(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ユーザー・インターフェースがさらに、前記回転磁場に応答した前記医療インプラントの調整の量のインジケーターを表示するよう構成された一つまたは複数のディスプレイを有する、請求項1記載のリモート・コントロール。
前記調整の量のインジケーターが、前記回転磁場に応答して前記医療インプラントの回転可能な永久磁石によって実行される回転数のインジケーターを含む、請求項2記載のリモート・コントロール。
前記医療インプラントに力が加えられ、前記力は、前記回転磁場に対する前記医療インプラントの応答性の測定に基づいてプロセッサによって計算される、請求項1記載のリモート・コントロール。
前記第一の回路基板が少なくとも五つのホール効果センサーを含み、前記第二の回路基板が少なくとも五つのホール効果センサーを含む、請求項6記載のリモート・コントロール。
前記医療インプラントによって加えられる力の大きさが、少なくとも部分的には、前記第一の回路基板の前記五つのホール効果センサーのうちの少なくとも二つと、前記第二の回路基板の前記五つのホール効果センサーのうちの少なくとも二つとの間の一つまたは複数の電圧差分から決定される、請求項7記載のリモート・コントロール。
前記医療インプラントに力が加えられるとき、前記医療インプラントに対して加えられる力の大きさが、少なくとも部分的には経験データおよび曲線当てはめデータに基づいて前記プロセッサによって決定される、請求項8記載のリモート・コントロール。
前記一つまたは複数のディスプレイがさらに、前記医療インプラントの回転可能な永久磁石が前記回転磁場に対して所定の閾値の応答性を達成していないことを示すインジケーターを含む、請求項2記載のリモート・コントロール。
前記プロセッサが、前記少なくとも一つの差動増幅器から入力差分電圧データを受領し:当該リモート・コントロールの、前記医療インプラントに対する二値の近接性指標;当該リモート・コントロールと前記医療インプラントとの間の距離;前記磁場に応答しての前記医療インプラントの寸法の変化;および前記医療インプラントに対して加えられる最大の可能な力のうちの一つまたは複数を計算する、請求項11記載のリモート・コントロール。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示における広い概念の詳細な記述が以下の諸段落において与えられる。この記述は、限定することは意図されないさまざまな例示的実施形態に向けられ、この記述は本開示の理解を容易にするために与えられる。
【0019】
外部調整装置は、医療インプラント内の内部磁石を回転させるために一対の回転する外部磁石を使うことによって、医療インプラントを調整し、それによりインプラントを伸延させたり(たとえば長さが伸びる)または短縮させたり(たとえば長さが減る)するよう構成される。たとえば、医療インプラントは脊椎の隣に埋め込まれることができ、外部調整装置を使って、脊椎の弯曲に影響するためにインプラントを非侵襲的に伸延または短縮させることができる。あるいはまた、医療インプラントは、長い骨の髄管内に埋め込まれて、該長い骨の長さまたは回転配向、たとえば長い骨の二つの別個の部分の間の相対距離または長い骨の二つの別個の部分の間の配向の相対度数に影響するよう使われることができる。
【0020】
外部調整装置は、医療インプラントの伸延長さを直接的または間接的に測定するよう構成されてもよい。伸延長さの測定は、外部調整装置内に含まれる磁気センサー、たとえばホール効果センサーまたはワイヤ・コイルを使って達成されてもよい。そのような磁気センサーは、医療インプラント内の内部磁石の磁場を検出できてもよい。
【0021】
差動(differential)モードでは、このプロセスは、ホール効果センサーを外部調整装置の上と下(たとえば、外部調整装置の回転する磁石の上端近くおよび外部調整装置の回転する磁石の下端近く)に位置させることに関わる。センサー対は、装置の上端のセンサーと装置の下端のセンサーを含んでいてもよい。センサー対における両方のセンサーが、外部調整装置内の回転する磁石の対に関連付けられた磁場をピックアップ、記録または検出してもよい。しかしながら、上のセンサーは医療インプラントからより遠く離れており、よって主として外部調整装置の回転する磁石の対の磁場をピックアップ/検出する。対照的に、下のセンサーは、医療インプラントに比較的近めであり、よって任意の医療インプラント(単数または複数)内の任意の内部磁石の磁場をピックアップ/検出する。センサー対における上のセンサーの信号値を下のセンサーの信号値から引くことは、近似的に、回転する磁石の磁場を減算で消して医療インプラントの磁場を反映する信号値を残すことと等価と考えられてもよい。この差動センサー配位は、外部調整装置が、医療インプラントに関連付けられたある種の値をリモートに測定することを許容するとともに、ユーザーがインプラントの直接的な視覚的確認なしにインプラントについてのある種の推定/結論を引き出すことを許容しうる。このように、インプラントは有利には非侵襲的な仕方でモニタリングされることができる。たとえば、差動信号は、外部調整装置が医療インプラントに、磁気的に「結合」しているほど十分近いかどうかを判定するために使われてもよい。
【0022】
外部調整装置が医療インプラントと磁気的に結合しているとき、外部調整装置内の磁石の回転は、インプラントの内部磁石の回転を引き起こし、それによりインプラントに(磁石回転の向きに依存して)伸延または収縮させ、あるいは長さを増大または長さを減少させる。磁気双極子の磁場強度は約1/r
3という関数として低下するので、外部調整装置がインプラントの内部磁石を回転させうるよう強い磁気結合(たとえば十分に高い磁場強度)を維持するために、外部調整装置は、医療インプラントに対して、合理的な程度に近い距離に保たれるべきである。これを達成するために、外部調整装置は、医療インプラントに十分近いときにのみ動作するよう構成されてもよく、外部調整装置のソフトウェアは該装置が十分に結合されていると考えられる閾値(よって測定感度)を設定するよう構成可能である。
【0023】
インプラントがどのくらいの伸延力または収縮力を生成しているおよび/または送達しているかを推定するために、差動信号(たとえば差分電圧)が使われることもできる。外部磁石の下部からインプラント内の内部磁石の上部までの間の距離(すなわち「間隙距離」)は、インプラントが生成している力の大きさを決定するために使われてもよい。間隙距離は、医療撮像スキャンによってなど、多様な仕方で推定されうる。所与の間隙距離について、差分信号と生成される力との間に関係が存在する。よって、さまざまな異なる間隙距離について、差分信号と力との間の関係についてデータが収集されてもよく、間隙距離について予測モデルが構築されてもよい。差分信号は、インプラントが停止しつつあるかすべっているかを判定するためにも使用されうる。停止やすべりは、医療インプラントが磁気結合よりも大きな、インプラントが伸延される際に克服されることができない(たとえば患者の体からの)抵抗力を経験しているときに生じる。
【0024】
医療インプラントの伸延長さの非侵襲的な測定は、間接的な測定を通じて(たとえば、外部調整装置内の磁石の回転を数えることによって)達成されることができる。外部調整装置の磁石の回転とインプラントの伸延長さの変化との間の関係が存在することがあり、前もって測定され、決定されることができる。たとえば、外部調整装置の磁石は固定した比率でインプラントの内部磁石を回転させ、それによりインプラント内のネジが固定した比率で回転し、これがひいては固定した比率でインプラントを伸延または収縮させる。換言すれば、外部調整装置の磁石の回転を数えることによって、間接的にインプラントの伸延または収縮を推定することが可能である。この推定は、外部調整装置が結合されており(そしてインプラントの内部磁石を回転させており)インプラントが停止していないという前提を必要とする。上記のように、センサー配位からの差分信号が、これらの仮定を確認することを許容しうる。いくつかの実施形態では、結合があって、停止がない磁石の回転のみが、インプラントの伸延長さを計算する際に考慮されてもよい。
【0025】
本開示におけるさらなる複雑さは、諸医療インプラントの追加および伸延長さを決定する、より直接的な方法に関連する。
【0026】
図1〜
図3は、力印加デバイスのような、より特定的には伸延デバイス1000によって表わされる(だがこれに限定されない)調整可能インプラントを調整するよう構成されている外部調整装置700を示している。伸延デバイス1000は、任意の数の伸延デバイスまたは一般には調整可能な力印加デバイスを含んでいてもよい。それはたとえば、その開示がここに参照によってその全体において組み込まれる米国特許第7,862,502号、7,955,357号、8,197,490号、8,449,543号および8,852,187号および/またはその開示がここに参照によってその全体において組み込まれる米国特許出願第12/121,355号、12/411,107号、12/250,442号、12/761,141号、13/198,571号、13/655,246号、14/065,342号、13/791,430号、14/355,202号、14/447,391号および14/511,084号に記載されたものである。伸延デバイス1000は一般に、回転するよう取り付けられていて、外部調整装置700によって加えられる磁場に応答して回転する内部の永久磁石1010を含む。磁石1010のある向きの回転はデバイス1000の伸延を引き起こし、磁石1010の逆向きの回転はデバイス1000の収縮を引き起こす。デバイス1000の収縮は圧縮力を生成でき、一方、デバイス1000の伸延は引っ張り力を生成できる。外部調整装置700は、充電可能バッテリーまたは電源コード711によって電力を受けてもよい。外部調整装置700は第一のハンドル702および第二のハンドル704を含む。第二のハンドル704はループのある形であり、外部調整装置700を運ぶためおよび/または使用中に外部調整装置700を安定させるために使うことができる。第一のハンドル702は外部調整装置700の第一の端部から線形に延びており、一方、第二のハンドル704は外部調整装置700の第二の端部に位置していて、実質的に軸外れに延在するまたは第一のハンドル702に対して角度を付けられている。ある実施形態では、第二のハンドル704は、第一のハンドル702に対して実質的に垂直な配向であってもよいが、他の配置も可能である。
【0027】
第一のハンドル702は、
図3において最もよく見える第一の外部磁石706および第二の外部磁石708を、ギア、ベルトなどを介して駆動するモーター705を含んでいる。第一のハンドル702には、身体輪郭806を含む任意的な配向画像804と、患者の身体上に外部調整装置700を配置する正しい方向を示す任意的な配向矢印808がある。これにより伸延デバイスが正しい向きに動作させられる。第一のハンドル702を保持している間、操作者は親指で、伸延記号717をもち第一の色(たとえば緑)である伸延ボタン722を押す。これは、伸延デバイス1000を伸延させる。伸延デバイス1000が伸延されすぎて、収縮させることまたはデバイス1000の伸延を少なくすることが望まれる場合には、操作者は親指で、収縮記号719をもつ収縮ボタン724を押す。
【0028】
伸延は磁石706、708をある向きに回転させ、一方、収縮は磁石706、708を逆向きに回転させる。磁石706、708は、窓811を通じて見ることのできる縞809をもつ。これにより、磁石706、708が静止しているか回っているか、そしてどちら向きに回転しているかが簡単に識別でき、装置の操作者による迅速なトラブルシューティングができる。操作者は、伸延デバイス1000の磁石が埋め込まれている患者上の点を判別し、次いで、患者の皮膚の対応する部分にマークし、次いで外部調整装置700の整列窓716を通じてこのスポットを見ることによって、外部調整装置700を伸延デバイス1000に関して正しい位置に配置することができる。
【0029】
図2は、いくつかのボタン814、816、818、820およびディスプレイ715を含むコントロール・パネルを示している。ボタン814、816、818、820はソフト・キーであり、異なる機能のアレイのためにプログラムされることができる。いくつかの実施形態では、ボタン814、816、818、820は対応する説明をもち、それがディスプレイに現われる。伸延デバイス1000に対して実行されるべき伸延の長さを設定するために、目標伸延長さ830が増加ボタン814および/または減少ボタン816を使って調整される。緑のプラス記号のグラフィック822をもつ説明は増加ボタン814に対応し、赤のマイナス記号のグラフィック824をもつ説明は減少ボタン816に対応する。本稿での特定の機能のために使われる特定の色への言及は例示と見なされるべきであることを理解しておくべきである。本稿で具体的に記載されている以外の色が、本稿に記載される発明概念との関連で使われてもよい。増加ボタン814が押されるたびに、目標伸張長さ830が0.1mmずつ増加する。同様に、減少ボタン816が押されるたびに、目標伸張長さ830が0.1mmずつ減少する。0.1mm以外の減少幅/増加幅も使用できる。所望される目標伸張長さ830が表示され、外部調整装置700が患者上に配置されたら、操作者は伸延ボタン722を押下し、外部伸延装置700は目標伸延長さ830が達成されるまで磁石706、708を回転させる(目標伸延長さ830に達した時点で外部調整装置700は停止する)。伸延プロセスの間、実際の伸延長さ832が表示され、0.0mmから始まって目標伸延長さ830が達成されるまで増加/減少していく。実際の伸延長さ832が増加/減少するにつれて、伸延進行グラフィック834が表示される。たとえば、明るい色の四角833が左から右へと暗い色で満たされていく。
図2では、目標伸延長さ830は3.5mmであり、2.1mmの伸延がすでに起こっており、伸延進行グラフィック834の四角833の60%が表示されている。リセット・グラフィック826に対応するリセット・ボタン818を押すことで、上記の数字の一方または両方を0にリセットすることができる。追加的なボタン820が他の機能(たとえばヘルプ、データなど)のために割り当てられることができる。このボタンは、それ自身の対応するグラフィック828をもつことができる(
図2では「?」として示されている)。あるいはまた、タッチスクリーン、たとえば容量性または抵抗性タッチ・キーが使われることができる。この実施形態では、グラフィック/説明822、824、826、828は、ボタン814、816、818、820の代わりになるまたはそれを増強するタッチ・キーであってもよい。ある個別的実施形態では、822、824、826、828におけるタッチ・キーがそれぞれボタン814、816、818、820の機能を実行し、ボタン814、816、818、820はなくされる。いくつかの実施形態では、ディスプレイ以外の出力が使われてもよい。それにはたとえば、オーディオ出力、USB出力、ブルートゥース出力または外部調整装置700の使用から帰結するデータをユーザーに対して効果的に報告できる他の任意のデータ出力が含まれる。
【0030】
ハンドル702、704はいくつかの仕方で把持できる。たとえば、第一のハンドル702は、伸張デバイス1000の埋め込まれた磁石の患者上での位置を見出そうとしている間、手のひらを上に向けて把持できる。指はハンドル702のまわりに巻かれ、四本の指の指先または中点はハンドル702に対してやや上に押し、それをいくらか均衡させる。これは、伸延デバイス1000内の磁石と外部調整装置700の磁石706、708との間の磁場がより明白となることを許容する非常に敏感な感覚を許容する。伸延の間、第一のハンドル702は手のひらを下に向けて把持されてもよく、操作者が装置700を患者に対してしっかりと押し下げることを許容する。これにより外部調整装置700の磁石706、708と伸延デバイス1000の磁石1010との間の距離が最小になり、よってトルク結合が最大になる。これは、患者が大柄であるまたは体重過多である場合に特に適切である。第二のハンドル704は、磁石感知動作および伸延動作の間、操作者の選好に依存して、手のひらを上または手のひらをしたにして把持してよい。
【0031】
図3は、外部調整装置700の下側または下面を示している。外部調整装置700の底部では、接触表面836は軟らかいデュロメーターの材料、たとえばエラストマー材料、たとえばPEBAX(登録商標)(米国カリフォルニア州トランスのArkema社)またはポリウレタンでできていてもよい。これは、落とされたときに装置700を保護する耐衝撃性を許容する。また、装置を患者のむき出しの皮膚に置く場合、この性質の材料は他のいくつかの材料ほど患者から急速に熱を奪わないので、硬質プラスチックや金属ほど「冷たく感じられない」。ハンドル702、704も、すべらない握りのはたらきをするために同様の材料で覆われていてもよい。
【0032】
図3は、スマイリー顔のオプションを含む子供にやさしいグラフィック837をも示している。あるいはまた、これはテディベア、おうまさんまたはバニーラビットのような動物の顔であることもできる。さまざまな幼い患者の好みに合わせるために一組の複数の顔が除去可能および交換可能であることができる。加えて、装置の下側における顔の位置は、操作者がそれらの顔を幼い子供に見せるが、それほど喜ばないかもしれない年長の子供からは隠したままにすることを許容する。あるいはまた、人間、動物または他のキャラクターをあしらった靴下人形または装飾カバーを作って、装置の動作に影響することなく装置をそれで軽く覆ってもよい。だが追加的に、そうした人形やカバーは、伸延処置実行後に幼い患者に与えられてもよい。これは、幼い子供に、将来の処置に戻ってくることに、より関心をもたせる助けとなりうることが期待される。
