【文献】
Anaesthesia UK : Bispectral index(BIS),2016年07月30日,https://web.archive.org/web/20160730091906/http://www.frca.co.uk/article.aspx?articleid=100502
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
術中覚醒を予防し麻酔深度を適切に保つため、脳波スペクトル分析装置(BIS−VISTAシステム、エントロピーモニタ等)を用いた麻酔深度モニタリング法は広く臨床麻酔に用いられている(例えば、非特許文献1〜3参照)。ここで、例えばBISモニタリング装置、BISプロセッサなどの脳波スペクトル分析装置については、例えば特許文献1及び非特許文献4、5において開示されている。また、脳波スペクトル分析装置に用いる「BIS クワトロセンサ」については例えば非特許文献6において開示されている。さらに、特許文献2において、本出願人が出願した脳波用電極装置が開示されている。
【0003】
図1は従来技術に係る脳波スペクトル分析装置を用いた脳波モニタリングシステムの構成を示すブロック図である。また、
図2は
図1のBISクワトロセンサ100の構成例及び装着例を示す正面図である。
【0004】
図1において、患者の前額部1上にBISクワトロセンサ100が貼り付けされて装着される。BISクワトロセンサ100のコネクタ15は患者インターフェースケーブル2のコネクタ
2aに接続された後、患者インターフェースケーブル2及びBISプロセッサ3を介してBISモニタ4に接続される。ここで、BISプロセッサ3は、BISクワトロセンサ100の脳波用センサ電極11〜14(
図2)により検出した脳波信号を増幅、フィルタリング、及び解析処理を行った後、解析結果のデータをBISモニタ4に出力することで表示する。
【0005】
ここで、BIS値をはじめとする各指標は、患者の前額部1からBISクワトロセンサ100により検出された脳波信号がBISプロセッサ3により解析処理されて算出される。BIS値は公知の通り、脳波信号の時間領域の解析、周波数領域の解析、及び高次スペクトル解析から得られる4つのサブパラメータ(BSR、QUAZI、ベータ比、SynchFastSlow)の組み合わせにより算出される。
【0006】
図2は
図1のBISクワトロセンサ100の構成例及び装着例を示す正面図である。
図2において、BISクワトロセンサ100は、粘着パッドシート10上に形成されたラミネート回路と、粘着パッドシート10の片端に接続されたコネクタ15とを備える。ここで、ラミネート回路は、粘着パッドシート10の各部分10a〜10dにそれぞれ形成された円板の皿形状のセンサ電極11〜14と、当該各センサ電極11〜14とコネクタ15とを接続する接続導線31〜34(
図4B)とを含む。
図2において、
(1)センサ電極11は
図2の1番電極であり、
(2)センサ電極12は
図2の2番電極(グランド電極)であり、
(3)センサ電極13は
図2の3番電極であり、
(4)センサ電極14は
図2の4番電極である。
【0007】
ここで、コネクタ15近傍側から、センサ電極11,12,14,13の順序で、センサ電極11〜14が配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2016−086972号公報
【特許文献2】国際公開第2012/017950号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】A. A. Dahaba et al., BIS-vista occipital montage in patients undergoing neurosurgical procedures during propofol-remifentanil anesthesia," Anesthesiology, Vol. 112. No. 3, March 2010, pp. 645-51.
【非特許文献2】Shin Young Lee et al., "Comparison of bispectral index scores from the standard frontal sensor position with those from an alternative mandibular position," Korean Journal of Anesthesiology (Kja), Vol. 66, No. 4, April 2014, pp.267-273.
【非特許文献3】B. Brown et al., "Acceptability of auricular vs frontal bispectral index values,", British Journal of Anaesthesia (BJA), Volume 113, Issue 2, August 1, 2004, pp. 296.
