(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6974905
(24)【登録日】2021年11月9日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】ペン針マガジン
(51)【国際特許分類】
A61M 5/32 20060101AFI20211118BHJP
A61M 5/34 20060101ALI20211118BHJP
【FI】
A61M5/32 510Z
A61M5/32 500
A61M5/34
【請求項の数】20
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-555727(P2018-555727)
(86)(22)【出願日】2017年3月31日
(65)【公表番号】特表2019-515738(P2019-515738A)
(43)【公表日】2019年6月13日
(86)【国際出願番号】US2017025262
(87)【国際公開番号】WO2017189163
(87)【国際公開日】20171102
【審査請求日】2020年3月12日
(31)【優先権主張番号】62/328,654
(32)【優先日】2016年4月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スダーサン スリニヴァサン
(72)【発明者】
【氏名】コール コンスタンティノウ
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル ブルウィラー
(72)【発明者】
【氏名】タイソン モンティドーロ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー シャグノン
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ヤセヴァク
(72)【発明者】
【氏名】クリス キャンベル
【審査官】
鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−050821(JP,A)
【文献】
国際公開第2016/055241(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/32
A61M 5/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬送達ペンで使用するための取付け可能な針組立体であって、
前記薬送達ペンの貯蔵器隔壁を穿刺するように構成されたスパイクと、
前記スパイクに固定され、かつ前記薬送達ペンに係合するように構成された針ガイドと
を備え、前記針ガイドは、
隔壁チャンバを画定する前記針組立体の隔壁であって、前記針組立体の前記隔壁チャンバが前記スパイクと連続的な流体連通状態にある、隔壁と、
前記針組立体の前記隔壁内に配置された複数の針と、
複数の無菌障壁であって、無菌障壁のそれぞれは複数の針の対応する針を囲み、無菌障壁のそれぞれは複数の一体化されたピールタブの対応する一体化されたピールタブを有し、一体化されたピールタブのそれぞれは、前記針ガイドの一部の周りに巻かれる、無菌障壁と
を収容し、
前記複数の針のうちの選択された針が、使用するために第1の位置から第2の位置へと前記針ガイドから引き出されたとき、前記選択された針は、前記針組立体の前記隔壁チャンバと流体連通状態に入り、前記選択された針の前記無菌障壁および前記一体化されたピールタブが取り外されて前記針が露出される、取付け可能な針組立体。
【請求項2】
前記複数の一体化されたピールタブは、少なくとも1つの第一のピールタブおよび1つの第二のピールタブを含み、前記第一のピールタブは、前記第二のピールタブよりも表面積が大きい請求項1に記載の取付け可能な針組立体。
【請求項3】
前記複数の一体化されたピールタブは、1つの第一のピールタブおよび6つの第二のピールタブを含む請求項2に記載の取付け可能な針組立体。
【請求項4】
前記第一のピールタブは、前記複数の第二のピールタブの上に巻かれる請求項2に記載の取付け可能な針組立体。
【請求項5】
第1の針の第1の一体化されたピールタブは、前記針ガイドの上に巻かれ、
隣接する第2の針の第2の一体化されたピールタブの少なくとも一部は、前記第1の一体化されたピールタブおよび前記針ガイドの上に巻かれ、
