(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記化合物は、ケンペロール3−O−[2−O’’−(E)−p−クマロイル][β−D−グルコピラノシル−(1→3)−O−α−L−ラムノピラノシル−(1→6)−O−β−D−グルコピラノシド](Kaempferol3−O−[2−O’’-(E)−p−coumaroyl][beta−D−glucopyranosyl−(1→3)−O−alpha−L−rhamnopyranosyl−(1→6)−O−beta−D−glucopyranoside])である、請求項1に記載の組成物。
前記認知機能低下は、ベータアミロイド(β−amyloid)の凝集(aggregation)、脳由来神経栄養因子(brain−derived neurotrophic factor、BDNF)発現低下、及びDNMT1(DNA(cytosine−5)−methyltransferase 1)発現増加からなる群より選ばれた一つ以上に起因したものである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
前記改善は、ベータ−アミロイドの凝集抑制、凝集したベータ−アミロイドの分解、BDNFの発現増進及びDNMT1の発現減少からなる群より選ばれた一つ以上によってなされる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
前記神経細胞保護は、ベータアミロイド(β−amyloid)の凝集(aggregation)、脳由来神経栄養因子(brain−derived neurotrophic factor、BDNF)の発現低下、及びDNMT1(DNA(cytosine−5)−methyltransferase1)の発現増加からなる群より選ばれた一つ以上による影響から神経細胞を保護することである、請求項14に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書において「後発酵」は、茶葉に存在する酵素ではない他の微生物又は物質によって醗酵させることを含む。後発酵茶は、前記方式によって緑茶を醗酵させたものを含む。
【0019】
本明細書において「抽出物」とは、天然物からその中の成分を取り出すことで得られた物質であれば、取り出し方法や成分の種類を問わずいずれも含む。例えば、水や有機溶媒を用いて天然物から溶媒に溶解される成分を取り出して得たもの、天然物の特定の成分、例えば、オイルのような特定の成分のみを抽出して得られたもの、そのようにして得られたものを再び特定の溶媒などを用いて分画して得た分画物などをいずれも含む広義の概念である。
【0020】
本明細書において「分画物」は、ある溶媒を用いて特定の物質や抽出物を分画して得たもの又は分画して残ったもの、そして、これらを特定の溶媒で再び抽出して得たものを含む。分画方法や抽出方法は当業界における通常の技術者に知られたものであればいずれも用いてよい。
【0021】
本明細書において「異性体」は、特に光学異性体(optical isomers)(例えば、本質的に純粋なエナンチオマー(essentially pure enantiomers)、本質的に純粋なジアステレオマー(essentially pure diastereomers)又はそれらの混合物)だけでなく、配座異性体(conformation isomers)(すなわち、1つ以上の化学結合のその角度のみ異なる異性体)、位置異性体(position isomers)(特に、互変異性体(tautomers))、又は幾何異性体(geometric isomers)(例えば、シス−トランス異性体)を含む。
【0022】
本明細書において「本質的に純粋な(essentially pure)」とは、例えば、エナンチオマー又はジアステレオマーと関連して用いた場合、エナンチオマー又はジアステレオマーを例として挙げることのできる具体的な化合物が約90%以上、好ましくは約95%以上、より好ましくは約97%以上、又は約98%以上、さらに好ましくは約99%以上、最も好ましくは約99.5%以上(w/w)存在することを意味する。
【0023】
本明細書において「薬学的に許容可能」とは、通常の医薬的服用量(Medicinal dosage)で利用する際に相当な毒性を避けることにより、動物、より具体的には、ヒトに使用することができるという政府又はこれに準ずる規制機構の承認を受けることができ、又は承認を受け、又は一般的な薬局方に列挙され、又はその他一般的な薬局方に記載されたものと認定されることを意味する。
【0024】
