(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6974623
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】水素化マグネシウムの加水分解を利用するエネルギーシステム
(51)【国際特許分類】
C01B 3/06 20060101AFI20211118BHJP
H01M 8/065 20160101ALI20211118BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20211118BHJP
H01M 8/00 20160101ALI20211118BHJP
C01B 3/00 20060101ALI20211118BHJP
C01B 3/56 20060101ALI20211118BHJP
C01B 6/04 20060101ALI20211118BHJP
【FI】
C01B3/06
H01M8/065
H01M8/04 J
H01M8/00 A
H01M8/00 Z
C01B3/00 B
C01B3/56 Z
C01B6/04
【請求項の数】15
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2020-544097(P2020-544097)
(86)(22)【出願日】2018年11月13日
(65)【公表番号】特表2021-501736(P2021-501736A)
(43)【公表日】2021年1月21日
(86)【国際出願番号】CN2018115260
(87)【国際公開番号】WO2019096132
(87)【国際公開日】20190523
【審査請求日】2020年4月30日
(31)【優先権主張番号】201711121685.5
(32)【優先日】2017年11月14日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520152995
【氏名又は名称】シャンハイ・コヴェイパー・エナジー・テクノロジー・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲賈▼ ▲鵬▼
【審査官】
小野 久子
(56)【参考文献】
【文献】
中国特許出願公開第106915235(CN,A)
【文献】
中国特許出願公開第106541816(CN,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0311895(US,A1)
【文献】
特開2009−099534(JP,A)
【文献】
特開2014−105152(JP,A)
【文献】
特開2011−032131(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 3/06
H01M 8/065
H01M 8/04
H01M 8/00
C01B 3/00
C01B 3/56
C01B 6/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素化マグネシウム貯蔵タンク(15)と、COVAPORユニット(5)と、蓄電池(6)と、を含み、前記蓄電池はCOVAPORユニットに回路接続され、前記水素化マグネシウム貯蔵タンクは熱伝導媒体入口(16)、熱伝導媒体出口(17)、添加/抽出口(18)と、水素ガス出口(33)および水入口(47)が設けられる水素化マグネシウムの加水分解を利用するエネルギーシステムであって、
前記エネルギーシステムには、水素ガス緩衝および温度調整タンク(1)、計量装置(69)、分子ふるいフィルター(2)、水素燃料電池(9)、空気吸気口(10)、排気ガス浄化器(48)、清浄ガス排気口(7)、水タンク(12)、水ポンプ(13)、流量計(14)、および空気清浄器(11)が設けられ、前記水素燃料電池には電力出力ケーブル(8)、空気入口、水素ガス入口、排水口、および排気ガス出口が設けられ、
前記空気吸気口は空気清浄機を介して空気入口に接続され、前記排気ガス出口は前記排気ガス浄化器を介して前記清浄ガス排気口に接続され、
前記排水口は前記水タンク(12)に接続され、前記分子ふるいフィルターの排水口は前記水タンクに接続され、前記水タンクは給水および調整用ノズル(70)に接続され、
前記水タンクは、前記水ポンプ(13)と前記流量計(14)を介して前記水素化マグネシウム貯蔵タンクの水入口(47)に接続され、前記水入口(47)の管路にはろ過膜(96)が設けられ、水素化マグネシウム貯蔵タンクの水素ガス出口は、前記分子ふるいフィルター、前記水素ガス緩衝および温度調整タンク、前記計量装置を介して前記水素燃料電池の水素ガス入口に接続され、
前記水素化マグネシウム貯蔵タンクの熱伝導媒体出口は3つの経路に分岐し、1つ目は熱伝導媒体管路(4)を介して分子ふるいフィルターのジャケットの入口に接続され、2つ目は熱伝導媒体管路(4)を介してCOVAPORユニットに接続され、3つ目は熱伝導媒体管路(4)を介して蓄電池の保温カバーに接続され、前記分子ふるいフィルターのジャケットの出口は前記水素化マグネシウム貯蔵タンクの熱伝導媒体入口に接続され、COVAPORユニットの出口は前記水素化マグネシウム貯蔵タンクの熱伝導媒体入口に接続され、前記蓄電池の保温カバーの出口は前記水素化マグネシウム貯蔵タンクの熱伝導媒体入口に接続されることを特徴とする水素化マグネシウムの加水分解を利用するエネルギーシステム。
【請求項2】
水素燃料電池(9)の代わりに水素ガスのピストン内燃機関または水素ガスのガスタービンが使用され、純酸素ガスが助燃ガスとして使用される場合、水素ガスのピストン内燃機関または水素ガスのガスタービンの排気ガス出口から排出した水および水素を含む排気ガスは、水タンク(12)とろ過膜(96)を通って水素化マグネシウム貯蔵タンク(15)に入り、
前記水素化マグネシウム貯蔵タンク(15)における水素化マグネシウムの代わりに、金属マグネシウムが使用され、前記水素化マグネシウム貯蔵タンク(15)における金属マグネシウムが加水分解された後、水酸化マグネシウムになり、またはタンク内の加熱により酸化マグネシウムになり、または以上の両者の混合物になり、続いて水素化マグネシウム貯蔵タンクから移出された後、金属マグネシウムを加え、
または、前記水素化マグネシウム貯蔵タンク(15)における水素化マグネシウムは、水と反応せず、直接加熱されて水素ガスが放出された後、金属マグネシウムになり、金属マグネシウムが水素化マグネシウム貯蔵タンクから移出された後、飽和水素化マグネシウムを加え、
水素ガスと結合して金属水素化物を形成できる金属又は/及び水と反応して水素ガスを放出できる金属は、この方法に適用され、以上の金属または以上の金属の任意割合の混合物、他の物質と結合して形成する混合物もこの方法に適用される、
ことを特徴とする請求項1に記載の水素化マグネシウムの加水分解を利用するエネルギーシステム。
【請求項3】
前記水素化マグネシウム貯蔵タンク(15)は、タンク本体(38)の内壁および外壁で構成され、内壁と外壁との間に熱交換中間層(37)が形成され、タンク本体の内部に散水管路(36)が設けられ、タンク本体の外部に保温層(34)が設けられ、
前記タンク本体の一端には、圧力センサー(35)、防爆バルブ(31)、水素ガス出口(33)、水入口(47)および温度センサー(32)が設けられ、前記添加/抽出口(18)はタンク本体の他端に位置し、添加/抽出口には暗証番号錠付きストップバルブ(39)が設けられ、
前記タンク本体(38)は金属材料、非金属材料または以上の両者を組み合わせた材料である、
ことを特徴とする請求項1に記載の水素化マグネシウムの加水分解を利用するエネルギーシステム。
【請求項4】
前記エネルギーシステムは水素化マグネシウム入れ替え装置が設けられ、前記水素化マグネシウム入れ替え装置は、分離タンク(20)と、水酸化マグネシウム貯蔵タンク(21)と、残留水素吸収ユニット(22)と、真空タンク(23)と、保護ガスコンプレッサー(25)と、高圧保護ガスタンク(26)と、水素化マグネシウム貯蔵タンク(45)と、供給器(46)と、抽出計量メーター(72)と、添加計量メーター(73)と、充填ガン駆動機構(75)と、充填ガン(19)と、を含み、
前記充填ガン駆動機構には、外側チューブ(76)、内側チューブ(77)、シールリング(78)、ろ過ネット(79)、およびロックフランジ(80)が設けられ、
外側チューブは保護ガス管路(27)に接続され、内側チューブは抽出/添加共通管路(71)に接続され、
前記充填ガン駆動機構は充填ガンに接続され、前記充填ガンはロックフランジを介して水素化マグネシウム貯蔵タンク(15)の添加/抽出口(18)に密封的に接続され、
前記充填ガンには、保護ガス入口と供給排出口が設けられ、前記供給排出口は抽出/添加共通管路(71)および抽出管路(28)を介して分離タンクに接続され、分離タンクの固体出口は抽出計量メーターを介して水酸化マグネシウム貯蔵タンクに接続され、分離タンクのガス出口は残留水素吸収ユニットを介して真空タンクに接続され、前記真空タンクは逆止弁(24)および保護ガスコンプレッサーを介して高圧保護ガスタンクに接続され、
前記高圧保護ガスタンクの出口は2つの経路に分岐し、1つ目は供給器に接続され、2つ目は保護ガス管路(27)を介して充填ガンの保護ガス入口に接続され、
前記水素化マグネシウム貯蔵タンクは、供給器、添加計量メーター、添加管路(29)および抽出/添加共通管路(71)を介して充填ガンの供給排出口に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の水素化マグネシウムの加水分解を利用するエネルギーシステム。
【請求項5】
水酸化マグネシウム貯蔵タンク中の水酸化マグネシウムは、再生ユニットに輸送され、水酸化マグネシウムが水素化マグネシウムに変換されてから使用に戻され、再生は、クリーンエネルギーのピークシェービング電力を使用して、金属マグネシウムの電解再生と水素化再生を行い、
前記水素化マグネシウムの加水分解を利用するエネルギーシステムは、モバイルデバイス、交通機関、固定デバイス、家庭用デバイス、キッチンストーブ、発電デバイス、衣類および靴類、動力デバイスまたは建築デバイスに適用され、さまざまな用途シナリオに応じてシステム構造のサイズの拡大または縮小を行い、
または、前記エネルギーシステムは重力輸送、機械輸送、気力輸送、真空輸送、液力輸送、電磁輸送またはそれらの組み合わせを採用して、水素化マグネシウムおよび水酸化マグネシウムを入れ替えるか、または水素化マグネシウムおよび酸化マグネシウムを入れ替えるか、または水素化マグネシウムおよび水酸化マグネシウム−酸化マグネシウムの混合物を入れ替えるか、または金属マグネシウムおよび水酸化マグネシウムを入れ替えるか、または金属マグネシウムおよび酸化マグネシウムを入れ替えるか、または金属マグネシウムおよび水酸化マグネシウム−酸化マグネシウムの混合物を入れ替えるか、または水素化マグネシウムおよび金属マグネシウムを入れ替えるか、または水素ガスと結合して金属水素化物を形成できる金属又は/及び水と反応して水素ガスを放出できる金属または当該金属と他の物質との混合物および当該金属と他の物質との混合物の水酸化物又は/及び酸化物、を入れ替える、
ことを特徴とする請求項4に記載の水素化マグネシウムの加水分解を利用するエネルギーシステム。
【請求項6】
前記エネルギーシステムは、自動車に搭載され、前記自動車には、エネルギー放出ユニット(40)、ハブモーター(41)、手動コントロールコンソール(42)、セントラルコントローラ(43)、およびモーター駆動ユニット(44)が設けられ、
前記水素燃料電池は電力出力ケーブル(8)を介してモーター駆動ユニットに回路接続され、前記手動コントロールコンソールはセントラルコントローラを介してモーター駆動ユニットに回路接続され、前記ハブモーターと蓄電池はモーター駆動ユニットに回路接続され、
