特許第6974657号(P6974657)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6974657
(24)【登録日】2021年11月9日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】生穀粒の強化システムおよびプロセス
(51)【国際特許分類】
   A23L 7/10 20160101AFI20211118BHJP
【FI】
   A23L7/10 A
   A23L7/10 Z
【請求項の数】17
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-530240(P2019-530240)
(86)(22)【出願日】2016年8月17日
(65)【公表番号】特表2019-524161(P2019-524161A)
(43)【公表日】2019年9月5日
(86)【国際出願番号】IB2016054917
(87)【国際公開番号】WO2018033774
(87)【国際公開日】20180222
【審査請求日】2019年8月7日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521335465
【氏名又は名称】フォーティグレインズ プライヴェート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100134636
【弁理士】
【氏名又は名称】金高 寿裕
(72)【発明者】
【氏名】グナワルダナ,マンジュ エス.
(72)【発明者】
【氏名】セネビラトネ,アール.エー.シー.ヘイリー
(72)【発明者】
【氏名】ヘッティアラチチー,アリヤワンサ
【審査官】 佐久 敬
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭36−010681(JP,B1)
【文献】 特公昭39−014479(JP,B1)
【文献】 特公昭33−002828(JP,B1)
【文献】 米国特許第02358250(US,A)
【文献】 特開2010−110240(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 7/10
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生食品穀粒を強化するための穀粒強化システムであって、
各々が生食品穀粒を強化するための少なくとも1つの強化溶液を含む複数の強化タンクと、
前記複数の強化タンクに接続され、均質化強化溶液を生成するために前記複数の強化タンクから少なくとも1つの強化溶液を受け取るように構成されるホモジナイザと、
前記ホモジナイザに接続された強化反応器と、
一端が前記強化反応器に接続され、他端が前記ホモジナイザに接続され、残りの強化溶液を収集し、貯蔵し、前記強化反応器から前記ホモジナイザに再循環するように構成される強化溶液収集タンクと、
を備え、
前記強化反応器は、
前記ホモジナイザから前記均質化強化溶液を受け取り、
所定量の生食品穀粒を受け取り、
予め設定された脱気条件で前記生食品穀粒を脱気し、脱気された前記生食品穀粒に前記均質化強化溶液を所定の制御された周囲吸着条件で吸着させることで、前記均質化強化溶液を前記生食品穀粒と反応させ、強化穀粒を製造するように適合され、
前記均質化強化溶液は、直径5ナノメートル(nm)未満の分子サイズを有し、
前記吸着させることは、
直径2ナノメートル(nm)未満の強化分子を含有する第1の均質化強化溶液によって、脱気された前記生食品穀粒の微細孔を充填すること、および、
直径2〜5nmの強化分子を含有する第2の均質化強化溶液によって、前記生食品穀粒のメソ孔を充填することを、この順で行うことである
穀粒強化システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの強化溶液が、ビタミン強化溶液、微量栄養素強化溶液、多量栄養素強化溶液、生物活性機能性化合物溶液、タンパク質強化溶液、及び/又は、ファイトケミカル強化溶液からなる群から選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
脱気が真空中で行われる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
脱気が0.1〜0.99バール(絶対圧)の間で行われる、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記予め規定された制御された周囲脱気条件での脱気は、20分間55℃未満の温度まで前記装填された生食品穀粒を加熱することによって実行される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