本明細書において「薬学的に許容可能な塩」とは、薬学的に許容可能であり、親化合物(parent compound)の好ましい活性を有する本発明の一側面に係る塩を意味する。前記塩は、(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等といった無機酸から形成されるか;又は、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンテンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2,2,2]−oct−2−エン−1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert−ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸といった有機酸から形成される酸付加塩(acid addition salt);又は、(2)親化合物に存在する酸性プロトンが置換されるときに形成される塩を含んでよい。
【0025】
本明細書において「水和物(hydrate)」とは、水が結合している化合物を意味し、水と混合物との間に化学的な結合力のない内包化合物を含む広範囲な概念である。
【0026】
本明細書において「溶媒和物」とは、溶質の分子やイオンと溶媒の分子やイオンとの間に生じた高次の化合物を意味する。
【0027】
本発明は、一側面において、下記の化学式1で表される化合物、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物、その溶媒和物、又はこれを含む後発酵茶抽出物を有効成分として含む認知機能低下改善用組成物を提供する。
【0029】
前記式1中、R
1はC
15H
9O
6であってよく、R
2はC
6H
11O
5であってよく、R
3はC
9H
7O
2であってよい。
【0030】
一具現例によると、前記R
1は、下記の化学式2で表される化合物であってよい。
【0032】
他の具現例によると、前記R
2は、下記の化学式3で表される化合物であってよい。
【0034】
前記R
3は、下記の化学式4で表される化合物であってよい。
【0036】
他の具現例によると、前記化合物は、ケンペロール3−O−[2−O’’−(E)−p−クマロイル][β−D−グルコピラノシル−(1→3)−O−α−L−ラムノピラノシル−(1→6)−O−β−D−グルコピラノシド](Kaempferol3−O−[2−O’’−(E)−p−coumaroyl][beta−D−glucopyranosyl−(1→3)−O−alpha−L−rhamnopyranosyl−(1→6)−O−beta−D−glucopyranoside])であってよい。前記化合物は、下記の化学式5のように表し得る。
【0038】
本発明の一側面によると、前記化合物、その異性体、これらの薬学的に許容可能な塩、これらの水和物又はこれらの溶媒和物を製造する方法は、合成、天然物からの分離などを含んでいてよい。
【0039】
他の具現例によると、前記後発酵は菌株接種によるものであってよく、前記菌株は、サッカロマイセス属(Saccharomyces sp.)、バチルス属(Bacillus sp.)、ラクトバチルス属(Lactobacillus sp.)及びロイコノストック属(Leuconostoc mesenteroides sp.)から選ばれる菌株であってよく、好ましくは、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtlis)、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgarius)及びロイコノストック・メッセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)から選ばれるものであってよい。また他の具現例によると、前記後発酵茶は緑茶を後発酵させたものであってよい。
【0040】
本発明は、一側面において、前記化合物は、本発明者らが後発酵茶に対する持続的な研究の末に見出した化合物であって、当該化合物を用いてベータ−アミロイド凝集評価(beta−Amyloid aggregation assay)を実施した結果、これまで知られていた抑制剤であるモリン、フェノールレッドよりも優れたベータアミルロイド凝集抑制及びプラーク(plaque)形成抑制効能があることを確認した。したがって、本発明の一側面に係る前記化合物を用いてベータ−アミロイドに関係した認知機能低下を予防、治療、及び改善することができることを究明し、さらに、ベータ−アミロイド凝集に起因する損傷及び死滅から神経細胞を保護する用途として前記化合物を用いることができることを立証した(
図6参照)。
【0041】
また、本発明の一側面において、前記化合物は、神経細胞においてBDNFの発現を増進させ且つDNMT1の発現を低下させた。すなわち、BDNFの発現減少又はDNMT1の発現増進に関係した認知機能低下、痴ほう、アルツハイマー病などの神経退化性疾患の予防及び治療に本願発明を有効に活用することができることを究明した。
【0042】
また、本発明は、一側面において、前記化合物、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物、その溶媒和物、又はこれを含む後発酵茶抽出物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを含む認知機能低下改善方法、認知機能低下治療方法、神経細胞保護方法、又は神経疾患治療方法であってよい。
