特許第6974516号(P6974516)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6974516復元ブロック生成方法、予測情報符号化方法、ビットストリーム、コンピュータ可読媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6974516
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】復元ブロック生成方法、予測情報符号化方法、ビットストリーム、コンピュータ可読媒体
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/463 20140101AFI20211118BHJP
   H04N 19/593 20140101ALI20211118BHJP
【FI】
   H04N19/463
   H04N19/593
【請求項の数】4
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2020-18397(P2020-18397)
(22)【出願日】2020年2月6日
(62)【分割の表示】特願2018-97924(P2018-97924)の分割
【原出願日】2012年4月20日
(65)【公開番号】特開2020-74638(P2020-74638A)
(43)【公開日】2020年5月14日
【審査請求日】2020年2月6日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0108455
(32)【優先日】2011年10月24日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519348750
【氏名又は名称】イノティヴ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】グローバル・アイピー東京特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】パク シン ジ
【審査官】 坂東 大五郎
(56)【参考文献】
【文献】 Wei-Jung Chien et al.,Parsing friendly intra mode coding,Joint Collaborative Team on Video Coding (JCT-VC),2011年07月02日,[JCTVC-F459] (version 1)
【文献】 Thomas Wiegand et al.,WD3: Working Draft 3 of High-Efficiency Video Coding,Joint Collaborative Team on Video Coding (JCT-VC),2011年06月27日, [JCTVC-E603] (version 8)
【文献】 Wei-Jung Chien et al.,Parsing friendly intra mode coding,Joint Collaborative Team on Video Coding (JCT-VC),2011年07月15日, [JCTVC-F459] (version 4)
【文献】 Benjamin Bross et al.,High efficiency video coding (HEVC) text specification draft 6,Joint Collaborative Team on Video Coding (JCT-VC),2012年04月02日,p.99, [JCTVC-H1003] (version 22)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 19/00−19/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
復元ブロック生成方法であって、前記方法は、
受信されたビットストリームからイントラ予測モードグループ指示子と予測モードインデックスを取得すること、
前記イントラ予測モードグループ指示子、前記予測モードインデックス、および、MPMグループを使用して、イントラ予測モードを復号すること、
前記イントラ予測モードと参照画素を利用して予測ブロックを生成すること、
受信された残差信号を、量子化係数を使用して逆量子化して量子化ブロックを生成し、前記量子化ブロックを逆変換して残差ブロックを生成すること、
前記予測ブロックと前記残差ブロックを加えて復元ブロックを生成すること、
を含み、
前記MPMグループは、現在ブロックの左側及び上側ブロックのイントラ予測モードを使用して生成され、前記MPMグループは、3個のイントラ予測モードを含み、
記現在ブロックのイントラ予測モードは、前記イントラ予測モードグループ指示子が前記MPMグループを示す場合に、前記MPMグループにおける前記予測モードインデックスによって示されるイントラ予測モードとして決定され、
前記現在ブロックのイントラ予測モードは、前記イントラ予測モードグループ指示子が前記MPMグループを示さない場合に、前記MPMグループにおける前記3個のイントラ予測モードと前記予測モードインデックスを使用して、前記MPMグループにおける前記3個のイントラ予測モード以外のイントラ予測モードから決定され、
前記左側及び前記上側ブロックの前記イントラ予測モードが互いに等しくなく、かつ非方向性イントラ予測モードである場合に、前記MPMグループは、前記左側及び前記上側ブロックの前記イントラ予測モードと垂直モードとを含み、
前記左側及び前記上側ブロックの前記イントラ予測モードが互いに等しくなく、かつ方向性モードである場合には、前記MPMグループは、前記左側及び前記上側ブロックの前記イントラ予測モードとプレーナモードとを含み、
前記非方向性イントラ予測モードがプレーナモードおよびDCモードであって、モード番号0が前記プレーナモードに割り当てられる、
復元ブロック生成方法。
【請求項2】
前記予測モードインデックスをエントロピー符号化する方法は、前記イントラ予測モードが前記MPMグループに属するか否かで異なる、
請求項1に記載された復元ブロック生成方法。
【請求項3】
予測情報符号化方法であって、前記方法は、
参照画素と選択されたイントラ予測モードとによって予測ブロックを生成すること、
原本ブロックと前記予測ブロックにより残差ブロックを生成すること、
前記残差ブロックを変換し、かつ量子化して、量子化係数を生成すること、
イントラ予測モード指示子と予測モードインデックスを生成すること、
前記イントラ予測モード指示子、前記予測モードインデックス、および、前記量子化係数をエントロピー符号化すること、
符号化された前記イントラ予測モード指示子、符号化された前記予測モードインデックス、および、符号化された前記量子化係数を含むビットストリームを送信すること、
を含み、
前記イントラ予測モード指示子は、前記選択されたイントラ予測モードがMPMグループに含まれるか否かを示し、
