特許第6974928号(P6974928)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6974928
(24)【登録日】2021年11月9日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】コンパクトなシャンプー組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/44 20060101AFI20211118BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20211118BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20211118BHJP
【FI】
   A61K8/44
   A61Q5/02
   A61K8/73
【請求項の数】13
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2020-540702(P2020-540702)
(86)(22)【出願日】2018年10月10日
(65)【公表番号】特表2020-536959(P2020-536959A)
(43)【公表日】2020年12月17日
(86)【国際出願番号】US2018055104
(87)【国際公開番号】WO2019074990
(87)【国際公開日】20190418
【審査請求日】2020年4月8日
(31)【優先権主張番号】62/570,377
(32)【優先日】2017年10月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン シアオチン ソン
(72)【発明者】
【氏名】イオアニス コンスタンティン コンスタンティニデス
【審査官】 松井 一泰
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−091641(JP,A)
【文献】 特開2015−151360(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0232668(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0112879(US,A1)
【文献】 特表2000−513379(JP,A)
【文献】 特表2000−513387(JP,A)
【文献】 特開2014−091723(JP,A)
【文献】 特開2013−151434(JP,A)
【文献】 特開平09−030938(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103356408(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第106750361(CN,A)
【文献】 特開2018−012673(JP,A)
【文献】 特開2013−091642(JP,A)
【文献】 特開2013−010757(JP,A)
【文献】 特表2002−509869(JP,A)
【文献】 特開平07−252134(JP,A)
【文献】 特表2017−537109(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/172406(WO,A1)
【文献】 特表2018−511638(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/172409(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0287503(US,A1)
【文献】 特表2019−532964(JP,A)
【文献】 特表2017−521388(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/084970(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00− 90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ャンプー組成物であって、
a.前記組成物の0.1重量%〜0.5重量%のカチオン性ポリマーと、
b.前記組成物の20重量%〜30重量%の界面活性剤系と
を含み、
前記界面活性剤系が、
i.前記組成物の10重量%〜15重量%のアシルグルタメートと、
ii.前記組成物の5重量%〜15重量%の、イセチオネート、スルホサクシネート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるアニオン性共界面活性剤と
iii.前記組成物の0重量%〜10重量%の、コカミドプロピルベタイン(CAPB)、ラウラミドプロピルベタイン(LAPB)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される双極性共界面活性剤とからなり、
前記シャンプー組成物が、サルフェート系界面活性剤を3重量%以上含まず、
アシルグルタメートの全界面活性剤に対する重量比が、0.33〜0.54である、シャンプー組成物。
【請求項2】
アニオン性界面活性剤の双極性界面活性剤に対する重量比が3:2〜11:1である、請求項1に記載のシャンプー組成物。
【請求項3】
前記シャンプー組成物が、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、アルコール、グリセリン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される減粘剤を3重量%以上含まない、請求項1又は2に記載のシャンプー組成物。
【請求項4】
前記シャンプー組成物が、アクリレートポリマー及びコポリマー、キサンタンガム、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の増粘剤を3重量%以上含まない、請求項1〜のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項5】
前記アシルグルタメートが、ココイルグルタミン酸二ナトリウムを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項6】
前記アニオン性共界面活性剤が、ラウレススルホコハク酸二ナトリウムを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項7】
前記シャンプー組成物が、一定のせん断速度2000s−1及び温度26.5℃で定常状態の流動実験を使用しコーン/プレート粘度測定に従って測定したとき、1mPa.s(1cP)〜3Pa.s(3000cP)の粘度を有する、請求項1〜のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項8】
前記界面活性剤系がサルフェート系界面活性剤を含まない、請求項1〜のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項9】
請求項1〜のいずれか一項に記載のシャンプー組成物を安定化させるための、全界面活性剤に対する重量比が0.55未満のアシルグルタメートの使用。
【請求項10】
毛髪を処理する方法であって、
a.請求項1〜のいずれか一項に記載のシャンプー組成物を前記毛髪に塗布する工程であって、前記シャンプー組成物が適用量の泡としてエアロゾル式フォームディスペンサーから分配される、工程と、
b.前記シャンプー組成物をすすぐ工程と、
含む、方法。
【請求項11】
前記シャンプー組成物が、エアロゾル式ディスペンサーから分配され、シャンプー組成物が、前記組成物の2重量%〜10重量%の噴射剤を更に含み、前記噴射剤が、プロパン;n−ブタン;イソブタン;シクロプロパン;ジクロロジフルオロメタン、1,1−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロ−2,2−トリフルオロエタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロエチレン、1,1−ジフルオロエタン、ジメチルエーテル、モノクロロジフルオロメタン、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、これらの混合物を含むハロゲン化炭化水素;及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記噴射剤が、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記泡が、0.02g/cm3〜0.2g/cm3密度を有する、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャンプー組成物に関する。より具体的には、サルフェート系界面活性剤を実質的に含まず、カチオン性ポリマーを含有する、安定したコンパクトなシャンプー組成物。
【背景技術】
【0002】
一部の消費者は、泡形態のシャンプー組成物を望んでいる。泡の密度が低いことを考慮すると、シャンプー成分は、より高濃度で存在している可能性がある。例えば、コンパクトなシャンプー組成物は、使用中の適切な洗浄及び泡立ちに十分な界面活性剤を送達するために、高濃度の界面活性剤を含有している場合がある。また、コンパクトなシャンプー組成物は、シャンプーを濡れた毛髪にもみこみ(massaged into)、泡立て、及び/又はすすぐときにコアセルベートを形成することによって、十分な湿潤コンディショニング効果及び/又は活性物質の十分な付着をもたらすために、高分子量グアーポリマー及び/又は合成カチオン性ポリマーを含む比較的高濃度のカチオン性ポリマーを含有していてもよい。
【0003】
また、シャンプーには、典型的には、大きな泡体積並びに良好な泡安定性及び洗浄の生成に有効であるため、サルフェート系界面活性剤系が使用される。しかしながら、一部の消費者は、ラウリル硫酸ナトリウム及びラウレス硫酸ナトリウムのようなサルフェート系界面活性剤は、サルフェート系界面活性剤系を実質的に含まない組成物と比較して、毛髪及び皮膚、特に染色された毛髪にとってあまり優しくない可能性があると考えている。
【0004】
したがって、一部の消費者は、サルフェート系界面活性剤系を実質的に含まないシャンプー組成物を好む場合がある。しかしながら、許容可能な泡体積、洗浄、安定性、及び清澄性を有する組成物を処方することが困難であるため、従来の液体シャンプーでこれらの界面活性剤を使用することは困難であり得る。泡体積及び洗浄を改善するために、サルフェートフリーの界面活性剤を含有するシャンプーは、典型的には、同様の有効性を達成するために、サルフェート系界面活性剤を用いたシャンプーよりも多くの界面活性剤を有する。
【0005】
サルフェートフリーの界面活性剤の配合に関する問題は、低粘度のコンパクトな処方を作製する際に深刻化する場合がある。高い界面活性剤濃度、特に高濃度のアシルグルタメート界面活性剤は、特にカチオン性ポリマーの存在下で、製品を不安定にさせる場合がある。例えば、使用前に、サルフェートフリーの界面活性剤は、沈殿する及び/又はカチオン性ポリマーとコアセルベートを形成する場合があり、これによってシャンプーが相分離する。特にエアロゾル式又はポンプ式のフォーマーを介して組成物を分配するために低い製品粘度が望ましいとき、この相分離は望ましくない場合がある。
【0006】
安定化されていない場合、別個の相は、製品の寿命全体にわたって不均一な製品使用又は異なる性能をもたらす。時には、エアロゾル式又は機械式のフォームポンプスクリーンのオリフィスを詰まらせてしまう場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、サルフェート系界面活性剤を実質的に含まないカチオン性ポリマーを含有する相安定性のコンパクトなシャンプー組成物が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
コンパクトで安定なシャンプー組成物であって、(a)当該組成物の約0.05重量%〜約1重量%のカチオン性ポリマーと、b)当該組成物の約20重量%〜約40重量%の界面活性剤系と、を含み、当該界面活性剤系が、(i)当該組成物の約5重量%〜約20重量%のアシルグルタメートと、(ii)当該組成物の約5重量%〜約20重量%の、アニオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される共界面活性剤と、を含み、当該シャンプー組成物が、サルフェート系界面活性剤を実質的に含まず、アシルグルタメートの全界面活性剤に対する重量比が、0.55未満である、シャンプー組成物。
【0009】
コンパクトで安定なシャンプー組成物であって、(a)当該組成物の約0.1重量%〜約0.5重量%のカチオン性ポリマーと、b)当該組成物の約20重量%〜約30重量%の界面活性剤系と、を含み、当該界面活性剤系が、(i)当該組成物の約5重量%〜約15重量%のアシルグルタメートと、(ii)当該組成物の約5〜約15重量%のアニオン性共界面活性剤と、(iii)双極性界面活性剤と、を含み、当該組成物が、当該組成物の約0重量%〜約10重量の双極性共界面活性剤を含み、前記シャンプー組成物が、サルフェート系界面活性剤を実質的に含まず、アシルグルタメートの全界面活性剤に対する重量比が、約0.05〜約0.54である、シャンプー組成物。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書は、本発明を具体的に指摘し、明確に請求する「特許請求の範囲」をもって結論とするが、本開示は、以下の記載からよりよく理解されるものと考えられる。
