(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1記載の絶縁部材は、ターミナル室内に固定されていない。そのため、圧縮機の運転時や輸送時の振動を受けることにより、この絶縁部材はターミナル室内でずれてしまうおそれがある。
【0005】
本開示の目的は、ターミナル室に設けられる絶縁部材がターミナル室内でずれることを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、
電動機(19)と、
該電動機(19)に駆動される圧縮機構(17)と、
前記電動機(19)と前記圧縮機構(17)とを収容するケーシング(11)と、
前記ケーシング(11)の壁面に固定され、前記電動機(19)への給電用の配線が接続されるターミナルロッド(21)を有するターミナル(20)と、
前記ケーシング(11)の外壁面に固定され、第1孔(31a)が形成される底壁(31)と、該底壁(31)の外縁に接続される周壁(32)とを有するターミナルガード(30)と、
前記ターミナルガード(30)の内側に形成されるターミナル室(C)において、前記周壁(32)に沿って位置する側板(41)と、前記ターミナル室(C)の底部に配置される底板(42)とが一体形成される第1弾性部材(40)とを備え、
前記ターミナル(20)は、前記第1孔(31a)を挿通し、前記ターミナル室(C)内に突出する突出部(25)を有し、
前記第1弾性部材(40)の底板(42)は、前記ターミナル(20)の突出部(25)としまりばめの関係で嵌合する嵌合部(43)を有する。
【0007】
第1の態様では、第1弾性部材(40)は、ターミナル室(C)内の底面と側面とを覆っている。第1弾性部材(40)の嵌合部(43)は、ターミナル(20)の突出部(25)としまりばめにより固定される。そのため、圧縮機の運転時や輸送時に生じる振動により、第1弾性部材(40)がターミナル室(C)内でずれることを抑制できる。
【0008】
本開示の第2の態様は、第1の態様において、
前記底板(42)と前記ターミナル室(C)の底面(C1)との間、及び前記ターミナル室(C)の内側面(C2)と前記側板(41)との間に隙間が形成される。
【0009】
第2の態様では、第1弾性部材(40)は、ターミナル室(C)の底面(C1)及び周壁(32)に接触しない。
【0010】
第3の態様は、第1または第2の態様において、
前記ターミナルガード(30)に取り付けられるターミナルカバー(50)をさらに備え、
前記ターミナルカバー(50)は、該ターミナルカバー(50)の第1面(51)を覆うシート状の第2弾性部材(52)を有し、
前記第1面(51)が前記ターミナル(20)に向くように、前記ターミナルカバー(50)が前記ターミナルガード(30)に取り付けられた状態で、前記第1弾性部材(40)の前記側板(41)の縁が前記第2弾性部材(52)に押し付けられる。
【0011】
第3の態様では、ターミナルカバー(50)がターミナルガード(30)に取り付けられた状態において、第2弾性部材(52)により第1弾性部材(40)の縁はターミナル室(C)の底面(C1)に向かって押し付けられる。そのため、突出部(25)の側面に第1弾性部材(40)が強く圧接する。その結果、突出部(25)対する第1弾性部材(40)の締め付けが強くなり、第1弾性部材(40)がターミナル室(C)内においてずれることを抑制できる。
【0012】
本開示の第4の態様は、第3の態様において、
前記第1弾性部材(40)は、前記第2弾性部材(52)よりも低弾性の素材で構成される。
【0013】
第4の態様では、ターミナルカバー(50)がターミナルガード(30)に取り付けられた状態で、第2弾性部材(52)は第1弾性部材(40)の側板(41)の縁により弾性変形する。このことにより、第1弾性部材(40)と第2弾性部材(52)との密着性を向上できる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。なお、以下の説明において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」及び「右」は、特に断りのない限り、図中に記載された方向を意味する。
【0016】
本実施形態の圧縮機(10)は、いわゆるスクロール圧縮機であって、冷凍サイクルを行う冷媒回路(図示せず)に設けられて冷媒を圧縮するものである。冷媒回路には、圧縮機(10)の他に、凝縮器、膨張機構、および蒸発器などが設けられており、圧縮機(10)は、蒸発器から流出した低圧のガス冷媒を吸入して圧縮する。
【0017】
図1〜
