特許第6974769号(P6974769)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6974769
(24)【登録日】2021年11月9日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04C 29/06 20060101AFI20211118BHJP
   F04C 29/00 20060101ALI20211118BHJP
   F04B 39/00 20060101ALI20211118BHJP
【FI】
   F04C29/06 E
   F04C29/00 C
   F04B39/00 101J
【請求項の数】2
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2020-20691(P2020-20691)
(22)【出願日】2020年2月10日
(65)【公開番号】特開2021-127687(P2021-127687A)
(43)【公開日】2021年9月2日
【審査請求日】2021年2月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】片山 達也
【審査官】 大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−213087(JP,A)
【文献】 特開2012−167584(JP,A)
【文献】 実開昭62−088897(JP,U)
【文献】 特開2006−161750(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 29/06
F04C 29/00
F04B 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動機構(10)と、
前記駆動機構(10)に駆動される圧縮機構(100)とを備え、
前記圧縮機構(100)は、
前記圧縮機構(100)で圧縮された冷媒が流れる吐出通路(P)と、
互いに重なるように配置される複数の部材(40,50,60,70,80)とを有し、
前記吐出通路(P)は、消音室(M)と、該消音室(M)の流入端に繋がる流入通路(I)と、前記消音室(M)の流出端に繋がる流出通路(O)を含み、
前記消音室(M)は、前記複数の部材(40,50,60,70,80)のうちの2つ以上の部材に亘って形成され、
前記圧縮機構(100)は、第1シリンダ(60)と、第2シリンダ(70)と、前記第1シリンダ(60)の軸方向他端の開口面、及び前記第2シリンダ(70)の軸方向一端の開口面を覆う第2閉塞部材(80)とを含み、
前記流入通路(I)、前記消音室(M)、及び前記流出通路(O)は、前記複数の部材(40,50,60,70,80)の重なる方向に連続して形成され、
前記消音室(M)は、その通路断面積が、前記流入通路(I)及び前記流出通路(O)の通路断面積よりも大きい拡張室(E)を含み、
前記拡張室(E)は、前記第2閉塞部材(80)と、前記第1シリンダ(60)と、前記第2シリンダ(70)とに亘って形成され
前記第2閉塞部材(80)には、該第2閉塞部材(80)を軸方向に貫通する孔(81)が形成され、
前記第1シリンダ(60)は、該第1シリンダ(60)の軸方向他端側の端面に形成されるとともに前記第2閉塞部材(80)の前記孔(81)と連通する第1凹部(65,69b)と、該第1凹部(65,69b)と連通するとともに前記流出通路(O)と連通する第1孔(64)とを有し、
前記第2シリンダ(70)は、該第2シリンダ(70)の軸方向一端側の端面に形成されるとともに前記第2閉塞部材(80)の前記孔(81)と連通する第2凹部(75,79a)と、該第2凹部(75,79a)と連通するとともに前記流入通路(I)と連通する第2孔(74)とを有し、
前記拡張室(E)は、前記第2閉塞部材(80)の孔(81)、前記第1凹部(65,69b)の内部空間、及び前記第2凹部(75,79a)の内部空間で構成され、
前記第2閉塞部材(80)の孔(81)、前記第1凹部(65,69b)、及び前記第2凹部(75,79a)のそれぞれは、互いに同径に形成され、
前記流入通路(I)、前記流出通路(O)、前記第1シリンダ(60)の第1孔(64)、前記第2シリンダ(70)の第2孔(74)、及び前記拡張室(E)は、同軸に形成されることを特徴とする圧縮機。
【請求項2】
請求項1において、
前記複数の部材(40,50,60,70,80)は、
前記第1シリンダ(60)の軸方向一端の開口面を覆う第1閉塞部材(40)と、
前記第2シリンダ(70)の軸方向他端の開口面を覆う第3閉塞部材(50)とを更に含んでいることを特徴する圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和装置等の冷凍装置に使用される圧縮機が知られている。特許文献1には、全密閉型の圧縮機が開示されている。この圧縮機では、密閉容器(ケーシング)に圧縮機構部(圧縮機構)と電動機部(電動機)とが収容されている。圧縮機構部は、2つのシリンダと、両シリンダを仕切る中間仕切り板(中間プレート)と、2つのシリンダの開口端を閉塞する2つの軸受部(フロントヘッド、リアヘッド)と、該軸受部の各々に嵌合された2つのバルブカバーとを有する。この圧縮機構部には、2つのシリンダ中間仕切り板、及び2つの軸受部を連通する連通穴(吐出通路)が形成されている。この連通穴は、一方のバルブカバー内に吐出された冷媒ガスを他方のバルブカバー内に導いている。そして、中間仕切り板又はシリンダに形成された連通穴の径が、他の部品に形成された連通穴の径よりも大きくなっている。これにより、圧縮機構部で発生する騒音を低減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−167584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の圧縮機では、連通穴の大きさは、中間仕切り板やシリンダなどの部品の大きさによってある程度決まってしまう。言い換えると、消音空間の大きさは、部品の大きさによって制約を受けてしまう。そのため、消音空間を十分に確保できない場合があった。
【0005】
本開示の目的は、圧縮機構で発生する騒音の低減効果を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、圧縮機(1)を対象とする。第1の態様の圧縮機(1)は、駆動機構(10)と、前記駆動機構(10)に駆動される圧縮機構(100)とを備え、前記圧縮機構(100)は、前記圧縮機構(100)で圧縮された冷媒が流れる吐出通路(P)と、互いに重なるように配置される複数の部材(40,50,60,70,80)とを有し、前記吐出通路(P)は、消音室(M)と、該消音室(M)の流入端に繋がる流入通路(I)と、前記消音室(M)の流出端に繋がる流出通路(O)を含み、前記消音室(M)は、前記複数の部材(40,50,60,70,80)のうちの2つ以上の部材に亘って形成されることを特徴とする。
【0007】
第1の態様では、消音室(M)が2つ以上の部材に亘って形成されるので、消音室(M)の空間を大きく形成できる。これにより、圧縮機構(100)で発生する騒音の低減効果を向上できる。
【0008】