前記MPMグループは、現在ブロックの左側及び上側ブロックのイントラ予測モードを使用して生成され、前記MPMグループは、3個のイントラ予測モードを含み、
前記イントラ予測モード指示子が、前記選択されたイントラ予測モードが前記MPMグループに含まれることを示す場合に、前記予測モードインデックスは、前記MPMグループにおける前記3個のイントラ予測モードの中から、前記選択されたイントラ予測モードを示し、
前記イントラ予測モード指示子が、前記選択されたイントラ予測モードが前記MPMグループに含まれることを示さない場合に、前記予測モードインデックスは、前記MPMグループにおける前記3個のイントラ予測モード以外のイントラ予測モードの中から、前記選択されたイントラ予測モードを示し、
前記左側及び前記上側ブロックの前記イントラ予測モードが互いに等しくなく、かつ非方向性イントラ予測モードである場合に、前記MPMグループは、前記左側及び前記上側ブロックの前記イントラ予測モードと垂直モードとを含み、
前記左側及び前記上側ブロックの前記イントラ予測モードが互いに等しくなく、かつ方向性モードである場合には、前記MPMグループは、前記左側及び前記上側ブロックの前記イントラ予測モードとプレーナモードとを含み、
前記非方向性イントラ予測モードがプレーナモードおよびDCモードであって、モード番号0が前記プレーナモードに割り当てられる、
予測情報符号化方法。
【請求項4】
前記予測モードインデックスをエントロピー符号化する方法は、前記選択されたイントラ予測モードが前記MPMグループに属するか否かで異なる、
請求項に記載された予測情報符号化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像復号化方法及び装置に関し、より詳しくは、予測ブロックの大きさ情報によって現在ブロック又は現在ブロックのサブブロックのイントラ予測ブロックを生成して復元ブロックを生成する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
映像データを効率的に格納し、又は送信するためには、映像データを符号化しなければならない。映像データを符号化する技術には、MPEG−1、MPEG−2、MPEG−4、H.264/MPEG−4 AVC(Advanced Video coding)などがある。前記技術は、一つのピクチャをマクロブロックに分け、前記マクロブロック単位にイントラ符号化を実行するかインター符号化を実行するかを決定した後、前記決定された方式にそれぞれのマクロブロックを符号化する。
【0003】
最も最近の映像圧縮技術であるH.264ではイントラ符号化の効率を上げるためにイントラ予測を実行する。即ち、現在ブロックを符号化するために参照ピクチャを参照するものではなく、符号化しようとする現在ブロックと空間的に隣接した画素値を利用して予測ブロックを生成する。具体的に、隣接した画素値を利用して原本マクロブロックと比較して歪曲が少ないイントラ予測モードを選択し、選択されたイントラ予測モード及び隣接した画素値を利用して符号化しようとする現在ブロックに対する予測ブロックを生成する。そして、現在ブロックと予測ブロックとの差信号で構成される残差ブロックを生成し、前記残差ブロックを変換、量子化、エントロピー符号化する。また、前記予測ブロックの生成に利用されたイントラ予測モードも符号化する。
【0004】
しかし、H.264では現在ブロックの左側及び上側ブロックのイントラ予測モードの方向性と関係なく現在ブロックのイントラ予測モードを符号化するため、符号化効率が落ちる問題点がある。また、残差ブロックの符号化効率を増加させるために、イントラ予測モードの数が増加する場合にはH.264のイントラ予測モード符号化方式より符号化効率が高いイントラ予測モードを符号化/復号化する方式が要求される。
【0005】
また、H.264では現在ブロックのイントラ予測モードを利用して同じ大きさの復元ブロックのみを生成した。したがって、現在ブロックの大きさが大きくなる場合、予測ブロックと原本ブロックの残差信号が大きくなって符号化効率が落ちる問題がある。したがって、原本ブロックと類似の予測ブロックを生成する新たなイントラ予測符号化/復号化方式が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする目的は、現在ブロックの左側及び上側ブロックのイントラ予測モードを利用して現在ブロックのイントラ予測モードの符号化に必要とするビット数を減らすことで、映像の圧縮効率を向上させる方法及び装置を提供することである。
【0007】
本発明が解決しようとする他の目的は、現在ブロックのイントラ予測モードを用いて現在ブロックと類似の予測ブロックを生成し、残差ブロックの符号化に必要とするビット数を減らすことで、映像の圧縮効率を向上させる方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の一実施例に係る映像復号化方法は、現在ブロックのイントラ予測モードグループ指示子及び予測モードインデックスを復元し、現在ブロックの左側及び上側ブロックの有効なイントラ予測モードを利用して第1のグループ(MPMグループ)を構成し、前記イントラ予測モードグループ指示子が第1のグループを示す場合、前記第1のグループで前記予測モードインデックスに対応するイントラ予測モードを現在ブロックのイントラ予測モードに決定し、前記イントラ予測モードグループ指示子が第2のグループを示す場合、前記第2のグループで前記予測モードインデックスに対応するイントラ予測モードを現在ブロックのイントラ予測モードに決定し、予測ブロックを生成し、前記予測ブロックの大きさは、変換大きさ情報によって決定されることを特徴とする。
【0009】
前記映像復号化方法は、前記第1のグループは、3個のイントラ予測モードで構成され、現在ブロックの上側及び左側ブロックのイントラ予測モードのうち一つのみが有効な場合、2個のイントラ予測モードが前記第1のグループに追加され、前記追加される2個のイントラ予測モードは、前記有効なイントラ予測モードによって決定されることを特徴とする。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
現在ブロックのイントラ予測モードグループ指示子及び予測モードインデックスを復元するステップ;
現在ブロックの左側及び上側ブロックの有効なイントラ予測モードを利用して第1のグループ(MPMグループ)を構成するステップ;
前記イントラ予測モードグループ指示子が第1のグループを示す場合、前記第1のグループで前記予測モードインデックスに対応するイントラ予測モードを現在ブロックのイントラ予測モードに決定し、前記イントラ予測モードグループ指示子が第2のグループを示す場合、前記第2のグループで前記予測モードインデックスに対応するイントラ予測モードを現在ブロックのイントラ予測モードに決定するステップ;及び、
前記決定された現在ブロックのイントラ予測モードによって予測ブロックを生成するステップ;を含み、
前記予測ブロックの大きさは、変換大きさ情報によって決定されることを特徴とする映像復号化方法。
(項目2)
