特許第6974474号(P6974474)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6974474医療処置において機械可読情報を使用するシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6974474
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】医療処置において機械可読情報を使用するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 90/96 20160101AFI20211118BHJP
   A61B 90/94 20160101ALI20211118BHJP
【FI】
   A61B90/96
   A61B90/94
【請求項の数】22
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2019-536043(P2019-536043)
(86)(22)【出願日】2017年1月20日
(65)【公表番号】特表2020-506740(P2020-506740A)
(43)【公表日】2020年3月5日
(86)【国際出願番号】IB2017050317
(87)【国際公開番号】WO2018134643
(87)【国際公開日】20180726
【審査請求日】2019年7月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(72)【発明者】
【氏名】サムエル ソト サントス
【審査官】 近藤 利充
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−523132(JP,A)
【文献】 特開2002−355257(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0029320(US,A1)
【文献】 特開平05−215969(JP,A)
【文献】 特表2009−502337(JP,A)
【文献】 特開2013−090722(JP,A)
【文献】 米国特許第04947867(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/00 − 90/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療システムの1つ又は複数部分に通信可能に結合された処理システムであって、前記処理システムは、
カメラを介して画像を受信するように動作可能であるプロセッサー;および
前記プロセッサーに結合され、前記プロセッサーによって実行される命令を記憶するように動作可能であるメモリを含む、処理システムであって;
前記処理システムは、前記プロセッサーが前記命令を実行するとき、
前記カメラを介して受信された前記画像の少なくとも1つから受信した機械可読情報を取得し;
前記機械可読情報を処理して、前記機械可読情報からの患者データを決定し;
前記患者データに基づいて、前記医療システムを使用する医療処置を決定し;
前記医療処置が許可されたかどうかを決定し、前記プロセッサーが、前記医療処置が許可されたと決定する場合、前記プロセッサーは、前記医療処置に対する前記医療システムの1つ又は複数の第1の部分の使用を許可し、前記プロセッサーが、前記医療処置が許可されなかったと決定する場合、前記プロセッサーは、前記医療システムの1つ又は複数の第2の部分の機能を許可しない;
少なくとも1つの計画された処置ステップを指示するユーザ入力を受信し;
前記医療処置が前記少なくとも1つの計画された処置ステップを組み込んでいるかどうかを決定する
ように動作可能とされており、
前記機械可読情報は、前記医療処置のための患者の方向を含んでおり、かつ、前記機械可読情報は、前記医療処置の間に患者が装着する衣料品に配置されている、処理システム。
【請求項2】
前記プロセッサーが前記命令を実行するとき、前記医療処置が前記少なくとも1つの計画された処置ステップを組み込んでいる場合には、前記処理システムは、さらに、前記画像の少なくとも一部分をディスプレイに提供するように動作可能である、請求項1に記載の処理システム。
【請求項3】
前記プロセッサーが前記命令を実行するとき、前記医療処置が前記少なくとも1つの計画された処置ステップを組み込んでいない場合には、前記処理システムは、さらに、エラー情報ディスプレイに提供するように動作可能である、請求項1または2に記載の処理システム。
【請求項4】
前記プロセッサーが前記命令を実行するとき、前記医療処置が前記少なくとも1つの計画された処置ステップを組み込んでいない場合には、前記処理システムは、さらに、前記処理システムに結合された前記医療システムの少なくとも前記第2の部分の動作を回避するように動作可能である、請求項1、2、および3のいずれか一項に記載の処理システム。
【請求項5】
前記医療システムの前記第2の部分は、前記医療システムの前記第1の部分と同じである、請求項4に記載の処理システム。
【請求項6】
前記カメラを含む顕微鏡をさらに含む、請求項1、2、3、4、および5のいずれか一項に記載の処理システム。
【請求項7】
前記機械可読情報はバーコードを含む、請求項1、2、3、4、5、および6のいずれか一項に記載の処理システム。
【請求項8】
前記プロセッサーが前記命令を実行するとき、前記処理システムは、さらに、前記機械可読情報の少なくとも一部分を認証するように動作可能である、請求項1、2、3、4、5、6、および7のいずれか一項に記載の処理システム。
【請求項9】
前記プロセッサーが前記命令を実行するとき、前記処理システムは、さらに:
前記機械可読情報の向きが1つ以上の規則に従っているかどうかを決定し;
前記機械可読情報の前記向きが前記1つ以上の規則に従っている場合には、前記医療システムの前記少なくとも前記第1の部分の動作を許可し;および
前記機械可読情報の前記向きが前記1つ以上の規則に従っていない場合には、前記医療システムの前記少なくとも前記第1の部分の動作を回避するように動作可能である、請求項1、2、3、4、5、6、7、および8のいずれか一項に記載の処理システム。
【請求項10】
前記処理システムが、前記機械可読情報に基づいて前記患者データを決定するとき、前記処理システムは、記憶装置から前記患者データの少なくとも一部分を検索する、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、および9のいずれか一項に記載の処理システム。
【請求項11】
前記記憶装置はネットワークに結合され;および
前記処理システムが、前記記憶装置から前記患者データの前記少なくとも前記一部分を検索するとき、前記処理システムは、前記ネットワークを介して、前記記憶装置から前記患者データの前記少なくとも前記一部分を検索する、請求項10に記載の処理システム。
【請求項12】
処理システムが、医療処置を確認する方法であって、
前記方法は、前記処理システムが、
カメラによって画像を取得すること;
前記画像のうちの少なくとも1つの画像を処理して、前記少なくとも1つの画像の機械可読情報に基づいて患者データを決定すること;
前記患者データに基づいて、医療システムを使用する医療処置を決定すること;
前記医療処置が許可されたかどうかを決定することであって、前記医療処置が許可された場合、前記医療処置に対する前記医療システムの使用を許可すること、前記医療処置が許可されなかった場合、前記医療システムの1つ又は複数の部分の機能を許可しないこと;
少なくとも1つの計画された処置ステップを指示するユーザ入力を受信すること;
前記医療処置が前記少なくとも1つの計画された処置ステップを組み込んでいるかどうかを決定すること、を実行することを含み
前記機械可読情報は、前記医療処置のための患者の方向を含んでおり、かつ、前記機械可読情報は、前記医療処置の間に患者が装着する衣料品に配置されている、方法。
【請求項13】
前記医療処置が前記少なくとも1つの計画された処置ステップを組み込んでいる場合には、前記画像の少なくとも一部分をディスプレイに提供することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記医療処置が前記少なくとも1つの計画された処置ステップを組み込んでいない場合には、エラー情報ディスプレイに提供することをさらに含む、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記医療処置が前記少なくとも1つの計画された処置ステップを組み込んでいない場合には、前記医療システムの少なくとも第2の部分の動作を回避することをさらに含む、請求項12、13、および14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記医療システムの第2の部分は、前記医療システムの第1の部分と同じである、請求項12、13、14、および15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