本開示の第2の態様は、第1の態様において、前記流入通路(I)、前記消音室(M)、及び前記流出通路(O)は、前記複数の部材(40,50,60,70,80)の重なる方向に連続して形成され、前記複数の部材(40,50,60,70,80)は、拡張室(E)がそれぞれ形成される複数の第1部材(40,50,60,70,80)を含み、前記拡張室(E)の通路断面積が、前記流入通路(I)及び前記流出通路(O)の通路断面積よりも大きく、前記消音室(M)は、複数の前記拡張室(E)を含むように、複数の前記第1部材(40,50,60,70,80)に亘って形成されることを特徴とする。
【0009】
第2の態様では、消音室(M)が複数の第1部材(40,50,60,70,80)に亘って形成されるので、消音室(M)を複数の部材の重なる方向に大きくできる。
【0010】
本開示の第3の態様は、第1又は第2の態様において、前記消音室(M)は、前記複数の部材(40,50,60,70,80)のうちの3つ以上の部材に亘って形成されることを特徴とする。
【0011】
第3の態様では、消音室(M)が3つ以上の部材に亘って形成されるので、消音室(M)の空間をより大きくできる。
【0012】
本開示の第4の態様は、第1〜第3の態様のいずれか1つにおいて、前記複数の部材(40,50,60,70,80)は、拡張室(E)が形成される第1部材(40,50,60,70,80)と、前記拡張室(E)と連通する補助消音室(S)とが形成される第2部材(40,60)とを含み、前記消音室(M)は、前記拡張室(E)と前記補助消音室(S)とを含むように、前記第1部材(40,50,60,70,80)及び前記第2部材(40,60)に亘って形成されることを特徴とする。
【0013】
第4の態様では、消音室(M)は補助消音室(S)を含むので、消音室(M)の空間をより大きくできる。
【0014】
本開示の第5の態様は、第1〜第4の態様のいずれか1つにおいて、前記流入通路(I)及び前記流出通路(O)の一方又は両方は、第1通路(P1)と、前記第1通路(P1)と前記消音室(M)とを繋ぐ第2通路(P2)とを有し、前記第2通路(P2)の通路断面積は、前記消音室(M)に近づくにつれて徐々に拡大していることを特徴とする。
【0015】
第5の態様では、流入通路(I)及び流出通路(O)の一方又は両方に第2通路(P2)を有するので、圧縮動力の損失を低減できる。
【0016】
本開示の第6の態様は、第1〜第5の態様のいずれか1つにおいて、前記複数の部材(40,50,60,70,80)は、第3部材(40,50,60,70)を含み、前記第3部材(40,50,60,70)は、前記複数の部材が重なる方向の端面に形成され且つ前記流入通路(I)又は流出通路(O)と連通する凹部(65,75,69a,69b,79a,79b)を有し、前記凹部(65,75,69a,69b,79a,79b)の内部空間が、前記消音室(M)の一部を構成していることを特徴とする。
【0017】
第6の態様では、消音室(M)の一部が凹部(65,75,69a,69b,79a,79b)の内部空間によって構成されるので、第3部材(40,50,60,70)に消音室(M)を形成しやすい。
【0018】
本開示の第7の態様は、第1〜第6の態様のいずれか1つにおいて、前記複数の部材(40,50,60,70,80)は、第1シリンダ(60)と、第2シリンダ(70)と、前記第1シリンダ(60)の軸方向一端の開口面を覆う第1閉塞部材(40)と、前記第1シリンダ(60)の軸方向他端の開口面、及び前記第2シリンダ(70)の軸方向一端の開口面を覆う第2閉塞部材(80)と、前記第2シリンダ(70)の軸方向他端の開口面を覆う第3閉塞部材(50)とを含んでいることを特徴する。
【0019】
第7の態様では、2つのシリンダ(60,70)を備える圧縮機(1)で発生する騒音の低減効果を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、実施形態1に係る圧縮機の構成を示す縦断面図である。
図2図2は、圧縮機の要部を拡大した縦断面図である。
図3図3は、吐出通路の周波数と透過損失との関係を示すグラフである。
図4図4は、実施形態2に係る圧縮機の図2相当図である。
図5図5は、実施形態2に係る上側シリンダの要部を拡大した斜視図である。
図6図6は、実施形態3に係る図2相当図である。
図7図7は、実施形態4に係る図2相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
《実施形態1》
実施形態1について説明する。本実施形態の圧縮機(1)は、いわゆる揺動ピストン型のロータリ圧縮機である。この圧縮機(1)は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路に設けられ、蒸発器で蒸発した冷媒を吸入して圧縮する。
【0022】
−圧縮機の全体構成−
図1に示すように、本実施形態の圧縮機(1)は、全密閉型の圧縮機である。圧縮機(1)は、圧縮機構(100)と駆動機構(10)とを備える。圧縮機(1)では、圧縮機構(100)と駆動機構(10)とがケーシング(2)に収容されている。駆動機構(10)は、電動機(20)と駆動軸(30)とで構成される。
【0023】
〈ケーシング〉
ケーシング(2)は、起立した状態の円筒状の密閉容器である。ケーシング(2)は、円筒状の胴部(3)と、胴部(3)の端部を閉塞する一対の鏡板(4,5)とを備えている。胴部(3)の下部には、吸入管(7,8)が取り付けられる。吸入管(7,8)は、ケーシング(2)の胴部(3)を貫通して、圧縮機構(100)に接続する。上側の鏡板(4)には、吐出管(6)が取り付けられる。吐出管(6)は、ケーシング(2)の頂部を貫通してケーシング(2)の内部空間に開口する。
【0024】
〈電動機〉
電動機(20)は、ケーシング(2)の内部空間の上部に配置されている。電動機(20)は、固定子(21)と回転子(22)とを備えている。固定子(21)は、ケーシング(2)の胴部(3)に固定されている。回転子(22)には、後述する駆動軸(30)が挿し通される。
【0025】
〈駆動軸〉
駆動軸(30)は、ケーシング(2)の胴部(3)の上部からケーシング(2)の底部に亘ってケーシング(2)の軸方向(上下方向)に延びている。駆動軸(30)は、電動機(20)によって回転駆動される。駆動軸(30)は、主軸部(31)と、副軸部(32)と、上側偏心部(33)と、下側偏心部(34)とを備える。駆動軸(30)では、主軸部(31)と、上側偏心部(33)と、下側偏心部(34)と、副軸部(32)とが、上から下へ向かって順に配置されている。駆動軸(30)において、主軸部(31)と、上側偏心部(33)と、下側偏心部(34)と、副軸部(32)とは、互いに一体に形成されている。
【0026】
主軸部(31)と副軸部(32)とは、それぞれが円柱状に形成され、互いに同軸に配置される。主軸部(31)の上部には、電動機(20)の回転子(22)が取り付けられる。主軸部(31)の下部は、後述するフロントヘッド(40)の主軸受部(41)に挿し通される。副軸部(32)は、後述するリアヘッド(50)の副軸受部(51)に挿し通される。駆動軸(30)は、主軸部(31)が主軸受部(41)に支持され、副軸部(32)が副軸受部(51)に支持される。
【0027】
