(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシステムにおいては、ユーザに提示する情報を選択するときに、そのユーザの健康診断データがまったく考慮されていない。ところで、ユーザの健康診断データに基づいてユーザに提示するアドバイスを選択しようとすると、健康診断データはデータ項目が非常に多いため、ユーザに提示するアドバイスの内容が互いに矛盾することもあり得る。
【0005】
例えば、健康診断データのデータ項目「BMI」に基づいて「タンパク質をとりましょう」というアドバイスが選択される一方、健康診断データのデータ項目「クレアチン」に基づいて「タンパク質のとりすぎはやめましょう」というアドバイスが選択される場合があり得る。そのような場合、ユーザは、どちらのアドバイスに従えばいいのか判断することができず、アドバイスを信頼しなくなる(アドバイスの信頼性が低下する)という問題がある。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、ユーザにとって信頼性の高いアドバイスを提示することのできるアドバイス決定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のアドバイス決定システムは、ユーザの健康診断データを取得する健康診断データ取得部と、前記ユーザのライフログデータを取得するライフログデータ取得部と、前記ユーザに提示する複数のアドバイス候補の各々について、前記健康診断データのデータ項目ごとに当該ユーザに対して提示する優先度のスコアを求め、一のアドバイス候補について、すべてのデータ項目の優先度のスコアを合計した合計スコアを計算し、前記合計スコアに基づいて、当該アドバイス候補の優先順位を決定する優先順位決定部と、前記複数のアドバイス候補の各々について、前記ライフログデータに基づいて、前記ユーザに提示すべきか否かを判定する提示可否判定部と、前記複数のアドバイス候補のうち、前記優先順位決定部で決定された優先順位が高くかつ前記提示可否判定部でユーザに提示すべきと判定されたアドバイス候補を、前記ユーザに提示するアドバイスとして決定するアドバイス決定部と、を備えている。
【0008】
この構成によれば、複数のアドバイス候補(例えば、「糖質を控えましょう」「食塩を減らしましょう」など)の各々について、健康診断データのデータ項目(例えば、BMI、腹囲、血糖値、など)ごとにユーザに提示する優先度のスコアが求められる。そして、一のアドバイス候補について、すべてのデータ項目の優先度のスコアを合計した合計スコアが計算され、合計スコアに基づいて、そのアドバイス候補の優先順位(例えば、優先度1は「糖質の摂りすぎには気を付けましょう」、優先度2は「野菜を食べましょう」、優先度3は「食塩を減らしましょう」と「たんぱく質をとりましょう」)が決定される。また、複数のアドバイス候補の各々について、ユーザのライフログデータ(例えば、「ご飯や糖質が多い」「野菜はしっかり摂れている」など)に基づいて、ユーザに提示すべきか否か(例えば、優先度1の「糖質の摂りすぎには気を付けましょう」はユーザーに提示する必要がある、優先度2の「野菜を食べましょう」はユーザーに提示する必要がない、など)が判定される。そして、複数のアドバイス候補のうち、優先順位が高くかつユーザに提示すべきと判定されたアドバイス候補が、ユーザに提示するアドバイスとして決定される。これにより、ユーザの健康診断データとライフログデータを考慮して、そのユーザにとって必要なアドバイスが提示される。このようにして、ユーザにとって信頼性の高いアドバイスが提示される。
【0009】
本発明のアドバイス決定システムでは、前記ユーザの生活行動に関するアンケート回答データを取得するアンケート回答データ取得部を備え、前記優先順位決定部は、前記複数のアドバイス候補の各々について、前記アンケート回答データのデータ項目ごとに前記優先度のスコアを求め、一のアドバイス候補について、すべてのデータ項目の優先度のスコアを合計した合計スコアを計算し、前記合計スコアに基づいて、当該アドバイス候補の優先順位を決定してもよい。
【0010】
この構成によれば、複数のアドバイス候補(例えば、「適切なカロリーを守りましょう」「(運動強度の高い)スポーツをしましょう」など)の各々について、ユーザのアンケート回答データ(例えば、「運動をすると膝や腰がかなり痛む」など)に基づいて、ユーザに提示すべきか否か(例えば、「適切なカロリーを守りましょう」はユーザーに提示する必要がある、「(運動強度の高い)スポーツをしましょう」はユーザーに提示する必要がない、など)が判定される。これにより、ユーザのアンケート回答データを考慮して、そのユーザにとって必要なアドバイスが提示される。