残りの複数の一体化されたピールタブは、隣接して巻かれた一体化されたピールタブの上に連続的に巻かれて、操作するときの使用順序を規定する請求項1に記載の取付け可能な針組立体。
【請求項6】
前記針組立体の前記隔壁は、
針の無菌性を提供する上側隔壁と、
前記スパイクに対して流体連通を提供する下側隔壁と
を含む請求項1に記載の取付け可能な針組立体。
【請求項7】
前記下側隔壁は、前記スパイクからの薬剤を担持し、かつ前記第2の位置において前記複数の針のうちの選択された針と流体連通する円形空洞部を備える前記隔壁チャンバを含む請求項6に記載の取付け可能な針組立体。
【請求項8】
操作する前の前記第1の位置において、前記複数のそれぞれの針の近位端は前記上側隔壁内に配置され、前記複数のそれぞれの針の遠位端は前記複数の無菌障壁の対応する無菌障壁内に配置される請求項6に記載の取付け可能な針組立体。
【請求項9】
前記第2の位置において、前記複数の針のうちの選択された針の近位端が、前記下側隔壁内に配置される請求項6に記載の取付け可能な針組立体。
【請求項10】
前記第2の位置において、残りの複数の針のそれぞれの近位端は、前記上側隔壁内に配置される請求項6に記載の取付け可能な針組立体。
【請求項11】
前記複数の針のそれぞれは複数の針ポストの対応する針ポストに固定され、
前記複数の針ポストのそれぞれは、前記針ガイド内を移動し、かつ上部位置および底部位置で前記針ガイドに係合する、複数の針ポストを備える、
請求項1に記載の取付け可能な針組立体。
【請求項12】
前記複数の針は、前記薬送達ペンの前記貯蔵器隔壁を穿刺しない請求項1に記載の取付け可能な針組立体。
【請求項13】
前記複数の針は、軸方向だけに移動し、実質的に半径方向に移動しない請求項1に記載の取付け可能な針組立体。
【請求項14】
前記針組立体を囲むカバーと、
前記薬送達ペンを用いて操作する前に、前記カバー内で前記針組立体を封止し、かつ無菌性を維持するラベルと
をさらに含む請求項1に記載の取付け可能な針組立体。
【請求項15】
カバーは、前記複数の選択された針に圧力を加えるように配置され、前記針を前記第2の位置から前記第1の位置へと戻す請求項1に記載の取付け可能な針組立体。
【請求項16】
カバーは、
円筒と、
ベースと、
前記ベースから延び、かつ前記円筒内に配置される突起部であって、前記針ポストに係合するように配置されて前記複数の針のうちの選択された針に圧力を加え、前記針組立体を前記第2の位置から前記第1の位置へと戻す、突起部と
を含む請求項11に記載の取付け可能な針組立体。
【請求項17】
前記複数の針のうちの選択された針が前記針組立体の前記第2の位置から前記第1の位置へと戻ると、前記選択された針を再使用することができない請求項1に記載の取付け可能な針組立体。
【請求項18】
薬送達ペンにおいて取付け可能な針組立体を操作する方法であって、
スパイクを用いて、前記薬送達ペンの貯蔵器隔壁を穿刺するステップと、
前記薬送達ペンを、前記スパイクに固定された針ガイドに係合させるステップと、
前記針組立体の前記スパイクと隔壁の隔壁チャンバとの間に流体連通を確立するステップと、
複数の針を、前記針組立体の前記隔壁内に配置するステップと、
前記複数の針のそれぞれを無菌障壁で囲むステップと、
一体化されたピールタブを前記無菌障壁のそれぞれに提供するステップと、
前記一体化されたピールタブのそれぞれを、前記針ガイドの一部の周りに巻くステップと
を含み、
前記複数の針のうちの選択された針が、使用するために第1の位置から第2の位置へと前記針ガイドから引き出されたとき、前記選択された針は、前記針組立体の前記隔壁の前記隔壁チャンバと流体連通状態に入り、前記選択された針の前記無菌障壁および前記一体化されたピールタブが外されて前記針が露出される、方法。
【請求項19】
一体化されたピールタブのそれぞれは、針ガイドの外側表面の周りに巻かれている請求項1に記載の取付け可能な針組立体。
【請求項20】
一体化されたピールタブの少なくとも一つは、針ガイドの外側表面と接触している請求項1に記載の取付け可能な針組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2016年4月28に出願された米国特許仮出願第62/328,654号明細書の米国特許法第119条(e)に基づく利益を主張するものであり、その全体を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本発明の様々な例示的な実施形態は投薬ペンに関する。
