特許第6974640号(P6974640)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6974640飛行許可空域設定装置及び飛行許可空域設定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6974640
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】飛行許可空域設定装置及び飛行許可空域設定方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 5/00 20060101AFI20211118BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20211118BHJP
   B64D 27/24 20060101ALI20211118BHJP
   B64C 13/18 20060101ALI20211118BHJP
   B64F 1/36 20170101ALI20211118BHJP
【FI】
   G08G5/00 A
   B64C39/02
   B64D27/24
   B64C13/18 Z
   B64F1/36
【請求項の数】20
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2021-47623(P2021-47623)
(22)【出願日】2021年3月22日
(62)【分割の表示】特願2019-72256(P2019-72256)の分割
【原出願日】2016年12月27日
(65)【公開番号】特開2021-103553(P2021-103553A)
(43)【公開日】2021年7月15日
【審査請求日】2021年3月22日
(31)【優先権主張番号】特願2015-257098(P2015-257098)
(32)【優先日】2015年12月28日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】田淵 純一
【審査官】 武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−251729(JP,A)
【文献】 特開2014−040231(JP,A)
【文献】 特開2004−192017(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 5/00
B64C 39/02
B64D 27/24
B64C 13/18
B64F 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線基地局を介して通信する通信サービスの利用者を識別するための第2識別情報と、前記第2識別情報を記憶する飛行体が飛行する飛行経路とが関連付けられて記憶されている記憶部と、
前記飛行体が前記飛行経路を飛行中に、前記飛行経路を変更して前記飛行体が飛行する新たな飛行経路を設定する設定部と、
前記新たな飛行経路を、前記第2識別情報を利用して、前記無線基地局を介して前記飛行体に送信する通信部と、
を備え、
前記記憶部は、前記設定された新たなルートを、前記飛行体が飛行する飛行経路として前記第2識別情報と関連付けて記憶する
ことを特徴とする飛行許可空域設定装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記飛行体の飛行経路と関連付けて前記飛行体の利用者の利用者端末を識別する識別情報を記憶し、
前記通信部は、前記設定された新たな飛行経路を、前記利用者端末の識別情報に基づいて識別される利用者の端末に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の飛行許可空域設定装置。
【請求項3】
前記通信部は、前記記憶部に記憶された飛行経路と異なる複数の飛行経路を、前記利用者端末の識別情報に基づいて識別される前記利用者の端末に送信し、前記利用者が前記複数の飛行経路から選択した一の飛行経路を前記利用者の端末から受信し、
前記設定部は、前記利用者の端末から受信した飛行経路を前記新たな飛行経路として設定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の飛行許可空域設定装置。
【請求項4】
前記通信部は、前記記憶部に記憶された飛行経路と異なる複数の飛行経路にそれぞれ優先順位をつけて前記利用者の端末に送信する、
ことを特徴とする請求項3に記載の飛行許可空域設定装置。
【請求項5】
前記設定部は、前記飛行体の飛行中に前記飛行体の飛行に影響が生じる事象が発生した場合に、前記新たな飛行機経路を設定する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の飛行許可空域設定装置。
【請求項6】
前記飛行体の飛行に影響が生じる事象は、前記飛行体の飛行中における突風、落雷、若しくは雷雨の発生、前記飛行体の飛行中における前記飛行体の事故、又は前記飛行体の飛行中における前記飛行体と前記通信部との通信において介在する前記無線基地局の停止を含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の飛行許可空域設定装置。
【請求項7】
前記記憶部は、前記飛行体の飛行経路と関連付けて前記飛行体の利用者の端末を識別する識別情報を記憶し、
前記通信部は、前記利用者端末の識別情報に基づいて識別される利用者の端末から、前記記憶部に記憶されている前記飛行経路の変更要求を受信し、
前記設定部は、前記変更要求に基づき、前記新たな飛行経路を設定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の飛行許可空域設定装置。
【請求項8】
前記記憶部は、前記飛行体の機種情報を記憶し、
前記飛行体の機種情報に基づいて、前記新たな飛行経路を判定する制御部をさらに備え、
前記設定部は、前記判定結果に基づき、前記新たな飛行経路を設定する、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の飛行許可空域設定装置。
【請求項9】
前記設定部が前記新たなルートを設定する場合に、目的地までに必要な電力量を計算する、
ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の飛行許可空域設定装置。
【請求項10】
前記設定部が前記新たなルートを設定する場合に、目的地までの到達時間を計算する、
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の飛行許可空域設定装置。
【請求項11】
無線基地局を介して通信する通信サービスの利用者を識別するための第2識別情報と、前記第2識別情報を記憶する飛行体が飛行する飛行経路とを関連付けて記憶部に記憶して、
前記飛行体が前記飛行経路を飛行中に、前記飛行経路を変更して前記飛行体が飛行する新たな飛行経路を設定部が設定し、
前記新たな飛行経路を、前記第2識別情報を利用して、前記無線基地局を介して前記飛行体に通信部から送信する過程と、
前記記憶部が、前記設定された新たなルートを、前記飛行体が飛行する飛行経路として前記第2識別情報と関連付けて記憶する過程と、
を含む特徴とする飛行許可空域設定方法。
【請求項12】
前記記憶部は、前記飛行体の飛行経路と関連付けて前記飛行体の利用者の利用者端末を識別する識別情報を記憶し、
前記通信部は、前記設定された新たな飛行経路を、前記利用者端末の識別情報に基づいて識別される利用者の端末に送信する、
ことを特徴とする請求項11に記載の飛行許可空域設定方法。
【請求項13】
前記通信部は、前記記憶部に記憶された飛行経路と異なる複数の飛行経路を、前記利用者端末の識別情報に基づいて識別される前記利用者の端末に送信し、前記利用者が前記複数の飛行経路から選択した一の飛行経路を前記利用者の端末から受信し、
前記設定部は、前記利用者の端末から受信した飛行経路を前記新たな飛行経路として設定する、
ことを特徴とする請求項12に記載の飛行許可空域設定方法。
【請求項14】
前記通信部は、前記記憶部に記憶された飛行経路と異なる複数の飛行経路にそれぞれ優先順位をつけて前記利用者の端末に送信する、
ことを特徴とする請求項13に記載の飛行許可空域設定方法。
【請求項15】
前記設定部は、前記飛行体の飛行中に前記飛行体の飛行に影響が生じる事象が発生した場合に、前記新たな飛行機経路を設定する、
ことを特徴とする請求項11から請求項14のいずれか1項に記載の飛行許可空域設定方法。
【請求項16】
前記飛行体の飛行に影響が生じる事象は、前記飛行体の飛行中における突風、落雷、若しくは雷雨の発生、前記飛行体の飛行中における前記飛行体の事故、又は前記飛行体の飛行中における前記飛行体と前記通信部との通信において介在する前記無線基地局の停止を含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の飛行許可空域設定方法。
【請求項17】
前記記憶部は、前記飛行体の飛行経路と関連付けて前記飛行体の利用者の端末を識別する識別情報を記憶し、
前記通信部は、前記利用者端末の識別情報に基づいて識別される利用者の端末から、前記記憶部に記憶されている前記飛行経路の変更要求を受信し、
前記設定部は、前記変更要求に基づき、前記新たな飛行経路を設定する、
ことを特徴とする請求項12に記載の飛行許可空域設定方法。
【請求項18】
前記記憶部は、前記飛行体の機種情報を記憶し、