【0011】
本発明のアドバイス決定システムでは、前記ユーザの勤怠データを取得する勤怠データ取得部を備え、前記優先順位決定部は、前記複数のアドバイス候補の各々について、前記勤怠データのデータ項目ごとに前記優先度のスコアを求め、一のアドバイス候補について、すべてのデータ項目の優先度のスコアを合計した合計スコアを計算し、前記合計スコアに基づいて、当該アドバイス候補の優先順位を決定してもよい。
【0012】
この構成によれば、複数のアドバイス候補(例えば、「早く就寝しましょう」「歩数を増やしましょう」など)の各々について、ユーザの勤怠データ(例えば、「残業時間」「有給残日数」「就業開始時刻」「就業終了時刻」「深夜残業時間」など)に基づいて、ユーザに提示すべきか否か(例えば、「早く就寝しましょう」はユーザーに提示する必要がある、「歩数を増やしましょう」はユーザーに提示する必要がない、など)が判定される。これにより、ユーザの勤怠データを考慮して、そのユーザにとって必要なアドバイスが提示される。
【0013】
本発明のアドバイス決定システムでは、前記ユーザのメンタルデータを取得するメンタルデータ取得部を備え、前記優先順位決定部は、前記複数のアドバイス候補の各々について、前記メンタルデータのデータ項目ごとに前記優先度のスコアを求め、一のアドバイス候補について、すべてのデータ項目の優先度のスコアを合計した合計スコアを計算し、前記合計スコアに基づいて、当該アドバイス候補の優先順位を決定してもよい。
【0014】
この構成によれば、複数のアドバイス候補(例えば、「休息をとりましょう」「カロリー制限をしましょう」など)の各々について、ユーザのメンタルデータ(例えば、「ストレス判定(高/中/低)」「気持ちが沈みやすいか(はい/いいえ)」「仕事量が多いと感じているか(そう思う/少しそう思う/そうは思わない)」「職場環境に良い雰囲気を感じているか(はい/いいえ)」など)に基づいて、ユーザに提示すべきか否か(例えば、「休息をとりましょう」はユーザーに提示する必要がある、「カロリー制限をしましょう」はユーザーに提示する必要がない、など)が判定される。これにより、ユーザのメンタルデータを考慮して、そのユーザにとって必要なアドバイスが提示される。
【0015】
また、本発明のアドバイス決定システムでは、前記アドバイス候補が、前記ユーザの生活行動において回避すべき注意行動に関するものである場合、前記提示可否判定部は、前記ライフログデータに基づいて、前記ユーザの生活行動において当該アドバイス候補で提示される注意行動が回避されていないと判断される場合に、当該アドバイス候補を前記ユーザに提示すべきと判定してもよい。
【0016】
この構成によれば、アドバイス候補がユーザの生活行動において回避すべき注意行動に関するもの(例えば、「糖質の摂り過ぎには注意しましょう」など)である場合、ユーザのライフログデータから、その注意行動が回避されていないと判断されると、そのアドバイス候補が、ユーザに提示するアドバイスとして決定される。これにより、そのユーザにとって注意が必要なアドバイスが提示される。
【0017】
また、本発明のアドバイス決定システムでは、前記アドバイス候補が、前記ユーザの生活行動において実行すべき推奨行動に関するものである場合、前記提示可否判定部は、前記ライフログデータに基づいて、前記ユーザの生活行動において当該アドバイス候補で提示される推奨行動が実行されていると判断される場合に、当該アドバイス候補を前記ユーザに提示すべきと判定してもよい。
【0018】
この構成によれば、アドバイス候補がユーザの生活行動において実行すべき推奨行動に関するもの(例えば、「野菜をしっかり食べるのは良いことですね。ぜひ続けましょう」など)である場合、ユーザのライフログデータから、その推奨行動が実行されていると判断されると、そのアドバイス候補が、ユーザに提示するアドバイスとして決定される。これにより、そのユーザにとって有益なアドバイスが提示される。
【0019】
また、本発明のアドバイス決定システムでは、前記優先順位決定部は、前記一のアドバイス候補が、前記健康診断データに基づいて前記ユーザに対して提示すべきでないと判断される場合には、当該アドバイス候補の優先順位を最下位にする、あるいは、当該アドバイス候補の優先順位をつけない禁忌処理を行ってもよい。
【0020】