現在ブロックの上側及び左側ブロックのイントラ予測モードのうち一つのみが有効な場合、2個のイントラ予測モードが前記第1のグループに追加されることを特徴とする項目1に記載の映像復号化方法。
(項目3)
前記イントラ予測モードグループ指示子が第1のグループを示す場合、前記予測モードインデックスは、truncated unary方式(詳細な説明では、truncated Exp−Golomb code)に二進化されてエントロピー符号化されることを特徴とする項目2に記載のイントラ予測情報符号化方法。
(項目4)
前記追加される2個のイントラ予測モードは、前記有効なイントラ予測モードによって決定されることを特徴とする項目3に記載の映像復号化方法。
(項目5)
現在ブロックの大きさが前記予測ブロックの大きさより大きい場合、前記現在ブロックに含まれる複数個の予測ブロックは、前記現在ブロックのイントラ予測モードを利用して生成されることを特徴とする項目2に記載の映像復号化方法。
(項目6)
前記複数個の予測ブロックのうち、復号化順序上、二番目以後の予測ブロックは、先行する予測ブロックを利用して復元されたブロックの画素のうち一部を参照画素として利用して生成されることを特徴とする項目5に記載の映像復号化方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明による映像復号化方法は、現在ブロックのイントラ予測モードグループ指示子及び予測モードインデックスを復元し、現在ブロックの左側及び上側ブロックの有効なイントラ予測モードを利用して第1のグループ(MPMグループ)を構成し、前記イントラ予測モードグループ指示子が第1のグループを示す場合、前記第1のグループで前記予測モードインデックスに対応するイントラ予測モードを現在ブロックのイントラ予測モードに決定し、前記イントラ予測モードグループ指示子が第2のグループを示す場合、前記第2のグループで前記予測モードインデックスに対応するイントラ予測モードを現在ブロックのイントラ予測モードに決定し、予測ブロックを生成し、前記予測ブロックの大きさは、変換大きさ情報によって決定されることを特徴とする。
【0011】
したがって、現在ブロックの左側及び上側ブロックの有効なイントラ予測モードによって現在ブロックのイントラ予測モードと同じ可能性が高いモードを第1のグループに含ませ、前記第1のグループを利用して現在ブロックの符号化するイントラ予測モードグループ指示子と予測モードインデックスを決定することで、符号化するイントラ予測モードの情報量を減らすことができる。また、前記現在ブロックと類似の予測ブロックを生成することによって、符号化/復号化する残差ブロックのビット数を減らすことで、符号化及び復号化効率を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施例に係る動映像符号化装置を示すブロック構成図である。
図2】本発明の一実施例に係る動映像復号化装置を示すブロック構成図である。
図3】本発明の一実施例に係る動映像復号化装置でのイントラ予測ブロックを生成する方法に対して説明する。
図4】本発明に一実施例に係るイントラ予測モードを示す。
図5】本発明の一実施例に係るイントラ予測ブロック装置300を示すブロック構成図である。
図6】本発明の一実施例に係る復元ブロック生成過程を示す。
図7】本発明の他の実施例に係る復元ブロック生成過程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の多様な実施例を例示的な図面を介して詳細に説明する。本発明は、多様な変更を加えることができ、多様な実施例を有することができるため、本発明を特定の実施形態に対して限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むと理解されなければならない。各図面の説明において、類似の参照符号を類似の構成要素に対して使用した。
【0014】
本発明による動映像符号化装置及び動映像復号化装置は、パソコン、ノートブック、個人用携帯端末機、携帯型マルチメディアプレーヤ、スマートフォン、無線通信端末機、TVなどのユーザ端末機又はサービスを提供するサーバなどである。また、前記動映像符号化装置及び動映像復号化装置は、各種機器又は有無線ネットワークと通信を実行するための通信モデムなどの通信装置、映像を符号化又は復号化し、又は符号化/復号化のための各種プログラムとデータを格納するためのメモリ、プログラムを実行して演算及び制御するためのマイクロプロセッサなどを具備する装置である。
【0015】
図1は、本発明の一実施例に係る動映像符号化装置を示すブロック構成図である。
【0016】
本発明に一実施例に係る動映像符号化装置100は、イントラ予測部110、インター予測部120、変換及び量子化部130、エントロピー符号化部140、逆量子化及び逆変換部150、後処理部160、ピクチャバッファ170、減算部190、及び加算部195を含む。
【0017】
イントラ予測部110は、現在ブロックが含まれるピクチャ又はスライスの復元された画素を利用してイントラ予測ブロックを生成する。イントラ予測部110は、予測符号化する現在ブロックの大きさによって予め設定された個数のイントラ予測モードの中から一つを選択し、前記選択されたイントラ予測モードによって予測ブロックを生成する。
【0018】
インター予測部120は、前記ピクチャバッファ170に格納された参照ピクチャを利用して動き推定を実行し、動き予測のために参照ピクチャインデックス及び動きベクトルを決定する。そして、前記参照ピクチャインデックス及び動きベクトルを利用して現在ブロックのインター予測ブロックを生成する。
【0019】
変換及び量子化部130は、現在ブロックとイントラ予測部110又はインター予測部120で生成された予測ブロックの残差ブロックを変換して量子化する。前記変換は、水平及び垂直方向の1次元変換マトリクスにより行われる。イントラ予測の残差ブロックは、変換ブロックの大きさ(即ち、残差ブロックの大きさ)及びイントラ予測モードによって決定される変換マトリクスにより変換される。インター予測の残差ブロックは、予め定められた変換マトリクスにより変換される。
【0020】
変換及び量子化部130は、前記変換ブロックを量子化ステップサイズを利用して量子化する。前記量子化ステップサイズは、予め定められた大きさ以上の符号化単位別に変更されることができる。
【0021】
前記量子化された変換ブロックは、逆量子化及び逆変換部150とエントロピー符号化部140に提供される。
【0022】
逆量子化及び逆変換部150は、前記量子化された変換ブロックを逆量子化し、前記逆量子化された変換ブロックを逆変換して残差ブロックを復元する。加算器は、前記逆量子化及び逆変換部150により復元された残差ブロック及びイントラ予測部110又はインター予測部120からの予測ブロックを加えて復元ブロックを生成する。
【0023】
後処理部160は、復元されたピクチャの画質を改善するためのものであり、デブロッキングフィルタリング部161、オフセット適用部162、及びループフィルタリング部163を含む。
【0024】