【非特許文献4】日本光電工業電子株式会社,「BISプロセッサ QE−910P」,内臓機能検査用器具,管理医療機器,特定保守管理医療機器,脳波スペクトル分析装置,2017年4月改訂(第8版),[平成29年9月29日検索],インターネット(URL=http://www.nihonkohden.co.jp/iryo/documents/pdf/H904285E.pdf)
【非特許文献5】日本光電工業電子株式会社,「BISモニタ Vista A−3000」,内臓機能検査用器具,管理医療機器,特定保守管理医療機器,脳波スペクトル分析装置,2010年11月8日改訂(第2版),[平成29年9月29日検索],インターネット(URL=http://www.nihonkohden.co.jp/iryo/documents/pdf/HJ00114A.pdf)
【非特許文献6】コヴィディエンジャパン株式会社,「BIS クワトロセンサ」,内臓機能検査用器具,頭皮脳波用電極,一般医療機器,2012年7月2日改訂(第6版),[平成29年9月29日検索],インターネット(URL=http://www.covidien.co.jp/product_service/documents_pdf/RS-A5BISSN02(06).pdf)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、脳外科手術や、前額部に脳酸素飽和度モニタセンサと、例えばBISクワトロセンサなどの脳波センサを同時に貼付するのに適したスペースが得られない症例において、各センサの貼付部位は、周術期脳神経モニタリング上の重要な課題である。しかし、これまでのところ、他の部位への貼付手段からは、良好な波形取得が証明されていない。
【0011】
本発明の目的は以上の問題点を解決し、例えば市販のBISクワトロセンサに簡便に取り付けて市販の脳波スペクトル分析装置に対応することができ、しかも、従来技術に比較して高精度で脳波信号を良好に取得することができる、脳波スペクトル分析装置のためのセンサ接続装置とその接続方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の発明に係る、脳波スペクトル分析装置のためのセンサ接続装置は、
脳波スペクトル分析装置と、前記脳波スペクトル分析装置のためのセンサとの間に接続されるセンサ接続装置であって、
前記センサ接続装置は複数のセンサ接続部を備え、
前記各センサ接続部は、
前記脳波スペクトル分析装置と接続するためのコネクタと、
前記コネクタと接続された一端を有する接続リード線と、
前記接続リード線の他端に接続され、前記センサのセンサ電極に接続される導電性接続電極と
を備えることを特徴とする。
【0013】
第2の発明に係る、センサ接続装置の接続方法は、
脳波スペクトル分析装置と、前記脳波スペクトル分析装置のためのセンサとの間に接続されるセンサ接続装置の接続方法であって、
前記センサ接続装置は複数のセンサ接続部を備え、
前記複数のセンサ接続部のそれぞれは、
前記脳波スペクトル分析装置と接続するためのコネクタと、
前記コネクタと接続された一端を有する接続リード線と、
前記接続リード線の他端に接続され、前記センサのセンサ電極に接続される導電性接続電極と、
前記複数の導電性接続電極を収容する誘電体シートとを備え、
前記各導電性接続電極は、前記誘電体シートの直下において、前記センサの各センサ電極に接続される位置において設けられ、
前記接続方法は、
前記誘電体シートを、前記センサの各センサ電極が形成されたパッドシートの粘着面に、着脱可能に貼り付けするステップを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
従って、本発明に係る、脳波スペクトル分析装置のためのセンサ接続装置とその接続方法によれば、例えば市販のBISクワトロセンサに簡便に取り付けて市販の脳波スペクトル分析装置に対応することができ、しかも、従来技術に比較して高精度で脳波信号を良好に取得することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図面において同一の構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。
【0017】
例えばBISモニタリングシステム(
図1)などの脳波スペクトル分析装置は、意識レベルに関係する脳皮質活動を、前頭葉脳波の周波数および振幅と干渉をもとに数値化したBIS値を測定するための臨床モニタ装置であって、当該BIS値は主に周術期の鎮静度評価に用いられており、日本では全ての全身麻酔症例の3割程度で使用されている。BISモニタリングを行うことで、麻酔薬の投与量をより適切にすることが可能であり、過量麻酔薬投与による術後合併症および浅麻酔による術中覚醒の危険性を少なくすることができると考えられている。
【0018】
BISモニタリングを行う際は、
図1に示すように、患者の前額部1に、例えばBISクワトロセンサ100などの貼付式の市販標準電極パッドを装着するが、脳外科手術で
患者の前額部1が術野あるいは清潔野となる場合、もしくは脳酸素飽和度と脳波スペクトル分析を同時にモニタリングする症例において、センサ貼付面積が