上側偏心部(33)及び下側偏心部(34)は、主軸部(31)及び副軸部(32)よりも大径の円柱状に形成される。上側偏心部(33)及び下側偏心部(34)は、それぞれの中心軸が主軸部(31)と副軸部(32)の回転中心軸と平行である。上側偏心部(33)及び下側偏心部(34)は、それぞれの中心軸が主軸部(31)と副軸部(32)に対して偏心している。上側偏心部(33)は、駆動軸(30)の回転中心軸に対して、下側偏心部(34)とは反対側へ偏心している。
【0028】
上側偏心部(33)は、上側ピストン(62)に挿し通される。上側偏心部(33)は、上側ピストン(62)を支持する。下側偏心部(34)は、下側ピストン(72)に挿し通される。下側偏心部(34)は、下側ピストン(72)を支持する。
【0029】
駆動軸(30)には、給油通路(35)が形成されている。ケーシング(2)の底部に溜まった潤滑油(冷凍機油)は、給油通路(35)を通って、駆動軸(30)の軸受けや圧縮機構(100)の摺動部分へ供給される。
【0030】
〈圧縮機構〉
圧縮機構(100)は、いわゆる揺動ピストン型のロータリ式圧縮機構である。圧縮機構(100)は、駆動機構(10)によって駆動される。ケーシング(2)の内部空間において、圧縮機構(100)は、電動機(20)の下方に配置されている。
【0031】
−圧縮機構−
圧縮機構(100)は、二気筒のロータリ式圧縮機構である。圧縮機構(100)は、フロントヘッド(40)と、リアヘッド(50)と、中間プレート(80)とを1つずつ備えている。圧縮機構(100)は、シリンダ(60,70)と、ピストン(62,72)とを2つずつ備えている。
【0032】
圧縮機構(100)では、下方から上方に向かって順に、リアヘッド(50)と、下側シリンダ(70)と、中間プレート(80)と、上側シリンダ(60)と、フロントヘッド(40)とが、互いに重なり合った状態で配置されている。言い換えると、圧縮機構(100)では、複数の部材が互いに重なるように配置されている。リアヘッド(50)と、下側シリンダ(70)と、中間プレート(80)と、上側シリンダ(60)と、フロントヘッド(40)とは、図外の複数本のボルトによって互いに締結されている。圧縮機構(100)は、フロントヘッド(40)がケーシング(2)の胴部(3)に固定されている。
【0033】
本実施形態では、上側シリンダ(60)、下側シリンダ(70)、フロントヘッド(40)、リアヘッド(50)及び中間プレート(80)が複数の部材に対応する。
【0034】
〈上側シリンダ、下側シリンダ、上側ピストン、下側ピストン〉
各シリンダ(60,70)は、肉厚円板状の部材である。各シリンダ(60,70)には、シリンダボア(60a,70a)と吸入ポート(61,71)とが形成される。上側シリンダ(60)と下側シリンダ(70)は、それぞれの厚さが等しい。
【0035】
各シリンダ(60,70)の中央には、シリンダボア(60a,70a)が形成される。上側シリンダボア(60a)には、肉厚円筒状の上側ピストン(62)が配置される。下側シリンダボア(70a)には、肉厚円筒状の下側ピストン(72)が配置される。上側ピストン(62)には、駆動軸(30)の上側偏心部(33)が挿し通される。下側ピストン(72)には、駆動軸(30)の下側偏心部(34)が挿し通される。圧縮機構(100)では、各シリンダボア(60a,70a)の壁面と各ピストン(62,72)の外周面との間に圧縮室(63,73)が形成される。圧縮機構(100)には、圧縮室(63,73)を高圧室と低圧室に仕切る図外のブレードが設けられる。
【0036】
吸入ポート(61,71)は、シリンダボア(60a,70a)の壁面からシリンダ(60,70)の径方向外側へ向かって延びる、断面が円形の孔である。この吸入ポート(61,71)は、シリンダ(60,70)の外側面に開口している。上側シリンダ(60)の吸入ポート(61,71)には、上側吸入管(7)が挿入される。下側シリンダ(70)の吸入ポート(61,71)には、下側吸入管(8)が挿入される。
【0037】
図2に示すように、上側シリンダ(60)には、第1孔(64)と第1凹部(65)とが形成される。上側シリンダ(60)には、下から上に向かって順に、第1凹部(65)と第1孔(64)とが形成される。第1凹部(65)の内部空間と第1孔(64)とは、連続している。
【0038】
第1孔(64)は、上側シリンダ(60)の上端面から下方に向かって延びる。第1孔(64)の横断面は、円形状である。第1孔(64)の径は、上端から下端に亘って一定である。第1凹部(65)は、上側シリンダ(60)の下端面から上方に向かって延びる。第1凹部(65)の横断面は、円形状である。第1凹部(65)の内径は、上端から下端に亘って一定である。第1孔(64)の径は、第1凹部(65)の内径よりも小さい。第1孔(64)と第1凹部(65)の内部空間とは連通している。具体的には、第1孔(64)の下端は、第1凹部(65)の上側の開口端と連通している。
【0039】
第1孔(64)及び第1凹部(65)は、上側シリンダ(60)を厚さ方向(上下方向)に貫通する。第1孔(64)及び第1凹部(65)のそれぞれの上下方向の高さは、上側シリンダ(60)の厚さの概ね1/2である。第1孔(64)の上端は、後述するフロントヘッド(40)の第3孔(42)の下端に連通する。第1凹部(65)の内部空間の下端は、後述する中間プレート(80)の第5孔(81)の上端に連通する。
【0040】
下側シリンダ(70)には、第2孔(74)と第2凹部(75)とが形成される。下側シリンダ(70)には、上から下に向かって順に、第2凹部(75)と第2孔(74)とが形成される。第2凹部(75)の内部空間と第2孔(74)とは、連続している。
【0041】
第2凹部(75)は、下側シリンダ(70)の上端面から下方に延びる。第2凹部(75)の横断面は、円形状である。第2凹部(75)の内径は、上端から下端に亘って一定である。第2孔(74)は、下側シリンダ(70)の下端面から上方に延びる。第2孔(74)の横断面は、円形状である。第2孔(74)の径は、上端から下端に亘って一定である。第2孔(74)の径は、第2凹部(75)の内径よりも小さい。第2孔(74)と第2凹部(75)の内部空間とは連通している。具体的には、第2凹部(75)の下側の開口端は、第2孔(74)の上端と連通している。第2孔(74)と第2凹部(75)とは、下側シリンダ(70)を厚さ方向(上下方向)に貫通する。第2孔(74)及び第2凹部(75)のそれぞれの上下方向の高さは、下側シリンダ(70)の厚さの概ね1/2である。第2凹部(75)の内部空間の上端は、中間プレート(80)の第5孔(81)の下端と連通している。第2孔(74)の下端は、後述するリアヘッド(50)の第4孔(52)の上端と連通している。
【0042】
本実施形態では、上側シリンダ(60)が第1シリンダに対応し、下側シリンダ(70)が第2シリンダに対応する。
【0043】
〈フロントヘッド、リアヘッド〉
フロントヘッド(40)は、上側シリンダ(60)の上端(軸方向一端)の開口面を覆う板状の部材である。フロントヘッド(40)の中央部には、円筒状の主軸受部(41)が形成される。主軸受部(41)には、図外の軸受メタルが嵌め込まれる。この軸受メタルを有する主軸受部(41)は、駆動軸(30)の主軸部(31)を支持する滑り軸受である。
【0044】
フロントヘッド(40)には、第3孔(42)が形成される。第3孔(42)は、フロントヘッド(40)を厚さ方向(上下方向)に貫通する。第3孔(42)の上端は、ケーシング(2)の内部空間に開口する。第3孔(42)の下端は、上側シリンダ(60)の第1孔(64)に連通する。第3孔(42)の径は、第1孔(64)の径と等しい。
