(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ケース体を囲むように配置され、環状であって高透磁率材料からなる外周シールドをさらに備えることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の電流変換器。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
本発明に係る電流変換器の第1の実施形態として、ケース体の中空内に磁気検出器を1つ備える構成について説明する。
【0012】
図1は第1の実施形態に係る電流変換器ユニットの分解斜視図である。電流変換器30の周囲には負帰還巻線32が巻かれていて、制御基板530に対して端子ピン33を介して実装されている。電流変換器30の外側には外周シールド4が配置される。
【0013】
図2は、電流変換器30の負帰還巻線32を外した状態の図である。環状で中空構造のケース体1の内部空間内に磁気検出器10を1つ配置した電流変換器を構成している。ケース体1は、被計測電流線が通される貫通穴を持ち、被計測電流線に流れる電流が発生させる磁束密度を磁気検出器10で磁電変換する。また、ケース体1は、貫通穴の軸と直交する平面で2分割され、
図2における上方側の上ケース体1aと
図2における下方側の下ケース体1bとに分けられる。磁気検出器10は、高周波電流が通電される磁性体10bと、磁性体10bの周りに配置された検知コイル10aを有している。この電流変換器は、複数の被計測電流線に流れる電流量の加算の計測に用いてもよく、また一対の被計測電流線に流れる電流量の差である漏電電流の計測に用いてもよい。なお
図2からはその他の構成を除いて簡易に表示している。
【0014】
本実施形態に係る電流変換器30の電流検知の一例として、直交フラックスゲート型の磁気検出器を用いることができる。本実施形態において直交フラックスゲート型の磁気検出器10を用いた場合の検出原理は、磁性体10bに対して高周波の励磁電流を通電することによって磁性体10bに磁化回転を発生させて、被測定電流が発生する磁界の大きさに対応した出力を検知コイル10aで誘導出力として検出するものである。被測定電流が発生する磁界がないとき、すなわち被計測電流に電流が流れていないときは、磁性体10bに通電する励磁電流により生じる磁束は検知コイル10aと鎖交しないため誘導出力は検出されないが、被測定電流が流れることで発生する磁界により磁性体10b内部の磁化方向がバイアスされると、検知コイル10aを鎖交する磁束が発生するため、検知コイル10aで誘導出力を検出し、被測定電流の強度を検出することができる。
【0015】
ケース体1の外表面には、
図2には不図示の負帰還巻線32が巻回され、磁気検出器10の信号線はケース体1の外部にある制御基板530と接続されてもよい。ケース体1の外表面に、被測定電流が発生する磁界と同じ大きさで反対極性の磁界を発生させる負帰還巻線32を巻きまわすことで、負帰還制御を施して被測定電流の検出精度を向上することができる。
図1に示した制御基板530は、電源部、磁気検出器10の磁性体に高周波電流を流す通電部、検知コイルの磁界検知信号を増幅する増幅部と積分器、負帰還巻線に負帰還信号を通電する負帰還ドライブ部、負帰還抵抗器の両端電圧を増幅する増幅器を備えてもよい。さらに、ケース体1の半径方向外側には、
図1に示すように、パーマロイ、スーパーマロイ、ケイ素鋼板などの帯状の高透磁率材料で形成された外周シールド4を備えてもよい。
【0016】
ケース体1は、パーマロイ、スーパーマロイ、ケイ素鋼板などの高透磁率材料で形成され、被計測電流線が通る計測用貫通穴の中心Aを軸とする同心円状の空間である中空部1cが形成される(
図5参照)。ケース体1は、被計測電流が発生させる円周方向の磁束に対して、磁気検出器10より半径方向の内側が磁気的に滑らかであることが望ましい。一例としては、
図2に示すように上ケース体1aと下ケース体1bとのそれぞれにおいて、内周が閉じた環状となっている。この構成にすると、ケース体1が被計測電流により発生される円周方向の磁束を捕らえることができ、ケース体1の中空部1cには、計測用貫通穴の中心Aに対する被計測電流線の位置に依らない均等な磁場を形成させることができる。この磁場調整効果により、被計測電流線の貫通穴内における片寄りによる電流検出感度のばらつきを低減することができる。また、ケース体1は、磁気シールドの役割を果たし外乱磁界に対する影響を低減する役割を果たす。
【0017】
本実施形態においてケース体1は円形で構成しているが、正多角形などの閉鎖環状であってもよい。
