特許第6974613号(P6974613)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6974613
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】化粧品容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20211118BHJP
   A45D 40/26 20060101ALI20211118BHJP
【FI】
   A45D34/04 560
   A45D40/26 Z
【請求項の数】11
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-527914(P2020-527914)
(86)(22)【出願日】2018年11月9日
(65)【公表番号】特表2021-503346(P2021-503346A)
(43)【公表日】2021年2月12日
(86)【国際出願番号】KR2018013599
(87)【国際公開番号】WO2020054909
(87)【国際公開日】20200319
【審査請求日】2020年5月19日
(31)【優先権主張番号】20-2018-0004293
(32)【優先日】2018年9月14日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513160763
【氏名又は名称】コルマー コリア カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】KOLMAR KOREA CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒョン サン
(72)【発明者】
【氏名】イ、チャン ス
(72)【発明者】
【氏名】アン、グ ソプ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ヘ ジン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ヨ ウル
【審査官】 粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開実用新案第20−2015−0003748(KR,U)
【文献】 韓国公開実用新案第20−2018−0001158(KR,U)
【文献】 特表2016−534808(JP,A)
【文献】 国際公開第2018/151372(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 34/04
A45D 40/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品容器であって、
第1収容部が形成される外部容器と、
化粧料が含浸された含浸部材が収容される第2収容部が形成され、前記外部容器の前記第1収容部の内側に脱着可能に結合する内部容器と、
前記第2収容部の周りに結合され、上部面の一側から前記第2収容部の内側に下向き延長され、前記含浸部材が前記第2収容部の外側へ離脱することを防止する第1固定部が形成される結合部とを備える構成において、
前記含浸部材は、上面と下面が互いに対向する凸状に形成され、
前記結合部は、前記第1固定部の先端から外側へ離隔して形成され、前記含浸部材の上面に対して前記第1固定部とは異なる領域を加圧することにより、前記含浸部材を固定する第2固定部を有し、
前記第2固定部は、前記第1固定部よりも前記第2収容部の内側に下向き突出される
ことを特徴とする化粧品容器。
【請求項2】
前記含浸部材は、周縁が相互接合して形成され、接合部位を中心として上面と下面が形成される構成であって、
前記第1固定部と前記第2固定部は、前記含浸部材の上面の傾斜した前記接合部位の内側縁を加圧する請求項に記載の化粧品容器。
【請求項3】
前記含浸部材は、周縁が相互接合して形成され、接合部位を中心として上面と下面が形成される構成であって、
前記内部容器は、前記第2収容部が前記含浸部材に対応する形状を有して下面が膨らんで下向き突出される請求項1に記載の化粧品容器。
【請求項4】
前記外部容器は、前記第1収容部の内側に前記内部容器が収容されるように下面が膨らんで下向き突出される請求項に記載の化粧品容器。
【請求項5】
前記第2固定部は、少なくとも一つの加圧突起を有し、前記加圧突起の少なくとも一つが前記含浸部材の上面を貫通して前記含浸部材を固定する請求項に記載の化粧品容器。
【請求項6】
前記第1固定部は、少なくとも一部が前記第2収容部の中心に向かって傾斜して形成される請求項1に記載の化粧品容器。
【請求項7】