患者の前額部
1に十分になく、適切な位置に装着できない場合がある。その場合、電極パッドを鼻尖、下顎、後頭などに貼付した報告がある。しかし、この場合において、遠隔電位混入などにより、BISモニタリングが適切に行われず、その波形及び数値の信憑性が損なわれる。大脳前頭葉に近接する
患者の前額部
1にセンサ電極を装着し、常時BISモニタリングが可能となれば、前記のような場合であっても確実なBISモニタリングを行うことが可能となり、術中管理の安全性の向上につながると考えられる。
【0019】
図3は実施形態に係るセンサ接続装置200を備え、脳波スペクトル分析装置であるBISプロセッサ3を用いた脳波モニタリングシステムの構成例を示すブロック図である。
図3において、実施形態に係る脳波モニタリングシステムは、
図1の脳波モニタリングシステムに比較して、BISクワトロセンサ100と、BISプロセッサ3との間に、センサ接続装置200及び接続ケーブル5とを挿入したことを特徴としている。
【0020】
図3において、BISクワトロセンサ100の上面(粘着面)上において、センサ接続装置200が着脱可能に貼り付けられる。センサ接続装置200の接続リード線51〜54はコネクタ61〜64を介して接続ケーブル5の一端のコネクタ5bに接続される。接続ケーブル5の他端のコネクタ5aは患者インターフェースケーブル2のコネクタ2aを介してBISプロセッサ3に接続される。BISプロセッサ3は、BISクワトロセンサ100の脳波用センサ電極11〜14(
図2)により検出した脳波信号を増幅、フィルタリング、及び解析処理を行った後、解析結果のデータをBISモニタ4に出力することで表示する。なお、
図3においては、接続リード線51〜54を接続ケーブル5を介して患者インターフェースケーブル2に接続しているが、本発明はこれに限らず、接続リード線51〜54を直接に患者インターフェースケーブル2に接続してもよい。
【0021】
図4Aは
図2のBISクワトロセンサ100の概略構成例を模式的に示す平面図であり、
図4Bは
図4AのA−A’線についての縦断面図である。
図4A及び
図4Bにおいて、BISクワトロセンサ100は、例えばカラヤゴムなどの誘導性粘着剤、もしくはシリコーン樹脂又はポリウレタン系材料などにてなる粘着パッドシート10上に、例えば円形平板形状(円形皿形状)の4個のセンサ電極11〜14が形成され、粘着パッドシート10の一端にコネクタ15が付設される。粘着パッドシート10は、粘着面である上面10stと、下面10sbとを有し、粘着性を高める目的で貼り付け面積を拡大するために例えば正六角形状をそれぞれ有する、例えば4個の部分10a〜10dが直列に連結されて構成される。各部分10a〜10d上にそれぞれ、集電基板21〜24が形成され、その上にスポンジの海綿形状を有するフレキシブルな材料にてなるセンサ電極
11〜14が形成される。なお、各センサ電極11〜14はそれぞれ集電基板21〜24を介してコネクタ15に電気的に接続される。
【0022】
図5Aは
図3のセンサ接続装置200の概略構成例を模式的に示す平面図であり、
図5Bは
図5AのB−B線’についての縦断面図である。
図5A及び
図5Bにおいて、本実施形態に係るセンサ接続装置200は、BISプロセッサ3とBISクワトロセンサ100との間を接続するために設けられ、例えば4個である複数のセンサ接続部101〜104を含む、例えばシリコーン樹脂又はポリウレタン系材料などのフレキシブル誘電体材料にてなるフレキシブル誘電体シート40を備えて構成される。ここで、各センサ接続部101〜104はそれぞれ
(1)BISプロセッサ3と接続するためのコネクタ61〜64と、
(2)コネクタ61〜64と接続された各一端を有する接続リード線51〜54と、
(3)各接続リード線51〜54の各他端に接続され、かつBISクワトロセンサ100の各センサ電極11〜14に電気的に面接続される導電性接続電極41〜44と
を備える。
【0023】
ここで、導電性接続電極41〜44は好ましくは、例えば銀、金、胴などの良導電性材料、もしくは導電性のアルミニウムにてなり、例えば円形平板形状(円形皿形状)を有する。各接続リード線51〜54の先端はそれぞれ、例えばボンディング41b〜44b又は接着剤により導電性接続電極41〜44に電気的に接続される。導電性接続電極41〜44はフレキシブル誘電体シート40の下面側に設けられた、導電性接続電極41〜44の形状に対応する凹部形状を有する例えば4個の複数の電極装着部71〜74に収容されて装着される。
【0024】
図6Aは
図5A及び
図5Bのセンサ接続装置200を、
図4A及び
図4BのBISクワトロセンサ100上に装着したときのBISセンサ装置300の構成例を模式的に示す平面図である。また、
図6Bは
図6AのC−C’線についての縦断面図である。
図6A及び
図6Bにおいて、センサ接続装置200のフレキシブル誘電体シート40は、その下面40sbがBISクワトロセンサ100の上面10st(粘着面)に対向し、かつ、各導電性接続電極41〜
44がそれぞれセンサ電極11〜14に対応し電気的に接続されるように、BISクワトロセンサ100上に貼り付けされる。これにより、合体されたBISセン