【0018】
図3は、ケース体1の形状の一例を示している。上下一対であり、半径方向に内周側と外周側のそれぞれにフランジを備えている。上ケース体1a側の上フランジ2aと下ケース体1b側の下フランジ2bとを上下密着して閉鎖空間を形成することで、ケース体1内部の磁場調整効果を高めることができる。さらに、上下一対のケース体を概ね同一形状にすることで、ケース体1の製作コストを低減することもできる。
【0019】
図4は、ケース体1の別形状の一例を示している。断面コの字状の小ケース3bの開口部側に大ケース3aで蓋をする構成であり、内周側と外周側においてそれぞれ大ケース3aと小ケース3bとが重なりあうことで、磁場調整効果を高めることができ、さらに外乱磁界に対する影響を低減する効果がある。
【0020】
図5は、ケース体1と磁気検出器10の位置関係を示す断面図である。
図5に示すように、磁気検出器10は、ケース体1(下ケース体1b)に対し、磁性体10が環状のケース体1の同心円の接線となる向きに配置されている。磁気検出器10は、高周波電流を通電する磁性体10bと磁性体10bの周囲に巻回された検知コイル10aとで構成され、検知コイル10aは外部磁界に比例した振幅の誘導出力を取り出す直交フラックスゲート型の磁気検出器10を構成する。磁性体10bは、直線状であってもよく、つづら折れ状であってもよい。磁性体10bは、磁性ワイヤや非磁性基板上に形成された磁性薄膜でもよい。検知コイル10aは空芯コイルやボビンコイルでもよく、また、薄膜で形成された磁性体10b上に絶縁層を介すことで非磁性基板上に形成された薄膜で構成した薄膜コイルを用いると磁気検出器10を小型にでき、好適である。
【0021】
なお、
図5では不図示となっているセンサ基板20と制御基板530とで入出力を行うためにセンサ基板20に設けられた端子ピン33は、磁性体10が接線となる仮想円の円周上に沿うように配置されている。すなわち、端子ピン33は円弧状にセンサ基板20に対して固定されており、その端子ピン33が挿通される貫通穴101も下ケース体1bにおいて円弧状に設けられている。
【0022】
磁気検出器10の検知コイル10aは、コンデンサを接続して共振現象を利用することで、検出信号の取り出し効果を高めることができる。直交フラックスゲート型の磁気検出器10は、一般的にホール素子などに比べると高感度であり、高い分解能で電流検出が可能である。
【0023】
ホール素子などの磁気検出器は磁界検出感度が低いため、漏電電流などの微小電流を検出する場合は、フェライトやケイ素鋼板などでできた集磁コアを用いることが多い。しかし、本発明の直交フラックスゲート型の磁気検出器は、高感度であるため集磁コアを用いることなく漏電電流などの微小電流を検出することができる。
【0024】
また、環状の磁気コア(集磁コア)を備える平行フラックスゲート型の磁気センサは、被計測電流線が発生させる同一円周上の計測磁界を効率的に計測することが可能であるが、閉鎖環状の磁気コアの周囲に励磁用の巻き線を施すため組み立て工数が多くかかってしまう。本発明の構成では、励磁コイルまたは検知コイルは閉鎖環状に巻回すことはなく、磁気検出器10を簡単に構成することができる。
【0025】
磁気検出器10は、ケース体1内部の中空部1cにおける、磁性体を含まない円周状の経路に配置されるのが好ましい。この経路上は、非磁性の材料で埋められてもよい。例えば、
図5における中心Aを中心とする円周上の連続した空間である。
【0026】
磁気検出器10の磁界検知方向は、磁性体10bの長手方向である。磁気検出器10の磁界検知方向は、被計測電流が発生させる同心円状の磁束のうち、磁気検出器10を通過する磁束の接線と平行になるように配置すると、最も感度よく電流計測ができる。一方、磁気検出器10の磁界検知方向と、被計測電流により発生する同心円状の磁束の接線方向が交わるように配置すると、被計測電流量が大きくなっても飽和することなく、計測が可能であるため、磁気検出器10の感度が良い場合などには、このように配置することで幅広い範囲の電流計測が可能となる。
【0027】
図6に支持体31とケース体1の関係を示す。支持体31は、非磁性の樹脂材料などで形成されており、磁気検出器10とケース体1の相対位置を決める役割を果たす。磁気検出器10が実装されるセンサ基板20を固定する凹部31aと、磁気検出器10の信号をケース体1の外部に引き出すためのセンサ基板20の端子ピン33が通る貫通穴31bを備えている。
図6においては、センサ基板20を省略して表示しているが、端子ピン33のみ抜粋して記載している。ケース体1は、支持体31の貫通穴31bなどの支持体31側から突出する部材に対応する貫通穴101、102を備えてもよい。
