【実施例】
【0114】
実施例1
メタンスルホン酸2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)エチル
工程1:4−ブロモ−1−クロロ−2−フルオロベンゼン(64kg)及び乾燥トルエン(170g)を、窒素下で、2000Lのスチール製反応容器に装入した。反応器を排気して、N
2を3回充填し、窒素雰囲気下で、−10℃から5℃の間に冷却した。溶液に、−10℃から10℃の間で、i−PrMgCl.LiCl(280kg、THF中1.3M)を滴下した。反応物を、−10℃から10℃の間で、さらに15分から30分間撹拌し、次いで、1時間にわたって約20℃から25℃の間に温めた。反応混合物をさらに6時間撹拌し、交換反応を完了させた。得られた溶液を、−50℃から−40℃の間に冷却した。−50℃から−30℃の間の温度を維持しながら、2−クロロ−N−メトキシ−N−メチルアセトアミド(44.5kg)の乾燥トルエン(289kg)溶液を上述の溶液に滴下した。反応混合物を、1時間にわたって20℃から25℃の間に温めて、次いで3時間撹拌し、反応を完了させた。反応物を、−5℃から15℃の間で、1Nの水性HCl(8081g)を添加することによってクエンチした。水性層を分離し、有機層を、珪藻土パッドに濾過した。有機層を、10%NaCl水溶液(320kg)で2回洗浄し、次いで、約300Lに濃縮し、トルエン中の生成物として1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−クロロエタノン(51.8kg、収率81.9%)を得た。
【0115】
工程2:II(51.7kg)のトルエン溶液を濃縮して、溶媒をEtOHに交換し、IIのEtOH(326kg)懸濁液を得た。HCOONa.2H
2O(54.8kg)及びHCOOH(44.5kg)の水(414kg)溶液を、窒素雰囲気下で、15℃から35℃の間の温度で添加した。得られた混合物を、加熱還流し、4時間から5時間撹拌した。95%を超える変換が起こった後、溶液を20℃から30℃の間に冷却した。水(450kg)を、10℃から30℃の間で、2時間にわたって滴下した。得られた懸濁液を−10℃から−3℃の間に冷却し、冷却した溶液を1時間から2時間撹拌した。固体を濾過し、濾過ケーキを水(400kg)で洗浄し、残留したHCOONa及びHCOOHを除去した。得られた1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエタノン)を、EtOAc(41kg)及びn−ヘプタン(64kg)に懸濁させ、次いで、45℃から50℃の間に温めて、2時間撹拌し、次いで、2時間にわたって−2℃から5℃の間に冷却し、この温度で2時間撹拌した。固体を濾過し、真空中で、40℃から50℃の間で12時間乾燥し、生成物を白色固体として得た(40.0kg、純度99.3%、収率84.5%)。
【0116】
工程3:窒素下の500L反応器に、精製水(150kg)、4−モルホリンエタンスルホン酸(0.90kg)、無水MgCl
2(0.030kg)、n−ヘプタン(37kg)、1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエタノン(30kg)、D−(+)−グルコース一水和物(34.8kg)及びPEG6000(30.0kg)を充填した。溶液のpHを、28℃から32℃の間で、1Nの水性NaOHで6.5から7.0の間に調整した。補因子を再利用するための酵素であるグルコースデヒドロゲナーゼGDH−105(0.300kg)(Codexis Inc.、Redwood City、CA、USA)、補因子であるニコチンアミドアデニンジヌクレオチドNAD(0.300kg)(Roche)、及び酸化還元酵素KRED−NADH−112(0.300kg)(Codexis Inc.、Redwood City、CA、USA)を添加した。得られた懸濁物を、1Nの水性NaOH(160kg)の添加によって、反応混合物のpHを6.5から7.0の間に維持するようpHを調整しながら、29℃から31℃の間で10時間から12時間撹拌した。反応混合物のpHを、49%H
2SO
4(20kg)の添加によって、1から2の間に調整し、反応物をクエンチした。EtOAc(271kg)を添加し、混合物を、20℃から30℃の間で10−15分間撹拌し、次いで、珪藻土パッドで濾過した。濾過ケーキをEtOAc(122kg)で洗浄した。合わせた有機層を分離し、水性層をEtOAc(150kg)で抽出した。水(237kg)を、合わせた有機層に添加した。混合物のpHを、固体のNaHCO
3の添加によって、7.0から8.0の間に調整した。有機層を分離し、濃縮し、次いで、DCMで希釈して、DCM中の生成物として(R)−1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)エタン−1,2−ジオール(30.9kg、収率100%)を得た。
【0117】
工程4:窒素下の1000L反応器に、(R)−1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)エタン−1,2−ジオール(29.5kg)及び乾燥DCM(390kg)を充填した。溶液を、−5℃から0℃の間に冷却した。−5℃から2℃の間の温度を維持しながら、tert−ブチルクロロジメチルシラン(25.1kg)を少しずつ添加した。DMAP(0.95kg)及びTEA(41.0kg)の乾燥DCM(122kg)溶液を、−5℃から2℃の温度で上述の溶液に滴下した。反応溶液を1時間撹拌し、次いで、20℃から25℃の間に温めて、16時間撹拌した。(R)−2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)エタノールの溶液を、−10℃から−5℃の間に再冷却した。−10℃から0℃の間の温度を維持しながら、乾燥DCM(122kg)中の塩化メタンスルホニル(19.55kg)を上述の溶液に滴下した。反応溶液を、−10℃から0℃の間で20分から30分間撹拌し、次いで、1時間にわたって0℃から5℃の間に温めて、撹拌した。反応溶液を水(210kg)、その後5%水性クエン酸(210kg)、2%水性NaHCO
3(210kg)、最後に水(2×210kg)で洗浄した。得られたDCM溶液を乾燥し(Na
2SO
4)、濾過し、15℃未満(ジャケット温度35℃未満)で真空中で濃縮し、DCM中の生成物として(R)−2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)メタンスルホン酸エチル(49.5kg、収率83.5%、カールフィッシャー=0.01%)を得た。
【0118】
実施例2
4−(2−(メチルスルホニル)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オン
工程1:1000L反応器に、2−フルオロ−4−ヨードピリジン(82.2kg)及び乾燥THF(205kg)を充填した。反応器を排気して、N
2を3回充填し、次いで、−30℃から−20℃の間に冷却した。溶液に、i−PrMgCl.LiCl(319kg、THF中1.3M)を滴下した。反応物を、−20℃から−10℃の間に温めて、1.5時間撹拌し、トランスメタル化を完了した。
【0119】
2000L反応器に、4−クロロ−2−メチルチオピリミジン(45.6kg)、乾燥THF(205kg)及び[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン](3−クロロピリジル)パラジウム(II)ジクロリド(PEPPSI(商標)−IPr、1.850kg)を充填した。その2000Lの反応器を排気して、N
2を3回充填し、55℃から57℃の間に加熱した。50℃から62℃の間の温度を維持しながら、反応器に、(2−フルオロピリジン−4−イル)マグネシウムクロリド溶液を0.5時間から1時間にわたって添加した。得られた反応混合物を、50℃から62℃の温度でさらに2時間撹拌した。反応混合物を5℃から25℃の間に冷却し、反応物を水(273kg)でクエンチした。混合物のpHを、固体のクエン酸一水和物(7.3kg)を添加することによって、8から9に調整した。有機層を分離して、12.5%水性NaCl(228kg)で洗浄し、50℃未満で真空中で濃縮し、THF中の生成物として4−(2−フルオロピリジン−4−イル)−2−(メチルチオ)ピリミジン(38.3kg、収率61%)を得た。
【0120】
工程2:4−(2−フルオロピリジン−4−イル)−2−(メチルチオ)ピリミジン(38.2kg)のTHF溶液を濃縮し、THFとコエバポレートして、残存する水を除去した。懸濁液を珪藻土パッドで濾過し、無機塩を除去した。15℃から25℃の間の温度を維持しながら、得られたTHF(510kg)溶液に、tert−BuOK(39.7kg)を少しずつ添加した。混合物を、20℃から25℃の間に温めて、5時間撹拌した。NaHCO
3(14.9kg)を装入し、次いで、クエン酸(5kg)THF(15kg)溶液を添加し、pHを8から9の間に調整した。水(230kg)を添加した。混合物を濾過し、濾過ケーキをTHF(100kg)で洗浄した。合わせたTHF溶液を12.5%水性NaCl(320kg)で洗浄し、約380Lに濃縮して、4−(2−(tert−ブトキシ)ピリジン−4−イル)−2−(メチルチオ)ピリミジンのTHF溶液を得た。
【0121】
15℃から30℃の温度に冷却したTHF溶液に、1NのH
2SO