前記飛行体の機種情報に基づいて、前記新たな飛行経路を判定する制御部をさらに備え、
前記設定部は、前記判定結果に基づき、前記新たな飛行経路を設定する、
ことを特徴とする請求項11から請求項17のいずれか1項に記載の飛行許可空域設定方法。
【請求項19】
前記設定部が前記新たなルートを設定する場合に、目的地までに必要な電力量を計算する、
ことを特徴とする請求項11から請求項18のいずれか1項に記載の飛行許可空域設定方法。
【請求項20】
前記設定部が前記新たなルートを設定する場合に、目的地までの到達時間を計算する、
ことを特徴とする請求項11から請求項19のいずれか1項に記載の飛行許可空域設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、飛行許可空域設定装置及び飛行許可空域設定方法に関する。
本願は、2015年12月28日に出願された特願2015−257098号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
飛行体には、無線通信回線を利用した遠隔制御に従って飛行する無人飛行機がある。このような飛行体は、無線通信回線の電波を安定して受信できないと、飛行を制御できなくなる場合がある。これに対し、飛行場を利用して離着陸する飛行機の飛行を制御する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】日本国特開平11−345400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、航空機を制御するための専用の無線設備を必要とする。このような、専用の無線設備を、無人航空機である飛行体を飛行させる場所に設けることは困難である。
【0005】
本発明の目的は、より簡易な構成によって、飛行体の飛行を制御する際の信頼度を高める飛行許可空域設定装置及び飛行許可空域設定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施態様に係る飛行許可空域設定装置は、記憶部と、設定部と、通信部とを備える。記憶部は、無線基地局を介して通信する通信サービスの利用者を識別するための第2識別情報と、前記第2識別情報を記憶する飛行体が飛行する飛行経路とが関連付けられて記憶されている。設定部は、前記飛行体が前記飛行経路を飛行中に、前記飛行経路を変更して前記飛行体が飛行する新たな飛行経路を設定する。通信部は、前記新たな飛行経路を、前記第2識別情報を利用して、前記無線基地局を介して前記飛行体に送信する。前記記憶部は、前記設定された新たなルートを、前記飛行体が飛行する飛行経路として前記第2識別情報と関連付けて記憶する
上記の飛行許可空域設定装置は、前記設定部が前記新たなルートを設定する場合に、目的地までに必要な電力量を計算するとよい。
上記の飛行許可空域設定装置は、前記設定部が前記新たなルートを設定する場合に、目的地までの到達時間を計算するとよい。
【0007】
上記の飛行許可空域設定装置において、前記記憶部は、前記飛行体の飛行経路と関連付けて前記飛行体の利用者の利用者端末を識別する識別情報を記憶し、前記通信部は、前記設定された新たな飛行経路を、前記利用者端末の識別情報に基づいて識別される利用者の端末に送信してもよい。
【0008】
上記の飛行許可空域設定装置において、前記通信部は、前記記憶部に記憶された飛行経路と異なる複数の飛行経路を、前記利用者端末の識別情報に基づいて識別される前記利用者の端末に送信し、前記利用者が前記複数の飛行経路から選択した一の飛行経路を前記利用者の端末から受信し、前記設定部は、前記利用者の端末から受信した飛行経路を前記新たな飛行経路として設定してもよい。
【0009】
上記の飛行許可空域設定装置において、前記通信部は、前記記憶部に記憶された飛行経路と異なる複数の飛行経路にそれぞれ優先順位をつけて前記利用者の端末に送信してもよい。
【0010】
上記の飛行許可空域設定装置において、前記設定部は、前記飛行体の飛行中に前記飛行体の飛行に影響が生じる事象が発生した場合に、前記新たな飛行機経路を設定してもよい。
【0011】
上記の飛行許可空域設定装置において、前記飛行体の飛行に影響が生じる事象は、前記飛行体の飛行中における突風、落雷、若しくは雷雨の発生、前記飛行体の飛行中における前記飛行体の事故、又は前記飛行体の飛行中における前記飛行体と前記通信部との通信において介在する前記無線基地局の停止を含めてもよい。
【0012】
上記の飛行許可空域設定装置において、前記記憶部は、前記飛行体の飛行経路と関連付けて前記飛行体の利用者の端末を識別する識別情報を記憶し、前記通信部は、前記利用者端末の識別情報に基づいて識別される利用者の端末から、前記記憶部に記憶されている前記飛行経路の変更要求を受信し、前記設定部は、前記変更要求に基づき、前記新たな飛行経路を設定してもよい。
【0013】
上記の飛行許可空域設定装置において、前記記憶部は、前記飛行体の機種情報を記憶し、前記飛行体の機種情報に基づいて、前記新たな飛行経路を判定する制御部をさらに備え、前記設定部は、前記判定結果に基づき、前記新たな飛行経路を設定してもよい。
【0014】
本発明の実施態様に係る飛行許可空域設定方法は、無線基地局を介して通信する通信サービスの利用者を識別するための第2識別情報と、前記第2識別情報を記憶する飛行体が飛行する飛行経路とを関連付けて記憶部に記憶して、前記飛行体が前記飛行経路を飛行中に、前記飛行経路を変更して前記飛行体が飛行する新たな飛行経路を設定部が設定し、前記新たな飛行経路を、前記第2識別情報を利用して、前記無線基地局を介して前記飛行体に通信部から送信する過程と、前記記憶部が、前記設定された新たなルートを、前記飛行体が飛行する飛行経路として前記第2識別情報と関連付けて記憶する過程とを含む特徴とする飛行許可空域設定方法である。
上記の飛行許可空域設定方法において、前記設定部が前記新たなルートを設定する場合に、目的地までに必要な電力量を計算するとよい。
上記の飛行許可空域設定方法において、前記設定部が前記新たなルートを設定する場合に、目的地までの到達時間を計算するとよい。
【0015】
上記の飛行許可空域設定方法において、上記の飛行許可空域設定装置において、前記記憶部は、前記飛行体の飛行経路と関連付けて前記飛行体の利用者の利用者端末を識別する識別情報を記憶し、前記通信部は、前記設定された新たな飛行経路を、前記利用者端末の識別情報に基づいて識別される利用者の端末に送信してもよい。
【0016】
上記の飛行許可空域設定方法において、前記通信部は、前記記憶部に記憶された飛行経路と異なる複数の飛行経路を、前記利用者端末の識別情報に基づいて識別される前記利用者の端末に送信し、前記利用者が前記複数の飛行経路から選択した一の飛行経路を前記利用者の端末から受信し、前記設定部は、前記利用者の端末から受信した飛行経路を前記新たな飛行経路として設定してもよい。
【0017】
上記の飛行許可空域設定方法において、前記通信部は、前記記憶部に記憶された飛行経路と異なる複数の飛行経路にそれぞれ優先順位をつけて前記利用者の端末に送信してもよい。
【0018】
上記の飛行許可空域設定方法において、前記設定部は、前記飛行体の飛行中に前記飛行体の飛行に影響が生じる事象が発生した場合に、前記新たな飛行機経路を設定してもよい。
上記の飛行許可空域設定方法において、前記飛行体の飛行に影響が生じる事象は、前記飛行体の飛行中における突風、落雷、若しくは雷雨の発生、前記飛行体の飛行中における前記飛行体の事故、又は前記飛行体の飛行中における前記飛行体と前記通信部との通信において介在する前記無線基地局の停止を含めてもよい。
上記の飛行許可空域設定方法において、前記記憶部は、前記飛行体の飛行経路と関連付けて前記飛行体の利用者の端末を識別する識別情報を記憶し、前記通信部は、前記利用者端末の識別情報に基づいて識別される利用者の端末から、前記記憶部に記憶されている前記飛行経路の変更要求を受信し、前記設定部は、前記変更要求に基づき、前記新たな飛行経路を設定してもよい。
上記の飛行許可空域設定方法において、前記記憶部は、前記飛行体の機種情報を記憶し、前記飛行体の機種情報に基づいて、前記新たな飛行経路を判定する制御部をさらに備え、前記設定部は、前記判定結果に基づき、前記新たな飛行経路を設定してもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、より簡易な構成によって、飛行体の飛行を制御する際の信頼度を高める飛行許可空域設定装置及び飛行許可空域設定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1の実施形態に係る飛行許可空域設定システムを示す構成図である。
図2】第1の実施形態に係る飛行体の外観構成の一例を示す図である。
図3】第1の実施形態に係る飛行体制御装置の構成図である。
図4】第1の実施形態に係る飛行許可空域設定装置の構成図である。
図5】第1の実施形態の飛行許可空域設定装置における飛行体の飛行を管理する処理の手順の概要を示すフローチャートである。
図6】第1の実施形態における、飛行体機種情報記憶部に記憶される飛行体機種情報の例を示す図である。
図7】第1の実施形態における、飛行空域情報記憶部に記憶される飛行体機種情報の例を示す図である。
図8】第1の実施形態の飛行計画の登録処理の手順を示すフローチャートである。
図9】第1の実施形態の飛行計画の変更処理の手順を示すフローチャートである。
図10】第1の実施形態の空域に基づく制御の手順を示すフローチャートである。
