(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2リーフレットが第2外側保持エレメントと、第1辺及び第2辺を有するボディ部分と、前記ボディ部分の前記第1辺から延びる第1接合タブと、前記ボディ部分の前記第2辺から延びる第2接合タブとを有し、前記第2リーフレットの前記第2接合タブが前記第1スロットを通って延びる第1部分と、前記第1スロットを通って延びる第2部分とを有することにより、前記フレームの前記外側に第2外側ループ部分を画定し、前記第1スロットを通って引っ張られることから前記第2外側ループ部分を保護するために前記第2外側ループ部分の幅が前記第1スロットの幅よりも大きいように、前記第2外側ループ部分が前記第2外側保持エレメントを取り囲む、請求項1に記載の人工弁。
前記第1接合ポストが、前記第1接合ポストを通って長手方向に形成された第2スロットを有し、前記第2スロットが高さと幅とを有し、そしてさらに、前記第2リーフレットが第2外側保持エレメントと、第1辺及び第2辺を有するボディ部分と、前記ボディ部分の前記第1辺から延びる第1接合タブと、前記ボディ部分の前記第2辺から延びる第2接合タブとを有し、前記第2リーフレットの前記第2接合タブが前記第2スロットを通って延びる第1部分と、前記第2スロットを通って延びる第2部分とを有することにより、前記フレームの前記外側に第2外側ループ部分を画定し、前記第2スロットを通って引っ張られることから前記第2外側ループ部分を保護するために前記第2外側ループ部分の幅が前記第2スロットの幅よりも大きいように、前記第2外側ループ部分が前記第2外側保持エレメントを取り囲む、請求項1に記載の人工弁。
前記第1及び第2外側保持エレメントが、前記第1リーフレットと前記第2リーフレットとの間に延びる連続的な外側保持エレメントを画定するように、連続している、請求項2又は3に記載の人工弁。
前記第1リーフレットがさらに第1内側保持エレメントを含み、そして前記第1リーフレットの前記第1接合タブがさらに、前記フレームの前記内側に第1内側ループ部分を画定し、前記第1スロットを通って引っ張られることから前記第1内側ループ部分を保護するために前記第1内側ループ部分の幅が前記第1スロットの幅よりも大きいように、前記第1内側ループ部分が前記第1内側保持エレメントを取り囲む、請求項1から5までのいずれか1項に記載の人工弁。
前記第1内側保持エレメント及び前記第1外側保持エレメントの少なくとも一方が、ストランド、縫合糸、スレッド、モノフィラメント、マルチフィラメント、ワイヤ、1つ又は2つ以上の材料襞、複数の材料層、及び材料ビードのうちの1種又は2種以上から形成されている、請求項6に記載の人工弁。
前記第1リーフレットの前記第1外側保持エレメントが、前記第1リーフレットの前記第1接合タブに成形、接着、且つ/もしくはボンディングされることにより、前記第1リーフレットの前記第1接合タブにカップリングされるか、
又は、
前記第1リーフレットがポリマーメンブレンを含み、そして前記第1外側保持エレメントが、前記ポリマーメンブレンに成形、接着、且つ/もしくはボンディングされることにより、前記ポリマーメンブレンにカップリングされる、
請求項1から9までのいずれか1項に記載の人工弁。
前記複数のリーフレットの各リーフレットが自由縁部を画定し、そしてさらに、隣接するリーフレットが、前記フレームのところで互いに末広がり状に延びる隣接する自由縁部を有するように、各リーフレットが前記フレームに取り付けられる、請求項1から10までのいずれか1項に記載の人工弁。
さらに、第2リーフレットを含み、前記第2リーフレットの一部が、第2外側ループ部分を画定するように前記フレームの前記スロットに通される、請求項12に記載の人工弁。
前記フレームの前記スロットが第1スロットであり、そして前記フレームがさらに、前記第1スロットに隣接する第2スロットを画定し、前記リーフレット構造物がさらに第2リーフレットを含み、前記第2リーフレットの一部が、第2外側ループ部分を画定するように前記フレームの前記第2スロットに通される、請求項12に記載の人工弁。
前記タブ部分の末端が、前記タブ部分の別の部分に成形、接着、且つ/又はボンディングされることによって、前記タブ部分の前記別の部分にカップリングされる、請求項15から17までのいずれか1項に記載の人工弁。
前記タブ部分の末端が、前記タブ部分の別の部分に成形、接着、且つ/又はボンディングされることによって、前記第1リーフレットの前記別の部分にカップリングされる、請求項15から17までのいずれか1項に記載の人工弁。
前記第1リーフレットが第1タブ部分と、第2タブ部分と、前記第1タブ部分と前記第2タブ部分との間のボディ部分とを含み、前記第1及び第2タブ部分のそれぞれが、末端と、前記末端とは反対側のリーフレット端部とを有し、前記第1タブ部分が前記第1外側ループ部分を形成する、請求項12から19までのいずれか1項に記載の人工弁。
前記第1タブ部分の末端が、前記リーフレットの別の部分に成形、接着、且つ/又はボンディングされることにより、前記リーフレットの前記別の部分にカップリングされる、請求項20に記載の人工弁。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
種々の実施態様は、フレームとリーフレット構造物とを有する人工弁に関する。リーフレットはループ状構造によってフレーム外側に少なくとも部分的にカップリングされる。いくつかの実施例は、弁置換、例えば心臓弁置換のための装置、システム、及び方法に関するが、しかし種々の用途が考えられる。
【0005】
1つの実施例(「実施例1」)によれば、
フレームと、
リーフレット構造物と、
を含む、人工弁であって、
前記フレームが中心長手方向軸線と内側と外側とを有し、前記フレームが複数のフレーム部材と、前記フレームの周りで周方向に間隔を置いて設けられた複数の接合ポストとを含み、前記フレームが複数のリーフレット取り付け領域を画定し、前記複数の接合ポストが、長手方向に延びる第1接合ポストを含み、前記第1接合ポストが、前記第1接合ポストを通って長手方向に形成された第1スロットを有し、前記第1スロットが高さと幅とを有し、
前記リーフレット構造物が、前記リーフレット構造物の周りで周方向に間隔を置いて設けられた複数のリーフレットを含み、前記複数のリーフレットが第1リーフレットと、前記第1リーフレットに周方向に隣接して位置決めされた第2リーフレットとを含み、前記第1リーフレットが第1外側保持エレメントと、第1辺及び第2辺を有するボディ部分と、前記ボディ部分の前記第1辺から延びる第1接合タブと、前記ボディ部分の前記第2辺から延びる第2接合タブとを有し、前記第1接合タブが前記第1スロットを通って延びる第1部分と、前記第1スロットを通って延びる第2部分とを有することにより、前記フレームの前記外側に第1外側ループ部分を画定し、前記第1スロットを通って引っ張られることから前記第1外側ループ部分を保護するために前記第1外側ループ部分の幅が前記第1スロットの幅よりも大きいように、前記第1外側ループ部分が前記第1外側保持エレメントを取り囲む、人工弁。
【0006】
実施例1に付加される別の実施例(「実施例2」)によれば、前記第2リーフレットが第2外側保持エレメントと、第1辺及び第2辺を有するボディ部分と、前記ボディ部分の前記第1辺から延びる第1接合タブと、前記ボディ部分の前記第2辺から延びる第2接合タブとを含み、前記第2リーフレットの前記第2接合タブが前記第1スロットを通って延びる第1部分と、前記第1スロットを通って延びる第2部分とを有することにより、前記フレームの前記外側に第2外側ループ部分を画定し、前記第1スロットを通って引っ張られることから前記第2外側ループ部分を保護するために前記第2外側ループ部分の幅が前記第1スロットの幅よりも大きいように、前記第2外側ループ部分が前記第2外側保持エレメントを取り囲む。
【0007】
実施例1に付加される別の実施例(「実施例3」)によれば、前記第1接合ポストが、前記第1接合ポストを通って長手方向に形成された第2スロットを有し、前記第2スロットが高さと幅とを有し、そしてさらに、前記第2リーフレットが第2外側保持エレメントと、第1辺及び第2辺を有するボディ部分と、前記ボディ部分の前記第1辺から延びる第1接合タブと、前記ボディ部分の前記第2辺から延びる第2接合タブとを有し、前記第2リーフレットの前記第2接合タブが前記第2スロットを通って延びる第1部分と、前記第2スロットを通って延びる第2部分とを有することにより、前記フレームの前記外側に第2外側ループ部分を画定し、前記第2スロットを通って引っ張られることから前記第2外側ループ部分を保護するために前記第2外側ループ部分の幅が前記第2スロットの幅よりも大きいように、前記第2外側ループ部分が前記第2外側保持エレメントを取り囲む。
【0008】
実施例2又は3に付加される別の実施例(「実施例4」)によれば、前記第1及び第2外側保持エレメントが、前記第1リーフレットと前記第2リーフレットとの間に延びる連続的な外側保持エレメントを画定するように、連続している。
【0009】
実施例4に付加される別の実施例(「実施例5」)によれば、前記第1接合ポストがさらに懸吊用フィーチャを含み、前記懸吊用フィーチャ上に、前記外側連続保持エレメントが、前記フレームに対して前記リーフレット構造物を軸線方向に支持するように懸吊される。
【0010】
前記実施例1〜5のいずれかに付加される別の実施例(「実施例6」)によれば、前記第1リーフレットがさらに第1内側保持エレメントを含み、そして前記第1リーフレットの前記第1接合タブがさらに、前記フレームの前記内側に第1内側ループ部分を画定し、前記第1スロットを通って引っ張られることから前記第1内側ループ部分を保護するために前記第1内側ループ部分の幅が前記第1スロットの幅よりも大きいように、前記第1内側ループ部分が前記第1内側保持エレメントを取り囲む。
【0011】
前記実施例6に付加される別の実施例(「実施例7」)によれば、前記第1内側保持エレメント及び前記第1外側保持エレメントの少なくとも一方が、縫合糸、スレッド、モノフィラメント、マルチフィラメント、及び材料ビードのうちの1種又は2種以上から形成されている。
【0012】
前記実施例6に付加される別の実施例(「実施例8」)によれば、前記第1内側保持エレメントと前記第1外側保持エレメントとが、連続的な保持エレメントを画定するように連続的である。
【0013】
前記実施例1〜8のいずれかに付加される別の実施例(「実施例9」)によれば、リーフレット構造物が前記第1リーフレットと第2リーフレットとの間のブリッジを画定する。
【0014】
前記実施例1〜9のいずれかに付加される別の実施例(「実施例10」)によれば、前記第1リーフレットの前記第1外側保持エレメントが、前記第1リーフレットの前記第1接合タブに成形、接着、且つ/もしくはボンディングされることにより、前記第1接合タブにカップリングされるか、又は、前記リーフレットがポリマーメンブレンを含み、そして前記第1外側保持エレメントが、前記ポリマーメンブレンに成形、接着、且つ/もしくはボンディングされることにより、前記ポリマーメンブレンにカップリングされる。
【0015】
別の実施例(「実施例11」)によれば、
第1リーフレットと、
フレームと、
を含む、人工弁であって、
前記リーフレット構造物が第1リーフレットと、前記第1リーフレットにカップリングされた第1保持エレメントとを含み、前記フレームがスロットを有し、前記スロットが、前記スロットを通して、前記フレームの外側に第1外側ループ部分を画定する前記リーフレットの一部を受容するように作用可能であり、前記第1外側ループ部分を通して、前記第1保持エレメントの一部が受容され、前記フレームがさらに突起を含み、前記突起上に、前記第1保持エレメントが前記リーフレット構造物を軸線方向に支持するように受容される、人工弁。
【0016】
前記実施例11に付加される別の実施例(「実施例12」)によれば、人工弁はさらに、第2リーフレットを含み、前記第2リーフレットの一部が、第2外側ループ部分を画定するように前記フレームの前記スロットに通される。
【0017】
前記実施例11に付加される別の実施例(「実施例13」)によれば、前記フレームの前記スロットが第1スロットであり、そして前記フレームがさらに、前記第1スロットに隣接する第2スロットを画定し、前記リーフレット構造物がさらに第2リーフレットを含み、前記第2リーフレットの一部が、第2外側ループ部分を画定するように前記フレームの前記第2スロットに通される。
【0018】
前記実施例11に付加される別の実施例(「実施例14」)によれば、前記第1リーフレットがタブ部分を画定し、前記タブ部分が前記スロットを少なくとも2回通って延びており、前記タブ部分が前記外側ループ部分を画定する。
【0019】
前記実施例11に付加される別の実施例(「実施例15」)によれば、前記第1リーフレットが前記スロットを少なくとも3回通って延びているタブ部分を画定し、前記タブ部分が前記外側ループ部分と、前記フレームの内側の内側ループ部分とを画定する。
【0020】
前記実施例15に付加される別の実施例(「実施例16」)によれば、前記リーフレット構造物がさらに、前記内側ループ部分を通って延びる第2保持エレメントを含む。
【0021】
前記実施例14〜16のいずれかに付加される別の実施例(「実施例17」)によれば、前記タブ部分の末端が前記タブ部分の別の部分に、前記タブ部分の前記別の部分に成形、接着、且つ/又はボンディングされることによってカップリングされる。
【0022】
前記実施例14〜16のいずれかに付加される別の実施例(「実施例18」)によれば、前記タブ部分の末端が、前記第1リーフレットの前記別の部分に成形、接着、且つ/又はボンディングされることによって、前記第1リーフレットの別の部分にカップリングされる。
【0023】
前記実施例11〜18のいずれかに付加される別の実施例(「実施例19」)によれば、前記第1リーフレットが第1タブ部分と、第2タブ部分と、前記第1タブ部分と前記第2タブ部分との間のボディ部分とを含み、前記第1及び第2タブ部分のそれぞれが、末端と、前記末端とは反対側のリーフレット端部とを有し、前記第1タブ部分が前記第1外側ループ部分を形成する。
【0024】
前記実施例19に付加される別の実施例(「実施例20」)によれば、前記第1タブ部分の末端が、前記リーフレットの前記別の部分に成形、接着、且つ/又はボンディングされることにより、前記リーフレットの別の部分にカップリングされる。
【0025】
別の実施例(「実施例21」)によれば、人工弁が、第1リーフレット、前記第1リーフレットにカップリングされた第1保持エレメント、及び前記第1リーフレットにカップリングされた第2保持エレメンを含むリーフレット構造物と、中心長手方向軸線とスロットとを有するフレームとを含み、
前記スロットが、前記第1外側ループ部分を通して前記第1保持エレメントの一部が受容される前記フレームの外側の第1外側ループ部分と、前記第1内側ループ部分を通して前記第2保持エレメントの一部が受容される前記フレームの内側の第1内側ループ部分とを画定する前記第1リーフレットの一部を前記スロットを通して受容するように作用可能である。
【0026】
前記実施例21に付加される別の実施例(「実施例22」)によれば、前記フレームがさらに突起を含み、前記突起上に、前記第1保持エレメント及び第2保持エレメントのうちの少なくとも一方が前記リーフレット構造物を軸線方向に支持するように受容される。
【0027】
前記実施例21〜22のいずれかに付加される別の実施例(「実施例23」)によれば、前記リーフレット構造物が第2リーフレットと、前記第1リーフレットと第2リーフレットとを相互接続するブリッジとを含み、前記ブリッジが前記突起上に掛かっている。
【0028】
前記実施例21に付加される別の実施例(「実施例24」)によれば、第1リーフレットは、ボディ部分と、前記ボディ部分の前記第1辺から末端へ延びる第1タブ部分と、前記ボディ部分の前記第2辺から末端へ延びる第2タブ部分とを有し、前記第1タブ部分が前記第1内側ループ部分と前記第1外側ループ部分とを形成し、そして前記第1タブ部分の末端が前記フレームの外側に隣接して位置決めされる。
【0029】
前記実施例21〜24のいずれかに付加される別の実施例(「実施例25」)によれば、前記スロットが閉じたスロットであるか、又は前記スロットが開いた端部から閉じた端部へ延びている。
【0030】
前記実施例21〜25のいずれかに付加される別の実施例(「実施例26」)によれば、前記第1保持エレメントと第2保持エレメントとが連続している。
【0031】
前記実施例21〜26のいずれかに付加される別の実施例(「実施例27」)によれば、前記スロットが前記フレームの中心長手方向軸線に対して半径方向に前記フレームを通って形成されるか、又は前記スロットが、前記フレームの中心長手方向軸線に対して半径方向に対して所定の角度を成して形成されている。
【0032】
前記実施例21〜27のいずれかに付加される別の実施例(「実施例28」)によれば、前記第1リーフレット上の緊張が前記スロットの幅を減少させる。
【0033】
前記実施例21〜28のいずれかに付加される別の実施例(「実施例29」)によれば、前記第1保持エレメント及び前記外側ループ部分の断面積が前記スロットの幅よりも大きい。
【0034】
前記実施例21〜29のいずれかに付加される別の実施例(「実施例30」)によれば、前記第1保持エレメントと前記第2保持エレメントとが連続的な閉じたループ部分を画定する。
【0035】
別の実施例(「実施例31」)によれば、人工弁が、ボディ部分、前記ボディ部分から延びる第1タブ部分、及び前記第1タブ部分とは反対側で前記ボディ部分から延びる第2タブ部分を有する第1リーフレットを含むリーフレット構造物と、前記第1リーフレットにカップリングされた第1保持エレメントと、中心長手方向軸線及びスロットを有するフレームとを含み、前記スロットを通って前記第1タブ部分が、前記スロットを通る第1パス、第2パス、及び第3パスを含めて複数回にわたって延びる。
【0036】
前記実施例31に付加される別の実施例(「実施例32」)によれば、前記第1パスと前記第3パスとがカップリングされ、そして互いに隣接して位置決めされる。
【0037】
前記実施例31に付加される別の実施例(「実施例33」)によれば、前記第1パスは、前記第3パスに隣接する前記第2パスに隣接する。
【0038】
前記実施例31〜33のいずれかに付加される別の実施例(「実施例34」)によれば、前記第1パスと第2パスと第3パスとが互いにカップリングされる。
【0039】
前記実施例31〜34のいずれかに付加される別の実施例(「実施例35」)によれば、前記第1タブ部分が前記フレームの外側に隣接する第1外側ループ部分を形成し、前記第1外側ループ部分が、前記スロットを通して引っ張られるのを抑えられる。
【0040】
前記実施例31〜35のいずれかに付加される別の実施例(「実施例36」)によれば、前記第1タブ部分が前記フレームの内側に隣接する第1内側ループ部分を形成し、前記第1内側ループ部分が、前記スロットを通して引っ張られるのを抑えられる。
【0041】
前記実施例35〜36のいずれかに付加される別の実施例(「実施例37」)によれば、前記第1外側ループ部分を通って第1保持エレメントが延びている。
【0042】
前記実施例37に付加される別の実施例(「実施例38」)によれば、前記第1保持エレメントが前記第1外側ループ部分にカップリングされている。
【0043】
前記実施例35〜38のいずれかに付加される別の実施例(「実施例39」)によれば、前記第1内側ループ部分を通って第2保持エレメントが延びている。
【0044】
前記実施例39に付加される別の実施例(「実施例40」)によれば、前記第2保持エレメントが前記第1内側ループ部分にカップリングされている。
【0045】
前記実施例39〜40のいずれかに付加される別の実施例(「実施例41」)によれば、前記第1保持エレメントと第2保持エレメントとが連続している。
【0046】
