特許第6974884号(P6974884)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6974884
(24)【登録日】2021年11月9日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】シャワーヘッド及び基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20211118BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20211118BHJP
【FI】
   H01L21/205
   C23C16/455
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-538510(P2020-538510)
(86)(22)【出願日】2018年9月7日
(65)【公表番号】特表2020-535665(P2020-535665A)
(43)【公表日】2020年12月3日
(86)【国際出願番号】KR2018010493
(87)【国際公開番号】WO2019066299
(87)【国際公開日】20190404
【審査請求日】2020年3月25日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0125830
(32)【優先日】2017年9月28日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】509123895
【氏名又は名称】ユ−ジーン テクノロジー カンパニー.リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002398
【氏名又は名称】特許業務法人小倉特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ソン テ
(72)【発明者】
【氏名】パク,チャン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジェ ホ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ギル ソン
(72)【発明者】
【氏名】ユン,チャン フン
(72)【発明者】
【氏名】イム,ハン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】カン,ウ ヨン
【審査官】 田中 崇大
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−029830(JP,A)
【文献】 特表2017−503340(JP,A)
【文献】 特開2002−115063(JP,A)
【文献】 特表2012−532472(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
C23C 16/455
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対する工程が行われるチェンバと,
前記チェンバの内部に設置されて前記基板に向かって反応ガスを噴射するシャワーヘッドと,
前記シャワーヘッドの下部に設置され,前記基板を支持するサセプタと,を含み,
前記シャワーヘッドは,
外部から反応ガスが供給される内部空間,及び前記内部空間と連通されて前記反応ガスを噴射する複数の噴射孔を有するシャワーヘッド本体と,
前記内部空間に設置されて前記内部空間を流入空間及びバッファ空間に区画し,前記流入空間と前記バッファ空間を連通する複数の流入口を有する流入板と,
前記流入口の上にそれぞれ設置されて移動可能で,移動による前記流入板との離隔距離によって前記流入空間から前記バッファ空間に前記反応ガスが移動することを制限し得る複数の調節板とを含むと共に,前記調節板にそれぞれ磁力を印加して前記調節板を移動可能な複数の電磁石を更に含む基板処理装置。
【請求項2】
前記流入板は,前記流入口の両側のうちいずれか一つ以上に形成されるガイド孔を有し,
前記調節板は前記流入板に対向する一面から突出されて前記ガイド孔に挿入され,前記調節板が移動すると前記ガイド孔に沿って移動可能なガイドバーを備える請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記チェンバは,
上部が解放された下部チェンバと,
前記シャワーヘッドの上部に設置されて前記内部空間を形成し,前記下部チェンバの上部を開閉し,前記下部チェンバと共に前記基板に対する工程が行われる空間を形成する上部チェンバと,を含み,
