(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6974852
(24)【登録日】2021年11月9日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】システム起動時制御方法、システム起動時制御プログラム、およびコンピュータシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 1/20 20060101AFI20211118BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20211118BHJP
【FI】
G06F1/20 D
G06F1/20 B
H05K7/20 K
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-236051(P2018-236051)
(22)【出願日】2018年12月18日
(65)【公開番号】特開2020-98448(P2020-98448A)
(43)【公開日】2020年6月25日
【審査請求日】2020年4月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077838
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 憲保
(74)【代理人】
【識別番号】100129023
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 敬
(72)【発明者】
【氏名】眞田 和朗
【審査官】
征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−332949(JP,A)
【文献】
特開2009−205115(JP,A)
【文献】
特開2017−175023(JP,A)
【文献】
特開平10−063377(JP,A)
【文献】
特開平10−283219(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/00;1/16;1/20
H05K7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム起動時に吸気口と排気口とを持つ筐体で覆われているコンピュータシステムで実行される、システム起動時制御方法であって、
前記コンピュータシステムは、
当該コンピュータシステムを制御するための主制御部と、
当該コンピュータシステムの前記筐体内の粉塵状態を監視するための粉塵センサと、
当該コンピュータシステムの前記筐体内部を冷却するためのファンと、
該ファンを制御するためのファン制御部と、
エラーを通知するためのエラー通知部と、
を備え、
前記システム起動時制御方法は、
前記主制御部の初期化を実行するステップと、
前記粉塵センサから前記粉塵状態を示す粉塵センサ値を取得するステップと、
前記粉塵センサの粉塵閾値を取得するステップと、
前記粉塵センサ値と前記粉塵閾値とを比較するステップと、
前記粉塵センサ値が前記粉塵閾値より大きいときに、前記ファン制御部を使用して前記ファンを停止させるステップと、
前記ファンの停止後に、前記エラー通知部によってエラーを通知させるステップと、
前記エラーの通知後に、当該コンピュータシステムを停止させるステップと、
を含む、システム起動時制御方法。
【請求項2】
システム起動時に吸気口と排気口とを持つ筐体で覆われているコンピュータシステムで実行される、システム起動時制御方法であって、
前記コンピュータシステムは、
当該コンピュータシステムを制御するための主制御部と、
当該コンピュータシステムの前記筐体内の粉塵状態を監視するための粉塵センサと、
当該コンピュータシステムの前記筐体内部を冷却するためのファンと、
該ファンを制御するためのファン制御部と、
前記ファンの回転数と前記粉塵センサの粉塵閾値とを対にして記憶した粉塵閾値管理テーブルを保持する記憶部と、
エラーを通知するためのエラー通知部と、
を備え、
前記システム起動時制御方法は、
前記主制御部の初期化を実行するステップと、
前記粉塵センサから前記粉塵状態を示す粉塵センサ値を取得するステップと、
前記ファン制御部から前記ファンの回転数を取得するステップと、
前記粉塵閾値管理テーブルを参照して、前記取得したファンの回転数に対応する前記粉塵センサの粉塵閾値を取得するステップと、
前記粉塵センサ値と前記粉塵閾値とを比較するステップと、
前記粉塵センサ値が前記粉塵閾値より大きいときに、前記ファン制御部を使用して前記ファンを停止させるステップと、
前記ファンの停止後に、前記エラー通知部によってエラーを通知させるステップと、
前記エラーの通知後に、当該コンピュータシステムを停止させるステップと、
を含む、システム起動時制御方法。
【請求項3】
システム起動時に吸気口と排気口とを持つ筐体で覆われているコンピュータシステムに実行させるためのシステム起動時制御プログラムであって、
前記コンピュータシステムは、
当該コンピュータシステムを制御するための主制御部と、
当該コンピュータシステムの前記筐体内の粉塵状態を監視するための粉塵センサと、
当該コンピュータシステムの前記筐体内部を冷却するためのファンと、
該ファンを制御するためのファン制御部と、
エラーを通知するためのエラー通知部と、
を備え、
前記システム起動時制御プログラムは、前記コンピュータに、
