特許第6974431号(P6974431)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6974431光学母材を加熱炉内に配置するシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6974431
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】光学母材を加熱炉内に配置するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   C03B 37/014 20060101AFI20211118BHJP
【FI】
   C03B37/014 Z
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-504754(P2019-504754)
(86)(22)【出願日】2017年7月14日
(65)【公表番号】特表2019-523208(P2019-523208A)
(43)【公表日】2019年8月22日
(86)【国際出願番号】US2017042040
(87)【国際公開番号】WO2018022316
(87)【国際公開日】20180201
【審査請求日】2020年7月13日
(31)【優先権主張番号】62/368,581
(32)【優先日】2016年7月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン,アーリング リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ,ケネス ウィリアム
【審査官】 松本 瞳
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭54−088325(JP,A)
【文献】 特開2011−084409(JP,A)
【文献】 特開2001−048565(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0044743(US,A1)
【文献】 特開2000−044269(JP,A)
【文献】 特開2010−241674(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 1/00− 5/44
8/00− 8/04
19/12−20/00
37/00−37/16
G02B 6/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学母材を加熱炉内に配置する方法であって、
駆動アセンブリに可動可能に連結された、チャックインターフェースを用意するステップと、
前記チャックインターフェースをシールアセンブリ内に配置するステップと、
前記チャックインターフェース内にハンドルを連結するステップであって、前記ハンドルの前記チャックインターフェースと反対側の端部に光ファイバー母材が配置されている、ステップと、
前記ハンドルを管内に配置するステップと、
前記光ファイバー母材を加熱炉内に配置するステップと、
前記管内において、前記ハンドルを横方向及び回転方向の少なくとも一方に移動して、前記加熱炉内において、前記光ファイバー母材を横方向及び回転方向の少なくとも一方に移動する、ステップと、
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ハンドルが、前記管内において横方向に移動し、該移動が前記管とは独立していることを特徴とする、請求項記載の方法。
【請求項3】
前記ハンドルが、前記管内において回転方向に移動し、該移動が前記管とは独立していることを特徴とする、請求項記載の方法。
【請求項4】
光学母材を加熱炉に配置するシステムであって、
下方供給ハンドルであって、
第1及び第2の端部を画成する管、
前記管内に配置され該管を通して延びるハンドル、及び
前記ハンドル及び前記管の両方の周囲に延び、前記ハンドルが貫通して延びるシールアセンブリであって、前記管が内部で終端しているアセンブリ
を有する下方供給ハンドルと、
前記ハンドルの周囲かつ前記シールアセンブリ内に配置されたチャックインターフェースと、
前記チャックインターフェースを収容するように構成されたチャックを有する駆動アセンブリであって、前記シールアセンブリ内の前記チャックインターフェース、及び前記管内の前記ハンドルを移動するように構成された駆動アセンブリと、
を備えたことを特徴とするシステム。
【請求項5】
前記ハンドルが、前記シールアセンブリ及び前記管の両方を完全に通して延びていることを特徴とする、請求項記載のシステム。
【請求項6】
前記管の周囲かつ前記シールアセンブリ内に配置された管シールを更に備え、前記駆動アセンブリが、前記管内において、前記ハンドルを横方向及び回転方向の少なくとも一方に移動するように構成されていることを特徴とする、請求項記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連技術の相互参照】