【0043】
また、本発明は、他の側面において、前記化合物、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物、その溶媒和物、又はこれを含む後発酵茶抽出物を認知機能低下改善用、認知機能低下治療用、神経細胞保護用、又は神経疾患治療用組成物の製造に用いる用途に関するものであってよい。
【0044】
また、本発明は、他の側面において、認知機能低下改善、認知機能低下治療、神経細胞保護、神経疾患治療用途に用いるための有効成分として、前記化合物、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物、その溶媒和物、又はこれを含む後発酵茶抽出物であってよい。
【0045】
さらに、本発明はまた他の側面において、認知機能低下改善、神経細胞保護のための有効成分として、前記化合物、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物、その溶媒和物、又はこれを含む後発酵茶抽出物の非治療的用途に関するものであってよい。
【0046】
一具現例において、前記抽出は、水、熱水、C
1〜C
6の低級アルコール、及びこれらの混合溶媒から選ばれた一つ以上の溶媒による抽出であってよく、他の具現例によると、前記低級アルコールは、当業界において一般的に用いられ得るアルコール単独又は混合物であってよく、好ましくは、エタノールであってよい。
【0047】
本発明の他の側面によると、前記抽出物は、抽出後にケトンで分画した分画物であってよい。
【0048】
他の具現例によると、前記ケトンは、アセトン、カルボン(carvon)、プレゴン(pulegone)、イソロンギホラノン(isolongifolanone)、2−ヘプタノン、2−ペンタノン、3−ヘキサノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−オクタノン、3−オクタノン、2−ノナノン、3−ノナノン、2−ウンデカノン、2−トリデカノン、メチルイソプロピルケトン、エチルイソアミルケトン、ブチリデンアセトン、メチルヘプテノン、ジメチルオクテノン、ゲラニルアセトン、ファルネシルアセトン、2,3−ペンタジオン、2,3−ヘキサジオン、3,4−ヘキサジオン、2,3−ヘプタジオン、アミルシクロペンタノン、アミルシクロペンテノン、2−シクロペンチルシクロペンタノン、ヘキシルシクロペンタノン、2−n−ヘプチルシクロペンタノン、cis−ジャスモン、ジヒドロジャスモン、メチルコリロン、2−tert−ブチルシクロヘキサノン、p−tert−ブチルシクロヘキサノン、2−sec−ブチルシクロヘキサノン、セロリーケトン、クリプトン、p−tert−ペンチルシクロヘキサノン、メチルシクロシトロン、ネロン、4−シクロヘキシル−4−メチル−2−ペンタノン、オキサイドケトン、エモキシフロン、メチルナフチルケトン、α−メチルアニサルアセトン、アニシルアセトン、p−メトキシフェニルアセトン、ベンジリデンアセトン、p−メトキシアセトンフェノン、p−メチルアセトフェノン、プロピオフェノン、アセトフェノン、α−ダイナスコン(Dynascone)、イリトーン(lritone)、イオノン(ionone)、プソイドイオノン(Pseudoionone)、メチルイオノン、メチルイリトーン、2,4−ジ−tert−ブチルシクロヘキサノン、アリルイオノン、2−アセチル−3,3−ジメチルノルボルナン、ベルベノン、フェンコン(fenchon)、シクロペンタデカノン、シクロヘキサデセノンなどを含んでいてよく、当業界において一般的に用いられ得る溶媒としてのケトン類及びこれらの混合物をいずれも含んでいてよく、好ましくは、アセトンであってよい。
【0049】
本発明の一側面によると、前記組成物中の化学式1で表される化合物、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物、又はその溶媒和物の含量は、前記組成物の総質量に対し、0.00001質量%〜10質量%の範囲であってよい。前記含量は、前記組成物の総質量に対し、0.00001質量%以上、0.00005質量%以上、0.0001質量%以上、0.0005質量%以上、0.001質量%以上、0.005質量%以上、0.01質量%以上、0.05質量%以上、0.1質量%以上、0.5質量%以上、1質量%以上、2質量%以上、3質量%以上、4質量%以上、5質量%以上、6質量%以上、7質量%以上、8質量%以上、又は9質量%以上であってよい。また、10質量%以下、9質量%以下、8質量%以下、7質量%以下、6質量%以下、5質量%以下、4質量%以下、3質量%以下、2質量%以下、1質量%以下、0.5質量%以下、0.1質量%以下、0.05質量%以下、0.01質量%以下、0.005質量%以下、0.001質量%以下、0.0005質量%以下、0.0001質量%以下、0.00005質量%以下、又は0.00003質量%以下であってよい。
【0050】