デブロッキングフィルタリング部161は、予測ブロック及び変換ブロックの境界にデブロッキングフィルタを適応的に適用する。前記境界は、8×8グリッドに置かれている境界に限定することができる。デブロッキングフィルタリング部161は、フィルタリングする境界(boundary)を決定し、前記境界強度(bounary strength)を決定し、前記境界強度が0より大きい場合にはデブロッキングフィルタを前記境界に適用するかどうかを判断する。前記境界をフィルタリングすると決定すると、前記境界に適用するフィルタを選択し、選択されたフィルタにより境界をフィルタリングする。
【0025】
オフセット適用部162は、デブロッキングフィルタリング部を経た映像内の画素と原本画素との間のディストーション(distortion)を減少させるために、ピクチャ又はスライス単位にオフセットを適用するかどうかを決定する。または、スライスを複数個のオフセット領域に分割し、各オフセット領域別にオフセットタイプを決定することができる。オフセットタイプは、予め定められた個数のエッジオフセットタイプとバンドオフセットタイプを含むことができる。オフセットタイプがエッジオフセットタイプの場合には各画素が属するエッジタイプを決定し、これに対応するオフセットを適用する。前記エッジタイプは、現在画素と隣接する2個の画素値の分布を基準に決定する。
【0026】
ループフィルタリング部163は、オフセット適用部162を経た復元映像と原本映像を比較した値に基づいて復元映像を適応的にループフィルタリングする。コーディング単位に復元映像をループフィルタリングするかどうかが決定される。各コーディングユニットによって適用されるループフィルタの大きさ及び係数は変わることができる。コーディングユニット別前記適応的ループフィルタの適用可否を示す情報は、各スライスヘッダに含まれることができる。色差信号の場合には、ピクチャ単位に適応的ループフィルタの適用可否を決定することができる。したがって、色差成分の各々がフィルタリングされるかどうかを示す情報をスライスヘッダ又はピクチャヘッダが含むことができる。
【0027】
ピクチャバッファ170は、後処理された映像データを後処理部160から入力を受け、ピクチャ(picture)単位に映像を復元して格納する。ピクチャは、フレーム単位の映像、又はフィールド単位の映像である。
【0028】
エントロピー符号化部140は、変換及び量子化部130により量子化された量子化係数情報、イントラ予測部140から受信されたイントラ予測情報、インター予測部150から受信された動き情報等をエントロピー符号化する。エントロピー符号化部140は、前記量子化された変換ブロックの係数を1次元の量子化係数情報に変換するために、スキャン部145を含む。
【0029】
スキャン部145は、前記量子化された変換ブロックの係数を1次元に変換するためのスキャンタイプを決定する。スキャンタイプは、方向性イントラ予測モード及び変換ブロックの大きさによって変わることができる。量子化係数のスキャン順序は、逆方向にスキャンする。
【0030】
前記量子化された変換ブロックが所定大きさより大きい場合には、前記変換係数が複数個の下位ブロックに分割されてスキャンされる。それぞれの下位ブロックの前記変換係数に適用されるスキャンタイプは同じである。前記下位ブロック間に適用されるスキャンタイプはジグザグスキャンであってもよく、前記各下位ブロックの変換係数に適用されるスキャンタイプと同じであってもよい。
【0031】
図2は、本発明の一実施例に係る動映像復号化装置200を示すブロック構成図である。
【0032】
本発明の一実施例による動映像復号化装置200は、エントロピー復号化部210、逆量子化部220、逆変換部230、イントラ予測部240、インター予測部250、後処理部260、ピクチャバッファ270、加算部280を含む。
【0033】
エントロピー復号化部210は、受信されたビットストリームを復号し、イントラ予測情報、インター予測情報、量子化係数情報などに分離する。エントロピー復号化部210は、復号化されたイントラ予測情報をイントラ予測部240に供給し、復号化されたインター予測情報をインター予測部250に供給する。エントロピー復号化部210は、前記復号化された量子化係数情報を逆スキャンするための逆スキャン部215を含む。
【0034】
逆スキャン部215は、前記量子化係数情報を2次元配列の量子化ブロックに変換する。前記変換のために複数個のスキャンタイプの中から一つを選択する。スキャンタイプは、方向性イントラ予測モード及び変換ブロックの大きさによって変わることができる。量子化係数のスキャン順序は逆方向にスキャンする。前記量子化された変換ブロックが所定大きさより大きい場合には、前記変換係数が複数個の下位ブロックに分割されてスキャンされる。それぞれの下位ブロックの前記変換係数に適用されるスキャンタイプは同じである。前記下位ブロック間に適用されるスキャンタイプはジグザグスキャンであってもよく、前記各下位ブロックの変換係数に適用されるスキャンタイプと同じであってもよい。
【0035】
逆量子化部220は、現在コーディングユニットの量子化ステップサイズ予測子を決定し、前記決定された量子化ステップサイズ予測子及び受信された残差量子化ステップサイズを加えて現在コーディングユニットの量子化ステップサイズを復元する。逆量子化部220は、前記量子化ステップサイズと逆量子化マトリクスを利用して前記量子化ブロックを逆量子化する。前記量子化ブロックの大きさ及び予測モードによって前記量子化マトリクスが決定される。即ち、同じ大きさの量子化ブロックに対しても前記現在ブロックの予測モード及びイントラ予測モードのうち少なくとも一つに基づいて量子化マトリクスが選択される。
【0036】
逆変換部230は、逆量子化された変換ブロックを逆変換して残差ブロックを復元する。前記逆量子化ブロックに適用する逆変換マトリクスは、予測モード及びイントラ予測モードによって決定されることができる。
【0037】
加算部280は、逆変換部230により復元された残差ブロック及びイントラ予測部240又はインター予測部250により生成される予測ブロックを加えて復元ブロックを生成する。
【0038】
イントラ予測部240は、エントロピー復号化部210から受信されたイントラ予測情報に基づいて現在ブロックのイントラ予測モードを復元する。そして、復元されたイントラ予測モードによって予測ブロックを生成する。
【0039】
インター予測部250は、エントロピー復号化部210から受信されたインター予測情報に基づいて参照ピクチャインデックスと動きベクトルを復元する。そして、前記参照ピクチャインデックスと動きベクトルを利用して現在ブロックに対する予測ブロックを生成する。小数精密度の動き補償が適用される場合には選択された補間フィルタを適用して予測ブロックを生成する。
【0040】
後処理部260の動作は、図1の後処理部160の動作と同様であるため省略する。
【0041】
ピクチャバッファ270は、後処理部260により後処理された復号映像をピクチャ単位に格納する。
【0042】
図3は、本発明の一実施例に係るイントラ予測ブロックを生成する方法に対して説明する。
【0043】