顕微鏡が前記カメラを含む、請求項12、13、14、15、および16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記機械可読情報はバーコードを含む、請求項12、13、14、15、16、および17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記機械可読情報の少なくとも一部分を認証することをさらに含む、請求項12、13、14、15、16、17、および18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記機械可読情報の向きが1つ以上の規則に従っているかどうかを決定すること;
前記機械可読情報の前記向きが前記1つ以上の規則に従っている場合には、前記医療システムの少なくとも第1の部分の動作を許可すること;および
前記機械可読情報の前記向きが前記1つ以上の規則に従っていない場合には、前記医療システムの前記少なくとも前記第1の部分の動作を回避すること
をさらに含む、請求項12、13、14、15、16、17、18、および19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
記憶装置から前記患者データの少なくとも一部分を検索して、前記患者データを決定することをさらに含む、請求項12、13、14、15、16、17、18、19、および20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記記憶装置はネットワークに結合され;および
前記記憶装置から前記患者データの前記少なくとも前記一部分を検索して、前記患者データを決定することは、前記ネットワークを介して、前記記憶装置から前記患者データの前記少なくとも前記一部分を検索することを含む、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療処置における品質保証に関し、より詳細には、医療処置を備える患者情報、または医療処置の工程要素を認証するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、患者記録などの患者の情報は、通常、紙に印刷されており、および患者に物理的に取り付けられてはいなかった。これは、間違った患者記録を得る恐れを高めていた。例えば、患者が1個所から別の箇所へ動いたとき、間違った患者記録を得る恐れが高まった。例えば、いくつかの医療処置では、患者は、1つの医療施設(例えば、診療所)から別の医療施設(例えば、外科施設)へ移動する。
【0003】
さらに、医療処置のいくつもの工程要素が増加するため、および/または医療処置の2つ以上の工程要素の間には長い時間が挟まれるため、エラーの可能性も高まり得る。例えば、医療処置の工程要素のそれぞれが、それ自体のエラーの機会を取り込み、および医療処置の工程要素の数が増えるため、総合的に医療処置のエラーの機会も増える。
【0004】
さらに、患者識別のプロセスが、エラーの可能性を取り込み得る。例えば、患者の1つ以上の部分が、医療処置の間、視界から見えないようにされ得る。例えば、患者の顔の1つ以上の部分は、外科的処置の間、覆われ得る。これはまた、患者の体の1つ以上の部分の間違った向き(例えば、位置決め)によって、エラーの可能性を取り込み得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、カメラを介して画像を受信できるプロセッサーと、プロセッサーに結合され、プロセッサーによって実行できる命令を記憶できるメモリとを含む、システムを提供する。システムは、プロセッサーが命令を実行するとき、カメラを介して受信された画像のうちの少なくとも1つから受信した機械可読情報を取得すること、機械可読情報を処理して、機械可読情報からの患者データを決定すること、患者データに基づいて医療処置を決定すること、システムに結合された医療器具の少なくとも第1の部分の使用を許可すること、少なくとも1つの計画された処置ステップを指示するユーザ入力を受信すること、医療処置が少なくとも1つの計画された処置ステップを含むかどうかを決定することができるとし得る。
【0006】
本開示は、さらに、システムによって実施されるときに、システムに上記のステップを実行させる命令を備える、非一時的な(non−transient)コンピュータ可読メモリ機器を含み得る。
【0007】
本開示は、さらに、以下の追加的な特徴の1つ以上を備える上述のようなシステムまたは非一時的なコンピュータ可読メモリ機器を含み、これらは、互いに明白に相互排他的ではない限り、組み合わせて使用され得る:i)プロセッサーが命令を実行するとき、システムは、さらに、医療処置が少なくとも1つの計画された処置ステップを組み込んでいる場合には、画像の少なくとも一部分をディスプレイに提供できてもよい;ii)プロセッサーが命令を実行するとき、システムは、さらに、医療処置が少なくとも1つの計画された処置ステップを組み込んでいない場合には、エラー情報をディスプレイに提供できてもよい、iii)機械可読情報は、医療処置の間、患者によって装着される衣料品に配置され得る;iv)プロセッサーが命令を実行するとき、システムは、さらに、医療処置が少なくとも1つの計画された処置ステップを組み込んでいない場合には、システムに結合された医療器具の少なくとも第2の部分の動作を回避できてもよい;v)医療器具の第2の部分は、医療器具の第1の部分と同じとし得る;vi)システムは、さらに、カメラを含む顕微鏡を含み得る;vii)機械可読情報はバーコードを含み得る;vii)プロセッサーが命令を実行するとき、システムは、さらに、機械可読情報の少なくとも一部分を認証できてもよい;viii)プロセッサーが命令を実行するとき、システムは、さらに、機械可読情報の向きが1つ以上の規則に従っているかどうかを決定できてもよく、機械可読情報の向きが1つ以上の規則に従っている場合には、医療器具の少なくとも第1の部分の動作を許可し、および機械可読情報の向きが1つ以上の規則に従っていない場合には、医療器具の少なくとも第1の部分の動作を回避する;ix)システムが、機械可読情報に基づいて患者データを決定するとき、システムは、記憶装置から患者データの少なくとも一部分を検索してもよい;x)記憶装置は、ネットワークに結合され得、およびシステムが、記憶装置から患者データの少なくともその部分を検索するとき、システムは、ネットワークを介して記憶装置から患者データの少なくともその部分を検索し得る。
【0008】
本開示は、さらに、医療処置を確認する方法を含み、方法は、カメラによって画像を取得すること、複数の画像のうちの少なくとも1つの画像を処理して、少なくとも1つの画像の機械可読情報に基づいて、患者データを決定すること、患者データに基づいて医療処置を決定すること、医療器具の少なくとも第1の部分の使用を許可すること、少なくとも1つの計画された処置ステップを指示するユーザ入力を受信すること、医療処置が少なくとも1つの計画された処置ステップを組み込んでいるかどうかを決定することを含む。
【0009】
本開示は、さらに、以下の追加的な特徴の1つ以上を備える上述のような方法を含み、これらは、互いに明白に相互排他的ではない限り、組み合わせて使用され得る:i)方法は、さらに、医療処置が少なくとも1つの計画された処置ステップを組み込んでいる場合には、画像の少なくとも一部分をディスプレイに提供することを含み得る;ii)方法は、さらに、医療処置が少なくとも1つの計画された処置ステップを組み込んでいない場合には、エラー情報をディスプレイに提供することを含み得る;iii)機械可読情報は、医療処置の患者によって装着される衣料品に配置される;iv)方法は、医療処置が少なくとも1つの計画された処置ステップを組み込んでいない場合には、さらに、医療器具の少なくとも第2の部分の動作を回避することを含み得る;v)医療器具の第2の部分は、医療器具の第1の部分と同じとし得る;vi)顕微鏡はカメラを含み得る;vii)機械可読情報はバーコードを含み得る;viii)方法は、さらに、機械可読情報の少なくとも一部分を認証することを含み得る;ix)方法は、さらに、機械可読情報の向きが1つ以上の規則に従っているかどうかを決定し、機械可読情報の向きが1つ以上の規則に従っている場合には、医療器具の少なくとも第1の部分の動作を許可し、および機械可読情報の向きが1つ以上の規則に従っていない場合には、医療器具の少なくとも第1の部分の動作を回避することを含み得る;x)方法は、さらに、記憶装置から患者データの少なくとも一部分を検索して、患者データを決定することを含み得る;xi)記憶装置はネットワークに結合され得、および記憶装置から患者データの少なくともその部分を検索して患者データを決定することは、ネットワークを介して、記憶装置から患者データの少なくともその部分を検索することを含み得る。
【0010】
上述のシステムのいずれかは、上述の方法のいずれかを実行できてよく、および上述の非一時的なコンピュータ可読メモリ機器のいずれかは、システムに、上述の方法のいずれかを実行させることができてよい。上述の方法のいずれかは、上述のシステムのいずれかで、または上述の非一時的なコンピュータ可読メモリ機器のいずれかを使用して、実施され得る。
【0011】
本開示およびその特徴および利点をより完全に理解するために、ここで、縮尺通りではない添付図面と併せて、以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】1つ以上の実施形態による、医療処置において使用され得る医療システムを示す。