【0045】
リアヘッド(50)は、下側シリンダ(70)の下端(軸方向他端)の開口面を覆う板状の部材である。リアヘッド(50)の中央部には、円筒状の副軸受部(51)が形成される。副軸受部(51)には、図外の軸受メタルが嵌め込まれる。この軸受メタルを有する副軸受部(51)は、駆動軸(30)の副軸部(32)を支持する滑り軸受である。
【0046】
リアヘッド(50)には、第4孔(52)が形成される。第4孔(52)は、リアヘッド(50)を厚さ方向(上下方向)に貫通する。第4孔(52)の上端は、下側シリンダ(70)の第2孔(74)に連通する。第4孔(52)の下端は、第4孔(52)の下側に形成された空間を介して、下側圧縮室(73)と連通する。第4孔(52)の径は、第2孔(74)の径と等しい。
【0047】
本実施形態では、フロントヘッド(40)が第1閉塞部材に対応し、リアヘッド(50)が第3閉塞部材に対応する。
【0048】
〈中間プレート〉
中間プレート(80)は、円板状の部材である。中間プレート(80)は、上側シリンダの下端(軸方向他端)の開口面、及び下側シリンダの上端(軸方向一端)の開口面を覆う。中間プレート(80)の中央部には、駆動軸(30)を挿し通すための貫通孔が形成されている。
【0049】
中間プレート(80)には、第5孔(81)が形成される。第5孔(81)は、中間プレート(80)を厚さ方向(上下方向)に貫通する。第5孔(81)の上端は、上側シリンダ(60)の第1凹部(65)の内部空間に連通する。第5孔(81)の下端は、下側シリンダ(70)の第2凹部(75)の内部空間に連通する。第5孔(81)の径は、第1凹部(65)及び第2凹部(75)の内径と等しい。本実施形態では、中間プレート(80)が第2閉塞部材に対応する。
【0050】
〈吐出通路〉
図2に示すように、圧縮機構(100)には、吐出通路(P)が形成されている。吐出通路(P)は、下側シリンダ(70)の圧縮室(63,73)で圧縮された冷媒を圧縮機構(100)の上方空間へ吐出するための通路である。吐出通路(P)は、消音室(M)と流入通路(I)と流出通路(O)とを含む。下から上に向かって順に、流入通路(I)と、消音室(M)と、流出通路(O)とが配置される。流入通路(I)、消音室(M)、及び流出通路(O)は、上下方向(複数の部材の重なる方向)に連続して形成される。
【0051】
流入通路(I)は、リアヘッド(50)の第4孔(52)及び下側シリンダ(70)の第2孔(74)によって構成される。言い換えると、流入通路(I)は、リアヘッド(50)及び下側シリンダ(70)の2つの部材に亘って形成される。
【0052】
消音室(M)は、下側シリンダ(70)の第2凹部(75)の内部空間と、中間プレート(80)の第5孔(81)と、上側シリンダ(60)の第1凹部(65)の内部空間によって構成される。言い換えると、消音室(M)は、3つの部材に亘って形成される。消音室(M)は、複数の拡張室(E)を含む。拡張室(E)は、下側シリンダ(70)の第2凹部(75)の内部空間、中間プレート(80)の第5孔(81)、及び上側シリンダ(60)の第1凹部(65)の内部空間である。言い換えると、拡張室(E)は、上側シリンダ(60)、中間プレート(80)、及び下側シリンダ(70)のそれぞれに形成される。
【0053】
本実施形態では、上側シリンダ(60)、中間プレート(80)、及び下側シリンダ(70)が第1部材に対応する。本実施形態では、上側シリンダ(60)及び下側シリンダ(70)が第3部材に対応する。
【0054】
流出通路(O)は、上側シリンダ(60)の第1孔(64)及びフロントヘッド(40)の第3孔(42)によって構成される。言い換えると、流出通路(O)は、上側シリンダ(60)及びフロントヘッド(40)の2つの部材に亘って形成される。
【0055】
流入通路(I)の流出端は、消音室(M)の流入端に連通する。言い換えると、流入通路(I)の流出端は、下側シリンダ(70)の第2凹部(75)における内部空間の流入端に連通する。流出通路(O)の流入端は、消音室(M)の流出端に連通する。言い換えると、流出通路(O)の流入端は、上側シリンダ(60)の第1凹部(65)における内部空間の流出端に連通する。第1凹部(65)及び第2凹部(75)の内部空間は、消音室(M)の一部を構成している。流入通路(I)、消音室(M)、及び流出通路(O)は、同軸に配置されている。
【0056】
拡張室(E)の通路断面積は、流入通路(I)及び流出通路(O)の通路断面積よりも大きい。具体的には、下側シリンダ(70)の第2凹部(75)、中間プレート(80)の第5孔(81)、及び上側シリンダ(60)の第1凹部(65)のそれぞれの通路断面積は、リアヘッド(50)の第4孔(52)、下側シリンダ(70)の第2孔(74)のそれぞれの流路断面積よりも大きい。下側シリンダ(70)の第2凹部(75)、中間プレート(80)の第5孔(81)、及び上側シリンダ(60)の第1凹部(65)のそれぞれの通路断面積は、フロントヘッド(40)の第3孔(42)、上側シリンダ(60)の第1孔(64)のそれぞれの流路断面積よりも大きい。
【0057】
−運転動作−
次に、圧縮機(1)の運転動作について説明する。
【0058】
電動機(20)が駆動軸(30)を駆動すると、圧縮機構(100)の各ピストン(62,72)が駆動軸(30)によって駆動される。各ピストン(62,72)は、対応するシリンダ(60,70)内において、駆動軸(30)が一回転する毎に、周期的に変位する。なお、上側ピストンの変位の周期と、下側ピストンの変位の周期は、180°(すなわち、半周期)ずれている。
【0059】
各シリンダ(60,70)では、ピストン(62,72)の変位に伴って、圧縮室(63,73)の高圧室と低圧室の容積が変化する。そして、各シリンダ(60,70)では、吸入ポート(61,71)から圧縮室(63,73)へ冷媒を吸入し、吸入した冷媒を圧縮する。圧縮した冷媒を図外の吐出ポート又は吐出通路(P)から圧縮室の外部へ吐出する。上側シリンダ(60)の上側圧縮室(63)において圧縮された冷媒は、フロントヘッド(40)の吐出ポートを通って、フロントヘッド(40)の上方の空間へ吐出される。
【0060】
下側シリンダ(70)の下側圧縮室(73)において圧縮された冷媒は、リアヘッド(50)の吐出ポートを通って、リアヘッド(50)の下部に形成された空間を介して、第4孔(52)へ流入する。第4孔(52)に流入した冷媒は、下側シリンダ(70)の第2孔(74)、第2凹部(75)の内部空間、中間プレート(80)の第5孔(81)、上側シリンダ(60)の第1凹部(65)の内部空間、第1孔、フロントヘッド(40)の第3孔(42)の順に下から上へ流れる。言い換えると、下側圧縮室(73)において圧縮された冷媒は、流入通路(I)、消音室(M)、流出通路(O)の順に、圧縮機構(100)に形成された吐出通路(P)を下から上へ流れる。
【0061】
フロントヘッド(40)の第3孔(42)に流入した冷媒は、フロントヘッド(40)の上方の空間へ吐出される。圧縮機構(100)からケーシング(2)の内部空間へ吐出された冷媒は、吐出管(6)を通ってケーシング(2)の外部へ流出する。
【0062】
−消音室による騒音の低減効果−
