【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様によれば、初期空気容積をターボポンプに送給するように作動可能な一次手動アクチュエータと、初期空気容積よりも大きな二次空気容積をターボポンプに送給するように作動可能な二次手動アクチュエータとを含むターボポンプ通気組立体が提供される。第1の態様は、ターボポンプ使用時の制限要因が、真空を生成して破壊するのに要する時間であることを認識している。ターボポンプによって生成された真空を破壊することに関する制限要因のうちの1つは、ターボポンプのロータを減速するのに要する時間である。真空破壊によってロータを減速するための装置が存在するが、これらの装置は複雑であり、信頼性が低いか又はそうでなければ問題のある可能性がある。それほど複雑でない手法としては、ポンプの環境側からポンプの真空側の中に空気を導入することによるターボポンプの通気が挙げられる。しかしながら、第1の態様は、従来の手動通気バルブを用いた急激な通気が、主軸受又は軸受ケージの高応力及び摩耗を引き起こし、従来の固定軸受式及び磁気浮上式ターボポンプの両方におけるロータ不安定につながる可能性があることも認識している。このような通気は、ターボポンプの作動寿命を短くする可能性があり、もしくはさらに深刻な場合には、急な軸受寿命の終了又はロータ/ステータ構成部品の衝突に起因してターボポンプの急停止につながる可能性がある。
【0005】
従って、ターボポンプのための通気手段を提供することができる。通気手段は、一次、第1の又は初期アクチュエータを含むことができる。アクチュエータは、手動であり又はユーザが作動させる又は操作することができる。アクチュエータは、空気又は他のガスの一次、第1の又は初期容積、量又は分量をターボポンプに送給又は供給することができる。また、通気手段は、二次又は別のアクチュエータを含むことができる。二次アクチュエータは、手動であり又はユーザが作動させる又は操作することができ、空気又は他のガスの第2の又はさらなる容積又は量をターボポンプに送給又は供給することができる。第2の空気容積は、初期空気容積の量よりも大きいか又はそれ以上とすることができる。このようにして、最初に初期空気容積を送給してターボポンプを減速することができる、単純かつ信頼性の高い通気手段が提供される。その後、二次空気容積が送給されて、さらなる初期空気容積だけを用いて可能になるものよりも迅速にターボポンプを減速することができる。異なる空気容積を送給することができる装置を備えることで、単に同じ大きさの空気容積を送給することによって可能になるものよりも安全かつ迅速にターボポンプを減速することができる。
【0006】
1つの実施形態において、初期空気容積は、二次空気容積よりも小さい。従って、初期空気容積はより小さくすること、又は二次空気容積ほど大きくしないことが可能である。
【0007】
1つの実施形態において、一次手動アクチュエータは、初期空気容積がターボポンプに送給される通気位置と、初期空気容積がターボポンプに送給されるのが阻止される分離位置とを有する。従って、一次手動アクチュエータは、初期空気容積がターボポンプに送給又は供給される通気位置又は開放位置を有することができる。一次アクチュエータは、初期空気容積がターボポンプに送給されるのが阻止される又は妨害される分離位置又は閉鎖位置を有することができる。従って、初期空気容積の個々の噴出空気(burst)を、ターボポンプに送給することができる。
【0008】
1つの実施形態において、一次手動アクチュエータは、手動で通気位置と分離位置との間に設定可能である。従って、アクチュエータは、ユーザが通気位置と分離位置との間で操作することができる。
【0009】
1つの実施形態において、一次手動アクチュエータは、分離位置に向かって付勢される。従って、アクチュエータは、分離位置に事前配置することができる。
【0010】
1つの実施形態において、一次手動アクチュエータは、解除可能に通気位置に設定可能である。従って、アクチュエータは、ユーザが通気位置に操作可能とすることができるが、その後、解除すると分離位置に戻ることができる。
【0011】
1つの実施形態において、一次手動アクチュエータは、通気位置にある場合に初期空気容積の供給源をターボポンプと流体的に結合し、そして分離位置にある場合に初期空気容積の供給源をターボポンプと流体的に分離するように作動可能なバルブ構成を有する。従って、通気位置にある場合に初期空気容積の供給源をターボポンプと流体的に結合することができ、分離位置にある場合に初期空気容積の供給源をターボポンプと分離することができるバルブを設けることができる。
