特許第6974923号(P6974923)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6974923可溶性フィルムを伴うバリアパッチ及び皮膚外観を改善する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6974923
(24)【登録日】2021年11月9日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】可溶性フィルムを伴うバリアパッチ及び皮膚外観を改善する方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/02 20060101AFI20211118BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20211118BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20211118BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20211118BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20211118BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20211118BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20211118BHJP
   A61K 8/72 20060101ALI20211118BHJP
   A61K 8/89 20060101ALI20211118BHJP
   A61K 8/87 20060101ALI20211118BHJP
   A61K 9/70 20060101ALI20211118BHJP
   A45D 44/22 20060101ALI20211118BHJP
【FI】
   A61K8/02
   A61Q19/00
   A61K8/86
   A61K8/60
   A61K8/34
   A61K8/46
   A61K8/81
   A61K8/72
   A61K8/89
   A61K8/87
   A61K9/70 405
   A45D44/22 C
【請求項の数】15
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2019-532031(P2019-532031)
(86)(22)【出願日】2018年1月9日
(65)【公表番号】特表2020-504102(P2020-504102A)
(43)【公表日】2020年2月6日
(86)【国際出願番号】US2018012870
(87)【国際公開番号】WO2018129494
(87)【国際公開日】20180712
【審査請求日】2019年6月14日
(31)【優先権主張番号】62/444,058
(32)【優先日】2017年1月9日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/843,866
(32)【優先日】2017年12月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エミリー シャーロット ボズウェル
(72)【発明者】
【氏名】ジャック アラン ハンター
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ジョセフ ロディー
(72)【発明者】
【氏名】エリザベス アン ワイルダー
【審査官】 ▲高▼ 美葉子
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭57−123022(JP,A)
【文献】 特表2020−504718(JP,A)
【文献】 特表2020−515509(JP,A)
【文献】 特表2004−534030(JP,A)
【文献】 特開2012−102083(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/065008(WO,A1)
【文献】 特開2008−150396(JP,A)
【文献】 特開昭57−134022(JP,A)
【文献】 特表2017−532336(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0107004(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
A61K 9/00
A61K 47/00
A61L 15/00
A61F 15/00
A45D 44/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚の外観を改善する方法であって、
皮膚の標的部分を特定する工程と、
前記皮膚の標的部分に、多層美容ケア製品を局所的に適用する工程と、を含み、前記多層美容ケア製品が、
バリアパッチであって、
第1の表面及び第2の表面、1g/m2/24時間〜500g/m2/24時間のWVTRを有する裏材層、
上面及び下面を有する感圧接着剤ゾーンであって、前記感圧接着剤ゾーンの前記下面が、前記裏材層の前記第1の表面と接触している、感圧接着剤ゾーン、を含む、バリアパッチと、
水溶性フィルムゾーンであって、
水溶性フィルム形成ポリマー、
有効量の皮膚活性剤を含む化粧品組成物、を含み、
前記水溶性フィルムゾーンが、前記裏材層の前記第1の表面、若しくは前記接着剤ゾーンの前記上面、又はそれらの両方と接触している、水溶性フィルムゾーンと、を含み、
前記水溶性フィルムゾーンが、30MPa〜600MPaの初期弾性率を有し、
前記製品が、処置期間の間に適用され、前記水溶性フィルムゾーン又は製品が、以下の重量取得百分率方法:
底部にグリッドトレー、および前記グリッドトレーに取り付ける秤量ボートを収容する、スクリューキャップを備えた、118.29ml(4オンス)のガラスジャーを用意し、
前記秤量ボートの下に塩化カリウム飽和水溶液を提供して、周囲条件でチャンバーの湿度を85%とし、
水溶性フィルム形成ポリマーから作製された水溶性フィルムまたは製品を、19.05mm(3/4インチ)×19.05mm(3/4インチ)の試料に切断し、
前記試料と前記秤量ボートとの合計重量を測定し、この測定値を初期重量とし、
前記試料を、各ガラスジャー内の秤量ボートに加え、
前記試料をガラスジャー内に加えてから1時間後、6時間後、および24時間後に、ガラスジャーから試料および秤量ボートを取り出し、
前記取り出した試料と秤量ボートとの合計重量を測定し、この測定値を、後の重量とし、
以下の式から重量増加%を算出するが、但し、重量増加%は3回測定の平均値とする。
【数1】
に従って、1時間、6時間、又は24時間で、20%〜80%の重量増加%を含み、前記感圧接着剤ゾーンは、アクリル酸及びメタクリル酸エステルのホモ又はコポリマー、ブチルゴムベース系システム、シリコーン、ウレタン、ビニルエステル及びアミド、オレフィンコポリマー材料、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含み、
前記裏材層が、発泡エチレンビニルアセテート層を含み、前記裏材層は、条件が25℃/40%RHから37℃/90%RHに変化すると、25%〜50%の弾性率低減が可能である、方法。
【請求項2】
前記水溶性フィルムゾーン又は製品が、前記初期弾性率と比較して弾性率を90%〜100%低減することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記水溶性フィルムゾーンが、30%〜99%の水溶性フィルム形成ポリマーを含み、前記水溶性フィルム形成ポリマーが、ポリエチレンオキシドポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるポリマーを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記水溶性フィルムゾーンが、前記水溶性フィルムゾーンの2重量%〜80重量%の可塑剤を更に含み、前記可塑剤が、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、グルカミン、N−メチルグルカミン、クメンスルホン酸ナトリウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される化合物を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記裏材層が、エチレンビニルアセテートの複数の層を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記水溶性フィルムゾーンの弾性率対前記裏材層又はバリアパッチの弾性率の比を更に含み、前記弾性率の比が、25℃/40%RHで1超であり、前記比が、37℃/90%RHで1未満である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記製品が、複数の非連続的な水溶性フィルムゾーンを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記水溶性フィルムゾーンが、頂面及び底面を更に含み、前記水溶性フィルムゾーンの前記底面が、前記接着剤ゾーンの前記上面と接触し、前記接着剤ゾーンが連続的である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記水溶性フィルムゾーンの前記頂面及び前記接着剤ゾーンの前記上面が、同一平面上若しくは同一線上にあるか、又は前記水溶性フィルムゾーンの前記底面及び前記接着剤ゾーンの前記下面が、同一平面上若しくは同一線上にある、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記水溶性フィルムゾーンが、2マイクロメートル〜150マイクロメートルの合計厚さを有し、前記バリアパッチ又は製品が、20マイクロメートル〜500マイクロメートルの合計厚さを有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記製品、バリアパッチ、又は裏材層が、繊維状吸収性材料、超吸収性材料、不織布材料、綿、レーヨン、アクリル、ポリプロピレン繊維、及びポリエステル繊維を含まない、または、0超2重量%未満の繊維状吸収性材料、超吸収性材料、不織布材料、綿、レーヨン、アクリル、ポリプロピレン繊維、及びポリエステル繊維を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記接着剤ゾーン、裏材層、又はバリアパッチが、皮膚活性剤を含まない、または、0超2重量%未満の皮膚活性剤を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記皮膚の標的部分が健康な皮膚であり、額の皮膚、口周囲の皮膚、顎、眼窩周囲の皮膚、鼻、頬、皮膚表面、色素沈着の多い箇所、しわ、小じわ、乾燥、皮膚弛緩、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記処置期間が、少なくとも2週間又は少なくとも8週間、1日1回又は2回前記皮膚に適用することを含み、前記製品が、前記皮膚から除去する前に1分〜24時間、前記皮膚の標的部分上に留まる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記水溶性フィルム形成ポリマーが、500〜10,000,000の分子量を有するポリエチレンオキシドからなる群から選択されるポリマーを含む、請求項3〜14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バリアパッチ、及び皮膚の外観を改善するための皮膚活性剤を含む可溶性フィルムゾーンを含む製品に関する。本発明はまた、そのような製品の使用を介して皮膚の標的区域に化粧品組成物を送達する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚を化粧品で処置するための皮膚剤を含むパッチ又はマスクデバイスを使用する効果は、当該技術分野において認識されている。種々の化粧品パッチ又はデバイスは、皮膚活性物質の送達に有用であるとして市販又は説明されている。パッチはまた、文献に記載されており、薬剤の経皮投与の有用な手段として医療分野で市販されている。
【0003】
しかしながら、多くのパッチ又はデバイスは、皮膚への活性成分の放出が効果的ではないこと含む欠点を抱えている。他のパッチは、乾燥しており、粗く、非可撓性であり、したがって、着用するには固く、不快である。多くの既存の化粧品パッチは、典型的には、平坦な2次元基材を含む。これらの基材は、着用中にこの非可撓性の構成を保持し、皮膚の3次元表面に十分になじまない。既存のパッチは、顔の皮膚が動作中及び顔の表情の変化の間に撓んで変化する際、なじむことができない。この動的環境において、これらのパッチは、それらが適用される皮膚表面の凸凹にうまくなじまないことが多い。皮膚表面とパッチとの間の間隙が形成され得るか、又はパッチは、特に長時間着用するには単純に不快であり得る。したがって、多くのパッチは、望ましくない使用中の特徴を有する。
【0004】
ある特定の美容ケアパッチシステムは、活性物質が固体、液体又は溶解した形態で存在するリザーバ内に収容された活性物質を含む。これらのシステムはまた、システムを皮膚と密接に接触させることができる感圧接着剤の層を有する場合がある。これらのシステムは、活性物質がリザーバ若しくは接着剤層を通って拡散しないとき、活性物質とリザーバ材料若しくは接着剤との間で化学反応が生じるとき、又は活性物質がリザーバ若しくは接着剤に不溶性であるか若しくは難溶性であるときに制限を受ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、改善された多層美容ケア製品が提供される。製品は、活性剤と水溶性フィルム形成ポリマーとを含有する可溶性フィルムゾーンを含む。可溶性フィルム形成ポリマーが溶解する際に、活性物質が放出される。可溶性フィルムゾーン又はポリマー又は製品は、製品の使用中に弾性率が低下して、低水分環境下であっても、皮膚の湾曲した表面の周囲の快適性及びなじみを改善する、動的弾性率を提供する。したがって、製品の快適性は、着用中に改善される。この製品はまた、活性成分と実質的に分離した感圧接着剤を含むので、その2つの間の任意の相互作用が最小限に抑えられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、少なくとも1の可溶性フィルムゾーンを美容ケア製品に組み込むことによってこれらの問題のうちの少なくとも1つを解決し、可溶性フィルムは、部分的に、水和及び/又は水への溶解時に適切な程度の弾性率を有するように導かれる。