エネルギー放出ユニット(40)の水素燃料電池(9)によって生成された電気エネルギーおよびCOVAPORユニットによって生成された電力は、自動車の実際の動作状況に基づいてケーブルを介してモーター駆動ユニット(44)または蓄電池(6)に輸送されて蓄電され、自動車はモーター駆動ユニットによって駆動されて走り、
運転中制動または減速時に、ハブモーター(41)が回収した電力は、補助電力として蓄電池に貯蔵され、
水素化マグネシウム貯蔵タンクの熱伝導媒体は窒素、熱伝導オイル、二酸化炭素または熱に安定する物質であり、熱伝導媒体出口の1つ目の経路はCOVAPORユニットに接続され、2つ目の経路は分子ふるいフィルターのジャケットの入口に接続され、3つ目の経路は蓄電池の保温カバーの入口に接続されて、冬季でも蓄電池は適切な温度で動作でき、4つ目の経路は車両用エアコンシステムに接続され、冬に暖房のために使用される、
ことを特徴とする請求項1に記載の水素化マグネシウムの加水分解を利用するエネルギーシステム。
【請求項7】
前記エネルギーシステムは、携帯電話(57)と外部充填装置(56)と、を含み、前記携帯電話は水素燃料電池(9)と、超安全バッテリーボックス(52)と、暗証番号錠(58)と、を含み、前記外部充填装置には、給水プラグ(53)、水素化物入れ替えプラグ(62)、自動位置決めクランプ装置(59)、マイクロ水素化マグネシウム入れ替えシステム、給水/抽出システム、低熱水素ガス吸収装置、およびインテリジェント管理システムが設けられ、
前記水素燃料電池には、空気吸気口(10)、清浄ガス排気口(7)、および超安全バッテリーボックスポートモジュール(54)が設けられ、水素燃料電池は超安全バッテリーボックスポートモジュール(54)に接続され、
前記超安全バッテリーボックスには、水素ガス制御モジュール(51)、水素化マグネシウムモジュール(63)および水制御モジュール(49)が設けられ、
前記超安全バッテリーボックスポートモジュールは、水素ガスポート(60)を介して水素ガス制御モジュール(51)に接続され、水ポート(61)を介して水制御モジュールに接続され、
前記水制御モジュールには、水ジャック(50)が設けられ、前記水素化マグネシウムモジュールには水素化物入れ替えジャックが設けられ、前記水制御モジュールは水ジャック(50)を介して給水プラグに接続され、前記水素化マグネシウムモジュールは水素化物入れ替えジャックを介して水素化物入れ替えプラグに接続され、
携帯電話にはバッテリーが設けられ、携帯電話のバッテリーと燃料電池は並列接続または直列接続であり、
水制御モジュール(49)中の水は、水制御モジュールと水素化マグネシウムモジュールとの間の膜を通って水素化マグネシウムモジュール(63)に入り、水が水素化マグネシウムと反応して水素ガスと水酸化マグネシウムを生成し、
水素ガスは、水素ガスポート(60)を通って水素燃料電池に入り、水素ガスは、水素化マグネシウムモジュールと水素ガス制御モジュールとの間の膜を通って水素ガス制御モジュール(51)に入り、膜は一方向性であり、水素ガスは水素化マグネシウムモジュールから水素ガス制御モジュールに入ることだけが可能であり、また、膜の代わりに小型逆止バルブを使用し、水素燃料電池中の水素ガスは、空気吸気口(10)から入った空気と反応して水を生成し、そして携帯電話に使用されるための電気エネルギーを生成し、
生成された水は水ポート(61)を通って水制御モジュール(49)に入り、
水素化マグネシウムモジュール(63)中の水素化マグネシウムが完全に水酸化マグネシウムに転化した後、携帯電話を外部充填装置(56)に挿入することにより入れ替えを行い、
または、携帯電話のバッテリーは外部電力を使用して蓄電し、
携帯電話の外部充填装置(56)のマイクロ水素化マグネシウム入れ替えシステムの構造と原理は、水素化マグネシウム入れ替え装置と同じであり、各部品の構造を小型化することで作られ、水素化マグネシウムモジュール(63)の通常の使用温度範囲は−40〜100℃である、ことを特徴とする請求項4に記載の水素化マグネシウムの加水分解を利用するエネルギーシステム。
【請求項8】
前記COVAPORユニットは、膨張機(64)と、発電機(65)と、水素ガス熱圧縮装置(67)と、中間再熱器(68)と、を含み、
前記膨張機の出口は水素ガス熱圧縮装置を介して膨張機の入口に接続され、前記膨張機は発電機に軸で接続され、前記発電機は外部電力システムに回路接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載の水素化マグネシウムの加水分解を利用するエネルギーシステム。
【請求項9】
前記水素ガス熱圧縮装置(67)は多段利用モードを採用し、各段は複数の反応ベッドで構成でき、前記反応ベッド内には、金属水素貯蔵材料が載せられ、希土類金属水素化物を含み、
低圧水素ガスは低圧水素ガス入口から反応ベッドに入り、低圧水素ガスは水素貯蔵材料に吸収されて金属水素化物が形成され、水素吸収完了後の金属水素化物が加熱されると、高圧水素ガスが放出され、
各反応ベッドの動作モードは、内部の金属水素化物を直接に抽出して入れ替えるモード、または間接熱交換モードを採用し、
反応ベッド内の金属水素化物は主に希土類であるため、COVAPORユニット内の水素ガスが、熱伝導媒体循環管路(66)を介して持ち込んだ熱によって加熱されて昇圧した後、膨張機(64)に入って仕事をして、発電機(65)を駆動して発電させる、
ことを特徴とする請求項8に記載の水素化マグネシウムの加水分解を利用するエネルギーシステム。
【請求項10】
COVAPORユニットは高温余熱回収において複合式COVAPORユニットが適用され、前記複合式COVAPORユニットは、1次熱交換器(81)と、2次熱交換器(82)と、3次熱交換器(83)と、4次熱交換器(84)と、5次熱交換器(85)と、1号水素反応ベッドユニット(89)と、2号水素反応ベッドユニット(90)と、3号水素反応ベッドユニット(91)と、膨張機(92)と、圧縮膨張コンバインサイクル装置(87)と、熱伝導媒体循環入口管路(94)と、および熱伝導媒体循環出口管路(95)と、を含み、
前記圧縮膨張コンバインサイクル装置には、作動媒体圧縮機(86)、作動媒体膨張機(88)、6号熱交換器(93)および7号熱交換器(102)が設けられ、前記膨張機、作動媒体圧縮機および作動媒体膨張機は同軸でも非同軸でも接続されてもよく、
作動媒体圧縮機と作動媒体膨張機は順に7号熱交換器と6号熱交換器に循環接続され、前記7号熱交換器は外部環境または冷却水中へ放熱し、
前記熱伝導媒体循環入口管路(94)は、1次熱交換器(81)の熱媒体熱伝導媒体循環入口に接続され、1次熱交換器は、順に2次熱交換器、3次熱交換器、4次熱交換器、および5次熱交換器を介して熱伝導媒体循環出口管路(95)に接続され、
前記1次熱交換器(81)は1号水素反応ベッドユニット(89)に循環接続され、前記2次熱交換器(82)は2号水素反応ベッドユニット(90)に循環接続され、前記3次熱交換器(83)は3号水素反応ベッドユニット(91)に循環接続され、前記膨張機(92)は4次熱交換器(84)に循環接続され、前記5次熱交換器は6号熱交換器に循環接続され、前記6号熱交換器は7号熱交換器に接続され、
前記1号水素反応ベッドユニット、2号水素反応ベッドユニット、および3号水素反応ベッドユニットは、膨張機に循環接続され、前記膨張機は6号熱交換器に循環接続され、前記6号熱交換器は作動媒体圧縮機の入口に接続され、前記作動媒体膨張機の出口は7号熱交換器に接続され、
前記1号水素反応ベッドユニットは2号水素反応ベッドユニットに循環接続され、前記2号水素反応ベッドユニットは3号水素反応ベッドユニットに循環接続され、前記3号水素反応ベッドユニットは6号熱交換器に循環接続され、6号熱交換器は7号熱交換器に接続され、
初期余熱温度が600℃より高いまたは低い場合、水素反応ベッドユニットの段数と個数の増加または減少が行われ、
ピストン内燃機関またはガスタービンの600℃の排気ガス余熱は発電に利用され、
600℃の排気ガス余熱は、熱伝導媒体熱流ラインを通じて、順に1号水素反応ベッドユニット(89)、2号水素反応ベッドユニット(90)、および3号水素反応ベッドユニット(91)に接続され、
そして圧縮膨張コンバインサイクル装置(87)を介して、排気ガスの低温余熱部分を利用して継続的に仕事をして発電し、排気ガス中の35℃以上分の熱がすべて利用され、
膨張機(92)のブレードは1セット以上に分かれ、毎セットのブレードは1段以上であり、毎セットのブレードの中に少なくとも1つのタップが最後段の熱交換器と熱交換し、
圧縮膨張コンバインサイクル装置(87)を介して、−50〜100℃の低温余熱部分を利用して継続的に仕事をして発電し、
選定温度以上の低温余熱は3つの部分から生じられ、1つ目は、ピストン内燃機関またはガスタービンの全体および排気システムは十分に断熱されてすべての熱量を集めることであり、2つ目は、COVAPOR装置中の水素反応ベッドユニットおよび膨張機(92)の散熱であり、3つ目は、最終段の水素反応ベッドユニットの水素吸収による放熱であり、
6号熱交換器(93)を介して、上記の3つの部分の熱を作動媒体に持ち込んで選定温度以上まで加熱し、加熱された作動媒体は、作動媒体圧縮機(86)によって加圧昇温された後、作動媒体圧縮機(86)の動力は、膨張機(92)により供給され、膨張機(92)の全動力または一部の動力を利用して作動媒体圧縮機(86)を駆動し、そして作動媒体膨張機(88)を介して仕事をし、作動媒体膨張機(88)の出口温度は選定温度以上であり、圧力は0.1 MPa以上であり、そして作動媒体は7号熱交換器(102)に入って外部環境または冷却水中へ放熱し、温度が環境温度または冷却水の温度以下まで下がり、そして6号熱交換器(93)に入り、サイクルで仕事をして、
作動媒体は二酸化炭素またはその他の有機化合物であり、
膨張機(92)の動力の一部を利用して作動媒体圧縮機(86)を駆動して動作することを選択し、膨張機(92)の動力の他の部分がシャフトワークの形で出力される、
ことを特徴とする請求項8に記載の水素化マグネシウムの加水分解を利用するエネルギーシステム。
【請求項11】
前記エネルギー放出ユニットとエネルギー消費ユニットは単独でまたは一緒に使用され、固定デバイス、モバイルデバイス、交通機関または家庭用デバイスに使用され、
入れ替え装置は固定の場所またはモバイル装置に設けられ、
前記水素化マグネシウム貯蔵タンク(15)は少なくとも2つの取り換え方法があり、1つ目は水素化マグネシウム貯蔵タンク全体を取り換え、取り換え品としての新たな貯蔵タンクには水素を飽和まで吸収した水素化マグネシウムが充填され、
2つ目は水素化マグネシウム貯蔵タンク内のすでに使用された水素化マグネシウムを入れ替え、飽和水素化マグネシウムを入れる、
ことを特徴とする請求項6に記載の水素化マグネシウムの加水分解を利用するエネルギーシステム。
【請求項12】
冬季に、循環凍結防止システムに適用する一定の割合の一つまたは複数の無機物または有機物またはそれらの混合物が水タンクに添加され、水タンクに一定の濃度の凍結防止水溶液が形成され、そしてろ過膜が水タンクの出口に設けられて、前記の無機物または有機物またはそれらの混合物は常に水タンク内に保持され、膜を通過した後の軟水は水素化マグネシウム貯蔵タンクに入り、冬の低温で水システムの凍結問題が防止され、
水タンクと水素化マグネシウム貯蔵タンクとの間の管路に過剰な水素ガスがある場合、水素がろ過膜を通過して水素化マグネシウム貯蔵タンクに入ることが保証され、