【0011】
本明細書で使用するとき、「a」及び「an」などの冠詞は、特許請求の範囲で使用する場合、請求又は記載されているもののうちの1つ以上を意味するものと理解される。
【0012】
本明細書で使用するとき、「含む」とは、最終結果に影響を及ぼさない他の工程及び他の成分を加えることができることを意味する。この用語は、「〜からなる(consisting of)」及び「〜から本質的になる(consisting essentially of)」という用語を包含する。
【0013】
本明細書で使用するとき、用語「流体」は、液体、ゲル、エマルション、又は懸濁液を含む。
【0014】
本明細書で使用するとき、「混合物」は、材料の単純な組み合わせ、及び結果としてそのような組み合わせから得ることができる任意の化合物を含むことを意味する。
【0015】
本明細書で使用するとき、「分子量」又は「M.Wt.」は、特に記述のない限り、重量平均分子量を指す。分子量は、業界標準法であるゲル透過クロマトグラフィー(gel permeation chromatography、「GPC」)を使用して測定される。
【0016】
本明細書で使用するとき、「パーソナルケア組成物」は、シャンプー、コンディショナー、コンディショニングシャンプー、染毛剤などのヘアケア製品、並びにシャワーゲル、液体手洗い剤、洗顔料、洗濯用洗剤、食器洗剤、及び他の界面活性剤ベースの液体組成物を含む。
【0017】
本明細書で使用するとき、「実質的に含まない」とは、3%未満、あるいは2%未満、あるいは1%未満、あるいは0.5%未満、あるいは0.25%未満、あるいは0.1%未満、あるいは0.05%未満、あるいは、0.01%未満、あるいは0.001%未満、及び/又は含まないことを意味する。本明細書で使用するとき、「含まない」とは、0%を意味する。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「含む(include、includes、及びincluding)」は非限定的であることを意味し、それぞれ「含む(comprise、comprises、及びcomprising)」を意味すると理解される。
【0019】
全ての百分率、部及び比率は、別途指定されない限り、本発明の組成物の総重量を基準とする。全てのこのような重量は、提示された成分に関する場合、活性成分の濃度に基づき、したがって市販材料に含まれ得るキャリア又は副生成物を含まない。
【0020】
別途記載のない限り、全ての成分又は組成物の濃度は、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、かかる成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0021】
本明細書の全体を通して与えられる全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、かかるより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含むものと理解すべきである。本明細書の全体を通して与えられる全ての最小数値限定は、それよりも高い全ての数値限定を、かかるより高い数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書の全体を通して与えられる全ての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に含まれるより狭い全ての数値範囲を、かかるより狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0022】
量の範囲が記載される場合、これらは組成物中の当該成分の総量であり、又は成分定義の範囲に2種以上が当てはまる場合、組成物中の、その定義に適合する全ての成分の総量であると理解されるべきである。例えば、組成物が1%〜5%の脂肪酸アルコールを含む場合、2%のステアリルアルコール及び1%のセチルアルコールを含み、かつ他の脂肪酸アルコールは含まない組成物は範囲に収まるであろう。
【0023】
以下に記載される各具体的な成分又はその混合物の量が、シャンプー組成物中の成分(複数可)の総量の100%以下(又は100%)を占め得る。
【0024】
シャンプー組成物
本明細書に記載されるように、サルフェート系界面活性剤を実質的に含まず、カチオン性ポリマーを含有する安定したコンパクトなシャンプー組成物が開示される。コンパクトなシャンプーは、低い液相粘度を有することができるので、エアロゾル式及び/又は機械式のポンプフォーマーを介して送達することができる。
【0025】
サルフェート系界面活性剤を実質的に含まないシャンプー組成物を作製することは困難であり得るが、それは、許容可能な泡体積、洗浄、安定性、及び清澄性を有する組成物を処方することが困難であり得るためである。これらの問題は、より高い界面活性剤濃度を有するコンパクトな処方を作製するときに深刻化し得、また、湿潤コンディショニング効果を提供するためにコンパクトシャンプーがカチオン性ポリマーを含有するときに更により複雑化し得る。1つの重大な問題は、相安定性であるシャンプー組成物を処方することである。
【0026】
驚くべきことに、相安定性のために、グルタメートの全界面活性剤に対する重量比が重要であることが見出された。例えば、以下に記載される実施例A〜Oは相安定であり、グルタメートの全界面活性剤に対する重量比が0.2〜0.5であるが、同様に以下に記載される比較例1〜9は、グルタメートの全界面活性剤に対する重量比がより高く、相安定ではない。
【0027】
シャンプー組成物は、約1cP〜約3000cP、約2cP〜約2000cP、約5cP〜約1500cP、約10cP〜約1000cP、約10cP〜約500cP、及び/又は約20cP〜約100cPの粘度を有し得る。シャンプー組成物は、以下に記載されるコーン/プレート粘度測定によって測定したとき、2000s−1の一定剪断速度、及び26.5℃の温度で100cP未満、80cP未満、60cP未満、50cP未満、40cP未満、30cP未満、及び/又は25cP未満の粘度を有し得る。
【0028】
シャンプー組成物は相安定であり得、減粘剤又はヒドロトロープを実質的に含んでいなくてよい。減粘剤の非限定的な例としては、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、アルコール、グリセリン、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0029】
シャンプー組成物は相安定であり得、増粘剤を実質的に含んでいなくてもよい。増粘剤の非限定的な例としては、アクリレートポリマー及びコポリマー、例えば、Carbopol(登録商標)SF−1、キサンタンガム、並びにこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0030】
シャンプー組成物は、約2〜約10、約4〜約8、約5〜約7、及び/又は約6のpHを有していてよい。
【0031】
界面活性剤
本明細書に記載のシャンプー組成物は、界面活性剤系中に1つ以上の界面活性剤を含んでいてよく、1つ以上の界面活性剤は、サルフェート系界面活性剤を実質的に含んでいなくてもよい。理解され得るように、界面活性剤は、油及び他の汚れの除去を容易にすることによって、毛髪、皮膚、及び毛嚢などの汚れた物品に対する洗浄効果をもたらす。界面活性剤は、一般に、それらの両親媒性の性質のために、このような洗浄を容易にし、これにより、界面活性剤が分解し、油及び他の汚れの周りにミセルを形成することができ、次いで、すすぎ落とすことができ、これにより、汚れた物品からこれらを取り除くことができる。シャンプー組成物に好適な界面活性剤は、カチオン性ポリマーとのコアセルベートの形成を可能にするアニオン性部分を含んでいてよい。界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双極性イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、及びこれらの組み合わせから選択することができる。
【0032】
シャンプー組成物は、典型的には、泡生成、安定性、清澄性、及び洗浄において有効であるので、サルフェート系界面活性剤系(ラウリル硫酸ナトリウムなどであるが、これらに限定されない)を使用する。本明細書に記載の発泡シャンプー組成物は、サルフェート系界面活性剤を実質的に含んでいなくてよい。
【0033】
組成物における界面活性剤の濃度は、所望の洗浄及び泡性能を提供するのに十分でなければならない。シャンプー組成物は、約10重量%〜約50重量%、約15重量%〜約48重量%、約18重量%〜約45重量%、約20重量%〜約40重量%、約20重量%〜約35重量%、約20重量%〜約30重量%、及び/又は約21重量%〜約26重量%の全界面活性剤濃度を含み得る。
【0034】
サルフェートを実質的に含まない好適な界面活性剤としては、イセチオネート、スルホネート、スルホサクシネート、スルホアセテート、アシルグルコシド、アシルグリシネート、アシルサルコシネート、アシルグルタメート、アシルアラニネート、グルカミド、グルコースカルボキシレート、アンホアセテート、タウレート、他のアシルアミノ酸、ベタイン、スルタイン、及び/又はリン酸エステルを挙げることができる。硫酸塩を実質的に含まない好適な界面活性剤としては、カルボン酸を挙げることができる。
【0035】
発泡シャンプー組成物は、アニオン性界面活性剤を含有し得る。組成物は、約5重量%〜約40重量%、約8重量%〜約35重量%、約10重量%〜約35重量%、約10重量%〜約30重量%、約10重量%〜約25重量%、及び/又は約15重量%〜約22重量%の全アニオン性界面活性剤濃度を含み得る。本組成物は、約15%〜約30%、約15%〜約25%、及び/又は約18%〜約22%の全アニオン性界面活性剤濃度を含み得る。
【0036】
界面活性剤系は、界面活性剤系の約10重量%〜約100重量%のアニオン性界面活性剤、約20重量%〜約90重量%、及び/又は約30重量%〜約90重量%、及び/又は約40重量%〜約88重量%、及び/又は約50重量%〜約85重量%、及び/又は約60重量%〜約85重量%のアニオン性界面活性剤を含有し得る。界面活性剤系は、界面活性剤系の約50重量%〜約100重量%のアニオン性界面活性剤、約60重量%〜約100重量%、及び/又は約66重量%〜約100重量%、及び/又は約70重量%〜約98重量%、及び/又は約75重量%〜約97重量%、及び/又は約80重量%〜約92重量%のアニオン性界面活性剤を含有し得る。
【0037】
組成物は、アニオン性界面活性剤を含有することができ、アニオン性界面活性剤は、グルタメート、例えば、アシルグルタメートであり得る。組成物は、約2重量%〜約22重量%、約3重量%〜約19重量%、4重量%〜約17重量%、及び/又は約5重量%〜約15重量%のアシルグルタメート濃度を含み得る。組成物は、20重量%未満、15重量%未満、13重量%未満、12重量%未満、10重量%未満、8重量%未満、6重量%未満のアシルグルタメートを含有し得る。組成物は、任意の他の界面活性剤よりも多くのアシルグルタメートを含有していてよい。
【0038】
アシルグルタメートの全界面活性剤に対する比は、0.55未満、0.54未満、0.53未満、0.52未満、0.51未満、0.50以下であってよい。アシルグルタメートの全界面活性剤に対する比は、約0.05〜約0.54、約0.1〜約0.53、約0.15〜約0.51、約0.20〜約0.50、約0.25〜約0.45、及び/又は約0.30〜約0.40であってよい。
【0039】
アシルグルタメートの非限定的な例は、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸アンモニウム、ココアグルタミン酸二アンモニウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイル加水分解小麦タンパク質グルタミン酸ナトリウム、ココイル加水分解小麦タンパク質グルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、ココイルグルタミン酸二カリウム、ラウロイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルグルタミン酸二カリウム、ココイル加水分解小麦タンパク質グルタミン酸カリウム、ココイル加水分解小麦タンパク質グルタミン酸二カリウム、カプリロイルグルタミン酸ナトリウム、カプリロイルグルタミン酸二ナトリウム、カプリロイルグルタミン酸カリウム、カプリロイルグルタミン酸二カリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸ナトリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸二ナトリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸カリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸二カリウム、水素化タローグルタミン酸二ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸カリウム、ステアロイルグルタミン酸二カリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸二ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸カリウム、ミリストイルグルタミン酸二カリウム、ココイル/水素添加タローグルタミン酸ナトリウム、ココイル/パルモイル/サンフラワロイルグルタミン酸ナトリウム、水素添加タローオイルグルタミン酸ナトリウム、オリボイルグルタミン酸ナトリウム、オリボイルグルタミン酸二ナトリウム、パルモイルグルタミン酸ナトリウム、パルモイルグルタミン酸二ナトリウム、TEA−ココイルグルタメート、TEA−水素添加タローオイルグルタメート、TEA−ラウロイルグルタメート、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0040】
