特許第6974477号(P6974477)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6974477
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】テープフィーダの制御システム
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20211118BHJP
【FI】
   H05K13/02 B
   H05K13/02 Z
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-537515(P2019-537515)
(86)(22)【出願日】2017年8月25日
(86)【国際出願番号】JP2017030454
(87)【国際公開番号】WO2019038899
(87)【国際公開日】20190228
【審査請求日】2020年1月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】100098420
【弁理士】
【氏名又は名称】加古 宗男
(72)【発明者】
【氏名】近藤 俊晶
(72)【発明者】
【氏名】浅田 和弘
【審査官】 福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/170644(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を所定ピッチで配列して包装した部品供給テープが巻回されたリールと、前記リールから前記部品供給テープを引き出して該部品供給テープの先頭の部品を部品実装機の吸着ノズルで吸着する部品吸着位置へピッチ送りするテープ送り装置とを備えたテープフィーダの制御システムにおいて、
前記テープ送り装置による前記部品供給テープのピッチ送り動作の駆動力を補助する補助アクチュエータと、
前記リールのテープ残量に関する情報(以下「テープ残量情報」という)を取得するテープ残量情報取得部と、
前記テープ残量情報取得部で取得したテープ残量情報に基づいて前記補助アクチュエータの動作パラメータを変化させる補助アクチュエータ制御部と
を備える、テープフィーダの制御システム。
【請求項2】
前記補助アクチュエータは、前記テープ送り装置による前記部品供給テープのピッチ送り動作と同期して前記リールにピッチ送り方向の回転力を伝達するように設けられている、請求項に記載のテープフィーダの制御システム。
【請求項3】
前記補助アクチュエータ制御部は、前記テープ残量情報取得部で取得したテープ残量情報に基づいて前記リールのテープ残量が少なくなるに従って前記補助アクチュエータの出力を低下させるように該補助アクチュエータの動作パラメータを変化させる、請求項又はに記載のテープフィーダの制御システム。
【請求項4】
前記テープフィーダには、前記テープ残量情報取得部として、前記リールのテープ残量を検出するセンサが設けられている、請求項1乃至のいずれかに記載のテープフィーダの制御システム。
【請求項5】
前記部品供給テープの最初のピッチ送り動作からの該部品供給テープの送り量又は前記テープ送り装置の駆動源となるモータの回転量を積算してその積算値をテープ送り情報とするテープ送り情報取得部を備え、
前記テープ残量情報取得部は、前記テープ送り情報取得部から取得したテープ送り情報に基づいて前記テープ残量情報を算出する、請求項1乃至のいずれかに記載のテープフィーダの制御システム。
【請求項6】
前記部品実装機の制御装置は、前記テープフィーダから前記吸着ノズルで吸着した部品の数に基づいて該テープフィーダの部品残数を管理し、
前記テープ残量情報取得部は、前記部品実装機の制御装置から前記テープフィーダの部品残数を前記テープ残量情報として取得する、請求項1乃至のいずれかに記載のテープフィーダの制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、部品供給テープが巻回されたリールから部品供給テープを引き出して部品吸着位置へピッチ送りするテープフィーダの制御システムに関する技術を開示したものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、テープフィーダは、部品を所定ピッチで配列して包装した部品供給テープが巻回されたリールと、このリールから前記部品供給テープを引き出して該部品供給テープの先頭の部品を部品実装機の吸着ノズルで吸着する部品吸着位置へピッチ送りするテープ送り装置とを備えた構成となっている。
【0003】