前記排気ガス浄化器(48)は、NO/O3触媒還元器、活性炭吸着器、CO/VOC酸化器、および粒子状物質イオン吸着器の4つのモジュールで構成され、前記NO/O3触媒還元器、活性炭吸着器、CO/VOC酸化器および粒子状物質イオン吸着器は順に接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の水素化マグネシウムの加水分解を利用するエネルギーシステム。
【請求項13】
エネルギーシステムは、靴類の動力システム、衣服の温度調節システムに適用され、電気自動車の充電航続は、電気自動車の走行または停止の過程中にバッテリーのニーズに応じて、低速充電または高速充電が行われ、
前記エネルギーシステムの水素化マグネシウムの物流は、インテリジェントなネットワーク化操作モードを採用し、水素化マグネシウムを入れ替える時に、交通機関のユーザーに物質の物流配達を提供する、
ことを特徴とする請求項1に記載の水素化マグネシウムの加水分解を利用するエネルギーシステム。
【請求項14】
前記エネルギーシステムには複合式COVAPORユニットが設けられ、水素反応ベッド(103)と、1次熱交換器(104)と、2次熱交換器(105)と、最終熱交換器(106)と、膨張機(92)と、圧縮膨張コンバインサイクル装置(87)と、60℃の発電所廃蒸気管路と、および60℃の熱水管路と、を含み、
前記圧縮膨張コンバインサイクル装置には、作動媒体圧縮機(86)、作動媒体膨張機(88)、6号熱交換器(93)および7号熱交換器(102)が設けられ、前記膨張機と作動媒体圧縮機と作動媒体膨張機が軸で接続され、
60℃の発電所廃蒸気管路は、1次熱交換器、2次熱交換器、および最終熱交換器を順に通って60℃の熱水管路に接続され、
前記水素反応ベッドの水素ガス出口は膨張機の入口に接続され、前記膨張機の出口は水素反応ベッドの水素ガス入口に接続され、
前記1次熱交換器は水素反応ベッドに循環接続され、前記2次熱交換器は膨張機の中央部に循環接続され、前記最終熱交換器は6号熱交換器に循環接続され、水素反応ベッドは6号熱交換器に循環接続され、6号熱交換器は作動媒体圧縮機の入口に接続され、作動媒体膨張機の出口は7号熱交換器に接続され、6号熱交換器は7号熱交換器に接続され、7号熱交換器は外部環境または冷却水中へ放熱し、
発電所の廃蒸気は1次熱交換器を通過して凝縮熱を水素反応ベッドに持ち込んで水素反応ベッドを加熱し、生成された温度および圧力を持つ水素ガスが膨張機(92)に入って仕事をして、仕事をするプロセスにおける低温水素ガスが2次熱交換器(105)によって再び加熱されて仕事をする能力を向上させ、仕事をした後の低温低圧水素ガスは、水素反応ベッドに入り、水素吸収による放熱が行われ、
圧縮膨張コンバインサイクル装置を介して、−50〜100℃の間の低温余熱部分を利用して継続的に仕事をして発電し、排気ガスの選定温度以上の部分の熱がすべて利用されることを特徴とする請求項1に記載の水素化マグネシウムの加水分解を利用するエネルギーシステム。
【請求項15】
前記COVAPORユニットにおける水素ガス熱圧縮装置(67)中の金属水素化物は、水素放出圧力下で熱伝導媒体流体を介して熱を運んで直接的に水素反応ベッドに入り、前記熱伝導媒体流体は気体または液体であり、前記気体は水素、一酸化炭素、メタン、窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム、ネオンのような還元性ガスまたは不活性ガスであり、超臨界状態の上記気体の使用は許され、前記液体が熱伝導オイル、高分子有機溶媒であり、
金属水素化物を加熱して高圧下で水素ガスを放出する必要がある場合、最初に、熱伝導媒体流体は水素放出圧力まで加圧され、次に熱伝導媒体循環管路(66)を利用して水素放出温度まで加熱し、そして水素ガス熱圧縮装置(67)に直接ポンプで送られ、金属水素化物を加熱して熱を提供ことにより、金属水素化物の急速な温度上昇と高圧水素放出が実現され、各水素反応ベッドにおける金属水素化物が高圧で放出される水素ガスの出口には耐高温高圧ろ過膜が設けられ、水素のみを流出させ、熱伝導媒体流体は、バイパスを介して熱伝導媒体循環管路(66)に循環接続され、次の段階の水素ガス熱圧縮装置の水素放出プロセスに入ることもでき、
金属水素化物を冷却して低圧で水素吸収を行う必要がある場合、最初に、熱伝導媒体流体は水素吸収圧力まで加圧され、次に水素ガス熱圧縮装置(67)に直接ポンプで送られて金属水素化物が水素放出温度まで冷却されるとともに、水素吸収プロセスにおいて放出された熱が排出され、上記の熱は前段の水素反応ベッドユニットまたは同段の内部水素反応ベッドまたは熱伝導媒体循環管路(66)に伝達されることにより、金属水素化物の急速な冷却と低圧での水素吸収が実現され、
水素ガス熱圧縮装置は、抵抗加熱、誘導加熱、電磁加熱、アーク加熱、放射加熱のような加熱方法を使用することもでき、
複合式COVAPORユニットにも適用される、
ことを特徴とする請求項1に記載の水素化マグネシウムの加水分解を利用するエネルギーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素エネルギーの分野に属し、特に、水素化マグネシウムの加水分解を利用するエネルギーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日の社会では、環境汚染とエネルギー不足は際立った問題となっており、クリーンな新エネルギーを開発するために、世界中の国々は独自の状況にあわせて、原子力、太陽エネルギー、地熱エネルギー、風力エネルギー、生物エネルギー、海洋エネルギー、水素エネルギーなどの化石燃料以外の新しい代替エネルギーを開発している。そのうち、水素が将来最も有望な新しいエネルギーの1つと考えられているが、製造、貯蔵運送、および応用などにおける技術、コスト、寿命、信頼性などの多くの要因に制限されて、水素燃料の開発と応用が確実に市場化して運営することは困難である。特に新エネルギー自動車の分野では、世界の各大手自動車メーカーは、水素を燃料した自動車の開発に大量の物資と人力を投資して、次々と自分の水素燃料自動車を開発しているが、上記の原因で、特に水素エネルギーの貯蔵と輸送上の制約で、水素燃料自動車の普及と適用が深刻に制限されている。
【0003】
従来、水素の貯蔵・運送方式は、例えば高圧ガスボンベによる貯蔵運送、液体水素による貯蔵運送、溶媒による貯蔵運送、および金属水素化物による貯蔵運送が挙げられ、これらの方式は、それぞれ長所と短所がある。金属水素化物による水素貯蔵は、他の貯蔵運送方式と比較して、水素貯蔵密度が高く、貯蔵運送が安全であるなどの利点を有し、どのように金属水素化物の水素貯蔵密度をさらに高め、金属水素化物の実用化を経済的かつ効率的に実現するかということは、現在でも水素エネルギーの分野において重要的に突破する必要のある方向の1つである。金属マグネシウムは水素貯蔵金属分野で重要な水素貯蔵材料であり、水素貯蔵容量が高く、水素含有量が7.6%(質量分率)を達成し、安価であり、資源が豊富で、水素の吸収放出プラットフォームが良好で、汚染がないなどの利点がある。また、水素化マグネシウムは強力な還元剤に属し、水と直接強く反応して水素と水酸化マグネシウムを生成するとともに、大量の熱を放出することができる。これらの反応によって放出された大量の熱は外部に出力して利用できる。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、水素化マグネシウムの水素放出機能および水素燃料電池の電力を生成する機能を十分に利用して、水素エネルギーの利用率を向上させ、温室効果ガスの排出を削減したり回避し、自然環境を保護し、エコ文明をつくり出す水素化マグネシウムの加水分解を利用するエネルギーシステムに関する。
本発明の技術的解決策は以下のとおりである。
水素化マグネシウムの加水分解を利用するエネルギーシステムであって、水素化マグネシウム貯蔵タンクと、COVAPORユニットと、蓄電池と、を含み、蓄電池はCOVAPORユニットに回路接続され、水素化マグネシウム貯蔵タンクには熱伝導媒体入口、熱伝導媒体出口、添加/抽出口、水素ガス出口、および水入口が設けられる。システムには、水素ガス緩衝および温度調整タンク、計量装置、分子ふるいフィルター、水素燃料電池、空気口、排気ガス浄化器、清浄ガス排気口、水タンク、水ポンプ、流量計、および空気清浄器が設けられ、水素燃料電池には電力出力ケーブル、空気入口、水素ガス入口、排水口、および排気ガス出口が設けられる。空気吸気口は空気清浄機を介して空気入口に接続され、排気ガス出口は排気ガス浄化器を介して清浄ガス排気口に接続される。排水口は水タンクに接続され、分子ふるいフィルターの排水口は水タンクに接続され、水タンクは給水および調整用ノズルに接続される。水タンクは、水ポンプと流量計を介して水素化マグネシウム貯蔵タンクの水入口に接続され、水入口管路にはろ過膜が設けられ、ろ過膜はイオン交換膜または逆浸透膜である。水素化マグネシウム貯蔵タンクの水素ガス出口は、分子ふるいフィルター、水素ガス緩衝および温度調整タンク、および計量装置を介して水素燃料電池の水素ガス入口に接続される。水素化マグネシウム貯蔵タンクの熱伝導媒体出口は3つの経路に分岐し、1つ目は熱伝導媒体管路を介して分子ふるいフィルターのジャケットの入口に接続され、2つ目は熱伝導媒体管路を介してCOVAPORユニットに接続され、3つ目は熱伝導媒体管路を介して蓄電池の保温カバーに接続され、分子ふるいフィルターのジャケットの出口は水素化マグネシウム貯蔵タンクの熱伝導媒体入口に接続され、COVAPORユニットの出口は水素化マグネシウム貯蔵タンクの熱伝導媒体入口に接続され、蓄電池の保温カバーの出口は水素化マグネシウム貯蔵タンクの熱伝導媒体入口に接続される。
【0005】
水素燃料電池の代わりに水素ガスのピストン内燃機関または水素ガスのガスタービンが使用され、純酸素ガスが助燃ガスとして使用される場合、水素ガスのピストン内燃機関または水素ガスのガスタービンが排気ガス出口から排出した水および水素を含む排気ガスは、水タンクとろ過膜を通って水素化マグネシウム貯蔵タンクに入る。水素化マグネシウム貯蔵タンクにおける水素化マグネシウムの代わりに、金属マグネシウムが使用され、水素化マグネシウム貯蔵タンクにおける水素化マグネシウムまたは金属マグネシウムが加水分解された後、水酸化マグネシウムになり、またはタンク内の加熱により酸化マグネシウムになり、または以上の両者の混合物になり、続いて水素化マグネシウム貯蔵タンクから移出された後、飽和水素化マグネシウムまた金属マグネシウムを加える。または、水素化マグネシウム貯蔵タンクにおける水素化マグネシウムは、水と反応しなく、直接に加熱されて水素ガスを放出した後、金属マグネシウムになり、金属マグネシウムが水素化マグネシウム貯蔵タンクから移出された後、再び飽和水素化マグネシウムまた金属マグネシウムを加える。水素ガスと結合して金属水素化物を形成できる金属又は/及び水と反応して水素ガスを放出できる金属は、この方法に適用され、以上の金属または以上金属の任意割合の混合物、他の物質と結合して形成する混合物もこの方法に適用される。
【0006】
水素化マグネシウム貯蔵タンクは、タンク本体の内壁および外壁で構成され、内壁と外壁との間に熱交換中間層が形成され、タンク本体の内部に散水管路が設けられ、タンク本体の外部に保温層が設けられる。タンク本体の一端には、圧力センサー、防爆バルブ、水素ガス出口、水入口および温度センサーが設けられ、添加/抽出口はタンク本体の他端に位置し、添加/抽出口には暗証番号錠付きストップバルブが設けられる。タンク本体は金属材料、非金属材料または以上の両者を組み合わせた材料である。
【0007】