【0012】
1つの実施形態において、バルブ構成は、通気位置にある場合に初期空気容積の供給源をターボポンプと流体的に結合するように手動で操作可能であり、分離位置にある場合に初期空気容積の供給源をターボポンプと流体的に分離するように付勢される。
【0013】
1つの実施形態において、一次手動アクチュエータは、初期空気容積の供給源をターボポンプと流体的に結合する導管を有し、導管は、通気位置にある場合に導管を通る流れを制限するように構成された制限器を有する。従って、初期空気容積の流れは、ターボポンプに送給される際に制限器によって制限できる。
【0014】
1つの実施形態において、初期空気容積の供給源は、分離位置にある場合に貯蔵空気容積を保持するように、及び通気位置にある場合に初期空気容積として貯蔵空気容積をターボポンプに送給するように作動可能なリザーバを含む。従って、貯蔵又は一定の空気容積として収容される初期空気容積を供給するリザーバを設けることができる。貯蔵空気容積は、分離位置にある場合に保持することができ、通気位置にある場合にターボポンプに送給することができる。
【0015】
1つの実施形態において、一次手動アクチュエータは、分離位置にある場合にリザーバを満たすように外部空気供給源とリザーバを流体的に結合するように作動可能なバルブ構成を含む。従って、バルブは、分離位置にある場合にリザーバを満たす又は補充するように外部空気供給源とリザーバを結合することができる。
【0016】
1つの実施形態において、バルブ構成は、分離位置にある場合にターボポンプからリザーバを流体的に分離するように作動可能である。従って、バルブは、分離位置にある場合にリザーバ及びターボポンプを分離又は流体的に分離することができる。
【0017】
1つの実施形態において、バルブ構成は、通気位置にある場合に初期空気容積としての貯蔵空気容積をターボポンプに送給するようにリザーバをターボポンプと流体的に結合するように作動可能である。従って、バルブ構成は、通気位置にある場合にリザーバ及びターボポンプを結合又は流体的に接続することができる。
【0018】
1つの実施形態において、バルブ構成は、通気位置にある場合に外部空気供給源からリザーバを流体的に分離するように作動可能である。
【0019】
1つの実施形態において、リザーバは、分離位置と通気位置との間で変位可能である。従って、リザーバは、分離位置と通気位置との間で移動、平行移動、又は変位することができる。リザーバの移動により、リザーバを満たすこと又は放出させることができる。
【0020】
1つの実施形態において、リザーバは、直線的及び回転的のうちの1つで変位可能である。
【0021】
1つの実施形態において、一次手動アクチュエータは複数のリザーバを有する。従って、2以上のリザーバは、空気の個々の、複数の、初期容積の送給を容易にするために設けることができる。
【0022】
1つの実施形態において、各リザーバは、関連する通気位置にある場合に、単独で第1の空気容積をターボポンプに送給するように作動可能である。従って、一度に1つのリザーバだけが所定の空気容積をターボポンプに送給することができる。
【0023】
1つの実施形態において、二次手動アクチュエータは、第2の空気容積がターボポンプに送給される通気位置と、第2の空気容積がターボポンプに送給されるのが阻止される分離位置とを有する。従って、第2の空気容積をターボポンプに送給することができる、第2の又はさらなる手動アクチュエータを設けることができる。
【0024】
1つの実施形態において、二次手動アクチュエータは、手動で通気位置と分離位置との間に設定可能である。
【0025】
1つの実施形態において、ターボポンプ通気組立体は、ターボポンプの相補的結合部に収容されるように作動可能な結合部を含み、二次手動アクチュエータは、第2の空気容積をターボポンプに送給するために、分離位置において相補的結合部から結合部を引き離すように作動可能である。従って、二次手動アクチュエータは、ターボポンプ通気手段との間の結合部を含むことができる。
【0026】
第2の態様によれば、一次手動アクチュエータを用いてターボポンプを減速するために初期空気容積を送給する段階と、二次手動アクチュエータを用いてターボポンプを減速する二次空気容積を送給する段階と、を含み、二次空気容積は、初期空気容積よりも大きい、ターボポンプ通気方法が提供される。