【0033】
図4および
図5は、
図3に示した外部調整装置700の断面図であり、さまざまな中心線に沿っての外部調整装置700の内部構成要素を示している。
図4は、
図3の直線4−4に沿っての外部調整装置700の断面図である。
図5は、
図3の直線5−5に沿っての外部調整装置700の断面図である。外部調整装置700は、第一の筐体868、第二の筐体838および中央磁石部725を有する。第一のハンドル702および第二のハンドル704がグリップ703を含む(第一のハンドル702に示されている)。グリップ703はエラストマー材料でできていてもよく、手で握ったときに軟らかい感触があってもよい。材料は、しっかりした握りを助けるために、くっつく感触があってもよい。電源コード711を介して電力が供給され、電源コード711はストレインリリーフ844を用いて第二の筐体838に留められている。ワイヤ727が、モーター840を含むさまざまな電子コンポーネントを接続している。モーター840はそれぞれギア・ボックス842、出力ギア848および中心ギア870を介して磁石706、708を回転させる。中心ギア870は、それぞれの磁石706、708に一つで二つの磁石ギア852(一つのそのようなギア852が
図5に示されている)を回転させる。出力ギア848は結合850を介してモーター出力に取り付けられており、モーター840および出力ギア848の両方は第二の筐体838にマウント846を介して固定されている。磁石706、708は磁石カップ862の内部に保持されている。磁石およびギアはベアリング872、874、856、858に取り付けられており、これが低摩擦回転を許容する。モーター840はモーター・プリント回路基板(PCB)854によって制御され、一方、ディスプレイはフレーム864に取り付けられたディスプレイPCB 866によって制御される。
【0034】
図6は、伸延処置の間の、第一および第二の外部磁石706、708と、伸延デバイス1000の埋め込まれた磁石1010との極の配向を示している。記述のために、配向は時計の数字との関係で記述される。第一の外部磁石706は第二の外部磁石708と同期して(ギア、ベルトなどによって)回され、それにより第二の外部磁石708のS極904が12時の方位を向いているとき、第一の外部磁石706のN極902は12時の方位を向く。よって、この配向では、第一の外部磁石706のS極906は6時の方位を向き、第二の外部磁石708のN極908は6時の方位を向く。第一の外部磁石706および第二の外部磁石708の両方は、それぞれの矢印914、916によって示されるように、第一の向きに回される。回転する磁場は埋め込まれた磁石1010に対してトルクを加え、矢印918によって示されるように第二の向きに回転させる。トルク送達の間の埋め込み磁石1010のN極1012およびS極1014の例示的な配向が
図6に示されている。第一および第二の外部磁石706、708が図示とは逆向きに回されるときは、埋め込み磁石1010は図示とは逆向きに回される。第一の外部磁石706および第二の外部磁石708の互いとの関係での配向が、埋め込み磁石1010へのトルク送達を最適化するはたらきをする。外部調整装置700の動作中、二つの外部磁石706、708が所望されるように同期して駆動されていることを確認することはしばしば難しい。
【0035】
図7および
図8に目を転じると、外部調整装置700が適正に機能していることを保証するために、モーター・プリント回路基板854は一つまたは複数のエンコーダ・システム、たとえばフォトインタラプター920、922および/またはホール効果センサー924、926、928、930、932、934、936、938を有している。フォトインタラプター920、922はそれぞれ発光器および検出器を有する。放射状に縞のある(radially striped)リング940が外部磁石706、708の一方または両方に取り付けられてもよく、それによりフォトインタラプターは角度運動を光学的にエンコードできる。光921、923は放射状に縞のあるリング940とフォトインタラプター920、922との間に概略的に示されている。
【0036】
独立して、ホール効果センサー924、926、928、930、932、934、936、938が、外部磁石706、708の一方または両方の回転を追跡するための非光学式エンコーダとして使われてもよい。
図7にはそのようなホール効果センサーが八個示されているが、より少数またはより多数のそのようなセンサーが用いられてもよいことは理解しておくべきである。ホール効果センサーは、ホール効果センサーが外部磁石706、708が回転する際の磁場変化を感知できるような位置で、モーター・プリント回路基板854に接続される。それぞれのホール効果センサー924、926、928、930、932、934、936、938は、磁場強度の増加または減少に対応する電圧を出力する。
図9のAは、センサー924、938に関してホール効果センサーの一つの基本的配置を示している。第一のホール効果センサー924は第一の外部磁石706との関係で9時のところに位置している。第二のホール効果センサー938は第二の外部磁石708との関係で3時のところに位置している。磁石706、708は同期運動で回転するので、第一のホール効果センサー924の第一の電圧出力940および第二のホール効果センサー938の第二の電圧出力942は同じパターンをもつ。これは、外部磁石706、708の完全な回転サイクルについての電圧をグラフ化している
図9のBにおいて見て取れる。このグラフは、出力電圧の正弦波状の変動を示しているが、クリッピングされたピークは信号の飽和のためである。たとえ本設計において使われるホール効果センサーがこの効果を引き起こすとしても、時間を追って第一の電圧出力940と第二の電圧出力942を比較するために十分な信号はまだある。外部調整装置700の動作中、二つのホール効果センサー924、938のいずれかが正弦波信号を出力しないとしたら、それは対応する外部磁石が回転を止めたことを実証する。
図9のCは、外部磁石706、708の両方が同じ近似的な角速度で回転しているが、N極902、908は正しく同期していない状況を示している。このため、第一の電圧出力940と第二の電圧出力942は位相がずれており、位相シフト(φ)を示す。これらの信号はプロセッサ915(
図8に示される)によって処理され、エラー警告が外部調整装置700のディスプレイ715に表示される。それにより、装置は再同期されうる。
【0037】
独立したステップモーターが使われる場合、再同期プロセスは再プログラミングの一つであってもよいが、二つの外部磁石706、708がたとえばギアまたはベルトによって一緒に結合されている場合には、機械的な再構成が必要とされることがある。
図9のAのホール効果センサー配位に対する代替が
図10のAに示されている。この実施形態では、ホール効果センサー928は外部磁石706との関係で12時のところに位置しており、ホール効果センサー934は外部磁石708との関係で12時のところに位置している。この配位では、外部磁石708のS極904がホール効果センサー934のほうを向くとき、外部磁石706のN極902がホール効果センサー928のほうを向くべきである。この配置では、ホール効果センサー928は出力電圧944を出力し、ホール効果センサー934は出力電圧946を出力する(
図10のB)。出力電圧944は、設計により、出力電圧946と位相がずれている。
図9のAのホール効果センサー配位の利点は、各センサーが、自分と反対磁石との間の(たとえば、ホール効果センサー924が外部磁石708との比較で)より大きな距離をもち、そのため干渉の可能性が少なくなるということである。
図10のAのホール効果センサー配位の利点は、よりコンパクトな外部調整装置700(より小さな幅)を作ることが可能でありうるということである。
図10のBの位相外れパターンも、磁石同期を確認するために解析できる。
【0038】
図7および
図8に戻ると、追加的なホール効果センサー926、930、932、936が示されている。これらの追加的なセンサーは、外部調整装置700の外部磁石706、708の回転角フィードバックに追加的な精度を許容する。ここでもまた、ホール効果センサーの具体的な数および配向は変わってもよい。ホール効果センサーの代わりに磁気抵抗式エンコーダが使われてもよい。
【0039】
さらにもう一つの実施形態では、追加的な情報がプロセッサ915によって処理され、ディスプレイ715に表示されてもよい。たとえば、外部調整装置700を使った伸延は、診察室において医療人員によって、あるいは家庭で患者もしくは患者の家族によって実行されてもよい。いずれの場合も、のちにアクセスするために、各伸延セッションからの情報を記憶しておくことが望ましいことがある。たとえば、各伸延の日時、試みられた伸延の量および得られた伸延の量である。この情報は、プロセッサ915に、あるいはプロセッサ915に付随する一つまたは複数のメモリ・モジュール(図示せず)に記憶されてもよい。加えて、医師は、伸延長さ限界、たとえば各セッションにおいて伸延されることのできる最大量、一日当たりに伸延されることのできる最大量、一週間当たりに伸延されることのできる最大量などを入力できてもよい。医師はこれらの限界を、患者がアクセスできない、装置のキーまたはボタンを使う安全なエントリーを使って入力してもよい。
【0040】
図1に戻ると、一部の患者では、伸延デバイス1000の第一の端部1018を患者の頭のほうに、伸延デバイス1000の第二の端部1020を患者の足のほうに向けて配置することが望ましいことがある。伸延デバイス1000のこの配向は、前向きと称されてもよい。他の患者では、伸延デバイス1000の第二の端部1020を患者の頭のほうに、伸延デバイス1000の第一の端部1018を患者の足のほうに向けて、伸延デバイス1000を配向させることが望まれることがある。伸延デバイス1000のこの配向は逆向きと称されてもよい。ナットの中でネジを回すために磁石1010が回転する伸延デバイス1000では、伸延デバイス1000の配向が患者において前向きまたは逆向きであることは、外部調整装置700が、伸延デバイス1000が前向きに配置されるときは配向画像804に従って配置される必要があるが、伸延デバイス1000が逆向きに配置されるときは配向画像804と逆に配置される必要があることを意味する。プロセッサ915が伸延デバイス1000が前向きまたは逆向きどちらに埋め込まれているかを認識し、次いで伸延ボタン722が配置されるときに適切な方向に磁石706、708を回転させるよう、ソフトウェアがプログラムされてもよい。
【0041】
たとえば、モーター705は、前向きに配置された伸延デバイス1000を伸延するときには第一の向きに、逆向きに配置された伸延デバイス1000を伸延するときには第二の逆の向きに、磁石706、708を回転させるよう指令されることができる。医師は、伸延デバイス1000が前向きまたは逆向きのどちらに配置されたかをコントロール・パネル812を使って入力するよう、ディスプレイ715によって促されてもよい。その後、患者は、伸延および収縮の両方についてモーター705が磁石706、708が適正な方向に回転させることを確かにするよう、同じ外部調整装置700を使うことを続けてもよい。あるいはまた、伸延デバイスはRFIDチップ1022(
図1に示される)を組み込んでもよく、これが外部調整装置700のアンテナ1024によって読み出され、書き込まれることができる。患者における伸延デバイス1000の位置(前向きまたは逆向き)はRFIDチップ1022に書き込まれることができ、よって任意の外部調整装置700のアンテナ1024によって読まれることができる。それにより患者は、どの外部調整装置700が使われるかに関わりなく、正しい伸延および/または収縮を受けることができる。
【0042】
図11は、外部調整装置700の二つの外部磁石706、708および伸延デバイス1000の内部の永久磁石1010のまわりの領域における磁場特性の磁束密度プロット100である。開示の目的のため、回転可能磁石を組み込んでいる任意の型の調整可能な力印加(またはトルク印加)インプラントが代替として考えられる。磁束密度プロット100では、一連の磁束線110が向きおよび大きさをもつベクトルとして描かれている。大きさは矢印の長さによって表わされる。外部磁石706、708は磁気的に内部永久磁石1010と結合し、モーター840(
図4)によって回転させられて、それが(
図6との関係で述べたように)内部永久磁石1010を回転させ、磁束線110は大きさおよび向きにおいて大きく変化する。本発明の実施形態は、変化する磁場特性についての情報を受け取り、外部調整装置700の、そしてより重要なことには伸延デバイス1000自身の使用および機能を助けるパラメータを決定するために、ホール効果センサーのような磁気センサーのアレイを使う。第一のパラメータは、外部調整装置700の、伸延デバイス1000の内部永久磁石への一般的な近接性(general proximity)である。外部調整装置700の外部磁石706、708は伸延デバイス1000の内部永久磁石1010に、内部永久磁石が機能するために十分近く置かれることが望まれる。本システムの目標は、外部磁石706、708が内部永久磁石に対して付与するトルクを最大化し、よって伸延デバイス1000によって送達される伸延力を最大化することでありうる。第二のパラメータは、外部調整装置700と伸延デバイス1000との間の距離、特に外部調整装置700の外部磁石706、708と伸延デバイス1000の内部永久磁石1010との間の距離の推定値である。この距離推定値は、のちにより詳細に説明するが、その後のパラメータを推定することにおいて使用できる。第三のパラメータは、伸延長さのような伸延デバイス1000の推定される可変寸法である。いくつかの型の調整可能インプラントでは、この可変寸法は長さであってもよい。他の型の調整可能インプラントでは(たとえば制約デバイスでは)、調整可能パラメータは直径または周長であってもよい。第四のパラメータは伸延力である。伸延力は、側弯症における有用なパラメータでありうる。特に、成長期の患者では骨格系に対する増大した引っ張り負荷が成長を加速することができるからである。これはヒューター・フォルクマン則(Heuter-Volkmann principle)として知られている。伸延力は、骨の長さを増すことまたは骨の角度もしくは回転配向を変えることに関わる臨床用途でも有用である。ここでもまた、インプラントに依存して、第四のパラメータは他の力、たとえば米国特許第8,852,187号に開示されるもののような外傷用途における調整可能な圧縮インプラントにおける圧縮力を組み込んでもよい。調整可能な医療インプラントを使う他の医療用途では、加えられる力の代わりにまたは加えられる力のほかに、ある身体部分に加えられるモーメントを知ることが有用であることがある。たとえば、側弯曲線において、「曲げ戻しモーメント(un-bending moment)」は、曲線をまっすぐにするために伸延デバイスによって曲線に対してかけられるモーメントを記述する。ある特定の力の値について、このモーメントは、伸延デバイスが側弯曲線の最突出部から横方向にどのくらい遠くに位置しているかに依存して変わる。たとえばX線画像を介して横方向の距離がわかれば、加えられた力を決定することから曲げ戻しモーメントが計算されうる。
【0043】
外部調整装置700の最適な位置決めを決定することは、常に可能とは限らない。もちろん、埋め込まれた伸延デバイス1000は外部調整装置700の操作者に可視ではなく、X線撮像を使ってのその正確な位置の決定は難しく、追加的な放射線のため、望ましくないことがある。埋め込まれた伸延デバイス1000の位置を定義するX線画像があったとしても、外部調整装置700を患者の皮膚に隣接する所望される位置に配置することは、患者の身体の表面の極端な曲がりにより(たとえば、胴体にかなりの変形がある側弯症の患者の場合)、あるいは骨格系のまわりの(たとえば肢伸張患者における大腿骨のまわりの周方向の)筋肉および脂肪の厚さの変動により、複雑にされることがある。
図12Aは、デカルト形式で、Y軸に整列した外部調整装置700の中心線106を示すとともに、外部調整装置700の外側表面との接線707と伸延デバイス100の外側表面との接線709との間の間隙Gを示している。外部磁石706、708と内部永久磁石1010との間の距離は、外部調整装置700および伸延デバイス1000内のそれらそれぞれの位置のため、間隙Gよりわずかに大きいことがある(すなわち、筐体が空隙Gに若干の追加をする)。外部磁石706、708は、伸延デバイス1000の内部永久磁石1010により近くに配置されるにつれて、生成できる伸延力が増す。整列における横方向のオフセットは、外部調整装置700の中心線106と内部永久磁石1010の中心との間で、x軸に沿ってXoによって表わされている。外部調整装置700がただ一つの外部磁石をもつ実施形態では、横方向オフセットは、その外部磁石の中心と内部永久磁石1010の中心との間のx軸に沿っての距離によって表わされる。多くの場合、Xoが小さいほど、より大きな最大可能な伸延力が許容される。また、角度R