システムは水素化マグネシウム入れ替え装置が設けられ、水素化マグネシウム入れ替え装置は、分離タンクと、水酸化マグネシウム貯蔵タンクと、残留水素吸収ユニットと、真空タンクと、保護ガスコンプレッサーと、高圧保護ガスタンクと、水素化マグネシウム貯蔵タンクと、供給器と、抽出計量メーターと、添加計量メーターと、充填ガン駆動機構と、および充填ガンと、を含む。充填ガン駆動機構には、外側チューブ、内側チューブ、シールリング、ろ過ネット、およびロックフランジが設けられる。外側チューブは保護ガス管路に接続され、内側チューブは抽出/添加共通管路に接続される。充填ガン駆動機構は充填ガンに接続され、充填ガンはロックフランジを介して水素化マグネシウム貯蔵タンクの添加/抽出口に密封的に接続される。充填ガンには、保護ガス入口と供給排出口が設けられ、供給排出口は抽出/添加共通管路および抽出管路を介して分離タンクに接続され、分離タンクの固体出口は抽出計量メーターを介して水酸化マグネシウム貯蔵タンクに接続され、分離タンクのガス出口は残留水素吸収ユニットを介して真空タンクに接続され、真空タンクは逆止弁および保護ガスコンプレッサーを介して高圧保護ガスタンクに接続される。高圧保護ガスタンクの出口は2つの経路に分かれ、1つ目は供給器に接続され、2つ目は保護ガス管路を介して充填ガンの保護ガス入口に接続される。水素化マグネシウム貯蔵タンクは、供給器、添加計量メーター、添加管路および抽出/添加共通管路を介して充填ガンの供給排出口に接続される
【0008】
水酸化マグネシウム貯蔵タンク中の水酸化マグネシウムは、再生ユニットに輸送され、水酸化マグネシウムが水素化マグネシウムに変換されてから使用に戻され、再生は、クリーンエネルギーのピークシェービング電力を使用して、金属マグネシウムの電解再生と水素化再生を行う。水素化マグネシウムの加水分解を利用するエネルギーシステムは、モバイルデバイス、交通機関、固定デバイス、家庭用デバイス、キッチンストーブ、発電デバイス、衣類および靴類、動力デバイスまたは建築デバイスに適用され、さまざまな用途シナリオに応じてシステム構造のサイズの拡大または縮小を行う。または、システムは重力輸送、機械輸送、気力輸送、真空輸送、液力輸送、電磁輸送またはそれらの組み合わせを採用して、水素化マグネシウムおよび水酸化マグネシウムを入れ替えるか、または水素化マグネシウムおよび酸化マグネシウムを入れ替えるか、または水素化マグネシウムおよび水酸化マグネシウム-酸化マグネシウムの混合物を入れ替えるか、または金属マグネシウムおよび水酸化マグネシウムを入れ替えるか、または金属マグネシウムおよび酸化マグネシウムを入れ替えるか、または金属マグネシウムおよび水酸化マグネシウム-酸化マグネシウムの混合物を入れ替えるか、または水素化マグネシウムおよび金属マグネシウムを入れ替えるか、または水素ガスと結合して金属水素化物を形成できる金属又は/及び水と反応して水素ガスを放出できる金属または当該金属と他の物質との混合物および当該金属と他の物質との混合物の水酸化物又は/及び酸化物、を入れ替える。
【0009】
エネルギーシステムは、自動車に搭載され、自動車には、エネルギー放出ユニット、ハブモーター、手動コントロールコンソール、セントラルコントローラ、およびモーター駆動ユニットが設けられる。水素燃料電池は電力出力ケーブルを介してモーター駆動ユニットに回路接続され、手動コントロールコンソールはセントラルコントローラを介してモーター駆動ユニットに回路接続され、ハブモーターと蓄電池はモーター駆動ユニットに回路接続される。エネルギー放出ユニットの水素燃料電池によって生成された電気エネルギーおよびCOVAPORユニットによって生成された電力は、自動車の実際の動作状況に基づいてケーブルを介してモーター駆動ユニットまたは蓄電池に輸送されて蓄電され、自動車はモーター駆動ユニットによって駆動されて走る。運転中制動または減速時に、ハブモーターが回収した電力は、補助電力として蓄電池に貯蔵される。水素化マグネシウム貯蔵タンクの熱伝導媒体は窒素、熱伝導オイル、二酸化炭素または熱に安定する物質であり、熱伝導媒体出口の1つ目の経路はCOVAPORユニットに接続され、2つ目の経路は分子ふるいフィルターのジャケットの入口に接続され、3つ目の経路は蓄電池の保温カバーの入口に接続され、冬でも蓄電池は適切な温度で動作でき、さらに4つ目の経路は車両用エアコンシステムに接続され、冬での暖房のために使用される。
【0010】
システムは、携帯電話と外部充填装置と、を含み、携帯電話は水素燃料電池と、超安全バッテリーボックスと、暗証番号錠と、を含み、外部充填装置には、給水プラグ、水素化物入れ替えプラグ、自動位置決めクランプ装置、マイクロ水素化マグネシウム入れ替えシステム、給水/抽出システム、低熱水素ガス吸収装置、およびインテリジェント管理システムが設けられる。水素燃料電池には、空気吸気口、清浄ガス排気口、および超安全バッテリーボックスポートモジュールが設けられ、水素燃料電池は超安全バッテリーボックスポートモジュールに接続される。超安全バッテリーボックスには、水素ガス制御モジュール、水素化マグネシウムモジュールおよび水制御モジュールが設けられる。超安全バッテリーボックスポートモジュールは、水素ガスポートを介して水素ガス制御モジュールに接続され、水ポートを介して水制御モジュールに接続される。水制御モジュールには、水ジャックが設けられ、水素化マグネシウムモジュールには水素化物入れ替えジャックが設けられ、水制御モジュールは水ジャックを介して給水プラグに接続され、水素化マグネシウムモジュールは水素化物入れ替えジャックを介して水素化物入れ替えプラグに接続される。携帯電話にはバッテリーが設けられ、携帯電話のバッテリーと燃料電池は並列接続または直列接続である。
【0011】
水制御モジュール中の水は、水制御モジュールと水素化マグネシウムモジュールとの間の膜を通って水素化マグネシウムモジュールに入り、水が水素化マグネシウムと反応して水素ガスと水酸化マグネシウムを生成する。水素ガスは、水素ガスポートを通って水素燃料電池に入り、水素ガスは、水素化マグネシウムモジュールと水素ガス制御モジュールとの間の膜を通って水素ガス制御モジュールに入り、膜は一方向性であり、水素ガスは水素化マグネシウムモジュールから水素ガス制御モジュールに入ることだけが可能であり、また、膜の代わりに小型逆止バルブを使用し、水素燃料電池中の水素ガスは、空気吸気口から入った空気と反応して水を生成し、そして電気エネルギーを生成して携帯電話のためにに使用される。生成された水は水ポートを通って水制御モジュールに入る。水素化マグネシウムモジュール中の水素化マグネシウムが完全に水酸化マグネシウムに転化した後、携帯電話を外部充填装置に挿入することにより入れ替えを行う。入れ替えプロセスにおいて、まずは携帯電話を外部充填装置に挿入し、自動位置決めクランプ装置が自動的に携帯電話をクランプし、携帯電話はプラグに対して識別を行い、プラグとジャックのパスワードが一致する場合、携帯電話の暗証番号錠が識別を完了する。水酸化マグネシウムが完全に抽出されたときにのみ水素化マグネシウムを添加する。
【0012】
または、携帯電話のバッテリーは外部電力を使用して蓄電してもよい。携帯電話の外部充填装置のマイクロ水素化マグネシウム入れ替えシステムの構造と原理は、水素化マグネシウム入れ替え装置と同じであり、各部品の構造を小型化することで作られ、水素化マグネシウムモジュールの通常の使用温度範囲は−40〜100℃である。
【0013】
COVAPORユニットは、膨張機と、発電機と、水素ガス熱圧縮装置と、および中間再熱器と、を含む。膨張機出口は水素ガス熱圧縮装置を介して膨張機の入口に接続され、膨張機が発電機に軸で接続され、発電機は外部電力システムに回路接続される。水素ガス熱圧縮装置は多段利用モードを採用し、各段は複数の反応ベッドで構成されてもよく、前記反応ベッドには、金属水素貯蔵材料が載せられ、希土類金属水素化物を含むが、これらに限定されない。低圧水素ガスは低圧水素ガス入口から反応ベッドに入り、低圧水素ガスは水素貯蔵材料に吸収されて金属水素化物が形成され、水素吸収完了後の金属水素化物が加熱されると、高圧水素ガスが放出される。各反応ベッドの動作モードは、内部の金属水素化物を直接抽出して入れ替えるモード、または間接熱交換モードを採用する。反応ベッド内の金属水素化物は希土類を主としまたは他の物質であるため、COVAPORユニット内の水素ガスが、熱伝導媒体循環管路を介して持ち込んだ熱によって加熱されて昇圧した後、膨張機に入って仕事をして、発電機を駆動して発電させる。
【0014】
COVAPORユニットは複合式COVAPORユニットであり、複合式COVAPORユニットは、1次熱交換器と、2次熱交換器と、3次熱交換器と、4次熱交換器と、5次熱交換器と、1号水素反応ベッドユニットと、2号水素反応ベッドユニットと、3号水素反応ベッドユニットと、膨張機と、圧縮膨張コンバインサイクル装置と、熱伝導媒体循環入口管路と、および熱伝導媒体循環出口管路と、を含む。圧縮膨張コンバインサイクル装置には、作動媒体圧縮機、作動媒体膨張機、6号熱交換器および7号熱交換器が設けられ、膨張機、作動媒体圧縮機および作動媒体膨張機は同軸または非同軸で接続される。作動媒体圧縮機と作動媒体膨張機は順に7号熱交換器と6号熱交換器に循環接続され、7号熱交換器は外部環境または冷却水中へ放熱する。熱伝導媒体循環入口管路は、1次熱交換器の熱媒体熱伝導媒体循環入口に接続され、1次熱交換器は、順に2次熱交換器、3次熱交換器、4次熱交換器、および5次熱交換器を介して熱伝導媒体循環出口管路に接続される。1次熱交換器は1号水素反応ベッドユニットに循環接続され、2次熱交換器は2号水素反応ベッドユニットに循環接続され、3次熱交換器は3号水素反応ベッドユニットに循環接続され、膨張機は4次熱交換器に循環接続され、5次熱交換器は6号熱交換器に循環接続され、6号熱交換器は7号熱交換器に接続される。1号水素反応ベッドユニット、2号水素反応ベッドユニット、および3号水素反応ベッドユニットは、膨張機に循環接続され、膨張機は6号熱交換器に循環接続され、6号熱交換器は作動媒体圧縮機の入口に接続され、作動媒体膨張機の出口は7号熱交換器に接続される。1号水素反応ベッドユニットは2号水素反応ベッドユニットに循環接続され、2号水素反応ベッドユニットは3号水素反応ベッドユニットに循環接続され、3号水素反応ベッドユニットは6号熱交換器に循環接続され、6号熱交換器は7号熱交換器に接続される。初期余熱温度が600℃より高いまたは低い場合、水素反応ベッドユニットの段数と個数の増加または減少が行われる。
【0015】
ピストン内燃機関またはガスタービンの600℃の排気ガス余熱が発電に利用される。600℃の排気ガス余熱は、熱伝導媒体熱流ラインを通じて、順に1号水素反応ベッドユニット、2号水素反応ベッドユニット、および3号水素反応ベッドユニットに接続される。続いて圧縮膨張コンバインサイクル装置を介して排気ガス中の35℃以上分の熱をすべて利用する。
【0016】
膨張機のブレードは1セット以上に分かれ、毎セットのブレードは1段以上であり、毎セットのブレードの中に少なくとも1つのタップが最終段の熱交換器と熱交換する。
【0017】