組成物は、アニオン性共界面活性剤、双極性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の共界面活性剤を含有し得る。組成物は、アシルグルタメート及びアニオン性共界面活性剤であってよい主界面活性剤を含有し得る。
【0041】
アニオン性共界面活性剤は、イセチオネート、サルコシネート、スルホサクシネート、スルホネート、スルホアセテート、アシルグリシネート、アシルアラニネート、グルコースカルボキシレート、アルキルエーテルカルボキシレート、アルキルアンホアセテート、アシルタウレート、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。アニオン性共界面活性剤濃度は、約0重量%〜約30重量%、約2重量%〜約25重量%、約5重量%〜約20重量%、及び/又は約7重量%〜約15重量%であり得る。アニオン性共界面活性剤濃度は、約0重量%〜約20重量%、約3重量%〜約18重量%、約5重量%〜約15重量%、及び/又は約7重量%〜約12重量%である。組成物は、約5重量%〜約15重量%のアニオン性共界面活性剤濃度を含み得る。
【0042】
好適なイセチオネート界面活性剤としては、イセチオン酸でエステル化され、水酸化ナトリウムで中和された脂肪酸の反応生成物を挙げることができる。イセチオネート界面活性剤のための好適な脂肪酸は、メチルタウリドのアミドなど、ココナッツ油又はパーム核油から誘導され得る。イセチオネートの非限定的な例は、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸アンモニウム、水素添加ココイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ミリストイルイセチオン酸ナトリウム、オレオイルイセチオン酸ナトリウム、オレイルメチルイセチオン酸ナトリウム、パームカーネロイルイセチオン酸ナトリウム、ステアロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0043】
サルコシネートの非限定的な例は、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウム、ミリストイルサルコシン酸ナトリウム、TEA−ココイルサルコシネート、ココイルサルコシン酸アンモニウム、ラウロイルサルコシン酸アンモニウム、二量体ジリノレイルビス−ラウロイルグルタメート/ラウロイルサルコシネート、ラウロアンホジアセテートラウロイルサルコシン酸二ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸イソプロピル、ココイルサルコシン酸カリウム、ラウロイルサルコシン酸カリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ミリストイルサルコシン酸ナトリウム、オレイルサルコシン酸ナトリウム、パルミトイルサルコシン酸ナトリウム、TEA−ココイルサルコシネート、TEA−ラウロイルサルコシネート、TEA−オレオイルサルコシネート、TEA−パーム核サルコシネート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0044】
スルホサクシネート界面活性剤の非限定的な例としては、N−オクタデシルスルホコハク酸二ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸二ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸二アンモニウム、ラウリルスルホコハク酸ナトリウム、ラウレススルホコハク酸二ナトリウム、N−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタデシルスルホコハク酸四ナトリウム、スルホコハク酸ナトリウムのジアミルエステル、スルホコハク酸ナトリウムのジヘキシルエステル、スルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステル、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0045】
スルホネートの非限定的な例としては、アルファオレフィンスルホネート、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、ラウリルグルコシドヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0046】
スルホアセテートの非限定的な例としては、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸アンモニウム、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0047】
アシルグリシネートの非限定的な例としては、ココイルグリシン酸ナトリウム、ラウロイルグリシン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0048】
アシルアラニネートの非限定的な例としては、ココイルアラニル酸ナトリウム、ラウロイルアラニル酸ナトリウム、N−ドデカノイル−l−アラニル酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0049】
グルコースカルボキシレートの非限定的な例としては、ラウリルグルコシドカルボン酸ナトリウム、ココイルグルコシドカルボン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0050】
アルキルエーテルカルボキシレートの非限定的な例としては、ラウレス−4カルボン酸ナトリウム、ラウレス−5カルボキシレート、ラウレス−13カルボキシレート、C12〜13パレス−8カルボン酸ナトリウム、C12〜15パレス−8カルボン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0051】
アルキルアンホアセテートの非限定的な例としては、ココイルアンホ酢酸ナトリウム、ラウロイルアンホ酢酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0052】
アシルタウレートの非限定的な例としては、メチルココイルタウリン酸ナトリウム、メチルラウロイルタウリン酸ナトリウム、メチルオレオイルタウリン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0053】
界面活性剤系は、1つ以上の双極性イオン界面活性剤を更に含んでいてもよく、双極性イオン界面活性剤は、ラウリルヒドロキシスルタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココ−ベタイン、ココ−ヒドロキシスルタイン、ココ−スルタイン、ラウリルベタイン、ラウリルスルタイン、及びこれらの混合物からなる群から選択される共界面活性剤であってよい。
【0054】
ベタイン双極性イオン界面活性剤の例としては、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン(CAPB)、ココベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン(LAPB)、オレイルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルアルファカルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルガンマ−カルボキシプロピルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)アルファ−カルボキシエチルベタイン、及びこれらの混合物を挙げることができる。スルホベタインの例としては、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0055】
双極性界面活性剤は、コカミドプロピルベタイン(CAPB)、ラウラミドプロピルベタイン(LAPB)、及びこれらの組み合わせを含み得る。
【0056】
発泡シャンプー組成物は、約0重量%〜約15重量%、約1重量%〜約12重量%、約2重量%〜約10重量%、及び/又は約5重量%〜約7.5重量%の双極性界面活性剤濃度を含んでいてよい。界面活性剤系は、当該界面活性剤系の約0重量%〜約40重量%、及び/又は約0重量%〜約35重量%、及び/又は約5重量%〜約20重量%の双極性界面活性剤を含有していてよい。
【0057】
界面活性剤系は、約1:1〜約15:1、約3:2〜約11:1、及び/又は約4:1〜約11:1の、アニオン性界面活性剤の双極性界面活性剤に対する重量比を有していてよい。界面活性剤系は、1:1超、3:2超、3:1超、及び/又は5:1超の、アニオン性界面活性剤の双極性界面活性剤に対する重量比を有していてよい。
【0058】
界面活性剤系は、1つ以上の非イオン性界面活性剤を更に含んでいてもよく、非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグルコシド、アルキルグリコシド、アシルグルカミド、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。アルキルグルコシドの非限定的な例としては、デシルグルコシド、ココイルグルコシド、ラウロイルグルコシド、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0059】
アシルグルカミドの非限定的な例としては、ラウロイル/ミリストイルメチルグルカミド、カプリロイル/カプロイルメチルグルカミド、ラウロイル/ミリストイルメチルグルカミド、ココイルメチルグルカミド、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0060】
液体担体
適切な量の液体担体を含めることにより、適度な液体粘度及びレオロジーを有するシャンプー組成物の形成を容易にすることができる。シャンプー組成物は、組成物の約50重量%〜約95重量%、約60重量%〜約85重量%、約65重量%〜約80重量%、約68重量%〜約78重量%、及び/又は約70重量%〜約77重量%の液体担体を含み得る。
【0061】
液体担体は、水であってもよく、又は水と有機溶媒との混和性混合物であってもよい。液体担体は、他の必須の又は任意の構成成分の微量成分として組成物中に偶発的に組み込まれる場合を除き、最小限の有機溶媒しか有さないか、又は著しい濃度の有機溶媒を有さない水であってもよい。好適な有機溶媒としては、低級アルキルアルコール及び多価アルコールの水溶液を挙げることができる。有用な低級アルキルアルコールとしては、エタノール及びイソプロパノールなどの1〜6個の炭素を有する一価アルコールが挙げられる。例示的な多価アルコールとしては、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、及びプロパンジオールが挙げられる。
【0062】
カチオン性ポリマー
シャンプー組成物は、コアセルベートの形成、特に、使用中のコアセルベートの形成を可能にするためにカチオン性ポリマーを含んでいてよい。理解され得るように、カチオン性ポリマーのカチオン性電荷は、界面活性剤のアニオン性電荷と相互作用して、コアセルベートを形成することができる。好適なカチオン性ポリマーは、カチオン性グアーポリマー、カチオン性非グアー性ガラクトマンナンポリマー、カチオン性デンプンポリマー、アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのカチオン性コポリマー、洗浄性界面活性剤と組み合わせた際にリオトロピック液晶を形成してもしなくてもよい合成非架橋カチオン性ポリマー、及びカチオン性セルロースポリマーを含み得る。
【0063】
