(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の通路に接続される第1のポートと、第2の通路に接続される第2のポートとを有し、該第1のポートおよび該第2のポートに連通し、該第2のポートに設けられた弁座の弁ポートを開閉制御する弁体を含んでなる弁体ユニットを移動可能に収容する収容部を備える弁本体部と、
前記弁体ユニットに、前記弁体の先端部と前記弁座の弁ポートの周縁との間を通過する流体の流量を調整するように、前記弁座の弁ポートを開閉制御する動作を行わせる駆動機構を作動させるステータコイルユニットを含んでなる電磁アクチュエータと、
前記電磁アクチュエータに配され、前記ステータコイルユニットをステータコイルユニット支持部に位置決めし保持する弾性変形可能なブラケット部材と、を備え、
前記ブラケット部材が、前記ステータコイルユニット支持部における複数個の略円形の窪みの周縁に係合され、2個の切欠部を有する少なくとも1個の位置決め用突起部を有し、
前記位置決め用突起部の各切欠部が、前記ステータコイルユニット支持部の軸線方向に沿って2箇所に離隔して形成され、
前記位置決め用突起部の前記切欠部の形状は、該位置決め用突起部に対向する前記ステータコイルユニットの一部を構成するボビンの中心軸線を含む平面から真正面に該切欠部を見たとき、中心角が該中心軸線により2等分される略扇形であり、
前記位置決め用突起部の頂部が、作用された押圧力に基づき前記ステータコイルユニット支持部における窪みに押し込まれたとき、該位置決め用突起部の前記略扇形の切欠部の周縁および外周部の各端部が、前記ステータコイルユニット支持部の円周方向および軸線方向に沿った少なくとも4箇所で前記窪みの周縁に前記押圧力の分力によって隙間なく拘束された状態で係合され、
前記略扇形の各切欠部の周縁の各端部が前記略円形の窪みの周縁に係合された位置が、前記ボビンの中心軸線に関し対称な位置であることを特徴とする制御弁。
前記ブラケット部材の前記位置決め用突起部が、前記ステータコイルユニットの内周部の周縁に設けられ、前記ステータコイルユニット支持部が、ローターケースの外周部に形成されることを特徴とする請求項1記載の制御弁。
前記ブラケット部材の前記位置決め用突起部が、前記ステータコイルユニットの端部から離隔した位置に設けられ、前記ステータコイルユニット支持部が、弁本体部の外周部に形成されることを特徴とする請求項1記載の制御弁。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の電動弁における弁ポートを開閉する弁体の開度は、冷媒の流量制御を高精度に維持するために微少な開度範囲で制御されることが要望される場合がある。また、上述のような電磁アクチュエータが弁本体に組み付けられ一体となった電動弁は、通常、空調機等の室外機に取り付けられている。
【0006】
そのような電動弁は、より詳細に言えば、例えば、
図10(A)および(B)に示されるように、弁体ユニットをステータコイルユニット1と協働して駆動する弁駆動部と、ローターケースの端部に連なり、弁体(不図示)の先端部で開閉される弁座(不図示)を内部に有する弁本体部9と、弁本体部9内に配され弁座を開閉する弁体を含んでなる弁体ユニットと、を含んで構成されている。弁本体部9の弁体収容部には、弁体の中心軸線に対し略直交する軸線上に第1の通路としての接続用パイプ13の一端が接続される第1のポートと、弁体の中心軸線と共通の軸線上に第2の通路としての接続用パイプ17の一端が接続される第2のポート、および、第2のポートに連通する弁座とが形成されている。弁本体部9の外周部における接続用パイプ13の一端が接合される部分に対向する部分、および、その部分周辺に形成されるステータコイルユニット支持部は、円周方向に沿って所定の間隔をもって複数個の略半球状の窪み9ai(i=1〜3)を有している。後述するブラケット部材7の位置決め用突起部7Nが選択的に係合される各窪み9aiは、所定の深さを有する略半円状断面を有している。ステータコイルユニット1は、リード線15を介して電力が供給されるコイル(不図示)を保持するボビン11と、ボビン11の脚部11Aおよび11Bに支持されケース1Cを上述のステータコイルユニット支持部に対し所定位置に位置決めするブラケット部材7と、ボビン11を内側に封止材を介して収容するケース1Cとから構成されている。ケース1Cは、ボビン11およびコイルを収容する内部収容部を内側に有している。帯状のブラケット部材7は、例えば、薄板金属材料で作られ、ケース1Cの内周部に固定される固定端部7Fと、上述のステータコイルユニット支持部の窪み9aiに係合される位置決め用突起部7Nを有し弾性変位可能な可動片部7Mと、可動片部7Mの他端部と固定端部7Fとを連結する連結片部7Cとから構成されている。
【0007】
上述の弁本体部9の弁体ケース19の半球状の窪み9ai(凹状の係合部)は、円筒状の弁体ケース19の外周の曲面上に形成されるので
図10(C)および(E)に示されるように、半球状の窪み9aiが平板にプレス成形された場合とは異なり、窪み9aiの全周縁が共通の平面上になく、窪み9aiの周縁9sの一部が弁体ケース19の円周方向に湾曲して形成される。これにより、上述のブラケット部材7の位置決め用突起部7N(屈曲係止部の凸状のブラケット係止部)の外周縁が、
図10(D)に示されるように、矢印XDの示す方向から見たとき、楕円状に見える窪み9aiの周縁9sに対し
図10(C)に示されるように、弁本体部9の中心軸線に沿った当接部TaおよびTbの2箇所のみしか当接せず、
図10(E)に示されるように、位置決め用突起部7Nの外周部と窪み9aiの周縁9sとの間に弁本体部9の弁体ケース19の円周方向に沿って隙間CLAおよびCLBが形成される場合がある。
【0008】