本発明の他の側面によると、前記組成物中の後発酵茶抽出物の含量は、前記組成物の総質量に対し、0.1質量%〜90質量%の範囲であってよい。前記含量は、前記組成物の総質量に対し、0.1質量%以上、1質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、25質量%以上、30質量%以上、35質量%以上、40質量%以上、45質量%以上、50質量%以上、55質量%以上、60質量%以上、65質量%以上、70質量%以上、75質量%以上、80質量%以上、又は85質量%以上であってよい。また、90質量%以下、85質量%以下、80質量%以下、75質量%以下、70質量%以下、65質量%以下、60質量%以下、55質量%以下、50質量%以下、45質量%以下、40質量%以下、35質量%以下、30質量%以下、25質量%以下、20質量%以下、15質量%以下、10質量%以下、5質量%以下、1質量%以下、又は0.5質量%以下であってよい。
【0051】
本発明のまた他の側面によると、前記抽出物は、前記化学式1で表される化合物、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物、又はその溶媒和物が、抽出物の総質量を基準に、0.0001質量%以上、0.0005質量%以上、0.001質量%以上、0.005質量%以上、0.01質量%以上、0.05質量%以上、0.1質量%以上、0.5質量%以上、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、7質量%以上、10質量%以上、12質量%以上、15質量%以上、又は18質量%以上含まれたものであってよい。また、20質量%以下、15質量%以下、12質量%以下、10質量%以下、7質量%以下、5質量%以下、3質量%以下、1質量%以下、0.5質量%以下、0.1質量%以下、0.05質量%以下、0.01質量%以下、0.005質量%以下、0.001質量%以下、0.0005質量%以下、又は0.0003質量%以下含まれたものであってよい。好ましくは、前記抽出物は、前記化学式1で表される化合物、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物、又はその溶媒和物が、抽出物の総質量を基準に、0.0001質量%〜20質量%の範囲で含まれたものであってよい。
【0052】
本発明のまた他の側面によると、前記組成物の投与による前記化学式1で表される化合物、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物、又はその溶媒和物の投与量は、0.001mg/kg/日〜100mg/kg/日の範囲であってよい。前記投与量は、0.001mg/kg/日以上、0.005mg/kg/日以上、0.01mg/kg/日以上、0.05mg/kg/日以上、0.1mg/kg/日以上、0.5mg/kg/日以上、1mg/kg/日以上、5mg/kg/日以上、10mg/kg/日以上、15mg/kg/日以上、20mg/kg/日以上、25mg/kg/日以上、30mg/kg/日以上、35mg/kg/日以上、40mg/kg/日以上、45mg/kg/日以上、50mg/kg/日以上、55mg/kg/日以上、60mg/kg/日以上、65mg/kg/日以上、7mg/kg/日以上、75mg/kg/日以上、80mg/kg/日以上、85mg/kg/日以上、90mg/kg/日以上、又は95mg/kg/日以上であってよい。また、前記投与量は、100mg/kg/日以下、95mg/kg/日以下、90mg/kg/日以下、85mg/kg/日以下、80mg/kg/日以下、75mg/kg/日以下、70mg/kg/日以下、65mg/kg/日以下、60mg/kg/日以下、55mg/kg/日以下、50mg/kg/日以下、45mg/kg/日以下、40mg/kg/日以下、35mg/kg/日以下、30mg/kg/日以下、25mg/kg/日以下、20mg/kg/日以下、15mg/kg/日以下、10mg/kg/日以下、5mg/kg/日以下、1mg/kg/日以下、0.5mg/kg/日以下、0.1mg/kg/日以下、0.05mg/kg/日以下、0.01mg/kg/日以下、0.005mg/kg/日以下、又は0.003mg/kg/日以下であってよい。
【0053】
一具現例によると、前記認知機能低下は、ベータアミロイド(β−amyloid)の凝集(aggregation)、ベータアミロイドプラーク(plaque)の形成、又は脳由来神経栄養因子(brain−derived neurotrophic factor、BDNF)の発現低下及びDNMT1(DNA(cytosine-5)-methyltransferase 1)の発現増加からなる群より選ばれたいずれか一つ以上に起因するものであってよい。
【0054】
他の具現例によると、前記認知機能低下は、記憶力減退、認知減退、識別力減退、鬱病、及び健忘症からなる群より選ばれる一つ以上を含むものであってよい。
【0055】
また他の具現例によると、前記改善は、ベータ−アミロイドの凝集抑制、ベータ−アミロイドのプラーク(plaque)形成抑制、ベータ−アミロイドプラーク又は凝集したベータ−アミロイドの分解、BDNFの発現増進及びDNMT1の発現減少からなる群より選ばれた一つ以上によってなされるものであってよい。