図4に示すように、圧縮機(10)は、ケーシング(11)と、圧縮機構(17)と、駆動軸(18)と、電動機(19)と、ターミナル(20)と、ターミナルガード(30)と、ターミナルカバー(50)と、ターミナルパッキン(40)とを備える。
【0018】
ケーシング(11)は、起立した円筒状に形成された圧力容器である。ケーシング(11)は、胴部(12)と、上壁部(26)と、底壁部(27)とによって構成されている。胴部(12)は、上下方向に延びる円筒形に形成される。胴部(12)の外面はケーシング(11)の外壁面に対応する。上壁部(26)は、上方に突出した凸面を有する椀状に形成され、胴部(12)の上端部に気密状に溶接されている。底壁部(27)は、下方に突出した凸面を有する椀状に形成され、胴部(12)の下端部に気密状に溶接されている。
【0019】
ケーシング(11)の上壁部(26)には、冷媒回路の冷媒を圧縮機構(17)へ導入するための吸入管(15)が設けられている。また、胴部(12)には、圧縮機構(17)から吐出されてケーシング(11)内に充満した冷媒をケーシング(11)外に導出するための吐出管(16)が設けられている。
【0020】
電動機(19)は、ケーシング(11)内の上端と下端との中間位置に配置される。電動機(19)は、図示しない固定子及び回転子を有する。固定子は、胴部(12)の内周面に固定されている。固定子の内側には、回転子が設けられている。回転子の内側には、駆動軸(18)が固定されている。
【0021】
駆動軸(18)は、上下方向に延びるようにケーシング(11)内に配置される。駆動軸(18)の上端部は、圧縮機構(17)に接続されている。駆動軸(18)はケーシング(11)内の下部に固定される下部軸受(14)に支持されている。電動機(19)に電力が供給されると、回転子が回転して、駆動軸(18)が回転する。
【0022】
圧縮機構(17)は、ケーシング(11)内の上側に収容されている。圧縮機構(17)は、図示しない固定スクロール及び可動スクロールを有する。可動スクロールには、駆動軸(18)の上端が接続されている。圧縮機構(17)は電動機(19)に駆動される。厳密に、電動機(19)に電力が供給されると、固定スクロールに対して可動スクロールが公転運動する。吸入管(15)から吸入された低圧のガス冷媒が圧縮され、高圧のガス冷媒が吐出される。
【0023】
〈ターミナル〉
図2〜
図4に示すように、ターミナル(20)は、ボディ部(24)と、ターミナルロッド(21)と、絶縁部(23)と、端子板(22)とを有する。ターミナル(20)は、胴部(12)の壁面に固定される。厳密に、胴部(12)の壁面には、胴部(12)の外方に向かって膨出する膨出部(13)が形成される。膨出部(13)の第1頂面(13a)は平坦に形成される。ボディ部(24)は、膨出部(13)の第1頂面(13a)に固定される円柱形の部材である。ボディ部(24)の先端寄りには、第1頂面(13a)から胴部(12)外方に向かって突出する突出部(25)が形成される。ターミナルロッド(21)は、ボディ部(24)の端部に設けられる。絶縁部(23)は、ボディ部(24)とターミナルロッド(21)とを電気的に絶縁するガラス製の部材である。端子板(22)は、ターミナルロッド(21)の先端部に設けられる。端子板(22)は、電動機(19)への給電用の配線が接続される部材である。
【0024】
〈ターミナルガード〉
ターミナルガード(30)は、ターミナル(20)を囲うように胴部(12)の外面に固定される箱状の部材である。厳密に、ターミナルガード(30)は、矩形の底壁(31)と、底壁(31)の外縁に接続される周壁(32)とを有する。ターミナルガード(30)は、
図3の前方に向かって開口する開口部(37)を備える。
【0025】
底壁(31)の後面(裏面)は、胴部(12)の外面に沿うように固定される。底壁(31)の中央寄りには、第1孔(31a)が形成される。第1孔(31a)には、胴部(12)の膨出部(13)が貫通している。
【0026】
周壁(32)は矩形の筒状に形成される。
図3において、周壁(32)の前端である第1端部(32a)は、ターミナルロッド(21)の先端よりも前方に位置する。周壁(32)の上下方向に向かい合う面のうち、下面(33)には接続孔(33a)が形成される。接続孔(33a)は、端子板(22)に接続される配線が挿通する孔である。周壁(32)の左右方向に向かい合う左面(34)及び右面(35)のそれぞれの外面には、取付板(36)が設けられている。取付板(36)は、それぞれの面に2つ(計4つ)配置される。
【0027】