4水溶液(311kg)を添加した。混合物を、この温度で4時間撹拌した。MTBE(280kg)を装入し、反応溶液のpHを、30%水性NaOH(120kg)で14に調整した。水性層を分離し、有機層を濾過し、無機塩を除去した。得られた水性層をMTBE(2×280kg)で洗浄した。2−MeTHF(1630kg)及びi−PrOH(180kg)を水溶液に添加した。次いで、pHを濃塩酸(19kg)でゆっくりと8に調整した。有機層を分離し、水性層を2−MeTHF(305kg)で抽出した。合わせた2−MeTHF抽出物を、水(300kg)で洗浄し、約100Lに濃縮した。MTBE(230kg)を添加し、20−30℃で0.5時間撹拌した。固体を濾過し、2−MeTHF(68kg)とMTBE(230kg)との混合溶媒中でスラリーにした。懸濁液を、35−50℃で3時間撹拌し、次いで、0℃から10℃冷却し、さらに2時間撹拌した。固体を濾過し、50℃から62℃の間で、真空中で20時間乾燥し、生成物4−(2−(メチルスルホニル)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オンを茶色固体として得た(33.55kg、アッセイ89.6%、収率79.4%)。
【0122】
実施例3
(S)−1−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)エチル)−4−(2−(メチルチオ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オン(XI)
工程1:THFを、4−(2−(メチルチオ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オン(25.5kg)のTHF溶液からコエバポレートし、残存する水分を除去した。乾燥ビス−(2−メトキシエチル)エーテル(75kg)を添加した。25℃から40℃の間の温度に維持しながら、KHMDS(131kg、THF中1M)の溶液を滴下した。混合物を75℃から80℃の間に加熱し、30分から40分間撹拌した。得られた混合物を、窒素雰囲気下で、20℃から30℃の間に冷却した。20℃から40℃の間の温度を維持しながら、メタンスルホン酸(R)−2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)エチル(47.6kg)のTHF(50kg)溶液を、30分から60分にわたって添加した。反応溶液を、80℃から85℃の間に温めて、7時間撹拌した。溶液を、5℃から15℃の間に冷却し、水(155kg)を添加した。溶液のpHを、30%水性クエン酸(30kg)で7.5に調整した。EtOAc(460kg)を添加し、混合物を20分間撹拌した。有機層を分離し、12.5%水性NaCl(510kg)で洗浄した。合わせた水性層をEtOAc(115kg)で抽出した。酢酸エチル層を約360Lに濃縮し、EtOAc中の生成物として(S)−1−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)エチル)−4−(2−(メチルチオ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オン(44.6kg、収率75.7%)を得た。
【0123】
工程2:5℃から10℃の間に冷却した、(S)−1−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)エチル)−4−(2−(メチルチオ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オン(44.6kg)のEtOAc(401kg、10vol)溶液に、MCPBA(58kg)を少しずつにして添加した。反応混合物を、10℃から−20℃の間の温度で、NaHCO
3(48.7kg)水(304kg)溶液に添加した。Na
2S
2O
3(15kg)水(150kg)溶液を滴下し、残存するMCPBAを完全に反応させた。有機層を分離し、水性層をEtOAc(130kg)で抽出した。合わせた有機層を水(301kg)で洗浄し、濃縮し、溶媒をDCMに交換して、DCM中の生成物として(S)−1−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)エチル)−4−(2−(メチルスルホニル)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オン(45.0kg、収率94.9%)を得た。DCM溶液を約100Lに濃縮し、SiO
2(60kg)パッドで濾過し、EtOAc/DCM勾配(0、25及び50%EtOAc)で溶出した。画分を合わせて、濃縮し、生成物を得て、それを、4回(アセトン:n−ヘプタン=1:3v/v)で再びスラリーにして、最終の生成物を得た(31.94kg、収率71%)。
【0124】
実施例4
(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オンベンゼンスルホン酸塩(VIIIb)
工程1:清浄な100L円筒状反応容器に、THF(13kg)を充填し、次いで、(S)−1−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)エチル)−4−(2−(メチルスルホニル)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オン(I、5kg)及び1−メチル−1H−ピラゾール5−アミン(1.1kg)を、中位に撹拌しながら順次添加し、その後、THF(18kg)を添加した。混合物を、−35℃に冷却し、得られた薄いスラリーに、内部温度を−25℃未満に維持する速度で、LiHMDS(17.4kg、1.0M)のTHF溶液をゆっくりと添加した。添加が完了した後、反応物を、20分間、−35℃から−25℃の間に保ち、HPLCによりモニターした。HPLCの結果が、≦98.5%の変換率を示した場合、追加のLiHMDS(0.34kg、1.0M、0.05mol%)を、−35℃でゆっくりと添加した。反応物を、同じ温度で、H
3PO
4溶液(4.4kgの85%H
3PO
4及び15kgの水)でゆっくりとクエンチし、内部温度を30℃未満に保った。反応物をEtOAc(18kg)で希釈し、相を分離し、有機層をH
3PO
4溶液(1.1kgの85%H
3PO
4及び12kgの水)で洗浄し、その後、第2のH
3PO
4洗浄(0.55kgの85%H
3PO
4及び12kgの水)が続いた。1−メチル−1H−ピラゾール−5が残っていれば、有機層をH
3PO
4溶液(0.55kgの85%H
3PO
4及び12kgの水)で再び洗浄した。最後に、有機層を、水(20kg)、並びに、NaCl及びNaHCO
3溶液(2kgのNaCl、0.35kgのNaHCO
3、及び10kgの水)で順次洗浄した。相を分離した後、有機溶液中に残存する水を、EtOAcとの共沸蒸留により、≦0.5%(KFによる)まで除去し、次いで、50℃未満で、真空下で20−30Lに濃縮した。次いで、溶媒を、35kgのMeOHを使用してMeOHに交換し、次いで、次の工程のために20Lから30Lの間に濃縮した。
【0125】
工程2:MeOH中の(S)−1−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)エチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オン(IX)のメタノール溶液に、室温で、HCl(10.7kg、MeOH中1.25M)を添加した。それは、わずかに発熱性であった。添加が完了した後、反応物を45℃に加熱した。反応が、14時間から16時間後に完了していなければ、追加のHCl(1kg、MeOH中1.25M)を添加し、45℃での撹拌を2時間継続した。反応を、酸スクラバーを有する蒸留装置を用いて行った。反応物を、50℃未満で、真空下で20Lから30Lの間に濃縮した。得られた溶液にMeOH(35kg)を添加し、反応物を、再度、50℃未満で、真空下で20から30Lに濃縮した。次いで、溶媒を、40kgのEtOAcを使用してEtOAcに交換した。溶媒の割合をヘッドスペースGCによりモニターし、それが1/5未満になるまで、溶媒交換を継続した。溶液を、50℃未満で、真空下で20Lから30Lの間に濃縮した。溶液を30℃未満に冷却した後、水性NaHCO
3(1.2kgのNaHCO
3及び20kgの水)を、中位に撹拌しながらゆっくりと添加し、その後、EtOAc(40kg)を添加した。有機層を水(2×10kg)で洗浄し、次いで、50℃未満で、真空下で20−30Lに濃縮した。次いで、溶媒を、35kgのMEKを使用してMEKに交換した。残存するMeOHをヘッドスペースGCによりモニターし、MeOHが<0.3%になるまで、溶媒交換を継続した。(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オン(VIII)を含有する溶液を、次の工程のために、50℃未満で、真空下で20から30Lに濃縮した。
【0126】
工程3:VIIIのMEK溶液を、1μmラインフィルターを介して、第2の100L円筒状反応容器に移した。別個の容器において、ベンゼンスルホン酸溶液(1.3kgのベンゼンスルホン酸、1.4kgの水、及び4.4kgのMEK)を調製した。濾過したVIII溶液を75℃に加熱し、得られた溶液に、1μmラインフィルターを介して、0.7kgのベンゼンスルホン酸溶液を添加した。澄んだ溶液に、MEK中スラリー(VIIIbの結晶性の種0.025kg、及び0.4kgのMEK)としての、VIIIの結晶性ベンゼンスルホン酸塩(0.425kg)を入れ、このことにより、薄いスラリーがもたらされた。次いで、残りのベンゼンスルホン酸溶液を、1μmラインフィルターを介して2時間で添加した。添加後、スラリーを75℃でさらに1時間加熱し、次いで、最低3時間で、18℃に冷却した。得られた厚いスラリーを、20℃で14時間から16時間撹拌した。固体を、Auroraドライヤーを使用して濾過した。母液をHPLCによりアッセイした(約3%喪失)。次いで、固体を、1μmラインフィルターで濾過した15.8kgの、MEK及び水の溶液(0.8kgの水及び15kgのMEK)で洗浄し、その後、1μmラインフィルターで濾過した30kgのMEKで洗浄した。洗浄物をHPLCによりアッセイした(<1%の喪失)。湿った濾過ケーキを、45℃のジャケット温度で、真空下及び窒素スイープ下で最低12時間乾燥して、VIIIのベンゼンスルホン酸塩(VIIIbと呼ぶ)を得た。