図11】第1の実施形態の飛行体における飛行制御の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、実施形態の飛行体制御装置、飛行許可空域設定システム、飛行体制御方法及びプログラムについて図面を参照して説明する。
【0022】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る飛行許可空域設定システム1を示す構成図である。飛行許可空域設定システム1は、飛行体2、飛行許可空域設定装置3、利用者端末4、通信網5、無線基地局6を備える。
【0023】
飛行体2は、例えば、後述の図2に示すような無人航空機である。飛行許可空域設定装置3は、飛行体2が飛行する空域を設定し、設定した空域を示す空域情報を飛行体2に対して送信して、飛行体2をその空域情報に従って飛行させる。利用者端末4は、飛行体2を飛行させる利用者の操作を受け付けるスマートフォンなどのコンピュータ装置である。
【0024】
利用者端末4は、飛行体2の利用者の操作を受け付けて、受け付けた操作を飛行許可空域設定装置3に対して送信し、飛行許可空域設定装置3により飛行体2を飛行させる空域を設定させる。さらに、利用者端末4は、飛行体2の利用者の操作を受け付けて、受け付けた操作を飛行許可空域設定装置3に対して送信し、飛行許可空域設定装置3を介して飛行体2の飛行を制御する。
【0025】
利用者端末4は、三次元(3D)の地図情報(地上を示す三次元データ)および飛行体2の飛行経路を用いて、飛行体2の誘導ルートが示された地図を表示してもよい。三次元の地図情報は、物などの構造物や山などの地形を含んでもよい。利用者端末4は、飛行体2によって撮影された画像および飛行体2の飛行経路を用いて、飛行体2の誘導ルートが示された画像を表示してもよい。地図または画像に表示される飛行ルートは、進行方向を案内するための矢印や色つきの線であってもよい。利用者端末4の表示画面は、飛行体2の現在のバッテリ量および目的地まで移動に必要な電力を並べて表示してもよい。
【0026】
通信網5は、飛行体2と、飛行許可空域設定装置3と、利用者端末4との間の通信を中継する。無線基地局6は、無線通信の基地局であり、接続回線によって通信網5に接続される。通信網5と無線基地局6は、スマートフォンなどの端末設備に音声通信やデータ通信などの通信サービスを提供するネットワークNWを形成する。ネットワークNWでは、通信網5側に設けられたゲートウエイにより、無線基地局6側と通信網5側との間で通信手順が変換される。
【0027】
無線基地局6のそれぞれに、通信可能な範囲(セル)が設定される。図1に示す例では、無線基地局61から63のそれぞれに対し、セルZ1からZ3(以下、纏めて、セルZということがある。)が設定される。例えば、セルZ1内に存在する飛行体2と利用者端末4などの端末設備を、無線基地局61が検出し、ネットワークNW内の図示しない管理装置は、その情報を管理する。飛行体2と利用者端末4は、ネットワークNWを利用して無線で通信する端末設備の一例である。
【0028】
飛行許可空域設定システム1は、セルZを単位に、飛行体2が飛行する空域を管理する。実施形態における空域とは、飛行体2を飛行させる領域のことであり、例えば、その範囲が、緯度経度情報と高度情報とで規定される。各空域は、諸条件により、飛行体2の飛行が可能な領域(飛行可能空域)、飛行体2の飛行を禁止する領域(飛行禁止空域)に分けられる。空域の設定条件は、飛行体2、利用者(操縦者)、周辺地域、飛行する予定時刻などの諸条件により異なる場合がある。飛行体2は、飛行条件を満たす範囲で飛行することが必要とされる。
【0029】
飛行許可空域設定装置3は、飛行体3が飛行できた位置や高度を統計的に記憶しておき、その情報を基に飛行可能空域を設定してもよい。禁止区域は、飛行可能空域から除外されてもよい。禁止区域は、天候が悪い区域や基地局障害が発生している区域であってもよい。禁止区域は、国や行政などが禁止区域として設定している区域であってもよい。禁止区域は、飛行体3が飛行する時刻と同じ時刻に他の飛行体が飛行している区域であってもよい。禁止区域は、飛行体が密集している区域(地域)であってもよい。禁止区域は、特定の時間に多数の飛行体が通過する区域であってもよい。飛行許可空域設定装置3は、禁止区域を避けて飛行ルートを設定してもよい。飛行体3のスペックや利用者によって異なる飛行可能空域が設定されてもよい。空域は、三次元の地図を含んでもよい。空域(空域情報)は、構造物などとの関係(三次元の地図)に基づいて設定されてもよい。
【0030】
飛行許可空域設定システム1は、上記のように飛行条件の制限が異なる空域を管理するとともに、飛行体2が飛行不許可空域や飛行禁止空域に侵入しないように制御することで、利用者の飛行体2の飛行を支援する。
【0031】
飛行許可空域設定システム1(飛行許可空域設定装置3)は、飛行体2が飛行不許可空域や飛行禁止空域に所定距離以上近づいた場合、その旨(警告)を利用者端末4に通知してもよい。飛行許可空域設定システム1(飛行許可空域設定装置3)は、飛行体2が制限速度を超えた場合には、飛行体2の速度を制限速度以下になるように制御してもよい。飛行許可空域設定システム1(飛行許可空域設定装置3)は、飛行体2が制限速度に近づいた場合、その旨(警告)を利用者端末4に通知してもよい。
【0032】
図2は、本実施形態の飛行体2の外観構成の一例を示す図である。飛行体制御装置20は、一例として、図2に示す飛行体2に搭載される。この飛行体2は、飛行体制御装置20と、モータ24とを備えている。
【0033】
モータ24は、ロータRTを回転させることにより、飛行体2に揚力及び推進力を与える。この一例では、飛行体2は、モータ241〜244を備える。モータ241〜244は、対応するロータRT1〜RT4を回転させる。飛行体制御装置20が、それぞれのモータ24に供給する駆動電流を制御することにより、飛行体2の飛行高度、方位、進行方向を制御することができる。
【0034】
図3は、本実施形態に係る飛行体制御装置20の構成図である。飛行体制御装置20は、制御部21と、第1記憶部22と、第2記憶部23と、GPS受信部25と、姿勢検出部26と、無線部27とを備える。
【0035】
GPS受信部25は、GPS(Global Positioning System)衛星が送信する電波を受信する。このGPS衛星が送信する電波には、この電波を受信した位置、つまり、飛行体2の位置を特定するための信号が含まれている。GPS受信部25は、GPS衛星から受信した電波をGPS信号SGに変換し、変換したGPS信号SGを制御部21に出力する。なお、この一例では、GPS受信部25は、GPS衛星が送信する電波を受信する場合について説明するが、これに限られない。例えば、GPS受信部25は、測位精度の高い準天頂衛星など、GPS衛星以外の人工衛星からの電波を受信してもよい。
【0036】
姿勢検出部26は、加速度センサー又はジャイロを含み、飛行体2の姿勢を検出して、姿勢検出信号SBを生成する。
【0037】
無線部27は、不図示のアンテナを備えており、無線基地局6が送信する電波を受信する。この無線基地局6が送信する電波には、無線基地局6を識別する情報である基地局IDが含まれている。例えば、無線基地局61が送信する電波には、”Z001”が基地局IDとして含まれている。また、無線基地局62、無線基地局63が送信する電波には、”Z002”、”Z003”が基地局IDとして、それぞれ含まれている。無線部27は、受信した電波を受信信号SRに変換し、変換した受信信号SRを制御部21に出力する。この受信信号SRには、無線基地局6を識別する情報である基地局IDが含まれている。
【0038】
制御部21は、移動制御部211と、自機位置測定部212と、制御装置通信部213(無線通信部)と、飛行状態制御部214とを備える。
【0039】
第1記憶部22と第2記憶部23は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等で実現される。プロセッサが実行するプログラムは、予め第1記憶部22に格納されていてもよいし、外部装置や可搬型記憶媒体などから、或いは通信回線を介してダウンロードされてもよい。
【0040】
第1記憶部22は、飛行体情報記憶部221と、飛行体空域情報記憶部222と、制御モード情報記憶部224と、第1識別情報記憶部225と、基本プログラム記憶部226と、無線制御モードプログラム記憶部227と、自律制御モードプログラム記憶部228とを含む。基本プログラム記憶部226は、飛行体2の通信処理、状態管理処理、飛行を維持するために必要とされる処理などの処理を実行するためのプログラムなどを格納する。無線制御モードプログラム記憶部227は、無線通信により受け付けた制御指令を実行するためのプログラムなどを格納する。自律制御モードプログラム記憶部228は、自動操縦により飛行体2が飛行するためのプログラムを格納する。制御モード情報記憶部224は、制御部21が上記の制御モードを決定した結果を示すフラグ情報を格納する。第1識別情報記憶部225は、第1識別情報を含む情報を格納する。第1識別情報は、飛行体2を識別可能とする識別情報である。飛行体情報記憶部221と、飛行体空域情報記憶部222の詳細については、後述する。
【0041】