【0007】
一態様では、皮膚に皮膚活性剤を適用するための多層美容ケア製品であって、多層美容ケア製品が、
バリアパッチであって、
第1の表面及び第2の表面、約1g/m/24時間〜約500g/m/24時間、好ましくは約1g/m/24時間〜約250g/m/24時間、より好ましくは約2g/m/24時間〜約20g/m/24時間のWVTRを有する裏材層、
上面及び下面を有する感圧接着剤ゾーンであって、感圧接着剤ゾーンの下面が、裏材層の第1の表面と接触している、感圧接着剤ゾーンを含む、バリアパッチと、
水溶性フィルムゾーンであって、
水溶性フィルム形成ポリマー、
有効量の皮膚活性剤を含む化粧品組成物を含み、
可溶性フィルムゾーンが、裏材層の第1の表面、接着剤ゾーンの上面、又はそれらの両方と接触している、水溶性フィルムゾーンと、を含み、
水溶性フィルムゾーンが、好ましくは乾燥状態で、約30MPa〜約600MPa、好ましくは約75MPa〜約500MPa、より好ましくは約100MPa〜約450MPaの初期弾性率を有し、
水溶性フィルムゾーン又は製品が、好ましくは1時間、又は6時間、又は24時間で、約10%〜約80%、好ましくは約20%〜約80%の重量増加%が可能である、多層美容ケア製品が提供される。
【0008】
別の態様では、皮膚の外観を改善する方法であって、
a.改善を必要とする皮膚、好ましくは顔の皮膚表面の標的部分を特定する行程、
b.皮膚の標的部分に、多層美容ケア製品を局所的に適用する行程であって、多層美容ケア製品が、
バリアパッチであって、
第1の表面及び第2の表面、約1g/m/24時間〜約500g/m/24時間、好ましくは約1g/m/24時間〜約250g/m/24時間、より好ましくは約2g/m/24時間〜約20g/m/24時間のWVTRを有する裏材層、
上面及び下面を有する感圧接着剤ゾーンであって、感圧接着剤ゾーンの下面が、裏材層の第1の表面と接触している、感圧接着剤ゾーンを含む、バリアパッチと、
水溶性フィルムゾーンであって、
水溶性フィルム形成ポリマー、
有効量の皮膚活性剤を含む化粧品組成物を含み、
可溶性フィルムゾーンが、裏材層の第1の表面、接着剤ゾーンの上面、又はその両方と接触している、水溶性フィルムゾーンと、を含み、
水溶性フィルムゾーンが、好ましくは乾燥状態で、約30MPa〜約600MPa、好ましくは約75MPa〜約500MPa、より好ましくは約100MPa〜約450MPaの初期弾性率を有し、
製品が、処置期間の間適用される、多層美容ケア製品を適用する行程を含む、方法が提供される。
【0009】
一態様では、処置期間は、製品が皮膚の外観を改善するのに十分な時間である。一態様では、皮膚の標的部分は健康な皮膚である。一態様では、感圧接着剤ゾーンは連続的であり、水溶性フィルムゾーンは連続的であっても非連続的であってもよい。美容ケア製品は、任意のケラチン組織に適用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書は、本発明を詳細に指摘し明確に請求する特許請求の範囲で締めくくられているが、本発明は、添付の図面と関連する態様の以下の説明でより良好に理解されるであろうと考えられる。
図1】本明細書に図示及び記載される、非連続的な水溶性フィルムゾーン及び連続的な接着剤ゾーンを含む美容ケア製品の平面図である。
図2A図1の2A−2Aに沿って取られた断面図である。
図2B】本明細書に図示及び記載される、美容ケア製品の代替的な断面図である。
図3】本明細書に図示及び記載される、非連続的な水溶性フィルムゾーン及び非連続的な感圧接着剤ゾーンを含む美容ケア製品の平面図である。
図4図3の線4−4に沿って取られた断面図である。
図5】非連続的な水溶性フィルムゾーンの代替的なパターンを示す製品を示す。
図6】非連続的な水溶性フィルムゾーンの代替的なパターンを示す製品を示す。
図7】本明細書に記載される、ある特定の水溶性フィルムゾーンの、1時間、6時間、及び24時間での重量増加百分率に対する遮蔽の影響を示す棒グラフである。
図8】活性物質のフランツセル拡散を表す棒グラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書は、本発明を特に指摘し、明確に請求する特許請求の範囲をもって結論づけられるが、本発明は以下の説明からよりよく理解されると考えられる。
【0012】
本明細書で使用する全ての百分率及び比は、組成物全体の重量によるものとする。全ての数値範囲は、より狭い範囲を含む。区切られた上下の範囲限界は、明示的に区切られていない更なる範囲を作る上で互換性がある。特に記載のない限り、全ての比は重量比である。全ての範囲は、包括的かつ組み合わせ可能である。有効桁の数は、表示された量に対する限定を表すものでも、測定値の精度に対する限定を表すものでもない。特に別途記載のない限り、全ての数量は、単語「約」によって修飾されるものと理解される。別途記載のない限り、全ての測定は、およそ25℃の周囲条件でなされたと理解され、「周囲条件」とは、約1気圧及び相対湿度約50%の条件を意味する。
【0013】
本明細書で使用するとき、「分子量(molecular weight)」又は「分子量(Molecular weight)」は、特に記述のない限り、重量平均分子量を指す。分子量は、業界標準法であるゲル透過クロマトグラフィー(gel permeation chromatography、「GPC」)を使用して測定される。
【0014】
本発明の組成物は、本明細書に記載の必須成分及び任意選択的成分を含む、それらから本質的になる、又はそれらからなることができる。本明細書で使用するとき、「から本質的になる」とは、組成物又は構成成分が、追加成分を含み得ることを意味するが、追加成分が、特許請求される組成物又は方法の基本的かつ新規の特性を実質的に変えない場合に限る。
【0015】
組成物を参照して使用するとき、用語「適用する」又は「適用」とは、ヒトの皮膚表面又は表皮などの基質上に組成物を適用するか又は広げることを意味する。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「皮膚科学的に許容可能な」とは、そのように記述されている組成物又はそれらの成分が、過度の毒性、不適応性、不安定性、アレルギー反応などを引き起こすことなく、哺乳類の角質組織と接触して用いるのに適していることを意味する。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「顔の皮膚表面」とは、額、眼窩周囲、頬、口周囲、あご、及び鼻の皮膚表面のうちの1又は複数を指す。本明細書では顔の皮膚表面について取り上げ、例示しているが、他の皮膚表面、例えば、顔の皮膚表面、手及び腕の皮膚表面、足及び脚の皮膚表面、並びに首及び胸部の皮膚表面(例えば胸元)などの、典型的に衣類で覆われない表面が本発明の組成物及び方法で処置され得る。
【0018】
本明細書で使用するとき、「健康な皮膚」とは、表皮及び真皮の物理的バリア機能が損なわれずに維持されていることを意味し、例えば、皮膚の角質層が損なわれず、物理的に破壊、除去されず、機械的、光学的、又は熱的手段を使用して減衰、外傷、変更、又は切除に供されていないことを意味する。
【0019】
本明細書で使用するとき、用語「ケラチン組織」とは、哺乳類(例えば、ヒト、イヌ、ネコなど)の最外保護外皮として配置されているケラチン含有層を指し、皮膚、粘膜、唇、毛髪、足の爪、指の爪、角皮、ひづめなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0020】
本明細書で使用するとき、用語「局所的に適用」、「局所的に」、及び「局所的な」とは、本発明の組成物をケラチン組織の表面上に適用する(例えば、広げる、噴霧する)ことを意味する。
【0021】
本明細書で使用するとき、「有効量」とは、独立して、又は本明細書に開示の他の効果と組み合わせて、良いケラチン組織効果を顕著に誘発するのに十分な量の化合物又は組成物を意味する。これは、配合物が通常の頻度及び通常の量で適用されるとき、配合物が、1又は複数の望ましくないケラチン組織の状態(例えば、皮膚のしわ)の治療をもたらすことができるのに十分な、配合物中の薬剤の含有量及び/又は濃度であることを意味する。例えば、この量は、ケラチン組織内で生じる何らかの生化学的機能を阻害又は向上するのに十分な量であり得る。スキンケア剤のこの量は、製品の種類、対処するべきケラチン組織状態の種類などに応じて様々であってよい。
【0022】
本明細書で使用するとき、用語「安全かつ有効な量」とは、独立して又は本明細書に開示の効果と組み合わせて、好ましくは、ケラチン組織の外観に良い効果を顕著に誘発するのに十分であるが、深刻な副作用を回避する、すなわち、当事者の通常の判断の範囲内で適当な効果対リスクの比を提供するために十分に低い、化合物又は組成物の量を意味する。
【0023】
本明細書で使用するとき、用語「非透水性」は、液体状態の水が通過しない材料又は物体を含む。
【0024】
用語「実質的に含まない」とは、製品、バリアパッチ、水溶性フィルムゾーン、水溶性フィルム形成ポリマー、又はバリアパッチの裏材層の2重量%、1重量%、0.5重量%、0.25重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、又は0.001重量%未満の材料の量を指す。「含まない」とは、検出不可能な量の記載された成分又はものを指す。
【0025】
「バイオベース含有量」とは、ASTM D6866−10、方法Bで決定される、材料中の合計有機炭素の質量の百分率としての、材料中の再生可能資源からの炭素の量を指す。炭酸カルシウムなどの無機資源からの炭素はいずれも、材料のバイオベースの含有量の決定に含まれないことに留意されたい。
【0026】
「生分解」とは、微生物又は他の生物学的手法による材料の化学的溶解のプロセスを指す。
【0027】
「バイオアイデンティカルポリマー」とは、少なくとも1のモノマーが、再生可能資源から誘導されたモノマーから作製されているポリマーを指す。例えば、バイオアイデンティカルポリオレフィンは、再生可能資源から誘導されたオレフィンから作製されるのに対し、石油系ポリオレフィンは、典型的には、再生不能な油又はガスから誘導されたオレフィンから作製される。
【0028】
「バイオニューポリマー(Bio-new polymer)」とは、再生可能資源から直接誘導されるポリマー(すなわち、誘導プロセス中の中間化合物がない)を指す。そのような再生可能資源としては、セルロース(例えば、パルプ繊維)、デンプン、キチン、ポリペプチド、ポリ(乳酸)、ポリヒドロキシアルカノエートなどが挙げられる。
【0029】
「モノマー化合物」とは、重合してポリマーを得ることができる中間化合物を指す。
【0030】
本明細書で使用するとき、用語「不織布」とは、連続的な(長い)フィラメント(繊維)及び/又は非連続的な(短い)フィラメント(繊維)から、例えば、スパンボンディング、メルトブローン、カーディングなどのプロセスによって作製される多孔質な繊維状材料を意味する。不織布ウェブには、織った又は編んだフィラメントパターンがない。
【0031】
「石油化学製品」とは、石油、天然ガス、又は石炭から誘導された有機化合物を指す。
【0032】
「石油」とは、原油、並びにその構成成分のパラフィン系、シクロパラフィン系、及び芳香族炭化水素を指す。原油は、タールサンド、ビチューメンフィールド、及びオイルシェールから得られてもよい。
【0033】
「再生可能資源から直接誘導されるポリマー」とは、中間体なしで再生可能資源から得られるポリマーを指す。典型的には、これらの種類のポリマーは、「バイオニュー」である傾向がある。
【0034】
「消費後再利用(Post-consumer recycled)ポリマー」とは、消費者が使用した後に回収された、プラスチックボトル(例えば、洗剤、ミルク、及びソーダのボトル)から再生されたポリマーを含む、合成ポリマーを指す。
【0035】
「再生可能資源」とは、100年の時間枠内で補給されることができる、天然資源を指す。この資源は、自然に、又は農業技術を介して、補給されることができる。再生可能資源としては、植物、動物、魚、虫、昆虫、細菌、菌類、及び林産物が挙げられる。それらは、天然起源、交雑、又は遺伝子操作された有機体であり得る。形成するために100年超を要する、原油、石炭、及び泥炭などの天然資源は、再生可能資源であるとは見なされない。
【0036】
水溶性フィルムゾーン
水溶性フィルムゾーンは、水溶性フィルム形成ポリマーと、有効量の皮膚活性剤を含む化粧品組成物とを含む。水溶性フィルム形成ポリマーは、水溶性フィルムを形成する。本明細書で使用するとき、「水溶性フィルム」とは、本明細書の溶解方法に従って溶解するフィルムを意味する。
【0037】
一態様では、水溶性フィルムゾーンは、約30%〜約99%、又は約40%〜約90%、より好ましくは約50%〜約75%の水溶性フィルム形成ポリマーを含む。
【0038】
本明細書で使用するとき、皮膚の「低水分環境」とは、遮蔽下で、健康な皮膚の内側スキン層(複数可)から皮膚の毛穴を介して皮膚の表面に提供される湿気又は水気を意味する。これは、汗、皮脂、又は油の構成成分を含み得る。例えば、低水分環境としては、製品が、本明細書で提供されるように、低通気性(例えば、低WVTR、適切な厚さなど)を有する裏材層を含む、本明細書の製品が皮膚に約1〜8時間以上適用されるときに皮膚に蓄積する湿気が挙げられる。
【0039】
したがって、水溶性フィルムゾーン又は製品は、皮膚に適用されると製品の下で水分/湿度の蓄積が生じるにつれて、重量を増加させることができる。一態様では、水溶性フィルムゾーン、水溶性フィルム、又は製品は、本明細書の重量取得百分率方法に従って、1時間、6時間、及び/又は24時間で、約10%〜約80%、又は約20%〜約80%、又は約20%〜約70%、又は約20%〜約60%、又は約25%〜約50%の重量増加%が可能である。この変換が生じると、皮膚活性剤は、製品からユーザの皮膚へ放出され、意図された効果を有するように皮膚に吸収され得る。水溶性フィルムゾーンの重量変化を概算するために、水溶性フィルム形成ポリマーから作製された水溶性フィルムもまた、本方法で使用され得る。