前記第1収容部の内側面には、少なくとも一つの固定突起が内側に突出形成され、前記内部容器の外側面に、前記固定突起に対応する少なくとも一つの固定溝が形成され、前記内部容器の結合時、前記固定突起が対応する前記固定溝にそれぞれ結着される請求項1に記載の化粧品容器。
【請求項8】
前記内部容器を密閉して結合される内部カバーをさらに備え、
前記内部カバーの前記内部容器側の一面には、前記内部容器の枠部の内側面に密着して、前記内部容器を密閉する密閉部が設けられる請求項1に記載の化粧品容器。
【請求項9】
前記外部容器を密閉して結合される外部カバーをさらに備え、
前記外部カバーは、第1ヒンジによって回動し、前記内部カバーは、第2ヒンジによって回動し、前記第1ヒンジ及び前記第2ヒンジは、互いに一定の角度だけ離隔して構成される請求項に記載の化粧品容器。
【請求項10】
前記内部カバーにおいて、前記内部容器との反対側の一面には内側に窪んで第3収容部が形成される請求項に記載の化粧品容器。
【請求項11】
前記第3収容部に収容される塗布具をさらに備える請求項10に記載の化粧品容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品容器に係り、さらに詳しくは、外部容器との脱着が容易であり、含浸部材を安定的に収容可能な内部容器を備える化粧品容器に関する。
【背景技術】
【0002】
色調化粧品は、皮膚色を均一にし、欠点をカバーするために使うベースメーキャップと、唇、目、爪などに対して部分的に立体感を高めるポイントメーキャップとに分けられ、ベースメーキャップには、メーキャップベース、ファウンデーション、パウダーなどが含まれ、ポイントメーキャップには、リップスティック、アイライナー、マスカラなどが含まれている。
【0003】
ファウンデーションは、化粧料の形態によって、固形ファウンデーション、液状ファウンデーション、ゲル状ファウンデーションに分けられ、固形ファウンデーションの場合、カバー力は高いが、化粧を直すときに凝集するという欠点がある。よって、近年、相当な持続力を有するとともに、皮膚への塗布時の密着感に優れた、液状またはゲル状ファウンデーションを好む消費者が多くなった。
【0004】
これによって、液状またはゲル状ファウンデーション用の容器の開発も必要になっているが、一般には、ゲル状または液状ファウンデーションをガラス容器やチューブ容器に充填して使用するとき、ユーザが手に取ったり、絞り出したりして、パフ又は手で皮膚に塗布するという方式が用いられた。しかし、従来技術では、ユーザが使用するごとに手に化粧料がくっ付くことになり、毎度手を洗わなければならないので、使い勝手が悪いという問題点があり、このため、化粧料の損失が生じるという問題点があった。
【0005】
上記した問題点を解決するために、コンパクト容器の内部に液状またはゲル状のファウンデーションを含浸させた含浸部材を内蔵し、含浸部材に含浸されたファウンデーションをパフ等の塗布具に付けて皮膚に塗るタイプのコンパクト容器が導入されたことがある。
【0006】
この種のコンパクト容器では、必要に応じて、ファウンデーションが含浸された含浸部材を分離して入れ替えるようにするとともに、収容空間内に安定的に固定させなければならないことが必要であった。それで、従来は、含浸部材の収容空間に結合され、水平方向に段部を形成する環状の固定手段が主に用いられていた。
【0007】
しかしながら、このような固定手段は、上面及び/または下面が平らな含浸部材を固定することに問題ないが、より多様な形状を有する含浸部材を効果的に支持するのに適していないという限界があった。特に、含浸部材が周縁から中心部に行くほど厚さが増える凸状である場合、この固定手段では、含浸部材を収容空間内に安定的に固定し難いという問題点があった。
【0008】
したがって、これを解決するための技術が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、外部容器との脱着が容易であり、含浸部材を安定的に収容可能な内部容器を備える化粧品容器を提供することを目的とする。
【0010】
本発明の技術的課題は、上述した技術的課題に制限されず、言及されなかった他の技術的課題は、以下の記載に基づいて当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の実施例によって化粧品容器が提供される。前記化粧品容器は、第1収容部が形成される外部容器と、化粧料が含浸された含浸部材が収容される第2収容部が形成され、前記外部容器の前記第1収容部の内側に脱着可能に結合する内部容器と、前記第2収容部の周りに結合され、上部面の一側から前記第2収容部の内側に下向き延長され、前記含浸部材が前記第2収容部の外側へ離脱することを防止する第1固定部が形成される結合部と、を備えてもよい。
【0012】
