特許第6974772号(P6974772)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6974772
(24)【登録日】2021年11月9日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】仕様記述プログラム及び仕様記述方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/10 20180101AFI20211118BHJP
【FI】
   G06F8/10
【請求項の数】6
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2020-62591(P2020-62591)
(22)【出願日】2020年3月31日
(65)【公開番号】特開2021-163058(P2021-163058A)
(43)【公開日】2021年10月11日
【審査請求日】2021年3月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】木保 康介
【審査官】 川▲崎▼ 博章
(56)【参考文献】
【文献】 特開2019−061459(JP,A)
【文献】 特開平10−260709(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/208357(WO,A1)
【文献】 特開平08−328793(JP,A)
【文献】 国際公開第2018/154884(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/00− 8/38
G06F 8/60− 8/77
G06F 9/44− 9/445,9/451
G06F 8/40− 8/54
G06F 9/448,9/455
G05B 19/04−19/05
G05B 19/00−19/02
G05B 19/06−19/16
G05B 24/00−24/04
G05B 15/00−15/02,99/00
G05B 1/00− 7/04
G05B 11/00−13/04
G05B 17/00−17/02
G05B 21/00−21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機器それぞれにおいて実行される複数のプロセスについて、処理内容を受け付ける受付工程と、前記処理内容に基づいてソースコードを生成する生成工程とを、コンピュータに実行させるための仕様記述プログラムであって、
前記受付工程は、更に、前記複数の機器のうちの同種別の複数の機器を対象とした処理内容であることを示す固有の表現方法を、選択可能な機能としてユーザに提供し、
前記生成工程は、前記固有の表現方法が記述されたプロセスの処理内容について、同種別の機器がとりうる最大数のデータ及び/または各種別の機器の上位と下位の関係を規定するデータに基づいて補完処理を行うことでソースコードを生成する、仕様記述プログラム。
【請求項2】
前記受付工程は、
所定のプロセスに対する固有の表現方法であって、該所定のプロセスを、同種別の複数の機器を対象として実行することを示す固有の表現方法を、選択可能な機能としてユーザに提供する、請求項1に記載の仕様記述プログラム。
【請求項3】
前記受付工程は、
所定のプロセスの処理内容に含まれる機器の変数に対する固有の表現方法であって、同種別の複数の機器のいずれかまたは全ての機器の変数を対象に、統計量を算出することを示す固有の表現方法を、選択可能な機能としてユーザに提供する、請求項1に記載の仕様記述プログラム。
【請求項4】
前記受付工程は、
所定のプロセスの処理内容に含まれる条件文に対する固有の表現方法であって、同種別の複数の機器のいずれかまたは全ての機器を対象として、該条件文を判定することを示す固有の表現方法を、選択可能な機能としてユーザに提供する、請求項1に記載の仕様記述プログラム。
【請求項5】
前記ユーザにより選択された前記固有の表現方法に基づいて、処理内容の整合性を判定する判定工程、を更にコンピュータに実行させるための、請求項1に記載の仕様記述プログラム。
【請求項6】
複数の機器それぞれにおいて実行される複数のプロセスについて、処理内容を受け付ける受付工程と、前記処理内容に基づいてソースコードを生成する生成工程とを有する仕様記述方法であって、
前記受付工程は、更に、前記複数の機器のうちの同種別の複数の機器を対象とした処理内容であることを示す固有の表現方法を、選択可能な機能としてユーザに提供し、
前記生成工程は、前記固有の表現方法が記述されたプロセスの処理内容について、同種別の機器がとりうる最大数のデータ及び/または各種別の機器の上位と下位の関係を規定するデータに基づいて補完処理を行うことでソースコードを生成する、仕様記述方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、仕様記述プログラム及び仕様記述方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、機器システムを構成する複数の機器それぞれにおいて実行される複数のプロセスを設計する場合、各プロセスの処理内容を記述する記述者は、機器システムに含まれる同種別の機器の機器台数を加味した処理内容を記述することが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−091134号公報
【特許文献2】特開2013−088873号公報
【特許文献3】国際公開第2014/170970号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、プロセスの設計時においては、個別の機器システムの機器構成(各種別の機器台数等)が具体的に定められていないことも多い。このため、機器台数を加味した処理内容を記述しようとすると、記述者は、様々なバリエーションの機器構成を想定したうえで処理内容を記述する必要があり、記述が複雑化するという問題があった。