まず、受信されたビットストリームからイントラ予測情報をエントロピー復号化する(S110)。
【0044】
イントラ予測情報は、イントラ予測モードグループ指示子と予測モードインデックスを含む。前記イントラ予測モードグループ指示子は、現在ブロックのイントラ予測モードがMPMグループに属するか、MPM以外のグループに属するかを示す。予測モードインデックスは、イントラ予測モードグループ指示子が示すイントラ予測モードグループ内での特定イントラ予測モードを示す情報である。
【0045】
前記イントラ予測モードグループ指示子は、unsigned integerの形態で受信されることができる。この場合、前記イントラ予測モードグループ指示子は、エントロピー復号化されずに使われることもできる。または、前記イントラ予測モードグループ指示子は、現在スライスのタイプによって適応的にエントロピー符号化されることもできる。例えば、前記スライスタイプによって決定されるコンテキストを利用してエントロピー符号化されることができる。したがって、復元時にも現在スライスタイプによって決定されるコンテキストを利用して復元されることができる。前記予測モードインデックスは、MPMグループに属する場合と属しない場合に互いに異なる方式にエントロピー符号化される。したがって、エントロピー復号化時にも互いに異なる方式にエントロピー復号化される。具体的に、前記イントラ予測モードグループ指示子が、現在ブロックのイントラ予測モードがMPMグループに属することを示す場合、前記予測モードインデックスは、truncated Exp−Golomb code又はtruncated unary方式に二進化されてエントロピー符号化される。したがって、エントロピー復号化を実行して二進化情報を得た後、前記方式を利用して予測モードインデックスを復元する。前記イントラ予測モードグループ指示子が、現在ブロックのイントラ予測モードがMPMグループに属しないことを示す場合、前記予測モードインデックスは、固定長さに二進化されることができる。したがって、エントロピー復号化を実行して二進化情報を得た後、前記予測モードインデックスを復元することができる。
【0046】
次に、現在ブロックに隣接したブロックのイントラ予測モードを利用してMPMグループを生成し、前記MPMグループを利用して現在ブロックのイントラ予測モードを復元する(S120)。MPMグループは、3個のイントラ予測モードで構成される。図4を参照して説明する。図4は、本発明に一実施例に係るイントラ予測モードを示す。
【0047】
1)現在ブロックの上側及び左側ブロックのイントラ予測モードが存在して互いに異なる場合、前記MPMグループは、前記2個のイントラ予測モードと1個の追加イントラ予測モードで構成される。
【0048】
前記2個のイントラ予測モードのうち一つがDCモードであり、他の一つがフラッタモードでない場合、前記追加イントラ予測モードはプレーナモードである。同様に、前記二つのイントラ予測モードのうち一つがプレーナモードであり、他の一つがDCモードである場合、前記追加イントラ予測モードはDCモードである。
【0049】
前記2個のイントラ予測モードがDCモード及びプレーナモードである場合、前記追加イントラ予測モードは、垂直モード又は水平モードである。
【0050】
前記2個のイントラ予測モードがDCモード及びプレーナモードでない場合、前記追加イントラ予測モードは、前記2個のイントラ予測モード間の方向性を有するイントラ予測モードであり、又はDCモード又はプレーナモードである。
【0051】
2)現在ブロックの上側及び左側ブロックのイントラ予測モードが存在して同じ場合、前記MPMグループは、前記イントラ予測モード及び2個の追加イントラ予測モードを含む。
【0052】
前記イントラ予測モードがDCモード及びプレーナモードでない場合、前記2個の追加イントラ予測モードは、前記イントラ予測モードに隣接する2個のイントラ予測モードに設定される。前記イントラ予測モードがDCモードの場合、前記2個の追加イントラ予測モードは、プレーナモード及び垂直モードである。
【0053】
3)現在ブロックの上側及び左側ブロックのイントラ予測モードのうち一つのみが存在する場合、前記MPMグループは、前記イントラ予測モード及び2個の追加イントラ予測モードを含む。前記2個の追加イントラ予測モードは、前記イントラ予測モードにより決定される。
【0054】
4)現在ブロックの上側及び左側ブロックのイントラ予測モードが存在しない場合、前記MPMグループは、DCモード、プレーナモード、及び垂直モードを含むことができる。
【0055】
前記イントラ予測モードグループ指示子が前記MPMグループを示すと、前記予測モードインデックスが示すイントラ予測モードを、前記MPMグループから選択することで、現在ブロックのイントラ予測モードに決定する。前記イントラ予測モードグループ指示子は、現在ブロックのイントラ予測モードがMPMグループに属するか、MPM以外のグループに属するかを示すフラグ情報である。
【0056】
前記イントラ予測モードグループ指示子が前記MPMグループを示さないと、イントラ予測部240は、MPMグループに属するイントラ予測モードを除いたイントラ予測モード(以下、残余イントラ予測モードという)のうち、前記予測モードインデックスが示すイントラ予測モードを現在ブロックのイントラ予測モードに決定する。前記残余イントラ予測モードに与えられる予測モードインデックスは、MPMグループの構成によって変わる。即ち、前記復号された予測モードインデックスは、MPMグループの構成によって再配列された残余イントラ予測モードのインデックスを示す。したがって、前記復号された予測モードインデックス及びMPMグループに属するイントラ予測モードによって現在ブロックのイントラ予測モードを前記残余イントラ予測モードの中から選択する。
【0057】
具体的に、現在ブロックの前記残余イントラ予測モードをモード番号順に再配列し、前記受信された予測モードインデックスに対応する順序のイントラ予測モードを現在ブロックのイントラ予測モードとして選択する。この場合、前記残余イントラ予測モードを再配列することもできるが、現在ブロックの前記イントラ予測モードインデックスと前記MPMグループに属するイントラ予測モード番号を比較することで、現在ブロックのイントラ予測モードを決定することもできる。
【0058】
前記方法は、非方向性モードのうち、DCにモード番号2、プレーナモードにモード番号34を付与し、残りのモードに方向性モードを付与した場合に適用されることができる。しかし、現在ブロックのイントラ予測モードとしてプレーナモード及びDCモードが選択される確率が他の方向性モードより高いため、プレーナモードに小さいモード番号(例えば、モード番号0)を適用して前記方法を適用することができる。この場合、他の後順位モード番号のモード番号が1ずつ増加するようになる。
【0059】
