(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記塵センサーは、濁度センサーを含み、前記生成される塵センサーデータは、前記回収タンク内の流体に懸濁した粒子の存在に相関する、請求項1に記載の表面洗浄装置。
前記汚れセンサーは、近赤外線分光計を含み、前記生成される塵センサーデータは、前記被洗浄面から反射した吸収光のスペクトルに相関する、請求項5に記載の表面洗浄装置。
前記表面洗浄装置は、該表面洗浄装置の前記動作サイクル中に、前記回収タンク内の所定のレベルにおける流体の存在を示す満タンセンサーデータを生成するように構成された満タンセンサーを備え、
前記接続コンポーネントは、前記満タンセンサーデータを前記リモートコンピューティングデバイスに送信するように構成され、前記リモートコンピューティングデバイスは、前記送信された満タンセンサーデータに基づいて、満タン回収タンクイベントを識別するように構成され、
前記コントローラーは、満タン回収タンクイベントに応答して、前記電動吸引源及び前記電動ポンプへの電力供給をオフにするように構成される、請求項1に記載の表面洗浄装置。
前記表面洗浄装置は、ユーザーインターフェースを備え、ユーザーは、前記ユーザーインターフェースを通して前記表面洗浄装置とインタラクトすることができ、前記ユーザーインターフェースは、前記塵センサーによって生成された前記塵センサーデータに基づいて、前記ユーザーに通知を提供するように構成され、前記ユーザーインターフェースは、前記回収タンクと前記供給タンクとの上方であって前記フレームの上端部に配置されるディスプレイを備える、請求項1に記載の表面洗浄装置。
バッテリーを更に備え、前記バッテリーは、前記フレームが備えるバッテリーハウジング内に位置され、前記バッテリーハウジングは、前記フレームの下部背面側であって、前記回収タンクの後ろに配置される、請求項1に記載の表面洗浄装置。
吸引源と、回収タンクと、前記基部に配置される吸引ノズルと、を有する回収システムを更に備え、前記塵センサーは、濁度センサー含み、生成される濁度センサーのデータは前記回収システムによって回収された流体に懸濁した粒子と相関する、請求項1に記載の表面洗浄装置。
表面洗浄装置の流量を制御する方法であって、前記表面洗浄装置は、洗浄される周囲環境の表面に接触するように適合された基部と、真空モーターを備える電動吸引源と、該電動吸引源に流体結合される回収タンクを備える回収システムと、電動ポンプと、該電動ポンプに流体結合される供給タンクを備える流体供給システムとを備え、該方法は、
前記表面洗浄装置に内蔵された塵センサーを用いて、前記表面洗浄装置の動作サイクル中に、被洗浄面の汚れ具合に相関する塵センサーデータを生成することによって、前記被洗浄面の前記汚れ具合を検知することと、
前記塵センサーデータを処理して、該塵センサーデータに基づいて、前記電動ポンプからの洗浄流体の流量を変化させるように前記電動ポンプに命令するポンプ制御信号を生成することと、
前記電動ポンプからの洗浄流体の前記流量を変化させるように、前記ポンプ制御信号を前記電動ポンプに送信することと、
前記塵センサーデータをリモートコンピューティングデバイスに送信することと、
前記リモートコンピューティングデバイスにおいて前記塵センサーデータを受信することと、
前記受信した塵センサーデータを処理して、前記送信された塵センサーデータに基づいて、
前記表面洗浄装置における床面汚れイベントと、
前記電動ポンプからの洗浄流体の前記流量における変化と、
のうちの少なくとも一方を識別することと、
前記表面洗浄装置のユーザーに、前記リモートコンピューティングデバイスを介して、前記表面洗浄装置における前記床面汚れイベントと、前記電動ポンプからの洗浄流体の前記流量における前記変化とのうちの少なくとも一方の通知を提供することと、
を含む、方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示は、包括的には、多面バキュームクリーナー、自律式床面洗浄機、無人ポータブル抽出機、直立ディープクリーナー、又は手持ち式抽出機の形態とすることができる表面洗浄装置に関する。本開示の1つの態様において、一組のセンサーに結合されたコントローラーが、データを収集し、リモートコンピューティングデバイスに送信する。
【0019】
表面洗浄装置の機能システムは、基部及び被洗浄面を横切るように基部を方向付ける直立本体を備えるアップライトデバイス、バキュームホースによって車輪付き基部に接続される洗浄器具を備えるキャニスターデバイス、比較的小さな面積を洗浄するための、ユーザーによって手で持たれるように適合されたポータブルデバイス、又は商用デバイス等の任意の所望の形態に構成することができる。上述したクリーナーはいずれも、可撓性バキュームホースを備えるように適合することができ、可撓性バキュームホースは、ノズルと吸引源との間の作用空気導管の一部を形成することができる。本明細書で用いられる場合、「多面湿式バキュームクリーナー(multi-surface wet vacuum cleaner)」という用語は、タイル及び堅木等の硬質の床面並びにカーペット等の軟質の床面を洗浄するために使用することができるバキュームクリーナーを含む。
【0020】
図1は、本発明の1つの実施形態に係る、接続型表面洗浄装置(connected surface cleaning apparatus)10を備えるシステムの概略図である。表面洗浄装置10は、1つ以上のセンサー102に結合されたコントローラー100を備えることができ、各センサーは、装置10のハウジング11上又はハウジング11内に設けられ、そのようなハウジング11は、必要に応じて、基部(例えば、
図2の部材14を参照)若しくは直立アセンブリ(例えば、
図2の部材12を参照)、又は表面洗浄装置10の1つ以上のコンポーネントを封入するのに好適な単数若しくは複数の他の任意のハウジングを含む。コントローラー100は、接続コンポーネント104に結合又は統合することができる。コントローラー100は、1つ以上のセンサー102によって提供されるデータを収集するように構成され、接続コンポーネント104は、1つ以上のリモートコンピューティングデバイス106にデータを送信するように構成される。1つ以上のリモートコンピューティングデバイス106の非限定的な例として、ネットワークデバイス108、モバイルデバイス110、又はクラウドコンピューティング/記憶デバイス112が挙げられる。
【0021】
コントローラー100は、メモリ116及び中央処理装置(CPU)118を備えることができ、マイクロコントローラーとして実現することができることが好ましい。メモリ116は、洗浄動作サイクルの完了時にCPU118によって実行される制御ソフトウェアを記憶するのに用いることができる。例えば、メモリ116は、表面洗浄装置10の動作中又は動作後に収集されるデータを集め、送信する命令を含む、1つ以上の事前プログラムされた洗浄サイクルを記憶することができる。
【0022】
コントローラー100は、内蔵センサー102及び/又は遠隔センサー114を含む1つ以上のセンサーからの入力を受信することができる。1つ以上の内蔵センサー102のそれぞれは、表面洗浄装置10の動作又はその動作環境に関連するイベント又は変化を検出し、その情報をコントローラー100に送信するように構成される。1つ以上の内蔵センサー102の非限定的な例として、満タンセンサー120、濁度センサー122、床タイプセンサー124(床面状態センサーとも呼ばれる)、ポンプ圧力センサー126、回収システム又はフィルター状態センサー128、ホイール回転センサー130、音響センサー132、使用センサー134、汚れセンサー136、及び加速度計138が挙げられる。これらのセンサーのうちの任意の1つ、又はこれらのセンサーの任意の組合せを、表面洗浄装置10に設けることができる。
【0023】
遠隔センサー114は、表面洗浄装置10の動作環境に関連するイベント又は変化を検出し、その情報を、接続コンポーネント104を介してコントローラー100に送信するように構成される。コントローラー100は、遠隔センサー114によって提供される情報を、必要に応じて内蔵センサー102によって提供される情報とともに収集するように構成され、接続コンポーネント104は、その情報を1つ以上のリモートコンピューティングデバイス106(
図1)に送信するように構成される。1つ以上の遠隔センサー114のいくつかの非限定的な例として、音響センサー、ホイール回転センサー、床タイプセンサー、又は汚れセンサーが挙げられる。1つの実施形態において、遠隔センサー114は、第2の表面洗浄装置に設けることができる。別の実施形態において、遠隔センサー114は、手持ち式汚れ検出デバイスに設けることができる。
【0024】
コントローラー100は、出力信号を表面洗浄装置10の被制御コンポーネントに送信し、洗浄動作サイクルを実行するように構成することができる。コントローラー100からの信号を受信することができる被制御コンポーネントの非限定的な例として、真空モーター64、ブラシモーター80、ポンプ78、及びユーザーインターフェース(UI)32が挙げられる。被制御コンポーネントは、装置10のハウジング11上又はハウジング11内に設けられる。
【0025】
接続コンポーネント104は、コントローラー100によって集められたデータをリモートコンピューティングデバイス106のうちの1つ以上に送信するように構成される。接続コンポーネント104は、任意の無線又はネットワーク技術を含む又は組み込むことができ、リモートコンピューティングデバイス106との無線通信に有用なプロトコルを用いて構成することができる。これらのプロトコルとして、限定はしないが、Bluetooth
(登録商標)、Bluetooth Low Energy(BLE)、Bluetooth5、IEEE802.11b(Wi−Fi)、IEEE802.11ah(Wi−Fi HaLow)、Wi−Fiダイレクト、Wi−Fi EasyMesh、全世界相互運用マイクロ波アクセス(WiMAX)、近距離無線通信(NFC)、無線周波数識別(RFID)、IEEE802.15.4(Zigbee
(登録商標))、Z−Wave、超広帯域通信(UWB)、ライトフィデリティ(Li−Fi)、ロングタームエボリューション(LTE)、LTEアドバンスト、低電力広域ネットワーク(LPWAN)、電力線通信(PLC)、Sigfox
(登録商標)、Neul
(登録商標)等が挙げられる。接続コンポーネント104は、コントローラー100によって集められたデータの送信、又は1つ以上のリモートコンピューティングデバイス106からのデータの受信に有用な、限定はしないが産業科学医療用(ISM)バンド内の周波数を含む任意の周波数又は帯域幅で動作することができる。さらに、接続コンポーネント104は、ワイヤレスリピーター又はワイヤレスレンジエクステンダーとして構成することができる。例えば、接続コンポーネント104を含む自律式床面洗浄機又は関連するドッキングステーションは、無線アクセスカバレッジを提供又は向上することができる。
【0026】
クラウドコンピューティング/記憶デバイス112は、接続コンポーネント104によって送信されたデータを受信し、受信したデータに基づいて情報を処理及び記憶するように構成される。クラウドコンピューティング/記憶デバイス112は、最小限の管理でプロビジョニングされる共有及び構成可能リソースと相互接続される複数のデバイスを含むことができる。クラウドコンピューティング/記憶デバイス112を形成する複数のデバイスは、限定はしないが、情報処理システム、関連するコンピューター、サーバー、記憶デバイス、及び他の処理デバイスを含む、データの処理、アクセス、及び記憶に有用な任意の数のネットワークデバイスを含むことができる。複数のデバイスは、限定はしないが、任意の数のアドホックネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネットエリアネットワーク(IAN)、インターネット等、又はそれらの組合せを含む、データ及びリソースの共有に有用な任意の有線又は無線接続によって結合することができる。
【0027】
スマートフォン等のモバイルデバイス110は、表面洗浄デバイス10及びクラウドコンピューティング/記憶デバイス112の接続コンポーネント104との電子通信のために構成された多目的モバイルコンピューティングデバイスである。本明細書において用いられる場合、「スマートフォン」という用語は、通常、タッチスクリーンインターフェース、インターネットアクセス、及びダウンロードしたアプリケーションを実行することが可能なオペレーティングシステムを有する、コンピューターの機能のうちの多くを実行するモバイルフォンを含む。本発明の実施形態は、本明細書においてモバイルデバイス110を提供するスマートフォンに関して論じているが、限定はしないが、タブレット、スマートウォッチ等のウェアラブルコンピューター、スマートスピーカー等の音声操作デバイス、又は専用遠隔制御デバイス等の、他のポータブルモバイルデバイスも好適であることが理解される。
【0028】
ネットワークデバイス108は、接続コンポーネント104と、クラウドコンピューティング/記憶デバイス112と、モバイルデバイス110との間でデータを仲介する。ネットワークデバイス108は、限定はしないが、ゲートウェイ、ルーター、ネットワークブリッジ、モデム、無線アクセスポイント、ネットワークケーブル、ラインドライバー、スイッチ、ハブ、及びリピーターを含む、コンピューティングネットワーク上でのデータパケットの転送に有用な任意のデバイスとすることができる。ネットワークデバイス108は、マルチレイヤースイッチ、プロトコルコンバーター、ブリッジルーター、プロキシサーバー、ファイヤーウォール、ネットワークアドレス変換器、マルチプレクサー、ネットワークインターフェースコントローラー、無線ネットワークインターフェースコントローラー、ISDNターミナルアダプター、及び他の関連ハードウェア等のハイブリッドネットワークデバイスを含むこともできる。
【0029】
図2は、
図1に示されているシステム及び機能を有することができる表面洗浄装置の1つの非限定的な例を示す斜視図である。図示のように、表面洗浄装置は、本発明の1つの実施形態によれば、直立多面湿式バキュームクリーナー10の形態である。表面洗浄装置10は、直立ハンドルアセンブリ又は本体12と、直立本体12に取り付けられる又は結合されるとともに被洗浄面を横切って移動するように適合された洗浄ヘッド又は基部14とを含むハウジングを備える。図面に関連する記載では、「上」、「下」、「右」、「左」、「後方」、「前方」、「鉛直」、「水平」、「内側」、「外側」という用語及びそれらの派生語は、多面湿式バキュームクリーナー10の後部を規定する多面湿式バキュームクリーナー10の後方におけるユーザーの観点から
図2において方向付けられているように本発明に関連するものとする。しかしながら、本発明は、明らかに異なる規定がある場合を除き、種々の代替的な方向付けを想定することができることが理解される。
【0030】