消音室(M)に含まれる拡張室(E)の通路断面積は、流入通路(I)及び流出通路(O)の通路断面積よりも大きい。流入通路(I)を通過して拡張室(E)に流入した冷媒は、拡張室(E)で膨張し、速度及び圧力が減少する。これに伴い、冷媒の音のエネルギーも小さくなる。この膨張によって音のエネルギーが小さくなった冷媒は、流出通路(O)の通路断面積に相当する大きさだけ吐出通路(P)を通過する。
【0063】
残りの音のエネルギーは、吐出通路(P)内の反射により減衰する。具体的には、この反射は、拡張室(E)の流入出端及び流出通路(O)の流出端で生じやすい。この反射によって、吐出通路(P)又は拡張室(E)内で音波の干渉が起こり、音のエネルギーが消費される。これにより、吐出通路(P)内で音のエネルギーが減衰し、騒音が低減される。
【0064】
図3は、シミュレーションから得られた吐出通路(P)内の周波数と透過損失との関係を示すグラフである。ここで、透過損失とは、ある物体に入射した音の強さと、ある物体を透過した音の強さとの差のことである。透過損失の数値が大きいほど、音の強さが減衰しているといえる。
【0065】
図中の実線は、本実施形態の吐出通路(P)における周波数と透過損失との関係を示す。図中の点線は、従来の吐出通路における周波数と透過損失との関係を示す。なお、図3における本実施形態の消音室(M)の上下方向の長さは、従来の消音室の上下方向の長さの3倍である。図3における消音室(M)の上下方向の長さ以外の条件は、本実施形態の吐出通路(P)と従来の吐出通路(P)とにおいて、全て同じである。
【0066】
図3における2kHz以下の領域では、従来の吐出通路の透過損失に対し、吐出通路(P)の透過損失の方が大きいことが確認された。言い換えると、従来の吐出通路に対し、吐出通路(P)の方が発生する音が小さいことが確認された。
【0067】
圧縮機(1)の吐出通路(P)では、1kHz以下の音が騒音として聞こえやすい。従来例の吐出通路では、1kHz以下の音に対する透過損失が小さく、十分に騒音を低減できない。これに対し、本実施形態では、1kHz以下の音に対する透過損失が大きくなるため、吐出通路(P)での騒音の発生を効果的に抑制できる。
【0068】
−実施形態1の特徴(1)−
本実施形態の圧縮機(1)は、駆動機構(10)と、駆動機構(10)に駆動される圧縮機構(100)とを備える。圧縮機構(100)は、圧縮機構(100)で圧縮された冷媒が流れる吐出通路(P)と、互いに重なるように配置される複数の部材(40,50,60,70,80)とを有する。吐出通路(P)は、消音室(M)と、該消音室(M)の流入端に繋がる流入通路(I)と、消音室(M)の流出端に繋がる流出通路(O)を含む。消音室(M)は、複数の部材(40,50,60,70,80)のうちの2つ以上の部材に亘って形成される。
【0069】
本実施形態の圧縮機(1)では、消音室(M)が2つ以上の部材に亘って形成される。これにより、消音室(M)が1つの部材に形成される場合に比べて、消音室(M)の空間を大きく形成できる。本実施形態によれば、圧縮機構(100)で発生する騒音の低減効果を向上できる。
【0070】
−実施形態1の特徴(2)−
本実施形態の圧縮機(1)における流入通路(I)、消音室(M)、及び流出通路(O)は、複数の部材(40,50,60,70,80)の重なる上下方向に連続して形成される。複数の部材(40,50,60,70,80)は、拡張室(E)がそれぞれ形成される上側シリンダ(60)、下側シリンダ(70)、及び中間プレート(80)を含む。拡張室(E)の通路断面積が、流入通路(I)及び流出通路(O)の通路断面積よりも大きい。消音室(M)は、複数の拡張室(E)を含むように、上側シリンダ(60)、下側シリンダ(70)、及び中間プレート(80)に亘って形成される。
【0071】
本実施形態の圧縮機(1)では、消音室(M)が上側シリンダ(60)、中間プレート(80)、及び下側シリンダ(70)に亘って形成されるので、消音室(M)を上下方向に大きく形成できる。
【0072】
複数の部材に亘って消音室(M)を形成できるので、消音室(M)の上下方向の長さを設計する際の自由度を増すことができる。その結果、所望の周波数域の騒音を低減できる。具体的には、圧縮機(1)では、吐出する冷媒の脈動に起因して、1kHz以下の音が騒音になりやすい。消音室(M)の上下方向の長さを大きくすることで、1kHz以下の音に対する透過損失を増大できる。言い換えると、圧縮機(1)の吐出脈動に起因する騒音を効果的に低減できる。
【0073】
−実施形態1の特徴(3)−
本実施形態の圧縮機(1)の消音室(M)は、複数の部材(40,50,60,70,80)のうちの3つ以上の部材に亘って形成される。
【0074】
本実施形態の圧縮機(1)では、消音室(M)が3つ以上の部材に亘って形成されるので、消音室(M)を上下方向に大きく形成できる。
【0075】
−実施形態1の特徴(4)−
本実施形態の圧縮機(1)の複数の部材(40,50,60,70,80)は、上側シリンダ(60)及び下側シリンダ(70)を含む。上側シリンダ(60)及び下側シリンダ(70)は、複数の部材が重なる方向の端面に形成され且つ流入通路(I)又は流出通路(O)と連通する凹部(65,75,69a,69b,79a,79b)を有する。凹部(65,75,69a,69b,79a,79b)の内部空間が、消音室(M)の一部を構成している。
【0076】
本実施形態の圧縮機(1)では、消音室(M)の一部が、第1凹部(65)及び第2凹部(75)の内部空間によって構成される。本実施形態によれば、上側シリンダ(60)及び下側シリンダ(70)に拡張室(E)を加工しやすい。
【0077】
−実施形態1の特徴(5)−
本実施形態の圧縮機(1)の複数の部材(40,50,60,70,80)は、上側シリンダ(60)と、下側シリンダ(70)と、上側シリンダ(60)の上端の開口面を覆うフロントヘッド(40)と、上側シリンダ(60)の下端の開口面、及び下側シリンダ(70)の上端の開口面を覆う中間プレート(80)と、下側シリンダ(70)の下端の開口面を覆うリアヘッド(50)とを含んでいる。
【0078】
本実施形態では、2つのシリンダ(60,70)を備える圧縮機(1)で発生する騒音の低減効果を向上できる。
【0079】
《実施形態2》
実施形態2について説明する。本実施形態の圧縮機(1)は、実施形態1の圧縮機(1)において、圧縮機構(100)における上側シリンダ(60)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態の上側シリンダ(60)について、実施形態1と異なる点を説明する。
【0080】
−圧縮機構−
図4及び図5に示すように、上側シリンダ(60)には、第1孔(64)と環状空間(67)とが形成される。第1孔(64)は、上側シリンダ(60)の上端から下端に向かって延びている。第1孔(64)は、上側シリンダ(60)を厚さ方向(上下方向)に貫通する。第1孔(64)の横断面は、円形状である。第1孔(64)の径は、上端から下端に亘って一定である。第1孔(64)の径は、フロントヘッド(40)の第3孔(42)の径と等しく、中間プレート(80)の第5孔(81)の径よりも小さい。第1孔(64)の上端は、第3孔(42)の下端に連通する。第1孔(64)の下端は、第5孔(81)の上端に連通する。
【0081】