または、非方向性モードに最も低いインデックスを付与することもできる。一例として、現在ブロックのイントラ予測モードがプレーナモードであり、前記残余イントラ予測モードにプレーナモードが含まれる場合、前記イントラ予測モードインデックスは0を含むことができる。他の例として、前記残余イントラ予測モードにプレーナモード及びDCモードが含まれる場合、プレーナモード、DCモード、方向性モードの順に整列された状態で前記予測モードインデックスに対応する順序のイントラ予測モードが現在ブロックのイントラ予測モードに設定されることができる。他の例として、プレーナモードにモード番号0、DCモードにモード番号1を割り当てたり、DCモードにモード番号0、プレーナモードにモード番号1を割り当てたりすることもできる。この場合、現在ブロックの前記イントラ予測モードインデックスと前記MPMグループに属するイントラ予測モード番号を比較することで、現在ブロックのイントラ予測モードを決定することができる。
【0060】
次に、現在ブロックの変換大きさを示す情報を利用して予測ブロックの大きさを決定する(S130)。
【0061】
前記予測ブロックの大きさが現在ブロックの大きさと同じ場合には、現在ブロックのイントラ予測モード及び現在ブロックの参照画素を利用して予測ブロックを生成する。前記参照画素は、現在ブロック以前に復元された画素又は生成された画素である。
【0062】
前記予測ブロックの大きさが現在ブロックの大きさより小さい場合、即ち、現在ブロックが複数個のサブブロックに分けられてイントラ予測が実行される場合には、各サブブロックの予測ブロック生成時に同じイントラ予測モード(即ち、現在ブロックのイントラ予測モード)が利用される。また、復号化順序上、2番目以後のサブブロックの予測ブロックは、先行するサブブロックの復元画素を利用して生成される。したがって、各サブブロック単位に予測ブロック生成、残差ブロック生成、及び復元ブロック生成が終わった後、次の順序のサブブロックの予測ブロックが生成される。
【0063】
次に、前記予測ブロックの大きさに対応するブロックの参照画素が有効かどうかを判断する(S140)。前記参照画素は、既に復号化されて復元された画素である。前記参照画素のうち少なくとも一つが有効でないと判断される場合には参照画素を生成する(S150)。
【0064】
具体的に、全ての参照画素が有効でないと判断される場合には、2L−1値に代替する。ここで、Lは輝度成分の階調を示すためのビット数である。
【0065】
有効でない参照画素位置を基準に片側方向にのみ有効な参照画素が存在する場合には、前記有効な参照画素のうち最も近い位置にある参照画素を複写して参照画素を生成する。
【0066】
有効でない参照画素位置を基準に有効な参照画素が両側方向に存在する場合、予め定められた方向の最も近い位置の参照画素を複写し、又はそれぞれの方向に最も隣接した参照画素2個の平均値で参照画素を生成することができる。
【0067】
次に、参照画素をフィルタリングするかどうかを決定する(S160)。前記復元されたイントラ予測モード及び予測ブロックの大きさによって前記参照画素を適応的にフィルタリングする(S170)。
【0068】
イントラ予測モードがDCモードである場合には参照画素をフィルタリングしない。イントラ予測モードが垂直モード及び水平モードである場合にも参照画素をフィルタリングしない。しかし、イントラ予測モードが前記垂直モード及び水平モード以外の方向性モードである場合には、前記イントラ予測モード及び前記予測ブロックの大きさによって適応的に参照画素をフィルタリングする。前記予測ブロックの大きさが4×4である場合には、イントラ予測モードに関係なく、複雑度減少のために参照画素をフィルタリングしない。前記フィルタリングは、参照画素間の画素値の変化量をスムージング(smoothing)するためのことであり、low−pass filterを利用する。Low−pass filterは、3−tapフィルタである[1,2,1]又は5−tapフィルタである[1,2,4,2,1]である。前記予測ブロックの大きさが8×8〜32×32の場合、前記予測ブロックの大きさが大きくなることによってより多くの数のイントラ予測モードで参照画素をフィルタリングする。
【0069】
次に、イントラ予測モードによって予測ブロックを生成する(S180)。前記予測ブロックに使われる参照画素は、前記予測ブロックの大きさ及びイントラ予測モードによって適応的にフィルタリングされた画素である。
【0070】
DCモードでは(x=0,...,N−1、y=−1)位置のN個の上側参照画素と(x=−1、y=0,...,M−1)位置の左側参照画素及び(x=−1、y=−1)位置のコーナー画素の平均値が予測ブロックの予測画素に決定されることができる。しかし、前記参照画素と隣接する位置の予測画素は、前記平均値と前記予測画素に隣接する参照画素の加重平均を利用して生成することができる。プレーナモードでも、前記DCモードと同様の方式に予測画素を生成することができる。
【0071】
垂直モードでは垂直方向に位置する参照画素が予測画素となる。しかし、左側画素と隣接した予測画素は、前記垂直方向の参照画素と、前記左側参照画素の変化量を利用して生成されることができる。前記変化量は、コーナー参照画素と前記予測画素に隣接する参照画素との間の変化量を示す。水平モードでも前記垂直モードと方向のみが異なり、同様の方式に予測画素を生成することができる。
【0072】
図5は、本発明の一実施例に係るイントラ予測ブロック装置300を示すブロック構成図である。本発明によるイントラ予測ブロック生成装置300は、パーシング部310、予測モード復号化部320、予測ブロック大きさ決定部330、参照画素有効性判断部340、参照画素生成部350、参照画素フィルタリング部360、予測ブロック生成部370を含む。
【0073】
パーシング部310は、受信されたビットストリームからイントラ予測情報及び変換ブロック大きさ情報をエントロピー復号化する。
【0074】
イントラ予測情報は、イントラ予測モードグループ指示子と予測モードインデックスを含む。前記イントラ予測モードグループ指示子は、現在ブロックのイントラ予測モードがMPMグループに属するか、MPM以外のグループに属するかを示す。予測モードインデックスは、イントラ予測モードグループ指示子が示すイントラ予測モードグループ内での特定イントラ予測モードを示す情報である。前記イントラ予測情報のエントロピー復号化方法は、図3のS110と同様である。
【0075】
前記変換大きさ情報は、符号器から送信される変換大きさを示す少なくとも一つ以上のフラグ(split_transform_flag)を含む。
【0076】
予測モード復号化部320は、現在ブロックに隣接したブロックのイントラ予測モードを利用してMPMグループを生成し、前記MPMグループ及び前記エントロピー復号化されたイントラ予測情報を利用することで、現在ブロックのイントラ予測モードを復元する。MPMグループは、3個のイントラ予測モードで構成される。
【0077】
1)現在ブロックの上側及び左側ブロックのイントラ予測モードが存在して互いに異なる場合、前記MPMグループは、前記2個のイントラ予測モードと1個の追加イントラ予測モードで構成される。
【0078】