第2記憶部23は、通信サービスを利用する利用者を識別可能にする情報を記憶する。通信サービスを利用する利用者を識別可能にする情報には、例えば、国番号、無線通信サービスを提供する通信事業者の識別番号、上記の通信事業者から利用者に対して割り振られた識別番号などを含めてもよく、少なくともそれらの一部の情報、又は、一部の情報の組み合わせに基づいて第1識別情報を形成してもよい。なお、第2記憶部23に格納される情報は、飛行体2の利用者を識別する識別情報として利用してもよい。
【0042】
第1記憶部22と第2記憶部23は、図示しない回路基板に固定してもよく、回路基板などに設けられた収納部(不図示)に着脱可能に装着されていてもよい。第1記憶部22と第2記憶部23は、制御部21によりデータの読み出しと書き込みが行われる。
【0043】
制御部21の自機位置測定部212は、GPS受信部25からGPS信号SGを取得し、自機位置を測定して、自機位置情報IPを生成する。
【0044】
制御装置通信部213は、無線部27を介して、第1識別情報記憶部225又は第2記憶部23の何れかに記憶されている識別情報に基づいて、無線基地局6との通信を行う。
【0045】
飛行状態制御部214は、自機位置測定部212により生成された自機位置情報IPと、無線部27と制御装置通信部213とを介して取得した情報に基づいて、飛行制御指令CMDを生成して、飛行体2の飛行状態を制御する。例えば、飛行状態制御部214は、無線部27と制御装置通信部213とを介して取得した情報として、飛行体2を飛行させる飛行計画を示す空域情報などの情報を受信する。
【0046】
飛行状態制御部214は、後述する飛行許可空域設定装置3からの制御を受け、複数の制御モードから選択した制御モードの処理を実行してもよい。例えば、飛行状態制御部214は、制御装置通信部213が無線基地局6を介して受信する制御情報に基づいて自飛行体2の飛行状態を制御する無線制御モードを実行してもよい。飛行状態制御部214は、自飛行体2の第1記憶部22に予め記憶されている制御情報に基づいて自飛行体2の飛行状態を制御する自律制御モードを実行してもよい。飛行状態制御部214は、無線制御モードと自律制御モードとを、自機位置測定部212が測定した自飛行体2の位置に基づいて切り替えて、切り替えた制御モード(飛行体2のモード)により生成された飛行制御指令CMDによって飛行体2を飛行させる。例えば、自律制御モードの実行時には、飛行状態制御部214は、受信した空域情報に基づいて飛行する位置を決定し、決定した位置を通過するように飛行コースを定め、定めた飛行コースに沿って自動操縦による自律飛行を実施させる。
【0047】
飛行体2は、機体情報と、飛行体2に備えられたカメラ(不図示)によって撮影された画像(周辺風景)を利用者端末4に逐次送信してもよい。利用者端末4は、それらの情報を基に移動の方向を指示する制御情報を飛行体2に送信してもよい。機体情報は、飛行体2の識別情報、飛行体2の位置と姿勢(方向および傾き)、バッテリの残量、ロータRTの故障有無を含んでもよい。飛行体2が画像を送信できない状況の場合、飛行体2のモードが自動飛行モード(自律制御モード)に切り替わり、飛行体2が利用者端末4の指示する場所(目的地)まで自動飛行してもよい。
【0048】
飛行許可空域設定装置3等は、飛行体2の周辺位置に関する周辺情報を利用者端末4に送信してもよい。利用者は、利用者端末4を用いて、周辺情報に基づいて飛行体2を操作してもよい。周辺情報は、雨や風などの天候、他の飛行体の密集度合(他の飛行体の存在がセンサーやカメラで認識される)、無線基地局6の動作および停止を示す情報を含んでもよい。
【0049】
飛行体2は、飛行体2は進行方向に構造物が存在することや、他の飛行体や鳥などが近づいてきたことを検知する衝突予知センサー(不図示)を有していてもよい。飛行体2は、衝突予知センサーによる検出に基づき、衝突を予知して、警報信号を出したり、警報音を出したり、あるいは自律的に衝突を回避してもよい。飛行体2が自律的に衝突を回避する動作は、利用者端末4の操作に基づく動作よりも優先されてもよい。
【0050】
飛行状態制御部214は、電波品質が悪い場合、例えば、制御装置通信部213が無線基地局6から受信した電波の大きさが所定値未満の場合、飛行体3のモードを自律制御モードに設定してもよい。飛行状態制御部214は、他の飛行体からの情報でどのルートのどの場所の電波強度が弱いのかを統計データとして取得し、統計データに基づいて電波品質が悪いか否か判断してもよい。
【0051】
利用者端末4は、飛行体2のモードがいずれのモード(例えば、無線制御モード(利用者の操縦モード)や自律制御モード(自動運転モード))であるかリアルタイムで表示してもよい。
【0052】
移動制御部211は、自機位置測定部212により生成された自機位置情報IPと、姿勢検出部26により生成された姿勢検出信号SBとを受け、モータ24の駆動量を調整して飛行体2の飛行中の姿勢を安定させる。移動制御部211は、飛行状態制御部214により生成された飛行制御指令CMDを受け、飛行体2を目的の位置に到達するようにモータ24の駆動量を制御して、飛行体2を飛行させる。
【0053】
図4は、本実施形態に係る飛行許可空域設定装置3の構成図である。飛行許可空域設定装置3は、制御部31と、記憶部32と、入出力部33と、通信IF(インタフェース)部35とを備える。
【0054】
記憶部32は、ROMやRAM、HDD、フラッシュメモリ等で実現される。プロセッサが実行するプログラムは、予め記憶部32に格納されていてもよいし、外部装置からダウンロードされてもよい。また、プログラムは、プログラムを格納した可搬型記憶媒体が図示しないドライブ装置に装着されることで記憶部32にインストールされてもよい。記憶部32は、飛行体機種情報記憶部321(機種情報記憶部)と、飛行空域情報記憶部322とを含む。
上記の各部の詳細については、後述する。
【0055】
入出力部33は、図示しない表示部、キーボードなどを含む。入出力部33は、飛行許可空域設定装置3に対する操作を受け付けて、後述する入出力処理部319に通知する。入出力部33は、入出力処理部319からの制御により制御部31の制御状態を表示する。
【0056】
通信IF部35は、制御部31の制御により、通信網5と無線基地局6を介して、飛行体2と利用者端末4と通信するインタフェースである。
【0057】
制御部31は、飛行体制御処理部311と、飛行空域設定部312と、設定装置通信部313(通信部)と、飛行体操縦者管理部315と、飛行管理部317と、飛行状態制御情報送信部318と、入出力処理部319とを備える。
【0058】
飛行体制御処理部311は、通信IF部35を介して、利用者端末4と飛行体2と通信する。飛行体制御処理部311は、利用者端末4に対し、飛行体2を制御するための操作画面など情報を送信し、利用者端末4により検出された利用者の操作を利用者端末4から受信する。飛行体制御処理部311は、受信した利用者の操作に対応する情報を飛行体2に送信して、飛行体2を飛行させる。
【0059】
飛行空域設定部312は、利用者端末4等から提供される飛行体2を飛行させる予定の位置を示す位置情報等を取得して、飛行体2を飛行させる空域を指定する空域情報を生成して、飛行空域情報記憶部322に書き込む。空域情報は、飛行体2の飛行計画を示す情報を含む。
【0060】
飛行空域設定部312は、利用者から利用者端末4を介して、飛行体2の出発地と目的地を取得してもよい。飛行空域設定部312は、飛行体2の出発地と目的地に基づいて、飛行場などの飛行禁止区域を避ける飛行経路を設定してもよい。飛行空域設定部312は、飛行体2の出発地と目的地に基づいて、飛行体2が目的地に到達する予定時刻を算出してもよい。
【0061】
飛行空域設定部312は、飛行体2から、飛行体2のバッテリ残量を示す情報を取得してもよい。飛行空域設定部312は、飛行体2の出発地と目的地とバッテリ残量とに基づき、到達目標時間までに飛行体2が目的地に到達可能であるか判断してもよい。飛行空域設定部312は、到達目標時間までに飛行体2が目的地に到達可能であるか、および、目的地への到達予定時間に基づいて、飛行経路を設定してもよい。
【0062】
飛行空域設定部312は、飛行経路として複数の飛行経路を選定し、各飛行経路に優先順位を付け、それぞれ優先順位を有する複数の飛行経路を示す情報を利用者端末4に通知してもよい。優先順位は、バッテリの残量や到着予定時間に基づいて決定されてもよい。飛行空域設定部312は、優先順位を有する複数の飛行経路を示す情報を利用者端末4に通知してもよい。利用者は、利用者端末4を用いて、複数の飛行経路のうち一つを選択してもよい。飛行許可空域設定装置3は、選択された飛行経路を飛行体2の経路として設定してもよい。
【0063】
飛行空域設定部312は、飛行体2の飛行に影響を生じる事象が発生した場合、新たな飛行経路を設定してもよい。飛行体2の飛行に影響を生じる事象の具体例は、飛行体2が飛行中における天候の異変(突風、落雷、雷雨など)の発生、飛行体2の事故、および無線基地局6の停止を含んでもよい。飛行空域設定部312は、新たな飛行経路が設定されたことを示す情報を利用者端末4に通知してもよい。これにより、利用者は、新たな飛行経路が設定されたことを知ることができる。飛行許可空域設定装置3は、飛行体2の飛行に影響を生じる事象が発生した場合、新たな飛行経路として複数の飛行経路を選定し、各飛行経路に優先順位を付け、それぞれ優先順位を有する複数の飛行経路を示す情報を利用者端末4に通知してもよい。利用者は、利用者端末4を用いて、複数の飛行経路のうち一つを選択してもよい。飛行許可空域設定装置3は、選択された飛行経路を新たな飛行経路に設定してもよい。
【0064】