サ装置300を得る。
【0025】
図7Aは
図6A及び
図6BのBISセンサ装置300の外観を示す写真画像である。
また、
図7Bは
図5A及び
図5Bのセンサ接続装置200のうちの1個の導電性接続電極41付近の外観を示す写真画像であり、
図7Cは
図7Bの導電性接続電極41を下側から撮影した写真画像である。
図7Bでは、導電性接続電極41を上側から見た外観を見ることができ、
図7Cでは、導電性接続電極41を下側から見た外観を見ることができる。
【0026】
図8は変形例に係るセンサ接続装置200Aの構成例を模式的に示す平面図である。
図5Aのセンサ接続装置200では、1個の
フレキシブル誘電体シート40内に例えば4個の導電性接続電極41〜44が収容されているが、本開示はこれに限られず、
図8に示すように、
フレキシブル誘電体シート40を4分割した
フレキシブル誘電体シート40−1〜40−4の各センサ接続部101〜104に収容してもよい。
【0027】
以上の実施形態において、センサ電極11〜14は平板の皿形状を有しているが、本発明はこれに限らず、針形状を有してもよい。
【0028】
以上説明したように本実施形態及びその変形例に係るセンサ接続装置200,200A、もしくはセンサ接続装置200,200AとBISクワトロセンサ100と合体した
BISセンサ装置300によれば、以下の特有の作用効果を有する。
(1)センサ接続装置200,200AとBISクワトロセンサ100と合体した
BISセンサ装置300により、推奨される
、患者の前額部1から脳波計測可能である。
(2)例えばBISクワトロセンサ100などの市販センサに簡便に取り付けることが可能である。
(3)例えばBISクワトロセンサ100などの市販センサの皿電極、もしくは針電極のいずれにも対応可能である。
(4)市販されている例えばBISプロセッサ3などの脳波スペクトル分析装置のいずれにも対応可能である。
(5)例えばセンサ接続装置200,200Aによれば、安価であって、簡易に実現することができ汎用性がある。
【実施例】
【0029】
1.実施例の目的
本発明者らは、新規技術として「脳波スペクトル分析装置(BIS−VISTAシステム、エントロピーモニタ等)に連結可能な皿(又は針)電極変換デバイス」であるセンサ接続装置200(
図4A及び
図4B)を作成し、臨床的有用性を検討した。
【0030】
2.デバイス作製について
臨床使用においては、BISクワトロセンサ100を患者の前額部1に貼付し、インピーダンスチェックを行う。その際に十分な通電性が保証されなければ、BISモニタリングは開始されない。本実施形態に係るセンサ接続装置200を使用する場合にインピーダンスが問題となるのは、
(A)センサ電極11〜14と、導電性接続電極41〜44との間の接触部分Aと、
(B)センサ電極11〜14と生体の皮膚との間の接触部分Bと
の二か所となる。
【0031】
ここで、接触部分Bについてはすでに臨床応用されているため、接触部分Aの通電性が問題となる。BISプロセッサ3が市販センサの通電性をチェックする際に求めている、各電極抵抗測定条件を計測したところは以下の通りであった。なお、「パス」とは所定の基準の条件に合格することをいう。ここで、各電極単独のインピーダンスの測定は接続リード線の先端と電極との間で測定を行い、1対の電極間のインピーダンスの測定は当該1対の電極に接続される1対の接続リード線間で測定を行った。
【0032】
(1)各導電性接続電極41〜44のインピーダンスは7.5kΩ未満であり、その通電性は「パス」である。
(2)グランドの導電性接続電極42のインピーダンスは30kΩ未満であり、その通電性は「パス」である。
(3)導電性接続電極41と43との間、導電性接続電極41と44との間のインピーダンスが15kΩ以下であり、かつ導電性接続電極42のインピーダンスが30kΩ以下なら、その通電性は「パス」である。
【0033】
ここで、インピーダンスチェックの測定条件は周波数128Hzで、電流約1nA(0.001μA)である。これらを念頭におき、通電性、経済性、作製簡便性を加味して以下のセンサ接続装置200の試作を行った。
【実施例1】
【0034】
試作1:ステンレス.
まず最も安価に利用可能なステンレスを導電性接続電極41〜44として用いてセンサ接続装置200を作製し、市販脳波電極であるBISクワトロセンサ100を用いた。BISクワトロセンサ100上にセンサ接続装置200を貼り付けてBISセンサ装置300を構成した。次いで、当該BISセンサ装置300を生理食塩水中に浸した上でインピーダンスチェックを行った。しかし、この場合、BISモニタ4には「雑音(Noise)」と表示されてパスできなかった。
【0035】
ディスポ生体電極では、一般にセンサ電極に銀塩化銀を印刷したものが使用されている。ディスポ生体電極上に、ゲルを介してセンサ接続装置200を貼り付けてBISセンサ装置
300を構成し、導通検査を行った。このとき、異なる金属の組み合わせによる電位差(数10〜100mV)が発生し、針電極からの信号にこの電位差と電位差の変動が加わるためパスできなかったと推察した。
【実施例2】
【0036】
試作2:銀塩化銀.