取付板(36)は、矩形の板を折り曲げることによりL字状に形成される。厳密に、取付板(36)は第1板部(36a)及び第2板部(36b)により構成される。第1板部(36a)は、周壁(32)の外面に固定される部分である。第1板部(36a)の前端(上端)が周壁(32)の第1端部(32a)寄りに配置される。第2板部(36b)は、第1板部(36a)の前端(上端)から周壁(32)の外方へ延設される。第2板部(36b)には、後述するターミナルカバー(50)を固定するためのボルト(100)が螺合する第1ボルト孔(36c)が形成されている。
【0028】
このように、ターミナルガード(30)の内側の空間にはターミナル室(C)が形成される。ターミナル室(C)の内側面(C2)は、周壁(32)の内側の面である。ターミナル室(C)の底面は、底壁(31)と膨出部(13)とにより構成される。ターミナル(20)の突出部(25)は、第1孔(31a)を挿通し、ターミナル室(C)内に突出する。
【0029】
〈ターミナルカバー〉
図3及び
図4に示すように、ターミナルカバー(50)は、ターミナルガード(30)の開口部(37)を覆う皿状の部材である。厳密に、ターミナルカバー(50)は、矩形に形成された平板状の平面部(50a)と、平面部(50a)の外縁から後方(裏側)に延びる壁部(50b)とを有する。
【0030】
平面部(50a)には、ボルト(100)が挿通する第2ボルト孔(50c)が4つ形成される。ターミナルカバー(50)がターミナルガード(30)に取り付けられる状態において、第2ボルト孔(50c)は、第1ボルト孔(36c)に対応する位置に形成される。
図3において、平面部(50a)の短辺S1は、開口部(37)の短辺S2よりも長い。
図4において、平面部(50a)の長辺L1は、開口部(37)の長辺L2よりも長い。ここで、長辺L1及び短辺S1は、平面部(50a)の壁部(50b)の厚みを除いた辺の長さである。長辺L2及び短辺S2はそれぞれ、ターミナルガード(30)の上端から下端までの長さ、及びターミナルガード(30)の左端から右端までの長さである。
【0031】
平面部(50a)の後面(裏面)である第1面(51)にはカバーパッキン(52)が固定されている。カバーパッキン(52)は、第2弾性部材に対応する。カバーパッキン(52)は、ゴム製の絶縁部材であって、矩形に形成されたシート状の部材である。
図3に示すように、カバーパッキン(52)の左右方向の辺の長さKは、平面部(50a)の左右方向に向かい合う第2ボルト孔(50c)間の長さよりも短く、開口部(37)の短辺S2よりも長い。
図4に示すように、カバーパッキン(52)は、上下方向において壁部(50b)に嵌合される。
【0032】
図3に示すように、壁部(50b)の内側の前後方向(上下方向)の長さH1は、周壁(32)の第1端部(32a)から第2板部(36b)の板面までの距離H2にカバーパッキン(52)の厚さH3を加えた長さよりも短い。
【0033】
〈ターミナルパッキン〉
ターミナルパッキン(40)は、ターミナル室(C)内に設けられるゴム製の絶縁部材である。ターミナルパッキン(40)は第1弾性部材に対応する。ターミナルパッキン(40)は、カバーパッキン(52)よりも低弾性の素材で構成される。
【0034】
図3及び
図4に示すように、ターミナルパッキン(40)は、ターミナル室(C)の内側面(C2)と底面(C3)とを覆うようにシート状に形成される。厳密に、ターミナルパッキン(40)は、矩形の底板(42)と、底板(42)の外縁から延設される側板(41)とを有する。底板(42)と側板(41)とは一体形成される。
【0035】
底板(42)は、ターミナル室(C)内の底部に配置される。底板(42)の中央よりには、ターミナル室(C)に向かって膨出する嵌合部(43)が形成される。嵌合部(43)は、底板(42)の前方から見て円形に形成される。嵌合部(43)の頂面は、ターミナルロッド(21)により挿通される。嵌合部(43)の後面(背面)に形成される凹部(44)は、突出部(25)としまりばめの関係で嵌合される。言い換えると、底板(42)は、ターミナル(20)の突出部(25)としまりばめの関係で嵌合される。凹部(44)が、突出部(25)に嵌合された状態において、底板(42)と、ターミナル室(C)の底面(C1)との間には隙間Mが形成される。厳密に、隙間Mは、底板(42)と、底壁(31)及び膨出部(13)の第1頂面(13a)との間に形成される空間である。
【0036】
側板(41)は、ターミナル室(C)内において周壁(32)に沿って位置する。側板(41)は、底板(42)の外縁に接続される。嵌合部(43)が突出部(25)に嵌合された状態において、側板(41)の前端である第2端部(41a)は、周壁(32)の第1端部(32a)よりも距離Dだけ後方に位置する。距離Dは、ターミナルガード(30)がターミナルカバー(50)に取り付けられたときに、第2端部(41a)がカバーパッキン(52)に押し付けられる範囲内の距離である。