【0056】
本発明の一実施態様によると、前記組成物は、神経細胞保護用組成物であってよい。
【0057】
他の実施態様によると、前記神経細胞保護は、ベータアミロイド(β−amyloid)の凝集(aggregation)又はプラーク(plaque)、BDNFの発現減少又はDNMT1の発現増進による影響から神経細胞を保護することであってよい。凝集したベータアミロイドは、神経細胞を損傷及び死滅させるものと知られていることから、本発明の一側面に従い、ベータアミロイドの凝集又はプラークの形成を抑制させると、神経細胞を保護することができる。また、DNMT1は、DNAメチル化を生じさせて遺伝子発現を抑制し、これにより、BDNFの発現などに問題が生じて認知能力低下も誘発される。本発明は、一側面において、DNAメチルトランスフェラーゼ1(DNA methyltransferase 1、DNMT1)活性を阻害してDNAメチル化を抑制するため、神経細胞保護による認知能力の改善及び神経退化性疾患の改善に役立つ。
【0058】
本発明の他の側面によると、前記組成物は薬学組成物又は食品組成物であってよい。一側面において、前記組成物は神経退化性疾病を予防又は治療するための薬学組成物であってよい。他の側面において、前記神経退化性疾病は、ベータアミロイド(β−amyloid)の凝集(aggregation)、BDNFの発現低下、及びDNMT1の発現増加からなる群より選ばれた一つ以上に起因するものであってよい。他の側面において、前記神経退化性疾患は、痴呆、アルツハイマー病、健忘症などを含む。
【0059】
本発明の一側面に係る前記薬学組成物は、経口、非経口、直腸、局所、経皮、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下等に投与されてよい。経口投与のための剤形は、錠剤、丸剤、軟質及び硬質カプセル剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、液剤、乳濁剤又はペレット剤であってよいが、これらに制限されるものではない。非経口投与のための剤形は、溶液剤、懸濁剤、乳液剤、ゲル、注射剤、点滴剤、坐剤、パッチ又は噴霧剤であってよいが、これらに制限されるものではない。前記剤形は、当該分野の通常的な方法に従い容易に製造することができ、界面活性剤、賦形剤、水和剤、乳化促進剤、懸濁剤、浸透圧調節のための塩又は緩衝剤、着色剤、香辛料、安定化剤、防腐剤、保存剤又はその他常用する補助剤をさらに含んでいてよい。
【0060】
本発明の一側面による前記薬学組成物の適用量又は投与量は、投与を受ける対象の年齢、性別、体重、病理状態及びその深刻度、投与経路又は処方者の判断によって異なり得る。このような因子に基づく適用量の決定は当業者の水準内にある。
【0061】
前記食品組成物の剤形は特に限定されないが、例えば、錠剤、顆粒剤、丸剤、粉末剤、ドリンク剤といった液剤、キャラメル、ゲル、バー、ティーバッグなどに剤形化されていてよい。各剤形の食品組成物は、有効成分の他、当該分野において通常的に用いられる成分を剤形又は使用目的に応じて当業者が難なく適宜選定して配合してよく、他の原料と併せて適用した場合、相乗効果が生じることがある。
【0062】
前記組成物は、単純摂取、飲用、注射投与、スプレー投与又はスクイーズ投与などの様々な方法で投与されてよい。
【0063】
本発明の一側面に係る食品組成物において、前記有効成分の投与量の決定は、当業者の水準内にあり、投与しようとする対象の年齢、健康状態、合併症などといった様々な要因に応じて異なり得る。本発明の一側面に係る食品組成物は、例えば、チューイングガム、キャラメル製品、キャンデー類、氷果子類、お菓子類などの各種の食品類、清凉飲料、ミネラルウォーター、アルコール飲料などの飲料製品、ビタミンやミネラルなどを含む健康機能性食品類であってよい。
【0064】
前記の他、本発明の一側面に係る食品組成物は、様々な栄養剤、ビタミン、鉱物(電解質)、合成風味剤及び天然風味剤などの風味剤、着色剤及び増進剤(チーズ、チョコレートなど)、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護性コロイド粘増剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に用いられる炭酸化剤などを含んでいてよい。その他、本発明の一側面に係る食品組成物は、天然果物ジュース並びに果物ジュース飲料及び野菜飲料の製造のための果肉を含んでいてよい。このような成分は、独立で、或いは組み合わせて用いていてよい。このような添加剤の割合はそれほど重要ではないが、本発明の一側面に係る組成物100質量部当たり0〜約50質量部の範囲で含まれるのが一般的である。
【0065】
以下、下記実験例及び剤形例を挙げて本明細書の構成及び効果についてより具体的に説明する。なお、これらの例は、本明細書についての理解を助けるための目的から例示したものに過ぎず、本明細書の範疇及び範囲が下記例に限定されるものではない。