脱気された前記生食品穀粒に前記の均質化強化溶液を所定の制御された周囲吸着条件で吸着させることは、穀粒の糊化温度より低い温度で360分までの間、予熱した強化溶液を前記強化反応器に添加することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記浸漬された食品穀粒は、20分まで90℃〜100℃の間の温度で蒸気調理される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記生食品穀粒は、前記生食品穀粒を洗浄および乾燥させることによって前処理し、湿気基準で約13%の湿気レベルを維持する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記食品穀粒が米である、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
生の穀粒を強化反応器に供給するステップと、
前記強化反応器を予め設定された脱気条件に晒すことによって前記生食品穀粒を脱気するステップと、
前記強化反応器に、生食品穀粒を強化するための均質化強化溶液を加えるステップと、
前記脱気された生食品穀粒を吸着プロセスにかけて強化食品穀粒を製造するステップであって、前記吸着プロセスが、所定の制御された周囲吸着条件下で強化反応器内の前記脱気された生食品穀粒による前記均質化強化溶液の吸着を含む、前記強化食品穀粒を製造するステップと、
前記強化反応器から前記強化された食品穀粒を抽出するステップと、
を含み、
前記均質化強化溶液は、直径5ナノメートル(nm)未満の分子サイズを有し、
前記吸着は、
直径2ナノメートル(nm)未満の強化分子を含有する第1の均質化強化溶液によって、脱気された前記生食品穀粒の微細孔を充填すること、および、
直径2〜5nmの強化分子を含有する第2の均質化強化溶液によって、前記生食品穀粒のメソ孔を充填することを、この順で行う、穀粒強化プロセス。
【請求項11】
前記食品穀粒が米である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
脱気が真空中で行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
脱気が0.1〜0.99バール(絶対圧)の間で行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記予め規定された制御された周囲脱気条件での脱気は、20分間55℃未満の温度まで前記装填された生食品穀粒を加熱することによって実行される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
所定の制御された周囲吸着条件下で強化反応器内の前記脱気された生食品穀粒に前記均質化強化溶液を吸着させることは、穀粒の糊化温度より低い温度で360分までの間、予熱強化溶液を前記強化反応器に添加することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記浸漬された食品穀粒は、20分まで90℃〜100℃の間の温度で蒸気調理される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの強化溶液が、ビタミン強化溶液、微量栄養素強化溶液、多量栄養素強化溶液、生物活性機能性化合物溶液、タンパク質強化溶液、及び/又は、ファイトケミカル強化溶液からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀粒強化システムおよび方法に関する。より具体的には、本発明は、生食品穀粒の強化に役立つ様々な制御された周囲環境条件と共に新規の強化技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
多くの栄養不足が、特に世界中の発展途上国において、多くの人々の間で深刻であると報告されている。そのように深刻である条件の1つは、「隠れた飢餓」と呼ばれてきた、鉄、亜鉛、セレン、葉酸、ビタミン、アミノ酸などの必須ビタミンやミネラルの微量栄養素の欠乏である。それらの中で最も一般的な微量栄養素は鉄、亜鉛、ヨウ素およびビタミンAである。したがって、これらの欠乏を排除する最善の方法は頻繁に消費される食品の栄養価を改善することである。この必要性に対処するために、食品強化はかなり以前から行われてきた。
【0003】
栄養不足を減らすために、上記のミネラルおよびビタミンを穀粒および他の食品に添加するプロセスは、強化と呼ばれる。穀粒強化に通常使用される栄養素は、病気を予防し、免疫システムを強化し、そして生産性と認知発達を改善する。実際には、微量栄養素強化のための食品の選択は、一連の技術的および規制上の要因によって左右される。穀粒、油、乳製品、飲料、ならびに塩、ソース(例えば、醤油)および砂糖などの様々な調味料を含む食品は、必須の大量強化に特によく適している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
