである、E1に記載の甘味料組成物。
【0134】
E4.R
3及びR
4のうちの一方は、MeOである、E1〜E3のいずれか1つに記載の甘味料組成物。
【0135】
E5.R
3及びR
4の両方は、MeOである、E1〜E4のいずれか1つに記載の甘味料組成物。
【0136】
E6.R
2は、β−ピラノシドである、E1〜E5のいずれか1つに記載の甘味料組成物。
【0137】
E7.R
2は、D−ピラノシドである、E1〜E6のいずれか1つに記載の甘味料組成物。
【0138】
E8.R
2は、β−D−グルコピラノシドである、E1〜E7のいずれか1つに記載の甘味料組成物。
【0139】
E9.化合物は、
【化13】
及びこれらの任意の組み合わせ
又はこれらの塩からなる群から選択される、E1に記載の甘味料組成物。
【0140】
E10.化合物は、
【化14】
又はこれらの塩である、E1に記載の甘味料組成物。
【0141】
E11.甘味料は、ステビオールグリコシド、ステビア・レバウディアナ抽出物、羅漢果、羅漢果の果汁濃縮物、羅漢果の粉末、モグロサイドV、ソウマチン、モネリン、ブラゼイン、モナチン、エリスリトール、タガトース、スクロース、スクロース液、フルクトース、フルクトース液、グルコース、グルコース液、異性化糖、転化糖、中転化糖、メープルシロップ、メープルシュガー、蜂蜜、チコリシロップ、アガベシロップ、黒糖糖蜜、甘蔗糖蜜、甜菜糖蜜、ソルガムシロップ、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、キシリトール、グリチルリチン、マリトール、マルトース、ラクトース、キシロース、アラビノース、イソマルト、ラクチトール、トレハルロース、リボース、フラクトオリゴ糖、アスパルテーム、ネオテーム、アリテーム、サッカリンナトリウム、サッカリンカルシウム、アセスルファムカリウム、シクラミン酸ナトリウム、シクラミン酸カルシウム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、スクラロース、ポリデキストロース及びこれらの任意の混合物からなる群から選択される、E1〜E10のいずれか1つに記載の甘味料組成物。
【0142】
E12.甘味料は、非栄養甘味料である、E1〜E10のいずれか1つに記載の甘味料組成物。
【0143】
E13.甘味料は、レバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、レバウディオサイドM、イソ−ステビオールグリコシド、モグロサイド、トリロバチン及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される天然の非栄養甘味料である、E12に記載の甘味料組成物。
【0144】
E14.甘味料は、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ステビオールグリコシド又はこれらの任意の組み合わせである、E12に記載の甘味料組成物。
【0145】
E15.甘味増強剤を更に含む、E1〜E14のいずれか1つに記載の甘味料組成物。
【0146】
E16.甘味増強剤は、D−プシコース、エリスリトール、ルブソシド、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、トリロバチン、フィロズルチン、ブラゼイン、モグロサイド及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、E15に記載の甘味料組成物。
【0147】
E17.甘味料組成物は、卓上甘味料組成物である、E1〜E16のいずれか1つに記載の甘味料組成物。
【0148】
E18.甘味料組成物は、水性甘味料組成物である、E1〜E16のいずれか1つに記載の甘味料組成物。
【0149】
E19.化合物は、甘味料組成物中に、約30ppm〜約300ppmの範囲の濃度で存在する、E1〜E18のいずれか1つに記載の甘味料組成物。
【0150】
E20.E1〜E19のいずれか1つに記載の甘味料組成物を含む、飲料製品。
【0151】
E21.飲料製品は、レディ・トゥ・ドリンク飲料である、E20に記載の飲料製品。
【0152】
E22.飲料製品は、飲料濃縮物である、E20に記載の飲料製品。
【0153】
E23.レディ・トゥ・ドリンク飲料であって、
a)水と、
b)E1〜E19のいずれか1つに記載の甘味料組成物と、
c)任意選択的に、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、ギ酸、アスコルビン酸、フマル酸、グルコン酸、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸及びこれらの任意の混合物からなる群から選択される酸味料と、を含む、レディ・トゥ・ドリンク飲料。
【0154】
E24.水は、炭酸水である、E23に記載のレディ・トゥ・ドリンク飲料。
【0155】
E25.コーラ風味剤を更に含む、E23又はE24に記載のレディ・トゥ・ドリンク飲料。
【0156】
E26.酸味料は、リン酸である、E23〜E25のいずれか1つに記載のレディ・トゥ・ドリンク飲料。
【0157】
E27.茶風味剤を更に含む、E23〜E25のいずれか1つに記載のレディ・トゥ・ドリンク飲料。
【0158】
E28.コーヒー風味剤を更に含む、E23〜E25のいずれか1つに記載のレディ・トゥ・ドリンク飲料。
【0159】
E29.カフェインを更に含む、E23〜E28のいずれか1つに記載のレディ・トゥ・ドリンク飲料。