【0028】
例えば、
図6(a)に示すように、ケース体1の貫通穴102は、本実施形態においては、貫通穴102に対応する支持体31の一方面側に設けられた位置決め凸部31c(
図7参照)と係合することで、支持体31とケース体1の位置を固定する。
【0029】
支持体31における位置決め凸部31cの他方面側に相当する位置付近には、当接部31fが設けられている。センサ基板20を固定した支持体31をケース体1に固定した状態では、ケース体1における端子ピン33が挿通される側では、貫通穴101と後述の突起部31d、および貫通穴102と位置決め凸部31cによって位置が決まり、支持体31の他方側においては、当接部31fがケース体1に当接するように設けられており、ケース体1に対する支持体31およびセンサ基板20の位置決めを行っている。
【0030】
なお、支持体31に対するセンサ基板20の位置決めは、
図7に示すセンサ基板20の位置決め孔20hに対し、支持体31に設けた突起31hが挿通されることによって行っているが、詳細は後述する。
【0031】
図6(b)に示すように、支持体31の突起部31dは、貫通穴31bのうち両端の貫通穴31bに対応する位置に設けられ、内部に端子ピン33が通ることで、ケース体1と支持体31との位置決めを行いつつ端子ピン33とケース体1との電気的な接続を防ぐ役割を果たす。支持体31の突起部31dによってケース体1と支持体31の位置を固定することで、支持体31の突起部がない両端のもの以外の貫通穴31bに対応する端子ピン33をケース体1と接続しないように固定することも可能である。なお、貫通穴31bのうちの複数に突起部31dを設けることによって、ケース体1に対する支持体31およびセンサ基板20の位置決めを行うことができ、この場合、上述した位置決め凸部31cを廃止することもできる。もしくは、1箇所のみ突起部31dを設けて、位置決め凸部31cとの2箇所でセンサ基板20の位置決めを行うようにしても良い。
【0032】
支持体31の突起部31dとケース体1の貫通穴101は、嵌め合わせで固定されてもよく、接着などで固定されてもよい。
【0033】
支持体31は、ケース体1の貫通穴101、102を通過して制御基板530と接触する接触部31eをさらに備えてもよい。接触部31eは、ケース体1と制御基板530との位置決めと固定の役割を果たしてもよい。本実施形態においては、突起部31dの先端部が接触部31eとなっている。
【0034】
ここで、センサ基板20について詳述する。
図7に示すように、センサ基板20は支持体31に設けられた凹部31aに対応するように固定端21を有している。一方、センサ基板20に設けられた位置決め孔20bに支持体31の突起31hが挿通することで支持体31に対するセンサ基板20の位置が固定される。このとき、センサ基板20の固定端21は凹部31aに収容される位置となっている。支持体31は、センサ基板20が固定された状態においては、センサ基板20と共にほぼドーナツ形状の構造体を形成し、その構造体がケース体1に当接することによってケース体1内に収容されている。このように、ケース体1内に収容された各部品とケース体1とで、電流変換器30を形成している。
【0035】
センサ基板20には、固定端21近傍に磁気検出器10が実装されており、検知コイル10bは、固定端21の先端から挿入されることによって、磁性体10aとオーバーラップする位置まで取り付け可能になっている。固定端21の先端からセンサ基板20に挿入された検知コイル10bは、センサ基板20に設けられた突き当て部20aに当接する位置まで挿入されるが、この位置まで挿入された検知コイル10bは、センサ基板20が支持体31に取り付けられたときに、検知コイル収容部31gに対して収容される。この構造により、固定端21側からセンサ基板20に挿入された検知コイル10bの、ケース体1内部における位置決めがなされている。
【0036】
電流変換器30を制御基板530に対し端子ピン33を導通させて実装し、外周シールド4で電流変換器30を覆った上で、前カバー100aおよび後カバー100bで封止することで、電流変換器ユニットを構成している。
【0037】
本実施形態においては、磁気検出器10の一例として、直交フラックスゲート方式を用いたセンサを用いることができ、磁性体10aをセンサ基板20上に形成された磁性薄膜によって構成することによって小型化を可能にしている。それに伴い、検知コイル10bは比較的長さの短い直線状のものを用いることができる。そのため上述したように固定端21から検知コイル10bを挿入するだけで磁気検出器10を構成することができ、小型化に好適である。この場合、検知コイル10bとしては汎用品として一般に用いられているような固定長のものを使用することができ、従来のような環状のコアに巻回するものなどに比べて、生産性を大きく向上できる。