世界中の人々によって、特にアジア大陸およびアフリカ大陸で米が消費されることを見て、米を強化するための様々な方法が開発されてきた。熱間押出し、冷間押出し、コーティングおよびダスティングは、現在米で強化されている強化方法であるが、それらはいくつかの欠点を有し、そしてそれらは世界中の人々の間であまり普及していない。炊く前にご飯を洗うため、消費時には期待どおりには利用できない。このことが、これらの方法を大規模に使用しない理由の1つである。また、強化時にはそれらに変色の問題があり、それが消費者の容認できないものとなる。その上、従来の強化プロセスで使用されているワックスやガムのような結合化学物質に不必要なコストが費やされなければならず、それも製造コストを引き上げる。
【0005】
強化押出ペレット(米粒)は好ましい技術の1つであるが、それは貯蔵中に不安定であり、より高いコストおよびより低い消費者の許容性を有することが示されている。この方法による強化の最も不満足な特徴は、場合によっては100分の1または200分の1などの比率で混合した場合に、天然の穀粒の間での均等な分配を保証できないことである。さらに、それは、資本コスト、さらに製造のランニングコストが高い押出機、スチーマおよび乾燥機を必要とするので高価である。
【0006】
したがって、上述の不利益を克服し、操作が容易で、かつ穀粒を強化するための費用効果的な方法を提供するシステムおよび方法が大いに必要とされている。
【0007】
したがって、本発明の態様は、生の食品穀粒(生食品穀粒)、特に米の強化方法を提供する穀粒強化システムおよびプロセスに関する。このシステムおよび方法は、費用効果が高く、かつ高品質の強化穀粒を提供することによって既存の問題を克服する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様では、穀粒強化システムが開示される。このシステムは、各々が少なくとも1つの強化溶液を含む複数の強化タンクを有する。このシステムは、均質化強化溶液(均質化された強化溶液)を製造するために複数の強化タンクから強化溶液を受け取るのに適したホモジナイザを有する。
【0009】
一実施形態では、生成された均質化強化溶液は、強化反応器に所定量で移送される。当該所定量は強化される生食品穀粒の種類に依存する。強化反応器は、予め設定された脱気条件下で運転され、続いて予め規定された制御された周囲吸着条件で運転されて、強化穀粒が製造される。
【0010】
より具体的には、反応器は、ホモジナイザから所定量の均質化強化溶液を受け取り、所定量の生食品穀粒を受け取り、そして当該均質化強化溶液および当該食品穀粒によって物理化学反応により強化穀粒を製造させるように、適合される。強化は、穀粒構造内の強化剤の加速された移動を促進するために、予め設定された脱気条件で生食品穀粒を脱気すること、および、制御された周囲環境条件下で強化穀粒を製造するために、脱気された生食品穀粒上に均質化強化溶液を吸着させることによって、行われる。
【0011】
一実施形態では、所定の制御された周囲脱気条件での脱気は、装填された生食物穀粒を40〜50℃の温度に約10〜20分間加熱することによって行われる。別の実施形態では、脱気は55℃未満の温度で行われる。一実施形態では、脱気は真空条件下で行われ、特に、強化反応器内で0.1バール(絶対圧)から0.99バール(絶対圧)の真空が作り出される。
【0012】
一実施形態では、所定の制御された周囲吸着条件で脱気された生食品穀粒に均質化強化溶液を吸着させることは、強化反応器の温度を室温から穀粒の糊化温度よりわずかに低い温度までの間の温度に維持しながら、予熱した強化溶液を約55℃〜66℃で反応器に加えること、および、360分までの任意の範囲内の期間、生食品穀粒を強化反応器内に浸すことを含む。
【0013】
本発明の別の態様では、生食品穀粒を、直径2ナノメートル(nm)未満の分子サイズの均質化強化溶液で強化する。より具体的には、直径2nm未満の分子サイズの均質化強化溶液が生食品穀粒の微細孔を充填する。別の実施形態では、直径2〜5nmの分子サイズの均質化強化溶液は、生食品穀粒のメソ孔を充填する。
【0014】
本発明のさらに別の態様では、強化反応器に生食品穀粒を装填し、最初に2nm未満の分子サイズの均質化強化溶液を供給し、続いて直径2〜5nmの分子サイズの均質化強化溶液を供給する。それによって、強化剤を含む穀粒の装填を確実に最大化する。
【0015】
本発明の別の態様では、そのようにして強化された食品穀粒を次に抽出し、乾燥させ、強化反応器内に残っている強化溶液があれば、強化溶液収集タンクに移す。強化溶液収集タンクは、この残りの強化溶液を再利用のためにホモジナイザに戻す。これによりシステムの効率が向上する。
【0016】