この構成によれば、あるアドバイス候補が、健康診断データに基づいてそのユーザに対して提示すべきでないと判断される場合、そのアドバイス候補については禁忌処理(優先順位を最下位にする、あるいは、優先順位をつけない処理)が行われ、そのアドバイス候補はユーザに提示されない。これにより、ユーザにとって提示すべきでないアドバイス(例えば、腎臓疾患のあるユーザに対して「野菜をたべましょう」など)が提示されるのを避けることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ユーザにとって信頼性の高いアドバイスを提示することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態のアドバイス決定システムについて、図面を用いて説明する。本実施の形態では、健康アドバイスシステム等に用いられるアドバイス決定システムの場合を例示する。
【0024】
本発明の実施の形態のアドバイス決定システムの構成を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態のアドバイス決定システムの構成を示すブロックである。
図1に示すように、アドバイス決定システム1は、ネットワーク2を介して、ユーザ端末3、健康診断データサーバ4、勤怠データサーバ5、メンタルデータサーバ6と接続されている。
【0025】
ユーザ端末3は、ユーザが操作する端末装置であり、例えばスマートフォンなどで構成されている。ユーザ端末3は、ユーザのライフログデータを記録する機能を備えている。また、ユーザ端末3は、ユーザの生活行動に関するアンケート回答データを記録する機能を備えている。
【0026】
健康診断サーバは、健康診断事業者などによって運営されるサーバ装置であり、ユーザの健康診断データが記録されている。勤怠サーバは、勤怠管理事業者などによって運営されるサーバ装置であり、ユーザの勤怠データが記録されている。メンタルデータサーバ6は、メンタルヘルスケア事業者などによって運営されるサーバ装置であり、ユーザのメンタルデータが記録されている。
【0027】
図1に示すように、アドバイス決定システム1は、健康診断データ取得部10、ライフログデータ取得部11、アンケート回答取得部12、勤怠データ取得部13、メンタルデータ取得部14、優先順位決定部15、提示可否判定部16、アドバイス決定部17、アドバイス送信部18、記憶部19を備えている。
【0028】
健康診断データ取得部10は、健康診断データサーバ4からユーザの健康診断データを取得する機能を備えている。健康診断データには、例えば「BMI」「腹囲」「血糖値」などが含まれる(
図2参照)。なお、ユーザ端末3が健康診断データを記録する機能を備えている場合には、健康診断データ取得部10は、ユーザ端末3からユーザの健康診断データを取得してもよい。
【0029】
ライフログデータ取得部11は、ユーザ端末3からユーザのライフログデータを取得する機能を備えている。ライフログデータには、例えば「食事」「歩数」「睡眠」「運動」「カラダ」などのログデータが含まれる(
図3参照)。
【0030】
アンケート回答データ取得部は、ユーザ端末3からユーザの生活行動に関するアンケート回答データを取得する機能を備えている。アンケート回答データには、例えば「運動すると膝や腰がかなり痛む」などが含まれる。
【0031】
勤怠データ取得部13は、勤怠データサーバ5からユーザの勤怠データを取得する機能を備えている。勤怠データには、例えば「残業時間」などが含まれる。なお、ユーザ端末3が勤怠データを記録する機能を備えている場合には、勤怠データ取得部13は、ユーザ端末3からユーザの勤怠データを取得してもよい。
【0032】
メンタルデータ取得部14は、メンタルデータサーバ6からユーザのメンタルデータを取得する機能を備えている。メンタルデータには、例えば「ストレス判定(高/中/低)」などが含まれる。なお、ユーザ端末3がメンタルデータを記録する機能を備えている場合には、メンタルデータ取得部14は、ユーザ端末3からユーザのメンタルデータを取得してもよい。
【0033】
記憶部19には、ユーザに提示する複数のアドバイス候補が記録されている。アドバイス候補は、ユーザに対して様々なタスクを提案するものであり、例えば「糖質を控えましょう」「食塩を減らしましょう」「適切なカロリーを守りましょう」「(運動強度の高い)スポーツをしましょう」「早く就寝しましょう」「歩数を増やしましょう」「休息をとりましょう」「カロリー制限をしましょう」「野菜を食べましょう」「たんぱく質をとりましょう」などが含まれる。
【0034】
この場合、アドバイス候補には、例えば「糖質の摂り過ぎには注意しましょう」など、ユーザの生活行動において回避すべき注意行動に関するものが含まれる。さらに、アドバイス候補には、例えば「野菜をしっかり食べることは良いことですね。ぜひ続けましょう」など、ユーザの生活行動において実行すべき推奨行動に関するものが含まれる。