圧縮膨張コンバインサイクル装置を介して、−50〜100℃の低温余熱部分を利用して継続的に仕事をして発電する。選定温度以上の低温余熱は3つの部分から生じられ、1つ目は、ピストン内燃機関またはガスタービンの全体および排気システムは十分に断熱されてすべての熱量を集めることであり、2つ目は、COVAPOR装置中の水素反応ベッドユニットおよび膨張機の散熱であり、3つ目は、最終段の水素反応ベッドユニットの水素吸収による放熱である。6号熱交換器を介して、上記の3つの部分の熱を作動媒体に持ち込んで選定温度以上まで加熱し、加熱された作動媒体は、作動媒体圧縮機によって加圧昇温された後、作動媒体圧縮機の動力は、膨張機により供給され、膨張機の全動力または一部の動力を利用して作動媒体圧縮機を駆動し、そして作動媒体膨張機を介して仕事をして、作動媒体膨張機の出口温度は選定温度以上または同じであり、圧力は0.1 MPa以上または同じであり、そして作動媒体は7号熱交換器に入って外部環境または冷却水中へ放熱し、温度が環境温度または冷却水の温度以下まで下がり、そして6号熱交換器に入り、サイクルで仕事をする。作動媒体は二酸化炭素またはその他の有機化合物である。膨張機の動力の一部を利用して作動媒体圧縮機を駆動して動作することを選択し、膨張機の動力の他の部分がシャフトワークの形で出力される。水素化マグネシウム貯蔵タンクは少なくとも2つの取り換え方法があり、1つ目は水素化マグネシウム貯蔵タンク全体を取り換え、取り換え品としての新たな貯蔵タンクには飽和まで水素化された水素化マグネシウムが充填される。2つ目は水素化マグネシウム貯蔵タンク内のすでに使用された水素化マグネシウムを入れ替え、飽和水素化マグネシウムを充填する。水素化マグネシウム貯蔵タンクの入れ替え方法は、燃料電池車およびその他の水素化マグネシウムを搭載する水素燃料動力デバイスまたは固定装置または移動デバイスまたは家庭用デバイスにも適用される。水素化マグネシウム貯蔵タンクの入れ替え方法は、すべて固定式または移動式を採用できる。水素化マグネシウム貯蔵タンク中の水素化マグネシウムの代わりに、金属マグネシウムを使用してもよい。
【0018】
冬季に、循環凍結防止システムに適用する一定の割合の一つまたは複数の無機物または有機物またはそれらの混合物が水タンクに添加され、水タンクに一定の濃度がある凍結防止水溶液が形成され、そしてろ過膜が水タンクの出口に設けられて、上記の無機物または有機物またはそれらの混合物は常に水タンク内に保持され、膜を通過した後の軟水は水素化マグネシウム貯蔵タンクに入り、冬の低温で水システムの凍結問題が防止される。水タンクと水素化マグネシウム貯蔵タンクとの間の管路に過剰な水素ガスがある場合でも、水素がろ過膜を通過して水素化マグネシウム貯蔵タンクに入ることが保証できる。排気ガス浄化器は、NO/O
3触媒還元器、活性炭吸着器、CO/VOC酸化器、および粒子状物質イオン吸着器の4つのモジュールで構成され、NO/O
3触媒還元器、活性炭吸着器、CO/VOC酸化器および粒子状物質イオン吸着器は順に接続されている。
【0019】
エネルギーシステムは、靴類の動力システム、衣服の温度調節システムに適用され、電気自動車の充電航続は、電気自動車の走行または停止の過程中にバッテリーのニーズに応じて、低速充電または高速充電が行われる。エネルギーシステムの水素化マグネシウムの物流は、インテリジェントなネットワーク化操作モードを採用し、水素化マグネシウムを入れ替える時に、交通機関のユーザーに物質の物流配達を提供する。
【0020】
エネルギーシステムには複合式COVAPORユニットが設けられ、水素反応ベッドと、1次熱交換器と、2次熱交換器と、最終熱交換器と、膨張機と、圧縮膨張コンバインサイクル装置と、60℃の発電所廃蒸気管路と、および60℃の熱水管路と、を含む。圧縮膨張コンバインサイクル装置には、作動媒体圧縮機、作動媒体膨張機、6号熱交換器および7号熱交換器が設けられ、膨張機と作動媒体圧縮機と作動媒体膨張機が軸で接続される。60℃の発電所廃蒸気管路は、1次熱交換器、2次熱交換器、および最終熱交換器を順に通って60℃の熱水管路に接続される。水素反応ベッドの水素ガス出口は膨張機の入口に接続され、膨張機の出口は水素反応ベッドの水素ガス入口に接続される。1次熱交換器は水素反応ベッドに循環接続され、2次熱交換器は膨張機の中央部に循環接続され、最終熱交換器は6号熱交換器に循環接続され、水素反応ベッドは6号熱交換器に循環接続され、6号熱交換器は作動媒体圧縮機の入口に接続され、作動媒体膨張機の出口は7号熱交換器に接続され、6号熱交換器は7号熱交換器に接続され、7号熱交換器は外部環境または冷却水中へ放熱する。
【0021】
発電所の廃蒸気凝縮熱は1次熱交換器を通過して凝縮熱を水素反応ベッドに持ち込んで水素反応ベッドを加熱し、生成された温度および圧力を持つ水素ガスが膨張機に入って仕事をして、仕事をするプロセスにおける低温水素ガスが2次熱交換器によって再び加熱されて仕事をする能力を向上させ、仕事をした後の低圧水素ガスは、水素反応ベッドに入り、水素吸収による放熱が行われる。圧縮膨張コンバインサイクル装置を介して、−50〜100℃の間の低温余熱部分を利用して継続的に仕事をして発電し、排気ガスの選定温度以上の部分の熱がすべて利用される。
【0022】
COVAPORユニットの水素ガス熱圧縮装置中の金属水素化物は、水素放出圧力下で熱伝導媒体流体を介して熱を運んで直接的に水素反応ベッドに入り、前記熱伝導媒体流体は気体または液体であり、前記気体は水素、一酸化炭素、メタン、窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム、ネオンのような還元性ガスまたは不活性ガスであり、超臨界状態の上記気体の使用は許され、前記液体が熱伝導オイル、高分子有機溶媒である。金属水素化物を加熱して高圧下で水素ガスを放出する必要がある場合、最初に、熱伝導媒体流体は水素放出圧力まで加圧され、次に熱伝導媒体循環管路を利用して水素放出温度まで加熱し、そして水素ガス熱圧縮装置に直接ポンプで送られ、金属水素化物を加熱して熱を提供ことにより、金属水素化物の急速な温度上昇と高圧水素放出が実現され、各水素反応ベッドにおける金属水素化物が高圧で放出される水素ガスの出口には耐高温高圧ろ過膜が設けられ、水素のみを流出させ、熱伝導媒体流体は、バイパスを介して熱伝導媒体循環管路に循環接続され、次の段階の水素ガス熱圧縮装置の水素放出プロセスに入ることもできる。金属水素化物を冷却して低圧で水素化を行う必要がある場合、最初に、熱伝導媒体流体は水素化圧力まで加圧され、次に水素ガス熱圧縮装置に直接ポンプで送られて金属水素化物が水素化温度まで冷却されるとともに、水素化プロセスにおける放熱が排出され、上記の熱量は前段の水素反応ベッドユニットまたは同段の内部水素反応ベッドまたは熱伝導媒体循環管路に伝達されることにより、金属水素化物の急速な冷却と低圧での水素が実現される。水素ガス熱圧縮装置は、抵抗加熱、誘導加熱、電磁加熱、アーク加熱、放射加熱のような加熱方法を使用することもできる。複合式COVAPORユニットにも適用される。
【0023】
本発明に係る水素化マグネシウムの加水分解を利用するエネルギーシステムは、水素化マグネシウムが水と反応して水素ガスおよび水酸化マグネシウムを生成するという原理に基づき、生成された水素ガスは水素燃料電池の発電のために使用され、COVAPORユニットと複合式COVAPORユニットを介して異なる温度の余熱を回収して発電でき、効率が高く、水素エネルギーを有効的に利用し、プロセス全体のエネルギー損失が少なく、汚染物質の排出が少なく、水素エネルギーの利用率が向上し、温室効果ガスの排出を削減したり回避し、自然環境の保護やエコ文明の作り出しに有利し、本発明は固定デバイス、モバイルデバイス、および交通機関などで使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の水素化マグネシウムの加水分解を利用するエネルギーシステムのフローチャートである。
【
図2】水素化マグネシウム貯蔵タンクの概略構造図である。
【
図4】水素化マグネシウム入れ替え装置を備えた水素化マグネシウムの加水分解を利用するエネルギーシステムのフローチャートである。
【
図5】本発明の第3の実施形態のフローチャートである。
【
図6】本発明の第4の実施形態のフローチャートである。
【
図8】添加/抽出口と充填ガンとの接続を示す概略図である。
【
図10】複合式COVAPORユニットの概略図である。
【
図11】複合COVAPORユニットがガスタービンに接続する概略図である。
【
図12】2つ目の複合COVAPORユニットの概略図である。
【0025】
ここでは、1―水素ガス緩衝および温度調整タンク、2―分子ふるいフィルター、3―水素ガス出力管路、4―熱伝導オイル管路、5―COVAPORユニット、6―蓄電池、7―清浄ガス排気口、8―電力出力ケーブル、9―水素燃料電池、10―空気吸気口、11―空気清浄器、12―水タンク、13―水ポンプ、14―流量計、15―水素化マグネシウム貯蔵タンク、16―熱伝導媒体入口、17―熱伝導媒体出口、18―添加/抽出口、19―充填ガン、20―分離タンク、21―水酸化マグネシウム貯蔵タンク、22―残留水素吸収ユニット、23―真空タンク、24―逆止弁、25―保護ガスコンプレッサー、26―高圧保護ガスタンク、27―保護ガス管路、28―抽出管路、29―添加管路、30―排気ソレノイドバルブ、31―防爆バルブ、32―温度センサー、33―水素ガス出口、34―保温層、35―圧力センサー、36―散水管路、37―熱交換中間層、38―タンク本体、39―暗証番号錠付きストップバルブ、40―エネルギー放出ユニット、41―ハブモーター、42―手動コントロールコンソール、43―セントラルコントローラ、44―モーター駆動ユニット、45―水素化マグネシウム貯蔵タンク、46―供給器、47―水入口、48―排気ガス浄化器、49―水制御モジュール、50―水ジャック、51―水素ガス制御モジュール、52―超安全バッテリー、53―給水プラグ、54―超安全バッテリーボックスポートモジュール、55―水素化物入れ替えジャック、56―外部充填装置、57―携帯電話、58―暗証番号錠、59―自動位置決めクランプ装置、60―水素ガスポート、61―水ポート、62―水素化物入れ替えプラグ、63―水素化マグネシウムモジュール、64―膨張機、65―発電機、66―熱伝導媒体循環管路、67―水素ガス熱圧縮装置、68―中間再熱器、69―計量装置、70―給水および調整用ノズル、71―抽出/添加共通管路、72―抽出計量メーター、73―添加計量メーター、75―充填ガン駆動機構、76―外側チューブ、77―内側チューブ、78―シールリング、79―ろ過ネット、80―ロックフランジ、81―1次熱交換器、82―2次熱交換器、83―3次熱交換器、84―4次熱交換器、85―5次熱交換器、86―作動媒体圧縮機、87―圧縮膨張コンバインサイクル装置、88―作動媒体膨張機、89―1号水素反応ベッドユニット、90―2号水素反応ベッドユニット、91―3号水素反応ベッドユニット、92―膨張機、93―6号熱交換器、94―熱伝導媒体循環入口管路、95―熱伝導媒体循環出口管路、96―ろ過膜、97―車両用エアコン、98―携帯電話バッテリー、99―ガスタービン、100―複合COVAPORユニット、101―モーター、102―7号熱交換器、103水素反応ベッド、104―1次熱交換器、105―2次熱交換器、106―最終熱交換器である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、実施例および図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。本発明の保護範囲は、実施例に限定されるものではなく、当業者は、特許請求の範囲内で行ったいかなる変更も本発明の保護範囲に属する。
【0027】
実施例1
図1に示すように、本発明に係る水素化マグネシウムの加水分解を利用するエネルギーシステムは、水素化マグネシウム貯蔵タンク15と、COVAPORユニット5と、蓄電池6と、水素ガス緩衝および温度調整タンク1と、分子ふるいフィルター2と、水素燃料電池9と、空気吸気口10と、排気ガス浄化器48と、清浄ガス排気口7と、水タンク12と、水ポンプ13と、流量計14と、空気清浄器11と、を含み、蓄電池はCOVAPORユニットに回路接続され、水素燃料電池には電力出力ケーブル8、空気入口、水素ガス入口、排水口、排気ガス出口を含む。空気吸気口は空気清浄機11を介して空気入口に接続され、排気ガス出口は排気ガス浄化器を介して清浄ガス排気口に接続される。
【0028】
排気ガス浄化器48は、NO/O
3触媒還元器と、活性炭吸着器と、CO/VOC酸化器と、粒子状物質イオン吸着器との4つのモジュールで構成されている。NO/O
3触媒還元器、活性炭吸着器、CO/VOC酸化器および粒子状物質イオン吸着器は順に接続される。
【0029】