【0127】
追加の実施例
工程1:
清浄な100L円筒状反応容器に、まず、13kgのTHFを装入した。中位に撹拌しながら、5.0kgのI及び1.1kgの1−メチル−1H−ピラゾール−5−アミンを順次装入し、その後、残りのTHF(18kg)を装入した。−35℃で、得られた薄いスラリーに、THF中の17.4kgのLiHMDS(1.0mol/L)をゆっくりと添加し、内部温度を−25℃未満のままにした。添加後、反応物を、20分間、−35℃から−25℃の間に保った。反応物をHPLCによりモニターした。HPLCの結果が、≦98.5%の変換率を示した場合、追加の、THF中の0.34kg(0.05mol%)のLiHMDS(1.0mol/L)を、−35℃でゆっくりと装入した。そうでなければ、反応物を、同じ温度で、19.4kgのH
3PO
4溶液(4.4kgの85%H
3PO
4及び15kgの水)でゆっくりとクエンチし、内部温度を30℃未満のままにした。反応物を、18kgのEtOAcで希釈した。相を分離した後、有機層を13.1kgのH
3PO
4溶液(1.1kgの85%H
3PO
4及び12kgの水)で洗浄し、次いで、12.6kgのH
3PO
4溶液(0.55kgの85%H
3PO
4及び12kgの水)で洗浄した。有機層を、HPLCにより、1−メチル−1H−ピラゾール−5−アミンのレベルについてアッセイした。HPLCの結果が、≧20μg/mLの1−メチル−1H−ピラゾール−5−アミンを示した場合、有機層は、12.6kgのH
3PO
4溶液(0.55kgの85%H
3PO
4及び12kgの水)による追加の洗浄を必要とした。そうでなければ、有機層を20kgの水で洗浄した。有機層を、1−メチル−1H−ピラゾール−5−アミンのレベルについて再度アッセイした。HPLCの結果が、≧2μg/mLの1−メチル−1H−ピラゾール−5−アミンを示した場合、有機層は、20kgの水による追加の洗浄を必要とした。そうでなければ、有機層を、12.4kgのNaCl及びNaHCO
3溶液(2kgのNaCl、0.35kgのNaHCO
3及び10kgの水)で洗浄した。相を分離した後、有機溶液中に残存する水を、EtOAcとの共沸蒸留により、≦0.5%(KFによる)に除去し、次いで、溶液を、50℃未満で、真空下で20から30Lに濃縮した。次いで、溶媒を、35kgのMeOHを使用してMeOHに交換し、次いで、次の工程のために20から30Lに濃縮した。
【0128】
工程2:
前の工程からの、IXのMeOH溶液に、常温で、10.7kgのHCl(MeOH中1.25M)を装入した。それは、わずかに発熱性であると認められた。添加後、反応物を45℃に加熱した。14−16時間後、反応物をHPLCによりモニターした。HPLCの結果が、変換率が≦98%であると示した場合、追加の1kgのHCl(MeOH中1.25M)を装入し、反応物を、45℃でさらに2時間撹拌した。そうでなければ、反応を、酸スクラバーを有する蒸留装置を用いて行った。反応物を、50℃未満で、真空下で20から30Lに濃縮した。得られた溶液に、35kgのMeOHを装入し、反応物を、再び、50℃未満で、真空下で20から30Lに濃縮した。次いで、溶媒を、40kgのEtOAcを使用してEtOAcに交換した。溶媒の割合を、ヘッドスペースGCによりモニターした。MeOH/EtOAcの割合が、1/5を超えた場合、溶媒交換を継続する必要があった。そうでなければ、溶液を、50℃未満で、真空下で20から30Lに濃縮した。溶液を30℃未満に冷却した後、21.2kgのNaHCO
3溶液(1.2kgのNaHCO
3及び20kgの水)を、中位に撹拌しながらゆっくりと装入し、その後、40kgのEtOAcを装入した。相を分離した後、有機層を2×10kgの水で洗浄した。有機層を、50℃未満で、真空下で20から30Lに濃縮した。次いで、溶媒を、35kgのMEKを使用してMEKに交換した。残存するMeOHをヘッドスペースGCによりモニターした。MeOHのレベルが、≧0.3%であった場合、溶媒交換を継続する必要があった。そうでなければ、溶液を、次の工程のために、50℃未満で、真空下で20から30Lに濃縮した。
【0129】
工程3:
前の工程からの、VIIIのMEK溶液を、3μmラインフィルターを介して、第2の100L円筒状反応容器に移した。別個の容器において、7.1kgのベンゼンスルホン酸溶液(1.3kgのベンゼンスルホン酸、1.4kgの水、及び4.4kgのMEK)を調製した。濾過したG02584994溶液を75℃に加熱し、得られた溶液に、3μmラインフィルターを介して、0.7kgのベンゼンスルホン酸溶液(10%)を装入した。透明な溶液に、0.425kgの、MEK中のVIIIbの結晶性の種のスラリー(VIIIbの結晶性の種0.025kg、及び0.4kgのMEK)を装入した。これにより、薄いスラリーがもたらされた。次いで、残りのベンゼンスルホン酸溶液を、3μmラインフィルターを介して2時間で装入した。添加後、スラリーを75℃でさらに1時間加熱し、次いで、最低3時間で、20℃に冷却した。得られた厚いスラリーを、20℃で14−16時間撹拌した。固体を、フィルタードライヤーを使用して濾過した。母液をHPLCによりアッセイした(約3%喪失)。次いで、固体を、3μmラインフィルターで濾過した15.8kgの、MEK及び水の溶液(0.8kgの水及び15kgのMEK)で洗浄し、その後、3μmラインフィルターで濾過した30kgのMEKで洗浄した。洗浄物をHPLCによりアッセイした(<1%の喪失)。湿った濾過ケーキを、45℃のジャケット温度で、真空下及び窒素スイープ下で最低12時間乾燥した。
【0130】
再結晶化
清浄な100L円筒状反応容器に、まず、16kgのEtOHを装入した。中位に撹拌しながら、3.5kgのVIIIbを装入し、次いで、残りのEtOH(8.5kg)を装入した。厚いスラリーを78℃に加熱して、透明な溶液を得るまで水(〜1.1kg)を装入した。熱い溶液を、3μmラインフィルターで第2の清浄な100L円筒状反応容器へ濾過した。温度を55−60℃に下げ、溶液は透明なままであった。得られた溶液に、0.298kgの、EtOH中のVIIIbの結晶性の種のスラリー(VIIIbの結晶性の種0.018kg、及び0.28kgのEtOH)を充填した。厚いスラリーを、60℃で、真空下で20から30Lに濃縮し、次いで、3時間で20℃に冷却した。得られたスラリーを、20℃で14時間から16時間撹拌した。固体を、フィルタードライヤーを使用して濾過した。母液をHPLCによりアッセイした(約10%の喪失)。次いで、固体を、3μmラインフィルターで濾過した11.1kgの、EtOH及び水の溶液(0.56kgの水及び11kgのEtOH)で洗浄し、その後、3μmラインフィルターで濾過した21kgのMEKで洗浄した。洗浄物をHPLCによりアッセイした(3%の喪失)。湿った濾過ケーキを、45℃のジャケット温度で、真空下及び窒素スイープ下で最低12時間乾燥した。
【0131】
追加の合成法を以下で述べる。
【0132】
工程1:
清浄な100L円筒状反応容器に、まず、18kgのTHFを装入した。中位に撹拌しながら、4.2kgのI及び0.91kgの1−メチル−1H−ピラゾール−5−アミンを順次装入し、その後、残りのTHF(21kg)を装入した。−40℃で、得られた薄いスラリーに、THF中の14.9kgのLiHMDS(1.0mol/L)をゆっくりと添加し、内部温度を−30℃未満のままにした。添加後、反応物を、20分間、−35℃から−40℃の間に保った。反応物をHPLCによりモニターした。HPLCの結果は、≦99.1%の変換率を示した。反応物を、同じ温度で、16.7kgのH
3PO
4溶液(3.7kgの85%H
3PO
4及び13kgの水)でゆっくりとクエンチし、内部温度を30℃未満のままにした。反応物を、17kgのEtOAcで希釈した。相を分離した後、有機層を13.1kgのH
3PO
4溶液(1.1kgの85%H
3PO
4及び12kgの水)で洗浄し、次いで、10.5kgのH
3PO
4溶液(0.46kgの85%H
3PO
4及び10kgの水)で洗浄した。有機層を、HPLCにより、1−メチル−1H−ピラゾール−5−アミンのレベルについてアッセイした。HPLCの結果は、2μg/mLの1−メチル−1H−ピラゾール−5−アミンを示した。有機層を、15.8kgのNaCl溶液(0.3kgのNaCl及び15.5kgの水)で洗浄した。有機層を、G02586778のレベルについて再びアッセイした。HPLCの結果は、0.5μg/mLの1−メチル−1H−ピラゾール−5−アミンを示した。有機層を、10.3kgのNaCl及びNaHCO
3溶液(1.7kgのNaCl、0.6kgのNaHCO
3及び8kgの水)で洗浄した。相を分離した後、有機溶液中に残存する水を、EtOAcとの共沸蒸留により、≦0.5%(KFによる)に除去し、次いで、溶液を、50℃未満で、真空下で20から30Lに濃縮した。次いで、溶媒を、30kgのMeOHを使用してMeOHに交換し、次いで、次の工程のために20から30Lに濃縮した。
【0133】
工程2:
前の工程からの、IXのMeOH溶液に、常温で、9.0kgのHCl(MeOH中1.25M)を装入した。それは、わずかに発熱性であると認められた。添加後、反応物を45℃に加熱した。16時間後、反応物をHPLCによりモニターした。HPLCの結果は、変換率が、99.4%であると示した。反応を、蒸留装置を用いて行った。反応物を、50℃未満で、真空下で20Lに濃縮した。得られた溶液に、35kgのMeOHを装入し、反応物を、再び、50℃未満で、真空下で20Lに濃縮した。次いで、溶媒を、40kgのEtOAcを使用してEtOAcに交換した。溶媒の割合を、ヘッドスペースGCによりモニターした。MeOH/EtOAcの割合が、1/5を超えた場合、溶媒交換を継続する必要があった。そうでなければ、溶液を、50℃未満で、真空下で20Lに濃縮した。溶液を30℃未満に冷却した後、18kgのNaHCO