【背景技術】
【0003】
投薬ペンは、通常、患者に薬を注射するために使用される。定期的に薬の用量を自己注射しなくてはならない人は、通常、投薬ペンおよび何本かの1回使用のペン針を所持することになる。投薬ペンは、安全かつ無菌であるように設計される。しかし、非能率であり、不便である。
【発明の概要】
【0004】
本発明の態様は、薬送達ペンに取付け可能な針組立体を提供して、針マガジンを使用に供することである。このような針組立体は、患者側と非患者側を分離する利点を提供し、かつ薬送達ペンに対する係合および係合解除を可能にする。さらに、マガジン内の針のいずれも操作全体を通して薬送達ペンの隔壁を穿刺することなく、各針は軸方向だけに移動し、また針は再使用することができないため、その針組立体により、無菌状態、簡便さ、および安全性における向上が達成される。
【0005】
薬の送達に利用できる針マガジンを有することは、針が再使用されるのを減少させる。針の再使用は、少なくとも以下の理由で望ましくない。針は1回使用した後、鈍くなり、したがって、引き続いて使用すると患者に痛みを生ずるおそれがある。針を複数回使用することはまた、針先端の強度を下げる可能性があり、それは、破損を生ずるおそれがある。さらに、針の再使用は、患者に対して衛生的な問題および健康上の危険を増加させる。
【0006】
本発明の針組立体は、少なくとも以下の理由で再使用を減らすので有利である。患者が、針を複数回使用することから経済的な利益を得ることを望むかもしれないが、針組立体は、複数の針のそれぞれが2回以上使用されないように構成される。簡便さは、患者が針を再使用する別の理由である。患者はまた、使用に利用できる別の針を有していないこと、または補給品を入手できないことを心配している可能性がある。しかし、針組立体は、複数の針を提供して、未使用の針を容易に利用できるようにするので便利である。
【0007】
本発明の前述の態様および/または他の態様は、薬送達ペンで使用するための取付け可能な針組立体を提供することにより達成することができ、針組立体は、薬送達ペンのバイアル、カートリッジ、または貯蔵器隔壁を穿刺するように構成されたスパイクと、スパイクに固定され、かつ薬送達ペンに係合するように構成された針ガイドとを備え、針ガイドは、隔壁チャンバを画定する針組立体の隔壁であって、針組立体の隔壁チャンバがスパイクと連続的な流体連通状態にある、隔壁と、針組立体の隔壁内に配置された複数の針と、複数の針のそれぞれを囲む無菌障壁であって、複数の無菌障壁のそれぞれは、一体化されたピールタブ(peel tab)を有し、複数の一体化されたピールタブのそれぞれは、針ガイドの一部の周りに巻かれる、無菌障壁とを収容し、複数の針のうちの1本が、使用するために第1の位置から第2の位置へと針ガイドから引き出されたとき、針は、針組立体の隔壁チャンバと流体連通状態に入り、針の無菌障壁および一体化されたピールタブが取り外されて針が露出される。
【0008】
本発明の前述の態様および/または他の態様はまた、薬送達ペンにおいて取付け可能な針組立体を操作させる方法によって達成することができ、方法は、スパイクを用いて、薬送達ペンのバイアル、カートリッジ、または貯蔵器隔壁を穿刺するステップと、薬送達ペンをスパイクに固定された針ガイドと係合させるステップと、スパイクと隔壁チャンバの間に流体連通を確立するステップと、針組立体の隔壁内に複数の針を配置するステップと、複数の針のそれぞれを無菌障壁で囲むステップと、複数の無菌障壁のそれぞれに対して一体化されたピールタブを提供するステップと、針ガイドの一部の周りに、複数の一体化されたピールタブのそれぞれを巻き付けるステップとを含み、複数の針のうちの1本が、使用するために第1の位置から第2の位置へと針ガイドから引き出されたとき、針は、針組立体の隔壁チャンバと流体連通状態に入り、針の無菌障壁および一体化されたピールタブが取り外されて針が露出される。
【0009】
本発明のさらなる、および/または他の態様ならびに利点は、以下の説明に記載され、もしくは説明から明らかになるが、本発明を実施することにより学ぶこともできる。