環状空間(67)は、第1孔(64)と同軸に形成された環状の空間である。環状空間(67)は、第1孔(64)の周囲を囲むように形成される。環状空間(67)は、上側シリンダ(60)の下端面から上方に向かって延びる。環状空間(67)の内径は、第1孔(64)の径よりも大きい。環状空間(67)の外径は、中間プレート(80)の第5孔(81)の径と等しい。環状空間(67)の上下方向の高さは、上側シリンダ(60)の厚さの概ね1/2である。環状空間(67)の下端は、中間プレート(80)の第5孔(81)の上端に連通する。環状空間(67)の上端は、閉塞されている。
【0082】
上側シリンダ(60)には、円管部(66)が設けられている。円管部(66)の径方向内側には、第1孔(64)が形成される。円管部(66)の径方向外側には、環状空間(67)が形成される。言い換えると、円管部(66)は、第1孔(64)と環状空間(67)とを区画している。
【0083】
円管部(66)は、第1孔(64)と同軸に形成される。円管部(66)の内径は、第1孔(64)の径と等しい。円管部(66)の外径は、中間プレート(80)の第5孔(81)の径よりも小さい。円管部(66)は、上側シリンダ(60)の厚さの概ね1/2の位置から上側シリンダ(60)の下端面へ下方向に延びている。言い換えると、円管部(66)の上下方向の長さは、上側シリンダ(60)の厚さの概ね1/2である。本実施形態では、上側シリンダ(60)が第2部材に対応する。
【0084】
−吐出通路−
本実施形態における消音室(M)は、下側シリンダ(70)の第2凹部(75)の内部空間と、中間プレート(80)の第5孔(81)と、上側シリンダ(60)の環状空間(67)とによって構成される。言い換えると、消音室(M)は、3つの部材に亘って形成される。消音室(M)は、複数の拡張室(E)と補助消音室(S)とを含む。拡張室(E)は、下側シリンダ(70)の第2凹部(75)の内部空間及び中間プレート(80)の第5孔(81)である。補助消音室(S)は、上側シリンダ(60)の環状空間(67)である。言い換えると、上側シリンダ(60)には、補助消音室(S)が形成されている。補助消音室(S)の下端は、拡張室(E)の上端と連通している。
【0085】
本実施形態における流出通路(O)は、上側シリンダ(60)の第1孔(64)及びフロントヘッド(40)の第3孔(42)によって構成される。言い換えると、流出通路(O)は、上側シリンダ(60)及びフロントヘッド(40)の2つの部材に亘って形成される。流出通路(O)の流入端は、消音室(M)の流出端に連通する。言い換えると、流出通路(O)の流入端は、中間プレート(80)の第5孔(81)の流出端に連通する。流出通路(O)と消音室(M)の補助消音室(M)とは、上側シリンダ(60)の円管部(66)によって区画されている。
【0086】
拡張室(E)の通路断面積は、流入通路(I)及び流出通路(O)の通路断面積よりも大きい。具体的には、下側シリンダ(70)の第2凹部(75)及び中間プレート(80)の第5孔(81)のそれぞれの通路断面積は、リアヘッド(50)の第4孔(52)、下側シリンダ(70)の第2孔(74)のそれぞれの流路断面積よりも大きい。下側シリンダ(70)の第2凹部(75)及び中間プレート(80)の第5孔(81)のそれぞれの通路断面積は、フロントヘッド(40)の第3孔(42)及び上側シリンダ(60)の第1孔(64)のそれぞれの流路断面積よりも大きい。
【0087】
−実施形態2の特徴(1)−
本実施形態の圧縮機(1)の複数の部材(40,50,60,70,80)は、拡張室(E)が形成される下側シリンダ(70)及び中間プレート(80)と、拡張室(E)と連通する補助消音室(S)とが形成される上側シリンダ(60)とを含む。消音室(M)は、拡張室(E)と補助消音室(S)とを含むように、上側シリンダ(60)、下側シリンダ(70)及び中間プレート(80)に亘って形成される。
【0088】
本実施形態の圧縮機(1)では、消音室(M)は補助消音室(S)を含むので、消音室(M)を上下方向に大きく形成できる。
【0089】
《実施形態3》
実施形態3について説明する。本実施形態の圧縮機(1)は、実施形態1の圧縮機(1)において、圧縮機構(100)における上側シリンダ(60)及び下側シリンダ(70)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態の上側シリンダ(60)及び下側シリンダ(70)について、実施形態1と異なる点を説明する。
【0090】
−圧縮機構−
〈上側シリンダ〉
図6に示すように、上側シリンダ(60)には、第1鉛直孔(68a)と第1傾斜孔(68b)とが形成される。上側シリンダ(60)には、下から上に向かって順に、第1鉛直孔(68a)と第1傾斜孔(68b)とが形成される。第1鉛直孔(68a)と第1傾斜孔(68b)とは、連続している。具体的には、第1鉛直孔(68a)の上端と第1傾斜孔(68b)の下端とが接続されている。第1鉛直孔(68a)及び第1傾斜孔(68b)は、上側シリンダ(60)を厚さ方向(上下方向)に貫通する。
【0091】
第1鉛直孔(68a)は、上側シリンダ(60)の下端面から上方に延びる。第1鉛直孔(68a)の横断面は、円形状である。第1鉛直孔(68a)の径は、上端から下端に亘って一定である。第1鉛直孔(68a)の径は、中間プレート(80)の第5孔(81)の径及び第1傾斜孔(68b)の下端の径と等しい。第1鉛直孔(68a)の上下方向の高さは、上側シリンダ(60)の厚さの概ね1/2である。第1鉛直孔(68a)は、第1傾斜孔(68b)と中間プレート(80)の第5孔(81)とを繋いでいる。
【0092】
第1傾斜孔(68b)は、上側シリンダ(60)の上端面から下方に延びる。第1傾斜孔(68b)の横断面は、円形状である。第1傾斜孔(68b)の径は、上方に向かうほど次第に縮小している。第1傾斜孔(68b)の上端の径は、フロントヘッド(40)の第3孔(42)の径と等しい。第1傾斜孔(68b)の上端の径は、第1鉛直孔(68a)の径よりも大きい。第1傾斜孔(68b)の上下方向の高さは、上側シリンダ(60)の厚さの概ね1/2である。第1傾斜孔(68b)は、第1鉛直孔(68a)とフロントヘッド(40)の第3孔(42)とを繋いでいる。
【0093】
〈下側シリンダ〉
下側シリンダ(70)には、第2傾斜孔(78b)が形成される。第2傾斜孔(78b)は、下側シリンダ(70)を厚さ方向(上下方向)に貫通する。第2傾斜孔(78b)は、下側シリンダ(70)の上端から下端に向かって延びる。第2傾斜孔(78b)の横断面は、円形状である。第2傾斜孔(78b)の径は、下方に向かうほど次第に縮小している。言い換えると、第2傾斜孔(78b)の上端の径は、第2傾斜孔(78b)の下端の径よりも大きい。第2傾斜孔(78b)の上端の径は、中間プレート(80)の第3孔(42)の径と等しい。第2傾斜孔(78b)の下端の径は、リアヘッド(50)の第4孔(52)の径と等しい。第2傾斜孔(78b)は、中間プレート(80)の第3孔(42)とリアヘッド(50)の第4孔(52)とを繋いている。
【0094】
−吐出通路−
本実施形態における流入通路(I)及び流出通路(O)は、第1通路(P1)及び第2通路(P2)を有する。流入通路(I)は、リアヘッド(50)の第4孔(52)及び下側シリンダ(70)の第2傾斜孔(78b)によって構成される。言い換えると、流入通路(I)は、リアヘッド(50)及び下側シリンダ(70)の2つの部材に亘って形成される。
【0095】