このような場合、組み付けられた電磁アクチュエータが弁本体に対し円周方向に沿って遊びが生じる。その結果、室外機の振動等に起因して電磁アクチュエータのケース本体における弁本体の弁体ケースに対する円周方向の位置がその遊びの範囲内で、
図10(E)における矢印の示す方向にずれる場合がある。これにより、弁開開始パルスのばらつきが生じるとともに、所定の駆動パルス数において弁体の弁ポートに対する弁開度のばらつきが生じ、弁体の微少な開度範囲に応じた所望の流量特性が、得られない虞がある。このような場合、電磁アクチュエータのケース本体における弁本体の弁体ケースに対する円周方向の位置が、所定の位置からずれないように、上述の屈曲係止部の凸状のブラケット係止部の押付け力を高めることも考えられる。
【0009】
しかしながら、ブラケット部材7の位置決め用突起部7N(屈曲係止部の凸状のブラケット係止部)の押付け力を高めることにより、電磁アクチュエータの弁本体に対する手作業の組付けが、困難となるので得策とは言えない。
【0010】
以上の問題点を考慮し、本発明は、電磁アクチュエータが弁本体に支持される制御弁、および、それを備える冷凍サイクルシステムであって、電磁アクチュエータを弁本体に高精度に位置決めし、確実かつ容易に固定することができる制御弁、および、それを備える冷凍サイクルシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の目的を達成するために、本発明に係る制御弁は、第1の通路に接続される第1のポートと、第2の通路に接続される第2のポートとを有し、第1のポートおよび第2のポートに連通し、第2のポートに設けられた弁座の弁ポートを開閉制御する弁体を含んでなる弁体ユニットを移動可能に収容する収容部を備える弁本体部と、弁体ユニットに、弁体の先端部と弁座の弁ポートの周縁との間を通過する流体の流量を調整するように、弁座の弁ポートを開閉制御する動作を行わせる駆動機構を作動させるステータコイルユニットを含んでなる電磁アクチュエータと、電磁アクチュエータに配され、ステータコイルユニットをステータコイルユニット支持部に位置決めし保持する弾性変形可能なブラケット部材と、を備え、ブラケット部材が、ステータコイルユニット支持部における
複数個の略円形の窪みの周縁に係合され、
2個の切欠部を有する少なくとも1個の位置決め用突起部を有し、
位置決め用突起部の各切欠部が、ステータコイルユニット支持部の軸線方向に沿って2箇所に離隔して形成され、位置決め用突起部の切欠部の形状は、位置決め用突起部に対向するステータコイルユニットの一部を構成するボビンの中心軸線を含む平面から真正面に該切欠部を見たとき、中心角が該中心軸線により2等分される略扇形であり、位置決め用突起部の頂部が、作用された押圧力に基づき前記ステータコイルユニット支持部における窪みに押し込まれたとき、位置決め用突起部の
略扇形の切欠部の周縁および外周部の各端部が、ステータコイルユニット支持部の円周方向および軸線方向に沿った
少なくとも4箇所で窪みの周縁に押圧力の分力によって隙間なく拘束された状態で係合され
、略扇形の各切欠部の周縁の各端部が略円形の窪みの周縁に係合された位置が、ボビンの中心軸線に関し対称な位置であることを特徴とする。
【0012】
ブラケット部材の位置決め用突起部が、ステータコイルユニットの内周部の周縁に設けられ、ステータコイルユニット支持部が、ローターケースの外周部に形成されてもよい。
ブラケット部材の位置決め用突起部が、ステータコイルユニットの端部から離隔した位置に設けられ、ステータコイルユニット支持部が、弁本体部の外周部に形成されてもよい。
【0015】
また、本発明に係る冷凍サイクルシステムは、蒸発器と、圧縮機、および、凝縮器とを備え、上述の制御弁が、凝縮器の出口と蒸発器の入口との間に配される配管に設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る制御弁、および、それを備える冷凍サイクルシステムによれば、電磁アクチュエータと、電磁アクチュエータに配され、ステータコイルユニットをステータコイルユニット支持部に位置決めし保持する弾性変形可能なブラケット部材と、を備え、ブラケット部材が、ステータコイルユニット支持部における
複数個の略円形の窪みの周縁に係合され、
2個の切欠部を有する少なくとも1個の位置決め用突起部を有し、
位置決め用突起部の各切欠部が、ステータコイルユニット支持部の軸線方向に沿って2箇所に離隔して形成され、位置決め用突起部の切欠部の形状は、位置決め用突起部に対向するステータコイルユニットの一部を構成するボビンの中心軸線を含む平面から真正面に該切欠部を見たとき、中心角が中心軸線により2等分される略扇形であり、位置決め用突起部の頂部が、作用された押圧力に基づきステータコイルユニット支持部における窪みに押し込まれたとき、位置決め用突起部の
略扇形の切欠部の周縁および外周部の各端部が、ステータコイルユニット支持部の円周方向および軸線方向に沿った
少なくとも4箇所で窪みの周縁に押圧力の分力によって隙間なく拘束された状態で係合され
、略扇形の各切欠部の周縁の各端部が略円形の窪みの周縁に係合された位置が、ボビンの中心軸線に関し対称な位置であるので電磁アクチュエータを弁本体に高精度に位置決めし、確実かつ容易に固定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図3は、本発明に係る制御弁の第1実施例の構成を、配管用パイプとともに示す。
【0019】
制御弁は、電動弁3とされ、