前記2個のイントラ予測モードのうち一つがDCモードであり、他の一つがフラッタモードでない場合、前記追加イントラ予測モードはプレーナモードである。同様に、前記二つのイントラ予測モードのうち一つがプレーナモードであり、他の一つがDCモードである場合、前記追加イントラ予測モードはDCモードである。
【0079】
前記2個のイントラ予測モードがDCモード及びプレーナモードである場合、前記追加イントラ予測モードは、垂直モード又は水平モードである。
【0080】
前記2個のイントラ予測モードがDCモード及びプレーナモードでない場合、前記追加イントラ予測モードは、前記2個のイントラ予測モード間の方向性を有するイントラ予測モードであり、又はDCモード又はプレーナモードである。
【0081】
2)現在ブロックの上側及び左側ブロックのイントラ予測モードが存在して同じ場合、前記MPMグループは、前記イントラ予測モード及び2個の追加イントラ予測モードを含む。
【0082】
前記イントラ予測モードがDCモード及びプレーナモードでない場合、前記2個の追加イントラ予測モードは、前記イントラ予測モードに隣接する2個のイントラ予測モードに設定される。前記イントラ予測モードがDCモードの場合、前記2個の追加イントラ予測モードは、プレーナモード及び垂直モードである。
【0083】
3)現在ブロックの上側及び左側ブロックのイントラ予測モードのうち一つのみが存在する場合、前記MPMグループは、前記イントラ予測モード及び2個の追加イントラ予測モードを含む。前記2個の追加イントラ予測モードは、前記イントラ予測モードにより決定される。
【0084】
4)現在ブロックの上側及び左側ブロックのイントラ予測モードが存在しない場合、前記MPMグループは、DCモード、プレーナモード、及び垂直モードを含むことができる。
【0085】
前記イントラ予測モードグループ指示子が前記MPMグループを示すと、前記予測モードインデックスが示すイントラ予測モードを、前記MPMグループから選択することで、現在ブロックのイントラ予測モードに決定する。前記イントラ予測モードグループ指示子は、現在ブロックのイントラ予測モードがMPMグループに属するか、MPM以外のグループに属するかを示すフラグ情報である。
【0086】
前記イントラ予測モードグループ指示子が前記MPMグループを示さないと、イントラ予測部240は、MPMグループに属するイントラ予測モードを除いたイントラ予測モード(以下、残余イントラ予測モードという)のうち、前記予測モードインデックスが示すイントラ予測モードを現在ブロックのイントラ予測モードに決定する。前記残余イントラ予測モードに与えられる予測モードインデックスは、MPMグループの構成によって変わる。即ち、前記復号された予測モードインデックスは、MPMグループの構成によって再配列された残余イントラ予測モードのインデックスを示す。したがって、前記復号された予測モードインデックス及びMPMグループに属するイントラ予測モードによって現在ブロックのイントラ予測モードを前記残余イントラ予測モードの中から選択する。
【0087】
具体的に、現在ブロックの前記残余イントラ予測モードをモード番号順に再配列し、前記受信された予測モードインデックスに対応する順序のイントラ予測モードを現在ブロックのイントラ予測モードとして選択する。この場合、前記残余イントラ予測モードを再配列することもできるが、現在ブロックの前記イントラ予測モードインデックスと前記MPMグループに属するイントラ予測モード番号を比較することで、現在ブロックのイントラ予測モードを決定することもできる。
【0088】
前記MPMグループ構成方法は、非方向性モードのうち、DCにモード番号2、プレーナモードにモード番号34を付与し、残りのモードに方向性モードを付与した場合に適用されることができる。しかし、現在ブロックのイントラ予測モードとしてプレーナモード及びDCモードが選択される確率が他の方向性モードより高いため、プレーナモードに小さいモード番号(例えば、モード番号0)を適用して前記方法を適用することができる。この場合、他の後順位モード番号のモード番号が1ずつ増加するようになる。
【0089】
または、非方向性モードに最も低いインデックスを付与することもできる。一例として、現在ブロックのイントラ予測モードがプレーナモードであり、前記残余イントラ予測モードにプレーナモードが含まれる場合、前記イントラ予測モードインデックスは0を含むことができる。他の例として、前記残余イントラ予測モードにプレーナモード及びDCモードが含まれる場合、プレーナモード、DCモード、方向性モードの順に整列された状態で前記予測モードインデックスに対応する順序のイントラ予測モードが現在ブロックのイントラ予測モードに設定されることができる。他の例として、プレーナモードにモード番号0、DCモードにモード番号1を割り当てたり、DCモードにモード番号0、プレーナモードにモード番号1を割り当てたりすることもできる。この場合、現在ブロックの前記イントラ予測モードインデックスと前記MPMグループに属するイントラ予測モード番号を比較することで、現在ブロックのイントラ予測モードを決定することができる。
【0090】
予測ブロック大きさ決定部330は、前記ブロック変換大きさを利用して現在ブロックの予測ブロックの大きさを決定する。予測ブロックの大きさは、現在ブロックの大きさ又は現在ブロックのサブブロックの大きさを有することができる。
【0091】
前記予測ブロックの大きさが現在ブロックの大きさと同じ場合には、現在ブロックのイントラ予測モード及び現在ブロックの参照画素を利用して予測ブロックを生成する。前記参照画素は、現在ブロック以前に復元された画素又は生成された画素である。
【0092】
前記予測ブロックの大きさが現在ブロックの大きさより小さい場合、即ち、現在ブロックが複数個のサブブロックに分けられてイントラ予測が実行される場合には、各サブブロックの予測ブロック生成時に同じイントラ予測モード(即ち、現在ブロックのイントラ予測モード)が利用される。また、復号化順序上、2番目以後のサブブロックの予測ブロックは、先行するサブブロックの復元画素を利用して生成される。したがって、各サブブロック単位に予測ブロック生成、残差ブロック生成、及び復元ブロック生成が終わった後、次の順序のサブブロックの予測ブロックが生成される。
【0093】
前述された具体的過程は、後述する。
【0094】
参照画素有効性判断部340は、前記予測ブロックの大きさに対応するブロックの参照画素が有効かどうかを判断する。前記参照画素は、既に復号化されて復元された画素である。
【0095】
参照画素生成部350は、前記参照画素のうち少なくとも一つが有効でないと判断される場合には参照画素を生成する。
【0096】
具体的に、全ての参照画素が有効でないと判断される場合には、2L−1値に代替する。ここで、Lは輝度成分の階調を示すためのビット数である。
【0097】
有効でない参照画素位置を基準と片側方向にのみ有効な参照画素が存在する場合には、前記有効な参照画素のうち最も近い位置にある参照画素を複写して参照画素を生成する。
【0098】
有効でない参照画素位置を基準に有効な参照画素が両側方向に存在する場合、予め定められた方向の最も近い位置の参照画素を複写し、又はそれぞれの方向に最も隣接した参照画素2個の平均値で参照画素を生成することができる。