図2A】1つ以上の実施形態による処理システムを示す。
図2B】1つ以上の実施形態による、処理システムを含む医療システムのブロック図を提供する。
図2C】1つ以上の実施形態による、処理システムに通信可能に結合された医療システムのブロック図を提供する。
図2D】1つ以上の実施形態による、ネットワークを介して処理システムに通信可能に結合された医療システムのブロック図を提供する。
図3A】1つ以上の実施形態による、カメラを含む携帯型医療スタッフ機器のブロック図を提供する。
図3B】1つ以上の実施形態による、光学的取得機器に通信可能に結合された携帯型医療スタッフ機器のブロック図を提供する。
図4】1つ以上の実施形態による、機械可読情報を含むヘッドバンドとして供される衣料品を示す。
図5】1つ以上の実施形態による、機械可読情報を含むキャップまたは帽子として供される衣料品を示す。
図6】1つ以上の実施形態による、様々な位置に機械可読情報を含む手術着のシャツとして供される衣料品を示す。
図7】1つ以上の実施形態による、様々な位置に機械可読情報を含む手術着のズボンおよび検査用半ズボンとして供される衣料品を示す。
図8】1つ以上の実施形態による、印刷プロセスおよびシステムのブロック図を提供する。
図9】1つ以上の実施形態による、医療処置に関連する機械可読情報を提供する方法を示す。
図10】1つ以上の実施形態による、患者に関連する機械可読情報の処理方法を示す。
図11】1つ以上の実施形態による、患者および機械可読情報の向きに関連する機械可読情報の処理方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明では、開示の主題の説明を容易にするために、例として詳細が説明される。しかしながら、当業者には、この説明は例示にすぎず、全ての可能性を包括するものではないことが明らかである。
【0014】
本明細書では、参照符号とそれに続く文字は、要素の特定の事例を指し、および参照符号の符号のみの形態は、集合的な要素を指す。それゆえ、例えば、機器「12a」は、機器の種類の例を指し、これは、集合的に機器「12」と呼ばれることがあり、およびそのいずれか1つが、一般的に機器「12」と呼ばれ得る。
【0015】
機械可読情報は、医療処置において使用される衣料品に印刷および/または配置され得る。例えば、機械可読情報は、患者および/または医療関係者によって装着される衣料品に印刷および/または配置され得る機械可読マーキングを含み得る。機械可読情報は、治療前、治療中、および/または治療後に患者によって装着される衣料品に印刷および/または配置され得る患者および/または治療情報を含み、患者の識別情報を提供し得るおよび/または患者治療情報を提供し得る。
【0016】
機械可読情報を処理する1つ以上のデータ処理システムを使用することによって、治療前、治療中、および/または治療後のいくつかの間違いおよび/またはエラーを少なくし得るまたはなくし得る。例えば、機械可読情報は、医療処置のために、患者によって装着される衣料品に印刷および/または配置された1つ以上の光コードを含み得、および医療関係者によって使用される機器は、1つ以上の光コードを読み取り得る。1つ以上の光コードは、治療を指示し、および特に、患者、インプラント、および医療器械のうちの1つ以上の向きを指図および/または設定し得る。1つ以上の光コードは、認証情報を提供し得る、および/または認証プロセスにおいて使用され得、これにより、不正行為を少なくし得るおよび/またはなくし得る。
【0017】
患者によって装着される衣料品は、使い捨てとしてもよく、および機械可読情報は、使い捨ての衣料品に印刷および/または配置され得る。例えば、機械可読情報は、使い捨ての衣料品に印刷および/または配置され得る1つ以上の光コードを含み得る。患者によって装着される衣料品は、再使用可能としてもよく、および機械可読情報は、媒体に印刷および/または配置され、その後、再使用可能な衣料品に接着され得る。例えば、1つ以上の光コードは、紙、布、またはプラスチック媒体に印刷および/または配置され、および留め具を備える再使用可能な衣料品に留められ得る。留め具は接着剤を含み得る。留め具は、特に、クリップおよび安全ピンのうちの1つ以上を含み得る。
【0018】
機械可読情報は、治療の選択および/または応用に役立ち得るおよび/またはそれを支援し得る。一例では、1つ以上の光コードは、医療処置を指示し得、および患者情報は、検索されて、医療処置において使用される1つ以上の医療機器に提供され得る。別の例では、医療処置は、眼の医療処置を含み得、および特に、患者の眼の画像、半径、急勾配軸および扁平軸(steep and flat axes)の角膜曲率、縁の位置および直径、瞳孔の位置および直径、および角膜反射位置のうちの1つ以上が、検索されおよび/または外科用顕微鏡に提供されて、基準および顕微鏡画像を表示し得、これにより、外科医が、眼球の側方へのおよび回転する動きを考慮できるようにし得る。
【0019】
ここで図面を参照すると、図1には、1つ以上の実施形態に従って、医療処置において使用され得る医療システム100を示している。図1は、特定の医療器具を含むが、医療システム100は、それよりも少ない器具を含んでも、または、追加的な器具を含んでもよい。例えば、医療システム100は、図示の器具を使用しないかもしれないおよび/または具体的には図示しない他の器具を含むかもしれない、1つ以上の特定の医療処置用に構成され得る。
【0020】
図示の通り、患者110は、台115によって支持され得る。台115は、可動の台として示されているが、台115は、床に固定されていても、または床に実質的に固定されていてもよい(例えば、簡単には動かされない)。患者110は、医療処置を受けるところである。一例では、医療処置は白内障手術を含み得る。第2の例では、医療処置はレーザ眼科手術を含み得る。別の例では、医療処置は角膜移植を含み得る。開示の手術の例は包括的ではなく、他のタイプの手術が、本明細書で開示される方法およびシステムを使用してもよい。
【0021】
図示の通り、医療システムは、顕微鏡120を含み得る。顕微鏡120は、顕微鏡一体型ディスプレイ(MID:microscope integrated display)とし得るまたはそれを含み得る。一例では、顕微鏡120は、医療処置の間に使用され得る医療情報によって、患者の1つ以上の画像を拡大し得る。別の例では、顕微鏡120は、情報を外科医または他の医療関係者に表示してもよく、これにより、外科医または他の医療関係者が、手術を中断することなく、患者の医療データを見ることができるようにする。
【0022】
顕微鏡120はカメラを含み得る。一例では、カメラは、患者110の1つ以上の画像を取得し得る。別の例では、カメラは、患者110によって装着されているおよび/または患者110に付着されている衣料品125の1つ以上の画像を取得し得る。図示の通り、衣料品125は、患者110によって装着されているおよび/または患者110に付着されているヘッドバンドとし得るまたはそれを含み得る。衣料品125は、図示の通り、ヘッドバンドとし得るまたはそれを含み得るが、衣料品125は、患者110によって装着されているおよび/または患者に付着されている他のアイテムおよび/または衣料品とし得るまたはそれを含み得る。例えば、衣料品125は、特に、手術着のズボン、包帯、手術着のシャツ、1つ以上のソックス、1つ以上のスリッパ、患者のガウン、検査用ケープ、検査用半ズボン、またはローブとし得るまたはそれを含み得る。
【0023】
衣料品125は、患者110に関連付けられる機械可読情報130を含み得る。一例では、機械可読情報130は、バーコードなどの機械可読マーキングとし得るまたはそれを含み得る。バーコードは一次元バーコードとし得る。バーコードは多次元バーコードとし得る。別の例では、機械可読情報130は、シンボルとし得るまたはそれを含み得る。シンボルは、書き言葉の文字(例えば、英語、ドイツ語、フランス語、中国語、ロシア語など)とし得るまたはそれを含み得、これは、光文字認識(OCR)プロセスおよび/またはシステムによって処理され得る。
【0024】
機械可読情報130は、患者110に関連する情報を記憶するために使用され得る。一例では、患者110に関連する情報は、患者110に関連する識別情報を含み得る。識別情報は、特に、氏名、誕生日、および政府識別情報のうちの1つ以上を含み得る。第2の例では、患者110に関連する情報は、患者110に関連する医療情報を含み得る。患者110に関連する医療情報は、特に、医療処置、投薬リスト、医療処置の対象である患者110の部分、1つ以上の薬物アレルギー、診断、および医療処置のための患者110の向きのうちの1つ以上を含み得る。別の例では、患者110に関連する情報は、索引付け情報を含み得る。索引付け情報は、患者110に関連する情報を記憶するデータベースおよび/または記憶装置に索引を付けるために使用され得る。索引付け情報は、鍵として使用され得るまたは鍵を形成するために使用され得、鍵は、患者110に関連する情報を記憶するデータベースおよび/または記憶装置から、患者110に関連する情報を検索するために使用され得る。
【0025】