【0001】
本願は、その内容に依拠し、参照により、全内容が本明細書に組み込まれる、2016年7月29日出願の米国仮特許出願第62/368,581号の米国特許法第119条に基づく優先権を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本開示は、概して、光学部品を配置するシステムに関し、より具体的には、光学母材を加熱炉内に配置するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0003】
光ファイバーの製造及び光ファイバー母材の圧密化に用いられる加熱炉は、一般に、様々な密封方法によって得られる隔離環境を必要とし、光ファイバーの製造及び光ファイバー母材の圧密化において、1種以上の非反応性又は希ガスの制御流が利用される。加熱炉内及び加熱炉に近接するシールは高温に曝される可能性があるため、静圧シール又は高温耐性材料を使用する必要がある。静圧シールを使用すると、システムからの非反応性ガス又は希ガスの漏れを抑えきれず、追加コストと再生不能な資源の損失を招く。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の少なくとも1つの態様によれば、光学母材を加熱炉内に配置するシステムが提供される。本システムは、上部マッフルと、第1の端部及び上部マッフル内に延びる第2の端部を画成する管を有する下方供給ハンドルアセンブリとを備えている。ハンドルが管内に配置されている。ハンドルの第2の端部が上部マッフル内に延び、シールアセンブリが、管及びハンドルの両方の周囲に配置されている。ハンドルが、シールアセンブリを貫通して延びている。駆動アセンブリがハンドルに連結されている。
【0005】
本開示の別の態様によれば、光学母材を加熱炉内に配置する方法が提供される。本方法は、駆動アセンブリに可動可能に連結された、チャックインターフェースを用意するステップと、チャックインターフェースをシールアセンブリ内に配置するステップと、チャックインターフェース内にハンドルを連結するステップであって、ハンドルのチャックインターフェースと反対側の端部に光ファイバー母材が配置されている、ステップと、ハンドルを管内に配置するステップと、光ファイバー母材を加熱炉内に配置するステップと、管内において、ハンドルを横方向及び回転方向の少なくとも一方に移動して、加熱炉内において、光ファイバー母材を横方向及び回転方向の少なくとも一方に移動する、ステップと、を備えている。
【0006】
本開示の別の態様によれば、光学母材を加熱炉内に配置するシステムが提供される。本システムは、第1の端部及び第2の端部を画成する管を有する下方供給ハンドルを備えている。ハンドルが管内に配置され管を通して延び、シールアセンブリが、ハンドル及び管の両方の周囲に延びている。ハンドルがシールアセンブリを貫通して延びている。管はシールアセンブリ内で終端している。チャックインターフェースが、ハンドルの周囲かつシールアセンブリ内に配置されている。駆動アセンブリが、チャックを有している。チャックは、チャックインターフェースを収容するように構成されている。駆動アセンブリは、シールアセンブリ内のチャックインターフェース、及び管内のハンドルを移動するように構成されている。
【0007】
以下の詳細な説明、特許請求の範囲、及び添付図面を参照することによって、当業者により、本開示のこれ等及び他の特徴、効果、及び目的について更に理解され正当に認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】1つの実施形態による、シールアセンブリを組み込んだ母材圧密システムの概略断面図。
図2】1つの実施形態による、図1のシールアセンブリの拡大図。
図3】1つの実施形態による、光ファイバーを加熱炉内に配置する方法を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の更なる特徴及び利点は、これに続く詳細な説明に記載されており、当業者にはその記述から明らかであり、特許請求の範囲及び添付図面と併せて、以下に記載の本発明を実施することによって認識されるであろう。
【0010】
本明細書において、「及び/又は」という用語は、複数の項目の列挙に使用されている場合、列挙された項目のうちの任意の1つそのものを用いることができるか、又は列挙された項目のうちの2つ以上の任意の組み合わせを用いることができることを意味する。例えば、組成が成分A、B、及び/又はCを含むと記述されている場合、組成はAのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの組み合わせ、AとCの組み合わせ、BとCの組み合わせ、又はA、B、及びCの組み合わせを含むことができる。
【0011】
