(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記陽極電解質の少なくとも一部分を、前記中和チャンバーを再び通るように再循環させるように構成される中和再循環経路を更に備える、請求項1に記載の電気化学的活性化システム。
前記中和チャンバー内の前記中和陽極の露出表面積と前記中和チャンバー内の前記中和陰極の露出表面積との比は、1:1〜1:10000の範囲内である、請求項4に記載の電気化学的活性化システム。
前記チャンバーセル内で前記陽極チャンバーと前記陰極チャンバーとの間に位置する塩水チャンバーを更に備え、前記塩水チャンバー及び前記陰極チャンバーは前記第1の膜によって分離され、前記塩水チャンバー及び前記陽極チャンバーは第2の膜によって分離される、請求項4に記載の電気化学的活性化システム。
電子コントローラーであって、前記陽極電解質の前記pHレベルの指標を受信するように構成され、また、前記陽極電解質の前記pHレベルの指標に基づいて前記陰極及び前記中和陰極に対する電力又は前記陰極及び前記中和陰極の活性化時間の一方又は両方を制御するように更に構成される、電子コントローラーを更に備える、請求項4に記載の電気化学的活性化システム。
前記電子コントローラーは、前記電気化学的活性化システムによる前記陽極電解質の再循環、前記電気化学的活性化システムによる陰極電解質の再循環、前記電気化学的活性化システムからの前記濃縮塩素溶液の分注、又は前記電気化学的活性化システムからの前記濃縮アルカリ溶液の分注の1つ以上を制御するように更に構成される、請求項12に記載の電気化学的活性化システム。
前記濃縮塩素溶液を洗浄機に分注するように構成され、前記洗浄機は、前記濃縮塩素溶液を、0.02%〜14%の範囲から15ppm〜60ppmの範囲まで希釈するように構成される、請求項16に記載の方法。
前記生産モードと前記中和モードとで複数回交互に行うことで、前記陽極電解質の前記pHレベルを、4.0pH〜7.0pHの範囲内に留める、請求項19に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示は、高濃縮アルカリ溶液及び高濃縮pH中性塩素溶液を生産するために電気化学活性化(ECA)を使用する実施形態を述べる。本開示では、「pH中性(pH-neutral)」は、約pH6〜約pH8の範囲内のpHレベルを有する物質を指す。幾つかの実施形態において、高濃縮アルカリ溶液は、約0.02%Na
2O以上のアルカリ度を有し、高濃縮塩素溶液は、約0.02%以上の塩素濃度を有する。
【0017】
上記で論じたように、既存のECAシステムは、0.02%未満の塩素濃度及び0.02%Na
2O未満のアルカリ度を有する希釈塩素溶液及び希釈アルカリ溶液を生産することができている。しかし、これらの希釈塩素溶液及び希釈アルカリ溶液は、特定の洗浄シナリオには不十分なものである。特に、こうした希釈塩素溶液及び希釈アルカリ溶液は、機械による新鮮な水の取り込みによる洗浄剤の希釈のせいで、洗浄剤濃度を(食器)洗浄機内で所望のレベルに維持することができない。必要とされるものは、高濃縮アルカリ溶液及び高濃縮pH中性塩素溶液を生産するための必要に応じた解決策である。
【0018】
本明細書には、洗浄機(例えば、商用皿洗浄機及び商用食器洗浄機及び洗濯機)のために使用され得るpH中性塩素溶液及びアルカリ溶液の、要求に応じた生成を可能にするECAシステムの実施形態が記載されている。こうした塩素溶液及びアルカリ溶液は、機械ダウンタイム中に(例えば、夜間に)生産され得る。本明細書で開示するECAシステムは、濃縮洗浄剤溶液を投与し、したがって、正しい/所望の生成物濃度を生成し維持し、清浄プロセス全体を通して良好なクリーニング性能をもたらすことができる。幾つかの実施形態において、説明したECAシステムによって生成される濃縮アルカリ溶液は、約0.02%Na
2O〜約50%Na
2Oの範囲内のアルカリ度を有し、濃縮されかつ中性の塩素溶液は、約0.02%〜約14%に及ぶ活性塩素濃度を有する。
【0019】
図1には、高濃縮アルカリ溶液及び高濃縮pH中性塩素溶液を生産するように構成されるECAシステム100の一実施形態が示されている。ECAシステム100は、陽極チャンバー104、陰極チャンバー106、及び中和チャンバー108を含むチャンバーセル102を備える。陽極チャンバー104は、第1の膜110によって陰極チャンバー106から分離され、陽極チャンバー104は、第2の膜112によって中和チャンバー108から分離される。幾つかの実施形態において、第1の膜110及び第2の膜112は、陽イオン交換膜又は両極性(bipolar)膜である。幾つかの実施形態において、第1の膜及び第2の膜は、電気分解が膜の両側面で陽極及び陰極によって実施されることを可能にしながら、Cl
−の移動を妨げるように構成される。
【0020】
陽極チャンバー104は陽極114を含む。幾つかの実施形態において、陽極114は、中実か、多孔質か、又はメッシュ状の電極である。幾つかの実施形態において、陽極114は、チタン酸化物コーティング、イリジウム(酸化物)コーティング、又は寸法安定性陽極−Cl(DSA−Cl:dimensionally stable anodes-Cl)タイプのコーティングを有するチタンから作られる。幾つかの実施形態において、陽極114はグラファイトから作られる。示す実施形態において、陽極114は、第2の膜112の近くで又は第2の膜112と接触状態で陽極チャンバー104内に設置される。他の実施形態において、陽極114は、
図1に示す場所と陽極チャンバー104の中心に近い場所との間の位置で陽極チャンバー104内に設置される。
【0021】
陰極チャンバー106は陰極116を含む。幾つかの実施形態において、陰極116は、多孔質又はメッシュ状の電極である。幾つかの実施形態において、陰極116はチタンから作られる。幾つかの実施形態において、陰極116はグラファイトから作られる。幾つかの実施形態において、
図1に示すように、陰極116は、第1の膜110の近くで又は第1の膜110と直接接触状態で陰極チャンバー106内に設置される。
【0022】
中和チャンバー108は中和陰極118を含む。幾つかの実施形態において、中和陰極118は、中実か、多孔質か、又はメッシュ状の電極である。幾つかの実施形態において、中和陰極118は、チタン酸化物コーティング、又はイリジウム(酸化物)コーティング、又はDSA−Clタイプのコーティングを有するチタンから作られる。幾つかの実施形態において、中和陰極118はグラファイトから作られる。幾つかの実施形態において、
図1に示すように、中和陰極118は、中和チャンバー108の、第2の膜112に対向する側面の近くで中和チャンバー108内に設置される。
【0023】
ECAシステム100は、塩素溶液タンク120も備える。塩水供給ライン122は、塩水を外部供給源(例えば、塩水タンク)から塩素溶液タンク120内に運ぶように構成される。塩素溶液供給ライン124は、塩素溶液タンク120から出る塩素溶液を外部目的地(例えば、洗浄機)まで運ぶように構成される。陽極チャンバー供給ライン126は、塩素溶液タンク120から出る流体を陽極チャンバー104まで運ぶように構成される。幾つかの実施形態において、陽極チャンバー供給ライン126によって運ばれる流体は、塩水、陽極電解質、水、任意の他の流体、又はその任意の組合せである。
【0024】
中和供給ライン140は、陽極チャンバー104から出る陽極電解質を中和チャンバー108まで運ぶように構成される。
図1に示す実施形態等の幾つかの実施形態において、中和供給ライン140は、陽極チャンバー104の側面のうち、陽極チャンバー供給ライン126が陽極チャンバー104内に流体を運ぶ側面に対向する側面から、陽極電解質が陽極チャンバー104を出るように構成される。陽極戻りライン128は、中和チャンバー108から出る陽極電解質を塩素溶液タンク120まで戻すように構成される。
図1に示す実施形態等の幾つかの実施形態において、陽極戻りライン128は、中和チャンバー108の側面のうち、中和供給ライン140が中和チャンバー108内に陽極電解質を運ぶ側面に対向する側面から、陽極電解質が中和チャンバー108を出るように構成される。
【0025】
ECAシステム100は、アルカリ溶液タンク130も備える。水供給ライン132は、生水又は軟水を、外部供給源(例えば、水タンク)からアルカリ溶液タンク130内に運ぶように構成される。アルカリ溶液供給ライン134は、アルカリ溶液タンク130から出るアルカリ溶液を外部目的地(例えば、洗浄機/タップ)まで運ぶように構成される。陰極チャンバー供給ライン136は、アルカリ溶液タンク130から出る流体を陰極チャンバー106まで運ぶように構成される。幾つかの実施形態において、陰極チャンバー供給ライン136によって運ばれる流体は、陰極電解質、水、任意の他の流体、又はその任意の組合せである。陰極戻りライン138は、陰極チャンバー106から出る陰極電解質をアルカリ溶液タンク130まで戻すように構成される。
図1に示す実施形態等の幾つかの実施形態において、陰極戻りライン138は、陰極チャンバー106の側面のうち、陰極チャンバー供給ライン136が陰極チャンバー106内に流体を運ぶ側面に対向する側面から、陰極電解質が陰極チャンバー106を出るように構成される。
【0026】
ECAシステム100は、商用皿洗浄機のために濃縮塩素溶液及び濃縮アルカリ溶液を生産するため等、濃縮クリーニング溶液を生成するために使用され得る。
図2には、ECAシステム100を使用する方法200の一実施形態が示される。また、方法200の種々のステップは、溶液又は他の流体の流れを含むように破線矢印を使用して
図3A〜
図3Cに示される。
【0027】
ボックス202にて、塩水が塩素溶液タンクに付加される。