カチオン性ポリマーは、シャンプー組成物の約0.01重量%〜約2重量%、約0.05重量%〜約1重量%、約0.1重量%〜約0.8重量%、及び/又は約0.1重量%〜約0.5重量%含まれ得る。カチオン性ポリマーは、約0.9meq/g以上、約1.2meq/g以上、及び約1.5meq/g以上のカチオン性電荷密度を有し得る。しかし、カチオン電荷密度は、約7meq/g以下、及び/又は5meq/g以下であってもよい。電荷密度は、シャンプー組成物の意図する用途のpHで測定してよい。(例えば、pH約3〜pH約9、又はpH約4〜pH約8)。カチオン性ポリマーの平均分子量は、一般に、約1,000〜2,000,000、約5,000〜約1,000,000、及び約10,000〜約500,000であり得る。低分子量のカチオン性ポリマーが好ましい場合がある。低分子量のカチオン性ポリマーは、シャンプー組成物の液体担体においてより大きな透光性を有し得る。好適なカチオン性ポリマーとしては、Clariantから入手可能な約6.2meq/gの電荷密度及び約223,000g/モルのM.Wt.を有するポリクオタニウム−6と、約1.6meq/gの電荷密度及び約1,100,000g/モルのM.Wt.を有するポリクオタニウム−76とを挙げることができる。
【0064】
カチオン性グアーポリマー
カチオン性ポリマーは、カチオン性に置換されたガラクトマンナン(グアー)ガム誘導体であるカチオン性グアーポリマーであってもよい。グアーガム誘導体のための好適なグアーガムは、グアープラントの種から天然に産出される材料として得ることができる。理解され得るように、グアー分子は、交互に位置するマンノース単位上の単員ガラクトース単位が一定の間隔で分岐する直鎖状マンナンである。マンノース単位は、β(1−4)グリコシド結合によって互いに結合している。ガラクトース分岐は、α(1−6)結合によって生じる。グアーガムのカチオン性誘導体は、ポリガラクトマンナンのヒドロキシル基と反応性第四級アンモニウム化合物との間の反応を介して得ることができる。グアー構造上のカチオン性基の置換の程度は、上述の必要なカチオン性電荷密度を提供するのに十分であり得る。
【0065】
カチオン性グアーポリマーは、約1,000,000g/モル未満の重量平均分子量(「M.Wt.」)を有していてよく、約0.05meq/g〜約2.5meq/gの電荷密度を有していてよい。好適なカチオン性グアーは、約500,000g/モル未満の重量平均分子量(「M.Wt.」)を有していてよい。
【0066】
シャンプー組成物は、当該シャンプー組成物の約0.01重量%〜約0.7重量%未満、約0.05重量%〜約0.6重量%、約0.1重量%〜約0.50重量%、及び/又は約0.1重量%〜約0.4重量%のカチオン性グアーポリマーを含んでいてよい。
【0067】
カチオン性グアーポリマーは、一般式IIに一致する第四級アンモニウム化合物から形成することができ、
【0068】
【化1】
式中、R、R、及びRは、メチル基又はエチル基であり、Rは、下記の一般式IIIのエポキシアルキル基であるか、
【0069】
【化2】
又は、Rは、一般式IVのハロヒドリン基であるかのいずれかであり、
【0070】
【化3】
式中、Rは、C〜Cアルキレンであり、Xは、塩素又は臭素であり、Zは、Cl−、Br−、I−、又はHSO−などのアニオンである。
【0071】
カチオン性グアーポリマーは、一般式Vに一致していてよい:
【0072】
【化4】
式中、Rは、グアーガムであり、R、R、R、及びRは、上の定義と同様であり、Zは、ハロゲンである。カチオン性グアーポリマーは、式VIに一致していてよい:
【0073】
【化5】
式中、Rはグアーガムである。
【0074】
好適なカチオン性グアーポリマーとしては、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドなどのカチオン性グアーガム誘導体も挙げることができる。グアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウムの好適な例としては、Solvay S.A.から市販されているJaguar(登録商標)シリーズ、Rhodia製のHi−Care(商標)シリーズ、並びにAshland Inc.製のN−Hance(商標)及びAquaCat(商標)を挙げることができる。Jaguar(登録商標)Optimaは、約1.25meq/gの電荷密度及び約500,000g/モルのM.Wt.を有する。Jaguar(登録商標)C−500は、0.8meq/gの電荷密度及び500,000g/molのM.Wt.を有し、Hi−Care(商標)1000は、約0.7meq/gの電荷密度及び約600,000g/モルのM.Wt.を有し、N−Hance(商標)3269、N−Hance(商標)3270、及びN−Hance(商標)3271は、約0.7meq/gの電荷密度及び約425,000g/モルのM.Wt.を有し、AquaCat(商標)PF618及びAquaCat(商標)CG518は、約0.9meq/gの電荷密度及び約50,000g/モルのM.Wt.を有する。N−Hance(商標)BF−13及びN−Hance(商標)BF−17は、ホウ酸塩(ボロン)非含有グアーポリマーである。N−Hance(商標)BF−13は、約1.1meq/gの電荷密度及び約800,000のM.W.tを有し、N−Hance(商標)BF−17は、約1.7meq/gの電荷密度及び約800,000のM.W.tを有する。
【0075】
カチオン性非グアーガラクトマンナンポリマー
カチオン性ポリマーは、ガラクトマンナンポリマー誘導体であってよい。好適なガラクトマンナンポリマーは、モノマー対モノマー基準で2:1を超えるマンノース対ガラクトース比を有していてよく、カチオン性ガラクトマンナンポリマー誘導体又は正味電荷が正である両性ガラクトマンナンポリマー誘導体であり得る。本明細書で使用するとき、用語「カチオン性ガラクトマンナン」は、カチオン性基が付加されたガラクトマンナンポリマーを指す。用語「両性ガラクトマンナン」は、ポリマーが正味の正電荷を有するようにカチオン性基及びアニオン性基が付加されたガラクトマンナンポリマーを指す。
【0076】
ガラクトマンナンポリマーは、マメ科植物の種子の内胚乳に存在し得る。ガラクトマンナンポリマーは、マンノースモノマーとガラクトースモノマーとの組み合わせから構成される。ガラクトマンナン分子は、特定のマンノース単位上の単員ガラクトース単位が一定の間隔で分岐した直鎖状マンナンである。マンノース単位は、β(1−4)グリコシド結合によって互いに結合されている。ガラクトース分岐は、α(1−6)結合によって生じる。マンノースモノマーとガラクトースモノマーとの比は、植物種によって様々であり、気候の影響も受ける場合がある。非グアー性ガラクトマンナンポリマー誘導体は、モノマー対モノマー基準で2:1を超えるマンノース対ガラクトース比を有し得る。マンノースとガラクトースの好適な比は、3:1超、又は4:1超であってもよい。マンノースとガラクトースとの比の分析は、当該技術分野において周知であり、典型的には、ガラクトース含量の測定に基づく。
【0077】
非グアーガラクトマンナンポリマー誘導体の調製に用いられるガムは、植物の種又はマメなどの天然物質から得ることができる。様々な非グアーガラクトマンナンポリマーの例としては、タラガム(マンノース3部/ガラクトース1部)、イナゴマメ又はカロブ(マンノース4部/ガラクトース1部)、及びカッシアガム(マンノース5部/ガラクトース1部)が挙げられる。
【0078】
非グアーガラクトマンナンポリマー誘導体は、約1,000g/モル〜約10,000,000g/モルの分子量、及び約5,000g/モル〜約3,000,000g/モルの分子量を有し得る。
【0079】
本明細書に記載のシャンプー組成物は、約0.5meq/g〜約7meq/gのカチオン性電荷密度を有するガラクトマンナンポリマー誘導体を含み得る。このガラクトマンナンポリマー誘導体は、約1meq/g〜約5meq/gのカチオン性電荷密度を有し得る。ガラクトマンナン構造へのカチオン性基の置換度は、必要なカチオン性電荷密度をもたらすのに十分であり得る。非グアー性ガラクトマンナンカチオン性ポリマーの非限定的な例は、Ashlandから入手可能なClearHance(商標)Cとして知られているカッシアカッシアヒドロキシプロピル塩化トリモニウムであり得る。
【0080】
ガラクトマンナンポリマー誘導体は、非グアーガラクトマンナンポリマーのカチオン性誘導体であってもよく、これは、ポリガラクトマンナンポリマーのヒドロキシル基と反応性第四級アンモニウム化合物との反応によって得られる。カチオン性ガラクトマンナンポリマー誘導体の形成に使用する好適な第四級アンモニウム化合物としては、上記で定義された一般式II〜VIに一致するものが挙げられる。
【0081】
上記の試薬から形成されるカチオン性非グアーガラクトマンナンポリマー誘導体は、一般式VIIによって表すことができ、
【0082】
【化6】
式中、Rはガムである。カチオン性ガラクトマンナン誘導体は、ガムヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドであることができ、これは、より具体的には、下記の一般式VIIIによって表すことができる。
【0083】
【化7】
【0084】
ガラクトマンナンポリマー誘導体は、正味の正電荷を有する両性ガラクトマンナンポリマー誘導体であってもよく、これはカチオン性ガラクトマンナンポリマー誘導体がアニオン性基を更に含む場合に得られる。
【0085】
カチオン性非グアーガラクトマンナンは、約4:1超のマンノース対ガラクトースの比、約100,000g/モル〜約500,000g/モルの分子量、約50,000g/モル〜約400,000g/モルの分子量、並びに約1meq/g〜約5meq/g、及び約2meq/g〜約4meq/gのカチオン性電荷密度を有することができる。
【0086】
シャンプー組成物は、当該組成物の少なくとも約0.05重量%のガラクトマンナンポリマー誘導体を含んでいてよい。シャンプー組成物は、当該組成物の約0.05重量%〜約2重量%のガラクトマンナンポリマー誘導体を含んでいてよい。
【0087】
アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのカチオン性コポリマー
シャンプー組成物は、アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのカチオン性コポリマーを含んでいてよく、当該コポリマーは、約1.0meq/g〜約3.0meq/gの電荷密度を有する。カチオン性コポリマーは、アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとの合成カチオン性コポリマーであってよい。
【0088】
好適なカチオン性ポリマーの例としては、以下を挙げることができる。
(i)次式IXのアクリルアミドモノマー
【0089】
【化8】
式中、Rは、H又はC1〜4アルキルであり、R10及びR11は、独立して、H、C1〜4アルキル、CHOCH、CHOCHCH(CH、及びフェニルからなる群から選択されるか、共にC3〜6シクロアルキルである。
(ii)式Xに一致するカチオン性モノマー
【0090】
【化9】
式中、kは1であり、v、v’、及びv’’はそれぞれ、独立して、1〜6の整数であり、wは0であるか、又は1〜10の整数であり、Xはアニオンである。
【0091】
カチオン性モノマーは、式Xに一致して、式中、kは1であり、vは3でありで、wは0であり、z=1であり、XがClであって、次の構造(式XI)を形成することができる。
【0092】
【化10】
【0093】
理解され得るように、上記の構造は、ジクワットと称されてもよい。
【0094】
カチオン性モノマーは、式Xに一致することができ、式中、v及びv’’がそれぞれ3であり、v’は1であり、wは1であり、yは1であり、XはClであって、以下の式XIIの構造を形成する。
【0095】
【化11】
【0096】
式XIIの構造は、トリクワットと称することができる。
【0097】
アクリルアミドモノマーは、アクリルアミド又はメタクリルアミドのいずれかであり得る。
【0098】
カチオン性コポリマーは、AM:TRIQUATであり得、これは、アクリルアミドと1,3−プロパンジアミニウム,N−[2−[[[ジメチル[3−[(2−メチル−1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]プロピル]アンモニオ]アセチル]アミノ]エチル]2−ヒドロキシ−N,N,N’,N’,N’−ペンタメチル−トリクロリドとのコポリマーである。AM:TRIQUATはまた、ポリクオタニウム76(PQ76)としても知られている。AM:TRIQUATは、1.6meq/gの電荷密度及び1,100,000g/モルのM.Wt.を有し得る。
【0099】
カチオン性コポリマーは、アクリルアミドモノマー及びカチオン性モノマーを含んでもよく、カチオン性モノマーは、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジtertイソブチルアミノエチル(ditertiobutylaminoethyl)(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド;エチレンイミン、ビニルアミン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン;トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0100】
カチオン性コポリマーは、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、及びこれらの混合物からなる群から選択されるカチオン性モノマーを含むことができる。
【0101】