更に、特許文献1(特開2003−124688号公報)に記載されたテープフィーダは、使用する部品供給テープの種類(部品の種類)に応じてテープ送り装置の駆動源となるモータの回転速度や回転量を変更して、テープ送り速度やピッチ送り量を部品供給テープの種類に応じて変更するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−124688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
テープ送り装置がリールから部品供給テープを引き出すのに必要な力(モータの負荷)は、リールのテープ残量(部品残量)が少なくなるに従って減少していく。従って、テープ送り装置のモータとしては、リールのテープ残量が多くて負荷が大きい場合でも、部品供給テープを安定してピッチ送りするのに必要なトルクを発生するモータを用いるようにしている。
【0006】
しかし、この構成では、リールのテープ残量が少なくなってモータの負荷が軽くなったときでも、リールのテープ残量が多いときと同じ条件でモータを動作させることになるため、リールのテープ残量が少なくなるに従ってモータが必要以上に大きなトルクで動作して無駄に電力を消費してしまうことになる。
【0007】
かといって、省電力化のためにトルクの余裕の少ないモータを用いると、使用する部品供給テープの種類によっては、リールのテープ残量が多いときにモータのトルクが不足してテープ送り速度が遅くなったり、モータが脱調する可能性もあり、部品供給テープを安定してピッチ送りできない。
【0008】
尚、上述した特許文献1では、使用する部品供給テープの種類(部品の種類)に応じてモータの回転速度や回転量(ピッチ送り量)を変更する機能は備えているが、リールのテープ残量に応じてモータの制御を最適化する機能は備えていない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る発明は、部品を所定ピッチで配列して包装した部品供給テープが巻回されたリールと、前記リールから前記部品供給テープを引き出して該部品供給テープの先頭の部品を部品実装機の吸着ノズルで吸着する部品吸着位置へピッチ送りするテープ送り装置とを備えたテープフィーダの制御システムにおいて、前記テープ送り装置による部品供給テープのピッチ送り動作の駆動力を補助する補助アクチュエータと、前記リールのテープ残量に関するテープ残量情報を取得するテープ残量情報取得部と、前記テープ残量情報取得部で取得したテープ残量情報に基づいて前記補助アクチュエータの動作パラメータを変化させる補助アクチュエータ制御部とを備えた構成としたものである
【0012】
この構成では、テープ送り装置による部品供給テープのピッチ送り動作の駆動力を補助する補助アクチュエータが設けられているため、テープ送り装置のモータとしては、補助アクチュエータの出力相当分だけトルクの小さいモータを用いれば良い。これにより、部品供給テープのピッチ送り動作に必要な駆動力の不足分を補助アクチュエータの出力で補助すると共に、テープ残量情報取得部で取得したテープ残量情報に基づいて、例えば、リールのテープ残量が少なくなるに従って補助アクチュエータの出力を連続的又は段階的に低下させるように該補助アクチュエータの動作パラメータを変化させるという制御が可能となり、省電力化とテープ送り動作の安定化とを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は実施例1の部品実装機の構成を示す側面図である。
図2図2は実施例1のテープフィーダの構成を示す側面図である。
図3図3は実施例1のテープフィーダの制御システムの構成を示すブロック図である。
図4図4はリールのテープ残量に応じてピッチ送り動作の速度プロファイルを変更する一例を示す図である。
図5図5は実施例2のテープフィーダの構成を示す側面図である。
図6図6は実施例2のテープフィーダの制御システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、2つの実施例1,2を説明する。
【実施例1】
【0015】
実施例1を図1乃至図4に基づいて説明する。
まず、図1を用いて部品実装機10の構成を説明する。
【0016】
この部品実装機10は、部品実装基板を生産する部品実装ラインに少なくとも1台設置される。この部品実装機10のベース台11上には、回路基板12を搬送するコンベア13が設けられている(以下、このコンベア13による回路基板12の搬送方向をX方向とし、その直角方向をY方向とする)。このコンベア13を構成する2本のコンベアレール13a,13bとコンベアベルト14a,14bを支持する支持部材15a,15bのうち、片方の支持部材15aを、一定位置に固定し、その反対側の支持部材15bのY方向位置を送りねじ機構(図示せず)等によってガイドレール16に沿って調整することで、コンベア13の幅(コンベアレール13a,13bの間隔)を回路基板12の幅に合わせて調整できるようになっている。