飛行空域設定部312は、飛行経路とともに、予想される天候情報、目的地までに必要な電力量、飛行体2の制限速度も設定してもよい。飛行空域設定部312は、飛行体2が、飛行体2が飛行することを禁止されている空域に所定距離以上近づいている場合、制御装置通信部213が無線基地局6を介して受信する制御情報に基づいて飛行体2の飛行状態を制御する無線制御モードに飛行体2のモードを設定してもよい。
【0065】
設定装置通信部313(通信部)は、飛行空域情報記憶部322に記憶されている空域情報を、飛行体2の飛行計画を示す情報として通信IF部35を介して送信する。飛行空域情報記憶部322が三次元の地図情報を記憶している場合、送信される空域情報は、その三次元の地図情報を含んでもよい。設定装置通信部313は、その空域情報を、無線基地局6を介して飛行体制御装置20に送り、飛行体2を空域情報に従って飛行させる。
【0066】
飛行体操縦者管理部315は、利用者端末4の操作によって飛行体2を操縦する飛行体操縦者(利用者)を管理する。飛行管理部317は、飛行体2の飛行状態を管理する。飛行状態制御情報送信部318は、飛行管理部317による飛行体2の飛行状態の判定結果により、飛行体2に対し、その飛行を制御する情報を送信する。例えば、飛行状態制御情報送信部318が飛行体2に送信する情報には、飛行体2の飛行を安全な状態に誘導する情報等が含まれる。入出力処理部319は、飛行許可空域設定装置3に対する各種操作を受け付け、その操作に関する操作画面を表示する。
【0067】
図5を参照して、飛行許可空域設定システム1における飛行体2の飛行を管理する処理の概要について説明する。図5は、本実施形態の飛行許可空域設定装置3における飛行体2の飛行を管理する処理の手順の概要を示すフローチャートである。図5に示す飛行体2の飛行を管理する処理は、事前登録がなされた飛行体2と利用者端末4について実施される。
【0068】
飛行体2と利用者端末4の事前登録がなされた後、飛行体操縦者管理部315は、利用者端末4からの要求を受ける。飛行体操縦者管理部315は、その要求を送った利用者について、飛行体2の操縦者として適格であるかを確認する認証処理を実施する(ステップS11)。
【0069】
次に、利用者が適格であった場合に、飛行管理部317は、飛行計画の追加または変更の要求であるかを判定する(ステップS12)。新たな飛行計画を追加する場合には、飛行管理部317は、追加する飛行計画の登録処理を実施して飛行体空域情報122を更新し(ステップS13)、登録により更新された飛行計画を飛行体2に通知して、ステップS15の処理を実施する。なお、登録されている飛行計画を変更する場合には、飛行管理部317は、その変更処理を実施して飛行体空域情報122を更新し(ステップS14)、変更により更新された飛行計画を飛行体2に通知して、ステップS15の処理を実施する。
【0070】
次に、ステップS13とステップS14の何れかの処理を終えた場合、又は、登録済みの飛行計画を利用する場合には、飛行管理部317は、利用者端末4からの情報に基づいて飛行制御を実施するか否かを判定する(ステップS15)。飛行管理部317は、飛行制御を実施しない場合には、図5に示す一連の処理を終える。飛行制御を実施する場合には、飛行管理部317は、飛行制御の対象にする飛行体2の状態の特定処理を実施する(ステップS16)。
【0071】
次に、飛行管理部317は、空域情報に基づいて、飛行体2の飛行を管理する(ステップS17)。飛行管理部317は、例えば、飛行体制御処理部311の制御により、飛行体2の飛行を制御する。
【0072】
以下、飛行許可空域設定システム1における飛行体2の飛行を管理する処理のより具体的な一例を示し、その詳細について説明する。
【0073】
(飛行体と利用者端末の事前登録)
飛行許可空域設定装置3は、飛行体2と利用者端末4を飛行許可空域設定システム1の端末設備として登録する処理を、飛行に先立って実施する。例えば、飛行許可空域設定装置3の飛行体機種情報記憶部321は、飛行体2と利用者端末4を識別する識別情報を組にして格納する。飛行許可空域設定装置3は、装置の識別情報が飛行体機種情報記憶部321に情報が格納されている飛行体2と利用者端末4を、飛行許可空域設定システム1の端末設備として管理して、飛行体2の飛行制御を支援する。これに対し、未登録の装置であって、その識別情報が飛行体機種情報記憶部321に格納されていない飛行体2については、飛行許可空域設定装置3は、その飛行制御を支援しない。なお、未登録の飛行体2と利用者端末4を、飛行許可空域設定システム1の端末設備とする場合には、飛行許可空域設定装置3は、未登録の飛行体2と利用者端末4の登録処理を実施する。これにより、飛行許可空域設定装置3は、登録後の飛行体2と利用者端末4とを、対象の端末設備として処理することが可能になる。
【0074】
図6は、飛行体機種情報記憶部321に記憶される飛行体機種情報の例を示す図である。飛行体機種情報には、飛行体管理番号と、機種情報と、分類情報と、利用者識別情報と、第1識別情報と、第2識別情報とを対応付けた情報が含まれる。飛行体管理番号は、飛行体2の管理情報である。機種情報は、飛行体2の機種名又は機種を識別する機種コードである。分類情報は、飛行体2の機種を分類した結果を示す情報である。利用者識別情報は、利用者端末4を識別可能にする識別情報である。第1識別情報は、飛行体2を識別可能にする識別情報である。第2識別情報は、飛行体2の利用者を識別可能にする識別情報である。上記の飛行体機種情報は、飛行体2ごとのデータ群を成して、飛行体機種情報記憶部321に格納される。飛行許可空域設定装置3は、飛行体2と利用者端末4の対応付けを示す上記の情報を、利用者端末4などから取得して飛行体機種情報記憶部321に書き込む。
【0075】
飛行体2の飛行体情報記憶部221が、飛行体管理番号と、機種情報と、機種コードと、分類情報とを格納している場合には、飛行許可空域設定装置3は、飛行体管理番号と、機種情報と、機種コードと、分類情報とを、飛行体2の飛行体情報記憶部221から取得して、飛行体機種情報記憶部321に格納してもよい。
【0076】
(飛行体ごとに管理する空域について)
飛行許可空域設定システム1は、飛行体2ごとに飛行を許可する空域を設定し、飛行体2ごとにその飛行状態を管理する。飛行許可空域設定システム1は、空域を次のように分類して管理する。
【0077】
飛行許可空域設定システム1は、対象の範囲の空域を飛行可能空域と飛行禁止空域ZZに大別する。飛行禁止空域ZZは、全ての飛行体2の飛行を禁止する空域である。飛行可能空域は、飛行体2ごとに定まる条件により飛行が許可されたり、許可されなかったりする空域である。飛行許可空域設定システム1は、飛行可能空域について、条件に応じて例えば次のような空域に分類する。
【0078】
・特定の利用者であれば機体を問わず飛行させてもよい空域ZA
・その機体種別であれば利用者を問わず飛行させてもよい空域ZB
・その機体かつ、特定の利用者であれば飛行させてもよい空域ZD
・その機体種別かつ、特定の利用者であれば飛行させてもよい空域ZC
【0079】
飛行許可空域設定システム1は、個々の飛行体2の要求する飛行条件が、上記の分類の何れかの空域の条件を満たした場合、その満たした条件に対応する空域としての飛行許可空域とし、条件を満たさなかった場合、満たさなかった条件に対応する空域としての飛行非許可空域とする。
【0080】
例えば、対象の空域内又はその空域の近傍に空港が有り、空港から所定の距離以上に離れていないことにより飛行できない空域とされる場合、許可を得て制限付で飛行が認められる場合など、個々のケースで空域の飛行条件が異なる場合が生じ得る。このような場合についても、飛行空域設定部312は、各空域について、その空域に対応する地表の緯度経度、標高に基づいて、3次元の位置情報で規定する位置の飛行条件を決定し、設定する。
【0081】
図7は、飛行空域情報記憶部322に記憶される飛行体2の飛行空域情報の例(DR01の飛行計画)を示す図である。この飛行空域情報は、特定の飛行体2の飛行計画に対応する。飛行空域情報は、管理する飛行体2ごとに同様の飛行空域情報が生成され、飛行空域情報記憶部322に記憶される。飛行空域情報記憶部322には、計画番号と、日時情報と、空域情報と、基地局識別情報と、利用者識別情報とを対応付けた情報が含まれる。
【0082】
計画番号は、飛行体2の1回の飛行を規定する一連の情報を飛行計画とし、その飛行計画そのものを識別可能にする識別情報である。日時情報は、その飛行計画の飛行を予定する期間を示す。同じ飛行を繰り返す場合には、繰り返して飛行する期間を示す。
【0083】
空域情報は、飛行体2が飛行する空域を識別する情報である。例えば、空域情報は、飛行体2の位置情報、高度情報、基地局識別情報、判定空域情報などを含む。
【0084】
位置情報は、飛行体2に飛行させる空域を緯度、経度などで示した情報である。例えば、位置情報は、飛行を予定する範囲を示す情報であってもよく、飛行コース中の通過点を通過する順に示す情報であってもよい。位置情報は、これに代えて、他の単位に基づいて分割された領域を示す情報であってもよい。
【0085】
高度情報は、飛行体2に飛行させる高度の範囲を示す情報であり、例えば、長さの単位で規定される。例えば、この高度情報によって下記の条件を示すことができる。例えば、条件(1)は、高度が150m未満の場合に飛行を許可し、150mを超える場合には飛行を禁止するという条件である。条件(2)は、高度が150m未満であって、閾値高度を超える場合には、自動操縦による自律飛行を優先させるという条件である。条件(3)は、閾値高度未満の場合には、利用者端末4からの制御を優先して実施させるという条件である。上記は一例であり、これに限定されない。