図3Aに示す実施形態において、塩水の流れ302は、塩水供給ライン122を通過して塩素溶液タンク120に入る。塩素溶液タンク120に塩水を付加することは、塩素溶液タンク120を「チャージする(charging)」と呼ばれることがある。幾つかの実施形態において、塩水は、アルカリ金属塩化物を有する生水(すなわち、未処理水)又は軟水(すなわち、低イオン濃度を有する水)である。幾つかの例において、アルカリ金属塩化物は、約0.25%〜約40%の範囲内の濃度を有する。
【0028】
ボックス204にて、水がアルカリ溶液タンクに付加される。
図3Aに示す実施形態において、水の流れ304は、水供給ライン132を通過する。アルカリ溶液タンク130に水を付加することは、アルカリ溶液タンク130を「チャージする」と呼ばれることがある。幾つかの実施形態において、水は、生水(すなわち、未処理水)、又はアルカリ金属塩化物及び硬水塩(water hardness salts)を含まない軟水(すなわち、低イオン濃度を有する水)である。
【0029】
ブロック206にて、塩水溶液は、濃縮塩素溶液を生成するために循環される。
図3Bに示す実施形態において、循環は、陽極チャンバー供給ライン126を介する塩素溶液タンク120から陽極チャンバー104への流体の第1の流れ306、中和供給ライン140を介する陽極チャンバー104から中和チャンバー108への陽極電解質の第2の流れ308、及び、陽極戻りライン128を介する中和チャンバー108から塩素溶液タンク120に戻る陽極電解質の第3の流れ310を含む。
【0030】
電気分解プロセスは、陽極114と、陰極116及び中和陰極118のいずれか又は両方との間に電圧を印加することによって起こる。前記で述べたように、幾つかの実施形態において、塩水は、約0.25%〜約40%の範囲内の濃度を有するアルカリ金属塩化物を有する。塩水が陽極チャンバー104を通過するとき、活性(すなわち、給電された)陽極114は、アルカリ金属塩化物を有する水の一部を、以下の陽極半セル反応に従って次亜塩素酸に変換させる:
Cl
−+H
2O→OCl
−+2H
++2e
− (Eo 1.45V) (1)
水及びアルカリ金属塩化物の全てが次亜塩素酸に変換されるわけではないため、塩水を陽極チャンバーに通過させる結果として、水、アルカリ金属塩化物、及び次亜塩素酸を含む陽極電解質が得られる。
【0031】
陽極チャンバー104を1回通過した後の陽極電解質内の次亜塩素酸の濃度は、特定のクリーニング溶液について所望される程度に高くない場合がある。幾つかの例において、商用洗浄機は、特に、商用洗浄機が洗浄プロセスの一部としてクリーニング溶液を希釈するために新鮮な水を付加するとき、高濃縮クリーニング溶液を使用する場合がある。幾つかの実施形態において、陽極電解質内の次亜塩素酸の濃度を上げるために、陽極電解質は、陽極チャンバー104を通して複数回循環されて、陽極電解質内でより多くの次亜塩素酸を生成し、ついには、濃縮塩素溶液が形成される。
【0032】
幾つかの実施形態において、再循環は、濃縮塩素溶液が所定の活性塩素濃度に達するまで継続する。幾つかの例において、所定の活性塩素濃度は、約0.02%〜約14%の範囲内にある。幾つかの実施形態において、(食器)洗浄機内で使用される活性塩素の濃度は、約15ppm〜約60ppmの範囲内にあり、(食器)洗浄機は、約0.02%〜約14%の範囲内の濃縮塩素溶液を受取り、濃縮塩素溶液を約15ppm〜約60ppmの使用範囲まで希釈するように構成される。他の実施形態において、再循環は、濃縮塩素溶液が、所定の回数、循環されるまで継続する。幾つかの例において、所定の回数は、約2回〜約10000回の範囲内である。こうして、ECAシステム100は、塩素溶液の濃度が特定の濃度に達するまで陽極電解質を循環させることによって、濃縮塩素溶液を生成する。幾つかの実施形態において、所定の活性塩素濃度は、約0.02%〜約14%の範囲内、約0.02%〜約10%の範囲内、又は、約0.02%〜約5%の範囲内にある。
【0033】
濃縮塩素溶液を生成するために陽極電解質を再循環させることに関する考えられる1つの問題は、陽極チャンバー104内の反応が陽子を形成することである。陽子は、陽極電解質の酸性度を増加させ、陽極電解質のpHの低下をもたらす。
図4のチャートに示すように、塩素ガス(Cl
2)は低いpH値で、通常、約pH4未満の範囲内で、形成する場合がある。塩素ガスの形成は、(食器)洗浄機のユーザー及びクリーニング要員にとって塩素ガスが有害であるため、安全性問題を生じる。そのため、塩素ガスの生成を回避するために、陽極電解質のpHレベルは約pH4を超えて維持されるべきである。
【0034】
pH4未満のpH低下を回避するために、循環する陽極電解質は、陽極チャンバー104を出た後に中和チャンバー108を通過する。中和チャンバー108は、陰極118を含み、陰極118は、陽極114と接続状態で動作すると、陽極電解質から陽子を除去する。中和効果は、以下の化学反応による半反応の結果として起こる:
2H
++2e
−→H
2 (Eo(V)+0.00) (2)
幾つかの実施形態において、中和陰極118は、セル102の動作時間の約10%〜約100%の範囲内で給電される。幾つかの実施形態において、中和陰極118は、セル102の最大動作電力の約10%〜約100%の範囲内で給電される。幾つかの実施形態において、中和チャンバー108は、陽極電解質がpH中性のままである(すなわち、約pH6〜約pH8の範囲内のpHレベルを有する)ように動作する。幾つかの実施形態において、中和チャンバー108は、陽極電解質が約pH4〜約pH7の範囲内のpHレベルのままであるように動作する。
【0035】
ブロック208にて、水は、濃縮アルカリ溶液を生成するために循環される。
図3Bに示す実施形態において、循環は、陰極チャンバー供給ライン136を介するアルカリ溶液タンク130から陰極チャンバー106への流体の第1の流れ312、及び、陰極戻りライン138を介する陰極チャンバー106からアルカリ溶液タンク130に戻る陰極電解質の第2の流れ314を含む。水が電気分解プロセス中に陰極チャンバー106を通過するとき、活性(すなわち、給電された)陰極116は、水の一部を、以下の陰極半セル反応に従ってアルカリ電解質に変換させる:
2H
2O+2e
−→H
2(g)+2OH
− (Eo −0.83V) (3)
【0036】
陰極チャンバー106を1回通過した後のアルカリ電解質の濃度は、特定の洗浄機について所望される程度に高くない場合がある。幾つかの例において、商用洗浄機は、高濃縮クリーニング溶液を使用する場合がある。幾つかの実施形態において、アルカリ電解質の濃度を上げるために、アルカリ電解質は、陰極チャンバー106を通して複数回循環されて、濃縮アルカリ溶液を生成する。幾つかの実施形態において、再循環は、濃縮アルカリ溶液が所定のアルカリ度に達するまで継続する。幾つかの例において、所定のアルカリ度は、約0.02%Na
2O〜約50%Na
2Oの範囲内にある。幾つかの実施形態において、(食器)洗浄機は、約50ppmNa
2O〜約400ppmNa
2Oの範囲内のアルカリ度レベルで洗浄し、(食器)洗浄機は、約0.02%Na
2O〜約50%Na
2Oの範囲内の濃縮アルカリ溶液を受取り、濃縮
アルカリ溶液を約50ppmNa
2O〜約400ppmNa
2Oの使用範囲まで希釈するように構成される。他の実施形態において、再循環は、濃縮アルカリ溶液が、所定の回数、循環されるまで継続する。幾つかの例において、所定の回数は、約2回〜約10000回の範囲内である。こうして、ECAシステム100は、アルカリ溶液のアルカリ度が特定の濃度に達するまでアルカリ電解質を循環させることによって、濃縮アルカリ溶液を生成する。幾つかの例において、所定のアルカリ度は、約0.02%Na
2O〜約50%Na
2Oの範囲、約0.02%Na
2O〜約10%Na
2Oの範囲、又は約0.02%Na
2O〜約5%Na
2Oの範囲である。
【0037】
幾つかの実施形態において、陰極116は、セル102の動作時間の約10%〜約100%の範囲内で給電される。幾つかの実施形態において、陰極116は、セル102の最大動作電力の約10%〜約100%の範囲内で給電される。
【0038】
陽極電解質及び陰極電解質の循環は、少なくとも部分的に同時に実施することができる。これは、濃縮塩素溶液及び濃縮アルカリ溶液がともに、少なくとも部分的に同時に生成されることを可能にする。幾つかの実施形態において、陰極116及び中和陰極118はともに、濃縮塩素溶液及び濃縮アルカリ溶液の同時生成中に動作するが、中和陰極118によって引起される反応は、陽極電解質がpHレベルを安全範囲内に(例えば、約pH4を超えて)維持するのに十分な陽子を除去しない場合がある。幾つかの実施形態において、陽極電解質のpHレベルはモニターされる。pHレベルが所定のレベルまで(例えば、pH5未満に)低下するにつれて、陰極116の動作は減少又は停止するため、中和陰極118の動作が、陽極電解質のpHレベルを上げるために増加する。pHレベルが安全レベルに(例えば、約pH6〜約pH8の範囲内のポイントまで)戻るにつれて、陰極116の動作が再開されて、アルカリ溶液のアルカリ度を増加させ続ける。
【0039】
幾つかの実施形態において、電子コントローラー(例えば、コンピューティングデバイス)は、
ECAシステム100の状態をモニターし、
ECAシステム100の特定の構成要素の動作を制御するように構成される。一例において、電子コントローラーは、陽極電解質のpHレベルの指標を提供するように構成される1つ以上のpHセンサーからの信号を受信し、陽極電解質のpHレベルに基づいて陰極116及び中和陰極118が動作する電力レベル及び/又は動作時間を制御するように構成される。他の実施形態において、電子コントローラーは、
ECAシステム100を通る溶液の流れを方向付ける1つ以上の弁、塩素溶液タンク120及び/又はアルカリ溶液タンク130に入る若しくはそこから出るように流れを方向付けるポンプ、又は、