前記電磁石は前記上部チェンバに実装されて前記調節板の上部にそれぞれ位置する請求項記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記基板処理装置は,前記バッファ空間に設置されて前記バッファ空間を区画空間及び拡散空間に区画し,前記区画空間と前記拡散空間を連通する複数の拡散孔を備える拡散板を更に含み,
前記拡散板は上部面から突出されて前記区画空間を複数個に区画する隔壁を備える請求項1記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記流入口は複数個に区画された前記区画空間の各領域と一対一対応関係である請求項記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記流入板は表面に樹脂コーティングされた請求項1記載の基板処理装置。
【請求項7】
外部から反応ガスが供給される内部空間,及び前記内部空間と連通されて前記反応ガスを噴射する複数の噴射孔を有するシャワーヘッド本体と,
前記内部空間に設置されて前記内部空間を流入空間及びバッファ空間に区画し,前記流入空間と前記バッファ空間を連通する複数の流入口を有する流入板と,
前記流入口の上にそれぞれ設置されて移動可能で,移動による前記流入板との離隔距離によって前記流入空間から前記バッファ空間に前記反応ガスが移動することを制限し得る複数の調節板とを含むと共に,前記調節板にそれぞれ磁力を印加して前記調節板を移動可能な複数の電磁石を更に含むシャワーヘッド。
【請求項8】
前記流入板は,前記流入口の両側のうちいずれか一つ以上に形成されるガイド孔を有し,
前記調節板は前記流入板に対向する一面から突出されて前記ガイド孔に挿入され,前記調節板が移動すると前記ガイド孔に沿って移動可能なガイドバーを備える請求項記載のシャワーヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシャワーヘッド及び基板処理装置に関し,より詳しくは,複数の調節板を移動して反応ガスの移動を制限し得るシャワーヘッド及び基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置は,シリコン基板の上に多くの層(layer)を有し,このような層は蒸着工程を介して基板の上に蒸着される。このような蒸着工程はいくつかの重要な論点を有するが,このような論点は蒸着された膜を評価し蒸着方法を選択するに当たって重要である。
【0003】
第一に,蒸着された膜の「質」(quality)である。これは組成(composition),汚染度(contamination levels),損失度(defect density),そして機械的・電気的特定(mechanical and electrical properties)を意味する。膜の組成は蒸着条件によって異なるが,これは特定な組成(specific composition)を得るために非常に重要である。
【0004】
第二に,ウェハを遮る均一な厚さ(uniform thickness)である。特に,段差(step)が形成された非平面(nonplanar)状のパターンの上部に蒸着された膜の厚さが非常に重要である。蒸着された膜の厚さが均一であるか否かは,段差の部分に蒸着された最小厚さをパターンの上部面に蒸着された厚さで割った値で定義されるステップカバレッジ(step coverage)を介して判断する。
【0005】
蒸着に関する他の論点は,空間を埋めること(filling space)である。これは,金属ラインの間を酸化膜を含む絶縁膜で埋めるギャップフィリング(gap filling)を含む。ギャップは,金属ラインを物理的及び電気的に絶縁するために提供される。
【0006】
このような論点のうち,均一度は蒸着工程に関する重要な論点のうち一つであり,不均一な膜は金属配線(metal line)の上で高い電気抵抗(electrical resistance)をもたらし,機械的な破損の可能性を増加させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は,調節板を操作して基板の部位による反応ガスの供給量を調節し得るシャワーヘッド及び基板処理装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は,工程の均一度を容易に調節し得るシャワーヘッド及び基板処理装置を提供することにある。
【0009】
