(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記液体除去工程d)から得られた前記母液流(1bis)の一部が、蒸発結晶化工程e)にかけられること、前記流れの50重量%〜99.9重量%が前記蒸発結晶化工程にかけられること、及び前記流れの0.1重量%〜50重量%が前記結晶化工程c)で留出物に再導入されることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【背景技術】
【0002】
結晶化母液を利用しようと探究する先行技術のプロセスとは異なり、蒸発結晶化は、少なくとも1つの濃縮工程、次いで、蒸留、クロマトグラフィー、又は結晶化による精製のうちの少なくとも1つの工程からなる一連の工程を経済的かつ効率的に置き換える。
【0003】
再生可能な生物資源の利用は、石油などの化石原料の枯渇及びコスト上昇に直面して、主要な環境上かつ経済的緊急課題となっている。特に、製薬分野、化学合成中間体の製造及びプラスチック分野において、強力な開発可能性がある1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールの開発は、この状況に陥っている。
【0004】
イソヘキシドとも呼ばれる、これらの生成物は、ソルビトール、マンニトール、及びイジトールなどの水素化C
6糖(ヘキシトール)の内部脱水によって得られる。本出願において、用語「ジアンヒドロヘキシトール」は、次式:
【化1】
を有するイソソルビド(1,4:3,6−ジアンヒドロソルビトール)、イソマンニド(1,4:3,6−ジアンヒドロマンニトール)及びイソイジド(1,4:3,6−ジアンヒドロイジトール)、ならびにまたこれらの生成物の混合物を包含する。
【0005】
この脱水工程は、常に工業的に、精製工程、特に蒸留に続いて行われる。このプロセスは、今日、当業者に周知であり、特に、国際公開第00/14081号パンフレット、米国特許第4,408,061号明細書、及び欧州特許第0,323,994号明細書の文献に記載されている。出願人の会社は、それ自体を広く報告しており、特に欧州特許第1,446,373号明細書で、それを例示している。
【0006】
次いで、こうして得られたイソソルビド留出物を結晶化する。このためには、約75%固形分を含有する溶液を得るように、一般的には、約60℃の温度で、それを2−プロパノール(すなわち、イソプロパノール)などの溶媒中に溶解させる。次いで、この溶液を2〜10時間の範囲の時間をかけて約10℃の温度に到達するまでゆっくりと冷却する。結晶化を開始させるために、温度が約40℃の時に、再結晶化イソソルビド開始剤を添加する。次いで、遠心分離器で結晶の液体を除去し、少量の2−プロパノールで洗浄する。真空乾燥後、追加の脱色及び/又は脱鉱質処理にかけることが可能なイソソルビドの水溶
液を得るように、任意選択的に上記結晶を水に再溶解させる。
【0007】
液体除去工程は、2つの流れ:イソソルビド結晶の流れからなる本流(そのイソソルビドの乾燥重量含有量は、その総重量の約98%である)、及び「母液」とも称され、そのイソソルビド濃度がはるかに低い第2流(そのイソソルビド乾燥重量含有量は、その総重量の約30%である)の形成をもたらす。
【0008】
これらの工業的プロセスの収率を改善するという一定の観点で、当業者は母液流を利用して、それを精製及び/又は濃縮して、初期蒸留工程でそれを再導入するか、又はそれが十分な量の結晶化イソソルビドを含有する場合にそれを利用するかのいずれかを探究してきた。
【0009】
この点において、公知文献として、文献韓国特許出願公開第2014−0059906号明細書があり、ソルビトールを脱水することと、得られたイソソルビドを蒸留することと、次いで留出物をアセトンから結晶化することとを含むプロセスについて記載している。次いで、母液を蒸発器で濃縮乾固し、アセトンに再溶解させた後、結晶化にかけて、その後、留出物の結晶化の初期工程で再導入する。本特許出願の実施例1によれば、最終イソソルビド純度はその時99.7%であり、結晶化収率は91.9%であり、プロセスの全収率は68.7%に等しい。
【0010】
文献韓国特許出願公開第2014−0059904号明細書には、その部分について、母液処理工程まで同一のプロセスが記載されている。蒸発により上記母液を濃縮乾固し、次いで蒸留した後、留出物の結晶化の初期工程で再導入する。本特許出願の実施例1によれば、最終イソソルビド純度はその時99.8%であり、結晶化収率は92.1%であり、プロセスの全収率は71.0%に等しい。
【0011】
文献韓国特許出願公開第2014−0080748号明細書は、上記プロセスの上流部分を繰り返している。この場合、母液を依然として蒸発により濃縮乾固し、水中に再溶解させ、次いで疑似移動床式(SMB)クロマトグラフィーにより精製した後、更なる濃縮工程にかける。この流れは、留出物の結晶化の初期工程で再導入される。本特許出願の実施例1によれば、最終イソソルビド純度はその時99.5%であり、結晶化収率は92.0%であり、プロセスの全収率は75.0%に等しい。