好ましくは、前記結合部は、前記第1固定部の先端から外側へ離隔して形成され、前記含浸部材の上面に対して前記第1固定部とは異なる領域を加圧することにより、前記含浸部材を固定する第2固定部をさらに有してもよい。
【0013】
また、好ましくは、前記第2固定部は、前記第1固定部よりも前記第2収容部の内側に下向き突出されてもよい。
【0014】
また、好ましくは、前記含浸部材は、周縁が相互接合して形成され、接合部位を中心として上面と下面が互いに対向する凸状に形成されるが、前記第1固定部と前記第2固定部は、前記含浸部材の上面の傾斜した前記接合部位の内側縁を加圧してもよい。
【0015】
また、好ましくは、前記内部容器は、前記第2収容部が前記含浸部材に対応する形状を有して下面が膨らんで下向き突出され、前記外部容器は、前記第1収容部の内側に前記内部容器が収容されるように下面が膨らんで下向き突出されてもよい。
【0016】
また、好ましくは、前記外部容器の下面の少なくとも一部が開放して形成され、前記第1収容部に収容された前記内部容器の少なくとも一部が外側に露出してもよい。
【0017】
また、好ましくは、前記第2固定部は、少なくとも一つの加圧突起を有し、前記加圧突起の少なくとも一つが前記含浸部材の上面を貫通して前記含浸部材を固定することができる。
【0018】
また、好ましくは、前記第1固定部は、少なくとも一部が前記第2収容部の中心に向かって傾斜して形成されてもよい。
【0019】
また、好ましくは、前記第1収容部の内側面には、少なくとも一つの固定突起が内側に突出形成され、前記内部容器の外側面に、前記固定突起に対応する少なくとも一つの固定溝が形成され、前記内部容器の結合時、前記固定突起が対応する前記固定溝にそれぞれ結着されてもよい。
【0020】
また、好ましくは、前記内部容器を密閉して結合される内部カバーをさらに備え、前記内部カバーの前記内部容器側の一面には、前記内部容器の枠部の内側面に密着して、前記内部容器を密閉する密閉部が設けられてもよい。
【0021】
また、好ましくは、前記外部容器を密閉して結合される外部カバーをさらに備え、前記外部カバーは、第1ヒンジによって回動し、前記内部カバーは、第2ヒンジによって回動し、前記第1ヒンジ及び前記第2ヒンジは、互いに一定の角度だけ離隔して構成されてもよい。
【0022】
また、好ましくは、前記内部カバーにおいて、前記内部容器との反対側の一面には内側に窪んで第3収容部が形成されてもよい。
【0023】
また、好ましくは、前記第3収容部に収容される塗布具をさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、結合部が内部容器の上部に結合され、結合部の固定部が、内部容器の内側に配置された化粧溶液が含浸された含浸部材を上側から支持することにより、含浸部材が離脱しないように安定的に固定することができる。特に、固定部を複数で構成し、外側に行くほど固定部の突出長さをさらに長く形成して、凸状を有する含浸部材をさらに安定的に固定することができる。
【0025】
また、外側に配置される結合部の第2固定部の先端に複数の加圧突起を形成し、加圧突起の少なくとも一部を、含浸部材のメッシュ構造を通過して貫通させることにより、含浸部材への固定力を極大化することができる。
【0026】
また、内部容器に含浸部材を収容するとき、含浸部材の露出部位が、その中心が上側に膨らんで突出した形態を有するようになるので、含浸部材から吐き出されてから塗布具に付かなかった残余の化粧料が外部に漏れず、周辺に収集されて、含浸部材に効果的に再吸収され得る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明の詳細な説明において引用される図面をさらに充分に理解させるために、各図面の簡単な説明が提供される。
図1】本発明の一実施例に係る化粧品容器を示す図である。
図2図1の化粧品容器の分解状態を示す図である。
図3図1の化粧品容器の外部容器及び外部カバーを示す図である。
図4図1の化粧品容器の内部容器及び内部カバーを示す図である。
図5図1の化粧品容器の内部カバーを示す側面図及び側断面図である。
図6図1の化粧品容器の内部容器を示す図である。
図7図1の化粧品容器の結合部を示す図である。
図8図1の化粧品容器の結合部を示す図である。
図9図1の化粧品容器の含浸部材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付された図面を参照して、本発明の好適な実施例について詳述する。各図面の構成要素に参照符号を付加するに当たって、同一の構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表れても、できる限り同一の符号を付与することに留意してほしい。また、本発明の実施例を説明するに当たって、関連した公知構成または機能についての具体的な説明が本発明の実施例についての理解を妨害すると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。また、本発明の実施例について後述するが、本発明の技術的思想は、これらに限定または制限されず、当業者によって変形されて多様に実施され得る。