【0017】
また、ベース台11上のコンベア13の側方には、フィーダセット台22が設けられ、このフィーダセット台22に複数のテープフィーダ23がY方向に着脱可能にセットされている。各テープフィーダ23には、多数の部品を所定ピッチで配列して包装した部品供給テープ24(図2参照)が巻回されたリール25がセットされ、該リール25から引き出された部品供給テープ24の先頭の部品が部品吸着位置(吸着ノズル26で部品を吸着する位置)に位置するようにセットされる。部品実装機10には、吸着ノズル26を保持した実装ヘッド27を部品吸着位置→部品撮像位置→部品実装位置の経路で移動させるヘッド移動装置28が設けられ、部品吸着動作時及び部品実装動作時に該吸着ノズル26が下降/上昇するようになっている。
【0018】
図2に示すように、テープフィーダ23には、リール25から部品供給テープ24を引き出してピッチ送りするテープ送り装置31が設けられている。このテープ送り装置31は、テープフィーダ23の片方の側縁部に等ピッチで形成された送り孔に歯が噛み合いながら回転してピッチ送りするスプロケット32と、駆動源となるモータ33と、このモータ33の回転力をスプロケット32に伝達して該スプロケット32を回転させる歯車機構34とを備えた構成となっている。モータ33は、部品供給テープ24のピッチ送り動作を行うために回転角度(回転位置)を制御可能なモータ、例えばステップモータ、サーボモータ等が用いられている。
【0019】
テープフィーダ23の奥端面には、部品実装機10に対する取付位置を決める2本の位置決めピン35と、部品実装機10側のコネクタ36(図3参照)と接続される通信・電源兼用のコネクタ37が設けられている。両コネクタ36,37の接続により部品実装機10側からテープフィーダ23に電源が供給されると共に、テープフィーダ23の制御部41(モータ制御部)と部品実装機10の制御装置40とが相互に通信可能に接続される。テープフィーダ23の制御部41は、部品実装機10の制御装置40から送信されてくるピッチ送り指令に基づいてテープ送り装置31のモータ33の動作を制御して部品供給テープ24のピッチ送り動作を制御する。
【0020】
更に、テープフィーダ23には、リール25のテープ残量を検出するセンサ42(テープ残量情報取得部)が設けられている。このセンサ42は、例えば、超音波センサ、光センサ等を用いて構成され、リール25の部品供給テープ24の巻径をテープ残量情報として検出して、その検出情報をテープフィーダ23の制御部41に出力する。
【0021】
このテープフィーダ23の制御部41は、センサ42で検出したテープ残量情報に基づいてテープ送り装置31のモータ33の動作パラメータを変化させるモータ制御部として機能する。本実施例1では、テープフィーダ23の制御部41は、センサ42で検出したテープ残量情報に基づいて、リール25のテープ残量が少なくなってモータ33の負荷が軽くなるに従ってモータ33のトルクを連続的又は段階的に低下させるように該モータ33の動作パラメータを変化させる。この際、テープ残量情報に基づいて変化させるモータ33の動作パラメータは、例えば、ピッチ送り動作の速度プロファイル(図4参照)であり、リール25のテープ残量が少なくなるに従って速度プロファイルの最高速度を連続的又は段階的に低下させる。
【0022】
このようにすれば、リール25のテープ残量が少なくなってモータ33の負荷が軽くなるに従ってモータ33のトルクひいては消費電力を連続的又は段階的に低下させるように制御することが可能となり、テープ送り動作の安定性を損なわずにモータ33の消費電力を低減でき、モータ33の省電力化とテープ送り動作の安定化とを両立させることができる。
【0023】
尚、テープ残量情報に基づいて変化させるモータ33の動作パラメータは、ピッチ送り動作の速度プロファイルに限定されず、例えば、モータ33の駆動電流とトルクとが比例関係にあることを考慮して、テープフィーダ23の制御部41は、リール25のテープ残量が少なくなるに従ってモータ33の駆動電流を連続的又は段階的に低下させるように制御する構成としても良い。このようにしても、リール25のテープ残量が少なくなるに従って、モータ33のトルクひいては消費電力を連続的又は段階的に低下させるように制御することが可能となり、モータ33の省電力化とテープ送り動作の安定化とを両立させることができる。
【実施例2】
【0024】
次に、実施例2を図5及び図6に基づいて説明する。但し、上記実施例1と実質的に同一の部分については説明を省略又は簡略化して、主として異なる部分について説明する。
【0025】