ゲルを介さずに直接的に、金属同士を接触させることが最適であると思われるが、市販のセンサを改造することは薬事上許されない。ステンレス板の代わりにBISクワトロセンサ100と同じと推測される銀塩化銀板を用いた。ここで、銀塩化銀板を導電性接続電極41〜44として用いてセンサ接続装置200を作製し、市販脳波電極であるBISクワトロセンサ100を用いた。BISクワトロセンサ100上にセンサ接続装置200を貼り付けてBISセンサ装置300を構成した。
【0037】
BISクワトロセンサ100と、銀塩化銀板を導電性接続電極41〜44として用いたセンサ接続装置200とを合体したBISセン
サ装置300において、インピーダンスメーターを用いて、対応する電極間(11と41間、12と42間、13と43間、14と44間)のインピーダンスを測定したところ、それぞれ100Ω程度であり、パスするには十分と思われた。しかし、インピーダンスチェックでは1000Ωの値を示した。計測不能であったステンレスに比較するとある程度の改善が見られたがBISモニタ4上ではインピーダンスが高く、ノイズも大きいためパスには至らなかった。
【0038】
ここで、BISクワトロセンサ100のセンサ電極11〜14は接続導線31〜34と同じく銀色を呈しているため、銀塩化銀ではなく、銀のままの可能性がある。銀の場合は塩化銀に対して数10mVの電位差を生じていた可能性もある。
【実施例3】
【0039】
試作3:銀.
センサ接続装置200の導電性接続電極41〜44として、銀板に変更して試作し、BISクワトロセンサ100と、銀を導電性接続電極41〜44として用いたセンサ接続装置200とを合体したBISセン
サ装置300を作製して、実施例1及び2と同様にインピーダンスチェックを行った。BISモニタ4を用いた測定でも、10Ω以下の抵抗値となり、モニタリングが可能となった。
【0040】
中継用の接続リード線51〜54及び、銀板電極である導電性接続電極41〜44は基本的に断線などしなければ永く使用できる。BISプロセッサ3のための入力電極と中継用の接続リード線51〜54を接続して使用した後は、銀板電極である導電性接続電極41〜44の表面をアルコール綿花又は水流などを用いて、電極表面のゼリー状の電極糊などを清掃して乾燥させて次回の使用に待機することで、頻繁回数の利用が可能である。
【0041】
簡易インピーダンスチェックデバイスの作製;
試作した
BISセンサ装置300(導電性接続電極41〜44及び接続リード線51〜54を含む)全体を含めたインピーダンスのチェックする際には、皿電極(又は針電極)である導電性接続電極41〜44を生理食塩水に浸すことで測定を行った。前述した様に、問題となるのはセンサ電極11〜14と、対応する導電性接続電極41〜44との間の接触部分であり、再利用に伴うデバイス接触部分の抵抗変化のために、BISプロセッサ3の入力電極に接続リード線51〜54を介して試作した
BISセンサ装置300を接続して、中継用の接続リード線51〜54からの入力コード(4本のDINコネクタ付き)に短絡回路を作り、簡便にBISモニタ4及びBISプロセッサ3にて(中継用の接続リード線51〜54を含む)パスを確認するための回路も作製した。
【0042】
臨床測定結果.
本実施形態に係るBISセン
サ装置300(BISクワトロセンサ100とセンサ接続装置200との合体装置)について臨床的有用性を検討した。
【0043】
図9は、従来技術に係る比較例のBISクワトロセンサ100及び実施形態に係る実施例のBISセンサ装置300の実験結果であって、従来技術に係るBISクワトロセンサ100から取得したBIS値と、実施形態に係るBISセンサ装置300のBIS値との相関性を示すグラフである。
【0044】
従来技術に係る市販標準センサであるBISクワトロセンサ100から取得したBIS値と、本実施形態に係るセンサ接続装置200を用いたBISセンサ装置300から取得したBIS値を比較したところ、
図9から明らかなように、極めて良好な正の相関(回帰直線y=0.987x、相関係数R
2=0.90275)が得られた。
【0045】
変形例.
以上の実施形態において、BISプロセッサ3を備えているが、本発明はこれに限らず、その他の種類の脳波スペクトル分析装置を備えてもよい。
【0046】
以上の実施形態において、BISクワトロセンサ100を備えているが、本発明はこれに限らず、その他の種類の脳波用センサを備えてもよい。