図7に示されるように、冷凍サイクルシステムの配管における後述する冷房運転時における室外熱交換器6の出口と室内熱交換器2の入口との間に配置されている。電動弁3は、冷房運転時、後述する接続用パイプ28で、一次側配管Du1に接合されており、接続用パイプ30で二次側配管Du2に接合されている。一次側配管Du1は、室外熱交換器6の出口と電動弁3とを接続し、二次側配管Du2は、室内熱交換器2の入口と電動弁3とを接続するものとされる。室内熱交換器2の出口と室外熱交換器6の入口との間には、室内熱交換器2の出口に接合される配管Du3と、流路切換弁8と、室外熱交換器6の入口に接合される配管Du6とが配されており、配管Du4、および、配管Du5により、圧縮機4が流路切換弁8に接合されている。配管Du3の他端は、流路切換弁8のポート8bに接合されている。配管Du6の他端は、流路切換弁8のポート8dに接合されている。配管Du4の一端は、流路切換弁8のポート8cに接合され、配管Du4の他端は、圧縮機4の吸入口に接合されている。配管Du5の一端は、流路切換弁8のポート8aに接合され、配管Du5の他端は、圧縮機4の吐出口に接合されている。冷房運転時、ポート8aとポート8dとが連通し、ポート8bとポート8cとが連通している。これにより、冷房運転時、冷凍サイクルシステムにおける冷媒が、例えば、
図7に示される矢印Rの示す方向に沿って循環され、室外熱交換器6が凝縮器として、室内熱交換器2が蒸発器として機能することとなる。
【0020】
一方、暖房運転時、流路切換弁8のポート8aとポート8bとが連通し、ポート8cとポート8dとが連通するように、流路切換弁8が切り換えられる。これにより、暖房運転時、冷凍サイクルシステムにおける冷媒が、例えば、
図7に示される矢印Fの示す方向に沿って循環され、室内熱交換器2が凝縮器として、室外熱交換器6が蒸発器として機能することとなる。なお、図示が省略される制御部により、圧縮機4および電動弁3は、駆動制御され、流路切換弁8は、切り換え制御される。
【0021】
電動弁3は、
図3に示されるように、後述する弁体ユニットをステータコイルユニット10と協働して駆動する弁駆動部と、ローターケース22の端部にステータコイルユニット支持部24を介して連結され弁体(不図示)の先端部で開閉される弁座(不図示)を内部に有する弁本体部26と、弁本体部26内に配され弁座を開閉する弁体を含んでなる弁体ユニットと、を含んで構成されている。
図2に示されるように、電動弁3の中枢部20は、弁駆動部と、ステータコイルユニット支持部24と、弁本体部26と、を含んで構成されている。
【0022】
弁駆動部は、閉端部を有する円筒状のローターケース22内に配され弁体ユニットを昇降動させる雄ねじ軸(不図示)と、雄ねじ軸と嵌め合わされる雌ねじ部を有する雌ねじ部材であって、弁本体部26に固定され弁体ユニットを昇降動可能に案内する雌ねじ部材と、上述の雄ねじ軸のガイド軸部に固定され回転可能に支持され着磁されたロータ(不図示)と、ローターケース22の外周部に配されロータを回転させるステータコイルユニット10と、を主な要素として含んで構成されている。
【0023】
上述の弁駆動部は、ステータコイルユニット10へ図示が省略される制御部により供給される駆動パルス信号に基づいて制御される。
【0024】
弁体ユニットは、図示が省略されるが、弁座の弁ポートを開閉するニードル状の弁体と、上述の雄ねじ軸の連結部の張出部を、ワッシャと協働して弁体ケースの開口端部の内周縁に係合させる円柱状のばね受け部材と、ばね受け部材の張出部と弁体の一端のばね受け用環状平坦部との間に配され、双方を互いに離隔する方向に付勢するコイルスプリングと、上述のばね受け部材、コイルスプリング、および、弁体の一端を収容する円筒状の弁体ケースと、を主な要素として含んで構成されている。
【0025】
弁本体部26は、
図2に示されるように、金属材料、例えば、真鍮、ステンレス鋼、アルミニウム合金、または、樹脂材料等により作られ、上述の雌ねじ部材の下端、弁体の他端および円筒状の弁体ケースを収容する弁体収容部を内側に有している。弁体収容部には、弁体の他端が弁ポートに向けて突出している。また、弁体収容部には、弁体の中心軸線に対し略直交する軸線上に第1の通路としての接続用パイプ28の一端が接続される第1のポートと、弁体の中心軸線と共通の軸線上に第2の通路としての接続用パイプ30の一端が接続される第2のポート、および、第2のポートに連通する弁座とが形成されている。
【0026】
ローターケース22の下端に連なって形成されるステータコイルユニット支持部24は、
図2および
図3に示されるように、円周方向に沿って所定の間隔をもって複数個の略円形の窪み24ai(i=1〜5)を有している。後述するステータコイルユニット10内のブラケット部材14の位置決め用突起部14Nが選択的に係合される各窪み24aiは、所定の深さを有する略半円状断面を有している。このように複数個の窪み24aiが形成されることにより、ステータコイルユニット10のステータコイルユニット支持部24に対する相対位置を選択的に変更することが可能となる。
【0027】
電磁アクチュエータの主要部を構成するステータコイルユニット10は、
図1、および、
図4に示されるように、コイル16を保持するボビン18と、ボビン18に支持されケース12をステータコイルユニット支持部24に対し所定位置に位置決めするブラケット部材14と、ボビン18およびブラケット部材14を内側に収容するケース12とから構成されている。
【0028】
ケース12およびボビン18は、それぞれ、ローターケース22の外周部が挿入される孔12a、孔18aを中央部に同心上に有している。ケース12は、ボビン18およびコイル16を収容する収容部12Aを有している。ケース12の上端に形成される孔12aは、収容部12Aに連通している。
図1、および、
図4に示されるように、ボビン18の孔18aの一方の開口端全周縁には、上述のステータコイルユニット支持部24が挿入される略環状の溝18Bが、ボビン18の孔18aと同心上に形成されている。その際、溝18Bにおいてケース12の内周部に向けて部分的に広がる拡大部18beには、ブラケット部材14が配されている。拡大部18beは、