直立本体12は、ハンドル16とフレーム18とを備えることができる。フレーム18は、少なくとも供給タンク20及び回収タンク22を支持する主支持セクションを備えることができ、本体12の追加のコンポーネントを更に支持することができる。表面洗浄装置10は、洗浄流体を保管するとともに洗浄流体を被洗浄面に送出するための流体送出路又は流体供給路であって、供給タンク20を含み、かつ供給タンク20によって少なくとも部分的に画定される、流体送出路又は流体供給路と、使用済み洗浄流体及びデブリを被洗浄面から除去するとともに、ユーザーによって中身が排出されるまで使用済み洗浄流体及びデブリを保管するための流体回収路であって、回収タンク22を含み、かつ回収タンク22によって少なくとも部分的に画定される、流体回収路とを有することができる。
【0031】
ハンドル16は、ハンドグリップ26と、ハンドグリップ26に取り付けられ、タンク20との電子的又は機械的結合を介して供給タンク20からの流体送出を制御するトリガー28とを備えることができる。トリガー28は、ユーザーアクセスのためにハンドグリップ26の外部に少なくとも部分的に突出することができる。ばね(図示せず)により、トリガー28をハンドグリップ26から外方に付勢することができる。トリガー28の代わりに、サムスイッチ等の他のアクチュエーターを設けてもよい。
【0032】
表面洗浄装置10は、少なくとも1つのユーザーインターフェースを備えることができ、ユーザーは、このユーザーインターフェースを通して表面洗浄装置10とインタラクトすることができる。少なくとも1つのユーザーインターフェースは、ユーザー側からの装置10の操作及び制御を可能にすることができ、装置10からのフィードバック情報をユーザーに提供することもできる。少なくとも1つのユーザーインターフェースは、限定はしないが、表面洗浄装置10の流体送出及び回収システムの様々なコンポーネントに電気接続される回路要素を含む電気コンポーネントと電気結合することができる。
【0033】
表面洗浄装置10は、少なくとも1つのユーザーインターフェース32を備えることができ、ユーザーは、このユーザーインターフェース32を通して表面洗浄装置10とインタラクトすることができる。ユーザーインターフェース32は、ユーザー側からの装置10の操作及び制御を可能にすることができ、装置10からのフィードバック情報をユーザーに提供することもできる。ユーザーインターフェース32は、限定はしないが、表面洗浄装置10の流体送出及び回収システムの様々なコンポーネントに電気接続される回路要素を含む電気コンポーネントと電気結合することができる。図示のように、ユーザーインターフェース32は、限定はしないが、LEDマトリックスディスプレイ又はタッチスクリーン等のディスプレイ38を備えることができる。ユーザーインターフェース32は、必要に応じて、ディスプレイ38に隣接するか又はディスプレイ38上に設けることができる少なくとも1つの入力制御部40を有することができる。好適なユーザーインターフェースの1つの例が、2020年4月23日に公開された国際公開第2020/082066号に開示されており、この国際公開は、引用することによりその全体が本明細書の一部をなす。
【0034】
図示の実施形態では、ユーザーインターフェース32は、ディスプレイ38とは別個の1つ以上の入力制御部34、36を含む。入力制御部34、36は、ハンドグリップ26内のプリント回路基板(PCB、図示せず)と位置合わせされている。1つの実施形態において、1つの入力制御部34は、装置10の1つ以上の電気コンポーネントへの電力の供給を制御する電力入力制御部である。別の入力制御部36は、更に詳細に後述するように、装置10を硬質床洗浄モードとカーペット洗浄モードとの間でサイクルさせる洗浄モード入力制御部である。入力制御部34、36のうちの1つ以上は、ボタン、トリガー、トグル、キー、スイッチ等、又はそれらの任意の組合せを含むことができる。1つの例において、入力制御部34、36のうちの1つ以上は、静電容量式ボタンを含むことができる。
【0035】
可動ジョイントアセンブリ42は、フレーム18の下端において形成することができ、基部14を直立本体12に可動に取り付ける。本明細書で示す実施形態において、直立本体12は、基部14に対して少なくとも1つの軸の周りに上下に旋回し得る。ジョイントアセンブリ42は、代替的に、直立本体12が基部14に対して少なくとも2つの軸の周りに旋回できるようにユニバーサルジョイントを備えることができる。配線及び/又は導管が、必要に応じて、基部14から直立本体12に又はその逆に、電気、空気、及び/又は液体(又は他の流体)を供給することができ、ジョイントアセンブリ42を通して延在することができる。
【0036】
直立本体12は、ジョイントアセンブリ42を介して直立位置又は保管位置に旋回させることができ、その一例が
図2に示されている。ここでは、直立本体12は、被洗浄面に対して実質的に直立した向きであり、装置10は、自己支持する、すなわち、装置10は、他の何らかのものによって支持されることなく直立することができる。係止機構(図示せず)を、ジョイントアセンブリ42が保管位置においてジョイントアセンブリ42の軸のうちの少なくとも1つの周りで動くことがないように、ジョイントアセンブリ42を係止するために設けることができ、それにより、装置10の自己支持を可能にすることができる。直立本体12は、ジョイントアセンブリ42によって、保管位置から傾斜位置又は使用位置(図示せず)に旋回することができ、この場合、直立本体12は、基部14に対して後方に旋回し、被洗浄面に対して鋭角を形成する。この位置では、ユーザーが、ハンドグリップ26を保持することによって装置を部分的に支持することができる。バンパー44を、直立本体12の後側、例えば、フレーム18の下方後側及び/又は供給タンク20の下に設けることができる。
【0037】
図3は、
図2の線III−IIIを通る表面洗浄装置10の断面図である。供給タンク20及び回収タンク22は、直立本体12に設けることができる。供給タンク20は、任意の構成でフレーム18に取り付けることができる。本実施形態では、供給タンク20は、供給タンク20がフレーム18の上側後部に部分的に載るようにフレーム18の後部に取外し可能に取り付けることができ、充填するためにフレーム18から取り外すことができる。回収タンク22は、任意の構成でフレーム18に取り付けることができる。本実施形態では、回収タンク22は、フレーム18の正面の供給タンク20の下に取外し可能に取り付けることができ、中身を排出するためにフレーム18から取り外すことができる。
【0038】
流体送出システムは、洗浄流体を供給タンク20から被洗浄面に送出するように構成され、上記で簡潔に論じたように、流体送出路又は流体供給路を有することができる。洗浄流体は、限定されないが、水、組成物、濃縮洗剤、希釈洗剤等及びそれらの混合物を含む任意の好適な洗浄流体のうちの1つ以上を含むことができる。例えば、流体は、水及び濃縮洗剤の混合物を含むことができる。
【0039】
供給タンク20は、洗浄流体を保持する少なくとも1つの供給チャンバー46と、供給チャンバー46の出口を通る流体流を制御する供給弁アセンブリ48とを備える。代替的には、供給タンク20は、水を収容する1つのチャンバー及び洗浄剤を収容するもう1つのチャンバー等の複数の供給チャンバーを備えることができる。取外し可能な供給タンク20に関して、供給弁アセンブリ48は、フレーム18における受け側アセンブリと係合することができ、供給タンク20がフレーム18に着座すると自動的に開いて、流体送出路に流体を放出するように構成することができる。
【0040】
回収システムは、被洗浄面から使用済み洗浄流体及びデブリを除去するとともに、使用済み洗浄流体及びデブリを、後で廃棄するため、表面洗浄装置10上に保管するように構成され、上記で簡潔に論じたように、回収路を有することができる。回収路は、少なくとも不浄入口50及び清浄空気出口52を有することができる。この回収路は、他の要素の中でもとりわけ、不浄入口を画定する吸引ノズル54と、作用空気ストリームを発生させるために吸引ノズル54と流体連通する吸引源56と、回収タンク22と、清浄空気出口52を画定する少なくとも1つの排気口とによって形成することができる。
【0041】
吸引ノズル54は、基部14に設けることができ、基部14が表面を横切って移動する際に、被洗浄面に隣接するように適合させることができる。ブラシロール60は、デブリが吸引ノズル54内により容易に吸い込まれるように被洗浄面を撹拌するために、吸引ノズル54に隣接して設けることができる。本明細書には水平回転ブラシロール60が示されているが、いくつかの実施形態において、二重水平回転ブラシロール、1つ以上の鉛直回転ブラシロール、又は静止ブラシを装置10に設けることができる。
【0042】
吸引ノズル54は、導管62を通して回収タンク22と更に流体連通する。導管62は、ジョイントアセンブリ42を通過することができ、ジョイントアセンブリ42の移動に適応するために可撓性とすることができる。
【0043】
真空モーター64及びファン66を備えるモーター/ファンアセンブリとすることができる吸引源56は、回収タンク22と流体連通して設けられる。吸引源56は、回収タンク22の上かつ供給タンク20の前方等、フレーム18のハウジング内に位置決めすることができる。回収システムには、吸引源56の上流又は下流に1つ以上の更なるフィルターを設けることもできる。例えば、図示の実施形態では、プレモーターフィルター68が、回収路において回収タンク22の下流かつ吸引源56の上流に設けられる。ポストモーターフィルター(図示せず)は、回収路において吸引源56の下流かつ清浄空気出口52の上流に設けることができる。
【0044】
基部14は、流体送出システム及び流体回収システムのコンポーネントのうちの少なくともいくつかを支持する基部ハウジング70と、被洗浄面にわたって装置10を移動させる一対のホイール72とを備えることができる。ホイール72は、基部ハウジング70の後方部分において、ブラシロール60及び吸引ノズル54等のコンポーネントの後方に設けることができる。第2の対のホイール74を、基部ハウジング70において、第1の対のホイール72の前方に設けてもよい。
【0045】
バキュームクリーナー10は、電力コード(図示せず)を介して住宅用電源等の電源に接続するように構成することができ、又は、図示のようにバッテリー88によってコードレスで動作するように構成することができる。バッテリー88は、装置の直立本体12又は基部14に位置するバッテリーハウジング90内に位置することができ、バッテリーハウジング90は、バッテリー88を保護し、装置10上にバッテリー88を保持することができる。図示の実施形態では、バッテリーハウジング90は、直立本体12のフレーム18に設けられる。
【0046】
図2及び
図3を参照すると、多面湿式バキュームクリーナー10は、
図1のセンサーのうちの1つ以上に結合されたコントローラー100を備えることができ、各センサーは、基部14上若しくは基部14内、又は直立アセンブリ12上若しくは直立アセンブリ12内に設けられる。センサーは、限定はしないが、満タンセンサー120、濁度センサー122、床タイプセンサー124、ポンプ圧力センサー126、回収システム若しくはフィルター状態センサー128、ホイール回転センサー130、音響センサー132、使用センサー134、汚れセンサー136、及び/又は加速度計138を含むことができる。これらのセンサーのうちの任意の1つ又はこれらのセンサーの任意の組合せを、多面湿式バキュームクリーナー10に設けることができる。センサー120〜138は、
図2及び
図3に概略的に示されており、各センサー120〜138の構成、位置、及び数は変更することができる。
【0047】
各センサー120〜138は、装置10の動作又はその動作環境に関連するデータを生成し、そのデータをコントローラー100に送信するように構成される。コントローラー100は、接続コンポーネント104に結合又は統合することができる。コントローラー100は、センサー120〜138によって提供される情報を収集するように構成され、接続コンポーネント104は、その情報を1つ以上のリモートコンピューティングデバイス106(
図1)に送信するように構成される。リモートコンピューティングデバイス106は、送信されたデータに基づいて、装置10のイベント及び/又は動作サイクルにおける変化を識別するように構成される。いくつかの実施形態において、接続コンポーネント104は、遠隔センサー114(
図1)によって提供される情報を受信することもでき、このセンサー情報は、コントローラー100によって収集され、必要に応じて、他のリモートコンピューティングデバイス106のうちの1つ以上に送信される。
【0048】
満タンセンサー120は、回収タンク22内の流体の存在に関連するデータを生成し、この情報をコントローラー100に送信する。必要に応じて、センサー120は、回収タンク22内の所定のレベルに流体が存在することに相関するデータを生成し、この情報をコントローラー100に提供することができる。リモートコンピューティングデバイス106によって識別されるイベントは、回収タンク22内の流体の体積が回収タンク22内の所定の容量又はレベルを超えることとすることができる。それに対応して、装置10の動作における変化は、回収タンク22の中身が空にされるまで装置10の電源をオフにする(すなわち、装置10の電気コンポーネントへの電力供給をオフにする)こととすることができる。ユーザーには、ユーザーインターフェース32を介して、又はポータブル電子デバイス上に構成されたアプリケーションを介して、イベントを通知することができる。
【0049】
様々な満タンセンサー120が可能である。1つの実施形態において、満タンセンサー120は、赤外線送信器及び赤外線受信器を備え、赤外線送信器及び赤外線受信器のそれぞれは、回収タンク22の外面に配置され、回収タンク22内の流体が赤外線送信器によって発信された赤外線信号を屈折させると、赤外線受信器がその赤外線信号を吸収するように構成される。満タンセンサー120の1つの実施形態の更なる詳細は、以下に提示される(
図9及び
図10を参照)。
【0050】
濁度センサー122は、回収タンク22内の流体の濁度に関連するデータを生成し、この情報をコントローラー100に送信する。必要に応じて、センサー122は、回収タンク22内の流体に懸濁した粒子の存在に相関するデータを生成することができる。リモートコンピューティングデバイス106によって識別されるイベントは、濁度が所定の濁度閾値を上回って増大したか又は所定の速度閾値を上回る速度で増大したことが判断される等、床がひどく汚れていることを示す濁度の増大が検出されることとすることができる。それに対応して、装置10の動作における変化は、効果的な洗浄を維持するために洗浄流体の流量を増大させること及び/又はブラシロールの速度を増大させることとすることができる。床面の汚れレベルが軽微であるために濁度が低くなることに起因して、より少ない流量又はより低速のブラシロール速度が必要とされるという、逆の例も起こり得る。ユーザーには、ユーザーインターフェース32を介して、又はポータブル電子デバイス上に構成されたアプリケーションを介して、イベントを通知することができる。