1だけ傾けられた外部調整装置700’も破線で示されている。これは、外部磁石706’を、R1が0に近かった場合に比べて、内部永久磁石1010から遠くにする。
【0044】
図12Bは
図12Aと同様だが、
図12Bは外部調整装置700および内部永久磁石1010の側面図を示しており、z軸が左から右に向かっており、y軸は上下方向である。外部磁石708の軸中心と内部永久磁石1010の軸中心との間に軸オフセットZoが描かれている。また、角度R
2だけ傾けられた外部磁石708’をもつ代替的な配位も示されている。軸オフセットZoは、最大可能な伸延力を下げる傾向がある。
図12Cは、外部磁石706と内部永久磁石1010との間の、第三の傾き角R
3を示す上面図である。臨床用途ではR
2とR
3はほぼ常に0でない大きさをもつが、それらが大きいほど潜在的な結合トルクが小さくなり、よって潜在的な伸延力が低くなる。
【0045】
図13Aないし13Dは、調整処置の間の外部磁石706、708と内部永久磁石1010との間の磁気結合の変動を示している。
図13Aは、たとえば外部磁石706、708の回転を開始するのに先立って、あるいは外部調整装置700の動作開始のいちばんはじめに存在しうる、ゼロ・トルク条件を示している。図のように、外部磁石706のN極902はy軸の正方向を向いており、外部磁石706のS極906はy軸の負方向を向いており、一方、外部磁石708のS極904はy軸の正方向を向いており、外部磁石708のN極908はy軸の負方向を向いている。内部永久磁石1010のN極1011は外部磁石706のS極906に引きつけられて、よって実質的にx軸の負方向に保持され、内部永久磁石1010のS極1013は外部磁石708のN極908に引きつけられて、よって実質的にx軸の正方向に保持されている。すべての磁石706、708、1010は釣り合った状態にあり、互いにかちあっていない。(
図13Bに示されるように)外部磁石706、708が回り始めるよう外部調整装置700が作動されると、内部永久磁石1010を回転可能に保持する機構に、公称抵抗トルクがはたらくことがよくある。たとえば、ピンまたは軸に対する摩擦または伸延機構の送りネジ(lead screw)とナットの間の摩擦である。この具体的な説明では、外部調整装置は、単一の外部磁石706をもつか、または互いに同期して回転する二つ以上の外部磁石706、708をもことが想定される(ただし、他の実施形態も可能である)。よって、簡単のため、当面は外部磁石706のみを参照する。外部磁石706は第一の回転方向102に第一の角度α
1まで回される際、まだ、内部永久磁石1010に対して、逆の第二の回転方向104の回転を開始させるほど十分に大きい印加トルクを加えていない。たとえば、印加トルクτ
Aが内部永久磁石1010の静止閾抵抗トルクτ
ST未満であるときである。しかしながら、角度α
1を超えると、印加トルクτ
Aは内部永久磁石1010の静止閾トルクτ
STより大きくなり、第二の回転方向104への内部永久磁石1010の回転が始まり、外部磁石706が角度α
2まで回転する間、継続する。このように、外部磁石706が角度α(α=α
1+α
2)に到達するとき、内部永久磁石1010は角度β回転しており、角度βは角度αより小さい。角度βはα
2以下である。内部永久磁石1010が角度βまで回転する際に動的抵抗トルクτ
DRが増す場合、角度βは角度α
2より小さい。
【0046】
図13Cは、追加的な回転が起こって動的抵抗トルクτ
DRが増大した後の磁石706、708、1010の配向を示している。これは典型的には、伸延デバイス1000の伸延力が増す際に、伸延デバイス1000の機構内の摩擦が増すために起こり、最初の回転の間にまたは数回転後に起こることがある。このように、
図13Cにおいて見て取れるように、内部永久磁石1010は、外部磁石706より小さな追加的な量だけ回転している。外部磁石706と内部永久磁石1010の間の回転配向の差を記述するために、位相遅れという用語が使われる。動的抵抗トルクτ
DRが増すにつれて、位相遅延が増す。
図13Aに示したゼロ・トルク状態での外部磁石706のN極902と内部永久磁石1010のN極1011との間の位相遅延が90°として定義されるところであろう。しかしながら、本発明の実施形態の目的のためには、位相遅延は
図13Aのゼロ・トルク状態について0°と定義される。位相遅延を定義するために選ばれる方法に関わりなく、重要な因子は、時間に対する(または回転回数に対する)位相遅延の変化である。動的抵抗トルクτ
DRがさらに増すと、動的抵抗トルクτ
DRが印加トルクτ
Aより大きい点に達する。これは、外部磁石(単数または複数)および内部永久磁石の係合する極どうしが互いを通り過ぎてすべるまたはその磁気的な係合を失う、すべり(slip)条件(または停止(stall)条件)を作り出す。こうして、外部調整装置700の外部磁石706、708はもはや内部永久磁石1010を回転させることはできない。すべりの直前、位相遅延は90°にもなることがある。すべりの時点で、極どうしは互いにすべるので、完全な一回転より少ない何らかの角度で、内部永久磁石1010は典型的には突然、すぐに、回転方向102(それまで回っていた回転方向104の逆)に後方回転する。このことは
図13Dに示されている。
【0047】
図14に示される知的な調整システム500は、磁気センサー・アレイ503を有する外部調整装置502を有する。外部調整装置は、第一の部分404と、該第一の部分404との関係で調整可能な第二の部分406とを有する調整可能な医療デバイス400を調整するよう構成されている。調整可能な医療デバイス400は非侵襲的に調整可能であり、回転可能な永久磁石402、たとえば放射状に極のある(radially-poled)円筒状の永久磁石を含んでいる。調整可能な医療インプラント400は、身体内で調整可能な力を加えるよう構成される。永久磁石402は、第二の部分406内の雌ネジ410と係合するよう構成されている送りネジ408に回転可能に結合されていてもよく、それにより、永久磁石402の回転が、雌ネジ410内で送りネジ408の回転を引き起こし、こうして第一の部分404および第二の部分406を互いに対して長手方向に動かす。永久磁石402は、外部調整装置502の一つまたは複数の外部磁石510(または
図16の511)を用いてトルクを加えることによって、非侵襲的に回転させることができる。調整可能な医療デバイス400は、患者内に埋め込むよう構成され、図のように、第一の部分404が第一の位置において患者に結合されることができ、第二の部分406が第二の位置において患者に結合されることができるようさらに構成される。いくつかの実施形態では、調整可能な医療デバイス400は、第一の位置と第二の位置との間の伸延力を増すよう非侵襲的に調整されてもよい。いくつかの実施形態では、調整可能な医療デバイス400は、第一の位置と第二の位置との間の伸延力を減らすよう非侵襲的に調整されてもよい。いくつかの実施形態では、調整可能な医療デバイス400は、第一の位置と第二の位置との間の圧縮力を増すよう非侵襲的に調整されてもよい。いくつかの実施形態では、調整可能な医療デバイス400は、第一の位置と第二の位置との間の圧縮力を減じるよう非侵襲的に調整されてもよい。いくつかの実施形態では、調整可能な医療デバイス400は、これらの機能の二つ以上を実行するよう非侵襲的に調整されてもよい。あるいはまた、調整可能な医療デバイスは、直径を増すまたは減じるよう調整されるよう構成された制約〔拘束〕(restriction)デバイスであってもよい。たとえば、直径は、少なくとも部分的に身体導路、たとえば血管、胃腸管または尿路を制約する。この性質のある実施形態では、第二の部分406との関係での第一の部分404の動きが、ケーブルまたは張力部材に対する牽引または張力を増大または減少させてもよく、それが制約デバイスの直径における制約(あるいは場合によっては増大)を引き起こしてもよい。
【0048】
磁気センサー・アレイ503は、二つの回路基板516、518、たとえばプリント回路基板(PCB)を有していてもよい。第一の回路基板516は第二の回路基板518と向かい合って位置していてもよい。たとえば、第一の回路基板516は第二の回路基板518より上に、第二の回路基板518と概して平行に位置されてもよい。各回路基板516、518は、磁気センサー536、538、540、542、たとえばホール効果センサーのサブアレイ520を有していてもよい。第二の外部磁石511(
図16)またはさらに多数の外部磁石が外部調整装置502に配されてもよい。
図14では、第二の外部磁石511は、磁気センサー・アレイ503の詳細を示すために取り除かれている。第一および第二の回路基板516、518を所定の位置に保持するために、外部調整装置502には隔離ブロック526、528が配されていてもよい。隔離ブロック526、528は、磁気センサー・アレイ503をチューニングするよう必要に応じて各回路基板516、518の複数の次元の微調整を許容するために、一つまたは複数の方向に可動であってもよい。前記一つまたは複数の外部磁石510は、基部532に回転可能に固定されており、静的な円筒磁石カバー530で覆われてもよい。前記一つまたは複数の外部磁石510が振動したりがたついたりしないようにして、それにより有利には磁気センサーの信号対雑音比を高めるとともにセンサー・アレイ503の全体的な有効性を高めるよう、前記一つまたは複数の外部磁石510を基部に十分よく固定することが望まれることがありうる。
【0049】
回路基板516、518は実質的に互いに同一であってもよく、あるいは互いの鏡像であってもよい。
図15は、回路基板516をより詳細に示している。五つのホール効果センサー(HES: Hall effect sensor)は前方HES 534、後方HES 536、左HES 538、右HES 540および中央HES 542を含む(ここで、前方HES 534、後方HES 536および中央(middle)HESは個々にまたはまとめてセンター(center)HESと称されてもよい)。
図14では、回路基板516は上方に延びるホール効果センサー534、536、538、540、542をもつものとして示されており、一方、回路基板518は下方に延びるホール効果センサー(
図14では見えない)をもつものとして示されている。いくつかの実施形態では、ホール効果センサーと永久磁石402との間の距離を最小にするために下方に延びる回路基板518のHESをもつことが有利であることがある。いくつかの実施形態では、このように、回路基板518は回路基板516に対する鏡像を有していてもよい。よって、回路基板516の左HES 538は回路基板518の左HESの真上、などとなる。しかしながら、左HESのために使われるホール効果センサーが右HESのために使われるホール効果センサーと同一であり、前方HESと後方HESについても同様である場合には、両方の回路基板516、518について同じ回路基板が使われてもよく、こうして製造コストを削減しうる。プリント回路基板(PCB)が各ホール効果センサーについて電圧源(たとえば+5ボルト)への接続のために伝導性トラックを許容するために使われることが構想される。
【0050】
いくつかの実施形態では、ホール効果センサー534、536、538、540、542は線形ホール効果センサーを有する。回路基板516、518の配位(すなわち一方が他方の上方)は、差動モードでのそれらの使用を助ける。これについては
図17に関して述べる。中央HES 542は両方の回路基板516、518において、外部磁石510、511から最も遠いホール効果センサーなので、飽和の影響を受けにくいことがある。よって、そのような実施形態では、より敏感なホール効果センサーが中央HES 542として使用されてもよい。たとえば、米国カリフォルニア州アーヴァインのAllegro Microsystems社によって生産されるA1324が使われてもよい。これは約4.75から約5.25ミリボルト毎ガウス(mV/G)、あるいはより特定的には5.0mV/Gの感度をもつ。外部磁石510、511のより近くに位置していて、飽和する可能性がより高い他のホール効果センサー(たとえば534、536、538、540)については、それほど敏感でないホール効果センサーが使われてもよい。たとえば、やはり米国カリフォルニア州アーヴァインのAllegro Microsystems社によって生産されるA1302が使われてもよい。これは約1.3mV/Gの感度をもつ。
【0051】
図16に目を転じると、各回路基板516、518の配向が、各外部磁石510、511の中心との関係で示されている。例示的な配置は、約2.54cm(1.0インチ)から8.89cm(3.5インチ)の間、より特定的には約2.54cm(1.0インチ)から6.35cm(2.5インチ)の間の直径をもつ外部磁石510、511を有する。外部磁石510、511の長さは約3.81cm(1.5インチ)から12.7cm(5.0インチ)の間または約3.81cm(1.5インチ)から7.62cm(3.0インチ)の間であってもよい。個別的実施形態では、これらの外部磁石は約3.81cm(1.5インチ)の直径および約5.08cm(2.0インチ)の長さを有し、たとえばN42より高い、N45より高い、N50より高いまたは約N52のグレードを使うネオジム‐鉄‐ホウ素のようなレアアース材料から作られる。
図14に戻ると、永久磁石402についての例示的なサイズは、約6.35mm(0.25インチ)から8.89mm(0.35インチ)の間、約6.85mm(0.27インチ)から8.13mm(0.32インチ)の間または約7.11mm(0.28インチ)の直径を含んでいてもよい。永久磁石402は約1.27cm(0.50インチ)から3.81cm(1.50インチ)の間、約1.77cm(0.70インチ)から3.18cm(1.25インチ)の間または約1.85cm(0.73インチ)または約2.54cm(1.00インチ)の長さを有していてもよい。個別的実施形態では、永久磁石402は、たとえばN42より高い、N45より高い、N50より高いまたは約N52のグレードを使うネオジム‐鉄‐ホウ素のようなレアアース材料から作られてもよい。
【0052】
再び
図16に目を転じると、回路基板516(上回路基板とも呼ばれる)は、約15mmないし32mmまたは約21mmの外部磁石510、511の中心からの距離Y
1のところに位置されていてもよい。回路基板518(下回路基板とも呼ばれる)は、約17mmないし35mmまたは約26mmの外部磁石510、511の中心からの距離Y
2のところに位置されていてもよい。外部調整装置502は、二つの外部磁石510、511の間にくぼみ544を含んでいて、外部調整装置が患者に対して押下されるときに皮膚および/または脂肪がくぼみ内に動くことを許容してもよい。それにより、外部磁石510、511は永久磁石402のできるだけ近くに配置されることが許容される。二つの外部磁石510、511を有する外部調整装置502のいくつかの実施形態において、二つの外部磁石510、511の中心軸は、約50mmから100mmまでの間、約55mmから80mmまでの間または約70mmだけ互いから離間されてもよい。
【0053】
図17では、(
図14および
図16の)外部調整装置502の正面図が、同じ差動増幅器に結合されているホール効果センサーの諸対を示している。回路基板516の左HES 538は回路基板518の右HES 540と対になっている。回路基板518の左HES 538は回路基板516の右HES 540と対になっている。
図18では、回路基板516の前方HES 534は、回路基板518の前方HES 534と対になっている。回路基板516の中央HES 542は回路基板518の中央HES 542と対になっている。そして、回路基板516の後方HES 536は回路基板518の後方HES 536と対になっている。
図17および
図18の両方において、対形成をよりよく示すために点線が描かれている。
【0054】
図19では、センサー・アレイ503を有し、回転するよう構成された少なくとも一つの外部磁石510を有する外部調整装置502が、電源504によって電力を与えられる。この電源504(または別個の電源)は、ホール効果センサー(
図17および
図18の534、536、538、540、542)が結合される差動増幅器505に電力を与える。外部調整装置502の前記少なくとも一つの外部磁石510は(たとえば
図4のモーター840によって)回転させられ、調整可能な医療デバイス400の永久磁石402に磁気的に結合する。前記少なくとも一つの外部磁石510と永久磁石402との間の結合は、可変の結合およびトルク特性(たとえば増大する動的抵抗トルクτ
DR)を有していてもよく、これが成分(すなわちベクトル)512および514によって表わされる変動する磁場を引き起こす。前記一つまたは複数の回転可能な外部磁石510、511が一つまたは複数の電磁石であって、たとえば二つの回転可能な永久磁石によって生成される回転可能な磁場と比較可能な回転可能な磁場を生成するよう実施形態が構築されることができることも本発明の範囲内であることを述べておくべきである。
図33は、回転可能な磁場を生成するための二つの電磁石606、608を有する外部調整装置600を示している。外部調整装置600はそれ以外の点では
図14〜
図19の外部調整装置502と同様である。
図19に戻ると、プロセッサ506(たとえばマイクロプロセッサ)は、差動増幅器505からの信号を処理し、結果として得られる情報がユーザー・インターフェース508に表示される。