【0037】
側板(41)の4面のうち、接続孔(33a)が形成される下面(33)に対応する面にはU字状の切り欠き部(45)が形成される。切り欠き部(45)の湾曲部分は、接続孔(33a)の縁に沿うように形成される。底板(42)の嵌合部(43)がターミナル(20)の突出部(25)に嵌合された状態において、側板(41)と周壁(32)との間には隙間Nが形成される。隙間Nは、側板(41)とターミナル室(C)の内側面(C2)との間に形成される空間である。
【0038】
次に、ターミナルガード(30)がターミナルカバー(50)に取り付けられた状態について、
図5及び
図6を参照して説明する。
【0039】
ターミナルカバー(50)がターミナルガード(30)に取り付けられる状態において、ボルトは、第2ボルト孔(50c)を挿通し、該第2ボルト孔(50c)に対応する位置の第1ボルト孔(36c)と羅合締結される。このことによって、ターミナルカバー(50)はターミナルガード(30)に固定される。ボルト(100)の締め付けにより、ターミナルカバーの壁部(50b)の後端(下端)は、取付板(36)の第2板部(36b)の板面に接する。この状態において、カバーパッキン(52)は、周壁(32)の第1端部(32a)と平面部(50a)との間で凹陥するように弾性変形する。
【0040】
ターミナルパッキン(40)の第2端部(41a)は、カバーパッキン(52)により押し付けられる。ターミナルパッキン(40)は、カバーパッキン(52)よりも低弾性であるため、カバーパッキン(52)は、ターミナルパッキン(40)の第2端部(41a)により窪むように変形する。この状態において、ターミナルパッキン(40)とカバーパッキン(52)とは密着している。
【0041】
このように、ターミナルカバー(50)はターミナルガード(30)に固定された状態で、カバーパッキン(52)は、周壁(32)の第1端部(32a)及びターミナルパッキン(40)の第2端部(41a)に密着する。このことにより、ターミナルパッキン(40)とカバーパッキン(52)とが、ケーシング(11)の外部からの水の侵入を抑制するシール材として機能できる。
【0042】
ターミナルパッキン(40)は、第2端部(41a)がカバーパッキン(52)により後方(下方)に押しつけられて固定される。このとき、底板(42)の外縁はターミナル室(C)の底面(C1)に近づく。また、側板(41)は、ターミナル室(C)の内側面(C2)に近づくように撓む。この状態において、底板(42)とターミナル室(C)の底面(C1)、及び側板(41)とターミナル室(C)の内側面(C2)とはそれぞれ接しておらず、隙間M及び隙間Nは形成されたままである。
【0043】
−実施形態の特徴(1)−
本実施形態の圧縮機(10)において、ターミナル(20)は、第1孔(31a)を挿通し、ターミナル室(C)内に突出する突出部(25)を有し、ターミナルパッキン(40)の底板(42)は、ターミナル(20)の突出部(25)としまりばめの関係で嵌合する嵌合部(43)を有する。
【0044】
ここで、従来より、圧縮機のケーシングには、電動機への給電用の配線が接続される端子を備えるターミナルと、該ターミナルを囲むターミナルガードとが設けられる。ターミナルガードの開口部には、ターミナルカバーが取り付けられる。ターミナルに設けられる端子板には電気が流れるため、ターミナルガードの内側に水が侵入して該端子板に接触するとショートする可能性がある。そのため、ターミナルガード及びターミナルカバーには弾性素材で構成される絶縁部材が設けられる。この絶縁部材はシール材としても機能するため、ターミナルガード内に水が浸入することが抑制される。
【0045】
しかし、この絶縁部材は、ターミナルガード内で固定されていない。そのため、圧縮機の運転時や輸送時の振動をうけて、絶縁部材はターミナル室内でずれてしまうおそれがある。
【0046】
これに対し、本実施形態の圧縮機(10)では、絶縁部材であるターミナルパッキン(40)の嵌合部(43)と、ターミナル(20)の突出部(25)とがしまりばめにより固定される。このことにより、圧縮機(10)の運転時や輸送時に生じる振動により、ターミナルパッキン(40)がターミナル室(C)内でずれることを抑制できる。
【0047】
加えて、ターミナル(20)に設けられるターミナルロッド(21)がターミナルパッキン(40)に接触することが抑制される。このことにより、ターミナルロッド(21)がターミナル(20)から緩んでしまうことを抑制できる。
【0048】
加えて、ターミナルパッキン(40)の嵌合部(43)を、ターミナル(20)に取り付けるだけで、ターミナルパッキン(40)をターミナル室(C)内に固定できる。ターミナルパッキン(40)を固定する部品を要さないため、ターミナルパッキン(40)の取付作業を向上できる。