【0029】
明細書の全般にわたって、ある部分が他の部分に「連結」されているとは、「直接的に連結」されている場合のみならず、その中間に他の素子を介して「間接的に連結」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」とは、特に拘りがない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素を更に含んでもよいことを意味する。また、本発明に係る実施例の構成要素を説明するに当たって、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を使っている。これらの用語は、単にその構成要素を他の構成要素と区別するためのものであって、その用語により当該構成要素の本質、順序または手順等が限定されるものではない。
【0030】
図1は、本発明の一実施例に係る化粧品容器を示す図であり、図2は、図1の化粧品容器の分解状態を示す図であり、図3は、図1の化粧品容器の外部容器及び外部カバーを示す斜視図であり、図4は、図1の化粧品容器の内部容器及び内部カバーを示す斜視図であり、図5は、図1の化粧品容器の内部カバーを示す側面図及び側断面図であり、図6は、図1の化粧品容器の内部容器を示す断面図である。
【0031】
図1乃至図6を参照すると、化粧品容器1000は、外部容器100、外部カバー200、内部容器300、内部カバー400、結合部500、及び含浸部材600を備える。
【0032】
外部容器100は、化粧品容器1000内の各種の構成を収容するためのものであって、特に、その内部に、内部容器300を収容するための第1収容部110が形成される。このような第1収容部110は、内部容器300の外形に対応する形状を有し、第1収容部110の内側面には、内部容器300との結合を固定するための少なくとも一つの固定突起130が形成される。外部容器100の下面には、開放部120が形成される。すなわち、外部容器100の下面の少なくとも一部が第1収容部110の内側に開放した開放部120が形成され、このような開放部120から第1収容部110に収容された内部容器300の下面の少なくとも一部が外部容器100の外側に露出して構成される。これにより、ユーザは、外側に露出した内部容器300の領域を上側へ加圧する方式で、内部容器300を外部容器100の第1収容部110から分離しやすくなる。
【0033】
外部カバー200は、外部容器100を密閉するように結合される。例えば、外部カバー200は、外部容器100の一側に第1ヒンジを介して結合され、このような第1ヒンジによって回動することにより、外部容器100を密閉または開放することができる。一方、外部容器100と外部カバー200の対応する位置(例えば、第1ヒンジの反対側)には、外部カバー200の密閉状態を維持するためのロック部(図示せず)が形成される。
【0034】
内部容器300は、含浸部材600が収容される容器であって、外部容器100の第1収容部110に脱着可能に結合される。例えば、内部容器300は、外部容器100の第1収容部110への定着のため、少なくとも一部が第1収容部110に対応する形状を有し、内部容器300の外側面には、第1収容部110の固定突起130に対応する少なくとも一つの固定溝350が形成される。内部容器300が第1収容部110の内側に挿入されると、内部容器300の固定溝350にそれぞれ対応する固定突起130が結着されることにより、内部容器300と外部容器100との間の結合を固定するようになる。
【0035】
内部容器300には、含浸部材600を収容するための第2収容部310が形成される。このため、第2収容部310の少なくとも一部が含浸部材600に対応する形状を有する。このような第2収容部310の周りに結合部500が結合され、含浸部材600を第2収容部310の外側に離脱しないように支持する。
【0036】
内部容器300の上部には、第1枠部320と、第1枠部320から外側に離隔して配置される第2枠部330が形成される。例えば、第1枠部320は、第2収容部310の周りに沿って形成され、含浸部材600を支持するための結合部500が結合され、第2枠部330には、内部カバー400が内部容器300を密閉して結合される。内部容器300の下部の周りには、第3枠部340が形成される。例えば、第3枠部340は、第2収容部310を形成する内部容器300の下端部分を外側に離隔して取り囲むように形成される。一実施例において、第3枠部340は、内部容器300の上部の第2枠部330に連続して構成されるが、第2枠部330よりも第2収容部310に近づいて形成(すなわち、外径が第2枠部330よりも小さく形成)されることにより、第2枠部330と第3枠部340の連結部位に段部(図示せず)が形成される。このような段部は、内部容器300の結合時、第1収容部110に対応して形成される段部に定着される。
