【実施例】
【0043】
(実施例1)
セグメント化75/25 Gly/Capコポリマーの合成
この実施例で使用されるセグメント化コポリマーは、「Monocryl(登録商標) Suture,a New Ultra−Pliable Absorbable Monofilament Suture」Biomaterials、第16巻、第15号、1995年10月、ページ1141〜1148に記載されている方法によって製造された。その合成は、米国特許第5,133,739(A)号及び米国特許第8,278,409(B2)号などの特許文献にも記載されている。これらの参考文献の開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0044】
最終乾燥樹脂は、核磁気共鳴、NMR法で測定して、75モル%の重合グリコリド及び25モル%の重合ε−カプロラクトン単位を有するセグメント化A−B−A型コポリマーであった。乾燥樹脂は、25℃で0.10g/dLの濃度でヘキサフルオロイソプロパノール中で測定して、1.71dL/gの固有粘度(IV)を示した。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)分析は、約85,000ダルトンの重量平均分子量を示した。乾燥樹脂のガラス転移温度T
gは4.4℃であり、融点は194℃であり、融解熱ΔH
mは、第1の熱データ及び10℃/分の加熱速度を用いて示差走査熱量測定(DSC)によって測定して、45.3J/gであった。広角X線回折(WAXD)分析は、乾燥樹脂が45%結晶性であることを示した。
【0045】
(実施例2)
実施例1の乾燥樹脂の選択された熱量特性
DSC測定は、自動サンプラを装備した、TA Instruments(New Castle、DE)からのモデルQ20−3290カロリメータを使用して実施された。個々の実験において、実施例1に記載された乾燥され熱処理されたコポリマー樹脂をDSCパンに入れ、マイナス(−)60℃以下まで急冷し、10℃/分の一定加熱速度で加熱してその熱量特性(第1の加熱特性)を決定した。これらはガラス転移温度T
g、融点T
m及び融解熱ΔH
mを含んでいた。第2の加熱測定(樹脂を240℃で溶融した後−60℃未満に急冷)から、前の熱処理履歴とは無関係であるT
g、T
m、T
c(結晶化温度)、及びΔH
mの値を得た。熱量測定を用いて得られたデータを表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
結晶化特性も等温結晶化法によって評価した。DSC技術を用いて、実施例1のコポリマーの等温結晶化速度分析を実施した。実施例1に記載したように、乾燥し、熱処理したコポリマー樹脂をDSCパンに入れ、240℃で2分間完全に溶融してサンプル中に存在するいずれの核形成部位も除去した。続いて、試験した材料を所望の結晶化温度まで急速冷却/急冷した(−60℃/分の冷却速度)。等温法は、試料が試験温度に達する前に結晶化が起こらないと仮定しており、得られたデータは、この仮定を支持した。樹脂の結晶化挙動は、50℃〜110℃の間の広範囲の温度にわたって特徴付けられた。等温結晶化動力学(一定温度における)は、時間の関数としての熱流の変化として監視された。等温熱流量曲線を積分して結晶化度パラメータを求めた。あらゆる偏見を避けるために、等温DSC実験が無作為的な順番で行われたことに留意する価値がある。
【0048】
経時的な結晶部分の生成は、結晶化の程度αで評価することができ、これは次の比で表すことができる。
【0049】
【数1】
式中、dQ/dtは、それぞれの熱流量であり、dH
tは、DSC曲線と時間tにおける時間軸との間の部分面積であり、dH
∞は、ピークの下の総面積で、結晶化の全体的な熱に対応する。したがって、結晶化の程度αは、時間tにおいて生成された結晶体積分率である。
【0050】
熱流量/時間曲線の積分を行った後、1/2結晶化時間(t
1/2)を決定することができる。1/2結晶化時間とは、等温試験の間に生じる総量の50%結晶化度に達するのに要する時間である。結晶化速度論を表すため、1/2結晶化時間の逆数を結晶化温度の関数として示した。等温測定から得られたデータを以下の表2に示す。試験した樹脂の最速動力学は約100℃で観察された。
【0051】
【表2】
【0052】
(実施例3)
実施例1の樹脂の溶融押出によるフィルム形成