本発明の上記の態様および特徴は、添付図面を参照して、本発明の例示的な実施形態に関する説明を読めばさらに明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】針組立体に接続された例示的な薬送達ペンの右斜視図である。
【
図2】カバーが取り外された状態の針組立体に接続された薬送達ペンの右斜視図である。
【
図5】ピールタブが取り外された状態の針組立体の第1の位置の正面立面図である。
【
図8】カバーが針組立体に係合し始めた状態の針組立体の第2の位置の透視正面立面図である。
【
図9】針組立体の第2の位置における針ポスト組立体の部分横断面図である。
【
図10】針組立体の第1の位置における針ポスト組立体の部分横断面図である。
【
図18】カバー内にあり、涙滴状ラベルにより封止された針組立体の右斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、液体薬物などの薬剤を生体に注射するために使用される薬送達ペン4を示す。針組立体2は薬送達ペン4に取り付けられて、薬の送達を促進する。針組立体2の利益および利点は以下で述べられる。
図2は、針組立体2を収容する取外し可能なカバー80を示す。取外し可能なカバー80の特徴については以下でも詳細に述べるものとする。
【0012】
一実施形態によれば、
図3は、針組立体2の第1の位置の横断面図を示しており、その場合、複数の針34のいずれも、薬剤送達用に露出されていない。針組立体2は、7本の中空の針のマガジンを含むことが好ましいが、より多い、またはより少ない針も企図される。針組立体2は、スパイク9および2つのスパイクフランジ10を備えたスパイクハウジング8を含む。スパイクハウジング8は、針ガイド12の中に配置される。スパイクハウジング8は、薬送達ペン4に係合するように構成される。例えば、スパイクハウジング8の内壁には、薬送達ペン4上のねじ山と係合するようにねじを切ることができる。様々な他の係合手段も企図される。スパイク9は、薬送達ペン4の、例えば、バイアル、カートリッジ、または貯蔵器隔壁(図示せず)に穿刺して、液体の薬を含むバイアル、カートリッジ、または貯蔵器と針組立体2との間に流体連通を確立するように構成される。2つのスパイクフランジ10は、スパイクハウジング8を針組立体2に固定すべく針ガイド12に係合するように構成される。針ガイド12は、スパイクフランジ10を受け入れて、スパイク8を針ガイド12に固定する開口部14を含む。
【0013】
一実施形態による針組立体2は、針組立体隔壁22をさらに含む。針組立体隔壁22は、上側隔壁24および下側隔壁30を含む。上側隔壁24は、スパイクハウジング8内に配置される。
図12で示すように、上側隔壁24は、その中心線において上側隔壁24を通って延びる上側隔壁孔25を含む。上側隔壁孔25は、スパイクハウジング8のスパイク9に通じており、液体薬剤を針組立体2の中に流入できるようにする。上側隔壁24は、第1の直径部分26と、第2の直径部分28とを含み、第1の直径部分26は、第2の直径部分28よりも直径が小さい。第1の直径部分26および第2の直径部分28は共に、スパイクハウジング8内に配置される。
【0014】
図13は、連続する円形空洞部32と長手方向空洞部31とを備える隔壁チャンバを含む下側隔壁30を示す。連続する円形空洞部32または湾曲した凹部は、下側隔壁30の上面に配置される。円形空洞部32は、下側隔壁30の上面の周りに、かつ下側隔壁30の円周縁部に隣接して、約315°±30°で連続的に延びる。円形空洞部32の1つの端点において、長手方向空洞部31または長手方向凹部は、下側隔壁30の中心に向けて延びる。組立において、下側隔壁30の上面は、上側隔壁24の第2の直径部分28と直接的に封止接触する状態にある。上側隔壁24および下側隔壁30は、異なるデュロメータ硬さを有する異なる材料から構成されることが好ましい。このような特性は、下側隔壁30の上面と、上側隔壁24の第2の直径部分28との間の封止を向上させる。下側隔壁30の長手方向空洞部31は、上側隔壁孔25およびスパイク9と流体連通状態を確立して、隔壁チャンバを薬剤で満たす。
【0015】