【0037】
内部カバー400は、内部容器300を開放または密閉するものであって、カバー本体410、取っ手部420、密閉部430、及び第3収容部440を有する。内部カバー400は、内部容器300の一側に第2ヒンジを介して結合され、このような第2ヒンジによって回動することにより、内部容器300を密閉または開放することができる。このとき、第2ヒンジは、干渉を防止するために、内部容器300と外部容器100の結合時、第1ヒンジから互いに一定の角度だけ離隔して配置されてもよい。
【0038】
カバー本体410は、第2ヒンジに連結され、内部カバー400を回動させ、内部容器300の少なくとも一部を密閉及び開放し、取っ手部420、密閉部430、及び第3収容部440が形成及び結合される空間を提供する。
【0039】
取っ手部420は、カバー本体410の外側に突出形成されている。ユーザの把持のためのものであって、取っ手部420を介して、ユーザが内部カバー400を回動させ、内部容器300を容易に開放及び密閉することができる。回動しやすくするために、取っ手部420は、第2ヒンジの反対側に形成されることが好ましいが、これに限定されない。
【0040】
カバー本体410の底面(すなわち、内部容器300側)には、内部容器300の密閉のための密閉部430が設けられる。従来、密閉のための構成が硬性材質のプラスチックからなり、または硬質プラスチックに軟性材質の緩衝部を結合してなるのとは異なり、本発明による密閉部430は、全体が、例えば、ゴム、ウレタン、シリコン等の軟性材質で形成されることにより、より堅固な密閉力を与えながら、製造が容易である。
【0041】
具体的に、密閉部430は、カバー本体410の周りに沿って形成されるが、中央が開放されてもよく、特に、周りに沿ってカバー本体410に向かって突出する密着突起432が形成される。密着突起432に対応してカバー本体410の底面には、周りに沿って密着溝412が形成される。密着溝412と密着突起432によって、カバー本体410と密閉部430との間の結合のための接触面積(すなわち、接着物質の塗布面積)を増加させることにより、密閉部430は、さらに堅固にカバー本体410に結合される。
【0042】
また、密閉部430には、周りに沿って形成されるが、下側に突出した密閉突起434が設けられる。第2ヒンジの回動によって、密閉部430が内部容器300に結合するとき、密閉突起434は、第2枠部330の内側面に密着することにより、内部容器300を密閉して構成される。堅固な密閉のため、密閉突起434の外径は、第2枠部330の内径よりも小さく形成されることが好ましく、但し、これに限定されない。
【0043】
密閉突起434の外側に、複数の結合突起436が形成される。結合突起436は、密閉突起434の外側面のうち、複数の領域が外側に突出したものであって、複数個で形成されてもよく、これらは、周り方向に互いに離隔してもよい。内部容器300の第2枠部330の内面には、結合突起436に対応する結合溝が形成されており、これによって、密閉部430が内部容器300に結合するとき、結合突起436は、結合溝に挿入され、密閉部430を内部容器300に固定させるとともに、内部容器300の密閉を達成することができる。
【0044】
一方、結合突起436が複数個で離隔して形成されるのとは異なり、結合溝は、周りに沿って一体で形成される。すなわち、内部カバー400と内部容器300の結合によって、結合突起436が結合溝に挿入されるとき、内部カバー400と内部容器300との間において圧縮される空気が、密閉突起434の外側面のうち、結合突起436が形成されていない領域、及びこれに対応する結合溝から外部に抜け出るようにしてもよい。結合突起436が結合溝に挿入されてからは、密閉突起434が、第2枠部330の内側面に、周りに沿って堅固に密着して密閉を維持することができる。このように、密閉時に発生する内部カバー400と内部容器300との間に空気圧縮(すなわち、内圧)を効果的に解消することにより、内部カバー400が内部容器300を容易かつ安定的に密閉させることができる。
【0045】
カバー本体410における内部容器300の反対側の一面には、第3収容部440が形成される。第3収容部440は、カバー本体410が内側に窪んで形成され、第3収容部440の内側に、化粧料を塗布するための塗布具、例えば、パフ、ブラッシュ等が収容されるようになる。
【0046】