図1に示されるように、後述するブラケット部材14の固定端部14Fが係止されるボビン18の係止壁18Wに向き合う溝18Bの位置から所定の中心角θをもって溝18Bの円周方向に延びている。拡大部18beの中心角θは、例えば、約135°程度に設定されている。なお、収容部12A内におけるボビン18の周囲は、封止材により、封止されている。
【0029】
ブラケット部材14は、
図1に示されるように、例えば、薄板金属材料で作られ、ボビン18の拡大部18beの内周面における当接部18b1に当接される末端片部14Eと、ボビン18の係止壁18Wに係止される固定端部14Fと、末端片部14Eと固定端部14Fとを連結する可動片部14Mとから構成されている。末端片部14Eの一端は、当接部18b1に向けてU字形に折り曲げられて形成されている。可動片部14Mの一端に連結される末端片部14Eの他端は、拡大部18beの内周面における当接部18b1から離隔した当接部18b2に当接されている。可動片部14Mの他端に連結される固定端部14Fは、ボビン18のスリット18SLに連なる係止壁18Wの垂直面18b3を保持している。
【0030】
帯状の可動片部14Mは、
図1および
図4に示されるように、上述のステータコイルユニット支持部24の窪み24aiに係合される位置決め用突起部14Nを有している。
図4における矢印Uの示す方向から見て、頂部に丸みをもった略尖頭状の位置決め用突起部14Nは、溝18Bの中心軸線、即ち、ボビン18の孔18aの中心軸線に向けて所定の高さで突出している。
図5に部分的に拡大されて示されるように、位置決め用突起部14Nにおける可動片部14Mの円周方向の両端部は、可動片部14Mと一体に形成されており、一方、位置決め用突起部14Nにおける可動片部14Mの幅方向の両端部には、それぞれ、ボビン18の孔18aの中心軸線を含む平面から真向かいに見て、略扇形の切欠部14Kaおよび14Kb(
図5における斜線部分)が形成されている。
図5に示されるボビン18の孔18aの中心軸線から見た切欠部14Kaにおける扇形の中心角αは、好ましくは、例えば、60°以上150°以下に設定される。
図5に示されるボビン18の孔18aの中心軸線から見た切欠部14Kbの中心角βは、好ましくは、例えば、60°以上150°以下に設定される。なお、切欠部14Kaおよび14Kbの形状は、斯かる例に限られることなく、互いに中心角の異なる扇形に形成されてもよい。
【0031】
これにより、位置決め用突起部14Nにおける先端部の丸みをもった頂部が、拡大部18beの内周面における当接部18b2によって作用する押圧力に起因した反作用力に基づきステータコイルユニット支持部24の窪み24ai内に押し込まれることにより、窪み24aiの周縁に係合される場合、切欠部14Kaの一部を形成する位置決め用突起部14Nの端部14Na、および、14Nbが窪み24aiの周縁に係合されるとともに、切欠部14Kbの一部を形成する位置決め用突起部14Nの端部14Nc、および、14Ndが窪み24aiの周縁に係合されることとなる。端部14Na、および、14Nbの位置は、ボビン18の中心軸線に関し互いに対称な位置にあり、端部14Nc、および、14Ndの位置は、ボビン18の中心軸線(対称軸)に関し互いに対称な位置にある。また、端部14Na、および、端部14Ndの位置と、端部14Nb、および、端部14Ncの位置とは、ボビン18の中心軸線に対し直交する直線(対称軸)に関し互いに対称な位置にある。
【0032】
従って、ブラケット部材14の位置決め用突起部14Nにおけるステータコイルユニット支持部24の窪み24aiに対する位置が、端部14Na、端部14Nb、端部14Nc、および、端部14Ndで位置決め用突起部14Nの押圧力に基づく均等の分力によってボビン18の円周方向および軸線方向に対し隙間なく拘束された状態で確実に位置決めされるので位置決め用突起部14Nの位置が、例えば、室外機で発生した振動等に起因してボビン18の円周方向および軸線方向に対しずれることが回避される。なお、位置決め用突起部14Nにおける端部14Naと端部14Ndとの間の部分、または、端部14Nbと端部14Ncとの間の部分も、窪み24aiの周縁に当接してもよい。
【0033】
図5において、ブラケット部材14における帯状の可動片部14Mの切欠部14Kaおよび14Kbの形状は、ボビン18の孔18aの中心軸線を含む平面から真向かいに見て、扇形とされるが、斯かる例に限られることなく、例えば、
図6(A)に部分的に拡大されて示されるように、ブラケット部材34における帯状の可動片部34Mの切欠部34Kaおよび34Kbの形状は、ボビン18の孔18aの中心軸線を含む平面から真向かいに見て、弓形であってもよい。
【0034】
ブラケット部材34は、例えば、薄板金属材料で作られ、ボビン18の拡大部18beの内周面における当接部18b1に当接される末端片部と、ボビン18の係止壁18Wに係止される固定端部と、末端片部と固定端部とを連結する可動片部34Mとから構成されている。末端片部の一端は、当接部18b1に向けてU字形に折り曲げられて形成されている。可動片部34Mの一端に連結される末端片部の他端は、拡大部18beの内周面における当接部18b1から離隔した当接部18b2に当接されている。可動片部34Mの他端に連結される固定端部は、ボビン18のスリット18SLに連なる係止壁18Wの垂直面18b3を保持している。
【0035】
帯状の可動片部34Mは、
図6(A)に示されるように、上述のステータコイルユニット支持部24の窪み24aiに係合される位置決め用突起部34Nを有している。
図4における矢印Uの示す方向から見て、頂部に丸みをもった位置決め用突起部34Nは、溝18Bの中心軸線、即ち、ボビン18の孔18aの中心軸線に向けて所定の高さで突出している。位置決め用突起部34Nにおける可動片部34Mの円周方向の両端部は、可動片部34Mと一体に形成されており、一方、位置決め用突起部34Nにおける可動片部34Mの幅方向の両端部には、それぞれ、ボビン18の孔18aの中心軸線を含む平面から真向かいに見て、略弓形の切欠部34Kaおよび34Kb(