ECAシステム100の任意の他の構成要素の動作を制御する。幾つかの実施形態において、電子コントローラーは、陽極電解質のpHレベルを約pH4〜約pH7の範囲内に維持するために、以下、すなわち、陽極電解質の再循環時間、陰極116の動作時間及び/又は電力、又は、中和陰極118の動作時間及び/又は電力、のうちの1つ以上を制御するように構成される。
【0040】
濃縮塩素溶液及び濃縮アルカリ溶液が生成されると、それらの溶液は、(例えば、(食器)洗浄機又は他のクリーニング目的によって)使用するために分注され(dispensed)得る。ブロック210にて、濃縮塩素溶液は塩素溶液タンク120から分注される。
図3Cに示すように、濃縮塩素溶液の流れ316は、塩素溶液供給ライン124を介して塩素溶液タンク120から分注される。ブロック212にて、濃縮アルカリ溶液は、アルカリ溶液タンク130から分注される。
図3Cに示すように、濃縮アルカリ溶液の流れ318は、アルカリ溶液供給ライン134を介してアルカリ溶液タンク130から分注される。
【0041】
幾つかの実施形態において、濃縮塩素溶液及び濃縮アルカリ溶液は、(食器)洗浄機に分注される。幾つかの例において、濃縮塩素溶液及び濃縮アルカリ溶液は、洗浄機が動作中でない間に生成される。こうして、
ECAシステム100は、洗浄機が動作していない間(例えば、夜間)の機械「ダウンタイム(downtime)」を利用する。こうして、濃縮塩素溶液及び濃縮アルカリ溶液は、(食器)洗浄機が動作するときに、又は、クリーニング溶液が他のクリーニング目的で必要とされるときに、(食器)洗浄機によっていつでも使用できる。幾つかの実施形態において、ECAシステム(例えば、ECAシステム100又は本明細書で開示される任意の他のECAシステム)は、(食器)洗浄機の一体構成要素として設置される。
【0042】
幾つかの実施形態において、濃縮塩素溶液及び濃縮アルカリ溶液は、表面クリーニング及び消毒等の他のクリーニング目的で使用するためのコンテナに分注される。幾つかの実施形態において、ECAシステム(例えば、ECAシステム100又は本明細書で開示される任意の他のECAシステム)は、特定のクリーニング目的で使用するために濃縮塩素溶液及び/又は濃縮アルカリ溶液を希釈するように構成される。幾つかの実施形態において、オペレーター入力は、表面クリーニングのためにクリーニング溶液を分注することを要求する場合があり、ECAシステムは、オペレーター入力を受信することに応答して、濃縮塩素溶液を分注範囲まで希釈するように構成される。一例において、オペレーター入力は、表面クリーニングのために塩素溶液を分注するための要求であり、ECAシステムは、濃縮塩素溶液を約200ppm〜約1200ppmの分注範囲まで希釈するように構成される。
【0043】
ECAシステム100の試験が実施され、試験の結果が表1に示され、チャートが
図12Aに示される。試験の開始時(すなわち、0分にて)、塩素溶液のpHレベルは7.63であり、陰極116はパワーオンされた。ECAシステム100は、陰極116及び中和陰極118がともに活性である状態で運転された。10分後、塩素溶液のpHレベルは6.0まで低下し、16分後、塩素溶液のpHレベルは5.45まで低下した。中和陰極118が0分〜16分の間の時間中に活性であっても、中和陰極118は、塩素溶液のpHレベルを一定に維持できなかった。16分にて、陰極116はパワーオフされ、ECAシステム100は、54分まで、こうして運転し続けた。この時間で、中和陰極118が塩素溶液のpHレベルを6.5まで上げた。54分にて、陰極116は、塩素溶液の生産を継続するために再びパワーオンされたが、これは、同様に、塩素溶液のpHレベルの減少の継続をもたらした。生産モード(すなわち、陰極116及び中和陰極118がともにパワーオンされた状態)と中和モード(すなわち、陰極116がパワーオフされ、中和陰極118がパワーオンされた状態)との間のこの交互切換えは、塩素生産とpH制御との両方を促進し続けた。
【0044】
114分にて、塩素溶液は4.0のpHレベルであり、活性Cl
2の濃度は、650ppmと測定された。陰極116はパワーオフされたため、ECAシステム100は中和モードに入り、pHレベルを増加させた。ECAシステム100が、114分〜230分の間に中和モードにあった間に、pHレベルは6.1まで上がった。また、驚くことに、活性Cl
2の濃度は、800ppmまで上がり続けた。
【0046】
ECAシステム500の別の実施形態は
図5に示される。ECAシステム500は、陽極チャンバー504、陰極チャンバー506、中和チャンバー508、及び塩水チャンバー550を含むチャンバーセル502を備える。塩水チャンバー550は、第1の膜510によって陰極チャンバー506から分離され、陽極チャンバー504は、第2の膜512によって中和チャンバー508から分離され、陽極チャンバー504は、第3の膜552によって塩水チャンバー550から分離される。幾つかの実施形態において、第1の膜510及び第2の膜512は、陽イオン交換膜又は両極性膜である。幾つかの実施形態において、第1の膜510及び第2の膜512は、電気分解が膜の両側面で陽極及び陰極によって実施されることを可能にしながら、Cl
−の移動を妨げるように構成される。幾つかの実施形態において、第3の膜552は、ナトリウムの移動を妨げながらかつ電気分解が膜の両側面で陽極及び陰極によって実施されることを可能にしながら、Cl
−の移動を可能にする陰イオン交換膜である。
【0047】
陽極チャンバー504は陽極514を含む。幾つかの実施形態において、陽極514は、中実か、多孔質か、又はメッシュ状の電極である。幾つかの実施形態において、陽極514は、チタン酸化物コーティング、イリジウムコーティング、又はDSA−Clタイプのコーティングを有するチタンから作られる。幾つかの実施形態において、陽極514はグラファイトから作られる。示す実施形態において、陽極514は、第3の膜552の近くで陽極チャンバー504内に設置される。陰極チャンバー506は陰極516を含む。幾つかの実施形態において、陰極516は、多孔質又はメッシュ状の電極である。幾つかの実施形態において、陰極516はチタンから作られる。幾つかの実施形態において、陰極516はグラファイトから作られる。幾つかの実施形態において、
図5に示すように、陰極516は、第1の膜510と直接接触状態で陰極チャンバー506内に設置される。
【0048】
中和チャンバー508は中和陰極518を含む。幾つかの実施形態において、中和陰極518は、中実か、多孔質か、又はメッシュ状の電極である。幾つかの実施形態において、中和陰極518は、チタン酸化物コーティングか、又はイリジウムコーティングか、又はDSA−Clタイプのコーティングを有するチタンから作られる。幾つかの実施形態において、中和陰極518はグラファイトから作られる。幾つかの実施形態において、
図5に示すように、中和陰極518は、第2の膜512に対向する中和チャンバー508の側面の近くで中和チャンバー508内に設置される。
【0049】
ECAシステム500は、塩素溶液タンク520も備える。水供給ライン522は、生水又は軟水を塩素溶液タンク520内に運ぶように構成される。塩素溶液供給ライン524は、塩素溶液タンク520から出る塩素溶液を外部目的地(例えば、洗浄機)まで運ぶように構成される。陽極チャンバー供給ライン526は、塩素溶液タンク520から出る流体(例えば、水、陽極電解質等)を陽極チャンバー504まで運ぶように構成される。
【0050】
中和供給ライン540は、陽極チャンバー504から出る陽極電解質を中和チャンバー508まで運ぶように構成される。
図5に示す実施形態等の幾つかの実施形態において、中和供給ライン540は、陽極チャンバー504の側面のうち、陽極チャンバー供給ライン526が陽極チャンバー504内に流体を運ぶ側面に対向する側面から、陽極電解質が陽極チャンバー504を出るように構成される。陽極戻りライン528は、中和チャンバー508から出る陽極電解質を塩素溶液タンク520まで戻すように構成される。
図5に示す実施形態等の幾つかの実施形態において、陽極戻りライン528は、中和チャンバー508の側面のうち、中和供給ライン540が中和チャンバー508内に陽極電解質を運ぶ側面に対向する側面から、陽極電解質が中和チャンバー508を出るように構成される。
【0051】
ECAシステム500は、アルカリ溶液タンク530も備える。水供給ライン532は、生水又は軟水をアルカリ溶液タンク530内に運ぶように構成される。アルカリ溶液供給ライン534は、アルカリ溶液タンク530から出るアルカリ溶液を外部目的地(例えば、洗浄機)まで運ぶように構成される。陰極チャンバー供給ライン536は、アルカリ溶液タンク530から出る流体(例えば、水、陰極電解質等)を陰極チャンバー506まで運ぶように構成される。陰極戻りライン538は、陰極チャンバー506から出る陰極電解質をアルカリ溶液タンク530まで戻すように構成される。
図5に示す実施形態等の幾つかの実施形態において、陰極戻りライン538は、陰極チャンバー506の側面のうち、陰極チャンバー供給ライン536が陰極チャンバー506内に流体を運ぶ側面に対向する側面から、陰極電解質が陰極チャンバー506を出るように構成される。
【0052】
ECAシステム500は、塩水を外部塩水タンク556から塩水チャンバー550内に運ぶように構成される塩水供給ライン554も備える。塩水戻りライン558は、塩水を塩水チャンバー550から除去するように構成される。
図5に示す実施形態等の幾つかの実施形態において、塩水戻りライン558は、塩水チャンバー550の側面のうち、塩水供給ライン554が塩水チャンバー550内に塩水を運ぶ側面に対向する側面から、塩水が塩水チャンバー550を出るように構成される。幾つかの実施形態において、塩水戻りライン558は、塩水チャンバー550から出る塩水を運び、その塩水を外部塩水タンク556に戻すように構成される。
