特許第6974597号(P6974597)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6974597
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】平坦なダイを形成する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20211118BHJP
   H01L 25/04 20140101ALI20211118BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20211118BHJP
   H01L 21/52 20060101ALI20211118BHJP
【FI】
   H01L21/68 N
   H01L25/04 Z
   H01L21/52 C
【請求項の数】15
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-511890(P2020-511890)
(86)(22)【出願日】2018年3月12日
(65)【公表番号】特表2020-532136(P2020-532136A)
(43)【公表日】2020年11月5日
(86)【国際出願番号】US2018021967
(87)【国際公開番号】WO2019045773
(87)【国際公開日】20190307
【審査請求日】2020年2月27日
(31)【優先権主張番号】62/551,475
(32)【優先日】2017年8月29日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/827,220
(32)【優先日】2017年11月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ケーヒル,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ハリス,シーン エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ロフグリーン,ダニエル,ディー.
【審査官】 鈴木 孝章
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/157082(WO,A1)
【文献】 特開平08−039377(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/190479(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0118784(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0084459(US,A1)
【文献】 特開2009−237202(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 25/18
H01L 21/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択された平坦度を持つシムに接着剤を塗布することと、
前記シムを回転させて前記接着剤を均一な厚さを持つ接着剤層へと広げることと、
チャンバを排気して真空を作り出すことと、
前記チャンバ内でダイの下面を前記接着剤層に付着させることと、
前記真空のレベルを低下させることで、前記ダイの上面との接触なしで前記ダイを前記接着剤層上に押し付け、前記ダイの形状が前記シムに従うにつれて前記ダイにおける反りが低減されるようにすることと、
を有する方法。
【請求項2】
前記均一な厚さを達成するために前記接着剤をスピンコーティングすることを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シムの回転前及び/又は回転中に前記接着剤を加熱することを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
回転可能なチャック上に前記シムを配置することを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記チャックを加熱することを更に含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ダイが前記接着剤に接合されるときに前記接着剤中のボイドを除去するように前記チャンバ内の圧力を制御することを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記接着剤を硬化させることを更に含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法によって製造されたセンサICパッケージ。
【請求項9】
センサICパッケージを製造する方法であって、
オーブン真空チャンバ内で、選択された平坦度を持つシムに接着剤を塗布することと、
前記シムを回転させて前記接着剤を均一な厚さを持つ接着剤層へと広げることと、
前記真空チャンバを排気して真空を作り出すことと、
前記真空チャンバ内でダイの下面を前記接着剤層に付着させることと、
前記真空チャンバ内の前記真空のレベルを低下させることで、前記ダイの上面との接触なしで前記ダイを前記接着剤層上に押し付け、前記ダイの形状が前記シムに従うにつれて前記ダイにおける反りが低減されるようにすることと、