流入通路(I)の第1通路(P1)は、リアヘッド(50)の第4孔(52)である。流入通路(I)の第2通路(P2)は、下側シリンダ(70)の第2傾斜孔(78b)である。下側シリンダ(70)の第2傾斜孔(78b)は、リアヘッド(50)の第4孔(52)と、中間プレート(80)の第5孔(81)とを繋ぐ。第2傾斜孔(78b)の通路断面積は、中間プレート(80)の第5孔(81)に近づくにつれて徐々に拡大している。
【0096】
消音室(M)は、中間プレート(80)の第5孔(81)及び上側シリンダ(60)の第1鉛直孔(68a)によって構成される。言い換えると、消音室(M)は、中間プレート(80)と上側シリンダ(60)の2つの部材に亘って形成される。消音室(M)は、複数の拡張室(E)を含む。拡張室(E)は、中間プレート(80)の第5孔(81)及び上側シリンダ(60)の第1鉛直孔(68a)のそれぞれに形成される。本実施形態では、上側シリンダ(60)及び中間プレート(80)が第1部材に対応する。
【0097】
流出通路(O)は、上側シリンダ(60)の第1傾斜孔(68b)及びフロントヘッド(40)の第3孔(42)によって構成される。言い換えると、流出通路(O)は、上側シリンダ(60)及びフロントヘッド(40)の2つの部材に亘って形成される。
【0098】
流出通路(O)の第1通路(P1)は、フロントヘッド(40)の第3孔(42)である。流出通路(O)の第2通路(P2)は、上側シリンダ(60)の第1傾斜孔(68b)である。上側シリンダ(60)の第1傾斜孔(68b)は、フロントヘッド(40)の第3孔(42)と、上側シリンダ(60)の第1鉛直孔(68a)とを繋ぐ。第1傾斜孔(68b)の通路断面積は、中間プレート(80)の第5孔(81)に近づくにつれて徐々に拡大している。
【0099】
流入通路(I)の流出端は、消音室(M)の流入端に連通する。言い換えると、流入通路(I)の流出端は、中間プレート(80)の第5孔(81)の流入端に連通する。流出通路(O)の流入端は、消音室(M)の流出端に連通する。言い換えると、流出通路(O)の流入端は、上側シリンダ(60)の第1鉛直孔(68a)の流出端に連通する。
【0100】
拡張室(E)の通路断面積は、流入通路(I)及び流出通路(O)の通路断面積よりも大きい。具体的には、中間プレート(80)の第5孔(81)及び上側シリンダ(60)の第1鉛直孔(68a)のそれぞれの通路断面積は、リアヘッド(50)の第4孔(52)及び下側シリンダ(70)の第2傾斜孔(78b)の下端のそれぞれの流路断面積よりも大きい。中間プレート(80)の第5孔(81)及び上側シリンダ(60)の第1鉛直孔(68a)のそれぞれの通路断面積は、フロントヘッド(40)の第3孔(42)及び上側シリンダ(60)の第1傾斜孔(68b)の上端のそれぞれの通路断面積よりも大きい。
【0101】
−実施形態3の特徴(1)−
本実施形態の圧縮機(1)は、流入通路(I)及び流出通路(O)の両方は、第1通路(P1)と、第1通路(P1)と消音室(M)とを繋ぐ第2通路(P2)とを有する。第2通路(P2)の通路断面積は、前記消音室(M)に近づくにつれて徐々に拡大している。
【0102】
ここで、圧縮機構(100)の吐出通路(P)の通路断面において、その通路断面積が急拡大する部分があると、急拡大部分でガス冷媒の渦が発生する。この渦によりガス冷媒の運動エネルギーが損失し、圧縮動力が小さくなってしまう。
【0103】
本実施形態の圧縮機(1)では、流入通路(I)及び流出通路(O)の第2通路の通路断面積は、消音室(M)に近づくにつれて徐々に拡大しているので、流入通路(I)及び流出通路(O)と消音室(M)との接続部分で通路断面積が急拡大しない。これにより、本実施形態によれば、圧縮動力の損失を低減できる。
【0104】
《実施形態4》
実施形態4について説明する。本実施形態の圧縮機(1)は、実施形態1の圧縮機(1)において、圧縮機構(100)の上側シリンダ(60)及び下側シリンダ(70)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態の上側シリンダ(60)及び下側シリンダ(70)について、実施形態1と異なる点を説明する。
【0105】
−圧縮機構−
〈上側シリンダ〉
図7に示すように、上側シリンダ(60)には、第3凹部(69a)と第4凹部(69b)と第1孔(64)とが形成される。上側シリンダ(60)には、上から下に向かって順に、第3凹部(69a)と第1孔(64)と第4凹部(69b)とが形成される。第3凹部(69a)の内部空間と第1孔(64)と第4凹部(69b)の内部空間とは、連続している。具体的には、第3凹部(69a)の下端と第1孔(64)の上端とが接続されている。第1孔(64)の下端と第4凹部(69b)の上端が接続されている。第3凹部(69a)、第1孔(64)、及び第4凹部(69b)は、上側シリンダ(60)を厚さ方向(上下方向)に貫通する。
【0106】
第3凹部(69a)は、上側シリンダ(60)の上端面から下方に向かって延びる。第3凹部(69a)の横断面は、円形状である。第3凹部(69a)の内径は、上端から下端に亘って一定である。第3凹部(69a)の内径は、中間プレート(80)の第5孔(81)の径と等しい。第3凹部(69a)の上下方向の高さは、上側シリンダ(60)の厚さの概ね1/3である。第3凹部(69a)の内部空間は、第1孔(64)とフロントヘッド(40)の第3孔(42)とを繋いでいる。
【0107】
第4凹部(69b)は、上側シリンダ(60)の下端面から上方に延びる。第4凹部(69b)の横断面は、円形状である。第4凹部(69b)の内径は、上端から下端に亘って一定である。第4凹部(69b)の内径は、中間プレート(80)の第5孔(81)の径と等しい。第4凹部(69b)の上下方向の高さは、上側シリンダ(60)の厚さの概ね1/3である。第4凹部(69b)の内部空間は、第1孔(64)と中間プレート(80)の第5孔(81)とを繋いでいる。
【0108】
第1孔(64)は、第3凹部(69a)と第4凹部(69b)との間に形成されている。第1孔(64)の横断面は、円形状である。第1孔(64)の径は、上端から下端に亘って一定である。第1孔(64)の径は、フロントヘッド(40)の第3孔(42)の径と等しい。第1孔(64)の径は、第3凹部(69a)及び第4凹部(69b)の内径よりも小さい。第1孔(64)の上下方向の高さは、上側シリンダ(60)の厚さの概ね1/3である。第1孔(64)は、第3凹部(69a)の内部空間と第4凹部(69b)内部空間とを繋いでいる。
【0109】
〈下側シリンダ〉
下側シリンダ(70)には、第5凹部(79a)と第6凹部(79b)と第2孔(74)とが形成される。下側シリンダ(70)には、上から下に向かって順に第5凹部(79a)と第2孔(74)と第6凹部(79b)とが形成される。第5凹部(79a)の内部空間と第2孔(74)と第6凹部(79b)の内部空間とは、連続している。具体的には、第5凹部(79a)の下端と第2孔(74)の上端とが接続されている。第2孔(74)の下端と第6凹部(79b)の上端が接続されている。第5凹部(79a)、第2孔(74)、及び第6凹部(79b)は、下側シリンダ(70)を厚さ方向(上下方向)に貫通する。
【0110】
第5凹部(79a)は、下側シリンダ(70)の上端面から下方に向かって延びる。第5凹部(79a)の横断面は、円形状である。第5凹部(79a)の内径は、上端から下端に亘って一定である。第5凹部(79a)の内径は、中間プレート(80)の第5孔(81)の径と等しい。第5凹部(79a)の上下方向の高さは、下側シリンダ(70)の厚さの概ね1/3である。第5凹部(79a)の内部空間は、第2孔(74)とリアヘッド(50)の第4孔(52)とを繋いでいる。