【0051】
様々な濁度センサー122が可能である。必要に応じて、濁度センサー122は、赤外線送信器及び赤外線受信器を備え、赤外線送信器及び赤外線受信器のそれぞれは、回収タンク22の外面に配置され、回収タンク22内の流体が赤外線送信器によって発信された赤外線信号を屈折させると、赤外線受信器がその赤外線信号を吸収するように構成される。更に別の実施形態として、赤外線送信器は、赤外発光デバイスとすることができ、赤外線受信器は、フォトダイオードとすることができ、生成されるデータは、吸収した赤外線信号の強度の測定値を含むことができる。濁度センサー122の1つの実施形態の更なる詳細は、以下に提示される(
図9及び
図10を参照)。
【0052】
床タイプセンサー124は、基部14に接触する表面のタイプに関連するデータを生成し、この情報をコントローラー100に送信する。必要に応じて、センサー124は、基部14に接触する表面によって反射された音響エネルギーに相関するデータを生成することができる。リモートコンピューティングデバイス106によって識別されるイベントは、洗浄される床タイプの変化(すなわち、硬質床からカーペットへの移動又はその逆)が判断されることとすることができる。装置10の動作における変化は、新たな床タイプに応じた洗浄流体の流量又はブラシロールの速度の調整とすることができる。例えば、センサーデータが硬質床からカーペットへの移動に対応する場合、カーペットを効果的に洗浄するために、流量及び/又はブラシロール速度を増大させることができる。センサーデータがカーペットから硬質床への移動に対応する場合、硬質床を効果的に洗浄するとともに、硬質床への損傷を防ぐために、流量及び/又はブラシロール速度を減少させることができる。ユーザーには、ユーザーインターフェース32を介して、又はポータブル電子デバイス上に構成されたアプリケーションを介して、イベントを通知することができる。
【0053】
様々な床タイプセンサー124が可能である。床タイプセンサー124は、例えば、超音波トランスデューサー、光センサー、音響センサー、又は機械センサー等の既知のセンサーのうちの任意の1つ又はそれらの組合せを含むことができる。必要に応じて、床タイプセンサー124は、基部14に接触する表面のタイプがカーペットであるか、タイルであるか、又は木材であるかを判断するように構成することができる。必要に応じて、床タイプセンサー124は、基部14が表面に接触していない(すなわち、基部14又は装置10全体が表面に接触せずに持ち上がっている)ことを判断することができる。床タイプセンサー124の1つの実施形態の更なる詳細は、以下に提示される(
図6〜
図8を参照)。
【0054】
ポンプ圧力センサー126は、供給タンク20内に流体がないことに関連するデータを生成し、この情報をコントローラー100に送信する。必要に応じて、センサー126は、ポンプ78の出口圧力を示す差圧又はゲージ圧力に相関するデータを生成することができる。このデータから、供給タンク20が空である場合を判断することができ、リモートコンピューティングデバイス106によって識別されるイベントは、空供給タンクイベントとすることができる。装置10の動作における変化は、洗浄流体なしで或る領域を誤って洗浄することを回避するために、供給タンク20が補充されるまで、装置10の電源をオフにする(すなわち、装置10の電気コンポーネントへの電力供給をオフにする)こととすることができる。ユーザーには、ユーザーインターフェース32を介して、又はポータブル電子デバイス上に構成されたアプリケーションを介して、イベントを通知することができる。様々なポンプ圧力センサー126が可能である。ポンプ圧力センサー126の1つの実施形態の更なる詳細は、以下に提示される(
図11を参照)。
【0055】
回収システム又はフィルター状態センサー128は、空気経路内の圧力に関連するデータを生成し、この情報をコントローラー100に送信する。必要に応じて、センサー128は、空気経路内の圧力に相関するデータを生成することができ、この情報をコントローラー100に提供することができる。リモートコンピューティングデバイス106によって識別されるイベントは、真空モーター64の動作ステータス、回収路におけるフィルター(すなわち、プレモーターフィルター68又はポストモーターフィルター)の存在、回収路における回収タンク22の存在、フィルター(すなわち、プレモーターフィルター68又はポストモーターフィルター)を通る空気流量、又はそれらの任意の組合せとすることができる。装置10の動作における変化は、フィルターが洗浄若しくは交換されるか、又は回収タンク22が空にされる若しくは交換されるまで、装置10の電源をオフにする(すなわち、装置10の電気コンポーネントへの電力供給をオフにする)こととすることができる。ユーザーには、ユーザーインターフェース32を介して、又はポータブル電子デバイス上に構成されたアプリケーションを介して、イベントを通知することができる。
【0056】
様々なフィルター状態センサー128が可能である。必要に応じて、フィルター状態センサー128は、圧力トランスデューサーを含み、識別されるイベントは、フィルター(すなわち、プレモーターフィルター68又はポストモーターフィルター)を通る空気の阻止されるパーセンテージが求められることである。フィルター状態センサー128の1つの実施形態の更なる詳細は、以下に提示される(
図12を参照)。
【0057】
ホイール回転センサー130は、ホイール72、74のうちの1つ以上の回転に関連するデータを生成し、この情報をコントローラー100に送信する。必要に応じて、センサー130は、ホイールの回転数に相関するデータを生成し、この情報をコントローラー100に提供することができる。リモートコンピューティングデバイス106によって識別されるイベントは、洗浄距離、洗浄面積、ホイール72、74の毎分回転数、又はそれらの任意の組合せが求められることとすることができる。装置10の動作における変化は、予防保全若しくは他のサービスが必要である、及び/又は保全若しくはサービスが行われるまで装置10の電源をオフにすることがユーザーに通知されることとすることができる。1つの実施形態において、通知により、所定の洗浄距離又は洗浄面積とすることができる所定の第1のイベントの後に、ブラシロール60及び/又はフィルター68の洗浄を推奨することができ、通知により、第1のイベントの場合を超える所定の洗浄距離又は洗浄面積とすることができる所定の第2のイベントの後に、ブラシロール60及び/又はフィルターの交換を推奨することができる。ユーザーには、ユーザーインターフェース32を介して、又はポータブル電子デバイス上に構成されたアプリケーションを介して、イベントを通知することができる。
【0058】
様々なホイール回転センサー130が可能である。必要に応じて、ホイール回転センサー130は、ホール効果センサーであり、ホイール72、74は、磁石を備える。他の実施形態において、ホイール回転センサー130は、例えば、ブラシ接触スイッチ、磁気リードスイッチ、光スイッチ、又は機械スイッチ等の代替的なセンサーコンポーネントを備えることができる。ホイール回転センサー130の1つの実施形態の更なる詳細は、以下に提示される(
図13を参照)。
【0059】
音響センサー132は、装置10の動作サイクル又は装置10が動作する環境に関連するデータを生成し、この情報をコントローラー100に送信する。必要に応じて、センサー132は、装置10及び/又は周囲環境によって発生する可聴ノイズに相関するデータを生成することができ、この情報をコントローラー100に提供することができる。リモートコンピューティングデバイス106によって識別されるイベントは、フィルター(すなわち、プレモーターフィルター68又はポストモーターフィルター)の詰まり、フィルター(すなわち、プレモーターフィルター68又はポストモーターフィルター)がないこと、基部14に接触する表面のタイプ、又は、乳児の泣き声、呼び鈴の音、ペットの吠え声、若しくは電話の着信等の環境イベントとすることができる。フィルターが詰まっている又はフィルターが存在しないというイベントに際して、装置10の動作における変化は、吸引力が低下した状態で或る領域を誤って洗浄することを回避するために、フィルターが洗浄又は交換されるまで、装置10の電源をオフにすることとすることができる。床タイプが識別されるか又は新しい床タイプになるイベントに際して、装置10の動作における変化は、床タイプに応じた洗浄流体の流量又はブラシロールの速度の調整とすることができる。乳児の泣き声、呼び鈴の音、ペットの吠え声、又は電話の着信のイベントに際して、装置10の動作における変化は、環境イベントの音が装置10の動作ノイズによって妨げられないように装置10の電源をオフにすることとすることができる。ユーザーには、ユーザーインターフェース32を介して、又はポータブル電子デバイス上に構成されたアプリケーションを介して、イベントを通知することができる。様々な音響センサー132が可能である。必要に応じて、音響センサー132は、マイクロホンである。音響センサー132の1つの実施形態の更なる詳細は、以下に提示される(
図14を参照)。
【0060】
使用センサー134は、装置10の使用又は動作時間に関連するデータを生成し、この情報をコントローラー100に送信する。必要に応じて、センサー134は、経過時間に相関するデータを生成し、この情報をコントローラー100に提供することができる。リモートコンピューティングデバイス106によって識別されるイベントは、単一サイクルの動作時間又は耐用寿命にわたる動作時間を含む装置10の動作の継続時間、装置10が動作した日付、及び/又は装置10が動作した時刻とすることができる。装置10の動作における変化は、予防保全若しくは他のサービスが必要である、及び/又は保全若しくはサービスが行われるまで装置10の電源をオフにすることをユーザーに通知することとすることができる。1つの実施形態において、通知により、第1の動作時間とすることができる所定の第1のイベントの後にブラシロール60及び/又はフィルター68の洗浄を推奨することができ、通知により、第1の動作時間を超える第2の動作時間とすることができる所定の第2のイベントの後にブラシロール60及び/又はフィルターの交換を推奨することができる。1つの非限定的な例において、第1の動作時間は、10時間とすることができ、すなわち、通知により、総動作時間が10時間になった後、ブラシロール60及び/又はフィルター68の洗浄を推奨することができ、第2の動作時間は、50時間とすることができ、すなわち、通知により、総動作時間が50時間になった後、ブラシロール60、フィルター68の交換を推奨することができる。
【0061】
様々な使用センサー134が可能である。1つの実施形態において、使用センサー134は、真空モーター64に給電されていれば装置10は洗浄に用いられているという仮定のもとで、真空モーター64の動作時間に関連するデータを生成するように構成された真空モーターセンサー回路を備えることができる。
【0062】
1つの方法において、使用センサー134は、真空モーター64の動作時間を監視し、この情報をコントローラー100に送信することができる。必要に応じて、センサー134は、真空モーター64が「オン」の状態での経過時間に相関するデータを生成し、この情報をコントローラー100に提供することができる。真空モーター64がオン又はオフであることは、コントローラー100からの信号を用いて判断される。リモートコンピューティングデバイス106によって識別されるイベントは、単一サイクルの使用時間又は耐用寿命にわたる使用時間を含む真空モーター64の動作の継続時間、すなわち、真空モーター64が「オン」であった長さ、真空モーター64が「オン」であった日付、及び/又は真空モーター64が「オン」であった時刻とすることができる。真空モーター64の使用情報から、単一サイクルの動作時間又は耐用寿命にわたる動作時間を含む装置10の動作の継続時間、装置10が動作した日付、及び/又は装置10が動作した時刻を含む装置10の使用情報を、外挿又は推定することができる。これらのイベントは、予防保全が必要なときを判断するため又は保証目的で、更なる入力として用いることができる。装置10の動作における変化は、予防保全が必要であること(例えば、ユーザーインターフェース32上に通知が表示される)、及び/又は、予防保全が行われるまで装置10の電源をオフにする(すなわち、装置10の電気コンポーネントへの電力供給をオフにする)ことをユーザーに通知することとすることができる。リモートデバイス106は、使用データを用いて、モバイルアプリケーションを通して通知(例えば、更なる製剤(formula)を購入せよとの通知、フィルターを洗浄せよとの通知、ブラシロールを交換せよとの通知等)を送信すべきときを決定することができる。
【0063】
1つの実施形態において、使用センサー134は、装置10の動作モードを更に監視することができる。上記に開示されているように、入力制御部36は、硬質床洗浄モードとカーペット洗浄モードとの間で装置10をサイクルさせることができる。コントローラー100からの出力により、ポンプ78の速度を調整し、選択したモードに応じて所望の流量をもたらす。例えば、硬質床洗浄モードでは、カーペット洗浄モードよりも流量が少ない。1つの非限定的な例において、硬質床洗浄モードでは、流量は、およそ50ml/分であり、カーペット洗浄モードでは、流量は、およそ100ml/分である。コントローラー100からの信号を用いて、ユニットが硬質床洗浄モード又はカーペット洗浄モードになるときを判断する。
【0064】
別の実施形態において、使用センサー134は、ポンプ78に給電されていれば装置10が湿式洗浄に用いられているという仮定のもとで、ポンプ78の動作時間に関連するデータを生成するように構成されたポンプモーターセンサー回路を備えることができる。
【0065】
1つの方法において、使用センサー134は、ポンプ78の動作時間を監視し、この情報をコントローラー100に送信することができる。必要に応じて、センサー134は、ポンプ78が「オン」の状態での経過時間に相関するデータを生成し、この情報をコントローラー100に提供することができる。コントローラー100からの信号を用いて、ポンプ78が給電されているとき及びいずれのデューティサイクル(低流量又は高流量)が用いられているかを判断する。リモートコンピューティングデバイス106によって識別されるイベントは、単一サイクルの使用時間又は耐用寿命にわたる使用時間を含むポンプ78の動作の継続時間、すなわち、ポンプ78が「オン」であった長さ、ポンプ78が「オン」であった日付、及び/又はポンプ78が「オン」であった時刻とすることができる。ポンプ78の使用情報から、単一サイクルの動作時間又は耐用寿命にわたる動作時間を含む装置10の動作の継続時間、装置10が動作した日付、及び/又は装置10が動作した時刻を含む、装置10の使用情報を外挿又は推定することができる。例えば、ポンプ78がオンであった時間の長さを、公称上の仕様流量とともに用いて、単一サイクルの動作時間中及び/又は耐用寿命にわたる動作時間中に使用された洗浄製剤の量を推定する。リモートデバイス106は、使用データを用いて、モバイルアプリケーションを通して通知(例えば、更なる製剤を購入せよとの通知、動作時間あたりの洗浄製剤が極端に多いか又は極端に少ないことの通知等)を送信すべきときを決定することができる。必要に応じて、ポンプ78からの動作データを真空モーター64からの動作データと組み合わせ、装置10の全体的な使用情報を判断することができる。