【0005】
本開示は、複数の機器それぞれにおいて実行される複数のプロセスを設計する際、各プロセスの処理内容を簡潔に記述することが可能な仕様記述プログラム及び仕様記述方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、
複数の機器それぞれにおいて実行される複数のプロセスについて、処理内容を受け付ける受付工程と、前記処理内容に基づいてソースコードを生成する生成工程とを、コンピュータに実行させるための仕様記述プログラムであって、
前記受付工程は、更に、前記複数の機器のうちの同種別の複数の機器を対象とした処理内容であることを示す固有の表現方法を、選択可能な機能としてユーザに提供し、
前記生成工程は、前記固有の表現方法が記述されたプロセスの処理内容について、同種別の機器がとりうる最大数のデータ及び/または各種別の機器の上位と下位の関係を規定するデータに基づいて補完処理を行うことでソースコードを生成する。
【0007】
本開示の第1の態様によれば、複数の機器それぞれにおいて実行される複数のプロセスを設計する際、各プロセスの処理内容を簡潔に記述することが可能な仕様記述プログラムを提供することができる。
【0008】
また、本開示の第2の態様は、第1の態様に記載の仕様記述プログラムであって、
前記受付工程は、
所定のプロセスに対する固有の表現方法であって、該所定のプロセスを、同種別の複数の機器を対象として実行することを示す固有の表現方法を、選択可能な機能としてユーザに提供する。
【0009】
また、本開示の第3の態様は、第1の態様に記載の仕様記述プログラムであって、
前記受付工程は、
所定のプロセスの処理内容に含まれる機器の変数に対する固有の表現方法であって、同種別の複数の機器のいずれかまたは全ての機器の変数を対象に、統計量を算出することを示す固有の表現方法を、選択可能な機能としてユーザに提供する。
【0010】
また、本開示の第4の態様は、第1の態様に記載の仕様記述プログラムであって、
前記受付工程は、
所定のプロセスの処理内容に含まれる条件文に対する固有の表現方法であって、同種別の複数の機器のいずれかまたは全ての機器を対象として、該条件文を判定することを示す固有の表現方法を、選択可能な機能としてユーザに提供する。
【0013】
また、本開示の第7の態様は、第1の態様に記載の仕様記述プログラムであって、
前記ユーザにより選択された前記固有の表現方法に基づいて、処理内容の整合性を判定する判定工程、を更にコンピュータに実行させる。
【0014】
本開示の第8の態様は、
複数の機器それぞれにおいて実行される複数のプロセスについて、処理内容を受け付ける受付工程と、前記処理内容に基づいてソースコードを生成する生成工程とを有する仕様記述方法であって、
前記受付工程は、更に、前記複数の機器のうちの同種別の複数の機器を対象とした処理内容であることを示す固有の表現方法を、選択可能な機能としてユーザに提供し、
前記生成工程は、前記固有の表現方法が記述されたプロセスの処理内容について、同種別の機器がとりうる最大数のデータ及び/または各種別の機器の上位と下位の関係を規定するデータに基づいて補完処理を行うことでソースコードを生成する。

【0015】
本開示の第8の態様によれば、複数の機器それぞれにおいて実行される複数のプロセスを設計する際、各プロセスの処理内容を簡潔に記述することが可能な仕様記述方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】設計作業支援装置の利用シーンの一例を示す図である。
図2】設計作業支援装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】階層構造データの具体例を示す図である。
図4】仕様記述処理の流れを示すフローチャートである。
図5】仕様記述部の機能構成の一例を示す図である。
図6】プロセスに対する固有の表現方法の具体例を示す第1の図である。
図7】プロセスに対する固有の表現方法の具体例を示す第2の図である。
図8A】機器の変数に対する固有の表現方法の具体例を示す第1の図である。
図8B】機器の変数に対する固有の表現方法の具体例を示す第2の図である。
図8C】機器の変数に対する固有の表現方法の具体例を示す第3の図である。
図9】条件文に対する固有の表現方法の具体例を示す図である。
図10】判定部の処理の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、各実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
【0018】
[第1の実施形態]
<設計作業支援装置の利用シーン>
はじめに、機器システムを構成する複数の機器それぞれにおいて実行される複数のプロセスを設計する際の、設計作業支援装置の利用シーンについて説明する。図1は、設計作業支援装置の利用シーンの一例を示す図である。図1に示すように、設計作業支援装置110は、例えば、機器システム10を構成する複数の機器それぞれにおいて実行される複数のプロセスについての制御プログラムを提供する。
【0019】
なお、図1において、機器システム10は、複数のユニットを有し、それぞれのユニットにおいて、複数種別の機器(機器A、機器B)が、ユニット外の機器(機器C)と連携して動作するシステムである。ただし、設計作業支援装置110により制御プログラムが提供される機器システム10の機器構成はこれに限定されない。つまり、設計作業支援装置110により提供される制御プログラムは、他の様々なバリエーションの機器構成にも適用可能であり、図1に示す機器システム10は、そのうちの一例にすぎない。