【0111】
第6凹部(79b)は、下側シリンダ(70)の下端面から上方に延びる。第6凹部(79b)の横断面は、円形状である。第6凹部(79b)の内径は、上端から下端に亘って一定である。第6凹部(79b)の内径は、中間プレート(80)の第5孔(81)の径と等しい。第6凹部(79b)の上下方向の高さは、下側シリンダ(70)の厚さの概ね1/3である。第6凹部(79b)の内部空間は、第2孔(74)と中間プレート(80)の第5孔(81)とを繋いでいる。
【0112】
第2孔(74)は、第5凹部(79a)と第6凹部(79b)との間に形成されている。第2孔(74)の横断面は、円形状である。第2孔(74)の径は、上端から下端に亘って一定である。第2孔(74)の径は、リアヘッド(50)の第4孔(52)の径と等しい。第2孔(74)の径は、第5凹部(79a)及び第6凹部(79b)の内径よりも小さい。第2孔(74)の上下方向の高さは、下側シリンダ(70)の厚さの概ね1/3である。第2孔(74)は、第5凹部(79a)の内部空間と第6凹部(79b)の内部空間とを繋いでいる。
【0113】
−吐出通路−
本実施形態における流入通路(I)は、リアヘッド(50)の第4孔(52)の内部空間によって構成される。
【0114】
消音室(M)は、上側シリンダ(60)の第3凹部(69a)の内部空間、第1孔(64)及び第4凹部(69b)の内部空間と、中間プレート(80)の第5孔(81)と、下側シリンダ(70)の第5凹部(79a)の内部空間、第2孔(74)、及び第6凹部(79b)の内部空間とによって構成される。言い換えると、消音室(M)は、上側シリンダ(60)、中間プレート(80)、及び下側シリンダ(70)の3つの部材に亘って形成される。消音室(M)は複数の拡張室(E)を含む。拡張室(E)は、上側シリンダ(60)の第3凹部(69a)及び第4凹部(69b)のそれぞれの内部空間と、中間プレート(80)の第5孔(81)と、下側シリンダ(70)の第5凹部(79a)及び第6凹部(79b)のそれぞれの内部空間とに形成される。
【0115】
流出通路(O)は、フロントヘッド(40)の第3孔(42)によって構成される。
流入通路(I)の流出端は、消音室(M)の流入端に連通する。言い換えると、流入通路(I)の流出端は、下側シリンダ(70)の第6凹部(79b)の下側開口端に連通する。流出通路(O)の流入端は、消音室(M)の流出端に連通する。言い換えると、流出通路(O)の流入端は、上側シリンダ(60)の第3凹部(69a)の上側開口端に連通する。
【0116】
拡張室(E)の通路断面積は、流入通路(I)及び流出通路の通路断面積よりも大きい。具体的には、上側シリンダ(60)の第3凹部(69a)及び第4凹部(69b)と、中間プレート(80)の第5孔(81)と、下側シリンダ(70)の第5凹部(79a)及び第6凹部(79b)のそれぞれの通路断面積は、リアヘッド(50)の第4孔(52)及びフロントヘッド(40)の第3孔(42)のそれぞれの通路断面積よりも大きい。
【0117】
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0118】
上記各実施形態の圧縮機(1)は、半密閉型、あるいは開放型であってもよい。
【0119】
上記各実施形態の駆動機構(10)は、電動機(20)及び駆動軸(30)以外の構造であってもよい。例えば、駆動機構は、冷媒が膨張する際の動力を圧縮機構(100)の回転動力に変換する拡張機構、他の回転体の動力をベルトなどを介して圧縮機構(100)に伝達する伝達機構であってもよい。
【0120】
上記各実施形態の吐出通路(P)は、ロータリ圧縮機の圧縮機構(100)に形成されるが、スクロール圧縮機の圧縮機構に形成されてもよい。具体的には、圧縮機構(100)は、固定スクロールとハウジングとを有する。
【0121】
固定スクロールとハウジングとは、複数の部材であり、かつ第1部材である。固定スクロールとハウジングとは、互いに重なって配置される。固定スクロール及びハウジングには、消音室(M)の一部が形成される。固定スクロールに形成された消音室(M)とハウジングに形成された消音室(M)とは、連通する。言い換えると、消音室(M)は、固定スクロール及びハウジングの2つの部材に亘って形成される。消音室(M)の流入端に繋がる流入通路(I)は、固定スクロールに形成される。消音室(M)の流出端に繋がる流出通路(O)は、ハウジングに形成される。流入通路(I)、消音室(M)、及び流出通路(O)は、固定スクロール及びハウジングの重なる方向に連続して形成される。
【0122】
固定スクロール及びハウジングのそれぞれには、拡張室(E)が形成される。固定スクロール及びハウジングのそれぞれに形成された拡張室(E)の通路断面積は、固定スクロールに形成された流入通路(I)、及びハウジングに形成された流出通路(O)の通路断面積よりも大きい。消音室(M)は、固定スクロールの拡張室(E)とハウジングの拡張室(E)とを含むように、固定スクロール及びハウジングに亘って形成される。
【0123】
上記各実施形態の圧縮機構(100)は、フロントヘッド(40)と、リアヘッド(50)と、シリンダ(60)と、ピストン(62)とを1つずつ備える構成でもよい。
【0124】
上記各実施形態の中間プレート(80)は、複数枚で形成されていてもよい。
【0125】
上記各実施形態の圧縮機構(100)では、フロントヘッド(40)及びリアヘッド(50)の一方又は両方に凹部が形成されてもよい。この場合、凹部が形成されたフロントヘッド(40)及びリアヘッド(50)が第3部材に対応する。
【0126】
上記各実施形態の吐出通路(P)では、拡張室(E)は、フロントヘッド(40)及びリアヘッド(50)の一方又は両方に形成されてもよい。この場合、拡張室(E)が形成されたフロントヘッド(40)及びリアヘッド(50)が第1部材に対応する。
【0127】
上記各実施形態の吐出通路(P)の構造は、複数組み合わせてもよい。
【0128】
上記実施形態2の吐出通路(P)では、フロントヘッド(40)に補助消音室(S)が形成されてもよい。具体的には、フロントヘッド(40)に第1孔及び環状空間が形成されてもよい。この場合、フロントヘッド(40)が第2部材に対応する。
【0129】
上記実施形態3の第2通路(P2)は、流入通路(I)又は流出通路(O)のどちらか一方にあればよい。
【0130】
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0131】
以上説明したように、本開示は、圧縮機について有用である。
【符号の説明】
【0132】
1 圧縮機
10 駆動機構
100 圧縮機構
40 フロントヘッド(部材,第1部材,第2部材,第3部材,第1閉塞部材)
50 リアヘッド(部材,第1部材,第3部材,第3閉塞部材)
60 上側シリンダ(部材,第1部材,第2部材,第3部材,第1シリンダ)
65 第1凹部(凹部)
70 下側シリンダ(部材,第1部材,第3部材,第2シリンダ)
75 第2凹部(凹部)
80 中間プレート(部材,第1部材,第2閉塞部材)
P 吐出通路
M 消音室
I 流入通路
O 流出通路
E 拡張室
S 補助消音室
P1 第1通路
P2 第2通路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7