【0012】
最後に、同じ初期工程に依存する文献国際公開第2014/073848号パンフレットは、母液を濃縮乾固し、初期結晶化工程の上流(すなわち、初期留出物ともいう)にこれらを再導入することについて記載している。次いで、この新たな留出物は、再び初期結晶化工程にかけられる。本特許出願の実施例1によれば、最終イソソルビド純度はその時99.7%であり、結晶化収率は88.0%であり、プロセスの全収率は67.4%に等しい。
【発明を実施するための形態】
【0018】
より具体的には、この1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール結晶の製造プロセスは、
a)少なくとも1つのヘキシトールの内部脱水生成物溶液を提供する工程と、
b)少なくとも1つの1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール溶液を得るように、工程a)から得られた溶液を蒸留する工程と、
c)工程b)から得られた1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールを結晶化する工程と、
d)工程c)から得られた1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール結晶から液体を除去する工程であって、結晶が豊富な流れ(1)及び母液流(1bis)をもたらす工程と、を含み、
母液流(1bis)の全て又は一部が、溶媒の存在下で、蒸発結晶化工程e)にかけられ、これが溶媒流(2)の形成及び1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール結晶が豊富な流れ(2bis)の形成をもたらすことを特徴とする。
【0019】
より具体的には、工程c)による結晶化は、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール結晶が豊富な流れをもたらす。これらの結晶は、工程d)で液体除去され、これにより、一方では、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール結晶が豊富な本流(1)、他方では、母液流(1bis)を放出することが可能になる。本流(1)の結晶は回収されて、本発明によるプロセスから得られた利用可能な最終生成物を構成する。
【0020】
したがって、第1変形形態によれば、本発明によるプロセスは、液体除去工程d)から得られた母液流(1bis)の全てが、蒸発結晶化工程e)にかけられることを特徴とする。
【0021】
第2変形形態において、本発明によるプロセスは、液体除去工程d)から得られた母液流(1bis)の一部が、蒸発結晶化工程e)にかけられること、好ましくは上記流れの50重量%〜99.9重量%が蒸発結晶化工程にかけられること、上記流れの0.1重量
%〜50重量%が結晶化工程c)で留出物に再導入されることを特徴とする。
【0022】
蒸発結晶化装置中、及び溶媒、好ましくは直鎖又は分枝鎖脂肪族アルコールの存在下で実施される、蒸発結晶化工程e)は、上記溶媒の蒸留を可能にし、したがって溶媒流(2)の形成を可能にし、結晶化を起こすのに十分な1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール過飽和度に対応する固形分含有量に達した後の1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール結晶(2bis)が豊富な流れの形成も可能にする。この過飽和度は、一般的には、75%の固形分含有量から達成される。好ましくは、溶媒は、直鎖又は分枝鎖C
1〜C
4脂肪族アルコールから、好ましくはメタノール、エタノール、プロピレングリコール及びイソプロパノールから選択され、最も好ましい溶媒はイソプロパノールである。
【0023】
所定温度での1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール溶液の1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール過飽和は、溶液の溶媒質量に対する1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール質量の比と定義され、純粋な状態の飽和溶液の溶媒質量に対する1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール質量に関連する。したがって、1の過飽和度は、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールの飽和溶液に相当する。1未満の過飽和度は、結晶化が不可能な溶液に相当する。
