特許第6974439号(P6974439)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6974439ダウンリンク制御チャネル送信をエンコードおよびデコードするための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6974439
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】ダウンリンク制御チャネル送信をエンコードおよびデコードするための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20211118BHJP
【FI】
   H04W72/04 136
【請求項の数】31
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2019-509539(P2019-509539)
(86)(22)【出願日】2016年8月19日
(65)【公表番号】特表2019-530300(P2019-530300A)
(43)【公表日】2019年10月17日
(86)【国際出願番号】EP2016069750
(87)【国際公開番号】WO2018033222
(87)【国際公開日】20180222
【審査請求日】2019年4月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【弁理士】
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 亮
(72)【発明者】
【氏名】メディナ アコスタ, ヘラルド アグニ
(72)【発明者】
【氏名】コン, ワイコク
(72)【発明者】
【氏名】ラーション, エリク
(72)【発明者】
【氏名】ムニエル, フローレント
【審査官】 倉本 敦史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−228285(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/043105(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高速シグナリング制御チャネル(HS−SCCH)のダウンリンク制御チャネル送信をエンコードするためのネットワークノードにおける方法であって、
チャネル状態がしきい値レベルを下回ると決定することと、
チャネル状態が前記しきい値レベルを下回るという決定に応答して、デコーディング複雑性を低減させるために、
前記HS−SCCHの制御情報ビットのうちの、1つまたは複数の既定の制御情報ビットである、1つまたは複数の第1の制御情報ビット固定値として前記ダウンリンク制御チャネル送信にエンコードすること、および
前記HS−SCCHの制御情報ビットのうちの、1つまたは複数の既定の制御情報ビットである、1つまたは複数の第2の制御情報ビットを省略することによって、減少された数の制御情報ビットを前記ダウンリンク制御チャネル送信にエンコードするこ
のうちの少なくとも1つを実行することと、
前記ダウンリンク制御チャネル送信をユーザ機器に送信することと
を含む、方法。
【請求項2】
チャネル状態が前記しきい値レベルを下回るという決定に応答して、前記第1の制御情報ビットを前記ダウンリンク制御チャネル送信にエンコードすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
チャネル状態が前記しきい値レベルを下回るという決定に応答して、前記第2の制御情報ビットを省略することによって、減少された数の制御情報ビットを前記ダウンリンク制御チャネル送信にエンコードすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記減少された数の制御情報ビットを前記ダウンリンク制御チャネル送信にエンコードすることが、省略された前記第2の制御情報ビットの合計数に応じてレートマッチングを適用することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
チャネル状態がしきい値レベルを下回ると決定することが、前記ユーザ機器からチャネル品質インジケータ(CQI)を受信すること、および前記チャネル品質インジケータ(CQI)を使用してチャネル状態が前記しきい値レベルを下回ると決定することを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の制御情報ビットが、1つまたは複数のチャネライゼーションコードセット情報および変調方式情報ビットを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
高速シグナリング制御チャネル(HS−SCCH)のダウンリンク制御チャネル送信をデコードするためのユーザ機器における方法であって、
ネットワークノードからダウンリンク制御チャネル送信を受信することと、
前記HS−SCCHの制御情報ビットのうちの既定の制御情報ビットの知識に基づいて前記ダウンリンク制御チャネル送信をデコードすることと
を含み、
前記ダウンリンク制御チャネル送信が、
1つもしくは複数の前記既定の制御情報ビットである、1つまたは複数の前記第1の制御情報ビット固定値として搬送するか、または、
前記ダウンリンク制御チャネル送信が減少された数の制御情報ビットを搬送するように、1つもしくは複数の前記既定の制御情報ビットである、1つまたは複数の前記第2の制御情報ビットを省略する、方法。
【請求項8】
前記ダウンリンク制御チャネル送信が、前記第1の制御情報ビットを固定値として搬送する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記既定の制御情報ビットの知識に基づいて前記ダウンリンク制御チャネル送信をデコードすることが、前記ダウンリンク制御チャネル送信の一部分を決定することにおける使用のために符号語のセットの既定のサブセットを使用して、前記ダウンリンク制御チャネル送信の前記一部分をデコードすることを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ダウンリンク制御チャネル送信が、減少された数の制御情報ビットを搬送するように、前記ダウンリンク制御チャネル送信が、前記第2の制御情報ビットを省略する、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記既定の制御情報ビットの知識に基づいて前記ダウンリンク制御チャネル送信をデコードすることが、省略された前記第2の制御情報ビットの合計数に応じてレートマッチングを適用することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
チャネル品質インジケータ(CQI)を前記ネットワークノードに送ることを含む、請求項7から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
チャネル状態がしきい値レベルを下回ると決定することと、チャネル状態がしきい値レベルを下回るという決定に応答して、前記既定の制御情報ビットの知識に基づいて前記ダウンリンク制御チャネル送信をデコードすることとを含む、請求項7から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
チャネル状態がしきい値レベルを下回ると決定することが、チャネル品質インジケータ(CQI)内で前記ネットワークノードに報告される情報を使用して、チャネル状態が前記しきい値レベルを下回ると決定することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ダウンリンク制御チャネルの前記一部分が、高速シグナリング制御チャネル(HS−SCCH)のパート1である、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
プロセッサによって実行されるとき、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法を前記プロセッサに実行させるコンピュータ可読命令を含む、コンピュータプログラム。
【請求項17】
高速シグナリング制御チャネル(HS−SCCH)のダウンリンク制御チャネル送信をデコードするためのネットワークノードであって、
チャネル状態がしきい値レベルを下回ると決定することと、
チャネル状態が前記しきい値レベルを下回るという決定に応答して、デコーディング複雑性を低減させるために、
前記HS−SCCHの制御情報ビットのうちの、1つまたは複数の既定の制御情報ビットである、1つまたは複数の第1の制御情報ビット固定値としてダウンリンク制御チャネル送信にエンコードすること、または
前記HS−SCCHの制御情報ビットのうちの、1つまたは複数の既定の制御情報ビットである、1つまたは複数の第2の制御情報ビットを省略することによって、減少された数の制御情報ビットを前記ダウンリンク制御チャネル送信にエンコードすることと
を行うように設定される、ネットワークノード。
【請求項18】