本発明の様々な実施形態では、穀粒強化プロセスが開示されている。このプロセスは、強化反応器に生の食品穀粒を入れることから始まる。さらに、穀粒強化プロセスは、強化反応器を予め設定された脱気条件にさらすことによって生食品穀粒を脱気することを含む。一実施形態では、所定の制御された雰囲気脱気条件での脱気は、装填された生の食物穀粒を40〜50℃の温度に約10〜20分間加熱することによって行われる。一実施形態では、脱気は真空条件下で行われ、特に、強化反応器内で0.1バール(絶対圧)から0.99バール(絶対圧)の真空が作り出される。
【0017】
次いで、強化反応器中に均質化した強化溶液を添加して、強化剤を脱気穀粒に吸着させることができる。
【0018】
所定の制御された周囲吸着条件で脱気済み生食品穀粒上に均質化強化溶液を吸着させる方法は、反応器温度を室温から穀粒の糊化温度よりわずかに低い温度までの間の温度に維持しながら、約55℃〜66℃に予熱した強化溶液を加えることを含む。このプロセスはさらに、約360分までの任意の時間にわたって強化反応器内に米を浸すことを含む。
【0019】
本発明の一実施形態では、吸着中の穀粒強化方法は、粒径2nm未満の分子サイズの均質化強化溶液で穀粒の微細孔を充填し、続いて直径2〜5nmの分子サイズの均質化強化溶液で穀粒のメソ孔を充填する。それによって、強化剤を含む穀粒の装填を確実に最大化する。
【0020】
本発明の別の実施形態では、強化反応器に添加される均質化強化溶液は、強化される生食品穀粒の種類に依存する。
【0021】
したがって、本発明は、強化穀粒の製造コストがより低いシステムおよび穀粒強化プロセスを提供する。
【0022】
本発明の目的は、洗浄時にそれらの栄養価(強化剤)の有意な量を失うことのない強化穀粒を提供することである。
【0023】
本発明のさらなる目的は、品質の面で既存の方法によって製造されたものよりも良い強化穀粒を製造するために、穀粒の微細孔を充填し、続いて穀粒のメソ孔を充填する穀粒強化システムおよび方法を提供することである。
【0024】
本発明のさらに別の目的は、温度特定の強化剤で穀粒を強化すること、すなわち均質化された強化剤の吸着を70℃未満の温度で行うことである。
【0025】
本発明の別の目的は、従来の調理方法によって調理することができる強化穀粒を提供することである。
【0026】
パーボイルド米を製造するときに、強化剤を吸着し、外側の糊化層で封止された強化穀粒を提供することも目的である。
【0027】
本開示を特徴付ける新規性の様々な特徴と共に本発明の他の態様と一緒にこれは添付の特許請求の範囲において詳細に指摘されそして本発明の一部を形成する。本開示、その動作上の利点、およびその使用によって達成される特定の目的をよりよく理解するために、本発明の例示的実施形態が示されている添付の説明事項を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明の利点および特徴は、添付の図面と共に以下の詳細な説明を参照することによってよりよく理解されるようになるであろう。
図1図1は、本発明の様々な実施形態による、生穀粒強化システムを表す例示的なブロック図を示す。
図2図2は、本発明の様々な実施形態による、強化穀粒を製造するための例示的な方法を図示する。
図3図3は、本発明の様々な実施形態による、穀粒の孔およびその強化を示す例示的な図を示す。
図4図4は、本発明の種々の実施形態による、均質化強化溶液によって穀粒のミクロ孔およびメソ孔を充填することを含む例示的な方法を図示する。
図5図5は、本発明による食品穀粒(米)を強化するための方法およびシステムの有効性を説明する図である。
図5a図5aは、本発明による食品穀粒(米)を強化するための方法およびシステムの有効性を説明する図である。
図5b図5bは、本発明による食品穀粒(米)を強化するための方法およびシステムの有効性を説明する図である。
図6図6は、本発明による食品穀粒(米)を強化するための方法およびシステムの有効性を説明する図である。
図7図7は、本発明による食品穀粒(米)を強化するための方法およびシステムの有効性を説明する図である。
図8図8は、本発明による食品穀粒(米)を強化するための方法およびシステムの有効性を説明する図である。 図面のいくつかの図の説明を通して、同じ参照番号は同じ部分を指す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
例示の目的で本明細書に詳細に記載されている例示的な実施形態は、多くの変形を受ける。しかしながら、本発明は開示された穀粒強化システムおよび方法に限定されないことを強調すべきである。状況が示唆または好都合になる可能性があるので、等価物の様々な省略および置換が企図されるが、これらは本発明の精神または範囲から逸脱することなく用途または実施を網羅することを意図している。
【0030】
特に明記しない限り、明細書および特許請求の範囲で使用される用語は、穀粒強化システムおよびそれに含まれる方法の分野で一般に使用される意味を有する。具体的には、以下の用語は以下に示す意味を有する。