【0024】
本発明によるプロセスは、追加工程を含むこともでき、上記工程は、蒸発結晶化工程e)から得られた1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール結晶が豊富な流れ(2bis)の結晶が、工程f)で液体除去されることを含み、これは、一方では、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール結晶が豊富な本流(3)の形成をもたらし、他方では、母液流(3bis)の形成をもたらす。
【0025】
プロセスの一変形形態によれば、この本流(3)は、工程c)で留出物に再導入される。別の変形形態によれば、本流(1)から回収された結晶と同じ方法で、本流(3)から結晶を回収し、本発明によるプロセスから得られた利用可能な最終生成物を構成する。
【0026】
母液流(3bis)に関して、本発明の一変形形態によれば、それは蒸発結晶化工程e)で再導入されるか、又は、別の変形形態によれば、そこから結晶化溶媒を除去した後、より具体的には、ヘキシトールの内部脱水生成物の開始溶液を提供する工程a)及び/又はヘキシトールの内部脱水生成物の溶液を蒸留する工程b)で、全プロセスのさらに上流に再導入される。
【0027】
1つの特定の形態によれば、本発明の主題である全プロセスは、連続的に実施することができる。
【0028】
実際には、工程a)は、ヘキシトールの内部脱水生成物の溶液を調製することを含む。この溶液は、65%〜80%、好ましくは70%〜75%の1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールの質量濃度を有する。
【0029】
この溶液は、好ましくは、少なくとも1つのヘキシトールを含有する初期水溶液から水を除去することによって得られる。水の除去は、当業者に周知の任意の手段、特に加熱、とりわけ真空蒸留により実施される。初期水溶液は、例えば、Neosorbという名称で本出願人により販売されている製品である。
【0030】
少なくとも1つのヘキシトールを含有する溶液はまた、ヘキシトールが、ソルビトール、マンニトール、及びイジトール、ならびにこれらの混合物から選択され、好ましくはソルビトールであることを特徴とする。
【0031】
次いで、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールを得るように、上記ヘキシトールを脱水する。
【0032】
この工程は、本特許出願の主題であるプロセスを限定するものではない。それは、当業者に周知のプロセスのいずれかにしたがって実施されてもよい。この点において、加国特許出願公開第1,178,288号明細書を挙げてもよく、その14頁、3〜8行には、特に比較的反応温度が高く、反応時間が長いことが予想される場合は、酸化反応を避けるために、脱水反応自体を不活性ガス雰囲気下で行ったほうがよいことが記載されている。したがって、本発明による一変形形態は、不活性ガス雰囲気下でこの脱水工程を実施することを含む。
【0033】
米国特許第4,861,513号明細書には、低含有量(10〜26%)のジアンヒドロソルビトールを有する、特定のポリオールの混合物を調製する目的で、不活性ガス(窒素)と還元剤(次亜リン酸ナトリウム)との同時存在下で、ソルビトール脱水反応を行うことが記載されている。上述の英国特許第613,444号明細書には、その部分について、水/溶媒中で脱水し、次いで蒸留処理、次いでアルコール/エーテル混合物から再結晶化に供して、イソソルビド組成物を製造することが記載されている。
【0034】
好ましくは、脱水工程を実施するための条件は、以下:「初期溶液から水を除去した後に得られたヘキシトールを含有する溶液を反応器に導入する」である。ヘキシトール溶液の導入と同時に、導入前に、又は導入後に、脱水触媒を反応器に導入する。後続の工程におけるヘキシトールの脱水を可能にするものであれば、この触媒はいかなる種類であってもよい。この触媒は不均一触媒であっても均一触媒であってもよい。触媒は、酸触媒、特に強酸触媒、又はイオン交換樹脂、特に酸性カチオン交換樹脂、又は酸性ゼオライト型触媒であってもよい。酸触媒は、特に、硫酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸、リン酸又はメタンスルホン酸であってもよい。硫酸は、本発明による組成物の製造に特に好ましい触媒である。
【0035】
酸性カチオン交換樹脂は、BioRadからのAG50W−X12樹脂等のスルホン化ポリスチレン樹脂であってもよい。酸性ゼオライトは、β−ゼオライトであってもよい。
【0036】
脱水触媒は脱水工程が実施可能となる量で導入される。特に、硫酸を使用する場合、ヘキシトールの総重量に対して2重量%未満、好ましくは1.5重量%未満、最も好ましくは1.2重量%未満の量で使用することが好ましい。