【0053】
幾つかの実施形態において、ECAシステム500の動作はECAシステム100の動作と同様である。しかし、ECAシステム500において、水供給ライン522は、ECAシステム100において塩水供給ライン122によって塩素溶液タンク120に運ばれる塩水の代わりに、塩素溶液タンク520内に生水又は軟水を運ぶ。さらに、塩水は、外部塩水タンク556から塩水チャンバー550を通って外部塩水タンク556まで戻って循環する。塩水が塩水チャンバー550を通って流れる際、第3の膜552は、塩水からのCl
−を塩水チャンバー550から陽極チャンバー504内に通過させる。陽極チャンバー504内のCl
−は、陽極半セル反応(1)に従って次亜塩素酸に変換される。こうして、次亜塩素酸は、塩素溶液タンク520内に塩水を導入することなく陽極チャンバー504内で発生する。塩水が塩素溶液タンク520内に導入されないため、塩素溶液タンク520のクリーニング性能が改善される。その理由は、塩素溶液が、表面のクリーニング/消毒後に、筋及び条痕を残さないことになるからである。さらに、第3の膜552がナトリウムを通過させないため、塩素溶液タンク520内で発生する濃縮塩素溶液には、実質的にナトリウムが含まれない。
【0054】
幾つかの実施形態において、ECAシステム500の他の部分は、ECAシステム100内のその同等物と同様な方法で動作するように構成される。一例において、再循環する陽極電解質は、陽極チャンバー504を出た後に中和チャンバー508を通過して、陽極電解質のpHレベルを安全レベルに(例えば、約pH4を超えて)維持する。別の例において、水は、アルカリ溶液タンク530から陰極チャンバー506まで循環して、アルカリ溶液に変換される。更に別の例において、濃縮塩素溶液は、塩素溶液供給ライン524を介して塩素溶液タンク520から分注され、濃縮アルカリ溶液は、アルカリ溶液供給ライン534を介してアルカリ溶液タンク530から分注される。
【0055】
ECAシステム500の試験が実施され、試験の結果が表2に示され、チャートが
図12Bに示される。試験の開始時(すなわち、0分にて)、塩素溶液のpHレベルは8.15であり、陰極516はパワーオンされた。ECAシステム500は、陰極516及び中和陰極518がともに活性である状態で運転された。22分後、塩素溶液のpHレベルは5.1まで低下した。中和陰極518が0分〜22分の間の時間中に活性であっても、中和陰極518は、塩素溶液のpHレベルを一定に維持できなかった。22分にて、陰極516はパワーオフされ、ECAシステム500は、45分まで、こうして運転し続けた。この時間で、中和陰極518が塩素溶液のpHレベルを6.5まで上げた。45分にて、陰極516は、塩素溶液の生産を継続するために再びパワーオンされたが、これは、同様に、塩素溶液のpHレベルの減少の継続をもたらした。生産モード(すなわち、陰極516及び中和陰極518がともにパワーオンされた状態)と中和モード(すなわち、陰極516がパワーオフされ、中和陰極518がパワーオンされた状態)との間のこの交互切換えは、塩素生産とpH制御との両方を促進し続けた。
【0056】
172分にて、塩素溶液は4.9のpHレベルであり、活性Cl
2の濃度は、800ppmと測定された。陰極516はパワーオフされたため、ECAシステム500は中和モードに入り、pHレベルを増加させた。ECAシステム500が、172分〜211分の間に中和モードにあった間に、pHレベルは5.9まで上がった。また、驚くことに、活性Cl
2の濃度は、950ppmまで上がり続けた。
【0058】
図6には、高濃縮アルカリ溶液及び高濃縮pH中性塩素溶液を生産するように構成されるECAシステム600の別の実施形態が示される。ECAシステム600は、陽極チャンバー604及び陰極チャンバー606を含むチャンバーセル602を備える。陽極チャンバー604は、膜610によって陰極チャンバー606から分離される。幾つかの実施形態において、膜610は、陽イオン交換膜又は両極性膜である。幾つかの実施形態において、膜610は、電気分解が膜の両側面で陽極及び陰極によって実施されることを可能にしながら、Cl
−の移動を妨げるように構成される。
【0059】
陽極チャンバー604は陽極614を含む。幾つかの実施形態において、陽極614は、中実か、多孔質か、又はメッシュ状の電極である。幾つかの実施形態において、陽極614は、チタン酸化物コーティング、又はイリジウム(酸化物)コーティング、又はDSA−Clタイプのコーティングを有するチタンから作られる。幾つかの実施形態において、陽極614はグラファイトから作られる。示す実施形態において、陽極614は、陽極チャンバー604の中央の近くで陽極チャンバー604内に設置される。陰極チャンバー606は陰極616を含む。幾つかの実施形態において、陰極616は、多孔質又はメッシュ状の電極である。幾つかの実施形態において、陰極616はチタン又はグラファイトから作られる。幾つかの実施形態において、
図6に示すように、陰極616は、膜610と直接接触状態で陰極チャンバー606内に設置される。
【0060】
ECAシステム600は、中和セル660も備える。中和セル660は中和チャンバー608を含む。中和陰極618は中和チャンバー608内に位置する。幾つかの実施形態において、中和陰極618は、中実か、多孔質か、又はメッシュ状の電極である。幾つかの実施形態において、中和陰極618は、チタン酸化物コーティング又はイリジウムコーティングを有するチタンから作られる。幾つかの実施形態において、中和陰極618はグラファイトから作られる。幾つかの実施形態において、
図6に示すように、中和陰極618は、中和チャンバー608の側面の近くで中和チャンバー608内に設置される。中和陽極662は、同様に中和チャンバー608内に位置する。幾つかの実施形態において、中和陰極618及び中和陽極662は、中和チャンバー608内の露出陽極表面積と中和チャンバー608内の露出陰極表面積との比が約1:1〜約1:10000の範囲内にあるように中和チャンバー608内に位置する。
【0061】
ECAシステム600は、塩素溶液タンク620も備える。塩水供給ライン622は、塩水を外部供給源(例えば、塩水タンク)から塩素溶液タンク620内に運ぶように構成される。塩素溶液供給ライン624は、塩素溶液タンク620から出る塩素溶液を外部目的地(例えば、洗浄機)まで運ぶように構成される。陽極チャンバー供給ライン626は、塩素溶液タンク620から出る流体(例えば、水、陽極電解質等)を陽極チャンバー604まで運ぶように構成される。中和供給ライン640は、陽極チャンバー604から出る陽極電解質を中和チャンバー608まで運ぶように構成される。
図6に示す実施形態等の幾つかの実施形態において、中和供給ライン640は、陽極チャンバー604の側面のうち、陽極チャンバー供給ライン626が陽極チャンバー604内に流体を運ぶ側面に対向する側面から、陽極電解質が陽極チャンバー604を出るように構成される。
【0062】
陽極戻りライン628は、中和チャンバー608から出る陽極電解質を塩素溶液タンク620まで戻すように構成される。
図6に示す実施形態等の幾つかの実施形態において、陽極戻りライン628は、中和チャンバー608の側面のうち、中和供給ライン640が中和チャンバー608内に陽極電解質を運ぶ側面に対向する側面から、陽極電解質が中和チャンバー608を出るように構成される。
【0063】
ECAシステム600は、アルカリ溶液タンク630も備える。水供給ライン632は、軟水を外部供給源(例えば、水タンク)からアルカリ溶液タンク630内に運ぶように構成される。アルカリ溶液供給ライン634は、アルカリ溶液タンク630からのアルカリ溶液を外部目的地(例えば、洗浄機)まで運ぶように構成される。陰極チャンバー供給ライン636は、アルカリ溶液タンク630から出る流体(例えば、水、陰極電解質等)を陰極チャンバー606まで運ぶように構成される。陰極戻りライン638は、陰極チャンバー606から出る陰極電解質をアルカリ溶液タンク630まで戻って運ぶように構成される。
図6に示す実施形態等の幾つかの実施形態において、陰極戻りライン638は、陰極チャンバー606の側面のうち、陰極チャンバー供給ライン636が陰極チャンバー606内に流体を運ぶ側面に対向する側面から、陰極電解質が陰極チャンバー606を出るように構成される。
【0064】
幾つかの実施形態において、ECAシステム600の幾つかの部分は、ECAシステム100内のその同等物と同様な方法で動作するように構成される。一例において、再循環する陽極電解質は、陽極チャンバー604を出た後に中和チャンバー608を通過して、陽極電解質のpHレベルを安全レベルに(例えば、約pH4を超えて)維持する。別の例において、水は、アルカリ溶液タンク630から陰極チャンバー606まで循環して、陰極電解質に変換される。
【0065】
ECAシステム600とECAシステム100との間の1つの相違点は、陽極チャンバー604及び陰極チャンバー606が位置するチャンバーセル602内に中和チャンバー608が位置しないことである。これは、ECAシステム600において追加の陽極(すなわち、中和陽極662)を必要とするが、同様に、より優れた制御を可能にする。
【0066】
ECAシステム600の2つの試験が実施された。ECAシステム600の第1の試験の結果は表3に示され、チャートは
図12Cに示される。第1の試験は、103分間実施され、ECAシステム600は、生産モード(陰極616及び中和陰極618がパワーオンされた状態)と中和モード(中和陰極618がパワーオンされ、陰極616がパワーオフされた状態)との間で交互切換えした。この交互切換えは、ECAシステム600が生産モードにある間に塩素溶液の活性Cl