本文書において、第1及び第2、上部及び下部等の関係用語は、ある実体又は行動を他の実体又は行動と区別するためにのみに使用されているのであって、必ずしもかかる実体又は行動間に、実際にかかる関係又は順序が必要であることを示すものでも、暗示するものでもない。「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、又はこれ等の任意の他の変形は、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置が、これ等の要素だけを含むのではなく、明示的に列挙されていない、又はかかるプロセス、方法、物品、又は装置に固有の他の要素も含むことができる、非排他的包含をカバーすることを意図している。「含む(comprises)」によって先行された要素は、その要素を含むプロセス、方法、物品又は装置において、同様の要素が存在することを排除しない。
【0012】
図1において、参照番号10は、概して、光ファイバー母材を圧密するように構成された母材圧密システムを示している。母材圧密システム10は、母材圧密システム10内を可動可能な下方供給ハンドル12を備えている。下方供給ハンドル12は、管18内に配置されたハンドル14を有している。ハンドル14は第1の端部14A及びハンドル14の対向端部に配置された第2の端部14Bを有することができる。第1の端部14Aは上部の端部であり、第2の端部14Bは下部の端部である。ハンドル14は、ガラス、ガラスセラミック、又はセラミック材料で構成することができる。特定の実施例において、ハンドル14は石英で構成することができる。管18は、第1の端部18A及び第2の端部18Bを画成することができる。図示の例において、第1の端部は上部の端部であり、第2の端部18Bは下部の端部である。更に、管18は中空であって、管18内に内部容積18Cが画成されている。ハンドル14は、管18の内部容積18Cを貫通している。管18は、ハンドル14の外径より大きい内径を有し、ハンドル14が、管18の内部容積18C内において、管18とは独立して水平方向に移動することができる。管18はガラス、ガラスセラミック、又はセラミック材料で構成することができる。特定の実施例において、外側管18は、石英又はシリカガラスで構成することができるが、これに限定されるものではない。様々な実施例によれば、ハンドル14は、管18の第1及び第2の端部18A、18Bの外に延びることができる。
【0013】
母材圧密システム10は、シールアセンブリ22を更に備えている。シールアセンブリ22は、母材圧密システム10内からの抑制できないガスの漏れを少なくすると共に、システム10の周囲環境に存在するガスが、母材圧密システム10内に進入するのを防止するように構成されている。シールアセンブリ22は、ハンドル14及び管18両方の周囲に配置されている。ハンドル14は、シールアセンブリ22及び管18を完全に通して延びることができる。管18はシールアセンブリ22内において終端することができる(例えば、シールアセンブリ22が、管18の第1の端部18Aを囲むことができる)。より詳細に後述するように、シールアセンブリ22を用いることによって、母材圧密システム10の上部からのガスの漏れを最小限に抑制又は防止する一方、ハンドル14は、横方向、即ちX−Y水平方向に可動可能であり、かつ管18内でZ方向の周りを回転することができる。ハンドル14の外径及び管18の外径は、管18に対するハンドル14の横方向の動きが所望の程度に達成され得るように寸法決めされている。ハンドル14と管18との直径の差は、母材50と上部マッフル42との直径の差に相当する(例えば、0.5インチ(約12.7mm)未満、約0.25インチ(約6.35mm)未満、又は0.125インチ(約3.18mm)未満)。
【0014】
管18の周囲及びシールアセンブリ22の下方に配置されているのは、トップハット26である。トップハット26と管18との界面に配置されているのはシール30である。1つの実施例において、シール30はリップシールであってよい。シール30は、母材圧密システム10内のガスの漏れを防止する密封性を維持する一方、管18の垂直方向又はZ方向における、トップハット内外への摺動又は通過摺動することができるように構成されている。シール30は、エラストマー材料で構成されたラジアルシャフトシールであってよい。1つの実施例によれば、シール30は、バネ付勢プラスチックUカップシールであってよい。かかる実施形態において、バネはエラストマー材料の自己復元性に対し復元力を与えることができる。様々な実施例によれば、シール30は低い摩擦係数を示すことができる。シールアセンブリ22が、トップハット26に向かって、又はトップハット26から離れるように移動することができるように、ハンドル14及びシールアセンブリ22が、管18と一緒に、同様に垂直方向に移動することができる。トップハット26は、ガス通路34を覆って延び、その上方に配置されている。ガス通路34は、制御かつ誘導されたガスの流れを可能にする、単一の開口又は複数の開口であってよい。トップハット26とガス通路34との間に配置されているのは、トップハットシール38である。様々な実施例によれば、トップハットシール38は、より詳細に後述する膨張可能シールであってよい。