(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6974857
(24)【登録日】2021年11月9日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】電子価格ラベルシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20211118BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20211118BHJP
【FI】
G06Q30/06 340
G07G1/01 301D
【請求項の数】19
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-557085(P2018-557085)
(86)(22)【出願日】2017年4月26日
(65)【公表番号】特表2019-520628(P2019-520628A)
(43)【公表日】2019年7月18日
(86)【国際出願番号】FI2017050316
(87)【国際公開番号】WO2017191359
(87)【国際公開日】20171109
【審査請求日】2020年4月16日
(31)【優先権主張番号】15/146,322
(32)【優先日】2016年5月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516197229
【氏名又は名称】マリエラ ラベルズ オーワイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サンドホルム,ゴラン
【審査官】
石川 正二
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−123046(JP,A)
【文献】
特表2013−528845(JP,A)
【文献】
特表2015−519635(JP,A)
【文献】
特開2000−222513(JP,A)
【文献】
特開2000−048259(JP,A)
【文献】
特開2000−339544(JP,A)
【文献】
特表2018−523199(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第104376488(CN,A)
【文献】
欧州特許出願公開第02985725(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G07G 1/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子価格ラベルシステムのための方法であって、前記電子価格ラベルシステムが少なくとも1つの電子価格ラベルおよび商品が列挙された商品データベースを含み、前記方法において、
前記商品にリンクされた電子価格ラベルに商品の複数の新しい価格を送信するステップと、
前記電子価格ラベルによって受信された前記商品の複数の新しい価格を保存するステップと、
前記電子価格ラベルによって、前記電子価格ラベルシステムからの価格有効化信号を待つステップと、
前記電子価格ラベルシステムから、たとえば、前記電子価格ラベルシステムの基地局から価格有効化信号を受信したことに応答して、前記電子価格ラベルでの表示価格を受信された前記新しい価格に変更するステップと
が実行され、
前記価格有効化信号が前記電子価格ラベルシステムから、たとえば、前記電子価格ラベルシステムの前記基地局からブロードキャストメッセージとして送信されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記電子価格ラベルが商品に取り付けられた電子価格ラベルであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
在庫チェックの間に、前記商品の前記新しい価格が前記電子価格ラベルに送信されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
あらかじめ定義された時間に、たとえば、週に1回、または1日に1回、前記商品の前記新しい価格が前記電子価格ラベルに送信されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
ワイヤレス通信を介して、前記商品の前記新しい価格が前記電子価格ラベルに送信されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
データファイルとして、前記商品の前記新しい価格が前記電子価格ラベルに送信されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記電子価格ラベルシステムが、
−商品の現在の価格、
−販売シーズンの合計継続期間に対する現在使用されている販売時間の比率、および