【0055】
図20は、知的な調整システム(たとえば
図14の500)内のシステム論理200を示しており、これが、センサー・アレイ503によって受領された信号を受け、次のものを決定または推定することを許容する:1)伸延デバイス1000、400の内部永久磁石1010、402に対する、外部調整装置700、502の外部磁石706、708、510、511の一般的な近接性、2)外部調整装置700、502と伸延デバイス1000、400の間の距離、特に外部調整装置700、502の外部磁石706、708、510、511と伸延デバイス1000、400の内部永久磁石1010、402との間の距離、3)伸延デバイス1000、400の推定される伸延長さ、および4)伸延力。データが、いくつかの実施形態では連続モードで、たとえば1000Hzのサンプリング・レートで収集される。ブロック202において、中央HES 542、左HES 538および右HES 540からの差動入力が、それぞれの完全な回転サイクルの最大および最小値(電圧)とともに解析され、こうして、ブロック204において、中央HES 542の波形の振幅が識別される。この振幅が、ブロック206によって示される/囲まれる諸ブロックにおいて実行されるいくつかのその後の機能の間に使われる。ブロック208では、回転検出が実行される。たとえば、ある実施形態では、波形の振幅が4.2ボルトより小さければ、伸延デバイス1000、400の永久磁石1010、402は回転的に静止している(rotationally stationary)と決定される。ブロック210では、外部調整装置700、502の、伸延デバイス1000、400の永久磁石1010、402に対する一般的な近接性が決定される。たとえば、外部調整装置700、502が永久磁石1010、402に、外部調整装置700、502の動作を許容するのに十分近いかどうかのイエス/ノー判定である。ある実施形態では、データ取得アレイが解析され、最初と最後の要素(すなわち、データ取得アレイにおいて測定された値のすべて)が0.5ボルトより小さければ、ホール効果センサーによって生成された波形のピークは処理されるために完備である。波形の振幅が9.2ボルトより大きければ、外部調整装置700、502は、アボートすることなく、継続した調整を正当化するのに受け入れ可能なくらい、伸延デバイス1000、400の永久磁石1010、402に近い。
【0056】
ブロック212では、外部調整装置700、502と伸延デバイス1000、400の間(または外部磁石706、708、510、511と永久磁石1010、402の間)の実際の距離の推定がなされる。経験データおよび曲線当てはめデータが、この距離(間隙G)を推定するために使われる。たとえば、ある個別的実施形態について、
図22は、一連の間隙Gについての電圧(V)について得られた経験的データのグラフ266を示している。曲線当てはめは式:
V=286.71×G
-1.095
を生成した。ここで、Vはボルト単位の電圧であり、Gはミリメートル単位の空隙Gである。
【0057】
図20に戻ると、ブロック214において、現在の距離(間隙G)における最大伸延力が、経験的データおよび曲線当てはめデータに基づいて推定される。たとえば、ある個別的実施形態について、
図23は、一連の間隙Gについてポンド(lbs.)単位での最大可能な力のグラフ268を示している。曲線当てはめ272は式:
F=0.0298×G
2−2.3262×G+60.591
を生成した。ここで、Fはポンド(lbs.)単位の力であり、Gはミリメートル単位の間隙Gである。
【0058】
図20に戻ると、ブロック216において、経験的データおよび曲線当てはめデータに基づいて伸延力のリアルタイム推定が実行される。たとえば、ある個別的実施形態について、
図24は、ある範囲の電圧差分にわたるポンド(lbs.)単位での推定されたまたは実際の伸延力のグラフ270を示している。曲線当てはめ274は式:
F=0.006×V
d3−0.2168×V
d2+3.8129×V
d+1.1936
を生成した。ここで、Fはポンド(lbs.)単位の力であり、V
dはボルト単位の差分電圧である。
【0059】
図20に戻ると、この力についての値が所望されるときはいつでもユーザー・インターフェース226上でボタンが押されてもよく、あるいはそれは随時更新されるよう設定されていてもよい。ブロック218では、外部磁石706、708、510、511と永久磁石1010、402との間のすべりが検出される。まず、ブロック222において、左と右のHES 538、540の間の差分入力が取得され、最大値および最小値が得られる。次いで、ブロック224において、停止検出論理が実行される。ある実施形態では、二つの期間の間の(between two periods)波形の最大値と最小値の間の比が有効波形期間中、0.77ボルトより大きく、それが二回続けて起これば、すべりが検出される(たとえば、回路基板516の左HES 538と回路基板518の右HES 540の間および/または回路基板516の右HES 540と回路基板518の左HES 538の間で)。ある個別的実施形態では、現在振幅が前の現在振幅の1.16倍(またはそれ以上)大きい(または1.16倍以上小さい)場合、すべりが検出される。ある実施形態では、最大インデックスと最小インデックスとの間の差が12ボルトより小さければ、すべりが検出される。左および右HES 538、540によって停止が検出されたら、すべりが検出される。すべりが検出されたら、アラーム228が鳴動または点灯されてもよい。
【0060】
ここで
図25を参照するに、本発明のある実施形態における、時間を追った二つの差分電圧のグラフ276が示されている。差分電圧(differential voltage)は、外部調整装置700上の二つの関連付けられたホール効果センサーの間の電圧ポテンシャルの測定された差であってもよい。たとえば、差分電圧は、外部調整装置700における上のほうの磁石にあるホール効果センサーおよび外部調整装置700における下のほうの磁石にあるホール効果センサーからなるホール効果センサー534(あるいはまた、534、542および536を含むセンターHESの任意のもの)の中央の対からの電圧ポテンシャルにおける測定された差であってもよい。ここで、下のホール効果センサーと上のホール効果センサーは整列している。ホール効果センサー534の対の下のほうのホール効果センサーは、伸延デバイス1000の磁場に起因する電圧を含む測定された電圧を有していてもよい(あるいはまた、534、542および536を含む対応するセンターHESの任意のもの)。しかしながら、その測定された電圧から、外部調整装置700の磁石からの影響があればそれは引き去ることが望ましいことがある。減算は、ホール効果センサー534の対における上のホール効果センサーの測定電圧を使って行なうことができる。上のホール効果センサーは、伸延デバイス1000の磁場が上のホール効果センサーの測定された電圧に有意な影響をもつには、伸延デバイス1000から遠く離れすぎていることがありうるからである。上のホール効果センサーは主として、外部調整装置700における磁石の磁場に起因する電圧を測定する。こうして、ホール効果センサー534の対の測定された電圧の差分電圧を決定することによって、伸延デバイス1000の磁場に起因する電圧が決定できる。グラフ276では、差分電圧286(細い線)は、回路基板516の中央HES対542と回路基板518の542との間の差分電圧のグラフであってもよく、これは、本稿に開示されるシステムを使ってパラメータまたは推定値の多くを計算するために使われてもよい。差分電圧286は、三角形の摂動290を有していてもよい。三角形の摂動290は典型的には、差分電圧286のサイクル内に位置される。三角形の摂動290の振幅における変化は、たとえば、すべりを表わすことがあり、あるいは結合トルクにおける変化を表わすことがある。外部調整装置700は、すべりが生起している時または伸延デバイス1000に結合されている時を、差分電圧286において生起する三角の摂動290を評価することによって判別するよう構成されてもよい。グラフ276では、差分電圧288(太い線)は、ホール効果センサーの側方対の間の(たとえば回路基板516の左HES 538と回路基板518の右HES 540の間の)差分電圧のグラフであってもよく、外部調整装置700と伸延デバイス1000との間に生起する磁気的なすべりの確認のために使われてもよい。差分電圧288は摂動292を有していてもよい。摂動292は典型的には、差分電圧288のサイクル内に位置される。摂動292の振幅における変化は、磁気的すべりの間に生起しうる。外部調整装置700は、すべりが生起している時を、差分電圧288において生起する摂動292を評価することによって判別するよう構成されてもよい。
【0061】
図20に戻ると、ブロック230では、リアルタイム・トルク値が要求される(たとえばユーザー・インターフェース226上のボタンを押す)とき、波形の電圧または振幅が記録される。ブロック220では、回転サイクルがカウントされる(これは連続的に行なわれる)。伸延長さもカウントされる。たとえば、ある実施形態では、内部永久磁石1010、402の回転毎に0.32mmの線形伸延が生じる。別の実施形態では、内部永久磁石1010、402の回転毎に0.005mmの線形伸延が生じる。回転の数は、内部永久磁石1010、402の回転の数または内部永久磁石1010、402の回転の数のある割合もしくは倍数であってもよい(たとえば「回転」は非整数の回数であってもよく、1より小さいまたは1より大きいことができる)。たとえば、内部永久磁石1010、402と送りネジ408との間にギア・モジュール412(
図14)を有する伸延デバイス1000、400では、内部永久磁石1010、402の回転の数をギア減数比(gear reduction)で割ったものをカウントすることが望まれることがある。たとえば、送りネジ408が内部永久磁石1010、402の1/64倍の単位時間当たりの回転数で回転するギア減数比64:1の場合、システム500によってカウントされる数は、内部永久磁石1010、402の回転の数を64で割ったものであってもよい。
【0062】
伸延デバイス1000の伸延長さを測定することは、外部調整装置700と伸延デバイス1000の間のすべりを測定することおよび外部調整装置700内の磁石706、708の回転を測定することの両方の機能であってもよい。外部調整装置700および伸延デバイス1000が結合され、すべりや停止が起こらない場合、伸延デバイス1000の内部永久磁石1010は回転していると想定される。伸延デバイス1000の内部永久磁石1010の回転を決定するために、磁石706、708の回転が外部調整装置700によってカウントされてもよい。伸延デバイス1000、磁石706、708、内部永久磁石1010およびギア・モジュール412の寸法および属性は前もって知られているので、内部永久磁石1010の回転の量から、伸延長さが上記のプロセスから推定されることができる。こうして、伸延デバイス1000の伸延長さが、外部調整装置の磁石706、708の回転の数から、逆算または計算されることができる。
【0063】
上記のプロセスは、内部永久磁石1010が回転させられる際に伸延デバイス1000の送りネジ408が回転するという前提に依拠している。しかしながら、これは必ずしも真ではないことがある。たとえば、ギア・モジュール412および/または何らかの仲介部材(結合ピンなど)が壊れている場合、内部永久磁石1010は送りネジ408に機械的に結合されないことがある。内部永久磁石1010を回転させることは、送りネジ408をも回転させることにはならない。この状況では、抵抗力はないであろう。外部調整装置700は、結合ピンが壊れている(そして送りネジ408回転が生じていない)このシナリオと、送りネジ408がゼロ抵抗力に対して自由に回転している通常のシナリオとの間の違いを判別することができないことがある。両方のシナリオにおいて、抵抗力は約0でありうる。このように、ゼロ抵抗の存在は通常の使用で生起しうるので、送りネジ408が結合されておらず回転していないということは、ユーザーにとってただちに明らかではないことがある。これは、伸延デバイス1000の測定または推定された伸延長さが伸延デバイス1000の実際の伸延長さとかなり異なることがありうる単に一つの例である。
【0064】
この問題を是正するために、外部調整装置700のソフトウェアは、伸延デバイス1000が実際に伸延されつつある時を検出するためのアルゴリズムを備えていてもよい。たとえば、アルゴリズムが、ゼロ抵抗力の期間がどのくらい長いかを知るために検査してもよい。ユーザーが伸延デバイス1000を伸延させようとしていて、伸延デバイス1000がゼロ抵抗力を経験する典型的な期間よりも長い期間にわたってゼロ抵抗力を経験している場合、外部調整装置700は、
図21に示されるユーザー・インターフェースを通じるなどして、ユーザーに警報を発してもよい。
【0065】
この問題に対処する他の方法は、伸延デバイスの代替的な実施形態に関わってもよい。送りネジ408の回転の量が、機能している(たとえば壊れていない)結合ピンを有することとは独立に、直接測定できるよう、送りネジ408内に磁石が配置されることができる。伸延デバイス400の別の部分406にも磁石が配置されることができる。該部分は他の点で伸延ロッドとして知られ、送りネジ408がかみ合いうるネジ状の凹部をもつ。該磁石は、伸延ロッドのどの点に配置されることもできる。伸延デバイス400の各部分の寸法は前もって知ることができるので、外部調整装置700は、実際の伸延距離を計算するために、内部永久磁石402と伸延ロッド中の該磁石との間の距離を測定するよう構成されることができる。これらの方法のより突っ込んだ議論は
図37のAおよびB、
図38および
図39の記述において与えられる。磁気センサー・アレイ503を用いて可能な記載された機能に加えて、磁気センサー・アレイ503を、
図7〜
図10のBとの関係で記述した実施形態のホール効果センサー924、926、928、930、932、934、036、938の代わりに、外部磁石706、708、510、511の回転を追跡するために使うことが可能である。
【0066】
ユーザーに情報を伝え、ユーザーから入力を受け取るためのユーザー・インターフェース226のある実施形態が
図21に示されている。
図21では、ユーザー・インターフェース226はグラフィック・ユーザー・インターフェース(GUI)を有していてもよく、ディスプレイおよび制御ボタンまたは一つまたは複数のタッチスクリーンを含んでいてもよい。ユーザー・インターフェースは、推定された間隙表示部232を含んでいてもよい。これは、外部調整装置700と伸延デバイス1000との間の近似距離(間隙距離)または外部調整装置700の外部磁石706、708と伸延デバイス1000の内部永久磁石1010との間の近似距離(間隙距離)をユーザーに伝える。間隙距離は、多様な方法の任意のものを使って測定されうる。たとえば、患者に埋め込まれた伸延デバイス1000から、伸延デバイス1000を回転させるために外部調整装置700が当てられる皮膚の最上層までの間の距離を決定するために、医療撮像装置またはシステムが使われてもよい。いくつかの実施形態では、この間隙距離が、外部調整装置700を使うために要求される唯一のユーザー入力であってもよい。所与の間隙距離について、外部調整装置700のホール効果センサーからの測定された電圧ポテンシャルと伸延デバイス1000に加えられる実際の力との間の関係が知られてもよい。その関係は、所与の間隙距離について、あらかじめ決定されて、それ以後、伸延デバイス1000に加えられる実際の力を推定するために使われてもよい。推定された実際の力は次いで、ユーザー・インターフェースを通じてユーザーに報告されてもよい。間隙距離が外部調整装置700が伸延デバイス1000に対して十分な力をはたらかせうる近似範囲内にあれば、「伸延OK」インジケーター234が、それが視覚的(たとえばLED)、触覚的または聴覚的インジケーターのどれであるかに依存して、点灯、振動または鳴動してもよい。これは、ユーザーに、間隙距離が外部調整装置700の動作範囲内であることを知らせうる。間隙距離のさらなる議論は下記で与える。
【0067】
この時点で、ユーザーは、外部調整装置700の「開始」ボタン236を押すことによって伸延デバイス1000の伸延/収縮を開始してもよい。あるいはまた、空隙距離が受け入れ可能なレベル以内であると判定されるまで、「伸延OK」インジケーター234も「開始」ボタン236もユーザー・インターフェース226上に現われなくてもよく、受け入れ可能なレベル以内であると判定されてはじめて、「開始」ボタン236がユーザー・インターフェース226上に表示されてもよい。たとえば、ある実施形態では、受け入れ可能な間隙距離は、それより短ければ外部調整装置700の磁石706、708と伸延デバイス1000の内部永久磁石1010との間に、有意な伸延力を生成するのに十分な(たとえば骨、関節または組織を伸延させるのに十分な)結合が生成されうる距離である。いくつかの実施形態では、これは、51mm以下の間隙距離であってもよい。他の実施形態では、これは25mm以下の間隙距離であってもよい。他の実施形態では、これは12mm以下の間隙距離であってもよい。いくつかの実施形態では、骨、関節または組織を伸延するための有意な伸延力は、1ポンド以上であってもよい。他の実施形態では、20ポンド以上であってもよい。他の実施形態では、50ポンド以上であってもよい。いくつかの実施形態では、間隙距離が小さすぎる場合に追加的なインジケーターがあってもよい。たとえば、間隙が1mm以下であれば、システム500は機能しないよう設定されてもよい。たとえば、身体組織の構成要素を大きすぎる力またはトルクから保護するためである。この機能は、電圧、力またはトルクと間隙距離との間の関係を示すデータに基づいて機能してもよく、これらの関係の例示的なグラフは