【0040】
図7は、本明細書に記載される、ある特定の水溶性フィルムゾーン又は水溶性フィルムの、1時間、6時間、及び24時間での重量増加百分率に対する遮蔽の影響を示す棒チャートである。可溶性フィルム又は製品が低水分環境に曝されると、及び/又は本明細書に記載されるように皮膚上を遮蔽すると、初期重量よりも高い重量変化を有する。
【0041】
水溶性フィルムゾーン又は製品はまた、皮膚に適用されると製品の下で水分/湿度の蓄積が生じるにつれて、弾性率を低下させることができる。したがって、製品又は水溶性フィルムゾーンは、製品の快適性を改善するために、着用中に弾性率が低下する「動的」弾性率を提供する。一態様では、水溶性フィルム、水溶性フィルムゾーン、又は製品は、本明細書における弾性率試験に従って、少なくとも90%、又は好ましくは少なくとも約95%、又は約90%〜約100%、好ましくは約96%〜約100%、より好ましくは約97%〜約99%の弾性率を低減することができる。この変換が生じると、皮膚活性剤は、製品から皮膚へ放出されて、意図された効果を有し得る。
【0042】
理論に束縛されるものではないが、可溶性フィルムゾーン又は可溶性フィルムは、低水分環境に曝されると、その物理的一体性は、溶解、崩壊、及び/又は失われる。水溶性フィルムゾーン又は水溶性フィルムが、軟化及び/又は溶解すると、活性物質が放出される。低水分環境に曝される前の可溶性フィルムゾーン又は水溶性フィルムは、水溶性ポリマーを含む乾燥フィルムである。第1の弾性率及び水溶性フィルムゾーンを有するこの乾燥状態では、水溶性フィルム又は製品はまた、特定の重量、例えば初期重量を備える。一態様では、本明細書に記載されるように、可溶性フィルム又は製品が低水分環境に曝される、及び/又は皮膚を遮蔽するように皮膚に適用されると、第1の弾性率よりも低い第2の弾性率を有し、また初期重量よりも重い第2の重量を有する。
【0043】
表1は、異なる温度及び湿度に曝されたときの、製品又は水溶性フィルムゾーン又は水溶性フィルムの弾性率に対する効果を示す。
【0044】
【表1】
Methocel E5LVは、Dow Chemicalから入手可能なヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0045】
表1では、25℃は、消費者が皮膚上に製品を置く前のおおよその温度を表し、37℃は、消費者が皮膚上に製品を着用しているときのおおよその温度を表す。
【0046】
一態様では、水溶性フィルムゾーンは、約30MPa〜約600MPa、好ましくは約75MPa〜約500MPa、より好ましくは約100MPa〜450MPaの(25℃及び40%RHでの)初期弾性率を有する。
【0047】
表1に示されるように、37%グリセロールを含むポリエチレンオキシド(200,000のMWを有するPEO)は、25℃/40%RHでの弾性率と比較して、37℃で75%RH及び90%RHの両方において、100%の弾性率の低減%を有する。試料番号3のグリセロールを含まないこの同じフィルム材料は、25℃/40%RHでの弾性率と比較して、37℃、90%RHで99.2%の弾性率の低減%を有する。
【0048】
Methocel及び37%グリセロールを含む試料番号2は、25℃/40%RHでの弾性率と比較して、37℃、90%RHで98.80%の弾性率の低減%を有する。
【0049】
表1に見られるように、発泡性EVA、裏材層に使用され得る材料は、25℃/40%RHでの弾性率と比較して、37℃、90%RHで36.36%の弾性率の低減を示す。一態様では、裏材層は、1又は複数のエチルビニルアセテートの層を含み、条件が25℃/40%RHから37℃/90%RHに変化すると、裏材層が、弾性率を約25%〜約50%低減することができる。
【0050】
一態様では、水溶性フィルムゾーン又は水溶性フィルムは、裏材層又はバリアパッチの弾性率よりも高い第1の弾性率を有する。例えば、37℃、90%RHで皮膚に着用した後、水溶性フィルムゾーン又は水溶性フィルムは、裏材層又はバリアパッチの弾性率よりも低い第2の弾性率を有する。一態様では、これは、特に皮膚表面の動作の際に、より快適に着用され、皮膚の湾曲した表面周囲により容易になじむ製品を提供する。したがって、一態様では、可溶性フィルムの弾性率対裏材層又はバリアパッチの弾性率の比は、25℃/40%RHで1超であり、この比は、37℃/90%RHで1未満である。別の態様では、可溶性フィルムの弾性率対裏材層又はバリアパッチの弾性率の比は、37℃/90%RHで約0.2〜約2、又は37℃/90%RHで約0.2〜約1である。
【0051】
一態様では、条件を25℃/40%RHから37℃/90%RHに変化させると、水溶性フィルムゾーン(又は水溶性フィルム)の弾性率対EVAフィルム裏材層の弾性率の比は、5.7(PEO/37%グリセロール)又は19(methocel/37%グリセロール)〜<0.5に変化する。
【0052】
一態様では、可溶性フィルムゾーンは、皮膚活性剤を含む。一態様では、使用前、及び/又は低水分環境に曝される前、及び/又は湿気若しくは水分の不在下では、乾燥形態の可溶性フィルムゾーンから皮膚活性剤が放出されるとしても最小限のみである。低いレベルの水分が可溶性フィルムゾーンと接触すると、軟化、溶解、又は分解が生じ始め、それにより皮膚活性物質が可溶性フィルムゾーンから外に移動する、及び/又は皮膚表面若しくは皮膚内に浸透することを可能にする。一態様では、水分の存在下で可溶性フィルムゾーン内に存在する皮膚活性剤は、可溶性フィルムゾーンを通じたより速い拡散速度に起因して、より容易に皮膚に使用可能であると考えられる。
【0053】
一態様では、消費者による使用の前に、水溶性フィルムゾーンは、実質的に水分を含まないか、又は水溶性フィルムゾーンの約15重量%、12重量%、若しくは10重量%未満の水分を含んでもよく、又は約0.001重量%〜約15重量%の水分、若しくは約0.05重量%〜約10重量%の水分を含んでもよい。
【0054】
可溶性フィルムゾーンの好ましい水溶性材料は、ポリマー材料、好ましくはフィルム又はシートに形成され得るポリマーである。水溶性フィルムゾーンは、例えば、当該技術分野において既知であるように、ポリマー材料のキャスティング、ブロー成形、押出成形又はブロー押出成形により得ることができる。
【0055】
可溶性フィルムゾーンに好ましい水溶性材料は、ポリエチレンオキシドポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸及び塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを含む多糖類、キサンタン及びカラガム(carragum)などの天然ガム、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、ポリメタクリレート、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デキストリン、マルトデキストリン、これらの塩、並びにこれらの組み合わせから選択され得る。
【0056】
可溶性フィルムゾーン用の追加の水溶性材料は、ポリエチレングリコール、プルラン、ペクチン及び誘導体を含む天然多糖類又は誘導体などの炭水化物ポリマー、アルギン酸ナトリウム、メチルメタクリレートコポリマー、カルボキシビニルポリマー、アミラーゼ、ペクチン、キチン、キトサン、レバン、エルシナン、コラーゲン、ゼラチン、ゼイン、グルテン、大豆タンパク質単離物、乳清タンパク質分離物、カゼイン、ガム(グアー、アラビアガム、トラガカントガム、キサンタンガム、ジェランナトリウム塩、ガムガッチ、オクラガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、タラガム、クインスシードガム、フェヌグリークシードガム、スクレログルカン、オオバコ種子ガム、タマリンドガム、オート麦ガム、クインスシードガム、リゾビウムガム、生合成ガム、カヤグランディフォリア(Khaya grandifolia)ガム、ペクチン、アラビアン、コンニャクマンナン、アラクトマンナン(alactomannan)、フノラン、アセタン、ウェラン、ラムザン、フルセルラン(furcelleran)、サクシノグリカン、スクレログリカン、及びデキストラン、亜麻仁ガムなど)、プロピレングリコール、アルギネート、デンプン(アミロース、アミロペクチン、修飾デンプン、ヒドロキシエチルデンプン、カルボキシメチルデンプン、高アミロースデンプン、ヒドロオキシプロピル化高アミロースデンプン、生合成加工デンプン、米、トウモロコシ、ジャガイモ、及び小麦などのデンプンなど)、デキストラン、デキストリン及びマルトデキストリン、コンニャク、アロエからのアセマンナン、カラギーナン、スクレラグルカン(scleraglucan)、サクシノグルカン、ラーチアラビノガラクタン、コンドロイチン硫酸塩、ヒアルロン酸、カードラン、脱アセチル化コンニャク、水溶性非ゲル化ポリペプチド又はタンパク質(ゼラチン、アルブミン、乳タンパク質、大豆タンパク質、及び乳清タンパク質など)、親水コロイド(ポリエチレン−イミンを例とする合成親水コロイドなど)、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリアクリル酸、低分子量ポリアクリルアミド及びこれらのナトリウム塩(カルボマー)、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、プルロニック、テトロニック、及び他のブロックコポリマー、カルボキシビニルポリマー、及びコロイド二酸化ケイ素、可溶性ポリエステル、天然海藻、天然種子、天然植物滲出物、天然果実抽出物、グリチルリチン酸、ポリアクリル酸、ビニルポリマー、カチオン性ポリマー、アクリル系ポリマー(ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート(polyethyleacrylate)、及びポリアクリルアミドなど)、並びに組み合わせから選択され得る。
【0057】
一態様では、水溶性フィルムゾーンは、ポリエチレンオキシドポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及び組み合わせからなる群から選択されるポリマーを含む。
【0058】
可溶性フィルムゾーン用の水溶性フィルムとしての使用に好適な好ましいポリマー、コポリマー又はこれらの誘導体は、ポリエチレンオキシド、及びこれらの組み合わせから選択される。
【0059】
可溶性フィルムゾーン用の水溶性フィルムとしての使用に好適な好ましいポリマー、コポリマー又はこれらの誘導体は、メチルセルロース、及びこれらの組み合わせから選択される。
【0060】
好ましい水溶性フィルム形成ポリマーは、ポリエチレンオキシドフィルム又はポリエチレングリコールなどのポリエチレンオキシドから作製され、Dow Chemical Companyによって販売されているPolyoxが挙げられる。ポリエチレンオキシドとしては、対応する溶解度を特徴とするPolyox WSR N−10(分子量10,000を有する)、WSR N−80(分子量約200,000を有する)、WSR N750(分子量約300,000を有する)が挙げられる。一態様では、水溶性フィルムは、約500〜約10,000,000、又は約10,000〜約1,000,000、又は約100,000〜約300,000、又は約150,000〜約250,000の分子量を有するポリエチレンオキシドを含む。
【0061】
別の好ましい水溶性フィルム形成ポリマーは、Methocel E5LV、Dow/Coloron LTDから入手可能な低粘度の水溶性セルロースエーテルである。
【0062】
ポリエチレンオキシドポリマー、又はセルロースエーテルは、他の水溶性フィルム形成ポリマーであり得る、追加のポリマー、例えば、ポリマー、コポリマー、又はこれらの誘導体と組み合わされてもよい。追加のポリマーは、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸及び塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを含む多糖類、キサンタン及びカラガム(carragum)などの天然ガム、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、ポリメタクリレート、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デキストリン、マルトデキストリン、これらの塩、並びにこれらの組み合わせから選択され得る。一態様では、水溶性フィルムゾーンは、ポリエチレンオキシドポリマーと、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及び組み合わせからなる群から選択される追加のポリマーと、を含む。
【0063】
また、異なる分子量を有するポリエチレンオキシドポリマーの混合物も好適である。追加のポリマーは、好ましくは、約1,000〜1,000,000、より好ましくは、約50,000〜300,000、更により好ましくは、約20,000〜150,000の分子量を有し得る。
【0064】
好ましくは、乾燥状態の水溶性フィルムゾーン中のポリマーのレベルは、水溶性ポリマーゾーンの約20重量%〜約90重量%、又は約45重量%〜約85重量%、又は約50重量%〜約70重量%である。
【0065】
別の態様では、化粧品組成物は、油中水型又は水中油型エマルションを含んで、水溶性フィルム形成ポリマーと組み合わせてもよい。一例として、Olayスキンケア製品などの水中油型エマルション組成物は、Methocel E5LV(Dow Chemicalから入手可能)などのメチルセルロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロースと組み合わせられ得、水溶性フィルムゾーンとして使用され得る。Methocelなどの水溶性フィルム形成ポリマーは、水中油型エマルション及び皮膚活性剤を含む組成物を過剰に使用してもよい。したがって、一態様では、水溶性フィルムゾーンは、