2の生産を促進させ、また、ECAシステム600が中和モードにある間に塩素溶液のpHのレベルを増加させる。
【0067】
第1の試験中に、陰極616は、最初の13分間パワーオンされ、その後、陰極616はパワーオフされた。23分にて、pHレベルは、陰極616をパワーオフ状態に維持するのに依然として十分に低いと考えられた。49分にて、陰極616は、パワーオンされ、94分まで動作し続け、その時点で、pHレベルは4.0未満に低下し、陰極616はパワーオフされた。その時点で、活性Cl
2の濃度は1400ppmに達した。ECAシステム600は、103分まで、pHレベルを上げるために中和モードで動作した。この時間中に、陰極616がパワーオフされても、活性Cl
2の濃度は増加し続け、ついには、1500ppmに達した。
【0069】
ECAシステム600の第2の試験の結果は表4に示され、チャートは
図12Dに示される。第1の試験と比較して、第2の試験は、活性Cl
2のより高い濃度を生じる条件下でより長い時間(190分)の間、実施された。ECAシステム600は、試験の開始から5分まで生産モードで動作した。その時点で、ECAシステム600は、5分から190分まで中和モードと生産モードとの間で交互切換えして、活性Cl
2の濃度を増加させながら、pHレベルを約pH4〜約pH7の範囲内に維持した。活性Cl
2の濃度に関するデータは、98分から採取が始まり、生産モードと中和モードとの両方において増加し続け、ついには、190分にて11400ppmに達した。
【0071】
図7には、高濃縮アルカリ溶液及び高濃縮pH中性塩素溶液を生産するように構成されるECAシステム700の別の実施形態が示される。ECAシステム700は、陽極チャンバー704、陰極チャンバー706、及び塩水チャンバー750を含むチャンバーセル702を備える。陰極チャンバー706は、第1の膜710によって塩水チャンバー750から分離され、陽極チャンバー704は、第2の膜752によって塩水チャンバー750から分離される。幾つかの実施形態において、第1の膜710は、陽イオン交換膜又は両極性膜である。幾つかの実施形態において、膜710は、電気分解が膜の両側面で陽極及び陰極によって実施されることを可能にしながら、Cl
−の移動を妨げるように構成される。幾つかの実施形態において、第2の膜752は、ナトリウムの移動を妨げながらかつ電気分解が膜の両側面で陽極及び陰極によって実施されることを可能にしながら、Cl
−の移動を可能にする陽イオン交換膜である。
【0072】
陽極チャンバー704は陽極714を含む。幾つかの実施形態において、陽極714は、中実か、多孔質か、又はメッシュ状の電極である。幾つかの実施形態において、陽極714は、チタン酸化物コーティングか、又はイリジウム(酸化物)コーティングか、又はDSA−Clタイプのコーティングを有するチタンから作られる。幾つかの実施形態において、陽極714はグラファイトから作られる。示す実施形態において、陽極714は、第2の膜752と接触状態で陽極チャンバー704内に設置される。陰極チャンバー706は陰極716を含む。幾つかの実施形態において、陰極716は、多孔質又はメッシュ状の電極である。幾つかの実施形態において、陰極716はチタン又はグラファイトから作られる。幾つかの実施形態において、
図7に示すように、陰極716は、第1の膜710と直接接触状態で陰極チャンバー706内に設置される。
【0073】
ECAシステム700は、中和セル760も備える。中和セル760は、中和チャンバー708を含む。中和陰極718は中和チャンバー708内に位置する。幾つかの実施形態において、中和陰極718は、中実か、多孔質か、又はメッシュ状の電極である。幾つかの実施形態において、中和陰極718は、チタン酸化物コーティングか、又はイリジウム(酸化物)コーティングか、又はDSA−Clタイプのコーティングを有するチタンから作られる。幾つかの実施形態において、中和陰極718はグラファイトから作られる。幾つかの実施形態において、
図7に示すように、中和陰極718は、中和チャンバー708の側面の近くで中和チャンバー708内に設置される。中和陽極762も中和チャンバー708内に位置する。
図7に示す実施形態等の幾つかの実施形態において、中和陽極762は、中和チャンバー708内に位置する。幾つかの実施形態において、中和陰極718及び中和陽極762の部分は、中和チャンバー708内の露出陽極表面積と中和チャンバー708内の露出陰極表面積との比が約1:1〜約1:10000の範囲内にあるように中和チャンバー708内に位置する。
【0074】
ECAシステム700は、塩素溶液タンク720も備える。水供給ライン722は、生水又は軟水を、外部供給源(例えば、水タンク)から塩素溶液タンク720内に運ぶように構成される。塩素溶液供給ライン724は、塩素溶液を塩素溶液タンク720から外部目的地(例えば、洗浄機)まで運ぶように構成される。陽極チャンバー供給ライン726は、塩素溶液タンク720から出る流体(例えば、水、陽極電解質)を陽極チャンバー704まで運ぶように構成される。中和供給ライン740は、陽極チャンバー704から出る陽極電解質を中和チャンバー708まで運ぶように構成される。
図7に示す実施形態等の幾つかの実施形態において、中和供給ライン740は、陽極チャンバー704の側面のうち、陽極チャンバー供給ライン726が陽極チャンバー704内に流体を運ぶ側面に対向する側面から、陽極電解質が陽極チャンバー704を出るように構成される。
【0075】
陽極戻りライン728は、中和チャンバー708から出る陽極電解質を塩素溶液タンク720まで戻すように構成される。
図7に示す実施形態等の幾つかの実施形態において、陽極戻りライン728は、中和チャンバー708の側面のうち、中和供給ライン740が中和チャンバー708内に陽極電解質を運ぶ側面に対向する側面から、陽極電解質が中和チャンバー708を出るように構成される。
【0076】
ECAシステム700は、アルカリ溶液タンク730も備える。水供給ライン732は、軟水を外部供給源(例えば、水タンク)からアルカリ溶液タンク730内に運ぶように構成される。アルカリ溶液供給ライン734は、アルカリ溶液タンク730から出るアルカリ溶液を外部目的地(例えば、洗浄機)まで運ぶように構成される。陰極チャンバー供給ライン736は、アルカリ溶液タンク730から出る流体(例えば、水、陰極電解質)を陰極チャンバー706まで運ぶように構成される。陰極戻りライン738は、陰極チャンバー706から出る陰極電解質をアルカリ溶液タンク730まで戻すように構成される。
図7に示す実施形態等の幾つかの実施形態において、陰極戻りライン738は、陰極チャンバー706の側面のうち、陰極チャンバー供給ライン736が陰極チャンバー706内に流体を運ぶ側面に対向する側面から、陰極電解質が陰極チャンバー706を出るように構成される。
【0077】
ECAシステム700は、塩水を外部塩水タンク756から塩水チャンバー750内に運ぶように構成される塩水供給ライン754も備える。塩水戻りライン
758は、塩水を塩水チャンバー750から除去するように構成される。
図7に示す実施形態等の幾つかの実施形態において、塩水戻りライン
758は、塩水チャンバー750の側面のうち、塩水供給ライン754が塩水チャンバー750内に塩水を運ぶ側面に対向する側面から、塩水が塩水チャンバー750を出るように構成される。幾つかの実施形態において、塩水戻りライン
758は、塩水チャンバー750から出る塩水を運び、その塩水を外部塩水タンク756に戻すように構成される。
【0078】
幾つかの実施形態において、ECAシステム700の幾つかの部分は、ECAシステム100内のその同等物と同様な方法で動作するように構成される。一例において、再循環する陽極電解質は、陽極チャンバー704を出た後に中和チャンバー708を通過して、陽極電解質のpHレベルを安全レベルに維持する。別の例において、水は、アルカリ溶液タンク730から陰極チャンバー706まで循環して、陰極電解質に変換される。
【0079】
ECAシステム700とECAシステム100との間の1つの相違点は、陽極チャンバー704及び陰極チャンバー706が位置するチャンバーセル702内に中和チャンバー708が位置しないことである。これは、ECAシステム700において追加の陽極(すなわち、中和陽極762)を必要とするが、同様に、より優れた制御を可能にする。
【0080】
ECAシステム700とECAシステム100との間の別の相違点は、ECAシステム100において塩水供給ライン122によって塩素溶液タンク120に運ばれる塩水の代わりに、水供給ライン722が塩素溶液タンク720内に生水又は軟水を運ぶことである。さらに、塩水は、外部塩水タンク756から塩水チャンバー750を通って外部塩水タンク756まで戻って循環する。塩水が塩水チャンバー750を通って流れる際、第2の膜752は、塩水からのCl
−を塩水チャンバー750から陽極チャンバー704内に通過させる。陽極チャンバー704内のCl
−は、陽極半セル反応(1)に従って次亜塩素酸に変換される。こうして、次亜塩素酸は、塩素溶液タンク720内に塩水を導入することなく陽極チャンバー704内で発生する。塩水が塩素溶液タンク720内に導入されないため、塩素溶液タンク720のクリーニングは塩素溶液タンク
120のクリーニングより容易である。さらに、第2の膜752がナトリウムの通過を許さないため、塩素溶液タンク720内で発生する濃縮塩素溶液には、ナトリウムがほとんど含まれない。
【0081】
ECAシステム700の試験が実施され、試験の結果は表5に示され、チャートは
図12Eに示される。試験は、50分間実施され、ECAシステム700は、生産モード(陰極716及び中和陰極718がパワーオンされた状態)と中和モード(中和陰極718がパワーオンされ、陰極716がパワーオフされた状態)との間で交互切換えした。この交互切換えは、ECAシステム700が生産モードにある間に塩素溶液の活性Cl