【0066】
汚れセンサー136は、基部14の正面の表面等の、基部14に接触する表面又は周囲環境における汚れに関連するデータを生成する。必要に応じて、センサー136は、表面における汚れのタイプ又はその汚れの化学組成に相関するデータを生成し、この情報をコントローラー100に提供することができる。リモートコンピューティングデバイス106によって識別されるイベントは、或る特定の汚れタイプ又は汚れタイプにおける変化の検出とすることができる。装置10の動作における変化は、ポンプ78の流量、ブラシモーター80の動作継続時間を含むブラシロール60の撹拌継続時間、及び/又は真空モーター64の動作継続時間の調整とすることができる。ユーザーには、ユーザーインターフェース32を介して、又はポータブル電子デバイス上に構成されたアプリケーションを介して、イベントを通知することができる。
【0067】
様々な汚れセンサー136が可能である。必要に応じて、汚れセンサー136は、近赤外線分光計であり、生成されたデータは、周囲環境の表面から反射した吸収光のスペクトルに相関する。1つの実施形態において、リモートコンピューティングデバイス106は、コントローラー100からの汚れ情報に基づいて汚れのタイプを識別し、識別された汚れに関連する情報をポータブル電子デバイスに送信するように構成される。ポータブル電子デバイス上に構成されたアプリケーションは、識別された汚れのタイプを表示するとともに、汚れを軽減する、すなわち汚れ処理の1つ以上の方法を表示するように構成される。汚れ軽減又は汚れ処理の方法は、識別された汚れタイプに基づいて、また必要に応じて、識別された床タイプ又は他のセンサーデータに基づいて推奨することができる。汚れ軽減又は汚れ処理の方法は、特定の移動パターン、流量、溶液量、溶液濃度、溶液滞留時間、ブラシロール動作時間、抽出時間、又は汚れに適したそれらの任意の組合せを含むことができる。
【0068】
加速度計138は、装置10の加速に関連するデータを生成する。必要に応じて、加速度計138は、装置10及び/又は周囲環境によって発生する振動に相関するデータを生成することができる。リモートコンピューティングデバイス106によって識別されるイベントは、フィルター(すなわち、プレモーターフィルター68又はポストモーターフィルター)の詰まり、フィルター(すなわち、プレモーターフィルター68又はポストモーターフィルター)がないこと、基部14に接触する表面のタイプ、ベルト(すなわち、ブラシロール60とブラシモーター80とを結合するベルト)の破損、ブラシロール60が回転していないこと、又はそれらの任意の組合せとすることができる。フィルターが詰まっている又はフィルターが存在しないというイベントに際して、装置10の動作における変化は、吸引力が低い状態で或る領域を誤って洗浄することを回避するために、フィルターが洗浄又は交換されるまで装置10の電源をオフにすることとすることができる。床タイプが識別されるか又は新しい床タイプになるイベントに際して、装置10の動作における変化は、床タイプに応じた洗浄流体の流量又はブラシロールの速度の調整とすることができる。ベルトの破損又はブラシロール60が回転していないというイベントに際して、装置10の動作における変化は、少なくともブラシモーター80、又は装置10全体の電源をオフにすることとすることができる。ユーザーには、ユーザーインターフェース32を介して、又はポータブル電子デバイス上に構成されたアプリケーションを介して、イベントを通知することができる。様々な加速度計138が可能である。加速度計138の1つの実施形態の更なる詳細は、以下に提示される(
図15を参照)。
【0069】
図4は、基部14のいくつかの内部の詳細を示すように基部14の一部が部分的に切り欠かれた、基部14の正面斜視図である。供給タンク20(
図3)に加えて、流体送出路は、洗浄流体を被洗浄面に適用するための少なくとも1つの出口を有する流体散布器76を備えることができる。1つの実施形態において、流体散布器76は、洗浄流体を被洗浄面に直接、又はブラシロール60にスプレーすることによって間接的に送出するように構成された、基部14上の1つ以上のスプレーチップとすることができる。複数の出口を有するスプレーマニホールド、又は基部14から表面洗浄装置10の正面に外方に洗浄流体をスプレーするように構成されたスプレーノズル等の、流体散布器76の他の実施形態も可能である。
【0070】
流体送出システムは、供給タンク20から流体散布器76への流体の流れを制御するための流量制御システムを更に備えることができる。1つの構成において、流量制御システムは、システムを加圧するポンプ78を備えることができる。トリガー28(
図2)は、トリガー28を押すことによって流体散布器76から流体を送出するように、流量制御システムに動作可能に結合することができる。ポンプ78は、基部14のハウジング内に位置決めすることができ、弁アセンブリ48を介して供給タンク20と流体連通する。必要に応じて、流体供給導管は、ジョイントアセンブリ42の内部に通すことで、供給タンク20をポンプ78に流体接続することができる。1つの例において、ポンプ78は、遠心ポンプとすることができる。別の例において、ポンプ78は、1速、2速、又は可変速を有するソレノイドポンプとすることができる。本明細書において、ポンプ78は、基部14内に位置するように示されているが、他の実施形態において、直立本体12内に位置することができる。
【0071】
流体供給路の別の構成において、ポンプ78をなくすことができ、流量制御システムは、供給タンク20の出口と流体結合した弁を有する重力供給システムを備えることができ、それにより、弁が開放すると、流体が重力下で流体散布器76まで流れる。
【0072】
必要に応じて、洗浄流体を被洗浄面に送出する前に洗浄流体を加熱するヒーター(図示せず)を設けることができる。1つの例において、インラインヒーターを、供給タンク20の下流かつポンプ78の上流又は下流に配置することができる。他のタイプのヒーターも使用することができる。更に別の例において、洗浄流体は、回収システムの吸引源56のためのモーター冷却路からの排気を使用して加熱することができる。
【0073】
ブラシロール60は、基部14における専用のブラシモーター80を備える駆動アセンブリに動作可能に結合し、駆動アセンブリによって駆動することができる。ブラシロール60とブラシモーター80との間の結合は、1つ以上のベルト、ギヤ、シャフト、プーリー、又はそれらの組合せを含むことができる。代替的に、真空モーター64(
図3)は、バキューム吸引とブラシロール回転との双方を提供することができる。
【0074】
図5は、基部14の前方セクションを示す、
図3のセクションVの拡大図である。ブラシロール60は、基部14の前方部分に設け、基部14におけるブラシチャンバー82内に収納することができる。ブラシロール60は、中心回転軸Xの周りで方向Rに回転運動するように位置決めされる。ブラシチャンバー82は、少なくとも一部を吸引ノズル54によって画定することができ、又は基部14の別の構造によって画定することができる。本実施形態では、吸引ノズル54は、ブラシロール60及び被洗浄面から流体及びデブリを抽出するように構成される。
【0075】
干渉ワイパー84は、ブラシチャンバー82の前方部分に取り付けられ、ブラシロール60の回転方向Rによって規定される場合のブラシロール60の前縁部分に接触するように構成され、余分な流体を被洗浄面に達する前にブラシロール60から擦り落とす。スクイージー86が、ブラシロール60及びブラシチャンバー82の後ろで基部ハウジング70に取り付けられ、被洗浄面から残留流体を拭き取ることで、この流体を、吸引ノズル54を介して回収路に引き込むことができ、それにより、被洗浄面上に水分及び条痕のない仕上げを残すように構成される。
【0076】
本例では、ブラシロール60は、硬質表面及び軟質表面の双方に対する使用に好適で、湿式又は軟式バキューム洗浄に好適なハイブリッドブラシロールとすることができる。1つの実施形態において、ブラシロール60は、ダボ60Aと、ダボ60Aから延在する複数のブリストル60Bと、ダボ60A上に設けられ、ブリストル60Bの間に配置されるマイクロファイバー材料60Cとを備える。好適なハイブリッドブラシロールの例は、Xia他に対する米国特許出願公開第2018/0110388号に開示されており、この米国特許出願公開は、引用することによりその全体が本明細書の一部をなす。
【0077】
図4には、床タイプセンサー124及び汚れセンサー136が、基部において概略的に示されている。各センサー124、136の構成、配置、及び数は、
図4の概略図とは変更してもよい。
図6〜
図8は、床タイプセンサー124の1つの実施形態の詳細を示している。図示の床タイプセンサー124は、基部14の下の床面140から反射された超音波信号を検知するように構成された超音波センサー又は超音波トランスデューサーである。超音波床タイプセンサー124は、基部14において、例えば、基部14の底部、すなわち表面に面する部分142に、必要に応じてブラシロール60の後部に設けることができる。超音波床タイプセンサー124は、超音波送信器144及び超音波受信器146を備える。送信器144及び受信器146の一方又は双方は、超音波送受信器を含むことができる。
【0078】
1つの方法において、超音波送信器144は、床面140に向かって超音波信号148を送信し、超音波受信器146は、床タイプに応じてより強く又はより弱くなり得る反射150を受信する。センサー124は、床面140によって反射された音響エネルギーに相関するデータを生成し、この情報をコントローラー100に送信することができる。コントローラー100は、センサーデータを用いて、基部14の下の、すなわち、基部14に接触する床面140のタイプを判断する。必要に応じて、コントローラー100は、基部14に接触する表面140のタイプがカーペットであるか、タイルであるか、又は木材であるかを判断することができる。他の床タイプを検出することもできる。接続コンポーネント104は、床タイプをリモートコンピューティングデバイス106のうちの1つ以上に送信する。リモートコンピューティングデバイス106は、送信された床タイプに基づいて、装置10のイベント及び/又は動作サイクルにおける変化を識別する。例えば、データが、
図7に示されているように、床面140が木材であることを示している場合、リモートコンピューティングデバイス106は、木材洗浄イベントを識別することができ、流量及び/又はブラシロール速度を木材の洗浄のために適切に調整することができる。データが、
図8に示されているように、床面140がカーペットであることを示している場合、リモートコンピューティングデバイス106は、カーペット洗浄イベントを識別することができ、流量及び/又はブラシロール速度をカーペットの洗浄のために適切に調整することができる。
【0079】
1つの実施形態において、受信器146は、アナログ信号をコントローラー100に出力し、コントローラーは、アナログ受信器信号を、0〜1で正規化したデジタル値に変換する。デジタル値が低いほど、受信された反射信号も小さい。通常、より軟質の床タイプ(すなわち、カーペット)では値がより低くなり、より硬質の床タイプ(すなわち、木材、タイル、及びコンクリート)では値がより高くなる。以下の表1は、異なる床タイプ、又は外気及びトランスデューサーが遮断された場合を含む他の条件に対する信号値のいくつかの非限定的な例を列挙している。
【0081】
いくつかの実施形態において、床タイプセンサー124を用いて、基部14が表面に接触していない、例えば、基部14又は装置10全体が表面と接触しないように持ち上がっている場合を判断することができる。必要に応じて、コントローラー100は、基部14が外気に接触しているか否かを判断することができる。例えば、表1は、外気に関連する信号値を示している。データが外気を示している場合、又は別様に基部14が床面に接触していないことを示す場合、リモートコンピューティングデバイス106は、非接触イベントを識別することができ、装置10の動作における変化は、真空モーター64、ポンプ78、及び/又はブラシモーター80、又は装置10全体の電源をオフにすることとすることができる。
【0082】
図9及び
図10は、満タンセンサー120の1つの実施形態の詳細を示している。図示の満タンセンサー120は、回収タンク22に隣接して設けられる赤外線センサーである。赤外線満タンセンサー120は、回収タンク22の外側、例えば、装置10のフレーム18(
図3)に配置される。回収タンク22は、流体回収システムの収集チャンバー154を形成する回収タンク容器152を備えることができる。回収タンク22がフレーム18に取り付けられると、基部14と回収タンク22との間に流体連通が確立される。さらに、図示のように回収タンク22がフレーム18に取り付けられる場合、回収タンク22は、赤外線満タンセンサー120に対向して配置される。
【0083】
赤外線満タンセンサー120は、赤外線ビーム158を放出する赤外線エミッター156と、赤外線を受信する赤外線受信器160とを備え、赤外線エミッター156及び赤外線受信器160のそれぞれは、回収タンク22の外側に配置され、
図10に示されているように、液体が回収タンク22内に存在し、赤外線エミッター156によって放出された赤外線ビーム158を屈折させる場合、赤外線受信器160が赤外線ビーム158を吸収し、タンク22が満タンであることを知らせるように構成される。
図9に示されているように、回収タンク22が満タンではない場合、赤外線ビーム158は屈折せず、赤外線受信器160は、赤外線エミッター156によって放出された赤外線ビーム158を吸収しないため、タンク22が満タンではないことをコントローラー100(
図1及び
図3)に知らせる。必要に応じて、赤外線エミッター156及び受信器160は、ビーム158が回収タンク22の満タンレベルに対応するレベルを通るように、タンク22に対して或る特定の高さに位置決めすることができる。ビーム158の屈折は、液体が満タンレベルにある又は満タンレベルを超えることを示し、ビーム158が屈折しないことは、液体が存在しても満タンレベルを下回ることを示す。
【0084】
赤外線エミッター156及び受信器160は、装置10のフレーム18に配置することができ、赤外線ビーム158は、回収タンク容器152の外面162を通過する。
図9及び