を有する方法。
【請求項10】
前記均一な厚さを達成するために前記接着剤をスピンコーティングすることを更に含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記シムの回転前及び/又は回転中に前記接着剤を加熱することを更に含む請求項9に記載の方法。
【請求項12】
回転可能なチャック上に前記シムを配置することを更に含む請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記チャックを加熱することを更に含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ダイが前記接着剤に接合されるときに前記接着剤中のボイドを除去するように前記真空チャンバ内の圧力を制御することを更に含む請求項9に記載の方法。
【請求項15】
請求項9に記載の方法によって製造されたセンサICパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
一部のデバイスでは、平坦なダイを有することが望ましい。例えば、フォーカルプレーン(焦点面)アレイなどのセンシングデバイスは、センサ及び/又は回路を有することができるダイを含み得る。例えばダイにおける反りを除去するために、平坦なダイを達成しようとする従来技術は、厚さを制御するための、エポキシボンドライン内でのガラスビーズの使用を含み得る。エポキシ塗布後にデバイスを平坦にするために加重が使用され得る。しかしながら、ダイにおける反りを除去するための一部の既知の技術は、例えば光学表面との加重接触などに起因して、例えばフォーカルプレーンなどのアセンブリを危険にさらしてしまい得る。
【発明の概要】
【0002】
本発明は、フォーカルプレーンアレイを含み得るシステムに関する方法及び装置を提供し、ダイの反りの量を減少させるために、実質的に平坦なシムにダイが固定される。実施形態において、所与の平坦度を持つシムに、例えばエポキシなどの接着剤が、例えばスピンコーティングによって、均一な厚さに塗布され得る。シム上のこの接着剤層に、真空下で、例えばフォーカルプレーンアレイダイなどのダイが付着され得る。真空の除去後、‘エアクランプ’が、接着剤で覆われたシム上にダイを押し付け、それにより、ダイの形状が、平坦なシムに従う。真空とその後の真空除去とが組み合わさって、ダイから反りを除去し、ダイとエポキシ/シムとの間のボイドを防止又は抑制する。
【0003】
理解されることには、光学表面の平坦度を増すことは、センシングデバイスの性能、分解能、及びこれらに類するものを高めるために望ましい。さらに、ダイを固定する接着剤中のボイドの抑制/除去は、光学面を平坦にするよう、ダイにおける反りを減少させる。
【0004】
本発明の一態様において、方法は、選択された平坦度を持つシムに接着剤を塗布することと、シムを回転させて接着剤を均一な厚さを持つ接着剤層へと広げることと、チャンバを排気して真空を作り出すことと、チャンバ内で接着剤層上へとダイを操作することと、真空のレベルを低下させることでダイを接着剤層上に押し付けて、ダイの形状がシムに従うにつれてダイにおける反りが低減されるようにすることと、を有する。
【0005】
方法は更に、以下の特徴のうちの1つ以上を含むことができる:均一な厚さを達成するために接着剤をスピンコーティングすること、シムの回転前及び/又は回転中に接着剤を加熱すること、回転可能なチャック上にシムを配置すること、チャックを加熱すること、ダイが接着剤に接合されるときに接着剤中のボイドを除去するようにチャンバ内の圧力を制御すること、及び/又は接着剤を硬化させること。
【0006】
本発明の他の一態様において、センサICパッケージを製造する方法は、オーブン真空チャンバ内で、選択された平坦度を持つシムに接着剤を塗布することと、シムを回転させて接着剤を均一な厚さを持つ接着剤層へと広げることと、真空チャンバを排気して真空を作り出すことと、真空チャンバ内で接着剤層上へとダイを操作することと、真空チャンバ内の真空のレベルを低下させることでダイを接着剤層上に押し付けて、ダイの形状がシムに従うにつれてダイにおける反りが低減されるようにすることと、を有する方法。
【0007】
方法は更に、以下の特徴のうちの1つ以上を含むことができる:均一な厚さを達成するために接着剤をスピンコーティングすること;シムの回転前及び/又は回転中に接着剤を加熱すること;回転可能なチャック上にシムを配置すること;チャックを加熱すること;及び/又はダイが接着剤に接合されるときに接着剤中のボイドを除去するように真空チャンバ内の圧力を制御すること。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の前述の特徴及び本発明それ自体は、以下の図を含む図面の以下の説明から、より十分に理解され得る。
図1A】比較的平坦なダイを有するセンシングデバイスを提供するためのシステムの概略図である。
図1B】接着剤をスピンコーティングした後の、比較的平坦なダイを有するセンシングデバイスを提供するためのシステムの概略図である。
図1C図1A及び1Bのシステムによって製造された接着剤/シムアセンブリの側面図である。
図2A図1Cの接着剤/シムアセンブリ上にダイを付着させるための真空システムの概略図である。
図2B】接着剤アセンブリ上にダイを接合するための真空除去の後の図2Aの真空システムの概略図である。