機械可読情報130は、任意の種類の支持媒体形式(例えば、紙、布、プラスチックカード、ステッカーなど)上の患者記録の一部として印刷および/または配置され得る。例えば、機械可読情報130は、バーコードおよび/またはカスタム光コードおよび/またはマーキングを含み得る。医療現場において使用される機器は、機械可読情報130を取得し得るカメラを含み得、および機器は、機械可読情報130を処理して、患者の治療および/または医療処置を選択し得る。
【0026】
機械可読情報130を取得し得るカメラは、入ってくる光子を電荷および/または電気信号に変換する1つ以上のデジタルイメージセンサーを含み得る。一例では、1つ以上のデジタルイメージセンサーは、1つ以上の電荷結合素子(CCD)を含み得る。別の例では、1つ以上のデジタルイメージセンサーは、1つ以上の相補型金属酸化膜半導体(CMOS)素子を含み得る。
【0027】
図示の通り、衣料品125は、向き情報135〜145などの向き情報を含み得る。図示の通り、向き情報135は、患者125の足に対する衣料品125の適切な方向に関して、衣料品125の向き決定に役立ってもよく、および向き情報140は、患者110の頭部に対する衣料品125の適切な方向に関して、衣料品125の向き決定に役立ってもよい。具体的には図示しないが、衣料品125は、前向きまたは後向きを指示する向き情報を含み得る。図示の通り、衣料品125は、衣料品125を患者110に割り当てるのに使用され得る氏名情報150を含み得る。具体的には図示しないが、誕生日などの他のマーキングが、衣料品125を患者110に割り当てるのに使用され得る。向き情報145は、特に、医療処置において使用される器械およびインプラントの1つ以上の向き決定に役立ち得る。
【0028】
図示の向き情報は、いくつかの態様においては特定的とし得るが、向き情報は、1人以上の医療関係者に対して、変更され得るおよび/または異なる向きにされ得る。一例では、一人目の医師は、上位(superior position)によって手術を行い得る。第2の例では、二人目の医師は、患者110の一方の側部または患者110のもう一方の側部など、側頭位(temporal position)によって手術を行い得る。別の例では、三人目の医師は、患者110に対して任意の角度にあるなどの斜位(oblique position)によって手術を行い得る。
【0029】
図示の通り、医療システム100はディスプレイ155および160を含み得る。顕微鏡120はディスプレイ155を含み得る。例えば、ディスプレイ155は、顕微鏡120用のヘッドアップディスプレイとし得るまたはそれを含み得る。ディスプレイ160は、顕微鏡120によって取得された画像を表示し得る。例えば、他の医療関係者および/または医学生は、ディスプレイ160を使用して、顕微鏡120によって取得された画像を見てもよい。ディスプレイ160は、患者110に関連する情報を表示し得る。例えば、ディスプレイ160は、患者110のバイタルサインを提供し得る。
【0030】
医療システム100と関連するプロセッサーは、機械可読情報130を処理し、かつ医療システム100を使用する医療処置が正当と認められたかおよび/または許可されたかを決定し得る。プロセッサーが、医療システム100を使用する医療処置が正当と認められたおよび/または許可されたと決定する場合、プロセッサーは、医療処置に対する医療システム100の使用を許可し得る。プロセッサーが、医療システム100を使用する医療処置が正当と認められなかったおよび/または許可されなかったと決定する場合、プロセッサーは、医療システム100の1つ以上の部分の機能を許可しないかもしれない。一例では、プロセッサーは、顕微鏡120および/またはディスプレイ155の機能を許可しないかもしれない。別の例では、プロセッサーは、顕微鏡120および/またはディスプレイ155の機能を許可しないかもしれないが、プロセッサーは、ディスプレイ160が患者110のバイタルサインを提供することを許可し得るかまたは許可し続け得る。
【0031】
医療システム100と関連するプロセッサーは、機械可読情報130を処理し、かつ機械可読情報130の向きが1つ以上の規則に従っているかどうかを決定し得る。例えば、1つ以上の規則は、機械可読情報130が顕微鏡120に関して特定の方法で位置合わせされることを規定し得る。機械可読情報130が患者110に取り付けられているとき、1つ以上の規則は、患者110が顕微鏡120に関して特定の方法で位置合わせされることを効果的に規定し得る。1つ以上の位置合わせの規則は、顕微鏡120に関して機械可読情報130の傾き、ロール、方位角、およびヨーのうちの1つ以上を含み得る。
【0032】
そのようなものとして、プロセッサーが、医療処置で、機械可読情報130の向きが1つ以上の規則に従っていると決定する場合、プロセッサーは、医療処置に対する医療システム100の使用を許可し得る。プロセッサーが、機械可読情報130の向きが1つ以上の規則に従っていないと決定する場合、プロセッサーは、医療システム100の1つ以上の部分の機能を許可しないかもしれない。
【0033】
ここで図2Aを参照すると、1つ以上の実施形態による処理システム200が示されている。図2Aは特定の要素を含むが、処理システム200は、より少ない要素を含んでも、または追加的な要素を含んでもよい。図示の通り、処理システム200は、プロセッサー210と、プロセッサー210に結合されたメモリ215とを含み得る。メモリ215は、特に、永続性(persistent)および揮発性媒体、固定媒体およびリムーバブルメディア、および磁気および半導体媒体を含み得る。メモリ215は、少なくとも一時期、実行可能なコードなどのデータおよび命令を記憶する非一時的な(non−transitory)コンピュータ可読媒体などの記憶媒体を含み得る。メモリ215は、限定されるものではないが、記憶媒体、例えばハードディスクドライブを含む直接アクセス記憶装置、順次アクセス記憶装置、例えばテープディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、CD−ROM、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、非一時的な媒体、および/または上記の組み合わせ1つ以上を含み得る。図示の通り、メモリ215はプロセッサー命令220を含み得る。
【0034】
プロセッサー210は、プロセッサー命令220を実行して、本明細書で説明される1つ以上のシステム、処理、および/または方法を実施し得る。例えば、プロセッサー命令220は、本明細書で説明されるフローチャート、方法、および/またはプロセスのうちの1つ以上に従った命令によって、構成、コード化、および/または符号化され得る。記憶媒体およびメモリ媒体の1つ以上は、ソフトウェア製品、プログラム製品、および/または製造品とし得る。例えば、ソフトウェア製品、プログラム製品、および/または製造品は、本明細書で説明されるフローチャート、方法、および/またはプロセスのうちの1つ以上に従って、プロセッサーにより実行可能な命令によって構成、コード化、および/または符号化され得る。
【0035】
プロセッサー210は、メモリ215に記憶されるおよび/またはネットワークを介して受信されるプログラム命令、処理データ、またはそれら双方を解釈および実行するように動作可能である任意の好適なシステム、機器、または装置を含み得る。プロセッサー210は、さらに、1つ以上のマイクロプロセッサー、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサー(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはプログラム命令、処理データ、またはそれら双方を解釈および実行するように構成された他の電子回路を含み得る。
【0036】
図示の通り、プロセッサー210は、入力/出力(I/O)機器225に通信可能に結合され得る。I/O機器225は、ユーザからの入力およびユーザへの出力を容易にすることによって、ユーザが処理システム200およびその関連の構成要素と相互作用できるようにする、いずれかの1つまたは複数の手段(instrumentality)を含み得る。ユーザからの入力を容易にすることによって、ユーザは、処理システム200を操作できるようになり、およびユーザへの出力を容易にすることによって、処理システム200は、ユーザの操作の効果を示すことができるようにし得る。例えば、I/O機器225は、ユーザがデータ、命令、またはそれら双方を処理システム200に入力できるようにし得る、およびそうでなければ処理システム200およびその関連の構成要素を操作できるようにする。I/O機器は、ユーザインターフェース機器、例えばキーボード、マウス、タッチスクリーン、ジョイスティック、ハンドヘルドレンズ、ツール追跡機器、座標入力機器、または医療システム、例えば医療システム100(図1参照)と一緒に使用するのに好適な任意の他のI/O機器を含み得る。
【0037】