【0049】
−実施形態の特徴(2)−
本実施形態の圧縮機(10)において、ターミナル室(C)の底面(C1)と底板(42)との間、及びターミナル室(C)の内側面(C2)と側板(41)との間に隙間が形成される。
【0050】
この特徴(2)によると、ターミナルパッキン(40)は、ターミナル(20)の突出部(25)のみに固定され、ターミナル室(C)の底面(C1)及び内側面(C2)には接触しない。
【0051】
−実施形態の特徴(3)−
本実施形態の圧縮機(10)では、ターミナルガード(30)に取り付けられるターミナルカバー(50)をさらに備え、ターミナルカバー(50)は、該ターミナルカバー(50)の第1面(51)を覆うシート状のカバーパッキン(52)を有し、第1面(51)がターミナル(20)に向くように、ターミナルカバー(50)がターミナルガード(30)に取り付けられた状態で、ターミナルパッキン(40)の側板(41)の縁がカバーパッキン(52)に押し付けられる。
【0052】
この特徴(3)によると、ターミナルカバー(50)がターミナルガード(30)に取り付けられた状態において、カバーパッキン(52)により、ターミナルパッキン(40)の側板(41)の第2端部(41a)は底板(42)に向かって押し付けられる。これにより、ターミナルパッキン(40)の側板はターミナルガード(30)の周壁(32)に向かって湾曲する。このとき、ターミナルパッキン(40)の嵌合部(43)は突出部(25)を圧接する力が増大し、嵌合部(43)の突出部(25)に対する締め付けが強くなる。その結果、ターミナルパッキン(40)がターミナル室(C)内においてずれることを抑制できる。
【0053】
加えて、ターミナルカバー(50)がターミナルガード(30)に取り付けられると、ターミナルパッキン(40)の第2端部(41a)はカバーパッキン(52)に押さえつけられる。この状態において、ターミナルパッキン(40)の側板(41)及び底板(42)は、ターミナル室(C)の内側面(C2)及び底面(C1)に接していない。そのため、運転や輸送により圧縮機(10)が振動しても、ターミナルパッキン(40)がターミナル室(C)の底面(C1)及び内側面(C2)に接することを抑制できる。言い換えると、隙間M及び隙間Nは形成されたまま保つことができる。このことにより、嵌合部(43)が突出部(25)から脱げて、ターミナルパッキン(40)がターミナル室(C)内でずれることを抑制できる。
【0054】
加えて、ターミナルパッキン(40)とカバーパッキン(52)とが密着するため、ターミナル室(C)内の気密性が保たれる。このことにより、ターミナル室(C)内に水が浸入することを抑制できる。
【0055】
−実施形態の特徴(4)−
本実施形態の圧縮機(10)では、ターミナルパッキン(40)は、カバーパッキン(52)よりも低弾性の素材で構成される。
【0056】
この特徴(4)によると、ターミナルカバー(50)をターミナルガード(30)に取りつけた状態で、カバーパッキン(52)はターミナルパッキン(40)の側板(41)の第2端部(41a)により凹陥するように弾性変形する。このことにより、ターミナルパッキン(40)とカバーパッキン(52)との密着性が向上する。
【0057】
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0058】
ターミナルパッキン(40)の底板(42)とターミナル室(C)の底面(C1)との間の隙間M、及びターミナルパッキン(40)の側板(41)とターミナル室(C)の内側面(C2)との間の隙間Nのうち少なくとも一方は形成されていなくてもよい。言い換えると、底板(42)と底面(C1)とが接してもよいし、側板(41)と内側面(C2)とが接していてもよい。
【0059】
カバーパッキン(52)は、ターミナルカバー(50)に設けられていなくてもよく、ターミナルカバー(50)と別部材であってもよい。ターミナルカバー(50)がターミナルガード(30)に取り付けられた状態で、カバーパッキン(52)は、ターミナルパッキン(40)に密着していればよい。
【0060】
ターミナルパッキン(40)は、カバーパッキン(52)よりも高弾性の素材または同等の弾性素材であってもよい。
【0061】
圧縮機(10)は、ロータリー式、スイング式、またはスクリュー式の圧縮機であってもよい。
【0062】
ターミナルガード(30)の周壁は、矩形状以外の形状であってもよい。
【0063】
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。