【0038】
磁性体10aや検知コイル10bと制御基板530の間で信号を送受信するための端子ピン33は、センサ基板20に設けられており、センサ基板20が支持体31に固定された状態においては、端子ピン33が支持体31の貫通穴31bおよびケース体1の貫通穴101を貫通することで制御基板530に固定され、制御基板530上の回路と導通される。
【0039】
磁気検出器10は、センサ基板20が支持体31の凹部31aに固定され、それらがケース体1に搭載された状態においては、複数設けられる端子ピン33の中央部分(
図7左上に示す断面図のPの位置)と、各センサとのなす角がケース体1の計測用貫通穴の中心Aに対して略90度となる位置に設けられていることが好ましい。すなわち、磁気検出器10を実装できるように、センサ基板20の固体端21がその位置まで延在していることが好ましい。
【0040】
この構造によれば、後述するように、複数の磁気検出器10を設ける場合に、計測用貫通穴の中心Aに対して対照的な位置に他方の磁気検出器10を配置しやすく、差動検出しやすくすることができる。また、端子ピン33がケース体1を貫通する貫通穴101を、磁気検出器10の近傍(特に中心Aに対して15度以内となる位置)に設けると、ノイズとなる外部磁界に対する磁気検出器10の出力が変動しやすくなってしまうことが分かっている。本実施形態のように端子ピン33の中央部分Pに対して略90度をなす位置に磁気検出器10を配置すれば、外部磁界に対して貫通穴101が及ぼす影響を抑えて、安定した出力を得ることができるようになる。なお、2つの磁気検出器10を設ける場合でも、同様に配置することができ、好適である。
【0041】
なお、
図8に示すように、ケース体1の内部には、ケース体1の透磁率以上の透磁率を持つ材料で形成された内部シールド5をさらに備えてもよい。内部シールド5は、パーマロイやスーパーマロイなどの高い透磁率材料で形成された閉じたリング状の板材であることが好ましい。なお、
図9に示すように、ケース体1と内部シールド5との間に、非磁性材料でできたシート材7などを配置することで、ケース体1と内部シールド5とは磁気的に接続していない。内部シールド5やシート材7は端子ピン33に対応する位置に、ケース体1同様、
図8に示す貫通穴5aや不図示の貫通穴7aを設けても良いし、端子ピン33を避けて配置されるようにしていても良い。この構成により、内部シールド5は、ケース体1の磁場調整効果により生じる計測磁場を乱すことなく、外乱磁界に対する影響を低減することができる。
【0042】
また、負帰還巻線32は、絶縁膜を備えるコイル線をケース体1の周囲に巻回されることによって構成される。
【0043】
また、ケース体1は、制御基板530のGNDと接続されてもよい。端子ピン33のうちのGNDピンをケース体1と半田付けで接続してもよく、機械的にケース体1と接続してもよい。この構成により、被計測電流センサに大電圧が印加されたときに、磁気検出器10と被計測電流線との容量結合を低減できる。
【0044】
(第2の実施形態)
本発明に係る電流変換器における第2の実施形態では、ケース体1の内部に複数の磁気検出器10を配置して、感度良く電流計測を行い、さらに外乱磁界に対する影響を低減する他の方法について説明する。なお、ケース体1の形状と磁気検出器10などの構成は、第1の実施形態と同様であるので、第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0045】
ケース体1の内部に磁気検出器10を複数配置した構成の例として、2個配置と4個配置した図を
図9と
図10にそれぞれ示す。複数の磁気検出器10は、中心点Aを中心とする同一円周上に、被計測電流が発生させる磁束に対して同じ極性の出力となるように配置する。それぞれの磁気検出器10の磁気検出信号を加算処理すると、電流検出の感度は磁気検出器10の配置個数の乗算になるため、配置個数が多いほど微小電流の計測を高精度に実現できる。
【0046】
図9、
図10に示すように、複数の磁気検出器10を同一円周上に等間隔に配置すると被計測電流線の位置が中心からずれた場合の電流検出感度の変化をより低減できる。より好適には、6個以上の偶数個を配置する。
【0047】
外乱磁界に対する影響を低減するためには、一対の磁気検出器10の一方を同一円周上の中心点Aを挟んで反対に位置するように配置をする(