前記ネットワークノードが、チャネル状態が前記しきい値レベルを下回るという決定に応答して、前記第1の制御情報ビットを前記ダウンリンク制御チャネル送信にエンコードするように設定される、請求項17に記載のネットワークノード。
【請求項19】
前記ネットワークノードが、チャネル状態が前記しきい値レベルを下回るという決定に応答して、前記第2の制御情報ビットを省略することによって、減少された数の制御情報ビットを前記ダウンリンク制御チャネル送信にエンコードするように設定され、請求項17に記載のネットワークノード。
【請求項20】
前記ネットワークノードが、省略された前記第2の制御情報ビットの合計数に応じてレートマッチングを適用することによって、前記減少された数の制御情報ビットを前記ダウンリンク制御チャネル送信にエンコードするように設定される、請求項19に記載のネットワークノード。
【請求項21】
前記ネットワークノードが、前記ユーザ機器からチャネル品質インジケータ(CQI)を受信すること、および前記チャネル品質インジケータ(CQI)を使用してチャネル状態が前記しきい値レベルを下回ると決定することによって、チャネル状態が前記しきい値レベルを下回ると決定するように設定される、請求項17から20のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項22】
前記第1の既定の制御情報ビットが、1つまたは複数のチャネライゼーションコードセット情報および変調方式情報ビットを含む、請求項17に記載のネットワークノード。
【請求項23】
高速シグナリング制御チャネル(HS−SCCH)のダウンリンク制御チャネル送信をデコードするためのユーザ機器であって、
ネットワークノードからダウンリンク制御チャネル送信を受信することと、
前記HS−SCCHの制御情報ビットのうちの既定の制御情報ビットの知識に基づいて前記ダウンリンク制御チャネル送信をデコードすることと
を行うように設定され、
前記ダウンリンク制御チャネル送信が、
1つもしくは複数の既定の制御情報ビットである第1の制御情報ビット固定値として搬送するか、または、
前記ダウンリンク制御チャネル送信が減少された数の制御情報ビットを搬送するように、1つもしくは複数の既定の制御情報ビットである第2の制御情報ビットを省略する、ユーザ機器。
【請求項24】
前記ダウンリンク制御チャネル送信が、前記第1の制御情報ビットを搬送する、請求項23に記載のユーザ機器。
【請求項25】
前記ユーザ機器が、前記ダウンリンク制御チャネル送信の一部分を決定することにおける使用のために符号語のセットの既定のサブセットを使用して、前記ダウンリンク制御チャネル送信の前記一部分をデコードするように設定される、請求項24に記載のユーザ機器。
【請求項26】
前記ダウンリンク制御チャネル送信が、減少された数の制御情報ビットを搬送するように、前記ダウンリンク制御チャネル送信が、前記第2の制御情報ビットを省略する、請求項23に記載のユーザ機器。
【請求項27】
前記ユーザ機器が、省略された前記第2の制御情報ビットの合計数に応じてレートマッチングを適用することによって、前記ダウンリンク制御チャネル送信をデコードするように設定される、請求項23に記載のユーザ機器。
【請求項28】
前記ユーザ機器が、チャネル品質インジケータ(CQI)を前記ネットワークノードに送るようにさらに設定される、請求項23から27のいずれか一項に記載のユーザ機器。
【請求項29】
前記ユーザ機器が、チャネル状態がしきい値レベルを下回ると決定することと、チャネル状態がしきい値レベルを下回るという決定に応答して、前記既定の制御情報ビットの知識に基づいて前記ダウンリンク制御チャネル送信をデコードすることとを行うように設定される、請求項23から28のいずれか一項に記載のユーザ機器。
【請求項30】
前記ユーザ機器が、前記ユーザ機器によってチャネル品質インジケータ(CQI)内でネットワークノードに報告される情報を使用することによって、チャネル状態がしきい値レベルを下回ると決定するように設定される、請求項29に記載のユーザ機器。
【請求項31】
前記ダウンリンク制御チャネルの前記一部分が、高速シグナリング制御チャネル(HS−SCCH)のパート1である、請求項25に記載のユーザ機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信ネットワークにおける、高速シグナリング制御チャネル(HS−SCCH)送信などの、ただし、これに限らない、ダウンリンク制御チャネル送信をエンコードおよびデコードするための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
HS−SCCHは、HS−DSCH(高速ダウンリンク共有チャネル)送信に関する制御情報を搬送するために使用される固定レート(60kbps、SF=128)ダウンリンク物理チャネルである。HS−DSCHは、ダウンリンクにおいて送信されるべきデータを伝搬する。HS−SCCHは、3GPP TS 2.211“Physical channels and mapping of transport channels onto physical channels(FDD)”バージョン13.0.0、リリース13に定められている。
【0003】
HS−SCCHタイプ1は、以下のフィールドを含む。
HS−SCCHタイプ1の構造(制御情報フィールド):
> チャネライゼーションコードセット情報(7ビット):xccs,1,xccs,2,…,xccs,7
> 変調方式情報(1ビット):xms,1
> トランスポートブロックサイズ情報(6ビット):xtbs,1,xtbs,2,…,xtbs,6
> ハイブリッドARQプロセス情報(3ビット):xhap,1,xhap,2,xhap,3
> 冗長およびコンスタレーションバージョン(3ビット):xrv,1,xrv,2,xrv,3
> 新データインジケータ(1ビット):xnd,1
> UEアイデンティティ(16ビット):xue,1,xue,2,…,xue,16
【0004】
図1は、3GPP TS 25.212“Multiplexing and channel coding(FDD)”バージョン13.0.0、リリース13に定められているようなHS−SCCHタイプ1送信のためのレイヤ1(L1)処理チェーンを例証する。
【0005】
HS−SCCH制御情報は、3つのスロット:スロット0(HS−SCCHパート1として知られる)、ならびにスロット1および2(HS−SCCHパート2として知られる)からなる1つのサブフレーム内で送信される。「チャネライゼーションコードセット情報」(ビットxccs)および「変調方式情報」(ビットxms)の両方は、スロット0内(すなわち、HS−SCCHパート1内)で送信されるが、「トランスポートブロックサイズ情報」(ビットxtbs)、「ハイブリッドARQプロセス情報」(ビットxhap)、「冗長およびコンスタレーションバージョン」(ビットxrv)、および「新データインジケータ」(ビットxnd)は、スロット1およびスロット2により(すなわち、HS−SCCHパート2内で)伝搬される。「UEアイデンティティ」(ビットxue)は、図1に示されるように、HS−SCCHパート1およびパート2の両方においてマスクされる。
【0006】
図1の左側の処理チェーン内の「UE固有マスキング」40(チャネライゼーションコードセット情報および変調方式情報をHS−SCCHパート1にエンコードする)へのブランチ入力は、標準では明示的に示されない。このブランチは、HS−SCCHパート1への「UEアイデンティティ」のエンコーディングプロセスを示す。このプロセスは、「符号化レート1/2」42のチャネル符号化、および図1の中央に位置する処理チェーン内の「レートマッチング1」30(標準で描写されるように左側の処理チェーン)に対応するレートマッチング44を使用する。一方で、「UEアイデンティティ」は、図1に示されるXおよびXから計算されるCRCを用いてHS−SCCHのパート2へとマスクされる。次いで、CRCは、図1の右側の処理チェーンに示されるようにHS−SCCHパート2 60内のトランスポートブロックサイズ情報、ハイブリッドARQプロセス情報、冗長およびコンスタレーションバージョン、ならびに新データインジケータに添付される。
【0007】
それぞれの処理チェーンの各ステージにおけるビットシーケンスの長さは、図1に示されている。左側の処理チェーン多重化に関しては、「チャネライゼーションコードセット情報」(ビットxccs)および「変調方式情報」(ビットxms)」の「mux」10は、X 8ビットをもたらす。1/3の「チャネル符号化1」(ゼロテール)20が次いで適用され、それがZ 48ビットをもたらす。次いで、「レートマッチング1」30が、ビットの数をR 40ビットに減少させ、それは、UEアイデンティティ(40ビット)のエンコードされたバージョンでマスクされた後に、HS−SCCHサブフレーム(「物理チャネルマッピング」ステップ90の次に示される)のスロット0に組み込まれる。同様に、右側の処理チェーンにおいて、ビット「トランスポートブロックサイズ情報」(ビットxtbs)、「ハイブリッドARQプロセス情報」(ビットxhap)、「冗長およびコンスタレーションバージョン」(ビットxrv)、ならびに「新データインジケータ」(ビットxnd)は、50で多重化されて、X13ビットをもたらす。「UE固有CRC添付」後には、Y29ビットが存在する。「チャネル符号化2」70が次いで適用され、それがZ 111ビットをもたらす。次いで、「レートマッチング2」80が、ビットの数をR 80ビットに減少させ、それが、HS−SCCHサブフレーム(ここでも「物理チャネルマッピング」ステップ90の次に示される)のスロット1およびスロット2に組み込まれる。