【0031】
本明細書における単数形の用語は、量の制限を意味するのではなく、むしろ言及された項目のうちの少なくとも1つの存在を意味する。
【0032】
「有する」、「備える」、「含む」という用語、およびそれらの変形は、構成要素の存在を意味する。
【0033】
「穀粒」という用語は、ここでは限定されないが、米、小麦、ライムギ、マメ科植物、トウモロコシ、米、オート麦、コーンミール、オオムギなどの穀粒を含む。しかしながら、本発明は、上記方法によって強化することができる最も適切な穀粒として米をとることに関して説明されている。
【0034】
「強化溶液」という用語は、必須栄養素、ビタミン、ミネラルなどのうちの少なくとも1つを含む溶液を指す。
【0035】
図1は、穀粒強化システム100を表す例示的なブロック図を示す。システム100は、各々が少なくとも1つの強化溶液を含む複数の強化タンク102を含む。複数の強化タンク102からの強化溶液をホモジナイザ106に流入させて均質化強化溶液を製造する。
【0036】
均質化強化溶液は次に、所定量で強化反応器110に供給される。一実施形態では、均質化強化溶液は、強化される生食品穀粒の種類に依存する。例示的な実施形態では、均質化強化溶液に対する生食品穀粒の比率は、1:1から1:2の範囲内である。
【0037】
強化反応器110は、穀粒分配ユニット108から生食品穀粒を受け取るようになっている。前記強化反応器は、所定の脱気および所定の制御された周囲吸収条件下で作動して強化穀粒を製造する。この処理については、本明細書の後半で詳細に説明する。
【0038】
システム100はさらに、強化米が製造された後に強化反応器から残りの強化溶液を収集するための強化溶液収集タンク114を含む。強化溶液収集タンク114は、この残りの強化溶液を再利用のためにホモジナイザ106に輸送するように適合されている。これにより、システム100は高効率を達成することができる。
【0039】
本発明の一実施形態では、F1、F2、F3……Fnで表される強化タンク102はそれぞれ、少なくとも1つの固有の強化溶液を含む。強化溶液は、ビタミン強化溶液、微量栄養素強化溶液、多量栄養素強化溶液、生物活性機能性化合物溶液、審美的側面を有する他の関連分子(色、風味および香り)、タンパク質強化溶液、及び/又は、ファイトケミカル強化溶液からなる群から選択される。
【0040】
一実施態様では、強化タンク102はそれぞれ、異なる濃度の2つ以上の強化溶液を含む。たとえば、F1とF2には「鉄」と「ビタミンB」のみが含まれているが、F3には「鉄」と「ビタミンB」の両方が異なる濃度で含まれている。
【0041】
本発明の一態様では、それぞれの強化タンク102に接続された弁104a、104b、104c…104nは、その中に存在する強化溶液の流れを制御するようになっている。一実施形態では、ホモジナイザ106内の強化溶液の濃度は、F1、F2、F3……Fnで表されるそれぞれの強化タンク102に対する弁104a、104b、104c…104nによって制御される。
【0042】
本発明のいくつかの態様では、強化溶液の濃度は、穀粒の種類に基づいて、弁104a、104b、104c…104nによって制御される。例えば、米穀粒は鉄であるF1に存在する強化溶液のみを提供され、または米穀粒は鉄とビタミンBの両方がF2に存在する強化溶液を提供される。従ってそれぞれのタンクに接続された弁は、穀粒の種類に応じた強化溶液を放出する。
【0043】
本発明の一実施形態では、強化反応器110は、穀粒分配ユニット108から穀粒を受け取る。穀粒分配ユニット108は、強化されるべき穀粒を貯蔵する。例示的な実施形態では、洗浄された米は穀粒分配ユニット108に保管される。例えば、米などの穀粒は、従来の洗浄方法を使用して予備洗浄される。一実施形態では、米の水分は、水分レベルが特定の限界未満、例えば、湿気ベースで13〜15%の水分範囲であることを保証するために厳密に試験されてもよい。水分レベルがこの値を超える場合、米は、ブロー乾燥などの従来の工学的方法によって乾燥させることができる。
【0044】
穀粒分配ユニットからの穀粒は強化反応器110に供給され、次いで脱気される。脱気のプロセスは、食物穀粒内に、強化剤を混合するのに必要となる十分な細孔空間を作り出す。この目的のために、加圧ポンプ112を使用して、穀粒が供給された強化反応器110内に負圧を発生させる。一実施形態では、所定の制御周囲脱気条件での脱気は、前記強化反応器内の圧力を約0.1バール(絶対圧)から0.99バール(絶対圧)に維持しながら、40〜50℃の温度で約10から20分間、装填された生食品穀粒(米)を加熱することによって行われる。
【0045】
一実施形態において、強化反応器110は、脱気プロセスを加速するために加熱される。温度(加熱および/または冷却)は、PIDコントローラなどの温度コントローラ112aによって制御される。脱気が完了すると、ホモジナイザ106で形成された均質化強化溶液は、脱気された穀粒を含む強化反応器110に供給される。例示的な実施形態では、均質化強化溶液に対する生食品穀粒の比率は、1:1から1:2の範囲内である。溶液は、反応器110に導入される前に別々に予熱してもよい。