図3図1Cの接着剤/シムアセンブリ上でダイを中心に置くために使用され得る心出しリングの概略図である。
図4A】接合前のダイの平坦度を表すグラフである。
図4B】従来のプロセスを用いての、接合前のダイの平坦度を表すグラフである。
図4C】本発明の実施形態例に従ったプロセスを用いての、接合後の図4Aのダイの平坦度を表すグラフである。
図4D】従来のプロセスを用いての、接合後の図4Bのダイの平坦度を表すグラフである。
図5A】従来のようにして接合されたダイアセンブリにおけるボイドの像である。
図5B】本発明の実施形態例に従った処理後のボイドレスのダイアセンブリの像である。
図6】本発明の実施形態例に従って反りを低減させるようにダイを接合するためのステップのシーケンス例を示すフロー図である。
図7】本発明の実施形態例に従って反りを低減させるようにダイを接合するためのシステムの概略図である。
図8】ここに記載される処理の少なくとも一部を実行することができるコンピュータ例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1Aは、従来の処理技術と比較して低減された反りを持つダイを有するアセンブリを提供するための、本発明の実施形態例に従ったシステム100の一例を示している。システム100は、その中でアセンブリを所望の温度で処理することが可能なチャンバ104を有する真空システム102を含むことができる。システム100は、その上にシム108を固定することができる回転可能なチャック106を含んでいる。実施形態において、シム108を加熱するために、チャック106が所与の温度まで加熱され得る。例えばエポキシなどの接着材料110がシム108に塗布され得る。実施形態において、真空チャンバ104内の温度が、接着剤の粘度を高めるために所望の温度まで上昇され得る。
【0010】
図1Bに示すように、温度が達せられると、一貫性あるボンドラインを提供するために、チャック106が回転して、シム108上の接着剤110を均一な厚さへと広げることができる。そのシム/接着剤アセンブリが図1Cに示されている。
【0011】
スピナーチャック106は、スピニングプロセス中の比較的高い回転速度に耐えることができるとともに、熱質量を維持してシム/エポキシアセンブリに熱を供給することができる。所望のボンドライン厚さ及び均一性を達成するために、チャックが加熱され、それがシム108及びエポキシ110を加熱する。
【0012】
実施形態において、接着材料110の塗布に先立って、シム108の(1つ以上の)表面が、例えばプラズマ洗浄などによって洗浄され得る。スピナーチャック106から熱が供給されながら、シム108の接合表面に、例えばエポキシなどの接着剤110がスピンオンされ得る。
【0013】
図2Aは、所与の反りを持つダイ200が、例えば図1Cの接着剤/シムアセンブリなどの接着剤/シムアセンブリ202に付着されることを示している。アセンブリは、平坦なシム206上に均一厚さのエポキシ204の層を含んでいる。実施形態において、例えばFPAダイなどのダイ200は、真空システム102によって制御されるチャンバ104内の真空下で接着剤/シムアセンブリ202に付着される。
【0014】
図2Bに示すように、ダイ200が接着剤/シムアセンブリ上に位置付けられると、チャンバ104内の真空を望ましい速さで取り除くことで、空気圧の上昇によって生み出される‘エアクランプ’がダイ200を接着剤204上に接合させるとともに接着剤204中のボイドを減少又は除去するようにさせることができる。背圧によって生成されるこのエアクランプは、ダイ200をエポキシ/シムアセンブリ202の平坦度に従わせて、ダイにおける反りの量を減少させる。
【0015】
実施形態において、ダイ200に予め存在していた反りが大幅に減少又は除去されて、極めて平坦な光学表面をもたらす。さらに、ダイ/接着剤/シムユニットを真空チャンバ内で組み立てることで、エポキシ内の空気が除去されてボイドが取り除かれる。真空度を下げることによって背圧が生成されるとき、気圧が、ダイ200をエポキシ204のボンドライン形状に従わせる空気圧クランプを形成する。この例示的接合プロセスは、厳しいボンドライン厚さ/均一性要求を満たし得るボイドフリーの接合をもたらす。
【0016】
一実施形態において、ダイ処理中の温度は約65℃であり、チャンバ内の圧力は約1Torrのオーダーである。
【0017】
ダイとシムは、例えば心出し(センタリング)リングを用いて合わされる。実施形態において、ダイとシムの接合を処理するために真空オーブンが使用される。エポキシの加熱は、シムへのスピンコーティング塗布を容易にし、ボンドライン内のボイドを抑制又は排除し得る。エポキシを硬化させるために、得られたダイ/接着剤/シムのスタックが、上昇された温度にさらされ得る。
【0018】
図3は、エポキシ/シムアセンブリ上でダイを中心に置くために使用され得る心出しリング300の一例を示している。心出しリングは、特定の用途のニーズを満たす任意の好適な幾何学形状を有し得る。実施形態において、心出しリングは、ダイと共に使用するために長方形や正方形などとし得る。図示した実施形態において、心出しリング300は、ダイの操作を容易にするためのギャップ302を含んでいる。例えば、心出しリング300は、例えば中心を合わせた位置といった所望の位置でアセンブリ上にダイを配置するのに有用であり得る。
【0019】