図6(A)における斜線部分)が形成されている。
【0036】
これにより、位置決め用突起部34Nにおける先端部の丸みをもった頂部が、拡大部18beの内周面における当接部18b2によって作用する押圧力に起因した反作用力に基づきステータコイルユニット支持部24の窪み24ai内に押し込まれることにより、窪み24aiの周縁に係合される場合、切欠部34Kaの一部を形成する位置決め用突起部34Nの端部34Na、および、34Nbが窪み24aiの周縁に係合されるとともに、切欠部34Kbの一部を形成する位置決め用突起部34Nの端部34Nc、および、34Ndが窪み24aiの周縁に係合されることとなる。端部34Na、および、34Nbの位置は、ボビン18の中心軸線に関し互いに対称な位置にあり、端部34Nc、および、34Ndの位置は、ボビン18の中心軸線(対称軸)に関し互いに対称な位置にある。また、端部34Na、および、端部34Ndの位置と、端部34Nb、および、端部34Ncの位置とは、ボビン18の中心軸線に対し直交する直線(対称軸)に関し互いに対称な位置にある。
【0037】
従って、ブラケット部材34の位置決め用突起部34Nにおけるステータコイルユニット支持部24の窪み24aiに対する位置が、端部34Na、端部34Nb、端部34Nc、および、端部34Ndで位置決め用突起部34Nの押圧力に基づく均等の分力によってボビン18の円周方向および軸線方向に対し隙間なく拘束された状態で確実に位置決めされるので位置決め用突起部34Nの位置が、例えば、室外機で発生した振動等に起因してボビン18の円周方向および軸線方向に対しずれることが回避される。なお、位置決め用突起部34Nにおける端部34Naと端部34Ndとの間の部分、または、端部34Nbと端部34Ncとの間の部分も、窪み24aiの周縁に当接してもよい。
【0038】
さらに、
図5および
図6(A)に示される例においては、それぞれ、位置決め用突起部14N、および、34Nにおけるステータコイルユニット支持部24の窪み24aiに対する位置が、4箇所の端部で位置決め用突起部14N、および、34Nの押圧力に基づく均等の分力によってボビン18の円周方向および軸線方向に対し隙間なく拘束された状態で確実に位置決めされているが、斯かる例に限られることなく、例えば、
図6(B)および(C)に示されるように、位置決め用突起部44N、および、54Nにおけるステータコイルユニット支持部24の窪み24aiに対する位置が、3箇所の端部で位置決め用突起部44N、および、54Nの押圧力に基づく均等の分力によってボビン18の円周方向および軸線方向に対し隙間なく拘束された状態で確実に位置決めされてもよい。
【0039】
図6(B)において、ブラケット部材44は、例えば、薄板金属材料で作られ、ボビン18の拡大部18beの内周面における当接部18b1に当接される末端片部と、ボビン18の係止壁18Wに係止される固定端部と、末端片部と固定端部とを連結する可動片部44Mとから構成されている。末端片部の一端は、当接部18B1に向けてU字形に折り曲げられて形成されている。可動片部44Mの一端に連結される末端片部の他端は、拡大部18beの内周面における当接部18b1から離隔した当接部18b2に当接されている。可動片部44Mの他端に連結される固定端部は、ボビン18のスリット18SLに連なる係止壁18Wの垂直面18b3を保持している。
【0040】
帯状の可動片部44Mは、
図6(B)に示されるように、上述のステータコイルユニット支持部24の窪み24aiに係合される位置決め用突起部44Nを有している。
図4における矢印Uの示す方向から見て、頂部に丸みをもった位置決め用突起部44Nは、溝18Bの中心軸線、即ち、ボビン18の孔18aの中心軸線に向けて所定の高さで突出している。位置決め用突起部44Nにおける後述する略扇形の切欠部44Kaを除く全周縁は、可動片部44Mと一体に形成されており、一方、位置決め用突起部44Nにおける可動片部44Mの幅方向の一端部だけには、ボビン18の孔18aの中心軸線を含む平面から真向かいに見て、略扇形の切欠部44Ka(
図6(B)における斜線部分)が形成されている。
【0041】
これにより、位置決め用突起部44Nにおける先端部の丸みをもった頂部が、拡大部18beの内周面における当接部18b2によって作用する押圧力に起因した反作用力に基づきステータコイルユニット支持部24の窪み24ai内に押し込まれることにより、窪み24aiの周縁に係合される場合、切欠部44Kaの一部を形成する位置決め用突起部44Nの端部44Na、および、44Nbが窪み24aiの周縁に係合され、端部44Ncが窪み24aiの周縁に係合されることとなる。端部44Na、および、44Nbの位置は、ボビン18の中心軸線に関し互いに対称な位置にあり、端部44Ncの位置は、端部44Na、および、44Nbから円周方向に均等に所定の距離、離隔した位置にあって、ボビン18の中心軸線(対称軸)に対向する位置にある。
【0042】
従って、ブラケット部材44の位置決め用突起部44Nにおけるステータコイルユニット支持部24の窪み24aiに対する位置が、端部44Na、端部44Nb、および、端部44Ncで位置決め用突起部44Nの押圧力に基づく均等の分力によってボビン18の円周方向および軸線方向に対し隙間なく拘束された状態で確実に位置決めされるので位置決め用突起部44Nの位置が、例えば、室外機で発生した振動等に起因してボビン18の円周方向および軸線方向に対しずれることが回避される。なお、位置決め用突起部44Nにおける端部44Naと端部44Ncとの間の部分、または、端部44Nbと端部44Ncとの間の部分も、窪み24aiの周縁に当接してもよい。
【0043】