【0046】
ホモジナイザ106から均質化強化溶液が強化反応器110に供給される本発明の別の実施形態では、蒸気供給もまたオンにされる。蒸気供給の流れは、強化反応器110内に存在する温度および圧力センサ(図示せず)からのフィードバックの助けを借りて制御される。
【0047】
例示的な実施形態では、強化反応器110内に配置された温度センサは、蒸気供給が、選択された穀粒および強化剤に対して事前に設定された最大温度を超えないように調整されることを保証する。さらに、システム100はまた、センサ間の温度差が穀粒に応じて予め設定されたレベルに維持されることを保証する。
【0048】
別の例示的な実施形態では、強化反応器110内に接続された圧力センサは蒸気流を制御し、それによって、強化反応器110内の圧力が、強化反応器110に流れ込む蒸気を制御することによって1.0から3.0バール(絶対圧)の範囲内で選択される設定点に維持されることを保証する。
【0049】
本発明の例示的実施形態では、脱気穀粒と均質化強化溶液との混合物は、反応器の中心部において360分までの間いつでも穀粒の糊化温度未満の温度下に保たれる。これは、穀粒の表面上への強化溶液の吸着をもたらし得る。より具体的には、脱気された米は、使用される強化剤の種類に応じて、均質化強化溶液を用いて550℃〜650℃の温度で360分までの任意の期間にわたって保持される。
【0050】
本発明の一実施形態では、強化反応器110は強化穀粒を製造する。一実施態様では、強化穀粒と共に、残りの強化液も製造される。
【0051】
さらに別の実施形態では、製造された強化穀粒は強化反応器110から抽出され、乾燥および粉砕室116に移送される。乾燥および粉砕室116は、別々に配置された乾燥ユニット116aおよび粉砕ユニット116bを含む。乾燥ユニット116aは、強化穀粒からいかなる水分の残留物をも蒸発させるようになっており、したがって生食品穀粒内に固形強化剤を残すようになっている。その後、強化され乾燥された生食品穀粒は、粉砕ユニット116bを通過し、そして最後に栄養価の高い強化された食品穀粒が得られる。
【0052】
本発明の一実施形態では、残った強化溶液は強化溶液収集タンク114に収集される。強化溶液収集タンク114は、均質化強化溶液をホモジナイザ106から収集し、貯蔵し、かつ/または再循環するように構成される。
【0053】
例示的な実施形態では、強化溶液収集タンク114は、ホモジナイザ106が残りの強化剤溶液と同じ要求品質で均質化強化溶液を生成するのに必要とされるまで、残りの強化剤溶液を貯蔵する。この再循環は、プロセスおよびシステム100の全体効率を高める。
【0054】
さらに、強化された生食品穀粒の回収後、食品穀粒は、約90〜100℃で約3〜20分間蒸気調理することができる。分離された生食品穀粒は、6〜18時間乾燥させ、次いで当該技術分野で知られている手順に従って粉砕し、磨くことができる。
【0055】
本発明の新規な方法は図2に要約されている。図2に示されるように、例示的な穀粒強化プロセス200はステップ210から始まる。このステップ210において、生食品穀粒が強化反応器に供給される。例えば、米はステップ210の間に強化反応器に供給される。米は強化反応器を投棄する前に前処理されてもよい。
【0056】
次のステップ220は、所定の脱気条件下で生食品穀粒を脱気することを含む。脱気条件は、米を脱気するために強化反応器の内部に作り出されるべき0.1〜0.99バール(絶対圧)の範囲内の負圧、および60分までの間50℃までの温度を加えることを含む。一実施形態では、制御される周囲脱気条件は、脱気プロセスをスピードアップするために強化反応器の内側に作り出される55℃以下(米用)の温度をさらに含む。
【0057】
ステップ230において、このプロセスは、均質化強化溶液をホモジナイザに供給して均質化強化溶液を生成することを含む。必要ならば、強化溶液を予熱してもよい。
【0058】
ステップ240において、このプロセスは、強化されることが必要とされる食品穀粒の種類に基づく所定の量で、生成された均質化強化溶液を強化反応器内に供給することを含む。
【0059】
プロセス200では、続いてステップ250において、強化反応器内の脱気穀粒は、ホモジナイザから食品穀粒に供給された均質化強化溶液を吸着して強化穀粒を形成する。一態様では、強化反応器は、制御された吸収メカニズムを実行するために、制御された周囲吸収条件下で処理される。一実施形態では、所定の制御された周囲吸着条件で脱気済み生食品穀粒上に均質化強化溶液を吸着することは、強化反応器内で0.1〜0.99バール(絶対圧)の真空を作り出すこと、および、360分までの間の任意の時間で穀粒の糊化温度より低い温度で、予熱された強化溶液を強化反応器に加えることを含む。