トップハットシール38は、母材圧密システム10内部と環境との間における、ガスの交換を防止するように構成されている。トップハットシール38は、嚢として機能することができる内部ガスボイドを備えたエラストマー材料で構成することができる。内部ガスボイド内の圧力が増すにつれ、トップハットシール38のエラストマー材料の寸法が大きくなることによって、トップハット26がガス通路34に封止される。トップハットシール38は、ガス通路34の上、上部マッフル42、又はトップハット26の内面に配置することができる。様々な実施例によれば、トップハット26、ガス通路34、及び/又はトップハットシール38が、冷却剤(例えば水)を通すように構成された通路を備え、トップハットシール38が過熱しないようにすることができる。
【0015】
上部ガス通路34は、例えば、母材圧密システム10の加熱炉部分に対する不活性ガスの供給に使用することができる、取り付け用のフランジを両端に有する円筒形の二重壁機械装置であってよい。ガス通路34に流体連結しているのは、上部マッフル42である。上部マッフル42は、ファイバー母材50が通過することができる内部通路46を画成している。ファイバー母材50は、ハンドル14の第2の端部14Bによって支持されている。具体的には、溶融シリカブール52が、ハンドル14の第2の端部に連結され、ファイバー母材50の端部を保持するように構成されている。ブール52とハンドル14との間に配置されているのはバッフル54である。バッフル54は、ガラス接合シールを介して、ブール52に接合することができる。バッフル54は、内部通路46と内部容積18Cとの間のガスの交換に耐える(例えば、流体連通を最小限に抑制する)ように、ハンドル14の第2の端部14B上に寸法決めされ、配置されている。バッフル54は管18より大きい直径を有することができる。バッフル54は石英で構成することができる。管18の第2の端部18Bの外面に配置されているのはフランジ56である。フランジ56は、シール30に近接してトップハット26に接触するように寸法決めされ、構成されている。ハンドル14が、管18に対して確実に移動することができるように、バッフル54の上面とフランジ56の底部との間にギャップが維持されている。このギャップは約0.125インチ(約3.18mm)未満、約0.09375インチ(約2.38mm)、又は約0.0625インチ(約1.59mm)であってよい。フランジ56は、下方供給ハンドル12を母材圧密システム10から引き離すとき(例えば、母材圧密システム10に新しいファイバー母材を取り付ける際)トップハット26を保持するのに有用である。ファイバー母材50が、上部マッフル42内に下降すると、トップハット26が、フランジ56によって保持され、下方供給ハンドル12が、ファイバー母材50を引き続き母材圧密システム10内に下降させる、ガス通路34上の位置に据えられる。
【0016】
上部マッフル42の下方に配置されているのは加熱炉58である。加熱炉58は、ファイバー母材50を加熱して、ファイバー母材50を強化(例えば、密度の向上)するように構成されている。加熱炉58は、約1500℃の温度に加熱することができる。
【0017】
ここで、図2において、前述のように、ハンドル14は、シールアセンブリ22を貫通して延びている。シールアセンブリ22の上方に配置されているのは、駆動アセンブリ74である。駆動アセンブリ74は、チャックインターフェース82を介してハンドル14に連結されたチャック78を有している。駆動アセンブリ74は、垂直に積み重ねられ、90°離れて取り付けられた2つの直線ステージを有することができる。駆動アセンブリ74は、管18内において、ハンドル14(即ち、加熱炉58内のファイバー母材50)にX方向及びY方向の動き(例えば、横移動)を与えるように構成されている。更に、チャック78は、2つの直線ステージに連結された回転駆動装置を介して、回転することができ、それによって、ハンドル14及び光ファイバー母材50が、チューブ18、シールアセンブリ22、及び加熱炉58とは独立して回転することができる。回転の実施形態において、管18及び/又はシールアセンブリ22の回転を係止することができる。様々な実施例によれば、チャック78は、チャックインターフェース82を把持するように構成された、複数のジョー86を有することができる。図示の実施例において、チャック78は、チャックインターフェース82の周囲を把持するように構成された、3つのジョー86(即ち、図示の断面図では1つのみが見える)を有することができるが、3つより少ないか又は多いジョー86を有することができる。本明細書に記載の教示から逸脱せずに、チャック78は、ジョー86の代わりに、別の把持構造体(例えば、締め具、留め具等)を備えることができる。
【0018】