【0160】
E30.実質的にカフェインを含まない、E23〜E28のいずれか1つに記載のレディ・トゥ・ドリンク飲料。
【0161】
E31.飲料は、低カロリー又はゼロカロリー飲料である、E23〜E30のいずれか1つに記載のレディ・トゥ・ドリンク飲料。
【0162】
E32.飲料は、炭酸飲料、非炭酸飲料、ファウンテン飲料、冷凍炭酸飲料、果汁、果汁風味飲料、果実風味飲料、スポーツ飲料、エネルギー飲料、強化/増強水飲料、大豆飲料、野菜飲料、穀物系飲料、麦芽飲料、発酵飲料、ヨーグルト飲料、ケフィア、コーヒー飲料、茶飲料、乳製品飲料及びこれらの任意の混合物からなる群から選択される、E23に記載のレディ・トゥ・ドリンク飲料。
【0163】
E33.食品成分と、E1〜E19のいずれか1つに記載の甘味料組成物と、を含む、食品。
【0164】
E34.食品は、オートミール、シリアル、焼き物、クッキー、クラッカー、ケーキ、ブラウニー、パン、スナック食品、ポテトチップス、トルティーヤチップス、ポップコーン、スナックバー、餅及び穀物系食品からなる群から選択される、E33に記載の食品。
【0165】
E35.製品中の甘味料の甘味プロファイルを調節する方法であって、製品に、式I:
【化15】
[式中、
R
1は、H、Me又はEtであり、
R
2は、グルコピラノシド、グルクロノピラノシド、ラムノピラノシド、ガラクトピラノシド、デオキシグルコピラノシド及びマンノピラノシドからなる群から選択されるピラノシドであり、
R
3及びR
4は、それぞれ独立して、H又はMeOである]による構造を有する化合物
又はこれらの塩を添加することを含む、方法。
【0166】
E36.R
1は、Hである、E35に記載の方法。
【0167】
E37.R
1は、Meである、E35に記載の方法。
【0168】
E38.R
3及びR
4のうちの一方は、MeOである、E35〜E37のいずれか1つに記載の方法。
【0169】
E39.R
3及びR
4の両方は、MeOである、E35〜E38のいずれか1つに記載の方法。
【0170】
E40.R
2は、β−ピラノシドである、E35〜E39のいずれか1つに記載の方法。
【0171】
E41.R
2は、D−ピラノシドである、E35〜E40のいずれか1つに記載の方法。
【0172】
E42.R
2は、β−D−グルコピラノシドである、E35〜E41のいずれか1つに記載の方法。
【0173】
E43.化合物は、
【化16】
及びこれらの任意の組み合わせ
又はこれらの塩からなる群から選択される、E35に記載の方法。
【0174】
E44.化合物は、
【化17】
又はこれらの塩である、E35に記載の方法。
【0175】
E45.化合物は、約30ppm〜約300ppmの範囲の、製品中濃度を実現する量で加えられる、E35〜E44のいずれか1つに記載の方法。
【0176】
E46.甘味料は、ステビオールグリコシド、ステビア・レバウディアナ抽出物、羅漢果、羅漢果の果汁濃縮物、羅漢果の粉末、モグロサイドV、ソウマチン、モネリン、ブラゼイン、モナチン、エリスリトール、タガトース、スクロース、スクロース液、フルクトース、フルクトース液、グルコース、グルコース液、異性化糖、転化糖、中転化糖、メープルシロップ、メープルシュガー、蜂蜜、チコリシロップ、アガベシロップ、黒糖糖蜜、甘蔗糖蜜、甜菜糖蜜、ソルガムシロップ、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、キシリトール、グリチルリチン、マリトール、マルトース、ラクトース、キシロース、アラビノース、イソマルト、ラクチトール、トレハルロース、リボース、フラクトオリゴ糖、アスパルテーム、ネオテーム、アリテーム、サッカリンナトリウム、サッカリンカルシウム、アセスルファムカリウム、シクラミン酸ナトリウム、シクラミン酸カルシウム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、スクラロース、ポリデキストロース及びこれらの任意の混合物からなる群から選択される、E45に記載の方法。
【0177】
E47.甘味料は、非栄養甘味料である、E45に記載の方法。
【0178】
E48.甘味料は、レバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、レバウディオサイドM、イソ−ステビオールグリコシド、モグロサイド、トリロバチン及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される天然の非栄養甘味料である、E45に記載の方法。
【0179】
E49.製品は、飲料製品である、E35〜E48のいずれか1つに記載の方法。
【0180】
E50.飲料製品は、炭酸飲料、非炭酸飲料、ファウンテン飲料、冷凍炭酸飲料、濃縮粉末、飲料濃縮物、果汁、果汁風味飲料、果実風味飲料、スポーツ飲料、エネルギー飲料、強化/増強水飲料、大豆飲料、野菜飲料、穀物系飲料、麦芽飲料、発酵飲料、ヨーグルト飲料、ケフィア、コーヒー飲料、茶飲料、乳製品飲料及びこれらの任意の混合物からなる群から選択される、E49に記載の方法。
【0181】
E51.製品は、食品である、E35〜E48のいずれか1つに記載の方法。
【0182】
E52.食品は、オートミール、シリアル、焼き物、クッキー、クラッカー、ケーキ、ブラウニー、パン、スナック食品、ポテトチップス、トルティーヤチップス、ポップコーン、スナックバー、餅及び穀物系食品からなる群から選択される、E51に記載の方法。
【0183】
E53.