【0035】
また、記憶部19には、ユーザー端末3から取得したライフログデータ、アンケート回答データ等も記録されている。
【0036】
優先順位決定部15は、記憶部19に記録されている複数のアドバイス候補の各々について、健康診断データのデータ項目ごとにそのユーザに対して提示する優先度のスコアを求める。例えば、
図2の例では、「タスクA」というアドバイス候補について、健康診断データの「BMI」の優先度スコアが「0」、「腹囲」の優先度スコアが「+10」、「血糖値」の優先度スコアが「0」と求められている。
【0037】
ここで、健康診断データの優先度のスコアは、所定の基準に基づいて求めることができる。例えば、「BMI」の優先度のスコアは、「BMI」の値が23未満であれば優先度のスコアは「0」であり、「BMI」の値が23以上25未満であれば優先度のスコアは「+5」であり、「BMI」の値が25以上であれば優先度のスコアは「+10」である、などの基準に基づいて求めることができる。「腹囲」「血糖値」についても同様に、所定の基準に基づいて求めることができる。
【0038】
また、優先順位決定部15は、記憶部19に記録されている複数のアドバイス候補の各々について、アンケート回答データのデータ項目ごとに優先度のスコアを求める。例えば、
図2の例では、「タスクA」というアドバイス候補について、アンケート回答データの「アンケートA」の優先度スコアが「+3」、「アンケ―ドB」の優先度スコアが「0」と求められている。
【0039】
ここで、アンケート回答データの優先度のスコアは、所定の基準に基づいて求めることができる。例えば、アンケート回答データの優先度スコアは、アンケートの内容とタスクの内容との間に関連がある場合には「+3」であり、関連がない場合には「0」である、などの基準に基づいて求めることができる。
【0040】
さらに、優先順位決定部15は、記憶部19に記録されている複数のアドバイス候補の各々について、勤怠データのデータ項目ごとに優先度のスコアを求める。例えば、
図2の例では、「タスクC」というアドバイス候補について、勤怠データの「残業時間」の優先度スコアが「+3」と求められている。
【0041】
ここで、勤怠データの優先度のスコアは、所定の基準に基づいて求めることができる。例えば、「残業時間」の優先度のスコアは、「残業時間」の値が週5時間未満であれば優先度のスコアは「0」であり、週5時間以上であれば優先度のスコアは「+3」である、などの基準に基づいて求めることができる。
【0042】
また、優先順位決定部15は、記憶部19に記録されている複数のアドバイス候補の各々について、メンタルデータのデータ項目ごとに優先度のスコアを求める。例えば、
図2の例では、「タスクD」というアドバイス候補について、メンタルデータの「ストレス判定」の優先度スコアが「+5」と求められている。
【0043】
ここで、メンタルデータの優先度のスコアは、所定の基準に基づいて求めることができる。例えば、「ストレス判定」の優先度のスコアは、「ストレス判定」の結果が「低」であれば優先度のスコアは「0」であり、「中」であれば優先度のスコアは「+3」であり、「高」であれば優先度のスコアは「+5」である、などの基準に基づいて求めることができる。
【0044】
さらに、優先順位決定部15は、あるアドバイス候補が、健康診断データに基づいてユーザに対して提示すべきでないと判断される場合には、そのアドバイス候補の優先順位を最下位にする、あるいは、当該アドバイス候補の優先順位をつけない禁忌処理を行う。例えば、腎臓疾患のあるユーザに対して「野菜をたべましょう」というアドバイスは提示すべきではない。
【0045】
ここで、禁忌処理は、様々な手法で行うことができる。例えば、
図2の例では、優先度のスコアの合計値に「係数」をかけることで、そのアドバイス候補の優先順位を最下位にしている。具体的には、禁忌処理の対象となるアドバイス候補の「係数」を「0」とすることで、そのアドバイス候補の優先順位を最下位としている。禁忌処理の例は、これに限定されるものではなく、例えば「係数」を負の値としてもよい。また、そのアドバイス候補の優先順位をつけない。
【0046】
そして、優先順位決定部15は、一のアドバイス候補について、すべてのデータ項目の優先度のスコアを合計した合計スコアを計算し、合計スコアに基づいて、そのアドバイス候補の優先順位を決定する。
【0047】
例えば、
図2の例では、タスクAの合計スコアが「+13」であり、タスクBの合計スコアが「+18」であり、タスクCの合計スコアが「+11」であり、タスクDの合計スコアが「0」である。この場合、タスクAの優先順位が「2」、タスクBの優先順位が「1」、タスクCの優先順位が「3」、タスクDの優先順位が「−(順位なし)」と決定される。