−観察時間枠内の商品の計画販売(商品の数または収益)に対する前の観察時間枠、たとえば1週間の前記商品の販売(商品の数または収益)の比率
に少なくとも部分的に基づいて、前記商品の前記新しい価格を決定することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
商品の前記新しい価格が、以下の式:
B2=B1*(1+(Pf*w/Tw)*(((Cw+Fw)/2)−Cw)/Cw)
に基づいて決定され、
B2が新しい販売価格であり、
B1が前の販売価格であり、
Pfが上昇率であり、
wが、現在使用されている販売時間、たとえば販売の開始からの販売週数であり、
Twが、たとえば週単位の計画販売時間であり、
Cwが、観察時間枠、たとえば週当たりの商品の計画販売(商品の数または収益)であり、
Fwが、前の観察時間枠、たとえば先週の間の商品の販売(商品の数または収益)である
ことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記電子価格ラベルシステムが商品の最低価格および/または最高価格を含み、前記決定された新しい価格が設定された前記最低価格よりも低くなる場合、設定された前記最低価格が商品の新しい価格として使用され、かつ/または前記決定された新しい価格が設定された前記最高価格よりも高くなる場合、設定された前記最高価格が商品の新しい価格として使用されることを特徴とする、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つの電子価格ラベルおよび商品が列挙された商品データベースを含む、電子価格ラベルシステムであって、
前記電子価格ラベルシステムが、前記商品にリンクされた電子価格ラベルに商品の複数の新しい価格を送信するように構成され、
前記電子価格ラベルが、受信された前記商品の複数の新しい価格を保存するように構成され、
前記電子価格ラベルが、前記電子価格ラベルシステムからの価格有効化信号を待つように構成され、
前記電子価格ラベルが、前記電子価格ラベルシステムから、たとえば、前記電子価格ラベルシステムの基地局から価格有効化信号を受信したことに応答して、表示価格を受信された前記新しい価格に変更するように構成され、
前記電子価格ラベルシステムが、たとえば、前記電子価格ラベルシステムの前記基地局からブロードキャストメッセージとして前記価格有効化信号を送信するように構成されることを特徴とする、電子価格ラベルシステム。
【請求項11】
前記電子価格ラベルが商品に取り付けられるように構成されることを特徴とする、請求項10に記載の電子価格ラベルシステム。
【請求項12】
前記電子価格ラベルシステムが在庫チェックの間に前記電子価格ラベルに前記商品の前記新しい価格を送信するように構成されることを特徴とする、請求項10又は11に記載の電子価格ラベルシステム。
【請求項13】
前記電子価格ラベルシステムが、あらかじめ定義された時間に、たとえば、週に1回、または1日に1回、前記電子価格ラベルに前記商品の前記新しい価格を送信するように構成されることを特徴とする、請求項10〜12のいずれかに記載の電子価格ラベルシステム。
【請求項14】
前記電子価格ラベルシステムがワイヤレス通信を介して前記電子価格ラベルに前記商品の前記新しい価格を送信するように構成されることを特徴とする、請求項10〜13のいずれかに記載の電子価格ラベルシステム。
【請求項15】
前記電子価格ラベルシステムがデータファイルとして前記電子価格ラベルに前記商品の前記新しい価格を送信するように構成されることを特徴とする、請求項10〜14のいずれかに記載の電子価格ラベルシステム。
【請求項16】
前記電子価格ラベルシステムが、基地局コントローラと、少なくとも1つの基地局と、複数の電子価格ラベル(3)とを含むことを特徴とする、請求項10〜15のいずれかに記載の電子価格ラベルシステム。
【請求項17】
前記電子価格ラベルシステムが、
−前記商品の現在の価格、
−販売シーズンの合計継続期間に対する現在使用されている販売時間の比率、および
−前記観察時間枠内の商品の計画販売(商品の数または収益)に対する前の観察時間枠、たとえば1週間の前記商品の販売(商品の数または収益)の比率
に少なくとも部分的に基づいて、商品の新しい価格を決定するように構成されることを特徴とする、請求項10〜16のいずれかに記載の電子価格ラベルシステム。
【請求項18】
前記電子価格ラベルシステムが、以下の式:
B2=B1*(1+(Pf*w/Tw)*(((Cw+Fw)/2)−Cw)/Cw)
に基づいて、商品の前記新しい価格を決定するように構成され、
B2が新しい販売価格であり、
B1が前の販売価格であり、
Pfが上昇率であり、
wが、現在使用されている販売時間、たとえば販売の開始からの販売週数であり、
Twが、たとえば週単位の計画販売時間であり、
Cwが、観察時間枠、たとえば週当たりの商品の計画販売(商品の数または収益)であり、
Fwが、前の観察時間枠、たとえば先週の間の商品の販売(商品の数または収益)である