チャックインターフェース82は、駆動アセンブリ74及びジョー86をハンドル14の第1の端部14Aに連結するように構成されている。チャックインターフェース82は、インターフェース本体90及びインターフェースフランジ94を画成している。インターフェース本体90は、ジョー86によって把持されるように構成されている。チャックインターフェース82は、ハンドル14の第1の端部14Aが配置されている開口部98を画成している。開口部98は、インターフェースフランジ94及びインターフェース本体90を貫通して延びている。内部ハンドルシール102が、インターフェース本体90とハンドル14との間の開口部98内に配置されている。インターフェースフランジ94は、インターフェース本体90から、半径方向外向きに延びている。インターフェースフランジ94は、インターフェース本体90の周囲に均等に(例えば、円形状に)、又は考えられ得る他の形状及び構成で延びることができる。インターフェースフランジ94は、より詳細に後述するシールアセンブリ22と連結するように構成された、フランジ面106を画成している。チャックインターフェース82の上部に配置されているのは、ハンドルロック108である。ハンドルロック108は、ハンドル14によって画成されたハンドル溝112に係合するように構成された、ハンドルフランジ110を画成している。ハンドルフランジ110が、ハンドル溝112に係合することによって、ハンドル14がシール組立体22と一緒にZ方向に移動することができるように、ハンドル14を支持することができる。ハンドル14の重量は、チャックインターフェース82上に配置されたハンドルロック108を介して、チャックインターフェース82に伝達される。
【0019】
シールアセンブリ22は、母材圧密システム10内からのガスの漏れを防止する一方、チャックインターフェース82、ハンドル14、及び管18を収容するように構成されている。シールアセンブリ22は、上部プレート114、シール本体118、及び底部プレート122を有している。上部プレート114は、チャックインターフェース82を収容するように構成された、チャック開口部126を画成している。チャック開口部126は、チャックインターフェース82が、シールアセンブリ22に対し、その内部において、横方向(例えば、X方向及びY方向)に移動できるように、インターフェース本体90より大きい直径を有することができる。上部プレート114とシール本体118との間に画成されているのは、フランジ開口部130である。フランジ開口部130は、インターフェースフランジ94を収容し、シールアセンブリ22に対する水平面内において、インターフェースフランジ94(即ち、チャックインターフェース82)を横方向に移動することができるように寸法決めされている。シール本体118は、フランジ開口部130と管開口部138とを接続するシール開口部134を画成している。シール開口部134の周囲に配置されているのは、面シール142である。面シール142は、フランジ面106に物理的に接触するように構成されている。面シール142及びフランジ面106は、母材圧密システム10内のガスの漏れを防止する密封連結するように構成されている。面シール142は、管18の内部容積18C(即ち、それによって加熱炉58(図1))からガスが漏れるのを防止する一方、インターフェースフランジ94が、シールアセンブリ22内で移動することができるように、フランジ面106に接触するように構成されている。面シール142に交差するフランジ面106の移動によって、管18内において、ハンドル14が並進移動することができる。チャック78の回転運動によって、面シール142に交差するフランジ面106の回転運動、及び管18内におけるハンドル14の同時回転運動が可能になる。様々な実施例において、面シール142は、エラストマー材料で構成することができる。別の実施例において、面シール142は、ガラス充填テフロン(登録商標)で構成することができる。面シール142の摩擦が十分に低く(例えば、約0.05〜約0.2の静摩擦係数)、駆動アセンブリ74によって、管18内において、ハンドル14が移動するとき、ハンドル14の角度のたわみを最小限に抑制することができる。下方供給ハンドル12の図示の実施例は、面シール142を駆動アセンブリ74近接配置することによって、水平移動中におけるハンドル14に加わるモーメント荷重が最小限に抑制される。これにり、面シール142を自由端(例えば、下方供給ハンドル12のハンドル14の第1の端部)に配置することができる。
【0020】
管18の第1の端部18A(図1)は、シールアセンブリ22の管開口部138内に配置されている。シールアセンブリ22は、管開口部138内の管18とシール本体118との間に配置された管シール146を有している。管シール146は、管18の内部容積18Cと環境との間のガスの交換を防止するように構成されている。管シール146は、エラストマー材料で構成することができる。下部プレート122は、管ロック150を画成している。管ロック150は、管溝154に係合するように構成されている。管ロック150が、管溝154に係合することによって、シールアセンブリ22が、シールアセンブリ22と一緒に、管18がZ方向に移動することができるように、管18を支持することができる。
【0021】