【0060】
本発明の別の実施形態では、均質化した強化溶液をホモジナイザから強化反応器に供給した後のステップ260において、蒸気供給もまたオンにする。蒸気供給の流れは、強化反応器内に存在する温度および圧力センサからのフィードバックの助けを借りて制御される。蒸気は反応器の温度を維持するために使用される。
【0061】
例示的な実施形態では、強化反応器内に配置された温度センサは、蒸気供給が、選択された穀粒および強化剤に対して事前に設定された最大温度を超えないように調整されることを保証する。さらに、システムはまた、センサ間の温度差が穀粒に応じて予め設定されたレベルに維持されることを保証する。
【0062】
別の例示的な実施形態では、強化反応器内に接続された圧力センサは蒸気供給を制御し、それによって強化反応器内の圧力が、強化反応器に流れ込む蒸気を制御することによって1.0〜3.0バール(絶対圧)の範囲内の選択された設定点に維持されることを保証する。
【0063】
本発明の様々な実施形態では、ステップ250の制御された周囲吸着機構は、最初に穀粒の微細孔が直径2nm未満の分子サイズの均質化強化溶液を吸着することを含む。さらに、制御された周囲吸収メカニズムは、穀粒のメソ孔が直径2〜5nmの分子サイズの均質化強化溶液を吸着することを含む。
【0064】
本発明の例示的実施形態では、直径2nm未満の分子サイズの均質化強化溶液が穀粒によって吸着され、続いて直径2〜5nmの分子サイズの均質化強化溶液が吸着される。これを適用することによって、方法200は、穀粒の微細孔がメソ孔よりも前に充填されることを保証する。これは、直径2〜5nmの分子サイズの均質化強化溶液の吸着は、直径2nmより小さい分子サイズの均質化強化溶液の経路を遮断し得るためである。
【0065】
例えば、生食品穀粒として米を考慮した場合、まず脱気した米を鉄と亜鉛を含むミネラル強化溶液で処理し、後に米をビタミンA、B1、B3、B6、B12、葉酸塩などのビタミンで処理する。別の観点では、米は最初にミネラルおよびビタミンで処理された後、香味を加えるためにシナモン、ローズマリーなどのファイトケミカル(植物性化学物質)で処理される。
【0066】
前の工程からの強化穀粒は工程270で抽出されそして乾燥される。方法200はその後終了する。例えば、強化された生食品穀粒を回収した後、食品穀粒を約90〜100℃で20分までの期間、蒸気調理してもよい。分離された生食品穀粒は、24時間まで乾燥させてもよく、その後、当技術分野で知られている手順に従って粉砕し、磨いてもよい。
【0067】
本発明の一実施の形態では、強化反応器は、残った強化溶液と共に強化穀粒を製造する。残りの強化溶液は強化反応器から抽出され、再利用のためにホモジナイザに戻される。
【0068】
本発明の一態様によれば、図3は、穀粒300の細孔および当該穀粒に対する強化、制御された周囲吸収下での吸着プロセスの例示的な図を示す。穀粒300は、微細孔(直径2nm未満)およびメソ孔(直径2〜5nm)を有する。図3に示されるような穀粒300の分子302の構造は、内部の細孔を描写する。
【0069】
本発明の一実施形態によれば、均質化強化溶液−1は、直径が2nm未満の分子サイズを有する。均質化強化溶液−1は、限定されるものではないが、ミネラル強化溶液を含む。ミネラル強化溶液は、限定されるものではないが、鉄、亜鉛、塩化物、カルシウム、リン、マグネシウム、マンガン、モリブデン、フッ化物、ヨウ素、セレン、銅などを含む。均質化強化溶液−1は、穀粒300の微細孔によって吸着される。他の実施形態では、均質化強化溶液−2は、直径2〜5nmの分子サイズを有する。均質化強化溶液−2は、限定されるものではないが、ビタミン強化溶液を含む。ビタミン強化溶液は、限定されるものではないが、ビタミンA、B1、B2、B3、B5、B6、B12、D、E、K、コリン、葉酸塩等を含む。均質化強化溶液−2は、穀粒300のメソ孔に吸着される。
【0070】
さらに別の実施形態によれば、均質化強化溶液−1を均質化強化溶液−2より前に吸着させる。これにより、より大きな分子サイズの均質化強化溶液−2が、より小さな分子サイズの均質化強化溶液−1の経路を遮断することを防止する。
【0071】
本発明の別の実施形態によれば、図4は、制御された周囲吸収条件下で、穀粒のミクロ孔およびメソ孔を充填することによって均質化強化溶液を吸着する例示的なプロセス250を示す。このプロセス250は、図2のステップ250の例示的な詳細説明である。
【0072】
本発明の一実施形態では、穀粒はその分子構造中にミクロ孔とともにメソ孔を有する。したがって、穀粒を強化するためのより効果的な方法は、穀粒のミクロ孔およびメソ孔を満たすことができる均質化強化溶液で穀粒を強化することである。
【0073】