ことを特徴とする、請求項17に記載の電子価格ラベルシステム。
【請求項19】
前記電子価格ラベルシステムが商品の最低価格および/または最高価格を含み、前記決定された新しい価格が設定された前記最低価格よりも低くなる場合、前記電子価格ラベルシステムが設定された前記最低価格を商品の新しい価格として使用するように構成され、かつ/または前記決定された新しい価格が設定された前記最高価格よりも高くなる場合、前記電子価格ラベルシステムが設定された前記最高価格を商品の新しい価格として使用するように構成されることを特徴とする、請求項17または18に記載の電子価格ラベルシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子価格ラベルシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗内の価格タグ上の価格情報は、商品の価格が変更されたときに常に手動で変更されている。新しい価格は紙または対応する素材に印刷され、新しい価格マークが付けられたこれらのタグは販売施設内の商品に手動で取り付けられる。したがって、従業員は、最初に正しい商品および更新されるべき価格タグを見つけなければならず、その後新しい価格タグがその位置に挿入される。この手順の欠点は、とりわけ、手順が非常に面倒であり、間違いのリスクが高いという事実である。間違いの場合、たとえば、商品の価格タグ上の価格情報がキャッシュレジスタシステム内の価格情報と矛盾する状況が発生する可能性がある。
【0003】
上述された欠点を回避するために電子システムが開発されており、電子ラベルおよびそれらの電子ディスプレイが商品に取り付けられ、システムの制御センターからの集中方式で商品の価格情報を変更することができる、などである。これにより、価格情報の更新が大幅に容易になり加速される。
【0004】
小売環境では販売時点管理(POS)システムも使用されている。従来技術のPOSシステムは様々な小売状況で使用され、それらはそれらの特定の要件に合わせて調整されたハードウェアおよびソフトウェアで実装される。小売業者は、計量秤、スキャナ、電子および手動のキャッシュレジスタ、EFTPOS端末、タッチスクリーン、ならびに利用可能な様々な他のハードウェアおよびソフトウェアを利用することができる。POSソフトウェアは、在庫管理、CRM、財務、倉庫保管などの様々な機能を提供する追加機能を含んでもよい。
【0005】
小売環境では在庫またはストックの制御システムを使用することも知られている。ストック制御システムの典型的な機能には、たとえば、店舗内の棚にちょうど良い数の商品があることを保証すること、いつ顧客が商品を購入したかを認識すること、倉庫から棚により多くの商品を置く必要があるときを通知すること、主要倉庫から適切な時期に在庫を再注文すること、店舗と本社の両方で使用できる管理情報レポートを作成することが含まれる。
【0006】
上述された従来技術のシステムでは、価格設定を変更したいとき、それは、たとえばPOSシステムを介して、商品ごとに手動で行う必要がある。これは、店舗内の異なるタイプの商品の数が多いので、非常に時間がかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上述された問題を削減し、同時に電子価格ラベルシステムのための構成を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による方法は請求項1に提示され、本発明によるラベルシステムは請求項12に提示される。本発明の他の実施形態は、他の請求項に提示されるものを特徴とする。
【0009】
本発明の解決策では、商品の新しい価格は、商品にリンクされた電子価格ラベルに送信される。受信された商品の新しい価格は、電子価格ラベルによって保存される。電子価格ラベルは、電子価格ラベルシステムから、たとえば、電子価格ラベルシステムの基地局から価格有効化信号を受信したことに応答して、表示価格を受信された新しい価格に変更する。本発明の一実施形態では、価格有効化信号は電子価格ラベルシステムから、たとえば、電子価格ラベルシステムの基地局からブロードキャストメッセージとして送信される。この実施形態では、表示価格を変更しなければならないことを同時に複数の電子価格ラベルに通知するために1つの命令を使用することができ、この方法で価格変更を迅速に実施することができる。
【0010】
本発明の電子価格ラベルシステムの一実施形態では、システムは商品の新しい価格を自動的に計算することができる。新しい価格は、商品の現在の価格、販売シーズンの全長に対する現在使用されている販売時間の比率、および観察時間枠内の商品の計画販売数に対する前の観察時間枠、たとえば1週間に販売された商品の数の比率に少なくとも部分的に基づく。決定された商品の新しい価格は、商品にリンクされた電子価格ラベルに送信することができる。システム内の観察時間枠は、たとえば、1日、特定の日数、1週間、特定の週数、1ヶ月、または特定の月数であり得る。観察時間枠は、異なる商品および/または顧客に対して異なる可能性がある。