【化18】
又はこれらの塩からなる群から選択される、化合物。
【実施例】
【0184】
1H NMRを、Varian 400MHz NMR機器において、室温で、約1〜3mg/mLの溶媒濃度で行った。典型的に、重水素化DMSO又はメタノールを溶媒として使用した。
【0185】
HPLC法:0.1〜0.5% TFAを含有する水及びアセトニトリルを、0.5〜1.0mL/分の流速及び10〜100%アセトニトリルの典型的な溶出液勾配で、40℃において4.5分間にわたって溶媒として使用した。カラムは、典型的には、5μMサイズのシリカゲルを使用するXbridge Shield RP18 2.1×50mmカラムのようなC18逆相カラムとした。210nmでのUV検出を使用して、分析物を特定した。あるいは、検出方法としてMSを使用した。
【0186】
MS法:Agilent LC/MS上でES−API法を使用して、サンプルをイオン化した。陽イオンモードで検出を行った。
実施例1.GSA類似体の合成及び特徴決定
【化19】
実施例1A.シリンガ酸4−O−β−D−グルコシド
【0187】
シリンガ酸4−O−β−D−グルコシド5を、スキーム1に例示された化学反応により、D−グルコースから約32%の全収率で合成した。
【化20】
【0188】
スキーム1における中間体(1〜4)の実験手順を説明する。
【化21】
(2R,3R,4S,5R,6R)−6−(アセトキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2,3,4,5−テトライル四酢酸(1):
【0189】
無水DMF(80mL)中のD−グルコース(CAS#50−99−7、36.04g、0.2mol)の溶液に、無水酢酸(188mL)、ピリジン(162mL、2mol)及びDMAP(1.22g、0.01mmol)を連続的に添加した。反応混合物を、周囲温度で3時間撹拌し、水での希釈によりクエンチした。水相を、酢酸エチル(2×300mL)で抽出し、有機相、1N HCl(2×150mL)及び水で洗浄した。有機層を、飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。エタノール(400mL)からの粗生成物の再結晶化により、[(2R,3R,4S,5R)−3,4,5,6−テトラキス(アセチルオキシ)オキサン−2−イル]酢酸メチルを、白色の固体(63g、81%)として得た。
(2R,3R,4S,5R)−2−(アセトキシメチル)−6−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイル三酢酸(2):
【0190】
THF(150mL)中の[(2R,3R,4S,5R)−3,4,5,6−テトラキス(アセチルオキシ)オキサン−2−イル]酢酸メチル(50g、128.1mmol)の溶液を、酢酸(8.07mL、140.9mmol)及びヒドラジン一水和物(7.05g、140.9mmol)で処理した。ヒドラジンを添加している間、反応混合物の温度は、わずかに発熱性であった(24℃〜33℃)。反応混合物を、周囲温度で4時間撹拌し、酢酸エチル(400mL)で抽出した。有機相を、水(300mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮して、粗製のグルコース四酢酸をオフホワイト色の固体(43g)として得た。シリカゲルのショートパッドを使用する精製により、[(2R,3R,4S,5R)−3,4,5−トリス(アセチルオキシ)−6−ヒドロキシオキサン−2−イル]酢酸メチル(収量33g(74%))を得た。(注:パイロット反応では、これを、更に精製することなく次の工程で使用した。)
(2R,3R,4S,5R,6S)−2−(アセトキシメチル)−6−(2,2,2−トリクロロ−1−イミノエトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイル三酢酸(3):
【0191】
窒素下で、ジクロロメタン(100mL)中の[(2R,3R,4S,5R)−3,4,5−トリス(アセチルオキシ)−6−ヒドロキシオキサン−2−イル]酢酸メチル(32g、91.87mmol)の溶液を、トリクロロアセトニトリル(53.06mL、367.5mmol)及び1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−エン(DBU、1.1mL)で0℃において処理した。一晩撹拌した後、粗生成物を濃縮し、シリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の50% EtOAc)により精製して、[(2R,3R,4S,5R)−3,4,5−トリス(アセチルオキシ)−6−[(トリクロロエタンイミドイル)オキシ]オキサン−2−イル]酢酸メチル33g(73%)を粘着性の透明な油として得た。
(2R,3R,4S,5R,6S)−2−(アセトキシメチル)−6−(2,6−ジメトキシ−4(メトキシカルボニル)フェノキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイル三酢酸(4):
【0192】