前記実施例31に付加される別の実施例(「実施例42」)によれば、前記第1タブ部分が第1ループを形成し、そして前記リーフレット構造物がさらに、第2ループを画定する第2タブ部分を有する第2リーフレットを含み、そしてさらに、前記第1保持エレメントが前記第1リーフレットの前記第1ループ内へ延び、そして前記第2リーフレットの前記第2ループ内へ延びる。
【0047】
前記実施例のいずれかに付加される別の実施例(「実施例43」)によれば、前記第1保持エレメントの少なくとも一方の端部が、前記第1保持エレメントの隣接部分に対して拡大される。
【0048】
別の実施例(「実施例44」)によれば、人工弁は、
中心長手方向軸線を有するフレームと、
リーフレット構造物が第1接合タブ、第2接合タブ、及び第1接合タブと第2接合タブとの間のボディ部分を画定する第1リーフレットを含み、各タブ部分が末端、及び前記末端とは反対側のリーフレット端部を有する、リーフレット構造物と、
第1保持エレメントと、
第2保持エレメントと、
を含み、前記フレームが内側と外側とを有してスロットを画定し、前記スロットを通して前記第1タブ部分が受容され、前記第1タブ部分が前記スロットを通して前記内側から前記外側へ延び、前記外側から前記内側へ延び、そして再び前記内側から前記外側へ延びることにより、前記フレームの前記外側に隣接する第1外側ループ部分を画定する第1ループであって、前記第1ループを通して第1保持エレメントが受容される第1ループと、前記内側と前記外側との間の第2ループであって、前記第2ループを通して前記第2保持エレメントが受容される第2ループとを画定する。
【0049】
前記実施例44に付加される別の実施例(「実施例45」)によれば、前記第1リーフレットが、前記第1リーフレットの周囲に複数の取り付けタブを画定し、前記複数の取り付けタブがフレーム上に延びて、前記フレームの外側にカップリングされる。
【0050】
前記実施例45に付加される別の実施例(「実施例46」)によれば、取り付けタブのそれぞれが、フレームの一部を受容するための開口によって、隣接する取り付けタブから分離され、そして任意には前記リーフレットの前記取り付けタブがそれぞれ複数のアパーチャを含む。
【0051】
前記実施例44〜46のいずれか1つに付加される別の実施例(「実施例47」)によれば、前記フレームが複数の接合ポストを画定し、それぞれの接合ポストが第1ポスト脚部と第2ポスト脚部とを含み、前記第1ポスト脚部及び第2ポスト脚部が、スロットを画定するように間隔を置いて設けられている。
【0052】
前記実施例47に付加される別の実施例(「実施例48」)によれば、前記リーフレット構造物が、複数のブリッジによって互いに相互接続された複数のリーフレットを含み、前記ブリッジが接合ポストのスロットを通っている。
【0053】
前記実施例44〜48のいずれか1つに付加される別の実施例(「実施例49」)によれば、前記フレームが、複数のリーフレット取り付け領域を画定する複数のフレームエレメントを含み、前記複数のリーフレット取り付け領域がそれぞれ、リーフレット底辺から末広がり状に延びる2つのリーフレット取り付け領域辺を有する等脚台形形状を有する。
【0054】
前記実施例49に付加される別の実施例(「実施例50」)によれば、リーフレット底辺が、前記フレーム中心長手方向軸線に対して垂直である。
【0055】
前記実施例44〜49のいずれか1つに付加される別の実施例(「実施例51」)によれば、リーフレット構造物が少なくとも1つのフルオロポリマーメンブレン層を含む。
【0056】
前記実施例52に付加される別の実施例(「実施例52」)によれば、第2材料が延伸フルオロポリマーメンブレン層の多孔質構造内部に含まれるか、延伸フルオロポリマーメンブレン層の一方又は両方の側に被覆されるか、又は延伸フルオロポリマーメンブレン層上に被覆され且つ延伸フルオロポリマーメンブレン層内部に含有される形で組み合わされる。
【0057】
前記実施例44〜52のいずれか1つに付加される別の実施例(「実施例53」)によれば、前記リーフレット構造物が2つ以上のフルオロポリマーメンブレン層を有する複合体を含む。
【0058】
前記実施例44〜53のいずれか1つに付加される別の実施例(「実施例54」)によれば、前記フレームが金属、例えば形状記憶金属、ステンレス鋼、及び/又はニッケル−チタン合金を含む。
【0059】
前記実施例44〜54のいずれか1つに付加される別の実施例(「実施例55」)によれば、リーフレット構造物が、ePTFEを含むフルオロポリマーメンブレン層を含む。
【0060】
前記実施例44〜55のいずれか1つに付加される別の実施例(「実施例56」)によれば、前記リーフレット構造物が連続的な環状リングを画定する。
【0061】
別の実施例(「実施例57」)によれば、患者の体内に人工弁を植え込む方法であって、前記方法が、前記体内の所望の治療部位に、前記実施例のいずれか1つに基づく人工弁を位置決めすることと、前記人工弁を前記所望の治療部位に固定することと、を含む、患者の体内に人工弁を植え込む方法。
【0062】
前記実施例57に付加される別の実施例(「実施例58」)によれば、前記所望の治療部位が天然大動脈弁開口部であり、そして前記方法が、前記人工弁を前記天然大動脈弁開口部に位置決めすることと、前記人工弁を前記天然大動脈弁開口部に固定することと、を含む。
【0063】
前記実施例57又は58のいずれか1つに付加される別の実施例(「実施例59」)によれば、前記方法が、経カテーテル送達システムを用いて腔内的に前記所望の治療部位に人工弁を位置決めすることを含む。
【0064】
前記実施例57〜59のいずれか1つに付加される別の実施例(「実施例60」)によれば、前記人工弁が自己拡張性人工弁である。
【0065】
前記実施例57〜59のいずれか1つに付加される別の実施例(「実施例61」)によれば、前記人工弁が、バルーン拡張性人工弁である。
【0066】
前記実施例57又は58のいずれか1つに付加される別の実施例(「実施例62」)によれば、前記方法が、前記人工弁を前記所望の治療部位に外科的に位置決めすることを含む。
【0067】
前記実施例57、58、又は62のいずれか1つに付加される別の実施例(「実施例63」)によれば、前記人工弁が、固定フレーム非拡張性人工弁である。
【0068】
いずれかの前記実施例に付加される別の実施例(「実施例64」)によれば、前記複数のリーフレットのそれぞれが、リーフレット自由縁部とリーフレット取り付け領域との交差点に2つの末端を画定し、各リーフレットの前記リーフレット取り付け領域が前記フレームの接合取り付け領域のところで前記フレームにカップリングされ、これにより2つの隣接するリーフレットの末端に隣接する前記リーフレット取り付け領域が互いに末広がり状に延びるようになっている。
【0069】
いずれかの前記実施例に付加される別の実施例(「実施例65」)によれば、フレームが、接合取り付け領域対を画定し、前記接合取り付け領域対が、接合ポスト先端に向かって互いに末広がり状に延び、そして各リーフレットが接合取り付け領域のうちの1つにカップリングされることにより、隣接するリーフレットが、前記接合取り付け領域に隣接して末広がり状に延びる自由縁部を画定する。
【0070】
いずれかの前記実施例に付加される別の実施例(「実施例66」)によれば、フレームが隣接接合取り付け領域対を画定し、前記隣接接合取り付け領域対が、接合ポスト先端から離れた位置から、流出方向に、前記接合ポスト先端へ向かって相互に対して末広がり状に延び、そして複数のリーフレットの隣接リーフレット対が前記隣接接合取り付け領域対のそれぞれ一方にカップリングされることにより、前記隣接リーフレット対が閉じられた接合形態を成しているときには、前記隣接リーフレット対のそれぞれのリーフレット自由縁部が、隣接接合取り付け領域で他方の自由縁部から末広がり状に延びるようになっている。
【0071】
いずれかの前記実施例に付加される別の実施例(「実施例67」)によれば、前記フレームに位置する隣接リーフレット自由縁部が互いに末広がり状に延びるように、各リーフレットが前記フレームに取り付けられる。
【0072】
いずれかの前記実施例に付加される別の実施例(「実施例68」)によれば、前記フレームに位置する隣接リーフレット自由縁部が互いに末広がり状に延びるように、各リーフレットが前記フレームの末広がり領域で前記フレームに取り付けられ、前記末広がり領域に沿った各リーフレット内部の応力が、前記フレームに位置する前記自由縁部に隣接する前記リーフレット内のピーク閉鎖圧力約135mmHgに晒されると、非末広がり型の取り付けと比較して40%超低減される。
【0073】
前記実施例1〜10又は64〜68のいずれか1つに付加される別の実施例(「実施例69」)によれば、人工弁を製造する方法が、第1リーフレットの第1保持エレメントを前記第1リーフレットの前記第1接合タブにカップリングすることと、前記第1外側ループ部分が前記第1外側保持エレメントを取り囲み、且つ前記第1スロットを通って引っ張られることから前記第1外側ループ部分を保護するために前記第1外側ループ部分の幅が前記第1スロットの幅よりも大きいように、前記フレームの前記外側に前記第1外側ループ部分を画定するべく、前記第1接合タブの前記第1部分と前記第2部分とを前記フレームの前記第1スロットを通して延ばすことにより、前記リーフレット構造物を前記フレームにカップリングすることと、を含む。
【0074】
前記実施例11〜56又は64〜68のいずれか1つに付加される別の実施例(「実施例70」)によれば、人工弁を製造する方法が、前記第1保持エレメントを第1リーフレットにカップリングすること、および前記第1保持エレメントが前記フレームの前記外側で前記第1外側ループ部分を通して受容された状態で、前記フレームの前記外側に前記第1外側ループ部分を画定する前記リーフレットの一部を前記スロットを通して受容することと、前記リーフレット構造物を軸線方向に支持するように、前記フレームの前記懸吊用フィーチャ上に前記第1保持エレメントを受容することとにより、前記リーフレット構造物の前記第1リーフレットを前記フレームにカップリングすること、を含む。
【0075】
多様な実施例が開示されるが、実例を示し記載する下記詳細な説明から、さらに他の実施態様が当業者に明らかになる。従って、図面及び詳細な説明は、本質的に一例と見なされるべきであり、制限的なものと見なされるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0104】
本開示は、心臓弁置換、又は天然弁又は他の弁開口部と関連する他の用途のために使用される人工弁、及び関連するシステム、方法、及び装置に関する。種々の実施例において、人工弁は一方向人工弁として動作することができる。一方向人工弁は弁開口部を画定し、この弁開口部内に、リーフレットが流れを許すように開き、そして弁開口部をブロックする又は塞ぐように閉じて流体差圧に応じて流れを部分的又は全体的に防止するように閉じる。
【0105】
本開示において、実施例は主として外科的又は経カテーテル的な心臓弁用途と関連して記載されるものの、言うまでもなく、本開示の範囲に含まれる実施態様を、類似の構造及び/又は機能を有する任意の人工弁又は機構に向けて適用することもできる。例えば
図1の人工弁は非心臓用途、例えば気道又は消化管用途において適用することができる。植え込み型弁開口部は、その中に人工弁を配置することができる解剖学的構造を含む。このような解剖学的構造の一例としては、心臓弁を外科的に取り除いたか又は取り除かなかった部位が挙げられる。人工弁を受容し得る他の解剖学的構造の一例としては、静脈、動脈、管、及びシャントが挙げられる。弁開口部又は植え込み部位は、人工弁を受容し得る合成導管又は生物学的導管内の部位を意味することもある。
【0106】
人工弁の文脈において使用される「リーフレット」という用語は概ね、圧力差の影響下で開位置と閉位置との間で動くように動作可能な可撓性構成部分である。開位置では、リーフレットは、血液が人工弁を通流するのを可能にする。閉位置では、リーフレットは、人工弁を通る逆流を実質的にブロックする。この逆流はリーフレットによって少なくとも部分的にブロックされ、そして典型的には完全にブロックされる。複数のリーフレットを含む実施態様において、各リーフレットは少なくとも1つの隣り合うリーフレットと協働して、血液の逆流をブロックする。種々の実施態様は、連携するフレームに対してリーフレットに加えられる内向きの力、外向きの力、及び/又は軸線方向の力にリーフレットが抵抗するように、リーフレットを連携フレームにカップリングするための取り付け機構に関する。人工弁のためのリーフレットフレーム取り付け機構は、ループ状構造によってフレーム外側に少なくとも部分的にカップリングされたリーフレット構造物を含む。このようなループ状構造は、応力集中を軽減し、取り付け信頼性を高め、そして製造しやすくするのを助けることができる。
【0107】
リーフレットを作動させる血液中の圧力差は、例えば心臓の心室又は心房の収縮によって引き起こされる。このような圧力差は典型的にはリーフレットの閉鎖時にその一方の側で増大する流体圧力に起因する。人工弁の流入側の圧力が、人工弁の流出側の圧力を上回ると、リーフレットは開き、血液がリーフレットを通流する。血液が人工弁を通って、隣り合うチャンバ又は血管内に流入すると、入口側の圧力は流出側の圧力と等しくなる。人工弁の流出側の圧力が人工弁の流入側の圧力を上回ると、リーフレットは閉位置に戻ることにより、人工弁を通る血液の逆流を部分的又は完全にブロックする。
【0108】
図1は、いくつかの実施態様に基づく、人工弁100を示す等角図である。図示のように、人工弁100は、フレーム集成体又はリーフレットフレームとも記されるフレーム102と、リーフレット集成体又はリーフレットモジュールとも記されるリーフレット構造物104と、取り付け基体又は取り付け処理部材と記すこともできる取り付けエレメント106とを含む。人工弁100は種々の付加的なフィーチャのいずれか、例えば1つ又は2つ以上のシーリングカフを含むことができる。リーフレット構造物104は複数のリーフレット180(
図5)を有している。これらのリーフレットは1つに纏まる。この場合、自由縁部206(
図5)は平らに押し合わされる(例えば3つのリーフレットの場合、上から見てY字形パターンを成す)。これらの自由縁部を接合領域107と記すこともできる。自由縁部206が1つに纏まると、人工弁100は閉じる。人工弁100は、人工弁100の流出側Osにおける血圧が人工弁100の流入側Isにおける血圧よりも高い場合に、このように閉じる。人工弁100の流入側Isにおける血圧が人工弁100の流出側Osにおける血圧よりも高いと、リーフレット構造物104のリーフレット自由縁部は、互いに離れることにより、人工弁100を開き、血液が流入側Isから人工弁を通って流れるようにする。図示のように、人工弁100は、中心長手方向軸線Xv、並びに中心ルーメンに相当する内側108及び人工弁100の外部に相当する外側109を画定する。
【0109】
図2は、いくつかの実施態様に基づく、人工弁100のフレーム102を示す斜視図である。いくつかの実施例では、フレーム102は患者(図示せず)内部の所望の部位内でリーフレット構造物104を動作可能に支持するのに役立つ。フレーム102は任意には低減されたプロフィールである送達形態に圧潰することができ、次いで現場で(in situ:インシテュー)拡張することができる(例えば自己拡張するか、又は外力を加えることによって、例えばバルーン拡張によって拡張させる)。
図2に示されているように、フレーム102は任意には環状であり、円筒(例えば直円柱)又は円筒形状を画定し、そして中心軸線Xfを有する。
【0110】
フレーム102は概ね円形横断面を画定するものの、言うまでもなく、任意の種々の断面(例えば楕円形又は方形の断面)も考えられる。フレーム102は内側110と、内側110とは反対側の外側112とを有している。内側110は中心長手方向軸線Xfに面しており、そして外側112は外方に向くか、又は中心長手方向軸線Xfから離反する方向に向いている。図示のように、フレーム102は、複数の接合ポスト120(
図3)と、複数のフレームエレメント122とを含む。
【0111】
フレーム102は数ある好適なプロセスの中でも、エッチング、切断、レーザー切断、スタンピング、三次元プリント、又は巻き線によって形成することができる。フレーム102は一例としては任意の金属又はポリマー材料、例えば概ね生体適合性の弾性変形可能な(例えばニチノール)又は塑性変形可能な(例えばステンレス鋼)金属又はポリマー材料を含むことができる。フレーム102に適した他の材料の一例としては、他のチタン合金、ステンレス鋼、コバルト−ニッケル合金、ポリプロピレン、アセチルホモポリマー、アセチルコポリマー、引き抜き充填管(例えば白金コアを有するニチノールワイヤ)、他の合金又はポリマー、又は、本明細書中に記載されたフレーム102として機能するのに充分な物理的機械的特性を有する、概ね生体適合性の任意の他の材料が挙げられる。
【0112】
いくつかの実施態様では、複数の接合ポスト120は互いに間隔を置いて、フレーム12の周囲に位置する所望の位置(例えば等しい間隔を置いた位置)に配置されている。図示のように、複数の接合ポスト120は中心長手方向軸線Xfに対して平行に延びてはいるものの、所定の角度を成す形態(例えば、中心長手方向軸線Xfに向かって内向きに角度を成すか、又は中心長手方向軸線Xfから離反する方向に外向きに角度を成す接合ポスト)も考えられる。周方向に等間隔を置いた3つの接合ポスト120が示されてはいるものの、接合ポストの任意の数及び間隔が考えられる。複数の接合ポスト120は、周方向に隣接する接合ポストを定義し、又は単純に、フレーム102の周囲で運動する複数の接合ポスト120のうちの隣接する接合ポストを定義する。
図2に示されているように、位置及び配向以外に、接合ポスト120のそれぞれは同様のデザインを有してはいるものの、接合ポストが種々の点で互いに異なっている実施例も考えられる。理解しやすさのために、接合ポスト120のそれぞれのフィーチャについて、
図3に示された拡大図の第1接合ポスト120aに関連して説明する。
【0113】
第1接合ポスト120aのフィーチャは概ね数値に続けて「a」を付けた形で参照される。第2接合ポストの同様のフィーチャは続いて、第1接合ポスト120aと同じ数字で、しかしこれに続けて「b」を付けた形で参照することができる。第3接合ポストの同様のフィーチャは続いて、第1接合ポスト120aと同じ数字で、しかしこれに続けて「c」を付けた形で参照することができる。同様に、接合ポスト120のそれぞれのフィーチャをまとめて参照する場合には、これらのフィーチャは、第1接合ポスト120aに関して特定されたものと同じ数字で、しかしこれに続けて文字を付けることなしに参照される。
【0114】
図3に示されているように、第1接合ポスト120aは、第1脚部130aと、第2脚部132aと、ポストスロットと記すこともできる、第1脚部130aと第2脚部132aとの間のスロット134aと、突出部、フック、又は突起と記すこともできる懸吊用フィーチャ136aとを含む。第1接合ポスト120aは、フレーム外側112(
図2)に相当する外側と、フレーム内側110(
図2)に相当するポスト内側とを有している。
【0115】
図示のように、第1及び第2脚部130a,132aは長軸方向にまたは長手方向に延びている。いくつかの実施例では、第1及び第2脚部130a,132aは、フレーム102の中心長手方向軸線Xf(
図2)に対して平行な長手方向に延びている。他の実施例では、第1及び第2脚部130a,132aは長手方向に、しかし中心長手方向軸線Xfに対していくらかオフセットして延びている(例えば中心長手方向軸線Xfに向かって内向きに角度的にオフセットしているか、中心長手方向軸線Xfに対して横方向に角度的にオフセットしているか、又はこれらの組み合わせ)。
【0116】
スロット134aは任意には、第1脚部130aと第2脚部132aとの間に形成され、フレーム102の内側110(
図2)からフレーム102の外側112(