【0020】
設計作業支援装置110には、設計作業支援プログラムがインストールされており、当該プログラムが実行されることで、設計作業支援装置110は、設計作業支援機能120を実現する。
【0021】
また、設計作業支援プログラムには、複数のサブ機能を実現するサブプログラム(例えば、仕様記述プログラム)が含まれ、設計作業支援プログラムが実行される際、当該サブプログラムもあわせて実行される。つまり、設計作業支援機能120が有する複数のサブ機能には、少なくとも仕様記述部121の機能が含まれる。
【0022】
仕様記述部121は、ユーザ130により、複数の機器(図1の例では、機器A〜機器C)それぞれにおいて実行される複数のプロセスの処理内容が記述された場合に、これを受け付ける。また、仕様記述部121は、処理内容を受け付けた複数のプロセスについて、階層構造データ格納部122に格納された階層構造データを参照しながら、ソースコードを生成する。
【0023】
階層構造データは、制御プログラムが適用されうる機器システム(機器システム10以外の様々なバリエーションの機器構成を有する機器システムを含む)について、
・システム、ユニット、各種別の機器の上位と下位の関係を示す階層構造と、
・システム、ユニット、各種別の機器の最大数と、
を規定したデータである。なお、本実施形態では、システム、ユニット、各種別の機器を、"要素単位"と称する。
【0024】
また、仕様記述部121は、同種別の複数の機器を対象とした処理内容であることを示す固有の表現方法を、選択可能な機能としてユーザ130に提供する。更に、仕様記述部121は、ユーザ130により固有の表現方法が選択された場合に、これを受け付ける。本実施形態において、仕様記述部121が提供する固有の表現方法には、
・プロセスに対する固有の表現方法(同種別の複数の機器を対象としてプロセスを実行することを示す固有の表現方法)、
・プロセスの処理内容に含まれる機器の変数に対する固有の表現方法(同種別の複数の機器のいずれかまたは全ての機器の変数を対象に、統計量を算出することを示す固有の表現方法)、
・プロセスの処理内容に含まれる条件文に対する固有の表現方法(同種別の複数の機器のいずれかまたは全ての機器を対象として、条件文を判定することを示す固有の表現方法)、
が含まれる。
【0025】
また、仕様記述部121は、プロセスに対する固有の表現方法を受け付けた場合、
・当該固有の表現方法が記述されたプロセスを、当該固有の表現方法により特定される要素単位と同種別の要素単位の最大数に応じた数のプロセスに展開し、展開後の各プロセスの処理内容について、ソースコードを生成する。
【0026】
また、仕様記述部121は、プロセスの処理内容に含まれる機器の変数に対する固有の表現方法を受け付けた場合、
・当該固有の表現方法が記述された機器の変数に、同種別の複数の機器のいずれかまたは全ての機器を対象に算出した統計量を代入する構成としたうえで、当該プロセスの処理内容について、ソースコードを生成する。
【0027】
また、仕様記述部121は、条件文に対する固有の表現方法を受け付けた場合、
・当該固有の表現方法が記述された条件文が含まれるプロセスにおいて、当該条件文を、同種別の要素単位のいずれかまたは全てを対象とした条件文に展開し、展開後の条件文を含む処理内容について、ソースコードを生成する。
【0028】
更に、仕様記述部121は、プロセスに対する固有の表現方法に基づいて、該プロセスの処理内容の整合性を判定する。仕様記述部121では整合性を判定するにあたり、階層構造データ格納部122に格納された階層構造データを参照する。
【0029】
なお、仕様記述部121が整合性を判定するタイミングは、ユーザ130がプロセスの処理内容を記述したタイミングでもよいし、仕様記述部121が、プロセスの処理内容について、ソースコードを生成するタイミングでもよい。
【0030】
このように、仕様記述部121では、同種別の複数の機器を対象とした処理内容であることを示す固有の表現方法を、選択可能な機能としてユーザ130に提供する。また、仕様記述部121は、ユーザにより固有の表現方法が選択された場合に、これを受け付け、受け付けた固有の表現方法に応じた処理を実行したうえでソースコードを生成する。
【0031】
これにより、ユーザ130は、複数の機器それぞれにおいて実行される複数のプロセスを設計する際、各プロセスの処理内容を簡潔に記述することができる。
【0032】
なお、本実施形態では、受け付けた固有の表現方法に応じた処理の詳細を説明する際、各ユニットを区別するために、あるいは、同種別の各機器を区別するために、添え字を用いることとする。
【0033】
例えば、図1において、"ユニット"の後の添え字("1"、"2"、"3")は、各ユニットを区別するために便宜的に付したものである。同様に、図1において、"機器A"、"機器B"、"機器C"の後の添え字("1.1"、"1.2"、・・・"3"、"4"等)は、同種別の各機器を区別するために便宜的に付したものである。
【0034】
このうち、"機器A"の各機器を区別するために付した添え字、及び、"機器B"の各機器を区別するために付した添え字は、いずれも、"."(ドット)の右側が、各機器が属するユニットの添え字に対応している。また、"."(ドット)の左側が、ユニット内における連番(1番目、2番目)の値に対応している。
【0035】
<設計作業支援装置のハードウェア構成>
次に、設計作業支援装置110のハードウェア構成について説明する。図2は、設計作業支援装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0036】
図2に示すように、設計作業支援装置110は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203を有する。CPU201、ROM202、RAM203は、いわゆるコンピュータを形成する。