窒素下で、シリンガ酸メチル(2.153g、10.15mmol)、[(2R,3R,4S,5R)−3,4,5−トリス(アセチルオキシ)−6−[(トリクロロエタンイミドイル)オキシ]オキサン−2−イル]酢酸メチル(6g、12.18mmol)を、無水ジクロロメタン(80mL)中において、4A分子ふるいと共に、室温で1時間撹拌し、−40℃に冷却し、BF
3OEt
2(0.372mL、2.9mmol)で処理した。15分間の撹拌後、この溶液を、0℃に温めた。2時間後、反応混合物を、Et
3N(3〜4滴)でクエンチし、ジクロロメタンで希釈し、ろ過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の40% EtOAc)を使用する精製により、3,5−ジメトキシ−4−{[(2S,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリス(アセチルオキシ)−6−[(アセチルオキシ)メチル]オキサン−2−イル]オキシ}安息香酸メチル(4.2g,76%)を軽い泡状固体として得た。
シリンガ酸4−O−β−D−グルコシド(5):
【0193】
メタノール(30mL)中の3,5−ジメトキシ−4−{[(2S,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリス(アセチルオキシ)−6−[(アセチルオキシ)メチル]オキサン−2−イル]オキシ}安息香酸メチル(1.4g、2.58mmol)の氷冷溶液を、KOH水溶液(1.303g、23mmol、30mLの水に溶解)で処理した。添加が完了した後、混合物を、室温で16時間撹拌し、Dowex 50Wx8イオン交換樹脂(約7g)で中和し、pH=7に調整して、生成物を捕捉した。樹脂溶液を酸性化して、生成物を放出し(pH=3〜4)、セライトを通してろ過し、濃縮して、完全に脱保護された粗製の3,5−ジメトキシ−4−{[(2S,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)オキサン−2イル]オキシ}安息香酸を、白色の固体(950mg、>100%)として得た。調製用HPLC(CH
3CN/水、勾配移動相、40mL/分)による精製、続けて、凍結乾燥(凍結乾燥法)により、目的の化合物0.75g(81%)を白色の固体として得た。LC/MS 378.2、388.3。化合物(5)の
1H NMRを、
図1に示す。
実施例1B.シリンガ酸メチル4−O−β−D−グルコシド
【0194】
THF/CH
3OH(40mL;v/v=1/1)中の3,5−ジメトキシ−4−{[(2S,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリス(アセチルオキシ)−6−[(アセチルオキシ)メチル]オキサン−2−イル]オキシ}安息香酸メチル(800mg、1.48mmol)の溶液に、K
2CO
3(20.38mg、0.148mmol)を添加した。得られた懸濁液を、室温で2時間撹拌し、ついで、セライトのパッドを通してろ過した。ろ液を、減圧下で濃縮して、粗生成物を白色の固体として得た。シリンガ酸メチル4−O−β−D−グルコシド6を、調製用HPLC(水中の10% CH
3CN)から、白色の固体(450mg、81%)として単離した。LC/MS 397.1、392.3。化合物(6)の
1H NMRを、
図2に示す。
実施例1C.バニリン酸4−O−β−D−グルコシド
【0195】
スキーム1における調製に従って、バニリン酸4−O−β−D−グルコシド(8)を、中間体3から合成した(スキーム2)。
【化22】
(2R,3R,4S,5R,6S)−2−(アセトキシメチル)−6−(2−メトキシ−4−メトキシカルボニル)フェノキシ)テトラヒドロ−2H−3,4,5−トリイル三酢酸(7)
【0196】
バニリン酸メチル(1.078g、5.92mmol)、[(2R,3R,4S,5R)−3,4,5−トリス(アセトキシ)−6−[(トリクロロエタンイミドイル)オキシ]オキサン−2−イル]酢酸メチル(3.5g、7.104mmol)及び4A分子ふるいを、無水ジクロロメタン(60mL)中において、窒素下室温で1時間撹拌し、ついで、40℃に冷却した。BF
3−OEt
2(0.217mL、0.29mmol)を、混合物に−40℃で加え、ついで、0℃に温めた。反応物を、2時間撹拌し、ついで、2滴のEt
3Nでクエンチし、ジクロロメタンで希釈し、セライトを通してろ過し、濃縮した。ヘプタン中の20〜40% EtOAcの勾配を使用するシリカゲルでのクロマトグラフィー、続けて、減圧下での蒸発により、粗生成物を白色の固体(2.1g)として得た。エタノールからの再結晶による更なる精製により、メチル−3−メトキシ−4−{[2S,3R,4S,5R,6R]−3,4,5−トリス(アセトキシ)−6−[(アセチルオキシ)メチル]オキサン−2−イル]オキシ}ベンゾエート(1.4g,46%)を、白色の固体として得た。
バニリン酸4−O−β−D−グルコシド(8)
【0197】