ここで、図1及び2において、母材圧密システム10内で下方供給ハンドル12を操作する1つの例示的な方法によれば、下方供給ハンドル12及びトップハット26が、上部マッフル42及びガス通路34の上方に間隔を空けた構成で配置される。トップハット26は、管18のフランジ56によって支持される。ファイバー母材50が、ブール内に取り付けられ、次いで上部マッフル42内に下降される。ファイバー母材50が、上部マッフル42内に下降して加熱炉58に入ると、トップハット26が、ガス通路34の上部の周囲に固定される。加熱炉58の下方に配置されているのは、母材圧密装置10にガスが出入りすることができるように構成されたガスポート36である。ガス通路34が上部マッフル42の一部であることが理解されるであろう。トップハット26がガス通路34の上部に固定された後、トップハットシール38が、トップハット26に接触して、ガス通路34に封止されるまで内部ボイドが加圧されることによって、トップハット26が上部マッフル42に封止される。次に、低摩擦シール30を介して、下方供給ハンドル12を滑走させ、更にファイバー母材50を加熱炉58内に下降させることができる。様々な状況下において、光ファイバー母材50の圧密化は、加熱炉58内において、ファイバー母材50を(例えば、横方向に移動又は回転させて)中心に配置することが有益であり得る。かかる状況下において、駆動アセンブリ74を作動させて、母材50を支持しているハンドル14を移動することによって、加熱炉58内において、ファイバー母材50を横方向又は水平方向に移動することができる。ファイバー母材50を圧密化した後、下方供給ハンドル12及びトップハット26を上部マッフル42及び加熱炉58から取り外し、新しいファイバー母材50をブール52に取り付けて、プロセスを再開することができる。
【0022】
ここで、図3は光ファイバー母材50を加熱炉内に配置する方法160を示す図である。方法160は、ステップ164、168、172、176、180、及び184を備えている。まず、駆動アセンブリ74に可動可能に連結されたチャックインターフェース82を用意するステップ164が実行される。前述のように、チャックインターフェース82は、ジョー86を介して、駆動アセンブリ74に可動可能に連結することができる。次に、チャックインターフェース82をシールアセンブリ22内に配置するステップ168が実行される。次に、チャックインターフェース82内にハンドル14を連結するステップ172が実行される。前述のように、ハンドル14のチャックインターフェース82と反対側の端部に、光ファイバー母材50を配置することができる。次に、ハンドル14を管18内に配置するステップ176が実行される。次に、光ファイバー母材50を加熱炉内に配置するステップ180が実行される。最後に、管18内において、ハンドル14を横方向及び回転方向の少なくとも一方に移動し、加熱炉58内において、光ファイバー母材50を横方向及び回転方向の少なくとも一方に移動するステップ184が実行される。方法160は、特定の順序で図示及び説明されているが、ステップ164、168、172、176、180、及び184は、任意の順序及び介在するステップを伴って実施することができることが理解されるであろう。
【0023】
本開示の母材圧密システム10を使用することによって、幾つかの有益性得ることができる。第1に、ハンドル14、シールアセンブリ22、及び管18を使用することによって、加熱炉58内において、ファイバー母材50をX、Y、及びZ方向の位置決め及び回転が可能であり、母材50の加熱を最適化することができる。前述のように、駆動アセンブリ74が、チャックインターフェース82に横方向の動き(例えば、X及びY方向)を与えて、管18内のハンドル14、及び加熱炉58内の光ファイバー母材50を移動することができる。このように、ファイバー母材50の垂直方向の位置に関係なく、母材50を加熱炉58内の中央に維持することができる。更に、前述のように、ハンドル14、シールアセンブリ22、及び管18と共に、駆動アセンブリ74を使用することによって、管18及び加熱炉58とは独立して、ハンドル14及び光ファイバー母材50を回転することができる。加熱炉58内において、光ファイバー母材50を回転することは、光ファイバー母材50を均一に加熱及び圧密化する上で有益である。第2に、チャックインターフェース82、駆動アセンブリ74、及びシールアセンブリ22を使用することによって、ハンドル14に加わるモーメント荷重が小さくなる。ハンドル14は、高温耐性ではあるが、低曲げ耐性材料で構成されている可能性があるため、ハンドル14にかかるモーメント荷重を小さくすることによって、ハンドル14の亀裂及び不具合の恐れが減少する。第3に、開示した前述のものを使用することによって、面シール142、ハンドルシール102、及び管シール146を含む、シールアセンブリ22を加熱炉58の熱から離して配置することができる。面シール142、ハンドルシール102、及び管シール146を、加熱炉58の熱及び高温度から離して配置することによって、シール142、102、146には、低温/低コストのエラストマー材料を使用することができる。従って、頻繁に交換する必要がない、低コストの材料で構成された標準的な/単純なシール(例えばガス)を使用して加熱炉の隔離が維持される。更に、静圧面シール(例えば、流動ガスによって上昇する浮遊プレート)を必要としないため、母材圧密システム10内のプロセスガスの維持に役立つ。第4に、シールアセンブリ22を使用することによって、プロセスガスの環境への逸失を最小限に抑制する一方、管18に対してハンドル14を移動することができる。