一実施形態によれば、針組立体2はまた、針組立体隔壁22を穿刺する複数の針34を含む。針組立体2の第1の位置においては、複数の針34のすべてが、上側隔壁24および下側隔壁30を穿刺し、いずれの針も露出されない。複数の針34のそれぞれの近位端36は、上側隔壁24に配置され、針の無菌性を提供する。針組立体2の第2の位置においては、複数の針34の少なくとも1本は、薬剤送達のために露出される。選択された針の近位端は、下側隔壁30の円形空洞部32内に配置されて、薬剤を受け入れる。針組立体2の第2の位置は、以下でより詳細に述べる。複数の針34は6本の針を含むが、より多くの、または少ない針も企図される。
【0016】
複数の針34のそれぞれは、針ポスト50に固定される。一実施形態によれば、
図14は、針ポストフランジ52、針ポスト延長部54、および無菌障壁開口部56を含む針ポスト50を示している。針ポストフランジ52は、針ポストフランジ52を針ガイド12に固定するための手段を提供する。
図3および
図15で示されるように、針ガイド12は、第1の針ポスト開口部16および第2の針ポスト開口部18を含む。針ガイド12の第1および第2の針ポスト開口部16、18は、針ポスト50の針ポストフランジ52と係合して、針ポスト50を、上部位置と底部位置の間で固定する。具体的には、針組立体2の第1の位置において、第1の針ポスト開口部16が、針ポストフランジ52と係合する。針組立体2の第2の位置においては、第2の針ポスト開口部18が、少なくとも1つの針ポストフランジ52と係合する。
【0017】
針ポスト延長部54は、針ポスト50が、針を、針組立体2の第2の位置から第1の位置へと後退できるようにする。無菌障壁開口部56は、無菌障壁60に係合して、無菌障壁60を針ポスト50に固定する。これらの特徴は、以下でさらに詳細に述べるものとする。
【0018】
一実施形態によれば、無菌障壁60は、針組立体2の第1の位置において、複数の針34のそれぞれの尖った遠位端38に配置される。複数の無菌障壁60は、針34のそれぞれを、使用する前に無菌環境で保管し、ユーザが偶発的に接触しないように保護することによって、安全性を向上させる。
【0019】
一実施形態によれば、
図16および
図17は、複数の無菌障壁60のそれぞれが、一体化されたピールタブ70に接続されるフォイルワイヤ(foil wire)、ワイヤ、その上にラミネート紙を備えるワイヤ、プラスチック片、または布製の糸64を含むことを示している。フォイルワイヤ64は、好ましい実施形態であるが、針34と共に無菌障壁60を取り外すときの力に耐える十分な強度を有する任意の材料が適している。
図4で示すように、フォイルワイヤ64は、針ガイド12の周りに巻かれている。具体的には、針ガイド12は、無菌障壁60および一体化されたピールタブ70を固定するように、ワイヤ64をわずかに圧縮する障害物20を含む。無菌障壁60はまた、上記で述べた針ポスト50の無菌障壁開口部56に係合する固定突起部62も含む。
【0020】
一体化されたピールタブ70は、1つの大きなピールタブ72と、複数の小さなピールタブ74とを含む。大きなピールタブ72は、小さなピールタブ74よりも表面積が大きい。針組立体2は、1つの大きなピールタブ72と、6個の小さなピールタブ74とを含むことが好ましい。複数の小さなピールタブ74は、
図4〜
図6、および
図8で示されるように、針ガイド12の様々な部分の周りに巻かれる。具体的には、複数の針34は、各ピールタブ74の一部が、次の針の下に存在するように連続的に配置される。すべての小さなピールタブ74が配置された後、大きなピールタブ72が、すべての小さなピールタブ74の上に配置される。大きなピールタブ72は、複数の針34の第1の針に接続される。このように、複数の針34の第1の針が最初に使用され、したがって、針組立体隔壁22は、以下でさらに述べるように適正にプライミングされる。
【0021】
次に針組立体2の動作が以下のように説明される。一実施形態によれば、ユーザが、使用するために薬送達ペン4に針組立体2を接続することを望むとき、
図5で示されるように、まず大きなピールタブ72が取り外される。大きなピールタブ72は、すべての小さなピールタブ74の上に配置されているので、ユーザは、大きなピールタブ72をまず取り除かなくてはならない。したがって、複数の一体化されたピールタブ70の構成は、複数の針34のそれぞれに対する操作の順序を決定する。
【0022】
大きなピールタブ72が除かれた後、選択された針40および関連する無菌障壁60が、針ガイド12から引き出される。選択された針40が完全に引き出されたとき、針組立体2は第2の位置にある。その後に続いて、無菌障壁60が、選択された針40から外され、針組立体2は、薬剤送達に対する準備が完了する。