a.)可溶性フィルムゾーンの約40重量%〜約70重量%の水溶性フィルム形成ポリマーと、
b.)可溶性フィルムゾーンの約30重量%〜約60重量%の、油中水型又は水中油型エマルション、及び有効量の皮膚活性剤、及び任意選択的に安全かつ有効な量の可塑剤、を含む化粧品組成物と、を含み得る。
【0066】
一態様では、可溶性フィルムゾーンにおけるb)対a)の比は、湿潤状態又は乾燥状態のいずれかで、約30:70〜約70:30、又は約40:60〜約60:40、又は約45:55〜約55:45である。
【0067】
可塑剤
本明細書の水溶性フィルムゾーンはまた、1又は複数の可塑剤を含むことができる。例えば、可溶性フィルムゾーン又は水溶性フィルム形成ポリマーの約2重量%〜約80%、又は約2重量%〜約60重量%、又は約10重量%〜約50重量%、又は約20重量%〜約45重量%のレベルで可塑剤を添加することが有益であり得る。可塑剤は、例えば、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピルグリコール、クエン酸アルキル、ソルビトール、ペンタエリスリトール、グルカミン、N−メチルグルカミン、クメンスルホン酸ナトリウム、及びこれらの混合物であってもよい。一態様では、可塑剤は、グリセロールである。他の可塑剤としては、植物油、ポリソルビトール、ポリエチレンオキシド、ジメチコン、鉱物油、パラフィン、C1〜C3アルコール、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、スクロース、コーンシロップ、フルクトース、ジオクチル−ナトリウム−スルホ−サクシネート、トリエチルシトレート、トリブチルシトレート、1,2−プロピレングリコール、グリセロールのモノ、ジ−又はトリアセテート、天然ガム、シトレート、及びこれらの混合物が挙げられ得る。
【0068】
可溶性フィルムゾーン用の任意選択的な成分
本明細書の水溶性フィルムゾーン又は水溶性フィルム形成ポリマーはまた、1又は複数の任意選択的な成分を含み得る。任意選択的な成分としては、増量剤、充填剤、希釈剤、界面活性剤、安定化剤、乳化剤、増粘剤、防腐剤、結合剤、着色剤、顔料、可溶化剤、湿潤剤、水溶性不活性充填剤、緩衝剤、透過性向上剤、及び組み合わせが挙げられる。増粘剤としては、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード又はマルメロガム、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリンドガム、セルロースジアルキルジメチルアンモニウムサルフェート、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、AIMgシリケート又はビーガム(beagum)、ラポナイト、及びケイ酸無水物が挙げられ得る。
【0069】
界面活性剤としては、Atmos 300及びPolysorbate 80などの、脂肪酸のモノ及びジグリセリド、並びにポリオキシエチレンソルビトールエステル、プルロン酸、及びラウリル硫酸ナトリウムが挙げられ得る。
【0070】
安定化剤としては、キサンタンガム、ローカストビーンガム、及びカラギーナン、グアーガム、糖類、ポリオール、アミノ酸、又はメチルアミンが挙げられ得る。乳化剤としては、トリエタノールアミンステアレート、四級アンモニウム化合物、アカシア、ゼラチン、レシチン、ベントナイト、ビーガム、安息香酸ナトリウムが挙げられ得る。
【0071】
透過性向上剤としては、アズワン、アルコール、ジメチル−スルホキシド、一価の飽和及び不飽和脂肪族、並びにシクロヘキサノール、ラウリルアルコールなどの6〜12個の炭素原子を有する脂環式アルコール;鉱物油などの脂肪族及び脂環式炭化水素;脂環式及び芳香族アルデヒド、並びにシクロヘキサノンなどのケトン;N,N−ジエチルアセトアミド及びN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アセトアミドなどのN,N−ジ(低級アルキル)アセトアミド;ミリスチン酸イソプロピル及びラウリシジンなどの脂肪族及び脂環式エステル;デシルメチルスルホキシドなどのN,N−ジ(低級アルキル)スルホキシド;精油、ニトロ化脂肪族、N−メチル−2−ピロリドンなどの脂肪族及び脂環式炭化水素、及びアズワン;サリチル酸塩、ポリアルキレングリコールシリケート;オレイン酸及びラウリン酸などの脂肪酸、シネオールなどのテルピン、ヘキサメチルシロキサンなどのシロキサン;及び混合物が挙げられ得る。
【0072】
図面の考察
製品1の例示的な態様を、図1図2A図2B図3、及び図4に示す。図1図2A、及び図2Bは、感圧接着剤3及び裏材層4を有するバリアパッチ2を含む製品1を示す。図2Aは、2A−2Aに沿って取られた図1の断面図である。図1は、製品1の長手方向軸に対してオフセットした一連の平行なストライプを作り出す複数の可溶性フィルムゾーン6を示す。したがって、製品1は、感圧接着剤3の上面16に適用される可溶性フィルムゾーン6のストライプの代替的な列を有する。
【0073】
製品1は、有効量の皮膚活性剤8を有する可溶性フィルムゾーン6を更に含む。裏材層4は、第1の表面10及び第2の表面12を更に含む。感圧接着剤3は、裏材層4の第1の表面10の少なくとも一部と接触して、第1の表面10の、感圧接着剤でコーティングされた領域14を形成する。製品1は、有効量の皮膚活性剤8を含む化粧品組成物を更に含み得る。一態様では、感圧接着剤3はまた、化粧品組成物を含む。他の態様では、化粧品組成物及び皮膚活性剤8は、ある程度分配される、及び/又は可溶性フィルムゾーン6全体にわたって均一に分配される。製品1は、皮膚に面する表面5を有する。製品1の皮膚に面する表面5は、感圧接着剤の上面16、水溶性フィルムゾーンの頂面22、及び/又は裏材層の第1の表面10を含み得る。
【0074】
図1図2A図2B、及び図3の態様では、製品1及び40は、三日月形である。しかしながら、この形状は、本発明を限定することを意図するものではない。
【0075】
図2Bもまた、2A−2Aに沿って取られた、図1の製品の代替的な断面図である。図2Bは、感圧接着剤3及び裏材層4を有するバリアパッチ2を含む製品1を示す。製品1は、有効量の皮膚活性剤8を有する可溶性フィルムゾーン6を更に含む。裏材層4は、第1の表面10及び第2の表面12を更に含む。感圧接着剤3は、裏材層4の第1の表面10の少なくとも一部と接触して、第1の表面10の、感圧接着剤でコーティングされた領域14を形成する。裏材層4は、第1の非発泡性層26、第2の発泡性層28、及び第3の非発泡性層30を含む。感圧接着剤は、上面16及び下面18を含む。可溶性フィルムゾーン6はまた、頂面22及び底面24を含む。図2Bに示されるように、複数の可溶性フィルムゾーン6の底面24は、感圧接着剤3の上面16と接触している。図1図2A及び図2Bに示されるように、可溶性フィルムゾーン6及び感圧接着剤3は実質的に分離しており、感圧接着剤ゾーン6は連続的である。
【0076】
図3及び図4は、感圧接着剤43及び裏材層44を有するバリアパッチ42を含む製品40を示す。図4は、4−4に沿って取られた図3の断面図である。製品は、有効量の皮膚活性剤48を有する複数の非連続的な可溶性フィルムゾーン46を更に含む。裏材44は、第1の表面50及び第2の表面52を更に含む。感圧接着剤43は、裏材層44の第1の表面50の少なくとも一部と接触して、裏材層44の第1の表面50の、感圧接着剤でコーティングされた複数の領域54を形成する。製品40は、有効量の皮膚活性剤48を含む化粧品組成物を更に含み得る。一態様では、皮膚活性剤48は、複数の可溶性フィルムゾーン46の各々全体にわたってある程度分配される、及び/又は均一に分配される。図3及び4に示されるように、複数の可溶性フィルムゾーン46及び接着剤ゾーン43は、実質的に分離している。図4では、可溶性フィルムゾーン46は、裏材層44の第1の表面50と接触している。図4に示されるように、一態様では、可溶性フィルムゾーンの頂面62及び感圧接着剤ゾーン43の上面66は、同一平面上又は同一線上にある。加えて、可溶性フィルムゾーンの底面64及び感圧接着剤ゾーンの下面68は、同一平面上又は同一線上にあってもよい。
【0077】
図5は、可溶性フィルムゾーン70が一連のダイヤモンドの繰り返しとして構成されている、非連続的な可溶性フィルムゾーン70の代替的なパターンを示す製品を示す。
【0078】
図6は、可溶性フィルムゾーン72が一連の湾曲したストライプの繰り返しとして構成されている、非連続的な可溶性フィルムゾーン72の代替的なパターンを示す製品を示す。
【0079】
図7は、本明細書に記載される、ある特定の水溶性フィルムゾーンの、1時間、6時間、及び24時間での重量増加百分率に対する遮蔽の影響を示す棒チャートである。
【0080】
図8は、(A)遮蔽せずに適用した水中油型エマルション、(B)ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムによって遮蔽されている水中油型エマルション、(C)遮蔽せずに適用したMethocel E5LVフィルム、及び(D)PETフィルムによって遮蔽したMethocel E5LVフィルム、のデータに対するフランツセル拡散を表す。エマルション及びMethocelフィルムの両方は、各々2%のイノシトールを含有していた。これらのデータは、裏材層を介した遮蔽なしに、乾燥フィルムの形態のMethocel E5LVが、イノシトールを放出しないか又は最小限にしか放出しないが、遮蔽すると、Methocel E5LVフィルムが溶解し、イノシトールが放出されることを実証している。エマルションについても同様である。したがって、例えば低WVTRを介して遮蔽を提供する本明細書の裏材層は、皮膚への活性物質の送達を増加させる。フランツセル器具は、試料の適用に続いて保護組成物を用いた前処理後に、皮膚模倣物を通るイノシトールなどの活性物質の浸透のインビトロでの評価に使用され得る。イノシトールなどの浸透活性物質は、240nmで外部標準に定量化した逆相高速(又は高圧)液体クロマトグラフィー(Reverse Phase High Performance(又はPressure)Liquid Chromatography、RP−HPLC)を使用して定量化され得る。例えば、P&Gの欧州特許第2561856(A1)号におけるフランツセル手順を参照されたい。
【0081】
バリアパッチ
一態様では、バリアパッチは、第1の表面及び第2の表面と、約1g/m/24時間〜約500g/m/24時間のWVTRと、上面及び下面を有する感圧接着剤ゾーンとを有する裏材層を含み得、感圧接着剤は、裏材層の第1の表面と接触し得る。
【0082】
裏材層は、少なくとも2の層を含む共押出フィルム積層体であり得るが、3、4、5、6又はそれ以上の層を含むことができる。一態様では、裏材層、又は製品、又は第1の非発泡性層は、開き口を実質的に含まない。
【0083】
本明細書で使用するとき、「開き口」とは、液体分子がフィルムを通過することを可能にするサイズ及び形状の開口部を有するフィルムを意味する。
【0084】
本発明のバリアパッチは、固体シート材料を含んでもよい。シートは、製品に一次構造及び形状を提供し、皮膚の特定の標的区域の処置のために取り扱われ、適用されることを可能にする。
【0085】
ある特定の態様では、裏材層は一般に、人体の動作、及び特に顔の表情又はジェスチャに関連する動作中にフィットし続け、収縮することができる可撓性フィルム材料で作製される。「可撓性」とは、製品、バリアパッチ、及び/又は裏材層が、破断、引き裂き、波打ちなどを伴わずに実質的に屈曲又は折り曲げることができることを意味する。
【0086】
一態様では、製品又はバリアパッチはまた、重力下において、又はユーザによる取り扱い及び適用時に崩れたり、折れ曲がったりしない。製品が、折れ曲がり、よれ、又は皮膚の標的区域のしわを誘発することなく、製品が適用される皮膚表面の標的区域になじむことが望ましい。したがって、製品又はバリアパッチは、着用期間中にユーザが動作する際に、皮膚に容易になじむことが可能であり、使用期間全体にわたって可撓性を保持する。
【0087】
ある特定の態様では、対象製品の特色は、バリアパッチ、接着剤ゾーン、及び/又は裏材層が、皮膚活性剤を実質的に含まない、非有効量のみ含む、又は含まない、又は欠いていることである。したがって、本発明のバリアパッチ、接着剤ゾーン、及び/又は裏材層は、「ブランク」裏材層、接着剤ゾーン、又はバリアパッチとして特徴付けることができる。この点に関して、一態様では、本明細書の製品に用いられる有効量の皮膚活性剤は、バリアパッチ、接着剤ゾーン、及び/又は裏材層とは実質的に分離している。一態様では、感圧接着剤ゾーン及び水溶性フィルムゾーンは、実質的に分離している。本明細書で使用するとき、用語「実質的に分離している」とは、1つの構成成分が他の構成成分を実質的に含まないことを意味する。
【0088】
一態様では、裏材層は、フィルム及び不織布材料、例えば、綿、レーヨン、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、及び組み合わせを含む積層体であってもよいが、積層体が、約1g/m24時間〜約500g/m24時間のWVTRを備えることを条件とする。
【0089】
1又は複数のバリアパッチの層は、ポリプロピレン(PP);ポリエチレン(PE)、メタロセンプラストマー、メタロセンエラストマー、高密度ポリエチレン(HDPE)、ゴム修飾LDPE、ゴム修飾LLDPE、酸コポリマー、ポリスチレン、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET);ポリ塩化ビニル(PVC);ポリアミド(PA);ポリカーボネート;ポリウレタン;セルロースアセテート;ポリクロロプレン(polychloropene);ポリスルホン;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE);ポリビニルアセテート(PVA);ポリエチレングリコールテレフタレートフィルム;ポリスチレン、ポリフェニレンオキシド(PPO);アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS);アクリル;アクリロニトリルスチレンアクリレート(ASA);エチレンビニルアルコール、天然ゴム、ラテックス、ナイロン、ニトリル、シリコーン、及び熱可塑性エラストマー(TPE)、エチレンビニルアセテート(EVA)、エチレンアクリル酸(EAA)、PEとPPとのコポリマー、二峰性樹脂、これらの材料のホモポリマー又はコポリマー、並びにブレンド及び組み合わせのいずれかであり得るもののうちのいずれかを含むがこれらに限定されない、少なくとも1の材料を含み得る。ブレンドは、物理的ブレンドか、又は反応器ブレンドであってもよい。層は、単一のポリマー、又はポリマー若しくはコポリマーの混合物を含み得る。これらの層の材料の積層体もまた、使用してもよい。