図6(C)において、ブラケット部材54は、例えば、薄板金属材料で作られ、ボビン18の拡大部18beの内周面における当接部18b1に当接される末端片部と、ボビン18の係止壁18Wに係止される固定端部と、末端片部と固定端部とを連結する可動片部54Mとから構成されている。末端片部の一端は、当接部18B1に向けてU字形に折り曲げられて形成されている。可動片部54Mの一端に連結される末端片部の他端は、拡大部18beの内周面における当接部18b1から離隔した当接部18b2に当接されている。可動片部54Mの他端に連結される固定端部は、ボビン18のスリット18SLに連なる係止壁18Wの垂直面18b3を保持している。
【0044】
帯状の可動片部54Mは、
図6(C)に示されるように、上述のステータコイルユニット支持部24の窪み24aiに係合される位置決め用突起部54Nを有している。
図4における矢印Uの示す方向から見て、頂部に丸みをもった位置決め用突起部54Nは、溝18Bの中心軸線、即ち、ボビン18の孔18aの中心軸線に向けて所定の高さで突出している。位置決め用突起部54Nにおける後述する略弓形の切欠部54Kaを除く位置決め用突起部54Nの全周縁は、可動片部54Mと一体に形成されており、一方、位置決め用突起部54Nにおける可動片部54Mの幅方向の一端部だけには、ボビン18の孔18aの中心軸線を含む平面から真向かいに見て、略弓形の切欠部54Ka(
図6(C)における斜線部分)が形成されている。
【0045】
これにより、位置決め用突起部54Nにおける先端部の丸みをもった頂部が、拡大部18beの内周面における当接部18b2によって作用する押圧力に起因した反作用力に基づきステータコイルユニット支持部24の窪み24ai内に押し込まれることにより、窪み24aiの周縁に係合される場合、切欠部54Kaの一部を形成する位置決め用突起部54Nの端部54Na、および、54Nbが窪み24aiの周縁に係合され、端部54Ncが窪み24aiの周縁に係合されることとなる。端部54Na、および、54Nbの位置は、ボビン18の中心軸線に関し互いに対称な位置にあり、端部54Ncの位置は、端部54Na、および、54Nbから円周方向に均等に所定の距離、離隔した位置にあって、ボビン18の中心軸線(対称軸)に対向する位置にある。
【0046】
従って、ブラケット部材54の位置決め用突起部54Nにおけるステータコイルユニット支持部24の窪み24aiに対する位置が、端部54Na、端部54Nb、および、端部54Ncで位置決め用突起部54Nの押圧力に基づく均等の分力によってボビン18の円周方向および軸線方向に対し隙間なく拘束された状態で確実に位置決めされるので位置決め用突起部54Nの位置が、例えば、室外機で発生した振動等に起因してボビン18の円周方向および軸線方向に対しずれることが回避される。なお、位置決め用突起部54Nにおける端部54Naと端部54Ncとの間の部分、または、端部54Nbと端部54Ncとの間の部分も、窪み24aiの周縁に当接してもよい。
【0047】
なお、
図6(A)、(C)では、ブラケット部材34、54における帯状の可動片部34M、54Mの切欠部34Kaおよび34Kbの形状、および、切欠部54Kaの形状は、ボビン18の孔18aの中心軸線を含む平面から真向かいに見て、弓形であってもよいとしたが、必ずしも、これに限定される必要はなく、変形例として三日月形であってもよいし、弓形の直線部を背合わせにしたような、木の葉状の形状等であってもよい。
【0048】
なお、
図6(C)において、前述したように、位置決め用突起部54Nにおける可動片部54Mの幅方向の一端部だけには、ボビン18の孔18aの中心軸線を含む平面から真向かいに見て、略弓形の切欠部54Ka(
図6(C)における斜線部分)が形成されている。これについては、可動片部54Mの幅方向の一端部は、ケース12の軸方向の上下どちらでも良い記述であったが、特に、
図6(C)に示されるように、ケース12の軸線方向に沿った上方向のみに略弓形の切欠部54Kaを設けた場合、上述した効果の他に以下のような効果が加わる。弁本体に電磁アクチュエータを挿入する際は、ブラケット部材54の突起部54Nの切欠き部の無い丸みを持ったR部で摺動しながら、窪み24ai内に挿入できる為、弁本体に挿入し易い。また、弁本体から電磁アクチュエータを外す際は、ブラケット部材54の突起部54Nの切欠き部54Kaのある切欠き部端部の角により、ケース12の中心軸線方向に沿った抜け方向に対し、食い付き効果が働き、滑りにくく、その結果、電磁アクチュエータが中心軸線方向に抜けにくくなる効果もある。なお、
図6(B)に示されるブラケット部材44においても、上方のみの扇形の切欠き部端部の角により、同様の効果がある。
【0049】
なお、上述の第1実施例に於いて、
図5に示されるように、軸線方向の上下に扇形の切欠き部14Ka、14Kbが設けられた例は、
図6(A)および(C)に示される弓形の切欠き部34Ka、34Kb、54Kaが設けられた例と比べて、突起部の切欠き端部と、ステータコイルユニット支持部24の窪み24aiとの係合状態が、周方向に対し切欠き部端部面に角度がついている為、切欠き部端部の角による効果により、相手の窪み24aiに食い付きやすく、滑りにくい。従って、例えば、室外機で発生した振動等に起因して円周方向に対しずれることが、より回避される。
【0050】
また、変形例としての
図6(B)に示される軸線方向の片側に扇形の切欠き部を設けた例、及び、上述した三日月形の切欠きが設けられた例、及び、弓形の直線部を背合わせにした木の葉状の形状の切欠きが形成される例も、弓形の切欠き部が設けられた例(
図6(A)、(C)参照)と比べ、上述したような同様の効果がある。
【0051】
図8(A)および(B)は、本発明に係る制御弁の第2実施例の構成を、配管用パイプとともに示す。
【0052】
制御弁は、電動弁とされ、上述した例と同様に、例えば、