図10は、赤外線エミッター156及び赤外線受信器160は、回収タンク22の異なる側面に位置することができ、液体が回収タンク22内に、場合によっては、満タンレベルに対応する回収タンク22内の或る特定の高さに存在する場合、受信器160がビーム158を吸収するような位置にあることを示している。他の実施形態において、赤外線エミッター156及び赤外線受信器160は、回収タンク22内の液体の存在により、赤外線受信器160に到達する赤外線ビーム158の強度が、赤外線受信器160によって測定可能な量だけ変化するように、様々な他の角度関係で配置することができる。
【0085】
1つの方法において、赤外線エミッター156は、回収タンク容器152の外面162を通して赤外線ビーム158を放出し、赤外線受信器160に到達する赤外線ビーム158の強度を測定する。センサー120は、この情報をコントローラー100(
図1及び
図3)に送信することができる。測定された反射強度に基づいて、コントローラー100は、流体が回収タンク22内の所定のレベルに存在するか、すなわち、回収タンク22が満タンであるか否かを判断することができる。接続コンポーネント104は、この情報をリモートコンピューティングデバイス106のうちの1つ以上に送信する。リモートコンピューティングデバイス106は、回収タンク22が満タンであるか否かに基づいて、装置10のイベント及び/又は動作サイクルにおける変化を識別する。例えば、データが、回収タンク22が満タンであることを示す場合、リモートコンピューティングデバイス106によって識別されるイベントは、回収タンク22内の流体の体積が回収タンク22内の所定の容量又はレベルを超えることとすることができる。装置10の動作における変化は、回収タンク22の中身が排出されるまで、装置10の電源をオフにする(すなわち、装置10の電気コンポーネントへの電力供給をオフにする)こととすることができる。リモートデバイス106は、必要に応じて、センサーデータを用いて、洗浄イベント中に回収タンク22の中身が排出された回数を求めることができる。
【0086】
必要に応じて、赤外線センサーは、濁度センサー122としても機能する。換言すれば、回収タンク22が満タンであるか否かを検知する機能と、回収タンク22に収集された液体の汚れ具合を検知する機能とが、別個のセンサーによって実行されるのではなく1つのセンサーに統合される。他の実施形態において、別個の満タンセンサー120及び濁度センサー122が設けられる。更に他の実施形態において、濁度センサー122を備えずに、満タンセンサー120が装置10に設けられる。更に他の実施形態において、満タンセンサー120を備えずに、濁度センサー122が装置に設けられる。
【0087】
濁度を感知する1つの特定の実施形態において、赤外線エミッター156は、赤外発光デバイスとすることができ、赤外線受信器160は、フォトダイオードとすることができ、生成されるデータは、吸収された赤外線信号の強度の測定値を含むことができる。1つの方法において、赤外線エミッター156は、回収タンク容器152の外面162を通して赤外線ビーム158を放出し、赤外線受信器160に到達する赤外線ビーム158の強度が測定される。センサー120は、この情報をコントローラー100(
図1及び
図3)に送信することができる。コントローラー100は、測定された反射強度に基づいて、回収タンク22内に存在する液体の濁度を求めることができる。濁度は、回収タンク22が清浄な水で満たされている場合の反射強度と、汚れた水の様々なレベルにおいて検出される様々な反射強度との比に基づいて推定することができる。接続コンポーネント104は、この情報をリモートコンピューティングデバイス106のうちの1つ以上に送信する。リモートコンピューティングデバイス106は、濁度、すなわち、収集された液体の汚れ具合に基づいて、装置10のイベント及び/又は動作サイクルにおける変化を識別する。例えば、データが、回収タンク22内の液体が非常に汚れていることを示す場合、リモートコンピューティングデバイス106によって識別されるイベントは、床面汚れイベントとすることができる。装置10の動作における変化は、汚れた床を効果的に洗浄するために、洗浄流体の流量を増大させ、及び/又はブラシロールの速度を増大させることとすることができる。
【0088】
1つの実施形態において、濁度センサー122からのデータを用いて、流量及び製剤混合率を動的に調整することができる。例えば、装置10は、1つの供給タンク20の代わりに、清浄水タンクと、濃縮化学製剤を含む別個のタンクとを備えることができる。コントローラー100は、回収タンク22内の汚れた水の濁度レベルに基づいて、清浄水の所与の体積流と混合される化学製剤の量を調整することができる。濁度が高い場合、より高い比率の化学製剤を用いて、よりよい洗浄を行うことができる。
【0089】
図11は、ポンプ圧力センサー126の1つの実施形態の詳細を示している。ポンプ78は、入口管路164によって、供給タンク20、より詳細には弁アセンブリ48に接続される。圧力センサー126は、流体送出システムの流体送出路に結合することができ、ポンプ78の出口圧力を示すデータを生成するように構成することができる。例えば、圧力センサー126は、T形結線166を介してポンプ78の出口管路168に接続することができ、そこで、圧力センサー126は、差圧又はゲージ圧力に相関するデータを生成することができる。このようにして、圧力センサー126は、コントローラー100が供給タンク20内に流体がないことを判断するのに用いるデータを生成することができる。供給タンク20内に流体が存在する場合、ポンプ出口圧力は高くなり、圧力センサー126は、高いポンプ出口圧力に相関するデータを生成することができる。供給タンク20が空である場合、ポンプ出口圧力は低くなり、圧力センサー126は、低いポンプ出口圧力に相関するデータを生成することができる。必要に応じて、供給タンク20が空に近い場合、すなわち、所定の低レベルに達する場合、圧力センサー126は、低いポンプ出口圧力に相関するデータを生成することができる。
【0090】
1つの方法において、圧力センサー126を用いて、供給タンク20の液体レベルを監視することができる。圧力センサー126は、ポンプ出口圧力に相関するデータを生成し、この情報をコントローラー100に送信する。必要に応じて、生成されたデータは、ポンプ78の出口圧力を示す差圧又はゲージ圧力に相関する。接続コンポーネント104は、圧力センサーデータをリモートコンピューティングデバイス106のうちの1つ以上に送信する。リモートコンピューティングデバイス106によって識別されるイベントは、供給タンク20内に流体が存在しないこと、すなわち空供給タンクイベントとすることができる。装置10の動作における変化は、洗浄流体なしで或る領域を誤って洗浄することを回避するために、供給タンク20が補充されるまで、装置10の電源をオフにする(すなわち、装置10の電気コンポーネントへの電力供給をオフにする)こととすることができる。リモートデバイス106は、必要に応じて、センサーデータを用いて、洗浄イベント中に供給タンク20が補充された回数を求めることができる。
【0091】
図12は、回収システム又はフィルター状態センサー128の1つの実施形態の詳細を示している。図示のフィルター状態センサー128は、装置10の回収路内の圧力を検知するように構成された圧力トランスデューサーである。フィルター状態センサー128は、回収システムの回収路に結合することができ、回収路内の圧力を示すデータを生成するように構成することができる。例えば、フィルター状態センサー128は、T形結線170を介して、吸引ノズル54を回収タンク22に流体結合する管路172に接続することができる。この場所では、センサー128は、回収タンク22、フィルター68、又は真空モーター64における条件の変化に起因した圧力変化を検出することができる。他の実施形態において、フィルター状態センサー128は、回収タンク22の空気出口とフィルター68との間の空気経路174の一部、又はフィルター68と真空モーター64との間の空気経路176の一部に結合することができる。
【0092】
1つの方法において、フィルター状態センサー128は、装置10の回収路内の圧力を監視することができる。圧力トランスデューサーとすることができるフィルター状態センサー128は、回収路内の圧力に相関するデータを生成し、この情報をコントローラー100に送信する。接続コンポーネント104は、フィルター状態センサーデータをリモートコンピューティングデバイス106のうちの1つ以上に送信する。リモートコンピューティングデバイス106によって識別されるイベントは、真空モーター64の動作ステータス(すなわち、真空モーター64が「オン」であるか又は「オフ」であるか)、空気フィルター68の存在、回収タンク22の存在、及び空気フィルター68を通る空気流量とすることができる。必要に応じて、フィルター68を通る空気流量は、フィルター68が「清浄」であるか「詰まり」があるかという観点で識別することができる。別の選択肢として、フィルター68を通る空気流量は、フィルター68を通る空気流の阻止されるパーセンテージとして識別することができる。装置10の動作における変化は、フィルター68が洗浄若しくは交換されるか、又は回収タンク22が交換されるまで、装置10の電源をオフにする(すなわち、装置10の電気コンポーネントへの電力供給をオフにする)こととすることができる。ユーザーには、ユーザーインターフェース32を介して、又はポータブル電子デバイス上に構成されたアプリケーションを介して、例えば、フィルター68が存在しない若しくは詰まっていることを示すライトを点灯するか、又はフィルター68の目詰まりパーセンテージを表示することによって、イベントを通知することができる。
【0093】
1つの実施形態において、フィルター状態センサー128は、回収路内の圧力に比例するアナログ電圧信号をコントローラー100に出力する。コントローラーは、アナログ電圧信号を、0〜1で正規化したデジタル値に変換する。デジタル値が低いほど、回収路内の圧力も低くなる。通常、フィルター68又は回収タンク22が回収路に存在しない、すなわち、装置10から取り外されている場合、より低い値(例えば、0.1未満)になる。異なるレベルのフィルター詰まりにより、中間範囲の値(例えば、0.1〜0.5)になる。高レベルのフィルター詰まり(例えば、フィルター68の目詰まりが75%を超える)、又は回収タンク22の空気出口が詰まっている、例えば、回収タンク22が満タンである場合に生じる、回収タンク22内の遮断フロートが空気出口を閉鎖する場合、より高い値(例えば、0.5超)になる。以下の表2は、回収路における異なる圧力条件に対する信号値のいくつかの非限定的な例を列挙している。
【0095】
図13は、ホイール回転センサー130の1つの実施形態の詳細を示している。ホイール回転センサー130は、ホイール72、74(
図3)のうちの一方の回転を検知するように構成され、ホイールの回転数に相関するデータを生成することができる。
図13において、ホイールは、後部ホイール72のうちの1つとして示されているが、センサー130の構成、配置、及び数は、
図13の概略図とは変更することができ、装置10のホイール72、74のうちのいずれも、ホイール回転センサー130を備えることができることが理解される。
【0096】
図示のホイール回転センサー130は、ホール効果センサー178であり、ホイール72は、磁石180を備える。ホール効果センサー178は、ホイール72に隣接して配置され、ホイール72が回転する際に静止状態を保つ、基部14の一部に取り付けることができる。ホイール72における磁石180は、ホール効果センサー178においてパルス信号を生成する。計数したパルスと、ホイール72の円周とを用いて、洗浄中の移動距離を求める。
【0097】
1つの方法において、ホイール回転センサー130は、ホイール72の回転を監視することができる。ホイール回転センサー130は、ホイール72の回転に関連するデータを生成し、この情報をコントローラー100(
図1及び
図3)に送信する。必要に応じて、センサー130は、ホイール72の回転数に相関するデータを生成し、この情報をコントローラー100に提供することができる。コントローラー100は、ホイール回転センサー130からの出力信号を受信し、この情報を用いて、洗浄中の移動距離を求める。求められた距離は、実際の距離とすることも推定距離とすることもできる。接続コンポーネント104は、この移動距離をリモートコンピューティングデバイス106のうちの1つ以上に送信する。リモートコンピューティングデバイス106によって識別されるイベントは、洗浄距離、洗浄面積、及び/又はホイール72の毎分回転数が求められることとすることができる。これらのイベントは、予防保全が必要なときを判断するため又は保証目的で、更なる入力として用いることができる。装置10の動作における変化は、予防保全が必要であること(例えば、ユーザーインターフェース32上に通知が表示される)、及び/又は、予防保全が行われるまで装置10の電源をオフにする(すなわち、装置10の電気コンポーネントへの電力供給をオフにする)ことをユーザーに通知することとすることができる。リモートデバイス106は、使用データを用いて、モバイルアプリケーションを通して通知(例えば、更なる製剤を購入せよとの通知、フィルターを洗浄せよとの通知、ブラシロールを交換せよとの通知等)を送信すべきときを決定することができる。
【0098】
1つの実施形態において、以下の式を用いることで、洗浄経路の幅(W)及び平均ストローク重複率(O)を用いて推定距離(D)を洗浄面積(A)に変換することができる。
A=D×W×O
【0099】
例えば、平均洗浄ストロークが別の洗浄ストロークと25%重複する場合、Oの値は、0.25とすることができる。
【0100】
図14は、音響センサー132を用いて、装置又は周囲環境によって発生する可聴ノイズを検出するシステムの1つの実施形態を示している。図示の音響センサー132は、マイクロホンである。マイクロホン132は、装置10(
図2)の直立本体12上又は装置10の別の場所に設けることができる。
【0101】
1つの方法において、マイクロホン132は、可聴ノイズを記録する。マイクロホン132は、装置10及び/又は周囲環境200によって発生する可聴ノイズに相関するデータを生成することができ、この情報をコントローラー100に提供する。コントローラー100及び/又はリモートデバイス106は、フィルター68の詰まり、フィルター68がないこと、ベルト(すなわち、ブラシロール60とブラシモーター80とを結合するベルト)の破損、又はブラシロール60が回転していない若しくは動かなくなっていること等の、異なる状況に相関する音響振動のパターンを認識することによって、及び/又は、基部14に接触している表面のタイプ(すなわち、カーペット202又は木材204)、又は乳児の泣き声206、呼び鈴の音208、ペットの吠え声210、若しくは電話の着信212等の背景イベント等の周囲環境200に関する情報を認識するために、データを分析する。接続コンポーネント104は、可聴ノイズデータをリモートコンピューティングデバイス106のうちの1つ以上に送信する。リモートコンピューティングデバイス106は、送信された可聴ノイズデータに基づいて、装置10のイベント又は動作サイクルにおける変化を識別する。例えば、データが、床面140が木材であることを示す場合、リモートコンピューティングデバイス106は、木材洗浄イベントを識別することができ、流量及び/又はブラシロール速度を木材の洗浄のために適切に調整することができる。乳児の泣き声のイベントに際して、装置10の動作における変化は、乳児の声が装置10の動作ノイズによって妨げられないように、装置10の電源をオフにすることとすることができる。