カチオン性コポリマーは、(1)(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリルアミドを主成分とするカチオン性モノマー、並びに/又は加水分解に対して安定なカチオン性モノマーのコポリマーと、(2)(メタ)アクリルアミド、カチオン性(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマー、及び(メタ)アクリルアミドを主成分とするモノマー、並びに/又は加水分解に対して安定なカチオン性モノマーのターポリマーと、から形成され得る。カチオン性(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーは、四級化窒素原子を含有する(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルであってもよい。四級化窒素原子を含有する(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルは、アルキル基及びアルキレン基内のC〜Cの四級化ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートである。四級化窒素原子を含有する(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルは、塩化メチルで四級化されたジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートのアンモニウム塩からなる群から選択することができる。四級化窒素原子を含有する(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルは、アルキルハライドで、又はメチルクロリド若しくはベンジルクロリド若しくはジメチルサルフェート(ADAME−Quat)で四級化されたジメチルアミノエチルアクリレートであってもよい。カチオン性モノマーは、(メタ)アクリルアミドを主成分とする場合、アルキル基及びアルキレン基内のC〜Cで四級化されたジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドであるか、又はアルキルハライドで、若しくはメチルクロリド若しくはベンジルクロリド若しくはジメチルサルフェートで四級化されたジメチルアミノプロピルアクリルアミドである。
【0102】
(メタ)アクリルアミドを主成分とするカチオン性モノマーは、アルキル基及びアルキレン基内のC〜Cで四級化されたジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドであってもよい。(メタ)アクリルアミドを主成分とするカチオン性モノマーは、アルキルルハライドで、特にメチルクロリド若しくはベンジルクロリド若しくはジメチルサルフェートで四級化されたジメチルアミノプロピルアクリルアミドであり得る。
【0103】
カチオン性モノマーは、加水分解に対して安定なカチオン性モノマーであってよい。ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド以外に、加水分解に対して安定なカチオン性モノマーは、OECD加水分解試験に対して安定であるとみなされ得るあらゆるモノマーであり得る。カチオン性モノマーは加水分解に対して安定であることができ、加水分解に対して安定なカチオン性モノマーは、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、及び水溶性カチオン性スチレン誘導体からなる群から選択することができる。
【0104】
カチオン性コポリマーは、アクリルアミドと、メチルクロリドで四級化された2−ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレート(ADAME−Q)と、メチルクロリドで四級化された3−ジメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミド(DIMAPA−Q)とのターポリマーであり得る。カチオン性コポリマーは、アクリルアミド及びアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドから形成することができ、このアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドは、約1.0meq/g〜約3.0meq/gの電荷密度を有する。
【0105】
カチオン性コポリマーは、約1.1meq/g〜約2.5meq/g、約1.1meq/g〜約2.3meq/g、約1.2meq/g〜約2.2meq/g、約1.2meq/g〜約2.1meq/g、約1.3meq/g〜約2.0meq/g、及び約1.3meq/g〜約1.9meq/gの電荷密度を有することができる。
【0106】
カチオン性コポリマーは、約100,000g/モル〜約2,000,000g/モル、約300,000g/モル〜約1,800,000g/モル、約500,000g/モル〜約1,600,000g/モル、約700,000g/モル〜約1,400,000g/モル、及び約900,000g/モル〜約1,200,000g/モルのM.Wt.を有することができる。
【0107】
カチオン性コポリマーは、トリメチルアンモニオプロピルメタクリルアミドクロリド−N−アクリルアミドコポリマーであり得、これは、AM:MAPTACとしても知られている。AM:MAPTACは、約1.3meq/gの電荷密度及び約1,100,000g/モルのM.Wt.を有し得る。カチオン性コポリマーはAM:ATPACである。AM:ATPACは、約1.8meq/gの電荷密度及び約1,100,000g/モルのM.Wt.を有し得る。
【0108】
合成ポリマー
カチオン性ポリマーは、
i)1つ以上のカチオン性モノマー単位、及び任意選択的に、
ii)負電荷を有する1つ以上のモノマー単位、及び/又は
iii)非イオン性モノマー、から形成され得る。
ここで、結果として得られるコポリマーの電荷は正である。これらの3種のモノマーの比は「m」、「p」及び「q」で表され、ここで「m」は、カチオン性モノマーの数であり、「p」は、負電荷を有するモノマーの数であり、「q」は、非イオン性モノマーの数である。
【0109】
カチオン性ポリマーは、式XIIIの構造を有する、水溶性又は分散性で、非架橋型の合成カチオン性ポリマーであってもよく、
【0110】
【化12】
式中、Aは、以下のカチオン性部分のうちの1つ以上であってよく:
【0111】
【化13】
式中、@は、アミド、アルキルアミド、エステル、エーテル、アルキル、又はアルキルアリールであり、
Yは、C1〜C22アルキル、アルコキシ、アルキリデン、アルキル、又はアリールオキシであり、
Ψは、C1〜C22アルキル、アルキルオキシ、アルキルアリール又はアルキルアリールオキシであり、
Zは、C1〜C22アルキル、アルキルオキシ、アリール又はアリールオキシであり、
R1は、H、C1〜C4の直鎖又は分岐アルキルであり、
sは、0又は1であり、nは、0又は≧1であり、
T及びR7は、C1〜C22アルキルであり、
X−は、ハロゲン、ヒドロキシド、アルコキシド、サルフェート又はアルキルサルフェートである。
【0112】
上記の構造中、負電荷を有するモノマーは、R2’がH、C1〜C4の直鎖又は分岐アルキルであり、R3が下記のとおりであることによって定義され、
【0113】
【化14】
式中、Dは、O、N、又はSであり、
Qは、NH、又はOであり、
uは、1〜6であり、
tは、0〜1であり、及び
Jは、元素P、S、Cを含有する酸素化された官能基であり、
【0114】
上記の構造中、非イオン性モノマーは、R2’’がH、C〜Cの直鎖又は分岐アルキルであることと、R6が直鎖又は分岐アルキル、アルキルアリール、アリールオキシ、アルキルオキシ、アルキルアリールオキシであることと、βが下記の定義どおりであることによって定義され、
【0115】
【化15】
式中、G’及びG’’は、互いに独立して、O、S、又はN−Hであり、Lは、0又は1である。
【0116】
好適なモノマーとしては、アミノアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アミノアルキル(メタ)アクリルアミド;少なくとも1つの第二級、第三級、若しくは第四級アミン官能基、又は窒素原子を含有する複素環基、ビニルアミン又はエチレンイミンを含むモノマー;ジアリルジアルキルアンモニウム塩;これらの混合物、これらの塩、及びこれらに由来するマクロモノマーが挙げられる。
【0117】
好適なカチオン性モノマーの更なる例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジtertイソオブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、エチレンイミン、ビニルアミン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドを挙げることができる。
【0118】
好適なカチオン性モノマーは、式−NRの四級モノマーを含み得、各Rは、同一であるか又は異なり得、水素原子、1〜10個の炭素原子を含むアルキル基、又はベンジル基であってもよく、任意選択的にヒドロキシル基を有し、かつアニオン(対イオン)を含む。好適なアニオンの例としては、塩化物、臭化物などのハロゲン化物、リン酸、クエン酸、ギ酸、及び酢酸が挙げられる。
【0119】
好適なカチオン性モノマーとしては、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリドも挙げることができる。更なる好適なカチオン性モノマーとしては、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリドを挙げることができる。
【0120】
負電荷を有するモノマーの例としては、ホスフェート又はホスホネート基を含むαエチレン性不飽和モノマー、αエチレン性不飽和モノカルボン酸、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルアミド、スルホン酸基を含むαエチレン性不飽和化合物、及びスルホン酸基を含むαエチレン性不飽和化合物の塩が挙げられる。
【0121】
負電荷を有する好適なモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸の塩、ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸の塩、α−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、α−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸の塩、2−スルホエチルメタクリレート、2−スルホエチルメタクリレートの塩、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の塩、及びスチレンスルホネート(SS)を挙げることができる。
【0122】
非イオン性モノマーの例としては、酢酸ビニル、αエチレン性不飽和カルボン酸のアミド、αエチレン性不飽和モノカルボン酸と水素化又はフッ素化アルコールとのエステル、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート(すなわちポリエトキシル化(メタ)アクリル酸)、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルアミド、ビニルニトリル、ビニルアミンアミド、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、及びビニル芳香族化合物を挙げることができる。
【0123】
好適な非イオン性モノマーとしては、スチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチル−ヘキシルアクリレート、2−エチル−ヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートも挙げることができる。
【0124】
合成カチオン性ポリマーと結合するアニオン性対イオン(X)は、ポリマーが、水、シャンプー組成物、又はシャンプー組成物のコアセルベート相に可溶性又は分散性のままであるとともに、対イオンが、シャンプー組成物の必須成分と物理的及び化学的に適合性であるか、そうでなければ製品の性能、安定性、若しくは審美性を過度に損なわない限り、任意の既知の対イオンであってよい。好適な対イオンの非限定的な例としては、ハロゲン化物(例えば、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素)を挙げることができる。
【0125】
本明細書に記載されるカチオン性ポリマーは、傷んだ毛髪、特に化学的に処理された毛髪に、代用の疎水性F層をもたらすことによって修復するのに役立ち得る。微視的に薄いF層は天然の耐候性を提供しつつ、水分の封じ込めを助け、更なる傷みを防ぐ。化学的な処理により、毛髪のキューティクルが傷み、防御作用を持つF層が毛髪から剥がれ落ちてしまう。F層が剥がれ落ちるにつれ、毛髪は親水性が増すようになる。化学処理をした毛髪にリオトロピック液晶を適用すると、その毛髪が更に疎水性になり、外観も触感も、未処理の毛髪のようになることが分かっている。いずれの理論にも束縛されるものではないが、リオトロピック液晶複合体は疎水性の層又は膜を形成し、天然のF層が毛髪を保護するのと同様に、この層又は膜が毛髪繊維をコーティングし毛髪を保護すると考えられる。疎水層は、毛髪を、一般的には未処理の毛髪のようなより健康的な状態に戻し得る。リオトロピック液晶は、本明細書に記載する合成カチオン性ポリマーをシャンプー組成物の前述のアニオン性洗浄性界面活性剤成分と合わせることにより形成される。合成カチオン性ポリマーの電荷密度は比較的高い。カチオン性電荷密度が比較的高い一部の合成ポリマーは、主としてそれらの異常な線形の電荷密度のためにリオトロピック液晶を形成しないことに留意されたい。このような合成カチオン性ポリマーは、PCT特許出願第94/06403号に記載されており、参照により組み込まれる。本明細書に記載されている合成ポリマーは、傷んだ毛髪においてコンディショニング性能を向上させる安定なシャンプー組成物に配合できる。