図2)へ、第1接合ポスト120aの厚さを通って延びている。スロット134aは、フレーム102の中心長手方向軸線Xfに対して半径方向に、フレーム102を通して形成されるか、又はスロット134aは、フレーム102の中心長手方向軸線Xfに対する半径方向に対して所定の角度を成して形成されている。図示のように、スロット134aは、フレーム102の中心長手方向軸線Xf(
図2)に対して平行な長手方向に延びている。他の実施例では、スロット134aは長手方向に、しかし中心長手方向軸線Xfに対していくらかオフセットして延びている(例えば中心長手方向軸線Xfに向かって内向きに角度的にオフセットしているか、中心長手方向軸線Xfに対して横方向に角度的にオフセットしているか、又はこれらの組み合わせ)。図示のように、スロット134aは、長さ又は高さが幅よりも大きい(例えば2倍、5倍、10倍、20倍、又は30倍よりも大きいが、しかし種々の寸法が適している)状態で、形状が細長く、そして第1端部140aから第2端部142aまで延びている。図示のように、スロット134aの第1端部140aは開いており、スロット134aの第2端部142aは閉じている。例えば第1端部140aは、これがフレーム102内の著しく広幅の区域(例えば5倍、10倍、20倍よりも大きい)に向かって開いているという意味において「開いている」のに対して、第2端部142aは、これがスロット134aの第1端部140aから所定の距離のところで終わっているという意味において「閉じている」。スロット134aの幅は、リーフレット材料の所望の数のパス又はループが下記のようにスロット134aを通るのを可能にするように概ね選ばれる。
【0117】
いくつかの実施態様では、例えばハンガ、突出物、突起、ショルダ、ピン、フックと記すこともできる懸吊用フィーチャ136aは、ボディ部分150aとヘッド部分152aとを含む。ボディ部分150aは、穴154a又はアパーチャを通してフレーム102内に固定されている(受容穴は
図3では隠されているが、しかし理解しやすさのために懸吊用フィーチャ136aを有していない
図2で見ることができる)。ヘッド部分152aは概ねショルダを画定し、そしてヘッド部分152aとフレーム102との間に溝156aを形成する。溝156aの深さ及び幅は、リーフレット構造物104を軸線方向に支持するために、リーフレット構造物104のフィラメント又は他の所望の部分を受容し保持するように、概ね選択される。図示のように、懸吊用フィーチャ136aは、スロット134aの第2端部142aに長手方向に隣接して、そして概ねスロット134aと整合した状態で配置される。他の実施例では、懸吊用フィーチャ136aはスロット134aからオフセットされる(例えば横方向/周方向に)。
【0118】
図4は、いくつかの実施態様に基づく、2つの隣接する接合ポスト120、すなわち第1接合ポスト120aと第2接合ポスト120bとの間のフレーム102の第1リーフレット取り付け領域160aを示す、拡大され平坦化された図である。第1リーフレット取り付け領域160aは第1辺162aと、第2辺164aと、底辺166aとを画定する。いくつかの実施態様に基づいて、同様のリーフレット取り付け領域160が、隣接する接合ポスト120のそれぞれの間に画定される。
図4では、フレーム102の第1リーフレット取り付け領域160aは、例示しやすさのために平坦化された形で表されてはいるものの、フレーム102は三次元であり、ほぼ環状であることは明らかである。
図4に示されているように、第1接合ポスト120aはフレーム102の第1リーフレット取り付け領域160aの第1辺に配置され、そして
図4に示されたフレーム102の第1リーフレット取り付け領域160aの第2辺には、複数の接合ポスト120のうちの第2接合ポスト120bが配置されている。具体的には、フレーム102は、第1接合ポスト120aと第2接合ポスト120bとの間に前記第1リーフレット取り付け領域160aを画定し、また複数の接合ポスト120のうちの残りの接合ポスト間にリーフレット取り付け領域を画定する。
【0119】
いくつかの実施態様では、フレーム102のフレームエレメント122は、複数のリーフレット取り付けフレームエレメント170、又は単純にリーフレット取り付けエレメントを含む。リーフレット取り付けエレメントは、
図4に示された第1リーフレット取り付け領域160aと同様のリーフレット取り付け領域を画定する。リーフレット取り付けフレームエレメント170は、リーフレット構造物104を支持するように、そしてリーフレット構造物104のリーフレット180(
図5)の形状を画定するのを助けるように配置される。このリーフレット180は、対応するリーフレット取り付け領域、例えば第1リーフレット取り付け領域160aから突出することになる。
図2に示された実施例では、フレーム102は、3つのリーフレット取り付け領域160に対応する3組のリーフレット取り付けフレームエレメント170を画定する。リーフレット取り付けフレームエレメント170はそれぞれ、リーフレット構造物104のリーフレットの輪郭形状に概ね従う。換言すれば、リーフレット取り付けフレームエレメント170は任意には、自由縁部206(
図5)を除いて各リーフレット180の少なくとも一部の周りでリーフレットを支持する。
【0120】
図5は、リーフレット構造物104を、フレーム102との集成前の状態で示す、扁平化された平面図である。この扁平化された平面図は、カットパターン、又は単純にリーフレットパターンと記すこともできる。例えば
図1からは、フレーム102に集成されると、リーフレット構造物104が折り曲げられ、円筒形状に形成されることが明らかである。
図5に示されているように、リーフレット構造物104は複数のリーフレット180と、周方向に隣接するリーフレット180を相互接続する複数のブリッジ182、又はブリッジ領域とを含む。いくつかの実施態様では、複数のリーフレット180は互いに離隔し、そしてそれぞれのリーフレット取り付け領域160及び接合ポスト120に対応するリーフレット構造物104の周囲の所望の位置に配置される。
図5及び6に示されているように、リーフレットパターンは、結合された連続的な(例えばモノリシックな、切れ目のない、又はシームレスの)環状リングを画定している。この環状リングは単一片として形成され、そして複数のリーフレット180と、複数のリーフレット180のそれぞれの間のブリッジ182とを含む。
【0121】
3つのリーフレット180が示されているものの、任意の数のリーフレットが考えられる。複数のリーフレット180は、周方向に隣接するリーフレットを定義し、又は単純に、リーフレット構造物104の周囲で運動する複数のリーフレット180のうちの隣接する接合ポストを定義する。リーフレット構造物104は、材料円筒体を所望の形状にカットすること、材料シートを所望の形状にカットすること、及び/又は所望の形状を有するリーフレット構造物104を成形(例えば圧縮成形又は射出成形)することを含む種々の形式で形成することができる。
【0122】
図6に示されているように、リーフレット構造物104はまた、複数の第1保持エレメント184と、複数の第2保持エレメント186とを含む(保持エレメントは、ブリッジ182を見やすくするために
図5には示されていない)。本明細書中に使用される保持エレメントは、ストランド、フィラメント、モノフィラメント、マルチフィラメント(フィラメントのブレイド群、編み群、捩れ群、又は他の関連群)、材料ビード、スレッド、縫合糸、ロールフィルム、材料多層レイアップ、ワイヤ、エンボスフィーチャ又は本明細書中に記載された機能を提供する他のフィーチャのうちの1種又は2種以上を含む。
【0123】
第1及び第2保持エレメント184,186は任意には、リーフレット構造物104に所望のように成形、接着、且つ/又は熱ボンディング、又はその他の形式でカップリングされる。本明細書中に使用されるカップリングとは、直接的であれ間接的であり、そして永久的であれ一時的であれ、接合、結合、取り付け、接着、貼り付け又はボンディングを意味する。
【0124】
いくつかの実施例では、第1保持エレメント184は存在しない。例えば保持エレメント184a,184bは、第2保持エレメント186によって所望の量の支持/保持力が提供される場合には不要なことがある。
【0125】
図5及び6に示されているように、位置及び配向以外には、複数のリーフレット180のそれぞれは同様のデザインを有しているものの、リーフレットが種々の点で互いに異なる実施例も考えられる。とはいえ、理解しやすさのために、各リーフレット180のフィーチャについては、第1リーフレット180aと関連して説明する。第1リーフレット180aのフィーチャは概ね数値に続けて「a」を付けた形で参照される。第2リーフレットの同様のフィーチャは続いて、第1リーフレット180aと同じ数字で、しかしこれに続けて「b」を付けた形で参照することができる。第3リーフレットの同様のフィーチャは続いて、第1リーフレット180aと同じ数字で、しかしこれに続けて「c」を付けた形で参照することができる。同様に、リーフレット180のそれぞれのフィーチャをまとめて参照する場合には、これらのフィーチャは、第1のリーフレット180aに関して特定されたものと同じ数字で、しかしこれに続けて文字を付けることなしに参照される。
【0126】
図5に示されているように、第1リーフレット180aは任意には、ボディ部分190aと、(例えば自由縁部206aと対向する端部で)ボディ部分190aから延びる複数の取り付けタブ192aと、ボディ部分190aから延びる第1接合タブ194aと、ボディ部分190aから延びる第2接合タブ196aとを含む。前述のように、第2リーフレット180,180cは任意には同様のフィーチャを含む。例えば、
図5に示されているように、第2リーフレット180bは第1接合タブ194bと第2接合タブ196bとを含む。図示のように、第1接合タブ194aは第2接合タブ196bに隣接して位置決めされ、そして第2接合タブ196aは第3リーフレット180cの第1接合タブ194cに隣接して位置決めされる。
【0127】
リーフレット腹部、又は腹部とも記されるボディ部分190aは、理解する目的で破線で仕切られている。第1リーフレット180aのボディ部分190aは、人工弁100における第1リーフレット180aの可動部分である。言うまでもなく、フレーム102に集成されたときには、ボディ部分190aの境界は仕切られ、ボディ部分190aは、
図5に示された平らな形状ではなく三次元形状を成す。したがって、破線はボディ部分190aを概略的に可視化する目的で提供されている。種々の実施例では、ボディ部分190aの形状は、フレーム102に対する取り付け線又は取り付け区域によって概ね決定づけられる。ボディ部分190aの縁部は概ね折り線に相当する。この折り線で取り付けタブ192a及び第1接合タブ194a及び第2接合タブ196aはフレーム102に固定される(
図2)。下記のように、リーフレット構造物104は、取り付けエレメント106(
図1)を使用してフレーム102に取り付けられてよい。このことはリーフレット取り付け領域160によって画定される形状、及びボディ部分190aの最終形状に寄与することができる。
【0128】
図示のように、第1リーフレット180aのボディ部分190aは、等脚台形の概略的形状を有する。正確な形状か否かにかかわらず、ボディ部分190aは概ね、第1辺200aと、第2辺202aと、底辺204aと、それぞれの他のリーフレット180のそれぞれの自由縁部206と接合するための、リーフレット底辺204aとは反対側の自由縁部206aとを有している。大まかに言えば、ボディ部分190aの形状は、第1リーフレット取り付け領域160aの第1辺162a、第2辺164a,及び底辺166aに対応する(
図4)。図示のように、2つの辺200a,202aはリーフレット底辺204aから末広がり状に延びており、リーフレット底辺204aはフレーム102の中心長手方向Xfに対して横方向平面内でほぼ真直ぐに延びている。換言すれば、リーフレット底辺204aは、集成後、フレーム102の中心長手方向軸線Xfに対して垂直である。
【0129】
ボディ部分190aは、等脚台形の概略的形状を成すように示されてはいるものの、あらゆる数の形状が考えられ、そしてボディ部分190aが全体的な外観において台形である必要はない。例えば、ボディ部分190aは、ほぼ等脚台形の形状を画定する中心領域とともに、それぞれの側の側方領域がほぼ三角形の形状を含んでよい。さらに他の実施態様では、ボディ部分190aは、第1リーフレット取り付け領域160aによって画定される幾何学的輪郭に応じて、U字形、放物線形、又はV字形と記すことができる形状を描いてもよい。
【0130】
第1リーフレット180aは、
図5において破線で仕切られているように、ボディ部分190aの外側に、折り重ね領域とも記される折り重ね部分198aを概ね画定する。第1リーフレット180aの折り重ね部分198aは、第1リーフレット180aをフレーム102に固定するために使用される部分である。残りのリーフレット180は任意にはフレーム102に固定するための同様のフィーチャを含む。リーフレット取り付けフレームエレメント170(
図4)は、ボディ部分190aと折り重ね部分198aとの間に形成された折り部分内に嵌まり込む。大まかにいえば、リーフレット180は、フレーム102にカップリングされると、フレーム102から半径方向内側に向かって延びる。各リーフレット180のボディ部分は、フレーム102の接合ポスト120間に充分な材料を含んでいるので、3つのリーフレット180のリーフレット自由縁部206は人工弁100の内部で1つに纏まる、又は接合することにより、
図1に示されているように人工弁100を閉じることができる。
【0131】
図示のように、折り重ね部分198a内に配置された複数の取り付けタブ192aは、ボディ部分190aの周囲に位置決めされ、そしてフレーム102のフレームエレメント122(例えばリーフレット取り付けフレームエレメント170)を受容するための開口208aによって互いに分離されている。複数の取り付けタブ192aのうちの1つ又は2つ以上が任意には、取り付けタブ192aの厚さを通る複数のアパーチャ(図示せず)を含む。接着剤又はボンディング(例えば接着/ボンディングのための付加的な表面積を提供する)、締め付けエレメント(例えば縫合糸のための穴)、又はこれらの組み合わせを用いて、アパーチャは、取り付けタブ192aをフレーム102にカップリング又は他の形で(例えば直接に、又は取り付けエレメント106を介して)固定するのを助けることができる。
【0132】
種々の実施例では、第1接合タブ194a及び第2第1接合タブ196aは、第1リーフレット180aを第1接合ポスト120a及び第2接合ポスト120b(
図2,4)に固定するのを助ける。
図5に示されているように、第1接合タブ194aは、ボディ部分190aの第1辺200aから延びており、第2接合タブ196aは、ボディ部分190aの第2辺202aから延びている。第1接合タブ194aは、リーフレット端部とも記される第1端部210aから、末端部212a(
図6)まで延びている。同様に、第2接合タブ196aも第1端部214aから末端部216a(
図6)まで延びている。第1接合タブ194a及び第2接合タブ196aは、末端部212a,216aに向かう任意のテーパを有する状態で示されている。
【0133】
図示のように、複数のブリッジ182が複数のリーフレット180の間に延びて、これらのリーフレット180を相互接続している。
図6Aは
図6の一部を示す拡大図であり、複数のブリッジ182のうちのブリッジ182aを示している。ブリッジ182のそれぞれは任意にはほぼ同様であり、そしてしたがってブリッジ182aに関連して集合的に記すことができる(しかしブリッジ間で変化するブリッジのデザインも考えられる)。
図6Aに示されているように、ブリッジ182aは第1リーフレット180aに隣接する第1端部220aと、第2リーフレット180bの第2端部222aとを相互接続するか、又は他の形でこれらの間で延びている。リーフレット構造物104が円筒形状に折られ、そしてリーフレット構造物104がフレーム102上に折り畳まれた状態で装着されると、ブリッジ182a(及びブリッジ182のそれぞれ)は第1端部220aと第2端部222aとの間にループを画定する。ブリッジ182によって画定されたループ、並びに接合ポスト120に固定されたリーフレット180の残り部分は、接合ネックと記すこともできる。いくつかの実施態様では、これらの接合ネックは、接合ポスト120のスロット、例えば第1接合ポスト120aのスロット134aを通るように作用可能であるので、ブリッジ182aを折ることにより形成されたループは、フレーム102の外側112に隣接する。フレームの外側はまた第1接合ポスト120aの外側に相当する(
図2)。
【0134】
図示のように、第1リーフレット180aは、第1接合タブ194aに配置された第1保持エレメント184aを含み、そして第2リーフレット180bは、第2接合タブ194bの第1端部214bの近くで第2リーフレット180bの第2接合タブ196bに配置された第1保持エレメント184bを含む。それぞれのリーフレット180a,180bの第1保持エレメント184a,184bは別個および互いに不連続であり、単一片又は切れ目なしの片として形成されてはいない。第2保持エレメント186aはブリッジ182aを横切り、又はこれに重なり、そして第1リーフレット180a及び第2リーフレット180bのそれぞれに重なり、そして任意には単一の、結合された、そして連続した(例えば切れ目のない)部材又はエレメントである。第2保持エレメント186aは第1リーフレット180aの第1部分230aと、第2リーフレット180bの第2部分230bとを画定する。これらの部分のそれぞれは任意には個別にエレメントとも呼ばれる。換言すれば、第1リーフレット180aは第2保持エレメント186aを含み、第2リーフレット180bは第2保持エレメント186bを含み、そして第2保持エレメント186a,186bは単一片として互いに結合され連続する(例えば切れ目のない)ことにより、第2保持エレメント186aを画定する。図示のように、第1保持エレメント184a,184bは第2保持エレメント186aから離隔している。いくつかの実施例では、第1保持エレメント184(例えば184a,184b)はこれらの隣接する第2保持エレメント186(例えば186a)から、フレーム102の内側110から外側112まで測定して、対応接合ポスト120(例えば120a)の厚さと少なくとも同じ幅の距離だけ離隔している。
【0135】
前に参照したように、種々の保持エレメントは種々の形態を成すことができる。いくつかの実施例では、第1保持エレメント184はリーフレット180の接合タブ上の材料ビードとして形成されるのに対して、第2保持エレメント186は繊維(例えば被覆繊維)である。種々の保持エレメントは任意には、リーフレット180の下地材料に成形、接着及び/又はボンディング、例えば熱ボンディングされる。いくつかの実施例では、第2保持エレメント186は、ブリッジ182を補強するのを助け、リーフレット180間の結合をもたらし、且つ/又は接合ポスト120のスロット134内における第1及び第2接合タブ194,196の保持に影響を与えるために使用される。下述のように、いくつかの実施例では、第2保持エレメント186は、外側112でスロット134に隣接して配置され、そして第1保持エレメント184は、フレーム102の内側110でスロット134に隣接して配置される。第2保持エレメント186は任意には、第1及び第2接合タブ194,196及びブリッジ182が、スロット134を通して内方へ向かって引っ張られるのを防止するのを助けるために使用される。第1保持エレメント184は任意には、リーフレット180がスロット134を通してフレーム102の外側112へと外方へ向かって引っ張られるのを防止するのを助けるために使用される。例えば、保持エレメント184,186、及びこれらにループ状に巻き掛けられる接合タブ194,196の部分の断面積は、スロット134の幅よりも大きい。
【0136】