KOH溶液(1.182g、21.07mmol、水20mLに溶解)を、メタノール(20mL)中のメチル−3−メトキシ−4−{[2S,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリス(アセトキシ)−6−[(アセチルオキシ)メチル]オキサン−2−イル]オキシ}ベンゾエート(1.2g、21.07mmol)の氷冷溶液に添加した。この混合物を、室温に温め、16時間撹拌した。ついで、反応混合物を、Dowex 50Wx8イオン交換樹脂(約7g)で処理することにより中和した。ろ過及び減圧下での揮発性物質の除去により、3−メトキシ−4−{[2S,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−[(ヒドロキシ)メチル]オキサン−2−イル]オキシ}安息香酸を、白色の固体(0.81g)として得た。Dowex 50Wx8イオン交換樹脂(200〜400メッシュ)を予備洗浄として使用し、pH=7に調整して、生成物を捕捉した。ついで、樹脂を、pH3〜4に酸性化して、生成物を放出させた。蒸発後、粗生成物を、調製用HPLC(水中の10% CH
3CN)により精製し、凍結融解ポンプ法により乾燥させた。LC/MS 353.2、348.3。化合物(8)の
1H NMRを、
図3に示す。
実施例1D.バニリン酸メチル4−O−β−D−グルコシド
【化23】
【0198】
THF/CH
3OH(30mL、v/v=1:1)中のメチル−3−メトキシ−4−{[2S,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリス(アセトキシ)−6−[(アセチルオキシ)メチル]オキサン−2−イル]オキシ}ベンゾエート(500mg、0.975mmol)の溶液に、K
2CO
3(13.48mg、0.097mmol)を添加した。得られた懸濁液を、室温で2時間撹拌し、ついで、セライトのパッドを通してろ過した。ろ液を、減圧下で濃縮して、白色の固体であるメチル−3−メトキシ−{[2S,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−[(ヒドロキシ)メチル]オキサン−2−イル]オキシベンゾエート(360mg、107%)を得た。同固体には、塩が混じっていた。この材料を、調製用HPLC(水中の10% CH
3CN)によって更に精製して、純粋な生成物9を白色の固体(300mg、89%)として得た。LC/MS 367.0、362.2。化合物(9)の
1H NMRを、
図4に示す。
実施例1E.シリンガ酸4−O−β−D−グルクロニド
【化24】
(2S,3R,4S,5S,6S)−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2,3,4,5−テトライル四酢酸(10)
【0199】
CH
3OH(250mL)中のD−(+)−グルクロン酸−ガンマ−ラクトン、(2R)−2−[2S,3R,4S)−3,4−ジヒドロキシ−5−オキソラン−2−イル]−2−ヒドロキシアセトアルデヒド(44g、249.8mmol)及びNaOCH
3(0.03当量、CH
3OH中の5.4M溶液1.3mL)の混合物を、窒素下、室温で、2時間撹拌した。反応混合物(黄色の溶液)を、減圧下で濃縮して、黄橙色の油状物を生成した。この油状物を、無水酢酸(175mL)に溶解させ、無水酢酸(5mL)中の過塩素酸(0.8mL)を、氷浴中の撹拌混合物に滴加した。得られた溶液を、更に2時間撹拌した。得られた沈殿物を、焼成ガラスロートを通したろ過により回収し、水で洗浄し、風乾して、白色の固体(21g、22%)である
(3R,4S,5S,6S)−2−ブロモ−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイル三酢酸(11)として四酢酸を生成した。
【0200】
(2S,3S,4S,5R,6S)−3,4,5,6−テトラキス(アセチルオキシ)オキサン−2−カルボン酸メチル(20.6g、54.74mmol)を、ジクロロメタン(45mL)に溶解させ、0℃に冷却した。HBr(酢酸中の33%、82mL)を添加し、この反応物を、室温に温め、4時間撹拌した。ついで、反応混合物を、エーテル(250mL)で希釈し、水(2×70mL)、飽和NaHCO
3(500mL;注意−ガス発生)、水及びブラインで洗浄した。組み合わせた有機層を、MgSO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。無水エタノールを使用して、残留物を再結晶して、(3R,4S,5S,6S)−2−ブロモ−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイル三酢酸(11)を、白色の固体(16.0g、74%)として得た。
【0201】
化合物11を、アセトン350mLに溶解させ、水(35mL)及びAgCO
3(6.075g、22.03mmol)を添加し、反応混合物を、16時間撹拌した。反応混合物を、セライトを通してろ過し、ジクロロメタンですすいだ。減圧下で溶媒を除去した後、残留物を、ジクロロメタンに溶解させ、水、ブラインで洗浄し、有機層を、MgSO
4で乾燥させ、ろ過し、溶媒を、減圧下で除去して、(3R,4S,5S,6S)−2−ヒドロキシ−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイル三酢酸(12)を、白色の固体(14.4g、99%)として生成した。