前記主制御部の初期化を実行する手順と、
前記粉塵センサから前記粉塵状態を示す粉塵センサ値を取得する手順と、
前記粉塵センサの粉塵閾値を取得する手順と、
前記粉塵センサ値と前記粉塵閾値とを比較する手順と、
前記粉塵センサ値が前記粉塵閾値より大きいときに、前記ファン制御部を使用して前記ファンを停止させる手順と、
前記ファンの停止後に、前記エラー通知部によってエラーを通知させる手順と、
前記エラーの通知後に、当該コンピュータシステムを停止させる手順と、
を実行させる、システム起動時制御プログラム。
【請求項4】
システム起動時に吸気口と排気口とを持つ筐体で覆われているコンピュータシステムに実行させるためのシステム起動時制御プログラムであって、
前記コンピュータシステムは、
当該コンピュータシステムを制御するための主制御部と、
当該コンピュータシステムの前記筐体内の粉塵状態を監視するための粉塵センサと、
当該コンピュータシステムの前記筐体内部を冷却するためのファンと、
該ファンを制御するためのファン制御部と、
前記ファンの回転数と前記粉塵センサの粉塵閾値とを対にして記憶した粉塵閾値管理テーブルを保持する記憶部と、
エラーを通知するためのエラー通知部と、
を備え、
前記システム起動時制御プログラムは、前記コンピュータに、
前記主制御部の初期化を実行する手順と、
前記粉塵センサから前記粉塵状態を示す粉塵センサ値を取得する手順と、
前記ファン制御部から前記ファンの回転数を取得する手順と、
前記粉塵閾値管理テーブルを参照して、前記取得したファンの回転数に対応する前記粉塵センサの粉塵閾値を取得する手順と、
前記粉塵センサ値と前記粉塵閾値とを比較する手順と、
前記粉塵センサ値が前記粉塵閾値より大きいときに、前記ファン制御部を使用して前記ファンを停止させる手順と、
前記ファンの停止後に、前記エラー通知部によってエラーを通知させる手順と、
前記エラーの通知後に、当該コンピュータシステムを停止させる手順と、
を実行させる、システム起動時制御プログラム。
【請求項5】
吸気口と排気口とを持つ筐体で覆われているコンピュータシステムであって、該コンピュータシステムは、
当該コンピュータシステムを制御するための主制御部と、
当該コンピュータシステムの前記筐体内の粉塵状態を監視するための粉塵センサと、
当該コンピュータシステムの前記筐体内部を冷却するためのファンと、
該ファンを制御するためのファン制御部と、
エラーを通知するためのエラー通知部と、
前記ファンの回転数と前記粉塵センサの粉塵閾値とを対にして記憶した粉塵閾値管理テーブルを保持する記憶部と、
を備え、
前記主制御部は、
システム起動時に、前記主制御部の初期化を実行する初期化実行手段と、
前記粉塵センサから前記粉塵状態を示す粉塵センサ値を取得する粉塵センサ値取得手段と、
前記粉塵センサの粉塵閾値を取得する粉塵閾値取得手段と、
前記粉塵センサ値と前記粉塵閾値とを比較する比較手段と、
前記粉塵センサ値が前記粉塵閾値より大きいときに、前記ファン制御部を使用して前記ファンを停止させるファン停止手段と、
前記ファンの停止後に、前記エラー通知部によってエラーを通知させるエラー通知手段と、
前記エラーの通知後に、当該コンピュータシステムを停止させるシステム停止手段と、
前記ファン制御部から前記ファンの回転数を取得するファン回転数取得手段と、
を含み、
前記粉塵閾値取得手段は、前記粉塵閾値管理テーブルを参照して、前記取得したファンの回転数に対応する前記粉塵センサの粉塵閾値を取得する、
コンピュータシステム。
【請求項6】
前記吸気口には、防塵フィルタが実装されている、請求項5に記載のコンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム起動時制御方法、システム起動時制御プログラム、およびコンピュータシステムに関し、特に、外部からの粉塵によるシステム誤動作を回避するためのシステム起動時制御方法、システム起動時制御プログラム、およびコンピュータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
粉塵の影響をあまり受けない環境では、コンピュータシステムに防塵対策が実施されていない。このような防塵対策を実施していないコンピュータシステムにおいては、知らない間に装置内に粉塵がたまり、粉塵による誤動作を誘発させてしまうおそれがある。また、粉塵環境下で動作するコンピュータシステムでは、防塵対策として装置の吸気口に防塵フィルタを実装している。しかしながら、防塵フィルタの目詰まりにより、装置内の冷却に影響が出てしまうおそれがある。
【0003】
上述したような問題を解決するために、種々の対策が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1は、タッチスクリーン付きコンピュータ(パネルコンピュータ)において、OS(Operating System)稼働中に各種センサを監視し、異常を検出した場合にアラームにてユーザに報知する方式を記載している。パネルコンピュータは、一体に形成されており、かつ、機械的に動作する部分が露出していないので、周囲温度が高い場合、あるいは、振動、高周波ノイズや防塵などが多い場合など、OA(Office Automation)分野のコンピュータの設置場所に比べて周囲環境が劣悪な場合であっても正常に動作できる。ただし、パネルコンピュータであっても、周囲環境がさらに悪化すると正常に動作できなくなる。したがって、パネルコンピュータには、パネルコンピュータが動作中も自己診断し続けるシステムモニタリング機能が付加されており、パネルコンピュータが動作中、例えば、温度や電源電圧など、予め定められた項目を監視して、パネルコンピュータがシステムダウンする前に、異常を検出できる。