図2および
図3に示すように、水素化マグネシウム貯蔵タンク15は、タンク本体38の内壁および外壁で構成され、内壁と外壁との間に熱交換中間層37が形成され、タンク本体の内部に散水管路36が設けられ、タンク本体の外部に保温層34が設けられる。水素化マグネシウム貯蔵タンクには、熱伝導媒体入口16、熱伝導媒体出口17、添加/抽出口18、水素ガス出口33、水入口47、圧力センサー35、防爆バルブ31、および温度センサー32が設けられている。水素ガス出口、水入口、圧力センサー35、防爆バルブ31、および温度センサー32はタンク本体の端部に位置する。添加/抽出口18はタンク本体の他端に位置し、添加/抽出口には暗証番号錠付きストップバルブ39が設けられる。水素燃料電池の排水口は水タンクに接続され、分子ふるいフィルターの排水口は水タンクに接続され、水タンクは給水および調整用ノズル70に接続される。水タンクは、水ポンプ、流量計、およびろ過膜96を介して水素化マグネシウム貯蔵タンクの水入口47に接続され、水素化マグネシウム貯蔵タンクの水素ガス出口は、分子ふるいフィルター、水素ガス緩衝および温度調整タンク1、計量装置69を介して水素燃料電池の水素ガス入口に接続される。水素化マグネシウム貯蔵タンクの熱伝導媒体出口は3つの経路に分岐し、1つ目は熱伝導オイル管路4を介して分子ふるいフィルターのジャケットの入口に接続され、2つ目は熱伝導オイル管路4を介してCOVAPORユニットに接続され、3つ目は熱伝導オイル管路4を介して蓄電池の保温カバーに接続され、分子ふるいフィルターのジャケットの出口、COVAPORユニットの出口、および蓄電池の保温カバーは、水素化マグネシウム貯蔵タンクの熱伝導媒体入口に接続される。分子ふるいフィルターは2つであり、2つの分子ふるいフィルターが交替で稼働し、1つが水をろ過しているときに分子ふるいフィルターを介して水素ガスに対して脱水および浄化を実行し、水素ガスの含有量が99.999%に達させる。もう1つは熱伝導オイル管路から伝達された熱を利用する再生プロセスを実行するものである。
【0030】
図7に示すように、COVAPORユニットは、膨張機64と、発電機65と、水素ガス熱圧縮装置67と、および中間再熱器68と、を含む。膨張機出口は水素ガス熱圧縮装置を介して膨張機の入口に接続され、膨張機が発電機に軸で接続され、発電機は外部電力システムに回路接続される。水素ガス熱圧縮装置67は多段利用モードを採用でき、各段は複数の反応ベッドで構成でき、前記反応ベッドには、金属水素貯蔵材料が載せられ、希土類金属水素化物を含むが、これらに限定されない。低圧水素ガスは低圧水素ガス入口から反応ベッドに入り、低圧水素ガスは水素貯蔵材料に吸収されて金属水素化物を形成し、水素吸収完了後の金属水素化物が加熱されると、高圧水素ガスを放出する。各反応ベッドの動作モードは、内部の金属水素化物を直接に抽出して入れ替えるモードを使用してもよく、間接熱交換モードを使用してもよい。反応ベッド内の金属水素化物は希土類が主であるため、COVAPORユニット内の水素ガスが、熱伝導媒体循環管路66を介して持ち込んだ熱によって加熱されて昇圧した後、膨張機64に入って仕事をして、発電機65を駆動して発電する。
図7では、実線は低温熱流管路であり、点線はCOVAPORユニット内の水素ガス循環管路である。
【0031】
本発明に係る水素化マグネシウムの加水分解を利用するエネルギーシステムの動作モードは、タンク本体内の散水管路36によって水が噴入され、水が水素化マグネシウムと反応して水素および水酸化マグネシウムが生成されるとともに、大量の熱が発生する。水タンク12の水が水ポンプ13および流量計14を通って水素化マグネシウムが充満された水素化マグネシウム貯蔵タンク15に入り、タンク本体内の散水管路36を通ってタンク内の水素化マグネシウムに散水し、水素化マグネシウムは水と反応して水酸化マグネシウムおよび水素ガスを生成するとともに、大量の熱が放出される。水素ガスは、水素ガス出力管路3を通って分子ふるいフィルター2に入り、水分や窒素などの他の保護ガスがろ過された後、水素ガス緩衝および温度調整タンク1に入れて貯蔵される。2つの分子ふるいフィルターが交替で稼働し、バルブによって交替操作が実現される。水素化マグネシウムと水の反応により放出された熱は、熱交換中間層37内の熱伝導オイルに伝達される。熱が保存される熱伝導オイルは、熱伝導媒体出口17を通って3つの経路に分岐し、1つ目は熱伝導オイル管路4を通ってCOVAPORユニット5に至り、COVAPORユニットを利用して電気を生成し、生成された電気が蓄電池に蓄えられ、2つ目は熱伝導オイル管路4を通って分子ふるいフィルター2の中間層に入り、分子ふるいフィルターの再生プロセスのための熱を提供する。再生温度は105℃であり、ろ過や再生によって得られた水が水タンク12に入り、窒素保護ガスが排出される。3つ目は熱伝導オイル管路4を通って蓄電池6の保温カバーに入り、冬季、屋外の場合、蓄電池を加熱し、蓄電池が常に適切な温度におくようにする。水素ガス緩衝および温度調整タンクの中の純水素ガスは計量装置69を通って水素燃料電池に至り、空気吸気口10から入った空気は空気清浄機によって浄化されてから水素燃料電池に入る。水素燃料電池では、水素ガスと空気が反応して水を生成するとともに、電気エネルギーを生成し、生成された電気エネルギーが電源出力ケーブル8によって電気デバイスに入力されるか、もしくは電力ネットワークに統合され、また、適切なデバイスを介して蓄電池6に充電することもでき、蓄電池を利用して負荷のピークシェービングを実現でき、生成された水が排水口を通って水タンク12に至り、マグネシウム貯蔵タンクの反応のために使用され、水素燃料電池プロセスにおいて生成された残留空気を含む排気ガスは、排気ガス出口および排気ガス浄化器48を通って清浄ガス排気口7によって排出される。
【0032】
水タンク12には、外部に排出または外部から水を補充することが可能である給水および調整用ノズルが設けられており、排気ガス浄化器48は、大気から持ち込まれた窒素酸化物およびオゾンを除去し、清浄ガス排気口7から排出されるガスが、窒素酸化物は標準立方メートルあたり5マイクログラム未満、オゾンは標準立方メートルあたり50マイクログラム未満、一酸化炭素は標準立方メートルあたり100マイクログラム未満、VOCは標準立方メートルあたり100マイクログラム未満、粒子状物質は標準立方メートルあたり50マイクログラム未満に達し、環境の大気から持ち込まれた汚染物質が効果的に除去されてより低い水準に下げ、空気浄化機能を実現する。熱が保存される熱伝導オイル媒体を窒素ガスなどの不活性媒体で置き換えてもよい。水素化マグネシウム貯蔵タンクの動作温度は150℃で、圧力は0.2 MPa以下である。水素ガス緩衝および温度調整タンク1から水素燃料電池に入る水素ガスの温度は80℃で、圧力は0.18 MPaである。温度センサー31、圧力センサー35、水素ガス流量計69、電力出力ケーブル8および蓄電池6からフィードバックされた信号により、5つの部分の制御の連動を実現し、データパケットを設定し、注入される水の量を制御することによってシステムを安定的に動作させ、要求を満たす水素ガスの流れを安定的に生成するとともに、過剰な水が水素化マグネシウム貯蔵タンクに入らないことを確保し、そして電力出力ケーブル8の電力需要を満たす。水素化マグネシウム貯蔵タンクには、主に金属マグネシウムである、水素含有量が充填された水素化マグネシウムの総重量の7.5%である水素貯蔵材料が充填されておる。水を加えた後に反応が完了した場合、充填された水素化マグネシウムの総重量の約15%の水素ガスが生成され、そして大量の熱が放出され、水素化マグネシウム貯蔵タンク15のジャケット内の熱伝導オイル熱伝導媒体はこの部分の熱を熱伝導媒体出口17から導出する。
図7では、余熱がCOVAPORユニットに入って余熱発電が実行され、水素反応ベッドユニットの熱伝導オイル熱交換媒体がCOVAPORユニットに流入する入口温度は150℃以下である。COVAPORユニット67に生成される水素ガスの圧力は20 MPaであり、膨張機64に入って仕事をして、発電機65を駆動して発電し、生成された電気エネルギーが蓄電池6に貯蔵される。
【0033】
水素化マグネシウム貯蔵タンク15は、厳重に密封され、外部から完全に隔離された金属材料製のものである。水素化マグネシウム充填ガンは、暗証番号錠付きストップバルブを介して飽和水素化マグネシウムを水素化マグネシウム貯蔵タンクに充填し、同時に、暗証番号錠付きストップバルブが閉められ、内部システムが作動して水を加え、生成された水素ガスのすべてが放出された後、金属水素化マグネシウムは主に乾燥的な水酸化マグネシウムになり、この時に暗証番号錠付きストップバルブが開けられ、水酸化マグネシウムが充填ガンによって引き出され、そして飽和水素化マグネシウムが再び水素化マグネシウム貯蔵タンクに充填される。水素燃料電池は、プロトン膜燃料電池であり、動作温度は30〜80℃であり、DC電流を出力する。水素ガス放出量が水素ガス流量計69を介してオンラインで計算され、水素化マグネシウム貯蔵タンク中に残された水素ガス放出量をリアルタイムで取得でき、各デバイス情報および各センサー信号は、統合制御のためにECUユニットに入力される。
【0034】
冬の屋外の場合、塩化ナトリウムを水タンクに充填し、3%の不凍性塩化ナトリウム水溶液が水タンクに形成され、そしてろ過膜が水タンクの出口に設けられて、塩化ナトリウムは常に水タンク内に保持され、膜を通過した後の軟水は水素化マグネシウム貯蔵タンクに入り、冬の低温で水システムの凍結問題が防止される。水タンクと水素化マグネシウム貯蔵タンクの間の管路に過剰な水素ガスがある場合、水素がろ過膜を通過して水素化マグネシウム貯蔵タンクに入ることも保証できる。
【0035】
空気清浄器11は、水素燃料電池に流入する空気を効果的に浄化し、水素燃料電池のニーズを満たし、浄化された空気の粒子状物質が標準立方メートルあたり500マイクログラム未満である。
【0036】
実施例2
本発明のもう1つの実施形態は
図4に示すように、システムは水素化マグネシウム入れ替え装置およびエネルギー放出ユニット40が設けられ、水素化マグネシウム入れ替え装置は、分離タンク20、水酸化マグネシウム貯蔵タンク21、残留水素吸収ユニット22、真空タンク23、保護ガスコンプレッサー25、高圧保護ガスタンク26、水素化マグネシウム貯蔵タンク45、供給器46、抽出計量メーター72、添加計量メーター73、充填ガン駆動機構および充填ガン19を含む。充填ガン19は充填ガン駆動機構に接続され、