方法250のステップ252において、低分子サイズの均質化強化溶液は、穀粒の微細孔(<2nm)によって吸着される。低分子サイズの均質化強化溶液は、鉄、亜鉛、塩化物、カルシウム、リン、マグネシウム、マンガン、モリブデン、フッ化物、ヨウ素、セレン、銅などの無機強化溶液を含むが、これらに限定されない。
【0074】
ステップ254において、より大きい分子サイズの均質化強化溶液は、穀粒のメソ孔(2〜5nm)によって吸着される。より大きい分子サイズの均質化強化溶液は、ビタミンA、B1、B2、B3、B5、B6、B12、D、E、K、コリン、葉酸塩などのビタミン強化溶液を含むが、これらに限定されない。
【0075】
別の実施形態によれば、より小さい分子サイズの均質化強化溶液は、より大きい分子サイズの均質化強化溶液より前に吸着される。
【0076】
一実施形態に従って、より低い分子サイズの均質化強化溶液は、より大きな分子サイズの均質化強化溶液より前に強化反応器に供給される。
【0077】
本発明の別の実施形態によると、植物化学強化溶液は、風味を加えるために穀粒と共に強化反応器に供給される。ファイトケミカル強化溶液は、限定するものではないが、インドール、リコピン、シリビニン、エラグ酸、フラボノイド、フタリド、スルフォラファン、グルコシノレート、イソチオシアネート、チオシアン酸塩、チオール、グリチルリチン、ポリアセチレン、ギンゲロール、フラボノイド、モノテルペン、カロテノイド、モノテルペン、硫化アリル、クルクミン、シンナムアルデヒド、カテキン、ロスマリン酸、クメスタン、レスベラトロール、リグナン、フィチン酸、サポニンなどを含む要素を備える。
【0078】
例示的な実施形態として、このシステムおよび穀粒強化プロセスは、生食品穀粒としての米に関して開示されている。多くの既存の強化プロセスは米の強化方法を開示している。既存の方法は強化の目的を達成しているが、欠かせないのは、穀粒の溶解または分解のために米粒が貴重な物質を周囲に失うという事実である。したがって、米の当該処理は、穀粒(すなわち米)の粒に害を与えることなく強化された穀粒をもたらすであろう。
【0079】
図5に示すように、食品穀粒を強化するための強化剤の例示的なリストが示されている。図5aは、本発明の方法において使用されるサンプル強化溶液中の様々な強化剤の濃度を示す。
【0080】
図5bは、人間が消費するために強化米中の世界食糧計画(WFP)が推奨する微量栄養素レベルを示す。これが本発明の方法により達成されるべき目標組成物である。
【0081】
図6は、洗浄前後の本発明により製造された強化米の鉄および亜鉛の含有量の濃度を示す。これは、製造された強化米が洗浄後に強化剤を失うことがないことを示している。
【0082】
図7および8は、開示された本発明の方法によって製造された強化米と比較した、生米(2品種)およびパーボイルド米の中の鉄および亜鉛の含有量の比較を示す。明らかになっているように、そのように製造された米は、生米と放物線米よりも栄養素(ミネラルとビタミン)が高い。
【0083】
したがって、本発明は、実現可能で持続可能で効果的かつ効率的な穀粒強化システムおよび方法である。米粉を強化するために使用されるダスティング(まぶす)およびコーティング(覆う)のような既存の方法と比較して、本発明は、より実用的である。それは、洗浄が、米の調理における一般的な予備的実用方法であり、まぶされ、覆われた強化米の製品では、強化剤の大部分が流されてしまうためである。さらに、本発明は、異なる比率で混合した場合に、天然の穀粒中に均等に強化剤を分配することを保証することができる。
【0084】
さらに、本発明は、脱色の問題なしに強化穀粒を製造する。これとは対照的に、強化剤が洗い流されない押出しのような周知の技術もまた、穀粒強化において最も高価な方法である。
【0085】
さらに、本発明は、穀粒の異なる孔を理解し、その利点を利用する。それによって、現在のシステムおよび方法によって強化剤/栄養剤が穀粒の胚乳に注入され、洗浄/磨耗による損失は非常に低く、これはダスティング(まぶす)およびコーティング(覆う)を含む既存技術に関する大きな課題である。
【0086】
上記の利点とは別に、本発明は、ダスティングおよびコーティングなどの既存の強化プロセスにあるような、穀粒の周囲の異質層を含まない。
【0087】
本発明の特定の実施形態の前述の説明は、説明の目的で提示されている。それらは網羅的であること又は開示された正確な形態に本発明を限定することを意図しない、そして明らかに多くの修正及び変形が上記の教示に照らして可能である。実施形態は、本発明の原理およびその実際の応用を最もよく説明し、それによって当業者が本発明および特定の用途に適した様々な修正を加えた様々な実施形態を最もよく利用できるように選択し説明した。考えている。状況が示唆または好都合になる可能性があるので、等価物の様々な省略および置換が企図されるが、そのような省略および置換は、本発明の主旨または範囲から逸脱することなく用途または実施を網羅することを意図する。
図1
図2
図3
図4
図5
図5a
図5b
図6
図7
図8