【0099】
参照画素フィルタリング部360は、参照画素をフィルタリングするかどうかを決定し、前記復元されたイントラ予測モード及び予測ブロックの大きさによって前記参照画素を適応的にフィルタリングする。
【0100】
イントラ予測モードがDCモードである場合には参照画素をフィルタリングしない。イントラ予測モードが垂直モード及び水平モードである場合にも参照画素をフィルタリングしない。しかし、イントラ予測モードが前記垂直モード及び水平モード以外の方向性モードである場合には、前記イントラ予測モード及び前記予測ブロックの大きさによって適応的に参照画素をフィルタリングする。前記予測ブロックの大きさが4×4である場合には、イントラ予測モードに関係なく、複雑度減少のために参照画素をフィルタリングしない。前記フィルタリングは、参照画素間の画素値の変化量をスムージング(smoothing)するためのことであり、low−pass filterを利用する。Low−pass filterは、3−tapフィルタである[1,2,1]又は5−tapフィルタである[1,2,4,2,1]である。前記予測ブロックの大きさが8×8〜32×32の場合、前記予測ブロックの大きさが大きくなることによってより多くの数のイントラ予測モードで参照画素をフィルタリングする。
【0101】
予測ブロック生成部370は、イントラ予測モードによって予測ブロックを生成する。前記予測ブロックに使われる参照画素は、前記予測ブロックの大きさ及びイントラ予測モードによって適応的にフィルタリングされた画素である。
【0102】
DCモードでは(x=0,...,N−1、y=−1)位置のN個の上側参照画素と(x=−1、y=0,...,M−1)位置の左側参照画素及び(x=−1、y=−1)位置のコーナー画素の平均値が予測ブロックの予測画素に決定されることができる。しかし、前記参照画素と隣接する位置の予測画素は、前記平均値と前記予測画素に隣接する参照画素の加重平均を利用して生成することができる。プレーナモードでも、前記DCモードと同様の方式に予測画素を生成することができる。
【0103】
垂直モードでは垂直方向に位置する参照画素が予測画素となる。しかし、左側画素と隣接した予測画素は、前記垂直方向の参照画素と、前記左側参照画素の変化量を利用して生成されることができる。前記変化量は、コーナー参照画素と前記予測画素に隣接する参照画素との間の変化量を示す。水平モードでも前記垂直モードと方向のみが異なり、同様の方式に予測画素を生成することができる。
【0104】
図6は、本発明の一実施例に係る復元ブロック生成過程を示す。図6は、前記予測ブロックの大きさと現在ブロックの大きさが同じ場合の復元ブロック生成過程を示す。
【0105】
まず、現在ブロックのイントラ予測モードを復元する(S210)。前記イントラ予測モードは、前述された図3のステップS120と同様である。
【0106】
次に、現在ブロックの予め定められた位置の参照画素が有効かどうかを判断する(S220)。予め定められた位置の参照画素のうち少なくとも一つが有効でない場合には、有効でない位置の参照画素を生成する(S230)。前記参照画素の生成方法は、前述した図3のステップ150と同様である。ただし、予測ブロックの大きさは現在ブロックの大きさと同じである。
【0107】
次に、現在ブロックの参照画素をフィルタリングするかどうかを決定する(S240)。前記復元されたイントラ予測モード及び現在ブロックの大きさによって前記参照画素のフィルタリング可否が決定される。前記フィルタリング可否は、図3のステップ170と同様である。現在ブロックの参照画素がフィルタリングされると決定されると、現在ブロックの参照画素をフィルタリングする(S250)。
【0108】
次に、前記復元されたイントラ予測モードによって現在ブロックの予測ブロックを生成する(S260)。また、前記復元されたイントラ予測モードによって残差ブロックを生成する(S270)。前記残差ブロックの大きさは現在ブロックの大きさと同じである。
【0109】
次に、前記現在ブロックの予測ブロック及び現在ブロックの残差ブロックを加えて復元ブロックを生成する(S280)。
【0110】
図7は、本発明の他の実施例に係る復元ブロック生成過程を示す。図7は、前記予測ブロックの大きさと現在ブロックの大きさより小さい場合の現在ブロックの復元ブロック生成過程を示す。
【0111】
まず、現在ブロックのイントラ予測モードを復元する(S310)。前記イントラ予測モードは、前述された図3のステップS120と同様である。
【0112】
次に、復元する現在ブロックのサブブロックを決定する(S320)。
【0113】
次に、前記サブブロックの予め定められた位置の参照画素が有効かどうかを判断する(S330)。予め定められた位置の参照画素のうち少なくとも一つが有効でない場合には、有効でない位置の参照画素を生成する(S340)。前記参照画素の生成方法は、前述した図3のステップ150と同様である。
【0114】
次に、前記サブブロックの参照画素をフィルタリングするかどうかを決定する(S350)。前記復元されたイントラ予測モード及び前記サブブロックの大きさによって前記参照画素のフィルタリング可否が決定される。前記フィルタリング可否は、図3のステップ170と同様である。前記サブブロックの参照画素がフィルタリングされると決定されると、前記参照画素をフィルタリングする(S360)。
【0115】
次に、前記復元されたイントラ予測モードによって前記サブブロックの予測ブロックを生成する(S370)。また、前記復元されたイントラ予測モードによって前記サブブロックの残差ブロックを生成する(S380)。
【0116】
次に、前記現在ブロックの予測ブロック及び現在ブロックの残差ブロックを加えて復元ブロックを生成する(S390)。
【0117】
次に、前記サブブロックが現在ブロックの最後のサブブロックであるかどうかを判断する(S395)。前記サブブロックが現在ブロックの最後のサブブロックでない場合、符号化順序上、サブブロックを決定する過程(S320)からサブブロックの予測ブロックを生成する過程(S390)が繰り返される。この場合、復号化順序上、一番目以後のサブブロックは、復元された以前のサブブロックの一部画素を前記サブブロックの参照画素として利用する。また、前記一番目以後のサブブロックに対しては有効でない参照画素が常時存在するため、ステップS330は省略され、ステップS340に進行されることもできる。また、サブブロックの大きさが同じ場合、参照画素フィルタリング過程も一番目のサブブロックに対してのみ実行し、その以後のサブブロックに対しては実行しない。
【0118】
以上、実施例を参照して説明したが、該当技術分野の熟練された当業者は、特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から外れない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させることができることを理解することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7