2の生産を促進させ、また、ECAシステム700が中和モードにある間に塩素溶液のpHのレベルを増加させる。ECAシステム700は、試験の開始から23分まで生産モードで動作した。その時点で、ECAシステム700は、23分から50分まで中和モードと生産モードとの間で交互切換えして、活性Cl
2の濃度を増加させながら、pHレベルを約pH4〜約pH7の範囲内に維持した。50分にて測定された活性Cl
2の最終濃度は、3500ppmであり、最終pHレベルはpH5.6であった。
【0083】
一部の機械は、ECAシステム100、500、600、及び700によって生産され得る溶液等の高濃縮塩素溶液及び高濃縮アルカリ溶液を使用するが、他の洗浄機及び/又はクリーニング用途は、希釈塩素溶液及び希釈アルカリ溶液を使用する。ECAシステム100、500、600、及び700は、陽極電解質及び陰極電解質を再循環させないことによって希釈塩素溶液及び希釈アルカリ溶液を生産することが可能である。しかし、幾つかの実施形態において、ECAシステム100、500、600、及び700を使用する代わりに、希釈pH中性塩素溶液及び希釈アルカリ溶液のみを生成するシステムを使用することが望ましい場合がある。
図8〜
図11には、希釈pH中性塩素溶液及び希釈アルカリ溶液を生産するためのECAシステム100、500、600、及び700の単一パスの変形の実施形態が示される。
【0084】
図8Aには、
図1に示すECAシステム100の変形である単一パスECAシステム800が示される。単一パスECAシステム800は、希釈アルカリ溶液及び希釈pH中性塩素溶液を生産するように構成される。単一パスECAシステム800は、陽極チャンバー104、陰極チャンバー106、及び中和チャンバー108を含むチャンバーセル102を備える。
図1に関して上記で論じたように、陽極チャンバー104は、第1の膜110によって陰極チャンバー106から分離され、陽極チャンバー104は、第2の膜112によって中和チャンバー108から分離される。陽極チャンバー
104は陽極114を含み、陰極チャンバー106は陰極116を含み、中和チャンバー108は中和陰極118を含む。
【0085】
ECAシステム800は、塩素溶液タンク120も備える。ECAシステム100と対照的に、ECAシステム800は、塩水を外部供給源(例えば、塩水タンク)から陽極チャンバー104内に運ぶように構成される塩水供給ライン822を備える。ECAシステム100と同様に、塩素溶液供給ライン124は、塩素溶液タンク120から出る塩素溶液を外部目的地(例えば、洗浄機)まで運ぶように構成される。中和供給ライン140は、陽極チャンバー104から出る陽極電解質を中和チャンバー108まで運ぶように構成される。陽極戻りライン128は、中和チャンバー108から出る陽極電解質を塩素溶液タンク120まで運ぶように構成される。
【0086】
ECAシステム800は、アルカリ溶液タンク130も備える。ECAシステム100と対照的に、ECAシステム800は、水(生水又は軟水)を、外部供給源(例えば、水タンク)から陰極チャンバー106内に運ぶように構成される水供給ライン832を備える。ECAシステム100と同様に、アルカリ溶液供給ライン134は、アルカリ溶液タンク130から出るアルカリ溶液を外部目的地(例えば、洗浄機)まで運ぶように構成される。陰極戻りライン138は、陰極チャンバー106から出る陰極電解質をアルカリ溶液タンク130まで運ぶように構成される。
【0087】
図8Aに示す実施形態において、ECAシステム800は、陽極電解質又は陰極電解質のいずれの再循環経路も有しない。そのため、塩水は、陽極チャンバー104を1回通過して、陽極電解質(すなわち、希釈塩素溶液)を形成するが、陽極電解質は、陽極チャンバー104を再び通るように循環しない。同様に、水は、陰極チャンバー106を1回通過して、陰極電解質(すなわち、希釈アルカリ溶液)を形成するが、陰極電解質は、陰極チャンバー106を再び通るように循環しない。塩水が陽極チャンバー104を1回通過し、水が陰極チャンバー106を1回通過するため、結果として得られる塩素溶液及びアルカリ溶液は、陽極チャンバー104及び陰極チャンバー106を通して再循環した場合に濃縮されるほどには濃縮されない。これは、希釈アルカリ溶液及び希釈塩素溶液を要求に応じて生成する能力を提供する。さらに、中和チャンバー108は、希釈塩素溶液が、塩素ガスが形成される場合があるpHレベルまで低下することを防止するように構成される。
【0088】
ECAシステム800の試験が実施され、試験の結果が表6に示され、チャートが
図12Fに示される。ECAシステム800が単一パスシステムであるため、ECAシステム800の試験は、pH7.5〜pH4.0の溶液についての2つの運転、すなわち、(1)陰極116がパワーオンされ、中和陰極118がパワーオフされた状態の生産のみの運転、及び、(2)陰極116及び118がともにパワーオンされた状態の生産及び中和運転を含む。生産のみの運転において、ECAシステム800の19分間の動作後、pHレベルが4.0まで低下し、活性Cl
2の濃度が195ppmまで上がった。生産及び中和運転において、ECAシステム800の21分間の動作後、pHレベルが4.0まで低下し、活性Cl
2の濃度が325ppmまで上がった。したがって、中和陰極118を活性化することは、時間を10.5%増加させるだけで、活性Cl
2の濃度を66.7%増加させた。
【0090】
図8Bには、
図8Aに示すECAシステム800のハイブリッド再循環バージョンであるECAシステム800’が示される。特に、ECAシステム800’は、中和再循環経路170を備える。中和再循環経路170は、塩素溶液を塩素溶液タンク120から中和チャンバー108まで戻すように構成される。塩素溶液は、中和チャンバー108を通過し、その後、陽極戻りライン128を介して塩素溶液タンク120に戻り得る。ECAシステム800’は、塩水を、陽極チャンバー104に1回通過させる一方で、結果として得られる塩素溶液を、中和チャンバー108に複数回通過させることが可能である。これの効果は、中和チャンバー108に1回通過させることで上げることのできる塩素溶液のpHレベルに比べて、更に一層塩素溶液のpHレベルを上げることである。
【0091】
塩素溶液内の塩素の濃度レベルが特定のレベルまで上がると、塩素溶液は腐食性になり得る。腐食性塩素溶液は、ECAシステムの構成要素に対する損傷又はECAシステムの動作の停止を引起し得る。ECAシステム800’等のハイブリッド再循環ECAシステムの1つの利益は、塩素溶液の塩素の腐食レベルの回避である。例えば、ECAシステム800’において、陽極チャンバー104内で生成される塩素溶液は、腐食性になるほどに十分に高い塩素の濃度を有せず、塩素溶液は、中和チャンバー108を複数回通過して、塩素溶液の酸性度を減少させ得る。実際には、ハイブリッド再循環ECAシステムにおいて中和チャンバーを通して塩素溶液を再循環させることによってpHレベルを増加させるこの利益は、本明細書で述べるECAシステム100、500、600、及び700等のフル再循環ECAシステムによっても達成され得る。
【0092】
図9Aには、
図5に示すECAシステム500の変形である単一パスECAシステム900が示される。ECAシステム900は、陽極チャンバー504、陰極チャンバー506、中和チャンバー508、及び塩水チャンバー550を含むチャンバーセル502を備える。塩水チャンバー550は、第1の膜510によって陰極チャンバー506から分離され、陽極チャンバー504は、第2の膜512によって中和チャンバー508から分離され、陽極チャンバー504は、第3の膜552によって塩水チャンバー550から分離される。陽極チャンバー504は陽極514を含み、陰極チャンバー506は陰極516を含み、中和チャンバー508は中和陰極518を含む。
【0093】
ECAシステム900は、塩素溶液タンク520も備える。ECAシステム500と対照的に、ECAシステム900は、生水又は軟水を陽極チャンバー504内に運ぶように構成される水供給ライン922を備える。ECAシステム500と同様に、塩素溶液供給ライン524は、塩素溶液タンク520から出る塩素溶液を外部目的地(例えば、洗浄機)まで運ぶように構成される。中和供給ライン540は、陽極チャンバー504から出る陽極電解質を中和チャンバー508まで運ぶように構成される。陽極戻りライン528は、中和チャンバー508から出る陽極電解質を塩素溶液タンク520まで戻すように構成される。
【0094】
ECAシステム900は、アルカリ溶液タンク530も備える。ECAシステム500と対照的に、ECAシステム900は、生水又は軟水を、陰極チャンバー506内に運ぶように構成される水供給ライン932を備える。ECAシステム500と同様に、アルカリ溶液供給ライン534は、アルカリ溶液タンク530から出るアルカリ溶液を外部目的地(例えば、洗浄機)まで運ぶように構成される。陰極戻りライン538は、陰極チャンバー506から出る陰極電解質をアルカリ溶液タンク530まで運ぶように構成される。ECAシステム900は、塩水を外部塩水タンク556から塩水チャンバー550内に運ぶように構成される塩水供給ライン554も備える。塩水戻りライン558は、塩水を塩水チャンバー550から除去するように構成される。幾つかの実施形態において、塩水戻りライン558は、塩水チャンバー550から出る塩水を運び、その塩水を外部塩水タンク556に戻すように構成される。
【0095】
幾つかの実施形態において、ECAシステム900の動作はECAシステム500の動作と同様である。しかし、ECAシステム900において、水供給ライン922は、ECAシステム500において塩水供給ライン522によって塩素溶液タンク520に運ばれる塩水の代わりに、陽極チャンバー