本発明のまた他の目的は,下記発明の詳細な説明と添付した図面からより明確になるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施例によると,基板処理装置は,基板に対する工程が行われるチェンバと,該チェンバの内部に設置されて前記基板に向かって反応ガスを噴射するシャワーヘッドと,該シャワーヘッドの下部に設置され,前記基板を支持するサセプタと,を含み,前記シャワーヘッドは,外部から反応ガスが供給される内部空間,及び該内部空間と連通されて前記反応ガスを噴射する複数の噴射孔を有するシャワーヘッド本体と,前記内部空間に設けられ,前記内部空間を流入空間及びバッファ空間に区画し,前記流入空間と前記バッファ空間を連通する複数の流入口を有する流入板と,前記流入口の上にそれぞれ移動可能に設置され,移動による前記流入板との離隔距離によって前記流入空間から前記バッファ空間に前記反応ガスが移動することを制限し得る複数の調節板を含むと共に,前記調節板にそれぞれ磁力を印加して前記調節板を移動可能な複数の電磁石を更に含む。
【0011】
前記流入板は,前記流入口の両側のうちいずれか一つ以上に形成されるガイド孔を有し,前記調節板は前記流入板に対向する一面から突出されて前記ガイド孔に挿入され,前記調節板が移動すると前記ガイド孔に沿って移動可能なガイドバーを備える。
【0013】
前記チェンバは,上部が解放された下部チェンバと,前記シャワーヘッドの上部に設置されて前記内部空間を形成し,前記下部チェンバの上部を開閉し,前記下部チェンバと共に前記基板に対する工程が行われる空間を形成する上部チェンバと,を含み,前記電磁石は前記上部チェンバに実装されて前記調節板の上部にそれぞれ位置する。
【0014】
前記基板処理装置は,前記バッファ空間に設置されて前記バッファ空間を区画空間及び拡散空間に区画し,前記区画空間と前記拡散空間を連通する複数の拡散孔を備える拡散板を更に含み,前記拡散板は上部面から突出されて前記区画空間を複数個に区画する隔壁を備える。
【0015】
前記流入口は,複数個に区画された前記区画空間の各領域と一対一対応関係である。
【0016】
前記流入板は表面に樹脂コーティングされる。
【0017】
本発明の一実施例によると,シャワーヘッドは,外部から反応ガスが供給される内部空間,及び前記内部空間と連通されて前記反応ガスを噴射する複数の噴射孔を有するシャワーヘッド本体と,前記内部空間に設置されて前記内部空間を流入空間及びバッファ空間に区画し,前記流入空間と前記バッファ空間を連通する複数の流入口を有する流入板と,前記流入口の上にそれぞれ設置されて移動可能で,移動による前記流入板との離隔距離によって前記流入空間から前記バッファ空間に前記反応ガスが移動することを制限し得る複数の調節板を含むと共に,前記調節板にそれぞれ磁力を印加して前記調節板を移動可能な複数の電磁石を更に含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると,調節板を移動して流入口を介した反応ガスの移動を制限することができ,それを介して基板の部位による反応ガスの供給量を調節することができる。
【0019】
また,チェンバ外部で電磁石を介して調節板を遠隔で移動させることができるため,チェンバを開放するかチェンバ内部の真空を解除することなく工程均一度を容易に調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施例による基板処理装置を概略的に示す断面図である。
図2図1に示す上部チェンバ及びシャワーヘッドを概略的に示す断面図である。
図3図2に示す拡散板を概略的に示す平面図である。
図4図2に示す流入板を概略的に示す平面図である。
図5図2に示す調節板の移動を示す断面図である。
図6図2に示す調節板を示す断面図である。
図7図2に示す電磁石が制御機にそれぞれ連結された状態を示すブロック図である。
図8図2に示すシャワーヘッドの作動状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下,本発明の好ましい実施例を添付の図1及び図8を参照してより詳細に説明する。本発明の実施例は様々な形態に変形されてもよく,本発明の範囲が以下で説明する実施例に限ると解釈されてはならない。本実施例は,当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明をより詳細に説明するために提供されるものである。よって,図面に示した各要素の形状はより明確な説明を強調するために誇張されている可能性がある。
【0022】
一方,以下では蒸着装置を例に挙げて説明するが,本発明の範囲はこれに限らず,反応ガスを利用して基板を処理する多様な工程に応用可能である。
【0023】
図1は,本発明の一実施例による基板処理装置を概略的に示す断面図である。図1に示すように,前記基板処理装置19は下部チェンバ12及び上部チェンバ18を含む。前記下部チェンバ12は上部が解放された形状であり,一側に基板Wが出入可能な通路12aを有する。基板Wは通路12aを介して下部チェンバ12の内部に出入し,ゲート弁(図示せず)が通路12aの外部に設置されて通路12aを開放するか閉鎖する。