【0090】
本明細書の裏材層(複数可)は、ポリエチレンを含んでもよい。用語「ポリエチレン」又は「PE」は、本明細書では、種々の樹脂等級、密度、分枝長、コポリマー、ブレンド、触媒などのいずれかのPEを含んで、最も広義に使用される。層は、LLDPE、LDPE、VLDPE、HDPE、若しくはMDPE、又はこれらの組み合わせを含み得る、異なるグレードのポリエチレンのブレンドを含んでもよく、チーグラナッタ触媒、クロム触媒、メタロセン系触媒、シングルサイト触媒、及び他の種類の触媒を使用して製造されてもよい。ポリマーは、ホモポリマー又はコポリマーであってもよい。ブレンドは、物理的ブレンドか、又は反応器ブレンドであってもよい。これらの材料は、バイオベース材料、石油系材料、及び再生/粉砕材料であり得る。LLDPEコポリマーは、ブテン、ヘキセン、及びオクテンコモノマーのうちのいずれか1又は複数で作製することができる。異なる等級の比は変更してもよい。
【0091】
裏材層の1又は複数の層に好ましい材料としては、エチレンビニルアセテート、EVA(CAS番号24937−78−8)コポリマーが挙げられる。異なる等級のEVAは、異なるエチレン対ビニルアセテートモノマー比、及び/又は異なるメルトインデックス(分子量)を有する傾向がある。例えば、VAモノマーの百分率は、約20%〜約50%、又は約25%〜約40%のVA、又は約25%〜約30%のVAの範囲であり得る。例えば、メルトフローインデックスは、約0.7dg/分〜約60dg/分、及び/又は約2dg/分〜約6dg/分、及び/又は約2dg/分〜約4dg/分の範囲であり得る。本明細書で有用なEVA等級としては、Dupont Elvax(登録商標)等級:260(28%VA、ASTM D1238によるメルトフローインデックスMFI 6dg/分)、等級250(28%VA、MFI 25dg/分)、等級150及び150W(32%VA、MFI 43dg/分)、等級40W(40%VA、MFI 52dg/分)、及びCelanese Ateva(登録商標)2803G(28%VA、ASTM D1238によるMFI 3dg/分)、及びAteva(登録商標)1807EG(18%VA、MFI 0.7dg/分)が挙げられる。
【0092】
裏材層又はバリアパッチに好ましい別の材料は、3M(St.Paul、Minn)から入手可能な商品名1525Lで販売されているポリエチレンフィルムである。3M 1525−Lは、およそ3ミルの厚さのポリエチレンフィルム、厚さ1.4ミルの低刺激性感圧アクリレート接着剤層、及びポリエチレンとシリコーンとでコーティングされている紙剥離層(3M 1525Lは剥離層なしで使用され得る)の、裏材を有する。
【0093】
顔料、及び/又はスリップ剤/ブロッキング防止剤、及び/又は液体着色剤を含有するカラーマスターバッチを裏材層に添加して、ある特定の審美性及び機能性を得ることもできる。
【0094】
存在する場合、顔料は、典型的には、(例えば、裏材層の)ポリマーの総重量に基づいて、約0.5重量%〜約15重量%、及び/又は約1重量%〜約10重量%、又は1.5重量%〜約7重量%の濃度で使用され得る。
【0095】
他の添加剤は、2013年6月24日出願の米国特許出願第13/924983号(P&G米国特許出願公開第2014/0376835号、案件12966Q)、及び、2013年6月24日出願の米国特許出願第13/924999号(P&G案件12967Q)、及びそこに引用されている参考文献を含む米国特許に更に詳述されている。
【0096】
例えば、バリアパッチの裏材層は、任意選択的に、スリップ剤又は帯電防止剤(例えば、エルラカミド(euracamide)、ステアリン酸アミド)、充填剤(例えば、粘土、クレー、パルプ、二酸化チタン、熱可塑性デンプン、未加工デンプン木粉、珪藻土、シリカ、無機ガラス、無機塩、粉砕可塑剤、粉砕ゴム)、顔料(例えば、マイカ、チタニア、カーボンブラック)、UV阻害剤、抗着色剤、離型剤、難燃剤、導電剤、酸化防止剤、衝撃改質剤、安定剤(例えば、紫外線吸収剤)、湿潤剤、炭素、グラフェン及び生分解性向上添加剤(例えば、オキソ分解性添加剤又は有機材料)などの添加剤を含み得る。オキソ分解性添加剤は、ポリマーの総重量に基づいて、約1重量%〜約5重量%の濃度でポリマー中に配合されることが多く、熱、空気、光、又はこれらの混合物に曝されるとプラスチックの酸化及び鎖切断を促すことができる少なくとも1種類の遷移金属を含む。有機材料(例えば、セルロース、デンプン、エチレンビニルアセテート、及びポリビニルアルコール)は、生分解性増強添加剤として使用することができるが、ポリマーマトリックスの非分解性部分の分解を促進することはできない。
【0097】
好ましい態様では、多層共押出裏材層は、少なくとも3の層を有し、好ましくは、エチレンビニルアセテート(「EVA」)を含むフィルムである。好ましい態様では、発泡性層は、非発泡性層の間の層、例えばいずれかの側面の第1の非発泡性層と第3の非発泡性層との間の層である。
【0098】
一態様では、バリアパッチは、
(i)第1の表面を有する非発泡性ポリマーフィルムを含む第1の非発泡性層と、
(ii)45%〜80%、好ましくは50%〜75%、より好ましくは55%〜73%の平均ボイド体積率、10マイクロメートル〜250マイクロメートル、好ましくは40マイクロメートル〜160マイクロメートルの厚さを備える発泡性ポリマーフィルムを含む第2の発泡性層とを含む、裏材を含む。
【0099】
平均ボイド体積率を測定するための技術は、米国特許第62/257,341号、同第62/257,347号、及び同第62/257,351号に記載されている。発泡性層の発泡の程度は、X線マイクロコンピュータ断層撮影法又は単純に「マイクロCT」によって決定される、平均ボイド体積率によって特徴付けてもよい。
【0100】
一態様では、発泡性層は、(発泡性層の体積に対して合計で)45%〜80%の平均ボイト体積率、好ましくは50%〜75%、より好ましくは55%〜73%の平均ボイド体積率を備える。
【0101】
一態様では、バリアパッチの裏材層は、3つの層、例えば、任意選択的にEVAを含む第2の発泡性層、及びいずれかの側面上に非発泡性の層、すなわち、発泡性EVA層が、当該第1の非発泡性層と第3の非発泡性層との間にある、第1の非発泡性EVA層及び第3の非発泡性EVA層を含む。
【0102】
一態様では、多層バリアパッチ及び/又は裏材層は、繊維、ナノ繊維、又は不織布材料、例えば、綿、レーヨン、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維を実質的に含まない。
【0103】
別の態様では、バリアパッチ及び/又は裏材層は、コロナ処理を含む。例えば、裏材層又はバリアパッチは、例えば、コロナ放電、又はプライマーとして活性物質と接着剤との固定をもたらし得る接着促進剤を用いたコーティングによって、追加的に処理されてもよい。
【0104】
材料組成物及び/又は樹脂が、発泡体形成又は他のフィルム層特性のために最適化されることができるので、発泡性層に使用される材料組成物及び/又はポリマー樹脂は、非発泡性層(複数可)に使用されるものとは異なっていてもよい。添加剤、特に、CaCO、粘土、タルク、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少量の成核剤は、発泡プロセス中に、気泡を迅速に形成するために含まれ得る。
【0105】
バリアパッチの裏材層(複数可)の作製に使用される樹脂は、再生可能材料、「バイオアイデンティカル」、又は「バイオニュー」材料、又はこれらの組み合わせのいずれかを含み得る。適用可能なバイオアイデンティカル材料及び/又はバイオニュー材料のいくつかの非限定的な選択肢は、2013年6月24日出願の米国特許出願第13/924983号(P&G米国特許出願公開第2014/0376835号)、15〜22頁、及び2013年6月24日出願の米国特許出願第13/924999号(P&G米国特許出願公開第2014/0377512(A1)号、P&G案件12967Q)12〜20頁からの米国特許出願公開に更に詳述されている。例えば、バリアパッチは、プラスチック樹脂で作製された少なくとも1の層を含み得る。樹脂は、従来の石油系ポリオレフィンであってもよく、又は再生可能系ポリオレフィン、又はこれらのブレンドであってもよい。あるいは、従来の石油系ポリオレフィンとは化学的に異なる再生可能な「バイオニュー」材料と混合された、石油系又は再生可能系ポリオレフィンブレンドを含むブレンドであってもよい。フィルム層は、ASTM D6866−10、方法Bを使用して、約10%〜約100%のバイオベース総含有量を有する材料又は材料の混合物で構成され得る。一態様では、層は、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレンビニルアセテート(EVA)などのポリエチレンの極性コポリマー、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレンホモポリマー/高密度ポリエチレンコポリマー、中密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、プラストマー、ポリプロピレン/コポリプロピレン/異相ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、(PET)、PLA(例えばNatureworksから)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリ(エチレン−2,5−フランジカルボキシレート)(PEF)、セルロース(例えば、Innoviaから入手可能)、ナイロン11(すなわち、ArkemaからRilsan(登録商標))、デンプン(熱可塑性デンプン又はデンプン充填剤のいずれか)、バイオポリエステル(例えば、参照により本明細書に援用される米国特許出願第2008/0200591号に記載の、バイオグリセロール、有機酸、及び無水物から作製されたもの)、ポリブチレンサクシネート、ポリグリコール酸(PGA)、及びポリ塩化ビニル(PVC)のうちの少なくとも1、又は可能であれば2若しくはそれ以上を含むポリマー(A)を、約5重量%〜約99%含み得る。ポリマー(A)の構成要素のうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的に再生可能資源から誘導されてもよい。再生材料も、添加されてもよい。特定の場合には、生分解性である材料を利用してもよい。
【0106】
追加の材料がポリオレフィンマトリックスと典型的に不適合であることに起因して、フィルム層構造内のこの追加の材料の存在が更なる光反射率をもたらし得るので、「バイオニュー」材料の一部は、フィルムの反射率に更に寄与し得る。
【0107】
接着剤ゾーン
このバリアパッチは、裏材層及び感圧接着剤ゾーンを含み得る。典型的には、感圧接着剤ゾーンは、長期的な皮膚接触に好適であり得、裏材層及び/又は存在する添加剤と物理的かつ化学的に適合可能であろう感圧接着剤(pressure-sensitive adhesive、PSA)を含む。好適な接着剤材料の例としては、以下のもの:アクリル酸及びメタクリル酸エステルのホモ又はコポリマー、ブチルゴム系システム、シリコーン、ウレタン、ビニルエステル及びアミド、オレフィンコポリマー材料、天然又は合成ゴム、ホットメルト接着剤(例えば、米国特許第5,387,450号参照);ポリエチレン;ポリシロキサン;ポリイソブチレン;ポリアクリレート;ポリアクリルアミド;ポリウレタン;可塑化エチレン−ビニルアセテートコポリマー;並びにポリイソブテン、ポリブタジエン、ポリスチレン−イソプレンコポリマー、ポリスチレン−ブタジエンコポリマー、及びネオプレン(ポリクロロプレン)などの粘着性ゴム、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0108】
一態様によれば、接着剤は、エチルビニルアセテート、メタロセンポリアルファオレフィン、アタクチックポリアルファオレフィンを含むポリオレフィン、ジブロックコポリマー及びトリブロックコポリマーなどのブロックコポリマー、ポリウレタンホットメルト、ポリアミド、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される接着剤を含む、ホットメルト接着剤である。一態様では、接着剤は、ジブロックコポリマーとトリブロックコポリマーとの組み合わせを含む。ジブロック及びトリブロックコポリマーとしては、スチレン/イソプレン、スチレン/ブタジエン、ブチレン/エチレン/スチレン、及びこれらの組み合わせが挙げられ得る。
【0109】
高粘度トリブロックコポリマーは、接着剤として使用されてもよく、ポリマーブロックAがホモポリマーとして20℃を超えるガラス転移温度を有する非エラストマーポリマーブロックである、A−B−Aの配置を有する。エラストマーポリマーブロックBは、一般に、部分的に又は実質的に水素添加され得るイソプレン若しくはブタジエン、又はこれらの混合物である。更に、コポリマーは、線状又は分枝状であってもよい。
【0110】
ジブロックコポリマーは、一般に、A及びBが前述のとおりであるA−Bの配置を有し得る。
【0111】
液体希釈剤を、接着剤組成物に添加してもよい。接着剤組成物は、約60重量%〜約99重量%の希釈剤を含んでもよい。一態様では、液体希釈剤の大部分は油である。好ましくは、液体希釈剤は、高度に精製された白色の石油鉱物油などの油を含むか、又はそれから本質的になる。有用な希釈剤は、主に、特徴が脂肪族であり、ポリマー中間ブロックと相溶性である。可塑剤はまた、例えばパラフィン系及びナフテン系石油、高度に精製された芳香族を含まないパラフィン系及びナフテン系の食用油及びテクニカルグレードの油、高度に精製された白色の石油鉱物油、並びにポリブテン、ポリプロペン、ポリテルペンなどの合成液体オリゴマーなどの液体粘着付与剤が含まれてもよい。合成処理油は、中分子量〜高分子量の永久流体/液体モノオレフィン、イソパラフィン、又はパラフィンであり得る高粘度オリゴマーであってもよい。