実施例によって、密閉部430の密閉突起434の内側の密閉底面438が追加の密閉を与える。具体的に、内部カバー400が内部容器300を密閉するとき、密閉底面438は、内部容器300の第1枠部320に挿入された結合部500の上面を加圧する。これによって、結合部500の内側の含浸部材600を一次的に密閉させ、密閉部430が二重の密閉を与えることができる。
【0047】
結合部500は、内部容器300の第1枠部320に結合され、第2収容部310に収容される化粧料が含浸された含浸部材600の少なくとも一領域を加圧または支持することにより、第2収容部310の外側に離脱しないように含浸部材600を固定する。結合部500は、含浸部材600が第2収容部310の開放した上面から外部に露出するように、中央部分が開放した環状になるが、これに限定されない。
【0048】
含浸部材600は、化粧料が含浸された状態で、内部容器300の第2収容部310に収容される。含浸部材600に含浸された化粧料は、化粧用塗布具(例えば、パフ等)に付けて使われる。ここで、化粧料は、例えば、ローション、ミルクローション、モイスチャーローション、栄養ローション、スキンローション、スキンソフナー、スキントナー、アストリンゼント、マッサージクリーム、栄養クリーム、モイスチャークリーム、サンクリーム、エッセンス、サンミルク、BBクリーム、化粧下地、ファンデーション、CCクリーム、日焼け止めクリーム、ほお紅、コンシーラー、アイシャドウ、アイブローのような多様な化粧料を含んでもよく、前記化粧料は、液状またはゲル状が好ましいが、少なくとも一部が非液状(すなわち、固形または半固形)であってもよい。
【0049】
含浸部材600は、多孔性材質で構成され、内部に化粧料が含浸され、外力が加えられて、含浸した化粧料が吐き出されるものであって、例えば、天然ゴム、合成樹脂、ポリウレタン、ラテックス、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、イソプレンゴム(IR)、加硫エチレン・プロプレンゴム(EPR)、多硫化ゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、EPDM(Ethylene propylene diene monomer)ゴム、ポリビニルアルコール(PVA)及びエチレンビニルアセテート(EVA)、ニトリルゴム、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる一つ以上の材質からなってもよいが、これに限定されない。実施例によって、含浸部材600は、天然繊維、人造繊維、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる一つ以上の繊維からなってもよい。
【0050】
含浸部材600は、上面610と下面620が互いに反対方向に突出して凸状からなり、上面610と下面620は、含浸された化粧料を外部に吐き出すために、多数の吐出孔が形成されたメッシュ構造であってもよい。このとき、吐出孔の形状は、円形、多角形等、多様である。前記メッシュ構造は、繊維糸等の製織により形成され、または発泡フォームまたはスポンジで形成されてもよく、但し、これに限定されず、吐出孔の形成のための多様な構成が適用される。
【0051】
このような含浸部材600の形状を考慮して、内部容器300は、第2収容部が含浸部材600に対応する形状を有するように、下面が膨らんで下向き突出され、外部容器100も、第1収容部110の内側に内部容器300を収容するように、下面が膨らんで下向き突出されるようになる。
【0052】
また、含浸部材600は、第2収容部310に収容されるとき、結合部500によって周り部分が加圧または支持され、凸状の中央部分が上側に突出して内部カバー400の開放によってユーザに露出するようになっている。
【0053】
結合部500と含浸部材600については、それぞれ図7図8図9を参照して詳述する。
【0054】
一方、図1乃至図6に示す化粧品容器1000の形状は、例示的なものであって、本発明が適用される実施例によって多様な構成が適用される。
【0055】
図7及び図8は、図1の化粧品容器の結合部を示す。より具体的に、図7は、結合部の上面斜視図(図7の(a))及び底面斜視図(図7の(b))であり、図8は、結合部の断面図である。
【0056】
図7及び図8を参照すると、結合部500は、環状からなり、内部容器300の第2収容部310に収容された含浸部材600を加圧または支持するための第1固定部510及び第2固定部520が形成される。
【0057】