3溶液(1kgのNaHCO
3及び17kgの水)を、中位に撹拌しながらゆっくりと装入し、その後、34kgのEtOAcを装入した。相を分離した後、有機層を2×8kgの水で洗浄した。有機層を、50℃未満で、真空下で20Lに濃縮した。次いで、溶媒を、35kgのMEKを使用してMEKに交換した。残存するMeOHをヘッドスペースGCによりモニターした。MeOHのレベルが、≧0.3%であった場合、溶媒交換を継続する必要があった。そうでなければ、溶液を、次の工程のために、50℃未満で、真空下で20Lに濃縮した。
【0134】
工程3:
前の工程からの、VIIIのMEK溶液を、1μmポリッシュフィルターを介して、第2の100L円筒状反応容器に移した。別個の容器において、6.0kgのベンゼンスルホン酸溶液(1.1kgのベンゼンスルホン酸、1.2kgの水、及び3.7kgのMEK)を調製した。濾過した溶液を75℃に加熱し、得られた溶液に、1μmラインフィルターを介して、0.6kgのベンゼンスルホン酸溶液(10%)を装入した。透明な溶液に、0.36kgの、MEK中のVIIIbの結晶性の種のスラリー(VIIIbの結晶性の種0.021kg、及び0.34kgのMEK)を装入した。これにより、薄いスラリーがもたらされた。次いで、残りのベンゼンスルホン酸溶液を、1μmラインフィルターを介して2時間で装入した。添加後、スラリーを75℃でさらに1時間加熱し、次いで、最低3時間で、18℃に冷却した。得られた厚いスラリーを、18℃で14−16時間撹拌した。固体を、Auroraドライヤーを使用して濾過した。次いで、固体を、1μmラインフィルターで濾過した8.15kgの、MEK及び水の溶液(0.35kgの水及び7.8kgのMEK)で洗浄し、その後、1μmラインフィルターで濾過した12kgのMEKで洗浄した。
【0135】
再結晶化
清浄な100L円筒状反応容器に、まず、21kgのEtOHを装入した。中位に撹拌しながら、3.5kgのVIIIbを装入し、次いで、残りのEtOH(9kg)を装入した。厚いスラリーを78℃に加熱して、透明な溶液を得るまで水(約1.2kg)を装入した。熱い溶液を、1μmラインフィルターで第2の清浄な100L円筒状反応容器へ濾過した。温度を69℃に下げ、溶液は透明なままであった。得られた溶液に、0.37kgの、EtOH中のVIIIbの結晶性の種のスラリー(VIIIbの結晶性の種0.018kg、及び0.35kgのEtOH)を充填した。薄いスラリーを、60−70℃で、真空下で20Lに濃縮し、次いで、3時間で18℃に冷却した。得られたスラリーを、18℃で14−16時間撹拌した。固体をフィルタードライヤーを使用して濾過した。次いで、固体を、1μmラインフィルターで濾過した8.6kgの、EtOH及び水の溶液(0.4kgの水及び8.2kgのEtOH)で洗浄した。溶液を、同じ量ずつ2回入れた。次いで、固体を、1μmラインフィルターで濾過した6.7kgのMEKで洗浄した。湿った濾過ケーキを、35−45℃のジャケット温度で、真空下及び窒素スイープ下で最低12時間乾燥した。
【0136】
代替の合成経路(以下の工程1から10)
【0137】
工程1:
手順:
1. 化合物I及びMcBrPPh
3を、N
2下で、パドル撹拌器を備えたジャケット付き4つ口フラスコに装入する
2. フラスコにTHF(5.0V、KF<0.02%)をフラスコに装入する(注釈:Vは、限定された試薬の質量に対する溶液の体積、又はL/kgである)
3. 懸濁液を0℃で撹拌する
4. NaH(鉱油に60%懸濁)を、0℃でフラスコに少しずつ添加する
5. 0℃で30分間撹拌する
6. 30℃に加熱し、6時間撹拌する
7. 0℃に冷却する
8. PE(石油エーテル)(5.0V)をフラスコに装入する
9. TPPO(トリフェニルホスフィンオキシド)の結晶の種(TPPO全体の1%から約5重量%)をフラスコに添加する
10. −10℃で2時間撹拌する
11. 濾過し、濾過ケーキをPE(5.0V)で洗浄する
12. 濾液を、乾燥するまで濃縮する
13. 減圧下での蒸留による、生成物の精製は、無色油状物としての2をもたらす
【0138】
工程2:
手順:
1. (DHQD)2PHAL、Na
2CO
3、K
2Fe(CN)
6、K
2OsO
2(OH)
4を、N
2下で、フラスコ内に添加する(Ad−mix−β、Aldrich、St.Louis、MO)
2. 0℃に冷却する
3. tBuOH(5V)及びH
2O(5V)を添加する
4. 2を添加する
5. 混合物を0℃で6時間撹拌する
6. 0℃に冷却する
7. NaSO
2を添加して反応物をクエンチする
8. 0℃で2時間撹拌する
9. 濾過し、濾過ケーキをEA(酢酸エチル)で洗浄する
10. 有機層を分離する
11. 濾過し、乾燥するまで濃縮する
【0139】
工程3:
手順:
1. IV(1当量)及びDCM(5V)を、N
2下でフラスコに添加する
2. 0℃に冷却する
3. DMAP(0.1当量)、次いで、TEA(1.5当量)を添加する
4. TBSCl(1.05当量)を0℃で滴下する
5. 混合物を0℃で1時間撹拌する
6. 水を添加して反応物をクエンチする
7. 層を分離する
8. 有機層をNaSO
4で乾燥する
9. 濾過する
10. 濾液を、乾燥するまで濃縮する
11. 次の工程に直接使用する
【0140】
工程4:
手順:
1. V(1.0当量)及びDCM(5V)を、N
2下でフラスコに添加する
2. 0℃に冷却する
3. TEA(1.51当量)を添加する
4. MsCl(1.05当量)を0℃で滴下する
5. 混合物を室温で1時間撹拌する
6. より十分な撹拌のために、DCMを添加して混合物を希釈する
7. 水を添加して反応物をクエンチする
8. 層を分離する
9. 有機層をNaHCO
3で洗浄する
10. Na
2SO
4で脱水する
11. 濾過して、濾液を、乾燥するまで濃縮する
12. 次の工程に直接使用する
【0141】
工程5:
手順:
1. VII(1当量)及びDGME(20V)を、N
2下でフラスコに添加する
2. 0℃に冷却する
3. KHMDS(THF中1M、1当量)を添加する
4. VI(1.2−1.5当量)をDGME溶液中に添加する
5. 0℃で5分間撹拌する
6. 加熱還流(ジャケット120℃)し、4時間以上撹拌する
7. 冷却する
8. 水でクエンチし、MTBEで抽出する
9. 20%NaClで洗浄する
10. Na
2SO
4で脱水する
11. 乾燥するまで濃縮し、次の工程に直接使用する
【0142】
工程6:
手順:
1. XI(1当量)、DCM(8V)を、N
2下でフラスコに装入する
2. mCPBAを少しずつ添加する
3. 室温で2時間撹拌する
4. 7%水性NaHCO
3を添加して洗浄する
5. 水性Na
2S
2O
4でクエンチする
6. 20%水性NaClで洗浄する
7. Na
2SO
4で脱水する
8. 濾過して、乾燥するまで濃縮する
9. MTBE(3V)中の得られたものをスラリーにして、Iを得る
【0143】
工程7:
手順:
1. I(1当量)、1−メチル−1H−ピラゾール−5−アミン(4当量)、Cs
2CO
3、DMF(4V)を、N
2下でフラスコに添加する
2. 室温で3時間撹拌する
3. 処理して生成物を得る
【0144】
工程8:
手順:
1. IXをMeOHに溶解させた
2. HCl(MeOH中1.25M)を、常温で装入した
3. 添加後、反応物を、16時間、45℃に加熱した
4. 反応物を室温に冷却し、水性NaHCO
3でクエンチし、EtOAcで希釈した
5. 相を分離した後、有機層を水で洗浄した。有機層を濃縮し、粗製のVIIIを得た
【0145】
工程9:
手順:
1. 化合物6−2、XIII、Pd触媒、及び重炭酸ナトリウムを、N
2下で、パドル撹拌器を備えたジャケット付き4つ口フラスコに装入する
2. 水及び1,4−ジオキサン(5.0V、KF<0.02%)をフラスコに装入する
3. 懸濁液を85℃で16時間撹拌する
4. シリカゲル(2.0X)及び珪藻土(0.5X)で濾過する
5. 1,4−ジオキサンを、真空下で、蒸留によって除去する
6. 水(2.0V)及びEtOAc(5.0V)に分配する
7. 有機相を分離し、濃縮する
8. PE及びEtOAcからの再結晶化によって精製する
【0146】
工程10:
手順:
・ Xをフラスコ内に添加する
・ 2MのHCl(10−15V)を添加する
・ 100℃に加熱し、3時間撹拌する
・ 冷却する
・ 30%水性NaOHでpHを7から8に中性化する
・ THFで抽出する
・ 20%水性NaClで洗浄する
・ Na
2SO
4で脱水する
・ 濾過して、乾燥するまで濃縮する
【0147】
結晶性の(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オンベンゼンスルホン酸塩の合成
(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オン(21.1mg、0.048mmol)を、MEK(0.5mL)に溶解させた。ベンゼンスルホン酸(Fluka、98%、7.8mg、0.049mmol)を、MEK(0.5mL)に溶解させ、得られた溶液を、撹拌しながら遊離塩基溶液に滴下した。沈殿が生じ、もっとベンゼンスルホン酸溶液を添加しながら、沈殿物をゆっくりと溶解させた。少量の粘着性固体がバイアルの底に残った。バイアルの内容物を10分間超音波処理し、その間、さらなる沈殿が生じた。遠心分離後、固体を単離し、ハウスバキュームを使用して、40℃で減圧乾燥した。
【0148】
(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オンベンゼンスルホン酸塩の結晶性A型の合成