【0037】
また、設計作業支援装置110は、補助記憶装置204、表示装置205、操作装置206、通信装置207、ドライブ装置208を有する。なお、設計作業支援装置110の各ハードウェアは、バス209を介して相互に接続される。
【0038】
CPU201は、補助記憶装置204にインストールされている各種プログラム(例えば、設計作業支援プログラム等)を実行する演算デバイスである。
【0039】
ROM202は、不揮発性メモリである。ROM202は、補助記憶装置204にインストールされている各種プログラムをCPU201が実行するために必要な各種プログラム、データ等を格納する主記憶デバイスとして機能する。具体的には、ROM202はBIOS(Basic Input/Output System)やEFI(Extensible Firmware Interface)等のブートプログラム等を格納する、主記憶デバイスとして機能する。
【0040】
RAM203は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等の揮発性メモリである。RAM203は、補助記憶装置204にインストールされている各種プログラムがCPU201によって実行される際に展開される作業領域を提供する、主記憶デバイスとして機能する。
【0041】
補助記憶装置204は、各種プログラムや、各種プログラムが実行される際に用いられるデータを格納する補助記憶デバイスである。例えば、階層構造データ格納部122は、補助記憶装置204において実現される。
【0042】
表示装置205は、設計作業支援装置110の内部状態を表示する表示デバイスである。操作装置206は、設計作業支援装置110のユーザ130が設計作業支援装置110に対して各種指示を入力する際に用いる入力デバイスである。
【0043】
通信装置207は、不図示のネットワークに接続し通信を行うための通信デバイスである。
【0044】
ドライブ装置208は記録媒体210をセットするためのデバイスである。ここでいう記録媒体210には、CD−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記録する媒体が含まれる。また、記録媒体210には、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等が含まれていてもよい。
【0045】
なお、補助記憶装置204にインストールされる各種プログラムは、例えば、配布された記録媒体210がドライブ装置208にセットされ、該記録媒体210に記録された各種プログラムがドライブ装置208により読み出されることでインストールされる。あるいは、補助記憶装置204にインストールされる各種プログラムは、通信装置207を介して、ネットワークよりダウンロードされることでインストールされてもよい。
【0046】
<階層構造データの具体例>
次に、階層構造データ格納部122に格納された階層構造データの具体例について説明する。図3は、階層構造データの具体例を示す図である。図3に示すように、本実施形態の場合、制御プログラムが適用されうる機器システムは、いずれも、システム301、ユニット302、各種別(機器A〜機器C)の機器303〜305の各要素単位により構成される。
【0047】
図3の階層構造データ300の例は、システム301が最上位の階層に位置付けられていることを示している。また、システム301の1つ下の階層には、ユニット302と機器303とが位置付けられていることを示している。更に、ユニット302の1つ下の階層には、機器304と機器305とが位置付けられていることを示している。
【0048】
また、図3の階層構造データ300の例は、システム301、ユニット302、各種別の機器303〜305の各要素単位の最大数として、
・システムの最大数="1"、
・ユニットの最大数="3"、
・機器Aの最大数="2"
・機器Bの最大数="2"
・機器Cの最大数="64"
が規定されていることを示している(符号306参照)。
【0049】
なお、図3に示す階層構造データ300の例によれば、制御プログラムが適用されうる機器システムは、機器Aを最大6台設置することが可能である(各ユニットに、機器Aが最大数分設置された場合)。なお、図1に示した個別の機器システム10には、機器Aを最大数分設置していないユニットが含まれるため、機器Aの台数の合計は5台となっている。
【0050】
同様に、図3に示す階層構造データ300の例によれば、制御プログラムが適用されうる機器システムは、機器Bを最大6台設置することが可能である(各ユニットに、機器Bが最大数分設置された場合)。なお、図1に示した個別の機器システム10には、機器Bを最大数分設置していないユニットが含まれるため、機器Bの台数の合計は5台となっている。
【0051】
同様に、図3に示す階層構造データ300の例によれば、制御プログラムが適用されうる機器システムは、機器Cを最大64台設置することが可能である。なお、図1に示した個別の機器システム10は、機器Cを4台設置した場合を示している。
【0052】
上述したように、仕様記述部121では、階層構造データ300に基づいてソースコードを生成する。このため、仕様記述部121によれば、階層構造データ300が網羅する、様々なバリエーションの機器構成を有する機器システムに対して、制御プログラムを適用することができる。
【0053】
<仕様記述処理の流れ>
次に、仕様記述部121による仕様記述処理の流れについて説明する。図4は、仕様記述処理の流れを示すフローチャートである。ユーザ130からの指示に基づき仕様記述部121が起動することで、図3に示す仕様記述処理が実行される。
【0054】
ステップS401において、仕様記述部121は、階層構造データ格納部122より階層構造データ300を読み出す。
【0055】