504内に生水又は軟水を運ぶ。さらに、塩水は、外部塩水タンク556から塩水チャンバー550を通って外部塩水タンク556まで戻って循環する。塩水が塩水チャンバー550を通って流れる際、第3の膜552は、塩水からのCl
−を塩水チャンバー550から陽極チャンバー504内に通過させる。陽極チャンバー504内のCl
−は、陽極半セル反応(1)に従って次亜塩素酸に変換される。
【0096】
図9Aに示す実施形態において、ECAシステム900は、陽極電解質又は陰極電解質のいずれの再循環経路も有しない。そのため、塩水は、陽極チャンバー504を1回通過して、陽極電解質(すなわち、希釈塩素溶液)を形成するが、陽極電解質は、陽極チャンバー504を再び通るように循環しない。同様に、水は、陰極チャンバー506を1回通過して、陰極電解質(すなわち、希釈アルカリ溶液)を形成するが、陰極電解質は、陰極チャンバー506を再び通るように循環しない。塩水が陽極チャンバー504を1回通過し、水が陰極チャンバー506を1回通過するため、結果として得られる塩素溶液及びアルカリ溶液は、陽極チャンバー504及び陰極チャンバー506を通して再循環した場合に濃縮されるほどには濃縮されない。これは、希釈アルカリ溶液及び希釈塩素溶液を要求に応じて生成する能力を提供する。さらに、中和チャンバー508は、希釈塩素溶液が、塩素ガスが形成される場合があるpHレベルまで低下することを防止するように構成される。
【0097】
ECAシステム900の試験が実施され、試験の結果が表7に示され、チャートが
図12Gに示される。ECAシステム900が単一パスシステムであるため、ECAシステム900の試験は、pH7.5〜pH4.0の溶液についての2つの運転、すなわち、(1)陰極516がパワーオンされ、中和陰極518がパワーオフされた状態の生産のみの運転、及び、(2)陰極516及び518がともにパワーオンされた状態の生産及び中和運転を含む。生産のみの運転において、ECAシステム900の17分間の動作後、pHレベルが4.0まで低下し、活性Cl
2の濃度が235ppmまで上がった。生産及び中和運転において、ECAシステム900の20分間の動作後、pHレベルが4.0まで低下し、活性Cl
2の濃度が340ppmまで上がった。したがって、中和陰極518を活性化することは、時間を17.6%増加させるだけで、活性Cl
2の濃度を44.7%増加させた。
【0099】
図9Bには、
図9Aに示すECAシステム900のハイブリッド再循環バージョンであるECAシステム900’が示される。特に、ECAシステム900’は、中和再循環経路570を備える。中和再循環経路570は、塩素溶液を塩素溶液タンク520から中和チャンバー508まで戻すように構成される。塩素溶液は、中和チャンバー508を通過し、その後、陽極戻りライン528を介して塩素溶液タンク520に戻り得る。ECAシステム900’は、水及び塩水を、陽極チャンバー504に1回通過させる一方で、結果として得られる塩素溶液を、中和チャンバー508に複数回通過させることが可能である。これの効果は、中和チャンバー508に1回通過させることで上げることのできる塩素溶液のpHレベルに比べて、更に一層塩素溶液のpHレベルを上げることである。
【0100】
図9Bに示す実施形態の1つの利益は、塩素溶液内に残る低レベルの未反応Cl
−である。水が陽極チャンバー504を1回のみ通過するため、塩(NaCl)が塩水から水の中に塩水チャンバー550から膜552を通して拡散する唯一の機会が存在する。通常動作中、陽極チャンバー504における陽極514からの反応は、完全に効率的ではなく、陽極チャンバー504を出る塩素溶液は、或る程度の未反応Cl
−を含む。未反応Cl
−の量が増加するにつれて、塩素溶液の腐食性もまた増加する。未反応Cl
−のこの蓄積は、塩素溶液が陽極チャンバー504を再び通るように再循環する再循環システムにおいて起こる場合がある。しかし、ECAシステム900’において、塩素溶液は、陽極チャンバー504を再び通るように再循環しない。ECAシステム900’は、実際に、塩素溶液を、中和チャンバー508を再び通るように再循環させて、塩素溶液のpHを更に増加させるという利点を得るが、中和チャンバー508を再び通る塩素溶液の再循環は、塩素溶液内の未反応Cl
−の量を増加させず、また、活性塩素への変換によって未反応Cl
−の量を更に一層減少させる。こうして、ECAシステム900’によって生産される塩素溶液は、低レベルの腐食性を有し、これにより、ECAシステム900’自体及び塩素溶液を使用してクリーニングされる任意のものに対する腐食効果を低減する。
【0101】
図10Aには、
図6に示すECAシステム600の変形である単一パスECAシステム1000が示される。ECAシステム1000は、陽極チャンバー604及び陰極チャンバー606を含むチャンバーセル602を備える。陽極チャンバー604は、膜610によって陰極チャンバー606から分離される。陽極チャンバー604は陽極614を含み、陰極チャンバー606は陰極616を含む。ECAシステム1000は、中和セル660も備える。中和セル660は中和チャンバー608を含む。中和陰極618は中和チャンバー608内に位置する。中和陽極662は、同様に中和チャンバー608内に位置する。
【0102】
ECAシステム1000は、塩素溶液タンク620も備える。ECAシステム600と対照的に、ECAシステム1000は、塩水を外部供給源(例えば、塩水タンク)から陽極チャンバー
604内に運ぶように構成される塩水供給ライン1022を備える。ECAシステム600と同様に、塩素溶液供給ライン624は、塩素溶液タンク620から出る塩素溶液を外部目的地(例えば、洗浄機)まで運ぶように構成される。中和供給ライン640は、陽極チャンバー604から出る陽極電解質を中和チャンバー608まで運ぶように構成される。陽極戻りライン628は、中和チャンバー608から出る陽極電解質を塩素溶液タンク620まで運ぶように構成される。
【0103】
ECAシステム1000は、アルカリ溶液タンク630も備える。ECAシステム600と対照的に、ECAシステム1000は、軟水を外部供給源(例えば、水タンク)から陰極チャンバー606内に運ぶように構成される水供給ライン1032を備える。ECAシステム600と同様に、アルカリ溶液供給ライン634は、アルカリ溶液タンク630からのアルカリ溶液を外部目的地(例えば、洗浄機)まで運ぶように構成される。陰極戻りライン638は、陰極チャンバー606から出る陰極電解質をアルカリ溶液タンク630まで運ぶように構成される。
【0104】
幾つかの実施形態において、ECAシステム1000の幾つかの部分は、ECAシステム600内のその同等物と同様な方法で動作するように構成される。一例において、再循環する陽極電解質は、陽極チャンバー604を出た後に中和チャンバー608を通過して、陽極電解質のpHレベルを安全レベルに(例えば、約pH4を超えて)維持する。別の例において、水は、アルカリ溶液タンク630から陰極チャンバー606まで循環して、陰極電解質に変換される。別の例において、中和チャンバー608は、陽極チャンバー604及び陰極チャンバー606が位置するチャンバーセル602内に位置しない。
【0105】
図10Aに示す実施形態において、ECAシステム1000は、陽極電解質又は陰極電解質のいずれの再循環経路も有しない。そのため、塩水は、陽極チャンバー604を1回通過して、陽極電解質(すなわち、希釈塩素溶液)を形成するが、陽極電解質は、陽極チャンバー604を再び通るように循環しない。同様に、水は、陰極チャンバー606を1回通過して、陰極電解質(すなわち、希釈アルカリ溶液)を形成するが、陰極電解質は、陰極チャンバー606を再び通るように循環しない。塩水が陽極チャンバー604を1回通過し、水が陰極チャンバー606を1回通過するため、結果として得られる塩素溶液及びアルカリ溶液は、陽極チャンバー604及び陰極チャンバー606を通して再循環した場合に濃縮されるほどには濃縮されない。これは、希釈アルカリ溶液及び希釈塩素溶液を要求に応じて生成する能力を提供する。さらに、中和チャンバー608は、希釈塩素溶液が、塩素ガスが形成される場合があるpHレベルまで低下することを防止するように構成される。
【0106】
ECAシステム1000の試験が実施され、試験の結果が表8に示され、チャートが
図12Hに示される。ECAシステム1000が単一パスシステムであるため、ECAシステム1000の試験は、pH7.5〜pH4.0の溶液についての2つの運転、すなわち、(1)陰極616がパワーオンされ、中和陰極618がパワーオフされた状態の生産のみの運転、及び、(2)陰極616及び618がともにパワーオンされた状態の生産及び中和運転を含む。生産のみの運転において、ECAシステム1000の15分間の動作後、pHレベルが4.0まで低下し、活性Cl
2の濃度が205ppmまで上がった。生産及び中和運転において、ECAシステム1000の18分間の動作後、pHレベルが4.0まで低下し、活性Cl
2の濃度が320ppmまで上がった。したがって、中和陰極618を活性化することは、時間を20.0%増加させるだけで、活性Cl
2の濃度を56.1%増加させた。
【0108】
図10Bには、
図10Aに示すECAシステム1000のハイブリッド再循環バージョンであるECAシステム1000’が示される。特に、ECAシステム1000’は、中和再循環経路670を備える。中和再循環経路670は、塩素溶液を塩素溶液タンク620から中和チャンバー608まで戻すように構成される。塩素溶液は、中和チャンバー608を通過し、その後、陽極戻りライン628を介して塩素溶液タンク620に戻り得る。ECAシステム1000’は、水及び塩水を、陽極チャンバー604に1回通過させる一方で、結果として得られる塩素溶液を、中和チャンバー608に複数回通過させることが可能である。これの効果は、中和チャンバー608に1回通過させることで上げることのできる塩素溶液のpHレベルに比べて、更に一層塩素溶液のpHレベルを上げることである。