実施例1の樹脂の溶融フィルム押出は、フィルムダイを備えた、Davis Standard Corp.(Pawcatuck,CT 06379,U.S.A)によって製造された溶融押出機モデルKN125を使用して行った。全てのフィルム押し出しランにおいて6ミルのダイギャップを使用した。異なるバレルゾーン全体の押出機温度は180〜210℃の範囲であり、ダイ温度は220℃に保たれた。引き出しロールの線速度を10.4fpmに維持しながら、1ミル厚のフィルムに対してスクリュー速度を15.8rpmに設定した。同様に、厚さ2ミルのフィルムに対して、スクリュー速度を19.1rpmとしたが、引き抜きロールの線速度は6.0fpmに維持した。フィルム収集中、ロールスタンドから分配されたシリコーン剥離紙を使用して、巻き取りロールに巻き取られたフィルム層を分離した。押し出し後、対応するシリコーン剥離紙を有するフィルムを都合の良い長さに切断し、押し出し直後に積層機器に運ぶか、又は窒素下で長期間保管した。製造されたフィルムの厚さは1.0ミル及び2.0ミルであると決定された。
【0053】
(実施例4)
実施例3で製造したフィルムの結晶化特性の試験
実施例3のアニーリングされていない及びアニーリングされたフィルムの熱量特性は、第1及び第2の加熱DSC法を用いて決定された。結果の要約を以下の表3に示す。
【0054】
【表3】
【表4】
*第2の熱DSC測定は、樹脂を240℃で2分間溶融し、続いて−60℃まで急冷(−60℃/分)した後、10℃/分で一定の加熱スキャンを行うことによって開始した
**結晶化度パーセントは、100%結晶性PGA材料(ΔH
m=12KJ/モル、103J/gに相当する)の融解熱から計算した、[参考文献:Biomedical Engineering Fundamentals by Joseph D.Bronzino,Donald R.Peterson、Wound Closure Biomaterials and Devices edited by Chih−Chang Chu,J.Anthony vonBiomaterials:Principles and Practices edited by Joyce Y.Wong,Joseph D.Bronzino,Donald R.、Biotextiles as Medical Implants edited by M W King,B S Gupta,R Guidoin、The Biomedical Engineering Handbook 1 by Joseph D.Bronzino、Surfaces and Interfaces for Biomaterials edited by P Vadgama]
【0055】
表3に示すように、実施例4で製造されたアニーリングされていないフィルム及びアニーリングされたフィルムは両方とも、比較的高いレベルの結晶度(それぞれ46%及び47%)、並びに第1の加熱測定から決定される高い融点(両方とも約191℃)を含む。第2の加熱スキャンから、両方のフィルムは低レベルの結晶化度(約40%)を示した。これは、実験中に、熱履歴が最初に消去され(サンプルが非晶質相にされ)、続いて結晶化度が10℃/分の比較的速い加熱速度での急冷からの加熱スキャン中にのみ成長したという事実による。
【0056】
これらのフィルムの結晶化動力学を更に理解するために、以下のセットの実験を行った。実施例3で製造したフィルム片をDSCパンに入れ、2分間240℃に加熱して熱履歴をすべて消去し、次いで急速に室温にした。結晶形態を成長させるために特定の時間を費やした。この「滞留」期間の後、サンプルを10℃/分でその融点より高い240℃まで加熱した。この加熱ステップ(第1の加熱測定)中に、追加の結晶化が起こり、その後の溶融転移が続く。融解熱(溶融転移)下のピーク面積と結晶化熱との間の差は、サンプルが室温にさらされることによって成長した結晶化度の量に直接比例する。このセットの実験からのデータの要約を以下の表4に示す。表4の最後の欄は、所与の試料についての室温での滞留時間中に成長した結晶化度の量を示す。
【0057】
【表5】
*第1の加熱DSC測定は、樹脂を240℃で2分間溶融することによって開始し、続いて22℃まで急冷(−60℃/分)し、その温度で所与の時間滞留させ、続いて10℃/分で一定加熱スキャンした。
**パーセント結晶化度は、100%結晶性PGA材料の融解熱から計算した(ΔH
m=12KJ/モル、これは103J/gに相当する)、[参考文献:Biomedical Engineering Fundamentals by Joseph D.Bronzino,Donald R.Peterson、Wound Closure Biomaterials and Devices edited by Chih−Chang Chu,J.Anthony vonBiomaterials:Principles and Practices edited by Joyce Y.Wong,Joseph D.Bronzino,Donald R.、Biotextiles as Medical Implants edited by M W King,B S Gupta,R Guidoin、The Biomedical Engineering Handbook 1 by Joseph D.Bronzino、Surfaces and Interfaces for Biomaterials edited by P Vadgama]