【0027】
1つの実施形態において、初期空気容積は、二次空気容積よりも小さい。
【0028】
1つの実施形態において、本方法は、初期空気容積がターボポンプに送給されるのが阻止される分離位置から初期空気容積を送給する通気位置へ一次手動アクチュエータを手動で作動させる段階を含む。
【0029】
1つの実施形態において、本方法は、通気位置と分離位置との間に一次手動アクチュエータを手動で作動させる段階を含む。
【0030】
1つの実施形態において、本方法は、一次手動アクチュエータを分離位置に付勢する段階を含む。
【0031】
1つの実施形態において、本方法は、一次手動アクチュエータを通気位置に手動で作動させる段階を含む。
【0032】
1つの実施形態において、本方法は、バルブを用いて、通気位置にある場合に空気の供給源をターボポンプに流体的に結合する段階と、分離位置にある場合に空気の供給源をターボポンプから流体的に分離する段階とを含む。
【0033】
1つの実施形態において、本方法は、通気位置にある場合に付勢に抗して手動で空気の供給源をターボポンプと流体的に結合する段階と、分離位置にある場合に付勢によって空気の供給源をターボポンプと流体的に分離する段階とを含む。
【0034】
1つの実施形態において、本方法は、通気位置にある場合に一次手動アクチュエータを通る流れを制限する段階を含む。
【0035】
1つの実施形態において、本方法は、分離位置にある場合に貯蔵空気容積をリザーバに保持する段階と、通気位置にある場合に第1の空気容積として貯蔵空気容積をターボポンプに送給する段階とを含む。
【0036】
1つの実施形態において、本方法は、分離位置にある場合にリザーバを満たすようにリザーバを外部空気供給源と流体的に結合する段階を含む。
【0037】
1つの実施形態において、本方法は、分離位置にある場合にリザーバをターボポンプから流体的に分離する段階を含む。
【0038】
1つの実施形態において、本方法は、通気位置にある場合に第1の空気容積として貯蔵空気容積をターボポンプに送給するようにリザーバをターボポンプに流体的に結合する段階を含む。
【0039】
1つの実施形態において、本方法は、通気位置にある場合にリザーバを外部空気供給源から流体的に分離する段階を含む。
【0040】
1つの実施形態において、本方法は、分離位置と通気位置との間でリザーバを手動で変位させる段階を含む。
【0041】
1つの実施形態において、本方法は、直線的及び回転的のうちの1つでリザーバを変位させる段階を含む。
【0042】
1つの実施形態において、本方法は複数のリザーバを提供する段階を含む。
【0043】
1つの実施形態において、本方法は、関連する通気位置にある場合に各リザーバからターボポンプに第1の容積を送給する段階を含む。
【0044】
1つの実施形態において、本方法は、第2の容積をターボポンプに送給するために、二次手動アクチュエータを通気位置に作動させる段階を含む。
【0045】
1つの実施形態において、本方法は、第2の容積がターボポンプに送給されるのを阻止するために、二次手動アクチュエータを分離位置に作動させる段階を含む。
【0046】
1つの実施形態において、本方法は、手動で二次手動アクチュエータを通気位置と分離位置との間に設定する段階を含む。
【0047】
1つの実施形態において、本方法は、第2の空気容積をターボポンプに送給するために、ターボポンプ通気組立体の結合部をターボポンプの相補的結合部から引き離す段階を含む。
【0048】
第3の態様によれば、添付の図面を参照して上記に説明したようなターボポンプ通気組立体又は方法が提供される。
【0049】
さらなる特定の及び好ましい態様は、添付の独立及び従属クレームで提示される。従属クレームの特徴部は、必要に応じて独立クレームの特徴部と組み合わせることができ、それ以外の組み合わせはクレームに明示的に提示されている。
【0050】
装置特徴部が機能を提供するように作動可能であると説明されている場合、このことは、その機能を提供する、又はその機能を提供するようになっている又はそのように構成された装置特徴部を含むことを理解されたい。
【0051】
本発明の実施形態は、添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。