I/O機器225は、特に、1つ以上のバス、1つ以上のシリアルデバイス、および/または1つ以上のネットワークインターフェースを含み得、それにより、プロセッサー210が、本明細書で説明される1つ以上のシステム、処理、および/または方法を実施することを容易にし得るおよび/または許可し得る。一例では、I/O機器225は、プロセッサー210が外部ストレージ230aと通信するのを容易にし得るおよび/または許可し得るストレージインターフェースを含み得る。ストレージインターフェースは、特に、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース、SATA(Serial ATA)インターフェース、PATA(Parallel ATA)インターフェース、およびスモールコンピュータシステムインターフェース(SCSI)のうちの1つ以上を含み得る。第2の例では、I/O機器225は、プロセッサー210がネットワーク235と通信するのを容易にし得るおよび/または許可し得るネットワークインターフェースを含み得る。I/O機器225は、ワイヤレスネットワークインターフェースおよび有線ネットワークインターフェースの1つ以上を含み得る。別の例では、I/O機器225は、特に、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI)インターフェース、PCI Express(PCIe)インターフェース、シリアルペリフェラルインターコネクト(SPI)インターフェース、およびIC(inter−integrated circuit)インターフェースのうちの1つ以上を含み得る。
【0038】
図示の通り、ストレージ230bはネットワーク235に結合され得る。プロセッサー210は、ネットワーク235を介してストレージ230bにアクセスし得る。例えば、プロセッサー210は、ストレージ230bによってデータを記憶し得るおよび/またはストレージ230bによってデータを検索し得る。プロセッサー210は、ストレージ230bによって、患者110(図1参照)に関連する情報を記憶し得るおよび/またはストレージ230bによって、患者110に関連する情報を検索し得る。
【0039】
ネットワーク235は、1つ以上のネットワークを含み得る。一例では、ネットワーク235は、ローカルエリアネットワーク(LAN)を含み得る。第2の例では、ネットワーク235は、広域ネットワーク(WAN)の一部分を含み得るおよび/またはそれを形成し得る。ネットワーク235は、インターネットの一部分を含み得るおよび/またはそれを形成し得る。別の例では、ネットワーク235は、有線およびワイヤレスネットワークの1つ以上を含み得る。
【0040】
ネットワーク235は1つ以上のネットワークに結合され得る。一例では、ネットワーク235は公衆交換電話網(PSTN)に結合され得る。別の例では、ネットワーク235は公衆WANに結合され得る。公衆WANはインターネットを含み得る。
【0041】
ここで図2B〜2Dを参照すると、1つ以上の実施形態による医療システム100および処理システム200の様々な構成が示されている。図2Bに示す通り、医療システム100(図1参照)は、処理システム200を含み得る。処理システム200は、医療システム100の1つ以上の部分に通信可能に結合され得る。例えば、プロセッサー210は、医療システム100の1つ以上の部分を制御し得るおよび/またはそれへのアクセスコントロールを提供し得る。プロセッサー210は、I/O機器225を介して医療システム100の1つ以上の部分に通信可能に結合され、医療システム100の1つ以上の部分を制御し得るおよび/またはそれへのアクセスコントロールを提供し得る。
【0042】
処理システム200は、医療システム100の外部にあってもよく、および医療システム100(図1参照)は、処理システム200に通信可能に結合され得る。図2Cおよび図2Dに示す通り、処理システム200は、医療システム100の外部にあってもよい。一例では、処理システム200は、図2Cに示す通り、I/O機器225を介して医療システム100に通信可能に結合され得る。別の例では、処理システム200は、図2Dに示すネットワーク235を介して医療システム100に通信可能に結合され得る。
【0043】
ここで図3Aおよび図3Bを参照すると、1つ以上の実施形態による携帯型医療スタッフ機器300が示されている。図3Aに示す通り、携帯型医療スタッフ機器300aは、カメラ310およびスクリーン320aを含み得る。図3Bに示す通り、携帯型医療機器300bは、光学的取得(OA)機器330およびスクリーン320bの1つ以上に結合され得る。OA機器330は、特に、カメラおよび光コードリーダの1つ以上とし得るまたはそれを含み得る。一例では、OA機器330は、有線式に携帯型医療機器300bに結合され得る。別の例では、OA機器330は、ワイヤレス式に携帯型医療機器300bに結合され得る。
【0044】
携帯型医療スタッフ機器300は、カメラ310(図3A参照)またはOA機器330(図3B参照)によって、機械可読情報130を取得するために使用され得る。一例では、携帯型医療スタッフ機器300は、1人以上の医療スタッフが、機械可読情報130が患者110に関連しているかを確認するのを容易にし得るおよび/または許可し得る。スクリーン320aは、機械可読情報130に基づいて、識別情報、例えば氏名、誕生日などを提供し得、および1人以上の医療スタッフが、患者110または患者110の医療代理人とその情報を確認し得る。別の例では、携帯型医療スタッフ機器300は、1人以上の医療スタッフが患者を、医療施設を経由して送り届けるのを容易にし得るおよび/または許可し得る。スクリーン320は、機械可読情報130に基づいて経路指示情報(例えば、目的地など)を提供し得る。
【0045】
携帯型医療スタッフ機器300は、機械可読情報130から検索したおよび/またはデータベースから検索した情報を提供し得る。一例では、機械可読情報130は、符号化されたマーキングを含み得、および携帯型医療スタッフ機器300は、機械可読情報130を処理し、かつ符号化された情報の一部または全てを提供し得る。別の例では、携帯型医療スタッフ機器300は、機械可読情報130に基づいて、データベースおよび/または記憶装置からの情報を検索し、かつスクリーン320を介して検索した情報を提供し得る。データベースおよび/または記憶装置は、携帯型医療スタッフ機器300のローカルとし得る。携帯型医療スタッフ機器300は、ネットワーク(例えば、ネットワーク235)を介してデータベースおよび/または記憶装置にアクセスし得る。
【0046】
携帯型医療スタッフ機器300は、任意のタイプの携帯型処理機器を含み得る。例えば、携帯型医療スタッフ機器300は、特に、携帯情報端末(PDA)、ラップトップコンピュータシステム、無線電話機器、タブレットコンピューティング機器、およびモバイルコンピューティングシステムを含み得る。
【0047】
ここで図4〜7を参照すると、1つ以上の実施形態による、機械可読情報を備える様々な衣料品が示されている。図4は、患者110(図1参照)によって装着され得るヘッドバンドとして供される衣料品425を示す。図示の通り、衣料品425は、氏名450と、患者110に関連する機械可読情報430とを含み得る。機械可読情報430は、二次元バーコードとし得るまたはそれを含み得る。例えば、二次元バーコードは、スタック型リニアバーコードシンボルフォーマットであるPDF417バーコードとし得るまたはそれを含み得る。
【0048】
機械可読情報430は、例えば、特に、氏名、誕生日、手術のタイプ、患者110(図1参照)に関連する情報の少なくとも一部分のチェックサム、1つ以上の場所、および医療処置情報のうちの1つ以上を含み得る。機械可読情報430は、カンマで区切った値列、例えば「John Doe,09January1955,cataract,3626EE2F,OR7,RR6B,axis 45,toric lens,SN6A T3 26.50D」を含み得る。例えば、「cataract(白内障)」は手術のタイプであり、「3626EE2F」は、「OR7,RR6B,axis 45,toric lens,SN6A T3 26.50D」のチェックサム(例えば、32ビット巡回冗長検査)であり、および「axis 45(軸45)」、「toric lens(トーリックレンズ)」、「SN6A T3 26.50D」は、医療処置に関連する医療関係者に対する情報とし得る。
【0049】
患者110に関連する情報の1つ以上の部分は、暗号化され得る。例えば、「John Doe,09January1955,cataract,3626EE2F」は、暗号化され得る。患者情報の1つ以上の部分の暗号化を使用することによって、1つ以上の方針、1つ以上の規則、1つ以上の規制、および/または1つ以上の法律に従うことを容易にし得るおよび/または許可し得る。患者情報の1つ以上の部分の暗号化を使用することによって、患者情報の1つ以上の部分の認証を容易にし得るおよび/または許可し得る。
【0050】