図22および
図23に示されるグラフと同様であってもよい。最大可能力表示部240は、現在の条件(たとえば現在の間隙距離)における期待される最大可能な力を、図示したようにグラフィックに、あるいは数の表示により、示してもよい。この機能は、力と間隙距離との間の関係を示すデータに基づいて機能してもよく、該関係の例示的なグラフは
図23に示されるグラフと同様であってもよい。
【0068】
「開始」ボタン236が押され、外部調整装置700が伸延デバイス1000を伸延させはじめると、システム500は内部永久磁石1010の回転を数え、伸延デバイス1000の推定される伸延長さを決定することを始めてもよい。他の実施形態では、伸延デバイス1000の伸延長さを決定する方法は、伸延長さを推定するために内部永久磁石1010の回転を数えることとは異なっていてもよい。たとえば、伸延長さは直接測定されてもよい。ここで、伸延デバイス1000の伸延長さは推定されつつあり、伸延長さ表示部238に表示されてもよい。推定された力または実際の力表示部242は、現在の伸延力(または圧縮力または他の力)を示してもよい。これは、任意の範囲の更新レートで更新されてもよい。あるいはまた、これはユーザーが「力を決定」ボタン244を押すときにのみ更新されてもよい。
【0069】
外部調整装置700の磁石706、708と伸延デバイス1000の内部永久磁石1010との間のすべりが検出される場合、「伸長なし」インジケーター250が、それが視覚的(たとえばLED)、触覚的または聴覚的インジケーターのどれであるかに依存して、点灯、振動または鳴動してもよい。これは、ユーザーに、すべりが生じていることを知らせうる。あるいは、これはコネクター・ピンの破断を示してもよい。いずれかの時点においてユーザーが通知されるべき何らかの有意なイベントが生起する場合、アラーム246が、それが視覚的(たとえばLED)、触覚的または聴覚的インジケーターのどれであるかに依存して、点灯、振動または鳴動してもよい。そのようなイベントは、強すぎる力に到達することまたは伸延デバイス1000の最大長もしくは最小長のような限界に到達することを含んでいてもよい。アラーム246は、同時に、すべりが起こっていて、「伸長なし」インジケーター250によって合図されていることをユーザーに報知してもよい。
【0070】
データ入力モジュール248が、データ、たとえば伸延デバイス1000の開始伸延長さ、間隙表示部232によって反映される間隙距離、伸延デバイスのモデルおよび/または何らかの有意な患者人口学的データを入力するために使われてもよい。システム500の動作中の任意の時点で、ユーザーは「停止」ボタン252を押して、すべての活動を止め、伸延デバイス1000が伸延も収縮もされないよう、外部調整装置700がその磁石706、708を回転させることを防止してもよい。
【0071】
時間を追っての最大可能な力256および実際の力258をユーザーに対して表示しうるグラフ254(
図21)が、ユーザー・インターフェース226上に含まれてもよい。グラフ254に示される時間に対する最大可能な力256は、そのグラフにおいてシフト260を有していてもよい。時間に対する最大可能な力256のシフト260は、ユーザーが外部調整装置700、502に対してより大きなもしくは小さな圧力を加えることに起因する間隙距離変化によって引き起こされてもよい。ユーザー・インターフェース226のグラフ254は、実際の伸延力258のグラフをも含んでいてもよい。実際の伸延力258のグラフは、上昇傾斜262が生じる部分を含んでいてもよい。グラフの上昇傾斜262部分は、伸延デバイス1000が(たとえば組織または骨によって引き起こされる)抵抗に遭遇しはじめる時の直前まで、外部調整装置700が有意な抵抗なしに伸延デバイス1000を回転させている時間期間を視覚的に表わしてもよい。実際の伸延力258のグラフは、すべりジャンプ264が生じる部分をも含んでいてもよい。すべりジャンプ264は、外部調整装置700と伸延デバイス1000の間にすべりが生じている時間期間を視覚的に表わしてもよい。すべりジャンプ264は、伸延デバイス1000の内部永久磁石1010に対する印加トルクτ
Aが少し増し、次いで伸延デバイス1000が抵抗に捕まるためにすべりが起こるためすぐに低下することの結果であってもよい。ジャンプは、外部調整装置700の磁石が回転して伸延デバイス1000に対してトルクを加え続けるにつれて、繰り返される。システム500は、電圧値が装置が不適切に使われていることを示す場合にシステムをシャットダウンする限界値を有していてもよい。本開示において、外部磁石706、708への言及は、適宜、外部磁石510、511のことも言及すると考えられてもよく、逆に外部磁石510、511への言及は、適宜、外部磁石706、708のことも言及すると考えられてもよい。たとえば、患者が外部調整装置502を後方に回すおよび/または外部磁石510、511を誤った方向に走らせる場合、電圧値はシステム500にシャットオフして、伸延デバイス1000の伸延または収縮を防止するよう合図してもよい。こうして、自動シャットダウン機能が、内部永久磁石1010および402、伸延デバイス1000および調整可能なデバイス400ならびに外部調整装置700、502の不適正なまたは望まれない使用を防止するために使われてもよい。
【0072】
図20の参照に戻ると、外部調整装置のソフトウェアは、
図21のユーザー・インターフェースの中に持ち越されるまたは
図21のユーザー・インターフェースを通じて実装される「スマート」機能を有していてもよい。ユーザー・インターフェース226のデータ入力モジュール248は、ユーザーが回転または伸延長さの限界を設定することを許容してもよい。システム500は、外部調整装置700における磁石の回転のユーザー設定数に達したとき、インプラントの内部磁石1010が設定された回転の数を満たしたときまたはインプラントが所望される伸延長さをもつまで伸延/収縮されたときに、外部調整装置700内の磁石を回転させることを自動的に止めるよう構成されてもよい。こうして、ユーザーは、インプラントについての所望される伸延長さを有することができてもよい。ひとたび結合が達成されたら外部調整装置はインプラントをその長さに自動的に調整する。同様に、システム500は、ひとたびある力、結合トルクまたは差分電圧計測値が達成されたらシャットダウンするよう構成されてもよい。
【0073】
システム500は、インプラントの既知の寸法および特性を使って、インプラントに対する力に基づいて結合トルクを検出できてもよい。システム500は、外部調整装置700とともに使用されうる互換なインプラントのデータベースを有していてもよい。ユーザーは、互換なインプラントのデータベースからインプラントを選択するために、ユーザー・インターフェース226のデータ入力モジュール248を使うことができてもよい。データベースは、インプラントの寸法および特性、たとえばインプラントの最大伸延長さおよび最小伸延長さを記憶することができる(ユーザーがその動作範囲外までインプラントを伸延させようとすることを防止できるようにするため)。システム500は、(たとえば
図37のAおよびBに関して記述される方法および実施形態を通じて)伸延長さが推定できるよう、インプラント内での磁石の位置を知ることができる。システム500は、外部調整装置の回転磁石とインプラントの内部磁石との間のさまざまな結合比、インプラントの内部磁石とインプラントのギア・ボックスとの間の比、インプラントのギア・ボックスと送りネジとの間の比およびさらには送りネジのネジ溝を知ることができる。これは、インプラント識別子以外のユーザーからのさらなる入力を必要とすることなく、システム500が磁石回転から間接的に伸延長さを推定することを許容する。この種の情報は、システムが、インプラントの結合トルクを検出することをも許容でき、該結合トルクはユーザー・インターフェース226を通じて報告されてもよく、たとえばブラフ254にプロットされてもよい。
【0074】
システム500は、インプラントの結合ピンが壊れているかどうかを検出することができてもよい。いくつかの状況では、結合ピンが壊れて、インプラントの内部磁石が回転するときにインプラントの送りネジが回転しないことがある。そのような場合、実際にはインプラントの内部磁石がインプラント筐体内で回転しているときにあたかも患者の身体がインプラントに対して抵抗をはたらかせていないかのように、外部調整装置はゼロ抵抗力があることを感知することができる。システム500は、壊れた結合ピンと実際のゼロ抵抗力のシナリオとの間の区別をするよう構成されてもよい。結合ピンが壊れている状況では、ユーザー・インターフェース226はユーザーにピンが壊れていることを通知してもよい。たとえば、これはアラーム246を通じてなされてもよい。システム500はまた、結合ピンが壊れていることを検出するとき、シャットダウンして、外部調整装置内の磁石のさらなる回転を防ぐよう構成されていてもよい。さらに、結合ピンが壊れているか否かのシステム500の判定をオーバーライドするためのオプションが、ユーザー・インターフェース226を通じてユーザーに提供されてもよい。たとえば、ユーザーは、ピンが壊れているというメッセージまたはアラームを無視/オーバーライドし、その後、(たとえば開始ボタン236を押すおよび/または押し続けることによって)外部調整装置内の磁石の回転を強制することができてもよい。これは、システム500が誤って、壊れた結合ピンの結果であると判定するゼロ抵抗力シナリオにおいてであっても、ユーザーが装置を使い続けることを許容することができる。
【0075】
システム500と一緒に使うよう構成された調整可能インプラントのいくつかの実施形態が
図26〜
図32に示されている。
図26の調整可能な脊柱インプラント300は、椎骨282および椎間板284を有する脊柱280に固定されている。第一の端部312は脊柱280の一部に、たとえば第一の椎骨316に椎弓根ネジ318を用いて固定されている。第二の端部314は脊柱280の一部に、たとえば第二の椎骨320に椎弓根ネジ322を用いて固定されている。あるいはまた、調整可能な脊柱インプラント300を脊柱280に固定するために、フック、ワイヤまたは他のアンカー・システムが使われてもよい。脊椎の多くの異なる部分が、調整可能な脊柱インプラント300を固定するために使われてもよい。たとえば前向き配置される調整可能な脊柱インプラント300の場合の、たとえば椎弓根、棘突起、横突起(単数または複数)、椎弓板および椎体である。あるいはまた、調整可能な脊柱インプラント300は肋骨または腸骨の一端または両端に固定されてもよい。調整可能な脊柱インプラント300は、第一の部分301と、第二の部分302とを有する。第一の部分301は中空の筐体324を含み、第二の部分302は軸方向に両方向に延長可能であり中空筐体324に入れ子筒式に収容される(telescopically contained)ロッド326を含む。永久磁石304が中空筐体324に含まれており、回転するよう構成されている。永久磁石304は中間ギア・モジュール310を介して送りネジ306に結合されている。いくつかの実施形態では、永久磁石304は送りネジ306に直接接続され、ギア・モジュール310はなくされてもよい。いずれの実施形態でも、永久磁石304の回転(たとえば、外部調整装置700、502の外的に印加される動く磁場の印加によることを含む)が送りネジ306の(使われるギアに依存して同じ回転速度でのまたは異なる回転速度での)回転を引き起こす。送りネジ306は、ロッド326内に配されている雌ネジ308とネジ溝が係合する。調整可能な脊柱インプラント300のある種の実施形態は、脊柱280の伸延または脊柱280の圧縮のために使われてもよい。調整可能な脊柱インプラント300のある種の実施形態は、たとえば側弯症、過大(または過少)後弯症または過大(または過少)前弯症に起因する脊柱変形のある患者の脊柱を矯正するために使われてもよい。調整可能な脊柱インプラント300のある種の実施形態は、患者に痛みを引き起こしていたことがありうる脊柱管を開くために、脊柱を伸延するために使われてもよい。調整可能な脊柱インプラント300のある種の実施形態は、動きの範囲の制御のために、脊柱の調整可能な動的安定化のために使われてもよい。調整可能な脊柱インプラント300のある種の実施形態は、脊椎すべり症を矯正するために使われてもよい。調整可能な脊柱インプラント300のある種の実施形態は、固定術の間に脊柱を安定化させるために使われてもよい。それにより、脊柱の制御された負荷分担または選択可能な負荷除去を許容しうる。調整可能な脊柱インプラント300はある種の実施形態では、調整可能な人工プレートとして、または椎体の高さを調整するために構成されてもよい。早発性側弯症の治療において、調整可能な脊柱インプラント300は、側弯曲線にわたって患者の脊柱280に固定され、断続的にシステム500によって伸長される。脊柱の所望される成長レートを得るために、その患者について最も効果的な特定の力が決定される。あるいは、伸長(伸延処置)の間の力目標として、全体的な平均力(たとえば20ポンド)が効果的であると決定されてもよい。システム500は目標力に達したかどうかを操作者が判定することを許容し、脊柱280に大きすぎる力がかけられることに対しての保護もする。
図26では、脊柱調整デバイス300および最突出部の椎骨282における脊柱280の中心間の距離Dが示されている。これはたとえば、X線画像から測定されてもよい。目標力は、
M
U=D×F
T
として定義される、目標「曲げ戻し」モーメントから導出されてもよい。ここで、M
Uは目標曲げ戻しモーメントであり、Dは上記距離Dであり、F
Tは目標力である。
【0076】
図27は、調整可能な髄質内インプラント330が髄管232内に配置された骨328を示している。この特定の場合、骨328は大腿骨であるが、脛骨および上腕骨を含むがそれに限られない多様な他の骨が考えられる。調整可能な髄質内インプラント330は空洞338を有する第一の部分334と、第一の部分334内に入れ子筒式に配される第二の部分336とを含む。第一の部分334の空洞338内には回転可能な永久磁石340があり、これはたとえばギア・モジュール344を介して送りネジ342に回転可能に結合されている。第一の部分334は、たとえば骨ネジ350を使って骨328の第一のセクション346に固定される。第二の部分336は、たとえば骨ネジ352を使って骨328の第二のセクション348に固定される。(たとえば、外部調整装置700、502の外的に印加される動く磁場の印加による)永久磁石340の回転は、第二の部分336に配される雌ネジ354内で送りネジ342の回転を引き起こし、第一の部分334および第二の部分336を一緒にまたは別々に動かす。肢伸長用途では、骨切り部356を生成し、次いで二つの骨セクション346、348を互いから徐々に引き離していくことによって骨328の長さを増すことが望まれることがある。一日当たり約1ミリメートルのレートが、癒合不全または早期固着を最小限にして、骨の長さを成長させることにおいて有効であることが示されている。周囲の軟組織の伸長は、患者にかなりの痛みを引き起こすことがある。システム500を使うことにより、患者または医師は、患者の痛み閾値とシステム500によって測定される力との間の関係を決定しうる。将来の伸長では、力が測定されて、痛み閾値力が避けられてもよい。ある種の用途(たとえば外傷、問題のある肢伸長)では、仮骨を形成して制御された骨成長を誘起するためまたは肢伸長が必要とされていない場合には単に治癒を誘起するために、二つの骨セクション346、348の間に、制御された圧縮力をかけることが望まれることがある。システム500は、二つの骨セクション346、348の間の空間に制御された圧縮をかけるために使用されてもよい。
【0077】
図28では、骨328は、髄管332内に調整可能な髄質内インプラント358が配置されて示されている。この特定の場合、骨328は大腿骨であるが、脛骨および上腕骨を含むがそれに限られない多様な他の骨が考えられる。調整可能な髄質内インプラント358は空洞362を有する第一の部分360と、第一の部分360回転式に配される第二の部分364とを含む。第一の部分360の空洞362内には回転可能な永久磁石366があり、これはたとえばギア・モジュール370を介して送りネジ368に回転可能に結合されている。第一の部分360は、たとえば骨ネジ350を使って骨328の第一のセクション346に固定される。第二の部分364は、たとえば骨ネジ352を使って骨328の第二のセクション348に固定される。(たとえば、外部調整装置700、502の外的に印加される動く磁場の印加による)永久磁石366の回転は、回転モジュール374に配される雌ネジ374内で送りネジ368の回転を引き起こし、第一の部分360および第二の部分364を互いに関して回転的に動かす。回転モジュールは米国特許第8,852,187号に開示される実施形態を利用してもよい。骨回転変形用途では、骨切り部356を生成し、次いで骨セクション346、348を互いに対して徐々に回転させることによって、骨328の第一の部分346と第二の部分348の間の配向を変えることが望まれることがある。周囲の軟組織の伸長は、患者にかなりの痛みを引き起こすことがある。システム500を使うことにより、患者または医師は、患者の痛み閾値とシステム500によって測定される力との間の関係を決定しうる。将来の回転では、力が測定されて、痛み閾値力が避けられてもよい。