【0011】
本発明の一実施形態では、商品の新しい価格は、以下の式に基づいて決定される:
B2=B1*(1+(Pf*w/Tw)*(((Cw+Fw)/2)−Cw)/Cw)
ここで、B2は新しい販売価格であり、B1は前の販売価格であり、Pfは上昇率であり、wは現在使用されている販売時間、たとえば販売開始からの販売週の数であり、Twはたとえば週単位の計画販売時間であり、Cwは、観察時間枠、たとえば週当たりの計画平均売上(pcs)であり、Fwは前の観察時間枠、たとえば先週の間に販売された商品の数である。
【0012】
本発明の一実施形態では、新しい価格は、商品の現在の価格、販売シーズンの全長に対する現在使用されている販売時間の比率、および観察時間枠内の販売商品の計画収益に対する前の観察時間枠、たとえば週に販売された商品の収益の比率に少なくとも部分的に基づく。
【0013】
本発明の一実施形態では、商品の新しい価格は、以下の式に基づいて決定される:
B2=B1*(1+(Pf*w/Tw)*(((Cw+Fw)/2)−Cw)/Cw)
ここで、B2は新しい販売価格であり、B1は前の販売価格であり、Pfは上昇率であり、wは現在使用されている販売時間、たとえば販売開始からの販売週の数であり、Twはたとえば週単位の計画販売時間であり、Cwは、観察時間枠、たとえば週当たりの計画平均売上収益(たとえば、ユーロ)であり、Fwは前の観察時間枠、たとえば先週の間に達成された売上収益(たとえば、ユーロ)である。
【0014】
本発明の一実施形態では、電子価格ラベルシステムは、商品の最低価格および/または最高価格を含み、決定された新しい価格が設定された最低価格よりも低くなる場合、設定された最低価格が商品の新しい価格として使用され、かつ/または決定された新しい価格が設定された最高価格よりも高くなる場合、設定された最高価格が商品の新しい価格として使用される。
【0015】
本発明の一実施形態では、電子ラベルは商品に取り付けられるように構成された電子ラベルである。
【0016】
本発明の一実施形態では、商品の新しい価格は在庫チェック中に電子価格ラベルに送信される。
【0017】
本発明の解決策は、あらかじめ定義された規則に基づいて商品の価格を自動的に計算および変更することができ、したがって、システムは、従来技術のシステムで必要とされた手動の価格設定作業を削減する。ある商品の価格が変更されると、価格情報は電子価格ラベルシステム内で変更され、この情報は基地局を介して個々の電子ラベルに配信される。
【0018】
以下では、添付図面を参照して例示的な実施形態により、本発明がより詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】電子価格ラベルシステムの例示的な実装形態を提示する図である。
【
図2】自動価格計算の様々な値が提示される、本発明の一実施形態による例示的なチャートを提示する図である。
【
図3】自動計算された価格が示された、
図2の本発明の実施形態による例示的なチャートを提示する図である。
【
図4】店舗または対応する販売施設内の電子価格ラベルシステムの例示的な構成の図式簡略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は電子価格ラベルシステムの例示的な実装形態を提示する。システムは、電子価格ラベルシステムと、商品が列挙された商品データベース(
図1には示されていない商品データベース)とを含む。電子価格ラベルシステムはまた、販売時点管理システムを含むことができるか、または販売時点管理システムに接続することができる。
【0021】
販売時点管理システムは、価格、在庫、秤データ、キャッシュレジスタデータ、または店舗の他の同様の販売もしくは商品関連データを管理するために使用される。ユーザデバイスは、インターフェースを介して店舗の販売時点管理システムと通信することができる。販売時点管理システムは、キャッシュレジスタ、秤、および電子価格ラベルシステムにもインターフェースを介して接続することができる。インターフェースを介して、販売時点管理システムは、たとえば、キャッシュレジスタおよび秤の情報を更新するか、またはキャッシュレジスタもしくは秤上の売上などの活動に関する情報を収集することができる。
【0022】
販売時点管理システムに接続された電子価格ラベルシステムは、価格を変更し顧客に提示するために使用することができる。電子価格ラベルシステムは、電子価格ラベルシステム基地局コントローラ、1つまたは複数の基地局、および1つまたは複数の電子価格ラベルを含むことができる。電子価格ラベルシステムの基地局は店舗に設置され、通常、有線方式で、たとえばイーサネット(登録商標)接続を介して、基地局コントローラに接続される。基地局コントローラは、価格および他の商品情報を含む店舗レベルのサーバにさらに接続される。特定の商品は、システムの商品データベース内の特定の電子価格ラベルにリンクすることができる。