第1保持エレメント184及び/又は第2保持エレメント186はポリマー、金属材料、フルオロポリマー、FEP、PEEK、ePTFEフィラメント(モノ−又はマルチ−)、ニチノール、ステンレス鋼、複数の材料襞又は材料層(例えばePTFEフィルム)のうちの1種又は2種以上、これらの組み合わせ、又はスロット及び/又は懸吊用フィーチャに対する運動に抵抗するように形成された種々のフィーチャのいずれかから形成することができる。
【0137】
図7は、フレーム102及び取り付けエレメント106の一部を示す概略平面図である。
図7のグレイ区域は、取り付けエレメント106が存在しない位置を表す。例えば、取り付けエレメントは任意には、フレーム材料に被着された1つ又は2つ以上の材料層である。所望の場合には、取り付けエレメント106内の開口、又はグレイ区域は任意にはレーザー切断を介して形成される(例えば取り付けエレメントはテープラッピング法の一部としてフレーム102に被着される)。取り付けエレメント106のいくつかの位置が、理解しやすくするために
図7に印を付けられている。前に参照したように、人工弁100は任意には取り付け基体又は取り付け処理部材と記すこともできる取り付けエレメント106を含む。取り付けエレメントは任意には、フレーム102に取り付けられた1つ又は2つ以上の材料層である。いくつかの実施例では、フレーム102の外側112は取り付けエレメント106で覆われている。取り付けエレメント106は、1つ又は2つ以上のフィルム材料層の形態を成している。リーフレット構造物104の1つ又は2つ以上の部分を次いで取り付けエレメント106に取り付けることができ、これにより、リーフレット180の形状を画定する助けとなる。
【0138】
図8は、フレーム102、リーフレット構造物104、及び取り付けエレメント106を、理解のために第1リーフレット取り付け領域160aの所定の区域内で重ねた状態を示している。これと同様の原理が、フレーム102のリーフレット取り付け領域に残りのリーフレット180を集成する際にも当てはまる。上で参照したように、リーフレット構造物104は、折り重ね部分、例えば第1リーフレット180aの折り重ね部分198aを使用して、フレーム102及び/又は取り付けエレメント106に取り付けられる。取り付けタブ、例えば第1リーフレット180aの取り付けタブ192aが、フレーム102及び/又は取り付けエレメント106の部分上に受容され、そしてこれらに取り付けられることにより、リーフレット構造物104をフレームに、リーフレット180のボディ部分、例えばボディ部分190a(
図5)のところで取り付ける。言うまでもなく、取り付けタブ192aのうちの1つ又は2つ以上を折り曲げて、フレーム102にではなく取り付けエレメント106に装着することができる。
図8に示されているように、最も下側の取り付けタブ192aを折り曲げて、取り付けエレメント106の底部で比較的平らな区域に装着することにより、
図5においてボディ部分190aに関して示されたものに対応する比較的平らな底辺を画定することができる。換言すれば、取り付けタブはフレーム102のジオメトリに必ずしも従わなくてもよく、例えば取り付けエレメント106によって画定される、フレーム102とは別個のジオメトリに従うことができる。
【0139】
図9及び10は、いくつかの実施例に基づく、接合ポスト120に対するリーフレット180の取り付けを示している。
図9は、スロット134aにおける接合ポスト120aの横断面図であり、
図10は、第1接合ポスト120aの区域における人工弁100の等角図である。
図9には、第1接合ポスト120aのスロット134aのところに比較的シャープな角隅が示されてはいるものの、言うまでもなく、面取り部、丸み付け部、レリーフ、被膜、及び他のフィーチャを設けることにより、リーフレット180a,180bのスロット縁部における応力集中、又は他の摩耗を回避することができる。そして
図9及び10は第1接合ポスト120a、第1リーフレット180a、及び第2リーフレット180に関連して具体的な実施例を提供するものの、言うまでもなく、残りのリーフレット180の接合タブをフレーム102の残りの接合ポスト120に取り付けるために同様の技術を採用することができる。
【0140】
図9に示されているように、第1リーフレット180aの第1接合タブ194a及び第2リーフレット180bの第2接合タブ196bはそれぞれ、第1接合ポスト120aのスロット134aを数回にわたって通過している。第1保持エレメント184a,184bはフレーム102の内側110に、ひいては第1接合ポスト120aの内側に位置決めされており、そして第2保持エレメント186aの第1部分230a及び第2部分230b(
図10)はフレーム102の外側112に、ひいては第1接合ポスト120aの外側に位置決めされている。図示のように、第1保持エレメント184a,184bは、それぞれフレーム102に対して外方に向かって引っ張られることから第1及び第2接合タブ194a,194bを保護する。また、第2保持エレメント186aの第1及び第2部分230a,230bは、それぞれフレーム102に対して内方に向かって引っ張られることから第1及び第2接合タブ194a,194bを保護する。所望の場合には、第1保持エレメント184a,184b及び/又は第2保持エレメント186a,186bを固定又はその他の形でカップリングするのを助けるために、縫合糸、又はフィルム層、接着剤、熱ボンディング、又は他のフィーチャを使用することができる。
【0141】
図示のように、第1リーフレット180aの第1接合タブ194aは、スロット134aを通る第1パス250a(第1接合ポスト120aに対して内側から出る)と、スロット134aを通る第2パス252a(第1接合ポスト120aに対して外側から入る)とを画定することにより、スロット134aを通る第1ループ254aを画定する。第2保持エレメント186の第1部分230aは第1ループ254a内部に位置決めされ、これにより、フレーム102の外側112に第1ループ254aのための広げられた断面を形成する。第1ループ254aの幅は、スロット134aを通して引っ張られるのに抵抗する、又はスロット134aを通して引っ張られるのを抑えるように選択される。第1リーフレット180aの第1接合タブ194aは、スロット134aを通る第3パス256a(第1接合ポスト120aに対して外側から入る)を画定することにより、スロット134aを通る第2ループ258aを画定する。第1保持エレメント184aは第2ループ258a内部に位置決めされて、第2ループ258aが第1保持エレメント184aを取り囲むようになっており、これにより、フレーム102の外側112に第2ループ258aのための広げられた断面を形成する。第2ループ258aの幅は、スロット134aを通して引っ張られるのに抵抗する、又はスロット134aを通して引っ張られるのを抑えるように選択される。図示のように、第1パス250aは第2パス252aに隣接して位置決めされている。第2パス252aはスロット134a内部の第3パス256aに隣接して位置決めされている。
【0142】
図示のように、第2リーフレット180bの第2接合タブ196bは、スロット134aを通る第1パス250b(第1接合ポスト120aに対して内側から出る)と、スロット134aを通る第2パス252b(第1接合ポスト120aに対して外側から入る)とを画定することにより、スロット134aを通る第1ループ254bを画定する。第2保持エレメント186(
図10)の第2部分230bは第1ループ254b内部に位置決めされて、第1ループ254bが第2保持エレメント186bを取り囲むようになっており、これにより、フレーム102の外側112に第1ループ254bのための広げられた断面を形成する。第1ループ254bの幅は、スロット134aを通して引っ張られるのに抵抗する、又はスロット134aを通して引っ張られるのを抑えるように選択される。第2リーフレット180bの第2接合タブ196bは、スロット134aを通る第3パス256b(第1接合ポスト120aに対して外側から入る)を画定することにより、スロット134aを通る第2ループ258bを画定する。第1保持エレメント184bは第2ループ258b内部に位置決めされて、第1保持エレメント184bが第2ループ258bによって取り囲まれるようになっており、これにより、フレーム102の外側112に第2ループ258bのための広げられた断面を形成する。第2ループ258bの幅は、スロット134aを通して引っ張られるのに抵抗する、又はスロット134aを通して引っ張られるのを抑えるように選択される。図示のように、第1パス250bは第2パス252bに隣接して位置決めされている。第2パス252bはスロット134a内部の第3パス256bに隣接して位置決めされている。
【0143】
第1ループ254a,bは任意には外側ループと記され、そして第2ループ250a,bは任意には内側ループと記される。いくつかの実施例では、パス250a,b,252a,b,256a,bのうちの1つ又は2つ以上が互いにカップリングされている(例えば成形、熱シーリング/ボンディング、接着剤、縫合糸、又は他のカップリング手段によって)。カップリングされるか又はカップリングされないか(例えばボンディングされるか又はボンディングされないか)とは無関係に、種々のパスをスロット134a内に挿入することができる。この場合、開いた端部であるスロット134aの第1端部140a(
図3)を通してスロット134a内へ第1接合タブ194a及び第2接合タブ196bをスライドさせることによって、第1保持エレメント184aがフレーム102の内側110に、そして第2保持エレメント186aがフレーム102の外側に位置するようにする。いくつかの他の実施例では、第1接合タブ194a及び第2接合タブ196bを、スロット134aを通して内側から外側へ、そして外側から内側へ手繰り込むことにより、第1ループ254a,bと第2ループ258a,bとを形成する(例えば第1スロット1134a及び第2スロット1136a内を上方に向かってスライドさせるのとは対照的に)。
図9において接合タブのそれぞれに対して3つのパスが示されてはいるものの、これよりも少ない(単一のループが望まれる場合には2つの)パス又は(付加的なループが望まれる場合には)これよりも多いパスも考えられる。
【0144】
図10はブリッジ182a(
図6A)を含む第2保持エレメント186aを示している。第2保持エレメント186aは、懸吊用フィーチャ136a(ヘッド部分152aが示されている)上に、具体的にはヘッド部分152aとフレーム102との間に形成された溝156a(
図3)内部でヘッド部分152aの背後に受容されている。第2保持エレメント186aはこのように、第2保持エレメント186aが取り付けられた第1リーフレット180a及び第2リーフレット180b(
図9)を支持するための懸吊用ループ280aを画定する。リーフレット180の残りの第1及び第2接合タブ194,196は、残りの接合ポスト120に固定され、これらから支持される。保持エレメント184,186によって提供された比較的スムーズな旋回及び補強は、リーフレット構造物104の横方向負荷に起因する接合ポスト120における応力集中を軽減する。そして懸吊用ループによって提供された軸線方向支持は、懸吊用ループ280aと同様に、リーフレット構造物104に軸線方向支持をもたらし、接合ポスト120とリーフレット180との間の取り付けインターフェイスにおける軸線方向応力集中を軽減するのを助ける(
図5)。
【0145】
図11は、いくつかの実施態様に基づく別の人工弁1100の平面図であり、
図11Aは人工弁1100の等角図である。図示のように、人工弁1100は、フレーム集成体又はリーフレットフレームとも記されるフレーム1102と、リーフレット集成体又はリーフレットモジュールとも記される、複数のリーフレット1180を含むリーフレット構造物1104と、取り付け基体又は取り付け処理部材とも記し得る取り付けエレメント1106とを含む。図示のように(例えば
図15)、リーフレット構造物1104は複数のリーフレット1180から成っていてよい。これらのリーフレット1180を、個別の構成部分として形成し、続いてフレーム1102と集成することにより、リーフレット構造物1104を形成する。人工弁1100は、種々の付加的なフィーチャのうちのいずれか、例えば1つ又は2つ以上のシーリングカフを含むことができる。図示のように、人工弁1100は中心長手方向軸線Yv、並びに中心ルーメンに相当する内側1108及び人工弁1100の外部に相当する外側1109を画定する。リーフレット構造物1104は、1つに纏まる3つのリーフレット1180を有し、具体的には接合領域において(上から見て)Y字形パターンを成して1つに纏まる自由縁部を有することにより、人工弁1100を閉じる。人工弁1100は、人工弁1100の流出側における血圧が人工弁1100の流入側における血圧よりも高い場合に、このように閉じる。人工弁1100の流入側における血圧が人工弁1100の流出側における血圧よりも高いと、リーフレット構造物1104のリーフレット自由縁部は、互いに離れることにより、人工弁1100を開き、血液が流入側から人工弁1100を通って流れるようにする。
【0146】
図12は、いくつかの実施態様に基づく、人工弁1100のフレーム1102を示す斜視図である。種々の実施例の場合、フレーム1102は、患者の身体の(図示せず)所望の部位内でリーフレット構造物1104を作用可能に支持するのに役立つ。フレーム1102は任意には低減されたプロフィールである送達形態に圧潰することができ、次いで現場で拡張することができる(例えば自己拡張するか、又は外力を加えることによって、例えばバルーン拡張によって拡張させる)。
図12に示されているように、フレーム1102は任意には環状であり、円筒(例えば直円柱)又は円筒形状を画定し、そして中心軸線Yfを有する。
【0147】
フレーム1102は概ね円形横断面を画定するものの、言うまでもなく、任意の種々の断面(例えば楕円形又は方形の断面)も考えられる。フレーム1102は内側1110と、内側1110とは反対側の外側1112とを有している。内側1110は中心長手方向軸線Yfに面しており、そして外側1112は外方に向くか、又は中心長手方向軸線Yfから離反する方向に向いている。図示のように、フレーム1102は、複数の接合ポスト1120(
図3)と、複数のフレームエレメント1122とを含む。
【0148】
フレーム1102は数ある好適なプロセスの中でも、エッチング、切断、レーザー切断、スタンピング、三次元プリント、又は巻き線によって形成することができる。フレーム1102は一例としては、概ね生体適合性の任意の弾性変形可能な金属又はポリマー材料を含むことができる。フレーム1102は、形状記憶材料、例えばニチノール、ニッケル−チタン合金を含むことができる。フレーム1102に適した他の材料の一例としては、他のチタン合金、ステンレス鋼、コバルト−ニッケル合金、ポリプロピレン、アセチルホモポリマー、アセチルコポリマー、他の合金又はポリマー、又は、本明細書中に記載されたフレーム1102として機能するのに充分な物理的機械的特性を有する、概ね生体適合性の任意の他の材料が挙げられる。
【0149】
いくつかの実施態様では、複数の接合ポスト1120は互いに間隔を置いて、フレーム1102の周囲に位置する所望の位置に配置されている。図示のように、複数の接合ポスト1120は中心長手方向軸線Yfに対して平行に延びてはいるものの、所定の間隔を成す形態(例えば、中心長手方向軸線Yfに向かって内向きに角度を成すか、又は中心長手方向軸線Yfから離反する方向に外向きに角度を成す接合ポスト)も考えられる。3つの接合ポスト1120が示されてはいるものの、任意の数の接合ポスト考えられる。複数の接合ポスト1120は、周方向に隣接する接合ポストを定義し、又は単純に、フレーム1102の周囲で運動する複数の接合ポスト1120のうちの隣接する接合ポストを定義する。
【0150】
図12に示されているように、位置及び配向以外に、接合ポスト1120のそれぞれは同様のデザインを有してはいるものの、接合ポストが種々の点で互いに異なっている実施例も考えられる。理解しやすさのために、接合ポスト1120のそれぞれのフィーチャについて、
図13に示された拡大図の第1接合ポスト1120aに関連して説明する。第1接合ポスト1120aのフィーチャは概ね数値に続けて「a」を付けた形で参照される。第2接合ポストの同様のフィーチャは続いて、第1接合ポストと同じ数字で、しかしこれに続けて「b」を付けた形で参照することができる。第3接合ポストの同様のフィーチャは続いて、第1接合ポスト1120aと同じ数字で、しかしこれに続けて「c」を付けた形で参照することができる。同様に、接合ポスト1120のそれぞれのフィーチャをまとめて参照する場合には、これらのフィーチャは、第1接合ポスト1120aに関して特定されたものと同じ数字で、しかしこれに続けて文字を付けることなしに参照される。
【0151】
図13に示されているように、第1接合ポスト1120aは、第1脚部1130aと、第2脚部1132aと、第1ポストスロットと記すこともできる、第1スロット1134aと、第2ポストスロットと記すこともできる、第2スロット1136aとを含む。第1スロット1134a及び第2スロット1136aはそれぞれ第1脚部1130aと第2脚部1132aとの間に配置されている。図示のように、第1接合ポスト1120aはまた、第1脚部1130aと第2脚部1132aとの間に位置決めされた中間脚部1138aを含む。第1接合ポスト1120aは、第1脚部1130aと中間脚部1138aとの間の第1スロット1134aと、第2脚部1132aと中間脚部1138aとの間の第2スロット1136aとを画定する。第1接合ポスト1120aは、フレーム外側1112に相当する外側と、フレーム内側1110に相当するポスト内側とを有している。
【0152】
図示のように、第1脚部1130a及び第2脚部1132aは長軸方向にまたは長手方向に延びている。いくつかの実施例では、第1脚部1130a及び第2脚部1132aは、フレーム1102の中心長手方向軸線Yf(
図12)に対して平行な長手方向に延びている。他の実施例では、第1脚部1130a及び第2脚部1132aは長手方向に、しかし中心長手方向軸線Yfに対していくらかオフセットして延びている(例えば中心長手方向軸線Yfに向かって内向きに角度的にオフセットしているか、中心長手方向軸線Yfに対して横方向に角度的にオフセットしているか、又はこれらの組み合わせ)。
【0153】
図示のように、第1スロット1134a及び第2スロット1136aのそれぞれは、フレーム1102の内側1110(
図12)からフレーム1102の外側1112(
図12)へ、第1接合ポスト1120aの厚さを通って延びている。スロット1134a,1136aは、フレーム1102の中心長手方向軸線Yfに対して半径方向に、フレームを通して形成されるか、又はスロットは、フレーム1102の中心長手方向軸線Yfに対する半径方向に対して所定の角度を成して形成されている。種々の実施例では、第1スロット1134a及び第2スロット1136aの一方又は両方は、フレーム1102の中心長手方向軸線Yf(
図12)に対して平行な長手方向に延びている。他の実施例では、第1スロット1134a及び第2スロット1136aの一方又は両方は、長手方向に、しかし中心長手方向軸線Yfに対していくらかオフセットして延びている(例えば中心長手方向軸線Yfに向かって内向きに角度的にオフセットしているか、中心長手方向軸線Yfに対して横方向に角度的にオフセットしているか、又はこれらの組み合わせ)。図示のように、第1スロット1134a及び第2スロット1136aの一方又は両方は、長さ又は高さが幅よりも著しく大きい(例えば2倍、5倍、10倍、20倍、又は30倍よりも大きいが、しかし種々の寸法が適している)状態で、形状が細長い。
【0154】