【0078】
図29および
図30には膝関節376が示されており、大腿骨328、脛骨394および腓骨384を有する。膝関節376の骨関節症のある種の患者は、脛骨394に作られた、脛骨394を第一の部分390と第二の部分392に分割する楔状の骨切り部388の角度を非侵襲的に調整するよう構成されたインプラントの対象となりうる。二つのそのようなインプラントは、調整可能な髄質内インプラント386(
図29)および調整可能なプレート・インプラント420(
図30)を含む。調整可能な髄質内インプラント386は、一つまたは複数の骨ネジ378、380を使って脛骨394の第一の部分390に固定された第一の部分396と、一つまたは複数の骨ネジ382を使って脛骨394の第二の部分392に固定された第二の部分398とを含む。調整可能な髄質内インプラント386内の永久磁石381は送りネジ383に回転式に結合されており、送りネジ383は第二の部分398の雌ネジ385に係合する。ある個別的実施形態では、骨ネジ378は枢動界面387において、調整可能な髄質内インプラント386を通過する。骨切り部388の角度が一つまたは複数の非侵襲的調整により増加される際、骨ネジ378は、引き続き調整可能な髄質内インプラント386を脛骨394の骨にしっかりと保持しつつ、調整可能な髄質内インプラント386に対して枢動できる。一日当たり約0.5mmから2.5mmまでの間のレートが、癒合不全または早期固着を最小限にして、骨の角度を増大させることにおいて有効でありうる。周囲の軟組織の伸長は、患者にかなりの痛みを引き起こすことがある。システム500を使うことにより、患者または医師は、患者の痛み閾値とシステム500によって測定される力との間の関係を決定しうる。将来の伸長では、力が測定されて、痛み閾値力が避けられてもよい。
【0079】
調整可能なプレート・インプラント420(
図30)は、一つまたは複数の骨ネジ426、428を使って脛骨394の第一の部分390に外的に固定された第一のプレート438をもつ第一の部分422と、一つまたは複数の骨ネジ430を使って脛骨394の第二の部分392に外的に固定された第二のプレート440をもつ第二の部分424とを含む。調整可能なプレート・インプラント420内の永久磁石432は送りネジ434に回転式に結合されており、送りネジ434は第二の部分424の雌ネジ436に係合する。周囲の軟組織の伸長は、患者にかなりの痛みを引き起こすことがある。システム500を使うことにより、患者または医師は、患者の痛み閾値とシステム500によって測定される力との間の関係を決定しうる。将来の伸長では、力が測定されて、痛み閾値力が避けられてもよい。
【0080】
調整可能な縫合糸アンカー444が
図31に示されている。本実施形態は肩関節136の回旋筋蓋134において示されているが、調整可能な縫合糸アンカー444は、前十字靱帯(ACL)修復または他の任意の軟組織において固定張力が因子になる骨付着に対しても応用をもつ。調整可能な縫合糸アンカー444は、第一の端部446と、皮質骨146および海綿状骨142を通じて上腕骨138の頭部140に挿入されるよう構成された第二の端部448とを有する。第一の端部446におけるネジ溝460は皮質骨146に固定され、追加的に、さらなる安定化のために第二の端部448がくぼみ144に挿入されてもよい。縫合糸450は、調整可能な縫合糸アンカー444内の巻き枠458のまわりに巻かれ、調整可能な縫合糸アンカー444から延びて、穿刺152を通じて、たとえば上腕骨138の大結節148において、一つまたは複数の結び目452によって筋肉132の腱150に取り付けられる。永久磁石454は調整可能な縫合糸アンカー444内に回転可能に保持され、たとえばギア・モジュール456を介して巻き枠458に回転可能に結合される。手術の間および/または後に、治癒が最大化され動きの範囲が最適化されるよう、筋肉を非常に特定的な範囲の張力で骨に固定しておくことが望ましいことがある。システム500を使って、手術において、手術直後におよび手術後数週間の治癒期間の間に、力が測定され、しかるべく調整されうる。
【0081】
図32は、調整可能な制約デバイス462を示している。調整可能な制約デバイス462は、身体の管120のまわりに固定され、閉じ部材(closure)またはスナップ474で閉じられるよう構成されている調整可能なリング472を有する。調整可能な制約デバイス462は、腹腔鏡下手術において埋め込まれてもよい。縫合糸タブ466を有する筐体464が、たとえば縫合糸タブ466における穴468を通じて患者の組織、たとえば腹筋の筋膜に縫合することによって、患者に固定される。筐体464内には、送りネジ482に回転式に結合された磁石478がある。ナット480はネジ溝により送りネジ482に係合し、張力線476とも係合する。張力線476はワイヤ、たとえばニチノール・ワイヤであってもよい。張力線476は保護鞘470を通過し、調整可能なリング472を構成する柔軟なジャケット484の内部のまわりを通る。柔軟なジャケット484はシリコーンから構築されてもよく、波状の形486を有していてもよく、かかる形状は、より小さな直径に収縮する能力を支援する。管120の制約された内部488を示すために、管120は調整可能なリング472のエッジにおける断面で示されている。胃、食道および象徴を含むある種の胃腸管は調整可能に制約されうる。肛門および尿道括約筋のような括約筋も調整可能に制約されうる。肺動脈のような血管も調整可能に制約されうる。調整可能な制約デバイス462の調整の間、外部調整装置700、502が患者に近接して配置され、磁石478は非侵襲的に回転させられる。磁石478の回転は送りネジ482を回転させ、そのことは、回転方向に依存して、ナット480を磁石のほうに引くまたはナットを磁石478から押しやる。それにより、それぞれ制約を増すまたは制約を緩和する。制約された管は複雑な幾何構成をもつことがあるので、たとえCTまたはMRIのような三次元撮像モダリティーを使っても、その有効サイズを特徴付けることは難しい。管に対する収縮の力は、有効制約を推定する、より正確な方法でありうる。たとえば、胃は1ポンドのオーダーの接線方向力(張力線476に対する張力に近似)をもって制約される。1インチ当たり約80ネジ溝のある細かい送りネジでは、ナット480の、よって調整可能なリングの微調整ができる。磁石478と送りネジ482との間にギア・モジュール490を含めることによって、より精密な調整ができる。システム500の使用により、調整の間、力が測定されうる。よって、患者において変化(組織成長、変形など)が起こった後に、「理想的な制約」に戻ることができる。
【0082】
図34は、本稿の他の実施形態で記述されるように永久磁石または電磁石を含みうる一つまたは複数の磁石1106、1108を有する外部調整装置1100を示している。いくつかの用途では、ホール効果センサー534、538、540の一つまたは複数が、望まれない量の飽和を経験することがある。筋肉/脂肪1116内に延在する骨1118および皮膚1104を有する脚上部1102が
図34に示されている。磁石1010を有する肢伸長インプラントのようなインプラント1110が、骨1118の髄管内に配置されている。たとえば大量の筋肉または脂肪1116をもつ患者における大きな脚上部1102では、磁石1010とホール効果センサー534、538、540の間の距離「A」のため、磁石1010がホール効果センサー534、538、540に対して与えることのできる信号が減少し、相対的に、一つまたは複数の磁石1106、1108がホール効果センサー534、538、540に対してもつ影響を増す。外部調整装置1100は、一つまたは複数の磁石1106、1108から離間した一つまたは複数のホール効果センサー597、599を含む。一つまたは複数のホール効果センサー597、599は直接またはリモートに、外部調整装置1100に電気的に結合されうる。いくつかの実施形態では、一つまたは複数のホール効果センサー597、599は、外部調整装置1100に機械的に取り付けられてもよく、あるいは患者の身体に、たとえば脚上部1102に取り付け可能であってもよい。距離BおよびCはそれぞれ約5cmから15cmの間、約7cmから11cmの間または約8cmから10cmの間であってもよい。いくつかの実施形態では、ホール効果センサー597、599の一方または両方は、プレートのようなシールド1112、1114を含んでいてもよい。シールドは鉄またはMuMETAL(登録商標)(米国イリノイ州ベンセンヴィルのマグネチック・シールド社)を含んでいてもよい。シールドは、その特定のホール効果センサー597、599と磁石1010との間ではなく、その特定のホール効果センサー597、599と一つまたは複数の磁石1106、1108の間であるような形状または配向にされてもよい。ホール効果センサー597、599はそれぞれ、他のホール効果センサー534、538、540との関係で述べたような差分電圧を取得するために使われてもよい。ホール効果センサー597、599と一つまたは複数の磁石1106、1108との間の距離が大きいほど、磁石1106、1108に起因する飽和の量を有利に最小化できる。さらに、シールド1112、1114は、飽和の量を有意に最小化できる。
【0083】
図35は、二つの調整可能インプラント3510、3520とともに使用されうる外部調整装置のある実施形態における磁気センサー(たとえばホール効果センサー(「HES」))の配置の正面図である。図示した外部調整装置は
図17に示したものと同様である。たとえば、第一の外部磁石706および第二の外部磁石708がある。差動モードでは、回路基板516の左HES 538が回路基板518の右HES 540と対にされる。回路基板518の左HES 538が回路基板516の右HES 540と対にされる。回路基板516の任意のセンターHES 534、542、536が、回路基板518の対応するセンターHES 534、542、536と対にされる。よって、差動モードでは、三対のホール効果センサーがあってもよい。
【0084】
図17に示されるシステムと異なり、ここでは、二つの調整可能インプラントがある。左調整可能インプラント3510および右調整可能インプラント3520である。ホール効果センサーの三つの対すべてが左調整可能インプラント3510および右調整可能インプラント3520の磁場を拾う。差動モードでは、回路基板516の上センサー540、534、538は、左調整可能インプラント3510および右調整可能インプラント3520における内部磁石のピックアップ/検出をほとんどもたず、その代わりに第一の外部磁石706および第二の外部磁石708をピックアップ/検出することがある。回路基板518の下センサー540、534、538は、左調整可能インプラント3510および右調整可能インプラント3520のピックアップ/検出および第一の外部磁石706および第二の外部磁石708のピックアップ/検出をもつ。こうして、各対のHESについて、対の上センサーの測定が対の下センサーの測定から減算され、それが電圧差分の形となりうる。第一の外部磁石706および第二の外部磁石708のピックアップ/検出が減算され、左調整可能インプラント3510および右調整可能インプラント3520のピックアップ/検出だけを残してもよい。
【0085】
外部調整装置は、左調整可能インプラント3510および右調整可能インプラント3520の間の中線に沿って配置されてもよい。ある構成では、外部調整装置は、両方のインプラントを同時に伸延させるために使用されることができる。たとえば、それらのインプラントは患者の脊柱のそれぞれの側に線対称に配置されていてもよい。左調整可能インプラント3510は脊柱の左側であってもよく、右調整可能インプラント3520は脊柱の右側であってもよい。インプラントを調整するために、外部調整装置は脊柱にわたって(たとえば両方のインプラントにかぶさってまたは両方のインプラントの上方に)配置されてもよい。外部調整装置は、線対称な作動〔アクチュエーション〕(たとえば、両方のインプラントの伸延、両方のインプラントの収縮または一方のインプラントの収縮および他方のインプラントの伸延)を引き起こしてもよい。それは、患者の脊柱に対する、より大きな力の生成を許容する。別の構成(図示せず)では、外部調整装置は一方のインプラントを伸延し、同時に別のインプラントを収縮させるために使われることができる。患者の脊柱のそれぞれの側にインプラントをもつ例では、この構成は、脊柱を収縮されつつあるインプラントの方向に曲げる結果となり、患者の脊柱の曲がりを矯正することにおいて有益でありうる。インプラントは、各インプラントが脊柱に対して異なる力を付与するよう調整されてもよい。たとえば、左インプラント3510が、右インプラント3520より大きな力を脊柱に対して付与するよう調整されてもよい。あるいは、右インプラント3520が、左インプラント3510より大きな力を脊柱に対して付与するよう調整されてもよい。
【0086】
中央の対のHESのみを使って、外部調整装置700と両方のインプラントとの間の結合、二つのインプラントの間のセンタリングおよびオフセットが決定されることができる。中央のセンサー対だけで、左インプラント3510および右インプラント3520からの磁場のピックアップが実質的に等価であることを確実にすることによって、センタリングが実行できる。中央センサー対はオフセットのために使われることもでき、よって、外部調整装置700は左インプラント3510または右インプラント3520のいずれかの上に直接配置されることができる。中央センサー対は、外部調整装置700と一方または両方のインプラントとの間の結合検出のために使われることもできる。たとえば、本装置は、中央センサー対が、左インプラント3510および右インプラント3520の両方からの磁場を考慮に入れる結合閾値より上の電圧差分をピックアップしている/記録している場合に、結合していると考えられることができる。
【0087】
しかしながら、中央の対のHESのみを使うのでは、二つのうちのどちらのインプラントが停止しつつあるまたはすべっているかを判定するのは難しいことがある。外部調整装置700が二つのインプラントの中央に適正に位置決めされるとき、中央の対のHESは、左インプラント3510および右インプラント3520の両方によって実質的に等しく影響され、よっていずれかのインプラントを独立してモニタリングすることはできない可能性が高い。図示したような三対のHESが、どちらのインプラントが停止しつつあるのかの判定を有利に許容しうる。回路基板518の下センサー540および回路基板516の上センサー538のセンサー対(左の対)は左インプラント3510に最も近く、主として左インプラント3510によって影響されることになる(右インプラント3520の磁場のいくらかも拾うことがあるが)。回路基板518の下センサー538および回路基板516の上センサー540のセンサー対(右の対)は右インプラント3520に最も近く、主として右インプラント3520によって影響されることになる(左インプラント3510の磁場のいくらかも拾うことがあるが)。これらの側方対のそれぞれの電圧差分が、一つのインプラントのすべりを判別するための上記で概説したのと実質的に同じプロセスに従って、それぞれのインプラントのすべりを判別するためにモニタリングされてもよい。それぞれの側方対のセンサーは、電圧差分が結合閾値より大きいかどうかに基づいてそれぞれのインプラントとの結合をモニタリングするためにも使われうる。あるいはまた、左の対が回路基板518の下センサー540を含んでいてもよく、右の対が回路基板516の上センサー540を含んでいてもよい。または、左の対が回路基板518の下センサー538を含んでいてもよく、右の対が回路基板516の上センサー538を含んでいてもよい。
【0088】
各センサー対についての電圧差分の振幅は、インプラントによって生成された力の量に関連している(たとえば、インプラントに対する抵抗力またはインプラントによって生成される力が増せば振幅が増しうる)。この関係に基づいて、インプラントに対する力が、生成される電圧の振幅を通じて測定されることができる。左センサー対については、測定される振幅は左インプラント3510に対する力/左インプラント3510によって生成される力によって支配されることがありうる。右センサー対については、測定される振幅は右インプラント3520に対する力/右インプラント3520によって生成される力によって支配されることがありうる。しかしながら、他のシナリオが観察されることがありうる。たとえば、左センサー対についての測定される振幅は、左インプラントがほとんど力を経験/生成しておらず、右インプラントが有意により大きな力を経験/生成している場合には、右インプラントによって、より大きく影響されることができる。その場合、右インプラント3520は、左インプラント3510よりも左センサー対から距離において遠いことを考えると、測定された振幅に対して、不釣り合いなほどに影響していることになる。
【0089】