【0086】
基地局識別情報は、位置情報により規定された領域を、通信範囲(セル)に含む無線基地局6の識別情報である。判定空域情報は、位置情報により規定された領域を空域とし、その空域の分類結果を示す。
【0087】
利用者識別情報は、利用者端末4を識別可能にする識別情報であり、利用者を識別するための情報として利用する。
【0088】
飛行空域情報記憶部322には、利用者が要求する計画に基づいた情報と、規定された条件に則して飛行体2を飛行させるための管理情報とが含まれる。
【0089】
例えば、図7は、飛行体管理番号がDR01の飛行体2の飛行計画に対応する飛行計画を示す。計画番号U1、U2等に対応する飛行計画は、利用者が要求する計画に基づいた情報である。計画番号U1として、ある日の開始時刻T1〜終了時刻T2に、「緯度経度範囲」として指定された位置で、高度H1以下の飛行が予定されていることを示す。例えば、飛行空域設定部312は、上記の情報を利用者端末4から取得して書き込む。飛行空域設定部312は、上記の情報に基づいて図示しない変換テーブルを参照して、上記の位置に対応するセルを有する無線基地局6を決定し、その基地局ID(Z001)を基地局識別情報として書き込む。飛行空域設定部312は、決定した基地局IDがZ001のセルの判定空域情報として、ZAを書き込む。
【0090】
例えば、計画番号M1、M2、M3等に対応する情報は、規定された条件に則して飛行体2を飛行させるための管理情報である。計画番号M1として、常時、飛行体2の現在位置から着陸地点までの移動は、高度範囲Aで飛行することを示す。計画番号M1が指示された場合には、飛行体2は、上記の条件で着陸地点に向けて移動する。計画番号M2として、現在の緯度経度で、指定高度範囲内で飛行することを示す。飛行体2が飛行する高度は、ルールとして制限された高度の範囲、障害物の衝突を回避可能な範囲、無線基地局6の電波MAPで電波が届く範囲という制約を受ける。計画番号M2が指示された場合には、飛行体2は、高度を指定高度範囲内になるように補正する。計画番号M3として、飛行禁止空域ZZを示し、その範囲にZ011・・・等で識別される無線基地局6が含まれていることを示す。計画番号M3で指定される空域への移動が検出された場合には、飛行体2は、その範囲内の飛行を中止する。例えば、その範囲外に速やかに移動する。
【0091】
飛行体2は、この計画番号M1、M2、M3等に対応する情報を、利用者の要求により設定された空域上の条件より優先する情報として利用してもよい。規制されたルールに基づく制限を、この計画番号M1、M2、M3等として設定することにより、個別の空域ごとに設定する処理を一括して設定できる。
【0092】
上記のとおり、飛行空域情報記憶部322には、飛行体2又は飛行体2の利用者を識別する識別情報と、飛行体2の飛行許可空域又は飛行非許可空域を示す空域情報とが関連付けられて記憶される。飛行空域情報記憶部322を上記のような構成にしたことにより、緯度経度だけで条件が規定される場合と異なり、高度を条件に加えて飛行制御の方法を変えることが可能になる。
【0093】
このように、飛行空域設定部312は、飛行体2の空域情報として、飛行体2の機種に基づいて、飛行許可空域、又は、飛行非許可空域を示す空域情報を設定する。飛行空域設定部312は、設定した空域情報を飛行空域情報記憶部322に書き込むとともに、その空域情報を、飛行体2の制御部21に送り、制御部21によって飛行体空域情報記憶部222に書き込ませる。例えば、飛行体空域情報記憶部222は、上記の飛行空域情報記憶部322と同様に構成されている。制御部21は、飛行体2の空域情報を受信して、そのまま飛行体空域情報記憶部222に書き込んでもよい。ここで、飛行体2の空域情報は、三次元の地図情報およびルート誘導情報を含んでもよい。
【0094】
飛行許可空域設定システム1は、上記の処理を実施して、飛行体2と飛行許可空域設定装置3との間で、飛行体2の空域情報を共有させる。
【0095】
飛行空域設定部312は、飛行体2の機種を、飛行体機種情報記憶部321に登録されている飛行体機種情報に基づいて特定してもよく、これに代えて、利用者端末4等から直接、飛行体機種情報を取得してもよい。
【0096】
飛行許可空域設定システム1は、無線基地局6を介した無線通信による通信サービスを利用する。無線基地局6からの電波が届きにくい空域については、その通信サービスを利用することができなくなる場合がある。飛行許可空域設定システム1は、そのような空域についての飛行条件を、上記の位置情報に基づいた条件とは別に設定してもよい。
【0097】
(利用者の認証について)
飛行体2の飛行は、利用者の資格、経験などにより制限される場合がある。飛行許可空域設定システム1は、利用者を特定するために、各種処理を実施する際に利用者の認証処理を実施する。飛行許可空域設定システム1における利用者の認証の一例について説明する。
【0098】
例えば、飛行許可空域設定システム1は、次の方法で利用者を認証する。飛行許可空域設定システム1は、無線基地局6をアクセスポイントとする無線通信回線を利用する。上記のとおり、飛行体2と利用者端末4は、無線基地局6を介して通信する通信サービスを利用する端末設備である。
【0099】
ネットワークNW側設備は、通信を許可する全ての端末設備について、通信サービスの利用が許可された端末設備であることを登録し、端末装置の識別情報等による検証処理を各端末設備に対して実施している。その検証には、端末装置を特定可能にする識別情報と、通信サービスを利用する利用者を識別する識別情報とが利用されている。
【0100】
本実施形態の飛行体2の場合、装置を特定可能にする識別情報は第1識別情報記憶部225に格納されており、通信サービスを利用する利用者を識別する識別情報は第2記憶部23に格納されている。飛行許可空域設定装置3は、上記の識別情報を利用して、無線基地局6を介して通信する。飛行許可空域設定装置3は、上記と同じ識別情報を利用して、対象の飛行体2の空域を設定する。
【0101】
例えば、飛行許可空域設定システム1は、第2記憶部23をICカードとして構成することができる。ICカードの一例としてSIM(subscriber identity module)カードが知られている。SIMカードには、通信の利用者を特定可能にする「IMSI(International Mobile Subscriber Identity/国際移動体加入者識別番号)」が書き込まれている。
【0102】
飛行許可空域設定システム1は、SIMカードなどに書き込まれた識別情報を利用して、下記の2通りの方法で、通信サービスの利用者を特定する。
【0103】
第1の方法は、飛行体2の第2記憶部23(SIMカード)に記憶されている利用者の識別情報によって識別する方法である。例えば、制御部21は、飛行体2の第2記憶部23(SIMカード)から、識別情報IMSIを読み出し、識別情報IMSIに基づいて生成された認証情報を、飛行許可空域設定装置3に通知する。飛行許可空域設定装置3は、飛行体2の識別情報IMSI又は識別情報IMSIに基づいて生成された認証情報を予め記憶しておき、通知を受けた認証情報と照合する。
【0104】
第2の方法は、飛行体2を操縦する際に利用する利用者端末4の記憶部(SIMカード)に記憶されている利用者の識別情報によって識別する方法である。例えば、利用者端末4は、制御部41と、第1記憶部42と、第2記憶部43とを備える(図1参照)。第1記憶部42と、第2記憶部43は、識別情報を記憶する点で、第1記憶部22と、第2記憶部23に対応する。利用者端末4の制御部41が、第2記憶部43から識別情報IMSIを読み出し、識別情報IMSIに基づいて生成された認証情報を飛行許可空域設定装置3に通知する。飛行許可空域設定装置3は、利用者端末4の識別情報IMSI又は識別情報IMSIに基づいて生成された認証情報を予め記憶しておき、通知を受けた認証情報と照合する。この第2の方法の場合、飛行体2を利用せずに利用者の認証を実施することができるため、例えば、飛行計画の登録や変更などを飛行に先立って実施する場合などに適している。
【0105】
飛行許可空域設定装置3は、上記の2通りの方法のうち、何れかの方法で、利用者を特定してもよく、双方を組み合わせて飛行体2と利用者との組み合わせが正当な組み合わせであることを特定してもよい。
【0106】
(飛行計画の登録処理)
図8は、本実施形態の飛行計画の登録処理の手順を示すフローチャートである。飛行許可空域設定装置3の制御部31は、利用者端末4から、登録を予定する飛行体2の飛行計画を示す飛行計画情報を取得する(ステップS131)。例えば、利用者端末4は、2次元又は3次元の地図を表示して、飛行体2の飛行を指示する利用者の操作を受け付ける。例えば、利用者端末4は、飛行体の機種、利用者識別情報、飛行体の離陸および着陸場所、飛行目的地、時間、飛行中に実施する処理を示す飛行の目的等を指定する操作を受け付ける。利用者端末4は、受け付けた操作に対応する情報を飛行計画情報として飛行許可空域設定装置3に送信する。
【0107】