【0109】
図11Aには、
図7に示すECAシステム700の変形である単一パスECAシステム1100が示される。ECAシステム1100は、陽極チャンバー704、陰極チャンバー706、及び塩水チャンバー750を含むチャンバーセル702を備える。陰極チャンバー706は、第1の膜710によって塩水チャンバー750から分離され、陽極チャンバー704は、第2の膜752によって塩水チャンバー750から分離される。陽極チャンバー704は陽極714を含み、陰極チャンバー706は陰極716を含む。ECAシステム1100は、中和チャンバー708を含む中和セル760も備える。中和陽極762及び中和陰極718は中和チャンバー708内に位置する。
【0110】
ECAシステム
1100は、塩素溶液タンク720も備える。ECAシステム700と対照的に、ECAシステム1100は、生水又は軟水を外部供給源(例えば、水タンク)から陽極チャンバー704内に運ぶように構成される水供給ライン1122を備える。ECAシステム700と同様に、塩素溶液供給ライン724は、塩素溶液タンク720からの塩素溶液を外部目的地(例えば、洗浄機)まで運ぶように構成される。中和供給ライン740は、陽極チャンバー704から出る陽極電解質を中和チャンバー708まで運ぶように構成される。陽極戻りライン728は、中和チャンバー708から出る陽極電解質を塩素溶液タンク720まで運ぶように構成される。
【0111】
ECAシステム1100は、アルカリ溶液タンク730も備える。ECAシステム700と対照的に、ECAシステム1100は、軟水を外部供給源(例えば、水タンク)から陰極チャンバー706内に運ぶように構成される水供給ライン1132を備える。ECAシステム700と同様に、アルカリ溶液供給ライン734は、アルカリ溶液タンク730から出るアルカリ溶液を外部目的地(例えば、洗浄機)まで運ぶように構成される。陰極戻りライン738は、陰極チャンバー706から出る陰極電解質をアルカリ溶液タンク730まで運ぶように構成される。
【0112】
ECAシステム1100は、塩水を外部塩水タンク756から塩水チャンバー750内に運ぶように構成される塩水供給ライン754も備える。塩水戻りライン
758は、塩水を塩水チャンバー750から除去するように構成される。幾つかの実施形態において、塩水戻りライン
758は、塩水チャンバー750から出る塩水を運び、その塩水を外部塩水タンク756に戻すように構成される。これは、塩水が、外部塩水タンク756から塩水チャンバー750を通って外部塩水タンク756まで戻って循環することを可能にする。塩水が塩水チャンバー750を通って流れる際、第2の膜752は、塩水からのCl
−を塩水チャンバー750から陽極チャンバー704内に通過させる。陽極チャンバー704内のCl
−は、陽極半セル反応(1)に従って次亜塩素酸に変換される。こうして、次亜塩素酸は、塩素溶液タンク720内に塩水を導入することなく陽極チャンバー704内で発生する。
【0113】
幾つかの実施形態において、ECAシステム1100の幾つかの部分は、ECAシステム700内のその同等物と同様な方法で動作するように構成される。一例において、陽極電解質は、陽極チャンバー704を出た後に中和チャンバー708を通過して、陽極電解質のpHレベルを安全レベルに維持する。別の例において、水は、陰極チャンバー706を通過して、陰極電解質に変換される。別の例において、中和チャンバー708は、陽極チャンバー704及び陰極チャンバー706が位置するチャンバーセル702内に位置しない。
【0114】
図11Aに示す実施形態において、ECAシステム1100は、陽極電解質又は陰極電解質のいずれの再循環経路も有しない。そのため、水は、陽極チャンバー704を1回通過して、第2の膜752を通過するCl
−を有する陽極電解質(すなわち、希釈塩素溶液)を形成するが、陽極電解質は、陽極チャンバー704を再び通るように循環しない。同様に、水は、陰極チャンバー706を1回通過して、陰極電解質(すなわち、希釈アルカリ溶液)を形成するが、陰極電解質は、陰極チャンバー706を再び通るように循環しない。陽極電解質が陽極チャンバー704を通って再循環せず、水が陰極チャンバー606を1回通過するため、結果として得られる塩素溶液及びアルカリ溶液は、陽極チャンバー704及び陰極チャンバー706を通して再循環した場合に濃縮されるほどには濃縮されない。これは、希釈アルカリ溶液及び希釈塩素溶液を要求に応じて生成する能力を提供する。さらに、中和チャンバー708は、希釈塩素溶液が、塩素ガスが形成される場合があるpHレベルまで低下することを防止するように構成される。
【0115】
ECAシステム1100の試験が実施され、試験の結果が表9に示され、チャートが
図12Iに示される。ECAシステム1100が単一パスシステムであるため、ECAシステム1100の試験は、pH7.5〜pH4.0の溶液についての2つの運転、すなわち、(1)陰極716がパワーオンされ、中和陰極718がパワーオフされた状態の生産のみの運転、及び、(2)陰極716及び718がともにパワーオンされた状態の生産及び中和運転を含む。生産のみの運転において、ECAシステム1100の17分間の動作後、pHレベルが4.0まで低下し、活性Cl
2の濃度が245ppmまで上がった。生産及び中和運転において、ECAシステム1100の25分間の動作後、pHレベルが4.0まで低下し、活性Cl
2の濃度が335ppmまで上がった。したがって、中和陰極718を活性化することは、時間を47.1%増加させるだけで、活性Cl
2の濃度を36.7%増加させた。
【0117】
図11Bには、
図11Aに示すECAシステム1100のハイブリッド再循環バージョンであるECAシステム1100’が示される。特に、ECAシステム1100’は、中和再循環経路
770を備える。中和再循環経路
770は、塩素溶液を塩素溶液タンク
720から中和チャンバー
708まで戻すように構成される。塩素溶液は、中和チャンバー
708を通過し、その後、陽極戻りライン
728を介して塩素溶液タンク
720に戻り得る。ECAシステム1100’は、水及び塩水を、陽極チャンバー
704に1回通過させる一方で、結果として得られる塩素溶液を、中和チャンバー
708に複数回通過させることが可能である。これの効果は、中和チャンバー
708に1回通過させることで上げることのできる塩素溶液のpHレベルに比べて、更に一層塩素溶液のpHレベルを上げることである。
【0118】
図11Bに示す実施形態の1つの利益は、塩素溶液内に残る低レベルの未反応Cl
−である。水が陽極チャンバー704を1回のみ通過するため、塩(NaCl)が塩水から水の中に塩水チャンバー750から膜752を通して拡散する唯一の機会が存在する。通常動作中、陽極チャンバー704における陽極714からの反応は、完全に効率的ではなく、陽極チャンバー704を出る塩素溶液は、或る程度の未反応Cl
−を含む。未反応Cl
−の量が増加するにつれて、塩素溶液の腐食性もまた増加する。未反応Cl
−のこの蓄積は、塩素溶液が陽極チャンバー704を再び通るように再循環する再循環システムにおいて起こる場合がある。しかし、ECAシステム1100’において、塩素溶液は、陽極チャンバー704を再び通るように再循環しない。ECAシステム1100’は、実際に、塩素溶液を、中和チャンバー708を再び通るように再循環させて、塩素溶液のpHを更に増加させるという利点を得るが、中和チャンバー708を再び通る塩素溶液の再循環は、塩素溶液内の未反応Cl
−の量を増加させず、また、活性塩素への変換によって未反応Cl
−の量を更に一層減少させる。こうして、ECAシステム1100’によって生産される塩素溶液は、低レベルの腐食性を有し、低レベルの腐食性は、ECAシステム1100’自体及び塩素溶液を使用してクリーニングされる任意のものに対する腐食効果を低減する。
【0119】
本開示では、「上(upper)」、「下(lower)」、「垂直(vertical)」、「水平(horizontal)」、「内方(inwardly)」、「外方(outwardly)」、「内(inner)」、「外(outer)」、「前(front)」、「後(rear)」等の用語は、記述的であり、特許請求される主題の範囲を制限しないと解釈されるべきである。さらに、本明細書における「含む(including)」、「備える(comprising)」、又は「有する(having)」及びその変形の使用は、以降で挙げるアイテム及びその等価物並びに更なるアイテムを包含することを意味される。別途制限されない限り、本明細書における、用語「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」、及び「取付けられた(mounted)」、並びにその変形は、幅広く使用され、直接及び間接の接続、結合、及び取付けを包含する。別途述べない限り、「実質的に(substantially)」、「約(approximately)」等の用語は、目標値の5%以内を意味するために使用される。
【0120】
本開示の原理、代表的な実施形態、及び動作モードは、上記説明において述べられた。しかし、保護されることを意図される本開示の態様は、開示される特定の実施形態に限定されるものと解釈されない。さらに、本明細書で記載される実施形態は、制限的ではなく例示的であると見なされる。本開示の趣旨から逸脱することなく、変形及び変更が他の者によって行われ、等価物が使用され得ることが認識されるであろう。したがって、全てのこうした変形、変更、及び等価物は、特許請求される本開示の趣旨及び範囲内に入ることが明確に意図される。