ステップS402において、仕様記述部121は、ユーザ130により、各プロセスの処理内容に含まれる各変数の属性が入力された場合に、これを受け付ける。
【0056】
ステップS403において、仕様記述部121は、ユーザ130により、各プロセスの属性が入力された場合に、これを受け付ける。仕様記述部121が受け付けるプロセスの属性には、ユーザ130により選択された、プロセスに対する固有の表現方法が含まれる。
【0057】
ステップS404において、仕様記述部121は、ユーザ130により、各プロセスの処理内容に含まれる機器の変数に対する固有の表現方法が入力された場合に、これを受け付ける。仕様記述部121では、所定の指定画面を介して、各プロセスの処理内容に含まれる機器の変数に対する固有の表現方法を受け付ける。
【0058】
ステップS405において、仕様記述部121は、ユーザ130により、各プロセスの処理内容が記述された場合に、これを受け付ける。仕様記述部121が受け付ける処理内容には、各変数(固有の表現方法が記述された機器の変数を含む)が含まれる。また、仕様記述部121が受け付ける処理内容には、各条件文(固有の表現方法が記述された条件文を含む)が含まれる。
【0059】
ステップS406において、仕様記述部121は、ステップS405において処理内容を受け付けた各プロセスについて、各プロセスに対する固有の表現方法に基づいて、処理内容の整合性を判定する。また、仕様記述部121は、整合性についての判定結果をユーザ130に出力する。これにより、ユーザ130は、対応するプロセスの処理内容を修正する。
【0060】
ステップS407において、仕様記述部121は、ユーザ130からソースコードの生成指示が入力されたか否かを判定する。ステップS407において、ソースコードの生成指示が入力されていないと判定した場合には(ステップS407においてNoの場合には)、仕様記述処理を終了する。
【0061】
一方、ステップS407において、ソースコードの生成指示が入力されたと判定した場合には、ステップS408に進む。
【0062】
ステップS408において、仕様記述部121は、補完処理を行う。ここでいう補完処理には、
・固有の表現方法が記述されたプロセスを、当該固有の表現方法により特定される要素単位と同種別の要素単位の最大数に応じた数のプロセスに展開すること、
・固有の表現方法が記述された機器の変数に、同種別の複数の機器のいずれかまたは全ての機器を対象として算出した統計量を代入する構成とすること、
・固有の表現方法が記述された条件文が含まれるプロセスにおいて、当該条件文を、同種別の要素単位のいずれかまたは全てを対象とした条件文に展開すること、
が含まれる。
【0063】
ステップS409において、仕様記述部121は、補完処理が行われた各プロセスについて、ソースコードを生成した後、仕様記述処理を終了する。
【0064】
<仕様記述部の機能構成>
次に、仕様記述部121の機能構成について説明する。図5は、仕様記述部の機能構成の一例を示す図である。図5に示すように、仕様記述部121は、記述部501、判定部502、生成部503を有する。
【0065】
記述部501は受付工程を実行する。具体的には、記述部501は、
・プロセスに対する固有の表現方法、
・プロセスの処理内容に含まれる機器の変数に対する固有の表現方法、
・プロセスの処理内容に含まれる条件文に対する固有の表現方法、
を選択可能な機能として、ユーザ130に提供するとともに、ユーザ130により、
・各変数の属性、
・各プロセスの属性(プロセスに対する固有の表現方法を含む)、
・機器の変数に対する固有の表現方法、
・各プロセスの処理内容(条件文に対する固有の表現方法を含む)、
等が記述または選択された場合に、これを受け付ける。
【0066】
また、記述部501は、各プロセスの処理内容を、判定部502に通知する。更に、記述部501は、ユーザ130よりソースコードの生成指示が入力された場合に、各プロセスの処理内容を、生成部503に通知する。
【0067】
判定部502は判定工程を実行する。具体的には、判定部502は、記述部501から各プロセスの処理内容が通知されると、プロセスに対する固有の表現方法に基づいて、通知されたプロセスの処理内容の整合性を判定する。なお、判定部502では、整合性を判定する際、階層構造データ格納部122に格納された階層構造データ300を参照する。また、判定部502は、整合性がないと判定した場合、判定結果をユーザ130に報知する。
【0068】
生成部503は生成工程を実行する。具体的には、生成部503は、記述部501からプロセスの処理内容が通知されると、固有の表現方法(プロセス、機器の変数、条件文)に基づいて補完処理を行ったうえで、ソースコードを生成する。
【0069】
<プロセスに対する固有の表現方法の具体例>
次に、プロセスに対する固有の表現方法の具体例として、
・各変数の属性、
・固有の表現方法が記述されたプロセスの処理内容、
・プロセスに対する固有の表現方法を受け付けた場合の補完処理、
について説明する。なお、以下の具体例では、機器システム10が空調システムであり、機器Aが圧縮機、機器Bが熱交換器、機器Cが室内機であるとして、説明を行う。
【0070】
(1)プロセスに対する固有の表現方法の具体例1
はじめに、プロセスに対する固有の表現方法の具体例1について説明する。図6は、プロセスに対する固有の表現方法の具体例を示す第1の図である。図6において、変数属性情報601は、ユーザ130により選択される各変数の属性の一例である。
【0071】
図6に示すように、変数属性情報601は、情報の項目として、"変数"と"要素単位"とを含む。"変数"には、変数名が記述される。また、"要素単位"には、"変数"がいずれの要素単位(システム、ユニット、各種別の機器)の変数であるかが、ユーザ130の選択に基づき記述される。変数属性情報601は、"圧縮機変数X"が、圧縮機ごとに決まる変数であることを示している。