【0126】
リオトロピック液晶を形成し得るカチオン性合成ポリマーは、約2meq/gm〜約7meq/gm、及び/又は約3meq/gm〜約7meq/gm、及び/又は約4meq/gm〜約7meq/gmのカチオン性電荷密度を有する。カチオン性電荷密度は約6.2meq/gmである。このポリマーは、約1,000〜約5,000,000、及び/又は約10,000〜約2,000,000、及び/又は約100,000〜約2,000,000のM.Wt.を更に有する。
【0127】
有益剤の増強されたコンディショニング性能と付着性能を提供するが必ずしもリオトロピック液晶を形成しないカチオン性合成ポリマーは、約0.7meq/gm〜約7meq/gm、及び/又は約0.8meq/gm〜約5meq/gm、及び/又は約1.0meq/gm〜約3meq/gmのカチオン性電荷密度を有し得る。ポリマーは、約1,000g/モル〜約5,000,000g/モル、約10,000g/モル〜約2,000,000g/モル、及び約100,000g/モル〜約2,000,000g/モルのM.Wt.を有する。
【0128】
カチオン性セルロースポリマー
好適なカチオン性ポリマーは、セルロースポリマーであってもよい。好適なセルロースポリマーとしては、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの塩を挙げることができ、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム10と呼ばれており、Dwo/Amerchol Corp.(Edison,N.J.,USA)より、Polymer LR、JR及びKGシリーズのポリマーとして入手可能である。カチオン性セルロースの他の好適な種類としては、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム24と呼ばれる、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー性四級アンモニウム塩を挙げることができる。これらの物質は、Dow/Amerchol Corpより、Polymer LM−200の商標名で入手可能である。カチオン性セルロースの他の好適な種類としては、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム67と呼ばれる、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシド及びトリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー性四級アンモニウム塩を挙げることができる。これらの物質は、Dow/Amerchol Corp.から、SoftCAT Polymer SL−5、SoftCAT Polymer SL−30、Polymer SL−60、Polymer SL−100、Polymer SK−L、Polymer SK−M、Polymer SK−MH、及びPolymer SK−Hという商品名で入手可能である。
【0129】
更なるカチオン性ポリマーは、参照により本明細書に組み込まれるCTFA Cosmetic Ingredient Dictionary、第3版、Estrin、Crosley及びHaynes編(The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Inc.(Washington,D.C.)(1982年))にも記載されている。
【0130】
複合コアセルベートの形成について分析するための技術は、当該技術分野において既知である。例えば、任意の選択された希釈段階における組成物の顕微鏡分析を利用して、コアセルベート相が形成されたかどうかを確認することができる。こうしたコアセルベート相は、組成物における追加の乳化相として確認され得る。染料を使用すると、コアセルベート相を組成物中に分散している他の不溶性相と区別するのを補助することができる。カチオン性ポリマーの使用及びコアセルベートに関する更なる詳細は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,272,164号に開示されている。
【0131】
任意成分
理解できるように、本明細書に記載されるシャンプー組成物は、組成物の特性及び特徴を目的に合わせて調整するために種々の任意成分を含み得る。理解できるように、好適な任意成分は周知であり、一般に、本明細書に記載されるシャンプー組成物の必須成分と物理的及び化学的に適合性である任意の成分を含み得る。任意成分は、その他の点では、製品安定性、審美性、又は性能を過度に損なってはならない。任意成分の個々の濃度は、一般に、シャンプー組成物の約0.001重量%〜約10重量%の範囲であってよい。任意成分は、半透明なシャンプー組成物の清澄性を損なわない成分に更に限定することができる。
【0132】
任意成分としては、コンディショニング剤(炭化水素油、脂肪酸エステル、シリコーンを含む)、カチオン性ポリマー、フケ防止活性物質、キレート剤、及びヒマワリ油又はヒマシ油などの天然油を挙げることができるが、これらに限定されない。更なる好適な任意成分としては、香料、香料マイクロカプセル、着色剤、粒子、抗菌剤、起泡増進剤、帯電防止剤、噴射剤、自己発泡剤、pH調整剤及び緩衝剤、防腐剤、パールエッセンス剤、溶媒、希釈剤、抗酸化剤、ビタミン、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0133】
そのような任意成分は、組成物の成分と物理的及び化学的に適合しなければならず、そうでなければ製品の安定性、審美性、又は性能を過度に損なってはならない。CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Tenth Edition(the Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Inc.(Washington,D.C.)より出版)(2004年)(本明細書、以下「CTFA」と呼ぶ)に、本明細書の組成物に付加され得る様々な非限定的な材料が記載されている。
【0134】
シリコーンコンディショニング剤
シャンプー組成物は、シリコーンコンディショニング剤を含んでいてよい。好適なシリコーンコンディショニング剤は、揮発性シリコーン、不揮発性シリコーン、又はこれらの組み合わせを含むことができる。シリコーンコンディショニング剤は、組成物の約0.01重量%〜約10重量%、約0.1重量%〜約8重量%、約0.1重量%〜約5重量%、及び/又は約0.2重量%〜約3重量%含まれ得る。好適なシリコーンコンディショニング剤、及びシリコーン用の任意選択の懸濁剤の例が、米国再発行特許第34,584号、米国特許第5,104,646号、及び米国特許第5,106,609号に記載されており、それらのそれぞれが参照により本明細書に組み込まれる。好適なシリコーンコンディショニング剤は、25℃で測定したとき、約20センチストークス(「csk」)〜約2,000,000csk、約1,000csk〜約1,800,000csk、約50,000csk〜約1,500,000csk、及び約100,000csk〜約1,500,000cskの粘度を有し得る。
【0135】
分散したシリコーンコンディショニング剤粒子は、約0.01μm〜約50μmの範囲の体積平均粒径を有し得る。小さい粒子を毛髪に塗布する場合、体積平均粒径は、約0.01μm〜約4μm、約0.01μm〜約2μm、約0.01μm〜約0.5μmの範囲であり得る。大きい粒子を毛髪に塗布する場合、体積平均粒径は、典型的には、約5μm〜約125μm、約10μm〜約90μm、約15μm〜約70μm、及び/又は約20μm〜約50μmの範囲である。
【0136】
シリコーン流体、ゴム、及び樹脂、並びにシリコーンの製造を議論する項を包含するシリコーンついての更なる資料が、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,vol.15,2d ed.,pp 204−308,John Wiley&Sons,Inc.(1989)に見出され、参照により本明細書に援用されている。
【0137】
本明細書に記載のシャンプー組成物に好適なシリコーンエマルションとしては、それぞれ参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第4,476,282号及び米国特許出願公開第2007/0276087号に提供されている説明に従って調製された不溶性ポリシロキサンのエマルションを挙げることができる。好適な不溶性ポリシロキサンとしては、α,ωヒドロキシ末端ポリシロキサン、又はα,ωアルコキシ末端ポリシロキサンなどの、約50,000〜約500,000g/モルの範囲内の分子量を有するポリシロキサンが挙げられる。不溶性ポリシロキサンの平均分子量は、約50,000〜約500,000g/molの範囲内であることができる。例えば、不溶性ポリシロキサンの平均分子量は、約60,000〜約400,000;約75,000〜約300,000;約100,000〜約200,000の範囲内であってもよいか、又は平均分子量は約150,000g/molであってもよい。不溶性ポリシロキサンは、約30nm〜約10μmの範囲内の平均粒径を有することができる。平均粒径は、例えば、約40nm〜約5μm、約50nm〜約1μm、約75nm〜約500nm、又は約100nmの範囲内であってもよい。
【0138】
不溶性ポリシロキサンの平均分子量、シリコーンエマルションの粘度、及び不溶性ポリシロキサンを含む粒子の大きさは、Smith,A.L.The Analytical Chemistry of Silicones,John Wiley&Sons,Inc.:New York,1991に開示されている方法のように、当業者に広く用いられている方法によって測定される。例えば、シリコーンエマルションの粘度は、Brookfield粘度計にスピンドル6を用い、2.5rpm、30℃で測定できる。シリコーンエマルションは、追加の乳化剤をアニオン性界面活性剤と共に更に含んでもよい。
【0139】
本明細書に記載のシャンプー組成物に好適なシリコーンの他の種類としては、i)25℃で測定したとき、約1,000,000csk未満の粘度を有する流動性物質である、シリコーン油を含むシリコーン流体;ii)少なくとも1つの一級、二級、又は三級アミンを含む、アミノシリコーン;iii)少なくとも1つの四級アンモニウム官能基を含むカチオン性シリコーン;iv)シリコーンゴム(25℃で測定したとき、1,000,000csk以上の粘度を有する物質を含む);v)高架橋ポリマーシロキサン系を含む、シリコーン樹脂;vi)少なくとも1.46の屈折率を有する、高屈折率シリコーン、及びvii)これらの混合物を挙げることができる。
【0140】
シリコーンコンディショニング剤は、約10マイクロメートル未満、1マイクロメートル未満、及び0.1マイクロメートル未満の粒径を有するシリコーンエマルションであってよい。
【0141】
有機コンディショニング物質
本明細書に記載のシャンプー組成物のコンディショニング剤は、単独で又は上記シリコーンなどの他のコンディショニング剤と組み合わせて、油又はワックスなどの少なくとも1つの有機コンディショニング物質を更に含んでいてもよい。有機物質は、非ポリマー、オリゴマー、又はポリマーであってよい。有機物質は油又はワックスの形態であってよく、パーソナルケア配合物にそのままで又は予め乳化された形態で添加され得る。有機コンディショニング物質の好適な例としては、i)炭化水素油、ii)ポリオレフィン、iii)脂肪族エステル、iv)フッ素化コンディショニング化合物、v)脂肪族アルコール、vi)アルキルグルコシド及びアルキルグルコシド誘導体;vii)四級アンモニウム化合物;viii)CTFA名称がPEG−200、PEG−400、PEG−600、PEG−1000、PEG−2M、PEG−7M、PEG−14M、PEG−45Mであるもの、及びこれらの混合物などの、最大約2,000,000の分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールを挙げることができる。
【0142】
フケ防止及び頭皮ケア活性物質
シャンプー組成物における使用に好適なフケ防止剤としては、ピロクトンオラミン(Octopirox(登録商標)として市販)、ピリジンチオン塩、アゾール(例えば、ケトコナゾール、エコナゾール、及びエルビオール)、硫化セレン、硫黄粒子、サリチル酸、ジンクピリチオン、及びこれらの混合物を挙げることができる。組成物は、ピロクトンオラミンなどの可溶性非微粒子活性物質であるフケ防止剤を含んでいてよい。頭皮ケア活性物質の例としては、SymriseからSymCalminとして入手可能なヒドロキシフェニルプロパミド安息香酸を挙げることができる。