飛行管理部317は、取得した飛行計画情報について、飛行体機種情報記憶部321に記憶されている飛行体機種情報に基づいて、その飛行計画が妥当であるか検定し(ステップS132)、許可すべき飛行計画であるか否かを判定する(ステップS133)。例えば、飛行管理部317は、飛行体機種情報が予め飛行体機種情報記憶部321に登録されている飛行体2についての飛行計画に対応し、かつ、その飛行計画による飛行予定の空域が飛行体2に許可すべき空域に含まれていることを、飛行体2の機種情報、利用者識別情報に基づいて検定する。許可すべき飛行計画であると判定した場合、飛行管理部317は、飛行計画の許可を利用者端末4に通知する(ステップS134)。飛行管理部317は、許可した飛行計画を飛行空域情報記憶部322に登録し(ステップS135)、許可した飛行計画を飛行体2に通知して(ステップS136)、一連の処理を終える。
【0108】
一方、許可すべき飛行計画でないと判定した場合、飛行管理部317は、飛行計画の不許可を利用者端末4に通知して(ステップS137)、一連の処理を終える。なお、許可した飛行計画の通知を飛行体2が受けた場合、飛行状態制御部214は、その飛行計画を飛行体空域情報記憶部222に書き込んで更新させる。
【0109】
飛行管理部317は、上記のように、飛行体2の機種情報を参照することにより、機種、機種の分類の結果に基づいた飛行条件を設定してもよい。
【0110】
(飛行計画の変更処理)
図9は、本実施形態の飛行計画の変更処理の手順を示すフローチャートである。飛行許可空域設定装置3の制御部31は、利用者端末4から、登録されている飛行計画情報の変更要求を取得する(ステップS141)。制御部31は、飛行体機種情報記憶部321に記憶されている飛行体機種情報に基づいて、その飛行計画が妥当であるか判定する。飛行管理部317は、取得した変更要求の対象とする飛行計画情報が飛行空域情報記憶部322に記憶されていて、記憶されている飛行計画情報の飛行計画が変更すべき飛行計画であるか否かを判定する(ステップS143)。飛行計画が変更すべき飛行計画であると判定した場合、飛行管理部317は、飛行計画の変更を利用者端末4に通知する(ステップS144)。飛行管理部317は、変更した飛行計画を飛行空域情報記憶部322に登録し(ステップS145)、変更した飛行計画を飛行体2に通知して(ステップS146)、一連の処理を終える。
【0111】
一方、飛行計画が変更すべき飛行計画でなかった場合、飛行管理部317は、飛行計画の変更の要求が未完了であることを利用者端末4に通知して(ステップS147)、一連の処理を終える。
【0112】
変更された飛行計画の通知を受けた飛行体2の飛行状態制御部214は、その飛行計画を飛行体空域情報記憶部222に書き込んで更新させる。
【0113】
(飛行体の状態の特定)
飛行体2は、飛行許可空域設定装置3から送られた通信要求を検出し、その要求に対する応答として、飛行中の飛行体2が取得した情報を飛行許可空域設定装置3に通知する。飛行管理部317は、飛行体2からの応答を受信することにより、飛行体2が飛行準備段階、又は、飛行中にあることを特定する。
【0114】
(空域に基づく制御)
飛行許可空域設定装置3は、上記の飛行体2の状態の特定に加え、飛行している飛行体2については、その飛行状況を監視して、飛行体2が空域を逸脱しないように必要に応じて飛行体2の飛行を制御する。
【0115】
飛行管理部317は、下記の方法により飛行体2の位置を示す情報を取得して、取得した位置を示す情報からその飛行状況を検出する。例えば、飛行体2が自機位置情報IPを含む応答を送信する。飛行管理部317は、自機位置情報IPに基づいて、飛行体2が飛行している位置が正当な位置にあるか否かを検出する。この場合、飛行管理部317は、自機位置情報IPによる位置が、飛行空域情報記憶部322に登録されている飛行計画の空域情報が示す範囲に含まれているか否かを検出する。
【0116】
別法として、飛行管理部317は、自機位置情報IPに代えて、無線基地局の基地局IDに基づいて、飛行体2が飛行している位置が正当な位置にあるか否かを検出してもよい。飛行体2がその基地局IDを含む応答を送信する場合に、飛行管理部317は、飛行体2からの応答を受け、その応答に含まれる基地局IDにより示される位置が、飛行空域情報記憶部322に登録されている飛行計画の基地局IDに含まれているか否かを検出し、飛行体2が飛行している位置が正当な位置にあるか否かを検出してもよい。
【0117】
以下に、自機位置情報IPを用いて飛行体2を制御する処理の一例を示すが、これに限定されず、飛行許可空域設定装置3は、同様の方法で、基地局IDを用いて飛行体2を制御してもよい。
【0118】
図10は、本実施形態の空域に基づく制御の手順を示すフローチャートである。飛行許可空域設定装置3の飛行管理部317は、飛行体2から自機位置情報IPを受信して、自機位置情報IPに基づいて飛行体2が飛行している空域が、飛行許可空域範囲内であるか否かを判定する(ステップS171)。飛行体2が飛行許可空域範囲内を飛行している場合には、飛行管理部317は、利用者が利用者端末4を介して指定する飛行指令に則して飛行体2が飛行するように制御して(ステップS172)、図10に示す一連の処理を終える。
【0119】
一方、飛行体2が飛行許可空域範囲を外れて飛行している場合には、飛行状態制御情報送信部318は、利用者端末4にその状況を通知する(ステップS173)。さらに、制御情報送信部318は、飛行管理部317が指定する飛行指令を飛行体2に送信し、利用者が指定する飛行指令に割り込んで飛行体2の飛行を制御して(ステップS174)、図10に示す一連の処理を終える。
【0120】
上記のとおり、飛行許可空域設定装置3は、飛行体2が飛行する空域を予め設定することに加え、設定した空域を逸脱して飛行する飛行体2の飛行を制御する。なお、飛行許可空域設定装置3は、上記の一連の処理を、予め定められた周期に従って繰り返して実施する。
【0121】
(飛行体の飛行制御)
飛行体2は、下記する飛行制御の手順に従い、飛行許可空域設定装置3により設定された空域を、利用者端末4からの制御に応じて飛行する。例えば、飛行体2は、飛行許可空域設定装置3により設定される飛行計画が飛行コース中の通過点を示す場合であれば、指定された通過点を補間した飛行コースに沿って、自動操縦による自律飛行により移動する。
【0122】
図11は、本実施形態の飛行体2における飛行制御の手順を示すフローチャートである。飛行体2の飛行状態制御部214は、飛行管理部317又は飛行状態制御情報送信部318からの制御要求があるか否かを判定する(ステップS221)。
【0123】
次に、飛行管理部317又は飛行状態制御情報送信部318からの制御要求がある場合、飛行状態制御部214は、飛行管理部317又は飛行状態制御情報送信部318の指示に従う飛行制御を実施して(ステップS222)、図11に示す一連の処理を終える。
【0124】
一方、飛行管理部317又は飛行状態制御情報送信部318からの制御要求がない場合、飛行状態制御部214は、飛行体2の飛行位置と、飛行体空域情報記憶部222に記憶されている空域情報とに基づいて、現在の飛行位置と空域情報との対比を行い(ステップS223)、現在の飛行位置が飛行許可空域の範囲内にあるか否かを判定する(ステップS224)。
【0125】
次に、現在の飛行位置が飛行許可空域の範囲内にある場合には、飛行状態制御部214は、現在の高度が所定の高度の範囲内にあるか否かを判定する(ステップS225)。上記の所定の高度とは、飛行許可空域の範囲に基づいて定めた高度であり、飛行許可空域の高度限界を非許可側に超えない所定の値である。現在の高度が所定の高度の範囲内にある場合には、飛行状態制御部214は、利用者の指示に従う飛行制御を実行し(ステップS227)、図11に示す一連の処理を終える。例えば、利用者の指示は、利用者端末4により利用者の操作が検出されて、検出された操作に対する情報が飛行許可空域設定装置3に送信される。制御部31は、操作に対する情報に基づいた指令を生成し、飛行体2にその指令を送信する。飛行状態制御部214は、その指令を受信して、受信した指令に基づいて、上記の利用者の指示に従う飛行制御を実行する。
【0126】
一方、ステップS225の判定の結果により、現在の高度が所定の高度の範囲内にないと判定した場合には、飛行状態制御部214は、飛行計画に従った自律飛行制御を実行し(ステップS228)、図11に示す一連の処理を終える。
【0127】
現在の飛行位置が飛行許可空域の範囲内にない場合には、飛行状態制御部214は、飛行体2が飛行する位置を、飛行許可空域の範囲内になるように補正する自律飛行制御を実行し(ステップS229)、図11に示す一連の処理を終える。
【0128】
飛行状態制御部214は、上記の一連の処理を、予め定められた周期に従って繰り返して実施する。
【0129】
以上に説明した、第1の実施形態によれば、飛行体制御装置20は、飛行体2を識別する識別情報が記憶される第1識別情報記憶部225と、飛行体2の利用者を識別する識別情報が記憶される第2記憶部23の何れかの識別情報記憶部と、その識別情報記憶部に記憶されている識別情報に基づいて、無線基地局6との通信を行う制御装置通信部213と、自飛行体2の位置を測定する自機位置測定部212と、制御装置通信部213が無線基地局6から受信する飛行許可空域又は飛行非許可空域を示す空域情報と、自機位置測定部212が測定した自機の位置とに基づいて、自飛行体の飛行状態を制御する飛行状態制御部214とを備える。よって、より簡易な構成によって、飛行体の飛行を制御する際の信頼度を高めることができる。
【0130】
飛行許可空域設定装置3の飛行状態制御情報送信部318は、飛行体2の飛行位置と、飛行空域情報記憶部322に記憶されている空域情報とに基づいて、飛行体2の飛行状態を制御する飛行状態制御情報を、飛行状態制御部214に対して送信する。例えば、飛行体2の飛行状態を制御する制御状態を切り換えるか否かを示す設定情報は、飛行状態制御部214が制御する飛行状態制御情報の一例である。このように、飛行許可空域設定装置3は、飛行体2の飛行状態を制御する制御状態を切り換えるか否かを示す設定情報によって制御するようにしても、飛行体2に飛行状態を切り換える制御を実施できる。