【0008】
HS−SCCH送信を受信するユーザ機器(UE)において、HS−SCCHは、2つのステージにおいて検出/デコードされる。HS−SCCHパート1(スロット0)が、まず検出/デコードされる。この検出/デコーディングは、UEがHS−SCCHパート2(スロット1&2)をデコードすることに進むことができる前に、「パスした」と見なされる必要がある。したがって、HS−SCCHスロット0の検出/デコーディングは、HS−SCCHの性能の重要な側面である。
【0009】
性能に関する問題は、特に劣悪な無線環境において、ダウンリンク(DL)電力の点でHS−SCCHが高価なことであることを本出願者は理解している。
【発明の概要】
【0010】
本発明の一態様によると、ダウンリンク制御チャネル送信をエンコードするためのネットワークノードにおける方法が提供される。本方法は、チャネル状態がしきい値レベルを下回ると決定することと、チャネル状態がしきい値レベルを下回るという決定に応答して、1つまたは複数の既定の制御情報ビットをダウンリンク制御チャネル送信にエンコードすること、および、1つまたは複数の制御情報ビットを省略することによって、減少された数の制御情報ビットをダウンリンク制御チャネル送信にエンコードすることであって、省略された1つまたは複数の制御情報ビットが既定の制御情報ビットである、エンコードすることのうちの少なくとも1つを実行することと、を含む。本方法は、ダウンリンク制御チャネル送信をユーザ機器に送信することをさらに含む。
【0011】
本発明のさらなる態様によると、ダウンリンク制御チャネル送信をデコードするためのユーザ機器における方法が提供される。本方法は、ネットワークノードからダウンリンク制御チャネル送信を受信することであって、ダウンリンク制御チャネル送信が、減少された数の制御情報ビットを搬送するように、ダウンリンク制御チャネル送信が、1つもしくは複数の既定の制御情報ビットを搬送するか、または1つもしくは複数の既定の制御情報ビットを省略する、受信することを含む。本方法は、既定の制御情報ビットの知識に基づいてダウンリンク制御チャネル送信をデコードすることをさらに含む。
【0012】
本発明は、特に、劣悪な無線環境において、UEにおけるダウンリンク制御チャネルのデコーディング性能の改善を可能にするという利点を有する。例えば、デコーディング性能は、BLER(ブロック誤り率)、「ミス検出」、および/または「誤検出」の点において改善され得る。これは、制御情報ビットのうちの1つまたは複数を固定すること、および、これら1つまたは複数の固定された制御チャネル情報ビットまたは既定の制御チャネル情報ビットの知識に基づいてダウンリンク制御チャネル送信をデコードするUEによって、デコーディング複雑性の低減がUEにおいて達成され得るためである。したがって、本発明は、有利には、特に、劣悪な無線環境において、ダウンリンク(DL)における省電力を可能にする。例えば、本発明の実施形態によると、低減されたEb/No(ビットエネルギー対雑音スペクトル密度)比を有するダウンリンク制御チャネル送信は、より高いEb/No比を有するレガシーダウンリンク制御チャネル送信と同じ性能を達成し得る。したがって、ネットワークカバレッジもまた、有利には、DL電力を増大させることなく維持または改善され得る。
【0013】
第1の実施形態において、ネットワークノードにおける方法は、1つまたは複数の既定の制御情報ビットをダウンリンク制御チャネル送信にエンコードすることを含み得る。この実施形態は、本方法がレガシーUEとの使用に後方互換性を有し得るという利点を有する。すなわち、レガシーUEは、1つまたは複数の既定の制御情報ビットを搬送するダウンリンク制御チャネル(「低コスト」ダウンリンク制御チャネルと称され得る)を依然としてデコードすることが可能であり得る。しかしながら、レガシーUEは、1つまたは複数の既定の制御情報ビットの知識を活用するように設定されないため、いかなるデコーディング性能改善からも恩恵を受けない。
【0014】
第2の実施形態において、ネットワークノードにおける方法は、1つまたは複数の制御情報ビットを省略することによって、減少された数の制御情報ビットをダウンリンク制御チャネル送信にエンコードすることであって、省略された1つまたは複数の制御情報ビットが既定の制御情報ビットである、エンコードすることを含み得る。この実施形態において、減少された数の制御情報ビットをダウンリンク制御チャネル送信にエンコードすることは、省略された1つまたは複数の制御情報ビットの合計数に応じて、例えばパンクチャリングパターンを使用して、レートマッチングを適用することを含み得る。
【0015】
第1の実施形態において、ダウンリンク制御チャネル送信が1つまたは複数の既定の制御情報ビットを搬送するとき、UEにおける方法は、ダウンリンク制御チャネル送信の一部分を決定することにおける使用のために符号語のセットの既定のサブセットを使用して、ダウンリンク制御チャネル送信の一部分をデコードすることによって、既定の制御情報ビットの知識に基づいてダウンリンク制御チャネル送信をデコードすることを含み得る。このやり方では、制御情報ビットの受信されたシーケンスに対してUEによって試験される必要のある可能な仮説(すなわち、符号語)の数は減少される。したがって、デコーディング複雑性が低減され得る。
【0016】
第2の実施形態において、ダウンリンク制御チャネル送信が、減少された数の制御情報ビットを搬送するように、ダウンリンク制御チャネル送信が1つまたは複数の既定の制御情報ビットを省略するとき、UEにおけるデコーディングは、1つまたは複数の省略された制御情報ビットの合計数に応じて、例えばパンクチャリングパターンを使用して、レートマッチングを適用することを含み得る。
【0017】
いくつかの実施形態において、チャネル状態がしきい値レベルを下回るとネットワークノードにおいて決定することは、ユーザ機器からチャネル品質インジケータ(CQI)を受信すること、およびチャネル品質インジケータ(CQI)を使用してチャネル状態がしきい値レベルを下回ると決定することを含み得る。
【0018】
いくつかの実施形態において、UEにおける方法は、チャネル品質インジケータ(CQI)をネットワークノードに送ることを含み得る。
【0019】
好ましい実施形態において、UEにおける方法は、チャネル状態がしきい値レベルを下回ると決定することと、チャネル状態がしきい値レベルを下回るという決定に応答して、既定の制御情報ビットの知識に基づいてダウンリンク制御チャネル送信をデコードすることとをさらに含み得る。これは、チャネル状態がしきい値レベルを下回り、そのためUEが「低コスト」ダウンリンク制御チャネル送信を予期している場合には、UEが、例えば符号語の既定のサブセットのみを使用して、ダウンリンク制御チャネル送信をデコードすることから、デコーディング複雑性をさらに低減し得る。しかしながら、他の実施形態においては、UEにおいてそのようなトリガが存在しなくてもよく、UEは、例えば、既定の制御情報ビットの知識を使用して、受信された各ダウンリンク制御チャネル送信をデコードすることを単に試み、これに失敗した場合にのみ、受信されたダウンリンク制御チャネル送信を通常の様式でデコードすることを進め得る。または、逆に、UEが、正常なデコーディングが失敗した場合に、既定の制御情報ビットの知識を使用して受信されたダウンリンク制御チャネル送信をデコードすることを単に試み得る。
【0020】
いくつかの実施形態において、チャネル状態がしきい値レベルを下回るとUEにおいて決定することは、チャネル品質インジケータ(CQI)内でネットワークノードに報告される情報を使用して、チャネル状態がしきい値レベルを下回ると決定することを含み得る。これは、ネットワークノードとUEとの間の調整を促進し得る。
【0021】
ダウンリンク制御チャネル送信は、高速シグナリング制御チャネル(HS−SCCH)送信であり得る。しかしながら、本発明は、他の好適なダウンリンク制御チャネル送信に適用され得るということが理解されるべきである。
【0022】
特に、ダウンリンク制御チャネル送信がHS−SCCHであるとき、1つまたは複数の既定の制御情報ビットは、1つまたは複数のチャネライゼーションコードセット情報および変調方式情報ビットを含み得る。したがって、1つまたは複数の既定の制御情報ビットは、HS−SCCHのパート1に関連し得る。この場合、上で言及されるダウンリンク制御チャネルの「一部分」は、高速シグナリング制御チャネル(HS−SCCH)のパート1であり得る。これは、HS−SCCHのパート1のデコーディング性能が改善され得るという利点を有し、それは、上記に説明されるように、パート1が首尾よくデコードされると見なされる場合にのみHS−SCCHのパート2がデコードされるため、重要な改善である。
【0023】