【0023】
電子価格ラベルシステムは、ユーザが変更可能なパラメータならびに電子価格ラベルシステムおよび/または販売時点管理システムで収集された情報に基づいて、自動的に商品の価格を計算することができる。システムは、たとえば、本質的にすべての商品が通常の販売期間および販売延長期間の間に通常の店舗で販売されるような方法で、収益および利益が最適化され得るように価格を変更することができる。これを達成することができる場合、アウトレット店で販売される必要がある商品はなく、収益および利益をより高く保つことができる。
【0024】
変更可能なパラメータは、たとえば、以下の方式で設定することができる。販売シーズンの販売された商品の目標販売数および(たとえば、日、週、または月単位の)販売シーズンの長さをシステムに設定することができる。その後、システムは、販売シーズンの特定の観察時間枠の平均販売商品数、たとえば、 1日、1週間、または1か月当たりの販売商品の目標値を計算することができる。また、商品の開始価格をシステムに設定しなければならない。この情報ならびに電子価格ラベルシステムおよび/または販売時点管理システムで収集された情報に基づいて、システムは価格を自動的に計算および変更することができる。
【0025】
システムは、商品の現在の価格、販売シーズンの全長に対する現在使用されている販売時間の比率、および観察時間枠内の商品の計画販売数に対する前の観察時間枠、たとえば1週間に販売された商品の数の比率に少なくとも部分的に基づいて、商品の新しい価格を計算することができる。決定された商品の新しい価格は、商品にリンクされた電子価格ラベルに送信される。
【0026】
システムの一実施形態では、新しい価格は以下の式に基づいて決定される:
B2=B1*(1+(Pf*w/Tw)*(((Cw+Fw)/2)−Cw)/Cw)
ここで、式の中で:
B2=新しい販売価格、
B1=前の販売価格、
Pf=上昇率、
w=現在使用されている販売時間、たとえば販売開始からの販売週の数、
Tw=たとえば週単位の計画販売時間、
Cw=観察時間枠、たとえば週当たりの計画平均売上(pcs)、
Fw=前の観察時間枠、たとえば先週の間に販売された商品の数
である。
【0027】
上昇率は、価格変化の急峻さを判定するために使用することができる。上昇率の値が0である場合、価格は変更されていない。値1は、必要に応じて調整できる上昇率用の基本値として使用することができる。上昇率値が1を超えると、価格変化は値1を有する価格変化よりも大きくなる(すなわち急になる)。上昇率値が1未満の場合、価格変化は値1を有する価格変化より小さい。
【0028】
本発明の一実施形態では、たとえば、現在の販売シーズンのために、商品の最低価格および/または最高価格をシステムに設定することができる。計算された価格が設定された最低価格を下回る場合、設定された最低価格が使用される。計算された価格が設定された最高価格を上回る場合、設定された最高価格が使用される。
【0029】
図2は、自動価格計算の様々な値が提示される、本発明の一実施形態による例示的なチャートを提示する。従来技術の価格設定方法は、チャートの右側に対比として提示される。
【0030】
販売シーズンの商品の目標販売数(販売目標(pcs))および(たとえば、日、週、または月単位の)販売シーズンの長さTwをシステムに設定することができる。その後、システムは、販売シーズンの特定の観察時間枠の間の販売商品、たとえば、1日、1週間、または1か月当たりの販売商品の計画平均数Cwを計算することができる。またチャートにおいて、本発明の一実施形態では、収益としての販売目標と、特定の観察時間枠の間の収益として計算された計画売上Cwとを提示する。
また、商品の開始価格をシステムに設定しなければならない。この情報ならびに電子価格ラベルシステムおよび/または販売時点管理システムで収集された情報に基づいて、システムは基礎となる価格を自動的に計算および変更することができる。また、シーズン中の任意の最高販売価格およびシーズン中の最低販売価格を設定することができる。
【0031】
上昇率Pfは、自動価格変更の急峻さを判定するために変更することができる。
商品のオリジナル原価(製造業者から商品を購入するための店舗用のコスト)もチャートに表示されるので、利益および価格を商品のコストと比較することができる。
【0032】
たとえば、売上が高いと推定される日または時間帯の間にあらかじめ定義された値に価格を高く変更するために、(特別日の間の)価格ブースターの設定を使用することができる。また、価格を低く設定するために、その日または特定の日時のための特価提供を使用することができる。
【0033】
新しい価格は、商品のグループに対して同じパラメータを用いて計算することができ、商品のグループは、同じ商品の様々な変形形態、たとえば、同じ商品の様々なサイズおよび/または色から構成される。新しい価格は、商品ごとに、たとえば、同じ商品タイプの様々なサイズごとに個別に計算することができる。