【0024】
本開示は母材圧密システム10に関連して説明しているが、別の実施形態によれば、シールアセンブリ22、下方供給ハンドル12、ハンドル14、管18、及び同様に構成された部品を実質的に同様の方法で、ファイバー線引き炉に使用することができることを理解されたい。ファイバー線引き炉は、母材圧密システム10と同様、垂直に配向することができる。シールアセンブリ22、下方供給ハンドル12、ハンドル14、管18、及び同様に構成された部品を利用して、母材圧密システム10に関連して説明したのと実質的に同様の方法で、ファイバー線引き炉内のプロセスガスの漏れを防止することができる。
【0025】
当業者及び本開示の製造者又は使用者には、本開示の改良が思い浮かぶであろう。従って、図示及び前述した実施形態は単なる例示であって、本開示を限定することを意図するものではなく、本開示は、均等物の原則を含む、特許法の原則に従って解釈される、添付の特許請求の範囲によって規定されるものである。
【0026】
記載した開示の構造物、及び他の構成要素は、如何なる特定の材料にも限定されないことが当業者には理解されるであろう。本明細書に開示された、本開示の他の例示的な実施形態は、本明細書に特に断りのない限り、多種多様な材料で形成することができる。
【0027】
本明細書において、「連結された」という用語は(そのすべての形態、連結する、連結している、連結された等において)、概して、(電気的又は機械的な)2つの構成要素の直接又は間接的な相互の接合を意味する。かかる接合は、本質的に固定であっても、本質的に可動可能であってもよい。かかる接合は(電気的又は機械的な)2つの構成要素と、互いに単一体として一体的に形成されている任意の追加の介在部材とによって、又は2つの構成要素によって実現することができる。かかる接合は、特に断りがない限り、本質的に、恒久的、取り外し可能、又は解放可能であってよい。
【0028】
例示的な実施形態に示されている、構造物及び構成要素の配置は、例示に過ぎないことに留意することも重要である。本開示では、発明の幾つかの実施形態のみが詳細に記載されているが、本開示を検討する当業者には、記述された主題の新規な教示及び利点から実質的に逸脱せずに、(例えば、様々な要素の大きさ、寸法、構造、形状、及び割合の変更、パラメータの値、取り付け方法、材料の使用、色、配向等)多くの修正が可能であることが容易に理解されるであろう。例えば、一体成形されたものとして示されている要素は、複数の部品から構成されていてもよく、複数の部品として示されている要素が一体成形されていてもよく、構造体及び/又は部材、又はコネクタ、あるいはシステムの他の要素の長さ又は幅は変更可能であり、要素間に設けられる調整位置の特性又は数は変更可能である。システムの要素及び/又はアセンブリは、任意の多種多様な色、質感、及び組み合わせにおいて、十分な強度又は耐久性を有する多種多様な材料のうちの任意のもので構成することができることに留意されたい。従って、かかる修正はすべて本発明の範囲に含まれることを意図するものである。本発明の精神から逸脱せずに、設計、動作条件、並びに望ましい及び例示的な実施形態の構成において、他の置換、改良、変更、及び省略を行うことができる。
【0029】
説明したすべての方法、又は説明した方法のステップを、別の開示した方法又はステップと組み合わせて、本開示の範囲に属する構成を形成することができる。本明細書に開示の例示的な構造及び方法は、例示を目的とするものであって、限定と解釈されるべきものではない。
【0030】
本開示の概念から逸脱することなく、前述の構造及び方法に変更及び改良を加えることができ、更に、かかる概念は、特許請求項の言語によって明示的に別のことが記述されていない限り、特許請求項に包含されることを意図するものであることも理解されたい。更に、以下に記載の特許請求の範囲は「発明を実施するための形態」に組み込まれ、その一部を構成するものである。
【0031】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0032】
実施形態1
光ファイバー母材を加熱炉内に配置するシステムであって、
上部マッフルと、
下方供給ハンドルアセンブリであって、
第1の端部及び前記上部マッフル内に延びる第2の端部を画成する管、
前記管内に配置されたハンドルであって、前記ハンドルの第2の端部が、前記上部マッフル内に延びるハンドル、及び
前記管及び前記ハンドルの両方の周囲に配置され、前記ハンドルが貫通して延びるシールアセンブリを有する、ハンドルアセンブリと、