【0058】
表4に示すように、室温でフィルムが成長させることができた結晶化度の量は、10分以下の滞留時間において比較的少なかった(7%未満)。しかしながら、滞留が長くなるにつれて、結晶化度の量は次第に増加した。更に、室温でより長い滞留時間を有する試料は、第1の加熱スキャン中に、より速い又はより容易な結晶化を示した。これは、したがってより低い温度シフトした結晶化ピークとして、表4の第3欄に示されている。
【0059】
(実施例5)
異なる基材を有する複合構造体と、75/25 Gly/Capモル%から作製された半結晶性フィルムの積層(非発明例)
1及び2ミルの厚さを有する実施例1のコポリマー樹脂から作製されたフィルム(実施例3に記載)を、Surgicel Classic(登録商標)、Surgicel NuKnite(登録商標)、Sergicel Snow(登録商標)の商標名の下でEthicon Inc.から入手可能な様々なORC系基材、及びヘルニア修復用途のためのポリプロピレン(PP)系のメッシュの上に積層した。フィルムは室温でエージング又は熟成させ、実際のフィルム押出プロセスから積層時刻までの経過時間は少なくとも48時間以上に設定した。積層はニップロールの組み合わせでGodetの加熱セットを用いて行った。積層は、120〜200℃の範囲の様々なGodetの温度で行った。ロール速度は概して、1ミルのフィルムと2ミルのフィルムの両方に対して0.5〜1FPMに保たれた。低温積層は、酸化再生セルロース(ORC)材料が分解しないように保ため、並びにポリプロピレン(PP)メッシュがいかなる熱に関連する歪みも回避するために非常に望ましいということを言及することが重要である。ORCラインの製品については、120℃以下の温度は積層にとって安全であると考えられ、145〜150℃はポリプロピレン系のメッシュの上限温度と考えられている。
【0060】
エージングされた75/25 Gly/Capフィルム(1及び2ミル)を150℃未満の温度で任意の基材上に積層する試みはすべて、即時の層間剥離(接合の欠如)のために失敗した。これはフィルムの融点が191℃であったという事実による。150℃を超える温度では、基材上のフィルムのいくらかの部分的融解及び接合があったが、取扱い中にすぐに層間剥離が起こった。最も重要なことに、ORCベースの基材は黄色がかってきて分解プロセスの開始を示したが、PPメッシュは大幅な収縮のためにひどく歪んだ。
【0061】
(実施例6)
低い加工温度で75/25 Gly/Capモル%から作製された異なる基板及び新たに押し出された低結晶化度フィルムを有する複合構造の積層体(本発明例)
本明細書で使用される場合、用語「新たに押し出された」は、押し出しステップ後10分以内に基材上に積層された吸収性の半結晶性ポリマーフィルムを意味すると定義される。実施例3で前述した押し出しステップ直後の75/25 Gly/Capフィルムの積層体を調べるために、押し出しGodetの最後のセットを出た矩形ポリマーフィルム片を切断し、実施例4に記載の積層機器に移した。次に、120℃の低Godet温度を使用して、フィルム押し出しの終了から2、5、10、及び30分の間隔で、各基材に一連の積層手順を実施した。
【0062】
意外なことに、2、5及び10分の時間間隔でマークされたすべてのフィルム/基材の組み合わせは、120℃の低いプロセス温度で完全な積層(接合)を示した。しかしながら、フィルム押し出しの30分後に処理された特定の試験の組み合わせは、最適な結果をもたらさなかった(部分的な層間剥離が観察された)。良好な積層(2、5、及び10分)を生じることが観察されたサンプルを、その後、窒素流が供給される安定性チャンバに室温で72時間入れて、更なる結晶形態を成長させた。72時間室温エージングに続いて、フィルム/ORCフィルム/PPメッシュ複合材を取扱い特性について調べた。
【0063】
本発明のプロセスを使用して製造された積層複合材は優れた取扱い特性を示し、2、5及び10分のマークを付けた調製された組み合わせのいずれにおいても75/25 Gly/Capフィルムの層間剥離は観察されなかった。更に、ORC又はPP布地の歪み又は皺は観察されなかった。繰り返し曲げ手順、引っ張り及び他の主体的取扱い操作を含む広範な物理的処理を用いても、フィルム/ORC及びフィルム/PP構造は引き裂かれなかった又は損傷の兆候を何ら示さなかった。最後に、積層温度が120℃と低かったため、いずれのORC布地においても変色は観察されなかった。
【0064】