【0005】
また、特許文献2は、塵埃の蓄積状態を良好に検知して報知することにより塵埃除去等の対処を促して、計算機の故障や寿命低下等の不都合の発生を防止するようにした「塵埃蓄積報知装置」を開示している。特許文献2において、パーソナルコンピュータの筐体には、吸気口および排気口が設けられている。吸気口にはフィルタが取り付けられている。吸気口の内側には、ファンが配されている。吸気口から排気口へ向かう通気経路には、CPU(Central Processing Unit)やその他の各種部品が配されており、これらの下流に、塵埃蓄積報知装置の一部である光センサと透明ポケット(塵埃測定モデル)とが配されている。光センサは、発光部および受光部を有する。光センサは、発光部と受光部との間で光を遮る異物の有無を検知する。
【0006】
制御部は、プログラムに従うことにより、塵埃蓄積報知装置の一部である判別手段と、報知手段とを実現する。判別手段は、光センサの測定結果に基づいて筐体内の塵埃蓄積状態を判別する。報知手段は、判別手段の判別結果に基づく情報を、表示機に表示させる。塵埃蓄積レベルが最終のレベルのときの報知処理では、発火の危険があるためシャットダウンする旨を告げてパーソナルコンピュータを強制的にシャットダウンする。塵埃蓄積レベルに応じて、ファンを回転させるモータの運転状態を制御してもよい。
【0007】
尚、一般に、パーソナルコンピュータ(PC)等の情報処理装置には、ハードウェアを制御するファームウェアとしてBIOS(Basic Input/Output System)と呼ばれるシステムプログラムが搭載されている。
【0008】
詳述すると、PCは、すべての処理をオペレーティングシステム(OS)が行っている訳ではない。PCにあらかじめマザーボードの不揮発性メモリ(ROM(Read-Only Memory))に組み込まれているプログラムがあり、このプログラムがBIOSと呼ばれる。このBIOSを組み込んだROMは、BIOS−ROMと呼ばれる。BIOSはPCの電源投入後、真っ先に起動されるプログラムである。HDD(Hard Disc Drive)などにインストールされたOSは、BIOSによって呼び出され、RAM(Random Access Memory)にロードされて起動される。
【0009】
より詳細に述べると、PCの電源が投入されると、まずCPUはBIOS−ROMにあるBIOSを実行する。以下では、CPUがBIOSを実行することを、BIOSが実行するとして説明する。BIOSは最初に、CPU内部のキャッシュやレジスタなどの初期化を行い、動作モードを16bitモードに切り替える。
【0010】
続いて、BIOSは、マザーボード上の各種コントローラにアクセスし、状態を確認するとともに使用不可能な要素がある場合は、エラーを発する。各種コントローラとは、例えば、CPU、メモリコントローラ、外部キャッシュメモリ、割り込みコントローラ、ビデオ・コントローラ、リアルタイム・クロック、パラレル/シリアル・ポート、ディスク・コントローラ、キーボードコントローラ等である。
【0011】
各コントローラが正常に動作している場合、BIOSは、「POST(Power On Self Test)処理」を行う。POST処理とは、ビデオ、キーボード、メモリ、マウス、HDD、パラレル/シリアル・ポートといった周辺機器の検出・初期化・設定を行う処理である。このPOST処理を実行することで、周辺機器を使用できるようになる。
【0012】
POST処理を終えるとBIOSは、あらかじめ決められている優先順位に従ってブートメディアを指定する。ブートメディアとは、起動対象OSが記録されている媒体である。ブートメディアを決定したBIOSは、そのメディアの先頭セクタにあるOSローダをロードする。OSローダとは、OSを検出し起動するプログラムである。これでBIOSのブート処理は終了し、以降はRAMなどのメモリにロードされたOSローダがOS本体をHDDからロードし、OSを起動させる。
【0013】
このように、BIOSは、情報処理装置の電源投入時に実行され、各種設定項目とその設定値とが対応付けられたBIOS設定情報に基づいてハードウェアの初期化等のOSを起動するために必要な処理が行われる。BIOS設定情報を変更するためのセットアップユーティリティとしては、例えば、BIOSセットアップメニューと呼ばれる設定画面が知られている。
【0014】
このBIOSがOSを起動させる場合の仕様について、新しく定義したものをUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)と呼ぶ。UEFIは、BIOSにおける次に述べるような問題を解消されるために定義されたものである。
【0015】
1)1MB(メガバイト)というメモリ空間の制約により、セキュリティなどを含めたシステムの機能強化が困難である。
2)Ethernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)につながるディスクなど、新たなブートデバイスが追加されるたびに、OSのブートローダを変更しなければならない。
3)マザーボードごとに、ファームウェアをアセンブラで開発する必要がある。
【0016】