第1固定部510は、結合部500の上部面の一側(例えば、環状の内側)から第2収容部310の内側に下向き延長され、先端が含浸部材600の一領域に密着され、当該領域を加圧及び支持することができる。一実施例において、第1固定部510は、少なくとも一部が第2収容部310の中心を向かって傾斜して形成される。これは、本発明による含浸部材600の上面の周りが傾斜して形成されることを勘案したものであって、これにより、第1固定部510は、含浸部材600をさらに安定的に支持し、第2固定部520の形成空間を確保することができる。
【0058】
第2固定部520は、第1固定部510の先端から外側に離隔して形成され、含浸部材600の上面に対して第1固定部510とは異なる領域を加圧(及び/または支持)することにより、含浸部材600を固定することができる。第2固定部520により加圧される領域は、第1固定部510により加圧される領域よりも含浸部材600の周縁に近く位置するので、第2固定部520は、第1固定部510よりも第2収容部310の内側に下向き突出して構成される。
【0059】
第2固定部520は、少なくとも一つの加圧突起522を有する。例えば、加圧突起522は、第2固定部520の先端面において第2収容部310の周りに沿って離隔して配置される。このような加圧突起522が含浸部材600の上面を加圧及び/または貫通することにより、含浸部材600を移動または離脱しないように固定する。
【0060】
実施例によって、結合部500が内部容器300と結合した状態で、含浸部材600を加圧及び/または貫通し、または含浸部材600が内部容器300から分離されるとき、含浸部材600を加圧及び/または貫通して含浸部材600の離脱を防止する。
【0061】
結合部500の上部面の他の一側(例えば、環状の外側)には、これから下向き延長される第4枠部530が形成される。一実施例において、第1固定部510及び/または第2固定部520と第4枠部530との間の離隔空間に、内部容器300の第1枠部320が挿入されて嵌合されることにより、結合部500が内部容器300に結合されるようになる。
【0062】
図9は、図1の化粧品容器の含浸部材を示す図である。
【0063】
図9を参照すると、含浸部材600は、周縁630が相互接合されて形成される。このような接合は、本発明が適用される実施例によって、多様な方式で行われてもよい。例えば、接着物質、外部から熱が印加される外熱接合、内部で熱を発生させる内熱接合等が行われる。これにより、本発明による含浸部材600は、外側縁からの化粧料の漏れ、及びこれによる化粧品容器の汚染、ユーザの不便さ等を取り除くことができる。
【0064】
このように、含浸部材600は、周縁630が相互接合して形成されることにより、接合された周縁630を中心として上面610と下面620が互いに対向する凸状をなす。これにより、含浸部材600の上面610は、少なくとも一領域において、周縁630に行くほど下向き傾斜し、下面620は、少なくとも一領域において、周縁630に行くほど上向き傾斜するようになってもよい。特に、含浸部材600は、周縁630の内側縁部が、上記のように周縁630に向かって下向きまたは上向き傾斜して形成されてもよい。
【0065】
本発明において、結合部500の第1固定部510と第2固定部520は、含浸部材600の上面の傾斜した周縁630の内側縁を加圧して、含浸部材600を固定するようになる。このとき、結合部500は、外側に配置された第2固定部520が、第1固定部510よりも第2収容部310の内側にさらに下向き突出されることにより、このような傾斜した周り部分を効果的に加圧して、含浸部材600を安定的に第2収容部310の内部に固定することができるようになる。
【0066】
以上のように、図面及び明細書において最適な実施形態が開示された。ここで、特定の用語が用いられたが、これは単に本発明を説明するための目的で用いられたものに過ぎず、意味を限定したり、請求の範囲に記載の本発明の範囲を制限したりするために用いられたものではない。よって、この技術分野における通常の知識を有する者であれば、これから種々の変形及び均等な他の実施形態が可能であることが理解されるであろう。よって、本発明の真の技術的な保護範囲は、添付の請求の範囲の技術的な思想によって定められるべきである。
【符号の説明】
【0067】
100 外部容器
110 第1収容部
120 開放部
130 固定突起
200 外部カバー
300 内部容器
310 第2収容部
320 第1枠部
330 第2枠部
340 第3枠部
350 固定溝
400 内部カバー
410 カバー本体
412 密着溝
420 取っ手部
430 密閉部
432 密着突起
434 密閉突起
436 結合突起
438 密閉底面
440 第3収容部
500 結合部
510 第1固定部
522 加圧突起
520 第2固定部
530 第4枠部
600 含浸部材
610 上面
620 下面
630 周縁
1000 化粧品容器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9