【0034】
システムは様々な販売関連期間をもつことができ、これらの販売期間中に様々なパラメータを用いて価格を計算することができる。これらの様々な販売関連期間では、一部のパラメータを変更せずに使用することができる。たとえば、
図2に提示された、2つの異なる販売関連期間の一例は、通常の販売シーズンおよび販売延長シーズンである。たとえば、商品の開始価格、最低価格、および/または最高価格は、通常の販売シーズンと比較すると販売延長シーズンでは異なる可能性がある。また、販売期間の長さは、通常の販売シーズンと販売延長シーズンでは異なる可能性がある。
【0035】
図3は、
図2に提示された本発明の実施形態による例示的なチャートを提示する。
図3のチャートでは、自動的に計算された価格が毎週示されている。従来技術の価格設定方法が対比として提示される。
【0036】
本発明の一実施形態では、上述されたように、観察時間枠当たりに販売された商品の計画平均販売数(Cw)および前の観察時間枠中の販売商品数(Fw)を使用する代わりに、システムは、前の観察時間枠中の達成売上(収益)および観察時間枠内の計画平均売上(収益)を使用することができる。この場合、システムは機能し、上記に提示されたのと同様の方式で新しい価格を計算するが、新しい価格は、商品の現在の価格、販売シーズンの全継続時間に対する現在使用されている販売時間の比率、および観察時間枠内の販売商品の計画収益に対する前の観察時間枠、たとえば週に販売された商品から得られた収益の比率に少なくとも部分的に基づく。前述の式B2=B1*(1+(Pf*w/Tw)*(((Cw+Fw)/2)−Cw)/Cw)をこの実施形態で使用することもでき、この場合、Cwは観察時間枠内の販売商品の計画収益であり、Fwは前の観測時間枠内に販売された商品から得られた収益である。他のすべての変数は上記と同じである。
【0037】
ユーザデバイスまたは外部システムは、特定の商品または複数の商品に関する情報を受信することを望むとき、電子価格ラベルおよび/または電子価格ラベルにリンクされた商品の状態に関する情報を要求する。電子価格ラベルシステムは、電子価格ラベルおよび/または電子価格ラベルにリンクされた商品の状態に関する問合せ要求を受信し、受信された問合せ要求に対する応答として、第1の状態にある商品に関する応答としての情報および第2の状態にある商品に関する情報を送信する。電子価格ラベルシステムは、商品に関する統計データ、商品に関する電子ラベル、および/または他の統計情報などの他の情報などの任意の他の情報も送信することができる。
【0038】
電子価格ラベルシステムは、たとえば、定期的に、たとえば、毎晩、毎日、および/または毎週、店舗内のすべての商品の在庫のチェックまたは問合せを自動的に行うようにスケジューリングすることができる。このようにして、店舗および/または倉庫内のすべての商品の毎日の信頼できる在庫情報が利用可能になる。この情報は、在庫が通常1年に1回または2回手動でチェックされる従来技術のシステムよりも、かなり信頼性が高い。
【0039】
本発明の一実施形態では、在庫チェック中に本発明の一実施形態で新しい価格を送信することができる。本発明の一実施形態では、新しい価格は、新しい価格を含むデータファイルとして電子価格ラベルに差し出される。データファイルは、在庫チェック中に本発明の一実施形態で送信することができる。本発明の一実施形態では、在庫チェックおよび/または価格の送信は連続的に実行することができ、たとえば、その結果、すべての商品が棚卸しされ、かつ/またはすべての価格変更が電子価格ラベルに送信されたときに、新たな在庫チェックおよび/または電子価格ラベルへの価格の送信が再び行われる。在庫チェックおよび/または新しい価格の電子価格ラベルへの転送は、バックグラウンドで、たとえば、日中および/または夜間に行うことができる。
【0040】
在庫チェックは、たとえば、電子ラベルに新しい価格を送信し、新しい価格の受信成功について電子価格ラベルから受信された確認応答メッセージに基づいて在庫をチェックすることにより、電子価格ラベルに新しい価格を転送するときと同時に実行することができる。本発明の一実施形態では、新しい価格は古い価格と同じ可能性がある。
【0041】
電子価格ラベルシステムは、検出された在庫情報を販売情報と比較することにより、たとえば、商品の損失に関連する特定のイベントまたはパターンを認識するために使用することもできる。在庫は、たとえば、毎日および/または毎夜容易にチェックすることができるので、平均よりも商品の損失が多いときの特定の日を認識することができる。この情報に基づいて、損失の理由を見つけることができる。
【0042】
定期的な、場合によっては周期的な在庫の問合せを使用して、特定の商品の売上をチェックし報告することができる。商品のモデル、サイズ、および/または色は、電子価格ラベルシステム内で認識することができ、これに基づいて、システムは、よく早く売れている商品のモデル、サイズ、および/または色、ならびによく売れていない商品のモデル、サイズ、および/または色のレポートを作成することができる。