いくつかの実施例では、第1スロット1134aは第1端部1140aから第2端部1142aまで延び、そして第2スロット1136aは第1端部1144aから第2端部1146aまで延びている。図示のように、第1端部1140a,1144aは開いており、そして第2端部1142a,1146aは閉じている。例えば、第1端部1140a,1144aは、これがフレーム1102内の著しく広幅の区域(例えば5倍、10倍、20倍よりも大きい)に向かって開いているという意味において「開いている」のに対して、第2端部1142a,1146aは、これが第1スロット1134a及び第2スロット1136aの幅のところで終わっているという意味において「閉じている」。第1スロット1134a及び第2スロット1136aの幅は、リーフレット材料の所望の数のパス又はループが第1スロット1134a及び第2スロット1136aを通るのを可能にするように概ね選ばれる。
【0155】
いくつかの実施態様では、第1接合ポスト1120aは、突出物、フック、又は突起とも記される第1懸吊用フィーチャ1150aと、突出物、フック、又は突起とも記される第2懸吊用フィーチャ1152aとを画定する。第1及び第2懸吊用フィーチャ1150a,1152aのそれぞれは、任意には例えばハンガ、ショルダ、ピン、又はフックと記される。第1懸吊用フィーチャ1150aは任意には第1脚部1130aから(例えばフレーム1102の長手方向軸線Yfに対して平行に)長手方向に突出する。第2懸吊用フィーチャ1152aは任意には第2脚部1132aから(例えばフレーム1102の長手方向軸線Yfに対して平行に)長手方向に突出する。第1接合ポスト1120aは任意には、第1懸吊用フィーチャ1150aと中間脚部1138aとの間の第1溝1154aを画定する。第1接合ポスト1120aはまた任意には、第2懸吊用フィーチャ1152aと中間脚部1138aとの間の第1溝1156aを画定する。溝1154a,1156aの深さ及び幅は、リーフレット構造物1104を軸線方向に支持するために、リーフレット構造物1104のフィラメント又は他の所望の部分を受容し保持するように、概ね選択される。図示のように、懸吊用フィーチャ1150a,1152aはそれぞれ、スロット1134a,1136aの第2端部1142a,1146aに長手方向に隣接し、そして第1スロット1134a及び第2スロット1136aと概ね整合した状態で配置されている。他の実施例では、懸吊用フィーチャ1150a,1152aは第1スロット1134a及び第2スロット1136aからオフセットされる(例えば横方向/周方向に)。
【0156】
図14は、いくつかの実施態様に基づく、2つの隣接する接合ポスト1120の間のフレーム1102の一部を示す、拡大され平坦化された図である。いくつかの実施態様に基づいて、隣接する接合ポスト1120のそれぞれの間に、フレーム1102の同様の部分が画定されている。
図14では、フレーム1102の部分が、例示しやすさのために平坦化された形で表されてはいるものの、フレーム1102は三次元であり、ほぼ環状であることは明らかである。
図14に示されているように、第1接合ポスト1120aはフレーム1102の部分の第1辺に配置され、そして
図4に示されたフレーム1102の部分の第2辺には、複数の接合ポスト1120のうちの第2接合ポスト1120bが配置されている。具体的には、フレーム1102は、第1接合ポスト1120aと第2接合ポスト1120bとの間に第1リーフレット取り付け領域1160aを画定し、また残りの接合ポスト1120の間にリーフレット取り付け領域1160を画定する。第1リーフレット取り付け領域1160aは第1辺1162aと、第2辺1164aと、底辺1166aとを画定する。本実施態様に基づいて、隣接する接合ポスト1120のそれぞれの間に、同様のリーフレット取り付け領域1160が画定される。
【0157】
いくつかの実施態様では、フレーム1102のフレームエレメント1122は、複数のリーフレット取り付けフレームエレメント1170、又は単純にリーフレット取り付けエレメントを含む。リーフレット取り付けエレメントは、
図14に示された第1リーフレット取り付け領域1160aを含むリーフレット取り付け領域を画定する。リーフレット取り付けフレームエレメント1170は、リーフレット構造物1104を支持するように、そしてリーフレット構造物1104のリーフレットの形状を画定するのを助けるように配置される。このリーフレットは、例えば第1リーフレット取り付け領域1160aから突出することになる。
図12に示された実施例では、フレーム1102は、3組のリーフレット取り付けフレームエレメント1170を画定する。これらの3組のリーフレット取り付けフレームエレメントは、リーフレット構造物1104のリーフレットの輪郭形状にそれぞれ概ね従う。換言すれば、リーフレット取り付けフレームエレメント1170は任意には、自由縁部を除いてリーフレットの周りでリーフレットを支持する。
【0158】
図11に示されているように、リーフレット構造物1104は複数のリーフレット1180を含む。
図15は、複数のリーフレット1180(
図11)の第1リーフレット1180aを、フレーム1102との集成前の状態で示す、扁平化された平面図である。この扁平化された平面図は、カットパターン、又は単純にリーフレットパターンと記すこともできる。例えば
図11からは、複数のリーフレット1180のそれぞれがフレーム1120の周りで周方向に取り付けられた状態でフレーム1102に集成されると、リーフレット構造物1104が折り曲げられ、円筒形状にされることが明らかである。
図15から理解されるように、複数のリーフレット1180は任意には、個別の構成部分として形成される。これらの個別の構成部分は、次いで別個にフレーム1102に集成される。しかしながら、やはり言うまでもなく、リーフレット構造物104と同様に、リーフレット構造物1104は任意には、周方向に隣接するリーフレット180を相互接続する複数のブリッジ182、又はブリッジ領域(例えばブリッジ182)を含む。このような実施態様では、リーフレットパターンは、複数のリーフレットと、複数のリーフレットのそれぞれの間のブリッジとを含む、結合された連続的な(例えば切れ目のない)環状リングを画定する。図示のように、複数のリーフレット1180は互いに離隔しており、そしてリーフレット構造物1104の周囲の所望の位置に配置されるか又は他の形で分配されている。
【0159】
図11には、3つのリーフレット1180が示されているものの、任意の数のリーフレットが考えられる。複数のリーフレット1180は、周方向に隣接するリーフレットを定義し、又は単純に、リーフレット構造物1104の周囲で運動する複数のリーフレット1180のうちの隣接するリーフレットを定義する。リーフレット構造物1104は、ポリマー材料円筒体を所望の形状にカットすること、ポリマー材料シートを所望の形状にカットすること、及び/又は所望の形状を有するリーフレット構造物1104を成形(例えば圧縮成形又は射出成形)することを含む種々の形式で形成することができる。
【0160】
種々の実施例によれば、位置及び配向以外には、複数のリーフレット1180のそれぞれは同様のデザインを有しているものの、リーフレットが種々の点で互いに異なる実施例も考えられる。とはいえ、理解しやすさのために、各リーフレット1180のフィーチャについては、第1リーフレット1180aと関連して説明する。第1リーフレット1180aのフィーチャは概ね数値に続けて「a」を付けた形で参照される。第2リーフレットの同様のフィーチャは続いて、第1リーフレットと同じ数字で、しかしこれに続けて「b」を付けた形で参照することができる。第3リーフレットの同様のフィーチャは続いて、第1リーフレット1180aと同じ数字で、しかしこれに続けて「c」を付けた形で参照することができる。同様に、リーフレットのそれぞれのフィーチャをまとめて参照する場合には、これらのフィーチャは、同じ数字で、しかしこれに続けて文字を付けることなしに参照される。同様に、リーフレット1180のそれぞれのフィーチャをまとめて参照する場合には、これらのフィーチャは、同じ数字で、しかしこれに続けて文字を付けることなしに参照される。
【0161】
図15に示されているように、第1リーフレット1180aは、複数の第1保持エレメント1184aと、複数の第2保持エレメント1186aとを含んでいる。リーフレット1180のそれぞれは任意には、同様の第1保持エレメント1184と第2保持エレメント1186とを含む。複数の第1保持エレメント1184a及び複数の第2保持エレメント1186aは任意には、所望の通りにリーフレット構造物1104(
図11)に成形、接着、且つ/又は熱ボンディング、又はその他の形でカップリングされる。
【0162】
図15に示されているように、第1リーフレット1180aは任意にはボディ部分1190aと、ボディ部分1190aから延びる複数の取り付けタブ1192aと、ボディ部分1190aから延びる第1接合タブ1194aと、ボディ部分1190aから延びる第2接合タブ1196aとを含む。
【0163】
リーフレット腹部、又は腹部とも記されるボディ部分1190aは、理解する目的で破線で仕切られている。第1リーフレット1180aのボディ部分1190aは、人工弁1100(
図11)における第1リーフレット1180aの可動部分である。言うまでもなく、フレーム1102に集成されたときには、ボディ部分1190aの境界は仕切られ、ボディ部分1190aは、
図15に示された平らな形状ではなく三次元形状を成す。したがって、破線はボディ部分1190aを概略的に可視化する目的で提供されている。種々の実施例では、ボディ部分1190aの形状は、フレーム1102に対する取り付け線又は取り付け区域によって概ね決定づけられる。ボディ部分1190aの縁部は概ね折り線に相当する。取り付けタブ1192a及び第1接合タブ1194a及び第2接合タブ1196aはフレーム1102に固定される。下記のように、リーフレット構造物1104は、取り付けエレメント1106(
図11)を使用してフレーム1102に取り付けられてよい。このことはリーフレット取り付け領域1160によって画定される形状、及びボディ部分1190aの最終形状に関与することができる。
【0164】
図15に示されているように、第1リーフレット1180aのボディ部分1190aは、等脚台形の概略的形状を有する。正確な形状か否かにかかわらず、ボディ部分1190aは概ね、第1辺1200aと、第2辺1202aと、リーフレット底辺1204aと、他のリーフレット1180と接合するための、リーフレット底辺1204aとは反対側の自由縁部1206aとを有している。大まかに言えば、ボディ部分1190aの形状は、第1リーフレット取り付け領域1160aの辺及び底辺に対応する(
図14)。図示のように、2つの辺1200a,1202aはリーフレット底辺1204aから末広がり状に延びており、リーフレット底辺1204aはフレーム1102の中心長手方向Yfに対して横方向平面内でほぼ真直ぐに延びる。換言すれば、リーフレット底辺1204aは、集成後、フレーム1102の中心長手方向軸線Yfに対して垂直である。
【0165】
ボディ部分1190aは、等脚台形の概略的形状を成すように示されてはいるものの、あらゆる数の形状が考えられ、そしてボディ部分1190aが全体的な外観において台形である必要はない。例えば、ボディ部分1190aは、ほぼ等脚台形の形状を画定する中心領域とともに、それぞれの側の側方領域がほぼ三角形の形状を含んでよい。さらに他の実施態様では、ボディ部分1190aは、第1リーフレット取り付け領域1160a(
図14)によって画定される幾何学的輪郭に応じて、U字形、放物線形、又はV字形と記すことができる形状を描いてもよい。
【0166】
第1リーフレット1180aは、
図15において破線で仕切られているように、ボディ部分1190aの外側に、折り重ね領域とも記される折り重ね部分1198aを概ね画定する。第1リーフレット1180aの折り重ね部分1198aは、第1リーフレット1180aをフレーム1102に固定するために使用される部分である。残りのリーフレット1180は任意にはフレーム1102に固定するための同様のフィーチャを含む。リーフレット取り付けフレームエレメント1170(
図14)は、ボディ部分1190aと折り重ね部分1198aとの間に形成された折り部分内に嵌まり込む。大まかにいえば、リーフレット1180は、フレーム1102にカップリングされると、フレーム1102から半径方向内側に向かって延びる。各リーフレット1180のボディ部分は、フレーム1102の接合ポスト1120間に充分な材料を含んでいるので、3つのリーフレットボディ部分のリーフレット自由縁部は人工弁1100の内部で1つに纏まる、又は接合することにより、
図11に示されているように人工弁1100を閉じることができる。
【0167】
図示のように、折り重ね部分1198a内に配置された複数の取り付けタブ1192aは、ボディ部分1190aの周囲に位置決めされ、そしてフレーム1102のフレームエレメント1122(例えばリーフレット取り付けフレームエレメント1170)を受容するための開口1208aによって互いに分離されている。図示のように、複数の取り付けタブ1192aのうちの1つ又は2つ以上が任意には、取り付けタブ1192aの厚さを通る複数のアパーチャ(図示せず)を含む。成形、接着剤および/又はボンディング(例えば接着/ボンディングのための付加的な表面積を提供する)、締め付けエレメント(例えば縫合糸のための穴)、又はこれらの組み合わせを用いて、アパーチャは、取り付けタブ1192aをフレーム1102に(例えば直接に、又は取り付けエレメント1106を介して)固定するのを助けることができる。
【0168】
種々の実施例では、第1接合タブ1194a及び第2接合タブ1196aは、第1リーフレット1180aを第1接合ポスト1120a及び第2接合ポスト1120b(
図2)に固定するのを助ける。
図15に示されているように、第1接合タブ1194aは、ボディ部分1190aの第1辺1200aから延びており、第2接合タブ1196aは、ボディ部分1190aの第2辺1202aから延びている。第1接合タブ1194aは、リーフレット端部とも記される第1端部1210aから、末端部1212aまで延びている。同様に、第2接合タブ1196aも第1端部1214aから末端部1216aまで延びている。第1接合タブ1194a及び第2接合タブ1196aは一定の幅を有する概ね方形形状として示されてはいるものの、(例えば末端部1212a,1216aに向かう)テーパも考えられる。
【0169】
図15には示されてはいないが、(例えば
図23及び24に示されているように)ブリッジが複数のリーフレット1180の間に延び、これらのリーフレット1180を相互接続している。例えば、ブリッジのそれぞれは任意にはほぼ同様であり、そして隣接するリーフレット1180を相互接続し、又は他の形で隣接するリーフレット1180の間で延びている。このような実施例では、リーフレット構造物1104が円筒形状に折られ、そしてリーフレット構造物1104がフレーム102上に折り畳まれた状態で装着されると、ブリッジが、接合ポスト1120に対する取り付けのためのループを画定することも考えられる。
【0170】
図示のように、第1リーフレット1180aは、第1接合タブ1194a及び第2接合タブ1196bのそれぞれに配置された第1保持エレメント1184aを含む。リーフレット構造物104(
図5)の第1リーフレット180a及び第2リーフレット180bのものと同様に、それぞれのリーフレット1180の第1保持エレメント1184は互いに別個であり不連続である(換言すれば切れ目がある)。図示のように、第1リーフレット1180aはまた、第1接合タブ1194a及び第2接合タブ1196bのそれぞれに配置された第2保持エレメント1186aを含む。図示のように、第1接合タブ1194aの第1保持エレメント1184a及び第2保持エレメント1186aは任意には互いに結合されて連続的であり(例えば切れ目がない)、そしてリーフレット1180のうちの別のものとは別個であり結合されていない。同様に、第2接合タブ1196aの第1保持エレメント1184a及び第2保持エレメント1186aも任意には互いに結合され連続的であり(例えば切れ目がない)、そしてリーフレット1180のうちの別のものとは別個であり結合されていない。他の実施例(例えば
図23及び26)では、隣接するリーフレット1180の間で結合され連続する(例えば切れ目がない)保持エレメントも考えられる。
【0171】
いくつかの実施例では、第1保持エレメント1184aはこれらの隣接する第2保持エレメント1186aから、フレーム1102の内側1110から外側1112まで測定して、対応接合ポスト1120(例えば1120a)の厚さと少なくとも同じ幅の距離だけ離隔している。
【0172】
前に参照したように、種々の保持エレメントは種々の形態を成すことができる。いくつかの実施例では、第1保持エレメント1184,1186のうちの一方又は両方は、リーフレット1180の接合タブ上の材料ビード又は繊維(例えば被覆繊維)として形成される。種々の保持エレメントは任意には、リーフレット1180の下地材料に成形、接着、且つ/又はボンディング、例えば熱ボンディングされる。
【0173】
下述のように、いくつかの実施例では、第2保持エレメント1186(
図15)は、外側1112(
図11)でスロット1134,1136(
図13)に隣接して配置され、そして第1保持エレメント1184(
図15)は、フレーム1102(
図12)の内側1110でスロット1134,1136に隣接して配置される。第2保持エレメント1186は任意には、第1及び第2接合タブ1194,1196(
図15)が、スロット1134,1136を通して内方に向かって引っ張られるのを防止するのを助けるために使用される。第1保持エレメント1184は任意には、接合タブ1194,1196がスロット1134,1136を通して外方に向かってフレーム1102の外側1112へ引っ張られるのを防止するのを助けるために使用される。
【0174】
第1保持エレメント1184及び第2保持エレメント1186は、第1保持エレメント1184及び第2保持エレメント1186に関連して記載された材料のいずれかと同様に、そしてこれから形成することができる。
【0175】
図16は、フレーム1102及び取り付けエレメント1106の一部を示す概略平面図である。前に参照したように、人工弁1100は任意には、取り付け基体又は取り付け処理部材と記すこともできる取り付けエレメント1106を含む。
図16の陰影区域は、取り付けエレメント1106が存在しない位置を表す。例えば、取り付けエレメント1106は任意には、フレーム材料に被着された1つ又は2つ以上の材料層である。所望の場合には、取り付けエレメント1106内の開口、又はグレイ区域は任意にはレーザー切断を介して形成される(例えば取り付けエレメントはテープラッピング法の一部としてフレーム1102に被着される)。取り付けエレメント1106のいくつかの位置が、理解しやすくするために
図7に印を付けられている。取り付けエレメント1106は任意には、フレーム1102に取り付けられた1つ又は2つ以上の材料層である。いくつかの実施例では、フレーム1102の外側1112は取り付けエレメント1106で覆われている。取り付けエレメント1106は、1つ又は2つ以上のフィルム材料層の形態を成している。リーフレット構造物1104の1つ又は2つ以上の部分を次いで取り付けエレメント1106に取り付けることができ、これにより、リーフレット1180の形状を画定する助けとなる。
【0176】
図17は、これらの集成体を理解するために、フレーム1102、リーフレット構造物1104の第1リーフレット1180a及び第2リーフレット1180b、及び第1接合ポスト1120aの区域内の取り付けエレメント1106の、部分を説明する人工弁1100の重なった部分を示している。これと同様のコンセプトが、フレーム1102に残りのリーフレット1180を集成する際にも当てはまる。上で参照したように、リーフレット構造物1104(