前記ハンドルに連結された駆動アセンブリと、
を備えたシステム。
【0033】
実施形態2
前記駆動アセンブリが、前記管内において、前記ハンドルを横方向及び回転方向の少なくとも一方に移動するように構成されている、実施形態1記載のシステム。
【0034】
実施形態3
前記ハンドルが、前記管とは独立して移動するように構成されている、実施形態2記載のシステム。
【0035】
実施形態4
前記管の前記第2の端部の近傍で前記ハンドルに連結され、前記管の内部容積と前記上部マッフルとの間の流体連通を最小限に抑制するように構成されたバッフルを更に備えた、実施形態3記載のシステム。
【0036】
実施形態5
前記ハンドルが、前記管の前記第1及び第2の端部の外に延びている、実施形態1〜4いずれかに記載のシステム。
【0037】
実施形態6
前記管が、前記第2の端部の近傍でフランジを画成している、実施形態1〜5いずれかに記載のシステム。
【0038】
実施形態7
前記シールアセンブリが、前記ハンドルに物理的に接触しているハンドルシールを更に有している、実施形態1〜6いずれかに記載のシステム。
【0039】
実施形態8
前記シールアセンブリが、前記管の前記第1の端部の近傍で、前記管に物理的に接触している管シールを更に有している、実施形態1〜7いずれかに記載のシステム。
【0040】
実施形態9
光学母材を加熱炉内に配置する方法であって、
駆動アセンブリに可動可能に連結された、チャックインターフェースを用意するステップと、
前記チャックインターフェースをシールアセンブリ内に配置するステップと、
前記チャックインターフェース内にハンドルを連結するステップであって、前記ハンドルの前記チャックインターフェースと反対側の端部に光ファイバー母材が配置されている、ステップと、
前記ハンドルを管内に配置するステップと、
前記光ファイバー母材を加熱炉内に配置するステップと、
前記管内において、前記ハンドルを横方向及び回転方向の少なくとも一方に移動して、前記加熱炉内において、前記光ファイバー母材を横方向及び回転方向の少なくとも一方に移動する、ステップと、
を備えた方法。
【0041】
実施形態10
前記ハンドルが、前記シールアセンブリを通して延びている、実施形態9記載の方法。
【0042】
実施形態11
前記ハンドルが、前記管内において横方向に移動し、該移動が前記管とは独立している、実施形態10記載の方法。
【0043】
実施形態12
前記ハンドルが、前記管内において、回転方向に移動し、該移動が前記管とは独立している、実施形態11記載の方法。
【0044】
実施形態13
前記ハンドル及び前記管が、垂直方向に一緒に移動するように構成されている、実施形態9〜12いずれかに記載の方法。
【0045】
実施形態14
前記チャックインターフェースが、前記シールアセンブリの面シールに連結されている、実施形態9〜13いずれかに記載の方法。
【0046】
実施形態15
光学母材を加熱炉に配置するシステムであって、
下方供給ハンドルであって、
第1及び第2の端部を画成する管、
前記管内に配置され該管を通して延びるハンドル、及び
前記ハンドル及び前記管の両方の周囲に延び、前記ハンドルが貫通して延びるシールアセンブリであって、前記管が内部で終端しているアセンブリ
を有する下方供給ハンドルと、
前記ハンドルの周囲かつ前記シールアセンブリ内に配置されたチャックインターフェースと、
前記チャックインターフェースを収容するように構成されたチャックを有する駆動アセンブリであって、前記シールアセンブリ内の前記チャックインターフェース、及び前記管内の前記ハンドルを移動するように構成された駆動アセンブリと、
を備えたシステム。
【0047】
実施形態16
前記ハンドルが、前記シールアセンブリ及び前記管の両方を完全に通して延びている、実施形態15記載のシステム。
【0048】
実施形態17
前記シールアセンブリ内に配置され、前記チャックインターフェースに物理的に接触している面シールを更に備えた、実施形態15記載のシステム。
【0049】
実施形態18
前記チャックインターフェース内において、前記ハンドルの周囲に配置されたハンドルシールを更に備えた、実施形態17記載のシステム。
【0050】
実施形態19
前記管の周囲かつ前記シールアセンブリ内に配置された管シールを更に備えた、実施形態18記載のシステム。
【0051】
実施形態20
前記駆動アセンブリが、前記管内において、前記ハンドルを横方向及び回転方向の少なくとも一方に移動するように構成されている、実施形態19記載のシステム。
【符号の説明】
【0052】
10 母材圧密システム
12 下方供給ハンドル
14 ハンドル
18 管
18C 内部容積
22 シールアセンブリ
26 トップハット
30 シール
34 ガス通路
36 ガスポート
38 トップハットシール
42 上部マッフル
46 内部通路
50 母材
52 ブール
54 バッフル
56 フランジ
58 加熱炉
74 駆動アセンブリ
78 チャック
82 チャックインターフェース
86 ジョー
102 内部ハンドルシール
142 面シール
図1
図2
図3