いくつかの実施形態では、左および右のセンサー対によって測定された電圧の振幅が、それぞれのセンサー対のそれぞれのインプラントに帰することのできる振幅の部分を決定するために、比較されてもよい。たとえば、左センサー対の振幅および右センサー対の振幅を比較することで、右インプラント3520の影響を左センサー対の振幅から引き去ることができ、それにより左のインプラント3510だけにはたらいている力の決定が許容される。逆も同様である。さらに、それらのセンサー対および二つのインプラントは、各インプラントにはたらいている力の測定を、よりよく許容するよう構成されてもよい。たとえば、二つのインプラントの間の間隔は十分遠く離されることができ、あるいは各インプラントの磁石の強さが調整されて、右センサー対によって測定される振幅が左インプラント3510によって影響されないようにされてもよい。追加的な同時インプラントを受け入れるために、外部調整装置に追加的なセンサー対も追加されてもよく、それぞれの追加的なセンサー対が、それがモニタリングすべき特定のインプラントのできるだけ近くに位置されることを確実にする。
【0090】
図36は、二つの異なる間隙距離についての、電圧差分に対する実際の力のグラフである。曲線3610は、間隙距離10mmについての力‐電圧関係についての曲線当てはめモデルであってもよい。曲線3620は、間隙距離20mmについての力‐電圧関係についての曲線当てはめモデルであってもよい。これらのモデルは、特定の間隙距離および測定された電圧振幅についてどのくらいの力がインプラントに加えられるか/インプラントによって生成されるかを予測するために使用されうる。たとえば、種々の力および電圧が間隙距離10mm、20mmなどにおいて測定されることができる。データはルックアップテーブルにまとめられ、および/またはモデルを生成するよう曲線当てはめのために使われることができる。間隙距離の測定される範囲の限定しない例として、5mm間隔での6〜25mmの間の間隙距離について力および電圧データが測定されてもよい。こうして、図における曲線3610および3620についてのモデルに曲線当てはめするために十分なデータが収集されることができる。
【0091】
外部調整装置のユーザーは、推定される間隙距離を外部調整装置のユーザー・インターフェースに、たとえば
図21のユーザー・インターフェースに示されるデータ入力モジュール248を通じて、入力してもよい。この推定間隙距離は、多様な仕方でユーザーによって測定されてもよい。たとえば、患者の医療撮像スキャンを行なってインプラントから外部調整装置が位置される患者の皮膚の表面までの距離を決定することによってであってもよい。撮像スキャンは超音波、X線または計算機断層撮影(CT)を含むがそれに限定されない。推定された間隙距離は、所与の電圧振幅について力を推定するために使う適正な曲線当てはめモデルを決定するために使用されることができる。対応する曲線当てはめモデルがない推定間隙距離については、存在する二つの曲線当てはめモデルの間を補間することによって計算が実行されることができる。たとえば、10mmと20mmの間の間隙距離について曲線当てはめモデルがなく、患者の推定間隙距離が15mmであった場合、計算は、曲線3610と曲線3620を補間することによって達成されることができる。補間は線形である必要はなく、冪乗の、あるいはたとえば逆二乗、逆三乗または他の関係に基づく他の非線形補間を含んでいてもよい。
【0092】
いくつかの実施形態では、外部調整装置は、間隙距離を直接推定することができてもよい。たとえば、外部調整装置はコイルを有していてもよい。コイルは、ホール効果センサーとは異なり、飽和しないよう構成されうる。コイルは、外部調整装置の磁石とともにインプラントの磁場によって生成されるコイルを貫く磁束を検出し、測定するために使用されうる。しかしながら、コイルは、外部調整装置に対して固定されていてもよく(たとえば、外部調整装置の筐体の中または表面上に固定されていてもよい)、それにより外部調整装置内の磁石からのいかなる測定される磁束も固定になる(たとえば単純に処理で除去できる波)。したがって、コイルにおける磁束のいかなる変化も、インプラントの磁場に起因するものとなりうる。インプラントが各コイルに近づくにつれて、コイルにおけるより大きな磁束が帰結しうる。逆に、インプラントが各コイルから遠ざかるにつれて、コイルにおけるより小さな磁束が帰結しうる。こうして、コイルにおける磁束が、コイルとインプラントとの間の距離を決定するために使用でき、その距離が、次いで、間隙距離を決定するために使用されうる。さらに、コイルは、インプラントの結合、すべりなどを判別するためにも使用されうる。コイルの実装についてのさらなる情報は
図42〜
図45に関する議論で与えられる。
【0093】
図37のAおよびBは、測定または推定される伸延長さが実際の伸延長さとは異なる(たとえば著しく異なる)ことがある事例の数を減らすよう構成された調整可能インプラントの実施形態を示している。たとえば、内部永久磁石と送りネジとの間のカプラー(たとえば結合ピン)が壊れた場合、ユーザーは、送りネジが回転していて、調整可能インプラントが伸延されつつあると誤って想定することがありうる。これに関するさらなる情報は
図20との関連で上記で与えている。
【0094】
図37のAは、送りネジが磁石を組み込んでいる調整可能インプラントの実施形態を示している。この調整可能インプラントは、上記で論じた他の調整可能インプラントまたは伸延デバイス1000と同様であってもよい。第一の部分3701および伸延ロッドとも称されうる第二の部分3702がある。内部永久磁石3703が外部調整装置に結合され、磁気的に回転させられるよう構成される。磁石3703はギア・ボックス3704(これは任意的であってもよい)を介して送りネジ3705に機械的に結合されており、ギア・ボックスが結合ピンを含んでいてもよい。送りネジ3705は伸延ロッド3702におけるネジ溝の凹部(たとえばナット)とかみ合うよう構成されている。磁石3703が回転されられると、送りネジ3705が回転させられ、ナットとの相互作用を通じて、調整可能インプラントの全長が伸延または収縮される。この実施形態は、送りネジ3705内にまたは送りネジ3705の一部として磁石3706をも組み込んでいてもよい。磁石3706は送りネジ3705の先端に示されているが、送りネジの表面または内部の任意のところに位置されることができることは注意しておくべきである。送りネジ3705の回転を直接決定するために、磁石3706の回転が、外部調整装置(たとえば上記で論じたホール効果センサーまたは外部調整装置の他の部分に含まれる追加的なホール効果センサー)によって測定されることができる。こうして、たとえギア・ボックス3704内の結合ピンが壊れていたとしても、ユーザーは送りネジ3705がどのくらい回転しているかを決定でき、それにより本稿で開示される方法を使っての、調整可能インプラントの伸延長さの、より信頼できる計算が許容される。
【0095】
図37のBは、伸延ロッドが磁石を有するまたは組み込んでいる調整可能インプラントの実施形態を示している。この調整可能インプラントも、上記で論じた他の調整可能インプラントまたは伸延デバイス1000と同様であってもよい。第一の部分3711および伸延ロッドとも称されうる第二の部分3712がある。内部永久磁石3713が外部調整装置に結合され、磁気的に回転させられるよう構成される。磁石3713はギア・ボックス3714(これは任意的であってもよい)を介して送りネジ3715に機械的に結合されており、ギア・ボックスが結合ピンを含んでいてもよい。送りネジ3715は伸延ロッド3712におけるネジ溝の凹部(たとえばナット)とかみ合うよう構成されている。磁石3713が回転されられると、送りネジ3715が回転させられ、ナットとの相互作用を通じて、調整可能インプラントの全長が伸延または収縮される。この実施形態は、伸延ロッドまたは第二の部分3712の内部にまたはその一部として磁石3716をも組み込んでいてもよい。内部永久磁石3713と磁石3716の間の距離は、実際の伸延長さを決定するために使用できる。伸延ロッドは線形に動き、一方、送りネジは回転する。伸延ロッドが線形に伸延または収縮する際に伸延ロット上に磁石3716を有することによって、送りネジの回転を数えることによって伸延距離を間接的に計算する必要なしに、二つの磁石の間の絶対的な距離が決定されうる。磁石3716は、第二の部分3712内の任意の位置またはその内部に位置されることができることは注意しておくべきである。調整可能インプラントの各部分の寸法は前もって知られうるので、たとえ磁石3716が伸延ロッドの先端に配置されていないとしても、磁石3716が先端からどのくらい遠いかに基づいて、合計伸延長さが決定されることができる。二つの磁石の間の距離を決定するための方法は、
図38および
図39との関連で後述する。
【0096】
図38は、調整ロッドが磁石をもつ調整可能インプラントの実施形態と一緒に使うための磁石センサーのアレイを示している。調整可能インプラント3800は、
図37のAの調整可能インプラント3800と同じであってもよい。これは二つの磁石をもつ。第一の部分に収容された第一の磁石と、第二の部分(伸延ロッド)に収容された第二の磁石である。ホール効果センサー3810のアレイは、患者の外部に、調整可能インプラント3800に対して軸方向に配置され(たとえば、インプラント磁石の長手軸に平行な軸に沿って位置される)、個々のホール効果センサーはほぼ等しい、あらかじめ決定された距離だけ離間される。ホール効果センサー3810のアレイは次いで、二つの磁石の間の距離を決定するために使用されてもよい。あるいはまた、ホール効果センサー3810のアレイはホール効果センサー対のアレイであってもよい。
【0097】
単純化した例は、第一の磁石の近くに位置するホール効果センサーが、第一の磁石に関連する強い信号を受信するというものである。第二の磁石の近くに位置するホール効果センサーは、第二の磁石に関連する強い信号を受信する。アレイ内の他のホール効果センサーがいずれかの磁石に関連する信号を受信してもよいものの、それらが拾う信号はそれほど強くはないであろう。各磁石がホール効果センサーの下に直接位置されているかどうかを判定するために、既知の閾値が使われることができる。どの二つのホール効果センサーが第一および第二の磁石のそれぞれに最も近いかを判別した後、それらの磁石の間の距離が、各ホール効果センサーの間の既知の距離に基づいて決定されうる。
【0098】
しかしながら、実際上は、プロセスはもっと複雑であることがある。磁石はホール・センサーの間に位置されることがある。磁石がホール効果センサーの間に位置しているときに、周囲のホール効果センサーの信号値を比較することによって、磁石の位置を決定するために、アルゴリズムが使用されてもよい。たとえば、磁石が二つのホール効果センサーのちょうど中間にある場合、それら二つのホール効果センサーは、周囲のホール効果センサーとの比較で、局所的なピークを表わす信号値をもつはずである。こうして、各磁石の位置に最も近い二つのホール効果センサーを決定するために、ピーク検出アルゴリズムが使用されてもよい。次いで、それら二つのホール効果センサーにおける信号値が、磁石の位置を決定するために比較されることができる。たとえば、磁石が二つのホール効果センサーのちょうど中間にある場合、それらの信号値は、実質的に等しくはないまでも、非常に近いはずである。磁石が一方のホール効果センサーのほうにやや近ければ、そのホール効果センサーにおける信号値が、より大きいはずである。ホール効果センサー3810の例におけるホール効果センサーの数を増すと、各磁石の位置が決定されうる分解能が増しうる。二つの磁石の位置が決定された後、既知の情報に基づいてそれらの間の距離が計算されてもよい。その距離は、調整可能インプラント3800の既知の寸法に基づいて伸延長さ全体を決定するために使われることができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、センサー3810のアレイは、主たる外部調整装置に電子的に結びつけられうる別個の装置であってもよい。第一の磁石の位置は、外部調整装置に結合されている(たとえば磁気的に結合されている)ので、既知であり、それが参照位置に取られる。次いで、結びつけられたセンサーは伸延ロッドにおける第二の磁石の位置を決定するために使用されてもよい。この手法のために、外部調整装置と結びつけられたセンサーとの間の距離が測定され、補償される必要がある。いくつかの実施形態では、結びつけられたセンサーは、患者に置かれてもよく、あるいは患者に固定されてもよい。
【0100】
いくつかの実施形態では、センサー3810のアレイは実際には、外部調整装置自身の内部のアレイである。たとえば、
図18は、調整可能インプラント1010に対して位置決めされたセンサー対534、542、536のアレイをもつ外部調整装置を示している。より特定的には、回路基板516の前方HES 534(または他の任意のセンターHES、たとえば536または542)が回路基板518の前方HES 534(または他の任意のセンターHES、たとえば536または542)と対にされる。回路基板516の中央HES 542は回路基板518の中央HES 542と対にされる。そして、回路基板516の後方HES 536は回路基板518の後方HES 536と対にされる。ある実施形態では、センサー3810のアレイは、伸延ロッドにおいて埋め込まれた第二の磁石の長さに依存して3〜4インチまでの伸延長さを測定するよう構成される。
【0101】
いくつかの実施形態では、センサー3810のアレイは二つのインプラントの伸延長さを決定するために使用されてもよい。単数のアレイが適切なのは、二つのインプラントが異なる長さに伸延され、各インプラントからの信号値ピークが異なり、識別可能であるときでありうる。しかしながら、二つのインプラントの伸延長さが近接している場合には、センサーの単一アレイは二つのインプラントを弁別できないことがありうる。その場合、センサーの二つのアレイが
図39に示されるように使用されうる。
【0102】
図39は、伸延ロッドが磁石をもつ調整可能インプラントの実施形態と一緒に使う磁石センサーの複数のアレイを使うことを示している。調整可能インプラント3900および調整可能インプラント3901はいずれも、それぞれ二つの磁石をもち一つの磁石が伸延ロッド内にあるという点で、
図37のBにおける調整可能インプラントと同様であってもよい。ホール効果センサー3910の第一のアレイが、調整可能インプラント3900の伸延長さを測定するために使われ、ホール効果センサー3911の第二のアレイが、調整可能インプラント3901の伸延長さを測定するために使われる。このセットアップは、より多くのインプラントのために、ホール効果センサーのN個のアレイがN個のインプラントと一緒に使われ、センサーのアレイが各インプラントについての伸延長さを測定するよう一般化されることができる。
【0103】
図40は、外部調整装置のある実施形態における磁気センサーの正面図である。この図は
図17と同様であるが、この外部調整装置は、ホール効果センサーのような単一の磁気センサー4001を有している。磁気センサー4001は、第一の外部磁石706と第二の外部磁石708との中点に位置され、それにより両方の磁石からの測定/経験される磁束は0となる(たとえば、互いに打ち消し合う)。磁気センサー4001のこの位置付けが、結合または停止を検出するために調整可能インプラントまたは伸延デバイスの磁場を検出できつつ、磁石706および708の効果を無視する(またはその効果を記録しない)ことを許容する。したがって、磁石706および708からの磁束が互いに打ち消し合うので、作動動作モードは必要とされず、それにより使用されるホール効果センサーの数が少なくなる。単一のセンサーの代わりに、センサーのアレイ(たとえば調整可能インプラントに対して軸方向のセンサーのアレイ)がこのゾーン内に位置されることができる。
【0104】
図41は、外部調整装置のある実施形態における回路基板4100上の磁気センサーの配置の斜視図である。この配置は
図15に示される回路基板516と同様である。回路基板4100も、回路基板516と同じ線形配置でホール効果センサー538、540、542をもつ。しかしながら、図示した回路基板4100はそれら三つのホール効果センサーをもつだけであり、回路基板516上のホール効果センサー534、536をもたない。こうして、回路基板4100におけるホール効果センサー538、540および542は、外部磁石の対向する側において、マッチするまたは対応する回路基板をもつことができ、その対応する基板は、回路基板4100に示したものと同様のホール効果センサーの配置をもちうる。
【0105】
二つの回路基板の間のホール効果センサーの三つの対が、一つまたは複数のインプラントの状態を間接的に測定するために使用されてもよい。二つのインプラントの場合、ホール効果センサーの三つの対は
図35に関して述べたように使用されてもよい。一つのインプラントの場合、ホール効果センサーの三つの対が全部、単数のインプラントをモニタリングし、測定のおける冗長性を提供するために使用されてもよい。インプラントの両側のホール効果センサーの二つの対は、回路基板4100およびその対応する回路基板上にある両方のセンサー542を含む中心の対のホール効果センサーの測定を確認するために使われてもよい。
【0106】