また、マザーボードに取り付けられているPCのパーツとして、チップセットが知られている。チップセットは、別名、ブリッジとも呼ばれる。その理由は、チップセットは、PCに搭載または繋がれている機器の橋渡しをする役割があるためである。たとえば、チップセットは、CPUで処理したデータを各機器に送ったり、各機器の処理を行ったりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2000−075952号公報
【特許文献2】特開2014−002593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、特許文献1〜2に開示の対策には、次に述べるような問題がある。
【0019】
特許文献1は、システム起動時の抑止機能に関して何ら言及していない。また、特許文献1において、対象となるパネルコンピュータは粉塵が多い環境下でも誤動作しにくいとしている。したがって、特許文献1に開示のパネルコンピュータには、粉塵環境に対する考慮が何らなされていない。
【0020】
特許文献2では、システムが稼働している状態での通報処理について記載しているだけある。換言すれば、特許文献2は、システム起動時の防塵対策について開示も示唆もしていない。また、特許文献2は、吸気口にフィルタ(防塵フィルタ)を取り付けることを前提(必須)とした技術的思想を開示している。尚、特許文献2では、「塵埃蓄積レベルに応じて、ファンを回転させるモータの運転状態を制御してもよい。」と記載しているが、具体的にモータの運転状態をどのように制御するのかについては開示も示唆もしていない。
【0021】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、システム起動時に外部からの粉塵によるシステムの誤動作を回避することが可能な、システム起動時制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記目的を達成するため、本発明の1つの態様として、システム起動時制御方法は、システム起動時に
吸気口と排気口とを持つ筐体で覆われているコンピュータシステムで実行される、システム起動時制御方法であって、前記コンピュータシステムは、当該コンピュータシステムを制御するための制御部と;当該コンピュータシステム
の前記筐体内の粉塵状態を監視するための粉塵センサと;当該コンピュータシステムの
前記筐体内部を冷却するためのファンと;該ファンを制御するためのファン制御部と;エラーを通知するためのエラー通知部と;を備え、前記システム起動時制御方法は、前記制御部の初期化を実行するステップと;前記粉塵センサから前記粉塵状態を示す粉塵センサ値を取得するステップと;前記粉塵センサの粉塵閾値を取得するステップと;前記粉塵センサ値と前記粉塵閾値とを比較するステップと;前記粉塵センサ値が前記粉塵閾値より大きいときに、前記ファン制御部を使用して前記ファンを停止させるステップと;前記ファンの停止後に、前記エラー通知部によってエラーを通知させるステップと;前記エラーの通知後に、当該コンピュータシステムを停止させるステップと;を含む。
【0023】
本発明の他の態様として、システム起動時制御方法は、システム起動時に
吸気口と排気口とを持つ筐体で覆われているコンピュータシステムで実行される、システム起動時制御方法であって、前記コンピュータシステムは、当該コンピュータシステムを制御するための制御部と;当該コンピュータシステム
の前記筐体内の粉塵状態を監視するための粉塵センサと;当該コンピュータシステムの
前記筐体内部を冷却するためのファンと;該ファンを制御するためのファン制御部と;前記ファンの回転数と前記粉塵センサの粉塵閾値とを対にして記憶した粉塵閾値管理テーブルを保持する記憶部と;エラーを通知するためのエラー通知部と;を備え、前記システム起動時制御方法は、前記制御部の初期化を実行するステップと;前記粉塵センサから前記粉塵状態を示す粉塵センサ値を取得するステップと;前記ファン制御部から前記ファンの回転数を取得するステップと;前記粉塵閾値管理テーブルを参照して、前記取得したファンの回転数に対応する前記粉塵センサの粉塵閾値を取得するステップと;前記粉塵センサ値と前記粉塵閾値とを比較するステップと;前記粉塵センサ値が前記粉塵閾値より大きいときに、前記ファン制御部を使用して前記ファンを停止させるステップと;前記ファンの停止後に、前記エラー通知部によってエラーを通知させるステップと;前記エラーの通知後に、当該コンピュータシステムを停止させるステップと;を含む。
【0024】
本発明の他の態様として、システム起動時制御プログラムは、システム起動時に
吸気口と排気口とを持つ筐体で覆われているコンピュータシステムに実行させるためのシステム起動時制御プログラムであって、前記コンピュータシステムは、当該コンピュータシステムを制御するための主制御部と;当該コンピュータシステム
の前記筐体内の粉塵状態を監視するための粉塵センサと;当該コンピュータシステムの
前記筐体内部を冷却するためのファンと;該ファンを制御するためのファン制御部と;エラーを通知するためのエラー通知部と;を備え、前記システム起動時制御プログラムは、前記コンピュータに、前記主制御部の初期化を実行する手順と;前記粉塵センサから前記粉塵状態を示す粉塵センサ値を取得する手順と;前記粉塵センサの粉塵閾値を取得する手順と;前記粉塵センサ値と前記粉塵閾値とを比較する手順と;前記粉塵センサ値が前記粉塵閾値より大きいときに、前記ファン制御部を使用して前記ファンを停止させる手順と;前記ファンの停止後に、前記エラー通知部によってエラーを通知させる手順と;前記エラーの通知後に、当該コンピュータシステムを停止させる手順と;を実行させる。