【0066】
[実施例1]後発酵茶試料の製造
緑茶(Camellia sinensis var. Yabukita)葉で作った緑茶に水を添加して水分含量を40質量%に調整した。これにバチルス・サブチリス(Bacillus subtillis)5×10
6cfu/gを接種し、50℃で3日間醗酵させた後に80℃で4日間醗酵させた。
【0067】
前記熟成された茶の試料を15秒間粉砕し、メッシュサイズ1mmのステンレス篩で篩いわけした。次いで、粉砕された50mgを1.5mlのエッペンドルフ・チューブ(Eppendorf tube)に入れ、1mlの脱イオン水を添加し、60℃の恒温槽で30分間一定の速度で撹拌した後、25℃、13,000rpmで15分間遠心分離した。乾燥させた醗酵緑茶抽出物から水に溶けない部分だけを分離した。
【0068】
[実施例2]分画物の収得及び化合物の分離
前記後発酵茶試料150gをアセトンで分画してカテキン誘導体及びカフェインを除去し、他の化合物が濃縮された可溶物を収得した。前記アセトン可溶物40gに対し一次的にシリカゲルコラムクロマトグラフィーを利用して、クロロホルム:メタノールの5:1(v/v)混合物を溶媒として分画物を得た。
【0069】
カフェインが除去されたクロロホルム:メタノール5:1(v/v)分画物8.9gを大容量の高性能向流クロマトグラフィー(high−performance countercurrent chromatography、HPCCC、Dynamic Extractions Ltd、UK)を利用して分画した。このときに用いた溶媒はn−hexane−TBME(Methyl tert−butyl ether)−BuOH−MeCN−Water(0.25:3:1:1:5、v/v)とし、流速は25ml/minとした。前記条件を用いて計10個の下位分画を分け、各分画に対し、再び小容量のHPCCC(Dynamic Extractions Ltd、UK)、HPLC(High−performance liquid chromatography)、セファデックス(sephadex)LH−20コラム(GE Healthcare Bio−Sciences、Sweden)などを使用して、各分画に含有された成分を分離した。
【0070】
その結果、前記分画物からこれまで知られていない化合物である、ケンペロール3−O−[2−O’’−(E)−p−クマロイル][β−D−グルコピラノシル−(1→3)−O−α−L−ラムノピラノシル−(1→6)−O−β−D−グルコピラノシド](Kaempferol3−O−[2−O’’−(E)−p−coumaroyl][beta−D−glucopyranosyl−(1→3)−O−alpha−L−rhamnopyranosyl−(1→6)−O−beta−D−glucopyranoside])を分離することができ、
1H、
13C−NMR(nuclear magnetic resonace spectroscopy)、UV(ultraviolet spectroscopy)、ESI−MS(Electro Spray Ionization Mass Specroscopy)を用いて構造を同定して、各化合物の構造を究明した。
1H及び
13C核磁気共鳴(nuclear magnetic resonance、NMR)の場合、溶媒(solvent)としてmethanol−d3を用い、機器はBruker Advance DPX−500(BRUKER社、USA)を使用した。各化合物のMSスペクトルは、6200 Series Accurate−Mass Time−of−Flight(TOF)LC/MS(Agilent、US)を用いて分析した。
【0071】
分析の結果、前記各化合物は、これまで知られていない新規な化合物であって、C
42H
46O
22の分子量902.2481であるケンペロール3−O−[2−O’’−(E)−p−クマロイル][β−D−グルコピラノシル−(1→3)−O−α−L−ラムノピラノシル−(1→6)−O−β−D−グルコピラノシド]であると確認された。
ケンペロール3−O−[2−O’’−(E)−p−クマロイル][β−D−グルコピラノシル−(1→3)−O−α−L−ラムノピラノシル−(1→6)−O−β−D−グルコピラノシド]の化学式及びNMRデータは以下のとおりである。
【0075】
ケンペロール3−O−[2−O’’−(E)−p−クマロイル][β−D−グルコピラノシル−(1→3)−O−α−L−ラムノピラノシル−(1→6)−O−β−D−グルコピラノシド]のMSスペクトルは
図1のように示され、
1H−NMRスペクトル及び
13C−NMRスペクトルはそれぞれ
図2及び
図3のように示され、HSQC(Heteronuclear Single Quantum Coherence)スペクトルは
図4のように示され、HMBC(Heteronuclear Multiple−Bond Coherence)スペクトルは
図5のように示された。
【0076】
[実験例1]ベータアミロイド凝集効能の実験