(2S,3S,4S,5R,6R)−2−メトキシカルボニル−6−(2,2,2−トリクロロ−1−イミノエトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイル三酢酸(13)
【0202】
ジクロロメタン(180mL)中の化合物12(14.0g、41.88mmol)に、トリクロロアセトニトリル(29.4mL、293.2mmol)、続けて、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン(DBU、0.50mL)を、窒素下、0℃で添加した。反応混合物を、16時間撹拌し、ついで、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン中の30% EtOAc)により精製して、(2S,3S,4S,5R,6S)−3,4,5−トリス(アセトキシ)−6−[(トリクロロエタンイミドイル)オキシ]オキサン−2−カルボン酸メチル(16.3g、81%)をオフホワイト色の固体として得た。
(2S,3R,4S,5S,6S)−2−(2,6−ジメトキシ−4−(メトキシカルボニル)フェノキシ)−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイル三酢酸(14)
【0203】
シリンガ酸メチル(739mg、3.48mmol)、(2S,3S,4S,5R,6S)−3,4,5−トリス(アセトキシ)−6−[(トリクロロエタンイミドイル)オキシ]オキサン−2−カルボン酸メチル(2.0g、4.18mmol)及び4A分子ふるいを、無水ジクロロメタン(35mL)中において、室温で1時間撹拌し、ついで、−40℃に冷却した。BF
3−OEt
2(0.176mL、1.393mmol)を、反応混合物に−40℃で添加し、ついで、反応混合物を、0℃に温めた。2時間攪拌した後、Et
3N(2滴)を添加し、反応混合物を、ジクロロメタンで希釈し、ろ過し、揮発性物質を、減圧下で除去した。ヘプタン中の20% EtOAcを使用するシリカゲルでのクロマトグラフィー、続けて、減圧下での溶媒の除去により、(2S,3S,4S,5R,6S)−3,4,5−トリス(アセチルオキシ)−6−[2,6−ジメトキシ−4−(メトキシカルボニル)フェノキシ]オキサン−2−カルボン酸メチルを、固体泡状物として生成し、同固体泡状物を、エーテル:ヘプタン(9/1、v/v)で粉砕し、ろ過し、真空乾燥させて、14を白色の固体(1.42g、77%)として得た。
シリンガ酸4−O−β−D−グルクロニド(15)
【0204】
KOH溶液(1.147g、20.4mL、水24mLに溶解)を、CH
3OH(24mL)中の(2S,3S,4S,5R,6S)−3,4,5−トリス(アセチルオキシ)−6−[2,6−ジメトキシ−4(メトキシカルボニル)フェノキシ]オキサン−2−カルボン酸メチル(1.2g、2.27mmol)の氷冷溶液に添加した。この混合物を、室温に温め、28時間撹拌した。反応混合物を、Dowex 50Wx8イオン交換樹脂(約6g)で処理することにより中和した。ろ過及び減圧下での揮発性物質の除去後、完全に脱保護された材料を、白色の固体として得た。同固体を、調製用HPLC(水中の10% CH
3OH)により更に精製し、真空中で揮発性物質を除去して、シリンガ酸4−O−β−D−グルクロニド(15)を、白色の固体(0.82グラム、96%)として得た。LC/MS 397.0、392.2。化合物(15)の
1H NMRを、
図5に示す。
実施例1F.3,5−ジメトキシ−4−{[(2S,3R,4R,5R,6S)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−メチルオキサン−2イル]オキシ}安息香酸(28)
【化25】
【0205】
0℃での無水酢酸(39mL、411.7mmol)中の(2R,3R,4S,5R,6R)−6−メチルオキサン−2,3,4,5−テトロール水和物(10g、54.90mmol)の撹拌懸濁液に、ピリジン(40mL、494mmol)を、10分間にわたって添加した。反応混合物を、室温に温め、16時間撹拌した。ついで、この混合物を、真空中で濃縮し、ジクロロメタンで希釈し、10% HCl(50mL)、飽和NaHCO
3及びブラインで洗浄した。ついで、有機層を、Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、(2S,3R,5S,6R)−3,4,5−トリス(アセトキシ)−6−メチルオキサン−2−イル酢酸を、透明なシロップ(17.7g、97%)として生成した。
【0206】
THF(60mL)中の(2S,3R,5S,6R)−3,4,5−トリス(アセトキシ)−6−メチルオキサン−2−イル(17.5g、52.66mmol)を、酢酸(3.32mL、57.9mmol)及びヒドラジン水和物(2.81mL、57.93mmol)で4時間処理し、その後、この反応物を、EtOAcで1回抽出した。組み合わせた有機相を水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。ろ過、続けて、減圧下での蒸発により、粗生成物を油状物として得た。同油状物を、熱EtOAc/ヘキサンから再結晶化して、生成物(2R,3S,4S,5R)−4,5−ビス(アセチルオキシ)−6−ヒドロキシ−2−メチルオキサン−3−イル酢酸を、白色の固体(9.7g、63%)として生成した。
