(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6974539
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】マスク
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20211118BHJP
【FI】
A41D13/11 H
【請求項の数】9
【外国語出願】
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2020-100820(P2020-100820)
(22)【出願日】2020年6月10日
(62)【分割の表示】特願2018-138255(P2018-138255)の分割
【原出願日】2015年5月20日
(65)【公開番号】特開2020-139262(P2020-139262A)
(43)【公開日】2020年9月3日
【審査請求日】2020年6月15日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0076038
(32)【優先日】2014年6月20日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0087495
(32)【優先日】2014年7月11日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514112488
【氏名又は名称】エルジー ハウスホールド アンド ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ヒ・ウォン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョ・ソン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・ヒョン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・レ・イ
(72)【発明者】
【氏名】サン・ミン・イ
【審査官】
住永 知毅
(56)【参考文献】
【文献】
韓国公開特許第10−2010−0121724(KR,A)
【文献】
特開平10−286319(JP,A)
【文献】
特開平11−206896(JP,A)
【文献】
特表昭62−500144(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/11
A62B 18/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスク本体、
着用者の耳に掛けるように前記マスク本体の側面の左右両側に備えられる耳掛け部、および
前記耳掛け部のうち、前記着用者の耳に掛ける部位の長さを調節できる長さ調節部材を含み、
前記長さ調節部材は、
前記マスク本体の側面縁部の一端に備えられ、
円筒状の環部、および
一側末端と前記環部内側を通過する他側末端が前記マスク本体の側面縁部に固定される耳掛け部の一部であって、
前記環部と前記耳掛け部の他側末端との間に位置し、外部に露出する部分である長さ調節部を含み、
前記一側末端と前記他側末端は、マスク本体に超音波溶着によって固定されるマスク。
【請求項2】
前記長さ調節部は、
前記耳掛け部のうち、着用者の耳に掛ける部位の長さを調節するために、引っ張るものであり、
前記耳掛け部の他側末端は、上下方向に一側末端と環部との間にマスク本体に固定されることを特徴とする、請求項1に記載のマスク。
【請求項3】
前記環部の内部は、摩擦面が前記環部の長さ方向に沿って形成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のマスク。
【請求項4】
前記耳掛け部は、
両末端が互いに離間した位置でマスク本体の側面縁部に固定されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項5】
前記摩擦面は、
エンボシングからなることを特徴とする、請求項3に記載のマスク。
【請求項6】
前記エンボシングは、
ピンによって圧着して構成されることを特徴とする、請求項5に記載のマスク。
【請求項7】
前記耳掛け部は、
弾性糸からなることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項8】
前記環部は、前記マスク本体と同一の材質で形成されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項9】
前記環部は、