しかしながら、本発明の他の実施形態において、1つまたは複数の既定の制御情報ビットは、代替的に、または加えて、HS−SCCHのパート2において搬送され得る。すなわち、1つまたは複数の既定の制御情報ビットは、1つまたは複数のトランスポートブロックサイズ情報、ハイブリッドARQプロセス情報、冗長およびコンスタレーションバージョン、ならびに新データインジケータビットを含み得る。1つまたは複数の既定の制御情報ビットがHS−SCCHのパート2の部分である場合、減少された数の制御情報ビットが、1つまたは複数の既定の制御情報ビットを省略することによってダウンリンク制御チャネル送信にエンコードされるという第2の実施形態が、特に有利であり得る。これは、HS−SCCHパート1と比較してHS−SCCHパート2において送信されるより多くの数のビットが理由で、以下により詳細に説明されるように、ビットの数を減少させることが、HS−SCCHパート2についてのデコーディング複雑性の低減をより良好に促進し得るためである。
【0024】
上記に説明される方法のいずれかを実行するように設定される(すなわち、動作する)ネットワークノードがさらに提供される。
【0025】
上記に説明される方法のいずれかを実行するように設定される(すなわち、動作する)ユーザ機器がさらに提供される。
【0026】
プロセッサ上で実行されるとき、上記に説明される方法のいずれかを実行し得るコンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラムがさらに提供される。コンピュータプログラムを含むコンピュータ可読媒体がさらに提供される。
【0027】
ここで、本発明の実施形態は、添付の図面を参照して、あくまでも例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】HS−SCCHタイプ1送信のためのレイヤ1(L1)処理チェーンを例証する図である。
図2】本発明の一実施形態によるネットワークノードにおける方法を例証する図である。
図3】本発明の一実施形態によるユーザ機器における方法を例証する図である。
図4】本発明の好ましい実施形態による方法を例証する図である。
図5a】あくまでも例として、レガシーチャネライゼーションコードセットを例証する図である。
図5b】あくまでも例として、減少されたチャネライゼーションコードセット(1つのコードのみ)を例証する図である。
図5c】あくまでも例として、減少されたチャネライゼーションコードセット(2つのコードのみ)を例証する図である。
図6】HS−SCCH送信のデコーディングパート1における使用のための符号語のセットの既定のサブセット例を例証する図である。
図7】「低コスト」HS−SCCHタイプ1(スロット0)例に対するレガシーHS−SCCHタイプ1についてのミス検出性能を示すグラフである。
図8】「低コスト」HS−SCCHタイプ1(スロット0)例に対するレガシーHS−SCCHタイプ1についての誤検出性能を示すグラフである。
図9】「低コスト」HS−SCCHタイプ1(スロット0)例に対するレガシーHS−SCCHタイプ1についてのブロック誤り率(BLER)性能を示すグラフである。
図10】本発明の一実施形態によるネットワークノードを例証する図である。
図11】本発明の一実施形態によるユーザ機器を例証する図である。
図12】本発明のさらなる実施形態によるネットワークノードを例証する図である。
図13】本発明のさらなる実施形態によるユーザ機器を例証する図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施形態は、無線通信ネットワークにおける、高速シグナリング制御チャネル(HS−SCCH)送信などの、ただし、これに限らない、ダウンリンク制御チャネル送信をエンコードおよびデコードするための方法および装置を提供する。無線通信ネットワークは、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)モバイルセルラシステムであり得る。しかしながら、本発明の実施形態は、あくまでも例として他の2G/3Gネットワーク、LTE(Long−Term Evolution)、LTE Advanced、または5Gなどの他のタイプの無線通信ネットワークにおいて使用されてもよい。上に示されるように、ダウンリンク制御チャネル送信は、HS−SCCH送信であり得る。しかしながら、ダウンリンク制御チャネル送信は、代替的に、任意の他のタイプのダウンリンク制御チャネル送信であってもよい。
【0030】
図2は、本発明の実施形態によるダウンリンク制御チャネル送信をエンコードするためのネットワークノードにおける方法を例証する。ネットワークノードは、無線ネットワークノードとも称され得、例えば、基地局などの無線アクセスネットワークノード、例えばノードB、または基地局コントローラと連携して動作する基地局であってもよい。
【0031】
本方法は、200においてチャネル状態がしきい値レベルを下回ると決定することを含む。これは、チャネル状態をモニタリングすることによって、例えば、チャネル状態の測定値を示すパラメータをモニタし、モニタされたチャネル状態をしきい値と比較することによって行われ得る。しきい値は、予め決定され得る。代替的に、例えば、ネットワークノードは、例えば別のネットワークノードから、チャネル状態がしきい値レベルより低い、または低いことが予期されるという表れを受信する場合があり、そこからネットワークノードは、チャネル状態がしきい値レベルを下回ると「決定する」ことができる。
【0032】
本方法は、チャネル状態がしきい値レベルを下回るという決定に応答して、205において、1つまたは複数の既定の制御情報ビットをダウンリンク制御チャネル送信にエンコードすること、または210において、1つまたは複数の制御情報ビットを省略することによって、減少された数の制御情報ビットをダウンリンク制御チャネル送信にエンコードすることである、ことのいずれかを行うことをさらに含み、1つまたは複数の省略された制御情報ビットが既定の制御情報ビットである。1つまたは複数の既定の制御情報ビットをダウンリンク制御チャネル送信にエンコードすることが理由で、ダウンリンク制御チャネル送信によって伝搬され得る制御情報は制限されるということに留意されたい。しかしながら、本出願者は、これが、特に、動作の特定のモードがいかなる場合においても実用的でない場合があるという劣悪な無線環境においては、容認可能なトレードオフ/制限であり得るということを理解している。例えば、以下に説明されるように、劣悪な無線環境においては、ダウンリンク制御チャネル(例えば、HS−SCCH)と関連付けられたダウンリンクデータチャネル(例えば、HS−PDSCH)において使用され得る「コードの数」および「変調方式」に対する制限が存在し得る。
【0033】
減少された数の制御情報ビットがダウンリンク制御チャネル送信にエンコードされる場合、エンコードすること210は、例えば、1つまたは複数の省略された制御情報ビットの合計数に応じて、例えばパンクチャリングパターンを使用して、レートマッチングを適用すること212を含み得る。したがって、このやり方では、より少ない制御情報ビットがダウンリンク制御チャネル送信にエンコードされ、こうしてダウンリンク制御チャネル送信によって搬送されるが、ダウンリンク制御チャネル送信において実際に送信されるビットの数は、省略された制御情報ビットがダウンリンク制御チャネル送信に含まれる場合と同じのままであり得る。したがって、ダウンリンク制御チャネル送信の物理レイヤマッピング/送信に対する修正は必要とされない場合がある。
【0034】
本方法は、220において、ダウンリンク制御チャネル送信をユーザ機器(UE)に送信することをさらに含む。
【0035】
図3は、本発明の実施形態によるダウンリンク制御チャネル送信をデコードするためのユーザ機器における方法を例証する。ユーザ機器は、無線信号/エアインターフェースを介してネットワークノードまたは別のUEと通信することができる任意のタイプの無線デバイスであり得る。ユーザ機器は、例えば、無線通信デバイス、標的デバイス、D2D(デバイスツーデバイス)UE、マシンツーマシンタイプの通信ができるUE、UEを備えたセンサ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、タブレット、モバイル端末、スマートフォン、ラップトップ型埋め込み機器(LEE)、ラップトップ型備え付け機器(LE)、USBドングル、顧客宅内機器(CPE)であり得るが、これらに限らない。
【0036】
ユーザ機器における方法は、310において、ネットワークノードからダウンリンク制御チャネル送信を受信することを含み、ダウンリンク制御チャネル送信が、減少された数の制御情報ビットを搬送するように、ダウンリンク制御チャネル送信が、1つもしくは複数の既定の制御情報ビットを搬送するか、または1つもしくは複数の既定の制御情報ビットを省略する。本方法は、320において、1つまたは複数の既定の制御情報ビットの知識に基づいて、ダウンリンク制御チャネル送信をデコードすること(例えば、ダウンリンク制御チャネル送信にエンコードされた/ダウンリンク制御チャネル送信を介して送信された、制御情報ビットのシーケンスを決定すること)をさらに含む。例えば、デコーディングは、ダウンリンク制御チャネル送信における1つまたは複数の制御情報ビットが予め決定される(または固定される)という知識、およびそれらの値(すなわち、「0」または「1」)に基づき得る。
【0037】