【0072】
ここで、変数属性情報601が記述された状態で、仕様記述部121の記述部501が、プロセスに対する固有の表現方法として、"要素単位:圧縮機"を受け付けたとする。また、仕様記述部121の記述部501が、"圧縮機変数X"が記述されたプロセス611の処理内容を受け付けたとする。
【0073】
この場合、仕様記述部121の生成部503では、ソースコードを生成する際、プロセス611を、システムに含まれる圧縮機の最大数に応じた数のプロセスに展開する(符号621参照)。なお、符号621において、"圧縮機変数X."、"圧縮機センサY."の後に付された添え字は、いずれの圧縮機の変数、または、いずれの圧縮機のセンサであるかを示している。例えば、添え字="1.1"が付された変数またはセンサは、圧縮機1.1の変数またはセンサであることを示している。ただし、圧縮機1.1は、上述したように、ユニット1に属する1番目の圧縮機であることを示している。
【0074】
具体的には、階層構造データ300によれば、システムに含まれる圧縮機の最大数は、"6"であることから、仕様記述部121の生成部503では、6個のプロセスに展開する。また、仕様記述部121の生成部503では、それぞれの"圧縮機変数X"に、対応する値(図6の例では、圧縮機センサの値を2倍した値)を代入する。
【0075】
このように、プロセスに対する固有の表現方法を受け付け、補完処理を実行したうえでソースコードを生成する構成とすることで、ユーザ130は、プロセスの処理内容を簡潔に記述することができる。
【0076】
(2)プロセスに対する固有の表現方法の具体例2
次に、プロセスに対する固有の表現方法の具体例2について説明する。図7は、プロセスに対する固有の表現方法の具体例を示す第2の図である。図7において、変数属性情報701は、ユーザ130により選択される各変数の属性の一例であり、図6で説明した変数属性情報601と同様である。
【0077】
ただし、図7の変数属性情報701は、"ユニット変数X"が、ユニットごとに決まる変数であることを示している。
【0078】
ここで、図6と同様に、変数属性情報701が記述された状態で、仕様記述部121の記述部501が、プロセスに対する固有の表現方法として、"要素単位:ユニット"を受け付けたとする。また、仕様記述部121の記述部501が、"ユニット変数X"が記述されたプロセス711の処理内容を受け付けたとする。
【0079】
この場合、仕様記述部121の生成部503では、ソースコードを生成する際、プロセス711を、システムに含まれるユニットの最大数に応じた数のプロセスに展開する(符号721参照)。
【0080】
具体的には、階層構造データ300によれば、システムに含まれるユニットの最大数は、"3"であることから、仕様記述部121の生成部503では、3個のプロセスに展開する。また、仕様記述部121の生成部503では、それぞれの"ユニット変数X"に、対応する値(図7の例では、ユニットセンサの値を2倍した値)を代入する。
【0081】
このように、プロセスに対する固有の表現方法を受け付け、補完処理を実行したうえでソースコードを生成する構成とすることで、ユーザ130は、プロセスの処理内容を簡潔に記述することができる。
【0082】
<機器の変数に対する固有の表現方法の具体例>
次に、プロセスの処理内容に含まれる機器の変数に対する固有の表現方法の具体例として、
・機器の変数に対する固有の表現方法を受け付ける指定画面、
・固有の表現方法が記述された機器の変数が含まれるプロセスの処理内容、
・機器の変数に対する固有の表現方法を受け付けた場合の補完処理、
について説明する。
【0083】
(1)機器の変数の算出その1
図8Aは、機器の変数に対する固有の表現方法の具体例を示す第1の図である。図8Aに示すように、仕様記述部121の記述部501では、要素単位が圧縮機の変数に対する固有の表現方法を、例えば、ユニット統計量算出フォーマットの指定画面811を介して受け付ける。
【0084】
ユニット統計量算出フォーマットの指定画面811には、機器の変数の名称を入力する入力欄811_1が含まれる。図8Aの例は、入力欄811_1に"ユニット内の運転中の圧縮機の圧縮機回転数の最大値"が入力された様子を示している。
【0085】
また、ユニット統計量算出フォーマットの指定画面811には、システムかユニットかを指定する指定欄811_2、運転状況を指定する指定欄811_3が含まれる。更に、ユニット統計量算出フォーマットの指定画面811には、算出対象の変数を指定する指定欄811_4、統計量の算出方法を指定する指定欄811_5が含まれる。
【0086】
図8Aの例は、指定欄811_2において"ユニット内"が指定され、指定欄811_3において"運転中"が指定され、指定欄811_4において"圧縮機回転数"が指定され、指定欄811_5において"最大値"が指定された様子を示している。なお、入力欄811_1は、指定欄811_2〜811_5においてそれぞれ指定された内容に基づいて、自動的に入力されるものとする。
【0087】
図8Aの例によれば、
・ユニット内の各圧縮機であって、運転中の各圧縮機の回転数を取得し、
・取得した各圧縮機の回転数の中で、最大の回転数を識別する、
ことで、"ユニット内の運転中の圧縮機の圧縮機回転数の最大値"が算出される。
【0088】
ここで、プロセス812の処理内容として、ユーザ130が、機器の変数に対する固有の表現方法を含む、"X=ユニット内の運転中の圧縮機の圧縮機回転数の最大値"を記述したとする。
【0089】
この場合、仕様記述部121の生成部503では、ユニット内の運転中の全ての圧縮機を対象に、回転数を取得し、最大の回転数を識別することで補完処理を行う。
【0090】