【0043】
図4は、一例として、店舗または同様の販売環境における電子価格ラベルシステムの典型的な構成を概略的に示す。
【0044】
商品1は、ディスプレイ2を含む電子ラベル3を備えている。電子ラベル3は、通常、様々な種類の固定手段を用いて商品に取り付けられる。ディスプレイ2は、商品の価格を表示するように構成され、商品情報は、とりわけ、商品の名前および場合によっては商品に関する何らかの他の情報を含む。電子価格ラベル3は、別個の指示マーキング、たとえば、商品の販売促進、商品および/または新商品の通常の顧客への販売促進などの商品関連情報を示すことができるカラーマーキングを有することもできる。
【0045】
各電子ディスプレイ2は、表示セグメントおよび/またはピクセルを備え、実質的に2色または多色の表示セグメントの色を変更することにより、必要な商品価格および他の必要なシンボルが形成される、紙の価格タグに似た薄型の価格タグを構成することができる。
【0046】
ディスプレイの1つの層は、たとえば、アクティブインク層である。インク層は、液体で満たされ、たとえば、正の表面電荷を有する実質的に黒色の粒子および負の表面電荷を有する実質的に白色の粒子を含有するいくつかのマイクロカプセルを含み、マイクロカプセル内の粒子の位置は、所望の表示セグメントにおいて黒色の粒子が上にあるように電子フィールドによって制御され、この表示セグメントは上から見ると黒く見え、他の表示セグメントにおいて白色の粒子が上にあり、これらの表示セグメントは上から見ると白く見える。ディスプレイの背景は同じマイクロカプセルから構成され、たとえば、価格情報は、明るい背景に対して暗い数字として表示することができ、または、必要に応じて逆の場合もあり得る。そのようなディスプレイは、たとえば、フィンランド特許出願第20050192号に開示されている電気泳動マイクロカプセルディスプレイ積層体であり得る。
【0047】
さらに、電子価格ラベルシステムは、少なくとも、基地局4、またはそれを介して、たとえば、更新された価格情報および他の制御情報をディスプレイ2に送信することが可能な他の通信手段に接続された中央処理装置5を備える。さらに、システムは、価格を走査するためにキャッシュレジスタに配置され、キャッシュレジスタシステムに接続されたスキャナ6含んでもよく、キャッシュレジスタシステムおよび電子ラベルは、常に商品の価格に関する同じ最新の情報を有する。さらに、中央処理装置5は、他の制御システムおよびサポートシステム、たとえば、店舗の販売時点管理システムに結合されてもよい。中央処理装置5と電子ラベル3との間のワイヤレス接続が矢印で示されている。
【0048】
電子ラベル3は、情報用の、たとえば価格情報用の複数のメモリ位置を有することができる。電子ラベル3は、メモリ位置、すなわち、表示されるべき様々な情報を含む様々なページに保存された複数の様々なビューを含むこともできる。
【0049】
電子ラベル3は、
図2に示された基地局4とワイヤレス方式で通信する。このワイヤレス通信方法は、任意の既知のワイヤレス通信技術に基づいてもよいが、電子ラベル3のバッテリ寿命を節約するために、受動後方散乱無線通信が好ましい。この手法では、基地局4は無線信号を能動的に送信し、能動的な無線送信で応答する代わりに、電子ラベル3は無線送信機を使用せず、代わりに、電子ラベル3は基地局信号の反射電力を変調することによって応答する。変調は、通常、たとえば、接地電位と非接地電位との間でアンテナを接続および切断することにより、電子ラベル3内のアンテナの負荷状態を変更することによって実現される。後方散乱信号のこの変調により、電子ラベル3が基地局に、さらに店舗レベルのサーバに応答することが可能になる。
【0050】
各電子ラベル3は、問題の電子ラベル3が基地局4からの送信において聴取することを知る、それ自体の識別コードによって識別することができる。基地局4を介して店舗サーバから新しい情報、指示、または命令を受信した後、電子ラベル3は、店舗レベルのサーバが問題の電子ラベル3から応答が来ていることを識別するために、適切かつ適時に変調された反射後方散乱を使用することにより、これらの指示の受信に確認応答することができる。それを容易にするために、店舗サーバは、その時間中にモジュールが応答する可能性を与えるための、ある電子ラベル3に向けられた送信の後のある聴取期間を有してもよい。
【0051】