【0048】
提示可否判定部16は、記憶部19に記録されている複数のアドバイス候補の各々について、ライフログデータに基づいて、ユーザに提示すべきか否かを判定する機能を備えている。
【0049】
例えば、アドバイス候補が、ユーザの生活行動において回避すべき注意行動に関するもの(例えば「糖質の摂り過ぎには注意しましょう」など)である場合に、提示可否判定部16は、ライフログデータ(一日に摂取した糖質:350g以上)に基づいて、ユーザの生活行動においてそのアドバイス候補で提示される注意行動が回避されていない(糖質が多い)と判断されると、そのアドバイス候補をユーザに提示すべきと判定する。
【0050】
また、アドバイス候補が、ユーザの生活行動において実行すべき推奨行動に関するもの(例えば、「野菜をしっかり食べるのは良いことですね。ぜひ続けましょう」など)である場合に、提示可否判定部16は、ライフログデータ(一日の野菜摂取量:350g以上)に基づいて、ユーザの生活行動において当該アドバイス候補で提示される推奨行動が実行されている(野菜はしっかり摂れている)と判断されると、そのアドバイス候補をユーザに提示すべきと判定する。
【0051】
アドバイス決定部17は、記憶部19に記録されている複数のアドバイス候補のうち、優先順位決定部15で決定された優先順位が高くかつ提示可否判定部16でユーザに提示すべきと判定されたアドバイス候補を、ユーザに提示するアドバイスとして決定する。したがって、たとえ優先順位決定部15で決定された優先順位が高いアドバイス候補であっても、提示可否判定部16でユーザに提示すべきでないと判定されたアドバイス候補は、ユーザに提示されることがない。
【0052】
アドバイス送信部18は、アドバイス決定部17でユーザに提示するアドバイスとして決定されたアドバイスを、ユーザ端末3に送信する機能を備えている。
【0053】
以上のように構成されたアドバイス決定システム1について、
図4のフロー図を参照してその動作を説明する。
【0054】
図4に示すように、本実施の形態のアドバイス決定システム1は、まず、健康診断データサーバ4からユーザの健康診断データを取得し(S1)、ユーザ端末3からユーザのライフログデータを取得する(S2)。なお、予めユーザ端末3から取得したライフログデータは、記憶部19から取得することができる。また、アドバイス決定システム1は、ユーザ端末3からユーザの生活行動に関するアンケート回答データを取得し(S3)、勤怠データサーバ5からユーザの勤怠データを取得する(S4)。さらに、アドバイス決定システム1は、メンタルデータサーバ6からユーザのメンタルデータを取得する(S5)。
【0055】
つぎに、アドバイス決定システム1は、
図2に示すように、複数のアドバイス候補の各々について、ユーザに対して提示する優先度のスコアを求め、一のアドバイス候補について、すべてのデータ項目の優先度のスコアを合計した合計スコアを計算し、合計スコアに基づいて、そのアドバイス候補の優先順位を決定する(S6)。また、複数のアドバイス候補の各々について、ライフログデータに基づいて、ユーザに提示すべきか否かを判定する(S7)。
【0056】
そして、アドバイス決定システム1は、複数のアドバイス候補のうち、優先順位決定部15で決定された優先順位が高くかつ提示可否判定部16でユーザに提示すべきと判定されたアドバイス候補を、ユーザに提示するアドバイスとして決定し(S8)、ユーザ端末3に送信する(S9)。
【0057】
このような本実施の形態のアドバイス決定システム1によれば、複数のアドバイス候補(例えば、「糖質を控えましょう」「食塩を減らしましょう」など)の各々について、健康診断データのデータ項目(例えば、BMI,腹囲、血糖値など)ごとにユーザに提示する優先度のスコアが求められる。そして、一のアドバイス候補について、すべてのデータ項目の優先度のスコアを合計した合計スコアが計算され、合計スコアに基づいて、そのアドバイス候補の優先順位(例えば、優先度1は「糖質の摂りすぎには気を付けましょう」、優先度2は「野菜を食べましょう」、優先度3は「食塩を減らしましょう」と「たんぱく質をとりましょう」)が決定される。
【0058】
また、複数のアドバイス候補の各々について、ユーザのライフログデータ(例えば、「糖質が多い(一日に摂取した糖質:350g以上)」「野菜はしっかり摂れている(一日の野菜摂取量:350g以上)」など)に基づいて、ユーザに提示すべきか否か(例えば、優先度1の「糖質の摂りすぎには気を付けましょう」はユーザーに提示する必要がある、優先度2の「野菜を食べましょう」はユーザーに提示する必要がない、など)が判定される。