【0025】
本発明の他の態様として、システム起動時制御プログラムは、システム起動時に
吸気口と排気口とを持つ筐体で覆われているコンピュータシステムに実行させるためのシステム起動時制御プログラムであって、前記コンピュータシステムは、当該コンピュータシステムを制御するための主制御部と;当該コンピュータシステム
の前記筐体内の粉塵状態を監視するための粉塵センサと;当該コンピュータシステムの
前記筐体内部を冷却するためのファンと;該ファンを制御するためのファン制御部と;前記ファンの回転数と前記粉塵センサの粉塵閾値とを対にして記憶した粉塵閾値管理テーブルを保持する記憶部と;エラーを通知するためのエラー通知部と;を備え、前記システム起動時制御プログラムは、前記コンピュータに、前記主制御部の初期化を実行する手順と;前記粉塵センサから前記粉塵状態を示す粉塵センサ値を取得する手順と;前記ファン制御部から前記ファンの回転数を取得する手順と;前記粉塵閾値管理テーブルを参照して、前記取得したファンの回転数に対応する前記粉塵センサの粉塵閾値を取得する手順と;前記粉塵センサ値と前記粉塵閾値とを比較する手順と;前記粉塵センサ値が前記粉塵閾値より大きいときに、前記ファン制御部を使用して前記ファンを停止させる手順と;前記ファンの停止後に、前記エラー通知部によってエラーを通知させる手順と;前記エラーの通知後に、当該コンピュータシステムを停止させる手順と;を実行させる。
【0026】
本発明の他の態様として、吸気口と排気口とを持つ筐体で覆われているコンピュータシステムは、当該コンピュータシステムを制御するための主制御部と;当該コンピュータシステムの前記筐体内の粉塵状態を監視するための粉塵センサと;当該コンピュータシステムの前記筐体内部を冷却するためのファンと;該ファンを制御するためのファン制御部と;エラーを通知するためのエラー通知部と;
前記ファンの回転数と前記粉塵センサの粉塵閾値とを対にして記憶した粉塵閾値管理テーブルを保持する記憶部と;を備え、前記主制御部は、システム起動時に、前記主制御部の初期化を実行する初期化実行手段と;前記粉塵センサから前記粉塵状態を示す粉塵センサ値を取得する粉塵センサ値取得手段と;前記粉塵センサの粉塵閾値を取得する粉塵閾値取得手段と;前記粉塵センサ値と前記粉塵閾値とを比較する比較手段と;前記粉塵センサ値が前記粉塵閾値より大きいときに、前記ファン制御部を使用して前記ファンを停止させるファン停止手段と;前記ファンの停止後に、前記エラー通知部によってエラーを通知させるエラー通知手段と;前記エラーの通知後に、当該コンピュータシステムを停止させるシステム停止手段と;
前記ファン制御部から前記ファンの回転数を取得するファン回転数取得手段と;を含
み、前記粉塵閾値取得手段は、前記粉塵閾値管理テーブルを参照して、前記取得したファンの回転数に対応する前記粉塵センサの粉塵閾値を取得する。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、システム起動時に外部からの粉塵によるシステム誤動作を回避することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るシステム起動時制御方法が適用されるコンピュータシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示したコンピュータシステムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図2に示したコンピュータシステムのシステム起動時の制御処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】本発明の第2の実施形態に係るシステム起動時制御方法が適用されるコンピュータシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図5】
図4に示したコンピュータシステムに使用される、粉塵閾値管理テーブルの一例を示す図である。
【
図6】
図4に示したコンピュータシステムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】
図6に示したコンピュータシステムのシステム起動時の制御処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の特徴について説明する。本発明は、コンピュータシステムにおいて、外部からの粉塵によるシステム誤動作を回避するために、システム起動時にBIOSやUEFIなどのファームウェアでPOST中に粉塵センサによる粉塵監視を行うことで、コンピュータシステムの起動を抑止することを特徴としている。
【0030】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0031】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るシステム起動時制御方法が適用されるコンピュータシステム100の概略構成を示すブロック図である。
【0032】
図1に示されるように、コンピュータシステム100は、筐体101で覆われている。筐体101には、吸気口101aと排気口101bとが設けられている。図示の吸気口101aには、防塵フィルタが取り付けられていない。
【0033】