図7に示される冷凍サイクルシステムの配管における冷房運転時における室外熱交換器6の出口と室内熱交換器2の入口との間に配置されている。
【0053】
図1に示される電動弁におけるステータコイルユニット10内のブラケット部材14は、ボビン18の拡大部18beに配されるとともに、ステータコイルユニット支持部24が弁本体部26における接続用パイプ28の位置よりも上方の位置に形成されているものであるのに対し、一方、
図8(A)および(B)に示される電動弁においては、帯状のブラケット部材42は、ステータコイルユニット40のケース40Cにおける開口端から下方に向けて突出するようにケース40Cに固定され、複数個の窪み36aiを有するステータコイルユニット支持部が、弁本体部36における接続用パイプ28が接合される部分に対向した部分、および、その周辺に形成されているものとされる。
【0054】
電動弁は、
図8(A)および(B)に示されるように、弁体ユニットをステータコイルユニット40と協働して駆動する弁駆動部と、ローターケースの端部に連なり、弁体(不図示)の先端部で開閉される弁座(不図示)を内部に有する弁本体部36と、弁本体部36内に配され弁座を開閉する弁体を含んでなる弁体ユニットと、を含んで構成されている。
【0055】
電動弁の中枢部50は、弁駆動部と、弁本体部36と、弁本体部36の外周部に形成されるステータコイルユニット支持部と、を含んで構成される。
【0056】
弁駆動部の構造は、ステータコイルユニット40を除き、
図2に示される例における内部構造と同様とされるのでその構造の説明を省略する。弁本体部36は、金属材料、例えば、真鍮、ステンレス鋼、アルミニウム合金、または、樹脂材料等により作られ、雌ねじ部の下方となる雌ねじ部材の下端、弁体の他端および円筒状の弁体ケースを収容する弁体収容部を内側に有している。その弁体収容部には、弁体の他端が弁ポートに向けて突出している。また、弁体収容部には、弁体の中心軸線に対し略直交する軸線上に第1の通路としての接続用パイプ28の一端が接続される第1のポートと、弁体の中心軸線と共通の軸線上に第2の通路としての接続用パイプ30の一端が接続される第2のポート、および、第2のポートに連通する弁座とが形成されている。
【0057】
弁本体部36の外周部における接続用パイプ28の一端が接合される部分に対向する部分、および、その部分周辺に形成されるステータコイルユニット支持部は、円周方向に沿って所定の間隔をもって複数個の略円形の窪み36ai(i=1〜3)を有している。後述するブラケット部材42の位置決め用突起部42Nが選択的に係合される各窪み36aiは、所定の深さを有する略半円状断面を有している。このように複数個の窪み36aiが形成されることにより、ステータコイルユニット40のステータコイルユニット支持部に対する相対位置を選択的に変更することが可能となる。
【0058】
ステータコイルユニット40は、
図8(A)および(B)に示されるように、リード線46を介して電力が供給されるコイル(不図示)を保持するボビン48と、ボビン48の脚部48Aおよび48Bに支持されケース40Cをステータコイルユニット支持部に対し所定位置に位置決めするブラケット部材42と、ボビン48を内側に封止材41を介して収容するケース40Cとから構成されている。ケース40Cおよびボビン48は、それぞれ、中枢部50の外郭部を形成するローターケースの外周部が挿入される孔を中央部に同心上に有している。ケース40Cは、ボビン48およびコイルを収容する内部収容部を内側に有している。ケース40Cの上端に形成される孔は、その内部収容部に連通している。なお、内部収容部内におけるボビン48とケース40Cの内周部との間は、封止材41により、封止されている。
【0059】
帯状のブラケット部材42は、例えば、薄板金属材料で作られ、ケース40Cの内周部に固定される固定端部42Fと、上述のステータコイルユニット支持部の窪み36aiに係合される位置決め用突起部42Nを有し弾性変位可能な可動片部42Mと、可動片部42Mの他端部と固定端部42Fとを連結する連結片部42Cとから構成されている。
【0060】
可動片部42Mの位置決め用突起部42Nの形状は、頂部に丸みをもった略尖頭状であり、例えば、
図5に示される位置決め用突起部14Nの形状、
図6(A)に示される位置決め用突起部34Nの形状、
図6(B)に示される位置決め用突起部44Nの形状、および、
図6(C)に示される位置決め用突起部54Nの形状のうちのいずれかの形状と同一であってもよい。
【0061】
従って、ブラケット部材42の位置決め用突起部42Nにおけるステータコイルユニット支持部の窪み36aiに対する位置が、複数箇所の端部で可動片部42Mの復元力に起因した位置決め用突起部42Nの押圧力に基づく均等の分力によってボビン48の円周方向および軸線方向に対し隙間なく拘束された状態で確実に位置決めされるので位置決め用突起部42Nの位置が、例えば、室外機で発生した振動等に起因してボビン48の円周方向および軸線方向に対しずれることが回避される。
【0062】
図9(A)および(B)は、本発明に係る制御弁の第3実施例の構成を、配管用パイプとともに示す。
【0063】
制御弁は、電動弁とされ、上述した例と同様に、例えば、
図7に示される冷凍サイクルシステムの配管における冷房運転時における室外熱交換器6の出口と室内熱交換器2の入口との間に配置されている。
【0064】
図1に示される電動弁におけるステータコイルユニット10内のブラケット部材14は、ボビン18の拡大部18beに配されるとともに、ステータコイルユニット支持部24が弁本体部26における接続用パイプ28の位置よりも上方の位置に形成されているものであるのに対し、一方、