1つまたは複数の既定の制御情報ビットの知識を使用することによって、ユーザ機器におけるデコーディング複雑性が低減され得る。
【0038】
当業者によって理解されるように、異なるタイプのデコーダがユーザ機器において使用され得る。例えば、ユーザ機器は、ダウンリンク制御チャネル送信の少なくとも一部分をデコードするために「シーケンシャル最尤相関器」を使用し得る。そのようなデコーダは、受信された制御情報ビットをすべての可能な符号語と比較し、例えば、制御情報ビットによって表される符号語として既定のしきい値を超えるのに十分に高い相関を提供する符号語を選択し得る。しかしながら、ユーザ機器は、代替的に、別のタイプのデコーダを使用し得る。例えば、ユーザ機器は、当業者によって理解されるように代わりにトレリス線図にわたって異なる可能なパスを同時にトレースし、最良のメトリックを有するパスを結果として選択する「ビダビデコーダ」を使用し得る。他のタイプのデコーダが可能であり、当業者が考え付くものである。
【0039】
1つの実施形態において、ダウンリンク制御チャネル送信は、いくつかの既定の制御情報ビットを搬送する(すなわち、ダウンリンク制御チャネル送信上でユーザ機器によって受信される制御情報ビットの合計数は、ダウンリンク制御チャネル送信がレガシー送信である場合と同じであり得る)。この場合、ユーザ機器における方法は、322において、ダウンリンク制御チャネル送信の一部分を決定することにおける使用のために符号語のセットの既定のサブセットを使用して、ダウンリンク制御チャネル送信の一部分をデコードすることを含み得る。すなわち、符号語のフルセットから得られた符号語の既定のサブセットのみが、ダウンリンク制御チャネルの一部分を介して送信された情報ビットのシーケンスを決定するときに使用され得る。符号語のサブセットは、制御情報ビットの特定のものが固定されることを考慮して、それらの可能な並べ替えのみを含むことを必要とする。したがって、いくつかの実施形態において、これは、受信された制御情報ビットに対してはるかに少ない符号語を試験する必要のあるユーザ機器、故に、デコーディング複雑性における対応する低減を結果としてもたらし得る。しかしながら、ダウンリンク制御チャネル送信が1つまたは複数の既定の制御情報ビットを搬送するという知識を活用し、そのためデコーディング複雑性を低減/デコーディング性能を改善する、ダウンリンク制御チャネル送信をデコードする他のやり方は、当業者が考え付くものであり得る。
【0040】
上に述べられるダウンリンク制御チャネル送信の「一部分」は、ダウンリンク制御チャネル送信の一部のみを含み得るということに留意されたい。例えば、以下に説明されるように、この一部分は、HS−SCCHのパート1のみを含み得る。しかしながら、いくつかの実施形態において、ダウンリンク制御チャネル送信の「一部分」は、ダウンリンク制御チャネル送信全体を含んでもよい。
【0041】
符号語のセットの既定のサブセットは、例えば、ユーザ機器におけるメモリに格納され得る。したがって、符号語のセットの既定のサブセットを上に示されるように使用することは、符号語のセットのサブセットをユーザ機器においてメモリから取得することを含み得る。
【0042】
上に示されるように、ダウンリンク制御チャネル送信は、HS−SCCHであり得る。
【0043】
図5および図6は、HS−SCCHに関して本発明の実装形態例を例証する。この例では、1つまたは複数の既定の制御情報ビットは、1つまたは複数のチャネライゼーションコードセット情報および変調方式情報ビットを含む。したがって、1つまたは複数の既定の制御情報ビットは、HS−SCCHのパート1内の「チャネライゼーションコードセット情報」フィールドおよび/または「変調方式情報」フィールド内にある(すなわち、HS−SCCHタイプ1のスロット0内で送信される)。
【0044】
図5a、図5b、および図5cは、あくまでも例として、「チャネライゼーションコードセット情報」フィールドに含まれ得るコードを示すチャネライゼーションコードセット、減少されたチャネライゼーションコードセット(1つのコードのみ)、および減少されたチャネライゼーションコードセット(2つのコードのみ)をそれぞれ例証する。
【0045】
上に述べられるように、チャネライゼーションコードセット(CCS)情報は、7ビットからなる。より具体的には、CCS情報は、2つの部分に分割される。第1の部分は、Xccs1からXccs3までの3ビットからなる「コードグループインジケータ」を指す。第2の部分は、Xccs4からXccs7までの4ビットからなる「コードオフセットインジケータ」を指す。CCSビットにマップされる2進シーケンスは、ダウンリンク送信によって使用されるコードの数、およびチャネライゼーションコードツリーにおけるオフセット(すなわち、コードの位置)をそれぞれ指す変数「P」および「O」に依存する。CCSビットと変数「P」および「O」との間の関係の例は、図5aに示される。
【0046】
図5aに示される例において、ネットワークノード、例えばノードBは、送信されるべきダウンリンク送信のコードの数が5である(P=5)一方、チャネライゼーションコードツリーにおけるオフセットが7である(O=7)ことを決定した。「P」および「O」の値を知ると、CCSビットが以下のように決定される:
> Xccs1,Xccs2,Xccs3=min(P−1,15−P)=100
> Xccs4,Xccs5,Xccs6,Xccs7=|O−1−(Floor(P/8))(15)|=0110
したがって、CCSビットXccs1…Xccs7=1000110である。
【0047】
CCSビットは、図5aに描写される「チャネライゼーションコードセットマトリックス」内の「P」および「O」の値をUEが見つけることを可能にする「座標」を含む。
【0048】
一方で、変調方式(MS)ビットは、HS−PDSCHに適用される変調方式がQPSKであるか、または16−QAMであるかをUEに知らせるために使用される。解釈は以下の通りである:
> xms,1=0→QPSK
> xms,1=1→16−QAM
【0049】
この例では、いくつかの既定の制御情報ビットを含む、いわゆる「低コストHS−SCCHタイプ1」または簡略化されたHS−SCCHは、1つのコードと共にQPSKを最大限に活用することができるUEによって利用されることが意図される。
【0050】
その場合、「コードグループインジケータ」(3ビット)はもはや必要とされず、「変調方式」も必要とされない。したがって、HS−SCCHパート1は、図5bに描写されるように、4ビットからなる「コードオフセットインジケータ」フィールドのみを示すように制限され得る。
【0051】
したがって、HS−SCCHタイプ1のこの簡略化されたバージョンでは、「P」は、Xccs4,Xccs5,Xccs6,ccs7=|O−1−(Floor(P/8))(15)|を保って、1に固定される。
【0052】
組み合わせXccs4,Xccs5,Xccs6,Xccs7=1111は未使用であり、他の用途/目的(例えば、再送信目的、または特定の行動を実行するようにUEに命令すること)に利用可能なままであるということに留意されたい。
【0053】
一方で、1つのコードのみを使用することが制限的すぎると見なされる場合には、2つのコードが検討され得る。その場合、「コードグループインジケータ」は、図5cに描写されるように、コードオフセットインジケータの4ビットに加えて、1ビットからなる。HS−SCCHタイプ1のこの簡略化されたバージョンでは、「P」は、Xccs4,Xccs5,Xccs6ccs7=|O−1−(Floor(P/8))(15)|を保って、1または2の値をとり得る。「P」=1であるとき、組み合わせXccs4,Xccs5,Xccs6,Xccs7=1111は未使用であり、他の用途/目的(例えば、再送信目的、または特定の行動を実行するようにUEに命令すること)に利用可能なままである。「P」=2であるとき、組み合わせXccs4,Xccs5,Xccs6,Xccs7=1111および1110は未使用であり、他の用途/目的(例えば、再送信目的、または特定の行動を実行するようにUEに命令すること)に利用可能なままである。
【0054】
したがって、例えば、「低コストHS−SCCHタイプ1」が1つのチャネライゼーションコードのみ、およびQPSK変調を使用する場合、スロット0(HS−SCCHパート1)上で搬送されるすべての制御情報ビットのうちの4ビットのみが決定論的ではない。これらは、チャネライゼーションコードツリーにおけるオフセット(すなわち、チャネライゼーションコードツリー内のコード位置)を示すために使用されるビットである。
【0055】
「低コストHS−SCCHタイプ1」のスロット0上で搬送される制御情報ビットのマッピングは、したがって以下の通りであり得る:
> xccs,1,xccs,2,xccs,3,=000:レガシー形式に従い、このビットシーケンスは、1つのコードのみが使用されることを示す。
> xccs,4,xccs,5,xccs,6,xccs,7,=0000−>1110:レガシー形式に従い、1つのコードが共有チャネル用に予約されるため、オフセットの範囲は、0から14にわたる(オフセット1から15を意味する)。言い換えると、16個のコードのうちの15個のみが使用可能なコード位置である。
> xms,1,=0:レガシー形式に従い、これはQPSK変調が使用されることを意味する。
【0056】