本発明の解決策では、新しい価格を受信すると、電子価格ラベルは表示価格を直ちに変更する必要はないが、電子価格ラベルは受信された新しい価格を保存し、電子価格ラベルシステムからの、たとえば、電子価格ラベルシステムの基地局からの価格有効化信号を待つことができる。有効化メッセージをブロードキャストすることにより、有効化メッセージは、電子価格ラベルシステムから、たとえば、電子価格ラベルシステムの基地局からシステムの価格ラベルに転送することができる。このようにして、すべての電子価格ラベルは、表示価格を旧価格から新価格に本質的に同時に変更することができる。価格情報は、バックグラウンドで、たとえば、日中または夜間に電子価格ラベルに転送することができ、場合によっては同時に在庫チェックを行うことができる。価格有効化信号をブロードキャストせずに、電子価格ラベルが新しい価格を受信した直後に新しい価格を表示する状況では、価格はすべての電子価格ラベルで同時に変更されることはない。これは、すべての価格ラベルへの価格の送信および確認に長い時間、たとえば、場合によっては数時間かかる可能性があるからである。
【0052】
電子ラベルシステムのデータベースは、商品および商品にリンクされた電子ラベルに関する多くの様々な種類の情報を有することができる。たとえば、以下の情報をデータベースおよび/または電子価格ラベルに保存することができる。
【0053】
−ファイル/エンティティ1:最新の在庫の価格および数量を含む。この情報に基づいて新しい在庫が作成される。価格は店舗内の電子価格ラベルのディスプレイに表示することができる。
【0054】
−ファイル/エンティティ2:たとえば在庫チェック中に、電子価格ラベルに送信される
複数の新しい価格に関する情報を含む。
複数の価格は、決定され、たとえば、価格最適化プログラム、POS、および/または電子価格ラベルシステムから送信することができる。
【0055】
−ファイル/エンティティ3:たとえば在庫チェック中に受信された、電子価格ラベルからの新しく承認された
複数の価格に関する情報を含む。電子価格ラベルに転送された
複数の新しい価格は価格ラベルに保存される。店舗が開いている間も、在庫チェックおよび/またはプロセスの転送を実行することができる。電子価格ラベルは、新しい価格を受信した場合でも、どのディスプレイ上に古い価格を表示することができ、表示価格を変更するように電子ラベルシステムから命令を受信すると、表示価格を新しい価格に変更することができる。命令は、システムのすべての電子ラベルにブロードキャストすることができ、次いで、すべての電子ラベルは、本質的に同時に表示価格を変更することができる。
【0056】
−ファイル/エンティティ4:その日の間に販売されたすべての商品に関する情報を含む。
【0057】
−ファイル/エンティティ5:店舗から取り除かれたすべての商品に関する情報を含む。
【0058】
−ファイル/エンティティ6:その日の間に補充商品(たとえば、補完商品)として店舗に持ち込まれたすべての商品を含む。同じ価格ラベルが同じ日の間異なる商品に取り付けられている場合、その電子ラベルがすでに在庫チェックに含まれている可能性があるので、その時間を電子ラベルシステム、たとえばそのデータベースに登録することができる。
【0059】
−ファイル/エンティティ7:店舗に追加されたすべての商品に関する情報を含む。
【0060】
−ファイル/エンティティ8:(1日中いつでも)商品の数に関する情報を含む。ファイル/エンティティ1内のカウントからファイル/エンティティ4内の商品のカウントを減算し、ファイル/エンティティ6およびファイル/エンティティ7からのカウントをファイル/エンティティ1のカウントに加算することにより、ファイル/エンティティ8を計算することができる。
【0061】
翌日の新しい在庫の開始点は、以下の:1)在庫の価格がファイル/エンティティ3に挿入され承認されたこと、2)ファイル/エンティティ4およびファイル/エンティティ6に含まれる商品がファイル/エンティティ3から減算されること、および3)ファイル/エンティティ6および7に含まれる商品がファイル/エンティティ3に加算されることであり得る。
【0062】
最終的に、在庫の変化はファイル/エンティティ1とファイル/エンティティ3のカウントの差である。
【0063】
−ファイル/エンティティ9:元の在庫と比較して見つからないかまたは盗まれたラベルに関する情報を含む。過去の在庫と、以前の在庫に見つからなかった商品が見つかった場合との間の差を表示することもできる。
【0064】
翌日、ファイル/エンティティ1と3を交換することができ、在庫チェックが上述されたように行われる。
【0065】
−ファイル/エンティティ10:たとえば、特定の日および/または1日の間の特定の時間の間使用することができる特価提供を含む。
【0066】
図1および
図3に概略的に記載されたシステムのソフトウェアアプリケーション、通信機能、および他の機能は、問題のアプリケーションの詳細に応じて多種多様な異なる方法で構成できることは、当業者には明らかである。
図1および
図3は、本明細書に記載された発明の利点の理解を助けるための一例として高レベルの説明を提供することのみを目的とする。
【0067】
添付図面を参照して本発明の例示的な実施形態が記載されたが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく様々な修正および変更を行うことができることは、当業者なら諒解されよう。