図示の通り、機械可読情報430は、列「LzEsJkbW8xdf70vF+7wTD6n5zktFl3BHGFbHhMQkvJ9f4ek4HuCM7y59XCr0rChd,OR7,RR6B,axis 45,toric lens,SN6A T3 26.50D」によって生成されたバーコードを含み、ここで、「John Doe,09January1955,cataract,3626EE2F」は、AES−128(128ビット高度暗号化標準)によって暗号化されており、「Qr39Pt7L」の暗号化鍵によって、base64テキストフォーマットで「LzEsJkbW8xdf70vF+7wTD6n5zktFl3BHGFbHhMQkvJ9f4ek4HuCM7y59XCr0rChd」を生じている。図示の通り、衣料品425は、機械可読情報460を含み得る。機械可読情報460は、機械可読情報430が衣料品425に印刷される前に、衣料品に印刷および/または配置され得る。例えば、不正行為および/または不正行動を防止するために、機械可読情報460は、医療システム100(図1参照)を含む医療施設に送達される前に、衣料品に印刷および/または配置され得る。衣料品425の製造者は、衣料品425に機械可読情報460を印刷し得るおよび/または配置し得る。
【0051】
図示の通り、衣料品425は向き情報435および440を含み得る。例えば、向き情報435は、患者110の足の方へ向かって向けられるべき衣料品425の側を指示し、および向き情報440は、患者110(図1参照)の頭部の方へ向かって向けられるべき衣料品425の側を指示し得る。衣料品425は他の向き情報も含み得る。図示の通り、衣料品425は向き情報445を含み得る。
【0052】
向き情報はまた、医療処置の複数のステップの最中、医療関係者に術中支援を提供し得る。一例では、向き情報445aは、医療処置において使用される機器および/またはインプラントの向きに関連する文字で書かれた向きおよび/または命令を含み得る。別の例では、向き情報445bは、医療処置において使用される機器および/またはインプラントのグラフィックおよび/または描写を含み得る。図示の通り、向き情報445は、45度の軸で移植されるレンズのメッセージおよび図解を提供する。
【0053】
図5は、1つ以上の実施形態による、キャップまたは帽子として供される衣料品525を示す。図示の通り、衣料品525は、氏名550と、患者110(図1参照)に関連する機械可読情報530とを含み得る。機械可読情報530は、二次元バーコードとし得るまたはそれを含み得る。例えば、二次元バーコードは、クイックレスポンス(QR)コードとし得るまたはそれを含み得る。
【0054】
機械可読情報530は、例えば、氏名、誕生日、患者識別コード、蘇生指令、1つ以上の医学的状態、1種以上のアレルギーおよび/または状態、血液型、手術のタイプ、手術のタイプ内の明細事項、および認証コードのうちの1つ以上を含み得る。例えば、機械可読情報430bは、列、例えばカンマで区切った値列、例えば「Jane Doe,09January1955,10938A45,N,Z91.012−493.20−Z88.0,Z67.31,CABG−36.16,9e64cd24594fba1be20975fac64201eb」から形成され得る。そのようなものとして、値「10938A45」は、追加的な患者情報を記憶するデータベースにアクセスするための索引または鍵として使用され得る患者識別情報とし得る。値「N」は、「蘇生しない」指令が負であることを指示し得る一方、値「Z91.012−493.20−Z88.0」は、患者110(図1参照)が卵にアレルギーがあること(コード:Z91.012)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を有すること(コード:493.20)、およびペニシリンにアレルギーがあること(コード:Z88.0)を指示する、ハイフンで区切られた値とし得る。値「CABG−36.16」はまた、患者110が冠動脈バイパス移植術(コード:CABG)を、二重内胸動脈冠動脈バイパス(コード:36.16)として受けることを指示する、ハイフンで区切られた値を含み得る。
【0055】
認証コードは、特に、チェックサムおよび暗号学的ハッシュ関数の1つ以上によって生成され得る。一例では、チェックサムは巡回冗長検査を含み得る。別の例では、暗号学的ハッシュ関数は、特に、メッセージダイジェストMD−4、MD−5、セキュアハッシュアルゴリズム(SHA)64、SHA−128、およびSHA−256のうちの少なくとも1つとし得る。認証コードは、患者情報から生成され得る。例えば、認証コードは、「Jane Doe,09January1955,10938A45,N,Z91.012−493.20−Z88.0,Z67.31,CABG−36.16」から生成され得る。認証コードは、患者情報および「ソルト」から生成され得る。例えば、「ソルト」は、チェックサムおよび/またはハッシュを変更するために使用される値とし得、元の列およびソルトが、元の列を認証するために必要とされるようにする。認証コード「9e64cd24594fba1be20975fac64201eb」は、MD−5ハッシュ関数、患者情報、およびソルト「,PqulZfW2」によって生成され得る。そのようなものとして、「9e64cd24594fba1be20975fac64201eb」は、列「Jane Doe,09January1955,10938A45,N,Z91.012−493.20−Z88.0,Z67.31,CABG−36.16,PqulZfW2」のMD−5ハッシュ関数を使用することによって、生成され得る。
【0056】
図6は、1つ以上の実施形態による、機械可読情報630を含む手術着のシャツとして供される別の衣料品625を示す。図示の通り、衣料品625a〜625dは、それぞれの衣料品の様々な個所にそれぞれ機械可読情報630a〜630dが印刷および/または配置され得る。機械可読情報630は、機械可読情報630により簡単にアクセスできるようにし得るおよび/または医療処置に依存し得る様々な位置に配置され得る。機械可読情報630は、1つ以上の構造、1つ以上の機能、および/または機械可読情報130(図1参照)、430(図4参照)、および530(図5参照)のうちの1つ以上を参照して説明した情報を含み得る。
【0057】
図7も、1つ以上の実施形態による、機械可読情報730を含む、手術着のズボン725aおよび725bおよび検査用半ズボン725cおよび725dとして供される別の衣料品725を示す。図示の通り、衣料品725a〜725dは、それぞれの衣料品の様々な個所にそれぞれ機械可読情報730a〜730dが印刷および/または配置され得る。機械可読情報730は、機械可読情報730により簡単にアクセスできるようにし得るおよび/または医療処置に依存し得る様々な位置に配置され得る。機械可読情報730は、1つ以上の構造、1つ以上の機能、および/または機械可読情報130(図1参照)、430(図4参照)、および530(図5参照)のうちの1つ以上を参照して説明した情報を含み得る。
【0058】
ここで図8を参照すると、1つ以上の実施形態による印刷プロセスおよびシステムのブロック図が示されている。図示の通り、処理システム800は、プリンター835に通信可能に結合され得る。一例では、処理システム800は、ワイヤレス通信によってプリンター835に通信可能に結合され得る。第2の例では、処理システム800は、有線通信によってプリンター835に通信可能に結合され得る。別の例では、処理システム800は、ネットワークを介してプリンター835に通信可能に結合され得る。処理システム800およびプリンター835は、別個のブロックとして示されているが、システム800およびプリンター835は組み合わせられていてもよい。
【0059】
処理システム800は、処理システム200を参照して説明したものなどの、1つ以上の構造および/または1つ以上の機能を含み得る。例えば、処理システム800は、プロセッサー810と、プロセッサー810に通信可能に結合され得かつプロセッサー命令820を含み得るメモリ815と、プロセッサー800に通信可能に結合され得るI/O機器825とを含み得る。プロセッサー810、メモリ815、プロセッサー命令820、およびI/O機器825は、それぞれプロセッサー210、メモリ215、プロセッサー命令220、およびI/O機器225を参照して説明したものなどの、1つ以上の構造および/または1つ以上の機能を含み得る。
【0060】
処理システム800は、任意のタイプの処理機器とし得るまたはそれを含み得る。例えば、処理システム800は、特に、PDA、ラップトップコンピュータシステム、デスクトップコンピュータシステム、サーバコンピュータシステム、組み込み処理システム、無線電話機器、タブレットコンピューティング機器、およびモバイルコンピューティングシステムとし得るまたはそれを含み得る。
【0061】
図示の通り、処理システム800は、外部ストレージ230aに通信可能に結合され得、および外部ストレージ230bにネットワーク235を介して通信可能に結合され得る。ストレージ230は、患者110(図1参照)の少なくとも一部分の1つ以上の診断画像を記憶し得および/または患者110の少なくとも一部分の1つ以上の参照画像を記憶し得る。一例では、ストレージ230は、1つ以上のX線画像および/または1つ以上の磁気共鳴画像法(MRI)画像を記憶し得る。別の例では、ストレージ230は、患者110の眼の1つ以上の参照画像を記憶し得る。ストレージ230は、術前測定値を記憶し得る。一例では、ストレージ230は心電図情報を記憶し得る。別の例では、ストレージ230は、特に、半径、半径、急勾配軸および扁平軸の角膜曲率、縁の位置および直径、瞳孔の位置および直径、および角膜反射位置のうちの1つ以上を記憶し得る。術前測定値は、1つ以上の医療処置を支援し得る。例えば、術前測定値は、白内障外科的処置において、1つ以上の式を用いて、切開の数および位置、および適切な眼内レンズを支援し得る。