(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オンベンゼンスルホン酸塩(23.1mg)を、90℃に設定した加熱ブロックにおいて、熱いイソプロパノール(5mL)に溶解させた。加熱ブロックでの加熱を止め、溶液を室温に冷却させて、次いで、約−20℃の冷凍庫に入れた。冷たいままで固体を集めて、XRPDにより分析し、(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オンベンゼンスルホン酸塩のA型を得た。
【0149】
以下で述べる単結晶の構造決定に適した、(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オンベンゼンスルホン酸塩の結晶性A型の単結晶の合成
(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オンベンゼンスルホン酸塩の結晶性A型:構造決定に適した品質の結晶を、約50℃で、撹拌を介して、メタノールにおいて成長させ、約1日後にParatone−Nオイルに単離し、周囲条件下で保管した。
【0150】
構造の解明:およその寸法が0.16×0.16×0.06mmである、C
27H
23ClFN
6O
5S[C
21H
18ClFN
6O
2、C
6H
5O
3S]の無色プレートを、ランダム配向でファイバー上に載せた。予備の試験及びデータ収集を、共焦点光学系を備えたRigaku Rapid II回折計で、Cu−Kα線(λ=1.5478Å)を用いて行った。精密化を、SHELX2013[Sheldrick, G. M. Acta Cryst., 2008, A64, 112]を使用して行った。
【0151】
データ収集のための格子定数及び配向マトリックスを、3°<θ<63°の範囲の24479反射の設定角度を使用して、最小二乗法による精密化から得た。DENZO/SCALEPACKからの正確なモザイク性は、0.59°であり、このことは、中程度の品質であることを示す[Otwinowski, Z.; Minor, W. Methods Enzymol. 1997, 276, 307]。空間群を、プログラムXPREP[Bruker、SHELXTL v.6.12.におけるXPREP、Bruker AXS Inc.、Madison、WI、USA、2002]によって決定した。消滅則はなく、空間群をP1(no.1)と決定した。
【0152】
データを、293±1Kの温度で、126.9°の最大2θ値まで収集した。
【0153】
フレームを、HKL3000[Flack, H. D.; Bernardinelli, G., Acta Cryst. 1999, A55, 908]で積分した。全部で24479の反射を集め、その中の6536が固有のものであった。ローレンツ及び偏光補正をデータに適用した。線吸収係数は、Cu−Kα線について2.450mm
−1である。SCALEPACK [Otwinowski, Z.; Minor, W. Methods Enzymol. 1997, 276, 307]を使用する経験的吸収補正を適用した。透過係数は、0.564から0.863の範囲であった。二次消衰補正を適用した[Glusker, Jenny Pickworth; Trueblood, Kenneth N. Crystal Structure Analysis: A Primer, 第2編; Oxford University press: New York, 1985; p.87]。最小二乗法で精密化した最終係数は、0.00170(絶対単位で)であった。等価反射の強度を平均化した。平均化のためのアグリーメントファクターは、強度に対して9.8%であった。
【0154】
構造を、SHELXT[Burla, M.C., Caliandro, R., Camalli, M,. Carrozzini, B., Cascarano, G.L., De Caro, L., Giacovazzo, C., Polidori, G., 及びSpagna, R., J. Appl. Cryst. 2005, 38, 381]を使用する直接的方法によって解明した。残りの原子を、続く差フーリエ合成において位置決定した。窒素原子上に乗るそれらの水素原子を、独立的に精密化した。すべての他の水素原子を精密化に含めたが、それらが結合する原子に乗ることを制限した。構造を、以下の関数
を最小化することによって、完全マトリックス最小二乗法で精密化した。重さwを、P=(F
02+2F
C2)/3である、1/[σ
2(F
02)+(0.2000P)
2+(0.0000P)]と定義する。
【0155】
散乱因子は、「International Tables for Crystallography」[International Tables for Crystallography, Vol. C, Kluwer Academic Publishers: Dordrecht, The Netherlands, 1992, Tables 4.2.6.8及び6.1.1.4]から取った。精密化に使用した6536の反射のうち、フィット残差Rの計算には、F
02>2σ(F
02)での反射のみを使用した。全部で5796の反射を計算に使用した。精密化の最終サイクルは、771の可変パラメーターを含み、以下の重み付けなし及び重み付けありのアグリーメントファクター
に収束した(最大パラメーターシフトは、その推定標準偏差の<0.01倍であった)。
【0156】
単位重量の観測値の標準偏差(適合度)は、1.385であった。最終の差フーリエにおける最高ピークは、0.85e/Å
3の高さを有した。これは、結構高く、構造精密化の質の低さを示す。最小の負ピークは、−0.28e/Å
3の高さを有した。絶対構造の決定のためのFlack因子[Flack, H.D. Acta Cryst. 1983, A39, 876]を、−0.01(4)に精密化した。
【0157】
非対称単位における分子の1つのヒドロキル基の1つを、ディスオーダーを使用して精密化した。これは、O22及びH22原子を、原子座標のO22A、H22A及びO22B、H22B対に分けることにつながる。
【0158】
単結晶解析から決定した、(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オンベンゼンスルホン酸塩の結晶性A型の単結晶の描写を
図3に示す。ヒドロキシル基におけるディスオーダーを、
図3の右上に見ることできる。
【0159】
VIIIbの単結晶データ、及びデータ収集のパラメーター
式 C
27H
24ClFN
6O
5S
式量 598.04
空間群 P1(No.1)
a、Å 7.7973(9)
b、Å 12.2869(13)
c、Å 14.7832(14)
α、° 103.489(7)
β、° 91.519(8)
γ、° 97.231(10)
V、Å
3 1364.0(2)
Z 2
温度、K 293
モザイク性、° 0.59
R積分値 0.098
R(Fo) 0.096
Rw(Fo2) 0.283
適合度 1.385
絶対構造決定 Flackパラメーター(−0.01(4))
Hooftパラメーター(−0.045(17))
【0160】
(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オンベンゼンスルホン酸塩は、2つの対称的に独立したカチオン−アニオンペアを有するキラル三斜晶系空間群P−1で結晶化する。幾何学的パラメーターは、分子間相互作用のすべてを、比較的強いものとみなすことができるが、両方のカチオンが非常に乱れて存在することを示す。クロロフルオロフェニル基の2つの立体配置を、約60:40の占有率で見出した。加えて、ヒドロキシメチル基も、約50:50の占有率で乱れて存在した。絶対立体化学は、S−立体配置である。
【0161】
非晶質(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オンベンゼンスルホン酸塩の合成
tert−ブタノール(約20mL)中の(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オンベンゼンスルホン酸塩(39.6mg)を、加熱ブロックにおいて60℃に加熱した。ベシル酸塩を添加する前に、tert−ブタノールを約30℃で融解させていた。水(200μ)を添加し、透明な溶液になるまで加熱した。溶液を冷却し、0.2μmフィルターで濾過し、凍結乾燥機に入れた。この化合物を、SP Scientific VirTis AdVantage 2.0ベンチトップ凍結乾燥機を使用して凍結乾燥した。70時間の方法を使用して、化合物から溶媒を除去した。
【0162】
化合物の最初の凍結を、500mTorrの圧力で、−70℃で、真空下で1.5時間行った。このことは、一次乾燥が始まる前に、溶液全体を完全に凍結させることを確実にする。一次乾燥を行って、昇華によってバルク溶媒を除去する。1時間の間、温度を−70℃から−35℃に上げ、圧力を100mTorrに下げる。−35℃で1時間乾燥した後、温度を5℃に上げ、同じ圧力でさらに28時間乾燥する。一次乾燥は、16時間保たれる15℃での最後の工程で終わる。16時間、凍結乾燥の圧力を50mTorrに下げ、温度を35℃に上げる。二次乾燥を、30℃に下げた温度及び10mTorrに下げた圧力で6時間継続する。凍結乾燥サイクルの最後の工程は、1時間、25℃に下げた温度及び2500mTorrに再び上げた圧力を有する。
【0163】
(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オンの1,5−ナフタレンジスルホン酸塩:結晶性I型の合成:
(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オン(21.8mg、0.0494mmol)を、MEK(0.5mL)に溶解させた。1,5−ナフタレンジスルホン酸四水和物(25.1mg、0.0871mmol)を、メタノール(1.0mL)に溶解させ、約0.36mLの溶液を、撹拌しながら遊離塩基溶液に滴下した。沈殿が生じた。懸濁液を、ほんの微量の溶媒しか残らなくなるまでゆっくりエバポレートさせた。固体を、ハウスバキュームを使用して40℃で減圧乾燥した。
【0164】
(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オンの1,5−ナフタレンジスルホン酸塩:結晶性II型の合成:
(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オン(103.3mg、0.234mmol)を、MEK(2.5mL)に溶解させた。1,5−ナフタレンジスルホン酸四水和物(110.4mg、0.383mmol)を、メタノール(2.0mL)に溶解させ、約0.77mLの溶液を、撹拌しながら遊離塩基溶液に滴下した。1つの大きな塊を含む沈殿が生じた。この塊を、スパチュラで砕き、その後、メタノール(0.77mL)を添加した。懸濁液を、3日間撹拌した。固体を、濾過により単離し、ハウスバキュームを使用して60℃で乾燥し、57mgの黄色固体を得た。
【0165】
(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オントシル酸塩IPA溶媒和物、及び(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オントシル酸塩のA型の合成
(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オン(105.1mg、0.239mmol)を、超音波処理を使用して、イソプロパノール(1mL)にほとんど溶解させた。p−トルエンスルホン酸一水和物(純度97.5%、52.9mg、0.271mmol)を、イソプロパノール(1mL)に溶解させた。トルエンスルホン酸溶液を、撹拌しながら遊離塩基溶液に滴下し、黄色固体を得た。追加のイソプロパノール(1mL)を添加した。固体を濾過により単離し、反応器及び固体を1mLのプロパノールですすいだ。固体を、固体で湿らせたままで、大気にさらされたホルダーにおいて、XRPDにより分析し、構造の乱れた、(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オントシル酸塩IPA溶媒和物を得た。TG分析を、XRPD試料に関して行った。
【0166】
残りの固体を、60℃で、真空下で4日間乾燥し、(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オントシル酸塩の結晶性A型を得た。
【0167】
(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オントシル酸塩の非晶質形態の合成
(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オン(104.3mg、0.237mmol)を、ジエチルエーテル(60mL)に溶解させた。p−トルエンスルホン酸一水和物(52.0mg、0.273mmol)を、ジエチルエーテル(5mL)に溶解させた。トルエンスルホン酸溶液を、撹拌しながら遊離塩基溶液に滴下し、懸濁液を終夜撹拌した。エーテルをデカントし、固体を空気乾燥させて、103mgの黄色固体を得た。
【0168】
(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オントシル酸塩の非晶質形態とB型との混合物の合成
(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オントシル酸塩の非晶質形態(10.8mg)を、撹拌子を有するバイアルに入れた。メチルエチルケトン(MEK、0.3mL)を添加し、スラリーを4日間撹拌した。溶媒を、60℃で真空下でエバポレートさせ、黄色固体を得た。
【0169】
試料の粉末X線回折パターンを、反射配置を使用するRigaku MiniFlexII粉末X線回折計を使用して得た。銅放射線源を、電圧30kV及び電流15mAで作動させた。各試料を、ゼロバックグラウンド石英インサートに合ったアルミ製試料ホルダーの穴に入れ、表面の感じが良くなるようにスライドガラスで平らにして、試料ホルダーに入れた。すべての試料を、2°/分の走査速度及び0.02°のステップサイズで、2°から40°の範囲の2θ°において測定した。
【0170】
冷却機及び標準のセル(試料パンと同じように設計された)を備えた、TA instrumentsの示差走査熱量計(Model Q100又はModel Q2000)を使用して、粉末試料の熱的性質を測定した。各試料を、0から1つの小さい穴を含む非圧着蓋の付いた閉じたアルミニウムパンに装填し、示差走査熱量測定(DSC)セルに入れた。セルは、約50cm
3/分で流動する窒素パー ジを有する。セル及び試料を、20℃で平衡化した。次いで、参照の空のパンと試料パンとの間の熱流の違いをモニターしながら、セルを、10.00℃/分で、209℃又は250−350℃に加熱した。
【0171】
温度変調DSCを使用して、(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オンの非晶質遊離塩基を分析した。冷却機及び標準のセル(試料パンと同じように設計された)を備えた、TA Instrumentsの示差走査熱量計(Model Q2000)を使用して、粉末試料の熱的性質を測定した。各試料を、0から1つの小さい穴を含む非圧着蓋の付いた閉じた アルミニウムパンに装填し、示差走査熱量測定(DSC)セルに入れた。セルは、約50cm
3/分で流動する窒素パージを有する。セル及び試料を、25℃で平衡化し、温度を、60秒ごとに±1℃で調節し、5分間、等温を保った。データ保存をオンにして、試料を、3℃ずつ上げて100℃にした。次いで、試料を、3℃/分で上げて25℃にした。次いで、試料を、3℃/分で加熱して、200℃にした。可逆成分シグナル(reversing signal)を示す。
【0172】
自動の蒸気収着データを、TA Instruments Q5000SA蒸気収着分析装置で収集した。NaCl及びPVPを較正標準として使用した。分析前に試料を乾燥しなかった。吸着及び脱着データを、窒素パージ下で、25℃で、5から95%RHの範囲にわたって、10%RHの上昇で収集した。試料を、対応するRHに1時間保ってから、次のRH範囲に移った。試料の最初の含水量について、データを補正しなかった。
【0173】
(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オンの遊離塩基は、非晶質固体である(XRPD、
図4)。ガラス転移温度(TG)は、示差走査熱量測定(DSC、
図5)によって測定した通り、純度及び溶媒含有量に応じて、約74−96℃まで変動する。
【0174】
(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オンの遊離塩基の結晶形態を見つけようとして、約200回の結晶化実験を行ったが、成功しなかった。複数の実験で少量の結晶を認めたが、これらを、(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オンの遊離塩基としてではなく、合成シーケンス又は原材料から生じた不純物として同定した。蒸気分散実験において、溶媒としてニトロメタン、貧溶媒としてヘプタンを使用して行った実験から、1つの例外に気付いた。非晶質物質と結晶性物質との混合物を単離した。得られた結晶性物質を、±1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オンであると決定した。
【0175】
適切な塩形態を発見できたかどうかを決定するために、塩のスクリーニングを行った。遊離塩基のpK
4を、2未満であると決定し、それにより、可能な塩コフォーマー(coformer)の範囲を限定した。加えて、(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オンの遊離塩基に由来する塩は、2未満のpH
maxを有するであろうし、水において不均化を起こすものであると予想するであろう。したがって、結晶性塩を調製しうること、又はいかなる塩もin vivo(水性環境)での曝露が許容されるであろうことは明らかではなかった。塩化水素、硫酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、イセチオン酸、及びエタンジスルホン酸を使用して結晶性塩を調製するという最初の試みによって、いかなる結晶性塩も得られなかった。結局、結晶性塩を、1,5−ナフタレンジスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、及びベンゼンスルホン酸から得た。
【0176】
以下は、本明細書に記述する塩についての、XRPDの主要ピークの情報を示す表である。XRPD分析を行った条件に応じて、ピークは上下にシフトしうることは、当業者に周知である。一般に、ピークは、+/−0.2シフトしうる。別の局面において、ピークは、+/−0.1シフトしうる。
ベシル酸塩
【0177】
薬学的製品が、典型的には錠剤又はカプセルにおいて、ある物質の特定の結晶形態を含むかどうかは、例えば、X線回折、ラマン分光法、及び/又は固体NMR法を使用して決定することができる。例えば、(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オンベンゼンスルホン酸塩の結晶性A型の固体
13C及び
19F NMRスペクトルを、それぞれ、
図19及び20に記述する。NMRスペクトルを得るための手順を以下で述べる。
【0178】
(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オンベンゼンスルホン酸塩の結晶性A型を、固体