【0112】
一態様では、接着剤は、例えば、TECHNOMELT PSM 154A DERMA−TAK(登録商標)などのHenkelから入手可能なTECHNOMELT(登録商標)、及びDERMA−TAK(登録商標)ブランドから選択される。DERMA−TAK製品は感圧接着剤であり、溶媒系アクリル接着剤、及びゴムが配合された(液体及びホットメルト)感圧接着剤の両方を包括する。有用な接着剤はまた、米国特許第6,448,303号及び同第5,559,165号に記載のものから選択されてもよい。
【0113】
一態様では、感圧接着剤ゾーンは、連続的、非連続的、又はこれらの組み合わせである。製品はまた、複数の非連続的な接着剤ゾーンを含んでもよい。
【0114】
厚み
一態様では、バリアパッチ又は製品の全体的な合計厚さは、20マイクロメートル〜500マイクロメートル、好ましくは50マイクロメートル〜200マイクロメートル、より好ましくは70〜180マイクロメートル、更により好ましくは75〜150マイクロメートル、及びこれらの組み合わせである。
【0115】
別の態様では、水溶性フィルムゾーン(乾燥状態)は、約2マイクロメートル〜約200マイクロメートル、好ましくは50マイクロメートル〜約175マイクロメートル、より好ましくは約75〜約170マイクロメートルの合計厚さを有する。一態様では、乾燥状態の水溶性フィルムゾーンは、約5マイクロメートル〜約50マイクロメートル、又は約15マイクロメートル〜約30マイクロメートルの厚さを有する。
【0116】
一態様では、感圧接着剤ゾーンは、典型的には、約5マイクロメートル〜約350マイクロメートル、代替的な態様では、約10マイクロメートル〜約120マイクロメートルの範囲の平均厚さを有する。
【0117】
一態様では、本明細書の製品の典型的な坪量は、約40〜約190gsm、例えば約45gsm〜約170gsm、及び/又は約50gsm〜約140gsmの範囲である。
【0118】
連続的又は非連続的なゾーン
感圧接着剤ゾーン及び水溶性フィルムゾーンは、連続的又は非連続的なパターンを含むように、連続的又は非連続的であってもよい。一態様では、接着剤ゾーン及び可溶性フィルムゾーンは、両方とも連続的であってもよい。いくつかの態様では、接着剤ゾーン及び可溶性フィルムゾーンの一部分は連続的であり、別の部分は非連続的であってもよい。可溶性フィルムゾーン及び接着剤ゾーンを非連続的なパターンで裏材層に適用することによって、製品及び接着剤ゾーンの皮膚に面する表面の一部分が皮膚に露出して保持されて、感圧接着剤を介して皮膚への十分な接着を可能にする。一態様では、可溶性フィルムゾーンは、接着剤ゾーン若しくは製品の皮膚に面する表面積の約1%〜約99%、又は接着剤ゾーン若しくは製品の皮膚に面する表面積の約10%〜約90%、及び/又は約20%〜約80%を覆うように、接着剤ゾーンに適用されるべきである。
【0119】
一態様では、感圧接着剤ゾーンは、接着剤を含まない非連続的な区域のパターンを画定するパターンで裏材層に適用され、可溶性フィルムゾーンは、裏材層の接着剤を含まない区域に適用される。別の態様では、感圧接着剤ゾーンは、一連の列又はストライプで裏材層に適用されて、ストライプ又は列である隣接する接着剤を含まない区域のパターンを画定し、可溶性フィルムゾーンは、裏材層の接着剤を含まない区域/ストライプに適用される。
【0120】
可溶性フィルムゾーンは、規則的なパターン、ランダムなパターン、及びこれらの組み合わせで接着剤ゾーン又は裏材層に適用されてもよい。例えば、可溶性フィルムゾーンは、直線、角度が付けられた線、曲線、交差線、ドット、円形、及び幾何学的形状、非晶質形状など、又はこれらの要素の組み合わせなどの、要素の規則的又はランダムなパターンのいずれかで構成されてもよい。
【0121】
製品のサイズ及び形状
製品は、ヒトの顔若しくはその一部、脚、手、腕、足、又はヒトの胴体であり得る皮膚の所望の標的区域になじむように適応したサイズ及び形状であり得る。それらは一般に、外観が平坦である。
【0122】
製品の厳密な寸法及び形状は、使用意図及び製品特徴に依存するであろう。本明細書の製品は、例えば、正方形、円形、半円形、矩形、三角形、楕円形、環状、三日月形、丸みを帯びた角部を有する三日月形、涙滴形、又は他のより複雑かつ不規則な形状であり得る。バリアパッチの形状は、ヒトの顔の額、口周囲、及び/又は眼窩周囲区域の輪郭になじむ円形、正方形、矩形、三角形、及び/又は不規則な形状からなる群から選択されてもよい。
【0123】
ある特定の他の態様では、製品は、額、涙袋区域、及び眼の周りの目尻のしわ区域と組み合わせた涙袋区域などの、顔の異なる区域を処置するためのサイズ及び形状を備える。したがって、製品のサイズは、処置される皮膚の標的区域のサイズによって決定され得る。したがって、製品は、顔又は皮膚の標的区域にフィットするように成形され、表面積は、約0.25cm〜約50cm、及び/又は約1cm〜約30cm、及び/又は約1cm〜約20cm、及び/又は約1cm〜約15cm、及び/又は約5cm〜約15cmの範囲であり得る。表面積とは、表面、すなわち、存在する任意の表面テクスチャを無視して、同じ境界を有する平面のものを指す。
【0124】
WVTR
一態様によれば、裏材層又はバリアパッチは、約1g/m/24時間〜約500g/m/24時間のWTVR値を有し、別の態様では、約1g/m/24時間〜約250g/m/24時間、及び/又は約1g/m/24時間〜約180g/m/24時間、及び/又は約2mg/24時間〜約150g/m/24時間、及び/又は約2〜約20g/m/24時間のWVTRを有する。用語WTVRは、「水蒸気透過率」、すなわち、ある特定の期間中に単位面積当たりに通過することができる蒸気の量を表す。
【0125】
ある特定の態様での裏材層又はバリアパッチは、非多孔質であるか又は水を透過しない。ある特定の他の態様では、多層バリアパッチ又は裏材層は、用いられる化粧品組成物、可溶性フィルムゾーン、スキンケア活性剤、及び流体を透過せず、WVTRが、約2〜約100g/m/24時間である。理論に束縛されるものではないが、ケラチン組織及び皮膚と接触している間に可溶性フィルム又は化粧品組成物からの水分の損失を最小限に抑える裏材層又はバリアパッチを使用することにより、水和した水溶性フィルムゾーン又は化粧品組成物が乾燥することを防止する。この乾燥は、皮膚への有効性の低減若しくは損失、及び/又は刺激をもたらし得る。
【0126】
バリアパッチのそのような相対的な水不透過性及びより低い水蒸気透過性は、化粧品組成物の有効性及び効率を増大することができる。例えば、理論に束縛されるものではないが、用いられるバリアパッチの相対的な水不透過性及びより低い蒸気透過性は、スキンケア活性剤の皮膚への浸透を向上又は増大させるように機能し得る。
【0127】
ある特定の態様では、裏材層又はバリアパッチは、例えば、穿孔されたポリオレフィンフィルムからなり得、孔のサイズが、空気及び蒸気が通過し得るが液体分子は通過しないように選択されている。そのようなフィルムの一例は、米国特許第5,628,737号に記載の、及び/又は例えば欧州特許第A−0238200号に記載のマイクロ多孔質プラスチックフィルムである。しかしながら、これらの積層体及びフィルムは、比較的高いWVTR及びより高いレベルの通気性に起因して、本明細書では好ましくない。
【0128】
剥離層
本明細書の製品は、製品の感圧接着剤又は可溶性フィルムゾーンの消費者に面する側面に取り外し可能に取り付けられた保護剥離層を、任意選択的に更に含み得る。剥離層は、感圧接着剤ゾーン及び/又は可溶性フィルムゾーンに、環境からの保護、及びユーザによって適用される前の保護を提供する。
【0129】
保護剥離層は、ポリオレフィン、例えばポリプロピレン(層状二軸配向ポリプロピレン(stratified biaxially oriented polypropylene、SBOPP)を含む)、ポリエチレン(LDPE、LLDPE、HDPE、メタロセンを含む)、又はポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、及びこれらの組み合わせなどのポリマー樹脂を含む材料を含み得る。使用され得る代替的な材料としては、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、アセチル、アクリロニトリルブタジエンスチレン、アクリル系、アクリロニトリルスチレンアクリレート、エチレンビニルアルコール、エチレンビニルアセテート、ナイロン、ラテックス、天然又は合成コム、ポリカーボネート、ポリスチレン、シリコーン又は熱可塑性エラストマー、熱可塑性硬化ゴム(vulcanate)、又は当該材料のコポリマー、及びこれらの組み合わせが挙げられる。適切な場合、保護剥離層は、1又は複数の積層物、多様な層の組み合わせを含んでもよい。一態様では、保護剥離層は、非粘着性材料のコーティングを含み得る。例示的な非粘着性コーティングとしては、ワックス、シリコーン、テフロン(登録商標)などのフルオロポリマー、及びフルオロシリコーンが挙げられる。
【0130】
一態様では、保護剥離層は、バリアパッチをコーティングする感圧接着剤ゾーンの前述の区域全体を覆う。別の態様では、保護剥離層は水を透過しない。更なる態様では、剥離層は、少なくとも約50マイクロメートル、又は少なくとも約85マイクロメートル、又は約50マイクロメートル〜約150マイクロメートル、及び/又は約90マイクロメートル〜約120マイクロメートルの平均厚さを有する。
【0131】
剥離層は、任意選択的に、感圧接着剤ゾーンを越えて全体又は一部に延在して、剥離層の容易な除去に役立つ除去タブを提供してもよい。
【0132】
化粧品組成物
皮膚活性剤
一態様では、製品は、皮膚の標的区域に送達される有効量の皮膚活性剤を提供する。別の態様では、製品は、約0.5mg/cm2〜約3mg/cm2、及び/又は約1mg/cm2〜約2mg/cm2の化粧品組成物を皮膚の標的区域に提供する。一態様では、及び理論に束縛されるものではないが、適切な量の化粧品組成物の使用は、化粧品組成物と感圧接着剤との相互作用を最小限に抑えるであろう。本発明の組成物は、スキンケア製品の使用に特徴的な特定のスキンケア効果を提供する皮膚活性剤を含み得る。スキンケア効果は、皮膚の外観又はメークアップに関係する効果を含み得る。皮膚活性剤は、短期的(即時かつ短時間持続する)効果又は長期的(長期かつ、より長時間持続する)効果を提供し得る。
【0133】
本明細書で使用するとき、用語「皮膚有効成分」は、皮膚への適用区域に化粧及び/又は治療効果をもたらす活性成分を意味する。本明細書において有用な皮膚活性剤としては、皮膚美白剤、抗ニキビ剤、皮膚軟化剤、非ステロイド性抗炎症剤、局所麻酔剤、人工日焼け剤、抗菌及び抗真菌活性物質、皮膚鎮静剤、日焼け止め剤、皮膚バリア修復剤、抗しわ剤、抗皮膚萎縮活性物質、脂質、皮脂抑制剤、皮脂抑制剤、皮膚感覚剤、プロテアーゼ阻害剤、かゆみ止め剤、落屑酵素向上剤、抗グリケーション剤、オムツかぶれ剤、抗湿疹剤、植物性薬品、及びこれらの混合物が挙げられる。含まれるときには、本組成物は、安全かつ有効量の、及び/又は約0.0001%〜約20%の皮膚活性剤、別の態様では、約0.01%〜約10%の少なくとも1の皮膚活性剤を含む。
【0134】
化粧品組成物は、約0.00001〜約10%重量%、又は約0.01〜約8重量%、又は約0.05〜約5重量%の植物性活性物質を含んでもよい。本明細書では、「植物性薬品」とは、植物の物質、抽出物又は誘導物を意味し、また「ハーブ」としても記載され得る。植物性薬品は、エキセシア、ユッカグラウカ、ヤナギソウ、バジルの葉、トルコオレガノ、ニンジンの根、グレープフルーツ果実、ウイキョウ果実、ローズマリー、タイム、ブルーベリー、ベルペパー、紅茶、ブラックベリー、クロスグリ果実、中国茶、コーヒー種子、タンポポの根、ナツメヤシ果実、イチョウの葉、緑茶ポリフェノール(例えば、エピカテキンガレート及びエピガロカテキン3−O−ガレート)、サンザシの実、リコリス、烏龍茶、セージ、イチゴ、エンドウマメ、トマト、バニラ果実、ネオヘスペリジン、ケルセチン、ルチン、モリン、ミリセチン、クロロゲン酸、グルタチオン、グリチルリチン、アブサン、アルニカ、ツボクサ、カモミール、コンフリー、ヤグルマギク、セイヨウトチノキ、ツタ(セイヨウキヅタ)、マグノリア、ミモザ、オート麦抽出物、パンジー(pansey)、タツナミソウ(scullcap)、シーバックソーン、オドリコソウ、アメリカマンサク、及びこれらの任意の組み合わせから抽出された材料を含む、特定の植物からの抽出された水溶性又は油溶性の活性材料が挙げられ得る。
【0135】
皮膚活性剤の種類及び量は、特定の薬剤の包含が組成物の安定性に影響を与えないように選択される。例えば、水相に可溶な量で親水性薬剤を組み込むことができる一方で、油相に可溶な量で親油性薬剤を組み込むことができる。
【0136】
本発明で用いる、表情線の緩和効果を呈すると言われている他の皮膚活性剤としては、Barnet Products Corporationから入手可能なLavandox;BiotechMarineから入手可能なThallasine 2;Lipotecから入手可能なArgireline NP;Gattefosseから入手可能なGatuline In−Tense及びGatuline Expression;BASF Chemical CompanyからのMyoxinol LS 9736、DSM Nutritional Products,Inc.から入手可能なSyn−ake;及びSilab,Incから入手可能なInstensyl(登録商標);Seppic Inc.から入手可能なSesaflash(商標)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0137】
本明細書において有用な皮膚美白剤は、処置前と比較したときに色素過剰を改善する活性成分を指す。本明細書において有用な皮膚美白剤としては、アスコルビン酸化合物、ビタミンB化合物、アゼライン酸、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸及びその誘導体、グリチルリチン酸、ヒドロキノン、コウジ酸、アルブチン、クワ抽出物、及びこれらの混合物が挙げられる。皮膚美白剤の組み合わせの使用は、それらが異なる機序により皮膚美白効果をもたらすことができるという点で有利であると考えられる。