上記は、CCS+MS 8−ビットシーケンスでは、ビットの半分が決定論的にされる、すなわち、既定のものであることを意味する。
> xccs,1,xccs,2,xccs,3,xccs,4,xccs,5,xccs,6,xccs,7,xms,1,=000????0
【0057】
したがって、この例では、「低コストHS−SCCHタイプ1」が使用されているとき、HS−SCCHパート1において送信され得る15個の可能な制御情報ビットシーケンスのみが存在する。これらの可能なビットシーケンス(すなわち、符号語)は、図6に示される。
【0058】
これらの可能なビットシーケンスは、したがって、本発明の実施形態によるHS−SCCHのパート1送信をデコーディングすることにおける使用のための符号語のセットのサブセットを予め決定する例を表す。UEにおいて、これは、マスクされていない制御情報ビットシーケンスが、8つの制御情報ビットのいずれも予め決定されないレガシーHS−SCCHパート1送信についてのおよそ256個の符号語に対してではなく、この例では15個の符号語に対してのみ相関される必要があることから、HS−SCCHパート1のデコーディング複雑性が低減され得る(すなわち、より少ない仮説が試験される必要がある)ことを意味する。これが、BLER(ブロック誤り率)、誤検出、およびミス検出性能の改善を可能にする。
【0059】
例証の目的のため、レガシーHS−SCCHおよび本例「低コストHS−SCCH」の両方について、特定の設定(1%BLERおよび誤検出率10%未満を標的とする)を使用してシミュレーションが実行されている。レガシーおよび「低コストHS−SCCH」(スロット0、すなわち、パート1)についてのミス検出、誤検出、およびBLER性能は、図7図8、および図9にそれぞれ示される。
【0060】
図7のグラフでは、ミス検出のパーセンテージが、レガシーHS−SCCHおよび本例「低コストHS−SCCH」の両方についてEb/No比の関数として低下することが分かる。しかしながら、ミス検出のパーセンテージは、「低コストHS−SCCH」が利用されるときにより速く低下し、ミス検出の全体のパーセンテージが、「低コストHS−SCCH」ではより低い。この分析においては、UEによってミスされた送信はブロックエラーとして数えられるため、「ミス検出」の数がBLERに影響を与えるということに留意されたい。
【0061】
図8は、レガシーHS−SCCHおよび本例「低コストHSCCH」についての誤検出のパーセンテージ対Eb/Noを示すグラフである。誤検出のパーセンテージは、レガシーHS−SCCHおよび本例「低コストHS−SCCH」の両方について、異なるEb/No比の場合に実質的に同じであることが分かる。しかしながら、誤検出のパーセンテージは、「低コストHS−SCCH」が使用されるときには、ほぼ半分、低減されることが分かる。
【0062】
図9は、ここでもレガシーHS−SCCHおよび本例「低コストHS−CCH」についてのBLER対Eb/Noを示すグラフである。HS−SCCHの場合の容認可能なBLERターゲットは、およそ1%(すなわち、図9に描写されるプロットでは10−2)である。その動作点において、「低コストHS−SCCH」は、レガシー性能に対して約1.3dBであるゲインを提供する。
【0063】
上の例において、既定の制御情報ビットは所望の意味、すなわち、「1つのコード、QPSK」を有するレガシーシーケンスに従って固定されているため、有利には「低コストHS−SCCH」がレガシーUEと互換性があることに留意されたい。したがって、レガシーUEは、依然として「低コストHS−SCCH」をデコードすることができる。しかしながら、レガシーUEは、既定の制御情報ビットを活用しない。
【0064】
さらに、上の例では、HS−SCCHパート1内の1つまたは複数の制御情報ビットは予め決定される。しかしながら、いくつかの実施形態によると、HS−SCCHパート2内の1つまたは複数の制御情報ビットは、加えて、または代替的に、本発明の実施形態により予め決定され得る。
【0065】
例えば、HS−SCCHパート1内のコードの数を固定することは、HS−SCCHパート2上に搬送される制御情報の中身を限定する。例えば、1つのコードのみを使用することは、トランスポートブロックサイズ情報(6ビット)が起こり得るすべての範囲の「トランスポートブロック」サイズを使用しないことを示唆し、それが、トランスポートブロックサイズ情報ビットのうちのいくつかをさらに固定する可能性を開く。一般に、「低コスト」簡略化戦略は、HS−SCCHパート2内のいくつかの他の制御情報フィールドに拡大され得る。例えば、「低コストHS−SCCH」が有効化されるときに「チェイス結合」または「増分冗長」のいずれかが使用されるということが予め決定される場合、例えば、冗長およびコンスタレーションバージョン(3ビット)ビットシーケンスも固定され得る。
【0066】
上の例において、1つまたは複数の既定の制御情報ビットは、ダウンリンク制御チャネル送信内で搬送され、こうしてUEによって受信される。しかしながら、上記に説明されるように代替的に、1つまたは複数の既定の制御情報ビットは、ダウンリンク制御チャネル送信から省略され得る。図3に戻って参照すると、この場合、324において、ダウンリンク制御チャネル送信にデコードすることは、1つまたは複数の省略された制御情報ビットの合計数に応じて、例えばパンクチャリングパターンを使用して、レートマッチングを適用することを含み得る。このレートマッチングは、したがって、ダウンリンク制御チャネル送信をエンコードすることに関してネットワークノードにおいて使用されるレートマッチングに対応し得る。したがって、UEは、減少された数の制御情報ビットを回復することができる場合がある。このとき、UEは、より少ない制御情報ビットをデコードすることができることのみを必要とするため、デコーディング複雑性が低減され得る。加えて、これは、有利には、例えばデコーダがビダビデコーダの場合には、UEにおけるデコーダへのいかなる変調または大幅な変調なしに達成され得る。
【0067】
本出願者は、デコーディング複雑性を低減するこの代替的な方法が、例えば、HS−SCCHパート2に好適であり得ることを理解している。HS−SCCHパート1およびHS−SCCHパート2は別個にデコードされるため、異なるデコーディング方法が、2つの部分に対して使用され得るということに留意されたい。HS−SCCHパート2は、2つのスロットを介して送信され、HS−SCCHパート1よりも大きい数の制御情報ビットすなわち13ビット+16ビットCRCを搬送し、それが、536870912(すなわち、2^29)個の符号語(HS−SCCHパート1の場合の256個と比較して)を結果としてもたらす。したがって、29ビットのうちの例えば6ビットが固定される場合、8388608個の符号語が依然として試験される必要があるはずである。したがって、この場合、ビダビデコーダなどの汎用デコーダを利用し、既定の制御情報ビットを省略することが、改善されたデコーディング性能を可能にし得る。例えば、ビダビデコーダは、より短い時間で最良のパスを検索することができる場合がある。
【0068】
図1に関して上記に説明されるようなレガシー形式において、HS−SCCHパート2を例とすると、13ビット(Xtbs,hap,rv,nd)+16ビット(UE_ID)+8ビット(ゼロテール)=37ビットである。1/3 CC(1/3)のチャネル符号化70は、ビットの数を111に増大させる。次いで、レートマッチング80が、ビットの数を80に減少させる。例えば、制御情報ビットのうちの6つが予め決定される場合、および削除される場合には、代わりに、7ビット(例えば、Xhap,rv,nd)+16ビット(UE_ID)+8ビット(ゼロテール)=31ビットである。CC(1/3)は、ビットの数を93に増大させる。したがって、レートマッチングは、次いで、それらの93ビットを80ビットに減少させて、HS−SCCHのスロット1および2に組み込むことが求められる。したがって、レガシー形式において、レートマッチングは、80ビットの出力を提供するために、31ビットを廃棄する。修正されたバージョンでは、例として、レートマッチングは、80ビットの出力を提供するために、代わりに、13ビットのみを廃棄する。この場合、例えばここでは13ビットをパンクチャリングする、対応するレートマッチングが、送信された制御情報ビットを取得するために、UEにおいて実行される必要がある。
【0069】
図4は、本発明の好ましい実施形態によるダウンリンク制御チャネル送信をエンコードおよびデコードする方法を例証する。UEにおいて実行され得るステップがページの左側に示され、ネットワークノードにおいて実行され得るステップがページの右側に示される。ステップのうちの少なくともいくつかは、フロー図に示されるものとは異なる順序で、または同時に、実行され得ることに留意されたい。
【0070】
この例では、ネットワークノードは、UEによって報告されるチャネル品質インジケータ(CQI)内の情報を使用してチャネル状態がしきい値レベルを下回ると決定する。例えば、CQIが既定のしきい値を下回る値を報告する(劣悪な無線環境を示す)場合、ネットワークノードは、チャネル状態がしきい値レベルを下回ると決定し得る。
【0071】