【0037】
脱水工程は、真空下、不活性ガス(例えば窒素)流下、又はオートクレーブ中の加圧下などで実施してもよく、これら3つの方法により、水分の除去を促し、したがって反応平衡をシフトさせることが可能になる。
【0038】
脱水工程を実施するためには、反応器に熱を供給することが必要である。
【0039】
この必要な熱の量は、主として使用される触媒の性質及び量に依存し、依存の程度はそれよりも低いが、脱水工程中の反応器の圧力条件にも依存する。必要な熱を付与するために、脱水反応を実施する反応器内部の温度は、使用される触媒に応じて110℃〜400℃の範囲で変動し得る。例えば、導入されるヘキシトールの質量に対して1質量%の硫酸を使用する場合、温度は135℃以上、有利には150℃以上とすることが好ましい。有利には、温度は300℃未満を維持する。
【0040】
脱水工程の終了後、均一酸触媒を使用する場合は、好ましくは触媒を中和する工程を行う。
【0041】
工程b)は、工程a)から得られた溶液を蒸留することを含む。この蒸留は、当業者に利用可能な任意の技術にしたがって実施する。この工程は、ジアンヒドロヘキシトールが分離されることを可能にするいかなるタイプの蒸留器中でも実施することができる。この工程は、ジアンヒドロヘキシトールが組成物の成分の残部から分離されることを可能にする真空、温度及び時間条件下で実施する。例により、ジアンヒドロヘキシトールが、50mbar及び250℃の温度で、又は5mbar及び200℃の温度で、もはや蒸留されなくなるまで、蒸留を実施することができる。
【0042】
この工程において、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールは、イソソルビド(1,4:3,6−ジアンヒドロソルビトール)、イソマンニド(1,4:3,6−ジアンヒドロマンニトール)、イソイジド(1,4:3,6−ジアンヒドロイジトール)、又はこれらの混合物であり、好ましくはイソソルビドである。
【0043】
工程c)は、工程b)から得られた生成物を結晶化することを含む。この工程は限定されるものではなく、当業者に公知のプロセスのいずれかにしたがって実施することができる。例えば、工程b)から得られた留出物を、直鎖又は分枝鎖脂肪族アルコール型、好ましくはC
1〜C
4の直鎖又は分枝鎖脂肪族アルコール、非常に好ましくはメタノール、エタノール、プロピレングリコール、及びイソプロパノールの溶媒、最も好ましくはイソプロパノール溶媒中に溶解する。その時、これらの固形分含有量は、その総重量の50%〜80%、好ましくは約70%である。次いで、2〜10時間、好ましくは約5時間の範囲の時間にわたって、5℃〜25℃、好ましくは10℃〜20℃の温度に到達するまで、この溶液をゆっくりと冷却する。結晶化を開始させるために、温度が約40℃の時に、再結晶化1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール開始剤を添加する。次いで、遠心分離器で結晶の液体を除去し、少量のイソプロパノール(すなわち、2−プロパノール)で洗浄する。
【0044】
一方では、結晶の液体除去により、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール結晶が豊富な本流(1)及び母液流(1bis)を放出することが可能になる。それらのそれぞれの固形分質量含有量は、一方では95%〜99%、他方では30%〜35%であり、それらの1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールの濃度(又は1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールの乾燥重量含有量)は、一方では94.9%〜98.9%、他方では27%〜32%である。
【0045】
次いで、蒸発結晶化工程を母液(1bis)で実施する。蒸発結晶化装置中での蒸発、上記蒸発結晶化装置又は再循環ループのいずれかに配置された熱交換器を通して飽和蒸気を導入することによって、これを実施する。このようにして、結晶化を起こすのに十分な過飽和度をつくりだす。
【0046】
本出願の実施例において、本発明の好ましい変形形態に対応するイソプロパノールの使用により、温度及び圧力の点で確実に「穏やかな」条件を実現することが可能になることが示されている。イソプロパノールは、実際、周囲条件、及びそれほど強くない真空条件に近い温度条件下で使用することができるという利点を有する。
【0047】
次いで、少なくとも1つの種結晶を導入することにより、過飽和溶液に結晶の粒を加える。上記種結晶は、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール開始剤からなり、分散形態で、直鎖又は分枝鎖脂肪族アルコール、好ましくはC
1〜C