【0138】
本明細書において有用なアスコルビン酸化合物としては、本質的にL型のアスコルビン酸、アスコルビン酸塩、及びそれらの誘導体が挙げられる。本明細書において有用なアスコルビン酸塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、アンモニウム、及びプロタミンの塩が挙げられる。本明細書で有用なアスコルビン酸誘導体としては、例えばアスコルビン酸のエステル、及びアスコルビン酸のエステル塩が挙げられる。特に好ましいアスコルビン酸化合物としては、アスコルビン酸とグルコースのエステルであり、通常はL−アスコルビン酸2−グルコシド又はアスコルビルグルコシド及びその金属塩と称される2−o−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸、並びにリン酸アスコルビルナトリウム、リン酸アスコルビルカリウム、リン酸アスコルビルマグネシウム、及びリン酸アスコルビルカルシウムのようなL−アスコルビン酸リン酸エステル塩が挙げられる。市販のアスコルビン酸化合物としては、Showa Denkoから入手可能なリン酸アスコルビルマグネシウム、Hayashibaraから入手可能な2−o−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸、及びRocheから入手可能な商標名STAY Cを有するナトリウムL−リン酸アスコルビルが挙げられる。
【0139】
本明細書で有用なビタミンB化合物としては、例えば、次式を有するものが挙げられる。
【0140】
【化1】
式中、Rが−CONH(例えばナイアシンアミド)、又は−CHOH(例えばニコチニルアルコール)、これらの誘導体、及びこれらの塩である。前述のビタミンB化合物の代表的な誘導体としてはニコチン酸エステルが挙げられ、ニコチン酸の非血管拡張性エステル、ニコチニルアミノ酸、カルボン酸のニコチニルアルコールエステル、ニコチン酸N−オキシド、及びナイアシンアミドN−オキシドが含まれる。好ましいビタミンB化合物は、ナイアシンアミド及びニコチン酸トコフェロールであり、別の態様ではナイアシンアミドである。好ましい態様では、ビタミンB化合物は限られた量の塩の形態を含有し、より好ましくはビタミンB化合物の塩を実質的に含まない。好ましくは、ビタミンB化合物は、約50%未満でそのような塩を含有し、より好ましくは塩の形態を実質的に含まない。市販のビタミンB化合物で、本明細書において非常に有用なものとしては、Reillyから入手可能なナイアシンアミドUSPが挙げられる。
【0141】
本明細書で有用な他の疎水性皮膚美白剤としては、アスコルビルテトライソプレパルミテート(例えば、Nikko Chemicalから入手可能なVC−IP)、アスコルビルパルミテート(例えば、Roche Vitaminsから入手可能)、アスコルビルジパルミテート(例えば、Nikko Chemicalから入手可能なNIKKOL CP)などのアスコルビン酸誘導体;ウンデシレノイルフェニルアラニン(例えば、Seppicから入手可能なSEPIWHITE MSH);オクタデセン二酸(例えば、Uniquemaから入手可能なARLATONE DIOIC DCA);メマツヨイグサ種子抽出物、並びにナシリンゴ(pyrus malus)(リンゴ)果実抽出物、水及びMyritol 318及びブチレングリコール及びトコフェロール及びスコルビルテトライソパルミテート及びパラベン及びCarbopol 980、並びにCOLETICAから入手可能なDNA/SMARTVECTOR UV、COLETICAから入手可能なヒアルロン酸充填球中のリン酸アスコルビルマグネシウム、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0142】
本明細書において有用な他の皮膚活性剤としては、N−アセチルD−グルコサミン、パンテノール(例えば、Alps Pharmaceutical Inc.から入手可能なDLパンテノール)、トコフェリルニコチネート、過酸化ベンゾイル、3−ヒドロキシ安息香酸、フラボノイド(例えば、フラバノン、カルコン)、ファルネソール、フィタントリオール、グリコール酸、乳酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アセチルサリチル酸、2−ヒドロキシブタン酸、2−ヒドロキシペンタン酸、2−ヒドロキシヘキサン酸、シス−レチノイン酸、トランス−レチノイン酸、レチノール、レチニルエステル(例えば、レチニルプロピオネート)、フィチン酸、N−アセチル−L−システイン、リポ酸、トコフェロール及びそのエステル(例えば、トコフェロールアセテート:Eisaiから入手可能なDL−α−トコフェリルアセテート)、アゼライン酸、アラキドン酸、テトラサイクリン、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、ヒドロコルチゾン、アセトミノフェン、レゾルシノール、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェノキシイソプロパノール、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリクロロカルバニリド、オクトピロックス、塩酸リドカイン、クロトリマゾール、ミコナゾール、ケトコナゾール、硫酸ネオマイシン、テオフィリン、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。
【0143】
様々な態様での本発明の組成物は、N−アシルアミノ酸化合物を含み得る。好適なN−アシルアミノ酸化合物としては、N−アシルフェニルアラニン、N−アシルチロシン、これらのD及びL異性体を含むこれらの異性体、塩類、誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適なN−アシルアミノ酸の例は、商品名SEPIWHITE(登録商標)としてSeppic(フランス)から市販されているN−ウンデシレノイル−L−フェニルアラニンである。
【0144】
スキンケア剤は、米国特許出願公開第2007/0020220(A1)号(2007年1月25日公開)にも開示されており、構成成分/成分は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0145】
化粧品組成物は、1又は複数のペプチドを含んでもよい。本明細書で、「ペプチド」とは、10個以下のアミノ酸を含有するペプチド、その誘導体、異性体、及び金属イオン(例えば、銅、亜鉛、マンガン及びマグネシウム)のような他の種との錯体を指す。本明細書で使用するとき、ペプチドはまた、天然起源ペプチド及び合成ペプチドの両方を指す。一態様では、ペプチドは、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−、及びヘキサ−ペプチド、これらの塩、異性体、誘導体、並びにこれらの混合物である。有用なペプチド誘導体の例としては、大豆タンパク質から誘導されたペプチド、パルミトイル−リジン−トレオニン(pal−KT)、及びパルミトイル−リジン−トレオニン−トレオニン−リジン−セリン(pal−KTTKS、MATRIXYL(登録商標)として知られている組成物中で入手可能))、パルミトイル−グリシン−グルタミン−プロリン−アルギニン(pal−GQPR、RIGIN(登録商標)として知られている組成物中で入手可能)、これら3つはSederma(フランス)から入手可能であり、並びにCu−ヒスチジン−グリシン−グリシン(Cu−HGG、IAMIN(登録商標)としても知られている)が挙げられるが、これらに限定されない。様々な態様では、化粧品組成物は、約1×10−7%〜約20%、あるいは約1×10−6%〜約10%、あるいは約1×10−5%〜約5%のペプチドを含んでもよい。
【0146】
一態様では、皮膚活性剤はナイアシンアミドである。一態様では、薬剤は、ナイアシンアミド、グリセリン、トコフェロールアセテート、及びD−パンテノールの組み合わせである。ナイアシンアミドは、組成物中に、約1%〜約30重量%、別の態様では約2%〜約28重量%、別の態様では約5%〜約25重量%、別の態様では約10%〜約20重量%の量で含まれてもよい。D−パンテノールが含まれる場合、約0.5%〜約5重量%、又は約0.5%〜約3重量%、及び/又は約0.5%〜約2重量%の量で存在してもよい。グリセリンは、約6%〜約20重量%、及び/又は約8%〜約15重量%、及び/又は約10%〜約15重量%の量で活性物質として含まれてもよい。
【0147】
様々な態様では、皮膚活性剤は、単独のナイアシンアミド、又はパルミトイル−リジン−トレオニン、パルミトイル−リジン−トレオニン−トレオニン−リジン−セリン、N−ウンデシル−10−エノイル−Lフェニルアラニン、レチニルプロピオネート、N−アセチルグルコサミン、ビタミンC、トレチノイン、サリチル酸、安息香酸、過酸化ベンゾイル、トレチノイン、及びこれらの組み合わせのうちの1又は複数と組み合わせたものから選択される。
【0148】
一態様では、本明細書の化粧品組成物は、水性溶液、又は水中油型エマルション、油中水型エマルション、又は水性若しくは油性の外相を有する多様なエマルションなどのエマルションであり得る。別の態様では、本明細書の化粧品組成物は、水中油型エマルションである。
【0149】
感圧接着剤との負の相互作用を回避するための一態様では、化粧品組成物又は水溶性フィルムゾーンは、約0.5%〜約10%、及び/若しくは約1%〜約5%のみの低レベルのシリコーンを含み、並びに/又は化粧品組成物は実質的にシリコーンを含まない。本明細書で使用するとき、「シリコーン」とは、2007年1月25日にOsborneに発行の米国特許出願公開第2007/0020220(A1)号、例えば段落[0226]〜[0258]に開示の、それらのシリコーンを指し得る。
【0150】
一態様では、化粧品組成物は、除毛剤を実質的に含まない。
【0151】
化粧品組成物又は水溶性フィルムゾーンは、ヒトの顔の皮膚上の小じわ及び/若しくはしわの外観を低減又は減少させるのに有効な薬剤、又は既存のニキビ痕を処置する、ニキビ痕に関連する発赤を低減する、並びに/又はニキビ痕の形成から保護するのに有効な薬剤などの、皮膚の視覚的又は審美的外観を改善する活性を有する有効量の皮膚活性剤を含んでもよい。
【0152】
別の態様では、有効量の皮膚活性剤を含む、皮膚の標的区域に製品を適用することを含む、皮膚を処置する方法が提供される。
【0153】
本明細書に開示の処置、適用、調節、又は改善の方法は、前述の製品及び/又は多層バリアパッチを利用することができる。本製品の適用は、身体の皮膚表面の任意の標的区域に行うことができる。最も関係のある皮膚表面は、顔の皮膚表面、手及び腕の皮膚表面、足及び脚の皮膚表面、並びに頸部及び胸部の皮膚表面(例えば胸元)などの、通常は衣類によって覆われない皮膚表面である傾向がある。特に、額、口周囲、顎、眼窩周囲、鼻、及び/又は頬の皮膚表面を含む顔の皮膚表面上に適用し得る。
【0154】
製品を皮膚の標的区域に適用する行程は、標的区域、例えば、しわを含有する区域への局所的な適用によって行われてもよい。適用に関して、用語「局所的な」、「局所」又は「局所的に」とは、処置の必要のない皮膚表面への送達を最小限に抑えながら、組成物を皮膚の標的区域(しわを含有する皮膚の区域など)に送達することを意味する。
【0155】
本発明の1又は複数の製品は、これらの顔の皮膚領域内のしわの外観を低減するために、1又は複数の顔の皮膚表面に広く適用することができる。
【0156】
本明細書の皮膚を処置する方法は、任意選択的に、クレンジング行程で開始してもよい。消費者は、好適なクレンザー(例えば、Olay Purifying Mud Lathering Cleanser、The Procter & Gamble Company(Cincinnati,OH)から入手可能)を用いて顔を洗浄し、優しく皮膚を乾かしてもよい。
【0157】
製品は、額、口周囲、顎、眼窩周囲、鼻、頬、皮膚表面、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される皮膚の少なくとも1の標的部分に適用されてもよい。製品は、処置期間の間、皮膚の標的部分に適用されてもよい。処置期間は、少なくとも4週間の間少なくとも1日1回を含み得、好ましくは少なくとも4週間の間少なくとも1日2回、より好ましくは少なくとも8週間の間少なくとも1日1回、及びより好ましくは少なくとも8週間の間少なくとも1日2回の適用を含み得、好ましくは処置期間の長さは、少なくとも2週間、好ましくは少なくとも4週間、及びより好ましくは少なくとも8週間である。製品は、皮膚から除去する前に、皮膚の標的部分上に約1分間〜約24時間、又は約2時間〜約10時間保持されてもよい。一態様では、皮膚の標的部分は、色素過剰なスポット、しわ、小じわ、乾燥、皮膚のたるみ、及びこれらの組み合わせを含む。
【0158】
試験方法
引張試験/弾性率試験方法
引張(弾性率)特性は、測定した力がセルの限界の1%〜99%以内となるロードセルを使用して、コンピュータインターフェースを有する一定速度の伸張引張試験機(好適な計器は、MTS Systems Corp.(Eden Prairie、ミネソタ州)から入手可能な、Testworks 4.0 Softwareを使用したMTS Insightである)で測定する。可動式(上部)及び固定式(下部)固定具の両方に、試験片の幅よりも広い軽量のバイスアクショングリップを装着する。引張試験機には、引張実験全体を通じた試験片の環境を、±0.5℃の精度で23℃〜40℃の設定温度、及び±0.5%の精度で35%〜95%の設定相対湿度に維持することができる、試験片湿度及び温度制御チャンバを装着する。全ての試験は、約23℃±2℃及び約50%±2%の相対湿度で維持された調整室で実行する。
【0159】