前記ケンペロール3−O−[2−O’’−(E)−p−クマロイル][β−D−グルコピラノシル−(1→3)−O−α−L−ラムノピラノシル−(1→6)−O−β−D−グルコピラノシド]のベータ−アミロイド凝集阻害効果を蛍光分析法(Thioflavin T assay)で確認した。
【0077】
具体的に、ベータ−アミロイド(Aβ1−42、AnaSpec Inc、USA)を入手して0.1mg/mlの濃度で使用し、使用の前に−80℃で保管した。DMSOにモリン(Morin、20μM)、フェノールレッド(Phenol Red、20μM)、ケンペロール3−O−[2−O’’−(E)−p−クマロイル][β−D−グルコピラノシル−(1→3)−O−α−L−ラムノピラノシル−(1→6)−O−β−D−グルコピラノシド](1mg/ml)のそれぞれを希釈して前記濃度に調節した。
【0078】
Aβ1−42凝集抑制度合いを特定するために、0.01Mリン酸ソーダ緩衝溶液50μlに前記濃度で用意したそれぞれの化合物を10μMになるように希釈した後、0.1mg/mlのAβ1−42を40μl加えた後、2mMチオフラビンT(Thioflavin T)10μlを加え、37℃・5分間隔で150分間分光蛍光光度計(RF−5300PC、SHIMADZU CORPORATION、Japan)で蛍光を測定した。
【0079】
その結果は、下の表2及び
図6のように示された。
【0081】
前記表中のRFUは、relative fluorescence unitであり、「Increased RFU」は凝集したベータアミルロイドの量を表し、「Increased RFU(% of Pos.Cont.)」は凝集したベータアミルロイドの量の陽性対照群に対する百分率の値を表す。「新規物質33」はケンペロール3−O−[2−O’’−(E)−p−クマロイル][β−D−グルコピラノシル−(1→3)−O−α−L−ラムノピラノシル−(1→6)−O−β−D−グルコピラノシド]を表す。
【0082】
すなわち、陽性対照群(positive control、「Pos.Cont.」と表し、化合物の処理なしにベータアミルロイドだけを凝集させたもの)の凝集を100%としたとき、ケンペロール3−O−[2−O’’−(E)−p−クマロイル][β−D−グルコピラノシル−(1→3)−O−α−L−ラムノピラノシル−(1→6)−O−β−D−グルコピラノシド]は陽性対照群に比べ23.0%程度凝集を抑制する効果を示した。この結果は、これまで知られた抑制剤であるモリン(Morin)(21.4%)、フェノールレッド(6.4%)よりも優れたベータアミルロイド凝集抑制及びプラーク形成抑制効能があることを示す。したがって、前記二種の化合物は、前記のような効能を持っているところ、ベータアミロイド凝集に関連した認知機能低下の予防、治療、及び改善に用いられ得る。また、ベータアミロイド凝集などによる神経細胞損傷又は死滅を予防、防止、及び抑制することができ、これにより神経細胞を保護することができる。
【0083】
[実験例2]皮膚累積刺激の実験
前記ケンペロール3−O−[2−O’’−(E)−p−クマロイル][β−D−グルコピラノシル−(1→3)−O−α−L−ラムノピラノシル−(1→6)−O−β−D−グルコピラノシド]の皮膚累積刺激性の有無を確認し、皮膚に使用できる濃度範囲を算出するために、HRIPT(Human repeated insult patch tests)を実施した。
【0084】
具体的に、健康な成人被験者15人を無作為に選定し、前記化合物が0.5質量%、1質量%、3質量%ずつ含まれた試験用組成物(前記化合物の他、乳化剤、安定化剤、精製水などを含む皮膚用組成物)をチャンバ(IQ chamber、Epitest Ltd、フィンランド)当り20μlずつ滴下し、被験者の背中の右上側部位に貼布してから24時間経過したときに新しい貼布に取り替えた。このような方法で、1週間に3回ずつ計3週間9回の貼布を行いながら毎回貼布の前後の皮膚反応を検査し、最終の貼布を除去してから48時間までの間の皮膚反応を確認し、その平均反応度を求めた。
【0085】
その結果は、下の表3のとおりである。
【0087】
前記皮膚反応は、国際接触皮膚炎研究班(ICDRG;International Contact Dermatitis RESEARCH Group)の基準に従って判定した。前記表において「新規物質33」は、ケンペロール3−O−[2−O’’−(E)−p−クマロイル][β−D−グルコピラノシル−(1→3)−O−α−L−ラムノピラノシル−(1→6)−O−β−D−グルコピラノシド]を示す。すなわち、前記物質は、前記含量範囲でいずれも(−)反応度を示し(±、+、++、又は+++反応度を示した被験者なし)、これより、前記物質は皮膚累積刺激がなく、皮膚に安全に使用できることが分かった。
【0088】
[実験例3]細胞内BDNF(脳由来神経栄養因子、brain−derived neurotrophic factor)及びDNMT1(DNA(cytosine−5)−methyltransferase 1)の発現量の確認
前記新規物質33が細胞内でも効能を奏するかを確認した。
【0089】