【0024】
前記上部チェンバ18は前記下部チェンバ12の解放された上部を開閉する。前記上部チェンバ18が前記下部チェンバ12の解放された上部を閉鎖したら,前記下部チェンバ12及び前記上部チェンバ18は外部から閉鎖された内部空間を形成する。
【0025】
前記上部チェンバ18は後述するシャワーヘッド本体16の内部空間と連通するガス供給口18aを有し,反応ガスはガス供給口18aを介して内部空間に連結される。
【0026】
サセプタ14は前記下部チェンバ12の内部に設置され,基板Wがサセプタ14の上部に置かれる。サセプタ14はヒータ(図示せず)を備えるが,ヒータは外部電源から印加された電流を介して基板Wを工程温度に加熱する。
【0027】
図2は,図1に示す上部チェンバ及びシャワーヘッドを概略的に示す断面図である。シャワーヘッドは,シャワーヘッド本体16,拡散板22,及び流入板24を含む。シャワーヘッド本体16は上部チェンバ18の下部に連結され,平板状の噴射部,及び噴射部の外側に設置されて上部チェンバ18に固定されるフランジ部を備える。前記噴射部は上部チェンバ18から離隔配置され,内部空間が上部チェンバ18とフランジ部との間に形成される。前記噴射部は複数の噴射孔16aを有し,内部空間に供給された反応ガスは噴射孔16aを介して基板Wに噴射される。前記反応ガスは水素(H2)または窒素(N2)または所定の他の不活性ガスを含み,シラン(SiH4)またはジクロロシラン(SiH2Cl2)のようなプリカーサガスを含む。また,ジボラン(B2H6)またはホスフィン(PH3)のようなドーパントガスを含む。
【0028】
前記反応ガスは基板Wと反応して工程を行い,次に排気リング17を介して外部に排出される。排気リング17は複数の排出孔17aを有し,前記反応ガスは前記排出孔17aを介して排気リング17の内側に移動してから外部に排出される。排気ポンプ(図示せず)は,反応ガスを強制排出するために提供される。
【0029】
図3は,図2に示す拡散板を概略的に示す平面図である。図2に示すように,前記拡散板22は平板状の拡散部,及び拡散部の外側に設置されて後述する流入板24に固定されるフランジ部を備える。前記拡散部は流入板24から離隔配置され,区画空間23が流入板24と拡散部との間に形成される。拡散部は複数の拡散孔22aを有し,区画空間23に供給された反応ガスは拡散孔22aを介して下部に位置する拡散空間16aに噴射される。
【0030】
この際,図3に示すように,複数の隔壁22p1,22p2によって前記区画空間23は複数個に区画される。前記円形隔壁22p1は前記拡散板22の中心を基準にする同心円状であり,前記区画空間23を半径方向に沿って区画する。前記放射隔壁22p2は前記拡散板22の中心を基準に放射状に配置され,区画空間23を円周方向に沿って区画する。本実施例とは異なって,区画空間23はさらに細分化されるかそれ以上に細分化されなくてもよい。
【0031】
図4は,図2に示す流入板を概略的に示す平面図である。図2に示すように,前記流入板24は平板状の流入部,及び該流入部の外側に設置されて後述する上部チェンバ18に固定されるフランジ部を備える。前記流入部は前記上部チェンバ18から離隔配置され,流入空間が前記上部チェンバ18と前記流入部との間に形成される。前記流入部は複数の流入口25aを有し,流入空間25に供給された反応ガスは流入口25aを介して下部に位置する区画空間23に移動する。
【0032】
この際,図2に示すように,調節板30が流入口25aの上に設置されて反応ガスの移動を制限する。図4に示すように,前記流入部は前記流入口25aの両側に設置されたガイド孔を有し,調節板30は下部面から突出された一対のガイドバーを有する。前記ガイドバーはガイド孔に挿入されるが,前記調節板30が移動するとガイドバーはガイド孔に沿って移動する。
【0033】
図5図2に示す調節板の移動を示す断面図であり,図6図2に示す調節板を示す断面図である。調節板30は流入口25aの上に設置されて上下に移動可能であり,前記調節板30が上昇して流入口25aまたは前記流入板24から離隔されれば,反応ガスは前記流入口25aを介して区画空間23に移動する。それに対し,前記調節板30が下降して流入口25aまたは流入板24と隣接すれば,反応ガスは前記流入口25aを介して区画空間23に移動することができない。この際,ガイドバーはガイド孔に沿って移動し,調節板30が決められた経路に沿って上昇または下降するようにガイドする。
【0034】