以上、本発明をその詳細な実施形態について図示及び説明してきたが、当業者であれば、特許請求される発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明の形態及び詳細に様々な変更を行い得る点が理解されるであろう。
【0065】
〔実施の態様〕
(1) 積層医療用デバイス構造体を作製する方法であって、
a)140℃以上の融点温度、25℃未満のガラス転移温度、及び結晶化度を有する半結晶性ポリマーフィルムを押し出すステップであって、前記ポリマーフィルムは、室内条件/周囲条件で結晶化可能である、ステップと、
b)前記フィルムを押し出した後約10分以内に熱/加圧積層ステップを実施することによって、積層医療用デバイス構造体を形成するために前記ポリマーフィルムを感熱性ポリマー基材に直接積層するステップと、を含み、前記フィルムは、前記フィルムを約120℃以下の温度で基材上に積層するために、約10%以下の結晶化度を有し、前記基材は、損傷を受けておらず、前記フィルムは前記基材に効果的に積層される、方法。
(2) 前記基材は、不織布、織布及びメッシュからなる群から選択される、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記ポリマーフィルムは、主成分としてのラクチド又はグリコリドと、カプロラクトン、ポリ(p−ジオキサノン)、トリメチレンカーボネート(TMC)、ポリエチレングリコール、及びポリエーテルエステル配合物を含む1つ以上の他の成分と、のコポリマーからなる群から選択されるポリマーを含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記ポリマーフィルムは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、及びナイロンからなる群から選択されるポリマーを含む、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記ポリマーフィルムは、それぞれ約75対約25%のモル比でグリコリドとイプシロンカプロラクトンとのコポリマーを含む、実施態様1に記載の方法。
【0066】
(6) 前記基材は、コラーゲン、アルギン酸カルシウム、キチン、ポリエステル、ポリプロピレン、多糖類、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアミン、ポリイミン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリヌクレオチド、ポリ核酸、ポリペプチド、タンパク質、ポリ(アルキレンオキシド)、ポリアルキレン、ポリチオエステル、ポリチオエーテル、ポリビニル、脂質を含むポリマー、酸化再生セルロース、及びそれらの混合物からなる群から選択される材料を含む、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記積層はオフラインで行われる、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記積層はインラインリールツーリール(in-line reel-to-reel)で行われる、実施態様1に記載の方法。
(9) 前記フィルム結晶化度は、押し出し後の最初の30分で約0〜約10%、24時間より長い滞留/エージング時間の間に20%超、変化する、実施態様5に記載の方法。
(10) 前記押出フィルムは、前記基材に積層される前に、
巻き取られ、断片に切断される、実施態様1に記載の方法。
【0067】
(11) 実施態様1に記載の前記方法によって作製された医療用デバイス構造体。
(12) 積層医療用デバイス構造体を作製する方法であって、
a)140℃以上の融点温度、25℃を超えるガラス転移温度、及び結晶化度を有する半結晶性ポリマーフィルムを押し出すステップと、
b)前記フィルムを押し出した後約10分以内に熱/加圧積層ステップを実施することによって、積層医療用デバイス構造体を形成するために前記ポリマーフィルムを感熱性ポリマー基材に直接積層するステップと、を含み、前記フィルムは、前記フィルムを約120℃以下の温度で基材上に積層するために、約10%以下の結晶化度を有し、前記基材は、損傷を受けておらず、前記フィルムは前記基材に効果的に積層され、前記積層ポリマーフィルムは、少なくとも約10%の達成可能な結晶化度を有する、方法。
(13) 前記基材は、不織布、織布及びメッシュからなる群から選択される、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記ポリマーフィルムは、グリコリド又はラクチドのホモポリマー、それらのコポリマー、主成分としてのラクチド又はグリコリドと、カプロラクトン、ポリ(p−ジオキサノン)、トリメチレンカーボネート(TMC)、ポリエチレングリコール、及びポリエーテルエステル配合物を含む1つ以上の他の成分と、のコポリマーからなる群から選択されるポリマーを含む、実施態様12に記載の方法。