【0102】
図15は、加速度計138の1つの実施形態を示す、
図1のシステムの概略図である。加速度計は、音響センサー132に加えて又は音響センサー132の代わりに用いて、装置10及び/又は周囲環境200に関する情報を検出することができる。加速度計138は、可聴ノイズを記録する代わりに、装置10又は周囲環境200によって発生する振動を測定する。加速度計138は、装置10の直立本体12(
図2)上又は装置10の別の場所に設けることができる。
【0103】
1つの方法において、加速度計138は、振動を測定する。加速度計138は、装置10及び/又は周囲環境200によって発生する振動に相関するデータを生成することができ、この情報をコントローラー100に提供する。コントローラー100及び/又はリモートデバイス106は、フィルター68の詰まり、フィルター68がないこと、ベルト(すなわち、ブラシロール60とブラシモーター80とを結合するベルト)の破損、又はブラシロール60が回転していない若しくは動かなくなっていること等の、異なる状況に相関する音響振動のパターンを認識することによって、及び/又は、基部14に接触している表面のタイプ(すなわち、カーペット202又は木材204)、又はそれらの任意の組合せ等の周囲環境200に関する情報を認識するために、データを分析する。接続コンポーネント104は、振動データをリモートコンピューティングデバイス106のうちの1つ以上に送信する。リモートコンピューティングデバイス106は、送信された振動データに基づいて、装置10のイベント又は動作サイクルにおける変化を識別する。例えば、データが、ブラシロールが動かなくなっていることを示す場合、装置10の動作における変化は、少なくともブラシモーター80、又は装置10全体の電源をオフにすることとすることができる。ブラシロールのメンテナンスが必要であることは、例えば、ユーザーインターフェース32上に通知を表示することで、ユーザーに通知される。
【0104】
以下の表3は、装置10及びリモートデバイス106におけるイベント及びその結果生じる変化のいくつかの非限定的な例を列挙している。イベントリストは、マイクロホン132及び/又は加速度計138からのデータに基づいて判断することができる。
【0106】
図14及び
図15の方法を用いて、システムは、装置10又は周囲環境における複数のイベントを受動的に検出及び認識することができる。さらに、装置10におけるマイクロホン132又は加速度計138を用いるシステムを実現することで、比較的低コストかつ小サイズであるとともに、電力消費が低く、高い信頼性を有するようになる。
【0107】
ここまでの図は、本発明の態様及び実施形態を、直立デバイスを含む洗浄装置に関して示しているが、数多くの変形形態が可能であり、それにより、コントローラー100、1つ以上のセンサー102、及び接続コンポーネント104は、実質的に任意のタイプの床面洗浄装置に組み込まれるように構成することができることが理解される。本発明によれば、床面洗浄装置は、被洗浄面の洗浄、処理、又は消毒が可能な任意の装置とすることができる。床面洗浄装置は、限定はしないが、多面バキュームクリーナー、自律式床面洗浄機、無人スポット洗浄装置若しくはディープクリーナー、直立ディープクリーナー若しくは抽出機、手持ち式抽出機、バキュームクリーナー、スイーパー、モップ、スチーマー、超音波放射消毒デバイス、処理剤散布デバイス、及びそれらの組合せのうちの任意のものを含むことができる。
図16は、システムを、少なくとも、多面バキュームクリーナー10、自律式床面洗浄機10A、無人スポット洗浄装置若しくはディープクリーナー10B、直立ディープクリーナー若しくは抽出機10C、又は手持ち式抽出機10Dを含む複数の表面洗浄装置とともに用いることができる1つの実施形態を示している。これらの床面洗浄機10〜10Dの非限定的な例は、Xia他に対する米国特許第10,092,155号に開示されているような多面バキュームクリーナー、Scholten他に対する米国特許出願公開第2018/0078106号に開示されているような自律式又はロボット式バキュームクリーナー、Miner他に対する米国特許第7,228,589号に開示されている無人抽出クリーナー、Moyher Jr.他に対する米国特許第9,474,424号に開示されているポータブル抽出クリーナー、Kasper他に対する米国特許第6,131,237号に開示されている直立抽出クリーナー、及びBloemendaal他に対する米国特許出願公開第2018/0116476号に開示されている手持ち式抽出機を含み、これらの特許文献の全ては、引用することによりその全体が本明細書の一部をなす。
【0108】
図17及び
図18は、システムを、少なくとも1つの無人又はユーザー操作型床面洗浄機10と、少なくとも1つの無人自律式床面洗浄機又はロボット10Aとを含む複数の表面洗浄装置とともに用いることができる一実施形態を示している。床面洗浄機10、10Aは、マッピング及び/又はナビゲーション情報等の情報を共有するように構成される。システムは、洗浄経路を記録する手動床面洗浄機10と、その後、記録された洗浄経路を実行するロボット10Aとによる模倣プロトコル(mimic protocol)を用いることができる。1つの実施形態において、リモートコンピューティングデバイス106は、手動床面洗浄機10の辿る洗浄経路を記憶し、その洗浄経路をロボット10Aに転送するように構成される。後続の動作サイクル中、ロボット10Aは、洗浄経路を通過する。記録された洗浄経路の使用は、ロボット10Aの自律式ナビゲーション/マッピングシステムに依拠する場合に優る改良点となり得る。なぜなら、記録された洗浄経路により、以前洗浄した領域を引き返さないように制限しながら、部屋の洗浄を完了することを確実にすることができるためである。これにより、ロボット10Aのバッテリー寿命も節約することができる。
【0109】
1つの実施形態において、リモートコンピューティングデバイス106は、洗浄距離、洗浄面積、及び/又はホイール74の毎分回転数に基づいて、手動床面洗浄機10の洗浄経路を記憶するように構成される。そのような情報は、例えば、上述したホイール回転センサー130に基づいて求めることができる。リモートコンピューティングデバイス106は、洗浄経路をロボット10Aに転送することができ、ロボット10Aは、後続の動作サイクル中、その洗浄経路を通っていくことができる。
【0110】
図18を参照すると、第1の床面洗浄機又は手動床面洗浄機10は、コントローラー100、1つ以上のセンサー102、及び接続コンポーネント104を含む、
図1〜
図15に関して上述したコンポーネントを備えることができる。コントローラー100は、手動床面洗浄機が移動した洗浄経路に相関する1つ以上のセンサー102によって提供されるデータを収集するように構成され、接続コンポーネント104は、データを、ネットワークデバイス108、モバイルデバイス110、及び/又はクラウドコンピューティング/記憶デバイス112等の1つ以上のリモートコンピューティングデバイス106に送信するように構成される。
【0111】
第2の床面洗浄機又は自律式床面洗浄機10Aは、少なくとも、ユーザーインターフェース32Aと、メモリ116A及びプロセッサ118Aを備えるコントローラー100Aと、1つ以上のセンサー102Aと、接続コンポーネント104Aとを含む、手動床面洗浄機10と同じコンポーネントのうちの少なくともいくつかを備えることができる。コントローラー100Aは、リモートコンピューティングデバイス106によって提供される、手動床面洗浄機10が移動した洗浄経路に相関するデータを受信するように構成される。ロボット10Aは、自律可動ユニット又はハウジングにおいて更なるシステム及びコンポーネントを備えることができる。これには、被洗浄面から塵(埃、毛髪、及び他のデブリを含む)を除去するように作用空気流を発生させ、ロボット10Aにおける収集空間内に塵を保管するバキューム収集システム、ロボット10Aを被洗浄面にわたって自律的に移動させる駆動システム、バキュームクリーナーの被洗浄面にわたる移動をガイドするナビゲーションシステム、被洗浄面のマップを生成及び記憶し、ステータス又は他の環境変数情報を記録するマッピングシステム、及び/又はロボット10Aに保管された処理剤を被洗浄面に塗布する吐出システムのコンポーネントが含まれる。自律式又はロボット式バキュームクリーナーの例は、Scholten他に対する米国特許出願公開第2018/0078106号、及びHuffman他に対する米国特許第7,320,149号に開示されており、上記特許文献の双方は、引用することによりその全体が本明細書の一部をなす。
【0112】
手動バキュームクリーナー10のホイール72におけるシャフトエンコーダーとすることができるホイール回転センサー130は、移動距離を測定する。各ホイール72に1つずつを含む、複数のシャフトエンコーダーを用いることができる。この測定値は、コントローラー100への入力として提供することができ、この入力は、角度位置データを、手動バキュームクリーナー10の記録された洗浄経路に変換することができる。手動洗浄経路は、ロボット10Aが洗浄経路を辿るための命令へと書き換えられる。この書換えは、コントローラー100、リモートデバイス106、又はロボット10Aのドッキングステーション(すなわちドッキングステーション240、
図19)によって実行することができる。ロボット10Aのために書き換えられた洗浄経路は、手動バキュームクリーナー10によって記録された洗浄経路と同じ洗浄経路又は実質的に同一の洗浄経路に沿ったロボット10Aの移動をガイドする一連のナビゲーション命令又は指示を含むことができる。例えば、ロボット10Aのために書き換えられた洗浄経路は、前方移動、後方移動、左右回転、ホイール回転数、回転角度、及び停止の命令(すなわち、ホイール10回転分の前進、90度左回転、ホイール8回転分の前進、30度左回転等)を含むことができる。以下の表4は、手動バキュームクリーナー10のホイール回転センサー130から収集された角度データを、ロボット10Aが洗浄経路を辿るための距離命令に書き換えることができる方法の非限定的な例を列挙している。
【0114】
図17は、システムを用いる1つの方法を示している。本方法は、床面230をバキューム洗浄するための手動バキュームクリーナー10の動作とともに開始することができる。例えば、バキュームクリーナー10は、位置234Aにおいて開始し、位置234Bにおいて終了する、床面230上の洗浄経路232を通っていき、記録することができる。必要に応じて、記録された洗浄経路232は、ホイールのうちの1つ以上の回転に関連するホイール回転センサー130(
図18)からのデータ等、洗浄経路232に相関するセンサーデータを含むことができる。
【0115】
必要に応じてセンサーデータの形態である記録された洗浄経路232は、手動バキュームクリーナー10からリモートデバイス106に転送される。必要に応じて、洗浄経路232に相関するセンサーデータが提供される場合、リモートコンピューティングデバイス106は、ホイールセンサー130によって検知された洗浄距離、洗浄面積、及び/又はRPMを求めることができる。
【0116】
記録された洗浄経路232は、ロボット10Aが洗浄経路を辿るための命令に書き換えることができる。この書換えは、コントローラー100、リモートデバイス106、又はロボット10Aのドッキングステーション(すなわちドッキングステーション240、
図19)によって実行することができる。
【0117】
リモートデバイス106は、洗浄経路をロボット10Aに転送する。その後、ロボット10Aは、位置234Aにおいて開始し、位置234Bにおいて終了する、床面230上の同じ洗浄経路232を通っていく。他の実施形態において、ロボット10Aは、第1の経路232に基づくが、開始位置、終了位置、及び/又は経路232に沿った1つ以上の途中点に関して異なる経路を通っていくことができる。
【0118】
図19に示されているように、いくつかの実施形態において、床面洗浄機10、10Aは、クリーナーの充電又は別様なクリーナーのサービスのために共通のドッキングステーション240を共有することができる。1つの例において、ドッキングステーション240は、AC電源コンセント等の家庭用電源に接続することができ、各床面洗浄機10、10Aに内蔵された電源の充電のためにAC電圧をDC電圧に変換するコンバーターを備えることができる。ドッキングステーション240は、手動床面洗浄機10を充電する第1のドック242と、ロボット10Aを充電する第2のドック244とを備える。各ドックには、床面洗浄機10、10Aにおける対応する充電接点に適合する充電接点を設けることができる。ドッキングステーション240は、クリーナーのステータスを監視し、自動ドッキング機能を可能にし、各床面洗浄機10、10Aと通信するための様々なセンサー及びエミッター(図示せず)と、ネットワーク及び/又はBluetooth
(登録商標)接続のための機構とを備えることもできる。
【0119】
バキュームクリーナー10及びロボット10Aは、デバイス間で共通の充電及び通信を容易にするために、ドッキングステーション240にともにドッキングすることができる。バキュームクリーナー10及びロボット10Aのバッテリーは、同時に充電するか、又は電力の節約のために一度に1つずつ充電することができる。バキュームクリーナー10及びロボット10Aは、ドッキングステーション240にドッキングされると、有線接続によって通信することができる。代替的に、バキュームクリーナー10及びロボット10Aは、ドッキングされていてもドッキングされていなくても、無線で通信することができる。
【0120】
1つの実施形態において、1つ以上のリモートコンピューティングデバイス106(
図18)をドッキングステーション240に統合することができる。バキュームクリーナー10及びロボット10Aは、ドッキングされたとき又はドッキングステーション240から分離されたときに、データをドッキングステーション240に送信することができる。
【0121】
図19は、システム及び共通のドッキングステーション240を用いる方法も示している。この方法は、床面246をバキューム洗浄する手動バキュームクリーナー10の動作とともに開始することができる。例えば、バキュームクリーナー10は、位置250Aにおいて開始し、位置250Bにおいて終了する、床面246上の第1の経路248を通っていくことができる。本明細書に示されているように、開始位置及び終了位置の双方は、ドッキングステーション240、場合によっては第1のドック242にあるが、他の実施形態において、開始位置250A及び終了位置250Bは、異なる開始位置及び終了位置を有することを含め、他の場所であってもよい。必要に応じて、記録された洗浄経路248は、ホイールのうちの1つ以上の回転に関連するホイール回転センサー130(