300において、UEは、CQIをネットワークノードに送る。202において、ネットワークノードは、ユーザ機器からCQIを受信し、205において、ネットワークノードは、CQIを使用して、チャネル状態がしきい値レベルを下回ると決定する。チャネル状態がしきい値レベルを下回るという決定に応答して、ネットワークノードは、212または214において、上記に説明されるように、いくつかの既定の制御情報ビットをダウンリンク制御チャネル送信に、例えばダウンリンク制御チャネル送信の1つまたは複数のフィールドにエンコードする。220において、ネットワークノードは、ダウンリンク制御チャネル送信をUEに送信する。310において、UEは、ダウンリンク制御チャネル送信を受信する。次いで、UEは、有利には、320において、1つまたは複数の既定の制御情報ビットの知識に基づいてダウンリンク制御チャネル送信をデコードする。
【0072】
図4に示されるように、ステップ320の前に、UEはまた、302において、チャネル状態がしきい値レベルを下回ると決定し得る。これは、304において示されるようにCQI内で報告される情報を使用して行われ得る。したがって、この決定に応答して、UEは、「低コストダウンリンク制御チャネル送信」(すなわち、1つまたは複数の既定の制御情報ビットを搬送する、または省略するダウンリンク制御チャネル送信)を予期し得る。したがって、この決定に応答して、UEは、1つまたは複数の既定の制御情報ビットの知識に基づいてダウンリンク制御チャネル送信をデコードし得る。
【0073】
しかしながら、他の実施形態が可能である。例えば、UEにおいて異なるトリガが存在し得るか、そのようなトリガが存在しなくてもよい。後者の場合、UEは、例えば、既定の制御情報ビットの知識を使用して受信された各ダウンリンク制御チャネル送信をデコードすることを単に試み、これに失敗した場合にのみ、受信されたダウンリンク制御チャネル送信を通常の様式でデコードすることを進め得る。または、逆に、UEが、正常なデコーディングが失敗した場合に、既定の制御情報ビットの知識を使用して受信されたダウンリンク制御チャネル送信をデコードすることを単に試み得る。
【0074】
ネットワークノードは、例えば図2および図4に関して上記に説明される方法のいずれかを実行するように設定され得る。
【0075】
図10および図12は、本発明の実施形態によるネットワークノード1000、1200を例証する。ネットワークノードは、UEにサーブする、および/または別のネットワークノードもしくはネットワーク素子またはUEがそこから信号を受信する任意の無線ノードに接続される、任意のタイプのネットワークノードであり得る。ネットワークノードは、基地局(例えばノードB)などの無線アクセスネットワークノード、または基地局コントローラと連携して動作する基地局であってもよい。いくつかの例において、ネットワークノードは、複数の分散型の部品またはネットワークノードを含み得る。
【0076】
図10に例証されるネットワークノード1000は、トランシーバ回路1010および処理回路1020を備える。トランシーバ回路1010は、無線アクセステクノロジーに従って、例えば、GSM(汎欧州デジタル移動電話方式)、GPRS(汎用パケット無線サービス)、WCDMA(広帯域符号分割多重アクセス)、LTE、LTE−Advanced、5Gなどの無線通信規格に従って、信号を送信および受信するようにまとめて設定される送信器回路、受信器回路、および関連制御回路を含み得る。処理回路1020は、トランシーバ回路1010と動作するように関連付けられ得る。処理回路1020は、1つまたは複数のデジタルプロセッサ、例えば1つまたは複数のマイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはそれらの任意の組み合わせを備え得る。一般に、処理回路1020は、中で教示される機能性を実装するプログラム命令の実行により特別に設定される固定回路もしくはプログラマブル回路を備え得るか、または固定およびプログラマブル回路のいくつかの組み合わせを含み得る。処理回路1020はまた、メモリを備え得る。いくつかの実施形態において、メモリは、1つまたは複数のコンピュータプログラム、および任意選択的に設定データを格納し得る。メモリは、ディスクストレージ、ソリッドステートメモリストレージ、または例えばSRAM(スタティックランダムアクセスメモリ)、DRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ、EEPROM(電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ)、およびフラッシュメモリなど、任意のタイプのコンピュータ可読媒体を含み得る。
【0077】
処理回路1020は、トランシーバ回路1010を介して、チャネル状態がしきい値レベルを下回ると決定すること、チャネル状態がしきい値レベルを下回るという決定に応答して、いくつかの既定の制御情報ビットをダウンリンク制御チャネル送信の1つまたは複数のフィールドにエンコードすること、または、1つまたは複数の制御情報ビットを省略することによって、いくつかの制御情報ビットをダウンリンク制御チャネル送信にエンコードすることを行うように設定され得、1つまたは複数の省略された制御情報ビットが既定の制御情報ビットである。処理回路1020は、ダウンリンク制御チャネル送信をユーザ機器に送信するようにさらに設定され得る。
【0078】
一般に、処理回路1020は、例えば図2および図4に関して説明される、上記に説明される方法のいずれかを実行するように設定され得る。
【0079】
処理回路1020は、減少された数の制御情報ビットをダウンリンク制御チャネル送信にエンコードするとき、1つまたは複数の省略された制御情報ビットの合計数に応じて、例えばパンクチャリングパターンを使用して、レートマッチングを適用するようにさらに設定され得る。
【0080】
いくつかの実施形態において、処理回路1020は、ユーザ機器からチャネル品質インジケータ(CQI)を受信すること、およびチャネル品質インジケータ(CQI)を使用してチャネル状態がしきい値レベルを下回ると決定することによって、チャネル状態がしきい値レベルを下回ると決定するように設定され得る。
【0081】
ダウンリンク制御チャネル送信は、高速シグナリング制御チャネル(HS−SCCH)であり得る。1つまたは複数の既定の制御情報ビットは、少なくとも1つまたは複数のチャネライゼーションコードセット情報および変調方式情報ビットを含み得る。
【0082】
図12は、本発明のさらなる実施形態によるネットワークノード1200を例証する。この実施形態において、ネットワークノード1200は、チャネル状態がしきい値レベルを下回ると決定するための決定モジュール1210を備える。ネットワークノード1200は、チャネル状態がしきい値レベルを下回るという決定に応答して、いくつかの既定の制御情報ビットをダウンリンク制御チャネル送信にエンコードすること、または、1つまたは複数の制御情報ビットを省略することによって、減少された数の制御情報ビットをダウンリンク制御チャネル送信にエンコードすることを行うためのエンコーディングモジュール1220を備え得、1つまたは複数の省略された制御情報ビットが既定の制御情報ビットである。ネットワークノード1200は、ダウンリンク制御チャネル送信をユーザ機器に送信するための送信モジュール1230をさらに備える。
【0083】
ダウンリンク制御チャネル送信が1つまたは複数の既定の制御情報ビットを省略するとき、エンコーディングモジュール1220は、1つまたは複数の省略された制御情報ビットの合計数に応じて、例えばパンクチャリングパターンを使用して、レートマッチングを適用するためのものであり得る。
【0084】
いくつかの実施形態において、ネットワークノード1200は、ユーザ機器からチャネル品質インジケータ(CQI)を受信するための受信モジュール1215をさらに備え得る。この場合、決定モジュール1210は、チャネル品質インジケータ(CQI)を使用してチャネル状態がしきい値レベルを下回ると決定するためのものであり得る。
【0085】
上に示されるように、ダウンリンク制御チャネル送信は、高速シグナリング制御チャネル(HS−SCCH)であり得る。1つまたは複数の既定の制御情報ビットは、1つまたは複数のチャネライゼーションコードセット情報および変調方式情報ビットを含み得る。
【0086】
決定モジュール1210、エンコーディングモジュール1220、送信モジュール1230、および受信モジュール1215は、ソフトウェアおよび/またはハードウェアの任意の組み合わせを備え得、また例えば、上に規定されるようなトランシーバ回路および/または処理回路を備え得る。モジュール1210、1220、1230、および1215は、統合され得るか、または任意の程度まで分散され得る。
【0087】
同様に、ユーザ機器(UE)は、上記に説明される方法、例えば図3および図4に関して説明されるものいずれかを実行するように設定され得る。
【0088】