【0062】
図示の通り、プリンター835に媒体830aが提供および/または供給され得る。プリンター835は、媒体に、1つ以上のマーキングとして機械可読情報および/または人間が読める情報を印刷および/または配置するように動作可能である印刷機器などの機器とし得るまたはそれを含み得る。例えば、プリンター835は、媒体830aに機械可読情報でマークを付けて、マーク付き媒体830bを生じ得る。プリンター835は、媒体830aに1つ以上の光コードを印刷および/または配置して、マーク付き媒体830bを生じ得る。プリンター835は、特に、向き情報および氏名情報の1つ以上を媒体830aに印刷および/または配置して、マーク付き媒体830bを生じ得る。プリンター835は、向き情報135、140、145、435、440、および445の1つ以上を媒体830aに印刷および/または配置して、マーク付き媒体830bを生じ得る。プリンター835は、氏名情報150、450、および550の1つ以上を媒体830aに印刷および/または配置して、マーク付き媒体830bを生じ得る。
【0063】
媒体830は、機械可読情報および/または人間が読める情報でマークが付けられ得る1つ以上の媒体とし得るまたはそれを含み得る。一例では、媒体830は、特に、紙、布、およびプラスチックのうちの1つ以上を含み得る。別の例では、媒体830は、特に、ヘッドバンド、キャップ、帽子、ステッカー(例えば、裏面接着剤付きステッカー)、手術着のズボン、包帯、手術着のシャツ、1つ以上のソックス、1つ以上のスリッパ、患者のガウン、検査用ケープ、検査用半ズボン、およびローブの1つ以上を含み得る。媒体830は、プリンター835が1つ以上のマーキングを媒体830に印刷および/または配置し得るように、配置され得る。一例では、媒体830は、プリンター835が1つ以上のマーキングを媒体830に印刷および/または配置し得るように、折り畳まれ得る。別の例では、媒体830の1つ以上の部分は、プリンター835が1つ以上のマーキングを媒体830に印刷および/または配置し得るフープおよび/またはカートリッジ内に、配置され得るおよび/またはそれらによって保持され得る。
【0064】
処理システム800は、プリンター835に情報を提供し得る。一例では、処理システム800は、患者110(図1参照)に関連する情報をプリンター835に提供し得る。本明細書で説明される患者情報は、処理システム800を介してプリンター835に提供され得る。第2の例では、処理システム800は、ストレージ230から、患者110に関連する情報の1つ以上の部分を検索し得、および検索した情報の少なくとも一部分、患者110に関連する情報の1つ以上の部分に関連する鍵または索引、および/または患者110に関連する情報の1つ以上の部分に関連する認証情報を提供し得る。処理システム800は、ストレージ230から術前測定値を検索し得、これは、プリンター835に提供され得る。1つ以上の診断画像に関連する鍵または索引が決定および/または作成され得、およびプリンター835に提供され得る。認証情報は、患者110(図1参照)に関連する機械可読情報がストレージ230aに適合するおよび/または対応することを保証するように、決定および/または作成され得る。別の例では、処理システム800は、機械可読マーキング情報をプリンター835に提供し得る。機械可読マーキング情報はバーコード情報を含み得る。
【0065】
プリンター835は、医療施設に置かれ得る。例えば、プリンター835は、特に、診療所、病院、急病診療所、または外来外科センターに置かれ得る。プリンター835は、製造者および/または販売業者に置かれ得る。一例では、製造者および/または販売業者での衣料品への機械可読情報の印刷は、不正なおよび/または偽造の衣料品を防止するのに役立ち得る。別の例では、機械可読情報は、製造者および/または販売業者において、医療処置において使用される衣料品に印刷および/または配置され得、およびその機械可読情報が患者に割り当てられ得る。機械可読情報は、患者が衣料品を支給されるときに患者に割り当てられてもよく、および患者に割り当てられた機械可読情報は、患者を特定するために使用され得る、および/または患者に関連する情報を検索するために鍵を提供するために使用され得る。
【0066】
ここで図9を参照すると、1つ以上の実施形態による、医療処置に関連する機械可読情報を提供する方法が示されている。ステップ910において、患者情報が受信され得る。患者情報は、医療処置および/または患者に関係のある情報を含み得る。例えば、患者情報は、特に、氏名、誕生日、医療処置情報、医療用インプラント情報、食物アレルギー、および薬物アレルギーのうちの1つ以上を含み得る。患者情報は記憶装置から受信され得る。一例では、記憶装置はデータベースを含んでもよく、および患者情報はデータベースから受信され得る。別の例では、記憶装置はUSB記憶装置を含み得る。患者情報は、処理システムおよび/またはコンピューティング機器から受信され得る。
【0067】
ステップ915において、患者情報は符号化され得る。一例では、患者情報の符号化は、患者情報から、カンマで区切った値(CSV)列を生じることを含み得る。第2の例では、患者情報の符号化は、患者情報の1つ以上の部分の暗号化を含み得る。第3の例では、患者情報の符号化は、患者情報の1つ以上の部分のハッシュおよび/またはチェックサムを計算することを含み得る。別の例では、患者情報の符号化は、患者情報を備える機械可読情報を符号化することを含み得る。
【0068】
患者情報を備える機械可読情報の符号化は、グラフィック、ラスタ(例えば、ラスタファイル)、ビットマップ、スカラー・ベクトル・グラフィック、および命令(例えば、プリンターコマンド言語プログラムの命令、PostScript命令など)のうちの1つ以上を生じることを含み得る。例えば、グラフィック、ラスタ、ビットマップ、スカラー・ベクトル・グラフィック、および命令のうちの1つ以上は、バーコード情報および/またはシンボルを含み得る、および/またはバーコード情報および/またはシンボルを印刷および/または配置するために、プリンター835(図8参照)によって使用され得るデータを含み得る。バーコード情報は、あるタイプのバーコードを含み得る。例えば、バーコードのタイプは、特に、コーダバー、コード25、コード11、ファーマコード(farmacode)、コード32、コード39、コード49、コード93、コード128、CPCバイナリ、EAN 2、EAN 5、EAN 8、EAN 13、GS1−128、GS1 DataBar、ITF−14、JAN、KarTrak ACI、MSI、Pharmcode、Plessy、PostBar、POSTNET、RM4SCC/KIX、RM Mailmark C、RM Mailmark L、Telepen、Universal Product Code、Aztec Code、Code 1、ColorCode、Color Construct Code、ContoSign、d−touch、DataGlyphs、Data Matrix、Datastrip Code、EZcode、High Capacity Color Barcode、Han Xin Barcode、HueCode、InterCode、MaxiCode、NexCode、PDF417、Qode、QRコード、ShotCode、またはSPARQCodeを含み得る。
【0069】
ステップ920において、符号化された患者情報がプリンターに提供され得る。例えば、符号化された患者情報は、特に、ワイヤレス通信、有線通信、およびネットワーク通信のうちの1つ以上を介してプリンター835(図8参照)に提供され得る。
【0070】
ステップ925において、機械可読情報は、媒体に印刷および/または配置され得る。例えば、プリンター835(図8参照)は、機械可読情報を媒体830(図8参照)に印刷および/または配置し得る。プリンター835は、バーコードを媒体830に印刷し得る。プリンター835は、シンボルを媒体830に印刷および/または配置し得る。
【0071】
機械可読情報は、1つ以上の特定波長光を反射するおよび/または1つ以上の特定波長光を他の1つ以上の特定波長光に変えるマーキング材を使用して、媒体に印刷および/または配置され得る。例えば、機械可読マーキングは、紫外線光を反射するおよび/またはそれを変えるインクを使用して、媒体に印刷および/または配置され得る。インクは、紫外線光を、本明細書で説明される1つ以上のカメラおよび/またはイメージセンサーによって取得され得る別の波長の光に変え得る。機械可読情報は、1つ以上の特定波長光を吸収するマーキング材を使用して、媒体に印刷および/または配置され得る。
【0072】