図18)からのデータ等の、洗浄経路248に相関するセンサーデータを含むことができる。
【0122】
必要に応じてセンサーデータの形態である記録された洗浄経路248は、手動バキュームクリーナー10からリモートデバイス106(
図18)に転送される。必要に応じて、洗浄経路248に相関するセンサーデータが提供される場合、リモートコンピューティングデバイス106は、ホイールセンサー130によって検知された洗浄距離、洗浄面積、及び/又はRPMを求めることができる。
【0123】
記録された洗浄経路248は、ロボット10Aが洗浄経路252を辿るための命令に書き換えることができる。この書換えは、コントローラー100、リモートデバイス106、又はドッキングステーション240によって実行することができる。
【0124】
リモートデバイス106は、洗浄経路252をロボット10Aに転送する。その後、ロボット10Aは、位置254Aにおいて開始し、位置254Bにおいて終了する、床面246上の転送された経路252を通っていく。本明細書に示されているように、開始位置254A及び終了位置254Bの双方は、ドッキングステーション240、場合によっては第2のドック244にあるが、他の実施形態において、開始位置254A及び終了位置254Bは、異なる開始位置及び終了位置を有することを含め、他の場所であってもよい。図示のように、転送された、ロボット10Aが移動した経路252は、手動バキュームクリーナー10によって記録された手動経路248と同一ではない場合がある。むしろ、転送された経路252は、ロボット10を、洗浄経路においてドッキングステーション240に近接する点256に駆動するように計算することができ、それにより、バッテリー寿命を節約することができる。同様に、転送された経路252は、ロボット10がドッキングステーション240に戻る点258において手動洗浄経路248から外れることができる。他の実施形態において、転送された経路252は、記録された経路248に沿った1つ以上の途中点において記録された経路248とは異なる場合がある。
【0125】
図20に示されているように、いくつかの実施形態において、手動バキュームクリーナー10は、複数の洗浄経路を記録及び記憶することができる。各洗浄経路は、固有の経路識別子のもとで記録することができる。本明細書に示されているように、固有の経路識別子は、部屋A、部屋B、部屋C、部屋D、部屋E等とすることができるが、記録された洗浄経路は、実際には、部屋全体に満たない部分の洗浄、1部屋を超える洗浄、又は他の領域単位に相当する場合があることが理解される。洗浄経路A〜Eの開始位置及び終了位置は、ドッキングステーション240にあるように示されている。他の記録された洗浄経路は、異なる開始位置及び終了位置を有することを含め、他の場所に開始位置及び終了位置を有してもよい。
【0126】
図21は、手動バキュームクリーナー10を制御するユーザーインターフェースディスプレイ260を示している。ユーザーインターフェースディスプレイ260は、手動バキュームクリーナー10において、例えば、ユーザーインターフェース(UI)32に、又はモバイルデバイス110若しくは別の遠隔ユーザー端末等における別の入力デバイスに設けることができる。
【0127】
ディスプレイ260は、動作に影響を与えるとともに動作を制御するために、手動バキュームクリーナー10内のシステムに動作可能に接続された様々な入力制御部を有する、LEDマトリックスディスプレイ又はタッチスクリーンとして実現することができる。代替的に、ディスプレイ260は、手動バキュームクリーナー10の動作に関連する制御コマンドを受信する別個の非タッチスクリーン入力ユニットが設けられた、様々な情報を視覚的に表示することが可能な別のデバイスとすることができる。
【0128】
図21は、手動バキュームクリーナー10、モバイルデバイス110、別の遠隔ユーザー端末によって実行されるアプリケーションが、ユーザーによって選択された洗浄モードを受信し、ユーザーによって選択された経路識別子を受信し、洗浄経路を記録し、経路識別子とともに記録された洗浄経路を保存する方法も示している。
図21によれば、ユーザーインターフェースディスプレイ260が起動されると、アプリケーションは、ディスプレイ260上に、メインスクリーン又はホームスクリーンとすることができる第1のスクリーンAを実行することができる。第1のスクリーンAは、オン/オフ制御部262、高/低制御部264、ブラシオン/オフ制御部266、及びプログラム制御部268を含む複数のユーザー入力制御部を含む。オン/オフ制御部262は、手動バキュームクリーナー10の1つ以上の電気コンポーネントへの電力供給を制御する電源入力制御部であり、ハンドグリップ26(
図2)上の入力制御部34と同一の機能を果たすことができる。高/低制御部264は、真空モーター64の速度を制御する。高/低制御部264により、モーター速度は、第1の所定の速度(すなわち、高速)、及び第1の所定の速度よりも小さい第2の所定の速度(すなわち、低速)に設定することができる。ブラシオン/オフ制御部266は、ブラシモーター80を制御する。ブラシオン/オフ制御部により、ブラシモーター80は、ブラシロール60が回転するように「オン」にするか、又はブラシロール60が回転しないように「オフ」にすることができる。プログラム制御部268は、手動バキュームクリーナー10のプログラム又は洗浄モードを選択するようにユーザー選択可能な更なる制御部を表示する。
【0129】
プログラム制御部268が選択されると、アプリケーションは、ディスプレイ260上に、乾式洗浄モード制御部270、湿式洗浄モード制御部272、及び終了(exit)制御部274を含むことができる第2のスクリーンBを実行することができる。乾式洗浄モード制御部270を選択すると、真空モーター64がアクティブでポンプ78が非アクティブである乾式洗浄モードにおいて手動バキュームクリーナー10が動作する。湿式洗浄モード制御部272を選択すると、真空モーター64及びポンプ78が双方ともアクティブである湿式洗浄モードで手動バキュームクリーナー10が動作する。湿式洗浄モード制御部272が選択されると、上述したように、流量は、ハンドグリップ26(
図2)上の入力制御部36を用いて制御することができる。終了制御部274を選択すると、第1のスクリーンAに戻る。
【0130】
いずれかのモード制御部270、272が選択されると、アプリケーションは、ディスプレイ260上に、経路制御部276及び追加表示(more)制御部278を含むことができる第3のスクリーンCを実行することができる。経路制御部276は、洗浄経路が記録される経路識別子を含むことができる。追加表示制御部278は、他の経路識別子を有する更なる経路制御部等のユーザー選択可能な更なる制御部を表示する。本明細書に示されている実施形態では、スクリーンB上で乾式洗浄モード制御部270が選択される場合、スクリーンCは、記録される洗浄経路が乾式洗浄モードになることを示すことができる。必要に応じて、選択された洗浄モードは、洗浄経路の一部として保存することができ、ロボット10Aも同じ洗浄モードで実行される。
【0131】
制御部276等の経路制御部が選択されると、アプリケーションは、ディスプレイ260上に、開始制御部280を含むことができる第4のスクリーンDを実行することができる。開始制御部280は、所望の洗浄モード及び経路識別子が選択されると、記録を開始する。本明細書に示されている実施形態では、経路識別子制御部276がスクリーンB上で選択される場合、スクリーンCは、記録される洗浄経路がそれに応じて(すなわち、「部屋A」)識別されることを示すことができる。
【0132】
開始制御部280が選択されると、コントローラー100は、洗浄経路の記録を開始することができる。これには、ホイール回転センサー130からのデータ等のセンサーデータを追跡及び記憶することを含むことができる。記録中、アプリケーションは、ディスプレイ260上に、記録を停止する停止制御部282を含むことができる第5のスクリーンEを実行することができる。
【0133】
停止制御部282が選択されると、コントローラー100は、洗浄経路の記録を停止する。さらに、停止制御部282が選択されると、アプリケーションは、ディスプレイ260上に、保存制御部284を含むことができる第6のスクリーンFを実行することができる。保存制御部284が選択されると、記録された洗浄経路が保存される。これには、限定はしないがホイール回転センサー130を含む、手動バキュームクリーナー10の1つ以上のセンサーからの記録されたデータを保存することを含むことができる。必要に応じて、保存制御部284の選択後、接続コンポーネント104は、保存されたデータをリモートコンピューティングデバイス106のうちの1つ以上に送信し、そのデータは、ロボット10Aが洗浄経路を辿るための命令に書き換えられる。
【0134】
保存制御部284が選択されると、アプリケーションは、ディスプレイ260上に第2のスクリーンBを実行することができ、ユーザーは、第2のスクリーンBを介して、別の洗浄経路を記録するか、又はホームスクリーンAに戻ることを選択することができる。
【0135】
図22は、ロボット10Aを制御するユーザーインターフェースディスプレイ290を示している。ユーザーインターフェースディスプレイ290は、ロボット10Aにおいて、例えば、ユーザーインターフェース(UI)32Aに、又はモバイルデバイス110若しくは別の遠隔ユーザー端末等における別の入力デバイスに設けることができる。
【0136】
ディスプレイ290は、動作に影響を与えるとともに動作を制御するために、ロボット10A内のシステムに動作可能に接続された様々な入力制御部を有する、LEDマトリックスディスプレイ又はタッチスクリーンとして実現することができる。代替的に、ディスプレイ290は、ロボット10Aの動作に関連する制御コマンドを受信する別個の非タッチスクリーン入力ユニットが設けられた、様々な情報を視覚的に表示することが可能な別のデバイスとすることができる。
【0137】
図22は、ロボット10A、モバイルデバイス110、別の遠隔ユーザー端末によって実行されるアプリケーションが、ユーザーによって選択された洗浄モードを受信し、ユーザーによって選択され、手動バキュームクリーナー10によって事前に記録された洗浄経路を受信し、選択された洗浄モードにおいて選択された洗浄経路を自律的に移動する方法も示している。ディスプレイ290上に提示された洗浄経路は、洗浄経路を記録するのに用いられる手動バキュームクリーナー10と同じ経路識別子を用いることができる。
図22によれば、ユーザーインターフェースディスプレイ290が起動されると、アプリケーションは、ディスプレイ290上に、メインスクリーン又はホームスクリーンとすることができる第1のスクリーンAを実行することができる。第1のスクリーンAは、オン/オフ制御部292、自動制御部294、プログラム制御部296、及びその他(other)制御部298を含む複数のユーザー入力制御部を有する。オン/オフ制御部292は、ロボット10Aの1つ以上の電気コンポーネントへの電力供給を制御する電力入力制御部である。自動制御部294は、ロボット10Aが規定の経路を辿らず、ロボット10Aのセンサーからのリアルタイムフィードバックによって通知されるランダム経路に基づいて洗浄を行う自動モードにおいて、ロボット10Aを動作させる。プログラム制御部296は、ロボット10Aのプログラム又は洗浄モードを選択するためにユーザー選択可能な更なる制御部を表示する。その他制御部298は、ユーザー選択可能な更なる制御部を表示する。
【0138】
プログラム制御部296が選択されると、アプリケーションは、ディスプレイ290上に、乾式洗浄モード制御部300、湿式洗浄モード制御部302、及び終了制御部304を含むことができる第2のスクリーンBを実行することができる。乾式洗浄モード制御部300を選択すると、真空モーターがアクティブでポンプが非アクティブである乾式洗浄モードにおいてロボット10Aが動作する。湿式洗浄モード制御部302を選択すると、ロボット10Aの真空モーター及びポンプが双方ともアクティブである湿式洗浄モードでロボット10Aが動作する。終了制御部304を選択すると、第1のスクリーンAに戻る。
【0139】
いずれかのモード制御部300、302が選択されると、アプリケーションは、ディスプレイ290上に、経路制御部306及び追加表示制御部308を含むことができる第3のスクリーンCを実行することができる。経路制御部306は、経路識別子を表示することができる。追加表示制御部308は、他の経路識別子を有する更なる経路制御部等のユーザー選択可能な更なる制御部を表示する。本明細書に示されている実施形態では、スクリーンB上で乾式洗浄モード制御部300が選択される場合、スクリーンCは、選択された洗浄経路が、乾式洗浄モードにおいて実行されることを示すことができる。したがって、ユーザーは、乾式洗浄モード又は湿式洗浄モードにおけるように、事前に記録された洗浄経路を実行するように選択することができる。代替的に、記録された洗浄経路は、洗浄経路の一部として保存された洗浄モードを含むことができ、それにより、ロボット10Aも、洗浄経路を選択すると、自動的に同じ洗浄モードを実行する。
【0140】
制御部306等の経路制御部が選択されると、アプリケーションは、ディスプレイ290上に、開始制御部310を含むことができる第4のスクリーンDを実行することができる。開始制御部310は、所望の経路識別子が選択されると、自動洗浄を開始する。本明細書に示されている実施形態では、経路識別子制御部306がスクリーンB上で選択される場合、スクリーンCは、実行される洗浄経路(すなわち、「部屋A」)の経路識別子を示すことができる。
【0141】
開始制御部310が選択されると、ロボット10Aは、ユーザーによって選択された又は代替的には洗浄経路とともに記録された洗浄モードにおいて、選択された洗浄経路の実行を開始する。ロボット10Aが洗浄経路を完了すると、アプリケーションは、ディスプレイ290上に、ロボット10Aが洗浄経路を完了したことをユーザーに知らせるメッセージ(すなわち、「部屋A完了!」)を含むことができる第5のスクリーンEを実行することができる。テキスト、グラフィック、及び/又は他の形態の視覚的コンテンツを含む他のメッセージをスクリーンE上に表示し、洗浄が完了したことを示すことができる。
【0142】
図23及び
図24は、ユーザーが、手動バキュームクリーナー10を用いて別の洗浄経路を記録し、その後、ロボット10Aを用いて記録された洗浄経路を実行することができる方法の別の実施形態を示している。
図23を参照すると、手動バキュームクリーナー10を用いて別の洗浄経路を記録及び保存するために、スクリーンC上の追加表示制御部278を選択すると、アプリケーションは、手動バキュームクリーナーディスプレイ260上に別のスクリーンC’を実行することができる。スクリーンC’は、他の経路識別子を有する1つ以上の更なる経路制御部276’、276’’(すなわち、「部屋B」及び「部屋C」)を表示することができる。ユーザーは、これらの他の経路制御部276’、276’’のうちの1つを選択し、その後、関連する経路識別子のもとで新たな洗浄経路を記録することができる。