図9)。この配置によると、同相の外乱磁界に対しては、一対の磁気検出器の出力は逆極性になるため減算により打ち消すことができる。複数の対の磁気検出器10を同一円周上に等間隔に配置をすることで、外乱磁界の低減効果をより大きくすることができ、より好適には、
図10のように2組以上の対を配置する。なお、
図10には2組の対すなわち合計4つの磁気検出器を備えており、その両端に設けた固定端21にそれぞれ磁気検出器10を設けた第1センサ基板201と第2センサ基板202とを設けている。この第1センサ基板201と第2センサ基板202に対し、それらの間を埋めるようにして支持する複数の支持枠31を設けても良いし、環状に形成した支持枠31に設けたセンサ基板保持用の凹形状に対して載置するように第1センサ基板201および第2センサ基板を取り付けても良い。
【0048】
支持体31は、複数の磁気検出器10を配置する溝部を備えていても良く、その場合、支持体31を環状に形成することで、磁気検出器10を等間隔に配置することができ、さらに、支持体31の突起部31dとケース体1の貫通穴101とにより、ケース体1に対する支持体31の位置決めを行うことによって、中心点Aに対して同一円周上に磁気検出器10を配置することが可能である。
【0049】
(第3の実施形態)
この第3の実施形態は、第1の実施形態と第2の実施形態で説明をした、負帰還巻線を簡単に構成する方法について説明をする。なお、基本的な構成は第1の実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明をする。
【0050】
図11に、本発明に係る電流変換器における第3の実施形態の構成図を示す。ここで、ケース体1は、上ケース体1aと下ケース体1bとをそれぞれさらに中心点Aを通るような直線によって半径方向に分割をして、分割された第1上ケース体1a1と第1下ケース体1b1(合わせて第1ケース体1c)および第2上ケース体1a2と第2下ケース体1b2(合わせて第2ケース体1d)とに、負帰還巻線34aと負帰還巻線34bとをそれぞれ巻回されてもよい。
【0051】
負帰還巻線をそれぞれ巻き回した第1ケース体1cと第2ケース体1dの開口部同士が当接するように、それぞれ開口部を塞いで円環形状となるように固定をし、負帰還巻線34a、34bは、電気的に接続をして1系統の負帰還回路として動作させてもよい。第1の実施形態と第2の実施形態の負帰還巻線は、閉じた環状のケース体に巻回す貫通巻線であるため巻き線の工数が多くかかるが、ケース体を分割することで負帰還巻線の工数を削減することができる。負帰還巻線34aと負帰還巻線34bは、ケース体1に直接巻回してもいいし、円弧状の空芯コイルやボビンコイルなどをケース体1に取り付けてもよい。
【0052】
磁気検出器10は、分割された第1ケース体1cと第2ケース体1dのどちらか一方のみに配置してもいいし、第1ケース体1cと第2ケース体1dのそれぞれに配置してもよい。ケース体1を分割することで分割された面に磁極が生じて、計測磁場を乱す原因となるが、第1ケース体1cと第2ケース体1dのそれぞれの端部から等距離の位置に2つの磁気検出器10をそれぞれ収容して、それぞれの磁気検出器10の検出結果の加算処理をすることで分割面に発生する磁極による発生磁束は打ち消されて、磁極の発生による電流計測の精度低下の影響は低減できる。
【0053】
磁気検出器10は、分割された第1ケース体1cと第2ケース体1dとにそれぞれ複数配置されてもよい。複数の磁気検出器10は、第1ケース体1cと第2ケース体1dとを固定する時に中心点Aを軸にした同一円周上に配置され、より好適には等間隔に配置すればよい。
【0054】
第1ケース体1cと第2ケース体1dの端部をオーバーラップさせて接触させることで、ケース体の端部にできる磁極を小さくすることができる。例えば、第1ケース体1cの端部の外径を細くして、第2ケース体1dの端部内に挿通すればよく、第1上ケース体1a1と第1下ケース体1b1の端部が上下でズレるように形成し、その形状に合うように第2上ケース体1a2と第2下ケース体1b2を形成することで端部をオーバーラップさせても良い。
【0055】
ケース体1は、2個以上に分割されてもよく、分割されたケース体1のそれぞれに負帰還コイルを巻き回して、1つの負帰還コイルとして動作させてもよい。
【0056】
本発明は、電流路を形成する被測定対象のケーブルと磁気センサとの間に環状シールドリングを配置し、ケーブルと磁気センサとの間で発生する磁束を環状シールドリング内部に飽和させることで、ケーブルと磁気センサとの相対位置による出力ばらつきを低減できている。更に、磁気センサをシールド壁で取り囲むことにより、外乱磁界の影響をも防いでいる。