図11)は、折り重ね部分、例えば第1リーフレット1180aの折り重ね部分1198aを使用して、フレーム1102及び/又は取り付けエレメント1106に取り付けられる。取り付けタブ、例えば第1リーフレット1180a及び第2リーフレット1180bの取り付けタブ1192a,1192bが、フレーム1102及び/又は取り付けエレメント1106の部分上に受容され、そしてこれらに取り付けられることにより、リーフレット構造物1104をフレームに取り付ける。言うまでもなく、取り付けタブ1192a,1192bのうちの1つ又は2つ以上を折り曲げて、フレーム1102にではなく取り付けエレメント1106に装着することができる。例えば、最も下側の取り付けタブ1192aを折り曲げて、取り付けエレメント1106(図示せず)の底部で比較的平らな区域に装着し、これにより、
図15においてボディ部分1190aに関して示されたものに対応する比較的平らな底辺を画定することができる。換言すれば、取り付けタブはフレーム1102のジオメトリに必ずしも従わなくてもよく、例えば取り付けエレメント1106によって画定される、フレーム1102とは別個のジオメトリに従うように折り曲げるか又は他の形で取り付けることができる。
【0177】
折り重ね部分は接着剤、縫合、焼結を用いて、又は所望通りの他の方法によって所定の位置に固定することができる。いくつかの実施例では、アパーチャ、例えばアパーチャ1199aを使用して、取り付けタブをそれらの適切な位置にカップリング(例えば成形、接着、及び/又はボンディング)することを助け、且つ/又は取り付けタブをそれらの適切な位置に整合させることを助ける。
【0178】
図18〜20は、いくつかの実施例に基づく、接合ポスト1120に対するリーフレット1180の取り付けを示している。
図18は、第1スロット1134a及び第2スロット1136aにおける第1接合ポスト1120aの横断面図である。
図18には、第1接合ポスト1120aの第1及び第2スロット1134a,1136aのところに比較的シャープな角隅が示されてはいるものの、言うまでもなく、面取り部、丸み付け部、レリーフ、被膜、及び他のフィーチャを設けることにより、第1および第2リーフレット1180a,1180bのスロット縁部における応力集中、又は他の摩耗を回避することができる。
図19及び20は第1接合ポスト1120aの区域内の人工弁1100を示す等角図である。これに関しては、第1接合ポスト1120a、第1リーフレット1180a、及び第2リーフレット1180bに関連する具体的な実施例が提供されるものの、言うまでもなく、前述のように、リーフレット1180の残りの接合タブをフレーム1102の残りの接合ポスト1120に取り付けるために同様の技術を採用することができる。
【0179】
図18に示されているように、第1リーフレット1180aの第1接合タブ1194aは、第1スロット1134aを数回にわたって通って延びており、そして第2リーフレット1180bの第2接合タブ1196bは、第1接合ポスト1120aの第2スロット1136aを数回にわたって通って延びている。第1保持エレメント1184a,1184bはフレーム1102の内側1110に、ひいては第1接合ポスト1120aの内側に位置決めされている。第2保持エレメント1186a,1186bはフレーム1102の外側1112で、ひいては第1接合ポスト1120aの外側で示されている。図示のように、第1保持エレメント1184a,1184bは、それぞれフレーム1102に対して外方に向かって引っ張られることから第1及び第2接合タブ1194a,1196bを保護する。また、第2保持エレメント1186a,1186bは、それぞれフレーム1102に対して内方に向かって引っ張られることから接合タブ1194a,1196bを保護する。例えば、第1及び第2保持エレメント1184,1186、及びこれらにループ状に巻き掛けられる接合タブ1194,1196の部分の断面積は、スロット1134の幅よりも大きい。
【0180】
図示のように、第1リーフレット1180aの第1接合タブ1194aは、第1スロット1134aを通る第1パス1250a(第1接合ポスト1120aに対して内側から出る)と、第1スロット1134aを通る第2パス1252a(第1接合ポスト120aに対して外側から入る)とを画定することにより、第1スロット1134aを通る第1ループ1254aを画定する。第2保持エレメント1186aは第1ループ1254a内部に位置決めされ、これにより、フレーム1102の外側1112に第1ループ1254aのための広げられた断面を形成するように第2保持エレメント1186aが取り囲まれる。第1ループ1254aの幅は、第1スロット1134aを通して引っ張られるのに抵抗する、又は第1スロット1134aを通して引っ張られるのを抑えるように選択される。第1リーフレット1180aの第1接合タブ1194aは、第1スロット1134aを通る第3パス1256a(第1接合ポスト1120aに対して内側から出る)を画定することにより、第1スロット1134aを通る第2ループ1258aを画定する。第1保持エレメント1184aを第2ループ1258a内部に位置決めすることにより、第1保持エレメント1184aを取り囲み、フレーム1102の外側1112に第2ループ1258aのための広げられた断面を形成する。第2ループ1258aの幅は、第1スロット1134aを通して引っ張られるのに抵抗する、又は第1スロット1134aを通して引っ張られるのを抑えるように選択される。図示のように、第1パス1250aは第2パス1252aに隣接し且つこれに対向するように、そして第3パス1256aに隣接するように位置決めされている。第3パス1256aは、第1スロット1134a内部で第1パス1250aと第2パス1252aとの間に位置している。
【0181】
図示のように、第2リーフレット1180bの第2接合タブ1196bは、第2スロット1136aを通る第1パス1250b(第1接合ポスト1120aに対して内側から出る)と、第2スロット1136aを通る第2パス1252b(第1接合ポスト1120aに対して外側から入る)とを画定することにより、第2スロット1136aを通る第1ループ1254bを画定する。第2保持エレメント1186bを第1ループ1254b内部に位置決めすることにより、第2保持エレメント1186bを取り囲み、フレーム1102の外側1112に第1ループ1254bのための広げられた断面を形成する。第1ループ1254bの幅は、第2スロット1136aを通して引っ張られるのに抵抗する、又は第2スロット1136aを通して引っ張られるのを抑えるように選択される。第2リーフレット1180bの第2接合タブ1196bは、第1スロット1134aを通る第3パス1256b(第1接合ポスト1120aに対して外側から入る)を画定することにより、第1スロット1134aを通る第2ループ1258bを画定する。第1保持エレメント1184bを第2ループ1258b内部に位置決めすることにより、第1保持エレメント1184bを取り囲み、フレーム1102の外側1112に第2ループ1258bのための広げられた断面を形成する。第2ループ1258bの幅は、第2スロット1136aを通して引っ張られるのに抵抗する、又は第2スロット1136aを通して引っ張られるのを抑えるように選択される。
図示のように、第1パス1250bは第2パス1252bに隣接し且つこれに対向するように、そして第3パス1256bに隣接するように位置決めされている。第3パス1256bは、第1スロット1136a内部で第1パス1250bと第2パス1252bとの間に位置している。
【0182】
第1ループ1254a,bは任意には外側ループと記され、そして第2ループ1250a,bは任意には内側ループと記される。いくつかの実施例では、パス1250a,b,1252a,b,1256a,bのうちの1つ又は2つ以上が互いにカップリングされている(例えば成形、熱シーリング/ボンディング、接着剤、縫合糸、又は他のカップリング手段によって)。カップリングされるか又はカップリングされないか(例えばボンディングされるか又はボンディングされないか)とは無関係に、種々のパスをそれぞれのスロット1134a,1136a内に挿入することができる。この場合、それぞれ第1及び第2スロット1134a,1136aの第1端部1140a,1144a(
図13)を通してそれぞれの第1スロット1134a及び第2スロット1136a内へ第1接合タブ1194a及び第2接合タブ1196bをスライドさせることによって、第1保持エレメント1184a,1184bがフレーム1102の内側1110に、そして第2保持エレメント1186a,1186bがフレーム1102の外側に位置するようにする。図示のように、第1端部1140a,1144aのそれぞれが開いた端部である。いくつかの他の実施例では、第1接合タブ1194a及び第2接合タブ1196bを、スロット1134a,1136aを通して内側から外側へ、そして外側から内側へ手繰り込むことにより、ループ1254a,b,1258a,bとを形成する(例えばスロット1134a,1136a内を上方に向かってスライドさせるのとは対照的に)。
図18において接合タブのそれぞれに対して3つのパスが示されてはいるものの、これよりも少ない(単一のループが望まれる場合には2つの)パス又は(付加的なループが望まれる場合には)これよりも多いパスも考えられる。
【0183】
図示のように、第1リーフレット1180a及び第2リーフレット1180bはフレーム1102の内側1110で互いに離隔している。このことは、リーフレットが第1接合ポスト1120aにおいて接合ギャップ1260を画定すると表現することができる。いくつかの実施態様では、人工弁1100は、周方向に隣接するリーフレット1180のそれぞれの間に同様の接合ギャップ1260を画定する。いくつかの実施例では、接合ギャップ1260は、ギャップ1260を通して流れ(例えば前方流及び後方流の両方)を許すのを助け、ギャップ1260を通る小さな漏れ流を形成する。この局所的流れ領域(弁が閉じられているとき、及び弁が開いているときにも利用可能である)は、接合ポスト1120の隣でフレーム1102に隣接して血栓が増加するのを防止するのを助ける。この位置ではさもなければ流量が少なく流れが停滞するおそれがある。
【0184】
図19及び20は第1リーフレット1180aの第1保持エレメント1184a及び第2保持エレメント1186aを示している。第1保持エレメント1184a及び第2保持エレメント1186aは、懸吊用フィーチャ1150a上に、そして第1溝1154a(
図13)内部に受容される。第1保持エレメント1184a及び第2保持エレメント1186aはこうして、第1リーフレット1180a、具体的には第1接合タブ1194aを第1接合ポスト1120aから支持するための懸吊用ループ1280aを画定する。また、
図19及び20には、第2リーフレット1180bの第1保持エレメント1184b及び第2保持エレメント1186bが、同様に第2懸吊用フィーチャ1152a上に、そして第2溝1156a(
図13)内部に受容されることが示されている。第1保持エレメント1184b及び第2保持エレメント1186bはこうして、第2リーフレット1180b、具体的には第2接合タブ1196bを第1接合ポスト1120aから支持するための懸吊用ループ1280bを画定する。
【0185】
リーフレット1180の残りの接合タブは、残りの接合ポスト1120に固定され、これらから支持される。第1及び第2保持エレメント1184,1186によって提供された比較的スムーズな旋回及び補強は、リーフレット構造物1104の横方向負荷に起因する接合ポスト1120における応力集中を軽減する。懸吊用ループによって提供された軸線方向支持は、懸吊用ループ1280a,1280bと同様に、リーフレット構造物1104に軸線方向支持をもたらし、接合ポスト1120とリーフレット1180との間の取り付けインターフェイスにおける軸線方向応力集中を軽減するのを助ける。
【0186】
図21は、弁、例えば人工弁100,1100のリーフレットと接合ポストとの間の別のリーフレット取り付け形態を示している。
図21は第1接合ポスト2120aを示している。第1接合ポスト2120aは、特に断りのない限り、第1接合ポスト1120aと同じフィーチャを含んでいる。したがって、第1接合ポスト1120aのフィーチャ及び選択肢に関する記述は、第1接合ポスト2120aに関して等しく当てはまり、そして第1接合ポスト2120aの動作及び使用は、人工弁100又は人工弁1100のフィーチャの置換又は変更を参照して理解されるべきである。
【0187】
図21に示されているように、第1接合ポスト2120aは、第1脚部2130aと、第2脚部2132aと、第1ポストスロットと記すこともできる、第1スロット2134aと、第2ポストスロットと記すこともできる、第2スロット2136aとを含む。第1スロット2134a及び第2スロット2136aはそれぞれ第1脚部2130aと第2脚部2132aとの間に配置されている。図示のように、第1接合ポスト2120aはまた、第1脚部2130aと第2脚部2132aとの間に位置決めされた中間脚部2138aを含む。第1接合ポスト2120aは、第1脚部2130aと中間脚部2138aとの間の第1スロット2134aと、第2脚部2132aと中間脚部2138aとの間の第2スロット2136aとを画定する。第1接合ポスト2120aは、フレーム外側2112に相当する外側と、フレーム内側2110に相当するポスト内側とを有している。第1接合ポスト2120aはさらに、第1側縁部とも記される第1側2148aと、第2側縁部とも記される第2側2149aとを画定する。
【0188】
図21は、第1リーフレット2180aを示している。第1リーフレット2180aは任意には、特に断りのない限り、第1リーフレット1180aと同じフィーチャを含んでいる。したがって、第1リーフレット1180aのフィーチャ及び選択肢に関する記述は、第1リーフレット2180aに関して等しく当てはまる。図示のように、第1リーフレット2180aは、第1接合タブ2194aと、第1保持エレメント2184aと、第2保持エレメント2186aとを含む。第1保持エレメント2184a及び第2保持エレメント2186aは任意には、第1保持エレメント1184a及び第2保持エレメント1186aと同様である。第1保持エレメント2184a及び第2保持エレメント2186aは結合されて連続的である(例えば切れ目がない)ことにより、第1リーフレット2180aを懸吊するためのループ(図示せず)を画定する(例えば人工弁1100と同様に第1接合ポスト2120aの懸吊フィーチャから)。第1保持エレメント2184a及び第2保持エレメント2186aは任意には結合されて懸吊用ループを画定するものの、これらは任意には所望に応じて別個のものである(例えば第1リーフレット1180aの第1保持エレメント1184a及び第2保持エレメント1186aと同様)。
【0189】
図21は、第2リーフレット2180bを示している。第2リーフレット2180aは特に断りのない限り、第2リーフレット1180bと同じフィーチャを含んでいる。したがって、第2リーフレット1180bのフィーチャ及び選択肢に関する記述は、第2リーフレット2180bに関して等しく当てはまる。図示のように、第2リーフレット2180bは、第2接合タブ2196bと、第1保持エレメント2184bと、第2保持エレメント2186bとを含む。第1保持エレメント2184b及び第2保持エレメント2186bは任意には、第1保持エレメント1184b及び第2保持エレメント1186bと同様である。第1保持エレメント2184b及び第2保持エレメント2186bは結合されて連続的である(例えば切れ目がない)ことにより、第2リーフレット2180bを懸吊するためのループ(図示せず)を画定する。第1保持エレメント2184b及び第2保持エレメント2186bは任意には結合されて懸吊用ループを画定するものの、これらは任意には所望に応じて別個のものである(例えば第2リーフレット1180bの第1保持エレメント1184b及び第2保持エレメント1186bと同様)。
【0190】
図21に示されているように、第1リーフレット2180aの第1接合タブ2194aは、複数回にわたって(複数パスとも記される)第1スロット2134aを通って延び、そして第2リーフレット2180bの第2接合タブ2196bは、複数回にわたって(複数パスとも記される)第1接合ポスト2120aの第2スロット2136aを通って延びている。第1保持エレメント2184a,2184bはフレーム2102の外側2112に位置決めされ、ひいては第1接合ポスト2120aの外側に位置決めされる。
【0191】
第2保持エレメント2186a,2186bもフレーム2102の外側2112に位置決めされ、ひいては第1接合ポスト2120aの外側に位置決めされる。図示のように、第1保持エレメント2184a,2184bは、フレーム2102に対して外方に引っ張られることから接合タブ2194a,2196bを保護する。そして第2保持エレメント2186a,2186bは、フレーム2102に対して内方に引っ張られることから接合タブ2194a,2196bを保護する。
【0192】
図示のように、第1リーフレット2180aの第1接合タブ2194aは、第1スロット2134aを通る第1パス2250a(第1接合ポスト2120aに対して内側から出る)と、第1スロット2134aを通る第2パス2252a(第1接合ポスト2120aに対して外側から入る)とを画定することにより、第1スロット2134aを通る第1ループ2254aを画定する。第2保持エレメント2186を第1ループ2254a内部に位置決めすることにより、第2保持エレメント2186aを取り囲み、そしてフレーム2102の外側2112に第1ループ2254aのための広げられた断面を形成する。第1ループ2254aの幅は、第1スロット2134aを通して引っ張られるのに抵抗する、又はスロット2134aを通して引っ張られるのを抑えるように選択される。
【0193】
第1リーフレット2180aの第1接合タブ2194aは、第1接合ポスト2120aの外側を巡る第3パス2256aを画定し、内側2110から第1側2148aを巡って外側2112へ進み、次いで外側2112から第1側2148aに戻ることにより第4パス2259aを画定する。第3及び第4パス2256a,2259aは第2ループ2258aを画定し、第2ループは第1側2148aにおいて接合ポスト2120aの外側を通る。第1保持エレメント2184aを第2ループ2258a内部に位置決めすることにより、第1保持エレメント2184を取り囲み、そしてフレーム2102の外側2112に第2ループ2258aのための広げられた断面を形成する。第2ループ2258aの幅は所望の通りに(例えば第1リーフレット2180aと第2リーフレット2180bとの間で外側2112にフィットするように)選択される。図示のように、第1パス2250aは第2パス2252aに隣接し且つこれに対向するように位置決めされ、そして第3パス2256a及び第4パス2259aは互いに隣接して位置決めされる。
【0194】
第2接合タブ2196bは、第1接合タブ2194aのフィーチャと同様のフィーチャ集合を画定している。これらのフィーチャは参考のため
図21において符号を付けられている。図示のように、第2リーフレット2180bの第2接合タブ2196bは、第2スロット2136aを通る第1パス2250b(第1接合ポスト2120aに対して内側から出る)と、第2スロット2136aを通る第2パス2252b(第1接合ポスト2120aに対して外側から入る)とを画定することにより、第2スロット2136aを通る第1ループ2254bを画定する。第2保持エレメント2186bを第1ループ2254b内部に位置決めすることにより、第2保持エレメント2186bを取り囲み、そしてフレーム2102の外側2112に第1ループ2254bのための広げられた断面を形成する。第1ループ2254bの幅は、第2スロット2136aを通して引っ張られるのに抵抗する、又はスロット2136aを通して引っ張られるのを抑えるように選択される。
【0195】