図11および図13は、本発明の実施形態によるユーザ機器1100、1300を例証する。ユーザ機器1100、1300は、無線信号/エアインターフェースを介してネットワークノードまたは別のUEと通信することができる任意のタイプの無線デバイスであり得る。ユーザ機器1100、1300は、例えば、無線通信デバイス、標的デバイス、D2D(デバイスツーデバイス)UE、マシンツーマシンタイプの通信ができるUE、UEを備えたセンサ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、タブレット、モバイル端末、スマートフォン、ラップトップ型埋め込み機器(LEE)、ラップトップ型備え付け機器(LE)、USBドングル、顧客宅内機器(CPE)であり得るが、これらに限らない。
【0089】
図11に例証される実施形態において、ユーザ機器1100は、トランシーバ回路1110および処理回路1120を備える。トランシーバ回路1110は、無線アクセステクノロジーに従って、例えば、GSM(汎欧州デジタル移動電話方式)、GPRS汎用パケット無線サービス)、WCDMA(広帯域符号分割多重アクセス)、LTE、LTE−Advanced、5Gなどの無線通信規格に従って、信号を送信および受信するようにまとめて設定される送信器回路、受信器回路、および関連制御回路を含み得る。処理回路1020は、トランシーバ回路1010と動作するように関連付けられ得る。処理回路1020は、1つまたは複数のデジタルプロセッサ、例えば1つまたは複数のマイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはそれらの任意の組み合わせを備え得る。一般に、処理回路1120は、中で教示される機能性を実装するプログラム命令の実行により特別に設定される固定回路もしくはプログラマブル回路を備え得るか、または固定およびプログラマブル回路のいくつかの組み合わせを含み得る。処理回路1020はまた、メモリを備え得る。いくつかの実施形態において、メモリは、1つまたは複数のコンピュータプログラム、および任意選択的に設定データを格納し得る。メモリは、ディスクストレージ、ソリッドステートメモリストレージ、または例えばSRAM(スタティックランダムアクセスメモリ)、DRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ、EEPROM(電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ)、およびフラッシュメモリなど、任意のタイプのコンピュータ可読媒体を含み得る。
【0090】
処理回路1110は、トランシーバ回路1110を介して、ネットワークノードからダウンリンク制御チャネル送信を受信するように設定され、ダウンリンク制御チャネル送信が、減少された数の制御情報ビットを搬送するように、ダウンリンク制御チャネル送信が、1つもしくは複数の既定の制御情報ビットを搬送するか、または1つもしくは複数の既定の制御情報ビットを省略する。処理回路1110は、既定の制御情報ビットの知識に基づいてダウンリンク制御チャネル送信をデコードするようにさらに設定される。
【0091】
一般に、処理回路1110は、例えば図3および図5に関して説明される、上記に説明される方法のいずれかを実行するように設定され得る。
【0092】
ダウンリンク制御チャネル送信が1つまたは複数の既定の制御情報ビットを搬送するとき、処理回路1110は、ダウンリンク制御チャネル送信の一部分を決定することにおける使用のために符号語のセットの既定のサブセットを使用して、ダウンリンク制御チャネル送信の一部分をデコードするように設定され得る。
【0093】
ダウンリンク制御チャネル送信が1つまたは複数の決定された制御情報ビットを省略するとき、処理回路1110は、1つまたは複数の省略された制御情報ビットの合計数に応じて、例えばパンクチャリングパターンを使用して、レートマッチングを適用することによって、1つまたは複数の既定の制御情報ビットに基づいてダウンリンク制御チャネル送信をデコードするように設定され得る。
【0094】
いくつかの実施形態において、処理回路1110は、チャネル品質インジケータ(CQI)をネットワークノード1000、1200に送るようにさらに設定され得る。
【0095】
いくつかの実施形態において、処理回路1110は、チャネル状態がしきい値レベルを下回ると決定し、チャネル状態がしきい値レベルを下回るという決定に応答して、1つまたは複数の既定の制御情報ビットの知識に基づいてダウンリンク制御チャネル送信をデコードするようにさらに設定され得る。
【0096】
処理回路1110は、チャネル品質インジケータ(CQI)内で報告される情報を使用することによってチャネル状態がしきい値レベルを下回ると決定するように設定され得る。
【0097】
ダウンリンク制御チャネル送信は、高速シグナリング制御チャネル(HS−SCCH)であり得る。上で述べられるダウンリンク制御チャネルの一部分は、高速シグナリング制御チャネル(HS−SCCH)のパート1であり得る。
【0098】
図13は、本発明のさらなる実施形態によるユーザ機器1300を例証する。ユーザ機器1300は、ネットワークノードからダウンリンク制御チャネル送信を受信するための受信モジュール1310を備え、ダウンリンク制御チャネル送信が、減少された数の制御情報ビットを搬送するように、ダウンリンク制御チャネル送信が、1つまたは複数の既定の制御情報ビットを搬送するか、またはいくつかの既定の制御情報ビットを省略する。ユーザ機器1300は、既定の制御情報ビットの知識に基づいてダウンリンク制御チャネル送信をデコードするためのデコーディングモジュール1320をさらに備え得る。
【0099】
デコーディングモジュール1320は、ダウンリンク制御チャネル送信が1つまたは複数の既定の制御情報ビットを搬送するとき、ダウンリンク制御チャネル送信の一部分を決定することにおける使用のために符号語のセットの既定のサブセットを使用して、ダウンリンク制御チャネル送信の一部分をデコードするためのものであり得る。実施形態において、UEは、ユーザ機器1300内のメモリから符号語のセットの既定のサブセットを取得するための取得モジュール1315を備え得る。
【0100】
デコーディングモジュール1320は、ダウンリンク制御チャネル送信が、減少された数の制御情報ビットを搬送するとき、1つまたは複数の省略された制御情報ビットの合計数に応じて、例えばパンクチャリングパターンを使用して、レートマッチングを適用するためのものであり得る。
【0101】
ユーザ機器1300は、チャネル品質インジケータ(CQI)をネットワークノードに送るための送信モジュール1312をさらに備え得る。
【0102】
いくつかの実施形態において、ユーザ機器1300は、チャネル状態がしきい値レベルを下回ると決定するための決定モジュール1314をさらに備え得る。この場合、デコーディングモジュール1320は、チャネル状態がしきい値レベルを下回るという決定に応じて、1つまたは複数の既定の制御情報ビットの知識に基づいてダウンリンク制御チャネル送信をデコードするためのものであり得る。
【0103】
決定モジュールは、チャネル品質インジケータ(CQI)内で報告される情報を使用することによってチャネル状態がしきい値レベルを下回ると決定するためのものであり得る。
【0104】
ダウンリンク制御チャネル送信は、高速シグナリング制御チャネル(HS−SCCH)であり得る。上で言及されるダウンリンク制御チャネルの一部分は、高速シグナリング制御チャネル(HS−SCCH)のパート1であり得る。
【0105】
受信モジュール1310、デコーディングモジュール1320、送信モジュール1312、取得モジュール1315、および決定モジュール1314は、ソフトウェアおよび/またはハードウェアの任意の組み合わせを備え得、また例えば、上に規定されるようなトランシーバ回路および/または処理回路を備え得る。モジュール1310、1320、1330、および1314は、統合され得るか、または任意の程度まで分散され得る。
【0106】
プロセッサ上で実行されるとき、上記に説明される方法のいずれかを実行するように設定されるコンピュータプログラムも提供され得る。コンピュータプログラムは、あくまでも例として、ディスクストレージ、ソリッドステートメモリストレージ、または例えばSRAM(スタティックランダムアクセスメモリ)、DRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ、EEPROM(電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ)、およびフラッシュメモリなどの、非一時的なコンピュータ可読媒体に格納され得る。
【0107】
したがって、本発明の実施形態は、特に、劣悪な無線環境において、例えば、BLER、ミス検出、および誤検出のうちの1つまたは複数の点で、ダウンリンク制御チャネル送信のデコーディング性能が改善され得るという利点を有する。したがって、有利には、ダウンリンク制御チャネルによって必要とされるダウンリンク電力は、低減され得るか、例えばネットワークカバレッジにおける対応する増大を伴って維持され得る。さらには、1つまたは複数の既定の制御情報ビットがダウンリンク制御チャネル送信において搬送されるといういくつかの実施形態は、有利には、後方互換性を有し得、それにより、レガシーUEは、デコーディング性能の改善から恩恵を受けることはできないが、依然としてダウンリンク制御チャネル送信をデコードすることが可能であり得る。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13