図8および9に示すように、充填ガン駆動機構には、外側チューブ76、内側チューブ77、シールリング78、ろ過ネット79、およびロックフランジ80が設けられる。外側チューブは保護ガス管路27に接続され、内側チューブは抽出/添加共通管路71に接続され、水素化マグネシウム貯蔵タンク15の添加/抽出口18に暗証番号錠付きストップバルブ39が設けられ、充填ガンと添加/抽出口18がロックフランジを介して密封的に接続される。高圧保護ガスタンクは2つであり、2つの高圧保護ガスタンクが交替で稼働し、高圧保護ガスタンクと真空タンクの間にバイパスが設けられる。エネルギー放出ユニットは、実施例1にある水素化マグネシウムの加水分解を利用するエネルギーシステムであり、2つの水素化マグネシウム貯蔵タンク15、COVAPORユニット5、蓄電池6、水素ガス緩衝および温度調整タンク1、分子ふるいフィルター2、水素燃料電池9、空気吸気口10、排気ガス浄化器48、清浄ガス排気口7、水タンク12、水ポンプ13、流量計14、および空気清浄器11が含まれ、2つの水素化マグネシウム貯蔵タンクは外部に接続された管路の構成方式が同じであり、バルブによって切り替え、2つの水素化マグネシウム貯蔵タンクは交替で放電および材料入れ替えを行う。蓄電池はCOVAPORユニットの回路に接続され、水素化マグネシウム貯蔵タンク15は2つであり、2つの水素化マグネシウム貯蔵タンクを交替で稼働する。充填ガンには、保護ガス入口と供給排出口が設けられ、供給排出口は抽出/添加共通管路71および抽出管路28を介して分離タンク20に接続され、分離タンクの固体出口は抽出計量メーター72を介して水酸化マグネシウム貯蔵タンクに接続され、抽出された水酸化マグネシウムを正確に計量する。分離タンクのガス出口は残留水素吸収ユニットを介して真空タンクに接続され、真空タンクは逆止弁24および保護ガスコンプレッサーを介して高圧保護ガスタンクに接続される。高圧保護ガスタンクの出口は2つの経路に分かれ、1つ目は供給器46に接続され、2つ目は保護ガス管路27を介して充填ガンの保護ガス入口に接続される。水素化マグネシウム貯蔵タンクは、供給器、水素化マグネシウム計量メーター73、添加管路29および抽出/添加共通管路71を介して充填ガンの供給排出口に接続され、充填された飽和水素化マグネシウムを正確に計量する。エネルギー放出ユニットの接続関係および稼働方式は、実施例1と同じである。システムは、重力輸送、機械輸送、気力輸送、真空輸送、液力輸送、電磁輸送などの方法またはそれらの組み合わせを採用してもよく、要するに、暗証番号錠を介してタンク本体を開け、水素化マグネシウム貯蔵タンク内の水酸化マグネシウムを送り出し、その後、水素化マグネシウムを充填し、タンク本体を閉じて密封することにより、水素化マグネシウム貯蔵タンク内の水酸化マグネシウムと水素化マグネシウムの材料入れ替えの任意方法が確実に実現される。
【0037】
水素化マグネシウム貯蔵タンク内の水素化マグネシウムがすべて水酸化マグネシウムに転化した後、水素化マグネシウム貯蔵タンク内の材料を入れ替えることが必要となり、水酸化マグネシウムを排出し、飽和水素化マグネシウム原料を充填して水素ガスの放出プロセスを継続的に維持する。充填ガンは自在に伸縮して水素化マグネシウム貯蔵タンクに出入りでき、水素化マグネシウムの充填と水酸化マグネシウムの抽出を実現する。保護ガスは窒素、二酸化炭素、または他の不活性ガスであり、加圧運転が許され、超臨界状態の上記気体を使用することが排除されない。水素化マグネシウム入れ替え装置は充填ガン19を介して材料入れ替えが必要とされる水素化マグネシウム貯蔵タンクの添加/抽出口18に接続され、入れ替え作業が行われ、そのプロセスは以下のとおりである。(1)充填ガンを充填ポートに位置合わせ、添加/抽出口18の暗証番号錠付きストップバルブ39を開放し、コントロールセンターによって命令を送信して暗証番号錠を開け、充填ガンのロックフランジを充填ポートのフランジに合わせてロックする。(2)水素化マグネシウム貯蔵タンク内の水酸化マグネシウムは、気流運送の方式によって水素化マグネシウム貯蔵タンクから抽出され、抽出管路28を通って分離タンク20に至って気固分離を行い、分離された固体は水酸化マグネシウム貯蔵タンク21に入り、分離された保護ガス(窒素)は、分離タンクの上部から残留水素吸収ユニット22を通って真空タンク23に至り、そして逆止弁24と保護ガスコンプレッサー25を通って高圧保護ガスタンク26に至る。高圧保護ガスタンク26における窒素は、抽出および充填のための気力輸送に必要な動力を供給する。水酸化マグネシウム貯蔵タンク21中の水酸化マグネシウムは、再生ユニットに輸送され、水酸化マグネシウムを水素化マグネシウムに変換されてから使用に戻され、再生は、クリーンエネルギーのピークシェービング電力を使用して、金属マグネシウムの電解再生と水素化などの方法を利用できる。(3)気流運送により水素化マグネシウム貯蔵タンクに飽和水素化マグネシウムを充填し、水素化マグネシウム貯蔵タンク45内の飽和水素化マグネシウムは、供給器46および添加管路29を介して充填ガンに至り、高圧保護ガスタンク26内の窒素は、気力輸送の動力を供給して水素化マグネシウム貯蔵タンクに飽和水素化マグネシウム材料を充填する。(4)充填が完了したら、暗証番号錠付きストップバルブ39を閉じ、充填ガンを引き抜き、稼働中の水素化マグネシウム貯蔵タンク15中の水素化マグネシウムの水素ガス放出量に応じて2つの水素化マグネシウム貯蔵タンクの入れ替えタイミングを決定する。エネルギー放出ユニットの稼働プロセスは、実施例1と同じである。
【0038】
実施例3
図5に示すように、本発明の第3の実施形態は、エネルギーシステムが自動車に搭載されて動作するものであり、自動車はエネルギー放出ユニットと、ハブモーター41と、手動コントロールコンソール42と、セントラルコントローラ43と、モーター駆動ユニット44と、を含み、エネルギー放出ユニットは水素化マグネシウム貯蔵タンク15、COVAPORユニット5、水素ガス緩衝および温度調整タンク1、分子ふるいフィルター2、水素燃料電池9、空気吸気口10、水タンク12、水ポンプ13、流量計14、清浄ガス排気口7および空気清浄器11を含む。蓄電池はCOVAPORユニットに回路接続され、水素化マグネシウム貯蔵タンク15は1つである。水素化マグネシウム貯蔵タンクの熱伝導媒体出口17の一つの経路は車両用エアコン97を介して熱伝導媒体入口16に接続される。水素燃料電池は電力出力ケーブル8を介してモーター駆動ユニットに回路接続され、COVAPORユニットはバッテリーに回路接続される。手動コントロールコンソールはセントラルコントローラを介してモーター駆動ユニットに回路接続され、ハブモーター41はモーター駆動ユニットに回路接続される。エネルギーシステム付き自動車の動作プロセスは、エネルギー放出ユニット40の水素燃料電池9によって生成された電気エネルギーおよびCOVAPORユニットによって生成された電力は、自動車の実際の動作状況に基づいてケーブルを介してモーター駆動ユニット44または蓄電池6に輸送されて蓄電され、自動車はモーター駆動ユニットによって駆動されて走る。運転中制動または減速時に、ハブモーター41が回収した電力は、補助電力として蓄電池に貯蔵される。
【0039】
水素化マグネシウム貯蔵タンクの熱伝導媒体は窒素であり、熱伝導媒体出口の1つ目の経路はCOVAPORユニットに接続され、2つ目の経路は分子ふるいフィルターのジャケットの入口に接続され、3つ目の回路は蓄電池の保温カバーの入口に接続され、冬でも蓄電池は適切な温度で動作でき、4つ目の経路は車両用エアコンシステムに接続され、冬での暖房のために使用される。自動車は電気自動車であり、2つのエネルギー構造設計案に分かれ、1つは、蓄電池の電力が燃料電池の電力よりも大きい場合、蓄電池は主な動力源とし、燃料電池は補助動力源とし蓄電池の充電のために使用され、両方連携または蓄電池単独で自動車の始動および走行に消費するエネルギー消費を供給し、燃料電池のエネルギー放出ユニットを小型化でき、充電プラグを介して電気自動車またはハイブリッド車のバッテリーに充電してもよく、燃料電池のエネルギー放出ユニットを車外に移動してエネルギー放出ユニット内の燃料を入れ替えてもよい。どのような動作状況下でも、電気自動車またはハイブリッド車は普通充電が可能であり、極端な場合には急速充電が許可されるため、電気自動車またはハイブリッド車のバッテリーの重量と数が大幅に削減され、電気自動車またはハイブリッド車のバッテリー寿命が大幅に向上する。もう1つは、蓄電池の電力が燃料電池の電力よりも少ない場合、燃料電池は主な動力源であり、蓄電池は補助動力源であり、両方連携または主に燃料電池が自動車の走行のためのエネルギーを供給し、蓄電池は、自動車に始動と加速などのためのエネルギーを提供する。自動車の蓄電池の外部には保温カバーを備え、保温カバーの熱源は、水素化マグネシウム貯蔵タンクの加水分解プロセスで生成された熱である。
【0040】
冬には、塩化カルシウムが水タンクに添加され、5%の不凍性塩化カルシウム水溶液が水タンク内に形成され、そしてイオン交換膜が水タンクの出口に設けられる。
【0041】
実施例4
図6に示すように、本発明の第4の実施形態は、水素化マグネシウムエネルギーシステムの携帯電話における応用であって、携帯電話57と外部充填装置56を含む。携帯電話57は水素燃料電池9と、携帯電話バッテリー98と、超安全バッテリーボックス52と、を含み、水素燃料電池には、空気吸気口10、清浄ガス排気口7、および超安全バッテリーボックスポートモジュール54が設けられ、水素燃料電池は超安全バッテリーボックスポートモジュール54に接続される。超安全バッテリーボックスには水素ガス制御モジュール51、水素化マグネシウムモジュール63および水制御モジュール49が設けられ、超安全バッテリーボックスポートモジュールは、水素ガスポート60を介して水素ガス制御モジュール51に接続され、水ポート61を介して水制御モジュールに接続される。水制御モジュールには、水ジャック50が設けられ、水素化マグネシウムモジュールには水素化物入れ替えジャック55が設けられ、外部充填装置には給水プラグ53と水素化物入れ替えプラグ62が設けられ、水制御モジュールは水ジャック50を介して給水プラグに接続され、水素化マグネシウムモジュールは水素化物入れ替えジャックを介して水素化物入れ替えプラグに接続される。外部充填装置56には、自動位置決めクランプ装置59、マイクロ水素化マグネシウム入れ替えシステム、給水/抽出システム、低熱水素ガス吸収装置、およびインテリジェント管理システムが設けられる。マイクロ水素化マグネシウム入れ替えシステムの構造と原理は、実施例1の
図4に示されたとおりである。携帯電話には暗証番号錠が設けられ、対応するパスワードが給水プラグ53および水素化物入れ替えプラグ62に設定され、挿入プロセスにおいて、携帯電話は上記の2つのプラグにあるパスワードを識別し、パスワードが一致である場合、暗証番号錠が開けられ、水素化マグネシウムと水の入れ替え操作が行われる。水素燃料電池9と超安全バッテリーボックス52は統合または分割されたタイプであってもよく、統合されて携帯電話に固定されてもよく、取り外し可能な部品として使用してもよい。
【0042】
水素化マグネシウムのエネルギーシステムを搭載した携帯電話の動作原理は次のとおりである。水制御モジュール49中の水は、水制御モジュールと水素化マグネシウムモジュールとの間の膜を通って水素化マグネシウムモジュール63に入り、水が水素化マグネシウムと反応して水素ガスと水酸化マグネシウムを生成する。水素ガスは、水素ガスポート60を通って水素燃料電池に入り、水素ガスは、水素化マグネシウムモジュールと水素ガス制御モジュールとの間の膜を通って水素ガス制御モジュール51に入り、膜は一方向性であり、水素ガスは水素化マグネシウムモジュールから水素ガス制御モジュールに入ることだけが可能であり、膜の代わりに小型バルブを使用してもよく、小型バルブも逆止弁であり、水素燃料電池中の水素ガスは、空気吸気口10から入った空気と反応して水を生成し、そして電気エネルギーを生成して携帯電話のためにに使用される。生成された水は水ポート61を通って水制御モジュール49に入る。水素化マグネシウムモジュール63中の水素化マグネシウムが完全に水酸化マグネシウムに転化した後、携帯電話を外部充填装置56に挿入することにより入れ替えを行う。入れ替えプロセスにおいて、まずは携帯電話を外部充填装置56に挿入し、自動位置決めクランプ装置59が自動的に携帯電話をクランプし、携帯電話はプラグに対して識別を行い、プラグとジャックのパスワードが一致する場合、携帯電話の暗証番号錠58が識別を完了する。水酸化マグネシウムが完全に抽出されたときにのみ水素化マグネシウムを添加する。具体的な抽出添加プロセスは次のとおりである。まずは、水素化物入れ替えプラグ62を介して水素化マグネシウムモジュール63中における水酸化マグネシウムを外部充填装置に導出し、次に、水素化物入れ替えプラグ62を介して水素化マグネシウムモジュール63に飽和水素化マグネシウムを補充する。給水プラグ53を介して水制御モジュール49に水を補充し、または水制御モジュール49における余分な水を抽出する。外部充填装置56に設けられる低熱水素ガス吸収装置は、吸収プロセスにおいて水酸化マグネシウムに伴う微量の水素ガスを吸収する。定期的に営業サービス門店で、外部充填装置56における水酸化マグネシウムを入れ替え、水酸化マグネシウムを排出し、そして飽和水素化マグネシウムを充填する。