理解されることには、本発明の実施形態は、例えばSCA及びFPAなどの、平坦であることが望ましいダイを有する広範囲のデバイスに適用可能である。センサチップアセンブリ(SCA)又はフォーカルプレーンアレイ(FPA)は、レンズのフォーカルプレーンに光センシングピクセルのアレイを有する画像センシングデバイスを指す。FPAは、例えば写真又はビデオを撮影するなどの撮像用途だけでなく、非撮像用途にも有用であり得る。用途の例は、分光分析、LIDAR、誘導システム、検査、波面センシング、赤外線天文学、製造検査、銃撃戦の熱イメージング、医用撮像、及び赤外線現象学を含む。一部のFPAは、特定の波長の光子を検出し、各ピクセルで検出された光子の数に関係する電荷、電圧、又は抵抗を生成することによって動作する。次いで、この電荷、電圧、又は抵抗が測定され、デジタル化され、そして、光子を放射した物体、シーン、又は現象の画像を構築するために使用される。
【0020】
図4Aは、組み立て前のダイの平坦度を表すグラフの一例を示している。見て取れるように、このダイは、反りとして参照する凸形の湾曲を有している。図4Cは、本発明の実施形態例に従った、組み立て後の、すなわち、ダイがエポキシ/シムアセンブリに接合された後の、ダイの平坦度を表すグラフの一例を示している。見て取れるように、組み立て前に存在していたダイの反りが大幅に減少されている。
【0021】
図4Bは、組み立て前の、図4Aのダイと同様のダイの平坦度を表すグラフの一例を示している。図4Dは、従来のプロセスを用いた組み立て後のダイの平坦度を表すグラフの一例を示している。図4Dにて見て取れるように、図4Bに示したものからダイの反りに幾分の減少はあるものの、かなりの反りが残っている。
【0022】
図5Aは、従来のプロセスを用いて製造されたダイ/シムアセンブリを示している。見て取れるように、ダイを接合する接着剤中に、暗めの領域によって示されるものであるボイドが存在している。この画像例では、音波イメージングプロセスを使用して、技術的によく知られた技術及び装置を用いて画像を生成した。
【0023】
図5Bは、本発明の実施形態例に従って製造されたダイ/接着剤/シムアセンブリを示している。見て取れるように、接着剤中にボイドは存在していない。理解されることには、
ボイドの除去はフォーカルプレーンの平坦度を高める。
【0024】
理解されることには、より低い動作温度での応力に耐えるのに十分な強度を提供する任意の好適な接着材料を使用することができる。一実施形態において、接着材料は、1ミル(0.025mm)未満の厚さを有する。理解されることには、シムは、好適な剛性と、接着剤及びダイとの適合性と、を有する任意の実用的な材料を有することができる。材料の例は、シリコン、CE(controlled expansion)材料、ステンレス鋼、チタン、及びこれらに類するものを含む。シムは、特定の用途のニーズを満たす任意の実用的なサイズとし得る。シムサイズの例は、2mm程度の厚さで2.5”(インチ)×5”及び2”×2”である。
【0025】
例示的な実施形態において、ダイは、処理の前に一例として+/−50ミクロンの反りを持ち得るとともに、処理の後に一例として約2ミクロンの反りを持ち得る。例示的な一実施形態において、処理前に約50ミクロンの反り及び処理後に約2ミクロンの反りを持つダイは、96%の反り低減を提供する。シムの一例は、約2ミクロンよりも小さい反りを持つことになる。
【0026】
図6は、従来の製造技術と比較して高められた平坦度を有するダイ/接着剤/シムアセンブリを提供するための一連のステップの一例を示している。ステップ600にて、加熱可能なチャック上にシムが配置される。ステップ602にて、シム上に接着材料が塗布される。ステップ604にて、接着剤の粘度を高めるために、チャックが加熱され、それによりシム及び接着剤が加熱され、そして、ステップ606にて、接着剤が実質的に均一な厚さを持つまで、チャックがシム及び接着剤を回転させる。
【0027】
ステップ608にて、接着剤/シムアセンブリが、真空チャンバを有する真空システム内に配置される。あるいは、スピンチャックを収容した真空チャンバ内で接着剤が塗布される。ステップ610にて、接着剤/シムアセンブリ上に、ダイが、例えば中心に合わせて、操作される。ステップ612にて、真空が除去されることで、背圧がダイをアセンブリに押し付けて、接着剤中のボイドを低減/除去する。ダイが接着剤に押し付けられるとき、ダイにおける反りを除去するよう、ダイが接着剤/シムアセンブリの平坦度に従う。真空度を下げた後、チャンバは大気圧まで充たし戻され得る。ステップ614にて、接着剤を硬化させるためにアセンブリを加熱され得る。
【0028】
ここでは接着剤及びエポキシという用語が相互に交換可能に使用されることがあるが、理解されることには、エポキシは接着剤の1つの種類であり、実施形態の例でエポキシが使用されている。すなわち、一実施形態例としてのエポキシの使用は、使用され得る接着剤の種類を限定することを意図するものではない。他の実施形態では、本発明の範囲から逸脱することなく、他の種類の接着剤が使用され得る。
【0029】