13C及び
19F NMR分光法を使用して分析した。
1Hについて500.13MHz、
13Cについて125.77MHz、及び
19Fについて470.55MHzで作動するBruker Avance III NMR分光計を使用して、スペクトルを取得した。
13Cの実験は、4mmのマジック角回転(MAS)モジュールを備えた、
1H及び
13Cに合ったBruker HX二重共鳴プローブを利用した。
19Fの実験はまた、4mmのMASモジュールを備えた、
1H、
19F及び
13Cに合ったBruker HFC三重共鳴プローブを用いた。試料を、4mmのZrO
2ローターに詰めて、Kel−Fドライブチップで密封した。すべてのデータを293Kで収集した。データを、Bruker TopSpin(商標)3.2ソフトウェアを使用して、収集、処理、及び分析した。
【0179】
13C取得のためのパルスシーケンスは、傾斜交差分極(CP)
1−3、5πの全サイドバンド抑制(TOSS)
4、並びに、SPINAL64
5スキーム及び90kHzの強度による高出力
1Hデカップリングを用いた。マジック角回転(MAS)を、8000±3Hzで実施した。
1Hの90°パルス幅は、2.79μsであり、TOSSシーケンスは、6.50μsという、
13Cの180°パルスを用いた。CP接触時間は、3msであり、待ち時間(recycle delay)は、18秒であり、全部で3888回の走査を平均したものを、スペクトルとした。化学シフトを、テトラメチルシランに対して、3−メチルグルタル酸のメチルピークを18.84ppmに定めることによって外部的に参照した
6。
【0180】
19F獲得のためのパルスシーケンスは、傾斜CP
1−3、並びに、SPINAL64
5スキーム及び71kHzの強度による高出力
1Hデカップリングを用いた。マジック角回転(MAS)を、14000±5Hzで実施した。
1Hの90°パルス幅は、3.54μsであり、CP接触時間は、3msであり、待ち時間は、18秒であり、全部で16回の走査を平均したものを、スペクトルとした。化学シフトを、CFCl
3に対して、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のフッ素ピークを−122.38ppmに定める(CFCl
3をPTFE試料にスパイクすることにより決定した)ことによって、外部的に参照した。
【0181】
NMRの参考文献
1. Pines, A.; Gibby, M. G.; Waugh, J. S., Proton-enhanced nuclear induction spectroscopy. Method for high-resolution NMR of dilute spins in solids. J. Chem. Phys. 1972, 56 (4), 1776-7.
2. Stejskal, E. O.; Schaefer, J.; Waugh, J. S., Magic-angle spinning and polarization transfer in proton-enhanced NMR. J. Magn. Reson. (1969-1992) 1977, 28 (1), 105-12.
3. Metz, G.; Wu, X.; Smith, S. O., Ramped-amplitude cross polarization in magic-angle-spinning NMR. J. Magn. Reson. Ser. A 1994, 110 (2), 219-27.
4. Song, Z.; Antzutkin, O. N.; Feng, X.; Levitt, M. H., Sideband suppression in magic-angle-spinning NMR by a sequence of 5 pi pulses. Solid State Nucl. Magn. Reson. 1993, 2 (3), 143-6.
5. Fung, B. M.; Khitrin, A. K.; Ermolaev, K., An improved broadband decoupling sequence for liquid crystals and solids. J. Magn. Reson. 2000, 142 (1), 97-101.
6. Barich, D. H.; Gorman, E. M.; Zell, M. T.; Munson, E. J., 3-Methylglutaric acid as a
13C solid-state NMR standard. Solid State Nucl. Magn. Reson. 2006, 30 (3-4), 125-129.
【0182】
(S)−1−(1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4−(2−((1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピリジン−2(1H)−オンベンゼンスルホン酸塩の結晶性A型の
13C固体NMRスペクトルは、テトラメチルシランに対する157.7±0.2ppm、129.6±0.2ppm、125.8±0.2ppm及び117.0±0.2ppmの化学シフトでの強いピーク(293Kで)を特徴とする。
19Fスペクトルは、CFCl
3に対する−111.1±0.4ppm及び−115.4±0/4ppmの化学シフトでの2つの等方性ピーク(293Kで)を特徴とする。
【0183】
VIIIの結晶性ベシル酸塩は、薬学的剤形の開発に許容される融点を有する、結晶性の高い物質である。ベシル酸塩形態は、そのシンプルな固体状態の特徴(1つの結晶形態しか同定されていない)に基づき、トシル酸塩形態及び1,5−ナフタレンスルホン酸塩形態よりも好ましい。加えて、トシル酸塩形態及び1,5−ナフタレンスルホン酸塩形態に比べて、ベシル酸塩のより低い吸湿性は、非常に望ましい。VIIIの遊離塩基は、1.8未満の低いpKaを有し、したがって、同定したいかなる塩も、遊離塩基と酸とに不均化するので、水の存在下で不安定であると予想した。したがって、ベシル酸塩の非吸湿性は、予想外であり、トシル酸塩形態及び1,5−ナフタレンスルホン酸塩形態に比べて高い安定性をもたらした。
【0184】
別の局面においては、本発明は、本発明の化合物、又は塩若しくはその塩の結晶形態と、担体、アジュバント又はビヒクルなどの薬学的に許容される賦形剤とを含む薬学的組成物を提供する。ある種の実施態様においては、該組成物は、それを必要とする患者への投与のために製剤化される。
【0185】
本明細書で使用する用語「患者」又は「個体」は、ヒトなどの哺乳動物などの動物を指す。一実施態様においては、患者又は個体とは、ヒトを指す。
【0186】
用語「薬学的に許容される」は、言及した化合物又は組成物が、製剤を含む他の成分(例えば、賦形剤)、及び/又は治療を受ける患者、特にヒトに化学的及び/又は毒物学的に適合することを意味する。
【0187】
用語「薬学的に許容される担体、アジュバント又はビヒクル」は、共に製剤化される化合物の薬理活性を破壊しない、無毒性の担体、アジュバント又はビヒクルを指す。本発明の組成物において使用できる薬学的に許容される担体、アジュバント又はビヒクルとしては、それらに限定されないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩などの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩又は硫酸プロタミンなどの電解質、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコール及び羊毛脂が挙げられる。
【0188】
本発明の化合物を含む組成物は、経口、非経口、吸入スプレーにより、局所、経皮、直腸、鼻腔、頬側、舌下、膣内、腹腔内、肺内、皮内、硬膜外、又は埋め込み型リザーバーにより投与することができる。本明細書で使用する用語「非経口」は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、髄腔内、肝臓内、病巣内、及び頭蓋内注入又は点滴技術を含む。
【0189】
一実施態様においては、本発明の化合物を含む組成物は、経口投与のための固体剤形として製剤化される。経口投与のための固体剤形としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉末剤、及び顆粒剤が挙げられる。ある種の実施態様においては、式(I)の化合物又はその塩を含む固体経口剤形は、(i)不活性な、薬学的に許容される賦形剤又は担体、例えば、クエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウム、(ii)充填剤又は増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、又はケイ酸、(iii)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルジネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、又はアカシア、(iv)保湿剤、例えば、グリセロール、(v)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ若しくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、又は炭酸ナトリウム、(vi)溶解遅延剤(solution retarding agents)、例えば、パラフィン、(vii)吸収促進剤、例えば、第四級アンモニウム塩、(viii)湿潤剤、例えば、セチルアルコール又はモノステアリン酸グリセロール、(ix)吸収剤、例えば、カオリン又はベントナイトクレイ、及び(x)潤滑剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール又はラウリル硫酸ナトリウムの1つ又は複数をさらに含む。ある種の実施態様においては、固体経口剤形は、カプセル剤、錠剤、又は丸剤として製剤化される。ある種の実施態様においては、固体経口剤形は、緩衝剤をさらに含む。ある種の実施態様においては、固体経口剤形のためのそのような組成物は、ラクトース若しくは乳糖、ポリエチレングリコールなどの1種又は複数の賦形剤を含む、軟質及び硬質の充填ゼラチンカプセルにおける充填剤として製剤化されてもよい。