【0207】
窒素下でのジクロロメタン(50mL)中の(2R,3S,4S,5R)−4,5−ビス(アセチルオキシ)−6−ヒドロキシ−2−メチルオキサン−3−イル酢酸(9.5g、32.73mmol)を、−20℃に冷却し、トリクロロアセトニトリル(16.4mL、163.6mmol)、続けて、DBU(0.98mL)で、15分間にわたって処理した。この反応物を、2.5時間撹拌し、ついで、真空中で濃縮して、油状物を得た。同油状物から、生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン中の30% EtOAc)により、透明な油状物(12.0g、84%)として単離した。
【0208】
シリンガ酸メチル(2.36g、11.12mmol)、(2R,3S,4S,5R)−4,5−ビス(アセチルオキシ)−6−ヒドロキシ−2−メチルオキサン−3−イル酢酸(5.8g、13.34mmol)及び4A分子ふるいを、ジクロロメタン(60mL)中において、室温で1時間撹拌し、ついで、−40℃に冷却した。BF
3−OEt
2(0.563mL、4.48mmol)を添加し、反応混合物を、0℃に温め、2時間撹拌した。この反応を、2滴のEt
3Nでクエンチし、ジクロロメタンで希釈し、ろ過し、減圧下で濃縮した。生成物であるメチル−3,5−ジメトキシ−4−{[3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリス(アセチルオキシ)−6−メチルオキサン−2−イル]オキシ}ベンゾエートを、シリカゲルクロマトグラフィーから、泡状物(3.5g、65%)として単離した。
【0209】
KOH溶液(水40mL中の2.08g、37.2mmol)を、CH
3OH中のメチル−3,5−ジメトキシ−4−{[3R,4S,5S,6R]−3,4,5−トリス(アセチルオキシ)−6−メチルオキサン−2イル]オキシ}ベンゾエートの溶液に0℃で添加した。反応混合物を、室温に温め、20時間撹拌した。ついで、反応混合物を、Dowex 50Wx8イオン交換樹脂(約7g)で中和し、ろ過し、真空中で濃縮して、28、3,5−ジメトキシ−4{[(2S,3R,4R,5R,6S)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−メチルオキサン−2−イル]オキシ}安息香酸を、白色の固体(1.1g、77%)として得た。LC/MS 343.3。化合物(28)の
1H NMRを、
図7に示す。
実施例1G.シリンガ酸4−O−β−2−デオキシ−D−グルコシド
【化26】
【0210】
2−デオキシ−D−グルコシドトリクロロアセトイミデ−ト(17)の合成を、スキ−ム5に従って調製した。
【化27】
【0211】
LiBr(59.33g、170.8mmol)、Amberlite R120(58g、CH3CNで予め洗浄)及び水(48mL)を、CH
3CN(1000mL)中のトリ−O−アセチル−D−グルカル(60g、55.1mmol)の溶液に、室温で添加した。ついで、溶媒を蒸発させ、残留物を、ジクロロメタンと水との間で懸濁させた。有機相を、冷えた1M HCl溶液(200mL)並びに飽和NaHCO
3溶液(150mL)及びブラインで洗浄した。ついで、有機相を、MgSO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で蒸発乾固させた。(2R,3S,4R)−3,4−ビス(アセチルオキシ)−6−ヒドロキシオキサン−2−イル]酢酸メチル16を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン中の30% EtOAc)により、オフホワイト色の固体(28.0g、44%)として単離した。
【0212】
ジクロロメタン(50mL)中の(2R,3S,4R)−3,4−ビス(アセチルオキシ)−6−ヒドロキシオキサン−2−イル]酢酸メチル(12.0g、41.1mmol)を、トリクロロアセトニトリル(20.73mL、206.7mmol)に添加し、続けて、DBU(0.62mL)を、窒素下0℃で20時間添加した。ついで、反応混合物を、真空中で濃縮し、[(2R,3S,4R)−3,4−ビス(アセチルオキシ)−6−[トリクロロエタンイミドイル)オキシ]オキサン−2−イル]酢酸メチル17を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン中の30% EtOAc)により、無色の油状物(13.5g、75%)として単離した。β:αアノマーの比=10:1。
【0213】
シリンガ酸メチル(1.83g、8.63mmol)、[(2R,3S,4R)−3,4−ビス(アセチルオキシ)−6−[トリクロロエタンイミドイル)オキシ]オキサン−2−イル]酢酸メチル(4.5g、10.35mmol)及び4A分子ふるいを、無水ジクロロメタン(50mL)中において、室温で1時間撹拌し、ついで、窒素下で−40℃に冷却した。BF
3−OEt