図7は、真空チャンバ704を有する真空システム702に結合されたコントローラ700を有するシステムの一例を示している。コントローラ700は、本発明の実施形態例に従ってセンサデバイスを製造することに関連するパラメータを制御するための様々なモジュールを含んでいる。チャックモジュール706は、チャックの温度及び/又はチャックの回転速度を制御する。一実施形態において、チャックは真空チャンバ704内に置かれる。温度モジュール708は、チャックモジュールと組み合わさってチャックの温度を制御するとともに、真空チャンバ704内の温度を制御する。温度モジュール708は、例えば接着剤温度、シム温度、及び周囲温度などのセンサ情報を受け取ることができる。真空モジュール710は、例えば真空チャンバ704内の圧力、温度、及び流体などの、真空チャンバ704内の状態を制御することができる。例えば、真空チャンバ内に不活性ガスを流入させることが望ましいことがある。コントローラ700は、組み立てプロセスの様々なパラメータ及びタイミングを制御するアセンブリモジュール712を含み得る。例えば、アセンブリモジュール712は、接着剤にダイが接合されるべき時点を決定し、真空チャンバ内の圧力を制御し、及びこれらに類することを行い得る。
【0030】
図8は、ここに記載される処理の少なくとも一部を実行することができるコンピュータ800の一例を示している。コンピュータ800は、プロセッサ802、揮発性メモリ804、不揮発性メモリ806(例えば、ハードディスク)、出力装置807、及びグラフィカルユーザインタフェース(GUI)808(例えば、マウス、キーボード、ディスプレイ)を含んでいる。不揮発性メモリ806は、コンピュータ命令812、オペレーティングシステム816、及びデータ818を格納している。一例では、コンピュータ命令812は、揮発性メモリ804からプロセッサ802によって実行される。一実施形態において、品目820は、非一時的なコンピュータ読み取り可能命令を有する。
【0031】
処理は、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれら2つの組み合わせで実装され得る。処理は、プロセッサ、記憶媒体、又は(揮発性及び不揮発性メモリ及び/又は記憶素子を含め)プロセッサによって読み取り可能な他の製造物、少なくとも1つの入力装置、及び1つ以上の出力装置を、各々が含む複数のプログラマブルコンピュータ/マシン上で実行されるコンピュータプログラムで実装されてもよい。入力装置を用いて入力されたデータにプログラムコートが適用されることで、処理が実行され、出力情報が生成され得る。
【0032】
システムは、データ処理装置(例えば、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、又は複数のコンピュータ)による実行のために、又はその動作を制御するために、少なくとも部分的にコンピュータプログラムプロダクト(例えば、機械読み取り可能記憶装置内)を介して処理を実行することができる。このようなプログラムは各々、コンピュータシステムと通信するために、高水準の手続き型又はオブジェクト指向型のプログラミング言語で実装され得る。しかしながら、プログラムはアセンブリ言語又は機械語で実装されてもよい。言語は、コンパイル型又はインタープリタ型の言語であってもよく、それは、スタンドアロンプログラムとして、又はコンピューティング環境での使用に好適なモジュール、コンポーネント、サブルーチン、若しくは他のユニットとして、を含めて、任意の形態で展開され得る。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で実行されるように配備されてもよいし、あるいは、1つのサイトにあるか、若しくは複数のサイトにまたがって分散されて通信ネットワークによって相互接続されるかである複数のコンピュータ上で実行されるように配備されてもよい。コンピュータプログラムは、汎用又は特殊目的のプログラマブルコンピュータによって読み取り可能な記憶媒体又は記憶装置(例えば、CD−ROM、ハードディスク、又は磁気ディスケット)に格納されることができ、記憶媒体又は記憶装置がコンピュータによって読み取られるときに、コンピュータを設定して動作させる。処理はまた、コンピュータプログラムで構成された機械読み取り可能記憶媒体として実装されることができ、実行時に、コンピュータプログラム内の命令がコンピュータに動作を行わせる。
【0033】
処理は、1つ以上のプログラマブルプロセッサが1つ以上のコンピュータプログラムを実行してシステムの機能を果たすことによって実行され得る。システムの全て又は一部が、特殊目的の論理回路(例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)及び/又はASIC(特定用途向け集積回路))として実装されてもよい。
【0034】
本発明の例示的な実施形態を説明してきたが、もはや当業者に明らかになることは、それらの概念を組み込んだ他の実施形態も使用され得る。ここに含まれる実施形態は、開示された実施形態に限定されるべきでなく、むしろ、添付の請求項の精神及び範囲によってのみ限定されるべきである。ここで引用された全ての刊行物及び参考文献を、それらの全体において、ここに援用する。
【0035】
ここに記載された複数の異なる実施形態の要素を組み合わせて、具体的には上述されていない他の実施形態を形成し得る。単一の実施形態の文脈で説明された様々な要素が、別個に設けられてもよいし、好適なサブコンビネーションで設けられてもよい。ここでは具体的に記載されていない他の実施形態も、以下の請求項の範囲内にある。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6
図7
図8