【0023】
一実施形態によれば、
図7は、針組立体2の第2の位置にある選択された針40を示している。選択された針40の針ポスト50は、上部位置から底部位置へと移動する。具体的には、上部位置は、針ポストフランジ52が、針ガイド12の第1の針ポスト開口部16に係合する位置であり、また底部位置は、針ポストフランジ52が、針ガイド12の第2の針ポスト開口部18に係合する位置である。
【0024】
針組立体2が第2の位置にあるとき、選択された針40の遠位端44は、薬の送達用に露出される。選択された針40の近位端42は、下側隔壁30の円形空洞部32の中に入り、円形空洞部32の薬剤との流体連通を確立する。それに応じて、薬剤は、選択された針40により受け入れられ、遠位端44を出て患者に送達される。
【0025】
複数の針34のうちの第1の針が使用される場合、円形空洞部32は、薬剤で満たされており、針組立体隔壁22のプライミングが行われる。具体的には、薬剤は、複数の針34の第1の針に達するために円形空洞部32の流体経路全体を移動して充填する必要がある。したがって、円形空洞部32内の空気の発生が低減されるので有利である。流体経路から空気を除去することはまた、用量の精度を向上させるので有利である。
【0026】
針組立体2が、第2の位置にある間、残りの複数の針34(選択された針40を含まない)、および関連する針ポスト50は上部位置に留まる。具体的には、残りの複数の針34の近位端36は、上側隔壁24内で封止される。残りの針34は、下側隔壁30の円形空洞部32に保管された薬剤と流体連通状態にない。しかし、残りの針34のそれぞれの何らかの部分は薬剤に接触するが、それは、これらの残りの針34は、下側隔壁30の円形空洞部32と位置合わせされているからである。残りの複数の針34の遠位端38は、無菌障壁60により覆われている。
【0027】
一実施形態によれば、
図8は、針組立体2を第2の位置から第1の位置に移動させるために使用されるカバー80を示している。カバー80は、円筒82、ベース84、および突起部86を含む。円筒82は針組立体2を囲んでいる。ベース84は、針組立体2の針ガイド12の底部を覆う。突起部86は、ベース84から延び、円筒82内で中心に配置される。カバー80が、針組立体2上に置かれたとき、突起部86は、選択された針40の針ポスト50の針ポスト延長部54を底部位置から上部位置へと押すことにより、圧力を加える。
【0028】
一実施形態によれば、
図9および
図10は、カバー80の突起部86が、針ポスト延長部54に圧力を加えることによって、針ポスト50を移動させることを示している。
図9は、針組立体2の第2の位置を示しており、
図10は、針組立体2の第1の位置を示している。これらの図はまた、複数の針34のそれぞれの針ポスト延長部54が、針ガイド12の中心軸の方向に配置されていることを示している。このような構成は、カバー80の突起部86が針ポスト50のそれぞれに係合できるようになるので有利である。
【0029】
図15は、カバー孔13および複数の針ポスト孔15を含む針ガイド12を示す。複数の針ポスト50のそれぞれは、上部位置と底部位置の間を移動するとき、各針ポスト孔15を通って移動する。カバー孔13は、カバー80の突起部86を収容する。したがって、カバー80の突起部86は、複数の針34の各連続する使用に対して、針ポスト50の針ポスト延長部54のそれぞれに接触するように構成される。
【0030】
一実施形態によれば、
図10で示すように、針組立体2が第1の位置に戻った後、選択された針40はもはや使用することができない。選択された針40は、もはや無菌障壁60により覆われておらず、一体化されたピールタブ70により針ガイド12の周りに巻かれていないので、ユーザは、各針ポスト50の上部位置から底部位置へと選択された針40を引っ張ることによって針を再使用することができない。
【0031】
針組立体2が第1の位置に戻った後、一実施形態によれば、隣接する針が、使用するために選択される。具体的には、