図24を参照すると、新たな洗浄経路を実行するために、スクリーンC上でモード制御部308を選択すると、アプリケーションは、ロボットディスプレイ290上に別のスクリーンC’を実行することができる。スクリーンC’は、他の経路識別子を有する1つ以上の更なる経路制御部306’、306’’(すなわち、「部屋B」及び「部屋C」)を表示することができる。ユーザーは、これらの他の経路制御部306’、306’’のうちの1つを選択し、その後、新たな洗浄経路を実行することができる。
【0143】
図25は、システムを用いる動作方法の別の実施形態を示す概略図である。この実施形態では、手動バキュームクリーナー10は、洗浄経路232を記録するときに床タイプ、汚れ検知/場所、及び他の情報を記録し、この情報をロボット10Aと共有することができる。洗浄経路232を記録する間、手動バキュームクリーナー10は、センサー102(
図1)のうちの1つ以上を用いて床面230に関する情報を検出することができる。例えば、手動バキュームクリーナー10は、床タイプセンサー124を用いて床タイプ(例えば、カーペット、タイル、堅木、リノリウム等)を検出することができ、及び/又は汚れタイプセンサー136を用いて床面230における少なくとも1つの汚れ312を検出することができる。そのような汚れ312は、検出位置234Cにおいて示されている。手動バキュームクリーナー10は、洗浄経路に沿って、汚れ312のサイズ及び/又は形状、並びに汚れ312のタイプ(例えば、食品、ワイン、赤色色素、土、又はペット由来若しくは他の有機汚れ)を記録することができる。
【0144】
リモートコンピューティングデバイス106は、床面230のタイプ及び/又は検出された汚れ312に関する情報を含め、手動床面洗浄機10によって記録された洗浄経路232を記憶し、この情報をロボット10Aに転送することができる。後続の動作サイクル中、ロボット10Aは、洗浄経路を通っていき、必要に応じて位置234Cにおいて停止し、汚れ312を処理することができる。
【0145】
必要に応じて、リモートコンピューティングデバイス106は、手動バキュームクリーナー10のセンサー102のうちの1つ以上からの情報に基づいて、汚れ312に対する汚れ処理サイクルを推奨することができる。汚れ処理サイクルは、床タイプ、汚れのサイズ及び/又は形状、並びに汚れのタイプのうちの任意のものに基づいて推奨することができる。汚れ処理サイクルは、汚れに対して適切な特定の移動パターン、流量、溶液量、溶液濃度、溶液滞留時間、ブラシ動作時間、抽出時間、又はそれらの任意の組合せを含むことができる。ロボット10Aは、汚れ312のところに来ると、デバイス106によって送信された汚れ処理サイクルを実行することができる。
【0146】
代替的に、ロボット10Aは、汚れ及び床面タイプに関する情報を用いて、それに応じて汚れ312を洗浄することができる。例えば、ロボット10Aは、汚れ及び床面のタイプに適切な特定の移動パターン、流量、溶液量、溶液濃度、溶液滞留時間、ブラシ動作時間、抽出時間、又はそれらの任意の組合せを選択することができる。
【0147】
手動バキュームクリーナー10の動作中、手動バキュームクリーナー10は、床面230における2つ以上の汚れを検出又は位置特定する場合がある。
図25に示されている実施形態では、少なくとも1つの更なる汚れ314が検出位置234Dにおいて検知される。システムは、手動バキュームクリーナー10によってログ記録された汚れ312、314のリストを編纂するように構成することができ、ロボット10Aは、書き換えられる洗浄経路の一部として各汚れ312、314を処理するように配備することができる。
【0148】
図26は、システムを、無人スポット洗浄装置又はディープクリーナー10Bを含む表面洗浄装置とともに用いることができる一実施形態を示している。システムは、染み及び汚れをスキャンして識別するのに用いられる汚れ検出デバイス320を更に備えることができる。ディープクリーナー10B及び汚れ検出デバイス320は、汚れ位置及び汚れタイプ等の情報を共有するように構成される。1つの実施形態において、汚れ検出デバイス320は、汚れを検出し、この情報をリモートコンピューティングデバイス106と共有する。リモートコンピューティングデバイス106は、汚れの処理のために汚れ情報をディープクリーナー10Bに転送するように構成される。ディープクリーナー10Bは、自律的に汚れまで移動することができ、ディープクリーナー10Bには、汚れタイプに加えて位置情報も提供することができる。代替的に、ディープクリーナー10Bは、汚れのところに手動で配置されるポータブルデバイスとすることができ、ディープクリーナー10Bには、汚れタイプのみを提供することができる。
【0149】
汚れ位置情報は、ディープクリーナー10Bの場所に対する汚れの場所を求めることができる内部マップ又はアクティブ位置特定システムを用いて求めることができる。マップ位置又は相対座標がディープクリーナー10Bに通信され、汚れまでのナビゲーションを可能にする。
【0150】
1つの実施形態において、汚れ検出デバイス320は、汚れをスキャンして識別するのに用いられる手持ち式分光計である。分光計320からのデータは、リモートコンピューティングデバイス106に送信されて分析される。この分析は、汚れタイプ(例えば、食品、ワイン、赤色色素、土、又はペット由来若しくは他の有機汚れ)の識別を含むことができる。必要に応じて、分光計320は、モバイルデバイス110にデータを送信することができ、モバイルデバイス110は、クラウドコンピューティング/記憶デバイス112にデータを送信することができる。データは、クラウドコンピューティング/記憶デバイス112によって処理及び分析し、汚れ識別情報とともにモバイルデバイス110に返送することができる。
【0151】
分析後、汚れ識別情報は、ディープクリーナー10Bに中継される。汚れ識別情報は、ディープクリーナー10Bのユーザーインターフェース又はモバイルデバイス110等においてユーザーに表示することもできる。ディープクリーナー10Bは、識別された汚れに対する最良の洗浄性能を達成するために、流量、溶液量、溶液濃度、溶液滞留時間、ブラシ動作時間、ブラシ移動パターン、ディープクリーナー移動パターン、抽出時間、又はそれらの任意の組合せ等の、洗浄サイクルの1つ以上の変数を調整することができる。
【0152】
図27は、
図26のシステムにおいて用いることができるディープクリーナー10Bの1つの実施形態の概略図である。ディープクリーナー10Bは、少なくとも、ユーザーインターフェース32Bと、メモリ116B及びプロセッサ118Bを有するコントローラー100Bと、1つ以上のセンサー102Bと、接続コンポーネント104Bとを含む、
図1の表面洗浄装置10と同じコンポーネントのうちの少なくともいくつかを備えることができる。コントローラー100Bは、ディープクリーナー10Bの動作を制御する様々な機能システムに動作可能に結合される。コントローラー100Bは、汚れ検出デバイス320からのデータを含む、リモートコンピューティングデバイス106によって提供されるデータを受信するように構成される。
【0153】
ディープクリーナー10Bは、自律式ディープクリーナー又はディープクリーニングロボットとすることができる。ディープクリーニングロボット10Bは、洗浄流体を保管し、洗浄流体を被洗浄面に送出する流体供給システムのコンポーネントと、被洗浄面から洗浄流体及びデブリを除去し、回収した洗浄流体及びデブリを保管する流体回収システムのコンポーネントと、ディープクリーナー10Bを被洗浄面にわたって自律的に移動させる駆動システムのコンポーネントとを含む、ディープクリーナーの様々な機能システムのコンポーネントを、自律可動ユニット又はハウジング322に取り付ける。可動ユニット322は、システムのコンポーネントに選択的に取り付けることで、ユニット式可動デバイスを形成するように適合された主ハウジングを備えることができる。ディープクリーナー10Bは、上記に援用されたHuffman他に対する米国特許第7,320,149号に記載の自律式ディープクリーナー又はディープクリーニングロボットと同様の特性を有することができる。
【0154】
流体送出システムは、供給される洗浄流体を保管する供給タンク326と、洗浄流体を表面上に散布する供給タンク326と流体連通する流体散布器328とを備えることができる。洗浄流体は、水又はカーペット洗浄若しくは硬質表面洗浄のために特別に調合された洗浄溶液等の液体とすることができる。流体散布器328は、ユニット322のハウジングに設けられる1つ以上のスプレーノズルとすることができる。代替的に、流体散布器328は、複数の出口を有するマニホールドとすることができる。当該技術分野において一般的に既知であるような、タンク326から散布器328への流体の流れを制御するポンプ、洗浄流体を表面に適用する前に加熱するヒーター、又は1つ以上の流体制御弁及び/又は混合弁等の任意選択のコンポーネントの様々な組合せを流体送出システムに組み込むことができる。
【0155】
流体が吐出された被洗浄面を撹拌する少なくとも1つのアジテーター又はブラシ330を設けることができる。ブラシ330は、ユニット322が移動する表面に対して、略鉛直軸の周りに回転するように取り付けることができる。ブラシ330を駆動するために、モーター(図示せず)を備える駆動アセンブリをユニット322内に設けることができる。1つ以上の静止若しくは不動ブラシ、又は略水平軸の周りに回転する1つ以上のブラシを含む、アジテーターの他の実施形態も可能である。
【0156】
流体回収システムは、空気入口及び空気出口を有するユニットを通る抽出経路と、被洗浄面に面し、空気入口を画定するように配置された抽出又は吸引ノズル332と、後に廃棄するために表面から除去された塵及び液体を受け取る回収タンク334と、吸引ノズル332及び回収タンク334と流体連通し、抽出経路を通る作用空気ストリームを発生させる吸引源336とを備えることができる。吸引源336は、空気出口の流体的に上流においてユニット322によって保持される真空モーターとすることができ、抽出経路の一部を画定することができる。回収タンク334も抽出経路の一部を画定することができ、作用空気ストリームから液体を分離する空気/液体分離器を備えることができる。必要に応じて、プレモーターフィルター及び/又はポストモーターフィルター(図示せず)を設けることもできる。
【0157】
駆動システムは、被洗浄面を横切ってユニット322を駆動する駆動ホイール338を備えることができる。駆動ホイール338は、駆動ホイール338に動作可能に結合された共通の駆動モーター又は個別の駆動モーター(図示せず)によって動作することができる。駆動システムは、必要に応じて、汚れ検出デバイス320からの入力に少なくとも部分的に基づいて、コントローラー100Bからの入力を受信し、床面を横切ってユニット322を駆動することができる。駆動ホイール338は、ユニット322を前後に移動させるために、順方向又は逆方向に駆動することができる。さらに、駆動ホイール338は、ユニット322を所望の方向に回転させるために、同時に又は個別に動作することができる。
【0158】
図28は、
図26及び
図27のシステムを用いる動作方法を示す概略図である。この方法は、汚れ検出デバイス320を用いて床面342における汚れ340を検出し、汚れ340からデータを収集することによって開始することができる。汚れデータは、汚れ340の分析及び識別のために、リモートコンピューティングデバイス106に無線で送信される。汚れ識別及び/又は位置に相関する汚れデータは、リモートコンピューティングデバイス106と接続コンポーネント104Bとの間の通信を介してディープクリーナー10Bに無線で送信される。例えば、データは、汚れのタイプ(例えば、食品、ワイン、赤色色素、土、又はペット由来若しくは他の有機汚れ)を含むことができる。別の例において、データは、駆動システムに、ディープクリーナー10Bを床面342にわたって汚れ340の位置まで移動させるように指示する命令を含むことができる。代替的に、ディープクリーナー10Bは、汚れ340のところに手動で配置することができ、その場合、コントローラー100Bは、汚れ位置データを受信しない場合がある。ディープクリーナー10Bは、汚れデータを用いることで、識別された汚れ340の最適な洗浄のための洗浄サイクルを自動的に構成することができる。例えば、ディープクリーナー10Bは、識別された汚れ340に対する最良の洗浄性能を達成するために、散布器328から吐出される溶液の流量、散布器328から吐出される溶液の総量、散布器328から吐出される溶液の濃度、散布器328から吐出される溶液の床面342における滞留時間、ブラシ330の動作時間、ブラシ330の移動パターン、ディープクリーナー10Bの移動パターン、抽出時間(すなわち、吸引源336の動作時間)のうちの1つ以上の変数、又はそれらの任意の組合せを調整することができる。
【0159】
これまでに記載されていない範囲で、本発明の種々の実施形態の異なる特徴及び構造を、所望のように互いに組み合わせて使用することもできるし、別々に使用することもできる。したがって、異なる実施形態の種々の特徴を所望のように混合して、種々のシステム及び床面洗浄機形態に合致させ、明らかに記載されているか否かにかかわらず新たな実施形態を形成することができる。
【0160】
上記の説明は、本開示の包括的な実施形態及び特定の実施形態に関する。しかしながら、均等論を含む特許法の原則に従って解釈される添付の特許請求の範囲に規定される本開示の趣旨及びより広い態様から逸脱することなく、様々な改変及び変更を加えることができる。したがって、本開示は、例示の目的で提示されたものであり、本開示の全ての実施形態の網羅的な記載として、又は、特許請求の範囲の範囲をこれらの実施形態に関して図示若しくは記載された特定の要素に限定するように解釈されるべきでない。単数形での要素への言及、例えば、冠詞「a」、「an」、「the」又は「said」の使用は、要素を単数形に限定するものと解釈されるべきでない。
【0161】
同様に、添付の特許請求の範囲は、詳細な説明に記載された明示的な特定の組成物又は方法に限定されず、添付の特許請求の範囲の範囲内に入る特定の実施形態の間で変動し得ることも理解されるべきである。種々の実施形態の特定の特徴又は態様を記載するために本明細書において依拠されるあらゆるマーカッシュ群に関して、全ての他のマーカッシュ構成要素から独立したそれぞれのマーカッシュ群の各構成要素から、異なる、特別な及び/又は予期しない結果を得ることができる。マーカッシュ群の各構成要素は、個々に又は組合せで依拠することができ、添付の特許請求の範囲の範囲内の特定の実施形態に十分な根拠を与える。
【0162】
本願は、2019年11月6日に出願された米国仮特許出願第62/931,244号の利益を主張し、その米国仮特許出願は、引用することによりその全体が本明細書の一部をなす。