図示のコンピュータシステム100は、例えば、汎用のパーソナルコンピュータ(PC)から成る。コンピュータシステム100は、
図1に示すように、CPU(Central Processing Unit)110、チップセット120、BIOS(Basic Input/Output System)−ROM(Read-Only Memory)130、粉塵センサ140、ファン制御部150、ファン160、エラー通知部170、RAM(Random Access Memory)180、および外部記憶装置190を備える。チップセット120、BIOS−ROM130、RAM180、外部記憶装置190、エラー通知部170、粉塵センサ140、およびファン制御部150は、バスラインなどの接続線CLを介して相互に電気的に接続されている。
【0034】
CPU110は、後述するBIOS−ROM130や外部記憶装置190からプログラムやデータをRAM180上に読み出して処理を実行することにより、コンピュータシステム100の制御や機能を実現する演算装置である。
【0035】
RAM180は、BIOS−ROM130や外部記憶装置190から読み出されたプログラムやデータを一時的に保持する揮発性のメモリであり、CPU110の作業領域として使用される。
【0036】
BIOS−ROM130は、BIOSやBIOSを実行する際に参照されるモジュール(後述する)を記憶する書き換え可能な不揮発性メモリである。不揮発性メモリは、例えば、EPROM(Erasable Programmed Read-Only Memory)から成る。
【0037】
外部記憶装置190は、記憶内容が書き換え可能な大容量かつ不揮発性の記憶装置であり、内蔵ストレージとも呼ばれる。図示の外部記憶装置190は、HDD(Hard Disk Drive)から成る。外部記憶装置190は、例えば、基本ソフトウェアであるOS(Operating System)、OSを起動するために使用されるブートローダ、OS上で動作し各種機能を提供するアプリケーションソフトウェア等のプログラムやデータを記憶する。なお、外部記憶装置190は、HDDに替えて、または、これと共に、SSD(Solid State Drive)等の書き換え可能な不揮発性の記憶装置から成ってもよい。
【0038】
ファン160は、吸気口101a近傍の筐体101の内側に配置されている。ファン160が回転することにより、吸気口101aから排気口101bへ向かって空気が流れる。ファン制御部150は、ファン160の動作を制御するためのユニットである。
【0039】
粉塵センサ140は、筐体101
内の粉塵状態を検出するセンサである。粉塵センサ140としては、光センサを用いた方式や、光吸収方式、圧電天秤方式など、種々の方式を採用してよい。
【0040】
エラー通知部170は、エラーがあったことを外部へ通知するユニットである。例えば、エラー通知部170は、警告メッセージを表示機(図示せず)に表示したり、アラーム音を発したり、ランプ点灯でエラーがあった旨を通知する。
【0041】
チップセット120は、前述したように、マザーボード(図示せず)に取り付けられているPCのパーツであり、CPU110やRAM180、BIOS−ROM130、外部記憶装置190、各種のインターフェースなどを相互に接続し制御する。尚、チップセット120だけでなく、CPU110、RAM180、およびBIOS−ROM130も、マザーボード上に搭載される。
【0042】
図1に示されるように、BIOS−ROM130は、上記モジュールとして、粉塵センサ監視モジュール131、ファン制御モジュール132、エラー通知モジュール133、および粉塵閾値設定モジュール134を含んでいる。
【0043】
粉塵センサ監視モジュール131は、粉塵センサ140を監視して、粉塵センサ140で検出させた粉塵状態を取得するためのものである。ファン制御モジュール132は、ファン制御部150に対して制御指令を発するものである。エラー通知モジュール133は、エラー通知部170に対してエラーを通知させるためのものである。粉塵閾値設定モジュール134は、本コンピュータシステム100で許容される、粉塵濃度閾値(以下、単に「粉塵閾値」とも呼ぶ)を設定するためのものである。
【0044】
本コンピュータシステム100は、システム起動時に、CPU110がBIOS−ROM130からBIOSをRAM180にフェッチし、BIOSを起動する。前述したように、CPU110がBIOSを実行することを、BIOSが実行するとして説明する。
【0045】
BIOSは、BIOS−ROM130に内蔵している粉塵センサ監視モジュール131を用いて、粉塵センサ140の初期化と監視を行う。粉塵センサ140で監視する粉塵閾値については、粉塵閾値設定モジュール134で管理する。また、BIOSは、BIOS−ROM130に内蔵しているファン制御モジュール132を用いて、ファン制御部150の初期化、監視及び制御を行う。更に、BIOSは、BIOS−ROM130に内蔵しているエラー通知モジュール133を用いて、エラー通知部170の初期化とエラー通知を行う。
【0046】
続いて、
図2を参照して、コンピュータシステム100の機能構成について説明する。コンピュータシステム100は、
図2に示されるように、主制御部200と、粉塵センサ140と、ファン制御部150と、ファン160と、エラー通知部170と、外部記憶装置190とを備える。
【0047】
主制御部200は、コンピュータシステム100の各構成部位を制御する。主制御部200は、例えば、