【0190】
ある種の実施態様においては、式Iの化合物又はその塩を含む組成物の錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、及び顆粒剤は、コーティング又はシェル、例えば、腸溶性コーティングを任意選択に含む。それらは、任意選択に乳白剤を含んでいてもよいし、それらが、腸管のある特定の部分においてだけ又は優先的に、任意選択に徐放するように、活性成分(一つ又は複数)を放出する組成物のものでもありうる。埋封組成物の例は、ポリマー物質及びワックスを含み、それらは、ラクトース又は乳糖並びに高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を使用する、軟質及び硬質の充填ゼラチンカプセルにおける充填剤として用いられてもよい。
【0191】
別の実施態様においては、組成物は、本発明のマイクロカプセル化された化合物を含み、任意選択に、1種又は複数の賦形剤をさらに含む。
【0192】
別の実施態様において、組成物は、経口投与のために、式Iの化合物又はその塩を含む液体製剤を含み、薬学的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ剤、及びエリクシル剤の1つ又は複数を任意選択にさらに含む。ある種の実施態様においては、液体剤形は、不活性な希釈剤、例えば、水又は他の溶媒、可溶化剤、及び乳化剤のうちの1つ又は複数、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、又はソルビタンの脂肪酸エステル、並びにそれらの混合物をさらに含む。ある種の実施態様においては、液体経口組成物は、1種又は複数のアジュバント、例えば、湿潤剤、懸濁化剤、甘味剤、香味剤、及び芳香剤を任意選択にさらに含む。
【0193】
注射用調製物、例えば、滅菌された注射用水性又は油性懸濁液は、適切な分散剤又は湿潤剤、及び懸濁化剤を使用して、公知の技術に従って製剤化することができる。滅菌された注射用調製物は、無毒の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の滅菌された注射用溶液、懸濁液又はエマルジョン、例えば、1,3−ブタンジオールの溶液としてであってもよい。用いられうる、許容されるビヒクル及び溶媒としては、水、リンゲル液、U.S.P.及び等張食塩液がある。加えて、滅菌された不揮発性油は、溶媒又は懸濁媒体として従来から用いられている。この目的のために、合成モノ又はジグリセリドを含めた任意の無刺激の不揮発性油を用いることができる。加えて、脂肪酸、例えば、オレイン酸が、注射剤の調製において使用される。
【0194】
注射用製剤は、例えば、バクテリア保持フィルターによる濾過によって、又は、使用前に、滅菌水又は他の滅菌された注射用媒体に溶解又は分散させることができる、滅菌された固体組成物の形態に滅菌剤を組み込むことによって滅菌することができる。
【0195】
本発明の化合物の効果を長くするために、皮下又は筋肉内注射からの化合物の吸収を遅くすることがしばしば望まれる。これは、難水溶性を有する結晶性物質又は非晶質物質の液体懸濁液の使用によって実現されうる。その時、化合物の吸収速度は、その化合物の溶解速度に依存し、溶解速度は、結晶サイズ及び結晶形態に依存しうる。あるいは、非経口投与した化合物形態の吸収の遅延は、油のビヒクルに化合物を溶解又は懸濁させることによって実現される。注射用デポー形態は、ポリラクチド−ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中に化合物のマイクロカプセル化マトリックスを形成することによって作製される。化合物とポリマーの比率、及び用いる特定のポリマーの性質に応じて、化合物の放出速度を調節することができる。他の生物分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)が挙げられる。注射用デポー製剤はまた、化合物を、体の組織に適合したリポソーム又はマイクロエマルジョンに閉じ込めることによって調製される。
【0196】
ある種の実施態様においては、直腸又は膣内投与のための組成物は、本発明の化合物と、ココアバター、ポリエチレングリコール、又は坐剤ワックスなどの適切な無刺激の賦形剤又は担体、例えば、常温では固体であるが、体温で液体になり、したがって、直腸腔又は膣腔において溶け、本発明の化合物を放出するものとを混合することにより調製できる坐剤として製剤化される。
【0197】
本発明の化合物の局部又は経皮投与のための例示的剤形としては、軟膏、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、粉末剤、溶液、スプレー剤、吸入剤、又はパッチ剤が挙げられる。本発明の化合物は、滅菌条件下で、薬学的に許容される担体、及び、場合により防腐剤又は緩衝剤と混合される。追加の製剤の例としては、眼用製剤、点耳薬、点眼薬、又は経皮パッチが挙げられる。経皮剤形は、媒体、例えば、エタノール又はジメチルスルホキシドに本発明の化合物を溶解又は懸濁させることによって作製される。化合物の皮膚の通過を増大させるために、吸収促進剤を使用することもできる。その速度は、速度調節膜を与えることによって、又はポリマーマトリックス若しくはゲルに化合物を分散させることによって調節することができる。
【0198】
本発明の化合物の鼻用エアロゾル又は吸入製剤は、ベンジルアルコール又は他の適切な防腐剤、バイオアベイラビリティを高めるための吸収促進剤、フルオロカーボン、及び/又は他の従来の可溶化剤若しくは分散剤を用いて、生理食塩水の溶液として調製することができる。
【0199】
ある種の実施態様においては、薬学的組成物は、食物と共に又は食物無しで投与されてもよい。ある種の実施態様においては、薬学的に許容される組成物は、食物無しで投与される。ある種の実施態様においては、薬学的に許容される本発明の組成物は、食物と共に投与される。
【0200】
任意の患者のための具体的な投薬量及び治療レジメンは、年齢、体重、健康状態、性別、食事、投与時間、排泄速度、薬の組み合わせ、治療医師の判断、及び治療する特定の疾患の重症度を含めた、様々な因子に依存するであろう。組成物中に与えられる本発明の化合物の量も、組成物における特定の化合物に依存するであろう。
【0201】
一実施態様においては、1回あたりの非経口投与される本発明の化合物の治療的有効量は、1日あたり患者の体重の約0.01−100mg/kg、あるいは約0.1から20mg/kgの範囲であり、使用される化合物の通常の最初の範囲は、0.3から15mg/kg/日である。別の実施態様において、錠剤及びカプセル剤などの経口単位剤形は、約5mgから約100mgの本発明の化合物を含有する。
【0202】
錠剤経口剤形の一例は、約2mg、5mg、25mg、50mg、100mg、250mg、又は500mgの式(I)の化合物又はその塩を含み、さらに、約5−30mgの無水ラクトース、約5−40mgのクロスカルメロースナトリウム、約5−30mgのポリビニルピロリドン(PVP)K30、及び約1−10mgのステアリン酸マグネシウムを含む。錠剤を製剤化する方法は、粉末の成分を一緒に混合すること、さらに、PVPの溶液と混合することを含む。得られた組成物を、従来の設備を使用して、乾燥して、粒状にして、ステアリン酸マグネシウムと混合して、錠剤形態に圧縮することができる。エアロゾル製剤の一例は、約2−500mgの式Iの化合物又はその塩を適切な緩衝溶液、例えば、リン酸バッファーに溶解し、所望ならば、等張化剤(tonicifier)、例えば、塩化ナトリウムのような塩を添加することによって調製することができる。溶液を、例えば、0.2ミクロンのフィルターを使用して濾過して、不純物及び混入物質を除去することができる。
【0203】
必要に応じて、特定の形態で、あるいは、開示の機能を実施するための手段、又は、開示の結果を得るための方法若しくはプロセスに関して示した、上記の説明、及び下記の特許請求の範囲に開示する特徴を、本発明をその多様な形態で実現するために、別々に、又はそのような特徴の任意の組合せで利用することができる。
【0204】
前述の本発明を、明確化及び理解のために、図及び例を用いて詳細に説明した。変更及び修正を、添付の特許請求の範囲の範囲内で行うことができることは、当業者に明らかであろう。したがって、上述の説明は、例示的なものであって、限定的なものではないことを意図すると理解されたい。したがって、本発明の範囲を、上述の説明に準拠して決定すべきではなく、特許請求の範囲に権利が与えられるものと同等のものの全範囲と共に、以下の添付の特許請求の範囲に準拠して決定すべきである。
【0205】
本明細書で参照した特許、公開出願、及び科学文献は、当業者の知識を確立し、あたかも、それぞれが、参照により組み込まれていることを詳細かつ個々に示しているかのように、参照によりそれら全体が本明細書に同程度に組み込まれている。本明細書で引用した任意の参考文献と、本明細書の特定の教示との間のいかなる矛盾も、本教示を支持して解決すべきである。同様に、本明細書において、当該技術分野で理解されている単語又は語句の定義と、本明細書で具体的に教示した単語又は語句の定義との間の矛盾も、本教示を支持して解決すべきである。