不織布、繊維、および熱可塑性樹脂の中から選択されるいずれか1つの材質からなることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスク本体に耳掛け部の長さを調節できる長さ調節部材を備えて密着感と着用の便宜性を大幅に向上させたマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、国内で発生する粉塵と共に中国の産業化に応じた化石燃料の燃焼増加によって国内に流入する粉塵が増えている。粉塵は多量の有毒性化合物と重金属を含んでおり、人が吸入する時に心発作、喘息、気管支炎、肺炎、肺ガンなどの疾病を招くと知られている。ある研究によれば、首都圏だけで粉塵によって年間2万余りの人の早期死亡と肺関連の疾患が発生すると報告されている。このような粉塵の人体への流入を遮断するための方法としてマスクの着用がある。
【0003】
マスクは、着用者の鼻と口の周辺部を覆う本体部と耳掛け部と鼻部分に外部空気が流入するのを防止する鼻部とからなる。粉塵を遮断するためのマスクの本体部は粉塵を遮断できる静電フィルタを含むことができる。耳掛け部は弾性糸を適用するのが一般的であり、着用者に便宜性を提供するために長さ調節部を含むことができる。鼻部は一般的に合成樹脂が被覆された鉄心やアルミニウムを用い、より密着感を向上させるために内面にスポンジ(sponge)を適用することができる。従来のマスクは、マスク着用者が呼吸時にマスク外の部分に漏れが発生しないように密着を維持するために耳掛け部の弾性糸を小さくして伸び率が増加することにより、耳に掛けた場合、本体が弾性が復元される性質によって顔面部に密着するようにするのが一般的である。
【0004】
しかし、マスク着用者の顔大きさは非常に様々であり、弾性糸が小さい場合、耳掛け紐にかかった高い張力によってマスク着用時に耳痛みや窮屈さを感じることがある。また、小さい顔を持った着用者がマスクを着用する場合には緩んで顔面部に密着しないために粉塵に露出しうる。このような問題点を解決するためにストッパー、紐締めからなる長さ調整装置を別途に備えたマスクが発売されたことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した問題を解決するために、本発明の実施形態は、マスク本体に耳掛け部の長さを調節できる長さ調節部材を備えて密着感と着用の便宜性を大幅に向上させたマスクを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を成し遂げるために、本発明の実施形態によるマスクは、マスク本体、着用者の耳に掛けるように前記マスク本体の側面の左右両側に備えられる耳掛け部、および前記耳掛け部の長さを調節できる長さ調節部材を含んでもよい。
【0007】
また、前記耳掛け部は、両末端がマスク本体の側面縁部に連結されてもよい。
【0008】
なお、前記長さ調節部材は、前記マスク本体の側面縁部の一端に備えられる環部、および前記耳掛け部の一側末端が環部内側を通過してマスク本体の側面縁部に連結される時に環部を通過して出る耳掛け部の部位からなる長さ調節部を含んでもよい。
【0009】
さらに、前記環部は、不織布、繊維、および熱可塑性樹脂の中から選択されるいずれか1つの材質からなってもよい。
【0010】
また、前記環部の内部は摩擦面からなってもよい。
【0011】
なお、前記摩擦面はエンボシングからなってもよい。
【0012】
さらに、前記エンボシングはピンによって圧着して構成されてもよい。
【0013】
また、前記耳掛け部は弾性糸からなってもよい。
【0014】
なお、前記耳掛け部は1つに連結された環状のものであり、一端がマスク本体の側面縁部に連結されてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施形態によるマスクによれば、マスク本体に耳掛け部の長さを調節できる長さ調節部材を備えて密着感と着用の便宜性を大幅に向上させることができる。
【0016】
また、片手だけで耳掛け部の長さ調節が可能である。
【0017】
なお、別の耳掛け部の長さ調節のための別途手段を備えなくてもよいため、別途手段の製作に応じたマスク製作単価の上昇問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の好ましい第1実施形態による構成図である。
【
図2】本発明の好ましい第2実施形態による構成図である。
【
図3】本発明の好ましい第3実施形態による構成図である。
【
図4】本発明の好ましい第4実施形態による構成図である。
【
図5】本発明の好ましい第5実施形態による構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。先ず、各図面の構成要素に参照符号を付する際、同一の構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されるとしても同一の符号を付することに留意しなければならない。また、以下では本発明の好ましい実施形態を説明するが、本発明の技術的思想はそれに限定または制限されす、当業者によって変形されて多様に実施できることは勿論である。