(15) 前記基材は、コラーゲン、アルギン酸カルシウム、キチン、ポリエステル、ポリプロピレン、多糖類、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアミン、ポリイミン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリヌクレオチド、ポリ核酸、ポリペプチド、タンパク質、ポリ(アルキレンオキシド)、ポリアルキレン、ポリチオエステル、ポリチオエーテル、ポリビニル、脂質を含むポリマー、酸化再生セルロース、及びそれらの混合物からなる群から選択される材料を含む、実施態様12に記載の方法。
【0068】
(16) 前記ポリマーフィルムは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、及びナイロンからなる群から選択されるポリマーを含む、実施態様12に記載の方法。
(17) 前記積層はオフラインで行われる、実施態様12に記載の方法。
(18) 前記積層はインラインリールツーリールで行われる、実施態様12に記載の方法。
(19) 前記押出フィルムは、前記基材に積層される前に、
巻き取られ、断片に切断される、実施態様12に記載の方法。
(20) 実施態様12に記載の前記方法によって作製された医療用デバイス構造体。
【0069】
(21) ポリマーフィルムを基材に積層する方法であって、
a)140℃以上の溶融温度を有する前記ポリマーを、スリットダイを備えた溶融押出機のホッパーに、前記吸収性ポリマーの前記溶融温度より約10℃高い範囲内のバレル及びダイ温度で移送するステップと、
b)前記ポリマーを、前記スリットダイを通して押し出し、それによってフィルムを形成するステップと、
c)前記フィルムが0.254μm〜254μm(0.01ミル〜10ミル)の厚さを有するように、前記フィルムを約0.8倍〜約10倍に延伸するステップと、
d)前記ポリマーフィルムが約10%以下の結晶化度を有する、ステップc)の下での前記フィルム押し出し後0〜10分の間の時間間隔において、新たに押し出されたポリマーフィルムとポリマー基材との間の接触を提供するステップと、
e)120℃以下の温度で、積層構造体を形成するために前記フィルム及び基材を熱プレスするステップと、を含む、方法。
(22) 前記基材は、不織布、織布及びメッシュからなる群から選択されるポリマー基材を含む、実施態様21に記載の方法。
(23) 前記ポリマーフィルムは、グリコリド又はラクチドのホモポリマー、それらのコポリマー、主成分としてのラクチド又はグリコリドと、カプロラクトン、ポリ(p−ジオキサノン)、トリメチレンカーボネート(TMC)、ポリエチレングリコール、及びポリエーテルエステル配合物を含む1つ以上の他の成分と、のコポリマーからなる群から選択されるポリマーを含む、実施態様21に記載の方法。
(24) 前記ポリマーフィルムは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、及びナイロンからなる群から選択されるポリマーを含む、実施態様21に記載の方法。
(25) 前記ポリマーフィルムは、それぞれ約75対約25%のモル比でグリコリドとイプシロンカプロラクトンとのコポリマーを含む、実施態様21に記載の方法。
【0070】
(26) 前記基材は、コラーゲン、アルギン酸カルシウム、キチン、ポリエステル、ポリプロピレン、多糖類、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアミン、ポリイミン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリヌクレオチド、ポリ核酸、ポリペプチド、タンパク質、ポリ(アルキレンオキシド)、ポリアルキレン、ポリチオエステル、ポリチオエーテル、ポリビニル、脂質を含むポリマー、酸化再生セルロース、及びそれらの混合物からなる群から選択される材料を含む、実施態様21に記載の方法。
(27) 前記積層はオフラインで行われる、実施態様21に記載の方法。
(28) 前記積層はインラインリールツーリールで行われる、実施態様21に記載の方法。
(29) 前記フィルム結晶化度は、押し出し後の前記最初の30分で約0〜約10%、24時間より長い滞留/エージング時間の間に20%超、変化する、実施態様25に記載の方法。
(30) 前記押出フィルムは、前記基材に積層される前に、
巻き取られ、断片に切断される、実施態様21に記載の方法。
【0071】
(31) 前記積層ポリマーフィルムは、少なくとも約10%の達成可能な結晶化度を有する、実施態様21に記載の方法。
(32) 実施態様21に記載の前記方法によって作製された医療用デバイス構造体。