図6に示すように,調節板30は磁力によって反応する物質からなる本体32と,該本体32を覆っているコーティング層31を備える。後述するように,調節板30は電磁石を介して磁力を印加することで上昇または下降するが,前記本体32は金属のように磁力に反応する。また,コーティング層31は本体32の汚染または酸化を防止するために本体32を覆っているだけでなく,流入口25aまたは前記流入板24と隣接した状態で前記流入口25aの機密を維持するために必要である。
【0035】
図7図2に示す電磁石が制御機にそれぞれ連結された状態を示すブロック図であり,図8図2に示すシャワーヘッドの作動状態を示す断面図である。図2に示すように,それぞれの調節板30は電磁石42と一対一対応関係にあり,前記電磁石42を介して上昇する
【0036】
詳しくは,それぞれの電磁石42は複数個(1,2,3,…n−1,n,n=整数)であってもよく,調節板30の上部に位置した状態で上部チェンバ18に実装される。制御機40はそれぞれの電磁石42に連結され,それぞれの前記電磁石42に印加するか印加された電源を遮断する。よって,図8に示すように,電源が印加されれば,前記電磁石42によって前記調節板30が上昇して前記流入口25aまたは前記流入板24から離隔され,反応ガスは前記流入口25aを介して区画空間23に移動することができる一方,電源が遮断されれば,前記調節板30が下降して前記流入口25aまたは流入板24と隣接し,反応ガスは前記流入口25aを介して区画空間23に移動することができない。
【0037】
以下,図7及び図8を介して反応ガスの流動を説明すると下記のようである。
【0038】
まず,噴射された反応ガスは基板Wの上部に供給され,前記基板Wがサセプタ14によって加熱された状態で,反応ガスは前記基板Wの表面と反応して薄膜を形成する。この際,薄膜の厚さは噴射孔16aを介して上部から噴射される反応ガスの供給量に比例し,基板Wの表面のうち少量の反応ガスが供給された部分は薄膜の厚さは小さく,多量の反応ガスが供給された部分は薄膜の厚さは大きい。よって,反応ガスが基板Wの全体表面に対して均一に供給されれば,薄膜は均一な厚さを有する。
【0039】
しかし,前記薄膜の厚さは反応ガスの供給量以外にもサセプタ14の加熱温度にも比例するが,前記基板Wの表面のうち加熱温度が低い部分は薄膜の厚さが小さく,加熱温度が高い部分は薄膜の厚さが大きい。よって,前記サセプタ14の加熱温度が均一であれば薄膜は均一な厚さを有し,全体的に均一な加熱温度を有するサセプタ14が理想的である。
【0040】
しかし,現実的に完璧に均一な加熱温度を有するサセプタ14を加工することは不可能である。特に,最近前記基板Wのサイズが大型化するにつれ,前記サセプタ14のサイズも共に増加する傾向にあり,そのため,基板Wの上に均一な温度分布を形成することが難くなっていた。つまり,前記基板Wを工程温度に加熱する過程において,ヒータの故障または性能低下,そして,前記ヒータの輻射熱が局部的に不均衡になる恐れがあった。その他にも薄膜の厚さに影響を及ぼす因子(factor)は多様であり,均一な厚さを有する薄膜を形成するためには上述した因子のうち一部を人為的に調整する必要がある。よって,本実施例では反応ガスの供給量を人為的に不均一に調整することで,均一な厚さを有する薄膜を形成しようとする。
【0041】
例えば,ダミー(dummy)基板Wを利用して薄膜を形成した後,薄膜の厚さを測定する。この際,各基板Wの部位に供給される反応ガスの供給量を調整し,基板Wの表面の各領域には面積対比同量の反応ガスが噴射される。次に,測定された薄膜の厚さに比例して,各部位に供給される反応ガスの供給量が調節される。つまり,基板Wの表面の特定領域で薄膜の厚さが基準値より厚ければ,該当領域の上部に位置する調節板30を下降させて流入口25aを介した反応ガスの移動を制限することで,反応ガスの供給量を減少させる。また,逆に,基板Wの表面の特定領域で薄膜の厚さが基準値より薄ければ,該当領域の上部に位置する調節板30を上昇させて流入口25aを介した反応ガスの移動を許容することで,反応ガスの供給量を増加させる。上述した制御機40は,測定された薄膜の厚さに応じて電磁石42を制御し,各部位に供給される反応ガスの量を増減させる。例えば,上述した基準値は測定された薄膜の厚さに対する平均値であり,制御機40は測定された薄膜の厚さから平均値を算出する。このような方法を介して数回の調整過程を経ると均一な厚さを有する薄膜を形成することができ,後の実際の工程に適用することができる。
【0042】
本発明を好ましい実施例を介して詳細に説明したが,これとは異なる形態の実施例も可能である。よって,以下に記載の請求項の技術的思想と範囲は好ましい実施例に限らない。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は,多様な形態の半導体の製造設備及び製造方法に応用されることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8