第2リーフレット2180bの第2接合タブ2196bは、第1接合ポスト2120aの外側を巡る第3パス2256aを画定し、内側2110から第1側2149aを巡って外側2112へ進み、次いで外側2112から第1側2149aに戻ることにより第4パス2259bを画定する。第3及び第4パス2256b,2259bは第2ループ2258bを画定し、第2ループは第2側2149aにおいて接合ポスト2120aの外側を通る。第1保持エレメント2184aを第2ループ2258a内部に位置決めすることにより、第1保持エレメント2184aを取り囲み、そしてフレーム2102の外側2112に第2ループ2258bのための広げられた断面を形成する。第2ループ2258aの幅は所望の通りに(例えば第1リーフレット2180aと第2リーフレット2180bとの間で外側2112にフィットするように)選択される。
【0196】
図示のように、第1保持エレメント2184a,2184b、ひいては第2ループ2258a,2258bは一緒に固定されている(例えば接着剤、又は1種又は2種以上のファスナ、例えば縫合糸又はステープルによって)。
図21には、第1保持エレメント2184a,2184bの周りに固定された二次カプラ2290が破線で示されている。図示のように、二次カプラ2290は、第1保持エレメント2184a,2184bを一緒に固定するためのフィラメント、例えば縫合糸又はステープルである。他の実施例では、二次カプラ2290はフレーム2102の外側及び/又は内側にオーバーモールドされた又は他の形で配置された材料被膜又は材料層を含むことにより、第1ループ2254及び第2ループ2258を互いに、そしてフレーム2102にカップリングするのを助ける。例えば、第1ループ2254及び/又は第2ループ2258上に1つ又は2つ以上のテープ層をオーバーラップしてよく、1つ又は2つ以上の材料ジャケット又は材料カバーを第1ループ2254及び/又は第2ループ2258に被せて固定してよく、又は他の技術を採用してもよい。大まかに言えば、このような材料は、第1ループ2254及び第2ループ2258を所定の位置に固定するだけのために選択されるのではなく、亀裂又は他の欠陥のない連続的な表面を形成するために採用することもできる。このことは、組織内容成長及び/又は血栓形成を回避するのを、このような回避が望ましい場合に助けることができる。同様に、本開示において提供された他のループ・ポスト配置のいずれをも1つ又は2つ以上の二次カプラとカップリングしてもよい(例えば1つ又は2つ以上の縫合糸、フィラメント、層、及び/又は被膜によって)。図示の配置によって、第2ループ2258a,2258bは、第1ループ2254a,2254bが接合ポスト2120aから外方に向かって(半径方向外側に向かって)引っ張られるのを防止するのを助けることができる。
【0197】
第1ループ2254a,bは任意には外側ループと記され、第2ループ2258a,bも任意には外側ループと記される。いくつかの実施例では、パス2250a,b,2252a,b,2256a,b,2259a,bのうちの1つ又は2つ以上が互いにカップリングされている(例えば成形、熱シーリング、接着剤、縫合糸、又は他のカップリング手段によって)。カップリングされるか又はカップリングされないか(例えばボンディングされるか又はボンディングされないか)とは無関係に、パスを第1スロット2134a及び第2スロット2136a内にそれぞれ挿入することができる。この場合、スロットの開いた端部(図示していないが、例えば第1接合ポスト2120aを参照)を通して第1スロット2134a及び第2スロット2136a内へ第1及び第2接合タブ2194a,2196bをスライドさせることによって、第1保持エレメント2184a,bがフレーム2102の外側2112に、そして第2保持エレメント2186a,bがフレーム2102の外側に位置するようにする。
【0198】
いくつかの他の実施例では、第1接合タブ1194a及び第2接合タブ1196bは、スロット2134a,2136aを通して、そして側部2148a,2149aを巡って手繰り込まれる(例えばスロット2134a,2136a内へ、そして第1及び第2脚部2130a,2132aを巡って上方に向かってスライドさせるのではなく)。
図21において接合タブのそれぞれに対して記載の数のパスが示されてはいるものの、これよりも少ないパス又はこれよりも多いパスも考えられる。
【0199】
図21に示された配置の場合、第1保持エレメント2184、第2保持エレメント2186、第1ループ2254、又は第2ループ2258のうちのいずれも、フレーム2102の内側2110には位置していない。このように、これらのフィーチャは、流動場の外側にあり、人工弁1100を通る血流を妨害することがない。
図21には、第1接合ポスト2120aの第1及び第2スロット2134a,2136aのところに比較的シャープな角隅が示されてはいるものの、言うまでもなく、面取り部、丸み付け部、レリーフ、被膜、及び他のフィーチャを設けることにより、第1及び第2リーフレット2180a,2180bのスロット縁部における応力集中、又は他の摩耗を回避することができる。
【0200】
図示のように、第1リーフレット2180a及び第2リーフレット2180bはフレーム2102の内側2110で互いに離隔している。このことは、リーフレットが第1接合ポスト2120aにおいて接合ギャップ2260を画定すると表現することができる。いくつかの実施態様では、人工弁(例えば人工弁1100)は、人工弁の周方向に隣接するそれぞれのリーフレットの間に同様の接合ギャップを画定する。
【0201】
図22は、人工弁、例えば人工弁100又は人工弁1100のための別の第1接合ポスト3120aを示している。図示のように、第1接合ポスト3120aは第1接合ポスト1120aとほぼ同様ではあるものの、第1接合ポスト3120aは(第1接合ポスト1120aの場合の2つのスロットとは対照的に)、単一スロット3134aを形成している。
図23は、第1接合ポスト1120aと同様に第1接合ポスト3120aに固定された第1リーフレット3180a及び第2リーフレット3180bの実施例を示してはいるものの、第1接合タブ3194a及び第2接合タブ3196bは、人工弁1100の第1接合ポスト1120aの場合のように2つのスロットではなく、単一スロット3134a内に固定されている。すなわち、第1接合ポスト3120aのデザイン及び取り付け配置は、第1接合ポスト1120のうちの1つ又は2つ以上に対して、人工弁1100のために所望通りに任意に採用される。また、比較的シャープな角隅が示されてはいるものの、言うまでもなく、面取り部、丸み付け部、レリーフ、被膜、及び他のフィーチャを設けることにより、リーフレット3180a,3180bのスロット縁部における応力集中、又は他の摩耗を回避することができる。
【0202】
図24〜28は、リーフレット5180の第1接合タブ5194及び第2接合タブ5196上の第1保持エレメント5184及び第2保持エレメント5186の種々の別の配置を示している。前述のように、添え字「a」は概ねリーフレット5180aのうちの第1リーフレットを意味し、「b」はリーフレット5180bのうちの第2リーフレットを意味する。
図24は、人工弁100と同様の配置を示している。
図25は、第2保持エレメント5186が個別であり、ブリッジ5182がリーフレット5180間に延びている、人工弁100と同様の配置を示している。
図26は
図25と同様ではあるが、しかしブリッジを有していない。
図27は
図24と同様の配置を示すが、しかしブリッジを有していない。最後に、
図28は、ブリッジを有していない、そして第1保持エレメント及び第2保持エレメントがループ状になっているか、又は各接合タブ5194,5196のそれぞれにおいて相互接続されている配置を示している。言うまでもなく、上記接合ポストにリーフレットを固定するためのループ形態を達成するのに適したものとして、前記配置のいずれも考えられ、採用することができる。
【0203】
支持構造、又はフレームから剥離された人工弁リーフレットは、これが配置された患者に高いリスクをもたらす。リーフレット剥離に関与する1つのファクタは、人工弁が閉じられて流体背圧下にあるときに、リーフレットの接合領域に生じるピーク応力であり得る。
図29及び30は、接合取り付け領域のバリエーション、及び、前記実施態様及び実施例のいずれかで採用し得る流出端部における関連のリーフレット閉鎖プロフィールを示している。隣接する末広がり型リーフレット取り付け領域は、リーフレットの接合領域に隣接するリーフレット内に有益な全応力プロフィールを提供することができる。
【0204】
図29に示されているように、接合ポスト6120(接合ポスト1120又は2120に相当し得る)の接合取り付け領域6034,6036(
図13のスロット1134,1136、又は
図21のスロット2134,2136の変更形に相当し得る)は、リーフレット材料特性を変化させることなしに接合ポストにおけるリーフレット内のピーク接合応力を低減するとともに、人工弁高さを短くしないのであればこれを維持するための手段を提供するように改変されている。
【0205】
図30は、末広がり型接合取り付け領域改変形を別にすれば、人工弁1100とほぼ同じであり得る人工弁6100を示す。図示のように、人工弁6100は、
図29の実施例と同様に形成された複数の接合ポスト6120を含む(
図30に概略的に示された)フレーム6102を含む。人工弁6100はまた、フレーム6102にカップリングされてフレーム6102によって支持された複数のリーフレット6040を含む。
【0206】
図29に示されているように、フレーム(例えばフレーム1102又は2102)上の隣接する接合取り付け領域6134,6136(例えばスロット1134,1136又はスロット2134,2136)の最も上側の部分は、非末広がり型(例えば
図1,11A及び22に示されているように平行な状態)から、末広がり型へ改変されている。例えば、各接合ポスト6120の隣接する接合取り付け領域6134,6136は任意には、隣接する接合取り付け領域6134,6136のそれぞれの間で中心に位置決めされた中央軸線Yfから離反する方向に延びることにより終わっている。この対は、接合ポスト先端の下方の位置から流出方向に末広がり状に延びている。隣接する接合取り付け領域6134,6136はこれらの全高に沿って末広がり状に延びていてよく、又は、平行であるか又は非末広がり型であるベース部分6134b,6136bと、
図29に示されているような末広がり型である末端部分6134t,6136tとを有していてよい。
【0207】
図31は、カスプ(cusp)6050と、自由縁部6054と、接合領域6052とを有する複数のリーフレット6040のうちの1つ(例えば複数のリーフレット1180のうちの1つ又は複数のリーフレット2180のうちの1つに相当してよい)を示す概略図である。自由縁部6054は2つの末端6056まで延びている。2つの末端6056はリーフレット自由縁部6054とリーフレット取り付け領域6043との交差点で画定される。隣接するリーフレット6040のリーフレット取り付け領域6043は、隣接するリーフレット6040の末端6056に隣接する、隣接するリーフレット6040の位置で接合ポスト6120にカップリングされるように形成されている。
【0208】
図31に概略的に示されているように、(破線)折り線6058は、カスプ6050の外側縁6042と、リーフレット6040をフレーム6102(例えばフレーム1102又はフレーム2102)に固定するために使用される接合領域6052とを画定する。リーフレット自由縁部6054を含み、且つリーフレット自由縁部6054に隣接するリーフレット6040の位置は、自由縁部領域6046である。各リーフレット6040の外側縁6042はフレーム6102にカップリングされており、リーフレット6040の自由縁部6054は、フレーム6102によって画定された円筒領域を横切って延びる。複数のリーフレット1180の第1リーフレット1180a(
図15)に関しては、
図31のカスプ6050はボディ部分1190aに相当し、そして外側縁6042は折り重ね部分1198aに相当する。これとともに自由縁部6054は自由縁部1206a(
図15)に相当する。リーフレット2180の同じフィーチャは同様にリーフレット6040のフィーチャに相当する。リーフレット1180,2180と関連して前述したように、外側縁6042(折り重ね部分)は、フレーム、例えばフレーム1102又はフレーム2102上にリーフレット6040を固定するために使用される。
【0209】
種々の実施例では、リーフレット6040の隣接するリーフレットの接合領域6052は、サイドバイサイドの関係で隣接する接合取り付け領域6134,6136(例えばスロット)を通るように作用することができる。隣接するリーフレット6040の接合領域6052は、末広がり型接合取り付け領域6134,6136においてフレーム6020にカップリングされる。接合ポスト6120は、流出方向に接合ポスト先端へ向かって末広がり状に延びる末広がり型接合取り付け領域6134,6136を画定するので、隣接するそれぞれのリーフレット6040の接合領域6052も、隣接するリーフレットが閉じた接合位置に位置すると、接合ポスト先端から離れた位置から流出方向に末広がり状に延びることになる。
【0210】
非末広がり型接合取り付け領域(例えば
図11及び22に示されたもの)は、リーフレットが閉位置にあるときに、末端6056に相当する領域において最大応力を有し得る。(例えば
図29及び30に示されているように)末広がり型接合取り付け領域を使用することは、最大応力領域を隣接するリーフレット6040の末端6056から遠ざけて、より広い面積にわたって分配されるようにするのを助け、そしてまたその規模を低減するのを助けることもできる。例えば末端6056に近接する末広がり型領域に沿ったリーフレット6040内部の応力ベクトルは、同じ基本的なフレーム・リーフレット配置ではあるがしかし非末広がり型接合取り付け領域を有する配置に対して、所与のフレーム長に関してリーフレット6040の自由縁部6054内の末端6056におけるピーク応力を41%低減することができる。リーフレット6040内部の末広がり領域に沿った(例えば自由縁部6054内の末端6056における)応力は、所与の支持構造長に関して約135mmHgのピーク閉鎖圧力に晒されると、非末広がり型取り付けに対して40%超低減することができる。最大負荷応力の位置を所定のより好ましい位置に移動させることができ、また、支持取り付け領域のジオメトリを変化させることにより(すなわち、隣接するリーフレットの末広がり型取り付け領域を使用することにより)、リーフレット6040の所与の領域が受ける応力の規模及び分布を変化させることができ、そして例えばリーフレット取り付け領域6134,6136のものと同様のスロット1134,1136及びスロット2134,2136の末広がり度及び曲率を変更することにより、同様の結果が期待されることが実証されている。
【0211】
いくつかの実施例が提供されてはいるものの、言うまでもなく、リーフレット末端から、低減された、そしてより広く分布された応力を達成するために、望んだように、カットチューブ、ワイヤフレーム、又は任意の他のタイプのフレーム(又はフレーム材料)によって同様の末広がり型取り付け領域を所望通りに実現することができる。上記取り付け形態は、ポリマー(例えばePTFE系)リーフレットを用いて採用されると特に有利であり得るものの、種々のリーフレット材料のいずれかが考えられる。
【0213】
種々の実施例において、本明細書中に記載されたリーフレット構造物のうちのいずれも(例えばリーフレット構造物104又は1104)、生体適合性の合成材料(例えばePTFE及びePTFE複合体、又は所望に応じた他の材料を含む)から形成されてよい。合成リーフレットに使用するのに適することができる他の生体適合性ポリマーの一例としては、ウレタン、シリコーン(有機ポリシロキサン)、ケイ素−ウレタンのコポリマー、スチレン/イソブチレンコポリマー、ポリイソブチレン、ポリエチレン−コ−ポリ(ビニルアセテート)、ポリエステルコポリマー、ナイロンコポリマー、フッ素化炭化水素ポリマー及びコポリマー、又は前述のもののそれぞれの混合物から成る群が挙げられる。
【0214】
他の実施例では、このようなリーフレット構造物は天然材料、例えばウシ組織、ブタ組織、又はこれに類するものを含む、再利用組織から形成される。
【0215】
本明細書中に使用される「エラストマー」という用語は、元の長さの少なくとも1.3倍まで伸張され、且つ解放されるとほぼその元の長さに迅速に後退する能力を有するポリマー又はポリマー混合物を意味する。「エラストマー系材料」という用語は、エラストマーと同様の伸張及び回復特性(ただし必ずしも伸張及び/又は回復が同程度でなくてもよい)を示すポリマー又はポリマー混合物を意味する。「非エラストマー系材料」という用語は、エラストマー又はエラストマー系材料のいずれかとは同様でない伸張及び回復特性を示す、すなわちエラストマー又はエラストマー系材料ではないと考えられるポリマー又はポリマー混合物を意味する。
【0216】
本明細書中のいくつかの実施態様によれば、リーフレット構造物は、複合材料であって、複数の孔及び/又は空間を有する少なくとも1つの多孔質合成ポリマーメンブレン層と、少なくとも1つの合成ポリマーメンブレン層の孔及び/又は空間を充填するエラストマー及び/又はエラストマー系材料及び/又は非エラストマー系材料とを有する複合材料を含む。他の実施態様によれば、リーフレット構造物はさらに複合材料上に、エラストマー及び/又はエラストマー系材料及び/又は非エラストマー系材料から成る層を含む。いくつかの実施例によれば、複合材料は、約10重量%〜90重量%の多孔質合成ポリマーメンブレンを含む。
【0217】
多孔質合成ポリマーメンブレンの一例としては、孔及び/又は空間を画定するノード・フィブリル構造を有する延伸フルオロポリマーメンブレンを含む。いくつかの実施例では、延伸フルオロポリマーメンブレンは、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)メンブレンである。多孔質合成ポリマーメンブレンの別の実施例は微孔質ポリエチレンメンブレンを含む。
【0218】
エラストマー及び/又はエラストマー系材料及び/又は非エラストマー系材料の一例としては、テトラフルオロエチレンとペルフルオロメチルビニルエーテルとのコポリマー(TFE/PMVEコポリマー)、(ペル)フルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)、ウレタン、シリコーン(有機ポリシロキサン)、シリコン−ウレタンのコポリマー、スチレン/イソブチレンコポリマー、ポリイソブチレン、ポリエチレン−コ−ポリ(ビニルアセテート)、ポリエステルコポリマー、ナイロンコポリマー、フッ素化炭化水素ポリマー及びコポリマー、又は前述のもののそれぞれの混合物が挙げられる。いくつかの実施例では、TFE/PMVEコポリマーは本質的に、60〜20重量%のテトラフルオロエチレンと、それぞれ40〜80重量%のペルフルオロメチルビニルエーテルとから成るエラストマーである。いくつかの実施例では、TFE/PMVEコポリマーは本質的に、67〜61重量%のテトラフルオロエチレンと、それぞれ33〜39重量%のペルフルオロメチルビニルエーテルとから成るエラストマー系材料である。いくつかの実施例では、TFE/PMVEコポリマーは本質的に、73〜68重量%のテトラフルオロエチレンと、それぞれ27〜32重量%のペルフルオロメチルビニルエーテルとから成る非エラストマー系材料である。TFE−PMVEコポリマーのTFE成分及びPMVE成分はwt%で表される。参考までに、PMVEの40、33〜39、及び27〜32wt%はそれぞれ、29、23〜28、及び18〜22mol%に相当する。
【0219】
いくつかの実施例では、TFE−PMVEコポリマーはエラストマー特性、エラストマー系特性、及び/又は非エラストマー系特性を呈する。
【0220】
いくつかの実施例では、複合材料はさらに、約73〜約68重量%のテトラフルオロエチレンと、それぞれ約27〜約32重量%のペルフルオロメチルビニルエーテルとを含むTFE−PMVEコポリマーから成る層又は被膜を含む。
【0221】