初期ゲージ長の調節を実行した後に、伸張試験のために引張試験機をプログラムする。ゲージ長の調節を実行するために、まずクロスヘッド5.0mmを7.5mm/秒の速度で下げて、試験片にたるみを加える。次いで、0.1Nがロードセルで測定されるまで、クロスヘッドを7.5mm/秒で持ち上げ、この時点での目下のゲージを調節したゲージ長として設定する。試験片が破断する、すなわち、その力が最大ピーク力の後に<0.05Nに降下するまで、7.5mm/秒でクロスヘッドを持ち上げ続ける。力及びクロスヘッド移動データは、実験全体を通じて200Hzで収集する。クロスヘッドを元のゲージ長に戻す。
【0160】
少なくとも試験2時間前に、約23℃±2℃及び相対湿度約50%±2%で試料を調整する。試料の機械方向(machine direction、MD)及び横断方向(cross direction、CD)を決定する。JDCカッター(Thwing−Albertから入手可能)又は他の適切な手段を使用して、長さ80mm×幅25.4±0.1mmの18個の試験片を横断方向に切断する。次に、長さ80mm×幅25.4±0.1mmの18個の試験片を機械方向に切断する。0.69kPaの圧力を適用する直径25mmの脚部を装着したデジタル線状キャリパ(例えば、Ono Sokki GS−503又は同等物)を使用して、各試験片のキャリパを測定する。アンビル基部に対してキャリパ脚部をゼロ点規正する。脚部を持ち上げ、試験片の幅が圧力脚部の真下が中心となるようにアンビル基部に対して試験片を平らに置き、しわ、折り目、又は明白なきずを回避して、試験片上に約5mm/秒で脚部を下げる。試験片上に脚部を静置した5.0秒後に、キャリパ(mm)を読み取り、四捨五入した0.01mm単位で記録する。各試験片の断面積を、試験片の幅にキャリパを乗じたものとして計算し、0.01mm単位で記録する。
【0161】
初期ゲージ長を75.0mmに正確に設定し、クロスヘッド及びロードセルをゼロ点規正する。試験片を上部グリップに挿入し、それを上部グリップ及び下部グリップ内で垂直に整列させ、上部グリップを閉じ、締める。試験片の反対側の端部を下部グリップに挿入し、締める。試験片は、ロードセルで測定された0.1N未満の力で最小限のたるみを有するべきである。環境チャンバを封止し、温度及び湿度を設定目標値に到達させ、次いで試験前にこれらの条件を10分間維持する。試験プログラムを開始する。
【0162】
力(N)に対して伸張(mm)曲線をプロットする。本明細書での伸張は、調節されたゲージ長に対して補正された移動長さである。最大ピーク力を読み取り、記録し、四捨五入した0.1N単位で報告する。伸張開始から破断時の最終伸張までの間の曲線下面積として、破断エネルギーを計算する。四捨五入した0.01Nmm単位で記録する。
【0163】
力(N)及び伸張データ(mm)を使用して、工学応力(MPa)に対する工学応力曲線を構築する。本明細書では、工学応力sは、力(N)を試験片の初期断面積(mm)で割ったものとして定義する。工学ひずみeは、(調節されたゲージ長からの)長さの変化を調節されたゲージ長で割ったものである。曲線から、曲線の最大応力として破損応力(MPa)を読み取り、四捨五入した0.01MPa単位で記録する。曲線から、セグメントの長さに0.01mm/mmのひずみ増分を組み込んで、10%ひずみの前の曲線の線形セグメントの最大勾配として弾性率(MPa)を計算する。四捨五入した0.01MPa単位で記録する。
【0164】
以下の標的環境条件の各々において、3つの複製CD及び3つの複製MD試験片について分析を実行する。
【0165】
【表2】
【0166】
各環境条件における3つの複製CDの結果の算術平均を計算する。各環境条件における3つの複製MDの結果の算術平均を別個に計算し、環境条件の各々について、四捨五入した0.1MPa単位で弾性率、四捨五入した0.1MPa単位での破損応力、四捨五入した0.01N単位でピーク力、及び四捨五入した0.1Nmm単位で破断エネルギーを報告する。初期弾性率は、25℃、40%RHでの弾性率として決定する。37℃、75%RHを、25℃、40%RHと比較することによって、又は37℃、90%RHを、25℃、40%RHと比較することによって、弾性率降下/低下を計算する。
【0167】
【数1】
【0168】
重量取得百分率
一態様では、可溶性フィルムゾーン又は製品が低水分環境に曝されると、及び/又は本明細書に記載されるように皮膚上に遮蔽されると(例えば、必要な低WVTRを有する裏材層を使用することによって)、重量変化を有する。この重量変化を定量化するために、以下の方法を使用する。水溶性フィルムゾーンの重量変化を概算するために、水溶性フィルム形成ポリマーから作製された水溶性フィルムもまた、本方法で使用され得る。
【0169】
底部にグリッドトレーを収容するスクリューキャップを備えた12,4オンスのガラスジャー、及びグリッドトレー上に懸架された秤量ボートを提供する。1〜12の番号でジャーにラベルを付ける。秤量ボートの下に塩化カリウムの飽和水溶液を提供して、85%のチャンバ湿度の周囲条件を作る。フィルム/製品を3/4インチ×3/4インチの試料に切断する。次いで、試料をジャーの各々及び秤量ボートに加える。ボート内に試料を有する秤量ボートの各々を秤量する。これは初期重量である。
【0170】
試料をジャーに加えた後、#1のジャーで開始して、時間計測を開始する。以下に概説される特定の時間間隔で、指定されたジャーから試料及び秤量ボートを取り出し(#1で開始)、試料及び秤量ボートを一緒に秤量する。これは、後の重量である。次いで、重量取得%を計算する。
【0171】
【数2】
試料#/時間間隔:
1/10分
2/20分
3/30分
4/40分
5/50分
6/1時間
7/2時間
8/3時間
9/4時間
10/5時間
11/6時間
12/24時間
【0172】
試料の各々を3回測定し、次いで平均する。1時間、6時間、及び24時間の試料の平均値を記録する。
【0173】
WVTR
バリアパッチ又は裏材層のWVTRは、ASTM F1249 13に従って、37℃及び35%RHで測定する。試料は、ASTM F1249を使用して、MOCON Permatran−W 3/33水蒸気透過性機器で分析してもよい。より高いWVTRを有する試料(例えば、およそ300g/m/24時間〜500g/m/24時間)では、ASTM E−96に従って、乾燥剤を試験カップ内に入れ、35%のカップの外部周辺RHで、試料を分析してもよい。バリアパッチの試料を調製し、試料は感圧接着剤を含まない。
【0174】
秤量
以下のとおり坪量を計算する。試料調製:TAPPI条件(50%RH、23℃)で100時間、試料を平衡化した。JDC 1インチストリップカッターを使用して、試料を25.4mm幅のストリップに切断する。ゲージブロックを使用して、試料を長さ80mmに切断する。4つの位置で分析天秤を使用して、各試料を秤量する。質量を面積=25.4mm×80mm=2032mm=0.002032メートルで、天秤上で測定した試料質量/面積として、坪量を計算する。坪量は、グラム/メートルの単位で報告する。
【0175】
キャリパ/厚さ
厚さ測定は、典型的には既知の圧力(0.1psi)でパッドキャリパ及びゲージセンサを使用する、ASTM D5729を使用して実行してもよい。www.WorldofTest.comから入手可能なQualitest Thickness Tester、モデルCHY−C2を使用してもよい。
【0176】
溶解方法
水溶性フィルムを、21℃(+/−1.5℃)及び相対湿度50%(相対湿度+1〜1.5%)で24時間劣化させる。水溶性フィルム試料の3つの試験片を、3.8cm×3.2cmのサイズに切断する。各試料片を別個の35mmスライド台に固定する。500mLの蒸留水で好適なビーカーを充填し、20℃の一定温度を維持する。水のカラムの高さにマークを付ける。磁気撹拌器の上にビーカーを置き、ビーカーに磁気撹拌棒を加え、撹拌器のスイッチを入れ、水カラムの高さのおよそ5分の1の渦が出現するまで撹拌速度を調節する。渦の深さをマークする。スライド台の長い端部が水表面に平行であるように、スライド台ホルダーのワニ口クランプに35mmスライド台を固定する。水に浸けたときに、クランプの末端部が水の表面の0.6cm下になるように、ホルダーの深さ調節器を設定すべきである。スライド台の短辺のうちの1は、フィルム表面が水の流れに対して垂直であるように、他方が撹拌棒の中心の真上に位置してビーカーの側面の隣にあるべきである。1回の動作で、固定されたスライド及びクランプを水中に下ろし、タイマを起動させる。全ての目に見えるフィルムがスライド台から剥離したら、未溶解のフィルムの断片に関して溶液を引き続きモニターしながら、スライドを水から持ち上げる。各試料について、各試料の全てのフィルム断片が肉眼でもはや目で見えず、溶液が透明になったときの時間を記録する。3つの試料の時間値を平均し、平均時間が15分以下である場合、試料は水溶性フィルムであるとする。
【実施例】
【0177】
以下は、本発明の製品及び方法の非限定的な実施例である。これらの実施例は、単に説明のために示すものであり、本発明を限定するものと解釈すべきでなく、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく多くの改変が可能であり、当業者にはこれらのことが理解されよう。
【0178】
実施例においては、別途記載のない限り、全ての濃度は重量%として掲載されており、希釈剤、充填剤などの微量の物質は除外され得る。そのため、掲載した処方は、掲載した成分及びそのような成分に関連するいかなる微量物質をも含む。当業者にとって明白なように、このような微量成分の選択は、本明細書に記載したように本発明を作るために選択した特定成分の物理的及び化学的特質によって変わる。
【0179】
A.美容ケア製品の調製:
以下の配合及び手順を使用する。
【0180】
【表3】
BASFより入手可能。
BASFより入手可能。
BASFより入手可能。
【0181】
溶液Aの成分を混合し、撹拌しながら80℃に加熱する。次いで、溶液Bの成分を小さなビーカーに入れ、溶液が透明になるまで撹拌して、Sepiwhite MSHを脱プロトン化して水に溶解させる。次に、撹拌しながら、溶液Cの成分を80℃に加熱する。
【0182】
素早く攪拌しながら、溶液Bを溶液Cにゆっくりと10分間添加する。次いで、素早く撹拌しながら、80℃で溶液Aを15分かけてゆっくりと添加し、30分間撹拌し、次いで手持ちミルを用いて80℃で2分間粉砕する。溶液を撹拌し、RTまで冷却する。RTになったら、溶液をジャーに入れ、ラベルを付ける。96時間後、溶液は分離がなく安定であり、固体形成はない。
【0183】
上記のエマルションを得て、(ポリマー溶液対エマルションの)60:40の比で、水との20%溶液のMethocel E5LVの水溶性ポリマー溶液とエマルションとを混合する。次いで、Gardo Draw Downテーブル及び#44 Draw Downバーを使用して、フィルムを転写シート上にキャストする。Methocel E5LVは、Dow/Coloron LTD.から入手可能な低粘度の水溶性セルロースエーテルである。
【0184】
裏材及び接着剤層
2015年11月19日出願の米国仮特許出願第62/257,341号の試料3に従った裏材層が、提供される。具体的には、試料3は、発泡性コア層及び非発泡性外層を有する3層フィルムである。全ての層はEVAで作製される。外側層は、各々およそ20μmの厚さを有し、コア発泡性層はおよそ130μmの厚さを有する。裏材層の合計厚さは、およそ170μmである。坪量は約99gsmであり、WVTRは82g/m/24時間である。裏材層は、第1の表面を有する。あるいは、裏材層は、低密度ポリエチレンフィルム又はEVAの非発泡性積層体を含んでもよい。裏材層又はバリアパッチはまた、厚さおよそ3ミルのポリエチレンフィルムの裏材、及び厚さ1.4ミルの低刺激性感圧アクリレート接着剤層を有する、3M(St.Paul、Minn)から入手可能な商品名3M 1525Lで販売されている(剥離層を含まない)、ポリエチレンフィルムを含んでもよい。
【0185】
(裏材層に接着剤がまだ存在しない場合)例えば、Henkelから入手可能なTECHNOMELT(登録商標)及びDERMA TAK(登録商標)ブランド(例えば、TECHNOMELT PSM 154A DERMA−TAK(登録商標)などの感圧接着剤を、裏材層の第1の表面上に約50g/m〜約160g/m、又は具体的には約95g/mの坪量でスロットコーティングする。感圧接着剤を、裏材層の第1の表面にわたって連続層としてスロットコーティングする。
【0186】
感圧接着剤のコーティングが完了した後、転写シートの可溶性フィルム側を感圧接着剤の上面と接触させることによって、感圧接着剤層/ゾーンの上面を、皮膚活性剤を含む上記の可溶性フィルムでコーティングする。可溶性フィルムは、感圧接着剤層/ゾーンの上(外)面上の非連続的な層としてコーティングされる。可溶性フィルムは、約30g/m〜約200g/mのコーティング坪量を有する。
【0187】
バリアパッチのアセンブリはまた、各々2015年11月19日出願の、譲渡人Procter&Gamble、米国特許第62/257,341号、同第62/257,347号、及び同第62/257,351号に記載の方法によって達成され得る。
【0188】
例示的な製品、例えば上記の実施例の製品は、老化した眼窩周囲の皮膚の処置のために、接着剤側を介して眼窩周囲区域に取り付けられる。製品を、およそ7〜8時間、例えば一晩、長期間適用及び着用し、その後除去する。本明細書の製品は、角質層及び/又は表皮の他の層への、並びに多くの態様では、肌の基底層及び/又は真皮への皮膚活性剤の浸透を達成する様式で、有効量の皮膚活性剤を送達する。
【0189】
本明細書で開示する寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限られるとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0190】
相互参照される又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全容が本願に援用される。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(複数可)と組み合わせたときに、そのような発明全てを教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0191】
本発明の特定の態様について説明し記載してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8