4の直鎖又は分枝鎖脂肪族アルコール、非常に好ましくはメタノール、エタノール、プロピレングリコール、及びイソプロパノールから選択される溶媒、最も好ましくはイソプロパノール中に存在することができる。
【0048】
一定に保たれた不完全真空下で結晶化を実施する。蒸発結晶化装置で、過飽和溶液の激しく、かつ良好にコントロールされた撹拌が得られるように、蒸発を実施する。上記溶液から蒸発する溶媒は、実際は、溶液を激しく撹拌するポンピング現象をつくりだす。この現象は、機械的撹拌によって生成されるよりもずっと大きな振幅で溶液を撹拌することを可能にする。次いで、蒸発した溶媒は、蒸発結晶化装置から除去されるか、又はそこに凝縮されるかのいずれかである。ポンピングするのに必要かつ十分な飽和蒸気量を得るように、蒸発結晶化装置の流入口で溶液の固形分含有量も調節する。
【0049】
蒸発結晶化は、溶媒流(2)、好ましくはイソプロパノール流、及び1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール結晶が豊富な流れ(2bis)をもたらす。1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール結晶が豊富な流れ(2bis)の固形分質量含有量は75%〜90%であり、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールの濃度(又は、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールの乾燥重量含有量)は、67.5%〜82.5%である。
【0050】
次いで、蒸発結晶化工程から得られた1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール結晶が豊富な流れ(2bis)の結晶から、液体を除去することができる(工程f)。この工程f)により、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール結晶が豊富な本流(3)、及び母液流(3bis)を放出することが可能になる。これらの2つの流れのそれぞれの固形分質量含有量は、一方では95%〜99%、他方では60%〜82%であり、それらの1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールの濃度(又は1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールの乾燥重量含有量)は、一方では94.5%〜98.8%、他方では48%〜68%である。
【実施例】
【0051】
実施例1
工程a)
Neosorb(登録商標)70/02という名称で出願人によって販売されている、70%の固形分含有量(すなわち、7000g乾燥量)を含むソルビトール溶液10kg、及び濃硫酸70gを、油循環恒温槽で供給されるジャケット、撹拌羽根、温度計、冷却管と組み合わせた蒸留ヘッド、及び蒸留レシーバを装備した10LのSchottガラス反応器に導入した。初期反応媒体に含有される水及びソルビトール脱水反応から生じる水を除去するために、得られた混合物を5時間、真空下(約100mbarの圧力)で加熱する。次いで、反応粗製を100℃に冷却し、次いで、50(重量)%水酸化ナトリウム溶液110.4gで中和する。
【0052】
工程b)
次いで、この方法で中和したイソソルビド組成物を、真空下(50mbarより低い圧力)で蒸留する。ガスクロマトグラフィ(GC)で測定して98.0%の純度を有する、3900gの粗イソソルビド留出物を得る。
【0053】
工程c)
次いで、70%固形分含有量(SC)を有する溶液を得るように、60℃の温度で、粗イソソルビド留出物をイソプロパノール(すなわち、2−プロパノール)中に溶解させる。この溶液を、水供給ジャケットを装備した8リットルの撹拌結晶化装置に移し、次いで、5時間にわたって20℃の温度までゆっくりと冷却する。40℃で、溶液の過飽和は1.23であり、結晶化をもたらすために再結晶化イソソルビド開始剤を添加する。
【0054】
工程d)
操作の最後に、得られた懸濁液から遠心分離器で結晶を分離して、2−プロパノールで
洗浄する。真空乾燥後、GCで測定して99.9%に等しい純度を有する3125gの乾燥イソソルビド結晶を含有する、本流(1)を得る。イソソルビドの結晶化収率は、81.7%である。母液流(1bis)(質量2380g)は、32.5%の固形分含有量を有し、固形分含有量に対してGCで測定して90.4%の純度のイソソルビドを有し、0.27に等しい過飽和を有する。
【0055】
工程e)