【0131】
飛行許可空域設定システム1は、上記のネットワークNWを利用する際に利用する通信サービスの利用者の認証情報を、飛行体2の空域設定の処理にも利用するようにした。このため、新たな認証処理の情報を定めることを不要にし、さらに、認証処理を簡素化しても、所望の信頼度を確保することができる。
【0132】
(第1の実施形態の変形例)
第1の実施形態の変形例について説明する。
第1の実施形態に示す飛行状態制御情報送信部318は、飛行体2の飛行位置と、飛行空域情報記憶部322に記憶されている空域情報とに基づいて、飛行体2の飛行状態を制御する飛行状態制御情報を、飛行状態制御部214に対して送信する。その一例として、第1の実施形態における飛行状態制御部214が制御する飛行状態制御情報は、制御状態を切り換えるか否かを示す設定情報であることを例示した。
【0133】
これに代えて、変形例における飛行状態制御部214が制御する飛行状態制御情報は、飛行状態制御部214が実行する制御プログラムを含む情報であってもよい。飛行状態制御部214は、更新される、或いは追加される制御プログラムにより、更新される前或いは追加される前の制御プログラムによる処理と異なる処理を実施する。
以上に説明した、第1の実施形態の変形例によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏するものに加え、状態に応じたきめ細やかな制御を実施することが可能なる。
【0134】
(第2の実施形態)
第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の飛行体2は、第1記憶部22に飛行体情報記憶部221を設けずに構成する。また、飛行許可空域設定装置3は、記憶部32に飛行体機種情報記憶部321を設けずに構成する。上記のように機種情報記憶部を設けない場合には、飛行許可空域設定装置3は、飛行体2の個体を識別したり、飛行体2の機種を特定したりすることなく、飛行体2の飛行許可空域を設定する。
【0135】
上記のとおり、飛行許可空域設定装置3が飛行体機種情報記憶部321を備えていなくとも、利用者端末4から必要な情報を送信するなどの方法で、空域情報(飛行許可空域)の設定は可能である。上記の場合、飛行許可空域設定システム1は、利用者等が、機種情報によらずに空域情報を直接登録する形態をとる。このように、空域情報を機体や機種に関係なく設定できる場合であれば、飛行許可空域設定システム1は、飛行体2の機体や機種に制限されることなく、利用者端末4が要求する空域を、設定対象の飛行体2に設定できる。
以上に説明した、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏するものに加え、飛行体2の設定処理を、より簡素化することができる。
【0136】
(第3の実施形態)
第3の実施形態について説明する。第1の実施形態の飛行許可空域設定システム1は、飛行体制御装置20を含む飛行体2と、飛行許可空域設定装置3と、利用者端末4とを含むものとして説明したが、これに限定されない。第3の実施形態の飛行許可空域設定システム1では、これに代えて、飛行許可空域設定装置3が利用者端末4の機能を有していてもよく、或いはその逆であってもよい。
以上に説明した、第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏するものに加え、飛行許可空域設定装置3と利用者端末4を1台の装置にすることが可能なる。
【0137】
(第4の実施形態)
第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、第1の実施形態に比べ、飛行許可空域設定装置3と利用者端末4が実施する処理が異なる。以下、この点について説明する。
【0138】
飛行許可空域設定装置3は、利用者端末4から取得した情報と予め定められた規則に基づいて、飛行体2に飛行を許可する空域を決定する。例えば、飛行体2に飛行を許可する空域を決定する処理については、前述の図8の処理を参照する。飛行許可空域設定装置3は、飛行体2に飛行を許可する空域を決定した後、飛行を許可した空域を示す情報を含むアプリケーションプログラムを生成し、ダウンロード可能にして記憶部32に格納する。上記のアプリケーションプログラムは、利用者端末4の制御部41が実行し、飛行体2を制御するためのプログラムである。
【0139】
利用者端末4は、飛行許可空域設定装置3から上記のアプリケーションプログラムをダウンロードし、第1記憶部42に格納する。例えば、利用者は、飛行体2を実際に飛行させる際に、利用者端末4のアプリケーションプログラムを起動させる。制御部41によるアプリケーションプログラムの実行により、利用者端末4は、飛行体2を操縦する利用者の操作を受け付ける。また、利用者端末4は、飛行体2を操縦する指示が、許可を受けた飛行計画の時間や位置に対応する指示であるか検証する。さらに、利用者端末4は、飛行体2が許可された飛行体であるかを検証する。このように飛行体2を飛行させる際には、利用者端末4は、その飛行が飛行計画で許可された飛行であるかを単独で判定し、飛行許可空域設定装置3を介して中継することなく飛行体2と通信して飛行体2の飛行を制御する。この場合、利用者端末4と飛行体2は、通信網5と無線基地局6とを介して通信する。
【0140】
利用者端末4は、飛行体2を飛行させている間に、その飛行体2の位置を捕捉し続ける。例えば、飛行体2が飛行許可空域の範囲から外れて、予定の飛行計画ルートから乖離した場合には、利用者端末4は、アプリケーションプログラムの処理により、利用者の操作より優先して飛行体2の飛行を制御する。例えば、利用者の操作より優先して飛行体2の飛行を制御する処理として、利用者端末4は、飛行体2の位置を補正して飛行ルートを強制的に修正したり、禁止空域を飛行しないようにその飛行を制限したりしてもよい。
【0141】
以上に説明した、第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏することに加え、利用者端末4に飛行体2を制御する処理を分散することにより、飛行許可空域設定装置3による処理を軽減させるとともに、飛行体2を制御する際の応答性を高めることが可能になる。
【0142】
上記のとおり、飛行体制御装置20は、飛行体2の利用者による遠隔操作を検出した利用者端末4によって生成された制御指令に基づいて制御される。無線基地局6を介して受信する制御情報は、利用者端末4によって生成された制御指令が含まれる。さらに、無線基地局6を介して受信する制御情報として、飛行許可空域設定装置3によって生成された制御指令であって、飛行体2を遠隔から制御するための制御指令が含めてもよい。例えば、このような制御を実施可能にすることで、飛行体2が何らかの理由で、利用者端末4からの制御を受け付けることができなくなった緊急時の対応などに、飛行許可空域設定装置3がその制御を代行してもよい。
【0143】
飛行中に、新たな飛行ルートが設定された場合には、飛行ルートと三次元地図が飛行体2に設定されるとともに、利用者端末4にもそれらが記憶されてもよい。利用者端末4は、飛行ルートと三次元地図を用いてルート案内を行ってもよい。新たなルート設定する場合、目的地までに必要な電力量や目的地までの到達時間が再度計算され、算出結果に基づいて、目的地まで到達可能であるかを判定してもよい。利用者端末4は、目的地まで到達不可であると判断された場合、飛行体2に電力供給できる場所までのルートを案内してもよい。
【0144】
飛行許可空域設定システム1は、第2記憶部23をICカードとして構成するのに代えて、第2記憶部23を回路基板に固定して構成してもよい。しかしながら、このような構成に限られない。飛行許可空域設定システム1は、IMSIに基づいて生成されたデータを、第2記憶部23の識別情報に含めて記憶させてもよい。
また、上記のように構成する場合、第2記憶部23を、第1記憶部22の一部に割り付けて、第2識別情報を記憶させてもよい。
【0145】
以上、本発明の実施形態及びその変形を説明したが、これらの実施形態及びその変形は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態及びその変形は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同時に、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0146】
上述の各装置は内部にコンピュータを有している。そして、上述した各装置の各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータがそのプログラムを実行するようにしてもよい。
【0147】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0148】
本発明は、飛行体制御装置、飛行許可空域設定システム、飛行体制御方法及びプログラムに適用してもよい。
【符号の説明】
【0149】
1…飛行許可空域設定システム
2…飛行体
20…飛行体制御装置
3…飛行許可空域設定装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11