図1に示した、CPU110、チップセット120、BIOS−ROM130、およびRAM180の組み合わせから成る。
【0048】
主制御部200は、機能的には、初期化実行手段210、粉塵センサ値取得手段220、粉塵閾値取得手段230、比較手段240、ファン停止手段250、エラー通知手段260、およびシステム停止手段270から成る。
【0049】
初期化実行手段210は、主制御部200の初期化を実行する。粉塵センサ値取得手段220は、粉塵センサ140から粉塵状態を示す粉塵センサ値を取得する。粉塵閾値取得手段230は、粉塵閾値設定モジュール134に設定された、粉塵センサ140の粉塵閾値を取得する。比較手段240は、粉塵センサ値と粉塵閾値とを比較する。ファン停止手段250は、粉塵センサ値が粉塵閾値より大きいときに、ファン制御部150を使用してファン160を停止させる。エラー通知手段260は、ファン160の停止後に、エラー通知部170によってエラーを通知させる。システム停止手段270は、エラーの通知後に、当該コンピュータシステム100を停止させる。
【0050】
次に、
図3に示すフローチャートを参照して、コンピュータシステム100の主制御部200が実行するシステム起動時の制御処理について説明する。
【0051】
まず、コンピュータシステム100を起動すると、CPU110がBIOS−ROM130からBIOSをRAM180に読み出して、BIOS(主制御部)200を起動する。
【0052】
BIOS(主制御部)200の初期化実行手段210は、CPU110およびチップセット120の初期化を実施する(ステップS101)。その後、BIOS(主制御部)200の初期化実行手段210は、粉塵センサ監視モジュール131、ファン制御モジュール132、およびエラー通知モジュール133を起動する(ステップS102)。各モジュールを起動した後、BIOS(主制御部)200は、粉塵センサ監視モジュール131で粉塵センサ140の初期化を行い、ファン制御モジュール132でファン制御部150の初期化を行い、エラー通知モジュール133でエラー通知部170の初期化を行う(ステップS103)。
【0053】
粉塵センサ140の初期化完了後、BIOS(主制御部)200の粉塵センサ値取得手段220は、筐体101の吸気口101aの粉塵状態を確認するため、粉塵センサ140から粉塵状態を取得する(ステップS104)。
【0054】
また、BIOS(主制御部)200の粉塵閾値取得手段230は、粉塵閾値設定モジュール134で管理している粉塵センサ140の粉塵閾値を取得する(ステップS105)。粉塵閾値設定モジュール134で管理している粉塵濃度閾値(粉塵閾値)については、BIOSセットアップメニューなどで変更が可能となっており、粉塵環境によって設定変更が可能となっている。
【0055】
その後、BIOS(主制御部)200の比較手段240は、粉塵センサ140の取得値(粉塵センサ値)が粉塵濃度閾値(粉塵閾値)を超えているかどうかを判断する(ステップS106)。
【0056】
粉塵センタ値が粉塵閾値より大きく、粉塵濃度異常を検出した場合(ステップS106のYes)、BIOS(主制御部)200のファン停止手段250は、ファン制御モジュール132でファン制御部150にファン停止設定を行い、ファン160を停止させる(ステップS107)。
【0057】
その後、BIOS(主制御部)200のエラー通知手段260は、エラー通知モジュール133でエラー通知部170に対して粉塵濃度エラーを通知する(ステップS108)。
【0058】
最後に、BIOS(主制御部)200のシステム停止手段270は、コンピュータシステム100を停止させる(ステップS109)。
【0059】
一方、粉塵センタ値が粉塵閾値以下で、粉塵濃度異常を検出しなかった場合(ステップS106のNo)、BIOS(主制御部)200は、処理を継続する(ステップS110)。
【0060】
次に、本第1の実施形態の効果について説明する。
【0061】
第1の効果は、システム起動時に粉塵センサ140による起動抑止を行うことで、粉塵によるコンピュータシステム100の誤動作を回避することができることである。
【0062】
第2の効果は、吸気口101aに防塵フィルタを実装する必要がなくなるため、装置内の冷却に影響が出なくなることである。
【0063】
[第2の実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態に係るシステム起動時制御方法が適用されるコンピュータシステム100Aの概略構成を示すブロック図である。
【0064】
図示のコンピュータシステム100Aは、後述するように、BIOS−ROMの構成(機能)が変更されている点を除いて、
図1に示したコンピュータシステム100と同様の構成を有し、動作をする。従って、BIOS−ROMに130Aの参照符号を付してある。
図1に示したものと同様の機能を有するものには同一の参照符号を付し、説明の簡略化のために、それらについての説明を省略する。
【0065】
図4を参照すると、BIOS−ROM130Aは、粉塵閾値設定モジュール134の代わりに、粉塵閾値管理テーブル135を含んでいる。
【0066】
図5を参照すると、粉塵閾値管理テーブル135には、ファン回転数と粉塵閾値とが対になったテーブルが複数用意されている。したがって、BIOS−ROM130Aは、ファン160の回転数と粉塵センサ140の粉塵閾値とを対にして記憶した粉塵閾値管理テーブル135を保持する記憶部として働く。
【0067】
続いて、