蒸発結晶化工程を実施するために、母液流(1bis)を、恒温水循環槽により供給されるジャケット、撹拌羽根、温度計、ならびに還流冷却器につなげられたバルブ及び蒸留レシーバを備えた蒸留ヘッドを装備した5リットルの反応器に移した。イソプロパノールの蒸留を可能にするために、溶液を40℃にて真空下(圧力100mbar)で加熱する。次いで、真空を徐々に上昇させ、これは、イソプロパノールの蒸留の間に徐々に温度を低下させる効果を有する。溶液の温度が30℃に到達する場合、圧力は60mbarであり、固形分含有量は85%であり、過飽和は3.53に等しい。結晶化をもたらすために再結晶化イソソルビド開始剤を添加する。蒸留ヘッドのバルブを閉じた後、真空を徐々に上昇させ、これは、同時に沸騰とともにイソプロパノールの全還流によって一定の固形分含有量を維持しながら徐々に温度を低下させる効果を有する。圧力が30mbarに到達する場合、温度は20℃である。蒸留したイソプロパノール流(2)は1470gである。イソプロパノールを選択することにより、結晶化の終わりの温度によって証明されるように、特に「穏やかな」条件下で働くことが可能になる。
【0056】
工程f)
遠心分離器で、得られた懸濁液(2bis)から結晶を分離し、2−プロパノールで洗浄する。真空乾燥後、GCで測定して99.7%に等しい純度を有する390gのイソソルビド結晶を含有する、本流(3)を得る。イソソルビドの蒸発結晶化収率は、55.5%である。結晶流(1)及び(3)を組み合わせて、GCで測定して99.87%に等しい純度を有する3515gのイソソルビド流を構成する。使用される粗イソソルビド留出物に対する全結晶化収率は、90.1質量%に等しい。母液流(3bis)は510gであり、固形分含有量に対して、GCで測定して80.8%の純度で、75.5%の固形分含有量を有する。次いで、この母液流(3bis)を、イソプロパノールを回収するために濃縮乾固し、次いでプロセスの工程a)における後続の製造の間に再統合するために貯蔵する。
【0057】
実施例2
実施例1を工程f)まで繰り返す。
【0058】
この段階で、流れ(1)及び(3)は、実施例1のように組み合わされていないが、工程f)から得られた本流(3)は、結晶化工程c)に完全に再利用される。実施例1の工程d)に記載のように結晶から液体を除去して乾燥させた後、3442gの乾燥結晶はGCで測定して99.95%に等しい純度を有し、全結晶化収率は、使用される粗イソソルビド留出物に対して、88.3重量%である。
【0059】
実施例3
本発明によるプロセスには、連続モード操作が適用される。最初に、結晶化を実施例1に従って実施する。5時間後、20℃の温度に到達する場合、結晶化装置は、70%の固形分含有量を有するイソソルビド及びイソプロパノール留出物の混合物を1000g/hの流速で供給される。イソソルビド/イソプロパノール留出物の混合物の供給流速に等しい流速で、結晶化装置から連続的に結晶流を抽出する。
【0060】
この流れを、遠心分離器で、結晶が豊富な流れ(1)(約550g/h乾燥され、99
.9%に等しい純度を有する)及び母液流(1bis)に、連続的に分離する。440g/hとほぼ等しい流速を有する流れ(1bis)を、蒸発結晶化装置に連続的に導入し、実施例1で記載される真空及び温度条件を適用し、これにより、結晶の結晶化をもたらすために、イソプロパノールを蒸発させ、固形分含有量を増加させることが可能になる。85%の固形分含有量及び20℃の温度に到達する場合、流速約265g/hのイソプロパノール留出物流(2)を平衡系で得る。結晶流(2bis)を、結晶化装置から連続的に抽出し、これにより、蒸発結晶化装置において一定レベル、すなわち約175g/hを維持することが可能になる。
【0061】
この結晶流(2bis)を、遠心分離器で、結晶が豊富な流れ(3)(約70g/h乾燥され、99.6%に等しい純度を有する)及び母液流(3bis)に、連続的に分離する。結晶流(1)及び(3)を組み合わせて、GCで測定して99.87%に等しい純度を有する620g/hのイソソルビド流を構成する。粗イソソルビド留出物の連続的供給流に対する全結晶化収率は、88.6質量%に等しい。約105g/hの母液流(3bis)を、イソプロパノールを回収するために濃縮乾固し、次いで、プロセスの工程b)に再利用する。
【0062】
この実施例は、本発明によるプロセスが連続操作に完全に適応していることを示しており、これは工業プロセスの収益性の点で有利である。
【0063】
実施例4
2つの結晶化装置のそれぞれ異なる供給流及び流出流の平衡まで、実施例3を繰り返す。次いで、結晶化装置中のレベルを一定に保つためにイソソルビド留出物供給流速を適宜、減少させながら、蒸発結晶化装置から得られた液体除去した結晶流(3)を、第1結晶化装置に連続的に再導入する。第1結晶化装置から得られた結晶流(1)は、GCで測定して99.95%の純度を有する液体除去して乾燥させた結晶の、555g/hという流速で、平衡である。粗イソソルビド留出物の連続的供給流に対する全結晶化収率は、88.1質量%に等しい。
【0064】
先の実施例のように、この実施例は、本発明によるプロセスが連続操作に完全に適応していることを示しており、これは工業プロセスの収益性の点で有利である。