【0143】
キレート剤
本シャンプー組成物は、キレート剤も含むことができる。好適なキレート剤としては、A E Martell&R M Smith,Critical Stability Constants,Vol.1,Plenum Press,New York&London(1974)及びA E Martell&R D Hancock,Metal Complexes in Aqueous Solution,Plenum Press,New York&London(1996)に記載されるものが挙げられ、いずれも参照により本明細書に援用されている。キレート剤に関し、用語「塩及びこれらの誘導体」は、参照しているキレート剤と同じ官能構造(例えば、同じ化学主鎖)を含み、同様の又はより優れたキレート化特性を有する塩及び誘導体を意味する。この用語には、アルカリ金属、アルカリ土類、アンモニウム、置換アンモニウム(すなわち、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム)塩、酸性部分を有するキレート剤のエステル、及びこれらの混合物、特に、全てのナトリウム、カリウム又はアンモニウム塩が含まれる。用語「誘導体」は、米国特許第5,284,972号に例示される化合物などの「キレート化界面活性剤」化合物、及び米国特許5,747,440号に開示されるポリマーEDDS(エチレンジアミン二コハク酸)などの、親キレート剤と同じ官能構造を有する1つ以上のキレート化基を含む大型分子も含む。米国特許第5,284,972号及び米国特許第5,747,440号は、それぞれ、参照により本明細書に組み込まれている。好適なキレート剤は、ヒスチジンを更に含み得る。
【0144】
シャンプー組成物中のEDDSキレート剤又はヒスチジンキレート剤のレベルは低くてよい。例えば、EDDSキレート剤又はヒスチジンキレート剤は、約0.01重量%で含まれ得る。約10重量%を超えると、配合及び/又は人間の安全上の懸念が生じ得る。EDDSキレート剤又はヒスチジンキレート剤の濃度は、シャンプー組成物の重量を基準にして、少なくとも約0.05重量%、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約0.25重量%、少なくとも約0.5重量%、少なくとも約1重量%、又は少なくとも約2重量%であり得る。
【0145】
製品形態
シャンプー組成物は、典型的なヘアケア製剤で提示され得る。これは、溶液、分散液、エマルション、泡、及び他の送達機構の形態であってよい。組成物は、濡れた毛髪に塗布し、次いで、毛髪にもみこみ、次いですすぎ落とすことができる、低粘度又は粘稠な液体であってよい。
【0146】
泡の形態のシャンプー組成物は、約0.02g/cm〜約0.2g/cm、あるいは約0.025g/cm〜約0.15g/cm、あるいは約0.05g/cm〜約0.15g/cmの密度を有し得る。密度は、以下に記載される泡密度及び泡体積法で測定することができる。
【0147】
フォームディスペンサー
シャンプー組成物は、シャンプー組成物を保持するためのリザーバを含み得るエアロゾルフォームディスペンサーに保管し、そこから分配することができる。リザーバは、プラスチック、金属、合金、積層体、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、任意の好適な材料で作製されていてよい。収容容器は、1回限りの使用に供し得る。収容容器は、エアゾール泡ディスペンサーから取り外し可能であってよい。あるいは、収容容器は、エアゾールフォームディスペンサーと一体型であってよい。あるいは、2つ以上の収容容器が存在してもよい。
【0148】
収容容器は、剛性材料、可撓性材料、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される材料で構成され得る。収容容器は、内側が不完全真空の対象となるときに、外部気圧下で潰れない場合、剛性材料で構成され得る。
【0149】
あるいは、ヘア組成物は、機械的フォームディスペンサーに保管され、そこから分配され得る。好適なポンプ式ディスペンサーの非限定的な例としては、国際公開第2004/078903号、同第2004/078901号、及び同第2005/078063号に記載されるものが挙げられ、Albea(60 Electric Ave.,Thomaston,CT 06787 USA)又はRieke Packaging Systems(500 West Seventh St.,Auburn,Indiana 46706)によって供給され得る。
【0150】
シャンプー組成物は、しぼり出し式フォームディスペンサーに保管し、そこから分配することができる。しぼり出し式フォーマーの例は、Albeaから入手可能なEZ’Rである。
【0151】
シャンプー組成物及び/又はディスペンサーは、噴射剤、例えばエアロゾル噴射剤を含んでいなくてもよく、又は実質的に含んでいなくてよい。
【0152】
噴射剤
本明細書に記載のシャンプー組成物は、シャンプーの約2重量%〜約10重量%、あるいは約3重量%〜約8重量%、あるいは約4重量%〜約7重量%の噴射剤を含んでいてよい。
【0153】
噴射剤は、1つ以上の揮発性物質を含んでいてよく、これは気体状態では、シャンプーの他の成分を粒子形態又は飛沫形態で運ぶことができる。噴射剤は、約−45℃〜約5℃の範囲内の沸点を有し得る。噴射剤は、圧力下で、従来のエアロゾル容器中にパッケージ化されるとき、液化され得る。エアロゾル式フォームディスペンサーから出るときの噴射剤の急速沸騰は、シャンプー組成物の他の成分の霧化に役立ち得る。
【0154】
エアロゾル組成物で使用することができるエアロゾル噴射剤は、プロパン、n−ブタン、イソブタン、シクロプロパン、及びこれらの混合物などの化学的に不活性の炭化水素、並びにジクロロジフルオロメタン、1,1−ジクロロ−1,1,2,2−テトロフルオロエタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロ−2,2−トリフルオロエタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロエチレン、1,1−ジフルオロエタン、ジメチルエーテル、モノクロロジフルオロメタン、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(Honeywellから入手可能なHFO 1234ze)、及びこれらの混合物などのハロゲン化炭化水素を含んでいてよい。噴射剤は、イソブタン、プロパン、及びブタンなどの炭化水素を含んでもよく、これらの物質は、低いオゾン反応性のために使用することができ、21.1℃で蒸気圧の範囲が約1.17バール〜約7.45バール、あるいは約1.17バール〜約4.83バール、あるいは約2.14バール〜約3.79バールである場合、個々の成分として使用することができる。噴射剤は、ヒドロフルオロオレフィン(HFO)を含んでいてよい。
【0155】
HFO噴射剤を使用する組成物は、炭化水素噴射剤と比較して、等しい処方圧力及び処方の飽和圧力%において、より高い泡密度(約2倍高い)を有することができる。密度がより高いと、得られる分配された泡シャンプーの単位体積当たりの重量泡適用量をより多くすることができる。これは、消費者が、より少ない体積の泡を使用して、より低密度の泡を使用したときに同様の結果を達成できることを意味する。
【0156】
圧力及び飽和圧力%は、製品の寿命(加圧容器の初期から中期から末期まで)全体で十分な泡を分配することを可能にするのに重要であり得る。1,3,3,3−テトラフルオロプロペンはまた、分配された泡の顕著により高い光沢又は輝きを可能にし得る。
【0157】
試験法
コーン/プレート粘度測定
実施例の粘度は、Brookfield Engineering Laboratories(Stoughton,MA)製のCone/Plate Controlled Stress Brookfield Rheometer R/S Plusによって測定する。使用したコーン(Spindle C−75−1)は、75mmの直径及び1°の角度を有する。液体粘度は、一定のせん断速度2000s−1及び温度26.5℃で定常状態の流動実験を使用して測定する。サンプル寸法は2.5mLであり、全測定読み取り時間は3分である。
【0158】
泡密度及び泡体積
泡密度を、100mLビーカーを質量計(mass balance)上に配置し、ビーカーの質量をタールリングし、続いて生成物を、泡の体積が容器のへりの上となるまでエアロゾル容器から100mLビーカーに分配することにより測定する。泡は、容器のへりの上まで泡を分配して10秒以内にスパチュラでこすり取ることによって、ビーカーの上部と同レベルにされる。続いて、得られた泡100mLの質量を体積(100)で割り、g/mL単位の泡密度を決定する。
【0159】
泡の体積は、秤量ボートを質量秤上に配置し、秤量ボートの質量をタールリングし、次いで所望の量の生成品をエアロゾル容器から分配することによって測定される。分配された泡のグラムを決定し、次いで泡密度方法から決定される泡の密度で除して、mL又はcmの泡の体積に達する。
【実施例】
【0160】
以下は、本明細書に記載されたシャンプー組成物の非限定的な実施例である。実施例は、従来の技術によって調製され、成分を1つずつ添加し、均質になるか又は溶解するまで混合し、必要に応じて熱を加えて粒子状成分を溶解させることを含んでいた。シャンプー配合技術分野の当業者の技術範囲内での本発明の他の修正は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく行われ得ることが理解されよう。本明細書における全ての部、百分率(%)、及び比は、別途指定されない限り、重量基準である。いくつかの成分は、供給元から希釈溶液として供給され得る。明記されている量は、別途指定されない限り、活性物質の重量%を表す。
【0161】
【表1】
【0162】
【表2】
【0163】
【表3】
1.ココイルグルタミン酸二ナトリウム、Eversoft(商標)UCS−50SG、40%活性物質、Sino−Lion製
2.ラウレススルホコハク酸二ナトリウム、Chemccinate(商標)DSLS、Lubrizol製
3.ラウラミドプロピルベタイン、Mackam(登録商標)DAB、35.0%活性物質、Solvay製
4.ポリクオタニウム6、PolyDADMAC、M.Wt.:150,000、CD:6.2、Mirapol(登録商標)100s、31.5%活性物質、Solvay製
5.グアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウム、Jaguar(登録商標)Optima、Solvay製、M.Wt.:500,000g/モル及び1.25meq/gの電荷密度5
6.カッシアヒドロキシプロピル塩化トリモニウム、ClearHance(商標)−C、Ashland製、M.Wt.:700,000g/モル
7.DowからのVersene(商標)220、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム四水和物
8.InnospecからのNatrlquest E30、エチレンジアミンジコハク酸三ナトリウム
9.安息香酸ナトリウム、Emerald Kalama Chemical製
10.Kathon(商標)CG、メチルクロロイソチアゾリノン及びメチルイソチアゾリノン、Dow製
11.DL−パンテノール 50L、DSM Nutritional Products製
12.D/DIパンテニルエーテル、DSM Nutritional Products製
13.ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、Iselux(登録商標)、Innospec製
14.Belsil(登録商標)DM5500ジメチコノールエマルション、Wacker製
15.ピロクトンオラミン、Clariant Gmbh製
【0164】
表1、表2、及び表3について、相安定性を以下のように決定した。実施例を本明細書に記載のとおり調製した。実施例を透明なガラスジャーに入れた。キャップをジャーにねじ込み、手できつく締めた。実施例を、周囲温度(20〜25℃)で直射日光から離して14日間保管した。次いで、実施例を目視検査した。
【0165】
目視検出によって沈殿を含む相分離が存在せず、実施例が均質に見える場合、生成物は相安定であった。本明細書で使用するとき、「目視検出」とは、標準的な100ワットの白熱電球の照度に少なくとも等しい照明の下で、1メートルの距離から、ヒトの観察者が、肉眼(近視、遠視、若しくは乱視を補正するように適合させた標準的な矯正レンズ、又は他の矯正視力を例外とする)によって、実施例の品質を視覚的に識別できることを意味する。
【0166】
実施例A〜Oは、相安定であるので、比較例1〜9よりも消費者によって好まれ得る。実施例1〜9は、15%〜22.6%の全界面活性剤を含有し、これは、10%〜15%のココイルグルタミン酸二ナトリウム、及びカチオン性ポリマー(ポリクオタニウム−6、Jaguar(登録商標)Optima、及びClearance(商標)−C)を含む。実施例1〜9では、サルフェートフリーの界面活性剤は、カチオン性ポリマーと相互作用し、組成物は相に分離した。容器の底部に沈降した、液体中に形成されたより高度に粘稠なゲル/沈殿物が存在していた。この相分離は、いくつかの理由から望ましくない場合がある。まず、相分離は、製品の寿命全体にわたって、不均一な製品使用及び/又はばらつきのある性能につながり得る。更に、粒子は、エアロゾル式ディスペンサー又はポンプ式フォーマーを通してシャンプー組成物を分配するのを困難にすることがあり、更にはディスペンサーのオリフィスを詰まらせる可能性もある。