しかしながら、外部調整装置のいくつかの実施形態では、一対のホール効果センサーのみが単一のインプラントに対して実際に使われるのでもよい。これは、ホール効果センサーの前記対のうちのどの対であってもよい。回路基板4100およびその対応する回路基板上にあるセンサー542を含む、ホール効果センサーの中心の対であってもよい。いくつかの実施形態では、他のホール効果センサー538および540は使われない。回路基板4100上のホール効果センサー542と対向する回路基板のホール効果センサー542との間の差分電圧が、外部調整装置およびインプラントが十分に結合されていて、両者の間の十分な磁気相互作用のためにいずれも正しく配向され、互いに十分近く位置されているかどうかを判定するために解析されてもよい。差分電圧は、外部調整装置とインプラントの磁石の間のすべりまたは停止があるかどうかを判定するために解析されてもよい。差分電圧は、外部調整装置とインプラントの磁石の間の結合強さの程度または量を決定するために解析されてもよい。
【0107】
図42のAは、外部調整装置のある実施形態と一緒に使うためのワイヤ・コイル4200を示している。このワイヤ・コイルは、誘導コイル、誘導磁気計、探索コイルおよび/または探索コイル磁気計と称されることもある。ワイヤ・コイル4200は、ワイヤに電流を供給するために回路に接続されるワイヤの端部をもつ、ワイヤのループであってもよい。ワイヤ・コイル4200は、磁束の変動を測定するためのセンサーとして動作でき、特定の目的に合わせて調整された感度をもつよう構成されることができる。ワイヤ・コイル4200は、mHzから数百MHzまでの範囲の磁場を測定しうる。
【0108】
ワイヤ・コイル4200はファラデーの法則に基づいて動作する。ワイヤ・コイル4200を貫く磁束の何らかの変化または変動は回路における電圧の変化を誘起する。たとえば、磁束の変化は、磁場の強さを変えること、磁石をワイヤ・コイル4200のほうにまたはワイヤ・コイル4200から離れるほうに動かすこと、ワイヤ・コイル4200を磁場に出し入れすることおよび/またはワイヤ・コイル4200を磁石に対して回転させることから帰結しうる。回路に誘起される電圧の変化は、ワイヤ・コイル4200の巻き数に比例する。巻き数は前もって知ることができ、実際上はワイヤ・コイル4200製造業者によってあらかじめ定義されるので、ワイヤ・コイル4200を貫く磁束における変化と回路の電圧における測定される変化との間の関係は、よく定義されることができる。ワイヤ・コイル4200は、外部調整装置上で位置および配向において固定されていてもよく、それにより、外部調整装置の外部磁石からの磁束は一定および/または既知となる。ワイヤ・コイル4200を貫く磁束における測定される変動があればそれは、外部調整装置に対して外部にある磁場の結果でありうる。
【0109】
ワイヤ・コイルは、強磁性または同様に磁性の芯のまわりに巻かれてもよい。これは強磁性芯の見かけの透磁率のため、センサーの感度を高める。この配置は、電磁石であってもよく、その場合、生成される磁場の強さは巻き線を流れる電流の大きさに比例する。ワイヤ・コイル4200はいかなる形であってもよく、必ずしも円形コイルでなくてもよい。たとえば、実質的に長方形の断面をもつよう巻かれることができる。いくつかの実施形態では、ワイヤ・コイルは、1インチ×1/4インチの長方形の寸法を有していてもよく、コーナーは
図42のAに示されるようにややカーブしていてもよい。
【0110】
図42のBは、ワイヤ・コイル(たとえば、
図42のAに関して図示し、論じたワイヤ・コイル4200)の概略表現を示している。図では、ワイヤのコイルは両端が回路に接続されて正末端および負末端を与えていることが見て取れる。ワイヤ・コイルの中心を通る磁場の線が示されている。ワイヤ・コイルの中心を通る磁束の変動は、回路の電圧の変化に対応する。
【0111】
図43は、患者における二つの調整可能インプラントに対して使用される二つのワイヤ・コイルをもつ外部調整装置のある実施形態を示している。この実施形態では、外部調整装置内に第一のコイル4304および第二のコイル4314がある。二つのコイルは位置および配向において固定されており、第一の外部磁石4302および第二の外部磁石4312に起因して両者を貫く磁束は一定のままである。
【0112】
患者4350は、第一の調整可能インプラント4322および第二の調整可能インプラント4324が埋め込まれている。この例では、これら二つのインプラントは患者4350の脊椎4352のそれぞれの側にある。これは、側弯症のような患者4350の脊柱障害の治療のためのインプラント配置でありうる。ひとたびこれら二つの調整可能インプラントに外部調整装置が適切に結合されたら、二つの調整可能インプラントは同時に収縮および/または伸延されうる。図では、第一の外部磁石4302および第二の外部磁石4312が時計回りに回転するよう示されている。これは、第一の調整可能インプラント4322および第二の調整可能インプラント4324に対して作用して、それぞれのインプラント内の内部磁石を反時計回りに回転させる磁力を生成する。これは、各インプラントの配向と各インプラントの送りネジと伸延ロッドの間のネジ溝の配向とに依存して、各インプラントの収縮または伸延に帰結しうる。
【0113】
第一のコイル4304および第二のコイル4314は、他の例示的実施形態において述べたようなホール効果センサーが使用されうる機能の全部または一部を引き受けてもよい。いくつかの実施形態では、第一のコイル4304および第二のコイル4314は、完全にホール効果センサーの使用の代わりとなる(たとえば外部調整装置にホール効果センサーが全くない)。いくつかの実施形態では、第一のコイル4304および第二のコイル4314が、外部調整装置に含まれるいずれかのホール効果センサーと相補的な、またさらには重複する機能を有していてもよい。たとえば、ホール効果センサーは結合、すべりおよび力を測定するために使われてもよく、コイルは、外部調整装置とインプラントとの間の間隙距離を決定するために使われてもよい。いくつかの実施形態では、第一のコイル4304および第二のコイル4314はホール効果センサーと同じ機能を有していてもよく、コイルまたはホール効果センサーのどちらかは冗長性または測定チェックのために使われてもよい。たとえば、コイルおよびホール効果センサーはみな、結合、すべりおよび力を測定するために使われてもよい。コイルはホール効果センサーの測定を確認するものであってもよく、逆でもよい。二種類のセンサーの測定の間に大きすぎる偏差がある場合には、外部調整装置はオフになったり、あるいはユーザーに対するアラーム/更新をトリガーしたりしてもよい。これらの記載される実施形態のすべてにおいて、任意の数のコイルおよび/またはホール効果センサーがありうる。
【0114】
ある実施形態では、第一のコイル4304および第二のコイル4314はすべてのホール効果センサーを置き換え、二つのインプラントと一緒に使うために構成される。第一のコイル4304は、主として第一のインプラント4322に起因する磁束の変動を測定するために位置決めおよび配向され、第二のコイル4314は、主として第二のインプラント4324に起因する磁束の変動を測定するために位置決めおよび配向される。
図43は、外部調整装置を両インプラントの上方に配置することによって、第一のコイル4304が第一のインプラント4322の近接し、第二のコイル4314が第二のインプラント4324に近接する様子を示している。第一のコイル4304は第二のインプラント4324に由来する磁束のいくらかを測定することがあり、第二のコイル4314は第一のインプラント4322に由来する磁束のいくらかを測定することがあるものの、コイルによって測定された磁束の変動は、各コイルが最も近いインプラントの磁束に主として起因することがありうる。
【0115】
さらに、二つのコイルは間隙距離を推定するために使われてもよい。コイルがインプラントに接近すると、コイルを貫く磁束が増す。そのような情報は、各コイルと最も近いインプラントとの間の距離を推定するために使用できる。この情報は、外部調整装置とインプラントとの間の結合を検出するために使用されてもよい。二つのコイルは、インプラント内のいずれかの内部磁石のすべりを感知するために使われてもよい。
【0116】
図44は、外部調整装置のある実施形態のワイヤ・コイルを貫く磁束に基づいて生成された信号4400のグラフを示している。この情報は、二つのインプラントの両方が外部調整装置によって伸延されているときに二つのインプラントのうちどちらかがすべりを経験しているとすればそれはどちらであるかを判定するために使用できる。信号4400におけるスパイク4402および4404はすべりの発生を表わす。しかしながら、この画像からどちらのインプラントがスリップを経験しているかを判定するのは難しいことがある。そのワイヤ・コイルに最も近接しているインプラントからのすべり、たとえばワイヤ・コイルが第一のコイル4304であったなら第一のインプラント4322からのすべりでありうる。しかしながら、遠いほうのインプラントにおいて発生しているすべり、たとえば第一のコイル4304によって拾われる第二のインプラント4324からのすべりであることもありうる(そのコイルによって強い信号が記録されているとして)。どちらのインプラントがすべりを経験しているかを判定するために、二つのコイルからの計測値を使用できる。
【0117】
図45は、外部調整装置のある実施形態の二つのワイヤ・コイルを貫く磁束に基づいて生成された信号のグラフを示している。信号4500が一方のコイルから生成され、信号4502が他方のコイルから生成される。信号4500および信号4502両方のタイムラインは比較のために整列されている。信号4502は、一方のコイルが外部磁石と内部磁石の間のすべりスパイク4552を検出し、同時に、信号4500はずっと弱いすべりスパイク4550をもつことを示している。これは、信号4502を生成したコイルに最も近いインプラントがすべっている一方、他方のインプラント(信号4500を生成するコイルに近いほう)はその特定の瞬間においてはすべっていない可能性が高いことを意味する。
【0118】
任意の開示されるプロセスにおける段階の任意の具体的な順序または階層がサンプル・アプローチの例であることが理解される。設計選好に基づいて、本開示の範囲内の留まりつつプロセスにおける段階の特定の順序または階層が再配列されてもよいことが理解される。付属の方法請求項は例示的な順序でさまざまな段階の要素を呈示しており、呈示される特定の順序または階層に限定されることは意図されていない。
【0119】
本開示に記載される実装に対するさまざまな修正が、当業者には容易に明白となることがありうる。本願で定義される一般原理は、本開示の精神または範囲から外れることなく他の実装に適用されてもよい。このように、本開示は本稿に示される実装に限定されることは意図されておらず、本願に開示される請求項、原理および新規な特徴と整合する最も広い範囲を与えられるものである。単語「例」は、本稿では、「例、事例または例解のはたらきをする」ことを意味するために使われているだけである。本稿に「例」として記載されるいかなる実装も、必ずしも、他の実装に対して好ましいまたは有利であると解釈されるものではない。
【0120】
別個の実装のコンテキストにおいて本明細書で記述されているある種の特徴は、単一の実装に組み合わされて実装されることができる。逆に、単一の実装のコンテキストで記述されているさまざまな特徴が、別個に複数の実装においてまたは何らかの好適なサブコンビネーションにおいて実装されることができる。さらに、諸特徴が上記ではある種の組み合わせにおいて作用するものとして記述されていることがあり、当初請求項でもそのように記載されていることがあるが、請求項に記載される組み合わせからの一つまたは複数の特徴が場合によっては該組み合わせから削除されることができ、請求項に記載される組み合わせが、サブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変形に向けられてもよい。
【0121】
同様に、諸動作が特定の順序で図面に描かれるが、これは、所望される結果を達成するために、そのような動作が図示された特定の順序で、または逐次順に実行されること、あるいはすべての示されている動作が実行されることを要求しているものと理解されるべきではない。ある種の状況では、マルチタスクおよび並列処理が有利であることがある。さらに、上記の諸実装におけるさまざまなシステム・コンポーネントの分離は、すべての実装においてそのような分離を要求していると理解されるべきではない。記載されるプログラム・コンポーネントおよびシステムが一般に、単一のソフトウェア・プロダクトに一緒に統合されることができ、あるいは複数のソフトウェア・プロダクトにパッケージ化されることができることを理解しておくべきである。さらに、他の実装が付属の請求項の範囲内である。いくつかの場合には、請求項に記載されるアクションは異なる順序で実行されることができ、それでいて望ましい結果を達成することができる。
【0122】
いくつかの態様を記載しておく。
〔態様1〕
医療インプラントを調整するためのリモート・コントロールであって:
少なくとも二つの埋め込まれた医療インプラントを同時に調整するために無線駆動信号を送信するよう構成されたドライバーであって、各医療インプラントの調整は、その医療インプラントを用いて力を生成することと、その医療インプラントの寸法を変えることとの一つまたは複数を含む、ドライバーと;
前記駆動信号に対するインプラントの応答を感知するよう構成された少なくとも一つのセンサーと;
前記駆動信号に応答しての、医療インプラントによって生成される力および医療インプラントの寸法の変化の一つまたは複数を報告するよう構成される出力部とを有する、
リモート・コントロール。
〔態様2〕
前記無線駆動信号は磁場を含む、態様1記載のリモート・コントロール。
〔態様3〕
前記インプラントの応答は、前記インプラントの中の要素の回転を含む、態様2記載のリモート・コントロール。
〔態様4〕
前記駆動信号に応答しての医療インプラントの調整の量のインジケーターを表示するよう構成された一つまたは複数の表示部をさらに有する、態様2記載のリモート・コントロール。
〔態様5〕
前記調整の量のインジケーターが、前記駆動信号に応答して実際に達成された回転数のインジケーターを含む、態様4記載のリモート・コントロール。
〔態様6〕
前記力が、前記駆動信号に対する前記インプラントの応答性の測定に基づいて計算される、態様2記載のリモート・コントロール。
〔態様7〕
前記インプラントが、当該リモート・コントロールの中の少なくとも一つのドライバー磁石に応答して動かされる少なくとも一つの被駆動磁石を有し、前記力が、前記ドライバー磁石と前記被駆動磁石との間の応答性の指標に基づいて計算される、態様6記載のリモート・コントロール。
〔態様8〕
前記寸法の変化が、前記医療インプラントの少なくとも一部の軸方向寸法の変化を含む、態様2記載のリモート・コントロール。
〔態様9〕
前記磁場が一つまたは複数の電磁石によって生成される、態様2記載のリモート・コントロール。
〔態様10〕
前記磁場が一つまたは複数の永久磁石によって生成される、態様2記載のリモート・コントロール。
〔態様11〕
前記少なくとも一つのセンサーが、ホール効果センサーまたはワイヤ・コイルを含む、態様2記載のリモート・コントロール。
〔態様12〕
当該リモート・コントロールがさらに、二つのセンサーを有しており、当該リモート・コントロールがさらに、第一のセンサーをもつ第一の回路基板を有しており、当該リモート・コントロールがさらに、第二のセンサーをもつ第二の回路基板を有している、態様11記載のリモート・コントロール。
〔態様13〕
前記第一のセンサーおよび前記第二のセンサーがホール効果センサーである、態様12記載のリモート・コントロール。
〔態様14〕
前記医療インプラントによって加えられる力の大きさが、少なくとも部分的には前記第一のセンサーと前記第二のセンサーとの間の電圧差分から決定される、態様13記載のリモート・コントロール。
〔態様15〕
前記医療インプラントによって加えられる力の大きさが、少なくとも部分的には経験データおよび曲線当てはめデータに基づく推定値である、態様14記載のリモート・コントロール。
〔態様16〕
前記インプラントの中の前記要素が磁気要素を含み、前記磁気要素が前記ドライバーの動きに対して所定の閾値の応答性を達成していないことを示すインジケーターを表示するための第二の表示部をさらに有する、態様3記載のリモート・コントロール。
〔態様17〕
体内での寸法の無線調整のための医療インプラントであって:
体内の第一の位置に結合するよう構成されている第一の部分と;
体内の第二の位置に結合するよう構成されている第二の部分と;
前記第一の部分と前記第二の部分の間の相対距離を調整するよう構成されている磁気駆動部であって、該磁気駆動部は少なくとも一つの被駆動磁石を含み、体外のドライバー磁石によって加えられる磁場に応答して軸のまわりに回転するよう構成されている、磁気駆動部と;
前記第一の部分または前記第二の部分のいずれかの中に位置される、どの被駆動磁石とも独立な測定磁石とを有しており、
当該インプラントは、前記ドライバー磁石に対する前記被駆動磁石の応答性を示す信号を送信するよう構成されており、
前記応答性の変化は、体と前記第一および第二のコネクタとの間に加えられる力の変化を示す、
医療インプラント。
〔態様18〕
前記力は、圧縮力、伸延力、張力および/または回転力からなる群から選択される、態様17記載の医療インプラント。
〔態様19〕
前記力はモーメントに変換される、態様17記載の医療インプラント。
〔態様20〕
前記力は少なくとも部分的には磁気結合トルクから導出される、態様17記載の医療インプラント。