具体的には、仕様記述部121の生成部503では、ユニットjの場合にあっては、ユニットj内の圧縮機1.j、圧縮機2.jの運転中の回転数の中で最大の回転数を識別し、"ユニット内の運転中の圧縮機の圧縮機回転数の最大値"に代入する構成とする。なお、階層構造データ300の場合にあっては、jには、"1"、"2"、"3"のいずれかの数字が入るものとする。
【0091】
(2)機器の変数の算出その2
図8Bは、機器の変数に対する固有の表現方法の具体例を示す第2の図である。図8Bに示すように、仕様記述部121の記述部501では、要素単位が圧縮機の変数に対する固有の表現方法を、例えば、圧縮機統計量算出フォーマットの指定画面821を介して受け付ける。
【0092】
圧縮機統計量算出フォーマットの指定画面821には、機器の変数の名称を入力する入力欄821_1が含まれる。図8Bの例は、入力欄821_1に"システム内の運転中の圧縮機の圧縮機回転数の最大値"が入力された様子を示している。
【0093】
また、圧縮機統計量算出フォーマットの指定画面821には、システムかユニットかを指定する指定欄821_2、運転状況を指定する指定欄821_3が含まれる。更に、圧縮機統計量算出フォーマットの指定画面821には、算出対象の変数を指定する指定欄821_4、統計量の算出方法を指定する指定欄821_5が含まれる。
【0094】
図8Bの例は、指定欄821_2において"システム内"が指定され、指定欄821_3において"運転中"が指定され、指定欄821_4において"圧縮機回転数"が指定され、指定欄821_5において"最大値"が指定された様子を示している。なお、入力欄821_1は、指定欄821_2〜821_5においてそれぞれ指定された内容に基づいて、自動的に入力されるものとする。
【0095】
図8Bの例によれば、
・システム内の各圧縮機であって、運転中の各圧縮機の回転数を取得し、
・取得した各圧縮機の回転数の中で、最大の回転数を識別する、
ことで、"システム内の運転中の圧縮機の圧縮機回転数の最大値"が算出される。
【0096】
ここで、プロセス822の処理内容として、ユーザ130が、機器の変数に対する固有の表現方法を含む、"X=システム内の運転中の圧縮機の圧縮機回転数の最大値"を記述したとする。
【0097】
この場合、仕様記述部121の生成部503では、システム内の運転中の全ての圧縮機を対象に、回転数を取得し、最大の回転数を識別することで補完処理を行う。
【0098】
具体的には、仕様記述部121の生成部503では、システム内の圧縮機1.1、1.2、2.1、2.2、3.1、3.2の運転中の回転数の中で最大の回転数を識別し、"システム内の運転中の圧縮機の圧縮機回転数の最大値"に代入する構成とする。なお、上述したように、機器システム10の場合、圧縮機3.2は存在しないため、圧縮機3.2運転中での圧縮機回転数は"Null"と識別される。
【0099】
(3)機器の変数の算出その3
図8Cは、機器の変数に対する固有の表現方法の具体例を示す第3の図である。図8Cに示すように、仕様記述部121の記述部501では、要素単位が室内機の変数に対する固有の表現方法を、例えば、室内機統計量算出フォーマットの指定画面831を介して受け付ける。
【0100】
室内機統計量算出フォーマットの指定画面831には、機器の変数の入力を記述する入力欄831_1が含まれる。図8Cの例は、入力欄831_1に"冷房運転中の室内機の測定温度の最大値"が入力された様子を示している。
【0101】
また、室内機統計量算出フォーマットの指定画面831には、温度調節のモードを指定する指定欄831_2、運転状況を指定する指定欄831_3、算出対象の変数を指定する指定欄831_4、統計量の算出方法を指定する指定欄831_5が含まれる。
【0102】
図8Cの例は、指定欄831_2において、"冷房"が指定され、指定欄831_3において"運転中"が指定され、指定欄831_4において"測定温度"が指定され、指定欄831_5において"最大値"が指定された様子を示している。なお、入力欄831_1は、指定欄831_2〜831_5においてそれぞれ指定された内容に基づいて、自動的に入力されるものとする。
【0103】
図8Cの例によれば、
・冷房モードで運転中の各室内機の測定温度を取得し、
・取得した各室内機の測定温度の中で、最大の測定温度を識別する、
ことで、"冷房運転中の室内機の測定温度の最大値"が算出される。
【0104】
ここで、プロセス832の処理内容として、ユーザ130が、機器の変数に対する固有の表現方法を含む、"X=冷房運転中の室内機の測定温度の最大値"を記述したとする。
【0105】
この場合、仕様記述部121の生成部503では、システム内の冷房運転中の全ての室内機を対象に、測定温度を取得し、最大の測定温度を識別することで補完処理を行う。
【0106】
具体的には、仕様記述部121の生成部503では、システム内の室内機1〜64の冷房運転中の測定温度の中で、最大の測定温度を識別し、"冷房運転中の室内機の測定温度の最大値"に代入する構成とする。なお、上述したように、機器システム10の場合、室内機5〜64は存在しないため、室内機5〜64の冷房運転中の測定温度は"Null"と識別される。
【0107】
<条件文に対する固有の表現方法の具体例>
次に、条件文に対する固有の表現方法の具体例として、
・固有の表現方法が記述された条件文が含まれるプロセスの処理内容、
・条件文に対する固有の表現方法を受け付けた場合の補完処理、
について説明する。図9は、条件文に対する固有の表現方法の具体例を示す図である。
【0108】
図9の例に示すように、プロセス900の処理内容として、ユーザ130が、条件文に対する固有の表現方法である、"すべてのユニット"、"すべての圧縮機"を記述したとする。
【0109】
この場合、仕様記述部121の生成部503では、記述された条件文を、当該固有の表現方法により特定される圧縮機(すべてのユニットに含まれるすべての圧縮機)を対象とした条件文に展開することで補完処理を行う。