本実施例2のテープフィーダ23には、テープ送り装置31による部品供給テープ24のピッチ送り動作の駆動力を補助する補助アクチュエータ50が設けられている。この補助アクチュエータ50は、テープ送り装置31による部品供給テープ24のピッチ送り動作と同期してリール25にピッチ送り方向の回転力を伝達するように設けられている。
【0026】
本実施例2では、補助アクチュエータ50は、例えばアウターロータ型モータを用いて構成され、そのロータ50aの外周面をリール25の外周縁に接触させることで該リール25にピッチ送り方向の回転力を付与するようにしている。尚、ロータ50aの外周面に、摩擦係数が比較的大きいゴム等の高摩擦弾性部材を設けて、この高摩擦弾性部材をリール25の外周縁に接触させることでロータ50aとリール25との間の滑りを防ぐようにしても良い。
【0027】
この場合、テープフィーダ23の制御部41は、テープ送り装置31のモータ33の動作を制御するモータ制御部として機能すると共に、センサ42で検出したテープ残量情報に基づいて補助アクチュエータ50の動作パラメータを変化させる補助アクチュエータ制御部としても機能する。
【0028】
本実施例2では、テープフィーダ23の制御部41は、センサ42で検出したテープ残量情報に基づいて、リール25のテープ残量が少なくなってモータ33の負荷が軽くなるに従って補助アクチュエータ50の出力を連続的又は段階的に低下させるように該補助アクチュエータ50の動作パラメータを変化させる。この際、テープ残量情報に基づいて変化させる補助アクチュエータ50の動作パラメータは、例えば、速度プロファイルや駆動電流等である。
【0029】
本実施例2のテープフィーダ23は、テープ送り装置31による部品供給テープ24のピッチ送り動作の駆動力を補助する補助アクチュエータ50が設けられているため、テープ送り装置31のモータ33としては、補助アクチュエータ50の出力相当分だけトルクの小さいモータを用いれば良い。これにより、部品供給テープ24のピッチ送り動作に必要な駆動力の不足分を補助アクチュエータ50の出力で補助すると共に、センサ42で検出したテープ残量情報に基づいて、リール25のテープ残量が少なくなるに従って補助アクチュエータ50の出力ひいては消費電力を連続的又は段階的に低下させるように該補助アクチュエータ50の動作パラメータを変化させるという制御が可能となる。これにより、省電力化とテープ送り動作の安定化とを両立させることができる。
【0030】
尚、補助アクチュエータ50によりリール25を回転させる構成は、適宜変更しても良く、例えば、補助アクチュエータの回転力を歯車機構やベルト伝達機構等の回転伝達機構を介してリール25に伝達するようにしても良い。或は、リール25から引き出された部品供給テープ24に対して引張力を作用させる装置(ローラ、スプロケット等)を補助アクチュエータで駆動する構成としても良く、要は、テープ送り装置31による部品供給テープ24のピッチ送り動作の駆動力を補助する補助アクチュエータを設けた構成とすれば良い。
【0031】
[その他の実施例]
上記実施例1,2では、テープ残量情報取得部として、リール25のテープ残量を検出するセンサ42を設けた構成としたが、このセンサ42を省略して、テープフィーダ23の制御部41がテープ残量情報取得部として機能すると共に、部品供給テープ24の最初のピッチ送り動作からの該部品供給テープ24の送り量又はモータ33の回転量を積算してその積算値をテープ送り情報とするテープ送り情報取得部としても機能し、テープフィーダ23の制御部41がテープ送り情報に基づいてテープ残量情報を算出するようにしても良い。
【0032】
或は、部品実装機10の制御装置40が、テープフィーダ23から吸着ノズル26で吸着した部品の数をカウントして該テープフィーダ23の部品残数を管理し、テープフィーダ23の制御部41(テープ残量情報取得部)が、部品実装機10の制御装置40から該テープフィーダ23の部品残数をテープ残量情報として取得するようにしても良い。
【0033】
その他、本発明は、これらの実施例に限定されず、例えば、テープフィーダ23の構成やテープ送り装置31の構成等を適宜変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0034】
10…部品実装機、22…フィーダセット台、23…テープフィーダ、24…部品供給テープ、25…リール、26…吸着ノズル、27…実装ヘッド、28…ヘッド移動装置、31…テープ送り装置、32…スプロケット、33…モータ、40…部品実装機の制御装置、41…テープフィーダの制御部(モータ制御部,補助アクチュエータ制御部)、42…センサ(テープ残量情報取得部)、50…補助アクチュエータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6