いくつかの実施例では、リーフレット構造物は、約60〜約20重量%のテトラフルオロエチレンと、それぞれ約40〜約80重量%のペルフルオロメチルビニルエーテルとを含むTFE−PMVEコポリマーが吸収されている延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)メンブレンである。リーフレット構造物はさらに、約73〜約68重量%のテトラフルオロエチレンと、それぞれ約27〜約32重量%のペルフルオロメチルビニルエーテルとを含むTFE−PMVEコポリマーから成る被膜を、血液接触面上に含む。
【0222】
上述のように、エラストマー及び/又はエラストマー系材料及び/又は非エラストマー系材料が延伸フルオロポリマーメンブレン内部のボイド空間又は孔のほとんど全てを実質的に占めるように、エラストマー及び/又はエラストマー系材料及び/又は非エラストマー系材料を延伸フルオロポリマーメンブレンと組み合わせることができる。
【0223】
1実施態様によれば、複合材料は、例えばBacinoの米国特許第7,306,729号明細書に概ね記載されているように、多孔質ePTFEメンブレンから形成された延伸フルオロポリマー材料を含むことができる。
【0224】
上記複合体のうちのいくつかを形成するために使用される延伸フルオロポリマーメンブレンはPTFEホモポリマーを含むことができる。別の実施態様では、PTFEのブレンド、延伸可能な改質PTFE、及び/又はPTFEの延伸コポリマーを使用することもできる。好適なフルオロポリマー材料の非制限的な例が、例えばBrancaの米国特許第5,708,044号明細書、Baillieの米国特許第6,541,589号明細書、Sabol他の米国特許第7,531,611号明細書、Fordの米国特許出願第11/906,877号明細書、及びXu他の米国特許出願第12/410,050号明細書に記載されている。
【0226】
種々のフレームは、他の適切なプロセスの中でも、エッチング、切断、レーザー切断、スタンピング、三次元プリント、又は巻き線によって形成することができる。フレームは、自己拡張性又はバルーン拡張性(例えば経カテーテル植え込みのために形成される場合)、又は非拡張性(例えば外科的植え込みのために形成される場合)であってよい。種々のフレームは一例としては、任意の金属又はポリマー材料、例えば概ね生体適合性の弾性変形可能な(例えばニチノール)又は塑性変形可能な(例えばステンレス鋼)金属材料又はポリマー材料のような材料を含むことができる。本明細書中に記載されたフレームのいずれかに適した他の材料の一例としては、他のチタン合金、ステンレス鋼、コバルト−ニッケル合金、ポリプロピレン、アセチルホモポリマー、アセチルコポリマー、引き抜き充填管(例えば白金コアを有するニチノールワイヤ)、他の合金又はポリマー、又は、本明細書中に記載されたフレームとして機能するのに充分な物理的機械的特性を有する、概ね生体適合性の任意の他の材料が挙げられる。
【0228】
本明細書中に記載された種々の人工弁に関して、人工弁の種々の製造方法が考えられる。大まかに言えば、これらの方法は上記実施態様のいずれかに基づくフレーム及びリーフレット構造物を用意し、そしてリーフレット構造物をフレームに固定することを含む。
【0229】
いくつかの方法において、リーフレット構造物はループ状構造によってフレームに少なくとも部分的にカップリングされる。例えば、いくつかの方法において、リーフレット構造物の部分(例えばブリッジ及び/又は保持エレメント)をフレームの懸吊用エレメント上に固定することにより、リーフレット構造物を懸吊用エレメントから軸線方向に支持する。これに加えて又はこれの代わりに、リーフレット構造物の接合タブは1つ又は2つ以上のループを画定する。ループはフレームの接合ポスト、例えば前述のフレームの実施態様のいずれかに基づく接合ポストに設けられたスロットに通される。いくつかの実施例では、内側保持エレメントはループの1つ又は2つ以上を通ることにより、ループを広げるのを助け、また、ループ又は材料パスが接合ポストのスロットを通って外方に向かって引っ張られるのを防止するのを助ける。外側保持エレメントは、これに加えて又はこれの代わりに、材料ループ又は材料パスが接合ポストのスロットを通って内方に向かって引っ張られるのを防止するのを助ける。種々の実施例では、材料ループを任意には互いに、且つ/又はフレームにカップリングすること(例えばボンディング、オーバーモールディング、被覆、フィルムの外側ラップによる接着、縫合、及び/又は他の形の固定)により、接合タブを接合ポストに固定するのを助ける。フレーム及び/又は取り付けエレメントの外側を通して固定されてこの外側に折り重ねられた取り付けタブを使用して、リーフレットのボディ部分は任意にはフレームに取り付けられる。
【0231】
いくつかの実施態様において、
図32を参照すると、人工弁送達システム7000は、圧潰形態及び拡張形態を有する経カテーテル人工弁として形成された人工弁7100(例えば前述の人工弁のいずれか)と、前記カテーテルを介して人工弁7100を留置するように形成された細長い可撓性カテーテル7200、例えばバルーンカテーテルとを含む。カテーテル7200は、人工弁7100を拡張させるために、且つ/又は、所望の場合には人工弁7100を修正して適正な座りを保証するために、バルーンを含むことができる。人工弁7100は、血管系を通して送達するために、カテーテル7200の遠位区分に取り付けることができる。人工弁7100をカテーテル6200上に圧潰形態を成して保持するために、人工弁送達システム7000はさらに、経カテーテル人工弁7100に密に被さるように、取り外し可能なシース(図示せず)を含んでよい。
【0232】
いくつかの送達方法は、人工弁(例えば前述の人工弁のいずれか)を半径方向に圧縮してその圧潰形態にし、近位端と遠位端とを有する細長い可撓性カテーテルの遠位端にこれを置くステップと、経大腿ルート又は経心尖ルートを介して組織開口部、例えば天然大動脈弁開口部7400に人工弁を送達するステップと、人工弁を組織開口部7400内へ拡張させるステップとを含む。人工弁は、バルーンを膨張させることにより拡張させることができ、又は例えば自己拡張性であってもよい。
【0233】
いくつかの送達方法は、人工弁(例えば前述の人工弁のいずれか)を半径方向に圧縮してその圧潰形態にし、近位端と遠位端とを有する細長い可撓性カテーテルの遠位端にこれを置くステップを含む。人工弁の開口部及びカテーテルのルーメンを通るテザーに結合し得る拘束装置を人工弁のポストの周りに嵌める。次いで人工弁を送達ルートを介して、天然弁開口部、例えば天然大動脈弁開口部へ送達し、天然開口部内へ拡張させる。送達ルートは例えば経大腿ルート又は経心尖ルートを含むことができる。人工弁は、バルーンを膨張させることにより拡張させることができ、又は例えば自己拡張性であってもよい。
【0235】
言うまでもなく、前述の人工弁のいずれも、経カテーテル技術を用いるのではなく外科的に植え込むことができる。
図33に示されているように、外科的に植え込まれた人工弁7100(例えば前述の人工弁のいずれか)は、上述のものとほとんど同じであってよく、縫合用カフ7300がフレーム外側に隣接して加えられている。当業者によく知られている縫合用カフ7300は、人工弁7100を植え込み部位、例えば組織開口部7400にカップリングするための縫合糸を受容する構造を提供するように作用可能である。縫合用カフは任意の適宜の材料、例えば二重ベロアポリエステルを含んでよい。縫合用カフは人工弁7100のフレームに周方向に配置されるか、又は人工弁7100のフレームから弁周囲で垂下してよい。
【0236】
前述のように、構造の詳細、並びに装置及び/又は方法の機能と一緒に種々の変更形を含めて、数多くの特徴及び利点を示してきた。開示内容は一例として示すものにすぎず、そのようなものとして網羅的であるようには意図されない。当業者には明らかなように、開示の原理範囲内での組み合わせを含む、特に部材の構造、材料、エレメント、成分、形状、サイズ、及び配置の点で、添付の請求項を表現する用語の広い一般的な意味によって示される最大限の範囲まで、種々の改変を加えることができる。これらの改変形が添付の請求項の思想及び範囲を逸脱しない程度まで、これらの改変形も請求項に包含されるものとする。
(態様)
(態様1)
フレームと、
リーフレット構造物と、
を含む、人工弁であって、
前記フレームが中心長手方向軸線と内側と外側とを有し、前記フレームが複数のフレーム部材と、前記フレームの周りで周方向に間隔を置いて設けられた複数の接合ポストとを含み、前記フレームが複数のリーフレット取り付け領域を画定し、前記複数の接合ポストが、長手方向に延びる第1接合ポストを含み、前記第1接合ポストが、前記第1接合ポストを通って長手方向に形成された第1スロットを有し、前記第1スロットが高さと幅とを有し、
前記リーフレット構造物が、前記リーフレット構造物の周りで周方向に間隔を置いて設けられた複数のリーフレットを含み、前記複数のリーフレットが第1リーフレットと、前記第1リーフレットに周方向に隣接して位置決めされた第2リーフレットとを含み、前記第1リーフレットが第1外側保持エレメントと、第1辺及び第2辺を有するボディ部分と、前記ボディ部分の前記第1辺から延びる第1接合タブと、前記ボディ部分の前記第2辺から延びる第2接合タブとを有し、前記第1接合タブが前記第1スロットを通って延びる第1部分と、前記第1スロットを通って延びる第2部分とを有することにより、前記フレームの前記外側に第1外側ループ部分を画定し、前記第1スロットを通って引っ張られることから前記第1外側ループ部分を保護するために前記第1外側ループ部分の幅が前記第1スロットの幅よりも大きいように、前記第1外側ループ部分が前記第1外側保持エレメントを取り囲む、
人工弁。
(態様2)
前記第2リーフレットが第2外側保持エレメントと、第1辺及び第2辺を有するボディ部分と、前記ボディ部分の前記第1辺から延びる第1接合タブと、前記ボディ部分の前記第2辺から延びる第2接合タブとを有し、前記第2リーフレットの前記第2接合タブが前記第1スロットを通って延びる第1部分と、前記第1スロットを通って延びる第2部分とを有することにより、前記フレームの前記外側に第2外側ループ部分を画定し、前記第1スロットを通って引っ張られることから前記第2外側ループ部分を保護するために前記第2外側ループ部分の幅が前記第1スロットの幅よりも大きいように、前記第2外側ループ部分が前記第2外側保持エレメントを取り囲む、態様1に記載の人工弁。
(態様3)
前記第1接合ポストが、前記第1接合ポストを通って長手方向に形成された第2スロットを有し、前記第2スロットが高さと幅とを有し、そしてさらに、前記第2リーフレットが第2外側保持エレメントと、第1辺及び第2辺を有するボディ部分と、前記ボディ部分の前記第1辺から延びる第1接合タブと、前記ボディ部分の前記第2辺から延びる第2接合タブとを有し、前記第2リーフレットの前記第2接合タブが前記第2スロットを通って延びる第1部分と、前記第2スロットを通って延びる第2部分とを有することにより、前記フレームの前記外側に第2外側ループ部分を画定し、前記第2スロットを通って引っ張られることから前記第2外側ループ部分を保護するために前記第2外側ループ部分の幅が前記第2スロットの幅よりも大きいように、前記第2外側ループ部分が前記第2外側保持エレメントを取り囲む、態様1に記載の人工弁。
(態様4)
前記第1及び第2外側保持エレメントが、前記第1リーフレットと前記第2リーフレットとの間に延びる連続的な外側保持エレメントを画定するように、連続している、態様2又は3に記載の人工弁。
(態様5)
前記第1接合ポストがさらに懸吊用フィーチャを含み、前記懸吊用フィーチャ上に、前記外側連続保持エレメントが、前記フレームに対して前記リーフレット構造物を軸線方向に支持するように懸吊される、態様4に記載の人工弁。
(態様6)
前記第1リーフレットがさらに第1内側保持エレメントを含み、そして前記第1リーフレットの前記第1接合タブがさらに、前記フレームの前記内側に第1内側ループ部分を画定し、前記第1スロットを通って引っ張られることから前記第1内側ループ部分を保護するために前記第1内側ループ部分の幅が前記第1スロットの幅よりも大きいように、前記第1内側ループ部分が前記第1内側保持エレメントを取り囲む、態様1から5までのいずれか1項に記載の人工弁。
(態様7)
前記第1内側保持エレメント及び前記第1外側保持エレメントの少なくとも一方が、ストランド、縫合糸、スレッド、モノフィラメント、マルチフィラメント、ワイヤ、1つ又は2つ以上の材料襞、複数の材料層、及び材料ビードのうちの1種又は2種以上から形成されている、態様6に記載の人工弁。
(態様8)
前記第1内側保持エレメントと前記第1外側保持エレメントとが、連続的な保持エレメントを画定するように互いに連続的に形成されている、態様6に記載の人工弁。
(態様9)
前記リーフレット構造物が前記第1リーフレットと第2リーフレットとを相互接続するブリッジを含む、態様1から8までのいずれか1項に記載の人工弁。
(態様10)
前記第1リーフレットの前記第1外側保持エレメントが、前記第1リーフレットの前記第1接合タブに成形、接着、且つ/もしくはボンディングされることにより、前記第1リーフレットの前記第1接合タブにカップリングされるか、
又は、
前記第1リーフレットがポリマーメンブレンを含み、そして前記第1外側保持エレメントが、前記ポリマーメンブレンに成形、接着、且つ/もしくはボンディングされることにより、前記ポリマーメンブレンにカップリングされる、
態様1から9までのいずれか1項に記載の人工弁。
(態様11)
前記複数のリーフレットの各リーフレットが自由縁部を画定し、そしてさらに、隣接するリーフレットが、前記フレームのところで互いに末広がり状に延びる隣接する自由縁部を有するように、各リーフレットが前記フレームに取り付けられる、態様1から10までのいずれか1項に記載の人工弁。
(態様12)
リーフレット構造物と、
フレームと、
を含む、人工弁であって、
前記リーフレット構造物が第1リーフレットと、前記第1リーフレットにカップリングされた第1保持エレメントとを含み、
前記フレームがスロットを有し、前記スロットが、前記スロットを通して、前記フレームの外側に第1外側ループ部分を画定する前記リーフレットの一部を受容するように作用可能であり、前記第1外側ループ部分を通して、前記第1保持エレメントの一部が受容され、前記フレームがさらに懸吊用フィーチャを含み、前記懸吊用フィーチャ上に、前記第1保持エレメントが前記リーフレット構造物を軸線方向に支持するように受容される、
人工弁。
(態様13)
さらに、第2リーフレットを含み、前記第2リーフレットの一部が、第2外側ループ部分を画定するように前記フレームの前記スロットに通される、態様12に記載の人工弁。
(態様14)
前記フレームの前記スロットが第1スロットであり、そして前記フレームがさらに、前記第1スロットに隣接する第2スロットを画定し、前記リーフレット構造物がさらに第2リーフレットを含み、前記第2リーフレットの一部が、第2外側ループ部分を画定するように前記フレームの前記第2スロットに通される、態様12に記載の人工弁。
(態様15)
前記第1リーフレットがタブ部分を画定し、前記タブ部分が前記スロットを少なくとも2回通って延びており、前記タブ部分が前記外側ループ部分を画定する、態様12に記載の人工弁。
(態様16)
前記第1リーフレットが前記スロットを少なくとも3回通って延びているタブ部分を画定し、前記タブ部分が前記外側ループ部分と、前記フレームの内側の内側ループ部分とを画定する、態様12に記載の人工弁。
(態様17)
前記リーフレット構造物がさらに、前記内側ループ部分を通って延びる第2保持エレメントを含む、態様16に記載の人工弁。
(態様18)
前記タブ部分の末端が、前記タブ部分の別の部分に成形、接着、且つ/又はボンディングされることによって、前記タブ部分の前記別の部分にカップリングされる、態様15から17までのいずれか1項に記載の人工弁。
(態様19)
前記タブ部分の末端が、前記タブ部分の別の部分に成形、接着、且つ/又はボンディングされることによって、前記第1リーフレットの前記別の部分にカップリングされる、態様15から17までのいずれか1項に記載の人工弁。
(態様20)
前記第1リーフレットが第1タブ部分と、第2タブ部分と、前記第1タブ部分と前記第2タブ部分との間のボディ部分とを含み、前記第1及び第2タブ部分のそれぞれが、末端と、前記末端とは反対側のリーフレット端部とを有し、前記第1タブ部分が前記第1外側ループ部分を形成する、態様12から19までのいずれか1項に記載の人工弁。
(態様21)
前記第1タブ部分の末端が、前記リーフレットの別の部分に成形、接着、且つ/又はボンディングされることにより、前記リーフレットの前記別の部分にカップリングされる、態様20に記載の人工弁。
(態様22)
患者の体内に人工弁を植え込む方法であって、前記方法が、
前記体内の所望の治療部位に人工弁を位置決めすることと、
前記人工弁を前記所望の治療部位に固定することと、
を含み、
前記人工弁が、
リーフレット構造物と、
フレームと、
を含み、
前記リーフレット構造物が第1リーフレット及び前記第1リーフレットにカップリングされた第1保持エレメントを含み、
前記フレームがスロットを有し、前記スロットが、前記スロットを通して、前記フレームの外側に第1外側ループ部分を画定する前記リーフレットの一部を受容するように作用可能であり、前記第1外側ループ部分を通して、前記第1保持エレメントの一部が受容され、前記フレームがさらに懸吊用フィーチャを含み、前記懸吊用フィーチャ上に、前記第1保持エレメントが前記リーフレット構造物を軸線方向に支持するように受容される、
患者の体内に人工弁を植え込む方法。
(態様23)
前記所望の治療部位が天然大動脈弁開口部であり、そして前記方法が、前記人工弁を前記天然大動脈弁開口部に位置決めすることと、前記人工弁を前記天然大動脈弁開口部に固定することと、を含む、態様22に記載の方法。
(態様24)
前記人工弁を前記所望の治療部位に位置決めすることが、経カテーテル送達システムを用いて腔内的に前記所望の治療部位に人工弁を位置決めすることを含む、態様22に記載の方法。
(態様25)
前記体内の所望の治療部位に位置決めされる前記人工弁が、自己拡張性人工弁である、態様22に記載の方法。
(態様26)
前記体内の所望の治療部位に位置決めされる前記人工弁が、バルーン拡張性人工弁である、態様22に記載の方法。
(態様27)
前記人工弁を前記所望の治療部位に位置決めすることが、前記人工弁を前記所望の治療部位に外科的に位置決めすることを含む、態様22に記載の方法。
(態様28)
前記体内の所望の治療部位に位置決めされる前記人工弁が、固定フレーム非拡張性人工弁である、態様22に記載の方法。
(態様29)
態様1から12までのいずれか1項に記載の人工弁を製造する方法であって、前記方法が、
第1リーフレットの第1保持エレメントを前記第1リーフレットの前記第1接合タブにカップリングすることと、
前記第1外側ループ部分が前記第1外側保持エレメントを取り囲み、且つ前記第1スロットを通って引っ張られることから前記第1外側ループ部分を保護するために前記第1外側ループ部分の幅が前記第1スロットの幅よりも大きいように、前記フレームの前記外側に前記第1外側ループ部分を画定するべく、前記第1接合タブの前記第1部分と前記第2部分とを前記フレームの前記第1スロットを通して延ばすことにより、前記リーフレット構造物を前記フレームにカップリングすることと、
を含む、人工弁を製造する方法。
(態様30)
態様12から21までのいずれか1項に記載の人工弁を製造する方法であって、前記方法が、
前記第1保持エレメントを第1リーフレットにカップリングすること、および
前記第1保持エレメントが前記フレームの前記外側で前記第1外側ループ部分を通して受容された状態で、前記フレームの前記外側に前記第1外側ループ部分を画定する前記リーフレットの一部を前記スロットを通して受容することと、
前記リーフレット構造物を軸線方向に支持するように、前記フレームの前記懸吊用フィーチャ上に前記第1保持エレメントを受容することと、
により、前記リーフレット構造物の前記第1リーフレットを前記フレームにカップリングすること、
を含む、人工弁を製造する方法。