ここで、図10を参照すると、1つ以上の実施形態による、医療処置に関連する機械可読情報を処理する方法が示されている。ステップ1010において、機械可読情報が取得され得る。一例では、機械可読情報の取得は、カメラが、機械可読情報を含む画像を取得することを含み得る。医療システム100(図1参照)のカメラは、機械可読情報130(図1参照)を含む画像を取得し得る。第2の例では、携帯型医療機器300a(図3A参照)が、カメラ310(図3A参照)を使用して、機械可読情報を含む画像を取得し得る。別の例では、携帯型医療機器300b(図3B参照)が、OA機器330(図3B参照)を使用して、機械可読情報を取得し得る。OA機器330は、特に、機械可読情報130、430(図4参照)、465(図4参照)、530(図5参照)、565(図5参照)、630(図6参照)、および730(図7参照)のうちの1つ以上を取得し得る。
【0073】
ステップ1015において、機械可読情報が処理され得る。機械可読情報の処理は、1つ以上の画像を処理して、機械可読情報によって記憶されている情報を決定することを含み得る。例えば、1つ以上の画像は、医療処置に関連する情報を含む1つ以上のバーコードを含み得る。1つ以上のバーコードは、本明細書で説明される情報を含み得、および機械可読情報の処理は、機械可読情報から、医療処置に関連する情報を検索することを含み得る。
【0074】
機械可読情報は、患者データを決定するために処理され得る。一例では、機械可読情報は患者データを含み得る。別の例では、患者データを決定するための機械可読情報の処理は、患者データの1つ以上の部分を記憶装置から検索することを含み得る。ストレージ230a(図2参照)は、患者データの1つ以上の部分を記憶し得、および機械可読情報の1つ以上の部分を使用して、患者データの1つ以上の部分をストレージ230aから検索し得る。ストレージ230b(図2参照)は、患者データの1つ以上の部分を記憶し得、および機械可読情報の1つ以上の部分を使用して、ネットワーク235(図2参照)を介して、患者データの1つ以上の部分をストレージ230bから検索し得る。
【0075】
機械可読情報は、暗号化された情報を含み得る。例えば、患者データを決定するための機械可読情報の処理は、患者データを決定するために、機械可読情報によって記憶された情報を復号することを含み得る。
【0076】
ステップ1020において、医療処置が決定され得る。例えば、機械可読情報から検索された情報は、医療処置を指示し得る。機械可読情報430(図4参照)から検索された情報は、白内障手術の医療処置を指示し得る。機械可読情報530(図5参照)から検索された情報は、冠動脈バイパス移植手術の医療処置を指示し得る。医療システム100(図1参照)は、複数の医療処置において使用されるように動作可能としてもよく、および機械可読情報から検索された情報を使用して、医療システム100が許可され得る複数の医療処置から、その医療処置を選択し得る。
【0077】
ステップ1025において、医療システム100(図1参照)の1つ以上の部分の使用は、機械可読情報から検索された情報に基づいて、許可され得る。一例では、顕微鏡120(図1参照)およびディスプレイ155(図1参照)の使用が許可され得る。第2の例では、ディスプレイ160(図1参照)の使用が、患者110(図1参照)のバイタルサインを表示するために許可され得るが、顕微鏡120によって取得した画像を提供するためには許可されない。機械可読情報から検索された情報は、学生の医療関係者が、医療処置に関与しないことを指示し得る。別の例では、ディスプレイ160の使用が、機械可読情報から検索された情報の1つ以上の指示に基づいて、顕微鏡120によって取得された画像を提供するために、許可され得る。
【0078】
ステップ1030において、少なくとも1つの計画された処置ステップを指示するユーザ入力が、受信され得る。例えば、医療処置は、複数の計画された処置ステップを組み込み得る。医療処置は、複数の計画された処置ステップを組み込む手術を含み得る。
【0079】
ステップ1035において、医療処置が、ステップ1030において受信した少なくとも1つの計画された処置ステップを組み込んでいるかどうかが決定され得る。医療処置が、少なくとも1つの計画された処置ステップを組み込んでいる場合、カメラによって取得された画像の少なくとも一部分が、ステップ1040における表示に提供され得る。一例では、カメラによって取得された画像の少なくともその部分は、ディスプレイ155および160(図1参照)の少なくとも一方に提供され得る。別の例では、顕微鏡120(図1参照)がディスプレイを含んでもよく、およびカメラによって取得された画像の少なくともその部分は、顕微鏡120のディスプレイに提供され得る。顕微鏡120は、1つ以上の対象の1つ以上のビューを拡大するディスプレイを含み得る。例えば、ディスプレイに提供することは、1つ以上の対象の1つ以上のビューを拡大することを含み得る。
【0080】
医療処置が、少なくとも1つの計画された処置ステップを組み込んでいない場合、ステップ1045において、エラー情報がディスプレイに提供され得る。一例では、エラー情報は、ディスプレイ155および160(図1参照)の少なくとも一方に提供され得る。第2の例では、顕微鏡120(図1参照)がディスプレイを含んでもよく、およびエラー情報は、顕微鏡120のディスプレイに提供され得る。別の例では、エラー情報は、顕微鏡120(図1参照)によって、1つ以上の対象の1つ以上のビューを拡大するディスプレイに提供され得る。
【0081】
医療システムの少なくとも第2の部分の動作は、ステップ1050において、医療処置が少なくとも1つの計画された処置ステップを組み込んでいない場合、回避され得る。例えば、医療システムの少なくとも第2の部分の使用の回避は、医療処置におけるエラーまたはさらなるエラーを防止するのに役立ち得る。医療システムの少なくとも第2の部分は、ステップ1025で許可された医療システムの少なくとも第1の部分とは異なり得る。医療システムの少なくとも第2の部分は、ステップ1025で許可された医療システムの少なくとも第1の部分とし得る。例えば、医療システムの少なくとも第1の部分は、医療処置が少なくとも1つの計画された処置ステップを組み込んでいない場合、動作不能にされ得る。
【0082】
医療システムの少なくとも第2の部分の動作の回避は、取り消され得る。一例では、医療システムの少なくとも第2の部分の回避は、救命および/または四肢温存目的で、取り消され得る。第2の例では、医療処置の1つ以上の部分は経験的とし得る。医療処置の経験的な1つ以上の部分は、医療処置の記憶されているプロトコルには組み込まれていないかもしれない。別の例では、医療システムの総合制御は、1つ以上の医療関係者から保留にされないかもしれない。
【0083】
ここで、図11を参照すると、1つ以上の実施形態による、医療処置に関連する機械可読情報、および機械可読情報の向きを処理する方法が示されている。ステップ1110〜1130は、それぞれ、ステップ1010〜1030(図10参照)に従って実施される。
【0084】
ステップ1135において、機械可読情報に基づく向きが決定され得る。機械可読情報から検索された情報は、向きを含み得るおよび/または指示し得る。例えば、医療システム100の1つ以上の部分(図1参照)は、向きに基づいて、許可されたりまたは動作不能にされたりし得る。向きは、医療システム100(図1参照)の一部分、例えば顕微鏡120(図1参照)に対するとしてもよく、および医療システム100の1つ以上の部分は、医療システム100のその部分に対する向きに基づいて、許可されたりまたは動作不能にされたりし得る。
【0085】
ステップ1140において、決定された向きが、少なくとも1つの計画された処置ステップに従っているかどうかが、決定され得る。決定された向きが、少なくとも1つの計画された処置ステップに従っている場合、ステップ1145において、カメラによって取得された画像の少なくとも一部分がディスプレイに提供され得る。ステップ1145は、ステップ1040に従って実施され得る(図10参照)。決定された向きが、少なくとも1つの計画された処置ステップに従っていない場合、ステップ1150において、エラー情報がディスプレイに提供され得る。ステップ1150および1155は、それぞれステップ1045および1050に従って、それぞれ実施され得る。
【0086】
方法、および/または工程要素、および/または方法および/またはプロセッサー要素の1つ以上の部分の1つ以上は、様々な順序で実施されても、繰り返されても、または省略されてもよい。さらに、追加的な、補足の、および/または繰り返しの方法および/または工程要素が、所望通りに実施されても、例示されても、および/または実行されてもよい。さらに、システム要素の1つ以上は省略されてもよく、および/または追加的なシステム要素が所望通りに追加されてもよい。
【0087】
上記で開示した主題は、説明であり、限定であるとはみなされず、および添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正例、改良例、および他の実施例を網羅するものとし、それらは全て、本開示の真の趣旨および範囲内にある。それゆえ、法律の許す最大限の範囲で、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲およびそれらの等価物の可能な限り最も広い範囲の解釈で決定されるものとし、および上述の詳細な説明によって制限または限定されない。
図1
図2A-2D】
図3A-3B】
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11