【0043】
冬には、塩化カルシウムが水制御モジュールに添加され、2%の凍結性塩化カルシウム水溶液が水制御モジュールに形成され、そして逆浸透膜が水制御モジュールの出口に設けられる。携帯電話にはバッテリーが設けられてもよく、携帯電話のバッテリーと燃料電池は並列接続であり、電力消費量に応じて、インテリジェントな制御により電力供給と需要を調整し、携帯電話の通常の使用が満足された場合、優先的に携帯電話のバッテリーに充電する。携帯電話のバッテリーは実際のニーズに応じて大きくても小さくてもよく、携帯電話のバッテリーは外部電力を使用して蓄電してもよい。携帯電話の外部充填装置56のマイクロ水素化マグネシウム入れ替えシステムの構造と原理は、実施例2の水素化マグネシウム入れ替え装置と同じであり、各部品の構造を小型化することで作られ、水素化マグネシウムモジュール63の通常の使用温度は一般的に50℃以下で、待機時間は一般的に7日間である。
【0044】
実施例5
COVAPORユニットは、ピストンエンジンやガスタービンなどの高温余熱回収にも使用でき、その構造が状況に応じて調整されて複合式COVAPORユニットになる。
図10に示すように、複合式COVAPORユニットには、1次熱交換器81、2次熱交換器82、3次熱交換器83、4次熱交換器84、5次熱交換器85、圧縮膨張コンバインサイクル装置87、1号水素反応ベッドユニット89、2号水素反応ベッドユニット90、3号水素反応ベッドユニット91、熱伝導媒体循環入口管路94、熱伝導媒体循環出口管路95を含む。圧縮膨張コンバインサイクル装置には、作動媒体圧縮機86、作動媒体膨張機88、6号熱交換器93および7号熱交換器102が設けられる。膨張機92、作動媒体圧縮機86および作動媒体膨張機88は同軸接続される。熱伝導媒体循環入口管路94は、1次熱交換器81の熱媒体熱伝導媒体循環入口に接続され、1次熱交換器81は、順に2次熱交換器82、3次熱交換器83、4次熱交換器84、および5次熱交換器85を介して熱伝導媒体循環出口管路95に接続される。1次熱交換器81は1号水素反応ベッドユニット89に循環接続され、2号熱交換器82は2号水素反応ベッドユニット90に循環接続され、3号熱交換器83は3号水素反応ベッドユニット91に循環接続され、膨張機92は4次熱交換器84に循環接続され、5次熱交換器85は6号熱交換器93に循環接続され、6号熱交換器93は7号熱交換器102に接続され、7号熱交換器102は外部環境または冷却水中へ放熱する。1号水素反応ベッドユニット89、2号水素反応ベッドユニット90、および3号水素反応ベッドユニット91は、膨張機92に循環接続され、膨張機92は6号熱交換器93に循環接続され、6号熱交換器93は作動媒体圧縮機86の入口に接続され、作動媒体膨張機88の出口は6号熱交換器に接続される。1号水素反応ベッドユニットは2号水素反応ベッドユニットに循環接続され、2号水素反応ベッドユニットは3号水素反応ベッドユニットに循環接続され、3号水素反応ベッドユニットは6号熱交換器に循環接続される。すべての循環接続が熱伝導媒体熱流チューブである。各水素反応ベッドユニットは6つの水素反応ベッドであり、その構造と作動モードは実施例1のとおりである。
【0045】
ピストン内燃機関またはガスタービンの600℃の排気ガス余熱が発電に利用される。600℃の排気ガス余熱は、熱伝導媒体熱流ラインを通じて、順に1号水素反応ベッドユニット89、2号水素反応ベッドユニット90、および3号水素反応ベッドユニット91に接続され、余熱の高温の部分を利用して発電し、機械効率は排気ガスの余熱の約60%に達する。そして圧縮膨張コンバインサイクル装置87を介して、排気ガスの低温余熱部分を利用して継続的に仕事をして発電し、排気ガス中の35℃以上分の熱がすべて利用され、機械効率が排気ガス余熱の約15%に達することができる。35℃以上分の低温余熱は3つの部分から生じられ、1つ目は、ピストン内燃機関またはガスタービンの全体および排気システムは十分に断熱されてすべての熱量を集めることであり、2つ目は、COVAPOR装置の水素反応ベッドユニットおよび膨張機の散熱であり、3つ目は、60℃での3号水素反応ベッドユニットの水素吸収による放熱である。上記のCOVAPOR複合装置を使用すると、余熱を利用する機械効率は、排気ガス余熱の約75%に達することができる。
【0046】
複合式COVAPORユニットの作業プロセス以下とおりである。
まず、600℃の排気ガスは1次熱交換器を通過して熱量を1号水素反応ベッドユニットに持ち込んでそれを加熱し、生成された500℃、35 MPaの高温高圧水素ガスが膨張機92に入って仕事をして、仕事をした後の350℃、2 MPaの低圧水素ガスは、1号水素反応ベッドユニットに入り、水素吸収による放熱が行われる。
【0047】
次に、1次熱交換器出口の510℃の排気ガスは、2次熱交換器を通過して2号水素反応ベッドユニットに熱量を持ち込んでそれを加熱し、同時に1号水素反応ベッドユニットにおける水素化により放出された熱量も収集されて2号水素反応ベッドユニットに輸送され、生成された350℃、35 MPaの高圧水素ガスが膨張機92に入って仕事をして、仕事をした後の200℃、2 MPaの低圧水素ガスが2号水素反応ベッドユニットに入り、水素吸収および放熱が行われる。
【0048】
そして、2次熱交換器出口の350℃の排気ガスは、3次熱交換器を通過して3号水素反応ベッドユニットに熱量を持ち込んでそれを加熱し、同時に2号水素反応ベッドユニットにおける水素化により放出された熱量も収集されて3号水素反応ベッドユニットに輸送され、生成された200℃、35 MPaの高圧水素ガスが膨張機92に入って仕事をして、仕事をした後の60℃、2 MPaの低圧水素ガスが3号水素反応ベッドユニットに入り、水素吸収による放熱が行われる。膨張機のブレードは3つのセットに分かれ、各セットのブレードは複数段であってもよく、各セットの入口と出口の圧力が同じで温度が異なり、各セットのブレードは多段タップで4次熱交換器84との熱量入れ替えが許され、仕事をする効率を向上させる。
【0049】
最後に、圧縮膨張コンバインサイクル装置87を介して、35℃以上分の低温余熱部分を利用して継続的に仕事をして発電し、排気ガス中の35℃以上分の熱量をすべて利用する。35℃以上分の低温余熱は3つの部分から生じられ、1つ目は、ピストン内燃機関またはガスタービンの全体および排気システムは十分に断熱されてすべての熱量を集めることであり、2つ目は、COVAPOR装置中の水素反応ベッドユニットおよび膨張機92の散熱であり、3つ目は、60℃での3号水素反応ベッドユニットの水素吸収による放熱である。6号熱交換器93を介して、上記の3つの部分の熱を作動媒体に持ち込んで35℃以上分まで加熱し、加熱された作動媒体は、作動媒体圧縮機86によって220℃、2 MPaに圧縮され、作動媒体圧縮機86の動力は、膨張機92により供給され、膨張機92の全動力を利用して作動媒体圧縮機86を駆動し、そして作動媒体膨張機88を介して仕事をして、作動媒体膨張機88の出口温度は35℃で、圧力は0.1 MPaになり、作動媒体は7号熱交換器102に入って外部環境または冷却水中へ放熱し、温度が20℃以下に下がり、そして6号熱交換器93に入り、サイクルで仕事をする。作動媒体は二酸化炭素またはその他の有機化合物である。作動媒体および周囲温度の異なりに応じて膨張機92の動力の一部を利用して作動媒体圧縮機86を駆動して動作することも選択でき、一定の温度以上の熱量のすべてを、仕事をするために使用されることが満たされればよく、膨張機92の動力の他の部分がシャフトワークの形で出力される。
【0050】
図11に示すように、複合式COVAPORユニットはガスタービンと同軸で組み合わせ、ガスタービンの一部となり、ガスタービンの機械効率は約85%に達し、複合式COVAPORユニットはピストンエンジンと同軸で組み合わせることもでき、あらゆる形式の余熱を利用でき、ガスタービンやピストンエンジンなどと非同軸で組み合わせることもできる。
【0051】
実施例6
本発明の第6の実施形態は
図12に示すように、2つ目の複合式COVAPORユニットであって、水素反応ベッド103、1次熱交換器104、2次熱交換器105、最終熱交換器106、膨張機92、圧縮膨張コンバインサイクル装置87、60℃の発電所廃蒸気管路および60℃の熱水管路を含む。圧縮膨張コンバインサイクル装置には、作動媒体圧縮機86、作動媒体膨張機88、6号熱交換器93および7号熱交換器102が設けられ、膨張機と作動媒体圧縮機と作動媒体膨張機が軸で接続される。60℃の発電所廃蒸気管路は、1次熱交換器、2次熱交換器、最終熱交換器を順に通って60℃の熱水管路に接続され、60℃の熱水管路は発電所のボイラーに接続される。水素反応ベッドの水素ガス出口は膨張機の入口に接続され、膨張機の出口は水素反応ベッドの水素ガス入口に接続される。1次熱交換器は水素反応ベッドに循環接続され、2次熱交換器は膨張機の中央部に循環接続され、最終熱交換器は6号熱交換器に循環接続され、水素反応ベッドは6号熱交換器に循環接続され、6号熱交換器は作動媒体圧縮機の入口に接続され、作動媒体膨張機の出口は7号熱交換器に接続され、6号熱交換器は7号熱交換器に接続され、7号熱交換器102は外部環境または冷却水中へ放熱する。
【0052】
COVAPORユニットは、例えば発電所の60℃の廃蒸気凝縮熱のような低温余熱回収にも応用でき、その構造が状況に応じて調整されて複合式COVAPORユニットになる。
図12に示すように、発電所の60℃の廃蒸気凝縮熱を利用して発電する。60℃の廃蒸気凝縮熱は、1次熱交換器104の熱伝導媒体熱流チューブを介して水素反応ベッド103に接続され、その凝縮熱を利用して発電し、発電効率は約15%に達し、凝縮された後の60℃の熱水は発電所に戻して蒸気を生成する。そして圧縮膨張コンバインサイクル装置87を介して、廃蒸気凝縮水の低温余熱部分を利用して継続的に仕事をして発電し、作動媒体中の35℃以上分の熱がすべて利用され、利用効率は約32%に達する。35℃以上分の低温余熱は3つの部分から生じられ、1つ目は、廃蒸気凝縮熱発電システムの全体は十分に断熱されてすべての熱量を集めることであり、2つ目は、COVAPORユニットの水素反応ベッドユニットおよび膨張機の散熱であり、3つ目は、35℃での水素反応ベッド103の水素吸収による放熱である。上記の複合式COVAPOR装置を使用すると、余熱を利用する効率は約47%に達することができる。複合式COVAPORユニットの動作プロセスは次のとおりである。まず、発電所の60℃の廃蒸気は1次熱交換器を通過して凝縮熱を水素反応ベッドに持ち込んで水素反応ベッドを加熱し、生成された60℃、0.5 MPaの圧力がかけされた水素ガスが膨張機92に入って仕事をして、仕事をするプロセスにおける低温水素ガスが2次熱交換器105によって再び加熱されて仕事をする能力を向上させ、仕事をした後の35℃、0.1 MPaの低圧水素ガスは、水素反応ベッドに入り、水素吸収による放熱が行われる。続いて、圧縮膨張コンバインサイクル装置を介して、35℃以上分の低温余熱部分を利用して継続的に仕事をして発電し、作動媒体中の35℃以上分の熱量をすべて利用する。35℃以上分の低温余熱は3つの部分から生じられ、1つ目は、廃蒸気余熱発電システムの全体は十分に断熱されてすべての熱量を集めることであり、2つ目は、COVAPOR装置の水素反応ベッドユニットおよび膨張機の散熱であり、3つ目は、35℃での水素反応ベッド103の水素吸収による放熱である。作動媒体は二酸化炭素である。