具体的に、SH−SY5Y(神経母細胞種、韓国細胞株銀行)細胞株を6ウェルプレート(well plate、FALCON)にウェル当たり2×10
6ずつシードし(seeding)、37℃で24時間、5%CO2インキュベーターで培養後、GCG 10μM、EGCG 10μM、既存の緑茶抽出物(green tea extract、GTE)10μg/ml、前記「新規物質33」10μg/ml、陽性対照群として5−Aza−2’deoxycytidine(5−Aza、Sigma−aldrich)1μMで処理して、24時間さらに培養した。しかる後、培地をすべて除去し、RNA抽出キット(RNeasy mini kit、Quiagen社)を利用してRNAを抽出した。抽出したmRNAを、紫外線検出器(TECAN社)を利用して定量後、1μgのmRNAをキット(SuperScript VILO cDNA Synthesis Kit、Thermofisher scientific社)を利用して相補的なDNAに合成した。約1μgの相補的なDNAを取り、Taqman probe(Life technology社)とQuantitect Probe PCR Kit(Quiagen社)を利用してリアルタイム定量連鎖重合反応を行った。これにより、BDNF及びDNMT1の発現量を確認した。このとき、補正基準mRNAとしては、housekeeping geneであるGAPDHを用いた。
【0090】
BDNF及びDNMT1の発現量を、それぞれ表5及び表6に表した。
【0093】
新規物質33はDNMT1の発現を低減させ、且つBDNFの発現を増加させるため、前記化合物は神経細胞損傷又は死滅を予防、防止、及び抑制することができ、これにより、神経細胞保護及び神経退化性疾患の予防及び改善を図ることができる。
【0094】
以下、本発明の一側面に係る組成物の剤形例について説明するが、本発明の範囲がこれらに限定されるものではない。
【0095】
[剤形例1]軟質カプセル剤
ケンペロール3−O−[2−O’’−(E)−p−クマロイル][β−D−グルコピラノシル−(1→3)−O−α−L−ラムノピラノシル−(1→6)−O−β−D−グルコピラノシド]20mg、L−カルニチン80〜140mg、大豆油180mg、パーム油2mg、植物性硬化油8mg、黄蝋4mg及びレシチン6mgを混合し、通常の方法に従い1カプセルに充填して軟質カプセル剤を製造した。
【0096】
[剤形例2]錠剤
ケンペロール3−O−[2−O’’−(E)−p−クマロイル][β−D−グルコピラノシル−(1→3)−O−α−L−ラムノピラノシル−(1→6)−O−β−D−グルコピラノシド]30mg、ガラクトオリゴ糖200mg、乳糖60mg及び麦芽糖140mgを混合して流動層乾燥機を利用して顆粒した後、糖エステル(sugar ester)を6mg添加して、打錠機で打錠して錠剤を製造した。
【0097】
[剤形例3]顆粒剤
ケンペロール3−O−[2−O’’−(E)−p−クマロイル][β−D−グルコピラノシル−(1→3)−O−α−L−ラムノピラノシル−(1→6)−O−β−D−グルコピラノシド]50mg、無水結晶ブドウ糖250mg及び澱粉550mgを混合し、流動層造粒機を使用して顆粒に成形した後、包に充填して顆粒剤を製造した。
【0098】
[剤形例4]ドリンク剤
ケンペロール3−O−[2−O’’−(E)−p−クマロイル][β−D−グルコピラノシル−(1→3)−O−α−L−ラムノピラノシル−(1→6)−O−β−D−グルコピラノシド]20mg、ブドウ糖10g、クエン酸0.6g、及び液状オリゴ糖25gを混合した後、精製水300mlを加えて各瓶に200mlずつ充填する。瓶に充填した後、130℃で4〜5秒間殺菌してドリンク剤を製造した。
【0099】
[剤形例5]注射剤
ケンペロール3−O−[2−O’’−(E)−p−クマロイル][β−D−グルコピラノシル−(1→3)−O−α−L−ラムノピラノシル−(1→6)−O−β−D−グルコピラノシド]50mg、適量の注射用滅菌蒸留水、適量のpH調節剤を用いて通常的な方法に従い注射剤を製造した。
【0100】
[剤形例6]健康食品
下記の表6に記載された組成にて通常の方法に従い健康食品を製造した。
【0102】
前記ビタミン及び無機質混合物の組成比は、比較的に健康食品に適合した成分を例にして混合組成したが、その配合比を任意に変形実施しても構わなく、通常の健康食品の製造方法に従い前記成分を混合した後、通常の方法に従い健康食品の組成物の製造に用いてもよい。
【0105】
前記表7のように総体積900mlになるように残量の精製水を添加して通常の健康飲料の製造方法に従い前記成分を混合してから約1時間85℃で撹拌加熱し、これにより調製された溶液をろ過して得られたろ液を滅菌された2リットルの容器に入れて密封滅菌した後に冷蔵保管して健康飲料を製造した。
【0106】
以上、本明細書の特定の実施例などを詳しく記述したが、当業界の通常の知識を有する者にとってこのような具体的な記述は単に好適な具現例であるに過ぎず、これによって本明細書の範囲が制限されるものではないことは明白であろう。したがって、本明細書の実質的な範囲は添付の請求項とその等価物によって定義されるといえよう。