図6を参照して、コンピュータシステム100Aの機能構成について説明する。図示のコンピュータシステム100Aは、主制御部の構成(機能)が変更されている点を除いて、
図2に示したコンピュータシステム100と同様の構成を有し、動作をする。従って、主制御部に200Aの参照符号を付してある。
図2に示したものと同様の機能を有するものには同一の参照符号を付し、説明の簡略化のために、それらについての説明を省略する。
【0068】
図6を参照すると、主制御部200Aは、ファン回転数取得手段280を更に備えている点を除いて、
図2に示した主制御部200と同様の構成を有し、動作をする。ファン回転数取得手段280は、ファン制御部150からファン160の回転数を取得する。
【0069】
次に、
図7に示すフローチャートを参照して、コンピュータシステム100Aの主制御部200Aが実行するシステム起動時の制御処理について説明する。
【0070】
図7に示すように、主制御部200Aは、
図3に示すステップS105の代わりに、ステップS120およびS121を実行する点を除いて、
図3に示したものと同様の動作をする。
【0071】
前述したように、第1の実施形態では、BIOS(主制御部)200の粉塵閾値取得手段230は、BIOSセットアップメニューで設定した粉塵センサ140の粉塵閾値を取得していた(
図3のステップS105参照)。
【0072】
本第2の実施形態では、その代わり、BIOS(主制御部)200Aのファン回転数取得手段280は、ファン制御部150からファン回転数を取得する(ステップS120)。引き続いて、BIOS(主制御部)200Aの粉塵閾値取得手段230は、粉塵閾値管理テーブル135を参照して、取得したファン回転数に対する粉塵閾値を取得する(ステップS121)。
【0073】
その後、BIOS(主制御部)200Aの比較手段240は、粉塵センサ値と粉塵閾値管理テーブル135から取得した粉塵閾値とを比較して、粉塵異常を判断する(ステップS106)。
【0074】
これにより、本第2の実施形態では、BIOSセットアップメニューを用いて手動で粉塵センサの閾値を設定することなく、ファン回転数によって自動で粉塵閾値を切り替えることが可能となる。
【0075】
次に、本第2の実施形態の効果について説明する。
【0076】
上記第1〜2の効果に加えて、第3の効果は、粉塵閾値を自動で切り替えることができることである。
【0077】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、これらに限られるものではない。例えば、本発明は、これまで説明した実施の形態の一部又は全部を適宜組み合わせた形態、その形態に適宜変更を加えた形態をも含む。
【0078】
上記実施形態では、筐体101の吸気口101aには、防塵フィルタが備えられていないが、防塵フィルタが吸気口101aに取り付けられてもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、コンピュータシステム100、100Aの起動時に実行されるファームウェアとしてBIOSを例に説明したが、本発明は、これに限定されず、コンピュータシステム100、100Aのハードウェアを制御する機能を備えるものでればよい。例えば、ファームウェアは、UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)であってもよい。
【0080】
上記実施形態において、例えばコンピュータシステム100、100Aの主制御部200、200Aが実行する制御プログラムは、あらかじめBIOS−ROM130、130A等に記憶されていた。しかしながら、本発明は、これに限定されず、上記の各種処理を実行させるための制御プログラムを、既存の汎用コンピュータや、フレームワーク、ワークステーション等に実装することにより、上記実施形態に係るコンピュータシステム100、100Aに相当する装置として機能させてもよい。
【0081】
このようなプログラムの提供方法は任意であり、例えば、コンピュータが読取可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)−ROM、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM)等に格納して配布してもよいし、インターネットをはじめとするネットワーク上のストレージにプログラムを格納しておき、これをダウンロードさせることにより提供してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、防塵フィルタを実装していない装置環境において、粉塵による装置の誤動作を抑止する用途に適用できる。
【符号の説明】
【0083】
100、100A コンピュータシステム
101 筐体
101a 吸気口
101b 排気口
110 CPU
120 チップセット
130、130A BIOS−ROM
131 粉塵センサ監視モジュール
132 ファン制御モジュール
133 エラー通知モジュール
134 粉塵閾値設定モジュール
135 粉塵閾値管理テーブル
140 粉塵センサ
150 ファン制御部
160 ファン
170 エラー通知部
180 RAM
190 外部記憶装置(内蔵ストレージ)
200、200A 主制御部
210 初期化実行手段
220 粉塵センサ値取得手段
230 粉塵閾値取得手段
240 比較手段
250 ファン停止手段
260 エラー通知手段
270 システム停止手段
280 ファン回転数取得手段