図9(A)および(B)に示される電動弁においては、ブラケット部材64がステータコイルユニット60の上端に設けられるとともに、ステータコイルユニット支持部が、ステータコイルユニット60を貫通した電動弁の中枢部52の外郭部を形成するローターケースの外周部の上部に形成されているものとされる。
【0065】
電動弁は、
図9(A)および(B)に示されるように、弁体ユニットをステータコイルユニット60と協働して駆動する弁駆動部と、ローターケースの端部に連なり、弁体(不図示)の先端部で開閉される弁座(不図示)を内部に有する弁本体部56と、弁本体部56内に配され弁座を開閉する弁体を含んでなる弁体ユニットと、を含んで構成されている。電動弁の中枢部52は、弁駆動部と、弁本体部56と、中枢部52の外郭部を形成するローターケースの外周部の上部に形成されるステータコイルユニット支持部と、を含んで構成される。
【0066】
弁駆動部の構造は、ステータコイルユニット60を除き、
図2に示される例における内部構造と同様とされるのでその構造の説明を省略する。
【0067】
弁本体部56は、金属材料、例えば、真鍮、ステンレス鋼、アルミニウム合金、または、樹脂材料等により作られ、雌ねじ部材の下端、弁体の他端および円筒状の弁体ケースを収容する弁体収容部を内側に有している。その弁体収容部には、弁体の他端が弁ポートに向けて突出している。また、弁体収容部には、弁体の中心軸線に対し略直交する軸線上に第1の通路としての接続用パイプ28の一端が接続される第1のポートと、弁体の中心軸線と共通の軸線上に第2の通路としての接続用パイプ30の一端が接続される第2のポート、および、第2のポートに連通する弁座とが形成されている。
【0068】
中枢部52の外郭部を形成するローターケースの上部に形成されるステータコイルユニット支持部は、円周方向に沿って所定の間隔をもって複数個の略円形の窪み52ai(i=1〜5)を有している。後述するブラケット部材64の位置決め用突起部64Nが選択的に係合される各窪み52aiは、所定の深さを有する略半円状断面を有している。このように複数個の窪み52aiが形成されることにより、ステータコイルユニット60のステータコイルユニット支持部に対する相対位置を選択的に変更することが可能となる。
【0069】
ステータコイルユニット60は、コイル(不図示)を保持するボビン(不図示)と、ケースをステータコイルユニット支持部に対し所定位置に位置決めするブラケット部材64と、ボビンを内側に封止材を介して収容するケースとから構成されている。ケースおよびボビンは、それぞれ、中枢部52の外郭部を形成するローターケースの外周部が挿入される孔を中央部に同心上に有している。ケースは、ボビンおよびコイルを収容する内部収容部を内側に有している。ケースの上端に形成される孔は、その内部収容部に連通している。なお、内部収容部内におけるボビンとケースの内周部との間は、封止材により、封止されている。
【0070】
帯状のブラケット部材64は、例えば、薄板金属材料で略逆U字状に作られ、ローターケースの外周部の上端面に固定される一対の固定端部64Fと、一対の固定端部64Fを連結する弾性変位可能な可動片部64Mとから構成されている。可動片部64Mは、上述のステータコイルユニット支持部の各窪み52aiに係合される一対の位置決め用突起部64Nを対向して有している。
【0071】
可動片部64Mの位置決め用突起部64Nの形状は、頂部に丸みをもった略尖頭状であり、例えば、
図5に示される位置決め用突起部14Nの形状、
図6(A)に示される位置決め用突起部34Nの形状、
図6(B)に示される位置決め用突起部44Nの形状、および、
図6(C)に示される位置決め用突起部54Nの形状のうちのいずれかの形状と同一であってもよい。
【0072】
従って、ブラケット部材64の位置決め用突起部64Nにおけるステータコイルユニット支持部の窪み52aiに対する位置が、複数箇所の端部で可動片部64Mの復元力に起因した位置決め用突起部64Nの押圧力に基づく均等の分力によってローターケースの円周方向および軸線方向に対し隙間なく拘束された状態で確実に位置決めされるので位置決め用突起部64Nの位置が、例えば、室外機で発生した振動等に起因してローターケースの円周方向および軸線方向に対しずれることが回避される。
【0073】
以上説明された第1乃至第3の実施例の制御弁を、
図7に示されるような冷凍サイクルシステムに適用することで、その冷凍サイクルシステムにおいて以下のような効果がある。
【0074】
第1乃至第3の実施例の制御弁では、ステータコイルユニット支持部の窪みに対する位置決め用突起部の位置が、室外機で発生した振動等に起因してローターケースの円周方向および軸線方向に対しずれることが回避される。従って、弁開開始パルスのばらつきが生じなくなり、所定の駆動パルス数においても弁体の弁ポートに対する弁開度のばらつきが生じない。その結果として、弁体の微少な開度範囲に応じた所望の流量特性が得られる為、冷凍サイクルシステムとしても効率のよい温度制御が可能となる。
【0075】
なお、
図7に示される例では、本発明に係る制御弁の第1実施例乃至第3実施例が適用される冷凍サイクルシステムの一例の構成を概略的に説明したが、本発明に係る制御弁の第1実施例乃至第3実施例が、斯かる冷凍サイクルシステムに対応した空調機に限られることはなく、例えば、切換弁のない冷凍機などにも適用されてもよい。
【0076】
なお、上述の本実施形態では、制御弁の代表例として電動弁に適用された例により説明したが、本発明が、斯かる電動弁に限られることはなく、例えば、電磁アクチュエータを弁本体に組み付ける電磁弁などの制御弁に、適用されてもよい。
【0077】
以上の通り、本発明に係る制御弁の第1乃至第3の実施例について図面を参照して詳述するとともに、その他の変形例についても詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更、改良等があっても、そのようなものも、本発明の範囲内に含まれるものとする。