2(0.437mL、3.45mmol)を滴加し、反応混合物を、0℃に温めた。ついで、反応混合物を、0℃に温め、2時間撹拌した。その後、2滴のEt
3Nでクエンチし、ジクロロメタンで希釈し、ろ過し、濃縮した。カップリング生成物である4−{[(4R,5S,6R)−4,5−ビス(アセチルオキシ)−6−[(アセチルオキシ)メチル]オキサン−2−イル]オキシ}−3,5−ジメトキシ安息香酸メチル18を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン中の20〜50% EtOAc)により、軽い泡状固体として単離した。
【化28】
【0214】
KOH溶液(1.147g、20.4mmol、水30mLに溶解)を、メタノ−ル(30mL)中の4−{[(4R,5S,6R)−4,5−ビス(アセチルオキシ)−6−[(アセチルオキシ)メチル]オキサン−2−イル]オキシ}−3,5−ジメトキシ安息香酸メチルメチル(1.1g、2.27mmol)の氷冷溶液に添加した。この混合物を、室温に温め、16時間撹拌した。ついで、反応混合物を、Dowex 50Wx8イオン交換樹脂(約5g)で中和した。ろ過及び減圧下での揮発性物質の除去により、粗生成物を白色の固体として得た。調製用HPLC精製(水中の10% CH
3CN)により、シリンガ酸4−O−β−2−デオキシ−D−グルコシド19を、白色の固体(710mg、91%)として得た。LC/MS 365.3、343.2。化合物(19)の
1H NMRを、
図6に示す。
実施例2.甘味/風味調節成分を試験するための一般的手順
サンプル調製プロトコル
【0215】
甘味/風味調節成分としての材料を試験するために、2つのサンプルを調製した:4°ブリックス異性化糖(HFCS)対照溶液及び既知濃度の試験成分を含む4°ブリックスHFCS溶液。
サンプル調製
【0216】
50.89グラムの78.60°ブリックスHFCSを、1000gのリン酸ベースに添加することにより、4°ブリックスHFCS対照溶液を調製した。同リン酸ベースを、1LのAquafina Waterにリン酸をpH3.1まで滴加することにより調製して得た。METTLER TOLEDO pHメーターを使用して、pHを測定した。
【0217】
HFCS開始シロップのブリックスが異なる場合、HFCS対照溶液を調製するのに必要なHFCS量に関して下記式を使用することができる。
4°ブリックス/100
*1000mL/(78.5°ブリックス/100)=50.96
【0218】
濁りが持続する場合、サンプル溶液を、ろ紙に通過させた。いくつかの低可溶性化合物については、Branson 2800超音波浴を使用して、材料を溶解させた。濁りが持続する場合、サンプル溶液を、ろ紙に通過させた。溶液を通してレーザーポインタを照射することにより、溶解性を確認した。回折が観察されなかった場合には、その材料は可溶性であると仮定した。
テイスターに対する指示
【0219】
各試験について、12〜16名のテイスターに、これらの2つの番号の付いたサンプルを提示し、2つのサンプル間の甘味品質の差に注目するように依頼した。また、テイスターに、甘味の開始、甘味の残味、全体的な砂糖様甘味並びに苦味、金属味、渋み、清涼感、何らかの異味及び何らかの関連する風味のような他の品質にもコメントするように依頼した。また、テイスターに、サンプル臭の差異を評価し、何らかの説明を提供するように依頼した。
【0220】
テイスターに、テイスティングの少なくとも1時間前には食べないように依頼し、すべてのサンプルのテイスティング間に、Aquafina waterで少なくとも5回すすぐように求めた。
【0221】
化合物5を、リン酸中の4°ブリックスHFCSに、35ppmで添加した。この溶液を、リン酸中の4°ブリックスHFCSと比較した。テイスターの大多数は、差異に気付き、化合物5を含有する溶液について、「より丸味のある甘さである」、「より糖様である」及び「より甘みを感じるのが早い」のような品質を報告した。
【0222】
特定の実施形態の前述の説明は、当業者が知識を適用することにより、他の人にも可能である、そのような特定の実施形態を様々な用途に容易に変更及び/又は適合させ、過度の実験をすることなく、本発明の一般的な概念から逸脱することなく、本発明の一般的な性質を完全に明らかにするであろう。したがって、そのような適合及び修正は、本明細書に提示された教示及び指導に基づいて、開示された実施形態の等価物の意味及び範囲内にあることが意図される。本明細書の表現法又は用語法は、説明を目的とするものであって、限定するものではないことを理解されたく、したがって、本明細書の用語法又は表現法は、教示及び指導の観点から当業者によって解釈されるべきである。
【0223】
本発明の広がり及び範囲は、上記例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではない。
【0224】
本明細書に記載された様々な態様、実施形態及び選択肢のすべては、任意の変形形態及びすべての変形形態において組み合わせることができる。
【0225】
本明細書で言及されたすべての刊行物、特許及び特許出願は、各個々の刊行物、特許又は特許出願が具体的に、かつ個々に参照により組み込まれることが示されているのと同様に、参照により組み込まれている。