【0020】
先ず、本発明の実施形態によるマスクの構成を説明する。
【0021】
本発明の実施形態によるマスクは、マスク本体10の左、右側の耳掛け部30の長さを調節できる長さ調節部材20を有することによって、マスク着用後に簡単に耳掛け部30の長さ調節が可能である。また、本発明の実施形態によるマスクは、従来マスクの耳掛け部30の長さ調節のための別途の手段を製作しないため、生産が非常に容易である。また、本発明の実施形態によるマスクは耳掛け部30の長さ調節を片手で容易に操作することができる。また、本発明の実施形態によるマスクは、マスク着用中に耳掛け部30の長さ調節力と環部22との摩擦力によって環状の耳掛け部30が切れることはない。
【0022】
図1は本発明の好ましい第1実施形態による構成図である。
図1を参照すれば、本発明の第1実施形態によるマスクは、着用者の顔に密着するマスク本体10、マスク本体10の両側面に対称に備えられる耳掛け部30、および耳掛け部30の長さを調節する長さ調節部材20を含む。
【0023】
具体的に、マスク本体10は着用者の顔に密着できるように着用者の顔に符合する。マスク本体10は不織布から製造されることができる。マスク本体10は着用者の呼吸器である鼻と口を覆うことができる。マスク本体10は着用者の鼻部位に密着する鼻部11が備えられる。
【0024】
マスク本体10は外皮不織布、内皮不織布、およびフィルタ部を含む。外皮不織布および内皮不織布はポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンなどの熱可塑性樹脂などの材質であってもよい。フィルタ部は静電機能が与えられたメルトブローフィルタやナノ繊維が適用されたナノフィルタなどからなって粉塵を遮断することができる。
【0025】
鼻部11は、アルミニウム、鉄心、合成樹脂で被覆された鉄心、スポンジのうち少なくとも1つ以上であってもよい。
【0026】
マスク本体10の左右の両側面には着用者の両耳に掛けられる耳掛け部30が備えられる。耳掛け部30はポリウレタン、ナイロン、ゴムなどからなり、弾性を有する弾性糸(thread)であってもよい。勿論、耳掛け部30は着用者の両耳に掛けるようにマスク本体10の左右に対称に構成される。耳掛け部30は着用者の耳に掛けることのできる環状に構成される。
【0027】
長さ調節部材20は環部22と長さ調節部21とから構成される。具体的に、環部22はマスク本体10の側面縁部の一端に様々な形態で備えられることができる。環部22は耳掛け部30の一側末端が通過できるように中が空いた円筒であってもよい。
【0028】
長さ調節部21は、耳掛け部30の一側末端がマスク本体10の側面縁部に固定された状態で、耳掛け部30の他側末端を環部22の下部の内部に嵌め込んで環部22の上部を通して外部に取り出した後、マスク本体10の側面縁部に連結した時に環部22を通過して環部22内部から引き出される耳掛け部30の部位である。
【0029】
したがって、耳掛け部30を着用者の耳に掛けた状態で長さ調節部21を引っ張れば、環部22を通過して引き出される長さ調節部21の長さだけ耳掛け部30の長さが減り、長さ調節部21の長さが着用者の耳に合うように調節される。
【0030】
図2は本発明の好ましい第2実施形態による構成図である。
図2を参照すれば、耳掛け部30の両末端は付着部材31によってマスク本体10の側面縁部に付着できる。例えば、付着部材31は超音波溶着によって耳掛け部30の両末端をマスク本体10に付着することができる。このように、付着部材31は耳掛け部30の両末端をマスク本体10に堅固に固定する役割をする。勿論、付着部材31なしに耳掛け部30の両末端をマスク本体10に直ちに付着することもできる。また、様々な形態によってマスク本体10に付着されることができる。環部22はマスク本体10の側面縁部に直ちに付着されるか、固定部材23によって付着されることができる。また、環部22はマスク本体10と一体型であってもよい。
【0031】
このように、本発明の第2実施形態は、付着部材31を介して耳掛け部30をマスク本体10に固定することで、着用者が長さ調節部21を引っ張ることによって着用者の顔に合うように長さを調節しても力が分散して、従来のマスクのように着用中に耳掛け部30が切れて着用者の顔が粉塵に露出されるなどの問題が発生しない。
【0032】
図3は本発明の好ましい第3実施形態による構成図である。
図3を参照すれば、環部22は、マスク本体10の側面末端から延びたマスク本体10の材質と同一の不織布であってもよい。環部22がマスク本体10と同一の不織布の材質である場合、マスクを拒否感なしで着用することができる。そして、環部22が不織布である場合、長さ調節部21を引っ張って耳掛け部30の長さを着用者の耳に合うように調節した後にも、不織布自らの摩擦によって長さ調節部21が滑らず、耳掛け部30の長さが調節されたその状態をその通りに維持することができる。