図8で示すように、複数の小さなピールタブ74は、針組立体2の底面斜視図に従って時計回りに移動したとき、1つの小さなピールタブ74が、隣接する小さなピールタブ74の上にあるように配置される。その結果、選択された針40に時計回り方向に隣接する針は、使用すべき次の針である。選択された針に隣接する針は、上記で述べたように、小さなピールタブ74を外し、針を、針組立体2の第1の位置から第2の位置へと引っ張り、無菌障壁60を外すことにより使用される。その後に続いて、カバー80が使用されて、選択された針を針組立体2の第1の位置に戻し、次の隣接する針を使用する準備が完了する。これらのステップは、すべての針34が使用されるまで繰り返される。
【0032】
代替的実施形態によれば、1つの小さなピールタブ74は、針組立体2の底面斜視図に従って反時計回りに移動したとき、隣接する小さなピールタブ74の上に存在する。したがって、針を使用する順序は、反時計回り方向になる。組立中に、複数の針34を使用する順序は、小さなピールタブ74が、互いに対してどのように配置されるかにより決定され得る。
【0033】
一実施形態によれば、針組立体2が組み立てられるとき、第1の針34の小さなピールタブ74は、針ガイド12の上に巻かれる。隣接する第2の針34の小さなピールタブ74は、第1の針34の小さなピールタブ74の一部の上に、かつ針ガイド12の一部の上に巻かれる。これが、最初の6本の針に対して繰り返される。7番目または最後の針は、すべての小さなピールタブ74および針ガイド12の大部分の上に巻かれる大きなピールタブ72を含む。したがって、ユーザは、7番目の針から開始し、針ガイド12上で組み立てられたのとは逆の順序で7本の針を用いることにより針組立体2を操作する。
【0034】
操作中に、選択された針40は軸方向に移動するが、選択された針40は、半径方向に動くことはない。実際に、複数の針34のいずれも、実質的に、操作中のどの時点でも半径方向に動くまたは回転することはない。これに関して、実質的に半径方向または回転運動がないということは、針組立体2の中心軸に対して0±5%であると理解される。好ましくは、当業者であれば、本文脈で、実質的にということは、半径方向または回転運動のいずれも、意図される機能を実施するためには必要ではないことを意味するものと理解する。わずかな半径方向または回転運動は、滑らかな動作を行うために部品の適正な間隔を保証し、かつ妨害されることなく針の軸方向の適正な動きを保証するために望ましい。
【0035】
複数の針34のそれぞれは、針組立体2の操作の全体を通して、薬送達ペン4の隔壁から隔離されているので有利である。このような構成は、設計の簡単さを提供し、無菌性を向上させ、かつ患者側と非患者側の間の分離を提供するので有利である。
【0036】
一実施形態によれば、
図18は、針組立体2を囲むカバー80を示している。カバー80は、薬送達ペン4を用いて操作する前に、針組立体2を封止し、かつ移送および安全のためにその無菌性を維持する涙滴状ラベル88で封止される。針組立体2を使用する準備ができたとき、ユーザは、涙滴状ラベル88をはがして、カバー80から針組立体2を取り外す。
【0037】
いくつかの例示的な実施形態の前述の詳細な説明は、本発明の原理、およびその実際的な適用を説明するために提供されてきており、それにより、様々な実施形態に対して、また企図される個々の使用に適した様々な修正を含む本発明を当業者が理解できるようになる。本説明は、必ずしも、網羅的であること、または本発明を開示された正確な実施形態に限定されることを意図していない。本明細書で開示される実施形態および/または要素のいずれも、それらが互いに矛盾しない限り、互いに組み合わせて、特に開示されていない様々なさらなる実施形態を形成することができる。したがって、さらなる実施形態が可能であり、本明細書に、かつ本発明の範囲に含まれるように意図される。本明細書は、別の方法でも達成できる、より一般的な目標を達成するための特有な例について述べている。
【0038】
本出願で使用される場合、用語「前」、「後」、「上側」、「下側」、「上方に」、「下方に」、および他の方向的な記述子は、本発明の例示的な実施形態の記述を容易にするように意図されており、本発明の例示的な実施形態の構造を何らかの特定の位置または方向付けに限定するようには意図されていない。「実質的に」または「約」などの程度に関する用語は、当業者であれば、例えば、述べられた実施形態の製造、組立、および使用に関連付けられた一般公差など、所与の値以外の合理的な範囲を指すものと理解される。