【0110】
具体的には、図9の場合、プロセス900の要素単位が"システム"であって、処理内容として"すべてのユニット"が記述されている。このため、仕様記述部121の生成部503では、ユニット変数を含む条件文を、システムに属するユニットの最大数(3)に応じた数の条件文に展開する。
【0111】
また、図9の場合、プロセス900の要素単位が"システム"であって、処理内容として"すべてのユニット"の下位に、"すべての圧縮機"が記述されている。このため、仕様記述部121の生成部503では、まず、ユニット変数を含む条件文を、ユニットの最大数(3)に応じた数の条件文に展開し、更に、その下位で、圧縮機変数を含む条件文を、ユニット内の圧縮機の最大数(2)に応じた数の条件文に展開する。
【0112】
結果として、仕様記述部121の生成部503では、最下位の圧縮機変数を含む条件文を、システムに属する圧縮機の最大数(3×2=6)に応じた数の条件文に展開する(符号911〜916、符号921〜926参照)。
【0113】
ここで、最大数に応じた数の条件文を展開した場合、各条件文に含まれる圧縮機は、必ずしも存在しているとは限られない。そこで、仕様記述部121の生成部503では、圧縮機の有無を含む条件文を付加する(符号921〜926参照)。
【0114】
同様に、最大数に応じて条件文を展開した場合、各条件文に含まれるユニットは、必ずしも存在しているとは限られない。そこで、仕様記述部121の生成部503では、ユニットの有無を含む条件文を付加する(符号931〜933参照)。
【0115】
<判定部の処理の具体例>
次に、判定部502の処理の具体例について説明する。図10は、判定部の処理の具体例を示す図である。上述したように、判定部502は、固有の表現方法に基づいて、各プロセスの処理内容の整合性を判定する。
【0116】
図10においてプロセス1000は、記述部501から通知され、プロセスに対する固有の表現方法として、"要素単位:システム"が記述されたプロセスを示している。プロセス1000の処理内容に記述された条件文によれば、システム変数が10より大きく、かつ、ユニット変数が30より大きい場合に、システムの状態が状態Aから状態Bに遷移する。
【0117】
ここで、階層構造データ300に示したように、システムには、複数のユニット(最大3個のユニット)が含まれる。このため、プロセスに対する固有の表現方法として、"要素単位:システム"が記述された状態では、条件文に含まれる"ユニット変数>30"なる記述が、最大3個のユニットのうちのいずれのユニットであるかが不明である。
【0118】
判定部502では、このような場合に、整合性がないと判定し、判定結果をユーザ130に報知する。図10において、エラーメッセージ1003は、判定部502によりユーザ130に報知された判定結果を示している。
【0119】
なお、エラーメッセージ1003が報知された場合、ユーザ130は、例えば、以下のような方法によりプロセス1000を修正する。
・プロセス1000に対する固有の表現方法("要素単位:システム")を"要素単位:ユニット"に修正する(プロセス101参照)。
・プロセス1000の処理内容に含まれる条件文に、条件文に対する固有の表現方法である、"すべてのユニット"を付加する(プロセス1020参照)。
【0120】
プロセス1010によれば、各ユニットがそれぞれのユニット変数について、"ユニット変数>30"を判定することが明確になるため、エラーが解消されることになる。
【0121】
また、プロセス1020によれば、システム内の全てのユニットのユニット変数について、"ユニット変数>30"を判定することが明確になるため、エラーが解消することになる。
【0122】
<まとめ>
以上の説明から明らかなように、第1の実施形態に係る仕様記述プログラムが実行されることで、仕様記述部は、
・複数の機器それぞれにおいて実行される複数のプロセスについて、処理内容を受け付ける。
・複数の機器のうちの同種別の複数の機器を対象とした処理内容であることを示す固有の表現方法を、選択可能な機能としてユーザに提供する。
【0123】
このように、固有の表現方法を選択可能な機能として提供する構成とすることで、仕様記述部によれば、ユーザは、様々なバリエーションの機器構成が想定される場合でも、各プロセスの処理内容を簡潔に記述することができる。
【0124】
つまり、第1の実施形態によれば、複数の機器それぞれにおいて実行される複数のプロセスを設計する際、各プロセスの処理内容を簡潔に記述することが可能な仕様記述プログラム及び仕様記述方法を提供することができる。
【0125】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、機器システムが、システム、ユニット、各種別の機器を要素単位とする階層構造により構成されるものとして説明したが、機器システムの階層構造を構成する要素単位はこれに限定されない。
【0126】
また、上記第1の実施形態では、システム、ユニット、各種別の機器の最大数を、図3の階層構造データ300に示したが、システム、ユニット、各種別の機器の最大数は、これに限定されない。
【0127】
また、上記第1の実施形態では、統計量として最大値を挙げたが、統計量はこれに限定されず、最小値、平均値、分散値等、他の統計量が算出されてもよい。
【0128】
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0129】
10 :機器システム
110 :設計作業支援装置
120 :設計作業支援機能
121 :仕様記述部
122 :階層構造データ格納部
300 :階層構造データ
501 :記述部
502 :判定部
503 :生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10