【0167】
実施例A〜Oは、5%〜15%のココイルグルタミン酸ナトリウムと、カチオン性ポリマー(ポリクオタニウム−6、Jaguar(登録商標)Optima、ClearHance(商標)−C、及びSLMI)を含む、20%〜30%の全界面活性剤を含有する。しかしながら、実施例1〜9とは異なり、実施例A〜Oは相安定性であり、エアロゾル式又はポンプ式フォーマーを通してより容易に分散させることができる。
【0168】
驚くべきことに、相安定性のために、グルタメートの全界面活性剤に対する重量比が重要であることが見出された。相安定である実施例A〜Oは、グルタメートの全界面活性剤に対する重量比が0.2〜0.5である。相安定ではない実施例1〜9は、グルタメートの全界面活性剤に対する重量比がより高く、0.55〜0.75の範囲である。
【0169】
組み合わせ:
A.コンパクトで安定なシャンプー組成物であって、
a.当該組成物の約0.05重量%〜約1重量%のカチオン性ポリマーと、
b.当該組成物の約20重量%〜約40重量%の界面活性剤系と、
を含み、当該界面活性剤系が、
i.当該組成物の約5重量%〜約20重量%のアシルグルタメートと、
ii.当該組成物の約5重量%〜約20重量%の、アニオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される共界面活性剤と、を含み、
当該シャンプー組成物が、サルフェート系界面活性剤を実質的に含まず、
アシルグルタメートの全界面活性剤に対する重量比が、0.55未満である、コンパクトで安定なシャンプー組成物。
B.コンパクトで安定なシャンプー組成物であって、
a.当該組成物の約0.1重量%〜約0.5重量%のカチオン性ポリマーと、
b.当該組成物の約20重量%〜約30重量%の界面活性剤系と、
を含み、当該界面活性剤系が、
i.当該組成物の約5重量%〜約15重量%のアシルグルタメートと、
ii.当該組成物の約5重量%〜約15重量%のアニオン性共界面活性剤と、
iii.双極性界面活性剤と、を含み、当該組成物が、当該組成物の約0重量%〜約10重量の双性イオン性共界面活性剤を含み、
当該シャンプー組成物が、サルフェート系界面活性剤を実質的に含まず、
アシルグルタメートの全界面活性剤に対する重量比が、約0.05〜約0.54である、コンパクトで安定な組成物。
C.コンパクトで安定なシャンプー組成物であって、
a.当該組成物の約0.05重量%〜約1重量%のカチオン性ポリマーと、
b.当該組成物の約20重量%〜約40重量%の界面活性剤系と、
を含み、当該界面活性剤系が、
i.当該界面活性剤系の約20重量%〜約50重量%のアシルグルタメートと、
ii.当該界面活性剤系の約15重量%〜約60重量%のアニオン性共界面活性剤と、
iii.当該界面活性剤系の約0重量%〜約40重量%の双極性イオン共界面活性剤と、を含み、
当該界面活性剤系が、当該界面活性剤系の約60重量%〜約100重量%のアニオン性界面活性剤を含み、
当該シャンプー組成物が、サルフェート系界面活性剤を実質的に含まず、
アシルグルタメートの全界面活性剤に対する重量比が、0.55未満である、コンパクトで安定なシャンプー組成物。
D.当該組成物の約20重量%〜約35重量%、好ましくは当該組成物の約20重量%〜約30重量%、より好ましくは当該組成物の約21重量%〜約26重量%の界面活性剤系を含む、段落A〜Cに記載のコンパクトで安定なシャンプー組成物。
E.当該組成物が、当該組成物の約5重量%〜約40重量%、好ましくは当該組成物の約8重量%〜約35重量%、より好ましくは当該組成物の約10重量%〜約30重量%、更により好ましくは当該組成物の約15重量%〜約30重量%の全アニオン性界面活性剤を含む、段落A〜Dに記載のコンパクトで安定なシャンプー組成物。
F.当該組成物が、当該組成物の約15重量%〜約25重量%、好ましくは当該組成物の約18重量%〜約22重量%の全アニオン性界面活性剤を含む、段落A〜Eに記載のコンパクトで安定なシャンプー組成物。
G.当該組成物が、当該組成物の20重量%未満、好ましくは当該組成物の約15重量%未満、より好ましくは当該組成物の約13重量%未満、更により好ましくは当該組成物の約10重量%未満のアシルグルタメートを含む、段落A〜Fに記載のコンパクトで安定なシャンプー組成物。
H.当該組成物が、当該組成物の約3重量%〜約19重量%、好ましくは当該組成物の約4重量%〜約17重量%、より好ましくは当該組成物の約5重量%〜約15重量%のアシルグルタメートを含む、段落A〜Gに記載のコンパクトで安定なシャンプー組成物。
I.当該組成物が、当該界面活性剤系の約66重量%〜約100重量%、好ましくは当該界面活性剤系の約70重量%〜約98重量%、より好ましくは当該界面活性剤系の約80重量%〜約92重量%の全アニオン性界面活性剤を含む、段落A〜Hに記載のコンパクトで安定なシャンプー組成物。
J.当該組成物が、当該組成物の約1重量%〜約12重量%、好ましくは当該組成物の約2重量%〜約10重量%、より好ましくは当該組成物の約5重量%〜約7.5重量%の双極性界面活性剤を含む、段落A〜Iに記載のコンパクトで安定なシャンプー組成物。
K.アシルグルタメートの全界面活性剤に対する比が、0.54未満、好ましくは0.53未満、より好ましくは0.52未満、更により好ましくは0.51未満である、段落A〜Jに記載のコンパクトで安定なシャンプー組成物。
L.アシルグルタメートの全界面活性剤に対する比が、0.50以下である、段落A〜Kに記載のコンパクトで安定なシャンプー組成物。
M.アシルグルタメートの全界面活性剤に対する比が、約0.05〜約0.54、好ましくは約0.1〜約0.53、より好ましくは約0.15〜約0.51、更により好ましくは約0.20〜約0.50である、段落A〜Lに記載のコンパクトで安定なシャンプー組成物。
N.アシルグルタメートの全界面活性剤に対する比が、約0.25〜約0.45、好ましくは約0.30〜約0.40である、段落A〜Mに記載のコンパクトで安定なシャンプー組成物。
O.アニオン性界面活性剤の双極性界面活性剤に対する重量比が、約1:1〜約15:1、好ましくは約3:2〜約11:1、更により好ましくは約4:1〜約11:1である、段落A〜Nに記載のコンパクトで安定なシャンプー組成物。
P.当該組成物が、当該組成物の約50重量%〜約95重量%、好ましくは当該組成物の約60重量%〜約85重量%、より好ましくは約65重量%〜約80重量%の液体担体を更に含む、段落A〜Oに記載のコンパクトで安定なシャンプー組成物。
Q.当該組成物が液体担体を更に含み、当該液体担体が水を含む、段落A〜Pに記載のコンパクトで安定なシャンプー組成物。
R.当該アシルグルタメートが、ココイルグルタミン酸二ナトリウムを含む、段落A〜Qに記載のコンパクトで安定なシャンプー組成物。
S.当該アニオン性共界面活性剤が、ラウレススルホコハク酸二ナトリウムを含む、段落A〜Rに記載のコンパクトで安定なシャンプー組成物。
T.当該双極性共界面活性剤が、コカミドプロピルベタイン(CAPB)、ラウラミドプロピルベタイン(LAPB)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、段落A〜Sに記載のコンパクトで安定なシャンプー組成物。
U.当該組成物が、当該組成物の約0.05重量%〜約1重量%、好ましくは当該組成物の0.1重量%〜約0.5重量%のカチオン性ポリマーを含む、段落A〜Tに記載のコンパクトで安定なシャンプー組成物。
V.当該シャンプー組成物が、本明細書に記載のコーン/プレート粘度測定によって測定したとき、2000s−1の一定剪断速度及び26.5℃の温度で、約1cP〜約3000cP、好ましくは約2cP〜約2000cP、より好ましくは約5cP〜約1500cP、更により好ましくは約10cP〜約1000cPの粘度を有する、段落A〜Uに記載のコンパクトで安定なシャンプー組成物。
W.当該シャンプー組成物が、本明細書に記載のコーン/プレート粘度測定によって測定したとき、2000s−1の一定剪断速度及び26.5℃の温度で、約10cP〜約500cP、好ましくは約20cP〜約100cPの粘度を有する、段落A〜Vに記載のコンパクトで安定なシャンプー組成物。
X.当該シャンプー組成物が、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、アルコール、グリセリン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される減粘剤を実質的に含まない、段落A〜Wに記載のコンパクトで安定なシャンプー組成物。
Y.当該シャンプー組成物が、アクリレートポリマー及びコポリマー、キサンタンガム、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される増粘剤を実質的に含まない、段落A〜Xに記載のコンパクトで安定なシャンプー組成物。
Z.当該シャンプー組成物が、約2〜約10、好ましくは約4〜約8、より好ましくは約5〜約7のpHを有する、段落A〜Yに記載のコンパクトで安定なシャンプー組成物。
AA.当該シャンプー組成物が、シリコーンコンディショニング剤、有機コンディショニング材料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるコンディショニング剤を更に含む、段落A〜Zに記載のコンパクトで安定なシャンプー組成物。
BB.当該シャンプー組成物が、ピロクトンオラミン、ピリジンチオン塩、アゾール(例えば、ケトコナゾール、エコナゾール、及びエルビオール)、硫化セレン、粒子状硫黄、サリチル酸、ジンクピリチオン、及びこれらの混合物からなる群から選択されるフケ防止活性物質を更に含む、段落A〜AAに記載のコンパクトで安定なシャンプー組成物。
CC.毛髪を処理する方法であって、
a.段落A〜BBに記載の安定なシャンプー組成物を毛髪に塗布する工程であって、当該シャンプー組成物が適用量の泡としてエアロゾル式フォームディスペンサー又はポンプ式フォームディスペンサーから分配される、工程と、
b.ヘアケア組成物をすすぐ工程と、
c.任意選択的に、第2のヘアケア組成物を毛髪に塗布する工程と、を含む、方法。
DD.当該シャンプー組成物が、エアロゾル式ディスペンサーから泡として分配され、当該シャンプー組成物が、当該組成物の約2重量%〜約10重量%の噴射剤、好ましくは当該組成物の約3重量%〜約8重量%の噴射剤、より好ましくは当該組成物の約4重量%〜約7重量%の噴射剤を更に含む、段落CCに記載の方法。
EE.当該噴射剤が、プロパン、n−ブタン、イソブタン、シクロプロパン、及びこれらの混合物、並びにジクロロジフルオロメタン、1,1−ジクロロ−1,1,2,2−テトロフルオロエタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロ−2,2−トリフルオロエタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロエチレン、1,1−ジフルオロエタン、ジメチルエーテル、モノクロロジフルオロメタン、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO 1234ze、Honeywellから入手可能)、及びこれらの組み合わせなどのハロゲン化炭化水素からなる群から選択される、段落DDに記載の方法。
FF.当該噴射剤が、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含む、段落DDに記載の方法。
GG.当該泡が、約0.02g/cm〜約0.2g/cm、好ましくは約0.025g/cm〜約0.15g/cm、より好ましくは約0.05g/cm〜約0.15g/cmの密度を有する、段落CC〜FFに記載の方法。
HH.段落A〜HHに記載のシャンプー組成物を安定化させるための、全界面活性剤に対する重量比が0.55未満のアシルグルタメートの使用。
II.当該泡が、段落A〜HHに記載のシャンプー組成物を含む、泡の適用量。
JJ.当該泡の適用量が、約5cm〜約150cm、好ましくは約15cm〜約150cm、より好ましくは約30cm〜約150cmの体積を含む、段落IIに記載の泡の適用量。
KK.当該泡の適用量が、約5cm〜約90cm、好ましくは約20cm〜約70cm、より好ましくは約30cm〜約70cmの体積を含む、段落EEに記載の泡の適用量。
LL.当該界面活性剤系が、サルフェート系界面活性剤を含まない、段落A〜BBに記載の組成物。
【0170】
本明細書にて開示された寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0171】
相互参照される又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとは見なされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような発明全てを教示、示唆又は開示するとは見なされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0172】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図されている。