【0033】
このように、本発明の第3実施形態は、マスク本体10から延びた不織布からなる環部22を有するため、別途の耳掛け部30の長さ調節装置の提供がなくても簡単に耳掛け部30の長さ調節が可能である。
【0034】
図4は本発明の好ましい第4実施形態による構成図である。
図4を参照すれば、耳掛け部30の一側末端が通過する環部22の内部は摩擦面221で構成されることができる。例えば、摩擦面221はエンボシングであってもよい。エンボシングは様々な形態のピンによって圧着して構成されることができる。このようなエンボシング摩擦面221は耳掛け部30との摩擦力を増加させ、長さ調節部21の弾性糸が着用後に長さ調節で滑らないようにすることができる。マスク本体10に用いられる不織布の内皮と外皮は熱可塑性繊維からなる素材であってもよい。
【0035】
図5は本発明の好ましい第5実施形態による構成図である。
図4のように耳掛け部30は1つに連結された環状のものであり、一端がマスク本体10の側面縁部に連結される構造であってもよい。耳掛け部30の一端は付着部材によってマスク本体10に連結されるかまたは直ちに連結されることができる。
【0036】
次は本発明の実施形態によるマスクの作用を説明する。
【0037】
着用者の片耳に一側の耳掛け部30を掛け、着用者の反対側の耳に他側の耳掛け部30を掛けてマスクを着用する。その次、片手で左右対称に構成された長さ調節部21を引っ張って耳掛け部30の長さを着用者の耳に合うように調節する。
【0038】
この時、引っ張られた長さ調節部21は環部22内部の摩擦力によって引っ張られた緊張状態をその通りに維持するため、耳掛け部30が緩む心配は全くない。また、長さ調節部21を引っ張れば、耳掛け部30の長さ調節時に耳掛け部30に直ちに力が加えられず、耳掛け部30が環部22を通過しつつ耳掛け部30に加えられる力が分散するため、耳掛け部30が切れるという問題を防止することができる。
【0039】
前述したように本発明の実施形態によるマスクは、片手だけで耳掛け部の長さ調節が可能であるため、従来のように耳掛け部にストッパーや紐締めなどの別途の装置が備えられたマスクを着用した後には耳掛け部の長さ調節時に片手だけで耳掛け部の長さ調節が不可能で両手を使って長さを調節しなければならないという煩わしさを解消することができる。
【0040】
また、本発明の実施形態によるマスクは、別途の耳掛け部調節装置を製作するためにマスク製造時にストッパー、紐締めなどの副資材を別途に製作しなくてもよいという長所がある。
【0041】
なお、従来のマスクは、耳掛け部の長さを調節できる別途の装置を製作しなければならないため、使い捨て不織布の製造時に製作単価の上昇問題で実質的に適用し難いという問題点があったが、本発明の実施形態によるマスクは、別途の装置を製作しないため、このような問題を解決することができる。
【0042】
さらに、従来のマスクは、マスク製造前に作られた環をマスク本体の両側面に形成された長さ調節部に掛ける場合、環内の耳掛け紐の接着面積が小さく、長さ調節時に弾性糸にかかる力の分散が小さいため、長さ調節時に引っ張る力とマスク側面に形成された環との摩擦力によって耳掛け紐が切れる場合が頻繁に生じたが、本発明の実施形態によるマスクは、このような問題を解消することができる。
【0043】
したがって、本発明の実施形態によるマスクは、別途の長さ調節装置なしでマスク本体の両側に備えられた長さ調節部を引っ張るだけで耳掛け部の長さ調節が可能であり、片手だけで容易に長さ調節部を引っ張って耳掛け部の長さを調節できる、密着力に優れ且つ着用が便利なマスクを提供することができる。
【0044】
以上の説明は本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で様々な修正、変更および置き換えが可能である。よって、本発明に開示された実施形態および添付された図面は本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、このような実施形態および添付された図面によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は以下の請求範囲によって解釈しなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれると解釈しなければならない。
【符号の説明】
【0045】
10 ・・・マスク本体
11 ・・・鼻部
20 ・・・長さ調節部材
21 ・・・長さ調節部
22 ・・・環部
23 ・・・固定部材
30 ・・・耳掛け部
31 ・・・付着部材
221 ・・・摩擦面