【0059】
そして、複数のアドバイス候補のうち、優先順位が高くかつユーザに提示すべきと判定されたアドバイス候補が、ユーザに提示するアドバイスとして決定される。これにより、ユーザの健康診断データとライフログデータを考慮して、そのユーザにとって必要なアドバイスが提示される。このようにして、ユーザにとって信頼性の高いアドバイスが提示される。
【0060】
また、本実施の形態では、複数のアドバイス候補(例えば、「適切なカロリーを守りましょう」「(運動強度の高い)スポーツをしましょう」など)の各々について、ユーザのアンケート回答データ(例えば、「運動をすると膝や腰がかなり痛む」など)に基づいて、ユーザに提示すべきか否か(例えば、「適切なカロリーを守りましょう」はユーザーに提示する必要がある、「(運動強度の高い)スポーツをしましょう」はユーザーに提示する必要がない、など)が判定される。これにより、ユーザのアンケート回答データを考慮して、そのユーザにとって必要なアドバイスが提示される。
【0061】
また、本実施の形態では、複数のアドバイス候補(例えば、「早く就寝しましょう」「歩数を増やしましょう」など)の各々について、ユーザの勤怠データ(例えば、「残業時間」など)に基づいて、ユーザに提示すべきか否か(例えば、「早く就寝しましょう」はユーザーに提示する必要がある、「歩数を増やしましょう」はユーザーに提示する必要がない、など)が判定される。これにより、ユーザの勤怠データを考慮して、そのユーザにとって必要なアドバイスが提示される。
【0062】
また、本実施の形態では、複数のアドバイス候補(例えば、「休息をとりましょう」「カロリー制限をしましょう」など)の各々について、ユーザのメンタルデータ(例えば、「ストレス判定」など)に基づいて、ユーザに提示すべきか否か(例えば、「休息をとりましょう」はユーザーに提示する必要がある、「カロリー制限をしましょう」はユーザーに提示する必要がない、など)が判定される。これにより、ユーザのメンタルデータを考慮して、そのユーザにとって必要なアドバイスが提示される。
【0063】
また、本実施の形態では、アドバイス候補がユーザの生活行動において回避すべき注意行動に関するもの(例えば、「糖質の摂り過ぎには注意しましょう」など)である場合、ユーザのライフログデータ(一日に摂取した糖質:350g以上)から、その注意行動が回避されていない(糖質が多い)と判断されると、そのアドバイス候補が、ユーザに提示するアドバイスとして決定される。これにより、そのユーザにとって注意が必要なアドバイスが提示される。
【0064】
また、本実施の形態では、アドバイス候補がユーザの生活行動において実行すべき推奨行動に関するもの(例えば、「野菜をしっかり食べるのは良いことですね。ぜひ続けましょう」など)である場合、ユーザのライフログデータ(一日の野菜摂取量:350g以上)から、その推奨行動が実行されている(野菜はしっかり摂れている)と判断されると、そのアドバイス候補が、ユーザに提示するアドバイスとして決定される。これにより、そのユーザにとって有益なアドバイスが提示される。
【0065】
また、本実施の形態では、あるアドバイス候補が、健康診断データに基づいてそのユーザに対して提示すべきでないと判断される場合、そのアドバイス候補については禁忌処理(優先順位を最下位にする、あるいは、優先順位をつけない処理)が行われ、そのアドバイス候補はユーザに提示されない。これにより、ユーザにとって提示すべきでないアドバイス(例えば、腎臓疾患のあるユーザに対して「野菜をたべましょう」など)が提示されるのを避けることができる。
【0066】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【解決手段】アドバイス決定システム1は、ユーザに提示する複数のアドバイス候補の各々について、健康診断データのデータ項目ごとにユーザに対して提示する優先度のスコアを求め、一のアドバイス候補について、すべてのデータ項目の優先度のスコアを合計した合計スコアを計算し、前記合計スコアに基づいて、当該アドバイス候補の優先順位を決定する優先順位決定部15と、複数のアドバイス候補の各々について、ライフログデータに基づいて、ユーザに提示すべきか否かを判定する提示可否判定部16と、複数のアドバイス候補のうち、優先順位決定部15で決定された優先順位が高くかつ提示可否判定部16でユーザに提示すべきと判定されたアドバイス候補を、ユーザに提示するアドバイスとして決定するアドバイス決定部17と、を備える。